JP2023081698A - 磁気軸受、その製造方法、およびモータ - Google Patents

磁気軸受、その製造方法、およびモータ Download PDF

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Abstract

【課題】磁気軸受としての十分な反発力を得ることのできる磁気軸受等を提供すること。【解決手段】実施形態の磁気軸受は、一方の軸受部材の対向面が凹状の受け面を有し、他方の軸受部材の対向面が凸状の受け面を有し、相互の前記受け面が同じ極性を有するように磁化された磁気軸受である。前記磁化の方向は、前記凹状の受け面および前記凸状の受け面のそれぞれの法線方向に一致している。【選択図】図16

Description

本発明は、磁気軸受、その製造方法、およびモータに関する。
従来、永久磁石の磁極の反発力を利用した軸受部材が知られている(例えば、特許文献1等を参照)。特許文献1に記載された軸受部材は、各軸受部材の対向面が同じ磁極を有するように、軸方向の磁界が与えられて磁化され、永久磁石とされている。
軸受部材は、その対向面にスラスト荷重とラジアル荷重との双方の荷重が受けられる受け面が形成されるものであるから、その成形が容易である永久磁石であることが要求される。そのため、合成樹脂と磁性材粉末との混合物が加圧成形されて永久磁石とされた、いわゆる合成樹脂磁石が用いられている。
実公昭60-14015号公報
特許文献1に記載された磁気軸受において、円錐台形や球面の対向面には、磁化された軸受部材の磁界の強さに応じた反発力が作用するが、反発力の強さは対向面相互間の軸方向の重なり長さと一定の関係がある。重なり長さが一定限度以上になると同磁極間の反発力よりも他方の端面に磁化されている異磁極相互の吸引力が大きくなって所要の反発力を得ることができなくなるため、一方の軸受部材の受面の軸方向の重なり長さが、他方の軸受部材の軸方向長さの40%以下に規制されている。このため、軸受部材の対向面積が十分に確保されず、磁気軸受としての十分な反発力が得られないという問題がある。
また、軸受材料である永久磁石は、合成樹脂磁石であり、磁性材粉末(磁石粉末)は必要に応じて50ないし90%添加されて、成形と磁化とが行われている。このような合成樹脂磁石は、成形性に優れるが、合成樹脂と磁性材粉末(磁石粉末)との混合物のため、磁性材粉末(磁石粉末)からなる焼結磁石に比べて磁気特性が低く、軸受部材が小型化された場合、十分な磁界強度を得られないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、磁気軸受としての十分な反発力を得ることのできる磁気軸受等を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る磁気軸受は、一方の軸受部材の対向面が凹状の受け面を有し、他方の軸受部材の対向面が凸状の受け面を有し、相互の前記受け面が同じ極性を有するように磁化された磁気軸受である。前記磁化の方向は、前記凹状の受け面および前記凸状の受け面のそれぞれの法線方向に一致している。
本発明の一態様に係る磁気軸受は、磁気軸受としての十分な反発力を得ることができる。
図1は、一実施形態にかかる磁気軸受の製造方法の工程の例を示すフローチャートである。 図2は、第1金型に磁石粉末が充填された状態を示す断面図である。 図3は、第1金型に上パンチがセットされた状態を示す断面図である。 図4は、第1金型が焼結装置にセットされた状態を示す断面図である。 図5は、焼結磁石体の斜視図である。 図6は、第2金型に焼結磁石体がセットされた状態を示す断面図である。 図7は、パンチが焼結磁石体に接触した状態の断面図である。 図8は、第2金型が焼結装置にセットされた状態を示す断面図である。 図9は、熱間加工磁石の軸方向および配向方向を示す断面図である。 図10は、熱間加工磁石が着磁装置にセットされた状態を示す断面図である。 図11は、熱間加工磁石の軸方向および磁化方向を示す断面図である。 図12は、他の例の第2金型に焼結磁石体がセットされた状態を示す断面図である。 図13は、他の例の第2金型が焼結装置にセットされた状態を示す断面図である。 図14は、熱間加工磁石の軸方向および配向方向を示す断面図である。 図15は、二つの磁気軸受によりシャフトが支持される例を示す断面図である。 図16は、一方の磁気軸受の構造の詳細を示す断面図である。
以下、実施形態に係る磁気軸受、その製造方法、およびモータについて図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
図1は、一実施形態にかかる磁気軸受の製造方法の工程の例を示すフローチャートである。なお、以下の製造方法の工程は、作業者の人手により行われるか、制御装置(コンピュータ装置)の制御により動作するロボット機構等により行われるか、両者の組み合わせによって行われる。
図1において、作業者または制御装置は、先ず磁石粉末として、R-T-B系磁石粉末を準備する(ステップS1)。R-T-B系磁石粉末を構成するR-T-B(ホウ素)系磁石は次のようなものである。R-T-B系磁石は、三元系正方晶化合物であるR14B相(例えばNdFe14B型化合物相)を主相として含む。また、R-T-B系磁石は、通常Rリッチ相などをさらに含む。Rは、Ndおよび/またはPrを含む希土類元素を表す。いいかえると、Rは、Ndおよび/またはPrを必須成分として含む。希土類元素としては、ネオジム(Nd)およびプラセオジム(Pr)の他、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)が挙げられる。NdおよびPr以外の希土類元素は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。具体的には、Rとしては、Ndのみが用いられてもよく、Prのみが用いられてもよく、NdおよびPrのみが用いられてもよい。また、Ndと、NdおよびPr以外の希土類元素が用いられてもよく、Prと、NdおよびPr以外の希土類元素が用いられてもよく、NdおよびPrと、NdおよびPr以外の希土類元素とが用いられてもよい。Rとして、少なくともNdが用いられることが好ましい。Tは、Fe、またはFeおよびCoを表す。このように、Tは、Feのみであってもよく、一部がCoで置換されていてもよい。Tの合計量を100原子%としたときに、Feを50原子%以上の量で含むことが好ましい。
R-T-B系磁石は、その他の元素を含んでいてもよい。その他の元素としては、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)が挙げられる。その他の元素は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。R-T-B系磁石において、Rは、12原子%以上16原子%以下の量で含まれることが好ましい。Bは、6原子%以上8原子%以下の量で含まれることが好ましい。また、上述したその他の元素を含むときは、その他の元素は、合計で0原子%を超え3原子%以下の量で含まれることが好ましい。なお、ここで、残部は、Tと、不可避的に含まれる元素との合計量である。
ここでは、R-T-B系磁石として、例えばNdFe14Bを主相とするNd-Fe-B系合金が用いられたNd-Fe-B系磁石を例として、そのための磁石粉末とする。
作業者または制御装置は、例えば超急冷法(メルトスパン法)により、磁石粉末を製造する。具体的には、作業者または制御装置は、Nd-Fe-B系合金を、減圧下またはアルゴン雰囲気中で、高周波誘導加熱して溶解させる。次に、溶解させた合金の溶湯を回転ロール上に噴射して超急冷(高速冷却)して、リボン状の薄帯片を作製する。次に、この薄帯片を粉砕する。例えば薄帯片を数mmから数十mm程度に破断した後、粉砕機などで粉砕することが好ましい。この薄帯片を粉砕して粉砕粉末を得る。
次いで、作業者または制御装置は、リボン状の薄帯片を粉砕して粉砕粉末を得た後、これに熱処理を行い、磁石粉末を得る。この段階では、磁石粉末の各結晶粒の磁化容易軸の方向が一方向に揃っていないため、磁気的に等方性である。なお、磁石粉末の実際の製造に代え、予め製造された磁石粉末を代用することができる。例えば、超急冷法にて作製されたNd-Fe-B系の薄帯が粉砕されて磁気的に等方性とされたNd-Fe-B系磁石粉末がマグネクエンチ社から提供されている。
次いで、作業者または制御装置は、第1金型(第1の金型)110を準備する(ステップS2)。第1金型110は、図2~図4に示されるように、中空円筒状のダイス121と、ダイス121の内側に挿入される中空円筒状の上パンチ141および下パンチ142と、上パンチ141および下パンチ142の内側に配置される円柱状のコア131とから構成されている。ダイス121、上パンチ141、下パンチ142およびコア131は、導電材(例えば、グラファイト、超硬合金等)で形成されている。
次いで、図1に戻り、作業者または制御装置は、第1金型110に磁石粉末(Nd-Fe-B系磁石粉末)401を充填し、焼結装置(SPS装置:放電プラズマ焼結装置)100にセットして焼結し、第1金型110から焼結磁石体(ホットプレス磁石体)402を取り出す(ステップS3)。
図2は、第1金型110に磁石粉末401が充填された状態を示す断面図である。すなわち、下パンチ142とダイス121とコア131とによって形成されたキャビティに、熱処理が行われた所定の粒度分布を有する磁石粉末401が充填された状態が図2である。図3は、第1金型110に上パンチ141がセットされた状態を示す断面図である。キャビティに充填された磁石粉末401は、上パンチ141によって押圧される。
図4は、第1金型110が焼結装置100にセットされた状態を示す断面図である。すなわち、上パンチ141の上端には上側電極151が配置され、下パンチ142の下端には下側電極152が配置されている。上側電極151および下側電極152は、導電材(例えば、グラファイト、超硬合金等)で形成されている。焼結装置100には、上側電極151と下側電極152との間に所定の電圧を印加して、所定の電流を供給する電源装置と制御装置とが含まれている。
図4において、第1金型110のキャビティに充填された磁石粉末401は、上側電極151と下側電極152との間に加えられる圧力により、上パンチ141と下パンチ142とにより加圧される。また、上側電極151から上パンチ141に電流が流れ、それがダイス121、コア131および磁石粉末401に流れ、下パンチ142を介して下側電極152に流れることで、ジュール熱が発生するとともに、磁石粉末401内において放電プラズマが発生することで、磁石粉末401が加熱される。例えば、30~50MPaで加圧されながら、600~700°Cまで加熱される(ホットプレス)。また、焼結は減圧下、不活性雰囲気中が良く、具体的にはアルゴンや窒素雰囲気中が好ましい。
加熱の後、電流が遮断され、冷却される。所定温度まで冷却された後、焼結装置100から第1金型110が取り出され、磁石粉末401の焼結によって形成されたリング状の焼結磁石体402が第1金型110から取り出される。図5は、焼結磁石体402の斜視図である。リング状の焼結磁石体402は、その相対密度が約90%であり、その結晶粒の磁化容易軸の配向はランダムで、磁気的に等方性である。
次に、図1に戻り、作業者または制御装置は、第2金型(第2の金型)210を準備する(ステップS4)。なお、第2金型210の準備は第1金型110の準備と並行して行われるものでもよいし、第1金型110の準備よりも先に行われるものでもよい。
第2金型210は、図6~図8に示されるように、凹状の円錐面を有するダイス221と、ダイス221と対向する凸状の円錐面を有するパンチ231とから構成されている。ダイス221およびパンチ231は、導電材(例えば、グラファイト、超硬合金等)で形成されている。
次に、図1に戻り、作業者または制御装置は、第2金型210に焼結磁石体402をセットし、第2金型210を焼結装置200にセットして熱間塑性加工を行い、第2金型210から熱間加工磁石403を取り出す(ステップS5)。
図6は、第2金型210に焼結磁石体402がセットされた状態を示す断面図である。図7は、パンチ231が焼結磁石体402に接触した状態の断面図である。図8は、第2金型210が焼結装置200にセットされた状態を示す断面図である。
図8において、パンチ231の上端には上側電極241が配置され、ダイス221の下端には下側電極242が配置されている。上側電極241および下側電極242は、導電材(例えば、グラファイト、超硬合金等)で形成されている。焼結装置200には、上側電極241および下側電極242との間に所定の電圧を印加して、所定の電流を供給する電源装置と制御装置とが含まれている。焼結装置200は、前述の焼結装置100を兼用してもよいし、別の装置としてもよい。
図8において、第2金型210のダイス221とパンチ231との間に配置された焼結磁石体402は、上側電極241と下側電極242との間に加えられる圧力により、ダイス221とパンチ231とにより加圧される。また、上側電極241→パンチ231→焼結磁石体402→ダイス221→下側電極242の経路で電流が流れることで発生する放電プラズマおよびジュール熱により加熱される。熱間塑性加工は、30~100MPaで圧力が印加された後、加熱が開始され、例えば600°C以上700°C以下に加熱されながら加圧される。加熱の際には、具体的には、焼結磁石体402に対してON-OFF直流パルス通電が行われる。熱間塑性加工中は、加工速度が大きくならないよう、好ましくは加工速度が一定になるよう、圧力が調整されることが望ましい。また、熱間塑性加工は、減圧下または不活性雰囲気中、具体的にはアルゴン、窒素雰囲気中で行われることが好ましい。熱間塑性加工は、変位がモニターされながら、変位が始まってから変位が完了するまで行われることが好ましい。ここで、変位のモニターについては、通常、圧力制御しているサーボモータの変位量がモニタリングされている。
熱間塑性加工による熱間加工磁石の結晶粒は扁平形状を有し、結晶粒の磁化容易軸が該結晶粒の扁平面に対し垂直方向に向いている。超急冷法による薄帯作製時の結晶粒は、等方的な形状であるが、熱間塑性加工によって結晶粒は扁平形状に粒成長し、機械的に加圧方向に粒子の扁平面がそろう。つまり、加圧方向と磁化容易軸がそろうことを意味している。このため、焼結磁石体402は、加熱されながら加圧されることで、ダイス221およびパンチ231の円錐面に沿って伸びる変形をし、変形方向TDは図示の方向(円錐面に対応する円錐の頂点と底面の外周円上の点とを結ぶ直線の方向)となる。つまり、磁石内の結晶粒の磁化容易軸は配向方向ODと一致し、熱間加工磁石(熱間塑性加工により焼結磁石体402が熱間加工磁石に変化)の厚み方向に磁化容易軸がそろう。そのため、焼結磁石体402の円錐面の法線方向に配向、つまり円錐方向に結晶粒の磁化容易軸がそろう。なお、熱間加工磁石は、いわゆる熱間押出加工によって、異方性磁石を作製する製造方法が応用されたものである。
焼結装置200は、加熱の後、電流が遮断され、冷却される。所定温度まで冷却された後、焼結装置200から第2金型210が取り出され、焼結磁石体402から熱間塑性加工により得られた円錐形状の熱間加工磁石403が第2金型210から取り出される。図9は、熱間加工磁石403の軸方向ADおよび配向方向ODを示す断面図である。熱間塑性加工で得られた熱間加工磁石403は、その相対密度がほぼ真密度であり、磁気特性が高い。
次に、図1に戻り、作業者または制御装置は、熱間加工磁石403の表面に、必要に応じて防錆処理膜を形成する(ステップS6)。
次に、作業者または制御装置は、熱間加工磁石403を着磁する(ステップS7)。図10は、熱間加工磁石403が着磁装置300にセットされた状態を示す断面図である。着磁装置300は、空芯コイル311と、空芯コイル311に所定のパルス電流を供給する電源321とを備えている。熱間加工磁石403は、空芯コイル311に供給されるパルス電流により着磁される。すなわち、熱間加工磁石403は、凹状の円錐面の法線方向に配向しているため(図9)、着磁は配向方向ODに倣う結果、凹状の円錐面の法線方向に着磁、つまり磁化される。図11は、熱間加工磁石403の軸方向ADおよび磁化方向MDを示す断面図である。
ここまでは、熱間塑性加工される前の焼結磁石体402として、図5に示されるような円筒状のものについて述べられてきたが、外周縁がテーパ状に切り欠かれていたり、全体がドーナツ状とされていたりしてもよい。これにより、図7のように焼結磁石体402の外周の角がダイス221の円錐面に接触する場合よりもソフトに接触することになり、熱間塑性加工が円滑に行われる。
また、ここまでは、熱間塑性加工される前の焼結磁石体402として、図5に示されるようなリング状(上述の外周縁がテーパ状、全体がドーナツ状の場合を含む)のものについて述べられてきたが、リング状に限定されず、円板状であっても構わない。この場合、中央に孔のない熱間加工磁石が得られるものとしてもよいし、パンチによって熱間加工磁石の中央に孔が設けられるようにしてもよい。
また、ここまでは、円錐形状の熱間加工磁石403の製造について述べられてきたが、円錐形状に代えて球面形状とすることもできる。図12は、他の例の第2金型210に焼結磁石体402がセットされた状態を示す断面図である。図13は、他の例の第2金型210が焼結装置200にセットされた状態を示す断面図である。図14は、熱間加工磁石404の軸方向ADおよび配向方向ODを示す断面図である。図12および図13において、ダイス222の内面は球面形状に形成されており、パンチ232の先端も球面形状に形成されている。
また、一つの磁気軸受には対向する二つの軸受部材(着磁された円錐形状または球面形状の熱間加工磁石による永久磁石)、すなわち、凹状の受け面を有する軸受部材と、凸状の受け面を有する軸受部材とが必要であるため、サイズが変えられた軸受部材が、前述と同様の工程により製造される。なお、凹状の受け面と凸状の受け面の対向面が同じ極性になるように着磁(磁化)が行われる。
次に、図1に戻り、作業者または制御装置は、着磁された熱間加工磁石403を用いて磁気軸受を作成する(ステップS8)。
図15は、二つの磁気軸受510、520によりシャフト601が支持される例を示す断面図である。図16は、一方の磁気軸受510の構造の詳細を示す断面図である。シャフト601は、例えば、モータのシャフトであり、シャフト601にロータが固定され、ロータに所定のギャップを介してステータが対向配置されることで、モータが構成される。モータは、例えば、ファンモータのモータとして構成される。また、円錐形状の熱間加工磁石が軸受部材として用いられる例について図示されているが、球面形状の熱間加工磁石が軸受部材に用いられてもよいことは言うまでもない。
図16において、軸受部材512と軸受部材514は、着磁された熱間加工磁石403(図11)による永久磁石である。軸受部材512は、非磁性材から形成される軸受部材保持部材511の内側の円錐面に接着剤で接着されている。軸受部材514は、非磁性材から形成される略円錐台状のスリーブ513の外側の円錐面に接着剤で接着されている。シャフト601の端部は、スリーブ513の中央に形成された円形の凹部に圧入されて結合されている。
スリーブ513および軸受部材514が軸受部材保持部材511および軸受部材512の内側に配置された状態で、軸受部材保持部材511の上端は、中央に孔が設けられた円板状の蓋板515により塞がれ、その周囲はカシメ固着部511aにより固定される。蓋板515の軸受部材514との対向面には、ドーナツ状の保護ラバー516が貼着されている。ドーナツ状の保護ラバー516は、軸受部材514が蓋板515と直接に接触することを防止するために配置されている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
以上のように、実施形態に係る磁気軸受は、一方の軸受部材の対向面が凹状の受け面を有し、他方の軸受部材の対向面が凸状の受け面を有し、相互の受け面が同じ極性を有するように磁化された磁気軸受において、磁化の方向は、凹状の受け面および凸状の受け面のそれぞれの法線方向に一致している。これにより、磁気軸受としての十分な反発力を得ることができる。すなわち、磁化の方向が受け面の法線方向となるため、反発力が高められる。
また、軸受部材は、Nd-Fe-B系磁石粉末から焼結、熱間塑性加工および着磁を経た永久磁石により形成され、永久磁石の結晶粒の磁化容易軸が、凹状の受け面および凸状の受け面のそれぞれの法線方向に一致する。これにより、永久磁石の相対密度がほぼ真密度であることから、磁気特性が高く、反発力が高められる。
また、一方の軸受部材は、凹状の円錐形状を有し、他方の軸受部材は凸状の円錐形状を有する。これにより、軸受部材の具体的な形状が規定される。
また、一方の軸受部材は、凹状の球面形状を有し、他方の軸受部材は凸状の球面形状を有する。これにより、軸受部材の具体的な形状が規定される。
また、超急冷法にて作製されたNd-Fe-B系磁石粉末を第1の金型に充填する工程と、第1の金型を焼結装置にセットし、充填されたNd-Fe-B系磁石粉末を加圧および加熱してホットプレス焼結体を作製する工程と、ホットプレス焼結体を第2の金型にセットする工程と、第2の金型を焼結装置にセットし、加圧および加熱してホットプレス焼結体に熱間塑性加工を施し、対向面が凹状の受け面または凸状の受け面を備えた熱間加工磁石を作製する工程と、熱間加工磁石を着磁装置にて着磁し、凹状の受け面または凸状の受け面に対して法線方向に磁化する工程と、を備える。これにより、磁気軸受の製造方法が提供される。
また、対向面が凹状の受け面または凸状の受け面は円錐形状である。これにより、対向面の具体的な形状が規定される。
また、対向面が凹状の受け面または凸状の受け面は球面形状である。これにより、対向面の具体的な形状が規定される。
また、上記の磁気軸受を備えたモータとすることができる。これにより、モータの性能が高められる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
100 焼結装置,110 第1金型,121 ダイス,131 コア,141 上パンチ,142 下パンチ,151 上側電極,152 下側電極,200 焼結装置,210 第2金型,221、222 ダイス,231、232 パンチ,241 上側電極,242 下側電極,300 着磁装置,311 空芯コイル,321 電源,401 磁石粉末,402 焼結磁石体,403、404 熱間加工磁石,510、520 磁気軸受,511 軸受部材保持部材,511a カシメ固着部,512 軸受部材,513 スリーブ,514 軸受部材,515 蓋板,516 保護ラバー,601 シャフト

Claims (8)

  1. 一方の軸受部材の対向面が凹状の受け面を有し、他方の軸受部材の対向面が凸状の受け面を有し、相互の前記受け面が同じ極性を有するように磁化された磁気軸受において、
    前記磁化の方向は、前記凹状の受け面および前記凸状の受け面のそれぞれの法線方向に一致している、
    磁気軸受。
  2. 前記軸受部材は、Nd-Fe-B系磁石粉末から焼結、熱間塑性加工および着磁を経た永久磁石により形成され、前記永久磁石の結晶粒の磁化容易軸が、前記凹状の受け面および前記凸状の受け面のそれぞれの法線方向に一致する、
    請求項1に記載の磁気軸受。
  3. 前記一方の軸受部材は、凹状の円錐形状を有し、前記他方の軸受部材は凸状の円錐形状を有する、
    請求項1または2に記載の磁気軸受。
  4. 前記一方の軸受部材は、凹状の球面形状を有し、前記他方の軸受部材は凸状の球面形状を有する、
    請求項1または2に記載の磁気軸受。
  5. 超急冷法にて作製されたNd-Fe-B系磁石粉末を第1の金型に充填する工程と、
    前記第1の金型を焼結装置にセットし、前記充填されたNd-Fe-B系磁石粉末を加圧および加熱してホットプレス焼結体を作製する工程と、
    前記ホットプレス焼結体を第2の金型にセットする工程と、
    前記第2の金型を焼結装置にセットし、加圧および加熱して前記ホットプレス焼結体に熱間塑性加工を施し、対向面が凹状の受け面または凸状の受け面を備えた熱間加工磁石を作製する工程と、
    前記熱間加工磁石を着磁装置にて着磁し、前記凹状の受け面または凸状の受け面に対して法線方向に磁化する工程と、
    を備える磁気軸受の製造方法。
  6. 前記対向面が凹状の受け面または凸状の受け面は円錐形状である、
    請求項5に記載の磁気軸受の製造方法。
  7. 前記対向面が凹状の受け面または凸状の受け面は球面形状である、
    請求項5に記載の磁気軸受の製造方法。
  8. 請求項1~4のいずれか一つに記載の磁気軸受を備えた、
    モータ。
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