JP2023081487A - インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク収容容器 - Google Patents

インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク収容容器 Download PDF

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Abstract

【課題】 VOC発生を低減可能であり、且つ画質、吐出安定性、及び保存安定性の全てに優れるインクジェット記録用水性インクを提供する。【解決手段】 本発明のインクジェット記録用水性インクは、着色剤、水、浸透剤、及び湿潤剤を含み、前記浸透剤は、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEHE)を含み、前記湿潤剤は、SP値が12~14の湿潤剤を含み、SP値が12~14の前記湿潤剤の配合量(A)と、前記DEHEの配合量(B)との比率(A/B)が2.5以上であることを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク収容容器に関する。
吐出安定性と画質を両立させるために、浸透剤として1,2-ヘキサンジオールを含むインクジェット記録用水性インクが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-199790号公報
地球環境保護の観点から、VOC(揮発性有機化合物)の発生を低減することが求められている。しかしながら、1,2-ヘキサンジオールは、標準沸点が223~224℃であるため、VOCが発生しやすいという問題がある。
また、VOC発生の低減を目的に、1,2-ヘキサンジオールに代えて、標準沸点が高い浸透剤を用いた場合には、インクジェット記録用水性染料インクによる記録物の画質が低下したり、インクジェットヘッドのノズルから連続的に吐出するときの安定性(吐出安定性)が低下したり、保存安定性が低下したりすることがある。
そこで、本発明は、VOC発生を低減可能であり、且つ画質、吐出安定性、及び保存安定性の全てに優れるインクジェット記録用水性インクを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録用水性インクは、
着色剤、水、浸透剤、及び湿潤剤を含み、
前記浸透剤は、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEHE)を含み、
前記湿潤剤は、SP値が12~14の湿潤剤を含み、
SP値が12~14の前記湿潤剤の配合量(A)と、前記DEHEの配合量(B)との比率(A/B)が2.5以上であることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、着色剤と、水と、特定の浸透剤と、特定の湿潤剤とを含むことで、VOC発生を低減可能であり、且つ画質、吐出安定性(再分散性)、及び保存安定性に優れる。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す概略斜視図である。
本発明において、水性インクの「再分散性」とは、例えば、水性インクが一度蒸発乾固し、固形物が生じた後、新たに水性インクに接触した際の前記固形物の溶解性又は分散性を意味する。再分散性が悪いと、例えば、インクジェットヘッドで水性インクが加熱され、蒸発乾固することで固形物が生じた後に、新たに水性インクと接触しても前記固形物が溶解又は分散せず、吐出不良の原因となる。
本発明において、「質量」という場合は、特に断らない限り「重量」と読み替えてもよいものとする。例えば、「質量比」は、特に断らない限り「重量比」と読み替えてもよく、「質量%」は、特に断らない限り「重量%」と読み替えてもよいものとする。
本発明において、彩度(C)は、例えば、1976年に国際照明委員会(CIE)で規格化されたL表色系(CIE1976(L)表色系)に基づくa及びbから、下記式により算出されるものである(JIS Z 8729参照)。

={(a2)+(b2)}1/2
本発明のインクジェット記録用水性インク(以下、「水性インク」又は「インク」と言うことがある。)について説明する。本発明の水性インクは、着色剤と、水と、浸透剤と、湿潤剤とを含む。
前記着色剤は、顔料又は染料のいずれであってもよい。また、前記着色剤として、顔料及び染料を混合して用いてもよい。
前記顔料は、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、無機顔料及び有機顔料等があげられる。前記カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等があげられる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄系無機顔料及びカーボンブラック系無機顔料等をあげることができる。前記有機顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料;フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料;塩基性染料型レーキ顔料、酸性染料型レーキ顔料等の染料レーキ顔料;ニトロ顔料:ニトロソ顔料;アニリンブラック昼光蛍光顔料;等があげられる。また、その他の顔料であっても水相に分散可能なものであれば使用できる。これらの顔料の具体例としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、6及び7;C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、15、16、17、55、74、78、150、151、154、180、185及び194;C.I.ピグメントオレンジ31及び43;C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、12、15、16、48、48:1、53:1、57、57:1、112、122、123、139、144、146、149、150、166、168、175、176、177、178、184、185、190、202、209、221、222、224及び238;C.I.ピグメントバイオレット19及び196;C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、22及び60;C.I.ピグメントグリーン7及び36;並びにこれらの顔料の固溶体等があげられる。本発明の水性インクは、前記顔料を分散剤で水に分散させたものであってもよい。前記分散剤としては、例えば、一般的な高分子分散剤(顔料分散用樹脂、樹脂分散剤)等を用いてよく、自家調製してもよい。また、本発明の水性インクにおいて、前記顔料は、高分子によりカプセル化されたものであってもよい。
前記顔料分散用樹脂を用いた前記顔料の分散方法としては、例えば、分散装置を使用して顔料を分散させることがあげられる。前記顔料の分散に使用する分散装置は、一般的な分散機であれば特に限定はされないが、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル(例えば、高速型)等があげられる。
前記顔料は、自己分散型顔料であってもよい。前記自己分散型顔料は、例えば、顔料粒子にカルボニル基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性官能基及びこれらの塩の少なくとも一種が、直接又は他の基を介して化学結合により導入されていることによって、分散剤を使用しなくても水に分散可能なものである。前記自己分散型顔料は、例えば、特開平8-3498号公報、特表2000-513396号公報、特表2008-524400号公報、特表2009-515007号公報、特表2011-515535号公報等に記載の方法によって顔料が処理されたものを用いることができる。前記自己分散型顔料の原料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。また、前記処理を行うのに適した顔料としては、例えば、三菱化学(株)製の「MA8」及び「MA100」等のカーボンブラック等があげられる。前記自己分散型顔料は、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、キャボット・コーポレーション社製の「CAB-O-JET(登録商標)200」、「CAB-O-JET(登録商標)250C」、「CAB-O-JET(登録商標)260M」、「CAB-O-JET(登録商標)270Y」、「CAB-O-JET(登録商標)300」、「CAB-O-JET(登録商標)400」、「CAB-O-JET(登録商標)450C」、「CAB-O-JET(登録商標)465M」及び「CAB-O-JET(登録商標)470Y」;オリエント化学工業(株)製の「BONJET(登録商標)BLACK CW-2」及び「BONJET(登録商標)BLACK CW-3」;東洋インク製造(株)製の「LIOJET(登録商標)WD BLACK 002C」等があげられる。
前記顔料は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記水性インク全量における前記顔料の固形分含有量(顔料固形分量)は、特に限定されず、適宜決定できる。前記顔料固形分量は、例えば、0.1質量%~20質量%、1質量%~10質量%、2質量%~8質量%である。前記顔料固形分量は、顔料のみの質量であり、樹脂分散剤等の質量は含まない(すなわち、有効成分量換算)。
前記染料は、特に限定されず、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料等があげられる。前記染料の具体例としては、C.I.ダイレクトブラック、C.I.ダイレクトブルー、C.I.ダイレクトレッド、C.I.ダイレクトイエロー、C.I.ダイレクトオレンジ、C.I.ダイレクトバイオレット、C.I.ダイレクトブラウン、C.I.ダイレクトグリーン、C.I.アシッドブラック、C.I.アシッドブルー、C.I.アシッドレッド、C.I.アシッドイエロー、C.I.アシッドオレンジ、C.I.アシッドバイオレット、C.I.ベーシックブラック、C.I.ベーシックブルー、C.I.ベーシックレッド、C.I.ベーシックバイオレット、C.I.リィアクティブブルー、C.I.リィアクティブレッド、C.I.リィアクティブイエロー、C.I.フードブラック、C.I.フードレッド、C.I.フードイエロー等があげられる。前記C.I.ダイレクトブラックとしては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、19、22、31、32、51、62、71、74、108、112、113、146、154、168及び195等があげられる。前記C.I.ダイレクトブルーとしては、例えば、C.I.ダイレクトブルー1、6、15、22、25、41、71、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199及び226等があげられる。前記C.I.ダイレクトレッドとしては、例えば、C.I.ダイレクトレッド1、2、4、9、11、17、20、23、24、28、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229及び230等があげられる。前記C.I.ダイレクトイエローとしては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー8、11、12、24、26、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132、142及び173等があげられる。前記C.I.ダイレクトオレンジとしては、例えば、C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46及び60等があげられる。前記C.I.ダイレクトバイオレットとしては、例えば、C.I.ダイレクトバイオレット47及び48等があげられる。前記C.I.ダイレクトブラウンとしては、例えば、C.I.ダイレクトブラウン109等があげられる。前記C.I.ダイレクトグリーンとしては、例えば、C.I.ダイレクトグリーン59等があげられる。前記C.I.アシッドブラックとしては、例えば、C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、48、51、52、63、110、112、115、118及び156等があげられる。前記C.I.アシッドブルーとしては、例えば、C.I.アシッドブルー1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、93、100、102、104、117、120、127、138、158、161、167、220及び234等があげられる。前記C.I.アシッドレッドとしては、例えば、C.I.アシッドレッド1、6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、37、42、51、52、80、83、85、87、89、92、94、106、114、115、133、134、145、158、180、198、249、256、265、289、315及び317等があげられる。前記C.I.アシッドイエローとしては、例えば、C.I.アシッドイエロー1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、61、71、76、98及び99等があげられる。前記C.I.アシッドオレンジとしては、例えば、C.I.アシッドオレンジ7及び19等があげられる。前記C.I.アシッドバイオレットとしては、例えば、C.I.アシッドバイオレット49等があげられる。前記C.I.ベーシックブラックとしては、例えば、C.I.ベーシックブラック2等があげられる。前記C.I.ベーシックブルーとしては、例えば、C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28及び29等があげられる。前記C.I.ベーシックレッドとしては、例えば、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14及び37等があげられる。前記C.I.ベーシックバイオレットとしては、例えば、C.I.ベーシックバイオレット7、14及び27等があげられる。前記C.I.リィアクティブブルーとしては、例えば、C.I.リィアクティブブルー4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44及び100等があげられる。前記C.I.リィアクティブレッドとしては、例えば、C.I.リィアクティブレッド7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46及び59等があげられる。前記C.I.リィアクティブイエローとしては、例えば、C.I.リィアクティブイエロー2、3、17、25、37及び42等があげられる。前記C.I.フードブラックとしては、例えば、C.I.フードブラック1及び2等があげられる。前記C.I.フードレッドとしては、例えば、C.I.フードレッド87、92及び94等があげられる。前記C.I.フードイエローとしては、例えば、C.I.フードイエロー3等があげられる。
前記染料は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記水性インク全量における前記染料の含有量は、例えば、0.1質量%~10質量%、0.2質量%~8質量%、0.3質量%~6質量%である。
前記水は、イオン交換水、純水等であってもよい。前記水性インク全量に対する前記水の配合量(水割合)は、所望のインク特性等に応じて適宜決定される。前記水割合は、例えば、他の成分の残部としてもよい。前記水の配合量は、例えば、50質量%~95質量%、55質量%~90質量%、60質量%~80質量%である。
前述の通り、本発明の水性インクは、さらに、浸透剤と湿潤剤とを含む。
前記浸透剤は、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEHE)を含む。前記DEHEは、例えば、市販品を用いてもよい。
前記水性インク全量に対する前記DEHEの配合量は、例えば、0.1質量%~5.0質量%、0.5質量%~3.5質量%、1.0質量%~2.0質量%であってもよい。前記水性インク全量に対する前記DEHEの配合量は、例えば、浸透性の観点から1.0質量%を超え、保存安定性の観点から2.0質量%未満であってもよい。
前記水性インクは、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに他の浸透剤(前記DEHE以外の浸透剤)を含んでもよい。前記DEHE以外の浸透剤としては、特に制限されず、例えば、標準沸点が250℃以上の浸透剤でもよいし、後述するように、標準沸点が250℃以下の浸透剤でもよい。前記他の浸透剤としては、例えば、アルキレン系ジオールやグリコールエーテル系化合物が挙げられる。前記アルキレン系ジオールは、例えば、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール及び3-メチル-1,5-ペンタンジオール等があげられる。前記グリコールエーテル系化合物は、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコール-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコール-n-プロピルエーテル、トリエチレングリコール-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール-n-プロピルエーテル、プロピレングリコール-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコール-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコール-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコール-n-プロピルエーテル及びトリプロピレングリコール-n-ブチルエーテル等があげられる。
前記浸透剤が前記DEHEを含む2種類以上の浸透剤の併用である場合、前記水性インク全量に対する前記浸透剤の配合量は、目的に応じて適宜選択することができる。前記浸透剤の配合量は、例えば、0.1質量%~5.0質量%、0.5質量%~3.5質量%、1.0質量%~2.0質量%である。
前記水性インクは、湿潤剤を含む。前記湿潤剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトン等のケトン;ジアセトンアルコール等のケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;ポリアルキレングリコール、アルキレングリコール等の多価アルコール;2-ピロリドン;N-メチル-2-ピロリドン;1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等があげられる。前記ポリアルキレングリコールは、限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等があげられる。前記アルキレングリコールは、限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等があげられる。これらの中でも、アルキレングリコール等の多価アルコールが好適である。前記湿潤剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記湿潤剤は、例えば、市販品を用いてもよい。
前記水性インクは、前記湿潤剤として、少なくとも、SP値が12~14の湿潤剤(以下、第1湿潤剤ともいう)を含む。SP値(Solubility Parameter、溶解性パラメータ)は、例えば、Fedorsの方法により、下記式で求められる値であり、単位は、(cal/cm1/2である。
SP値=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
Δei:原子及び原子団の蒸発エネルギー(cal/mol)
Δvi:モル体積(cm/mol)
前記第1湿潤剤としては、例えば、トリプロピレングリコール(TPG;SP値=12.1)、トリエチレングリコール(TEG;SP値=13.6)、重量平均分子量190~210のポリエチレングリコール(PEG;SP値=12.8)等がある。SP値が12~14の湿潤剤は、例えば、市販品を用いてもよい。前記湿潤剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記水性インク全量に対する前記第1湿潤剤の配合量は、例えば、0.1質量%~20質量%、1質量%~10質量%、3質量%~7質量%であってもよい。
前記水性インクは、例えば、前記湿潤剤として、SP値が12~14以外の湿潤剤(以下、第2湿潤剤ともいう)を含んでもよい。前記第2湿潤剤としては、例えば、グリセリン(SP値=20.0)等があげられる。前記水性インク全量に対する前記グリセリンの配合量は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記湿潤剤がSP値12~14の湿潤剤を含む2種類以上の湿潤剤の併用である場合、前記水性インク全量に対する前記湿潤剤の配合量は、目的に応じて適宜選択することができる。前記湿潤剤の配合量は、例えば、0.1質量%~95質量%、1質量%~80質量%、3質量%~50質量%である。
SP値が12~14の前記湿潤剤の配合量(A)と、前記DEHEの配合量(B)との比率(A/B)は、2.5以上であればよく、例えば、2.5以上20未満、2.5以上15未満、2.5以上10未満である。前記比率(A/B)は、例えば、2.5を超えて5未満であってもよい。
前記水性インクは、前記DEHEを含む浸透剤と、SP値が12~14の湿潤剤とを含むことで、VOC発生を低減可能であり、且つ画質、吐出安定性(再分散性)、及び保存安定性の全てが良好である。VOC発生を低減させつつ、画質、吐出安定性(再分散性)、及び保存安定性の全てに優れるメカニズムは、例えば、つぎのように推定される。DEHEは、標準沸点が250℃以上であるから、常温常圧で大気中に揮発しにくく、VOCの発生を低減することができる。また、DEHEは、エチレングリコール系の浸透剤の中でもアルキルの炭素数が6であり、疎水寄りの構造を有するため、高い浸透性能を有する。しかしながら、DEHEは、水溶性が低いため、配合量に制限がある。すなわち、浸透性能を高めるためにDEHEの配合量を増やすとDEHEが溶解せず、吐出安定性(再分散性)や保存安定性が低下する。これに対し、DEHEとSP値が12~14の湿潤剤とを特定の比率で組み合わせることで、相溶性が向上し、吐出安定性(再分散)と保存安定性を担保したままDEHEの配合量を増やすことができる。そして、DEHEにより浸透性能を高めることができ、画質が向上する。ただし、このメカニズムは推定に過ぎず、本発明はこれに限定されない。
前記水性インクは、例えば、標準沸点が250℃以下の浸透剤及び湿潤剤(以下、低沸点有機溶媒ともいう)を含んでもよいが、含まないことが好ましい。前記低沸点有機溶媒を含む場合は、VOCの規制基準以下の配合量であることが好ましい。ここで、VOCの規制基準は、ドイツにて制定された「ブルーエンジェルマーク」を取得するための基準に準拠する。具体的には、例えば、カラー印字の場合は、単位時間当たりVOC排出量(VOC発生量)が18mg/h以下、モノクロ印字の場合は、単位時間当たりVOC排出量が10mg/h以下であることが好ましい。単位時間当たりVOC排出量は、例えば、恒温槽(条件:温度23℃、相対湿度50%)内で約5分間以上の連続印字を行い、その際に放出される揮発性有機化合物の総量から求めることができる。
また、前記低沸点有機溶媒を含む場合は、使用するインク量(吐出量)を低減した印刷(インク量低減印刷)を実施することが好ましい。これによれば、前記水性インクの使用量が減るため、VOC排出量を減らすことができる。一方で、前記低沸点有機溶媒を含まない場合は、使用するインク量を低減しない印刷(通常印刷)でもVOC排出量が低減する。
前記水性インクは、例えば、さらに、界面活性剤を含んでもよい。
前記界面活性剤は、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販品を用いてもよい。具体的に、前記界面活性剤は、例えば、シリコーン系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤等があげられる。
前記シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、日信化学工業株式会社製の「シルフェイス(登録商標)SAG002」、「シルフェイス(登録商標)SAG005」、「シルフェイス(登録商標)SAG503A」等があげられる。
前記アセチレン系界面活性剤の市販品としては、例えば、日信化学工業(株)製の「オルフィン(登録商標)E1004」、「オルフィン(登録商標)E1008」及び「オルフィン(登録商標)E1010」;エアープロダクツアンドケミカルズ社製の「サーフィノール(登録商標)440」、「サーフィノール(登録商標)465」及び「サーフィノール(登録商標)485」;川研ファインケミカル(株)製の「アセチレノール(登録商標)E40」及び「アセチレノール(登録商標)E100」;等があげられる。
前記水性インクは、前記シリコーン系界面活性剤や前記アセチレン系界面活性剤に加え/代えて、他の界面活性剤を含んでもよい。前記他の界面活性剤としては、例えば、花王(株)製のノニオン界面活性剤「EMULGEN(登録商標)」シリーズ、「RHEODOL(登録商標)」シリーズ、「EMASOL(登録商標)」シリーズ、「EXCEL(登録商標)」シリーズ、「EMANON(登録商標)」シリーズ、「AMIET(登録商標)」シリーズ及び「AMINON(登録商標)」シリーズ等;東邦化学工業(株)製のノニオン界面活性剤「ソルボン(登録商標)」シリーズ等;ライオン(株)製のノニオン界面活性剤「DOBANOX(登録商標)」シリーズ、「LEOCOL(登録商標)」シリーズ、「LEOX(登録商標)」シリーズ、「LAOL,LEOCOL(登録商標)」シリーズ、「LIONOL(登録商標)」シリーズ、「CADENAX(登録商標)」シリーズ、「LIONON(登録商標)」シリーズ及び「LEOFAT(登録商標)」シリーズ等;花王(株)製のアニオン界面活性剤「EMAL(登録商標)」シリーズ、「LATEMUL(登録商標)」シリーズ、「VENOL(登録商標)」シリーズ、「NEOPELEX(登録商標)」シリーズ、NS SOAP、KS SOAP、OS SOAP及び「PELEX(登録商標)」シリーズ等;ライオン(株)製のアニオン界面活性剤「LIPOLAN(登録商標)」シリーズ、「LIPON(登録商標)」シリーズ、「SUNNOL(登録商標)」シリーズ、「LIPOTAC(登録商標) TE,ENAGICOL」シリーズ、「LIPAL(登録商標)」シリーズ及び「LOTAT(登録商標)」シリーズ等;第一工業製薬(株)製のカチオン界面活性剤「カチオーゲン(登録商標)ES-OW」及び「カチオーゲン(登録商標)ES-L」等;があげられる。
前記界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記水性インク全量に対する前記界面活性剤の配合量は、目的に応じて適宜選択することができる。前記界面活性剤の配合量は、例えば、0.1質量%~5質量%、0.25質量%~3質量%、0.5質量%~2質量%である。なお、ここでいう前記界面活性剤の配合量とは、2種類以上の界面活性剤の配合量の合計である。
前記水性インクは、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤を含んでもよい。前記添加剤としては、例えば、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、防黴剤等があげられる。前記粘度調整剤は、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性樹脂等があげられる。
つぎに、本発明のインク収容容器は、インクジェット記録用水性インクを含むインク収容容器であって、前記水性インクが、本発明のインクジェット記録用水性インクであることを特徴とする。前記インク収容容器としては、例えば、インクカートリッジ、タンク、パウチ等があげられる。前記インク収容容器の本体としては、例えば、従来公知のものを使用できる。
つぎに、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法について説明する。
本発明のインクジェット記録装置は、インク収容容器及びインク吐出部を含み、前記インク収容容器に収容されたインクを前記インク吐出部によって吐出するインクジェット記録装置であって、前記インク収容容器に、本発明のインクジェット記録用水性インクが収容されていることを特徴とする。
図1に、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す。図示のとおり、このインクジェット記録装置1は、4つのインク収容容器(インクカートリッジ2)と、インク吐出部(インクジェットヘッド)3と、ヘッドユニット4と、キャリッジ5と、駆動ユニット6と、プラテンローラ7と、パージ装置8とを主要な構成要素として含む。また、本発明のインクジェット記録装置は、任意の構成として、制御部9(CPU、GPU等)を含んでもよい。
4つのインクカートリッジ2は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の水性インクを、それぞれ1色ずつ含む。例えば、前記4色の水性インクのうちの少なくとも一つが、本発明の水性インクである。本例では、4つのインクカートリッジ2のセットを示したが、これに代えて、水性イエローインク収容容器、水性マゼンタインク収容容器、水性シアンインク収容容器部及び水性ブラックインク収容容器部を形成するようにその内部が間仕切りされた一体型のインクカートリッジを用いてもよい。前記インクカートリッジの本体としては、例えば、従来公知のものを使用できる。
ヘッドユニット4に設置されたインクジェットヘッド3は、記録媒体(例えば、記録用紙)Pに記録を行う。キャリッジ5には、4つのインクカートリッジ2及びヘッドユニット4が搭載される。駆動ユニット6は、キャリッジ5を直線方向に往復移動させる。駆動ユニット6としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008-246821号公報参照)。プラテンローラ7は、キャリッジ5の往復方向に延び、インクジェットヘッド3と対向して配置されている。
制御部9は、本発明のインクジェット記録装置の全体の制御を担う。本発明のインクジェット記録装置において、制御部9により、例えば、各種プログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。制御部9は、例えば、判断部91及び画像処理部92として機能する。
判断部91は、インクジェット記録装置の状態が特定の条件を満たすか否かを判断する。前記特定の条件は、特に制限されないが、例えば、前記インク収容容器からインクジェットヘッド3へのインクの供給が遅れ得ること、ユーザからインク量低減の指示がされていること、インクの残量が少ないこと、受信した画像データに基づく印刷を行う際に使用するインク量が多いこと、の少なくとも一つを示す場合に、制御部9は特定の条件を満たすと判断する。判断部91は、例えば、前記判断に基づいて、吐出モードを後述の第1吐出モード、または第2吐出モード(第3吐出モードまたは第4吐出モード)のいずれかに決定し、インクジェットヘッド3を駆動して前記水性インクを吐出してインクジェット記録動作を実行する。
画像処理部92は、受信した画像データに対して画像処理を行う。画像処理部92は、前記第1吐出モードにおける前記画像処理のパラメータを変更することにより、前記第2吐出モードにおける前記水性インクの吐出量を前記第1吐出モードにおける前記水性インクの吐出量よりも低減させる。
ここで、画像処理部92における受信した画像データに対する画像処理について説明する。インクジェット記録装置1は、画像データを受信すると、色変換処理、色調整処理、インク量規制処理、ハーフトーン処理、インターレース処理、等からなる画像処理を実行する。前記色変換処理は、例えば、ビットマップデータを構成するRGB画素データである前記画像データを、前記記録に用いられるインク色である、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4つの要素の階調値(例えば、256階調)で画素の色を表現したCMYK画素データに変換する処理である。前記変換は、例えば、RGB画素データとCMYK画素データとを対応付けたルックアップテーブルを用いて行われる。前記色調整処理は、例えば、キャリブレーション処理を実行する工程である。前記キャリブレーション処理は、色補正処理前のCMYK画素データの各要素の値の変化に対して、実際に記録媒体に記録される色の濃度がリニアに変化するように、CMYK画素データの各要素の値を補正する処理である。前記キャプレーションによれば、前記特性による色の濃度の差異を低減することができる。前記インク量調整工程は、例えば、前記記録に要する前記水性インクの吐出量(インク量ともいう)が基準量以下になるように、補正した各CMYK画素データの各要素の値を調整する工程である。前記ハーフトーン処理は、例えば、ディザ法や誤差拡散法などの公知の手法を用いて実行される。前記インターレース処理工程は、例えば、インクジェット記録装置によって実行されるインターレース方式を設定する工程である。
インクジェットヘッド3は、例えば、前記水性インクの吐出動作に関して、「第1吐出モード」または「第2吐出モード」のいずれかを選択して前記記録を実行してもよい。また、前記第2吐出モードを選択した場合、インクジェットヘッド3は、例えば、「第3吐出モード」または「第4吐出モード」のいずれかを選択して前記記録を実行してもよい。具体的に、判断部91が前記特定の条件を満たさないと判断した場合に、インクジェットヘッド3は、制御部9からの命令を受けて、受信した画像データに基づいて、インクジェットヘッド3から前記インクジェット記録用水性インクを吐出する第1吐出モードにより前記記録を実行する。前記第1吐出モードは、例えば、通常印刷モードともいう。一方で、判断部91が前記特定の条件を満たすと判断した場合に、インクジェットヘッド3は、制御部9からの命令を受けて、第2吐出モードにより、前記記録を実行する。前記第2吐出モードは、前記第1吐出モードよりも、前記インクジェット記録用水性インクの吐出量を低減して前記インクジェット記録用水性インクを吐出するモードである。すなわち、同じ画像データを受信した場合に、前記第2吐出モードによる吐出で使用されるインク量は、第1吐出モードによる吐出で使用されるインク量よりも少ない。
前記第2吐出モードは、第3吐出モード及び第4吐出モードの少なくとも一方を含んでもよい。インクジェットヘッド3は、例えば、ユーザの選択により、前記第3吐出モード及び前記第4吐出モードの少なくとも一方のモードで前記記録を実行する。
前記第3吐出モードは、前記第1吐出モードにおける記録Dutyを変更して前記水性インクを吐出するモードであり、例えば、Duty変更モードともいう。前記記録Dutyの変更は、前記第1吐出モードにて前記記録媒体上に着弾する前記インクジェット記録用水性インクによる各ドットサイズのうち少なくとも一部のドットサイズを変更することにより実行される。前記第2吐出モードにおける前記記録Dutyの変更について、より具体的に説明する。インクジェットヘッド3により吐出された液滴は、記録媒体上に着弾する。インクジェットヘッド3は、例えば、記録媒体上の同一ポイントに対して複数の液滴を連続で吐出してもよい。前記記録媒体に着弾した前記液滴のドットサイズは、例えば、その大きさによって、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズに分類可能である。各サイズの分類基準は、特に制限されず、任意に設定可能である。前記ドットサイズは、例えば、公知の手法を用いて測定可能である。前記記録Dutyは、前記ドットサイズの比率、すなわち、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズの液滴の比率によって調整可能である。前記ドットサイズやその比率は、例えば、前記画像処理のパラメータとして、前記ハーフトーン処理のパラメータを変更することによって変更可能である。前述のように少なくとも一部のドットサイズが変わると、前記比率が変わり、前記記録Dutyも変わることになる。このように、前記第3吐出モードでは、前記ドットサイズを変更して前記記録Dutyを調整することで、インク量を低減した印刷が可能となる。
前記第4吐出モードは、インクジェット記録装置1に固有の特性が変更されることにより、前記第1吐出モードにおける前記インクジェット記録用水性インクの吐出量を変更して前記インクジェット記録用水性インクを吐出するモードである。前記第4吐出モードは、例えば、インク節約印刷モードや高速モードともいう。前記第4吐出モードにおいて、前記水性インクの吐出量の低減は、例えば、前記画像処理のパラメータとして、前記色調整処理のパラメータ(例えば、インクジェット記録装置に固有の特性値である、前記キャリブレーション処理のパラメータ)を変更することによって可能である。前記特性値は、個々のインクジェット記録装置に固有の値であって、この特性値を変更すると印刷した色味の変更等が可能である。前記特性値は、例えば、インクジェット記録装置に予め記憶されている。他に、前記特性値としては、例えば、ヘッド特性値がある。前記ヘッド特性値は、インクジェットヘッド3が備える複数のインク吐出口のメカ的な位置ずれや吐出バラツキ(例えば、吐出速度や吐出向きのバラツキ)などに基づく値である。複数のインクの吐出口のメカ的な位置ずれや吐出バラツキがあると、印刷結果にその影響が現れる可能性がある。このように、前記第4吐出モードでは、前記キャリブレーション処理時に前記水性インクの吐出量を変更することで、インク量を低減した印刷が可能となる。
なお、前記第1吐出モード、及び前記第2吐出モード、前記第3吐出モード、及び前記第4吐出モードにおける前記水性インクは、ともに、本発明のインクジェット記録用水性インクである。前記第1吐出モード、前記第2吐出モード、前記第3吐出モード、及び前記第4吐出モードを実行可能なインクジェットヘッド3は、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2002-36599号公報、特開2020-044679号公報、特開2020-131576号公報参照)。これにより、インク量低減印刷(前記第2吐出モード(前記第3吐出モード及び前記第4吐出モード)での記録)も可能となる。
パージ装置8は、インクジェットヘッド3の内部に溜まる気泡等を含んだ不良インクを吸引する。パージ装置8としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008-246821号公報参照)。
パージ装置8のプラテンローラ7側には、パージ装置8に隣接してワイパ部材20が配設されている。ワイパ部材20は、へら状に形成されており、キャリッジ5の移動に伴って、インクジェットヘッド3のノズル形成面を拭うものである。図1において、キャップ18は、水性インクの乾燥を防止するため、記録が終了するとリセット位置に戻されるインクジェットヘッド3の複数のノズルを覆うものである。
記述の通り、インクジェット記録装置1においては、1つのキャリッジ5に、4つのインクカートリッジ2とヘッドユニット4とが搭載されている。ただし、本発明は、これに限定されない。インクジェット記録装置1において、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジは、ヘッドユニット4とは別のキャリッジに搭載されていてもよい。また、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジは、キャリッジ5には搭載されず、インクジェット記録装置1内に配置、固定されていてもよい。これらの態様においては、例えば、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジと、キャリッジ5に搭載されたヘッドユニット4とが、チューブ等により連結され、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジからヘッドユニット4に前記水性インクが供給される。また、これらの態様においては、4つのインクカートリッジ2に代えて、ボトル形状の4つのインクボトルを用いてもよい。この場合、前記インクボトルには、外部から内部にインクを注入するための注入口が設けられていることが好ましい。
このインクジェット記録装置1を用いたインクジェット記録は、例えば、つぎのようにして実施される。まず、記録用紙Pが、インクジェット記録装置1の側方又は下方に設けられた給紙カセット(図示せず)から給紙される。記録用紙Pは、インクジェットヘッド3と、プラテンローラ7との間に導入される。導入された記録用紙Pに、インクジェットヘッド3から吐出される水性インクにより所定の記録がされる。この吐出は、例えば、前述のように、判断部91の判断に応じて、「第1吐出モード」又は「第2吐出モード(第3吐出モード及び第4吐出モードの少なくとも一方)」により行われてもよい。記録後の記録用紙Pは、インクジェット記録装置1から排紙される。図1においては、記録用紙Pの給紙機構及び排紙機構の図示を省略している。
図1に示す装置では、シリアル型インクジェットヘッドを採用するが、本発明は、これに限定されない。前記インクジェット記録装置は、ライン型インクジェットヘッドやロールトゥロールを採用する装置であってもよい。
つぎに、本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体に水性インクをインクジェット方式により吐出して記録する記録工程を含むインクジェット記録方法であって、前記記録工程において、前記水性インクとして、本発明のインクジェット記録用水性インクを用いることを特徴とする。本発明のインクジェット記録方法は、例えば、本発明のインクジェット記録装置を用いて実施可能である。前記記録は、印字、印画、印刷等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、例えば、任意の構成として、判断工程、画像処理工程を含んでもよい。前記判断工程は、インクジェット記録装置の状態が特定の条件を満たすか否かを判断する工程である。前記画像処理工程は、受信した画像データに対して画像処理を行う工程である。前記判断工程は、例えば、判断部91により実行可能であり、前記画像処理工程は、例えば、画像処理部92により実行可能である。
前記判断が行われた場合、前記記録工程は、例えば、「第1吐出モード」、または「第2吐出モード」のいずれかを選択して前記記録を実行してもよい。また、前記第2吐出モードを選択した場合、前記記録工程は、例えば、「第3吐出モード」または「第4吐出モード」のいずれかを選択して前記記録を実行してもよい。前記第1吐出モード、前記第2吐出モード、前記第3吐出モード、及び前記第4吐出モードは、前述と同様である。具体的に、前記判断工程において前記特定の条件を満たさないと判断された場合に、インクジェットヘッド3は、制御部9からの命令を受けて、受信した画像データに基づいて、前記第1吐出モードにより、前記記録を実行する。一方で、判断工程において前記特定の条件を満たすと判断された場合に、インクジェットヘッド3は、制御部9からの命令を受けて、前記第2吐出モードにより、前記記録を実行する。前記第2吐出モードのうち、例えば、前記第3モード及び前記第4吐出モードの少なくとも一方がユーザにより選択される。そして、インクジェットヘッド3は、例えば、前記選択されたモードで前記記録を実行する。前記第1吐出モード、前記第2吐出モード、前記第3吐出モード、及び前記第4吐出モードにおける前記水性インクは、ともに、本発明のインクジェット記録用水性インクである。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例及び比較例により限定及び制限されない。
(顔料分散液Aの調製)
顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)20質量%、スチレン-アクリル酸共重合体の水酸化ナトリウム中和物 7質量%(酸価50mgKOH/g、分子量10000)に、純水を加え全体を100質量%とし、撹拌混合して混合物を得た。この混合物を、0.3mm径ジルコニアビーズを充填した湿式サンドミルに入れ、6時間分散処理を行った。
その後、ジルコニアビーズをセパレータにより取り除き、孔径3.0μmセルロースアセテートフィルターでろ過することにより、顔料分散液Aを得た。なお、スチレン-アクリル酸共重合体は、一般に顔料の分散剤として用いられる水溶性のポリマーである。
(実施例1~5、7、8及び比較例1~8)
水性インク組成(表2)における、顔料分散液Aを除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、顔料分散液Aに前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、表2に示す実施例1~5、7、8及び比較例1~8のインクジェット記録用水性インクを得た。
(実施例6)
水性インク組成(表1)の各成分を、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)タイプメンブレンフィルタ(孔径:0.20μm)を用いてろ過することで、表1に示す実施例6のインクジェット記録用水性インクを得た。
実施例1~8及び比較例1~8の水性インクについて、(a)通常印刷時の画質評価、(b)保存安定性評価、(c)吐出安定性(再分散性)評価、(d)VOC発生評価を、下記方法により実施した。
(a)通常印刷時の画質評価
ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ MFC-J6580CDWを使用して、実施例及び比較例の水性インクの吐出により普通紙(アスクル社製の「マルチペーパー スーパーホワイト+」)上にベタ画像を記録した。前記ベタ画像を目視で観察し、下記評価基準に従って白スジ状のムラ(バンディング)を評価した。
通常印刷時の画質評価 評価基準
A:前記ベタ画像に白スジ状のムラ(バンディング)が確認されなかった。
B:前記ベタ画像の一部に白スジ状のムラ(バンディング)が確認された。
C:前記ベタ画像の全体に白スジ状のムラ(バンディング)が確認された。
(b)保存安定性評価
粘度を測定した調製直後の実施例及び比較例の水性インクを、密閉容器に入れ、温度60℃、相対湿度40%の環境下に2週間保存した。このようにして作製した評価サンプルを目視で確認し、且つ粘度を測定し、下記評価基準に従って保存安定性を評価した。前記粘度は、粘度計(東機産業(株)製のTVE-25形)を用いて、25℃で測定した。
保存安定性評価 評価基準
A:油層の浮きがなく、且つ、調製直後からの粘度上昇が見られなかった。
B:油層の浮きがあり、且つ、調製直後からの粘度上昇が見られなかった。
C:油層の浮きがあり、且つ、調製直後からの粘度上昇が見られた。
(c)吐出安定性(再分散性)評価
実施例及び比較例の水性インク12μLを、スライドガラス上に滴下した。ついで、前記スライドガラスを、温度60℃、相対湿度40%の環境下にて2週間保存することで、前記水性インクを蒸発乾固させた。つぎに、前記保存後の固形物上に純水を1mL滴下した。このようにして作製した評価サンプルに残渣が無いかを目視にて観察し、下記評価基準に従って再分散性を評価した。
吐出安定性(再分散性)評価 評価基準
A:純水の滴下で前記固形物が一様に再分散(純水に溶解・分散)し、残渣は確認されなかった。
C:再分散の有無にかかわらず、残渣が確認された。
(d)VOC発生評価
実施例及び比較例の水性インクを、下記評価基準に従ってVOC発生の程度を評価した。
VOC発生評価 評価基準
A:水性インクに含まれる全ての浸透剤及び湿潤剤の沸点が、250℃以上であった。
C:水性インクに含まれる浸透剤及び湿潤剤のうち少なくとも一つの浸透剤及び湿潤剤の沸点が、250℃未満であった。
実施例1~8及び比較例1~8の水性インクの水性インク組成及び評価結果を、表2に示す。また、表中において、ポリエチレングリコールの後に続く数値は、重量平均分子量を意味する。
Figure 2023081487000001
表1に示すように、実施例1~8では、通常印刷時の画質、吐出安定性、及び保存安定性の評価結果が「B」以上であり良好であった。また、実施例1~8では、VOC発生評価が「A」であり良好であった。前記湿潤剤がトリエチレングリコール及びトリプロピレングリコールの少なくとも一方である実施例1及び2は、前記湿潤剤が重量平均分子量200のポリエチレングリコールであること以外は同条件である実施例3と比べて、保存安定性の評価結果がより優れていた。前記DEHEの配合量が1.0質量%を超え2.0質量%未満の範囲内であって前記比率(A/B)が2.5を超え5未満の範囲内である実施例2では、前記DEHEの配合量が2.0質量%であって前記比率(A/B)が2.5であること以外は同条件である実施例4と比べて、保存安定性の評価結果がより優れていた。また、前記実施例2では、前記DEHEの配合量が1.0質量%であって前記比率(A/B)が5であること以外は同条件である実施例5と比べて、通常印刷時の画質の評価結果がより優れていた。
一方、前記浸透剤としてジエチレングリコールモノヘキシルエーテルを用いなかった比較例1~3では、画質または保存安定性のいずれか一つの評価結果が悪かった。また、比較例6は、VOC発生評価の結果が悪かった。さらに、SP値が12~14の湿潤剤を用いなかった比較例4及び5では、吐出安定性及び保存安定性のうち少なくとも一つの評価結果が悪かった。また、前記比率(A/B)が10である比較例7は、画質の評価結果が悪かった。また、前記比率(A/B)が2.0である比較例8は、保存安定性の評価結果が悪かった。
つぎに、実施例1、4、5及び比較例1の水性インクについて、(e)インク量低減印刷時の画質評価を、下記方法により実施した。
(e)インク量低減印刷時の画質評価
(e1)光学濃度(OD値)評価
ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ MFC-J6580CDWを使用して、後述する印刷モード1~6で実施例1、4、5及び比較例1の水性インクの吐出により普通紙(アスクル社製の「マルチペーパー スーパーホワイト+」)上に画像を記録し、評価サンプルを作製した。前記評価サンプル中の3箇所の光学濃度(OD値)を、X-Rite社製の分光測色計SpectroEye(光源:D50、視野角:2°、ANSI-T)により測定し、その平均値を求めた。つぎに、印刷モード1と印刷モード2との比較、印刷モード1と印刷モード3との比較、及び印刷モード4と5との比較により、印刷モード1又は印刷モード4を基準にして、記録Duty100%から記録Duty70%に変更したときのOD値減少率(%)を下記式(1)により求めた。また、印刷モード1と印刷モード4とを比較して、印刷モード1を基準にして、記録Duty100%における一液滴量を低減させたときのOD値減少率(%)も下記式(1)により求めた。なお、前記OD値減少率(%)が小さいほど、画質の劣化が少なかったこととなる。

OD値減少率(%)={(X1-Y1)/X1}×100 (1)
X1:基準となる印刷モードにおけるOD値
Y1:前記基準の比較対象である印刷モードにおけるOD値
印刷モードは、以下の6通りである。以下において、印刷モード1を基準として、印刷モード1が通常印刷モード(前記第1吐出モード)、印刷モード2及び3がDuty変更モード(前記第3吐出モード)、印刷モード4がインク節約印刷モード(前記第4吐出モード)、印刷モード5及び6がDuty変更モード(前記第3吐出モード)とインク節約印刷モード(前記第4吐出モード)との組み合わせ、に相当する。これらの印刷モードは、前記インクジェットプリンタにおける設定を変更することにより実行可能である。具体的に、前記印刷モード1は、前記インクジェットプリンタに搭載されたモードを選択せずに(モード非選択)、且つ記録Duty100%で印刷するように設定されたモードである。前記印刷モード2及び3は、記録Dutyの設定を変更した以外は、前記印刷モード1と同様である。前記印刷モード4は、前記インクジェットプリンタに搭載された「高速モード」を選択し、且つ記録Duty100%で印刷するように設定されたモードである。前記印刷モード5及び6は、記録Dutyの設定を変更した以外は、前記印刷モード4と同様である。ここで、「高速モード」とは、記録Dutyの変更によらずに、前記インクジェットプリンタの特性値を変更して、前記モード非選択時の水性インクの吐出量よりも、水性インクの吐出量を減らして印刷するモードである。

印刷モード1:記録Duty100%、モード非選択
印刷モード2:記録Duty70%、モード非選択
印刷モード3:記録Duty40%、モード非選択
印刷モード4:記録Duty100%、高速モード
印刷モード5:記録Duty70%、高速モード
印刷モード6:記録Duty40%、高速モード
(e2)シアン彩度評価
前記評価サンプル中の3箇所の彩度(C)を、X-Rite社製の分光測色計SpectroEyeにより測定し、平均値を求めた。つぎに、印刷モード1と印刷モード2との比較、及び印刷モード4と5との比較により、印刷モード1又は印刷モード4を基準にして、記録Duty100%から記録Duty70%に変更したときの彩度(C)減少率(%)を下記式(2)により求めた。また、印刷モード1と印刷モード4とを比較して、印刷モード1を基準にして、記録Duty100%における一液滴量を低減させたときの彩度(C)減少率(%)も下記式(2)により求めた。なお、前記彩度(C)減少率(%)が小さいほど、画質の劣化が少なかったこととなる。

彩度(C)減少率(%)={(X2-Y2)/X2}×100 (2)
X2:基準となる印刷モードにおける彩度(C
Y2:前記基準の比較対象である印刷モードにおける彩度(C
実施例1、4、5及び比較例1の水性インクの評価結果を、表3に示す。表3において、実施例1、4、5及び比較例1の水性インクの水性インク組成は、表2に示すインク組成と同じであるため、省略する。
Figure 2023081487000002
表3に示すように、実施例1、4、及び5では、記録Duty及び前記固有値の少なくとも一方の変更により前記吐出量を減らしても、同じ印刷モードの比較例1と比較して、OD値及び彩度(C)が高く、且つOD値減少率(%)及び彩度(C)減少率(%)が小さかった。つまり、実施例1、4、及び5の水性インクを用いた場合は、比較例1の水性インクを用いた場合よりも、画質の劣化が少なかった。これらの結果から、実施例1、4、5の水性インクは、比較例1の水性インクと比較して、画質を損なうことなく、水性インクの吐出量を低減でき、VOC発生量を低減可能であることが分かる。また、インク量低減印刷を行った場合であっても、実施例1、4、5の水性インクでは、比較例1の水性インクと比較して、高画質な記録が可能であることが分かる。
以上のように、本発明の水性インクは、VOC発生を低減可能であり、且つ画質、吐出安定性、及び保存安定性の全てに優れる。本発明の水性インクの用途は、各種記録媒体へのインクジェット記録に広く適用可能である。
1 インクジェット記録装置
2 インクカートリッジ
3 インク吐出部(インクジェットヘッド)
4 ヘッドユニット
5 キャリッジ
6 駆動ユニット
7 プラテンローラ
8 パージ装置
9 制御部

Claims (15)

  1. 着色剤、水、浸透剤、及び湿潤剤を含み、
    前記浸透剤は、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEHE)を含み、
    前記湿潤剤は、SP値が12~14の湿潤剤を含み、
    SP値が12~14の前記湿潤剤の配合量(A)と、前記DEHEの配合量(B)との比率(A/B)が2.5以上であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  2. 前記湿潤剤が、トリエチレングリコール及びトリプロピレングリコールの少なくとも一方である、請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. SP値が12~14の前記湿潤剤の配合量(A)と、前記DEHEの配合量(B)との比率(A/B)が2.5以上10未満である、請求項2記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. SP値が12~14の前記湿潤剤の配合量が2.5質量%以上、10.0質量%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  5. 記録媒体にインクジェット記録用水性インクをインクジェット方式により吐出して記録する記録工程を含み、
    前記記録工程において、前記インクジェット記録用水性インクとして、請求項1~4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクを用いることを特徴とする、インクジェット記録方法。
  6. さらに、特定の条件を満たすか否かを判断する判断工程を含み、
    前記判断工程が前記特定の条件を満たさないと判断した場合に、
    前記記録工程は、受信した画像データに基づいて、前記インクジェット記録用水性インクを吐出する第1吐出モードにより前記記録を実行し、
    前記判断工程が前記特定の条件を満たすと判断した場合に、
    前記記録工程は、前記第1吐出モードよりも、前記インクジェット記録用水性インクの吐出量を低減して前記インクジェット記録用水性インクを吐出する第2吐出モードにより、前記記録を実行する、
    請求項5記載のインクジェット記録方法。
  7. さらに、受信した画像データに対して画像処理を行う画像処理工程を含み、
    前記画像処理工程は、前記第1吐出モードにおける前記画像処理のパラメータを変更し、前記第2吐出モードにおける前記インクジェット記録用水性インクの吐出量を前記第1吐出モードにおける前記インクジェット記録用水性インクの吐出量よりも低減させる、請求項6記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記第2吐出モードは、前記第1吐出モードによるドットサイズのうち少なくとも一部のドットサイズが変更されることにより、前記第1吐出モードにおける記録Dutyを変更して前記インクジェット記録用水性インクを吐出する第3吐出モード、及び、インクジェット記録装置に固有の特性が変更されることにより、前記第1吐出モードにおける前記インクジェット記録用水性インクの吐出量を変更して前記インクジェット記録用水性インクを吐出する第4吐出モード、の少なくとも一方を含む、請求項7記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記第3吐出モードでは、前記画像処理のパラメータとして、ハーフトーン処理のパラメータが変更されることにより前記吐出量が低減し、
    前記第4吐出モードでは、前記画像処理のパラメータとして、色調整処理のパラメータが変更されることにより前記吐出量が低減する、請求項8記載のインクジェット記録方法。
  10. インク収容容器、及びインク吐出部を含み、
    前記インク収容容器に収容されたインクを前記インク吐出部によって吐出するインクジェット記録装置であって、
    前記インク収容容器に、請求項1~4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクが収容されていることを特徴とする、インクジェット記録装置。
  11. さらに、特定の条件を満たすか否かを判断する判断部を含み、
    前記判断部が前記特定の条件を満たさないと判断した場合に、
    前記インク吐出部は、受信した画像データに基づいて、前記インクジェット記録用水性インクを吐出する第1吐出モードを実行し、
    前記判断部が前記特定の条件を満たすと判断した場合に、
    前記インク吐出部は、前記第1吐出モードよりも、前記インクジェット記録用水性インクの吐出量を低減して前記インクジェット記録用水性インクを吐出する第2吐出モードを実行する、
    請求項10記載のインクジェット記録装置。
  12. さらに、受信した画像データに対して画像処理を行う画像処理部を含み、
    前記画像処理部は、前記第1吐出モードにおける前記画像処理のパラメータを変更し、前記第2吐出モードにおける前記インクジェット記録用水性インクの吐出量を前記第1吐出モードにおける前記インクジェット記録用水性インクの吐出量よりも低減させる、請求項11記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記第2吐出モードは、前記第1吐出モードによるドットサイズのうち少なくとも一部のドットサイズが変更されることにより、前記第1吐出モードにおける記録Dutyを変更して前記インクジェット記録用水性インクを吐出する第3吐出モード、及び、インクジェット記録装置に固有の特性が変更されることにより、前記第1吐出モードにおける前記インクジェット記録用水性インクの吐出量を変更して前記インクジェット記録用水性インクを吐出する第4吐出モード、の少なくとも一方を含む、請求項12記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記第3吐出モードでは、前記画像処理のパラメータとして、ハーフトーン処理のパラメータが変更されることにより前記吐出量が低減し、
    前記第4吐出モードでは、前記画像処理のパラメータとして、色調整処理のパラメータが変更されることにより前記吐出量が低減する、請求項13記載のインクジェット記録装置。
  15. インクジェット記録用水性インクを含むインク収容容器であって、前記インクジェット記録用水性インクが、請求項1~4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクであることを特徴とする、インク収容容器。
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