JP2023080761A - 非接触給電装置および非接触給電方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動体への交流電力の供給を安定化する。【解決手段】本開示の一形態に係る非接触給電システム100は、移動体130に備えられた受電装置120に対して非接触で交流電力を供給する給電線12と、交流電力を発生させて交流電力を給電線12に供給する複数の給電盤10と、を備え、複数の給電盤10のそれぞれは、交流電力の発生を制御する制御パルスを、制御パルスのオンパルスの中央のタイミングが基準クロックによって規定される同一周期のタイミングとなるように生成するとともに、オンパルスの幅を変化させることにより、給電線12に供給する交流電力を制御するPWM制御を実行する。【選択図】図1

Description

本開示は、非接触給電装置および非接触給電方法に関するものである。
従来の非接触給電システムとして、例えば、下記特許文献1に記載されたシステムが知られている。特許文献1に記載の非接触給電システムは、給電線と、給電線に給電点から電力を供給する給電装置とを備えている。このような構成において、搬送台車等の移動体が、給電線から電力を非接触で受電することができる。
国際公開WO2013/145573号公報
上述した従来の非接触給電システムでは、障害等により給電装置からの給電が停止した場合、その給電装置に接続された給電線から移動体への電力の供給が停止することが避けられない。そこで、仮に複数の給電装置を並列して設け、それら複数の給電装置により給電線への電力の供給を行うことを考えた場合、複数の給電装置から供給される交流電力間で位相がずれる場合がある。複数の給電装置から供給される交流電力間で位相が異なると、給電装置間で短絡電流が発生して装置に不具合が生じるおそれがある。
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、移動体への交流電力の供給を安定化することが可能な非接触給電装置および非接触給電方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一側面に係る非接触給電装置は、移動体に備えられた受電装置に対して非接触で交流電力を供給する給電線と、交流電力を発生させて交流電力を給電線に供給する複数の給電盤と、を備え、複数の給電盤のそれぞれは、交流電力の発生を制御する制御パルスを、制御パルスのオンパルスの中央のタイミングが基準クロックによって規定される同一周期のタイミングとなるように生成するとともに、オンパルスの幅を変化させることにより、給電線に供給する交流電力を制御するPWM制御を実行する。
上記一側面によれば、複数の給電盤から給電線に供給される交流電力をPWM制御により調整することが可能となるとともに、複数の給電盤のそれぞれにおいてPWM制御によって発生する交流電力の位相を複数の給電盤間で一致させることが容易となる。これにより、PWM制御の設定差があっても、給電盤間で短絡電流が生じることがなく、故障等により給電盤からの給電が停止した場合であっても、その給電盤以外の残りの給電盤から給電線を介した移動体への交流電力の供給が可能とされ、移動体への交流電力の供給を安定化することができる。
上記一側面においては、複数の給電盤は、それぞれ、複数の給電盤のうちの一の給電盤の内部において生成された基準クロックを基準に制御パルスを生成する、ことが好ましい。
この場合、複数の給電盤のそれぞれにおいて発生する交流電力の位相を1つの基準クロックを基準にすることによって安定して一致させることができる。これにより、複数の給電盤から給電線を経由して移動体へ供給される電力を一層安定化することができる。
また、上記一側面においては、複数の給電線と、複数の給電盤と、複数の給電盤のそれぞれによって発生した電力を、複数の給電線に分配して供給する電力分配回路とを備える、ことも好ましい。かかる構成によれば、故障等により給電盤からの給電が停止した場合であっても、その給電盤以外の残りの給電盤から複数の給電線を介した移動体への交流電力の供給が可能とされ、広範囲に移動する移動体への交流電力の供給を安定化することができる。
あるいは、本開示の他の側面にかかる非接触給電方法は、複数の給電盤によって発生した交流電力を給電線に供給し、給電線から移動体に備えられた受電装置に対して非接触で交流電力を供給し、複数の給電盤のそれぞれは、交流電力の発生を制御する制御パルスを、制御パルスのオンパルスの中央のタイミングが基準クロックによって規定される同一周期のタイミングとなるように生成するとともに、オンパルスの幅を変化させることにより、給電線に供給する交流電力を制御するPWM制御を実行する。
上記他の側面によれば、複数の給電盤から給電線に供給される交流電力をPWM制御により調整することが可能となるとともに、複数の給電盤のそれぞれにおいてPWM制御によって発生する交流電力の位相を複数の給電盤間で一致させることが容易となる。これにより、PWM制御の設定差があっても、給電盤間で短絡電流が生じることがなく、故障等により給電盤からの給電が停止した場合であっても、その給電盤以外の残りの給電盤から給電線を介した移動体への交流電力の供給が可能とされ、移動体への交流電力の供給を安定化することができる。
本開示によれば、移動体への交流電力の供給を安定化することができる。
本開示の一実施形態に係る非接触給電システムの構成を示す図である。 図1の非接触給電システムの詳細構成を示す図である。 図2のインバータ回路の詳細構成及びその接続構成を示す図である。 給電盤によって生成される各種信号の波形の例を示す図である。 給電盤によるPWM制御によって設定された波形の例を示す図である。 同期回路の機能的な構成を詳細に示すブロック図である。 同期回路を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。 複数の給電盤の同期回路間の接続構成を示す図である。 同期回路のMCUの機能構成を示すブロック図である。 給電盤の同期回路における位相比較の動作を説明するためのタイミングチャートである。 給電盤の同期回路における基準信号SYNCの位相調整の動作を説明するためのタイミングチャートである。 比較例にかかる給電盤によってPWM制御によって生成される交流電圧の波形の例を示す図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本開示の一実施形態に係る非接触給電装置である非接触給電システム100の構成を示す回路図である。図1に示されるように、本実施形態の非接触給電システム100は、受電装置120を備える移動体130に対して非接触で電力を供給する給電システムである。非接触給電システム100による給電の対象である移動体130としては、モータを内蔵し、受電コイル等の受電装置120を介して受電した電力によってモータを駆動してレール等の軌道上を走行する有軌道搬送車が例示される。本実施形態の非接触給電システム100は、複数の給電盤10と、電力分配回路11と、複数の給電線12とを備える。本実施形態では、3つの給電盤10A,10B,10Cと、3本の給電線12A,12B,12Cとを備える構成が例示されているが、給電盤10の個数および給電線12の本数は2以上であれば特定の数には限定されない。電力分配回路11は、複数の給電盤10の外部に別の装置として設けられていてもよいし、いずれかの給電盤10に内蔵されていてもよい。
給電盤10A,10B,10Cは、それぞれ、直流電源から定電圧(直流電圧)の供給を受けて交流電力を発生させる装置であり、交流電力を出力する一対の出力端子13を有する。給電盤10A,10B,10Cは、それぞれの一対の出力端子13が電力分配回路11に電気的に接続される。
電力分配回路11は、3つの給電盤10A,10B,10Cのそれぞれで発生した交流電力を3本の給電線12A,12B,12Cに対して分配すると共に、3本の給電線12A,12B,12Cのそれぞれに対して、分配された交流電力を合成して供給する回路である。この電力分配回路11は、交流電力を分配及び合成するための回路部と交流電力を共振させて出力する共振回路とを有する(詳細は後述する。)。
給電線12A,12B,12Cは、移動体130が走行可能な軌道(図示せず)に沿って設けられる送電線路である。すなわち、給電線12A,12B,12Cは、図示しない軌道上において互いに電気的に絶縁された状態で並行に配置されている。給電線12A,12B,12Cは、並行して延びる一対の送電線路14によって構成され、一対の送電線路14の端部が電力分配回路11に電気的に接続されている。これらの給電線12A,12B,12Cは、電力分配回路11から出力された交流電力を、一対の送電線路14に近接して位置する受電装置120を介して移動体130に供給する。具体的には、移動体130にはE型コアによって構成される受電装置120が取り付けられ、一対の送電線路14が受電装置120のE型コアの隙間に配置される。
次に、図2及び図3を参照して、非接触給電システム100の構成の詳細を説明する。図2は、図1の非接触給電システム100の詳細構成を示す図、図3は、図2のインバータ回路の詳細構成及びその接続構成を示す図である。
給電盤10A,10B,10Cは、それぞれ、同期回路15と、インバータ回路16と、一対のインダクタ素子17a,17bとを有する。
インバータ回路16は、定電圧を交流電圧に変換する回路であり、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)を含むHブリッジ回路によって構成されている。すなわち、インバータ回路16は、4つのIGBT18a,18b,18c,18dを含んでおり、IGBT18a,18cのコレクタに定電圧である正電圧が印加され、IGBT18b,18dのエミッタに定電圧である負電圧が印加され、IGBT18a,18cのエミッタのそれぞれがIGBT18b,18dのコレクタに電気的に接続されて構成される。このインバータ回路16は、IGBT18a,18b,18c,18dのベースのそれぞれにクロック信号が印加されることにより、一対の出力端子を構成するIGBT18a,18cの2つのエミッタ間に交流電圧を生成するように動作する。一対のインダクタ素子17a,17bは、インバータ回路16の一対の出力端子にそれぞれの一端が接続され、それらの他端が給電盤10A,10B,10Cにおける一対の出力端子13を成している。
同期回路15は、インバータ回路16の動作を制御する4つのクロック信号を生成する回路である。同期回路15は、クロック信号の生成動作を第1の動作と第2の動作との2種類に設定することが可能に構成されておいる。第1の動作に設定された際には、同期回路15は、内蔵する水晶発振器によって発生した動作クロックを分周することによってクロック信号である基準信号SYNCを生成し、生成した基準信号SYNCを基に、インバータ回路16内のIGBT18a,18b,18c,18dのベースに印加する制御信号(クロック信号)Va,Vb,Vc,Vdを生成し、それらの制御信号Va,Vb,Vc,Vdをインバータ回路16のIGBT18a,18b,18c,18dに印加する。それとともに、第1の動作モードに設定された同期回路15は、生成した基準信号SYNCを外部の給電盤10に送信する。一方で、第2の動作モードに設定された際には、同期回路15は、第1の動作モードに設定された外部の同期回路15から送信された基準信号SYNCを参照信号REFとして受信し、上記と同様にして内部で生成した基準信号SYNCの位相を、参照信号REFの位相と比較することにより調整し、位相を調整した基準信号SYNCを基に制御信号(クロック信号)Va,Vb,Vc,Vdを生成し、それらの制御信号Va,Vb,Vc,Vdをインバータ回路16のIGBT18a,18b,18c,18dに印加する。それとともに、第2の動作モードに設定された同期回路15は、位相を調整後の基準信号SYNCを外部の給電盤10に送信する。
なお、同期回路15は、PWM(Pulse Width Modulation)制御を用いて給電線12に供給される電流が定電流となるようにインバータ回路16を駆動するように構成される。すなわち、同期回路15は、後述する共振回路19から複数の給電線12に供給される電流(交流電力)の大きさをモニタし、モニタした電流の大きさが所定値の範囲となるようにPWM制御を行う(詳細は後述する)。
本実施形態の非接触給電システム100においては、複数の給電盤10のうちの1台の一の給電盤の同期回路15が第1の動作モードに予め設定され、複数の給電盤10のうちの一の給電盤を除く余の給電盤の同期回路15が第2の動作モードに予め設定されている。そして、複数の給電盤10の同期回路15は、インバータ回路16の駆動に用いる基準信号SYNCを相互に送受信するように構成されている。
電力分配回路11は、複数の給電線12に対応した個数の複数の共振回路19と、共振回路19と複数の給電盤10とを電気的に接続する接続回路20とを有する。接続回路20は、複数の給電盤10の一対の出力端子13に対して、それぞれの共振回路19の一対の入力端子を、コンデンサ22を介して交流的に並列に接続するように構成される。複数の共振回路19は、それぞれ、一対の入力端子21と、複数の給電線12のそれぞれに接続された一対の出力端子23とを有し、一対の入力端子に印加された交流電圧を共振させて交流電力を生成し、生成した交流電力をそれぞれの給電線12に向けて出力する。このような構成の電力分配回路11により、複数の給電盤10のそれぞれによって生成された交流電力が複数の給電線12に分配されると共に、分配された交流電力が複数の給電線12ごとに合成されてそれぞれの給電線12に向けて供給される。
次に、給電盤10によって生成される各種信号の波形の例を示す。図4には、第2の動作モードに設定された場合の波形の例、図5には、第1の動作モードあるいは第2の動作モードに設定された場合にPWM制御によって設定された波形の例がそれぞれ示されている。
第2の動作モードに設定された給電盤10は、第1の動作モードに設定された外部の給電盤10から受信された参照信号REFと内部で生成された基準信号SYNCとの間で位相比較を行い、その比較結果を基に基準信号SYNCの位相を調整する。そして、第2の動作モードに設定された給電盤10は、位相が調整された基準信号SYNCに同期するように4つの制御信号Va,Vb,Vc,Vdを生成し、その制御信号Va,Vb,Vc,Vdを基にインバータ回路16を駆動することにより、インバータ回路16から交流電圧(制御パルス)Vu-Vvを出力させる。給電盤10から出力された交流電圧Vu-Vvは、電力分配回路11を経由することによって滑らかに変化する交流波形の交流電圧VOUTに成形され、交流電圧VOUTが給電線12に供給される。
なお、給電盤10は、インバータ回路16における貫通電流の発生を防止するために、制御信号Vaのオン期間と制御信号Vbのオン期間との間、及び制御信号Vcのオン期間と制御信号Vdのオン期間との間に休止期間を設けながら、基準信号SYNCに同期して制御信号Va,Vdと制御信号Vb,Vcとが交互にハイレベルとなるように4つの制御信号Va,Vb,Vc,Vdを生成する。このとき、給電盤10は、インバータ回路16の出力側のインダクタの逆起電力を抑えるために、制御信号Vaと制御信号Vcとが同時にオンとなる重複期間、及び制御信号Vbと制御信号Vdとが同時にオンとなる重複期間を設けるように4つの制御信号Va,Vb,Vc,Vdを生成する。
具体的には、第1の動作モードあるいは第2の動作モードに設定された給電盤10の同期回路15は、基準信号SYNCを基に生成される交流電圧(制御パルス)Vu-Vvのオンパルスの時間幅Wpを変化させることにより、PWM制御を実行する(図5)。同期回路15は、基準信号SYNCを基に基準信号SYNCの定期的なパルスタイミングに同期したオンパルス及びオフパルスを交互に繰り返す基準パルス信号SYNCPを生成する。それと同時に、同期回路15は、交流電圧VOUTの発生を制御するための交流電圧Vu-Vvを、交流電圧Vu-Vvのオンパルスの中心のタイミングが基準パルス信号SYNCPのオンパルスによって規定される同一周期のタイミングとなり、かつ、交流電圧Vu-Vvのオフパルスの中心のタイミングが基準パルス信号SYNCPのオフパルスによって規定される同一周期のタイミングとなるように、4つの制御信号Va,Vb,Vc,Vdを生成する。その際、同期回路15は、交流電圧Vu-Vvのオンパルス中心及びオフパルスの中心のタイミングを上記の同一周期のタイミングに維持しながら、交流電圧Vu-Vvのオンパルスの時間幅Wpを変化させることにより、PWM制御を実行する。これにより、複数の給電線12に供給される交流電圧VOUTの電力を調整することができる。
次に、図6~図8を参照して、給電盤10の同期回路15の構成の詳細を説明する。図6は、同期回路15の機能的な構成を詳細に示すブロック図であり、図7は、同期回路15を実現するハードウェア構成を示すブロック図であり、図8は、複数の給電盤10の同期回路15間の接続構成を示す図である。図6~8には、非接触給電システム100を構成する給電盤10の台数が4台の場合の構成例を示す。
図6に示すように、同期回路15は、機能的な構成要素として、発振器24、セレクタ25、ドライバ26、及び、セレクタ27とシンクロナイザ28と可変遅延素子29とを含む3つの同期信号生成部30,30,30を有している。この同期回路15には、全体の給電盤10の台数から1を引いた数の同期信号生成部30,30,30が設けられる。ここで、4台の給電盤10の同期回路15には、それぞれ、4つの識別子ID“0”,“1”,“2”,“3”のうちの1つが予め振り分けられて設定され、識別子ID“0”が設定された同期回路15は第1の動作モードで動作するように構成され、識別子ID“1”,“2”,“3”のいずれかが設定された同期回路15は第2の動作モードで動作するように構成されている。また、4台の給電盤10の同期回路15のそれぞれは、他の3台の給電盤10の同期回路15と通信可能なように通信線によって接続され、4台の給電盤10の同期回路15において生成された基準信号SYNCを相互に送受信可能なように構成されている。以下の説明では、予め識別子ID“0”が設定された給電盤10から送信された基準信号SYNCを参照信号REF0と表記し、予め識別子ID“1”が設定された給電盤10から送信された基準信号SYNCを参照信号REF1と表記し、予め識別子ID“2”が設定された給電盤10から送信された基準信号SYNCを参照信号REF2と表記し、予め識別子ID“3”が設定された給電盤10から送信された基準信号SYNCを参照信号REF3と表記する。
発振器24は、水晶発振器、PLL、分周器等を内蔵し、水晶発振器で発生した動作クロックを分周することによってクロック信号である基準信号SYNCを生成する。例えば、動作クロックは20MHzに設定され、基準信号SYNCは8.9kHzに設定される。
同期信号生成部30,30,30を構成するセレクタ27、シンクロナイザ28、及び可変遅延素子29の機能を説明する。セレクタ27は、他の3台の給電盤10のうちの2台から送信された2つの参照信号REFのうちの1つを選択してシンクロナイザ28に入力する。可変遅延素子29は、発振器24によって生成された基準信号SYNC、あるいは、シンクロナイザ28によって位相が調整された基準信号SYNCを受けて内部でサンプリングした後に、セレクタ27によって選択された参照信号REFの伝送遅延に相当する遅延時間だけ遅延させてシンクロナイザ28に入力する。シンクロナイザ28は、セレクタ27によって選択された参照信号REFの位相と可変遅延素子29から入力された基準信号SYNCの位相とを比較し、基準信号SYNCの位相遅れを検出した場合には、発振器24において生成される基準信号SYNCの周期を少しずつ短縮するように(変動させるように)基準信号SYNCを調整する。逆に、シンクロナイザ28は、位相の比較により基準信号SYNCの位相の進みを検出した場合には、発振器24において生成される基準信号SYNCの周期を少しずつ延長するように(変動させるように)基準信号SYNCを調整する。このとき、基準信号SYNCの位相の調整処理には遅延が発生するため、位相遅れの検出と位相の進みの検出との間でコンフリクトが生じる場合がある。この場合は、シンクロナイザ28は位相の調整処理は行わない。また、シンクロナイザ28は、所定の範囲内の位相差を検出した場合のみ調整処理を行い、所定の範囲を超えた位相差を検出した場合、あるいは、基準信号SYNCの1周期の間に参照信号REFのレベルの遷移が検出できない場合には、参照信号REFの同期外れ(同期異常)が発生したことを検出する。
なお、3つの同期信号生成部30,30,30は、4つの参照信号REF0~REF3のうちで外部の給電盤10から受信された3つの参照信号REFのうちから、1つの信号を選択するようにセレクタ27を動作させる。また、3つの同期信号生成部30,30,30のシンクロナイザ28は、自己の同期回路15が第1の動作モードに設定されている場合は、外部の同期回路15によって生成される参照信号REFの基準信号SYNCに対する同期外れの検出のみを行う。一方で、自己の同期回路15が第2の動作モードに設定されている場合は、第1の動作モードで動作する外部の同期回路15からの参照信号REFが選択入力されるシンクロナイザ28が、上述した位相比較及び基準信号SYNCの位相調整を行い、それ以外の2つのシンクロナイザ28は、参照信号REFの基準信号SYNCに対する同期外れの検出のみを行う。
セレクタ25は、発振器24によって生成される基準信号SYNC及び3台のシンクロナイザ28によって調整される基準信号SYNCから1つの信号を選択してドライバ26に入力する。すなわち、セレクタ25は、同期回路15が第1の動作モードに設定されている場合には、発振器24からの基準信号SYNCを選択する。一方、同期回路15が第2の動作モードに設定されている場合には、3つのシンクロナイザ28のうち基準信号SYNCの位相調整を実行するシンクロナイザ28からの基準信号SYNCを選択する。
ドライバ26は、セレクタ25によって選択出力された基準信号SYNCを受けて、基準信号SYNCに同期するようにインバータ回路16の駆動用の制御信号Va,Vb,Vc,Vdを生成し、制御信号Va,Vb,Vc,Vdをインバータ回路16に印加する。このような構成により、4台の給電盤10のインバータ回路16からそれぞれの給電線12に出力される交流電力の位相が互いに一致し、かつ、PWM制御によって交流電力が供給されるように、インバータ回路16を駆動することができる。
なお、図6に示すように、同期回路15は、4つの参照信号REF0~REF3用の信号ポートを有している。同期回路15は、自己の給電盤10に設定された識別子IDに応じて設定信号EN0~EN3のいずれかを有効化することにより、4つの参照信号REF0~REF3用の信号ポートのうちの1つだけが基準信号SYNCの出力用ポートに切り替えられ、その他のポートは外部の給電盤10からの参照信号REFの入力用ポートに設定される。これにより、4つの信号ポートのうちから選択された1つの信号ポートに基準信号SYNCが出力される。
図7に示すように、同期回路15は、集積回路上に構築されたコンピュータシステムであるMCU(Micro Controller Unit)41と、プログラム可能なゲートを集積したデバイスであるFPGA(Field Programmable Gate Array)42とによって実現される。FPGA42内には給電盤10間の通信を非同期の半二重通信方式によって実現するための通信機であるUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)43a,43bが内蔵されている。このUART43a,43bは、給電盤10間を接続する通信線およびコネクタとともに二重化構成が採られている。FPGA42内には、図6に示す各回路部が構築されている。なお、MCU41が十分な処理能力を備えている場合、同期回路15の機能をMCU41が機能的に備えることも可能である。更に、UART43a,43bは、MCU41内に内蔵されていてもよい。
図8を参照して、非接触給電システム100を構成する4台の給電盤10の同期回路15間の接続構成について説明する。4台の給電盤10の同期回路15は、盤間通信用の伝送路を経由して基準信号SYNC、コマンド信号CMD、及びレスポンス信号RSPを送受信可能に構成されている。ここで、盤間通信用の伝送路においては、通信機、通信線、コネクタを含んで二重化されている。すなわち、予め識別子ID“0”が設定された1台の給電盤10のFPGA42は、内部の発振器24によって生成された基準信号SYNCを参照信号REF0として他の3台の給電盤10のFPGA42に同時に送信する。その一方で、予め識別子ID“1”,“2”,“3”が設定された3台の給電盤10のFPGA42は、それぞれ、参照信号REF0を基に位相調整された基準信号を参照信号REF1,REF2,REF3として他の3台の給電盤10のFPGA42に同時に送信する。4台の給電盤10のMCU41は、互いに、送信先の給電盤10の識別子IDを指定して、コマンド信号CMD及びレスポンス信号RSPを送受信する。
図9を参照して、同期回路15のMCU41の機能構成について説明する。MCU41は、機能的な構成要素として、異常判定部51、変更制御部52、及び測定部53を備える。
異常判定部51は、自己の給電盤10で生成された基準信号SYNC及び自己の給電盤10以外の他の給電盤10から受信した参照信号REFの状態を基に、複数の給電盤10のそれぞれの異常を判定する。例えば、異常判定部51は同期回路15によって参照信号REFの同期異常が検出された場合にその参照信号REFに対応する他の給電盤10の同期異常が発生したと判定する。その際、異常判定部51は、複数の給電盤10に関する同期異常の判定結果を、複数の給電盤10との間でコマンド信号CMD及びレスポンス信号RSPを用いて交換する。そして、異常判定部51は、複数の給電盤10間での判定結果の整合性を判断し、その判断結果を基に複数の給電盤10のそれぞれの故障の有無を特定する。例えば、異常判定部51は、ある給電盤10の回路あるいは伝送路の故障を、他の給電盤10の同期異常の判定結果との不一致を基に特定する。また、異常判定部51は、複数の給電盤10によって同時に同期異常と判定された給電盤10において、回路あるいは伝送路に故障有りと特定する。
また、異常判定部51は、複数の給電盤10間でハートビートコマンドとして送受信されたコマンド信号CMD及びレスポンス信号RSPの通信状態を基に、複数の給電盤10の異常を判定する機能も有する。具体的には、第1の動作モードに設定されている同期回路15の異常判定部51が、定期的にコマンド信号CMDを他の給電盤10に送信し、これに対して、他の給電盤10の同期回路15の異常判定部51が、これに応答するためのレスポンス信号RSPを返信する。そして、第1の動作モードに設定されている同期回路15の異常判定部51は、レスポンス信号RSPの受信状態を基に第2の動作モードに設定されている他の給電盤10の異常を特定する。このとき、異常判定部51は、上記の給電盤10の同期異常の判定結果と組み合わせて自己の給電盤10を含む複数の給電盤10の異常を特定してもよい。
また、異常判定部51は、自己の給電盤10内のインバータ回路16の故障を、インバータ回路16の出力電流をモニタすることによって判定する機能も有する。
変更制御部52は、異常判定部51による異常特定結果を基に、複数の給電盤10の動作モードを変更する機能を有する。具体的には、変更制御部52は、自己の給電盤10の異常が判定され、かつ、第1の動作モードに設定されている場合には、基準信号SYNC及び参照信号REFの出力を停止して交流電力の供給を停止し、他の給電盤10のうちの1台を第1の動作モードに変更するコマンド信号CMDを、ブロードキャストで他の給電盤10に送信する。これを受けて、他の給電盤10の変更制御部52は、第1の動作モードの同期処理に変更するか、あるいは、第2の動作モードにおける同期先の参照信号REFを変更するように制御する。また、変更制御部52は、自己の給電盤10の異常が判定され、かつ、第2の動作モードに設定されている場合には、基準信号SYNC及び参照信号REFの出力を停止し交流電力の供給を停止する。
また、変更制御部52は、他の給電盤10の異常が判定され、その他の給電盤10が第1の動作モードに設定されており、自己の給電盤10が次に第1の動作モードに設定されるべきである場合には、動作モード変更のためのコマンド信号CMDをブロードキャストで他の給電盤10に送信し、自己の給電盤10を第1の動作モードに変更するように制御する。これを受けて、他の給電盤10は、第2の動作モードにおける同期先を変更するように制御し、第1の動作モードで動作していた給電盤10は給電を停止する。また、変更制御部52は、他の給電盤10の異常が判定され、その給電盤10が第2の動作モードに設定されている場合には、異常検出を通知するコマンド信号CMDをその給電盤10に送信する。これを受けて、その給電盤10は、基準信号SYNC及び参照信号REFの出力を停止し、交流電力の供給を停止する。
測定部53は、複数の給電盤10間の基準信号SYNCの伝送遅延を測定し、それを基に、同期回路15内の複数の可変遅延素子29による遅延時間を可変に設定する。具体的には、測定部53は、非接触給電システム100の起動時の初期化処理として、自己の給電盤10から他の給電盤10に向けて参照信号REFを送信し、これに対して他の給電盤10から折り返されてきた参照信号REFの遅延時間を測定し、その遅延時間の半分の値を自己の給電盤10と他の給電盤10との間の伝送遅延時間(レイテンシ)として計算する。測定部53は、このような測定を繰り返して自己の給電盤10と他の給電盤10との間のレイテンシを計算し、このレイテンシの値(キャリブレーション値)を基に、他の給電盤10のそれぞれからの参照信号REFの位相比較に用いられる可変遅延素子29の遅延時間を設定する。複数の給電盤10の測定部53のそれぞれが、初期化処理時に上記の遅延時間の設定処理を実行する。
図10は、給電盤10の同期回路15における位相比較の動作を説明するためのタイミングチャートである。このように、給電盤10の同期回路15においては、複数の給電盤10に内蔵されるトランシーバICにおける伝搬遅延と盤間通信用の伝送路における伝送遅延とを含んだ経路遅延だけ参照信号REFから遅れた信号REF1から、さらに同期回路15におけるサンプリングレイテンシだけ遅れた参照信号REF2が、他の給電盤10から受信される。同期回路15は、内部で生成あるいは位相調整した基準信号SYNCを、測定部53によって計算されたキャリブレーション値に対応する時間だけ遅延させて基準信号SYNC1に調整した後に、基準信号SYNC1と参照信号REF2との間で位相比較することができる。
図11は、第2の動作モードで動作する給電盤10の同期回路15における基準信号SYNCの位相調整の動作を説明するためのタイミングチャートであり、(a)は基準信号SYNC1の遅れを検出した場合のタイミングチャートであり、(b)は基準信号SYNC1の進みを検出した場合のタイミングチャートである。このように、同期回路15は、遅延時間の付加後の基準信号SYNC1において、第1の動作モードで動作する給電盤10からの参照信号REFに対する位相遅れを検出した場合には、基準信号SYNCの周期を少しずつ短縮させるように発振器24を制御する。一方で、同期回路15は、遅延時間の付加後の基準信号SYNC1において、第1の動作モードで動作する給電盤10からの参照信号REFに対する位相の進みを検出した場合には、基準信号SYNCの周期を少しずつ延長させるように発振器24を制御する。これにより、同期回路15は、基準信号SYNCの位相と経路遅延の発生前の参照信号REFの位相とが一致するように、基準信号SYNCの位相を調整することができる。
次に、本実施形態にかかる非接触給電システム100を用いた非接触給電方法の手順について説明する。
非接触給電システム100を構成する複数の給電盤10のうちのいずれかの給電盤10が起動されたことを契機に、その給電盤10から他の給電盤10へ起動指示のためのコマンド信号CMDが送信される。これに応じて、複数の給電盤10のそれぞれの同期回路15における同期処理のモードが設定される。
その後、複数の給電盤10のうちで第1の動作モードに設定された一の給電盤10の同期回路15により、内部の発振器24によって生成された基準信号SYNCを基に一の給電盤10のインバータ回路16がPWM制御によって駆動されて、一の給電盤10による複数の給電線12に向けての交流電力の供給が開始される。それとともに、第1の動作モードに設定された一の給電盤10の同期回路15から、一の給電盤10以外の余の給電盤10に向けて基準信号SYNCが参照信号REFとして送信される。
これに対して、一の給電盤10以外の余の給電盤10の同期回路15により、内部の発振器24によって生成された基準信号SYNCと一の給電盤10から送信された参照信号REFとの間で位相比較が行われ、基準信号SYNCの位相が調整される。そして、余の給電盤10の同期回路15により、位相が調整された基準信号SYNCを基に余の給電盤10のインバータ回路16がPWM制御によって駆動されて、余の給電盤10による複数の給電線12に向けての交流電力の供給が開始される。
以上に説明した本実施形態の非接触給電システム100及びそれを用いた非接触給電方法によって得られる効果について説明する。
本実施形態によれば、複数の給電盤10から給電線12に供給される交流電力をPWM制御により調整することが可能となるとともに、複数の給電盤10のそれぞれにおいてPWM制御によって発生する交流電力の位相を複数の給電盤10間で一致させることが容易となる。これにより、PWM制御の設定差があっても、給電盤間で短絡電流が生じることがなく、故障等により給電盤10からの給電が停止した場合であっても、その給電盤10以外の残りの給電盤10から給電線12を介した移動体130への交流電力の供給が可能とされ、移動体130への交流電力の供給を安定化することができる。
図12は、比較例にかかる給電盤によってPWM制御によって生成される交流電圧Vu-Vvの波形の例を示す。この比較例では、給電盤は、PWM制御を実行する際に、交流電圧Vu-Vvを、交流電圧Vu-Vvのオンパルスの立ち上がりのタイミングが基準パルス信号SYNCPのオンパルスによって規定される同一周期のタイミングとなるように、4つの制御信号Va,Vb,Vc,Vdを生成する。同時に、比較例に係る給電盤は、交流電圧Vu-Vvのオンパルスの時間幅Wpを変更するために、交流電圧Vu-Vvのオンパルスの立ち上がりのタイミングを同一周期に維持しつつ交流電圧Vu-Vvのオンパルスの立ち下がりのタイミングを時間的に変動させるように制御する。このような比較例によれば、PWM制御によって時間幅Wpを変更した場合に給電線12に供給される交流電圧VOUTの位相も変動してしまう。これに対して、本実施形態によれば、基準信号SYNCを基準とした交流電圧VOUTの位相がPWM制御の実行によって変動することを回避することができる。その結果、複数の給電盤10から給電線12に向けて供給される交流電力の位相を安定して一致させることができる。
また、本実施形態においては、複数の給電線12と、複数の給電盤10と、複数の給電盤10のそれぞれによって発生した電力を、複数の給電線12に分配して供給する電力分配回路11とを備える。かかる構成によれば、故障等により給電盤10からの給電が停止した場合であっても、その給電盤10以外の残りの給電盤10から複数の給電線12を介した移動体130への交流電力の供給が可能とされ、広範囲に移動する移動体130への交流電力の供給を安定化することができる。
本実施形態においては、予め第1の動作モードに設定された一の給電盤10においては、自己で生成した基準信号SYNCを基に交流電力が生成され、予め第2の動作モードに設定された余の給電盤10においては、自己で生成した基準信号SYNCと一の給電盤10で生成された参照信号REFとを基に、一の給電盤10の生成する交流電力と位相が一致した交流電力が生成される。これにより、複数の給電盤10から給電線12に供給される交流電力の位相を揃えることができ、給電盤10から効率よく移動体130へ電力供給できるようになる。
また、本実施形態においては、余の給電盤10が一の給電盤10から受信した参照信号REFと内部で生成された基準信号SYNCとの位相の比較結果を基に、基準信号SYNCの周期を変動させることによりインバータ回路16を駆動している。かかる構成によれば、余の給電盤10の基準信号SYNCの位相を効率的に調整することができ、一の給電盤10の生成する交流電力の位相に対して余の給電盤10の生成する交流電力の位相を調整する処理を効率化することができる。
さらに、本実施形態においては、複数の給電盤10は、内部で生成された基準信号SYNCを相互に送受信できるよう構成されており、複数の給電盤10は、それぞれ、自己の給電盤10以外の他の給電盤10から受信した基準信号SYNCに基づいて、他の給電盤10の異常を判定するように構成されている。この場合、複数の給電盤10が他の給電盤10の異常を効率的に検出することができる。
またさらに、本実施形態においては、複数の給電盤10は、第1の動作モードに設定された一の給電盤10の異常が判定された場合に、第1の動作モードに設定される給電盤10を変更するように動作する。かかる構成によれば、複数の給電盤10の間で交流電力の位相を調整する処理を安定化することができ、移動体130への電力供給を確実に安定化することができる。
さらにまた、本実施形態においては、複数の給電盤10は、参照信号REFの状態、及び、他の給電盤10との間の通信状態の少なくともいずれか一方に基づいて異常を判定するように動作する。この場合、他の給電盤10の異常を効率的に判定することができる。
また、本実施形態においては、複数の給電盤10は、自己の給電盤10以外の他の給電盤10との間の参照信号REFの伝送遅延を測定する機能を有し、伝送遅延に基づいて、交流電力の位相を制御する際のキャリブレーション値を設定するように動作する。かかる構成により、複数の給電盤10の間の伝送遅延を考慮して交流電力の位相を調整することができ、移動体130への電力供給を一層安定化することができる。
さらに、本実施形態においては、複数の給電盤10は、参照信号REFの位相と、キャリブレーション値に応じて遅延させた基準信号SYNCの位相との比較結果を基に、交流電力の位相が一致するようにインバータ回路16を駆動している。この場合、複数の給電盤10の間の伝送遅延を考慮して基準信号SYNCの位相を比較することにより、交流電力の位相をより高度に調整することができる。
以上、好適な実施の形態において本開示の原理を図示し説明してきたが、本開示は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本開示は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
100…非接触給電システム(非接触給電装置)、10,10A,10B,10C…給電盤、11…電力分配回路、12,12A,12B,12C…給電線、16…インバータ回路、51…異常判定部、52…変更制御部、53…測定部、120…受電装置、130…移動体、SYNC…基準信号、REF…参照信号、Va,Vb,Vc,Vd…制御信号(クロック信号)。

Claims (4)

  1. 移動体に備えられた受電装置に対して非接触で交流電力を供給する給電線と、
    交流電力を発生させて前記交流電力を前記給電線に供給する複数の給電盤と、を備え、
    前記複数の給電盤のそれぞれは、前記交流電力の発生を制御する制御パルスを、前記制御パルスのオンパルスの中央のタイミングが基準クロックによって規定される同一周期のタイミングとなるように生成するとともに、前記オンパルスの幅を変化させることにより、前記給電線に供給する前記交流電力を制御するPWM制御を実行する、
    非接触給電装置。
  2. 前記複数の給電盤は、それぞれ、前記複数の給電盤のうちの一の給電盤の内部において生成された基準クロックを基準に前記制御パルスを生成する、
    請求項1に記載の非接触給電装置。
  3. 複数の前記給電線と、
    前記複数の給電盤と、
    前記複数の給電盤のそれぞれによって発生した電力を、前記複数の給電線に分配して供給する電力分配回路とを備える、
    請求項1又は2に記載の非接触給電装置。
  4. 複数の給電盤によって発生した交流電力を給電線に供給し、給電線から移動体に備えられた受電装置に対して非接触で交流電力を供給し、
    前記複数の給電盤のそれぞれは、前記交流電力の発生を制御する制御パルスを、前記制御パルスのオンパルスの中央のタイミングが基準クロックによって規定される同一周期のタイミングとなるように生成するとともに、前記オンパルスの幅を変化させることにより、前記給電線に供給する前記交流電力を制御するPWM制御を実行する、
    非接触給電方法。
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