JP2001211501A - 搬送装置の給電方法 - Google Patents

搬送装置の給電方法

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JP2001211501A
JP2001211501A JP2000018119A JP2000018119A JP2001211501A JP 2001211501 A JP2001211501 A JP 2001211501A JP 2000018119 A JP2000018119 A JP 2000018119A JP 2000018119 A JP2000018119 A JP 2000018119A JP 2001211501 A JP2001211501 A JP 2001211501A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 給電区間の給電線間に空隙部分の存在する給
電路に対し、搬送車の受電コイルが、給電区間の給電線
のどの位置において搬送車が停止しても、支障なく再起
動できるように非接触給電を行うことができる搬送装置
の給電方法を提供すること。 【解決手段】 複数に分割された給電区間に、電磁誘導
で非接触給電を行い、搬送車を走行路に沿って走行させ
る搬送装置の給電方法において、給電線32、32’、
32”の連結部上を、搬送車に搭載した受電コイルが移
送する際、隣接する給電区間の給電位相を同一位相で給
電するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送装置の給電方
法に関し、特に、工場内を稼働する有軌道無人搬送シス
テムで、複数の搬送車を同一軌道上に配し、非接触で給
電する場合において、搬送装置の搬送路が長く、あるい
は搬送車の台数が多く、所要負荷電力に対し、単一の給
電区間で給電できない場合に適した非接触給電を行う搬
送装置の給電方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、工場内を稼働する有軌道無人搬送
システムにおいては、給電線の線路長が長くなる場合、
あるいは負荷が大きい場合、搬送路を複数の区間に分割
して給電するようにしている。例えば、図4に示すよう
に、給電線の線路を4つの給電区間1、2、3、4に分
割し、かつこれらの給電区間1、2、3、4をループ状
に配設して、見かけ上1つの給電線10を構成し、かつ
各給電区間1、2、3、4の給電線に対して各々独立し
た給電装置5、6、7、8を設けて給電するようにして
いる。この給電装置5、6、7、8には相互の依存関係
はなく、その出力の周波数、位相は独立し、整合がとれ
ていない状態にある。
【0003】そして、この給電線の連結部は、図5に示
すように、例えば、一方の給電線11から他方の給電線
12に切り替わる部分では、給電線11、12間に、そ
の構成及び施工上、空隙Cが存在する。この空隙Cは、
電線の曲げ半径等の要因等により決まり、給電線11、
12はそれぞれ支持材15により走行路面16から所定
の間隔だけ浮上するように敷設されている。
【0004】一方、搬送車側に搭載する受電コイル17
は、コイル長さLを有し、図5(B)に示すように、給
電線11を支持した支持材15を、E型コア17Cの溝
の中心に位置するよう配置している。この受電コイル1
7の発生電圧と給電線との位置関係を図6に示す。搬送
車の走行により受電コイル17が、給電線11、12間
の空隙Cにさしかかる前においては、出力電圧Ecは、
図6に示す如く受電コイルの位置に関係なく出力は一定
になる。そして、受電コイル17が、前記空隙Cを通り
抜けた後も前記と同様に出力電圧Ecの一定となる。
【0005】しかし、給電線11、12間の空隙Cの区
間に搬送車側の受電コイル17がある間は、図6の出力
電圧Ea、Ebにて示すように電圧が、出力電圧Ecよ
りも低下する。さらに、給電線11と給電線12の位相
が反転している場合には、出力電圧Edに示すようにゼ
ロまで下がる。また、2つの給電線11、12の周波数
が一致していない場合には、空隙C区間内での出力電圧
は2つの周波数の差分周波数で変動する。周波数が一致
しているが、位相が異なる場合には位相差によって出力
し得る電圧Egが変化するものとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
の非接触給電を行う搬送装置の給電方法には、給電区間
の給電線間に空隙部分の存在する給電路に対し、単一の
受電コイルで受電し、搬送車の動力源に供する場合、こ
の空隙区間を通過、あるいはこの区間で停止後に再起動
する起動電力よりも空隙部で供給できる電力が少ない場
合には、この位置で搬送車が停止したり、あるいは停止
後の再起動ができなくなったりして、搬送車の運用に支
障をきたすという問題点があった。
【0007】本発明は、従来の非接触給電を行う搬送装
置の給電方法の有する問題点に鑑み、給電区間の給電線
間に空隙部分の存在する給電路に対し、搬送車の受電コ
イルが、給電区間の給電線のどの位置において搬送車が
停止しても、支障なく再起動できるように非接触給電を
行うことができる搬送装置の給電方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の搬送装置の給電方法は、複数に分割された
給電区間に、電磁誘導で非接触給電を行い、搬送車を走
行路に沿って走行させる搬送装置の給電方法において、
給電線の連結部上を、搬送車に搭載した受電コイルが移
送する際、隣接する給電区間の給電位相を同一位相で給
電するようにしたことを特徴とする。
【0009】上記の構成からなる本発明の非接触給電を
行う搬送装置の給電方法は、隣接する給電区間の給電位
相を同一位相で給電しているため、搬送車が給電区間の
給電線間の空隙部分に受電コイルが位置するように停止
しても、受電コイルの出力低下を最小限に抑制すること
ができるので、支障なく再起動でき、搬送車の走行を安
定させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の搬送装置の給電方
法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】図1〜図3は、本発明の搬送装置の給電方
法の一実施例を示す。給電区間の給電線間の空隙Cの区
間において、図6の線図で示すように、出力電圧Eaで
空隙区間の最低電圧Egがコイルの長さLと空隙Cの区
間長で決まり、時間に依存しない方法について説明す
る。
【0012】図1には、図4の従来装置に示すように、
給電線を、複数の給電区間に分割し、これをループ状に
配設して1つの給電線を構成し、かつ各給電区間の給電
線毎に給電装置を接続する場合における1台分の給電装
置20の構成を示す。本発明の給電装置20は、外部か
らの同期信号の入力インターフェース(ラインレシー
バ)21と、同期信号の出力インターフェース(ライン
ドライバ)22と、同期信号を内部信号、外部信号のい
ずれか一方を選択する選択スイッチ23と、水晶発振器
による発振回路24と、給電線に供給する周波数10k
Hzの同期信号に周波数を分周する分周回路25と、遅
延回路26と、ゲート駆動信号生成回路27と、IGB
T等の電力スイッチング素子のゲート駆動回路28と、
主回路部分の整流、平滑を行う電源回路29と、IGB
T等のスイッチング素子で単相交流を発生する主回路3
0とから構成される。
【0013】複数の給電区間に分割し、かつ各給電区間
の給電線毎に、上述構成の給電装置20を接続する場
合、図2に示す如く配置する。ここでは、一例として、
閉じた給電線路の場合について説明する。図2において
は、3台の給電装置20、20’20”を配置し、その
出力にそれぞれ給電線32、32’、32”を接続し、
かつ給電線32、32’、32”をループ状に隣接して
構成した場合を示したが、給電装置20’、20”及び
給電線32’、32”の間には、同様に構成する複数の
給電装置、給電線(いずれも図示省略)を介在させるこ
とができる。
【0014】各給電装置20、20’20”の間は、同
期信号31、31’、31”をカスケート接続する。最
上流の給電装置20は、同期信号の選択スイッチ23を
回路232側に接続し、給電装置20の同期信号を出力
インターフェース22を介して外部に出力するととも
に、遅延回路26にも供給する。下流側の給電装置2
0’、20”は、同期信号選択を選択スイッチ23の回
路231側に接続し、上流側の給電装置20からの同期
信号36を、下流側の給電装置20’、20”に出力す
るとともに、遅延回路26に供給するように構成する。
【0015】回路動作を図3に基づいて説明する。水晶
発振回路24のクロック信号35を分周し、同期信号3
6を生成する。同期信号36の周期39はクロック信号
35の周期の分周比倍になる。一例として同期信号36
の周波数を10Hz近傍とし、周期を1μs単位で設定
する場合、クロック信号35の周波数は10MHzとな
る。設定分解能を上げる場合にはクロック信号35の周
波数をさらに高くする。
【0016】遅延回路26は、外部あるいは内部の同期
信号36から遅延時間40だけ信号を遅らせる。給電線
の端部近傍に給電装置を設置し、同期信号を同軸ケーブ
ル、光ファイバー等の伝送線(伝送媒体)で伝送する場
合、距離に比例した遅延を生じる。伝搬速度v、上流か
ら最下流までの伝送線の長さLw、信号の遅延時間Td
1、光速度c、媒体の比透磁率μs(=1)、媒体の比誘
電率εsとすると、次式の関係が成立する。
【0017】v=(μs・εs)-1/2・c=εs-1/2・c
【0018】Td1=Lw・v=εs-1/2・Lw・c
【0019】また、ラインドライバ22及びラインレシ
ーバ21のインターフェース部の信号の遅延Td2は、回
路素子、構成で決まる1段当たりの遅延時間Tdu、給電
装置の台数nとすると、次式となる。 Td2=(n−1)Tdu
【0020】最下流の給電装置20”までの遅延Td
は、次式となる。 Td=Td1+Td2
【0021】すべての給電装置の遅延回路26の出力の
位相を、最上流の給電装置20の分周回路25に対し、
同一値に合わせるため、最上流の給電装置20の遅延時
間設定Tsは、次式にように最下流の給電装置20”ま
での遅延時間Tdに設定する。 Ts=Td
【0022】最下流の給電装置20”の遅延時間設定T
s”は、次式にようにインターフェース1段分の遅延時
間Tduとする。 Ts”=Tdu
【0023】中間に位置する給電装置20’の遅延時間
設定は上流からの段数と同期信号の伝送線長に応じた値
をTsからTs”の間で設定する。
【0024】ここで、最大の遅延時間Tdは同期信号の
周期を越えることはできない。
【0025】通常の伝送線の遅延は、導線で100m当
たり4μs、光ファイバーで4〜5μsである。インタ
ーフェース部の遅延は1段当たり1〜3μs以下とな
り、搬送装置を設置する数100m程度の走行路に対
し、給電区間を10区間程度に分割給電することができ
る。
【0026】ゲート信号生成回路26は遅延した同期信
号36を起動信号として、パルス幅41、44、45、
47のパルスをパルス間隔42、44、46の間隔をお
いて発生する。ゲート駆動信号は正負の信号で図示して
いる。正極性のパルスはU相のハイサイド側ゲート、負
極性のパルスはV相のハイサイド側ゲートの駆動信号を
示すものとする。
【0027】ローサイド側ゲートはハイサイド側と相補
関係にあり、かつ、上下のトランジスタが同時に動作し
ないようデッドタイムを設けるのは通常のインバータと
同様である。
【0028】このパルス幅、パルス間隔はそれぞれ独立
した値に設定することができる。あるいは設定を共通に
し、パルス幅41、43、45、47を同一の値、パル
ス間隔42、46を同一の値に設定することもできる。
【0029】設定値をそれぞれ独立にした場合、不適切
な設定値を選んだ場合、給電線に直流成分が重畳する
が、先の如く同一値を設定した場合、正負で対称となり
直流分が重畳しないものとなる。
【0030】給電線の電圧の基本波成分は、図3おい
て、線図38に示すように発生する。非接触給電の給電
側、あるいは受電側で共振回路を構成する場合は、高調
波成分ではなく基本波成分が電力伝達の支配要因である
ため、基本波成分に着目する。
【0031】本実施例は1周期を正負それぞれ2分割の
矩形波で駆動する方法を説明したが、さらに波形を細分
化することもできる。この細分化の限度はパワー素子の
スイッチング時間に依存するもので、本実施例の方法に
依存するものではない。また、正負を1パルスで駆動す
ることも可能である。
【0032】この方法では、同期信号により1周期分の
波形を生成し、個々の給電装置は他励動作となるため給
電線の位相を整合することが可能となる。
【0033】以上、本発明の搬送装置の給電方法につい
て、1台のインバータ(給電装置)で1本の給電線に給
電するようにした実施例に基づいて説明したが、本発明
は、この実施例に記載した構成に限定されるものではな
く、例えば、図7に示すように、複数台のインバータ2
0a1、20a2、20b1、20b2、20c1、20c2
を1本の給電線32a、32b、32cに並列接続し、
各給電線32a、32b、32cを駆動するようにする
等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を
変更することができるものである。なお、図7に示すよ
うに、複数台のインバータ20a1、20a2、20
1、20b2、20c1、20c2を1本の給電線32
a、32b、32cに並列接続することにより、小容量
のインバータを、見かけ上、大容量化して使用すること
ができ、これによって、電流容量が小さい方が高速スイ
ッチングが可能なIGBT等の電力スイッチング素子の
特性を生かすことができるとともに、製作が困難である
という大容量の高周波インバータの問題点を回避できる
等の運用上のメリットがある。
【0034】
【発明の効果】本発明の搬送装置の給電方法によれば、
隣接する給電区間の給電位相を同一位相で給電するよう
にしているため、搬送車が給電区間の給電線間の空隙部
分に受電コイルが位置するように停止しても、受電コイ
ルの出力低下を最小限に抑制することができるので、支
障なく再起動でき、搬送車の走行を安定させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送装置の給電方法の実施の形態を示
し、1台分の給電装置の構成を示す回路図である。
【図2】給電装置の回路図である。
【図3】回路動作の説明図である。
【図4】従来の非接触給電を行う搬送装置の給電方法を
示し、搬送路を複数の区間に分割して給電する説明図で
ある。
【図5】E型コアを有する受電コイルにて給電線より給
電状態の説明図で、(A)は正面図、(B)は側面図で
ある。
【図6】受電コイルの発生電圧と給電線との位置関係を
示す説明図である。
【図7】本発明の搬送装置の給電方法の実施の形態を示
し、複数台のインバータを1本の給電線に並列接続する
構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 給電区間 10、11 給電線 15 支持材 16 走行路面 17 受電コイル 5、6、7、8 給電装置 20、20’、20” 給電装置 21 入力インターフェース 22 同期信号の出力インターフェース 23 同期信号を内部信号、外部信号のいずれか一方を
選択する選択スイッチ 24 水晶発振器による発振回路 25 分周回路 26 遅延回路 27 ゲート駆動信号生成回路 28 電力スイッチング素子のゲート駆動回路 29 電源回路 30 主回路 31、31’、31” 同期信号 32、32’、32” 給電線 35 クロック信号 36 同期信号 39 同期信号の周期 40 遅延時間 41、42、44、45、46、47 パルス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数に分割された給電区間に、電磁誘導
    で非接触給電を行い、搬送車を走行路に沿って走行させ
    る搬送装置の給電方法において、給電線の連結部上を、
    搬送車に搭載した受電コイルが移送する際、隣接する給
    電区間の給電位相を同一位相で給電するようにしたこと
    を特徴とする搬送装置の給電方法。
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