JP2023080673A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エッチングレートの制御性を効率良く高める。【解決手段】開示されるプラズマ処理装置10は、被処理物が載置されるステージ11と、ステージ11を収容しかつ上部に第1開口12aを有するチャンバ12と、第1開口12aを塞ぐことでチャンバ12内に第1空間S1を形成すると共に、第2開口13aを有する第1誘電体部材13と、第2開口13aを介して第1空間S1と連通しかつ第1誘電体部材13よりも上側に延びる第2空間S2を形成する第2誘電体部材15と、第1誘電体部材13の上側において第1誘電体部材13の中央側から外周側にかけて延在し、被処理物を処理するためのプラズマを発生させる第1誘導コイル16と、第2誘電体部材15を取り囲むように設けられ、被処理物を処理するためのプラズマを発生させる第2誘導コイル17と、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法に関する。
従来、被処理物をプラズマ処理するプラズマ処理装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1のプラズマ処理装置は、被処理物が載置されるステージと、ステージを収容しかつ上部に開口を有するチャンバと、当該開口を塞ぐことでチャンバ内に所定の空間を形成する誘電体部材と、それぞれが誘電体部材の上側に配置され、被処理物を処理するためのプラズマを発生させる第1および第2誘導コイルとを備える。当該所定の空間では、第1および第2誘導コイルによって発生されるプラズマにより被処理物のプラズマ処理が行われる。
しかしながら、特許文献1のプラズマ処理装置では、被処理物がプラズマエッチングされる速度(以下、エッチングレート)の制御性は高いものの、第1および第2誘導コイルの出力を効率良く利用することが困難である。これは、プラズマを発生させる領域である所定の空間と第1および第2誘導コイルとの間に、分厚い誘電体部材が存在するためである。このような状況において、本開示は、エッチングレートの制御性を効率良く高めることを目的の1つとする。
本開示に係る一局面は、プラズマ処理装置に関する。当該プラズマ処理装置は、被処理物が載置されるステージと、前記ステージを収容しかつ上部に第1開口を有するチャンバと、前記第1開口を塞ぐことで前記チャンバ内に第1空間を形成すると共に、第2開口を有する第1誘電体部材と、前記第2開口を介して前記第1空間と連通しかつ前記第1誘電体部材よりも上側に延びる第2空間を形成する第2誘電体部材と、前記第1誘電体部材の上側において前記第1誘電体部材の中央側から外周側にかけて延在し、前記被処理物を処理するためのプラズマを発生させる第1誘導コイルと、前記第2誘電体部材を取り囲むように設けられ、前記被処理物を処理するためのプラズマを発生させる第2誘導コイルと、を備える。
本開示に係る別の一局面は、プラズマ処理装置の使用方法に関する。当該使用方法は、被処理物が載置されるステージと、前記ステージを収容しかつ上部に第1開口を有するチャンバと、前記第1開口を塞ぐことで前記チャンバ内に第1空間を形成すると共に、第2開口を有する第1誘電体部材と、前記第2開口を介して前記第1空間と連通しかつ前記第1誘電体部材よりも上側に延びる第2空間を形成する第2誘電体部材と、前記第1誘電体部材の上側において前記第1誘電体部材の中央側から外周側にかけて延在する第1誘導コイルと、前記第2誘電体部材を取り囲むように設けられた第2誘導コイルと、を備える、プラズマ処理装置の使用方法であって、前記チャンバに原料ガスを供給すると共に前記第1および第2誘導コイルに電力を印加することで、前記被処理物を処理するためのプラズマを発生させる。
本開示によれば、エッチングレートの制御性を効率良く高めることができる。
本開示に係るプラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法の実施形態について例を挙げて以下に説明する。しかしながら、本開示は以下に説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本開示の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。
(プラズマ処理装置)
本開示に係るプラズマ処理装置は、被処理物をプラズマ処理するための装置である。プラズマ処理装置は、例えば、プラズマエッチング装置、プラズマダイサー、プラズマアッシング装置、またはプラズマCVD装置であってもよい。プラズマ処理装置は、ステージと、チャンバと、第1誘電体部材と、第2誘電体部材と、第1誘導コイルと、第2誘導コイルとを備える。
本開示に係るプラズマ処理装置は、被処理物をプラズマ処理するための装置である。プラズマ処理装置は、例えば、プラズマエッチング装置、プラズマダイサー、プラズマアッシング装置、またはプラズマCVD装置であってもよい。プラズマ処理装置は、ステージと、チャンバと、第1誘電体部材と、第2誘電体部材と、第1誘導コイルと、第2誘導コイルとを備える。
ステージは、被処理物が載置される要素である。ステージは、被処理物が載置される水平な載置面を有してもよい。ステージは、プラズマ処理中に被処理物を冷却するための冷媒が流れる流路を有してもよい。ステージは、被処理物を吸着するための静電吸着機構を有してもよい。ステージは、高周波電力が印加される下部電極を有してもよい。被処理物は、例えば、プラズマエッチングにより個片化される半導体基板であってもよい。半導体基板は、複数の素子領域と素子領域を画定する分割領域とを備える。素子領域は、例えば、半導体層と配線層とを備える。分割領域をエッチングすることにより半導体層と配線層とを有する素子チップが得られる。被処理物は、キャリアに支持された状態でステージに載置されてもよい。キャリアは、例えば、外周部をフレームで保持された樹脂シートであってもよい。
チャンバは、ステージを収容しかつ上部に第1開口を有する。チャンバは、中空円筒状に形成されていてもよい。第1開口は、上方に向かって開放していてもよい。
第1誘電体部材は、第1開口を塞ぐことでチャンバ内に第1空間を形成すると共に、第2開口を有する。第1誘電体部材は、水平に延びる領域を有する板状に形成されていてもよい。第1空間は、ステージが配置される空間であってもよい。第2開口は、第1誘電体部材を上下に貫通していてもよい。第2開口は、第1誘電体部材の中央部に配置されていてもよい。第1誘電体部材は、例えば、石英、アルミナ、窒化アルミニウムなどのセラミックスで構成されてもよい。
第2誘電体部材は、第2開口を介して第1空間と連通しかつ第1誘電体部材よりも上側に延びる第2空間を形成する。第2空間は、第1空間に生成させるプラズマの分布の制御を容易にする。第2誘電体部材は、第2開口に嵌合してもよい。第2誘電体部材は、上下に延びる筒状に形成されていてもよい。第2誘電体部材の壁厚さは、第1誘電体部材の厚さよりも小さくてもよい。第2誘電体部材は、例えば、石英、アルミナ、窒化アルミニウムなどのセラミックスで構成されてもよい。
第1誘導コイルは、第1誘電体部材の上側(第1空間の外部)において第1誘電体部材の中央側から外周側にかけて延在し、被処理物を処理するためのプラズマを発生させる。第1誘導コイルは、例えば、第1誘電体部材の上側の中央領域を除く環状領域に第1空間と対向するように配置される。第1誘導コイルが生じる磁場は、主に、第1誘電体部材を介して第1空間の原料ガスに作用する。
第2誘導コイルは、第2誘電体部材を取り囲むように設けられ、被処理物を処理するためのプラズマを発生させる。第2誘導コイルは、鉛直方向において、第1誘導コイルと重複しないように配置すればよい。第1および第2誘導コイルに供給する電力を調節することで、ステージ上のプラズマの分布の制御の自由度が高くなる。よって、被処理物にプラズマを均一に照射することが容易になる。例えば、プラズマエッチングにより半導体基板を個片化する場合、分割領域のエッチングレートが均一になるように制御することができる。第2誘導コイルが生じる磁場の少なくとも一部は、第2誘電体部材を介して第1空間や第2空間の原料ガスに作用する。第2誘電体部材は第1誘電体部材よりも薄肉なので、第2誘導コイルの磁場は効率良く第1空間や第2空間の原料ガスに作用する。したがって、本開示に係るプラズマ処理装置によると、プラズマの分布もしくはエッチングレートを効率良く制御することが可能となる。例えば、被処理物の全体にわたってエッチングレートを効率良く均一化することができる。
第1誘導コイルに印加される電力の周波数と、第2誘導コイルに印加される電力の周波数とが、互いに異なってもよい。この場合、第1誘導コイルが生じる磁場と、第2誘導コイルが生じる磁場とが互いに干渉しにくい。よって、第1および第2誘導コイルの制御の独立性を高めることができる。第1誘導コイルの周波数と第2誘導コイルの周波数との差は、大きい側の周波数の10%以上であってもよい。
第1誘導コイルに印加される電力の周波数と、第2誘導コイルに印加される電力の周波数とが、互いに等しくてもよい。この場合、一つの電力供給装置を第1および第2誘導コイルで共用することが容易である。
第1誘電体部材は、上面に凹部を有してもよい。第1誘導コイルの少なくとも一部は、凹部の内部に配置されてもよい。第1誘電体部材のうち凹部が形成された部分は、その他の部分よりも薄肉である。よって、凹部の内部に配置された第1誘導コイルの磁場が効率良く第1空間の原料ガスに作用する。凹部の深さは、特に限定されないが、例えば、第1誘電体部材の最大厚さの25%~45%であってもよい。第1誘導コイルがスパイラル状に形成されている場合、凹部を第1誘導コイルの中心と略同じ中心を有する環状に形成してもよい。
第2誘導コイルは、第2誘電体部材に沿って上下方向に延在してもよい。この場合、第2誘導コイルは、第2誘電体部材を取り囲むらせん状に形成されていてもよい。
(プラズマ処理装置の使用方法)
本開示に係るプラズマ処理装置の使用方法は、上述のプラズマ処理装置を使用する方法であって、チャンバに原料ガスを供給すると共に第1および第2誘導コイルに電力を印加することで、被処理物を処理するためのプラズマを発生させる工程を有する。当該使用方法は、通常、ステージに被処理物を載置する工程と、発生させたプラズマにより被処理物を処理もしくはエッチングする工程とを有する。例えば、プラズマエッチングにより被処理物である半導体基板を個片化する工程を有してもよい。プラズマは、例えば、フッ素含有ガスを含むプラズマであってもよいが、これに限られるものではない。当該使用方法によると、エッチングレートを効率良く制御することが可能となる。
本開示に係るプラズマ処理装置の使用方法は、上述のプラズマ処理装置を使用する方法であって、チャンバに原料ガスを供給すると共に第1および第2誘導コイルに電力を印加することで、被処理物を処理するためのプラズマを発生させる工程を有する。当該使用方法は、通常、ステージに被処理物を載置する工程と、発生させたプラズマにより被処理物を処理もしくはエッチングする工程とを有する。例えば、プラズマエッチングにより被処理物である半導体基板を個片化する工程を有してもよい。プラズマは、例えば、フッ素含有ガスを含むプラズマであってもよいが、これに限られるものではない。当該使用方法によると、エッチングレートを効率良く制御することが可能となる。
第1誘導コイルに印加する電力の周波数と、第2誘導コイルに印加される電力の周波数とが、互いに異なってもよい。この場合、第1誘導コイルが生じる磁場と、第2誘導コイルが生じる磁場とが互いに干渉しにくい。よって、第1および第2誘導コイルの制御の独立性を高めることができる。
第1誘導コイルに印加する電力の周波数と、第2誘導コイルに印加される電力の周波数とが、互いに等しくてもよい。この場合、一つの電力供給装置を第1および第2誘導コイルで共用することが容易である。
以上のように、本開示によれば、エッチングレートを効率良く制御することができる。さらに、本開示によれば、被処理物の全体にわたってエッチングレートを効率良く均一化することができる。
以下では、本開示に係るプラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法の一例について、図面を参照して具体的に説明する。以下で説明する一例のプラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法の構成要素および工程には、上述した構成要素および工程を適用できる。以下で説明する一例のプラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法の構成要素および工程は、上述した記載に基づいて変更できる。また、以下で説明する事項を、上記の実施形態に適用してもよい。以下で説明する一例のプラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法の構成要素および工程のうち、本開示に係るプラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法に必須ではない構成要素および工程は省略してもよい。なお、以下で示す図は模式的なものであり、実際の部材の形状や数を正確に反映するものではない。
《実施形態1》
本開示の実施形態1について説明する。本実施形態のプラズマ処理装置10は、被処理物(例えば、半導体基板)をプラズマ処理するための装置である。本実施形態のプラズマ処理装置10は、プラズマダイサーであるが、これに限られるものではない。図1および図2に示すように、プラズマ処理装置10は、ステージ11と、チャンバ12と、第1誘電体部材13と、カバー14と、第2誘電体部材15と、第1誘導コイル16と、第2誘導コイル17と、第1高周波電源18と、第2高周波電源19と、光学式センサ23とを備える。
本開示の実施形態1について説明する。本実施形態のプラズマ処理装置10は、被処理物(例えば、半導体基板)をプラズマ処理するための装置である。本実施形態のプラズマ処理装置10は、プラズマダイサーであるが、これに限られるものではない。図1および図2に示すように、プラズマ処理装置10は、ステージ11と、チャンバ12と、第1誘電体部材13と、カバー14と、第2誘電体部材15と、第1誘導コイル16と、第2誘導コイル17と、第1高周波電源18と、第2高周波電源19と、光学式センサ23とを備える。
ステージ11は、被処理物が載置される要素である。ステージ11は、被処理物が載置される水平な載置面11aを有する。ステージ11は、プラズマ処理中に被処理物を冷却するための冷媒が流れる流路(図示せず)を有する。ステージ11は、被処理物を吸着するための静電吸着機構(図示せず)を有する。ステージ11は、高周波電力が印加される下部電極(図示せず)を有する。
チャンバ12は、ステージ11を収容しかつ上部に第1開口12aを有する。チャンバ12は、中空円筒状に形成されているが、これに限られるものではない。第1開口12aは、上方に向かって開放している。チャンバ12は、ステージ11よりも外周側に配置され、プラズマ処理に用いられた原料ガス(第1および/または第2原料ガス)を排気するための排気口12bを有する。この排気口12bには、不図示の排気装置が接続される。チャンバ12は、導電性部材(例えば、金属)で構成される。
第1誘電体部材13は、第1開口12aを塞ぐことでチャンバ12内に第1空間S1を形成すると共に、第2開口13aを有する。第1誘電体部材13は、水平に延びる板状に形成される。第1空間S1は、ステージ11が配置される空間である。第2開口13aは、第1誘電体部材13を上下に貫通している。第2空間S2は、第1誘電体部材13の中央部に配置される。第1誘電体部材13は、上面に凹部13bを有する。第1誘電体部材13は、石英で構成されるが、これに限られるものではない。
カバー14は、第1誘電体部材13の下面を覆うように設けられる。カバー14は、第1空間S1における第1誘導コイル16と対向する領域に第1原料ガスを供給する第1ガス導入路14bを有する。第1ガス導入路14bは、カバー14の上面に形成された溝または凹部によって構成される。第1ガス導入路14bは、チャンバ12の外部に連通すると共に、第1ガス孔14dを介して第1空間S1と連通する。第1ガス孔14dは、周方向に間隔をおいて複数配置されている(図2を参照)。第1ガス孔14dは、径方向(図1における左右方向)に間隔をおいて複数配置されている。第1ガス導入路14bは、カバー14と第1誘電体部材13との間に形成されている。第1ガス導入路14bには、不図示のガス源から第1原料ガスが供給される。カバー14は、第2開口13aと重なる第3開口14aを有する。第3開口14aは、カバー14の中央部に配置される。カバー14は、窒化アルミニウムで構成されるが、これに限られるものではない。
第2誘電体部材15は、第2開口13aおよび第3開口14aを介して第1空間S1と連通しかつ第1誘電体部材13よりも上側に延びる第2空間S2を形成する。第2誘電体部材15は、第2開口13aおよび第3開口14aに嵌合する。第2誘電体部材15は、上下に延びる筒状に形成される。第2誘電体部材15の壁厚さは、第1誘電体部材13の厚さよりも小さい。第2誘電体部材15の高さ(上下寸法)は、第2誘電体部材15の直径よりも大きい。第2誘電体部材15は、窒化アルミニウムで構成されるが、これに限られるものではない。
第2誘電体部材15が形成する第2空間S2には、この第2空間S2における第2誘導コイル17と対向する領域に第2原料ガスを供給するためのガス配管25が接続される。ガス配管25には、不図示のガス源から第2原料ガスが供給される。ガス配管25は、第2ガス導入路の一例である。
第2誘電体部材15は、光学測定用の誘電体窓15aを頂部に有する。誘電体窓15aは、光学式センサ23、ステージ11に載置された被処理物、およびプラズマのいずれかが発する光を透過させる。誘電体窓15aの厚さ(上下寸法)は、第1誘電体部材13の厚さ(上下寸法)よりも小さい。誘電体窓15aの最大厚さは、第1誘電体部材13の最小厚さよりも小さくてもよい。誘電体窓15aは、第2誘電体部材15のうち筒状になった部分と、一体であってもよいし別体であってもよい。
第1誘導コイル16は、第1誘電体部材13の上側において第1誘電体部材13の中央側から外周側にかけて延在し、被処理物を処理するためのプラズマを発生させる。第1誘導コイル16は、それぞれ周方向にスパイラル状に延びる1つ以上の導電体で構成される。第1誘導コイル16の外周側の一部は、第1誘電体部材13に形成された凹部13bの内部に配置される。第1誘導コイル16は、第1高周波電源18から高周波電力を受けて磁場を生じる。この磁場が第1誘電体部材13を介して第1空間S1の原料ガス(第1および/または第2原料ガス)に作用することでプラズマが発生する。
第2誘導コイル17は、第2誘電体部材15を取り囲むように設けられ、被処理物を処理するためのプラズマを発生させる。第2誘導コイル17は、第2誘電体部材15にらせん状に巻回され、第2誘電体部材15に沿って上下方向に延在している。第2誘導コイル17は、第1誘導コイル16よりも内周側に配置される。第2誘導コイル17は、第2高周波電源19から高周波電力を受けて磁場を生じる。この磁場が第2誘電体部材15を介して第1空間S1および/または第2空間S2の原料ガス(第1および/または第2原料ガス)に作用することでプラズマが発生する。
第1高周波電源18は、第1誘導コイル16に高周波電力(例えば、3~30MHzの交流電力)を供給する。第1高周波電源18は、可変コンデンサなどの第1整合器21を介して第1誘導コイル16の一端に接続される。第1誘導コイル16の他端は、導電性のチャンバ12を介して接地される。
第2高周波電源19は、第2誘導コイル17に高周波電力(例えば、3~30MHzの交流電力)を供給する。第2高周波電源19は、可変コンデンサなどの第2整合器22を介して第2誘導コイル17の一端に接続される。第2誘導コイル17の他端は、導電性のチャンバ12を介して接地される。
第1高周波電源18の電力(第1誘導コイル16に印加される電力)の周波数と、第2高周波電源19の電力(第2誘導コイル17に印加される電力)の周波数とは、互いに異なる。なお、両周波数は、互いに等しくてもよい。
光学式センサ23は、誘電体窓15aの上方に設けられ、被処理物に関する情報を検知する。光学式センサ23は、誘電体窓15a、第2空間S2、および第1空間S1を介して被処理物に光を照射し、その反射光を受けることで被処理物に関する情報を検知する。あるいは、光学式センサ23は、誘電体窓15a、第2空間S2、および第1空間S1を介して、被処理物が発する光を受けることで被処理物に関する情報を検知する。あるいは、光学式センサ23は、誘電体窓15a、第2空間S2、および第1空間S1を介して、プラズマが発する光を受けることで被処理物やプラズマに関する情報を検知する。光学式センサ23は、例えば、赤外線センサで構成されるが、これに限られるものではない。被処理物に関する情報は、例えば、被処理物の少なくとも一部の厚さ、および/または被処理物の温度である。プラズマに関する情報は、例えば、プラズマの組成である。
-プラズマ処理装置の使用方法-
本実施形態のプラズマ処理装置の使用方法について説明する。当該使用方法は、上述のプラズマ処理装置10を使用する方法であって、チャンバ12に原料ガス(第1および第2原料ガス)を供給すると共に第1および第2誘導コイル16,17に電力を印加することで、被処理物を処理するためのプラズマを発生させ、被処理物を処理する。また、当該使用方法では、誘電体窓15aの上方から、光学式センサ23によって被処理物に関する情報を検知する。これらにより、被処理物に関する情報に基づいて、第1および第2誘導コイル16,17に印加する電力を適宜調節することが可能となる。例えば、被処理物の少なくとも一部の厚さに基づいて、第1および第2誘導コイル16,17への印加電力を調節することができる。プラズマエッチングにより半導体基板を個片化する場合は、分割領域のエッチングレートが半導体基板の全面においてできるだけ均一になるように制御することができる。
本実施形態のプラズマ処理装置の使用方法について説明する。当該使用方法は、上述のプラズマ処理装置10を使用する方法であって、チャンバ12に原料ガス(第1および第2原料ガス)を供給すると共に第1および第2誘導コイル16,17に電力を印加することで、被処理物を処理するためのプラズマを発生させ、被処理物を処理する。また、当該使用方法では、誘電体窓15aの上方から、光学式センサ23によって被処理物に関する情報を検知する。これらにより、被処理物に関する情報に基づいて、第1および第2誘導コイル16,17に印加する電力を適宜調節することが可能となる。例えば、被処理物の少なくとも一部の厚さに基づいて、第1および第2誘導コイル16,17への印加電力を調節することができる。プラズマエッチングにより半導体基板を個片化する場合は、分割領域のエッチングレートが半導体基板の全面においてできるだけ均一になるように制御することができる。
《実施形態2》
本開示の実施形態2について説明する。本実施形態のプラズマ処理装置10は、カバー14の構成が上記実施形態1と異なる。以下、上記実施形態1と異なる点について主に説明する。
本開示の実施形態2について説明する。本実施形態のプラズマ処理装置10は、カバー14の構成が上記実施形態1と異なる。以下、上記実施形態1と異なる点について主に説明する。
図3および図4に示すように、カバー14は、第1ガス導入路14bに加えて、第1空間S1における第2誘導コイル17と対向する領域に第2原料ガスを供給する第2ガス導入路14cを有する。第2ガス導入路14cは、カバー14の上面に形成された溝または凹部によって構成される。第2ガス導入路14cは、例えば、環状の第1ガス導入路14bに囲まれるように形成される。第2ガス導入路14cは、チャンバ12の外部に連通すると共に、第2ガス孔14eを介して第1空間S1と連通する。第2ガス孔14eは、周方向に間隔をおいて複数配置されている(図4を参照)。第2ガス孔14eは、径方向(図3の左右方向)に間隔をおいて複数配置されている。第2ガス導入路14cは、カバー14と第1誘電体部材13との間に形成されている。第2ガス導入路14cには、不図示のガス源から第2原料ガスが供給される。
第2誘導コイル17は、第2誘電体部材15に沿って上下方向に延在する部分と、第1誘電体部材13に沿って水平方向に延在する部分とを有する。前者は、上下方向に延在するらせん状に構成され、後者は、水平方向に延在する渦巻状(スパイラル状)に構成される。
《実施形態3》
本開示の実施形態3について説明する。本実施形態のプラズマ処理装置10は、筒状部材24を有する点で上記実施形態2と異なる。以下、上記実施形態2と異なる点について主に説明する。
本開示の実施形態3について説明する。本実施形態のプラズマ処理装置10は、筒状部材24を有する点で上記実施形態2と異なる。以下、上記実施形態2と異なる点について主に説明する。
図5および図6に示すように、プラズマ処理装置10は、第2誘電体部材15の内側に設けられた筒状部材24を備える。筒状部材24は、第2空間S2を、外側空間S21と内側空間S22とに区画する。外側空間S21は、カバー14が有する第2ガス導入路14cに連通する。外側空間S21には、不図示のガス源からガス配管25を介して第2原料ガスが供給される。ガス配管25が第2誘導コイル17の影響を受けないように、ガス配管25は、第1および第2誘導コイル16,17の最上部よりも高い位置から外側空間S21に第2原料ガスを供給してもよい。内側空間S22は、第1空間S1に連通する。内側空間S22は、プラズマを発生させるために利用し得る。また、内側空間S22は、誘電体窓15aの上方から、光学式センサ23によって被処理物に関する情報を検知するのに利用し得る。筒状部材24は、カバー14の第3開口14aに嵌合している。筒状部材24は、窒化アルミニウムで構成されるが、これに限られるものではない。本実施形態の第2誘電体部材15は、石英で構成される。第1ガス導入路14bと第2ガス導入路14cとは、Oリング26によって互いに仕切られる。第1ガス導入路14bと第2ガス導入路14cとを仕切ることで、第1原料ガスと第2原料ガスのそれぞれの供給量の制御がより正確に行えるようになる。
本開示は、プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法に利用できる。
10:プラズマ処理装置
11:ステージ
11a:載置面
12:チャンバ
12a:第1開口
12b:排気口
13:第1誘電体部材
13a:第2開口
13b:凹部
14:カバー
14a:第3開口
14b:第1ガス導入路
14c:第2ガス導入路
14d:第1ガス孔
14e:第2ガス孔
15:第2誘電体部材
15a:誘電体窓
16:第1誘導コイル
17:第2誘導コイル
18:第1高周波電源
19:第2高周波電源
21:第1整合器
22:第2整合器
23:光学式センサ
24:筒状部材
25:ガス配管(第2ガス導入路)
26:Oリング
S1:第1空間
S2:第2空間
S21:外側空間
S22:内側空間
11:ステージ
11a:載置面
12:チャンバ
12a:第1開口
12b:排気口
13:第1誘電体部材
13a:第2開口
13b:凹部
14:カバー
14a:第3開口
14b:第1ガス導入路
14c:第2ガス導入路
14d:第1ガス孔
14e:第2ガス孔
15:第2誘電体部材
15a:誘電体窓
16:第1誘導コイル
17:第2誘導コイル
18:第1高周波電源
19:第2高周波電源
21:第1整合器
22:第2整合器
23:光学式センサ
24:筒状部材
25:ガス配管(第2ガス導入路)
26:Oリング
S1:第1空間
S2:第2空間
S21:外側空間
S22:内側空間
Claims (8)
- 被処理物が載置されるステージと、
前記ステージを収容しかつ上部に第1開口を有するチャンバと、
前記第1開口を塞ぐことで前記チャンバ内に第1空間を形成すると共に、第2開口を有する第1誘電体部材と、
前記第2開口を介して前記第1空間と連通しかつ前記第1誘電体部材よりも上側に延びる第2空間を形成する第2誘電体部材と、
前記第1誘電体部材の上側において前記第1誘電体部材の中央側から外周側にかけて延在し、前記被処理物を処理するためのプラズマを発生させる第1誘導コイルと、
前記第2誘電体部材を取り囲むように設けられ、前記被処理物を処理するためのプラズマを発生させる第2誘導コイルと、
を備える、プラズマ処理装置。 - 前記第1誘導コイルに印加される電力の周波数と、前記第2誘導コイルに印加される電力の周波数とが、互いに異なる、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記第1誘導コイルに印加される電力の周波数と、前記第2誘導コイルに印加される電力の周波数とが、互いに等しい、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記第1誘電体部材は、上面に凹部を有し、
前記第1誘導コイルの少なくとも一部は、前記凹部の内部に配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。 - 前記第2誘導コイルは、前記第2誘電体部材に沿って上下方向に延在する、請求項1~4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 被処理物が載置されるステージと、
前記ステージを収容しかつ上部に第1開口を有するチャンバと、
前記第1開口を塞ぐことで前記チャンバ内に第1空間を形成すると共に、第2開口を有する第1誘電体部材と、
前記第2開口を介して前記第1空間と連通しかつ前記第1誘電体部材よりも上側に延びる第2空間を形成する第2誘電体部材と、
前記第1誘電体部材の上側において前記第1誘電体部材の中央側から外周側にかけて延在する第1誘導コイルと、
前記第2誘電体部材を取り囲むように設けられた第2誘導コイルと、
を備える、プラズマ処理装置の使用方法であって、
前記チャンバに原料ガスを供給すると共に前記第1および第2誘導コイルに電力を印加することで、前記被処理物を処理するためのプラズマを発生させる、プラズマ処理装置の使用方法。 - 前記第1誘導コイルに印加する電力の周波数と、前記第2誘導コイルに印加される電力の周波数とが、互いに異なる、請求項6に記載のプラズマ処理装置の使用方法。
- 前記第1誘導コイルに印加される電力の周波数と、前記第2誘導コイルに印加される電力の周波数とが、互いに等しい、請求項6に記載のプラズマ処理装置の使用方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021194144A JP2023080673A (ja) | 2021-11-30 | 2021-11-30 | プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法 |
US18/057,799 US20230167553A1 (en) | 2021-11-30 | 2022-11-22 | Plasma processing apparatus and method for using plasma processing apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2023080673A true JP2023080673A (ja) | 2023-06-09 |
Family
ID=86656742
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023080673A (ja) |
-
2021
- 2021-11-30 JP JP2021194144A patent/JP2023080673A/ja active Pending
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