JP2023080432A - 燃料電池の触媒層および燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、高い導電性と優れた排水性を両立した燃料電池の触媒層を提供する。【解決手段】本開示における触媒層は、燃料電池のガス拡散層と電解質膜の間に介在する触媒層であって、この触媒層は、ガス拡散層に隣接する第1の触媒層と、電解質膜に隣接する第2の触媒層と、を有する。第1の触媒層と第2の触媒層は、それぞれ、第1の導電性材料と、第1の導電性材料と比較してモード径が小さい第2の導電性材料と、第1の導電性材料と第2の導電性材料の少なくとも一方に担持された触媒と、を含む。そして、第1の触媒層は、第2の触媒層よりも、第1の導電性材料と第2の導電性材料の合計重量に占める第2の導電性材料の重量の割合が小さいことを特徴とする。本開示の触媒層は、発電時に水が生成される側の電極の触媒層に用いるとよい。【選択図】図2

Description

本開示は、燃料電池の触媒層および燃料電池に関する。
特許文献1は、触媒層の水分をより効率的に排出して、燃料電池のフラッディングを抑制可能な技術を開示する。この燃料電池は、電解質膜と、電解質膜の表面に形成された触媒層と、触媒層の電解質膜とは反対側の表面に形成されたガス拡散層と、を備えている。
この触媒層は、プロトン伝導性を有するアイオノマと、少なくとも一部をアイオノマに覆われた触媒担体と、触媒層内をガス拡散層から電解質膜に向かう細孔と、を備え、電解質膜と触媒層とガス拡散層とが積層された方向に対する細孔の横断面積が、触媒層の電解質膜側よりもガス拡散層側において大きい。
特開2013―145652号公報
本開示は、高い導電性と優れた排水性を両立することで、高効率な発電性能を持つ燃料電池の触媒層を提供する。
本開示における触媒層は、燃料電池のガス拡散層と電解質膜の間に介在する触媒層であって、この触媒層は、ガス拡散層に隣接する第1の触媒層と、電解質膜に隣接する第2の触媒層と、を有する。
第1の触媒層と第2の触媒層は、それぞれ、第1の導電性材料と、第1の導電性材料と比較してモード径が小さい第2の導電性材料と、第1の導電性材料と第2の導電性材料の少なくとも一方に担持された触媒と、を含む。
そして、第1の触媒層は、第2の触媒層よりも、第1の導電性材料と第2の導電性材料の合計重量に占める第2の導電性材料の重量の割合が小さいことを特徴とする。
本開示における触媒層は、導電性材料同士の接触面積減少による電気伝導性低下を抑制しながら、触媒層の排水性を向上することができる。そのため、本開示における触媒層を燃料電池に用いると燃料電池の発電性能を向上することができる。
実施の形態1における燃料電池セルの断面の概略構成を示す模式図 実施の形態1における触媒層の断面の概略構成を示す模式図 一方向に向かうにつれて間隙径が大きくなる間隙内の水に働く毛管圧を説明するための模式図 球を最密充填した構造を説明するための模式図 実施の形態1における触媒層のメソポーラス材料とアイオノマの位置関係を説明するための模式図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、水素と酸素を反応させて発電し発電時に水のみを生成することから脱炭素社会の実現に必要なキーデバイスとして燃料電池が注目されていた。
燃料電池の発電効率向上のためには、発電反応時に生成する水を効率的に排出させて、反応ガスである酸素および水素が阻害されることなく触媒点に到達させることが必要となる。
生成した水の排出を促進させる方策として、間隙内の水が毛管圧によって径の小さいほうから大きいほうへと押し出される性質を利用し、間隙径の小さい触媒層から間隙径の大きいガス拡散層、セパレータに向かって排水を促進させる構成となっている。
しかし、触媒層内の間隙径分布はおよそ一定であることから触媒層内において生成水が蓄積し、ガス拡散を阻害することで発電性能低下の要因の一つとなっていることが明らかとなってきた。
さらなる発電性能の向上のためには触媒層内の排水性をさらに向上させる必要があり、触媒層内において電解質膜側からガス拡散層側に向かって間隙径が大きくなっていくような分布を持たせるという着想を得た。
ところが、単一の触媒担持材料を積層させ、積層の疎密性によって間隙径を制御した場合は、間隙径の大きな領域において触媒担持材料同士の接触面積が低下することにより、導電性が低下し、優れた排水性と高い導電性の両立が困難であるという課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、優れた排水性と高い導電性の両立することで、燃料電池での発電効率を向上した触媒層および燃料電池を提供する。
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図5を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
(燃料電池)
図1は、燃料電池の基本単位である燃料電池セルの構成例を示している。図1に示す燃料電池セル7は、アノードに供給された水素とカソードに供給された酸素とを反応させて発電する固体高分子電解質型燃料電池である。
図1に示すように、燃料電池セル7は、アノードセパレータ5aとカソードセパレータ
5cとの間に電解質膜-電極接合体6を有する。
アノードセパレータ5aは、電解質膜-電極接合体6のアノード2aに接する面に、燃料電池セル7に供給される水素を電解質膜-電極接合体6のアノード2aに流す流路を有する。
カソードセパレータ5cは、電解質膜-電極接合体6のカソード2cに接する面に、燃料電池セル7に供給される酸素を電解質膜-電極接合体6のカソード2cに流す流路を有する。
燃料電池セル7がスタック構造である場合は、隣接するアノードセパレータ5aとカソードセパレータ5cは、隣り合うセル間を電気的に接続する。
電解質膜-電極接合体6は、電解質膜1と、アノード触媒層3aおよびアノードガス拡散層4aを含むアノード(燃料極)2aおよび、カソード触媒層3cおよびカソードガス拡散層4cを含むカソード(空気極)2cとを備え、電解質膜1の両側を、アノード2aとカソード2cとによって挟む構成となっている。
(電解質膜)
電解質膜1は、アノード2aとカソード2cとの間のイオン伝導を行うものであり、イオン伝導性とガスバリア性とを併せ持つ必要がある。本実施の形態では、電解質膜1として、パーフルオロスルホン酸樹脂膜を用いた。このパーフルオロスルホン酸樹脂膜は、水素イオン伝導性が高く、燃料電池の発電環境下でも安定に存在するため好ましい。
(ガス拡散層)
アノードガス拡散層4aおよびカソードガス拡散層4cは、集電作用とガス透過性と撥水性とを併せ持つ層である。アノードガス拡散層4aおよびカソードガス拡散層4cは、基材およびコーティング層の2層を含む構成であってもよい。
基材は、導電性、ならびに気体および液体の透過性に優れた材料であればよく、本実施の形態では、基材として、カーボンペーパーを用いた。
コーティング層は、基材と触媒層(アノード触媒層3aまたはカソード触媒層3c)との間に介在し、これらの接触抵抗を下げ、液体の透過性(排水性)を向上するための層である。本実施の形態では、コーティング層として、カーボンブラックなどの導電性材料およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの撥水性樹脂を主成分として形成されたものを用いた。
(触媒層)
アノード触媒層3aおよびカソード触媒層3cは、アノード2aおよびカソード2cの電気化学反応を促進させる層である。
アノード触媒層3aおよびカソード触媒層3cの触媒層は、導電性材料と、導電性材料に担持された触媒と、導電性材料の少なくとも一部を被覆するアイオノマ(水素イオン電導性樹脂)とを含んでいる。
図2に示すように、カソード触媒層3cは、カソードガス拡散層4cに隣接する第1の触媒層11aと、電解質膜1に隣接する第2の触媒層11bとを有している。
第1の触媒層11aと第2の触媒層11bは、それぞれ、第1の導電性材料10aと、
第1の導電性材料10aと比較してモード径が小さな第2の導電性材料10bと、第1の導電性材料10aと第2の導電性材料10bの少なくとも一方に担持された触媒12と、第1の導電性材料10aと第2の導電性材料10bの少なくとも一部を被覆するアイオノマ13から構成されている。
そして、第1の触媒層11aは、第2の触媒層11bよりも、第1の導電性材料10aと第2の導電性材料10bの合計重量に占める第2の導電性材料10bの重量の割合Xが小さい。
本実施の形態では、導電性材料間の接触面積低下による導電性の低下を抑制する目的から、第1の触媒層11aにおける割合Xは0.05であり、また、カソード触媒層3cの厚さ低減によるガス拡散性向上のため、第2の触媒層11bにおける割合Xは0.3であった。
(導電性材料)
本実施の形態では、第1の導電性材料10aとして、モード径がおよそ500nmであるメソポーラスカーボンを用い、第2の導電性材料10bとして、モード径が50nmであるカーボンブラックを用いた。本実施の形態では、第2の導電性材料10bのモード径は、第1の導電性材料10aのモード径の10%であった。
(触媒)
図2に示すように、触媒12は、第1の導電性材料10aと第2の導電性材料10bの少なくとも第1の導電性材料10aに担持されている。本実施の形態では、触媒12として、白金を含む合金を用いた。触媒12のモード径は5nmであった。
(アイオノマ)
図2に示すように、アイオノマ13は、水素イオン(H)伝導性を持った高分子ポリマーであり、第1の導電性材料10aと第2の導電性材料10bの少なくとも一部を被覆している。本実施の形態では、アイオノマ13として、高い水素イオン伝導性を持ち、燃料電池の発電環境下でも安定に存在するパーフルオロスルホン酸ポリマーを使用した。
(メソポーラス材料)
本実施の形態では、第1の導電性材料10aとして、図5に示すメソポーラス材料14を用い、メソポーラス材料14として、メソポーラスカーボンを用いた。このメソポーラス材料14は、触媒12を担持する前において、メソ孔15のモード径が10nm、メソ孔15の細孔容積が2.0cm/gであった。また、メソポーラス材料14のモード径は500nmであった。
[1-2.動作]
図1に基づいて、燃料電池セル7の運転方法、作用を説明する。燃料電池セル7の温度を60℃に設定(維持)し、アノードセパレータ5aの流路に露点が60℃の水素を100cc/minの流量で供給し、カソードセパレータ5cに露点が60℃の空気を300cc/minの流量で供給することにより、アノード2aとカソード2cとを接続する外部回路に10Aの電流が流れる。
次に、運転中の電気化学デバイス内での物質の移動と電気化学反応について説明する。アノードセパレータ5aの流路に供給された水素は、アノードガス拡散層4aを通り、アノード触媒層3aの触媒へ到達する。
アノード触媒層3aでは、(化1)に示す水素が水素イオン(H)と電子に解離する
酸化反応が起こり、水素イオン(H)は、アノード触媒層3a(アイオノマ)を通り、電解質膜1を伝導し、カソード触媒層3cの触媒12へ到達する。
Figure 2023080432000002
アノード触媒層3aで乖離した電子は、アノード触媒層3aとアノードガス拡散層4aとアノードセパレータ5aを通り、電線および電子負荷装置を経由して、カソードセパレータ5cとカソードガス拡散層4cとカソード触媒層3cを通り、カソード触媒層3cの触媒12へ到達する。
カソードセパレータ5cの流路へ供給された空気中の酸素は、カソードガス拡散層4cを通り、カソード触媒層3cの触媒12へ到達する。カソード触媒層3cでは、(化2)に示す、水素イオン(H)と酸素(O)と電子が結びついて水が生成される還元反応が起こる。
Figure 2023080432000003
燃料電池セル7の発電性能を向上させるためには、原料となる水素と酸素がそれぞれ効率よくアノード触媒層3aとカソード触媒層3cに到達することが必要であるが、発電反応に伴って生成した水は、カソード触媒層3cにおいてガス拡散の阻害要因となることから、効率的に水がカソード触媒層3cからカソードガス拡散層4cを経てカソードセパレータ5cの流路へ排出されることが必要となる。
図2に示すように、カソード触媒層3cは、電解質膜1側においてカソードガス拡散層4c側よりも間隙のモード径が小さい。間隙内に蓄積した水の気液界面に働く毛管圧の大きさは(数1)に示すヤングラプラスの式に従い、間隙径の逆数に比例する。
このことから、図3に示すように、間隙径の小さい面における毛管圧P1は間隙径の大きい面における毛管圧P2よりも大きく、カソード触媒層3c中の間隙内に蓄積した水が電解質膜1側からカソードガス拡散層4c側に向かって押し出される方向に力を受けるため、排水性が向上する。また、導電性材料間の接触面積を増大させることで導電性が向上する。
Figure 2023080432000004
図4に示すように半径rの球体aを六方最密充填させた場合に、近接する四つの球体aの中心を結ぶと一片の長さが2rの正四面体になる。正四面体の重心と正四面体の頂点の距離は約1.22rと算出されることから、半径rの球体aを六方最密充填させた場合の
近接する四つの球体a間の間隙に配置できる球の最大の半径は約0.22rである。
このことから、第2の導電性材料10bのモード径が第1の導電性材料10aのモード径の22%以下であった場合に、六方最密充填された第1の導電性材料10a間に生じる間隙に第2の導電性材料10bを配置可能となり、間隙のモード径が小さくなる。
カソード触媒層3c内の間隙のモード径が小さくなった場合、カソード触媒層3cとカソードガス拡散層4cの間隙のモード径の差が大きくなり、毛管圧によるカソード触媒層3cからカソードガス拡散層4cに間隙内の水を排出する力が大きくなることで排水性が向上する。また、導電性材料間の接触面積も増大することからカソード触媒層3cの導電性が向上する。
第1の導電性材料10aが内部にメソ孔15を持ったメソポーラス材料14であり、触媒12がメソ孔15内に担持されている場合は、アイオノマ13がメソ孔15内の触媒12と接触することを抑制できる。
アイオノマ13は、その最短辺のモード径は50nm以上であることから、それよりも径の小さなメソ孔15に触媒12が担持されている場合は、アイオノマ13がメソ孔15に進入することができず接触が抑制される。触媒12とアイオノマ13が接触した際に触媒活性が低下することが知られているが、接触を抑制することによって活性低下を抑制することができる。
第1の導電性材料10aまたは第2の導電性材料10bが、炭素系材料であった場合、カソード触媒層3cの排水性が向上する。炭素材料は導電性材料の中でも疎水性の高い材料であり、カソード触媒層3cの排水性を向上させることができる。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、カソード触媒層3cは、カソードガス拡散層4cに隣接する第1の触媒層11aと、電解質膜1に隣接する第2の触媒層11bとを有する。
第1の触媒層11aと第2の触媒層11bは、それぞれ、第1の導電性材料10aと、第1の導電性材料10aと比較してモード径の小さな第2の導電性材料10bと、第1の導電性材料10aと第2の導電性材料10bの少なくとも一方に担持された触媒12とを含む。
そして、第1の触媒層11aは、第2の触媒層11bよりも、第1の導電性材料10aと第2の導電性材料10bの合計重量に占める第2の導電性材料10bの重量の割合が小さいことを特徴とする。
これにより、カソード触媒層3cにおいて、電解質膜1に隣接する第2の触媒層11bは、カソードガス拡散層4cに隣接する第1の触媒層11aよりも、導電性材料間の間隙モード径が小さくなり、発電時にカソード触媒層3cで生成される水が毛管圧によって電解質膜1側からカソードガス拡散層4c側に向かって押し出される方向に力を受けるために排水性が向上する。
さらに、導電性材料間の接触面積を大きくすることで、導電性を向上させることができる。これらによって、高効率な触媒層を得ることができる。
また、本実施の形態のように、カソード触媒層3cは、第2の導電性材料10bのモー
ド径が第1の導電性材料10aのモード径の22%以下であってもよい。
そのように構成すれば、第1の導電性材料10a間にできる間隙に第2の導電性材料10bを配置可能となる。そして、カソード触媒層3cの導電性材料間の間隙を小さくすることで、カソード触媒層3cとカソードガス拡散層4cの間隙のモード径の差が大きくなるので、より排水性を向上させることができる。その結果、高効率な触媒層を得ることができる。
また、本実施の形態のように、カソード触媒層3cの第1の導電性材料10aは、少なくとも一部がアイオノマ13によって被覆され、内部にモード径が1~50nmのメソ孔15を有し、そのメソ孔15内に触媒12を担持したメソポーラス材料であってもよい。
そのように構成すれば、モード径が数十nmであるアイオノマ13とメソ孔内担持された触媒12の接触が抑制され、接触による触媒活性の低下を抑制することができ、高効率な触媒層を得ることができる。
また、本実施の形態のように、カソード触媒層3cの第2の導電性材料10bは、炭素材料であってもよい。
そのように構成すれば、導電性材料のなかでも炭素系材料は、高い疎水性を持つことから、カソード触媒層3cの排水性をより向上させることができ、高効率なカソード触媒層3cを得ることができる。
また、本実施の形態のように、本実施の形態のカソード触媒層3cを用いて燃料電池セル7を構成してもよい。
そのように構成すれば、カソード触媒層3cの排水性と導電性が従来のカソード触媒層よりも向上しているので、燃料電池セル7の発電性能を向上させることができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出題において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した書く構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1では、電解質膜1の一例として、パーフルオロスルホン酸樹脂膜を説明した。電解質膜1は、アノード2aとカソード2cとの間のイオン(水素イオン)伝導を行うものであり、水素イオン伝導性とガスバリア性とを併せ持つものであればよい。したがって、電解質膜1は、パーフルオロスルホン酸樹脂膜に限定されない。
電解質膜1は、例えば、イオン交換性フッ素系樹脂膜、またはイオン交換性炭化水素系樹脂膜が例示される。イオン交換樹脂のイオン交換容量は0.9以上2.0以下ミリ当量/g乾燥樹脂であることが好ましい。
イオン交換容量が0.9ミリ当量/g乾燥樹脂以上であると、高い水素イオン伝導性を得やすく、イオン交換容量が2.0ミリ当量/g乾燥樹脂以下であると、含水による樹脂の膨潤が抑制され、電解質膜1の寸法変化が抑えられるため好ましい。
また、電解質膜1の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましい。膜厚が5μm以上であると、高いガスバリア性を得られ、50μm以下であると、高い水素イオン伝導性を得られる。
実施の形態1では、アノードガス拡散層4aおよびカソードガス拡散層4cの一例として、基材およびコーティング層の2層を含む構成とし、基材として、カーボンペーパーを用いた。基材は、導電性、ならびに気体および液体の透過性に優れた材料であればよい。したがって、基材は、カーボンペーパーに限定されない。
カーボンペーパー以外の基材の材料としては、炭素繊維クロス、炭素繊維フェルト等の多孔質性材料が例示される。
実施の形態1では、第1の導電性材料10aと第2の導電性材料10bの合計重量に占める第2の導電性材料10bの重量の割合Xが、第1の触媒層11aにおいて0.05であり、第2の触媒層11bにおいて0.3であった。第1の触媒層11aにおける割合Xが0.01以上、第2の触媒層11bにおけるXが0.9以下であった場合も同様の効果を有する。
実施の形態1では、第1の導電性材料10aとしてメソポーラスカーボンを用い、第2の導電性材料10bとしてカーボンブラックを用いたが、それらに限定されない。
第1の導電性材料10aと第2の導電性材料10bの材料としては、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)やアセチレンブラック、バルカン(登録商標)といった炭素系材料、AuやNiなどの金属材料、チタン、スズ、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、アルミニウム、シリコン等の金属酸化物材料、およびそれらの複合体材料が挙げられる。
第1の導電性材料10aとしてメソポーラス材料を用いる場合は、メソポーラス材料は触媒12を担持する前において、メソ孔15のモード径が1~50nmであり、メソ孔15の細孔容積が1.0~3.0cm/gであってもよい。
メソ孔15の細孔容積が1.0cm/g以上であれば、メソポーラス材料の内部に多くの触媒12を担持でき、3.0cm/g以下であれば、メソポーラス材料の構造体としての強度が高まる。
また、メソポーラス材料はモード径が200~1000nmとなるように構成されていてもよい。モード径が200nm以上であれば、アイオノマ13がメソ孔15に侵入する領域が、メソ孔15の細孔容積に対して小さくなるので、アイオノマ13による被毒の影響を受ける触媒12の割合が小さくなる。
このため、モード径を200nm以上とすることで、触媒活性を向上させることができると考えられる。また、モード径が1000nm以下であれば、メソポーラス材料の内部に担持された触媒にまで反応ガスが供給されやすくなる。
実施の形態1では、触媒12の一例として、白金を含む合金を用いた。触媒12としては、水素ガス又は酸素ガスの触媒作用を有するのであれば特に限定されない。
触媒12の材料としては、例えば、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナ ジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)及び
アルミニウム(Al)等の金属、これら金属の混合物、合金等が挙げられるが、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性等を向上させる観点から、白金、白金を含む混合物又は合金が好ましい。
触媒12が合金からなる場合、合金の組成は、合金化する金属の種類にもよるが、白金の含有量を30~90原子%とし、その他の金属の含有量を10~70原子%とすることができる。触媒12のモード径は、特に限定されないが、触媒利用率及び触媒担持材料での担持性の向上の観点からは、好ましくは1~30nmである。メソポーラス材料のメソ孔15内に担持する場合にはメソ孔のモード径よりも小さなモード径が好ましい。
実施の形態1では、電解質膜1が水素イオン伝導性膜で、本開示の触媒層をカソード触媒層3cに用いた燃料電池セル7を説明したが、水酸化物イオン伝導性膜を電解質膜に用いた燃料電池セルでは、本開示の触媒層をアノード触媒層に用いることが好ましい。
水酸化物イオン伝導性膜を電解質膜に用いた燃料電池セルでは、水素が供給されるアノード触媒層において、(化3)に示す反応が起こり、酸素が供給されるカソード触媒層において、(化4)に示す反応が起こる。
Figure 2023080432000005
Figure 2023080432000006
水酸化物イオン伝導性膜を電解質膜に用いた燃料電池セルでは、アノード触媒層において、水が生成されるため、アノード触媒層において、生成した水を効率よく排水することが求められ、アノード触媒層の排水性向上が性能向上に必要となるが、本開示の触媒層をアノード触媒層に用いることにより、アノード触媒層が優れた排水性と高い導電性を持つことから燃料電池セルの性能を向上させることができる。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、優れた排水性と高い導電性を持つ触媒層を提供することができ、燃料電池の触媒層に適用可能である。
1 電解質膜
2a アノード
2c カソード
3a アノード触媒層
3c カソード触媒層
4a アノードガス拡散層
4c カソードガス拡散層
5a アノードセパレータ
5c カソードセパレータ
6 電解質膜-電極接合体
7 燃料電池セル
10a 第1の導電性材料
10b 第2の導電性材料
11a 第1の触媒層
11b 第2の触媒層
12 触媒
13 アイオノマ
14 メソポーラス材料
15 メソ孔

Claims (5)

  1. 燃料電池のガス拡散層と電解質膜の間に介在する触媒層であって、
    前記触媒層は、前記ガス拡散層に隣接する第1の触媒層と、前記電解質膜に隣接する第2の触媒層と、を有し、
    前記第1の触媒層と前記第2の触媒層は、それぞれ、第1の導電性材料と、前記第1の導電性材料と比較してモード径が小さい第2の導電性材料と、前記第1の導電性材料と前記第2の導電性材料の少なくとも一方に担持された触媒と、を含み、
    前記第1の触媒層は、前記第2の触媒層よりも、前記第1の導電性材料と前記第2の導電性材料の合計重量に占める前記第2の導電性材料の重量の割合が小さいことを特徴とする、触媒層。
  2. 前記第2の導電性材料のモード径が、前記第1の導電性材料のモード径の22%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の触媒層。
  3. 前記第1の導電性材料の少なくとも一部を被覆するアイオノマを、さらに備え、
    前記第1の導電性材料は、内部にモード径が1~50nmのメソ孔を有するメソポーラス材料であり、
    少なくとも一部の前記触媒は、前記メソ孔に担持されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の触媒層。
  4. 前記第2の導電性材料が、導電性炭素材料であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の触媒層。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の触媒層を、発電時に水が生成される側の電極の触媒層に用いたことを特徴とする、燃料電池。
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