JP2023078771A - 液体吐出ヘッド、その検査方法及び製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、その検査方法及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同じ設計のプレートを連続して積層した場合であっても、正確に位置ずれの検査を行うことができるようにする。【解決手段】上下方向に積層され、流路を構成する貫通孔及び凹部がそれぞれ形成されたプレート11a~11kで構成された流路ユニット11を備える。流路ユニット11に、プレート11a~11kにそれぞれ形成された第1孔41a~41kにより構成される第1検査用穴41と、プレート11a~11kにそれぞれ形成された第2孔42a~42kにより構成される第2検査用穴42とを設ける。第1検査用穴41は、積層方向の一方側から他方側に向かって段階的に広がっている。第2検査用穴42は、積層方向の他方側から一方側に向かって段階的に広がっている。【選択図】図4

Description

本発明は、積層方向に積層された複数のプレートで構成される積層体を備えた液体吐出ヘッド、その検査方法及び製造方法に関する。
特許文献1には、複数のプレートを積層してなる流路ユニット(積層体)を備えたインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)が開示されている。流路ユニット内には、共通インク室、共通インク室に連通する複数の圧力室及び複数の圧力室にそれぞれ連通するノズルを含む流路が形成されている。流路は、流路ユニットを構成する各プレートに形成された穴からなる。
特開2009-107299号公報
上述のような液体吐出ヘッドの積層体は、積層された複数のプレート間に位置ずれがあると、流路が適正に形成されないおそれがある。したがって、液体吐出ヘッドを製造する際には、積層体を構成するプレート間の位置ずれの検査を行う必要がある。位置ずれの検査方法として、積層体を構成する各プレートに形成された孔により積層体に設けられた、積層方向の他方側から一方側に向かって広がるすり鉢状の検査用穴を使用する方法が考えられる。各プレートに形成される孔は、積層方向の一方側の端に位置するプレートに形成されるものが最も大きく、積層方向の他方側の端に近いプレートに形成されるものほど小さい。
位置ずれの検査を行う際には、検査用穴を積層方向の一方側の端(広がっている方の端)から目視する。そして、隣接する2枚のプレートのうち積層方向の一方側(目視位置に近い側)に位置するプレートの孔の中に、積層方向の他方側(目視位置から遠い側)に位置するプレートの孔の全体が入っているか否かを検査する。隣接する2枚のプレートに位置ずれが生じている場合は、積層方向の他方側に位置するプレートの孔の縁が、積層方向の一方側に位置するプレートにより隠れた状態となる。
液体吐出ヘッドを製造する際、部品の種類を削減する目的等により、同じ設計のプレート(すなわち、流路を構成する流路穴及び検査用穴を構成する孔が同じパターンで形成されたプレート)を2枚重ねて積層することがある。しかし、同じ設計のプレートであっても、製造誤差により孔の大きさにばらつきが生じ、積層方向の他方側(目視位置から遠い側)に位置するプレートの孔が、積層方向の一方側(目視位置に近い側)に位置するプレートの孔よりも大きい場合が生じ得る。このような場合は、これら2枚のプレートの位置ずれが生じていなくとも、積層方向の他方側(目視位置から遠い側)に位置するプレートの孔の縁が、積層方向の一方側(目視位置に近い側)に位置するプレートにより隠れた状態となる。したがって、正確に位置ずれ検査を行うことができない。
本発明の目的は、同じ設計のプレートを連続して積層した場合であっても、正確に位置ずれの検査を行うことができる液体吐出ヘッド、その検査方法及び製造方法を提供することである。
本発明の液体吐出ヘッドは、積層方向に積層された複数のプレートで構成される積層体を備え、前記複数のプレートは、流路を構成する第1流路穴が形成された第1プレートと、前記流路を構成する第2流路穴が形成され、前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層された第2プレートと、を含み、前記積層体は、前記複数のプレートに形成された第1孔により構成される第1検査用穴と、前記複数のプレートに形成された第2孔により構成される第2検査用穴と、を有し、前記第1検査用穴は、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がっており、前記第2検査用穴は、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がっている。
また、本発明の検査方法は、液体吐出ヘッドにおける積層体を構成する複数のプレート間の位置ずれを検査する検査方法であって、前記複数のプレートは、積層方向に積層された第1プレート及び第2プレートを含み、前記第1プレートは、流路を構成する第1流路穴が形成され、前記第2プレートは、前記流路を構成する第2流路穴が形成され、前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層され、前記積層体は、前記複数のプレートに形成された第1孔により構成される第1検査用穴と、前記複数のプレートに形成された第2孔により構成される第2検査用穴と、を有し、前記第1検査用穴は、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がっており、前記第2検査用穴は、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がっており、前記第1検査用穴を前記積層方向の前記他方側から目視し、前記第2プレートの前記第1孔の縁が前記第1プレートによって隠れているか否かを確認する第1確認工程と、前記第2検査用穴を前記積層方向の前記一方側から目視し、前記第1プレートの前記第2孔の縁が前記第2プレートによって隠れているか否かを確認する第2確認工程と、前記第1確認工程及び前記第2確認工程の少なくともいずれかにより前記第1プレート及び前記第2プレート間の位置ずれを検査する検査工程と、を備えている。
さらに、本発明の製造方法は、液体吐出ヘッドの製造方法であって、第1基材に、流路を構成する第1流路穴、第1孔及び第2孔を形成して、第1プレートを作製する第1プレート作製工程と、第2基材に、前記流路を構成する第2流路穴、前記第1孔及び前記第2孔を形成して、第2プレートを作製する第2プレート作製工程と、前記第1プレート及び前記第2プレートを含む複数のプレートを積層方向に積層する工程であって、前記第2プレートを前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層する積層工程と、前記複数のプレートに形成された前記第1孔により構成された第1検査用穴であって、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がった前記第1検査用穴を、前記積層方向の前記他方側から目視し、前記第2プレートの前記第1孔の縁が前記第1プレートによって隠れているか否かを確認する第1確認工程と、前記複数のプレートに形成された前記第2孔により構成された第2検査用穴であって、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がった前記第2検査用穴を、前記積層方向の前記一方側から目視し、前記第1プレートの前記第2孔の縁が前記第2プレートによって隠れているか否かを確認する第2確認工程と、前記第1確認工程及び前記第2確認工程の少なくともいずれかにより前記第1プレート及び前記第2プレート間の位置ずれを検査する検査工程と、を備えている。
本発明の液体吐出ヘッド、その検査方法及び製造方法によると、第1検査用穴を積層方向の他方側から、また第2検査用穴を積層方向の一方側からそれぞれ目視することで、第1プレート及び第2プレート間の位置ずれの検査を行うことができる。ここで、同一のプレートにおいては、形成された孔の大きさの設計値からのずれ(誤差)の傾向は同じである。すなわち、同一のプレートにおいて、第1孔が設計値よりも大きい場合には第2孔も設計値よりも大きく、第1孔が設計値より小さい場合には第2孔も設計値よりも小さい。したがって、第1プレートと第2プレートとに同じ設計のプレートを採用した場合、第1プレートの第1孔と第2プレートの第1孔との製造誤差による大小関係と、第1プレートの第2孔と第2プレートの第2孔との製造誤差による大小関係とは同じになる。したがって、第1及び第2検査用穴の一方において、目視位置から遠い側に位置するプレートの孔が目視位置に近い側に位置するプレートの孔よりも大きくとも、第1及び第2検査用穴の他方においては、目視位置から遠い側に位置するプレートの孔が目視位置に近い側に位置するプレートの孔よりも小さくなる。よって、同じ設計のプレートを連続して積層した場合であっても、第1及び第2検査用穴の少なくともいずれかにより、正確に位置ずれの検査を行うことができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドを備えたプリンタの平面図である。 図1に示すインクジェットヘッドの平面図である。 図2のIII-III線に沿ったインクジェットヘッドの断面図である。 (a)は図2のIVa-IVa線に沿ったインクジェットヘッドの断面図であり、(b)は図2のIVb-IVb線に沿ったインクジェットヘッドの断面図である。 第1確認工程を説明する図であり、(a)は隣接する2枚のプレートに位置ずれが生じていない場合を示し、(b)は隣接する2枚のプレートに位置ずれが生じている場合を示す。 同じ設計の2枚のプレート間で形成された孔の大きさにばらつきがある場合を説明する図であり、(a)は第1検査用穴を示し、(b)は2枚のプレートの第1孔を示す。 同じ設計の2枚のプレート間で形成された孔の大きさにばらつきがある場合を説明する図であり、(a)は第2検査用穴を示し、(b)は2枚のプレートの第2孔を示す。
以下、本発明の好適な一実施形態について説明する。
<プリンタの全体構成>
図1に示すように、本実施形態にかかるプリンタ100は、インクジェットヘッド1(本発明の「液体吐出ヘッド」)、キャリッジ2、ガイドレール3a、3b、プラテン4、搬送ローラ5a、5b及びインクタンク6を備えている。
キャリッジ2は、水平方向に沿う走査方向(図1中左右方向)に延びた2本のガイドレール3a、3bに支持され、ガイドレール3a、3bに沿って走査方向に移動する。インクジェットヘッド1は、キャリッジ2に搭載され、キャリッジ2とともに走査方向に移動する。以下の説明においては、走査方向のうち図1の右方を「一方」とし、図1の左方を「他方」とする。
インクジェットヘッド1には、インクタンク6から管(不図示)を介してブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色のインクが供給される。インクジェットヘッド1は、その下面であるノズル面11y(図3及び図4参照)に開口する複数のノズル21からインクを吐出する。
複数のノズル21は、平面視で走査方向と直交する搬送方向(図1中上方から下方に向かう方向)に沿ったノズル列21aを形成している。インクジェットヘッド1は、走査方向に並んだ4列のノズル列21aを有する。複数のノズル21からは、図1において走査方向の最も右方に位置するノズル列21aを構成するものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。なお、インクジェットヘッド1については後ほど詳細に説明する。
プラテン4は、インクジェットヘッド1の下面であるノズル面11yと対向して配置され、走査方向に記録用紙Pの全長にわたって延びている。プラテン4は、記録用紙Pを下方から支持する。搬送ローラ5a、5bは、搬送方向においてキャリッジ2よりも上流側及び下流側にそれぞれ配置され、記録用紙Pを搬送方向に搬送する。
プリンタ100では、搬送ローラ5a、5bによって、記録用紙Pを搬送方向に所定距離ずつ搬送させる搬送処理と、キャリッジ2を走査方向に移動させつつ、インクジェットヘッド1の複数のノズル21からインクを吐出させる走査処理とを行うことで、記録用紙Pに印刷を行う。すなわち、プリンタ100は、シリアル式である。なお、以下の説明においては、走査方向と搬送方向との両方に直交する方向を上下方向とする。
<インクジェットヘッド1の構成>
次に、図2~図4を参照しつつ、インクジェットヘッド1の詳細な構成について説明する。インクジェットヘッド1は、流路ユニット11及び圧電アクチュエータ12などを備えている。図2に示すように、流路ユニット11は、上面視で搬送方向に長尺な矩形形状を有している。すなわち、流路ユニット11は、上面視で4つの角部11zを有している。圧電アクチュエータ12は、流路ユニット11の上面11xに配置されている。
(流路ユニット11)
流路ユニット11は、図3及び図4に示すように、上下方向に積層されかつ互いに接着された11枚のプレート11a~11kで構成されている。プレート11a~11kは、上方から下方に向けてこの順で順に並んでいる。流路ユニット11は、本発明の「積層体」に相当する。
図2に示すように、流路ユニット11の上面11xには、供給口31x及び帰還口32xが開口している。供給口31x及び帰還口32xは、4つずつ設けられている。流路ユニット11内には、供給口31xから帰還口32xまで続く流路35が形成されている。流路35は、複数の個別流路20、供給マニホールド31、帰還マニホールド32及び連通流路33などを含む。なお、図2においては、個別流路20の図示を省略している。また、図3に示すように、流路ユニット11内にはダンパ室30が形成されている。各プレート11a~11kには、流路35及びダンパ室30を構成する貫通孔及び凹部がエッチングにより形成されている。
図2に示すように、供給マニホールド31及び帰還マニホールド32は4つずつ形成されている。供給マニホールド31及び帰還マニホールド32は、いずれも搬送方向に沿って延びている。4つの供給マニホールド31は、走査方向に等間隔で並んでいる。4つの帰還マニホールド32についても、走査方向に等間隔で並んでいる。図3に示すように、帰還マニホールド32は、供給マニホールド31の下方に位置している。帰還マニホールド32の各々は、各供給マニホールド31と上下方向に重なっている。上下に重なっている供給マニホールド31と帰還マニホールド32とは、連通流路33により搬送方向の下流側端部同士が連結されている。4つの供給マニホールド31及び4つの帰還マニホールド32には、それぞれブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが流れる。
各供給マニホールド31における搬送方向の上流側の端部は、供給口31xと上下に対向している。供給マニホールド31は、対向する供給口31xを介してインクタンク6に連通している。また、各帰還マニホールド32における搬送方向の上流側の端部は、帰還口32xと上下に対向している。帰還マニホールド32は、対向する帰還口32xを介してインクタンク6に連通している。
複数の個別流路20は、図3に示すように、ノズル21をそれぞれ有している。上下に並ぶ一対の供給マニホールド31及び帰還マニホールド32は、1つのノズル列21a(図1参照)に含まれる複数のノズル21をそれぞれ有する複数の個別流路20に共通して設けられる。図3に示すように、個別流路20は、走査方向に関して該個別流路20が接続されている供給マニホールド31及び帰還マニホールド32の他方側に位置している。
インクタンク6内のインクは、供給口31xから供給マニホールド31に送り込まれる。供給マニホールド31に送り込まれたインクは、供給マニホールド31内を搬送方向の上流側から下流側に向かって移動しつつ、各個別流路20に供給される(図3参照)。各個別流路20から流出したインクは、帰還マニホールド32に流入する。また、供給マニホールド31における搬送方向の下流側の端部に到達したインクは、連通流路33を通って帰還マニホールド32に流入する。帰還マニホールド32に流入したインクは、帰還マニホールド32内を搬送方向の下流側から上流側に向かって移動し、帰還口32xを介してインクタンク6に戻される。
図3に示すように、供給マニホールド31は、プレート11cに形成された下方に開放された凹部31a、プレート11dに形成された貫通孔31b及びプレート11eに形成された貫通孔31cで構成されている。プレート11dは本発明の「第1プレート」に相当し、貫通孔31bは本発明の「第1流路穴」に相当する。また、プレート11eは本発明の「第2プレート」に相当し、貫通孔31cは本発明の「第2流路穴」に相当する。
帰還マニホールド32は、プレート11gに形成された下方に開放された凹部32a、プレート11hに形成された貫通孔32b及びプレート11iに形成された貫通孔32cで構成されている。プレート11hは本発明の「第1プレート」に相当し、貫通孔32bは本発明の「第1流路穴」に相当する。また、プレート11iは本発明の「第2プレート」に相当し、貫通孔32cは本発明の「第2流路穴」に相当する。
上下方向において供給マニホールド31と帰還マニホールド32との間には、ダンパ室30が設けられている。ダンパ室30は、プレート11fに形成された下方に開放された凹部で構成されている。プレート11fにおける凹部の底部は、供給マニホールド31のダンパ膜31dとして機能する。プレート11gにおける帰還マニホールド32を構成する凹部32aの底部は、帰還マニホールド32のダンパ膜32dとして機能する。
プレート11a~11cには、供給口31xと供給マニホールド31の搬送方向の上流側端部とを接続する貫通孔(不図示)が形成されている。プレート11a~11gには、帰還口32xと帰還マニホールド32の搬送方向の上流側端部とを接続する貫通孔(不図示)が形成されている。また、プレート11f、11gには、連通流路33を構成する貫通孔(不図示)が形成されている。連通流路33を構成する貫通孔は、上下に並ぶ一対の供給マニホールド31及び帰還マニホールド32における搬送方向の下流側の端部に挟まれた位置に形成されている。
各個別流路20は、図3に示すように、ノズル21と、圧力室22と、第1流路23a及び第2流路23bからなる接続流路23と、流入流路24と、流出流路25とを含む。
ノズル21は、プレート11kに形成された貫通孔で構成され、流路ユニット11の下面であるノズル面11yに開口している。圧力室22は、プレート11aに形成された貫通孔で構成され、流路ユニット11の上面11xに開口している。圧力室22は、走査方向の一方側の端部に流入流路24が接続されており、走査方向の他方側の端部に接続流路23が接続されている。
接続流路23は、ノズル21と圧力室22とを互いに接続している。接続流路23の第1流路23aは、プレート11jに形成された貫通孔で構成されている。第1流路23aは、上面視でノズル21と重なっている。すなわち、第1流路23aは、途中にノズル21が接続されている。接続流路23の第2流路23bは、プレート11b~11iに形成された貫通孔で構成され、上下方向に沿って伸延している。第2流路23bは、走査方向に関してノズル21と離隔しており圧力室22と第1流路23aとを接続している。
流入流路24は、供給マニホールド31と圧力室22とを互いに接続している。流入流路24は、プレート11bに形成された下方に開放された凹部及び該凹部における走査方向の他方側の端部に位置する貫通孔と、プレート11cに形成された貫通孔とで構成されている。流入流路24は、プレート11bに形成された貫通孔により圧力室22に接続されている。また、流入流路24は、プレート11cに形成された凹部31aの底部に形成された貫通孔により、供給マニホールド31に接続されている。流入流路24は、走査方向(インクの流動方向)と直交する面での断面積が圧力室22よりも小さく、絞りとして機能する。
流出流路25は、接続流路23の第1流路23aと帰還マニホールド32とを互いに接続している。流出流路25は、走査方向に関してノズル21を挟んで第2流路23bとは反対側において第1流路23aに接続されている。流出流路25は、プレート11jに形成された下方に開放された凹部及び該凹部における走査方向の一方側の端部に位置する貫通孔で構成されている。流出流路25は、プレート11jに形成された貫通孔により帰還マニホールド32と接続されている。流出流路25を構成するプレート11jの凹部における走査方向の他方側の端部は、接続流路23の第1流路23aを構成する貫通孔に繋がっている。流出流路25は、走査方向(インクの流動方向)と直交する面での断面積が接続流路23の第1流路23aよりも小さく、絞りとして機能する。
供給マニホールド31から各個別流路20に供給されたインクは、流入流路24を通って圧力室22に流入し、圧力室22内を略水平に移動して接続流路23に流入する。接続流路23に流入したインクは、第2流路23bにおいて下方に移動した後、水平面内に広がる第1流路23aに流れ込む。第1流路23aに流れ込んだインクは、一部がノズル21から吐出され、残りが流出流路25を通って帰還マニホールド32に流入する。
このようにインクタンク6と流路ユニット11との間でインクを循環させることで、流路ユニット11に形成された供給マニホールド31及び帰還マニホールド32、さらには個別流路20におけるエアの排出やインクの増粘防止が実現される。また、インクが沈降成分(沈降が生じ得る成分。顔料等)を含む場合、当該成分が攪拌されて沈降が防止される。
また、図2に示すように、流路ユニット11は、プレート11a~11k間の位置ずれを検査するための第1検査用穴41及び第2検査用穴42を有している。第1検査用穴41及び第2検査用穴42は、いずれも貫通孔であり、流路ユニット11の上面11xとノズル面11yとの両方に開口する。第1検査用穴41及び第2検査用穴42は、いずれも円形である。第1検査用穴41は、流路ユニット11の4つの角部11zのうち搬送方向の上流側、且つ、走査方向の他方側の角部11zに設けられている。第2検査用穴42は、流路ユニット11の4つの角部11zのうち搬送方向の上流側、且つ、走査方向の一方側の角部11zに設けられている。
図4(a)に示すように、第1検査用穴41は、プレート11a~11kにそれぞれ形成された第1孔41a~41kにより構成される。第1孔41a~41kは、エッチングにより形成される。第1孔41a~41kの大きさは、第1孔41a~41kの大きさの違いにより、第1検査用穴41が下方側(積層方向の一方側)から上方側(積層方向の他方側)に向かって段階的に広がるように設計されている。すなわち、第1孔41a~41kは、最も上方に位置するプレート11aに形成される第1孔41aが最も大きく、下方に位置するプレートに形成される第1孔ほど小さくなるように設計されている。
図4(b)に示すように、第2検査用穴42は、プレート11a~11kにそれぞれ形成された第2孔42a~42kにより構成される。第2孔42a~42kは、エッチングにより形成される。第2孔42a~42kの大きさは、第2孔42a~42kの大きさの違いにより、第2検査用穴42が上方側(積層方向の他方側)から下方側(積層方向の一方側)に向かって段階的に広がるように設計されている。すなわち、第2孔42a~42kは、最も下方に位置するプレート11kに形成される第2孔42kが最も大きく、上方に位置するプレートに形成される第2孔ほど小さくなるように設計されている。
なお、供給マニホールド31を構成する貫通孔31b、31cがそれぞれ形成されたプレート11d、11eは、同じ設計のプレートを使用する。すなわち、プレート11d、11eにおいては、供給マニホールド31を構成する貫通孔(貫通孔31b、31c)、接続流路23を構成する貫通孔、第1検査用穴41を構成する第1孔(第1孔41d、41e)及び第2検査用穴42を構成する第2孔(第2孔42d、42e)が同じパターンで形成されている。
したがって、プレート11d、11eにそれぞれ形成された第1検査用穴41を構成する第1孔41d、41eの大きさの設計値は同じである。また、プレート11d、11eにそれぞれ形成された第2検査用穴42を構成する第2孔42d、42eの大きさの設計値も同じである。
同様に、帰還マニホールド32を構成する貫通孔32b、32cがそれぞれ形成されたプレート11h、11iも、同じ設計のプレートを使用する。よって、プレート11h、11iにそれぞれ形成された第1検査用穴41を構成する第1孔41h、41iの大きさの設計値は同じである。また、プレート11h、11iにそれぞれ形成された第2検査用穴42を構成する第2孔42h、42iの大きさの設計値も同じである。
(圧電アクチュエータ12)
圧電アクチュエータ12は、図3に示すように、下から順に、振動板12a、共通電極12b、圧電層12c及び複数の個別電極12dを含む。
振動板12aは、流路ユニット11の上面11xに配置されている。振動板12aの上面における複数の圧力室22と対向する領域には、下方から順に積層された共通電極12b、圧電層12c及び個別電極12dが配置されている。振動板12a、共通電極12b及び圧電層12cは、複数の圧力室22に跨って配置されている。個別電極12dは、圧力室22毎に設けられており、上面視で各圧力室22と重複している。
共通電極12b及び複数の個別電極12dは、配線部材(不図示)を介してドライバIC(不図示)に接続されている。ドライバICは、共通電極12bの電位をグランド電位に維持する一方、個別電極12dの電位を変化させる。これにより、振動板12a及び圧電層12cにおいて個別電極12dと圧力室22とで挟まれた部分(アクチュエータ12x)が、圧力室22に向けて凸となるように変形する。この変形によって、圧力室22の容積が小さくなって圧力室22内のインクの圧力が上昇し、圧力室22に連通するノズル21からインクが吐出される。すなわち、圧電アクチュエータ12は、圧力室22のそれぞれに対応する複数のアクチュエータ12xを有する。
<インクジェットヘッド1の製造方法>
続いて、インクジェットヘッド1の製造方法について説明する。
(第1プレート作製工程、第2プレート作製工程)
まず、プレート11a~11kとなる11枚の基材を準備する。そして、11枚の基材に対して、流路35、ダンパ室30、第1検査用穴41及び第2検査用穴42を構成する貫通孔及び凹部をエッチングにより形成して各プレート11a~11kを作製する。プレート11d、11eを作製する際は、同じフォトマスクを使用してフォトレジストのパターニングを行う。これにより、プレート11d、11eには、供給マニホールド31を構成する貫通孔31b、31c、接続流路23を構成する貫通孔、第1検査用穴41を構成する第1孔41d、41e及び第2検査用穴42を構成する第2孔42d、42eが同じパターンで形成される。また、プレート11h、11iを作製する際も、同じフォトマスクを使用してフォトレジストのパターニングを行う。これにより、プレート11h、11iには、帰還マニホールド32を構成する貫通孔32b、32c、接続流路23を構成する貫通孔、第1検査用穴41を構成する第1孔41h、41i及び第2検査用穴42を構成する第2孔42h、42iが同じパターンで形成される。
(積層工程)
次に、作製された11枚のプレート11a~11kを積層方向に積層する。ここで、インクジェットヘッド1使用時に下方となる方を「積層方向の一方」とし、上方となる方を「積層方向の他方」とする。11枚のプレート11a~11kは、他方から一方に向かってこの順で並ぶように積層される。すなわち、プレート11eは、プレート11dの一方側に積層される。また、プレート11iは、プレート11hの一方側に積層される。
このとき、各プレート11a~11kに形成された第1孔41a~41kにより、一方側から他方側に向かって段階的に広がった第1検査用穴41が構成される。また、各プレート11a~11kに形成された第2孔42a~42kにより、他方側から一方側に向かって段階的に広がった第2検査用穴42が構成される。
続いて、積層工程で積層されたプレート11a~11k間の位置ずれの検査を行う。位置ずれの検査は、後述する第1確認工程、第2確認工程及び検査工程を含んでいる。
(第1確認工程)
第1確認工程においては、第1検査用穴41を、積層方向の他方側(広がっている側)から目視する。そして、積層方向に隣接する2枚のプレートのうち積層方向の一方側(目視位置から遠い側)に位置するプレートの第1孔の縁が、積層方向の他方側(目視位置に近い側)に位置するプレートによって隠れているか否かを確認する。
すなわち、例えばプレート11a、11bに注目した場合、積層方向の一方側に位置するプレート11bの第1孔41bの縁が、積層方向の他方側に位置するプレート11aによって隠れているか否かを確認する。プレート11a、11bの間に位置ずれが生じていない場合には、図5(a)に示すように、プレート11aの第1孔41aの中に、プレート11bの第1孔41bの全体が入る。一方、プレート11a、11bの間に位置ずれが生じている場合には、図5(b)に示すように、プレート11bの第1孔41bの縁がプレート11aにより隠れた状態となる。
(第2確認工程)
第2確認工程においては、第2検査用穴42を、積層方向の一方側(広がっている側)から目視する。そして、積層方向に隣接する2枚のプレートのうち積層方向の他方側(目視位置から遠い側)に位置するプレートの第2孔の縁が、積層方向の一方側(目視位置に近い側)に位置するプレートによって隠れているか否かを確認する。
(検査工程)
検査工程においては、第1確認工程及び第2確認工程の少なくともいずれかによって、積層方向に隣接する2枚のプレート間の位置ずれを検査する。
積層方向に隣接するプレートのペアのうち、同じ設計で積層方向に隣接するプレートのペア以外は、第1確認工程を実施することで、プレート間の位置ずれを検査することができる。つまり、プレート11a、11b間、プレート11b、11c間、プレート11c、11d間、プレート11e、11f間、プレート11f、11g間、プレート11g、11h間、プレート11i、11j間、及び、プレート11j、11k間については、第1確認工程を実施することで、プレート間の位置ずれを検査することができる。
すなわち、上記のプレートのペアは、第1確認工程において、目視位置から遠い側に位置するプレートの第1孔の縁が、目視位置に近い側に位置するプレートによって隠れていない場合には、該プレート間に位置ずれが生じていないことが分かる。そして、目視位置から遠い側に位置するプレートの第1孔の縁が、目視位置に近い側に位置するプレートによって隠れている場合には、該プレート間に位置ずれが生じていることが分かる。なお、本実施形態においては、検査精度の向上の目的により、これらのプレートのペアにおいて第2確認工程も実施する。
ここで、上述のようにプレート11d、11eは同じ設計であり、プレート11d、11eにそれぞれ形成された第1検査用穴41を構成する第1孔41d、41eの大きさの設計値は同じである。しかしながら、製造誤差により、図6(a)に示すように、積層方向の一方側(目視位置から遠い側)に位置するプレート11eの第1孔41eが、積層方向の他方側(目視位置に近い側)に位置するプレート11dの第1孔41dよりも大きい場合がある。このような場合には、図6(b)に示すように、プレート11d、11e間に位置ずれが生じていなくとも、プレート11eの第1孔41eの縁が、プレート11dにより隠れた状態となる。したがって、プレート11d、11e間の位置ずれの有無は、第1検査用穴41を目視する第1確認工程を実施しただけでは分からない場合がある。
また、プレート11h、11iも同じ設計のプレートである。したがって、プレート11d、11eと同様に、プレート11h、11i間の位置ずれの有無についても、第1検査用穴41を目視する第1確認工程を実施しただけでは分からない場合がある。
同一のプレートにおいては、形成された孔の大きさの設計値からのずれ(誤差)の傾向は同じである。すなわち、同一のプレートにおいて、第1孔が設計値よりも大きい場合には第2孔も設計値よりも大きく、第1孔が設計値より小さい場合には第2孔も設計値よりも小さい。したがって、同じ設計のプレート11d、11eにおいては、プレート11dの第1孔41dとプレート11eの第1孔41eとの製造誤差による大小関係と、プレート11dの第2孔42dとプレート11eの第2孔42eとの製造誤差による大小関係とは同じになる。
したがって、例えば図6(a)に示すように、プレート11eの第1孔41eがプレート11dの第1孔41dよりも大きい場合、図7(a)に示すように、プレート11eの第2孔42eもプレート11dの第2孔42dよりも大きい。上述のように、プレート11eの第1孔41eがプレート11dの第1孔41dよりも大きい場合、第1検査用穴41を他方側から目視すると、図6(b)に示すように、プレート11d、11e間に位置ずれが生じていなくとも、プレート11eの第1孔41eの縁がプレート11dにより隠れた状態となる。一方、第2検査用穴42を一方側から目視すると、図7(b)に示すように、プレート11d、11e間に位置ずれが生じていない場合には、プレート11eの第2孔42eの中に、プレート11dの第2孔42dの全体が入る。
したがって、同じ設計で積層方向に隣接するプレートのペアについては、第1確認工程及び第2確認工程のいずれかにおいて、目視位置から遠い側に位置するプレートの第1孔又は第2孔の縁が、目視位置に近い側に位置するプレートによって隠れていないと確認した場合に、該プレート間に位置ずれが生じていないことが分かる。また、第1確認工程及び第2確認工程の両方において、目視位置から遠い側に位置するプレートの第2孔の縁が、目視位置に近い側に位置するプレートによって隠れていると確認した場合には、該プレート間に位置ずれが生じていることが分かる。
すなわち、同じ設計で積層方向に隣接するプレートのペアであるプレート11d、11e、及び、プレート11h、11iについては、第1確認工程及び第2確認工程の少なくともいずれかにより、プレート間の位置ずれを検査することができる。なお、上述のように、設計が異なり積層方向に隣接するプレートのペアについては、第1確認工程のみでプレート間の位置ずれを検査することができる。しかしながら、設計が異なり積層方向に隣接するプレートのペアについても第2確認工程も実施することで、検査精度を向上させることができる。
検査工程において、積層方向に隣接する2枚のプレート間に位置ずれが生じていることが分かった場合には、該2枚のプレートの位置を調整して位置合わせを行う。全てのプレートのペアについて位置ずれがないようにプレートの位置調整を行った後、プレート11a~11kを互いに接着させて流路ユニット11を完成させる。最後に、流路ユニット11の上面11xに圧電アクチュエータ12を接着させて、インクジェットヘッド1を完成させる。
<実施形態の特徴>
以上のように、上述の実施形態のインクジェットヘッド1は、上下方向に積層された11枚のプレート11a~11kで構成された流路ユニット11を備えている。各プレート11a~11kには、流路35を構成する貫通孔及び凹部が形成されている。また、流路ユニット11は、プレート11a~11kにそれぞれ形成された第1孔41a~41kにより構成される第1検査用穴41と、プレート11a~11kにそれぞれ形成された第2孔42a~42kにより構成される第2検査用穴42と、を有している。第1検査用穴41は、各プレート11a~11kに形成された第1孔41a~41kの大きさの違いにより、積層方向の一方側から他方側に向かって段階的に広がっている。第2検査用穴42は、各プレート11a~11kに形成された第2孔42a~42kの大きさの違いにより、積層方向の他方側から一方側に向かって段階的に広がっている。
また、上述の実施形態のインクジェットヘッド1の製造方法は、11枚の基材に対して、流路35、第1検査用穴41及び第2検査用穴42をそれぞれ構成する貫通孔や凹部を形成して各プレート11a~11kを作製する工程(第1プレート作製工程及び第2プレート作製工程)と、作製された11枚のプレート11a~11kを積層方向に積層する工程(積層工程)と、第1検査用穴41を積層方向の他方側から目視し、隣接する2枚のプレートのうち、積層方向の一方側に位置するプレートの第1孔の縁が、積層方向の他方側に位置するプレートによって隠れているか否かを確認する工程(第1確認工程)と、第2検査用穴42を積層方向の一方側から目視し、隣接する2枚のプレートのうち、積層方向の他方側に位置するプレートの第2孔の縁が、積層方向の一方側に位置するプレートによって隠れているか否かを確認する工程(第2確認工程)と、第1確認工程及び第2確認工程の少なくともいずれかにより隣接する2枚のプレート間の位置ずれを検査する工程(検査工程)と、を備えている。
上述の構成によると、第1検査用穴41を積層方向の他方側から、また第2検査用穴42を積層方向の一方側からそれぞれ目視することで、プレート11a~11k間の位置ずれの検査を行うことができる。ここで、同一のプレートにおいては、形成された孔の大きさの設計値からのずれ(誤差)の傾向は同じである。すなわち、同一のプレートにおいて、第1孔が設計値よりも大きい場合には第2孔も設計値よりも大きく、第1孔が設計値より小さい場合には第2孔も設計値よりも小さい。したがって、隣接する2枚のプレートに同じ設計のプレートを採用した場合、一方のプレートの第1孔と他方のプレートの第1孔との製造誤差による大小関係と、一方のプレートの第2孔と他方のプレートの第2孔との製造誤差による大小関係とは同じになる。したがって、第1検査用穴41及び第2検査用穴42の一方において、目視位置から遠い側に位置するプレートの孔が目視位置に近い側に位置するプレートの孔よりも大きくとも、第1検査用穴41及び第2検査用穴42の他方においては、目視位置から遠い側に位置するプレートの孔が目視位置に近い側に位置するプレートの孔よりも小さくなる。よって、同じ設計のプレートを連続して積層した場合であっても、第1検査用穴41及び第2検査用穴42の少なくともいずれかにより、正確に位置ずれの検査を行うことができる。
また、本実施形態のインクジェットヘッド1では、各プレート11a~11kに、流路35及びダンパ室30を構成する貫通孔及び凹部、第1検査用穴41を構成する第1孔41a~41k、並びに、第2検査用穴42を構成する第2孔42a~42kが、エッチングにより形成されている。したがって、孔及び穴の形成が容易である。
さらに、本実施形態のインクジェットヘッド1では、第1検査用穴41及び第2検査用穴42は、円形である。したがって、第1検査用穴41及び第2検査用穴42が多角形などの場合に比べて、第1検査用穴41及び第2検査用穴42の形成が容易である。また、第1検査用穴41及び第2検査用穴42によるプレートの位置ずれの検査を容易に行うことができる。
加えて、本実施形態のインクジェットヘッド1では、流路ユニット11は、上面視で4つの角部11zを有する矩形形状である。そして、第1検査用穴41は、4つの角部11zのうちの1つの角部11zに形成されており、第2検査用穴42は、4つの角部11zのうち第1検査用穴41が形成されている角部11zとは異なる角部11zに形成されている。したがって、異なる角部11zに形成された第1検査用穴41及び第2検査用穴42でそれぞれ位置ずれ検査を行うことができるので、位置ずれの検査精度が向上する。
さらに、本実施形態のインクジェットヘッド1では、流路35は、インクを吐出するノズル21を含む複数の個別流路20と、複数の個別流路20に共通して設けられた供給マニホールド31及び帰還マニホールド32と、を含んでいる。そして、積層方向に隣接する2枚のプレートに、供給マニホールド31を構成する貫通孔31b、31cがそれぞれ形成されている。また、積層方向に隣接する2枚のプレートに、帰還マニホールド32を構成する貫通孔32b、32cがそれぞれ形成されている。供給マニホールド31及び帰還マニホールド32は、個別流路20に比べて容積が大きく、同じ設計のプレートを連続して積層する構成を採用する場合が多い。供給マニホールド31を構成する貫通孔31b、31cが形成されたプレート11d、11eに同じ設計のプレートを採用した場合でも、本実施形態によれば、正確に位置ずれの検査を行うことができる。また、帰還マニホールド32を構成する貫通孔32b、32cが形成されたプレート11h、11iに同じ設計のプレートを採用した場合でも、本実施形態によれば、正確に位置ずれの検査を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
すなわち、上述の実施形態においては、流路ユニット11を構成する11枚のプレート11a~11kの中で、隣接する2枚のプレートの全ての組み合わせについて、第1確認工程及び第2確認工程を実施する場合について説明したが、これには限定されない。設計が異なり積層方向に隣接するプレートのペアについては、第1確認工程及び第2確認工程のいずれか一方のみを実施すればよい。
また、上述の実施形態においては、第1検査用穴41及び第2検査用穴42が貫通孔である場合について説明したが、これには限定されない。すなわち例えば、第1検査用穴41が貫通孔である場合は、第2検査用穴42は、プレート11d~11kに形成された第2孔42d~42kで構成されており、積層方向の他方側が封鎖された穴であってもよい。この場合、設計が異なり積層方向に隣接するプレートのペアについては第1確認工程のみ実施し、第2確認工程においては第2検査用穴42を積層方向の一方側から目視し、同じ設計のプレート11d、11e間及びプレート11h、11i間の確認作業を行う。同様に、第2検査用穴42が貫通孔である場合は、第1検査用穴41は、プレート11a~11iに形成された第1孔41a~41iで構成されており、積層方向の一方側が封鎖された穴であってもよい。
さらに、上述の実施形態においては、流路ユニット11が11枚のプレート11a~11kにより構成されている場合について説明したが、流路ユニット11を構成するプレートの枚数はこれに限定されるものではない。流路ユニット11を構成するプレートの枚数は2枚以上であればよい。
また、上述の実施形態においては、流路ユニット11内に、複数の個別流路20、供給マニホールド31、帰還マニホールド32及び連通流路33などを含む流路35が形成されている場合について説明したが、流路35の構成はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば帰還マニホールド32は形成されておらず供給マニホールド31のみが形成されていてもよいし、供給マニホールド31及び帰還マニホールド32の両方が形成されていなくてもよい。さらに、上述の実施形態においては、供給マニホールド31及び帰還マニホールド32が4つずつ形成されている場合について説明したが、供給マニホールド31及び帰還マニホールド32の数は4つに限定されるものではない。また、供給マニホールド31及び帰還マニホールド32の数は異なっていてもよい。
加えて、上述の実施形態においては、プレート11d、11eに供給マニホールド31を構成する貫通孔31b、31cが形成されており、プレート11h、11iに帰還マニホールドを構成する貫通孔32b、32cが形成されている場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、例えば隣接する2枚のプレートに供給マニホールド31を構成する貫通孔がそれぞれ形成されており、且つ、帰還マニホールド32を構成する貫通孔も同じ2枚のプレートに形成されていてもよい。
また、上述の実施形態においては、各プレート11a~11kに形成される貫通孔及び凹部がエッチングにより形成されている場合について説明したが、これには限定されない。貫通孔及び凹部は、例えばレーザ加工など、別の方法によって形成してもよい。
さらに、上述の実施形態では、流路ユニット11は、上面視で4つの角部11zを有する矩形形状であり、第1検査用穴41及び第2検査用穴42が互いに異なる角部11zに形成されている場合について説明したが、これには限定されない。第1検査用穴41及び第2検査用穴42は、同じ角部11zに形成されていてもよいし、角部11z以外の部分に形成されていてもよい。第1検査用穴41及び第2検査用穴42は、流路35を構成する貫通孔及び凹部とつながらない位置に形成されていればよい。また、流路ユニット11は、上面視で矩形以外の多角形であってもよし、角部を有さない円形や楕円形であってもよい。
加えて、上述の実施形態では、供給マニホールド31を構成する貫通孔31b、31cが形成されたプレート11d、11eが同じ設計のプレートであり、帰還マニホールド32を構成する貫通孔32b、32cが形成されたプレート11h、11iが同じ設計のプレートである場合について説明したが、これには限定されない。すななわち、プレート11d、11eのみを同じ設計のプレートとしてもよいし、プレート11h、11iのみを同じ設計のプレートとしてもよい。また、供給マニホールド31及び帰還マニホールド32以外の流路35を構成する流路穴(孔又は凹部)が形成されたプレートであって積層方向に隣接する2枚のプレートに同じ設計のプレートを使用してもよい。
さらに、上述の実施形態においては、インクジェットヘッド1が走査方向に移動するシリアル式である場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、インクジェットヘッドが固定されたライン式インクジェットヘッドにおいても、本発明を採用することが可能である。
また、インク以外の液体を吐出する液体吐出ヘッドに本発明を適用することも可能である。さらに、吐出対象は、記録用紙Pに限定されず、例えば布、基板等であってもよい。
1 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
11 流路ユニット(積層体)
11d プレート(第1プレート)
11e プレート(第2プレート)
11h プレート(第1プレート)
11i プレート(第2プレート)
11z 角部
20 個別流路
21 ノズル
31 供給マニホールド
31b 貫通孔(第1流路穴)
31c 貫通孔(第2流路穴)
32 帰還マニホールド
32b 貫通孔(第1流路穴)
32c 貫通孔(第2流路穴)
41 第1検査用穴
41a~41k 第1孔
42 第2検査用穴
42a~42k 第2孔

Claims (7)

  1. 積層方向に積層された複数のプレートで構成される積層体を備え、
    前記複数のプレートは、
    流路を構成する第1流路穴が形成された第1プレートと、
    前記流路を構成する第2流路穴が形成され、前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層された第2プレートと、を含み、
    前記積層体は、
    前記複数のプレートに形成された第1孔により構成される第1検査用穴と、
    前記複数のプレートに形成された第2孔により構成される第2検査用穴と、を有し、
    前記第1検査用穴は、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がっており、
    前記第2検査用穴は、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がっていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記第1流路穴、前記第2流路穴、前記第1孔及び前記第2孔は、エッチングにより形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記第1検査用穴及び前記第2検査用穴は、円形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記積層体は、前記積層方向から視て複数の角部を有する多角形形状を有しており、
    前記第1検査用穴は、前記複数の角部のうちの1つの角部に形成されており、
    前記第2検査用穴は、前記複数の角部のうち前記1つの角部とは異なる角部に形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記流路は、液体を吐出するノズルを含む複数の個別流路と、前記複数の個別流路に共通して設けられたマニホールドと、を含んでおり、
    前記第1流路穴及び前記第2流路穴は、いずれも前記マニホールドを構成することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 液体吐出ヘッドにおける積層体を構成する複数のプレート間の位置ずれを検査する検査方法であって、
    前記複数のプレートは、積層方向に積層された第1プレート及び第2プレートを含み、前記第1プレートは、流路を構成する第1流路穴が形成され、前記第2プレートは、前記流路を構成する第2流路穴が形成され、前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層され、
    前記積層体は、前記複数のプレートに形成された第1孔により構成される第1検査用穴と、前記複数のプレートに形成された第2孔により構成される第2検査用穴と、を有し、
    前記第1検査用穴は、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がっており、
    前記第2検査用穴は、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がっており、
    前記第1検査用穴を前記積層方向の前記他方側から目視し、前記第2プレートの前記第1孔の縁が前記第1プレートによって隠れているか否かを確認する第1確認工程と、
    前記第2検査用穴を前記積層方向の前記一方側から目視し、前記第1プレートの前記第2孔の縁が前記第2プレートによって隠れているか否かを確認する第2確認工程と、
    前記第1確認工程及び前記第2確認工程の少なくともいずれかにより前記第1プレート及び前記第2プレート間の位置ずれを検査する検査工程と、を備えていることを特徴とする検査方法。
  7. 液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    第1基材に、流路を構成する第1流路穴、第1孔及び第2孔を形成して、第1プレートを作製する第1プレート作製工程と、
    第2基材に、前記流路を構成する第2流路穴、前記第1孔及び前記第2孔を形成して、第2プレートを作製する第2プレート作製工程と、
    前記第1プレート及び前記第2プレートを含む複数のプレートを積層方向に積層する工程であって、前記第2プレートを前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層する積層工程と、
    前記複数のプレートに形成された前記第1孔により構成された第1検査用穴であって、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がった前記第1検査用穴を、前記積層方向の前記他方側から目視し、前記第2プレートの前記第1孔の縁が前記第1プレートによって隠れているか否かを確認する第1確認工程と、
    前記複数のプレートに形成された前記第2孔により構成された第2検査用穴であって、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がった前記第2検査用穴を、前記積層方向の前記一方側から目視し、前記第1プレートの前記第2孔の縁が前記第2プレートによって隠れているか否かを確認する第2確認工程と、
    前記第1確認工程及び前記第2確認工程の少なくともいずれかにより前記第1プレート及び前記第2プレート間の位置ずれを検査する検査工程と、を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
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