JP2023077946A - 研削盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】円形状部の研削外周面の軸方向の各位置に生じる真円度を向上させることができる研削盤を提供する。【解決手段】研削盤の制御装置は、補正量記憶部、補間補正量算出部及びトラバース動作制御部を有する。補正量記憶部は、円形状部の研削外周面の軸方向の複数位置についての角度毎の真円誤差を、角度毎の補正量Daに変換して記憶する。補間補正量算出部は、角度毎の補正量Daに基づいて、研削外周面の軸方向の複数位置間の角度毎の補間補正量Dbを算出する。トラバース動作制御部は、角度毎の補正量Da及び角度毎の補間補正量Dbを使用して、円形状部にトラバース研削を行う。【選択図】図9

Description

本発明は、研削盤に関する。
研削盤は、工作物を支持して回転させる工作物支持装置、砥石車を支持して回転させ、砥石車によって工作物支持装置に支持された工作物の外周面を研削する砥石装置等を備える。研削盤によって研削を行う工作物には、円形状部のみを有する軸部材の他に、クランクシャフト等の、円形状部、及び偏心形状部等の非円形状部を有する偏心軸部材がある。特に、工作物としての偏心軸部材の研削を行う場合には、研削外周面の真円度に誤差が生じることがある。
例えば、特許文献1の円筒研削方法及び装置においては、真円度に生じる誤差を補正する工夫がなされている。具体的には、この円筒研削方法においては、未加工のワークの試し研削を行った後に、このワークの真円度誤差を測定し、この真円度誤差に基づいて真円プロフィルデータを作成する。そして、真円プロフィルデータを使用して正規の研削を行うことにより、円筒研削面の真円度を高精度にしている。
特開2000-218479号公報
円形状部及び偏心形状部を有する、工作物としての偏心軸部材の研削を行う場合には、形状に伴う剛性の異方性が工作物に存在する。剛性の異方性は、砥石車から工作物に研削時の圧力が加わるときに、圧力が加わる工作物の周方向の位置によって、工作物の剛性が異なることを示す。また、円形状部の軸方向の長さが砥石車の幅よりも長い場合には、この円形状部の軸方向の複数位置に対して、砥石車が工作物の交差方向に相対移動して工作物を研削するプランジ研削が行われた後に、砥石車が工作物の軸方向に相対移動して工作物を研削するトラバース研削が行われる。
この場合において、発明者の研究により、剛性の異方性によって、円形状部の研削外周面の軸方向の各部位に生じる真円度に差が生じ、この真円度が悪化することが分かった。従って、円形状部の研削外周面の軸方向の各部位に生じる真円度を向上させるためには更なる工夫が必要とされる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、円形状部の研削外周面の軸方向の各位置に生じる真円度を向上させることができる研削盤を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
円形状部及び非円形状部を有する工作物を支持して、前記円形状部の中心軸線を中心に前記工作物を回転させる工作物支持装置と、
砥石車を支持して回転させる砥石装置と、
前記砥石車を前記中心軸線に交差する交差方向に相対的に移動させる交差移動装置と、
前記砥石車を前記中心軸線に平行な軸方向に相対的に移動させる平行移動装置と、
前記工作物支持装置、前記交差移動装置及び前記平行移動装置の各動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記円形状部の研削外周面に生じる、前記軸方向の複数位置についての前記中心軸線を中心とする角度毎の、基準値に対する正負の値として実測された真円誤差を、前記正負の値を逆転させて前記軸方向の複数位置の角度毎の補正量に変換して記憶する補正量記憶部と、
前記軸方向の複数位置間についての前記角度毎の補間補正量を、前記軸方向の複数位置の角度毎の補正量に基づいて算出し、又は算出して記憶する補間補正量算出部と、
前記工作物支持装置には前記工作物の角度指令を与え、前記交差移動装置には前記工作物の角度毎に前記軸方向の位置に応じた前記補正量及び前記補間補正量を指令として与え、前記平行移動装置には前記工作物に対する前記砥石車の前記軸方向の位置指令を与えて、前記円形状部にトラバース研削を行うトラバース動作制御部と、を有する、研削盤にある。
前記一態様の研削盤においては、トラバース研削を行う際に真円誤差を小さくするための工夫をしている。具体的には、制御装置の補正量記憶部は、円形状部の軸方向の複数位置の角度毎の補正量を記憶する。また、制御装置の補間補正量算出部は、円形状部の軸方向の複数位置間についての角度毎の補間補正量を算出し、又は算出して記憶する。補正量は、トラバース研削が行われた円形状部の研削外周面の軸方向の複数位置に生じる真円誤差が、円形状部の試し研削後の実測によって求められた後、この真円誤差を補正するデータとして作成される。補間補正量は、円形状部の軸方向の複数位置の角度毎の補正量に基づいて算出される。
そして、制御装置のトラバース動作制御部は、工作物支持装置には工作物の角度指令を与え、交差移動装置には工作物支持装置の角度毎に軸方向の位置に応じた補正量及び補間補正量を指令として与え、平行移動装置には工作物に対する砥石車の軸方向の位置指令を与えて、円形状部にトラバース研削を行う。
この構成により、前記一態様の研削盤によれば、円形状部の研削外周面の軸方向の各部位に生じる真円度を向上させることができる。
実施形態1にかかる、研削盤を示す説明図。 実施形態1にかかる、研削盤の電気的構成を示す説明図。 実施形態1にかかる、工作物を示す説明図。 実施形態1にかかる、工作物の円形状部の研削外周面を研削する砥石車を、断面によって示す説明図。 実施形態1にかかる、工作物の円形状部の研削外周面における真円誤差を示す説明図。 実施形態1にかかる、研削外周面の周方向の各部位における真円誤差を示すグラフ。 実施形態1にかかる、制御装置の機能構成を示す説明図。 実施形態1にかかる、研削外周面の周方向の各位置における、補正量記憶部による補正量を示すグラフ。 実施形態1にかかる、研削外周面の周方向の一部における、補正量記憶部による補正量及び補間補正量算出部による補間補正量を示すグラフ。 実施形態1にかかる、円形状部にプランジ研削及びトラバース研削を行う状態を示す説明図。 実施形態1にかかる、研削盤の研削方法を示すフローチャート。 実施形態2にかかる、研削盤の研削方法を示すフローチャート。
前述した研削盤にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
1.研削盤1の構成
研削盤1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。本形態の研削盤1は、工作物8の外周面を研削する円筒研削盤である。研削盤1は、工作物8を回転させるとともに砥石車31を回転させ、かつ、砥石車31を工作物8に対して工作物8の中心軸線801に交差する方向に相対的に移動させることにより、工作物8の外周面を研削する。また、本形態の研削盤1は、クランクシャフト、カムシャフト等を研削するものである。
研削盤1には、工作物トラバース型研削盤、砥石トラバース型研削盤などを適用可能である。工作物トラバース型研削盤は、ベッド11に対して、工作物8を工作物8の中心軸線801に平行な方向に移動させ、砥石車31を工作物8の中心軸線801に交差する方向に移動させる研削盤1である。砥石トラバース型研削盤は、ベッド11に対して、砥石車31を、工作物8の中心軸線801に平行な方向に移動させるとともに、工作物8の中心軸線801に交差する方向に移動させる研削盤1である。
また、本形態の研削盤1には、ラジアル研削盤を適用することもできるし、アンギュラ研削盤を適用することもできる。ラジアル研削盤は、工作物8の中心軸線801に対して直交する方向に砥石車31が相対的に移動する研削盤1である。アンギュラ研削盤は、工作物8の中心軸線801に対して斜めに交差する方向に砥石車31が相対的に移動する研削盤1である。
本形態の研削盤1は、工作物トラバース型研削盤であってラジアル研削盤であり、これを例に挙げて説明する。本形態の研削盤1において、軸方向Zとは、水平方向に平行な方向であって、工作物8の円形状部81の中心軸線801に沿った方向のことをいう。交差方向Xとは、水平方向に平行な方向であって、軸方向Zに交差する方向のことをいう。特に、本形態においては、交差方向Xは、軸方向Zに直交する方向とする。
研削盤1は、工作物支持装置2、砥石装置3、交差移動装置4、平行移動装置5、半径測定装置7及び制御装置6を備える。
工作物支持装置2は、ベッド11上において、工作物8の両端部を支持して、工作物8の中心軸線801を中心に、工作物8を所定の回転速度で回転駆動するよう構成されている。工作物支持装置2は、回転駆動源としてのモータ24による回転力を工作物8の一端部に伝達する主軸台21と、工作物8の他端部を回転支持する心押台22とを有する。
また、主軸台21には、工作物8の端部の中心を支持するセンタ部材が設けられていてもよいし、工作物8の端部を把持するチャック機構が設けられていてもよい。工作物8の回転速度は、主軸台21のモータ24の回転速度を変更することによって適宜変更可能である。また、心押台22には、工作物8の端部の中心を支持するセンタ部材が設けられている。
主軸台21のモータ24には、位置検出器としてのエンコーダ25が取り付けられており、主軸台21による工作物8の中心軸線801の回りの回転位置(回転角度)は、エンコーダ25によって検出される。工作物支持装置2に工作物8が支持されたときには、図4及び図5に示す、工作物8の周方向Cの基準位置C0がエンコーダ25による周方向Cの回転基準位置として設定される。
砥石装置3は、砥石車31を支持して回転させるよう構成されている。砥石装置3は、砥石車31が支持された軸部32と、回転駆動源としてのモータ34によって軸部32を回転駆動する駆動部33とを有する。本形態においては、砥石車31の中心軸線は、工作物8の中心軸線801と平行である。砥石車31は、円盤形状の部材として形成されており、砥石車31の外周面によって工作物8の外周面を研削する。
交差移動装置4は、砥石車31を工作物8の中心軸線801に垂直な交差方向Xに相対的に移動させるよう構成されている。本形態の交差移動装置4は、砥石装置3及び砥石車31を、工作物8の中心軸線801に対して交差する交差方向Xに移動させるよう構成されている。本形態においては、交差移動装置4は、砥石車31の外周面を工作物8の外周面に接近させるよう構成されている。交差移動装置4においては、工作物8の外周面への砥石車31の送り速度が決定される。また、交差移動装置4においては、砥石車31が工作物8に接触したときには、送り速度に応じた切り込み量kが決定される。工作物8及び砥石車31の回転周速度は、砥石車31の送り速度よりも速い。なお、工作物8の回転方向と砥石車31の回転方向とは、同一方向であってもよく、逆方向であってもよい。
交差移動装置4は、砥石装置3が載置された砥石テーブル41、砥石テーブル41を交差方向Xに移動させるためのボールねじ42及びリニヤガイド43、ボールねじ42を回転駆動するモータ44、モータ44の回転量に基づいて砥石車31の交差方向Xの位置を検出する位置検出器としてのエンコーダ45等を用いて構成されている。モータ44が駆動され、ボールねじ42及びリニヤガイド43を介して砥石テーブル41が交差方向Xに移動することによって、砥石装置3が交差方向Xに移動する。交差移動装置4は、研削盤1のベッド11上に構成されている。なお、ボールねじ42の代わりにリニヤモータが用いられてもよい。
交差移動装置4による砥石車31の交差方向Xの移動位置は、エンコーダ45によって検出される。また、エンコーダ45による砥石車31の単位時間当たりの移動量を時間微分することにより、砥石車31の交差方向Xにおける移動速度(送り速度)が検出される。交差移動装置4のエンコーダ45による砥石車31の交差方向Xの移動位置は、工作物支持装置2の主軸台21のエンコーダ25による工作物8の周方向Cの回転位置と同期される。
平行移動装置5は、砥石車31を工作物8の中心軸線801に平行な軸方向Zに相対的に移動させるよう構成されている。本形態の平行移動装置5は、砥石装置3の砥石車31に対して、工作物支持装置2における主軸台21及び心押台22を、工作物8の中心軸線801に沿った軸方向Zへ移動させるよう構成されている。平行移動装置5は、工作物8における、砥石車31の外周面に対向する軸方向Zの位置を変化させるよう構成されている。また、平行移動装置5によって、工作物8の軸方向Zにおける砥石車31の移動速度が決定される。
平行移動装置5は、主軸台21及び心押台22が載置された工作物テーブル51、工作物テーブル51を軸方向Zに移動させるためのボールねじ52及びリニヤガイド53、ボールねじ52を回転駆動するモータ54、モータ54の回転量に基づいて工作物8の軸方向Zの位置を検出する位置検出器としてのエンコーダ55等を用いて構成されている。モータ54が駆動され、ボールねじ52及びリニヤガイド53を介して工作物テーブル51が軸方向Zに移動することによって、主軸台21及び心押台22によって支持された工作物8が軸方向Zに移動する。平行移動装置5は、研削盤1のベッド11上に構成されている。なお、ボールねじ52の代わりにリニヤモータが用いられてもよい。
平行移動装置5による工作物8の軸方向Zの移動位置は、エンコーダ55によって検出される。また、エンコーダ55による工作物8の単位時間当たりの移動量を時間微分することにより、工作物8の軸方向Zにおける移動速度(送り速度)が検出される。平行移動装置5のエンコーダ55による工作物8の軸方向Zの移動位置は、工作物支持装置2の主軸台21のエンコーダ25による工作物8の周方向Cの回転位置と同期される。
研削盤1においては、工作物8の半径及び外径を測定する半径測定装置7が用いられる。半径測定装置7は、工作物8を介して砥石車31に対向する位置に設けられている。半径測定装置7によって、工作物8における、砥石車31によって研削された位置の半径及び外径が測定される。
制御装置6は、工作物支持装置2、砥石装置3、交差移動装置4、平行移動装置5の動作を制御する。制御装置6は、工作物支持装置2、交差移動装置4及び平行移動装置5の各動作を同期制御し、砥石車31を交差方向Xに相対的に移動させながら工作物8を研削するプランジ研削Pと、砥石車31を軸方向Zに相対的に移動させながら工作物8を研削するトラバース研削Tとが可能である。
例えば、制御装置6は、工作物8についてプランジ研削Pを行う場合には、主として交差移動装置4を制御するプランジ研削制御を行う。また、制御装置6は、工作物8についてトラバース研削Tを行う場合には、主として平行移動装置5を制御するトラバース研削制御を行う。プランジ研削Pは、交差移動装置4によって工作物8に砥石車31を交差方向Xに接近させる移動速度が、砥石車31が工作物8の中心軸線801に近づくほど遅くなるようにして行われる。トラバース研削Tは、平行移動装置5による工作物8の軸方向Zの移動速度が、工作物8の研削位置の軸方向Zの全長において一定になるようにして行われる。
制御装置6は、工作物支持装置2のモータ24の回転、砥石装置3のモータ34の回転、交差移動装置4のモータ44の回転、平行移動装置5のモータ54の回転等を制御するよう構成されている。制御装置6は、駆動回路653を駆動して砥石装置3のモータ34の回転を制御する。制御装置6は、工作物支持装置2、交差移動装置4及び平行移動装置5のそれぞれのエンコーダ25,45,55による位置の検出値が、目標値になるよう、工作物支持装置2、交差移動装置4及び平行移動装置5のそれぞれのモータ24,44,54の駆動回路652,654,655をフィードバック制御するよう構成されている。
2.工作物8及び砥石車31の説明
工作物8の形状、及び研削加工時における工作物8と砥石車31との位置関係について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4に示すように、本形態の研削盤1によって研削加工を行う工作物8は、例えば、クランクシャフトである。クランクシャフトは、複数のクランクウェブ821及びクランクピン822によるクランク形状を有している。クランクシャフトは、円形状部81としての、端部に設けられたシャフト部811、及び端部及び中間部に設けられたジャーナル部812を有する。また、クランクシャフトは、非円形状部82としてのクランクウェブ821、クランクピン822及びバランスウェイト823とを有する。なお、工作物8の中心軸線801と円形状部81の中心軸線801とは同一である。本形態の非円形状部82は、偏心形状部として形成されている。
本形態においては、工作物8の円形状部81を研削加工の対象とする。そこで、工作物8の円形状部81としてのシャフト部811に、複数回のプランジ研削P1,P2,P3及び1回のトラバース研削Tが行われる。図3においては、プランジ研削を3回行う場合を矢印P1,P2,P3によって示し、トラバース研削を1回行う場合を矢印Tによって示す。図3における矢印P1,P2,P3,Tの向きは、工作物8に対して砥石車31が相対的に移動する状態を示す。
研削加工の対象であるシャフト部811の軸方向Zの長さは、砥石車31の幅よりも長い。そこで、図3に示すように、複数回のプランジ研削P1,P2,P3は、工作物8の軸方向Zにおいて異なる位置Z1,Z2,Z3において行われる。1回のトラバース研削Tは、シャフト部811の軸方向Zの一方側から他方側に向けて行われる。
図4に示すように、工作物8の周方向Cの基準位置C0は、例えば、工作物8のいずれかの非円形状部82が突出する周方向Cの0°の位置として設定される。つまり、図1及び図2に示す主軸台21のエンコーダ25による周方向Cの回転基準位置は、工作物8の周方向Cの基準位置C0が砥石車31に正対する位置として設定される。なお、主軸台21によって工作物8が回転するときには、工作物8の回転位置が0°~360°のどの位置にあるかがエンコーダ25によって検出される。
3.評価指標としての真円度
本形態において、研削盤1により研削加工される工作物8の円形状部81の研削外周面83の評価指標には、真円度を用いる。真円度について、図5を参照して説明する。真円度は、例えば、工作物8の研削外周面83が、2つの同心の内接仮想円及び外接仮想円によって挟まれるときの半径rの差(半径rの最大値と最小値との差)として測定される。
4.真円誤差e
非円形状部82を有する工作物8において、工作物8の円形状部81を研削加工する場合には、円形状部81の研削外周面83に真円誤差eが生じる。真円誤差eについて、図5及び図6を参照して説明する。
砥石車31が工作物8に接触して研削が行われる際には、砥石車31に研削抵抗が生じ、工作物8には、砥石車31から逃げようとする方向に弾性変形による撓みが生じる。このとき、非円形状部82を有する工作物8においては、工作物8の周方向Cのどの位置に砥石車31が接触するかによって、工作物8の剛性に違いが生じる。
この剛性の違いは、研削が行われた研削外周面83の周方向Cにおける剛性の異方性を形成し、工作物8の研削外周面83の周方向Cの各位置における半径rに誤差が生じる。そして、この半径rの誤差が、真円度の誤差を生じさせる。本形態の工作物8としてのクランクシャフトの円形状部81の研削外周面83は、楕円形状に近い状態で研削される。
また、砥石車31が工作物8に接触して研削が行われる際に、砥石車31によって工作物8に生じる弾性変形による撓みは、一般的には、工作物支持装置2によって工作物8の両端部が支持されていることにより、工作物8の軸方向Zの中心に近い位置ほど大きくなる。そして、円形状部81としてのシャフト部811の軸方向Zの各位置においては、軸方向Zの中心に近い位置ほど撓み量が大きくなり、これに伴って真円度の誤差も大きくなる。つまり、プランジ研削P1,P2,P3及びトラバース研削Tが行われた後の、円形状部81としてのシャフト部811の研削外周面83の軸方向Zの複数位置についての真円誤差eは、軸方向Zの中心に近い位置ほど大きくなっている。
本形態の工作物8としてのクランクシャフトにおいては、図5に示すように、研削外周面83の周方向Cの複数位置における真円誤差e(半径rの誤差)は、設計上の半径基準円r0に対して、楕円に近い形状を形成するように生じる。また、図6には、研削外周面83の周方向Cの0~360°の各位置における真円誤差eについて、図3における、研削外周面83の軸方向Zの外側位置Z1、中間位置Z2及び中心側位置Z3における値として示す。周方向Cの0°の位置は、工作物8の中心軸線801に対して、クランクピン822が設けられた互いに180°異なる2つの方向のいずれかの位置として設定される。
図6に示すように、真円誤差eは、軸方向Zの外側位置Z1、中間位置Z2及び中心側位置Z3のいずれにおいても、周方向Cの45°及び225°の付近においてプラス側に最大となる一方、周方向Cの135°及び315°の付近においてマイナス側に最大となる。また、真円誤差eは、軸方向Zの中心に近くなるほど大きくなる。
5.制御装置6の詳細構成
制御装置6の詳細構成について、図1~図10を参照して説明する。図7に示すように、制御装置6は、基本研削プログラム取得部61、プランジ動作制御部62A、トラバース動作制御部62B、補正量記憶部63及び補間補正量算出部64を有する。
基本研削プログラム取得部61は、真円誤差eの補正処理が含まれていない基本研削のプログラムを取得する。基本研削プログラムは、円形状部81としてのシャフト部811に対する、複数回のプランジ研削P1,P2,P3及び1回のトラバース研削Tを実行するためのプログラムである。
プランジ動作制御部62Aは、トラバース研削Tの前に、円形状部81としてのシャフト部811の研削外周面83の軸方向Zの複数位置についてプランジ研削P1,P2,P3を順次行う。トラバース動作制御部62Bは、プランジ研削P1,P2,P3が行われた後の円形状部81としてのシャフト部811の研削外周面83についてトラバース研削Tを行う。
制御装置6のプランジ動作制御部62A及びトラバース動作制御部62Bは、図1及び図2に示すように、交差移動装置4のエンコーダ45による砥石車31の交差方向Xの移動位置、及び平行移動装置5のエンコーダ55による工作物8の軸方向Zの移動位置と、工作物支持装置2のエンコーダ25による工作物8の周方向Cの回転位置とを同期させるよう構成されている。より具体的には、工作物支持装置2によって工作物8が1回転するときに、工作物支持装置2のエンコーダ25によって、工作物8の回転基準位置C0から周方向Cに何度の回転位置が砥石車31に正対しているかが検知される。また、平行移動装置5によって工作物8が軸方向Zに移動するときに、平行移動装置5のエンコーダ55によって、円形状部81としてのシャフト部811の軸方向Zのどこの位置が砥石車31に正対しているかが検知される。
プランジ動作制御部62Aは、プランジ研削P1,P2を行うときには、工作物支持装置2に工作物8の角度指令を与える。プランジ動作制御部62Aは、プランジ研削P3を行うときには、工作物支持装置2に工作物8の角度指令を与え、交差移動装置4に、工作物8の角度毎に円形状部81の軸方向Zの中心側位置Z3における補正量Daを指令として与える。プランジ動作制御部62Aは、プランジ研削P3を行うときには、プランジ研削用のプロフィルデータを使用する。プランジ動作制御部62Aは、交差移動装置4に、工作物8への砥石車31の交差方向Xにおける、プランジ研削用の所定の切り込み量kを指令として与える。
また、プランジ動作制御部62Aは、プランジ研削P1,P2,P3を行うときに、工作物支持装置2のエンコーダ25による工作物8の周方向Cの回転位置に応じて、交差移動装置4の駆動回路654を制御して砥石車31の交差方向Xの移動位置を変更させる。これにより、プランジ研削P1,P2,P3が行われるときには、工作物8の周方向Cの回転位置と、砥石車31の交差方向Xの移動位置とが同期される。
トラバース動作制御部62Bは、トラバース研削Tを行うときに、工作物支持装置2に工作物8の角度指令を与え、交差移動装置4に工作物8の角度毎に円形状部81の軸方向Zの位置に応じた補正量Da及び補間補正量Dbを指令として与え、平行移動装置5に工作物8に対する砥石車31の軸方向Zの位置指令を与える。トラバース動作制御部62Bは、トラバース研削Tを行うときには、トラバース研削用のプロフィルデータを使用する。トラバース動作制御部62Bは、交差移動装置4に、工作物8への砥石車31の交差方向Xにおける、トラバース研削用の所定の切り込み量kを指令として与える。
また、トラバース動作制御部62Bは、トラバース研削Tを行うときに、工作物支持装置2のエンコーダ25による工作物8の周方向Cの回転位置、及び平行移動装置5のエンコーダ55による工作物8の軸方向Zの移動位置に応じて、交差移動装置4の駆動回路654を制御して砥石車31の交差方向Xの移動位置を変更させる。これにより、トラバース研削Tが行われるときには、工作物8の周方向Cの回転位置及び工作物8の軸方向Zの移動位置と、砥石車31の交差方向Xの移動位置とが同期される。
所定の切り込み量kは、プランジ研削に使用するプランジ研削用の所定の切り込み量kとして、プランジ動作制御部62Aから交差移動装置4に与えられ、トラバース研削に使用するトラバース研削用の所定の切り込み量kとして、トラバース動作制御部62Bから交差移動装置4に与えられる。
本形態のプロフィルデータは、プランジ研削用の所定の切り込み量kに応じたプランジ研削用のプロフィルデータと、トラバース研削用の所定の切り込み量kに応じたトラバース研削用のプロフィルデータとして用意される。プランジ動作制御部62Aにおいては、切り込み量kが大きくなればなるほど、補正量Daの大きいプロフィルデータが使用される。トラバース動作制御部62Bにおいては、切り込み量kが大きくなればなるほど、補正量Da及び補間補正量Dbの大きいプロフィルデータが使用される。
工作物8の試し研削と、製品としての工作物8の本研削とにおいて、切り込み量kは同じ値に設定される。一方、試し研削及び本研削において、切り込み量kが大きくなると砥石車31に生じる研削抵抗も大きくなる。そのため、複数種類の工作物8の研削を行う場合、工作物8の研削の仕方が異なる複数パターンがある場合において、それぞれの切り込み量kが大きくなると、研削抵抗に応じて生じる真円誤差eも大きくなり、真円誤差eを補正するために、補正量Da及び補間補正量Dbの大きいプロフィルデータが必要となる。
図8に示すように、補正量記憶部63は、図5及び図6に示す、実測によって得られた真円誤差eに基づく補正量Daを記憶する。補正量Daは、円形状部81の研削外周面83に生じる、軸方向Zの複数位置についての中心軸線を中心とする周方向Cの位置(角度)毎の、基準値に対する正負の値として実測された真円誤差eが、正負の値を逆転させて軸方向Zの複数位置の周方向Cの位置(角度)毎の補正量Daに変換されて記憶されている。本形態においては、円形状部81又は工作物8の角度のことを、円形状部81の周方向Cの位置又は回転位置という。
図9に示すように、補間補正量算出部64は、円形状部81の軸方向Zの複数位置間についての周方向Cの位置(角度)毎の補間補正量Dbを、軸方向Zの複数位置の周方向Cの位置(角度)毎の補正量Daに基づいて算出して記憶する。補間補正量Dbは、補正量Daと同様の形式で記憶される。
補正量記憶部63における、円形状部81の周方向Cの位置(角度)毎の補正量Da、及び補間補正量算出部64における、円形状部81の周方向Cの位置(角度)毎の補間補正量Dbは、工作物8の円形状部81のプロフィルデータによって構成されている。
プロフィルデータは、円形状部81の研削外周面83に生じる、軸方向Zの複数位置についての円形状部81の中心軸線801を中心とする周方向Cの複数位置における半径基準値r0からの誤差を示す真円誤差eを補正するデータとして記憶されている。ここで、「研削外周面83」は、砥石車31によって研削された後の外周面を示すだけでなく、砥石車31によって研削されることが設定された外周面を示すこともある。本形態の補正量記憶部63において補正量Daを記憶するに当たっては、研削盤1によって、種々の形状の工作物8についてプランジ研削P1,P2,P3及びトラバース研削Tによる試し研削が行われ、研削後の工作物8の研削外周面83の軸方向Z及び周方向Cの複数位置の半径rが実測される。
この研削外周面83の半径rは、工作物8を研削盤1から取り外した後に、外部測定装置(図示せず)を用いて測定することができる。また、研削外周面83の半径rは、半径測定装置7を用いて、工作物8の円形状部81としてのシャフト部811の研削外周面83について、軸方向Z及び周方向Cの複数位置における半径rとして測定してもよい。本形態の半径測定装置7は、トラバース研削Tの後において、研削盤1の工作物支持装置2に支持された状態の工作物8の研削外周面83の半径rを測定するよう構成されている。
図5に示すように、真円誤差eは、研削外周面83の軸方向Z及び周方向Cの複数位置における半径rの誤差として生じ、補正量記憶部63における補正量Daは、半径基準値r0に対して真円誤差eが生じた半径の内外周方向Cとは逆の内外周方向Cに、真円誤差eの分だけオフセットした位置として記憶される。図5における真円誤差eは誇張して示しており、実際に生じる真円誤差eは数μm程度である。
なお、外部測定装置又は半径測定装置7には、工作物8の円形状部81の研削外周面83に測定子が接触して測定を行う接触式の測定器、工作物8の円形状部81の研削外周面83に、光線、電磁波等が走査されて測定を行う非接触式の測定器等がある。本形態においては、例えば、研削盤1に設けられた定寸装置等を半径測定装置7として用い、工作物支持装置2によって工作物8がその中心軸線801を中心に回転されるときに、研削外周面83の周方向Cの複数位置の半径rを測定すればよい。
図3、図5及び図8に示すように、本形態の補正量記憶部63には、プランジ研削P1,P2,P3及びトラバース研削Tが行われた後の、円形状部81としてのシャフト部811の研削外周面83の軸方向Zの複数位置についての真円誤差eに基づく補正量Daが記憶されている。本形態の研削盤1においては、円形状部81としてのシャフト部811に対して、軸方向Zの複数位置についてプランジ研削P1,P2が行われた後、真円誤差eが補正されながら、最終位置のプランジ研削P3及びトラバース研削Tが行われる。試し研削としてのプランジ研削P1,P2,P3及びトラバース研削Tが行われた後に真円誤差eが実測されるときには、円形状部81としてのシャフト部811の軸方向Zの複数位置について、周方向Cの複数位置の半径rが実測される。なお、周方向Cの複数位置は、例えば、周方向Cに1~5°等の角度で等間隔に並ぶ複数位置とすればよい。
補正量記憶部63においては、周方向Cの各位置における補正量Daが、真円誤差eとは逆方向に、円形状部81としてのシャフト部811の設計上の半径基準値r0から、半径rが大きくなるプラス側及び半径rが小さくなるマイナス側のいずれに補正するかのデータとして記憶されていればよい。図5においては、真円誤差eが、半径基準値r0から半径rがプラス側になった場合を符号(+)によって示し、半径基準値r0から半径rがマイナス側になった場合を符号(-)によって示す。実測された真円誤差eは、回帰分析等を行って、周方向C及び軸方向Zにおいて値が連続するデータとし、補正量Daに変換して記憶すればよい。
図5に示すように、補正量記憶部63においては、工作物8の周方向Cの基準位置C0を基準として、周方向Cの各位置の補正量Daが記憶されている。工作物8の周方向Cの基準位置C0は、例えば、いずれかの非円形状部82が工作物8の中心軸線801から突出する方向とすればよい。また、工作物支持装置2に支持された工作物8の周方向Cの回転基準位置は、工作物8の周方向Cの基準位置C0とすればよい。
補正量Daは、真円誤差eによって研削外周面83の半径が小さくなる周方向Cの位置ほど、砥石車31の交差方向Xの移動位置を工作物8から遠くするためのデータとして記憶されている。トラバース動作制御部62Bが補正量Da及び補間補正量Dbを用いることにより、研削外周面83に生じる真円誤差eを適切に小さくすることができる。
補正量記憶部63において記憶する補正量Da及び補間補正量算出部64において記憶する補間補正量Dbは、トラバース研削Tを行う際の研削外周面83の軸方向Zの複数位置についての真円誤差eを補正するための砥石車31の交差方向Xの移動位置が、研削外周面83の軸方向Zにおいて連続して変化するデータとして記憶されている。換言すれば、補正量Da及び補間補正量Dbは、回帰分析等が行われて、研削外周面83の周方向C及び軸方向Zにおいて連続して滑らかに変化するデータとして記憶されている。この構成により、トラバース動作制御部62Bによって、トラバース研削Tを行う際の真円誤差eの補正を円滑に行うことができる。
図8に示すように、本形態の補正量Daは、トラバース研削Tを行う際の研削外周面83の軸方向Zの複数位置についての真円誤差eを補正するための砥石車31の交差方向Xの移動位置の補正量Daが、工作物8の軸方向Zの中心に近い位置ほど、換言すれば円形状部81としてのシャフト部811の軸方向Zの中心に近い位置ほど、大きくなるデータとして記憶されている。図8においては、工作物8の軸方向Zの外側位置Z1、中間位置Z2及び中心側位置Z3について、補正量DaがZ3>Z2>Z1の関係にあることを示す。この構成により、軸方向Zの位置の違いに応じて生じる真円誤差eを、適切に補正することができる。
補正量Daは、周方向C及び軸方向Zにおける適宜位置において、半径基準値r0に対して半径rが大きくなる場合、又は半径基準値r0に対して半径rが小さくなる場合として記憶される。なお、補正量Daは、周方向C又は軸方向Zにおいて段階的に変化する値として記憶されていてもよい。
図8及び図9に示すように、プロフィルデータは、実測によって求められた軸方向Zの複数位置についての周方向Cの複数位置における真円誤差eを補正するための補正量Daと、軸方向Zの複数位置の間についての周方向Cの複数位置における真円誤差eを補正するための補間補正量Dbとの組み合わせによって構成されている。本形態においては、例えば、研削外周面83の軸方向Zの外側位置Z1、中間位置Z2及び中心側位置Z3の3か所において真円誤差eが実測され、これらの位置Z1,Z2,Z3についての真円誤差eに基づいて補正量Daが作成される。
また、外側位置Z1と中間位置Z2との間の位置Z12については、外側位置Z1の真円誤差eと中間位置Z2の真円誤差eとを補間して、補間補正量Dbが作成される。また、中間位置Z2と中心側位置Z3の間の位置Z23については、中間位置Z2の真円誤差eと中心側位置Z3の真円誤差eとを補間して、補間補正量Dbが作成される。補間補正量Dbは、線形補間によって作成されてもよく、線形補間以外の種々の補間の仕方によって作成されてもよい。
補正量Da及び補間補正量Dbは、研削外周面83の軸方向Z及び周方向Cの各位置における半径rのデータとして、補正量記憶部63に記憶しておけばよい。また、補間補正量Dbは、研削盤1の稼働時に演算によって求められてもよい。補間補正量Dbは、補間補正量算出部64において記憶されていない場合でも、補正量Daと併せてプロフィルデータという。
また、プロフィルデータを作成するための真円誤差eは、試し研削を行う代わりに、研削のシミュレーションを行って、円形状部81としてのシャフト部811の研削外周面83に生じる、軸方向Zの複数位置についての周方向Cの複数位置における真円誤差eとして推定してもよい。
図4及び図7に示すように、プランジ動作制御部62Aは、研削外周面83の軸方向Zの中心側位置Z3についての真円誤差eを補正するよう、プロフィルデータに基づいて、工作物8の周方向Cの回転位置(回転角度)に同期して砥石車31の交差方向Xの移動位置を制御して、プランジ研削P3を行うよう構成されている。また、トラバース動作制御部62Bは、研削外周面83の軸方向Zの複数位置についての真円誤差eを補正するよう、プロフィルデータに基づいて、工作物8の周方向Cの回転位置及び工作物8の軸方向Zの移動位置に同期して砥石車31の交差方向Xの移動位置を制御して、トラバース研削Tを行うよう構成されている。
プランジ動作制御部62Aは、補正量記憶部63から、真円誤差eの補正量Daとしてのプランジ研削用のプロフィルデータを受け取る。トラバース動作制御部62Bは、補正量記憶部63及び補間補正量算出部64から、真円誤差eの補正量Da及び補間補正量Dbとしてのトラバース研削用のプロフィルデータを受け取る。そして、プランジ動作制御部62A及びトラバース動作制御部62Bは、基本研削プログラム取得部61による基本研削プログラムを実行する際に、プロフィルデータを用いて各モータ24,34,44,54を制御する。
プランジ研削P3が行われるときには、プランジ動作制御部62Aによる真円誤差eの補正が行われた状態で、工作物8の周方向Cの回転位置と、砥石車31の交差方向Xの移動位置とが同期される。トラバース研削Tが行われるときには、トラバース動作制御部62Bによる真円誤差eの補正が行われた状態で、工作物8の周方向Cの回転位置及び工作物8の軸方向Zの移動位置と、砥石車31の交差方向Xの移動位置とが同期される。
本形態の研削盤1においては、円形状部81の研削外周面83の軸方向Zの各位置における真円度の誤差を、円形状部81の研削外周面83の軸方向Zの各位置において補正するために、プランジ動作制御部62Aによって研削外周面83の中心側位置Z3のプランジ研削P3が行われ、トラバース動作制御部62Bによって研削外周面83の外側位置Z1及び中間位置Z2のトラバース研削Tが行われる。プランジ動作制御部62Aは、工作物8の周方向Cの回転位置と、砥石車31の交差方向Xの移動位置とが同期されてプランジ研削P3が行われるときに、砥石車31の交差方向Xの移動位置を調整する。トラバース動作制御部62Bは、工作物8の周方向Cの回転位置及び工作物8の軸方向Zの移動位置と、砥石車31の交差方向Xの移動位置とが同期されてトラバース研削Tが行われるときに、砥石車31の交差方向Xの移動位置を調整する。
また、プランジ動作制御部62A及びトラバース動作制御部62Bは、プロフィルデータに基づき、半径rが大きくなるプラス側の真円誤差eがある研削外周面83の周方向Cの位置においては、砥石車31が工作物8に近づくよう補正する。一方、プランジ動作制御部62A及びトラバース動作制御部62Bは、プロフィルデータに基づき、半径rが小さくなるマイナス側の真円誤差eがある研削外周面83の周方向Cの位置においては、砥石車31が工作物8から遠ざかるよう補正する。
図10に示すように、プランジ動作制御部62Aは、円形状部81としてのシャフト部811の軸方向Zの外側位置Z1及び中間位置Z2についてプランジ研削P1,P2を行う。次いで、プランジ動作制御部62Aは、シャフト部811の周方向Cの回転位置に同期した砥石車31の交差方向Xの移動位置を調整して、真円誤差eを補正するようシャフト部811の軸方向Zの中心側位置Z3のプランジ研削P3を行う。その後、トラバース動作制御部62Bは、シャフト部811の周方向Cの回転位置及びシャフト部811の軸方向Zの移動位置に同期して、研削外周面83への砥石車31の交差方向Xの移動位置を調整して、真円誤差eを補正するようシャフト部811の軸方向Zの中間位置Z2及び外側位置Z1のトラバース研削Tを行う。
図10においては、プランジ研削P1,P2,P3による研削量Kpと、トラバース研削Tによる研削量Ktとを模式的に示す。シャフト部811の軸方向Zの中心側位置Z3においては、プランジ研削P3によって仕上げ位置まで研削される。
本形態のプロフィルデータは、プランジ研削P3が行われた後の真円誤差eを補正するためのプランジ研削用のプロフィルデータと、トラバース研削Tが行われた後の真円誤差eを補正するためのトラバース研削用のプロフィルデータとして、補正量記憶部63及び補間補正量算出部64に記憶されている。プランジ研削用のプロフィルデータは、円形状部81の周方向Cの各位置(角度毎)の補正量Daを有する。トラバース研削用のプロフィルデータは、円形状部81の、軸方向Zの複数位置についての周方向Cの各位置(角度毎)の補正量Da及び補間補正量Dbを有する。そして、プランジ動作制御部62Aによるプランジ研削P3は、プランジ研削用のプロフィルデータを使用して行われ、トラバース動作制御部62Bによるトラバース研削Tは、トラバース研削用のプロフィルデータを使用して行われる。
図8及び図9には、研削外周面83の周方向Cの0~360°の各位置における、砥石車31の交差方向Xの移動位置の、工作物8の周方向Cの各位置(角度毎)の補正量Da及び補間補正量Dbについて、図10における、研削外周面83の軸方向Zの外側位置Z1、中間位置Z2、中心側位置Z3、外側位置Z1と中間位置Z2との間の位置Z12、及び中間位置Z2と中心側位置Z3の間の位置Z23における値として示す。砥石車31の交差方向Xの移動位置の補正量Da及び補間補正量Dbは、軸方向Zの外側位置Z1、中間位置Z2、中心側位置Z3、位置Z12及び位置Z23のいずれにおいても、真円誤差eを打ち消すよう、周方向Cの45°及び225°の付近においマイナス側に最大となる一方、周方向Cの135°及び315°の付近においてプラス側に最大となる。また、砥石車31の交差方向Xの移動位置の補正量Da及び補間補正量Dbは、軸方向Zの中心に近くなるほど大きくなる。
本形態のトラバース動作制御部62Bは、真円誤差eの補正を行いながら、円形状部81としてのシャフト部811の軸方向Zの一方側から他方側に向けて1回のみトラバース研削Tを行う。これ以外にも、トラバース動作制御部62Bは、円形状部81としてのシャフト部811の軸方向Zの一方側及び他方側に向けてトラバース研削Tを複数回行ってもよい。この場合には、トラバース動作制御部62Bは、最後のトラバース研削Tを行う際に、真円誤差eの補正を行ってもよく、複数回のトラバース研削Tを行う際に、真円誤差eの補正を行ってもよい。
6.研削盤1の研削方法
研削盤1の研削方法について、図10及び図11を参照して説明する。研削盤1によって円形状部81としてのシャフト部811の研削が行われる前には、試し研削として、シャフト部811のプランジ研削P1,P2,P3及びトラバース研削Tが行われ、シャフト部811の周方向C及び軸方向Zに生じる半径rの誤差が工作物Wの回転角度とともに真円誤差eとして測定され、回転角度と真円誤差eに基づいて作成されたプロフィルデータが補正量記憶部63及び補間補正量算出部64において記憶される。
そして、製品としての工作物8のシャフト部811の研削が行われる際には、図10及び図11に示すように、制御装置6のプランジ動作制御部62Aは、第1のプランジ研削P1として、砥石車31によってシャフト部811の軸方向Zの外側位置Z1のプランジ研削を行う(ステップS101)。このとき、シャフト部811の軸方向Zの外側位置Z1は、トラバース研削Tを行うための所定の研削代を残す、所定の外径に研削される。
次いで、図10及び図11に示すように、制御装置6のプランジ動作制御部62Aは、第2のプランジ研削P2として、砥石車31によってシャフト部811の軸方向Zの外側位置Z1よりも中心側にオフセットした中間位置Z2のプランジ研削を行う(ステップS102)。このとき、シャフト部811の軸方向Zの中間位置Z2は、トラバース研削Tを行うための所定の研削代を残す、所定の外径に研削される。
次いで、図10及び図11に示すように、制御装置6のプランジ動作制御部62Aは、第3のプランジ研削P3として、砥石車31によってシャフト部811の軸方向Zの中心側位置Z3のプランジ研削を行う(ステップS103)。図10に示すように、中心側位置Z3は、トラバース研削Tが開始される位置であり、中心側位置Z3におけるプランジ研削P3は、研削外周面83の最終形状を形成する外径になるまで行われる。
第3のプランジ研削P3が行われるときには、プランジ研削用の切り込みとトラバース用の切り込みの両方が与えられる。第3のプランジ研削P3は、プランジ研削用の切り込み時は、基本研削プログラムに基づいて行われ、トラバース用の切り込み時は、プロフィルデータに基づいて、中心側位置Z3にある砥石車31の、周方向Cの各位置における交差方向Xの位置が適宜変更されて、真円誤差eが補正されながら行われる。換言すれば、シャフト部811の軸方向Zの中心側位置Z3においては、プランジ研削P3が行われるときに真円誤差eが補正される。
こうして、プランジ動作制御部62Aは、基本研削プログラム取得部61による基本研削プログラムに基づいてプランジ研削P1,P2を行い、基本研削プログラム及びプロフィルデータに基づいてプランジ研削P3を行う。そして、シャフト部811の軸方向Zの3つの位置について、プランジ研削P1,P2,P3が順次行われる。なお、プランジ研削P1,P2,P3が行われる回数は、シャフト部811の軸方向Zの長さに対する砥石車31の幅の関係に応じた回数となる。
次いで、図10及び図11に示すように、制御装置6のトラバース動作制御部62Bは、砥石車31をシャフト部811の軸方向Zに相対的に移動させながら、シャフト部811にトラバース研削Tを行う(ステップS104)。このとき、制御装置6のトラバース動作制御部62Bは、プロフィルデータに基づいて、第3のプランジ研削P3が行われた中心側位置Z3にある砥石車31をシャフト部811の中心側から外側に向けて軸方向Zに相対的に移動させる。
トラバース研削Tは、プロフィルデータに基づき、シャフト部811に対する砥石車31の軸方向Zの相対位置が変化するに伴って、シャフト部811の周方向Cの各位置への砥石車31の交差方向Xの位置が適宜変更されて、真円誤差eが補正されながら行われる。また、シャフト部811の軸方向Zの外側に行くに連れて、真円誤差eに応じた砥石車31の交差方向Xの位置の補正量Daが徐々に小さくなるように変化する。
こうして、トラバース動作制御部62Bは、基本研削プログラム取得部61による基本研削プログラム及びプロフィルデータに基づいてトラバース研削Tを行う。そして、シャフト部811の軸方向Zの中間位置Z2及び外側位置Z1においては、トラバース研削Tが行われるときに真円誤差eが補正される。このように、シャフト部811の研削外周面83に対してプランジ研削P1,P2,P3及びトラバース研削Tが行われ、真円度が向上したシャフト部811が形成される。
7.作用効果
本形態の研削盤1においては、プランジ研削P3及びトラバース研削Tを行う際に、真円誤差eが生じにくくする工夫をしている。具体的には、制御装置6の補正量記憶部63は、シャフト部811の軸方向Zの複数位置の角度毎の補正量Daを記憶する。また、制御装置6の補間補正量算出部64は、シャフト部811の軸方向Zの複数位置間についての周方向Cの位置(角度)毎の補間補正量Dbを算出して記憶する。補正量Daは、プランジ研削P3が行われたシャフト部811の軸方向Zの中心側位置Z3に生じる真円誤差e、及びトラバース研削が行われたシャフト部811の軸方向Zの外側位置Z1及び中間位置Z2に生じる真円誤差eが、シャフト部811の試し研削後の実測によって求められた後、この真円誤差eを補正するデータとして作成される。補間補正量Dbは、シャフト部811の軸方向Zの複数位置の周方向Cの位置(角度)毎の補正量Daに基づいて算出される。
そして、プランジ動作制御部62Aは、工作物支持装置2には工作物8の角度指令を与え、交差移動装置4には工作物支持装置2の角度毎に補正量Daを指令として与えて、シャフト部811の軸方向Zの中心側位置Z3にプランジ研削P3を行う。また、トラバース動作制御部62Bは、工作物支持装置2には工作物8の角度指令を与え、交差移動装置4には工作物支持装置2の角度毎に軸方向Zの位置に応じた補正量Da及び補間補正量Dbを指令として与え、平行移動装置5には工作物8に対する砥石車31の軸方向Zの位置指令を与えて、シャフト部811の軸方向Zの外側位置Z1及び中間位置Z2にトラバース研削Tを行う。
本形態の研削盤1によれば、円形状部81としてのシャフト部811の軸方向Zの各位置において生じる真円誤差eの違いを考慮して、砥石車31の交差方向Xの移動位置の補正を行ってプランジ研削P3及びトラバース研削Tを行うことができる。それ故、本形態の研削盤1によれば、シャフト部811の研削外周面83の軸方向Zの各位置に生じる真円度を、より効果的に向上させることができる。
8.真円度の確認
図3に示すように、シャフト部811に研削を行った一例として、真円誤差eの補正が行われない場合の真円度は、外側位置Z1において1.3μm、中間位置Z2において1.8μm、中心位置X3において2.1μmとなった。一方、プロフィルデータを使用して、外側位置Z1においては0μm、中間位置Z2において0.5μm、中心位置X3において1.0μmの補正を行った場合の真円度は、外側位置Z1において1.3μm、中間位置Z2において1.3μm、中心位置X3において1.1μmとなった。この結果により、プロフィルデータを用いたプランジ動作制御部62A及びトラバース動作制御部62Bの制御によって真円度が向上する効果が確認された。
<実施形態2>
本形態は、図12のフローチャートに示すように、研削盤1の制御装置6が、プランジ研削P1,P2,P3を行うとき及びトラバース研削Tを行うときのいずれにおいても、補正量記憶部63、補間補正量算出部64、プランジ動作制御部62A及びトラバース動作制御部62Bを用いた制御を行う場合について示す。図12においては、研削盤1の研削方法を、ステップS201~S204によって示す。ステップS201~S204のいずれにおいても、プランジ動作制御部62A及びトラバース動作制御部62Bは、基本研削プログラム取得部61による基本研削プログラムを、補正量記憶部63及び補間補正量算出部64に記憶された、補正量Da及び補間補正量Dbとしてのプロフィルデータを用いて実行する。
本形態のプロフィルデータは、プランジ研削P1,P2,P3が行われた後の、円形状部81としてのシャフト部811の研削外周面83の軸方向Zの複数位置についての真円誤差eを補正するための、補正量記憶部63における補正量Daを示すプランジ研削用のプロフィルデータと、トラバース研削Tが行われた後の、円形状部81としてのシャフト部811の研削外周面83の軸方向Zの複数位置についての真円誤差eを補正するための、補正量記憶部63における補正量Da及び補間補正量算出部64における補間補正量Dbを示すトラバース研削用のプロフィルデータとして記憶されている。
本形態において、シャフト部811に生じる真円誤差eを実測するための試し研削を行うときには、シャフト部811の軸方向Zの複数位置についてプランジ研削P1,P2,P3を行った後に、シャフト部811の研削外周面83の周方向Cの複数位置における半径rを測定する。そして、この測定を行った周方向Cの複数位置における半径rが、半径基準値r0と比べてどれだけ違うかの差が、プランジ研削P1,P2,P3の後の真円誤差eとなり、真円誤差eを補正するための、補正量Daとしてのプランジ研削用のプロフィルデータが記憶される。
また、試し研削を行うときには、シャフト部811にトラバース研削Tを行った後に、シャフト部811の研削外周面83の周方向Cの複数位置(回転角度)における半径rを測定する。そして、この測定を行った周方向Cの複数位置(回転角度)における半径rが、半径基準値r0と比べてどれだけ違うかの差が、トラバース研削Tの後の真円誤差eとなり、真円誤差eを補正するための、回転角度と補正量Da及び補間補正量Dbとの関係してのトラバース研削用のプロフィルデータが記憶される。
本形態のプランジ動作制御部62Aは、プランジ研削用のプロフィルデータに基づき、工作物8の周方向Cの回転位置(回転角度)に同期した砥石車31の交差方向Xの移動位置を制御してプランジ研削P1,P2,P3を行う。トラバース動作制御部62Bは、トラバース研削用のプロフィルデータに基づき、工作物8の周方向Cの回転位置(回転角度)及び工作物8の軸方向Zの移動位置に同期した砥石車31の交差方向Xの移動位置を制御してトラバース研削Tを行う。
補正量記憶部63及び補間補正量算出部64における、プランジ研削P1,P2,P3を行う際の研削外周面83の真円誤差eを補正するためのプランジ研削用のプロフィルデータは、研削外周面83の周方向Cにおいて連続して変化して設定されている。この構成により、プランジ動作制御部62Aによって、プランジ研削P1,P2,P3を行う際の真円誤差eの補正を円滑に行うことができる。プランジ動作制御部62Aによるプランジ研削時の周方向Cにおける真円誤差eの補正は、実施形態1に示すプランジ研削時及びトラバース研削時の周方向Cにおける真円誤差eの補正と同様にして行われる。
本形態において、トラバース動作制御部62B等の構成は実施形態1の構成と同様である。本形態においては、シャフト部811の軸方向Zの外側位置Z1及び中間位置Z2において、プランジ研削時とトラバース研削時とに分散して、研削外周面83の真円誤差eを補正することができる。これにより、真円誤差eの補正をより適切に行うことができる。
本形態の研削盤1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の構成、作用効果等と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
<他の実施形態>
制御装置6は、工作物8における軸方向Zの複数箇所に分離して形成された円形状部81の研削外周面83についてプランジ研削及びトラバース研削を行うよう構成され、回転角度と補正量Da及び補間補正量Dbとの関係を示すプロフィルデータは、複数の円形状部81について記憶されていてもよい。この場合には、トラバース動作制御部62Bによる真円誤差eを補正したトラバース研削Tは、複数の円形状部81について行われる。また、この場合にも、複数の円形状部81において、プランジ動作制御部62Aによる真円誤差eを補正したプランジ研削を行ってもよい。この場合には、複数の円形状部81について、研削後の真円度を向上させることができる。
また、前述した各実施形態の研削盤1は、レスト装置を用いずに、円形状部81の研削外周面83に生じる真円度の誤差を抑制するものである。レスト装置は、主に工作物8の軸方向Zの中心部付近を接触子によって支持して、砥石車31から工作物8に圧力が作用するときに、工作物8が径方向に弾性変形によって撓むことを抑制するものである。補正量記憶部63の、真円誤差eを補正するための補正量Daは、レスト装置を用いずに試し研削を行った値として実測される。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。
1 研削盤
2 工作物支持装置
21 主軸台
22 心押台
3 砥石装置
31 砥石車
4 交差移動装置
41 砥石テーブル
5 平行移動装置
51 工作物テーブル
6 制御装置
61 基本研削プログラム取得部
62A プランジ動作制御部
62B トラバース動作制御部
63 補正量記憶部
64 補間補正量算出部
7 半径測定装置
8 工作物
801 中心軸線
81 円形状部
811 シャフト部
82 非円形状部
83 研削外周面
e 真円誤差
Da 補正量
Db 補間補正量
Z 軸方向
X 交差方向
C 周方向

Claims (7)

  1. 円形状部及び非円形状部を有する工作物を支持して、前記円形状部の中心軸線を中心に前記工作物を回転させる工作物支持装置と、
    砥石車を支持して回転させる砥石装置と、
    前記砥石車を前記中心軸線に交差する交差方向に相対的に移動させる交差移動装置と、
    前記砥石車を前記中心軸線に平行な軸方向に相対的に移動させる平行移動装置と、
    前記工作物支持装置、前記交差移動装置及び前記平行移動装置の各動作を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記円形状部の研削外周面に生じる、前記軸方向の複数位置についての前記中心軸線を中心とする角度毎の、基準値に対する正負の値として実測された真円誤差を、前記正負の値を逆転させて前記軸方向の複数位置の角度毎の補正量に変換して記憶する補正量記憶部と、
    前記軸方向の複数位置間についての前記角度毎の補間補正量を、前記軸方向の複数位置の角度毎の補正量に基づいて算出し、又は算出して記憶する補間補正量算出部と、
    前記工作物支持装置には前記工作物の角度指令を与え、前記交差移動装置には前記工作物の角度毎に前記軸方向の位置に応じた前記補正量及び前記補間補正量を指令として与え、前記平行移動装置には前記工作物に対する前記砥石車の前記軸方向の位置指令を与えて、前記円形状部にトラバース研削を行うトラバース動作制御部と、を有する、研削盤。
  2. 前記角度毎の前記補正量及び前記角度毎の前記補間補正量は、前記工作物の前記円形状部のプロフィルデータであり、前記交差移動装置に所定の切り込み量を指令として与える、請求項1に記載の研削盤。
  3. 前記制御装置は、前記トラバース研削の前に前記円形状部にプランジ研削を行うプランジ動作制御部をさらに有する、請求項2に記載の研削盤。
  4. 前記所定の切り込み量は、前記プランジ研削に使用するプランジ研削用の所定の切り込み量と、前記トラバース研削に使用するトラバース研削用の所定の切り込み量を有する、請求項3に記載の研削盤。
  5. 前記工作物の前記円形状部を、プランジ研削した後、トラバース研削する場合において、前記プランジ研削時は、前記プランジ研削用の所定の切り込み量を与え、前記プロフィルデータを使用し、
    前記トラバース研削時は、前記トラバース研削用の所定の切り込み量を与え、前記プロフィルデータを使用する、請求項4に記載の研削盤。
  6. 前記工作物の前記円形状部を、プランジ研削した後、トラバース研削する場合において、前記プランジ研削時は、前記プランジ研削用の所定の切り込み量のみを与え、
    前記トラバース研削時は、前記トラバース研削用の所定の切り込み量を与え、前記プロフィルデータを使用する、請求項4に記載の研削盤。
  7. 前記プロフィルデータは、前記プランジ研削用の所定の切り込み量に応じたプランジ研削用のプロフィルデータと、前記トラバース研削用の所定の切り込み量に応じたトラバース研削用のプロフィルデータを用意し、前記切り込み量が大きくなればなるほど、前記補正量の大きいプロフィルデータを使用する、請求項5に記載の研削盤。
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