JP2023077409A - 表面処理粉体、及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

表面処理粉体、及びそれを含有する化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP2023077409A
JP2023077409A JP2022185324A JP2022185324A JP2023077409A JP 2023077409 A JP2023077409 A JP 2023077409A JP 2022185324 A JP2022185324 A JP 2022185324A JP 2022185324 A JP2022185324 A JP 2022185324A JP 2023077409 A JP2023077409 A JP 2023077409A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
treated powder
powder
cosmetic
manufactured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022185324A
Other languages
English (en)
Inventor
奈央 石附
Nao Ishizuki
匡人 栃木
Masato Tochigi
祐二 増渕
Yuji Masubuchi
涼 柿本
Ryo Kakimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kose Corp
Original Assignee
Kose Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kose Corp filed Critical Kose Corp
Publication of JP2023077409A publication Critical patent/JP2023077409A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】本発明により、凝集が少なく、柔らかい感触を有し、肌への適度な付着性をもち、凹凸カバー力に優れる表面処理粉体を大量の溶媒を用いることなく作成することができる。また、この表面処理粉体を配合することにより化粧料においても上記の効果、特に凹凸カバー力を高めるとともに、さらに、付着性(粉末固形化粧料においては成形性にも関与)、凝集のなさ(粉末固形化粧料においては化粧料表面のケーキングのなさにも関与)に優れる化粧料を提供するものである。【解決手段】成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーを成分(a2)球状無水ケイ酸に乾式被覆してなる表面処理粉体【選択図】なし

Description

本発明は、架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーで球状無水ケイ酸を被覆した表面処理粉体及びそれを含有する化粧料に関する。
従来、球状粉体は伸び広がり、毛穴などの凹凸のカバー力、べたつきの抑制などの向上を目的として、ファンデーションや白粉、チーク、アイシャドウ、アイブロウなどのメイクアップ化粧料やボディパウダー、制汗剤、日焼け止め等に用いられている。
中でも無水ケイ酸をはじめとする無機球状粉体は、油剤との屈折率差が大きいため光の散乱効果に優れ、伸び広がりが良く、吸油能が高くさらさら感の持続に優れることから多くの化粧料に用いられている。
しかしながら、無水ケイ酸をはじめとする無機球状粉体は有機球状粉体と比較した際に肌へ塗布した際の柔らかさに劣り、また肌への付着性が低いという課題点があった。特に付着性の低さに起因して、経時で毛穴やしわなどの凹部にたまりやすく、逆に凹部のカバー力が高すぎて凹凸が目立ちやすく、こすれなどにより肌から離れやすいという問題があった。
このような課題を解決しうる技術として、例えば特許文献1においては、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子により、のび、柔らかさ、つき、混ざり具合が良好で、肌の形態補正効果に優れる複合粒子及びその製造方法、ならびにこの複合粒子を含有する化粧料が提案されており、例えば特許文献2においては、水を含む分散媒中に分散させた、架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び/又は架橋型ポリグリセリン変性シリコーンで、粉体を被覆処理して得られる表面処理粉体、及び該表面処理粉体を含有する化粧料が挙げられ、適度な滑り性と柔らかい感触を有し、しっとり感・肌への付着性に優れた表面処理粉体、及び塗布時の柔らかな感触と付着性を有し、粉っぽさがなく、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料が提案されている。
また、粉体自体がエラストマーである例えば特許文献3のように、水溶性保湿剤および/または多価アルコールと、シリコーンエラストマー球状粉体を含有し、しっとり、なめらかな使用性を有し、耐衝撃性、保存安定性に優れた固形粉末化粧料が提案されている。
特開2011-1332号公報 特開2013-139400号公報 特開2010-47542号公報
しかしながら、例えば特許文献1、または2においては、シリコーン重合物の水分散液を予め作成して用いて粉体表面に処理することで均一に処理する方法がとられていたが、予め分散液にする手順が必要であり、添加剤として乳化剤が必要となる場合もあり、溶媒に分散した状態で機械力を加えて粉体に被覆し、加熱や減圧などの乾燥工程によって溶媒を除去するという工程を取っており、処理の効率化と、凝集性のなさの点において欠点を有していた。また、例えば特許文献3においても、親水性基剤の活用により、乾燥時に粉体同士の凝集が起こるため柔らかさや均一性などの点で満足できるものではなかった。
従って、本発明の課題は肌への付着性、ソフトフォーカス効果だけでなく、塗布時になめらかで柔らかな感触を示し、凝集のなさを有するシリコーン重合物処理球状粉体の提供、および、多量の溶媒を用いない製造方法の提供を課題とする。加えて、この表面処理粉体の配合により凹凸カバー力、肌へ塗布した際の柔らかな感触、付着性、凝集のなさ、特に粉末固形剤型においては、成形性に優れた化粧料を提供することを課題とする。
かかる実情を鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーで球状無水ケイ酸を表面処理した粉体を、特に乾式処理、さらにメディアミルを用いて処理することにより、粉体同士の凝集を防ぎつつ均一な表面処理粉体を簡便に作成できることを見出した。得られた表面処理粉体は従来品よりも凝集が少なく、柔らかい感触を有し、肌への適度な付着性をもち、粉っぽさがなくしっとりとした質感を有し、凹凸を目立たなくするカバー力に優れた仕上がりとなることを見出した。また、この表面処理粉体を配合することにより化粧料の凹凸カバー力、肌へ塗布した際の柔らかな感触、付着性、凝集のなさを高めるとともに、成形性を高めることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
[1]
成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーを成分(a2)球状無水ケイ酸に乾式被覆してなる表面処理粉体に関するものである。
[2]
前記成分(a1)をメディアミルにて成分(a2)に被覆した[1]記載の表面処理粉体に関するものである。
[3]
前記表面処理粉体の平均粒子径D50(A)と成分(a2)の平均粒子径D50(a2)の割合が、D50(A)/D50(a2)が、3.5以下である[1]または[2]記載の表面処理粉体に関するものである。
[4]
前記成分(a1)が、架橋型のメチルポリシロキサン、架橋型のメチルフェニルポリシロキサン、架橋型のアルキル変性シリコーン、架橋型のポリエーテル変性シリコーン、および架橋型のポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種または2種以上を含有する[1]または[2]の何れかに記載の表面処理粉体に関するものである。
[5]
さらに成分(a3)として不揮発性シリコーン油を含有する[1]または[2]の何れかに記載の表面処理粉体に関するものである。
[6]
さらに成分(a4)として金属酸化物を含有する[1]または[2]の何れかに記載の表面処理粉体に関するものである。
[7]
さらに成分(a5)として揮発性油を含有し蒸発させる[1]または[2]の何れかに記載の表面処理粉体に関するものである。
[8]
本発明は前記[1]または[2]の何れかに記載の表面処理粉体を含有する化粧料に関するものである。
[9]
前記化粧料がメイクアップ化粧料、または日焼け止め化粧料である[8]記載の化粧料である。
[10]
前記化粧料に、さらに成分(B)板状粉体を含有し、表面処理粉体と成分(B)の質量含有比、表面処理粉体:(B)=1:30~30:1である[8]または[9]に記載の化粧料に関するものである。
本発明により、凝集が少なく、柔らかい感触を有し、肌への適度な付着性をもち、凹凸カバー力に優れる表面処理粉体を大量の溶媒を用いることなく作成することができる。また、この表面処理粉体を配合することにより化粧料においても上記の効果、特に凹凸カバー力を高めるとともに、さらに、付着性(特に粉末固形化粧料においては成形性にも関与)、凝集のなさ(特に粉末固形化粧料においては化粧料表面のケーキングのなさにも関与)に優れる化粧料を提供するものである。
実施例1、比較例1の電子顕微鏡画像
実施例1、比較例1の粒度分布
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
本発明における粉体の「平均粒子径」とは、画像解析法を用いて評価したメジアン径D50値である。ただし、本発明における表面処理粉体の「平均粒子径」とは、粒度分布計(LA-960、HORIBA社製)による測定により求めたメジアン径D50値である。表面処理粉体以外の粉体の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM-7800prime)を用いて、表面状態を観察し、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による長径測定により求めた値(D50)を用いる。
<表面処理粉体>
本発明の表面処理粉体に用いられる成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーは、オルガノポリシロキサン鎖を架橋結合させて得られる、一部に三次元架橋構造を有する重合物である。これは、例えば、特公平8-6035号公報、特開平4-272932号公報、特開平5-140320号公報、特開2001-342255号公報、国際公開第2003/024413号パンフレットに記載されている。
成分(a1)の架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーは、例えば、次の(X)に示されるケイ素原子に結合した水素原子を平均で1.5個以上分子中に含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(Y)に示されるビニル基を含有する化合物との付加重合によって得ることができる。
(X)は、SiO単位、HSiO1.5単位、RSiO1.5単位、RHSiO単位、R2SiO単位、R3SiO0.5単位及びR2HSiO0.5単位(ここで、Rは脂肪族不飽和基を除く、置換もしくは非置換の炭素数1~30の一価炭化水素基である。一価炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基等の脂肪族不飽和基、メチル基、エチル基、プロピル基等の水素原子をフェニル基、トリル基等のアリール基で置換されたアラルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フルオロ基を含有するハロゲン化炭化水素基、エチレンオキサイド基を含有する炭化水素基等である。)からなる群から選択された少なくとも1種の構造単位で構成され、且つケイ素原子に結合した水素原子を平均で1.5個以上分子中に含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
(Y)は次の(Y-1)~(Y-3)から選ばれる1種又は2種以上である。
(Y-1)は、SiO単位、(CH=CH)SiO1.5単位、R(CH=CH)SiO単位、R2(CH=CH)SiO0.5単位、RSiO1.5単位、R2SiO単位、R3SiO0.5単位及び(ここで、Rは脂肪族不飽和基を除く置換もしくは非置換の炭素数1~30の一価炭化水素基である。一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基等の脂肪族不飽和基、メチル基、エチル基、プロピル基等の水素原子をフェニル基、トリル基等のアリール基で置換されたアラルキル基、シクロヘキシル基や、フルオロ基を含有するハロゲン化炭化水素基、エチレンオキサイド基を含有する炭化水素基等が挙げられる。)からなる群から選択された少なくとも1種の構造単位で構成され、且つ分子中にケイ素原子に結合したビニル基を平均で1.5個以上含有するオルガノポリシロキサンである。
(Y-2)は、下記一般式(2)で表わされるポリオキシアルキレンである。
2m-1O(CO)(CO)2m-1(2)
(式中、pは2~200の整数、qは0~200の整数、p+qは3~200の整数、mは2~6をそれぞれ示す)
(Y-3)は、下記一般式(3)で表される不飽和炭化水素である。
2n-1(CH2n-1(3)
(但し、nは2~6、rは1以上の整数である。)
架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーの柔らかさや光拡散効果を効果的に発現させるうえでは、形状は球状でも略球状や部分的凝集粒子であっても、効果を大きく損なうことはない。また、母体表面を均一に被覆する上では架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーの固形分の大きさの最小単位は(a2)球状無水ケイ酸粉体の平均粒子径より小さいことが好ましい。
成分(a1)の具体例としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型メチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。また、分子中に長鎖アルキル基を含有する重合物としては、例えば、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ポリグリセリル-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型アルキル変性シリコーンが挙げられる。また、さらに分子中にポリオキシアルキレン基を含有する重合物としては、例えば、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型ポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。また、さらに分子中にポリグリセリン基を含有する重合物としては、例えば、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ポリグリセリル-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型ポリグリセリン変性シリコーンが挙げられる。分子中にハロゲン化炭化水素基を含有する重合物としては、例えば、(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型フッ素変性シリコーンが挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、特に限定されないが、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー等の架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型メチルフェニルポリシロキサン、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー等の架橋型ポリエーテル変性シリコーン、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー等の架橋型ポリグリセリン変性シリコーンが、凝集が少なく、柔らかい感触を有し、肌への適度な付着性をもち、凹凸カバー力に優れる点でより好ましい。
成分(a1)は、シリコーン油などの油剤で膨潤された状態で含有すると、より均一に分散され好ましいため、溶媒との混合物の形態で市販されることが多く、本発明ではそうした市販品を用いることができる。市販品としては、非乳化性架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーとしては、例えば、架橋型メチルポリシロキサンと環状シリコーンとの混合物としてKSG-15(固形分5%)、架橋型メチルポリシロキサンとジメチルポリシロキサンとの混合物としてKSG-16(固形分20~30%)、DOWSIL 9040 Silicone Elastomer Blend、DOWSIL EL-8040ID Silicone Organic Blend(いずれもダウ・東レ株式会社製)などが挙げられる。架橋型メチルフェニルポリシロキサンとフェニルトリメチコンとの混合物としてKSG-18(固形分10~20%)、架橋型アルキル変性シリコーンと油剤との混合物としてKSG-41(固形分25~35%)、KSG-42(固形分20~30%)、KSG-43(固形分25~35%)及びKSG-44(固形分25~35%)、また、架橋型フッ素変性シリコーンは、フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン等の環状フッ素含有シリコーンとの混合物として用いられ、例えばKSG-51(固形分15~25%:信越化学工業社製)等が挙げられる。
また、乳化性架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーとしては、架橋型ポリエーテル変性シリコーンとジメチルポリシロキサンとの混合物としてKSG-210(固形分20~30%)、架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンと油剤との混合物として、KSG-310(固形分25~35%)、KSG-320(固形分20~30%)、KSG-330(固形分15~25%)及びKSG-340(固形分25~35%)(以上、信越化学工業社製)、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンと油剤との混合物としては、KSG-710(固形分20~25%)(信越化学工業社製)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられる成分(a1)は、表面処理粉体中に含有される量は特に限定はないが、固形分として、下限として、0.1%以上が好ましく、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましい。上限としては、3%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1.5%以下がさらに好ましい。また、0.1~3%が好ましく、0.3~2%がより好ましく、0.5~1.5%がさらに好ましい。この範囲であると、特に柔らかさ、付着性、凝集のなさに優れているため好ましい。
本発明で用いる(a2)は球状の形状を有する無水ケイ酸である。本発明の成分(a2)の球状とは、長径と短径の割合が、長径/短径=1.0~1.5の範囲であることが好ましく、表面の細かい凹凸や、大きな凸凹の有無、多孔性か無孔性等の表面形状は特に限定しない。具体的に市販品としては、例えば、多孔性の無水ケイ酸としては、Sillica micro bead P-1505 (日揮触媒化成社製)(平均粒子径7.7μm、比表面積160(m/g))、サンスフェアL-51(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒子径5μm、比表面積300(m/g))、サンスフェアL-51(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒子径3μm、比表面積300(m/g))、ゴッドボールE-90C(鈴木油脂香料株式会社製)(平均粒子径30μm、比表面積450(m/g))が挙げられる。また、無孔性の無水ケイ酸としては、サンスフェアNP-200(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒子径20μm、比表面積100(m/g))、サンスフェアNP-100(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒子径10μm、比表面積50(m/g))、サンスフェアNP-30(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒子径4μm、比表面積40(m/g))シリカマイクロビードN-1505(日揮触媒化成社製)(平均粒子径10μm)が挙げられる。
本発明の表面処理粉体における成分(a2)の性質は特に限定されるものではないが、平均粒子径は2~30μmが好ましく、3~20μmがより好ましく、5~15μmがさらに好ましい。この範囲であると、顔に塗布した際に効果的に凹凸カバー力をより発揮する。また、比表面積は、下限として50m/g以上が好ましく、75m/g以上がより好ましく、100m/g以上がさらに好ましい。上限としては、比表面積500m/g以下が好ましく、400m/g以下がより好ましく、300m/g以下がさらに好ましい。この範囲であると、凝集しにくく、処理時の工程中に粉体の割れが生じにくく、形状を維持するため好ましい。
なお、特に成分(a2)は、表面が無水ケイ酸であればよく、内部に金属酸化物等の無機粉体、または、色素等の有機粉体を含んでいる複合化されたものでもよく、その内部構造は特に限定しない。但し、処理工程中に粒子が破壊されないことが好ましい。
さらに、成分(a2)の平均粒子径は、下限としては、0.5μm以上であり、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。上限としては、40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。この範囲であると、処理時の凝集や破壊が起きにくく、凹凸カバー力や柔らかさを高めることができるため好ましいが、特に限定しない。
本発明の表面処理粉体における成分(a1)の含有量は、特に限定されるものではないが、(a2)の比表面積s(m/g)に対し、
下限:s/1000+0.3(%)
上限:s/500+1.5(%)
の範囲が好ましい。この範囲であれば、凹凸カバー力、柔らかさ、付着性に優れながらも凝集性が少ない表面処理粉体を得ることが可能となる。
本発明の表面処理粉体は、表面処理粉体の平均粒子径D50(A)と成分(a2)の平均粒子径D50(a2)の割合、D50(A)/D50(a2)が4.0以下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましく、3.0以下であることがさらに好ましく、2.0以下であることがよりさらに好ましい。この範囲であると、凝集性のなさが優れているため、均一な付着性を維持しやすい。なお、1.0未満の場合は、処理により成分(a2)が破壊されている可能性があるため、1.0以上であることが好ましい。なお、この範囲になりやすい処理方法に関しては、乾式処理が好ましく、さらに以後、実施例において処理方法を記載するが、特に限定するものではない。
本発明の表面処理粉体は、前記成分(a2)をそのまま未処理で用いても良いし、予め以下の従来公知の処理を施した成分(a2)を用いても構わない。つまり成分(a1)と成分(a2)が直接接触しているか否かは特に限定しない。なお、表面処理粉体として、以下の処理を併用しても構わない。具体的には、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、N-ラウロイル-L-アスパラギン酸処理、有機チタネート処理などが挙げられる。
本発明の表面処理粉体には(a3)不揮発性シリコーン油を含んでいてもよい。成分(a3)としては通常化粧料に用いられるオルガノポリシロキサン骨格を有する不揮発性の油剤、溶剤などが挙げられ、常温で液体、ペースト、固体のいずれであっても構わない非架橋型のシリコーン油である。具体例としては、直鎖、分岐、環状等のジメチコン、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン等のフェニル変性シリコーン、ステアリルジメチコン等のアルキル変性シリコーンなどが挙げられる。室温25℃における動粘度(mm/s)は特に限定しないが、下限としては、6mm/s以上が好ましく50mm/s以上がより好ましく、100mm/s以上がさらに好ましく、上限としては、10000mm/s以下が好ましく、5000mm/s以下がより好ましく、1000mm/s以下がさらに好ましい。この範囲であると、成分(a1)の柔らかさを調整し、成分(a2)表面へ付着性を調整することができ、凹凸のカバー力や柔らかさ、凝集のなさの点において好ましい。なお、これらを1種又は2種以上併用してもよい。また、成分(a3)の処理方法としては、成分(a1)で成分(a2)表面に処理後に成分(a3)を添加してさらに表面処理しても、成分(a1)、(a3)を予め混合後、成分(a2)の表面に処理してもどちらでも特に限定しないが、成分(a1)、(a3)を予め均一に混合後処理したほうが、付着性の観点から好ましい。
本発明の表面処理粉体における成分(a3)の含有量は、特に限定されるものではないが、成分(a3)と成分(a1)の含有質量割合は、含有質量割合(a3)/(a1)が、0.01~1.00が好ましく、0.03~0.70がより好ましく、0.07~0.30がさらに好ましい。この範囲であれば、柔らかさ、付着性に優れながらも凝集性が少ないため好ましい。
本発明の表面処理粉体には、さらに(a4)金属酸化物を含んでいてもよい。成分(a4)は、粒子形状(球状、針状、板状、不定形等)、粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)等により特に限定はされないが、具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、紺青等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、群青が好ましい。表面処理粉体への色相補正効果の付与、紫外線遮蔽能の付与、カバー力の向上などを目的として用いられる。表面処理粉体中での含有される位置は、特に限定しない。これらは、(a2)の表面に含有していてもよく、前記成分(a2)の通り、内部に金属酸化物を内包しているものでも良く、(a1)の内部に分散、およびまたは、表面に付着していてもよい。
本発明の表面処理粉体には、処理する際に(a5)揮発性油を含んでいることが好ましいが、特に必須ではない。揮発性油とは、常温で揮発性を有する油剤をいい、低沸点(常圧での沸点が260℃以下)の、イソパラフィン等の炭化水素油やシリコーン油等の油剤等が好ましく用いられる。低沸点イソパラフィン等の炭化水素油(軽質イソパラフィン)としては、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。市販品としてアイソパーA、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーK、アイソパーL、アイソパーM(以上、いずれもエクソン社製)、シェルゾール71(シェル社製)、ソルトロール100、ソルトロール130、ソルトロール220(いずれもフィリップ社製)ISODODECANE(INEOS OLIGOMERS)等が挙げられる。揮発性のシリコーン油として、環状シリコーン油(シクロメチコン)は、具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン等が挙げられ、市販品としては、例えば、オクタメチルテトラシクロシロキサンとしては、エキセコールD-4(信越化学工業社製)、SH244、SH344(いずれも東レ・ダウコーニング社製〕、デカメチルシクロペンタシロキサンとしては、エキセコールD-5(信越化学工業社製)、SH245、DC345(いずれも東レ・ダウコーニング社製)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンとしては、DC246(東レ・ダウコーニング社製〕等が挙げられる。また、低沸点のジメチルポリシロキサンは、具体的には、KF-96L-2CS、KF-96L-1.5CS、分岐のTMF-1.5(信越化学工業社製)等が挙げられる。また、エタノールやイソプロパノール等のアルコール溶媒を用いてもよい。特に、水を分散媒として併用して用いる場合は、凝集する可能性が高いため、極性を下げる、低沸点炭化水素油や低沸点ジメチルポリシロキサン、アルコールが好ましく用いられる。本発明の成分(a5)は、必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明で用いる(a5)の性質は、特に限定されるものではないが処理時の(a1)の分散性を上げ、表面処理の均一性を上げる上で(a1)を膨潤させるものが好ましい。
本発明の表面処理粉体で用いる(a5)は成分(a1)に流動性を与え、均一な処理を実現するために用いられる。含有量は特に限定しないが、これらの表面処理粉体の処理中での流動性は、粉体の吸油量や比表面積に応じて設定され、吸油量に到達しない領域、つまり、成分(a1)、(a3)、(a5)を含む層が連続層にならない場合に、乾式処理が容易となり、これらの成分(a5)の含有量の削減が、結果的に乾燥処理時間の短縮につながるため好ましい。具体的には、1~30%が好ましく、5~20%がより好ましいが、特に限定されず、成分(a2)の比表面積に応じて適宜調整されるものであってもよい。
本発明の表面処理粉体の処理方法は、乾式で処理するものである。乾式とは、成分(a1)、(a3)、(a5)を含む層が成分(a2)、場合により(a4)と混合時に粘土状の1連続層にならないことを意味する。この領域においては、費用、時間、処理時の機器への負荷の点により好ましい。用いる機器は特に限定しないが、成分(a2)を破壊せず、乾式で混合処理、または粉砕できるものであれば特に限定せず、1種または2種以上組み合わせて処理してもよい。特に、乾式メディアミルを用いることで、シェアをかけることができ、成分(a1)の分散性を向上させることができるため好ましい。乾式メディアミルとは、粉末状のバルクを粉砕媒体とともに攪拌することで粉砕できる機器のことを指し、具体的にはボールミル(株式会社マキノ製)、遊星型ボールミル(フリッチュ社製)、アトライタ(日本コークス工業社製)、ドライスター(アシザワ・ファインテック株式会社製)、コンバージミル(株式会社真壁技研製)などが挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。特に、遊星型ボールミルにて粉砕する方法が、より凝集が少なく、付着性において均一であり、凹凸カバー力に優れる点から好ましい。なお、処理時間と処理力は、機器により適宜調整される。
本発明の表面処理粉体は、化粧料の剤型などによっては、さらに従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化アミノ酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、有機チタネート処理などによって併用表面処理してもよい。
<化粧料>
本発明の表面処理粉体を含有する化粧料は、皮膚または毛髪に塗布されるものであれば特に限定しないが、凹凸のカバー力の効果を発揮する点では、皮膚に塗布する化粧料が好ましい。本発明の表面処理粉体を含有する化粧料の特に最適な性状としては、粉末状、液状、乳化状、エアゾール充填化粧料、圧縮等を経て成型して得られる固形粉末状、溶融充填による固形状を挙げることができる。固形状とする場合には、前記化粧料組成物を金属製や樹脂製の皿状容器に充填成型する方法(溶融充填成型や乾式充填成型)や、予め溶剤に分散してから充填し、乾燥成型する方法(湿式充填成型)等が挙げられる。それらの化粧料に含有される表面処理粉体の含有量は、化粧料の剤型によって異なるが、化粧料の総量を基準として、0.5~99%が好ましく、1~70%がより好ましく、3~50%がさらに好ましく、5~30%がよりさらに好ましい。この範囲であると、より凝集が少なく、付着性において均一であり、凹凸カバー力に優れる点で好ましい。
本発明の表面処理粉体を用いた化粧料には、成分(B)板状粉体を含有することが好ましい。成分(B)の板状粉体とは、特にアスペクト比、屈折率、材質は特に限定しないが、平滑な面を有するものである。具体的な材質としては、例えば、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化セリウム、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、硫酸バリウム、窒化硼素、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク、アルミニウムパウダー、ポリエチレンテレフタレート積層末等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン-メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーパウダー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、N-アシルリジン、金属石鹸等の有機粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
本発明において、特に、アスペクト比30以上の平均粒子径(長径)3~100μmの板状粉体であると好ましい。この範囲であると、より凝集が少なく、付着性と凹凸補正のバランスをとる点において好ましい。具体的には、マイカ、合成マイカ、セリサイト、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム、ガラス末、またはそれらの光輝性粉体や金属酸化物の複合粉体、セルロースパウダー、アシルアミノ酸末、金属石鹸等がより好ましい。
本発明の表面処理粉体を用いた化粧料に成分(B)板状粉体を含有する場合、表面処理粉体と成分(B)の質量含有比、表面処理粉体:(B)=1:30~30:1であることが好ましく、1:10~10:1であることがより好ましい。この範囲であると、化粧料の凹凸カバー力と付着性のバランスをとることが容易となるため好ましい。
本発明の表面処理粉体を用いた化粧料には、表面処理粉体(B)以外に、通常化粧料に用いられる油剤、粉体(顔料、色素、体質粉体)、フッ素化合物、樹脂、界面活性剤、粘剤、ワックス、防腐剤、香料、紫外線吸収剤(有機系、無機系を含み、UV-A、Bのいずれに対応していても構わない)、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、美容成分(美白剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)などの成分を使用することができる。
本発明の化粧料の製造方法は特に限定されず、液状、乳液状、粉末状、固状等の性状に合わせて製造することができる。例えば、上記表面処理粉体および(B)、必要に応じて含有されるその他の粉体、または油性成分、または水性成分を混合分散し、化粧料組成物としたものを各々の剤型に添加して化粧料とすることができる。
また、本発明の化粧料としては、化粧水、乳液、日焼け止め、ファンデーション、コンシーラー、白粉、アイシャドウ、アイブロウ、頬紅等のメイクアップ化粧料、ボディパウダー、リンクルパウダー、制汗剤、ボディローション等のボディー用化粧料、毛髪着色料等の頭髪化粧料等を挙げることができる。特に、メイクアップ化粧料、または日焼け止め化粧料がより好ましい。
なお、本発明は次の発明を追加することができる。
[11]
前記成分(a1)が、架橋型のメチルポリシロキサン、架橋型のメチルフェニルポリシロキサン、架橋型のアルキル変性シリコーン、架橋型のポリエーテル変性シリコーン、および架橋型のポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種または2種以上を含有する[1]~[3]の何れかに記載の表面処理粉体に関するものである。
[12]
さらに成分(a3)として不揮発性シリコーン油を含有する[1]~[3]、[11]に記載の表面処理粉体に関するものである。
[13]
さらに成分(a4)として金属酸化物を含有する[1]~[3]、[11]及び[12]の何れかに記載の表面処理粉体に関するものである。
[14]
さらに成分(a5)として揮発性油を含有し蒸発させる[1]~[3]、[11]~[13]の何れかに記載の表面処理粉体に関するものである。
[15]
本発明は前記[1]~[3]、[11]~ [14]の何れかに記載の表面処理粉体を含有する化粧料に関するものである。
[16]
前記化粧料がメイクアップ化粧料、または日焼け止め化粧料である[15]記載の化粧料である。
[17]
前記化粧料に、さらに成分(B)板状粉体を含有し、表面処理粉体と成分(B)の質量含有比、表面処理粉体:(B)=1:30~30:1である[15]または[16]に記載の化粧料に関するものである。
次に実施例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
以下の表面処理粉体の製造方法に基づき、実施例1~30と比較例1~4を作成した。
処理方法A:表面処理粉体 実施例1~29、比較例2~4
成分(a2)(比較例の場合は記載の粉体)を、密閉可能なアルミナ製粉砕容器(容積500ml)に、アルミナ製粉砕ボール(直径20mm)を200ml分投入し、成分(a1)と成分(a3)と成分(a5)のうち含まれる成分を添加し卓上ディスパーにて均一に混合し、重合物分散液を作成した。その後、卓上型ボールミル(V-1ML型/株式会社入江商会製)を用い、回転数100rpmにて、10時間粉砕し、成分(a5)を蒸発させ回収し、表面処理粉体を得た。
処理方法B:表面処理粉体 実施例30、比較例1
無水ケイ酸(Sillica micro bead P-1505:日揮触媒化成社製)98.9質量部、シクロメチコンで膨潤された(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(KSG-15:信越化学工業社製)20質量部、ジメチコン(KF-96-1000CS:信越化学工業社製)0.1質量部(比較例1の場合は、さらにイソプロパノール50質量部)を自動乳鉢機に投入した。その後、80rpmで10分間攪拌し、実施例30は、粉末物(乾式)を、比較例1は、スラリー物(湿式)を得た。得られたものを80℃で24時間加熱乾燥し、成分(a5)を蒸発させ回収し、パルベライザー粉砕
して、処理物を粉体として得た。
Figure 2023077409000001
*1:Sillica micro bead P-1000 (日揮触媒化成社製)(平均粒子径6.0μm、比表面積165(m/g))
*2:Sillica micro bead P-1505 (日揮触媒化成社製)(平均粒子径7.7μm、比表面積160(m/g))
*3:ゴッドボールE-90C(鈴木油脂香料株式会社製)(平均粒子径25μm、比表面積450(m/g))
*4:Scrub Silica 180G(日揮触媒化成社製)(平均粒子径89μm)
*13:KSG-15(信越化学工業社製)(固形分:5% シクロペンタシロキサン:95%)
*14:DOWSIL9040 SILICONE ELASTOMER BLEND(ダウ・東レ株式会社製)(固形分:12.6% シクロペンタシロキサン:87.4%)
*15:KSG-18(信越化学工業社製)(固形分:15% ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン:85%)
*16:KSG-42Z(信越化学工業社製)(固形分:20% イソドデカン:80%)
*17:SFE839(モメンティブ社製)(固形分:6% シクロペンタシロキサン:94%)
*18:KF-96-1000CS(信越化学工業社製)
*25:KF-995(信越化学工業社製)
*26:KF-96L-2CS(信越化学工業社製)
*27:ISODODECANE(IMCD社製)
Figure 2023077409000002
*19:DOWSIL 2503 Cosmetic Wax(ダウ・東レ株式会社製)
*20:KF-96A-100S(信越化学工業社製)
*21:KF-96A-50CS(信越化学工業社製)
*22:KF-96A-6CS(信越化学工業社製)
*23:KF-96-10000CS(信越化学工業社製)
*24:SR1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
Figure 2023077409000003
*5:サンスフェアNP-100(AGCエスアイテック社製)(平均粒子径10.0μm、比表面積50(m/g))
*6:PCボールWR-50H(鈴木油脂工業社製)(50%酸化チタン内包無水ケイ酸)(平均粒子径3.0μm、比表面積200(m/g))
*7:STM ACS-0050510(日揮触媒化成社製)(無水ケイ酸・酸化チタン・無水ケイ酸の3層構造)(平均粒子径0.6μm)
*8:タロックスR-516P(チタン工業社製)
*9:TAROX IRONOXIDE YP1200P(チタン工業社製)
*10:SMT-500SAM(株式会社テイカ製)
*11:ケミスノーMR-5C(綜研化学社製)
*12:COVABREAD CRYSTAL(SENSIENT社製)
(評価方法:イ.凹凸カバー力)
頬部の人工皮膚模型(No.10D 50代女性モデル:株式会社ビューラックス製)に表面処理粉体10mgをのせ、指で塗布した。化粧品専門評価者5名で「凹凸カバー力」を以下の評価基準に従って5段階評価し試料毎に評点を付し、更に全化粧品専門評価者の評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:「凹凸カバー力」
[評価結果] :[評点]
非常に良好 :5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点

判定基準:「凹凸カバー力」
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 :AA
4.0以上~4.5未満:A
3.5以上~4.0未満:B
2.0以上~3.5未満:C
1.0以上~2.0未満:D
(評価方法:ロ.柔らかさ)
以下の手順に従い表1~3に記載の実施例及び比較例の表面処理粉体の「柔らかさ」を評価した。化粧品専門評価者5名に表1~3に記載の実施例及び比較例の表面処理粉体を肌上に指で0.5g塗布してもらい、塗布時の「柔らかさ」を評価した。各自が以下の評価基準に従って5段階評価し試料毎に評点を付し、更に全化粧品専門評価者評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:「柔らかさ」
[評価結果] :[評点]
非常に良好 :5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
判定基準:「柔らかさ」
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 :AA
4.0以上~4.5未満:A
3.5以上~4.0未満:B
2.0以上~3.5未満:C
1.0以上~2.0未満:D
(評価方法:ハ.付着性)
以下の手順に従い表1~3に記載の実施例及び比較例の処理粉体の「付着性」を評価した。化粧品専門評価者5名に表1~3に記載の実施例及び比較例の表面処理粉体を肌上に指で0.5g塗布してもらい、塗布時の「付着性」を評価した。各自が以下の評価基準に従って5段階評価し試料毎に評点を付し、更に全化粧品専門評価者の評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:「付着性」
[評価結果] :[評点]
非常に良好 :5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
判定基準:「付着性」
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 :AA
4.0以上~4.5未満:A
3.5以上~4.0未満:B
2.0以上~3.5未満:C
1.0以上~2.0未満:D
(評価方法:ニ.凝集性のなさ)
以下の手順に従い表1~3に記載の実施例及び比較例の処理粉体の「凝集性のなさ」を評価した。試料10gにイソプロパノール10gを加え、パドルミキサーで5分間混合して均一な分散物を得た。この分散物をレーザー回折・散乱法粒度分布測定装置(LA-960:HORIBA社製)にて測定し、メジアン径D50(A)を得た。表面処理粉体の母体についても同様の手法で測定し、メジアン径D50(a2)を得た。得られた粒子径の割合D50(A)/ D50(a2)および粒度分布の形状から下記判定基準により「凝集性のなさ」を評価した。図2の実施例1比較例1のように、粒度分布形状は粒子径を横軸、頻度を縦軸としてプロットした際に極大値の数が1つのものを単峰性、2つ以上のものを多峰性として評価した。
評価基準基準:「凝集性のなさ」
[平均粒子径および粒度分布の形状] :[判定]
D50(A)/ D50(a2) ≦2 かつ粒度分布が単峰性 :AA
2<D50(A)/ D50(a2) ≦2.5かつ粒度分布が単峰性 :A
2.5<D50(A)/ D50(a2) ≦3.5 :B
3.5<D50(A)/ D50(a2)≦4.5 :C
4.5<D50(A)/ D50(a2)または粒度分布が多峰性 :D
実施例1~29の表面処理粉体は、柔らかさ、付着性に優れ、凹凸カバー力を有し、凝集性のなさに優れた表面処理粉体であった。これは粉体表面に均一な架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーの層が形成されることによると予想される。中でも(a3)を配合することで特に付着性に優れる表面処理粉体が得られ、(a1)(a3)を適度な比率で配合することで柔らかさにより優れる表面処理粉体が得られた。また、凹凸カバー力については粉体表面に架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーの層が形成されることにより界面での光の散乱が増え優れた効果が得られたと予想される。実施例30の製造方法の異なる表面処理粉体は、実施例1よりも少し粒子径が大きくなる傾向にあるが、許容範囲内であった。メディアミルを使用したほうが、凹凸カバー力、柔らかさ、付着性、凝集性のなさの面でこのましいことを確認した。一方、表面処理粉体比較例1では凝集のなさ、柔らかさに劣る結果となった。これは、溶媒乾燥時に凝集が起こることに起因すると考察される。表面処理粉体比較例2では、成分(a1)がないため、凹凸カバー力と柔らかさと付着性において劣る結果となった。また、成分(a2)がポリメタクリル酸メチルパウダーに置き換わった表面処理粉体比較例3は、処理することで粒子が変形し、球状にならなかったため、柔らかさと付着性が異なるものであった。成分(a2)が、ホウケイ酸(Ca/Na)に置き換わった表面処理粉体比較例4は、粒子が破壊されて初期の平均粒子径を維持していなかった。
(化粧料の実施例、比較例)
上記の方法で調製した表面処理粉体を、以下の処方において使用した。
<化粧料実施例1~10及び化粧料比較例1~3:固形粉末化粧料 パウダーファンデーション>
表4の組成及び製造方法により化粧料実施例1~10及び化粧料比較例1~3のパウダーファンデーションを調製した。得られた各パウダーファンデーションについて、以下に示す方法により、凹凸カバー力、柔らかさ、付着性、成形性、凝集のなさ(ケーキングのなさ)について評価した。この結果も併せて表4に示す。
Figure 2023077409000004
(製造方法)
A:成分1~20を混合分散した。
B:Aに成分21~24を加え、混合した。
C:Bをパルベライザーで粉砕した。
D:Cを樹脂皿に充填し、加圧成型して固形状パウダーファンデーションを得た。
(評価方法:イ-2.凹凸カバー力、ロ-2.柔らかさ、ハ-2.付着性)
化粧品専門評価者20名に表4に記載の化粧品実施例及び比較例を肌上に0.5g取って塗布してもらい、塗布時の「凹凸カバー力」「柔らかさ」「付着性」を以下の評価基準に従って5段階評価し試料毎に評点を付し、更に全化粧品専門評価者の評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。小道具を使用して塗布してもよいものとする。
評価基準:イ-2.凹凸カバー力、ロ-2.柔らかさ、ハ-2.付着性
[評価結果] :[評点]
非常に良好 :5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点

判定基準:イ-2.凹凸カバー力、ロ-2.柔らかさ、ハ-2.付着性
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 :AA
4.0以上~4.5未満:A
3.5以上~4.0未満:B
2.0以上~3.5未満:C
1.0以上~2.0未満:D
(評価方法:ハ-3、成形性(固形粉末化粧料の場合))
前記化粧料実施例1~10、化粧料比較例1~3のサンプル5個を、試料面を上にして木製硬板上へ50cmの高さから落下させた。落下後のサンプルについて、割れ、ひび、亀裂、剥がれ等の有無を目視にて観察し、その発生レベルを評価した。
判定基準:成形性
[評点の平均点] :[判定]
5個とも全く変化がない : AA
5個のうち1個のごく一部にわずかな変化がある: A
5個のうち1個にわずかな変化がある : B
5個のうち2個に変化がある : C
5個のうち3個以上に変化がある : D
(評価方法:ニ-2、凝集のなさ(ケーキングのなさ:固形粉末化粧料の場合))
前記化粧料実施例1~10、化粧料比較例1~3のサンプルに対して、パフを用いて同じところを最大200回サンプルを取った際のケーキングの有無を確認し、下記判断基準に従い評価した。ケーキングの程度は指でこすった際にほぐれるものを軽微なケーキング、指でこすった際にほぐれないものを顕著なケーキングとした。
判定基準:凝集のなさ(ケーキングのなさ)
[試験後のバルクの状態] :[判定]
200回時点でも凝集(ケーキング)が見られない :AA
150回時点で凝集(ケーキング)が見られず、200回で軽微なケーキングが見られる
:A
150回時点で軽微な凝集(ケーキング)が見られる :B
100回~150回で顕著な凝集(ケーキング)が見られる :C
100回未満で顕著なケーキングが見られる :D
化粧料実施例1~10のパウダーファンデーションは、ケーキングのなさに優れつつも高い成形性を有した。これは、表面に適度な付着性を有する前記実施例の表面処理粉体がファンデーション全体に均一に存在することに起因すると予想される。一方で、化粧料比較例1ではケーキングが発生しやすく成形性にも劣り、化粧料比較例2、3では成形性に劣る結果となった。
<化粧料実施例11:粉状白粉>
(成分) (%)
1.表面処理粉体実施例8の表面処理無水ケイ酸 50.0
2.タルク 残量
3.球状セルロース*28 5.0
4.球状中空シリカ*29 5.0
5.ミリスチン酸亜鉛 2.0
6.酸化鉄被覆酸化チタン(平均粒子径:0.4μm) 15.0
7.六角板状酸化亜鉛(平均粒子径:300nm)*30 2.0
8.窒化ホウ素*62 1.0
9.オキシ塩化ビスマス*67 0.5
10.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
11.クロルフェネシン 0.02
12.香料 0.03
*28:CELLULOBEADS D-10(大東化成工業株式会社製)
*29:シリカマイクロビードBA-1(日揮触媒化成株式会社製)
*30:XZ-300F(堺化学工業株式会社製)
<製造方法>
(1)成分1~9を均一に混合する。
(2)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、成分10~12を添加し、均一に混合する。
(3)(2)をパルベライザーで粉砕し、白粉を得た。
(評価方法:ニ-3.凝集のなさ(固形粉末化粧料以外の場合))
化粧品専門パネル20名による目視評価および実際の使用部位に塗布した際の感触評価にて、下記判断基準に従い評価した。
判定基準:凝集のなさ
[試験後のバルクの状態] :[判定]
表面処理粉体の凝集が見られない :AA
凝集による大きな塊が無いが、顕微鏡では確認できる :A
軽微な凝集が目視でも見られるが、目立たない :B
顕著な凝集が見られるが、使用上は使える :C
顕著な凝集が見られ、使用上も凝集感がある :D
<結果>
化粧料実施例11の粉状白粉は、凹凸カバー力に優れ、柔らかさ、付着性に優れ、凝集のない粉末状白粉であった。
<化粧料実施例12:スティック状口紅>
(成分) (%)
1.合成ワックス*31 8.0
2.(エチレン/プロピレン)コポリマー*32 2.0
3.ジメチコン 10.0
4.トリエチルヘキサノイン 残量
5.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物*33 20.0
6.BHT 0.02
7.DPG 0.3
8.色材(赤色202号、黄4号、酸化鉄を3:3:1で混合したもの)
1.5
9.ジメチルシリル化シリカ*34 1.0
10.合成金雲母*62 1.0
11.表面処理粉体実施例3の表面処理無水ケイ酸 15.0
12.香料 0.03
*31:CIREWAX 80(CIREBELLE社製)
*32:EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ株式会社製)
*33:KSG-016F(架橋物25%、信越化学工業株式会社製)
*34:AEROSIL R976S(日本アエロジル株式会社製)
<製造方法>
(1)成分1~5を100℃で均一に混合する。
(2)(1)に成分6~12を添加し、均一に混合する。
(3)(2)を100℃で加熱混合した後、口紅スティック容器に充填し、室温に冷却して口紅を得た。
<結果>
化粧料実施例12のスティック状口紅は、凹凸カバー力に優れ、柔らかさ、付着性に優れ、凝集のないスティック状口紅であった。
<化粧料実施例13:水中油型ファンデーション>
(成分) (%)
1.ポリソルベート80 0.5
2.ステアリン酸グリセリル 0.5
3.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
4.パルミチン酸ソルビタン 0.5
5.ステアリン酸 1.5
6.レシチン 0.1
7.トリセテアレス-4リン酸 0.3
8.ベヘニルアルコール 0.5
9.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5.0
10.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
1.0
11.トリエチルヘキサノイン 1.0
12.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 3.0
13.ミネラルオイル*35 0.5
14.ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル 0.5
15.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)
2.0
16.パラフィン*36 1.0
17.ジメチコン*37 3.0
18.酸化チタン(平均粒子径250nm) *38 10.0
19.酸化鉄 *39 1.0
20.精製水 残量
21.BG 15.0
22.エタノール 5.0
23.TEA 1.0
24.フェノキシエタノール 0.2
25.リン酸2Na 0.1
26.リン酸Na 0.1
27.EDTA-2Na 0.1
28.(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-C30))コポリマー
0.01
29.カルボマー 0.2
30.結晶セルロース*40 0.005
31.ジェランガム*41 0.005
32.アクリレーツコポリマー *42 0.1
33.タルク 0.5
34.合成金雲母*65 1.0
35.表面処理粉体実施例12の表面処理無水ケイ酸 3.0
36.ベントナイト 0.001
*35:CARNATION(SONNEBORN.LLC社製)
*36:PARACERA 256(PARAMELT社製)
*37:シリコン KF-96A(20CS)(信越化学工業社製)
*38:レシチン2%処理したCR-50(石原産業)
*39:イソプロピルトリイソステアロイルチタネート2%処理赤色酸化鉄:イソプロピルトリイソステアロイルチタネート2%処理黄色酸化鉄:イソプロピルトリイソステアロイルチタネート2%処理黒色酸化鉄=0.15:0.8:0.05で混合したもの
*40:レオクリスタC2-SP(クローダジャパン株式会社製)
*41:ケルコゲルLT100(大日本住友製薬社製)
*42:ウルトラゾールV-280C(アイカ工業社製)
<製造方法>
(1)成分1~19を75℃で均一に混合する。
(2)成分20~36を75℃で均一に混合する。
(3)75℃にて(2)に(1)を添加し乳化した後に30度まで冷却し、水中油型ファンデーションを得た
<結果>
化粧料実施例13の水中油型ファンデーションは、凹凸カバー力に優れ、柔らかさ、付着性に優れ、凝集のないファンデーションであった。
<化粧料実施例14:油中水型ファンデーション>
(成分) (%)
1.シクロメチコン 15.0
2.フェニルトリメチコン*43 10.0
3.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 6.0
4.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1.0
5.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン*44 4.0
6.ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル 1.0
7.乳酸セチル 2.0
8.スクワラン 3.0
9.ステアルコニウムヘクトライト 0.3
10.ジステアリルジモニウムヘクトライト 0.3
11.表面処理粉体実施例6の表面処理無水ケイ酸 5.0
12.セルロース *45 1.0
13.タルク 1.0
14.マイカ 1.0
15.酸化チタン(平均粒子径:250nm)*46 10.0
16.酸化鉄 *47 2.0
17.精製水 残量
18.BG 15.0
19.エタノール 5.0
20.フェノキシエタノール 0.2
21.塩化ナトリウム 0.2
*43:SH556FLUID (東レ・ダウコーニング社製)
*44:KF-6028P(信越化学工業社製)
*45:CELLULOBEADS D-5(平均粒子径5μm球状セルロース、大東化成工業社製)
*46:ラウロイルグルタミン酸Na2%処理
*47:レシチン2%処理赤色酸化鉄:レシチン2%処理黄色酸化鉄:レシチン2%処理黒色酸化鉄=0.15:0.8:0.05で混合したもの
<製造方法>
(1)成分1~16を60℃で均一に混合する。
(2)成分17~21均一に混合する。
(3)(2)に(1)を添加し乳化し、油中水型ファンデーションを得た
<結果>
化粧料実施例14の油中水型ファンデーションは、凹凸カバー力に優れ、柔らかさ、付着性に優れ、凝集のないファンデーションであった。
<化粧料実施例15:粉末固形状頬紅>
(成分) (%)
1.六角板状酸化亜鉛*48 2.0
2.マイカ 10.0
3.ジメチコン被覆タルク*50 10.0
4.シリカ処理マイカ*51 10.0
5.ベンガラ:黄酸化鉄=1:4 4.0
6.酸化チタン被覆マイカ*52 1.0
7.合成フルオロフロゴパイト*65 残量
8.ミリスチン酸亜鉛(平均粒子径2μm) 2.0
9.表面処理粉体実施例7の表面処理無水ケイ酸 10.0
10.窒化ホウ素*62 5.0
11.2-デシルテトラデカノール 5.0
12.パルミチン酸デキストリン*53 0.3
13.ジカプリン酸プロピレングリコール 4.0
14.ワセリン*54 4.0
15.リンゴ酸ジイソステアリル 2.0
16.(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー
・流動パラフィン混合物*55 10.0
*48:XZ-300F(堺化学工業株式会社製)
*50:SA―タルクJA―46R(三好化成株式会社製)
*51:SXI-5(三好化成株式会社製)
*52:FLAMENCO SPARKLE GOLD 220J(BASF社製)
*53: レオパールTL2(千葉製粉株式会社)
*54:SNOW WHITE SPECIAL(SONNNEBORN RN.LLC製)
*55:KSG-310(固形分30%、 信越化学工業株式会社製)
<製造方法>
(1)成分1~10を均一に混合する。
(2)成分11~16を均一に混合する。
(3)(1)に(2)およびイソドデカンを添加し均一に混合してスラリー状にしたのち、金皿に成形し70℃で1晩乾燥して粉末固形状頬紅を得た
<結果>
化粧料実施例15の粉末固形状頬紅は、凹凸カバー力、柔らかさ、付着性に優れ、成形性、ケーキングのなさに優れた頬紅であった。
<化粧料実施例16:粉末固形状アイシャドウ>
(成分) (%)
1.タルク 残量
2.パラベン 0.2
3.色材(ベンガラ、黄酸化鉄、カルミンを1:1:2で混合したもの)
2.0
4.ベンガラ被覆マイカ*56 3.0
5.酸化チタン被覆合成フルオロフロゴパイト*57 15.0
6.酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Al)*58 10.0
7.表面処理粉体実施例14の表面処理無水ケイ酸 10.0
8.リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
9.エチルヘキサン酸セチル 3.0
10.トリエチルヘキサノイン 5.0
11.ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル*59 1.0
*56:BLONDIEE SUPER BRONZE N-2220S(CQV製)
*57:HELIOS R100S(トピー工業製)
*58:マイクログラス メタシャイン MT1080RS(日本板硝子製)
*59:コスモール 168ARNV(日清オイリオ製)
<製造方法>
(1)成分1~7を均一に混合する。
(2)成分8、10、11を均一に混合する。
(3)(1)に(2)および成分9を添加し均一に混合してスラリー状にしたのち、金皿に成形し70℃で1晩乾燥して粉末固形状アイシャドウを得た
<結果>
化粧料実施例16の粉末固形状アイシャドウは、凹凸カバー力、柔らかさ、付着性に優れ、成形性、ケーキングのなさに優れたアイシャドウであった。
<化粧料実施例17:油性凹凸補正化粧料>
(成分) (%)
1.ジメチコンクロスポリマー・シクロメチコン混合物*14 残量
2.(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー・ジメチコン混合物*60
20.0
3.表面処理粉体実施例3の表面処理無水ケイ酸 20.0
4.ジメチコン 5.0
5.スクワラン 5.0
6.トリメチルシロキシケイ酸 3.0
*60:KSG-710(信越化学工業株式会社)
<製造方法>
(1) 成分1~6を均一に混合する。
(2) ガラスジャーに加圧塊充填して表面を圧縮平滑化し、凹凸補正化粧料を得た。
<結果>
化粧料実施例17の凹凸補正化粧料は、柔らかさ、付着性に優れ、凹凸カバー力に優れた凹凸補正化粧料であった。
<化粧料実施例18:粉末固形状ファンデーション>
(成分) (%)
1.金属石鹸処理酸化チタン(平均粒子径250nm) 5.0
2.ジメチコン処理微粒子酸化チタン*10 3.0
3.六角板状酸化亜鉛*48 1.0
4.セラミド処理タルク *61 残量
5.表面処理粉体実施例9の表面処理無水ケイ酸 7.0
6.窒化ホウ素 *62 2.0
7.合成金雲母 *65 2.0
8.酸化鉄 2.0
9.ラウロイルリシン*63 2.0
10.ミリスチン酸マグネシウム 2.0
11.硫酸バリウム*66 2.0
12.マイカ 20.0
13.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4.0
14.トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 2.0
15.ジメチコン6CS 2.0
16.(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー 1.0
17.ステアリン酸 0.5
18.カルボキシデシルトリシロキサン 0.5
19.パルミチン酸デキストリン *53 0.3
20.エチルヘキシルグリセリン *64 0.2
21.BHT 0.1
22.グリセリン 1.0
23.アセチルヒアルロン酸Na 0.1
24.トコフェロール 0.1
25.フェノキシエタノール 0.1
26.クロルフェネシン 0.1
分散媒: 水:エタノール=8:2で混合したもの
*61:セラミド2-(N-アシルスフィンゴシン)1%を処理したもの
*62:SHP-3(水嶋合金鉄性)
*63:アミホープLL(味の素社製)
*64:アデカノールGE-RF(ADEKA社製)
*65:NK-20G(日本光研工業株式会社製)
*66:板状硫酸バリウム・H(堺化学工業株式会社製)
*67:PEARL GLO UVR(BASF製)
<製造方法>
(1)成分1~12を均一に混合する。
(2)成分13~16を均一に混合する。
(3)成分17~26を70℃で均一に混合する。
(4)70℃にて(3)に(2)を添加し乳化する。
(5)(1)に(4)および分散媒を添加し均一に混合してスラリー状にしたのち、金皿に成形し70℃で1晩乾燥して粉末固形状ファンデーションを得た。
<結果>
化粧料実施例18の粉末固形状ファンデーションは、凹凸カバー力、柔らかさ、付着性に優れ、成形性、ケーキングのなさに優れたファンデーションであった。

Claims (10)

  1. 成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーを成分(a2)球状無水ケイ酸に乾式被覆してなる表面処理粉体。
  2. 前記成分(a1)をメディアミルにて成分(a2)に被覆した請求項1記載の表面処理粉体。
  3. 前記表面処理粉体の平均粒子径D50(A)と成分(a2)の平均粒子径D50(a2)の割合が、D50(A)/D50(a2)が3.5以下である請求項1または2に記載の表面処理粉体。
  4. 前記成分(a1)が、架橋型のメチルポリシロキサン、架橋型のメチルフェニルポリシロキサン、架橋型のアルキル変性シリコーン、架橋型のポリエーテル変性シリコーン、および架橋型のポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1または2に記載の表面処理粉体。
  5. さらに成分(a3)として不揮発性シリコーン油を含有する請求項1または2に記載の表面処理粉体。
  6. さらに成分(a4)として金属酸化物を含有する請求項1または2に記載の表面処理粉体。
  7. さらに成分(a5)として揮発性油を含有し蒸発させる請求項1または2に記載の表面処理粉体。
  8. 前記請求項1または2に記載の表面処理粉体を含有する化粧料。
  9. 前記化粧料がメイクアップ化粧料、または日焼け止め化粧料である請求項8に記載の化粧料。
  10. 前記化粧料に、さらに成分(B)板状粉体を含有し、表面処理粉体と成分(B)の質量含有比、表面処理粉体:(B)=1:30~30:1である請求項8または9に記載の化粧料。


JP2022185324A 2021-11-24 2022-11-18 表面処理粉体、及びそれを含有する化粧料 Pending JP2023077409A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021189779 2021-11-24
JP2021189779 2021-11-24

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023077409A true JP2023077409A (ja) 2023-06-05

Family

ID=86610337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022185324A Pending JP2023077409A (ja) 2021-11-24 2022-11-18 表面処理粉体、及びそれを含有する化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023077409A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011001332A (ja) 複合粒子及びその製造方法、ならびに化粧料
JP2000044425A (ja) 外用組成物
WO2014167543A1 (en) Gel-type cosmetic composition
JP7371854B2 (ja) 水中油型乳化化粧料
US20180116947A1 (en) Water in oil emulsion providing skin mattity and true color
JP2011184334A (ja) 化粧料用組成物及び化粧料
JP5491540B2 (ja) 化粧料の製造方法
JP2018168145A (ja) 固形粉末化粧料
KR20210088592A (ko) 화장료
TW201941767A (zh) 油中水型乳化化妝料
JP6262995B2 (ja) 凹凸補正化粧料
WO2015072540A1 (ja) テアニンを用いた表面処理粉体及びそれを含有する化粧料
EP4316600A1 (en) Composite powder and cosmetic containing same
JP2013082649A (ja) スイゼンジノリ由来糖誘導体被覆処理粉体およびその製造方法並びに化粧料
JP7306952B2 (ja) 粉末化粧料およびその製造方法
JP2004262794A (ja) 粉体化粧料
JP3785001B2 (ja) 固形状化粧料
JP7186125B2 (ja) 化粧料
JP7227917B2 (ja) 固形粉末化粧料
JP2006056852A (ja) 油中水型乳化化粧料
JP2023077409A (ja) 表面処理粉体、及びそれを含有する化粧料
JP2022152038A (ja) 固形化粧料
US20230049630A1 (en) Powdery solid cosmetic preparation
JP6725570B2 (ja) 粉末状化粧料
JP2020164458A (ja) 水中油型乳化化粧料