JP2006056852A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)揮発性油分と、(B)不揮発性油分と、(C)シリコーン弾性粉体とを含み、(A):(B)の配合量比が15:1〜1:4であり、(C)が実質的に一次粒子の状態で分散していることを特徴とする油中水型乳化化粧料。シリコーン弾性粉体は、シリコーン樹脂粉体、シリコーンゴム粉体、及びシリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉体からなる群より選択される1種又は2種以上であることが好適である。不揮発性油分は、ジメチルポリシロキサンであることが好適である。前記化粧料において、屈折率が1.45以下の体質顔料を実質的に含まないことが好適である。
【選択図】なし
Description
一方シリコーン弾性粉体は、撥水性、潤滑性に優れることから、化粧品分野において以前から好適に使用されている。そしてシリコーン弾性粉体を配合した固形化粧料としては、特開平09−20631号公報、特開2000−38316号公報等に開示されている。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、使用感が良く、シミ・ソバカス等の肌の色ムラや、毛穴・シワ等の肌の凹凸等をカバーしながらも自然な仕上がりが得られ、しかも経時で色くすみが起こらない油中水型乳化化粧料を提供することにある。
すなわち本発明の油中水型乳化化粧料は、(A)揮発性油分と、(B)不揮発性油分と、(C)シリコーン弾性粉体とを含み、
(A):(B)の配合量比が15:1〜1:4であり、
(C)が実質的に一次粒子の状態で分散していることを特徴とする。
不揮発性油分は、ジメチルポリシロキサンであることが好適である。
前記化粧料において、屈折率が1.45以上の体質顔料を実質的に含まないことが好適である。
前記化粧料において、固形であることが好適である。
本発明に使用される揮発性油分としては、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ポリシロキサン等の揮発性シリコーン油、シェルソル(シェル化学)、アイソパー(エッソ化学)等の軽質流動イソパラフィン等が挙げられる。本発明における揮発性油分は、1種または2種以上が任意に選択されるが、揮発性シリコーン油を用いることが好適であり、特に環状ポリシロキサンを用いることが最適である。
揮発性油分の配合量は、8〜53質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、15〜48質量%である。53質量%を超えると、粉っぽい仕上がりとなる傾向があり、8質量%未満であると、つやが有り過ぎる仕上がりとなることがある。
本発明において不揮発性油分とは、室温(25℃)で揮発性を示さない油分であり、具体的には、流動パラフィン、イソパラフィン、スクワラン、ポリブテン等の炭化水素油;ラノリン等のロウ類;ヒマシ油、オリーブ油、パーム油、ヤシ油、マカデミアナッツ油、ホホバ油等の油脂;イソステアリルアルコール等の高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸;グリセリルジイソステアレート、トリメチロールプロパントリ2エチルイソステアレート、イソプロピルミリステート、セチル2エチルヘキサノエート、グリセリルトリイソステアレート、2ヘプチルウンデシルパルミテート、トリイソステアリン酸グリセリン、ジイソステアリルマレート等のエステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂;ベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤;セレシンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等のワックス類等が挙げられる。本発明における不揮発性油分は、1種または2種以上が任意に選択されるが、中でもジメチルポリシロキサンが好適に用いられる。
不揮発性油分の配合量は3.5〜35質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、7〜28質量%である。35質量%を超えると、化粧持ちに劣る(てかりが生じる)傾向があり、3.5質量%未満であると、シリコーン弾性粉体の分散が悪くとなることがある。
本発明で用いる使用するシリコーン弾性粉体としては、シリコーン樹脂粉体、シリコーンゴム粉体、シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
シリコーン樹脂粉体は、多官能性シロキサン成分を共重合させたシリコーン樹脂を粉末化したものであり、シロキサン結合が三次元網目状に架橋した構造を持つ。市販品としては、例えば東芝シリコーン社製のトスパールシリーズ(トスパール145ATM等)を挙げることができる。
シリコーンゴム粉体は、直鎖状のジメチルシリコーンを架橋した構造を持つシリコーンゴムを粉末化したものであり、市販品としては、例えば東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製のトレフィルシリーズ(トレフィルE505CTM、トレフィルE506CTM、トレフィルE−506STM、トレフィルE505WTM等)等を挙げることができる。
シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉体は、シリコーンゴム粉体の表面をシリコーンレジンで被覆したものであり、市販品としては、例えば信越化学工業社製のKSP−100TM等を挙げることができる。
これらのシリコーン弾性粉体の形状は特に制限されるものではなく、一般的には球状、板状又は不定形状であり、また多孔性であっても多孔性でなくてもよい。シリコーン弾性粉体が球状である場合には、特に光拡散効果、使用感に優れたものとなるためより好適である。特に球状シリコーンゴム又は球状シリコーン樹脂被覆シリコーンゴムは、なめらか感が強く、好ましい使用感となる。
また、シリコーン樹脂粉体の平均粒子径は0.1〜100μm、好ましくは0.1〜30μmであること好ましい。0.1μm未満ではのびの軽さ、なめらかさが低下し、100μmを越えると、塗布時のざらつき感の発生やフィット感の低減といった使用感触の低下が懸念される。
シリコーン弾性粉体を非揮発性油分中に一次粒子に近い状態で分散させるためには、例えばアニュラーギャップ型のビーズミルを用いることができるが、シリコーン弾性粉体の凝集を解いて一次粒子に近い状態まで分散させ得るものであればこれに限定されない。
上記ビーズミルに用いるビーズ(媒体)としては、ガラス、アルミナ、ジルコニア、スチール、フリント石等を原料としたビーズが使用できるが、特にジルコニア製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては1〜10mm程度が好ましく、2〜5mm前後のビーズがより好ましい。ビーズの直径が小さすぎると、シリコーン弾性粉体が高い分散力を得られないことがある。またビーズの直径が大きすぎると粉末成分が十分に粉砕されないことがあり、好ましくない。上記直径範囲のビーズを用いることにより、適度の分散力を得ることができる。媒体での分散混合は、通常15〜60分間程度行われる。
またシリコーン弾性粉体の分散と共に、着色顔料の分散状態も良くなり、発色が良くなる傾向にあるので、着色顔料が通常処方の2/3〜1/2程度で済む。
本発明の化粧料の具体的な用途としては特に限定はないが、ファンデーション、化粧下地、コンシーラー、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、サンスクリーン等のメーキャップ化粧料に適用することができる。
またその剤型は任意であるが、固形化粧料の形態で提供されることが特に好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
(A)伸びの軽さ
化粧品専門パネル10名を用いて、各試験例の化粧料を顔面に塗布し、塗布時の伸びの軽さの官能評価を行ない、以下の基準にて評価した。
○:10人中7名以上が軽いと判断した
△:10人中4〜6名以上が軽いと判断した
×:10人中3名以下が軽いと判断した
(B)凹凸補正効果
化粧品専門パネル10名を用いて、各試験例の化粧料を顔面に塗布し、毛穴、微細なしわ部分などの凹凸を視覚的に目立たなくする効果について官能評価を行ない、以下の基準にて評価した。
○:10人中7名以上が、凹凸補正効果があると判断した
△:10人中4〜6名以上が、凹凸補正効果があると判断した
×:10人中3名以下が、凹凸補正効果があると判断した
化粧品専門パネル10名を用いて、各試験例の化粧料を顔面に塗布し、シミ・ソバカス等の肌の色ムラをカバーし、均一な仕上がりとなるかについて官能評価を行ない、以下の基準にて評価した。
○:10人中7名以上が、仕上がりが均一であると判断した
△:10人中4〜6名以上が、仕上がりが均一であると判断した
×:10人中3名以下が、仕上がりが均一であると判断した
(D)経時での色くすみ
化粧品専門パネル10名を用いて、各試験例の化粧料を顔面に塗布し、12時間後の色くすみについて官能評価を行ない、以下の基準にて評価した。
○:10人中7名以上が、経時での色くすみがないと判断した
△:10人中4〜6名以上が、経時での色くすみがないと判断した
×:10人中3名以下が、経時での色くすみがないと判断した
試 験 例
1-1 1-2 1-3 2-1 2-2 2-3
(1)シリコーン弾性粉体
(トレフィルE-506WTM:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
3 9 15 3 9 15
(2-1)ジメチルポリシロキサン
8 24 40 -- -- --
(2-2)ジメチルポリシロキサン
-- -- -- 8 24 40
(3)ドデカメチルシクロヘキサシロキサン
59 37 15 59 37 15
(4)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
1 1 1 1 1 1
(5)セスキイソステアリン酸ソルビタン
4 4 4 4 4 4
(6)固形パラフィン
3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5
(7)着色顔料 10 10 10 10 10 10
(8)ジプロピレングリコール
8 8 8 8 8 8
(9)イオン交換水 7 7 7 7 7 7
伸びの軽さ ○ ○ ○ ○ × ×
凹凸補正効果 △ ○ ○ △ × ×
仕上がりの均一さ ○ ○ ○ ○ × ×
経時での色くすみ ○ ○ ○ × × ×
(試験例1−1〜1−3)
(1)と(2−1)とを予めビーズミルにて混合しておき、(2−2)〜(6)を加え90℃にて溶解混合し、そこに(7)を分散した後に(8)、(9)を加え乳化混合し、化粧料を得た。
(試験例2−1〜2−3)
(2−2)〜(9)を85℃にて溶解混合し、そこに(1)と(10)を分散した後、(11)、(12)を加え乳化混合し、化粧料を得た。
これに対し、本発明の化粧料である試験例1−1〜1−3においては、シリコーン弾性粉体が実質的に一次粒子の状態で分散しているため、伸びが軽く、凹凸補正効果に優れ、均一な仕上がりが得られた。
また、図2に示すように試験例2−3は塗布時に重い感触であるのに対し、試験例1−3は塗布直後から軽い使用感であり、さらさらした良好な使用感が得られた。
(E)発色
各試験例の化粧料を顔面に塗布し、発色の良さについて以下の基準にて評価した。
○:発色が良好である
△:発色がやや不十分である
×:発色が不十分である
試 験 例
3 4-1 4-2
(1)シリコーン弾性粉体
(トレフィルE-506WTM:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
6 6 6
(2)ジメチルポリシロキサン
15 15 15
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン
39.75 39.75 25.52
(4)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
1 1 1
(5)セスキイソステアリン酸ソルビタン
4 4 4
(6)固形パラフィン 3.5 3.5 3.5
(7)着色顔料 15.75 15.75 29.98
(8)ジプロピレングリコール 8 8 8
(9)イオン交換水 7 7 7
(10)防腐剤 適量 適量 適量
発色 ○ × ○
色くすみ ○ × ×
(試験例3)
(1)と(2)とを予めビーズミルにて混合しておき、(3)〜(6)を加え85℃にて溶解混合し、そこに(7)を分散した後に(8)〜(10)を加え乳化混合し、化粧料を得た。
(試験例4−1,4−2)
(2)〜(9)を85℃にて溶解混合し、そこに(1)(10)を分散した後、(11)、(12)、(13)を加え乳化混合し、化粧料を得た。
これに対し、本発明の化粧料である試験例3においては、シリコーン弾性粉体と共に色材の分散状態も良くなり、着色顔料が少量でも良好な発色が得られた。これは前記図1にも示されるように、着色顔料がシリコーン弾性粉体に吸着するためだと考えられる。
(表3)
試 験 例
5-1 5-2 5-3 5-4 5-5 5-6
(1)シリコーン弾性粉体
(トレフィルE-506WTM:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
6 6 6 6 6 6
(2)ジメチルポリシロキサン
-- 3.5 18 28 44 50
(3)ドデカメチルシクロヘキサシロキサン
55 51.5 37 27 11 5
(4)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
5 5 5 5 5 5
(5)カルナバロウ
3 3 3 3 3 3
(6)着色顔料 15.75 15.75 15.75 15.75 15.75 15.75
(7)ジプロピレングリコール
8 8 8 8 8 8
(8)イオン交換水 7.25 7.25 7.25 7.25 7.25 7.25
(9)防腐剤 適量 適量 適量 適量 適量 適量
伸びの軽さ × △ ○ ○ ○ ○
凹凸補正効果 × ○ ○ ○ ○ ×
仕上がりの均一さ × ○ ○ ○ ○ ×
経時でのくすみ ○ ○ ○ ○ △ ×
(製造方法)
(1)と(2)とを予めビーズミルにて混合しておき、(3)〜(5)を加え85℃にて溶解混合し、そこに(6)を分散した後に(7)〜(9)を加え乳化混合し、化粧料を得た。
本発明にかかる化粧料のさらなる実施例を以下に示す。いずれの実施例においても本発明の効果が十分に発揮された。
(1)シリコーン弾性粉体 15
(トレフィルE-506WTM:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
(2)ジメチルポリシロキサン 20
(3)ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 23.5
(4)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
(5)セスキイソステアリン酸ソルビタン 4
(6)固形パラフィン 3.5
(7)パール顔料 10
(8)ジプロピレングリコール
8
(9)イオン交換水 15
(10)防腐剤 適量
(製造方法)
(1)と(2)とを予めビーズミルにて混合しておき、(3)〜(6)を加え90℃にて溶解混合し、そこに(7)を分散した後に(8)、(9)、(10)を加え乳化混合し、化粧料を得た。
本実施例のアイシャドーは操作性、発色に優れ、仕上がりが均一で経時での色くすみの無いものであった。
(表4)
試 験 例
6-1 6-2 6-3 7-1 7-2 7-3
(1)シリコーン弾性粉体
(トレフィルE-506WTM:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
2 6 10 2 6 10
(2-1)ジメチルポリシロキサン
8 20 32 -- -- --
(2-2)ジメチルポリシロキサン
-- -- -- 8 20 32
(3)ドデカメチルシクロヘキサシロキサン
32 20 8 32 20 8
(4)セスキイソステアリン酸ソルビタン
2 2 2 2 2 2
(5)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
3 3 3 3 3 3
(6)着色顔料 10 10 10 10 10 10
(7)ジプロピレングリコール
5 5 5 5 5 5
(8)イオン交換水 38 34 30 38 34 30
伸びの軽さ ○ ○ ○ ○ × ×
凹凸補正効果 △ ○ ○ △ × ×
仕上がりの均一さ ○ ○ ○ ○ × ×
経時での色くすみ ○ ○ ○ × × ×
(試験例6−1〜6−3)
(1)と(2−1)とを予めビーズミルにて混合しておき、(3)〜(5)を加え混合し、そこに(6)を分散した後に(7)、(8)を加え乳化混合し、化粧料を得た。
(試験例7−1〜7−3)
(2−2)〜(5)を混合し、そこに(1)と(6)を分散した後、(7)、(8)を加え乳化混合し、化粧料を得た。
これに対し、本発明の化粧料である試験例6−1〜6−3においては、シリコーン弾性粉体が実質的に一次粒子の状態で分散しているため、伸びが軽く、凹凸補正効果に優れ、均一な仕上がりが得られた。
また、試験例7−3は塗布時に重い感触であるのに対し、試験例6−3は塗布直後から軽い使用感であり、さらさらした良好な使用感が得られた。
Claims (5)
- (A)揮発性油分と、(B)不揮発性油分と、(C)シリコーン弾性粉体とを含み、
(A):(B)の配合量比が15:1〜1:4であり、
(C)が実質的に一次粒子の状態で分散していることを特徴とする油中水型乳化化粧料。 - 請求項1に記載の化粧料において、シリコーン弾性粉体がシリコーン樹脂粉体、シリコーンゴム粉体、及びシリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉体からなる群より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする油中水型乳化化粧料。
- 請求項1又は2に記載の化粧料において、不揮発性油分がジメチルポリシロキサンであることを特徴とする油中水型乳化化粧料。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料において、屈折率が1.45以上の体質顔料を実質的に含まないことを特徴とする油中水型乳化化粧料。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料において、固形であることを特徴とする油中水型固形乳化化粧料。
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