JP2023077329A - 粘着テープ - Google Patents

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Hiroyuki Otsuka
哲也 服部
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Abstract

【課題】半導体ウエハのような基板を個片化することで粘着テープ上に形成された半導体チップのような部品を、粘着テープを伸長するエキスパンディング工程の後に、ピックアップすることで得る際に、前記エキスパンディング工程を経ることに起因する部品の縁部における糊残り発生、および、前記エキスパンディング工程の粘着テープの伸長時における部品の飛びの発生を的確に抑制または防止することができる粘着テープを提供すること。【解決手段】本発明の粘着テープは、基材4と粘着層2とを備え、基板を個片化することで複数の部品を得る際に、前記基板の厚さ方向に対する切断により前記粘着層が切断されることなく、前記基板と前記部品とが前記粘着層に仮固定して用いられるものであり、粘着層2は、エネルギーの付与後のゲル分率が90%以上であり、かつ、ピール強度Aは、100cN/20mm以上500cN/20mm以下であること満足する。【選択図】図5

Description

本発明は、基板および部品を仮固定して用いられる粘着テープに関する。
近年の電子機器の高機能化とモバイル用途への拡大に対応して半導体装置の高密度化、高集積化の要求が強まり、ICパッケージの大容量高密度化が進んでいる。
これらの半導体装置の製造方法としては、例えば、まず、基板としての半導体基板(半導体ウエハ)にダイシングテープを貼付し、半導体基板の周囲をウエハリングで固定しながら、ダイシングソーを用いたダイシング工程で、半導体基板をその厚さ方向の途中まで切断した複数の溝部をマトリクス状に形成した後に、この溝部が形成された半導体基板からダイシングテープを剥離させる。次いで、この半導体基板の溝部が形成されている面側に研削用テープ(粘着テープ)を貼付し、グラインダー(研削機)を用いた研削工程で、半導体基板の溝部が形成されているのと反対の面側を、この反対の面側において前記溝部が露出するまで研削することで、溝部が形成された半導体基板を個々の半導体素子(半導体チップ)に切断分離(個片化)する。次いで、個片化された複数の半導体素子の周囲をウエハリングで固定しながら、ウエハリングを用いて研削用テープを放射状に伸ばすことで、隣接する半導体素子同士の間に間隙を形成するエキスパンディング工程の後、個片化した半導体素子を、ニードルを用いて突き上げた状態で、ピックアップするピックアップ工程を行う。次いで、このピックアップした半導体素子を金属リードフレームあるいは基板(例えばテープ基板、有機硬質基板等)に搭載するための搭載工程へ移送する。ピックアップされた半導体素子は、搭載工程で、例えば、アンダーフィル材を介してリードフレームあるいは基板に接着され、その後、リードフレームあるいは基板上で半導体素子を封止部により封止することで半導体装置が製造される。
このような半導体装置の製造では、半導体基板の個片化により複数の半導体素子が一括して得られ、この加工プロセスに、いわゆるDicing Before Back Grinding(DBG)法が適用され、このDBG法に用いられる研削用テープ(粘着テープ)について、近年、種々の検討がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
この研削用テープは、一般に、基材(フィルム基材)と、この基材上に形成された粘着層とを有するものであり、粘着層により溝部が形成された半導体基板が固定される。また、半導体基板の溝部が形成されているのと反対の面側を研削する研削工程後に半導体素子のピックアップが実現できるように、粘着層は、通常、粘着性を有するベース樹脂および光硬化性樹脂等を含有する樹脂組成物で構成されている。つまり、研削工程後、粘着層にエネルギーが付与されると、樹脂組成物が硬化して粘着層の粘着性が低下し、そのため、ピックアップ工程において、半導体素子を、ニードルを用いて突き上げた際に、半導体素子から研削用テープを剥離させることができ、その結果、半導体素子のピックアップが実現できるようになっている。
上記のような工程を経る、研削用テープを用いた半導体装置の製造方法では、ダイシングソーを用いたダイシング工程において、研削用テープは、半導体基板に対して貼付されておらず、そのため、当然、研削用テープが備える粘着層は、ダイシング工程の後に実施される、エキスパンディング工程の際に、半導体基板の個片化により形成された半導体素子に対応して、その厚さ方向に、ダイシングソーによる切断がなされていない。そのため、エキスパンディング工程において、研削用テープを放射状に伸長することで、隣接する半導体素子同士の間に間隙を形成する際に、基材上に積層された粘着層、特に前記間隙に対応する位置に存在する粘着層に応力が発生する。そして、この粘着層における応力の発生に起因して、粘着層と半導体素子との間でせん断応力が生じることとなる。その結果、半導体素子の縁部において、半導体素子から粘着層が剥離し、半導体素子の縁部の剥離が生じた領域で、粘着層の一部が残存する糊残りが生じると言う問題があった。さらに、粘着層(研削用テープ)の粘着力が低過ぎると、すなわち、粘着層による半導体素子の保持力が低過ぎると、上記のような半導体素子からの粘着層の剥離が、半導体素子の縁部に限定されず、その全体にまで及ぶ、いわゆるチップ飛びが生じると言う問題もあった。
また、このような問題は、上述したDBG法を用いて個片化された部品としての半導体素子を、研削用テープを伸長するエキスパンディング工程の後にピックアップする場合に限らず、基板としての半導体基板の厚さ方向に対する切断により粘着層が切断されないプロセスを有する各種の部品の製造方法においても同様に生じていると言える。
特開2012-156339号公報
本発明の目的は、半導体ウエハのような基板を個片化することで粘着テープ上に形成された半導体チップのような部品を、粘着テープを伸長するエキスパンディング工程の後に、ピックアップすることで得る際に、前記エキスパンディング工程を経ることに起因する部品の縁部における糊残りの発生、および、前記エキスパンディング工程の粘着テープの伸長時における部品の飛びの発生を的確に抑制または防止することができる粘着テープを提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 基材と、該基材の一方の面に積層された粘着層とを備え、
基板を個片化することで複数の部品を得る際に、前記基板の厚さ方向に対する切断により前記粘着層が切断されることなく、前記基板と前記部品とが前記粘着層に仮固定して用いられる粘着テープであって、
前記粘着層は、粘着性を有するベース樹脂と、エネルギーの付与により硬化する硬化性樹脂とを含有し、前記エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を照射した後のゲル分率が90%以上であり、かつ、当該粘着テープは、下記要件Aを満足することを特徴とする粘着テープ。
要件A:当該粘着テープは、JIS Z 0237に準拠して、#2000研磨したシリコンウエハ上に、幅20mmの前記粘着テープを、前記粘着層を前記シリコンウエハ側として貼付した後に、前記粘着層に、前記エネルギーとして、前記紫外線を照射し、次いで、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Aが100cN/20mm以上500cN/20mm以下となる。
(2) 前記粘着層は、前記エネルギーの付与前のゲル分率が50%以上80%以下である上記(1)に記載の粘着テープ。
(3) 当該粘着テープは、JIS Z 0237に準拠して、#2000研磨したシリコンウエハ上に、幅20mmの前記粘着テープを、前記粘着層を前記シリコンウエハ側として貼付し、次いで、前記粘着層に対する前記エネルギーの付与前に、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Bが700cN/20mm以上1500cN/20mm以下となる上記(1)または(2)に記載の粘着テープ。
(4) 当該粘着テープは、前記基板としての半導体ウエハの厚さ方向に、前記半導体ウエハの一方の面から他方の面まで到達しない複数の溝部をマトリクス状に形成した前記半導体ウエハの加工に用いられる上記(1)ないし(3)いずれかに記載の粘着テープ。
(5) 当該粘着テープは、前記溝部をマトリクス状に形成する前記半導体ウエハの加工の後に、前記他方の面の研削を行うことで、前記他方の面において前記溝部を露出させることで、前記半導体ウエハが個片化された、前記部品としての半導体チップを得る際に、前記粘着層上に、前記半導体ウエハおよび前記半導体チップを仮固定して用いられる上記(4)に記載の粘着テープ。
(6) 前記硬化性樹脂は、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートのうちの少なくとも1種を含有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の粘着テープ。
(7) 前記ベース樹脂は、アクリル系樹脂である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の粘着テープ。
(8) 当該粘着テープを平面視で見たとき、前記基材と前記粘着層との界面に形成されている気泡は、面積が100μm以上のものの数が、15.0個/mm以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の粘着テープ。
(9) 前記基材は、前記基材の一方の面側の表面抵抗率が1.0×10(Ω/□)超であり、かつ、その体積抵抗率が1.0×1016(Ω・m)以下である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の粘着テープ。
(10) 当該粘着テープは、下記要件Bを満足する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の粘着テープ。
要件B:シリコン基板(直径6インチ、厚さ500μm、#2000研磨)を、一方の面側から、その厚さ方向に200μmの位置まで、厚さ30μmのブレードを用いて、複数の溝部をマトリクス状に形成した後に、前記一方の面側を当該粘着テープで固定し、その後、#320の粗さのグラインダーを用いて、前記シリコン基板の他方の面を前記溝部が露出するまで研削することで、個片化された縦2mm×横2mmの大きさのシリコンチップを得た後、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を照射し、前記基材の面方向に前記基材を110%の大きさに伸長し、前記基材の前記粘着層と反対側の面からニードルで1.5mm突き上げた状態として、前記シリコンチップを、真空コレットを用いてピックアップすることで、当該粘着テープから剥離させたときに、前記シリコンチップの裏面の糊残り率1が1.0%以下であること。
本発明によれば、半導体ウエハのような基板を個片化することで粘着テープ上に形成された半導体チップのような部品を、粘着テープを伸長するエキスパンディング工程の後に、ピックアップすることで得る際に、粘着層に対するエネルギーの付与を、前記エキスパンディング工程に先立って実施したとしても、前記エキスパンディング工程を経ることに起因する部品の縁部における糊残りの発生を的確に抑制または防止することができる。さらに、前記エキスパンディング工程の粘着テープの伸長時における部品の飛びの発生を的確に抑制または防止することができる。
本発明の粘着テープを用いて製造された半導体装置の一例を示す縦断面図である。 図1に示す半導体装置を、本発明の粘着テープを用いて製造する方法を説明するための縦断面図である。 図1に示す半導体装置を、本発明の粘着テープを用いて製造する方法を説明するための縦断面図である。 図1に示す半導体装置を、本発明の粘着テープを用いて製造する方法を説明するための縦断面図である。 本発明の粘着テープの実施形態を示す縦断面図である。 図5に示す粘着テープを製造する方法を説明するための縦断面図である。
以下、本発明の粘着テープを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の粘着テープを説明するのに先立って、本発明の粘着テープを用いて製造された半導体装置の一例について説明する。
<半導体装置>
図1は、本発明の粘着テープを用いて製造された半導体装置の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、本明細書で参照する各図面では、それぞれ、左右方向および/または厚さ方向の寸法を誇張して図示しており、実際の寸法とは大きく異なる。
図1に示す半導体装置10は、半導体チップ20(半導体素子)と、半導体チップ20を支持するインターポーザー30(基板)と、複数の導電性を有するバンプ70(端子)と、半導体チップ20を封止するモールド部17(封止部)とを有している。
インターポーザー30は、絶縁基板であり、例えばポリイミド・エポキシ・シアネート・ビスマレイミドトリアジン(BTレジン)等の各種樹脂材料で構成されている。このインターポーザー30の平面視形状は、通常、正方形、長方形等の四角形とされる。
インターポーザー30の上面(一方の面)には、例えば、銅等の導電性金属材料で構成される端子41が、所定形状で設けられている。
また、インターポーザー30には、その厚さ方向に貫通して、図示しない複数のビア(スルーホール:貫通孔)が形成されている。
各バンプ70は、それぞれ、各ビアを介して、一端(上端)が端子41の一部に電気的に接続され、他端(下端)は、インターポーザー30の下面(他方の面)から突出している。
バンプ70のインターポーザー30から突出する部分は、ほぼ球形状(Ball状)をなしている。
このバンプ70は、例えば、半田、銀ろう、銅ろう、燐銅ろうのようなろう材を主材料として構成されている。
また、インターポーザー30上には、端子41が形成されている。この端子41に、接続部81を介して、半導体チップ20が有する端子21が電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、図1に示すように、端子21は、半導体チップ20に形成されている面側から突出する構成をなしており、端子41も、インターポーザー30から突出する構成をなしている。
また、半導体チップ20と、インターポーザー30との間の間隙には、各種樹脂材料で構成されるアンダーフィル材が充填され、このアンダーフィル材の硬化物により、封止層80が形成されている。この封止層80は、半導体チップ20と、インターポーザー30との接合強度を向上させる機能や、前記間隙への異物や水分等の浸入を防止する機能を有している。
さらに、インターポーザー30の上側には、半導体チップ20と、インターポーザー30とを覆うように形成されたモールド部17が半導体封止材料の硬化物(封止材)で構成されており、これにより、半導体装置10内において半導体チップ20が封止され、半導体チップ20に対する異物や水分等の浸入が防止される。
半導体チップ20(半導体素子)は、図1に示すように、半導体チップ本体部23(半導体素子本体部)と、半導体チップ本体部23の下面側から突出して設けられた端子21とを有している。半導体チップ本体部23は、その上面側に回路(図示せず)が作り込まれており、主としてSi、SiC、GaNまたはGaのような半導体材料で構成されている。
かかる構成の半導体装置10および半導体チップ20は、例えば、粘着テープを用いた半導体装置の製造方法により、以下のようにして製造される。
<半導体装置の製造方法>
図2~図4は、図1に示す半導体装置を、本発明の粘着テープを用いて製造する方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、図2~図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、本明細書で参照する各図面では、それぞれ、左右方向および/または厚さ方向の寸法を誇張して図示しており、実際の寸法とは大きく異なる。
[1A]まず、基材154と、基材154の上面に積層された粘着層152とを有する積層体により構成された粘着テープ150(ダイシングテープ)を用意し、図2(a)に示すように、この粘着テープ150が備える粘着層152の上に半導体基板7(半導体ウエハ)を、載置した後に軽く押圧することで、粘着テープ150に半導体基板7を積層(貼付)する。
この半導体基板7には、個片化することで形成される半導体チップ20が備える回路が予め形成され、この回路は、複数の半導体チップ20が格子状に配列するように、半導体基板7に複数作り込まれている。したがって、各回路が独立するように、半導体基板7を平面視で格子状に切断することで、個片化された半導体チップ20が得られることとなるが、この半導体基板7を格子状に切断すべきラインを、切断予定ラインと言う。よって、この切断予定ラインは、半導体基板7において、格子状に配列された半導体チップ20の回路に対応して、半導体基板7を平面視で見たとき、半導体基板7の縦方向および横方向に沿って、それぞれ、格子状(マトリクス状)に複数形成されていることとなる。
[2A]次に、粘着テープ150上に貼付された半導体基板7を、その切断予定ラインに沿って、半導体チップ20の仕上がり厚さに相当する深さより深い複数の溝部73を、半導体基板7の表面71から、その厚さ方向の途中まで格子状をなすように形成する(図2(b)参照)。
この半導体基板7の表面71からの溝部73の形成は、図2(b)に示すように、例えば、切削装置が備えるダイシングソー221を、切断予定ラインに沿って、格子状に走査することで行うことができる。
[3A]次に、基材4と、基材4の上面(一方の面)に積層された粘着層2とを有する粘着テープ100(研削用テープ)を用意し、半導体基板7の表面71、すなわち溝部73が形成された表面71に、粘着テープ100の粘着層2を表面71側にして、粘着テープ100を押圧することで、粘着層2の中心部122を、積層(貼付)する(図2(c)参照)。
すなわち、基板としての半導体基板7(半導体ウエハ)を粘着テープ100で仮固定する。
なお、本工程では、半導体基板7への粘着テープ100の仮固定に先立って、粘着テープ100を少なくとも一方向に伸ばす伸長力を粘着テープ100に付与し、その後、半導体基板7に粘着テープ100を仮固定することが好ましい。これにより、粘着テープ100においてシワを生じさせることなく、半導体基板7に粘着テープ100を貼付させることができる。この場合、粘着テープ100に伸長力を付与する方向は、粘着テープ100が半導体基板7の形状に対応して円盤状をなす場合、粘着テープ100の中心から放射線状をなす方向であってもよいし、粘着テープ100の中心を通る一方向であってもよい。さらに、粘着テープ100の平面形状が長方形のシート状をなす場合、長手方向および短手方向のうちの何れか一方または双方であってもよい。
[4A]次に、半導体基板7の表面71とは反対側の裏面72を、表面71側に粘着テープ100を貼付した状態で、研削または研磨(バックグラインド)する(図2(d)参照)。
この半導体基板7の裏面72の研削・研磨は、図2(d)に示すように、例えば、BGテーブル250の上に、粘着テープ100が貼付された半導体基板7を、粘着テープ100を下側として配置し、さらに、粘着層2の外周部121をウエハリング9で固定した状態で、研削装置が備えるグラインダー231を用いて行うことができる。
そして、この半導体基板7の裏面72の研削・研磨を、半導体基板7の表面71側から形成された溝部73に到達するまで、すなわち、溝部73が露出するまで実施する。
これにより、半導体基板7が、半導体チップ20が作り込まれた位置に対応して個片化されることから、図2(e)に示すように、複数の個片化された半導体チップ20が、粘着テープ100上で粘着層2に粘着した状態で、部品として形成される。
かかる裏面72の研削・研磨により、粘着テープ100上に形成された半導体チップ20の厚さは、半導体装置10が適用される電子機器によっても異なるが、好ましくは50μm以上600μm以下程度に設定され、より好ましくは50μm以上250μm以下程度に設定される。これにより、形成された半導体チップ20の薄型化が行われ、かかる半導体チップ20を備える半導体装置10さらにはICパッケージの小型化が実現される。
[5A]次に、図3(a)に示すように、個片化された半導体チップ20が積層された粘着テープ100を、粘着層2の外周部121がウエハリング9で固定された状態で、ピックアップテーブル200の上に設置し、その後、粘着層2に基材4を介してエネルギー線を照射することで、粘着層2の半導体チップ20に対する粘着力を低下させる。
なお、エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、イオンビームのような粒子線等や、またはこれらのエネルギー線を2種以上組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、特に、紫外線を用いるのが好ましい。紫外線によれば、粘着層2の半導体チップ20に対する粘着性を効率よく低下させることができる。
[6A]次に、粘着層2の外周部121におけるウエハリング9による固定を維持した状態で、ピックアップテーブル200の外周部220に対して、その中心部210を上方に突き上げることで、粘着テープ100を、その面方向に沿って、放射状に伸長(エキスパディング)し、これにより、個片化された半導体チップ20同士の間に、一定の間隔を有する間隙25を形成する(図3(b)参照。)。
このように、本工程[6A]において、粘着層2上に複数の半導体チップ20が形成されている粘着テープ100を、その面方向に沿って、放射状に伸長(エキスパディング)する際に、粘着テープ100として、本発明の粘着テープが用いられ、これにより、本工程[6A]を経ることに起因する部品としての半導体チップ20の縁部における糊残りの発生を的確に抑制または防止することができ、さらには、本工程[6A]における粘着テープ100の伸長時に、半導体チップ20の飛びが発生するのを的確に抑制または防止することができるが、その詳細な説明は、後に行うこととする。
[7A]次に、前記工程[6A]を経ることにより、間隙25が形成された状態で、半導体チップ20を、真空コレットまたはエアピンセットによる吸着等によりピックアップする(ピックアップ工程;図3(c)参照。)。
この半導体チップ20のピックアップは、前記工程[6A]における、粘着テープ100を放射状に伸長するエキスパンディングの後に、ピックアップテーブル200に設けられたニードルを、厚さ方向にピックアップテーブル200から突出させる。その結果、粘着テープ100に貼付された半導体チップ20が、ニードルを用いて突き上げられ、これにより、粘着テープ100から剥離させた状態として、図3(c)に示すように、半導体チップ20がピックアップされる。
以上のような工程[1A]~工程[7A]を経ることにより、粘着テープ100、150を用いて、半導体基板7から個片化された半導体チップ20が分離され、工程[1A]~工程[7A]の半導体基板7からの半導体チップ20の加工プロセスが、いわゆるDicing Before Back Grinding(DBG)で構成されている。
[8A]次に、ピックアップした半導体チップ20を、真空コレットまたはエアピンセットから実装用プローブ等に受け渡した後、図4(a)に示すように、この半導体チップ20が備える端子21と、インターポーザー30が備える端子41とを、端子41上に設けられた半田バンプ85を介して対向させて、インターポーザー30上に載置する。すなわち、半導体チップ20の端子21が形成された面を下側にして、半導体チップ20(半導体素子)をインターポーザー30(基板)上に載置する。
[9A]次に、図4(b)に示すように、端子21と端子41との間に介在した半田バンプ85を加熱しつつ、インターポーザー30と半導体チップ20とを接近させる。
これにより、溶融した半田バンプ85が端子21および端子41の双方に接触し、この状態で、冷却することで、接続部81が形成され、その結果、接続部81を介して、端子21と端子41とが電気的に接続される(図4(c)参照。)。
[10A]次に、半導体チップ20と、インターポーザー30との間に形成された間隙に、各種樹脂材料で構成されるアンダーフィル材(封止材)を充填し、その後、このアンダーフィル材を硬化させることにより、アンダーフィル材の硬化物で構成された封止層80を形成する(図4(d)参照。)。
[11A]次に、インターポーザー30の上側に、半導体チップ20と、インターポーザー30とを覆うように、モールド部17(封止部)を形成することで、半導体チップ20をインターポーザー30とモールド部17とで封止するとともに、インターポーザー30が備えるビアを介して端子41の一部に電気的に接続された、バンプ70をインターポーザー30の下側から突出するように形成する(図4(e)参照。)。
ここで、モールド部17による封止は、例えば、形成すべきモールド部17の形状に対応した内部空間を備える成形型を用意し、この内部空間内に配置された半導体チップ20とインターポーザー30とを覆うように、粉末状をなす半導体封止材料を内部空間に充填する。そして、この状態で、半導体封止材料を加熱することにより硬化させて、半導体封止材料の硬化物とすることにより行われる。
以上のような工程を有する半導体装置の製造方法により、半導体装置10が得られる。より詳しくは、前記工程[1A]~[11A]を実施した後に、前記工程[7A]~[11A]を繰り返して実施することで、1つの半導体基板7から複数の半導体装置10を一括して製造することができる。
以上のような半導体装置の製造方法において用いられる粘着テープ100、150のうち、粘着テープ100(研削用テープ)について、本発明の粘着テープが適用される。以下、本発明の粘着テープが適用された粘着テープ100について説明する。
<粘着テープ100>
図5は、本発明の粘着テープの実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、本明細書で参照する各図面では、それぞれ、左右方向および/または厚さ方向の寸法を誇張して図示しており、実際の寸法とは大きく異なる。
前述したような半導体チップ20の製造方法において、粘着テープ100として、従来の粘着テープを用いた場合、前記工程[6A]における、粘着テープ100の面方向に沿った伸長(エキスパディング)に起因して、半導体チップ20(半導体素子)の表面71の縁部において、半導体チップ20から粘着層2が剥離し、半導体チップ20の縁部の剥離が生じた領域で、粘着層2の一部が残存する糊残りが生じると言う問題が生じたり、さらに、粘着層2の粘着力が低過ぎると、すなわち、粘着層2による半導体チップ20の保持力が低過ぎると、上記のような半導体チップ20からの粘着層2の剥離が、半導体チップ20の表面71の縁部に限定されず、表面71の全体にまで及ぶ、いわゆるチップ飛びが生じると言う問題があった。
ここで、DBG法が適用された前記工程[1A]~前記工程[7A]を経る半導体基板7からの半導体チップ20の加工プロセスでは、ダイシングソー221を用いて半導体基板7に溝部73を形成する前記工程[2A]において、半導体基板7には、その裏面72に粘着テープ150(ダイシングテープ)が貼付されており(図2(a)参照)、粘着テープ100(研削用テープ)は、半導体基板7に対して貼付されておらず、前記工程[3A]において、初めて、半導体基板7の表面71に対して貼付される(図2(c)参照)。したがって、当然、粘着テープ100が備える粘着層2は、粘着テープ100を、その面方向に沿って伸長(エキスパディング)する前記工程[6A]の際には、半導体基板7の個片化により形成された半導体チップ20に対応して、その厚さ方向に、ダイシングソーによる切断がなされていない(図3(b)参照)。
そのため、前記工程[6A]において、粘着テープ100を、その面方向に沿って放射状に伸長することで、隣接する半導体チップ20同士の間に間隙25を形成する際に、基材4上に積層された粘着層2、特に間隙25に対応する位置に存在する粘着層2に応力が発生する。そして、この粘着層2における応力の発生に起因して、粘着層2と半導体チップ20との間でせん断応力が生じる。そして、この粘着層2と半導体チップ20との間で生じるせん断応力に起因して、半導体チップ20の表面71の縁部において、半導体チップ20の表面71から粘着層2が剥離し、さらに、半導体チップ20の表面71の縁部における剥離が生じた領域で、前述の通り、粘着層2の一部が残存する糊残りが発生すると言う問題が生じる。
本発明者は、かかる問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、半導体チップ20の表面71の縁部における、粘着層2の一部が残存する糊残りの発生が、粘着層2に対するエネルギーの付与後における、粘着層2に含まれるゾル成分の含有量に関連していることが判ってきた。
そして、本発明者は、さらなる検討を重ねた結果、粘着層2に対するエネルギーの付与後における、粘着層2に含まれるゾル成分を適切な含有量にコントロールすること、具体的には、エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を粘着層2に対して照射した後における粘着層2のゲル分率を90%以上に設定することにより、前記問題点を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
ここで、ゲル分率は、所定の溶剤を用いて、エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を粘着層2に対して照射した後における粘着層2を溶解させた際に、溶解することなく架橋成分として残存している部分をゲル部分とし、このゲル部分の質量と、溶剤を用いて溶解させる前の粘着層2の質量との比(百分率)として表される。
より具体的には、このゲル分率は、本実施形態では、まず、エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を粘着層2に対して照射し、その後、この粘着層2・約0.1gを試験片として用意し、試験片の質量を測定する。次いで、約100×100mm角に切断したテトロンメッシュ(#200)の質量を測定する。次いで、試験片を内側になるようにテトロンメッシュを折り曲げ、さらに3辺を折り曲げてステイプラ―で止め、サンプル全体の質量を測定する。次いで、溶剤としての酢酸エチルに40℃下で3日間浸漬させる。そして、サンプルを取り出し、120℃で1時間加熱して乾燥させる。
その後、サンプル全体の質量を測定し、テトロンメッシュおよびステイプラ―の質量を引くことで、酢酸エチル浸漬後の試験片の質量を算出する。そして、下記式(A)により、粘着層2に対するエネルギーの付与後のゲル分率が求められる。
ゲル分率={(酢酸エチル浸漬後の試験片の質量)}/{(酢酸エチル浸漬前の試験片の質量)}×100[%] … (A)
粘着層2に対するエネルギーの付与後のゲル分率を90%以上に設定することで、エネルギー付与後の粘着層2に含まれるゾル成分の含有量を的確に低く設定し得ることから、半導体チップ20の表面71の縁部における、粘着層2の一部が残存する糊残りの発生を的確に抑制または防止することができる。したがって、前記工程[7A]で得られる複数の半導体チップ20は、信頼性の高いものとなる。
なお、ゲル分率(%)の大きさは、後述する粘着層2の構成材料として含まれるベース樹脂、硬化性樹脂および架橋剤の種類と含有量等を適宜変更することで調整し得る。
また、本発明では、前記工程[6A]において、粘着層2に対するエネルギーの付与後に、粘着テープ100を、その面方向に沿って放射状に伸長することで、隣接する半導体チップ20同士の間に間隙25を形成する際に、上記のような半導体チップ20からの粘着層2の剥離が、半導体チップ20の表面71における縁部に限定されず、表面71の全体にまで及ぶ、いわゆるチップ飛びが生じるのを防止することを目的に、前記工程[7A]において、半導体チップ20をピックアップし得る程度で、粘着テープ100で半導体チップ20を優れた粘着性をもって固定する必要があるが、その粘着力の大きさは、下記要件Aで表すことができる。
要件A:粘着テープ100は、JIS Z 0237に準拠して、#2000研磨したシリコンウエハ上に、幅20mmの粘着テープ100を、粘着層2を前記シリコンウエハ側として貼付した後に、粘着層2に、エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を照射し、次いで、粘着テープ100の一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Aが100cN/20mm以上500cN/20mm以下となる。
この要件Aを満足することで、粘着層2に対するエネルギーの付与後に実施される、前記工程[6A]において、粘着テープ100を、その面方向に沿って放射状に伸長することで、隣接する半導体チップ20同士の間に間隙25を形成する際に、上記のような半導体チップ20の表面71からの粘着層2の剥離が、半導体チップ20の表面71の全体にまで及ぶチップ飛びが生じるのを的確に抑制または防止することができるとともに、前記工程[7A]において、半導体チップ20を確実にピックアップすることができる。
上記のような、本発明の粘着テープが適用された、粘着テープ100は、樹脂材料を含有するシート状をなす基材4と、この基材4の上面(一方の面)に積層された粘着層2とを備える積層体により構成される。以下、これら基材4および粘着層2について説明する。
なお、粘着テープ100は、このものが備える粘着層2にエネルギーを付与することで、粘着層2の半導体チップ20に対する粘着性が低下する機能を有するものである。このような粘着層2にエネルギーを付与する方法としては、粘着層2にエネルギー線を照射する方法および粘着層2を加熱する方法等が挙げられるが、中でも、半導体チップ20が不要な熱履歴を経る必要がないことから、粘着層2にエネルギー線を照射する方法が好適に用いられる。そのため、以下では、粘着層2として、エネルギー線の照射により前記粘着性が低下するものを代表に説明する。
<基材4>
基材4は、主として樹脂材料から成り、シート状をなしており、この基材4上に設けられた粘着層2を支持する機能を有している。また、前記工程[6A]において、粘着テープ100を面方向に対して伸長する際に、その伸長を実現させるためのものである。
かかる樹脂材料としては、特に限定されず、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂(エステル類高分子)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトンのようなポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン系高分子)、アクリル樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリビニルイソプレン、ポリカーボネート(カーボネート系高分子)等の熱可塑性樹脂や、これらの熱可塑性樹脂の混合物が用いられる。
これらの樹脂材料は、光(可視光線、近赤外線、紫外線)、X線、電子線等のエネルギー線を透過し得る材料であることから、エネルギー線を基材4側から基材4を透過させて粘着層2に照射する場合に好ましく用いることができる。そのため、エネルギー線を基材4側から粘着層2に照射することで、粘着層2の粘着性を低下させて半導体チップ20を容易にピックアップすることができる。
特に、樹脂材料としては、オレフィン系樹脂を用いることが好ましい。オレフィン系樹脂を用いることで、前記エキスパディング工程において、その伸長性(エキスパンド性)を基材4に確実に付与することができる。
かかるオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-メタクリレート共重合体(EMAA)や、亜鉛イオン架橋体、ナトリウムイオン架橋体またはカリウムイオン架橋体としてのエチレン系アイオノマー等のアイオノマーのようなエチレン共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、基材4は、導電性を有する導電性材料を含有することが好ましい。このような導電性材料が含まれることで、導電性材料に帯電防止剤としての機能を発揮させて、前記工程[4A]における、半導体基板7の研削または研磨の際に、この半導体基板7の研削または研磨により形成される半導体チップ20において、静電気が発生するのを的確に抑制または防止することができる。
この導電性材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、界面活性剤、永久帯電防止高分子(IDP)、金属材料、金属酸化物材料および炭素系材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等が挙げられる。
永久帯電防止高分子(IDP)としては、例えば、ポリエーテルとポリオレフィンブロックポリマー系列、ポリエステルアミド系列、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリウレタン系列等の全てのIDPを用いることができる。
また、金属材料としては、金、銀、銅または銀コート銅、ニッケル等が挙げられ、これらの金属粉が好ましく用いられる。
金属酸化物材料としては、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、等が挙げられ、これらの金属酸化物粉が好ましく用いられる。
さらに、炭素系材料としては、カーボンブラック、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブのようなカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、CNナノチューブ、CNナノファイバー、BCNナノチューブ、BCNナノファイバー、グラフェン等が挙げられる。
これらの中でも、導電性材料としては、界面活性剤、永久帯電防止高分子(IDP)、金属酸化物材料およびカーボンブラックのうちの少なくとも1種であることが好ましい。これらのものは、抵抗率の温度依存性が小さいものであることから、前記工程[4A]において、半導体基板7を研削または研磨する際に、基材4が加熱されたとしても、その表面抵抗値の変化量を小さくすることができる。
また、このとき、基材4は、その上面(一方の面)側の表面抵抗率が好ましくは1.0×10(Ω/□)超、より好ましくは1.0×10(Ω/□)超1.0×1016(Ω/□)以下に設定され、かつ、その体積抵抗率が好ましくは1.0×1016(Ω・m)以下、より好ましくは1.0×1011(Ω・m)以上1.0×1013(Ω・m)以下に設定されている。基材4の上面(一方の面)側の表面抵抗率および基材4の体積抵抗率が上記の通り設定されることで、基材4に含まれる導電性材料が帯電防止剤としての機能を好適に発揮して、前記工程[4A]における、半導体基板7の研削・研磨の際に、この半導体基板7の研削・研磨により形成される半導体チップ20において、静電気が発生するのをより的確に抑制または防止することができる。
さらに、基材4は、鉱油のような軟化剤、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、クレーのような充填材、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、分散剤、中和剤、着色剤等を含有するものであってもよい。
基材4の厚さは、例えば、10μm以上300μm以下であるのが好ましく、30μm以上200μm以下であるのがより好ましい。基材4の厚さがこの範囲内であると、基材4としての機能をより確実に発揮させて、前記工程[4A]における半導体基板7の研削または研磨、および前記工程[6A]における粘着テープ100の伸長(エキスパンディング)を、優れた作業性により実施することができる。
さらに、基材4は、その表面に、粘着層2に含まれる構成材料と反応性を有する、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基のような官能基が露出していてもよい。
また、基材4は、異なる前記樹脂材料で構成される層を複数積層した積層体(多層体)で構成されるものであってもよい。さらに、前記樹脂材料をドライブレンドしたブレンドフィルムで構成されるものであってもよい。
<粘着層2>
粘着層2は、前記工程[4A]において、半導体基板7を研削・研磨する際に、半導体基板7を粘着して支持する機能を有している。また、この粘着層2は、前記工程[5A]において、このものに対するエネルギーの付与により半導体チップ20への粘着性が低下し、これにより、半導体基板7を個片化することにより得られた半導体チップ20と粘着層2との間で容易に剥離を生じさせ得る状態となり、前記工程[7A]において、半導体チップ20をピックアップし得る程度の粘着力を発揮するものである。
特に、本発明では、前述の通り、粘着層2は、粘着層2に対するエネルギーの付与後のゲル分率が90%以上であることを満足している。そのため、エネルギー付与後の粘着層2に含まれるゾル成分の含有量を的確に低く設定し得ることから、半導体チップ20の表面71の縁部における、粘着層2の一部が残存する糊残りの発生を的確に抑制または防止することができる。したがって、得られる半導体チップ20を、高い信頼性を有するものとし得る。
また、粘着テープ100は、粘着層2に対するエネルギーの付与後において、その粘着力の大きさが前記要件Aを満足している。そのため、粘着層2に対するエネルギーの付与後に実施される、前記工程[6A]において、粘着テープ100を、その面方向に沿って放射状に伸長することで、隣接する半導体チップ20同士の間に間隙25を形成する際に、上記のような半導体チップ20の表面71からの粘着層2の剥離が、半導体チップ20の表面71における全体にまで及ぶチップ飛びが生じるのを的確に抑制または防止することができるとともに、前記工程[7A]において、半導体チップ20を確実にピックアップすることができる。
かかる機能を備える粘着層2は、(1)粘着性を有するベース樹脂と、(2)粘着層2を硬化させる硬化性樹脂と、を主材料として含有する樹脂組成物で構成され、この樹脂組成物中に含まれる構成材料の種類および含有量を、適宜、選択することで、粘着層2に対するエネルギーの付与後のゲル分率を90%以上に設定し、かつ、前記要件Aを満足し得るが、以下、樹脂組成物に含まれる各成分について、順次、説明する。
(1)ベース樹脂
ベース樹脂は、粘着性を有し、粘着層2へのエネルギー線の照射前に、半導体基板7ひいては半導体チップ20に対する粘着性を粘着層2に付与するために、樹脂組成物中に含まれるものである。
このようなベース樹脂としては、アクリル系樹脂(粘着剤)、シリコーン系樹脂(粘着剤)、ポリエステル系樹脂(粘着剤)、ポリ酢酸ビニル系樹脂(粘着剤)、ポリビニルエーテル系樹脂(粘着剤)、スチレン系エラストマー樹脂(粘着剤)、ポリイソプレン系樹脂(粘着剤)、ポリイソブチレン系樹脂(粘着剤)またはウレタン系樹脂(粘着剤)のような粘着層成分として用いられる公知のものが挙げられるが、中でも、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。アクリル系樹脂は、耐熱性に優れ、また、比較的容易かつ安価に入手できることから、ベース樹脂として好ましく用いられる。
アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルをモノマー主成分とするポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)をベースポリマーとするもののことを言う。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルのような(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸フェニルのような(メタ)アクリル酸アリールエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、特に、耐熱性に優れ、また、比較的容易かつ安価に入手できる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの双方を含む意味で用いることとする。
アクリル系樹脂は、凝集力、耐熱性等の改質等を目的として、必要に応じて、ポリマーを構成するモノマー成分として、共重合性モノマーを含むものが用いられる。
このような共重合性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシルのようなヒドロキシル基含有モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジルのようなエポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸のようなカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸のような酸無水物基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドのようなアミド系モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルアミノエチルのようなアミノ基含有モノマー、(メタ)アクリロニトリルのようなシアノ基含有モノマー、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンのようなオレフィン系モノマー、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンのようなスチレン系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル系モノマー、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルのようなビニルエーテル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデンのようなハロゲン原子含有モノマー、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルのようなアルコキシ基含有モノマー、N-ビニル-2-ピロリドン、N-メチルビニルピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルオキサゾール、N-ビニルモルホリン、N-ビニルカプロラクタム、N-(メタ)アクリロイルモルホリン等の窒素原子含有環を有するモノマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら共重合性モノマーの含有量は、アクリル系樹脂を構成する全モノマー成分に対して、40重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
また、共重合性モノマーは、アクリル系樹脂を構成するポリマーにおける主鎖の末端に含まれるものであってもよいし、その主鎖中に含まれるもの、さらには、主鎖の末端と主鎖中との双方に含まれるものであってもよい。
さらに、共重合性モノマーには、ポリマー同士の架橋等を目的として、多官能性モノマーが含まれていてもよい。
多官能性モノマーとしては、例えば、1,6-ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エチレン-酢酸ビニルコポリマーおよび酢酸ビニルポリマー等も、共重合性モノマー成分として用いることができる。
また、このアクリル系樹脂は、そのガラス転移点が20℃以下であることが好ましい。これにより、粘着層2へのエネルギー線の照射前において、粘着層2に優れた粘着性を発揮させることができる。
なお、このようなアクリル系樹脂(ポリマー)は、単一のモノマー成分または2種以上のモノマー成分の混合物を重合させることにより生成させることができる。また、これらモノマー成分の重合は、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、懸濁重合方法等の重合方法を用いて実施することができる。
なお、アクリル系樹脂は、ヒドロキシル基やカルボキシル基(特に、ヒドロキシル基)のような、架橋剤や光重合開始剤に対して反応性を有する官能基(反応性官能基)を有していることが好ましい。これにより、架橋剤や光重合開始剤がポリマー成分であるアクリル系樹脂に連結するため、粘着層2からこれら架橋剤や光重合開始剤が漏出することを的確に抑制または防止することができる。その結果、前記工程[5A]におけるエネルギー線照射時により、粘着層2の半導体基板7ひいては半導体チップ20に対する粘着性が確実に低下される。
(2)硬化性樹脂
硬化性樹脂は、例えば、エネルギー線の照射により硬化する硬化性を備えるものである。この硬化によってベース樹脂が硬化性樹脂の架橋構造に取り込まれた結果、粘着層2の粘着力が低下する。
このような硬化性樹脂としては、例えば、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射によって三次元架橋可能な重合性炭素-炭素二重結合を、官能基として少なくとも2個以上分子内に有する低分子量化合物が用いられる。
具体的には、この硬化性樹脂としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物、エステルアクリレートオリゴマー、2-プロペニル-ジ-3-ブテニルシアヌレート等の炭素-炭素二重結合含有基を有しているシアヌレート系化合物、トリス(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2-メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、2-ヒドロキシエチル ビス(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2-アクリロキシエチル)2-[(5-アクリロキシヘキシル)-オキシ]エチルイソシアヌレート、トリス(1,3-ジアクリロキシ-2-プロピル-オキシカルボニルアミノ-n-ヘキシル)イソシアヌレート、トリス(1-アクリロキシエチル-3-メタクリロキシ-2-プロピル-オキシカルボニルアミノ-n-ヘキシル)イソシアヌレート、トリス(4-アクリロキシ-n-ブチル)イソシアヌレートのような炭素-炭素二重結合含有基を有しているイソシアヌレート系化合物、市販のオリゴエステルアクリレート、ビスF型エポキシアクリレート、ビスA型エポキシアクリレートのようなエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、芳香族系、脂肪族系等のウレタンアクリレート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートのうちの少なくとも1種を含有することが好ましく、ウレタンアクリレートであることがより好ましい。これにより、粘着層2を、粘着層2に対するエネルギーの付与後のゲル分率が90%以上であることを満足し、かつ、前記要件Aを満足するものに、比較的容易に設定することができる。
なお、ウレタンアクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル型またはポリエーテル型等のポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4-トリレンジイソシアナート、2,6-トリレンジイソシアナート、1,3-キシリレンジイソシアナート、1,4-キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4-ジイソシアナート等)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート(例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等)を反応させて得られたものが挙げられる。
また、ポリエステルアクリレートとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、硬化性樹脂には、特に限定されないが、重量平均分子量の異なる2つ以上の硬化性樹脂が混合されていてもよい。このような硬化性樹脂を利用すれば、エネルギー線照射による樹脂の架橋度を容易に制御することができ、半導体チップ20を粘着層2から容易にピックアップすることができる。また、このような硬化性樹脂として、例えば、第1の硬化性樹脂と、第1の硬化性樹脂よりも重量平均分子量が大きい第2の硬化性樹脂との混合物等が用いられてもよい。
硬化性樹脂は、ベース樹脂100重量部に対して5重量部以上100重量部以下で配合されることが好ましく、10重量部以上60重量部以下で配合されることがより好ましく、20重量部以上50重量部以下で配合されることがさらに好ましい。上記のように硬化性樹脂の配合量を調整することによって、半導体チップ20を粘着層2から容易にピックアップすることができる。
なお、この硬化性樹脂は、前述したアクリル系樹脂として、二重結合導入型アクリル系樹脂を用いた場合、すなわち、炭素-炭素二重結合を、側鎖、主鎖中または主鎖の末端に有しているものを用いた場合には、その樹脂組成物中への添加を省略するようにしてもよい。これは、アクリル系樹脂が二重結合導入型アクリル系樹脂である場合には、エネルギー線の照射により、二重結合導入型アクリル系樹脂が備える炭素-炭素二重結合の機能によって、粘着層2が硬化し、これにより、粘着層2の粘着力が低下することによる。
以上のことから、硬化性樹脂と、前述したベース樹脂との組み合わせとしては、ウレタンアクリレートと、アクリル系樹脂との組み合わせであることが好ましい。これにより、粘着層2を、粘着層2に対するエネルギーの付与後のゲル分率が90%以上であることを満足し、かつ、前記要件Aを満足するものに、より容易に設定することができる。
(3)光重合開始剤
また、粘着層2は、エネルギー線の照射により半導体基板7ひいては半導体チップ20に対する粘着性が低下するものであるが、エネルギー線として紫外線等を用いる場合には、硬化性樹脂には、硬化性樹脂の重合開始を容易とするために光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、α-ヒドロキシ-α,α’-ジメチルアセトフェノン、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ミヒラーズケトン、アセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)-フェニル]-2-モルホリノプロパン-1、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾイン、ジベンジル、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシメチルフェニルプロパン、2-ナフタレンスルホニルクロリド、1-フェノン-1,1-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、o-アクリルオキシベンゾフェノン、p-アクリルオキシベンゾフェノン、o-メタクリルオキシベンゾフェノン、p-メタクリルオキシベンゾフェノン、p-(メタ)アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリラート、1,2-エタンジオールモノ(メタ)アクリラート、1,8-オクタンジオールモノ(メタ)アクリラートのようなアクリラートのベンゾフェノン-4-カルボン酸エステル、チオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2,4-ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4-ジクロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,4-ジイソプロピルチオキサンソン、アゾビスイソブチロニトリル、β-クロールアンスラキノン、カンファーキノン、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナート、ポリビニルベンゾフェノン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、2-エチルアントラキノン、t-ブチルアントラキノン、2,4,5-トリアリ-ルイミダゾール二量体、等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの中でも、ベンゾフェノン誘導体およびアルキルフェノン誘導体であることが好ましい。これらの化合物は分子中に反応性官能基として水酸基を備えるものであり、この反応性官能基を介して、ベース樹脂や硬化性樹脂に連結することができ、光重合開始剤としての機能をより確実に発揮させることができる。
光重合開始剤は、ベース樹脂100重量部に対して0.1重量部以上50重量部以下で配合されることが好ましく、0.5重量部以上10重量部以下で配合されることがより好ましい。上記のように光重合開始剤の配合量を調整することによって、半導体チップ20のピックアップ性は好適なものとなる。
(4)架橋剤
さらに、硬化性樹脂には、架橋剤が含まれていてもよい。架橋剤が含まれることで、硬化性樹脂の硬化性の向上が図られる。
架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤、メチロール系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、多価金属キレート系架橋剤、酸無水物系架橋剤、ポリアミン系架橋剤、カルボキシル基含有ポリマー系架橋剤等が挙げられる。これらの中でもイソシアネート系架橋剤が好ましい。
イソシアネート系架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、多価イソシアネートのポリイソシアネート化合物およびポリイソシアネート化合物の三量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物の三量体または末端イソシアネートウレタンプレポリマーをフェノール、オキシム類等で封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
また、多価イソシアネートとして、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-2,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’-〔2,2-ビス(4-フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも2,4-トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートから成る群より選択される少なくとも1種の多価イソシアネートが好ましい。
架橋剤は、ベース樹脂100重量部に対して0.01重量部以上50重量部以下で配合されることが好ましく、5重量部以上50重量部以下で配合されることがより好ましい。上記のように架橋剤の配合量を調整することによって、半導体チップ20の粘着層2からのピックアップ性を好適なものとし得る。
(5)可塑剤
さらに、粘着層2を構成する樹脂組成物には、可塑剤が含まれていてもよい。可塑剤が含まれることで、粘着力がエネルギーの付与により低下する粘着層2における、その柔軟性を向上させることができる。そのため、粘着層2を、粘着層2に対するエネルギーの付与後のゲル分率が90%以上であることを満足し、かつ、前記要件Aを満足するものに、より容易に設定することができる。
この可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、DOP(ジオクチルフタレート)、DBP(ジブチルフタレート)、DIBP(ジイソブチルフタレート)、DHP(ジヘプチルフタレート)のようなフタル酸エステル系可塑剤、DOA(ジ-2-エチルヘキシルアジペート)、DIDA(ジイソデシルアジペート)、DOS(ジ-2-エチルヘキシルセバセート)のような脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、エチレングリコールのベンゾエート類のような芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、およびTOTM(トリオクチルトリメリテート)のようなトリメリット酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、ポリエステル系可塑剤であることが好ましい。可塑剤として、ポリエステル系可塑剤を用いることで、粘着層2を構成する樹脂組成物に可塑剤が含まれることにより得られる効果を、より顕著に発揮させることができる。
ポリエステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸のような多価カルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオールのようなグリコールとの縮重合反応により得られるものが挙げられる。
粘着層2すなわち樹脂組成物中における可塑剤の含有率は、特に限定されないが、例えば、8重量%以上60重量%以下であるのが好ましく、10重量%以上58重量%以下であるのがより好ましく、15重量%以上55重量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、粘着層2の柔軟性を確実に向上させることができるため、粘着層2が可塑剤を含有することにより得られる効果をより顕著に発揮させることができる。
(6)導電性材料(帯電防止剤)
さらに、粘着層2を構成する樹脂組成物には、導電性を有する導電性材料を含有することが好ましい。このような導電性材料が含まれることで、導電性材料に帯電防止剤としての機能を発揮させて、前述した半導体チップ20の製造方法における、半導体チップ20での静電気の発生を的確に抑制または防止することができる。
この導電性材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されないが、前記基材4に含まれる導電性材料として説明したものと、同様に、例えば、界面活性剤、永久帯電防止高分子(IDP)、金属材料、金属酸化物材料および炭素系材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、基材4および粘着層2のうちの一方に導電性材料を含有させる構成とする場合には、基材4に導電性材料を含有させることが好ましい。これにより、半導体チップ20に導電性材料を確実に付着させることなく、半導体チップ20での静電気の発生をより的確に抑制または防止することができる。
(7)その他の成分
さらに、粘着層2を構成する樹脂組成物には、上述した各成分(1)~(6)の他に他の成分として、粘着付与剤、老化防止剤、粘着調整剤、充填材、着色剤、難燃剤、軟化剤、酸化防止剤、レベリング剤としての界面活性剤等のうちの少なくとも1種が含まれていてもよい。
なお、これらのうち粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、粘着層2の平均厚さは、特に限定されないが、例えば、1μm以上30μm以下であるのが好ましく、5μm以上30μm以下であるのがより好ましく、10μm以上20μm以下であるのがさらに好ましい。粘着層2の平均厚さをかかる範囲内とすることで、粘着層2は、粘着層2へのエネルギー付与前には、良好な粘着力を発揮するとともに、粘着層2へのエネルギー付与後には、粘着層2と半導体チップ20との間において、良好な剥離性を発揮する。
なお、粘着層2は、異なる前記樹脂組成物で構成される層を複数積層した積層体(多層体)で構成されるものであってもよい。
ここで、粘着層2は、エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を照射した後、すなわちエネルギー付与後のゲル分率が90%以上であればよいが、92%以上96%以下であるのが好ましい。これにより、エネルギー付与後の粘着層2に含まれるゾル成分の含有量を的確に低く設定し得ることから、半導体チップ20の表面71の縁部における、粘着層2の一部が残存する糊残りの発生をより的確に抑制または防止することができる。したがって、得られる半導体チップ20を、より優れた信頼性を有するものとし得る。
このときに、半導体チップ20の表面71に残存する糊残りの程度は、以下に示す通りに規定することができる。すなわち、シリコン基板(直径6インチ、厚さ500μm、#2000研磨)を用意し、このシリコン基板の一方の面(表面)側から、その厚さ方向に200μmの位置まで、厚さ30μmのブレードを用いて、複数の溝部をマトリクス状に形成した後に、前記一方の面側を粘着テープ100で固定し、その後、#320の粗さのグラインダーを用いて、シリコン基板の他方の面(裏面)を前記溝部が露出するまで研削することで、個片化された縦2mm×横2mmの大きさのシリコンチップを得た後、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を粘着層2に照射し、基材4の面方向に基材4を110%の大きさに伸長し、基材4の粘着層2と反対側の面からニードルで1.5mm突き上げた状態として、前記シリコンチップを、真空コレットを用いてピックアップすることで、粘着テープ100から剥離させたときに、前記シリコンチップの裏面(表面)の糊残り率1が1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。前記シリコンチップの裏面の糊残り率1が前記上限値以下であると、半導体チップ20の表面71の縁部における、粘着層2の一部が残存する糊残りの発生がより的確に抑制されていると言うことができる。
なお、エネルギー付与後におけるゲル分率を90%以上とし得る粘着層2は、エネルギー付与前におけるゲル分率が50%以上80%以下程度の広範囲で変化する。そのため、エネルギー付与前におけるゲル分率を知るだけでは、エネルギー付与後におけるゲル分率の大きさを特定することはできない。そのため、半導体チップ20の表面71の縁部における、粘着層2の一部が残存する糊残りの発生を抑制するには、本発明のように、エネルギー付与後における粘着層2のゲル分率を規定するのが好ましい。
さらに、粘着テープ100(粘着層2)は、本発明では、前記要件Aを満足する。すなわち、JIS Z 0237に準拠して、#2000研磨したシリコンウエハ上に、幅20mmの粘着テープ100を、粘着層2を前記シリコンウエハ側として貼付した後に、粘着層2に、エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を照射し、次いで、粘着テープ100の一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Aが100cN/20mm以上500cN/20mm以下となっているが、このピール強度Aは、150cN/20mm以上420cN/20mm以下であることが好ましく、200cN/20mm以上320cN/20mm以下であることがより好ましい。これにより、前記工程[6A]において、粘着テープ100を、その面方向に沿って放射状に伸長することで、隣接する半導体チップ20同士の間に間隙25を形成する際に、半導体チップ20の表面71からの粘着層2の剥離が、半導体チップ20の表面71の全体にまで及ぶチップ飛びが生じるのをより的確に抑制または防止することができるとともに、前記工程[7A]において、半導体チップ20をより確実にピックアップすることができる。
さらに、粘着テープ100(粘着層2)は、JIS Z 0237に準拠して、#2000研磨したシリコンウエハに、幅20mmの粘着テープ100を、粘着層2を前記シリコンウエハ側として貼付し、次いで、粘着層2に対する前記エネルギーの付与前に、粘着テープ100の一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Bが700cN/20mm以上1500cN/20mm以下であることが好ましく、750cN/20mm以上1200cN/20mm以下であることがより好ましい。これにより、粘着層2は、このものに対するエネルギー付与前において、優れた粘着性を有するものであると言うことができる。そのため、前記工程[4A]における、グラインダー231を用いた半導体基板7の裏面72の研削・研磨の際に、粘着テープ100から半導体基板7が位置ズレするのを的確に抑制または防止することができる。
また、粘着テープ100では、この粘着テープ100を平面視で見たとき、基材4と粘着層2との界面に形成されている気泡は、その面積が100μm以上のものの数が、15.0個/mm以下であることが好ましく、0.01個/mm以上7.0個/mm以下であることがより好ましい。これにより、前記工程[6A]において、粘着テープ100を、その面方向に沿って放射状に伸長することで、隣接する半導体チップ20同士の間に間隙25を形成する際に、半導体チップ20の表面71における縁部に糊残りが発生するのをより効果的に抑制または防止することができる。
次に、かかる構成の粘着テープ100は、例えば、以下のようにして製造することができる。
<粘着テープの製造方法>
図6は、図5に示す粘着テープを製造する方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[1B]まず、基材4を用意する(図6(a)参照。)
基材4の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、カレンダー法、インフレーション押出し法、Tダイ押出し法のような押出成形法、湿式キャスティング法等の一般的な成形方法が挙げられる。なお、基材4が積層体で構成される場合、かかる構成のその基材4の製造方法としては、例えば、共押出し法、ドライラミネート法等の成形方法が用いられる。
また、基材4は、無延伸で用いることができ、さらに、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理を施したものを用いるようにしてもよい。
[2B]次に、基材4の上面に粘着層2を形成する(図6(b)参照。)。
基材4の表面(上面)には、基材4と粘着層2との密着性を向上させることを目的に、コロナ処理、クロム酸処理、マット処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理、プライマー処理、アンカーコート処理のような表面処理が施されていてもよい。
また、粘着層2は、基材4上に、粘着層2の構成材料である樹脂組成物を溶剤に溶解してワニス状にした液状材料を、塗布または散布した後、溶剤を揮発させて粘着層2を形成することにより得ることができる。
なお、溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアルデヒド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、基材4上への液状材料の塗布または散布は、例えば、ダイコート、カーテンダイコート、グラビアコート、コンマコート、バーコートおよびリップコート等の方法を用いて行うことができる。
[3B]次に、基材4上に形成された粘着層2に対して、中心側と外周側とが分離されるように、粘着層2の厚さ方向に基材4を残存させて円環状に粘着層2の一部を除去することにより、粘着層2を中心部122と外周部121とを備えるものとする(図6(c)参照。)。
粘着層2の一部を円環状に除去する方法としては、例えば、除去すべき領域を取り囲むように打ち抜いた後、この打ち抜かれた領域に位置する粘着層2を除去する方法が挙げられる。
また、除去すべき領域に対する打ち抜きは、例えば、ロール状金型を用いる方法や、プレス金型を用いる方法を用いて行うことができる。中でも、連続的に粘着テープ100を製造することができるロール状金型を用いる方法が好ましい。
なお、本工程では、粘着層2の一部をリング状(円形状)に打ち抜いて中心部122と外周部121とを形成したが、粘着層2の一部を打ち抜く形状は、前述した半導体装置の製造方法において、粘着層2の外周部121をウエハリングで固定できる形状となっていれば如何なる形状のものであってもよい。具体的には、打ち抜く形状としては、例えば、上述した円形状の他、楕円状、俵型状のような長円状や、四角形状、五角形状のような多角形状等が挙げられる。
[4B]次に、基材4上に形成された粘着層2に対して、セパレーター1を積層することにより、粘着層2がセパレーター1で被覆された粘着テープ100を得る(図6(d)参照。)。
粘着層2にセパレーター1を積層する方法としては、特に制限されないが、例えば、ロールを用いたラミネート方法、プレスを用いたラミネート方法を用いることができる。これらの中でも、連続的に生産できるという生産性の観点から、ロールを用いたラミネート方法が好ましい。
なお、セパレーター1としては、特に限定されないが、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタラートフィルム等が挙げられる。
また、セパレーター1は、粘着テープ100の使用時に剥がされるために、表面を離型処理されたものを使用してもよい。離型処理としては離型剤をセパレーター1の表面にコーティングをする処理や、セパレーター1の表面に細かい凹凸をつける処理等が挙げられる。なお、離型剤としては、シリコーン系、アルキッド系、フッ素系等のものが挙げられる。
以上のような工程を経て、セパレーター1で被覆された粘着テープ100を形成することができる。
なお、本実施形態で製造されたセパレーター1で被覆された粘着テープ100は、前述した粘着テープ100を用いた半導体装置の製造方法において、粘着テープ100をセパレーター1から剥離した後に使用される。
また、セパレーター1が被覆する粘着層2から、このセパレーター1を剥がす際には、粘着層2の面に対してセパレーター1を90°以上180°以下の角度で剥離を行うことが好ましい。セパレーター1を剥離する角度を前記範囲とすることで、粘着層2とセパレーター1との界面以外での剥離を確実に防止することができる。
以上、本発明の粘着テープについて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の粘着テープが備える各層には、同様の機能を発揮し得る、任意の成分が添加されていてもよく、あるいは、基材は、前記実施形態で説明したように、1層で構成されるものの他、複数の層で構成されるものであってもよく、例えば、前述した基材の粘着層とは反対側の面に、帯電防止層を備えるものであってもよい。
また、粘着テープが備える各層の構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することもできる。
さらに、粘着テープは、上述したDBG法を用いて個片化された部品としての半導体チップ(半導体素子)を、この粘着テープ(研削用テープ)を伸長するエキスパンディング工程の後にピックアップする場合に用い得るが、この場合に限らず、基板としての半導体基板の厚さ方向に対する切断により粘着層が切断されないプロセスを有する各種の製造方法においても同様に用いることができ、例えば、レーザーにより溝部としてのクラックを形成する場合等においても同様に用いることができる。
さらに、粘着テープを用いて形成する半導体装置の構成によっては、半導体装置10が備えるモールド部17の形成を省略することもできる。
なお、本発明の粘着テープを用いて製造された半導体チップ20は、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プリンタ等に広く用いることができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
なお、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
1.原材料の準備
まず、実施例および比較例の粘着テープの製造に用いた原材料を以下に示す。
(ポリオレフィン系樹脂1)
ポリオレフィン系樹脂1として、低密度ポリエチレン(LDPE、住友化学社製、「スミカセンL200-0」、MFR2.0)を用意した。
(帯電防止剤1)
帯電防止剤1として、ポリエーテル系帯電防止剤(三洋化成工業社製、「ペレクトロンPVL」)を用意した。
(ベース樹脂1~3)
ベース樹脂1~3として、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、N,N-ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニルのうちの少なくとも2種を混合し、常法によりトルエン溶媒中にて溶液重合させて生成されたアクリル共重合体(アクリル系樹脂)を用意した。
なお、ベース樹脂(アクリル共重合体)1~3におけるガラス転移点および重量平均分子量は、以下に示す通りであった。
ベース樹脂1(ガラス転移点:-37℃、重量平均分子量:60万)
ベース樹脂2(ガラス転移点:-14℃、重量平均分子量:50万)
ベース樹脂3(ガラス転移点:-10℃、重量平均分子量:65万)
(硬化性樹脂1)
硬化性樹脂1として、ビスフェノールA系のエポキシアクリレート(ビスA型エポキシアクリレート)1(ダイセル・オルネクス社製、品番:EBECRYL3708)を用意した。
(硬化性樹脂2)
硬化性樹脂2として、ウレタンアクリレート1(Miwon Specialty Chemical社製、品番:SC2152)を用意した。
(硬化性樹脂3)
硬化性樹脂3として、ウレタンアクリレート2(日本化薬社製、品番:UX-5103)を用意した。
(架橋剤1)
架橋剤1として、ポリイソシアネート(東ソー社製、品番:コロネートL)を用意した。
(光重合開始剤1)
光重合開始剤1として、ベンジルジメチルケタール(東京化成工業社製)を用意した。
(可塑剤1)
可塑剤1として、ポリエステル系可塑剤(DIC社製、品番:W-230H)を用意した。
2.粘着テープの作製
[実施例1]
ポリオレフィン系樹脂1(80重量%)および帯電防止剤1(20重量%)が配合された樹脂組成物を押出し機で押し出して、厚さ80μmの基材4を作製した。
次に、ベース樹脂2(100重量部)、硬化性樹脂2(40重量部)、架橋剤1(2重量部)および光重合開始剤1(5重量部)が配合された樹脂組成物を含有する液状材料を作製した。この液状材料を、乾燥後の粘着層2の厚さが5μmになるようにして基材4にバーコート塗工した後、80℃で1分間乾燥させて、基材4の上面(一方の面)に粘着層2を形成した。
[実施例2~4、比較例1~3]
樹脂組成物中における各構成材料の種類、および、その含有量を表1に示すように変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして、実施例2~4、比較例1~3の粘着テープを得た。
3.評価
<ゲル分率試験(ゲル分率(エネルギー付与後))>
各実施例および各比較例の粘着テープ100が備える粘着層2に対して、エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を照射し、その後、各実施例および各比較例の粘着テープ100について、それぞれ、粘着層2・約0.1gを試験片として用意し、試験片の質量を測定した。次いで、約100×100mm角に切断したテトロンメッシュ(#200)の質量を測定した。次いで、試験片を内側になるようにテトロンメッシュを折り曲げ、さらに3辺を折り曲げてステイプラ―で止め、サンプル全体の質量を測定した。次いで、溶剤としての酢酸エチルに40℃下で3日間浸漬した。そして、サンプルを取り出し、120℃で1時間加熱して乾燥させた。
その後、サンプル全体の質量を測定し、テトロンメッシュおよびステイプラ―の質量を引くことで、酢酸エチル浸漬後の試験片の質量を算出した。そして、前記式(A)により、粘着層2に対するエネルギーの付与後のゲル分率を求めた。その求められたゲル分率を、表1に示す。
<ゲル分率試験(ゲル分率(エネルギー付与前))>
各実施例および各比較例の粘着テープ100が備える粘着層2・約0.1gを試験片として用意し、試験片の質量を測定した。次いで、約100×100mm角に切断したテトロンメッシュ(#200)の質量を測定した。次いで、試験片を内側になるようにテトロンメッシュを折り曲げ、さらに3辺を折り曲げてステイプラ―で止め、サンプル全体の質量を測定した。次いで、溶剤としての酢酸エチルに40℃下で3日間浸漬した。そして、サンプルを取り出し、120℃で1時間加熱して乾燥させた。
その後、サンプル全体の質量を測定し、テトロンメッシュおよびステイプラ―の質量を引くことで、酢酸エチル浸漬後の試験片の質量を算出した。そして、前記式(A)により、粘着層2に対するエネルギーの付与前のゲル分率を求めた。その求められたゲル分率を、表1に示す。
<引き剥がし試験(ピール強度A)>
各実施例および各比較例の幅を20mmとした粘着テープ100を、それぞれ、粘着層2がシリコンウエハ側となるように、#2000研磨したシリコンウエハ(SUMCO社製)上に貼付した後に、前記粘着層2にエネルギーとして紫外線を照射し(紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2)、JIS Z 0237に準拠して、粘着テープの一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度A[cN/20mm]を、剥離解析装置(協和界面科学社製、「VPA-H100」)を用いて測定した。その測定結果を、表1に示す。
<引き剥がし試験(ピール強度B)>
各実施例および各比較例の幅を20mmとした粘着テープ100を、それぞれ、粘着層2がシリコンウエハ側となるように、#2000研磨したシリコンウエハ(SUMCO社製)上に貼付した後に、粘着層2に対する前記エネルギーの付与前に、JIS Z 0237に準拠して、粘着テープの一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度B[cN/20mm]を、剥離解析装置(協和界面科学社製、「VPA-H100」)を用いて測定した。その測定結果を、表1に示す。
<基材の表面抵抗率>
各実施例および各比較例の粘着テープ100について、それぞれ、基材4の粘着層2側である一方の面側の表面抵抗率を、IEC-61340に従って、表面抵抗値測定装置(トレック・ジャパン社製、「152P-CR」)を用いて測定した。
<基材の体積抵抗率>
各実施例および各比較例の粘着テープ100について、それぞれ、基材4の体積抵抗率を、JIS K 6911に従って、体積抵抗値測定装置(アドバンテスト社製、「R12702B」)を用いて測定した。
<ピックアップ後のシリコンチップに対する糊残りの有無>
ピックアップ後のシリコンチップに対する糊残りの有無は、次のようにして評価した。
すなわち、まず、シリコン基板(シリコンウエハ、SUMCO社製、直径6インチ、厚さ500μm、#2000研磨)を用意した後に、このシリコン基板の一方の面側から、その厚さ方向に200μmの位置まで、厚さ30μmのブレードを用いて、複数の溝部をマトリクス状に形成した。次いで、各実施例および各比較例の粘着テープの粘着層2上に、このシリコン基板を、前記一方の面が粘着層2側となるようにして、載置した状態で、圧着することで、粘着テープ上にシリコンウエハを接合した。
そして、#320の粗さのグラインダーを用いて、シリコン基板の他方の面を前記溝部が露出するまで研削することで、個片化された縦2mm×横2mmの大きさのシリコンチップを得た。その後、粘着層2に紫外線を照射(紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2)した。次いで、基材4の面方向に基材4を110%の大きさに伸長した状態で、基材4の粘着層2と反対側の面からニードルで1.5mm突き上げた状態として、シリコンチップを、真空コレットを用いてピックアップすることで、当該粘着テープから剥離させた。このときに、ピックアップされたシリコンチップの裏面の糊残り率1を、以下に示すようにして算出した。すなわち、ピックアップ後のシリコンチップのうち、任意に抽出した10個のシリコンチップ裏面を偏光顕微鏡で観察し、各シリコンチップの縁部で糊残りすなわち汚染成分が確認された面積をS1とし、各シリコンチップ裏面の面積をS2として求められるS1/S2×100[%]の10個の平均値を求めることにより算出した。そして、下記に示す評価基準に基づいて、シリコンチップの裏面における糊残り率1を評価した。その評価結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:シリコンチップの裏面の糊残り率1が0.5%以下である
○:シリコンチップの裏面の糊残り率1が0.5%超1.0%以下である
×:シリコンチップの裏面の糊残り率1が1.0%超である
<エキスパディング時のチップ飛びの有無>
エキスパディング時のチップ飛びの有無は、次のようにして評価した。
すなわち、まず、シリコン基板(シリコンウエハ、SUMCO社製、直径6インチ、厚さ500μm、#2000研磨)を用意した後に、このシリコン基板の一方の面側から、その厚さ方向に200μmの位置まで、厚さ30μmのブレードを用いて、複数の溝部をマトリクス状に形成した。次いで、各実施例および各比較例の粘着テープの粘着層2上に、このシリコン基板を、前記一方の面が粘着層2側となるようにして、載置した状態で、圧着することで、粘着テープ上にシリコンウエハを接合した。
そして、#320の粗さのグラインダーを用いて、シリコン基板の他方の面を前記溝部が露出するまで研削することで、個片化された縦2mm×横2mmの大きさのシリコンチップを得た。その後、粘着層2に紫外線を照射(紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2)した。次いで、基材4の面方向に基材4を110%の大きさに伸長し、この際のシリコンチップの粘着テープからのチップ飛びの有無を確認して、下記に示す評価基準に基づいて評価した。その評価結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:粘着テープからのチップ飛びが、0個以上3個未満認められた
○:粘着テープからのチップ飛びが、3個以上5個未満認められた
×:粘着テープからのチップ飛びが、5個以上認められた
Figure 2023077329000002
表1に示すように、各実施例では、エネルギー付与後における前記ゲル分率が90%以上であり、かつ、前記要件Aを満足することにより、紫外線の照射後(エネルギーの付与後)において、粘着テープ100を面方向に沿って放射状に伸長(エキスパディング)する際に、半導体チップ20の縁部に糊残りが発生するのを的確に抑制し得るとともに、この粘着テープ100の伸長時のチップ飛びを的確に抑制し得る結果を示した。
これに対して、各比較例では、前記ゲル分率の下限値および前記要件Aの数値範囲のいずれか一方を下回ることに起因して、紫外線の照射後(エネルギーの付与後)において、粘着テープ100を面方向に沿って放射状に伸長(エキスパディング)する際に、半導体チップ20の縁部に糊残りが発生するのを的確に抑制し得ることと、この粘着テープ100の伸長時のチップ飛びを的確に抑制し得ることとのいずれか一方を満足し得ない結果を示した。
1 セパレーター
2 粘着層
4 基材
7 半導体基板
71 表面
72 裏面
73 溝部
9 ウエハリング
10 半導体装置
17 モールド部
20 半導体チップ
21 端子
23 半導体チップ本体部
25 間隙
30 インターポーザー
41 端子
70 バンプ
80 封止層
81 接続部
85 半田バンプ
100 粘着テープ
150 粘着テープ
152 粘着層
154 基材
221 ダイシングソー
231 グラインダー
250 BGテーブル
121 外周部
122 中心部
200 ピックアップテーブル
210 中心部
220 外周部

Claims (10)

  1. 基材と、該基材の一方の面に積層された粘着層とを備え、
    基板を個片化することで複数の部品を得る際に、前記基板の厚さ方向に対する切断により前記粘着層が切断されることなく、前記基板と前記部品とが前記粘着層に仮固定して用いられる粘着テープであって、
    前記粘着層は、粘着性を有するベース樹脂と、エネルギーの付与により硬化する硬化性樹脂とを含有し、前記エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を照射した後のゲル分率が90%以上であり、かつ、当該粘着テープは、下記要件Aを満足することを特徴とする粘着テープ。
    要件A:当該粘着テープは、JIS Z 0237に準拠して、#2000研磨したシリコンウエハ上に、幅20mmの前記粘着テープを、前記粘着層を前記シリコンウエハ側として貼付した後に、前記粘着層に、前記エネルギーとして、前記紫外線を照射し、次いで、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Aが100cN/20mm以上500cN/20mm以下となる。
  2. 前記粘着層は、前記エネルギーの付与前のゲル分率が50%以上80%以下である請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 当該粘着テープは、JIS Z 0237に準拠して、#2000研磨したシリコンウエハ上に、幅20mmの前記粘着テープを、前記粘着層を前記シリコンウエハ側として貼付し、次いで、前記粘着層に対する前記エネルギーの付与前に、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Bが700cN/20mm以上1500cN/20mm以下となる請求項1または2に記載の粘着テープ。
  4. 当該粘着テープは、前記基板としての半導体ウエハの厚さ方向に、前記半導体ウエハの一方の面から他方の面まで到達しない複数の溝部をマトリクス状に形成した前記半導体ウエハの加工に用いられる請求項1ないし3いずれか1項に記載の粘着テープ。
  5. 当該粘着テープは、前記溝部をマトリクス状に形成する前記半導体ウエハの加工の後に、前記他方の面の研削を行うことで、前記他方の面において前記溝部を露出させることで、前記半導体ウエハが個片化された、前記部品としての半導体チップを得る際に、前記粘着層上に、前記半導体ウエハおよび前記半導体チップを仮固定して用いられる請求項4に記載の粘着テープ。
  6. 前記硬化性樹脂は、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートのうちの少なくとも1種を含有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  7. 前記ベース樹脂は、アクリル系樹脂である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  8. 当該粘着テープを平面視で見たとき、前記基材と前記粘着層との界面に形成されている気泡は、面積が100μm以上のものの数が、15.0個/mm以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  9. 前記基材は、前記基材の一方の面側の表面抵抗率が1.0×10(Ω/□)超であり、かつ、その体積抵抗率が1.0×1016(Ω・m)以下である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  10. 当該粘着テープは、下記要件Bを満足する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の粘着テープ。
    要件B:シリコン基板(直径6インチ、厚さ500μm、#2000研磨)を、一方の面側から、その厚さ方向に200μmの位置まで、厚さ30μmのブレードを用いて、複数の溝部をマトリクス状に形成した後に、前記一方の面側を当該粘着テープで固定し、その後、#320の粗さのグラインダーを用いて、前記シリコン基板の他方の面を前記溝部が露出するまで研削することで、個片化された縦2mm×横2mmの大きさのシリコンチップを得た後、紫外線強度:55mW/cm2、照射強度:200mJ/cm2の紫外線を照射し、前記基材の面方向に前記基材を110%の大きさに伸長し、前記基材の前記粘着層と反対側の面からニードルで1.5mm突き上げた状態として、前記シリコンチップを、真空コレットを用いてピックアップすることで、当該粘着テープから剥離させたときに、前記シリコンチップの裏面の糊残り率1が1.0%以下であること。
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