JP2023077032A - ステアリングビーム支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突時におけるステアリング装置による乗員への加害性を抑制したステアリングビーム支持構造を提供する。【解決手段】フロントピラーロワ10と、左右のフロントピラーロワの間にわたして設けられステアリング装置100が取り付けられるステアリングビーム110との連結箇所に設けられるステアリングビーム支持構造を、ステアリングビームの車幅方向における端部から上下方向及び前後方向に張り出して形成されたブラケット120と、ブラケットをフロントピラーロワに締結する機械的締結部材B1,B2と、ブラケットを貫通して形成され機械的締結部材の軸部が挿通される溝部130,140とを備え、溝部は、衝突時に発生するフロントピラーロワの後退に応じて、ブラケットをフロントピラーロワに対して上昇させる傾斜溝部132,142を有する構成とする。【選択図】図3

Description

本発明は、車両のフロントピラーロワとステアリングビームとの接続部に設けられるステアリングビーム支持構造に関する。
自動車等の車両においては、ステアリングホイールが接続されるステアリングシャフトアッパを保持するステアリングコラムを、ステアリングビームによって支持している。
ステアリングビームは、左右のフロントピラーロワの間にわたして設けられる梁状の部材である。
フロントピラーロワは、車室前部の左右に設けられ上下に延在する柱状の部材である。
このようなステアリングビーム周辺の車体構造に関する技術として、例えば特許文献1には、車両の前面衝突時にステアリングメンバが下側へ移動しない自動車のステー構造として、車両衝突等により下向きの荷重が加わった場合には、上端部のボルトが各取付孔からスリットを押し開いて各スリット内へ逃げるため、ステーだけがブラケットに対して相対的に下方移動することが記載されている。これにより、ステアリングメンバは下方移動が規制され、そのままの位置に残され、ステアリングメンバが下方の装置等に干渉することがなく、その装置との干渉により更に後方へ移動することもないことが記載されている。また、ステアリングメンバが左右のフロントピラー間に架設されることが記載されている。
特許文献2には、微小ラップ衝突時にフロントピラーからの荷重によってステアリングコラムが変位することを抑制する車室前部構造として、フロントピラーが衝突荷重によって車両後方側へ変形する際に、インパネリインフォースメントの固定ブラケットとフロントピラーとの間に荷重が作用することが記載されている。また、この荷重が固定ブラケットとフロントピラーとの間に作用する摩擦力を上回ると、通常時には長孔及び切欠の前端部側に位置するボルトが後端部側へ移動することにより、固定ブラケットに対するフロントピラーの車両後方側への相対移動が許容されることが記載されている。
特許文献3には、ステアリングメンバによって衝突時に車体の剛性をコントロールして最適な強度反力特性を出すことができるステアリングメンバ構造として、オフセット衝突及びフルラップ衝突ともに、ステアリングメンバをブラケットに対してステアリングメンバの軸方向に変位可能とすることが記載されている。また、衝突初期の段階には、ステアリングメンバがフロントピラーに対して前後に移動可能となること、及び、ステアリングメンバに取り付けたピンがブラケットの切欠に沿って移動し、ステアリングメンバが所定量滑ると、ピンは切欠の車内側端部へと達し、それ以上のピンの移動を禁止することが記載されている。
特開2000- 72039号公報 特開2015- 16718号公報 特開2000-344139号公報
車幅方向における側端部近傍の微小な領域にのみ車両前方側から衝突物が衝突するスモールオーバラップオフセット衝突では、オーバラップが比較的大きいオフセット衝突やフルラップ衝突に対して、衝突エネルギを十分に吸収できない状態で、車室に比較的大きな荷重が伝達され、車室の変形が生じることが懸念される。
特に、車体変形によってステアリング装置を支持するステアリングビームが前席シート側へ接近すると、ステアリング装置による乗員への影響が懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、衝突時におけるステアリング装置による乗員への加害性を抑制したステアリングビーム支持構造を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係るステアリングビーム支持構造は、乗員が収容される車室の前部における側部でありかつ前輪の後方側に設けられ上下方向に延在するフロントピラーロワと、左右の前記フロントピラーロワの間にわたして設けられステアリング装置のステアリングコラムが取り付けられるステアリングビームとの連結箇所に設けられるステアリングビーム支持構造であって、ステアリングビームの車幅方向における端部から上下方向及び前後方向に張り出して形成されたブラケットと、前記ブラケットを前記フロントピラーロワに締結する機械的締結部材と、前記ブラケットを貫通して形成され前記機械的締結部材の軸部が挿通される溝部とを備え、前記溝部は、衝突時に発生するフロントピラーロワの後退に応じて、前記ブラケットをフロントピラーロワに対して上昇させる傾斜溝部を有することを特徴とする。
これによれば、衝突時に発生するフロントピラーロワの車室に対する後退に応じて、機械的締結手段の軸部が傾斜溝部を通過する際にブラケットをフロントピラーロワに対して上昇させることができる。
このため、ステアリング装置を上昇させ、ステアリングホイール等が乗員の大腿部や下腹部等に加害を与えることを防止できる。
本発明において、前記溝部は、衝突発生前においては前記傾斜溝に沿った前記ブラケットの前記フロントピラーロワに対する相対変位を拘束するとともに、衝突発生時におけるフロントピラーロワの傾斜変形に応じて前記拘束を解除する係止部を有する構成とすることができる。
これによれば、衝突発生前においては傾斜溝部に沿ったブラケットとフロントピラーロワとの相対変位を拘束し、車両の通常使用時におけるステアリングビームの支持強度を確保することができる。
上記発明において、前記ブラケットは、前記フロントピラーロワの上端部近傍に締結され、前記フロントピラーロワの前記傾斜は、上部が下部に対して車両後方側となる後傾である構成とすることができる。
これによれば、フロントピラーロワの後傾に応じて係止部が拘束を解除されることにより、フロントピラーロワの後傾が生じやすいスモールオーバラップオフセット衝突の発生時に上述した効果を確実に得ることができる。
本発明において、前記溝部は、前記フロントピラーロワの前記傾斜に伴う前記フロントピラーロワの前記ブラケットに対する相対回動時に前記軸部が通過する湾曲部と、前記湾曲部の端部から連続して直線状に形成された前記傾斜溝部とを有する構成とすることができる。
これによれば、衝突初期のブラケットのフロントピラーロワに対する相対回動を妨げず、スムースに軸部を傾斜溝部へ移動させてブラケットの上昇を開始させることができる。
本発明において、前記ブラケットは、前記ステアリングビームの前記ブラケットとの結合部近傍における中心軸に対して車両前方側かつ上方側に設けられた回転軸において、前記フロントピラーロワに対して回動可能に支持される構成とすることができる。
これによれば、フロントピラーロワの後傾回動に応じて発生するブラケットのフロントピラーロワに対する相対回動の回転モーメントを増加させ、上述した効果を促進することができる。
以上説明したように、本発明によれば、衝突時におけるステアリング装置による乗員への加害性を抑制したステアリングビーム支持構造を提供することができる。
本発明を適用したステアリングビーム支持構造の第1実施形態を有する車両の車体構造を車両上方から見た状態を示す模式的平面視図である。 第1実施形態のステアリングビーム支持構造を有する車両の車体構造を車幅方向から見た状態を示す模式的側面視図である。 第1実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突前の状態を示す図である。 第1実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突後にフロントピラーロワが傾斜した状態を示す図である。 第1実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突後にステアリングビームがフロントピラーロワに対して上昇した状態を示す図である。 本発明を適用したステアリングビーム支持構造第2実施形態を車幅方向から見た図であって衝突前の状態を示す図である。 第1実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突後にフロントピラーロワが傾斜した状態を示す図である。 第1実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突後にステアリングビームがフロントピラーロワに対して上昇した状態を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用したステアリングビーム支持構造の第1実施形態について説明する。
第1実施形態のステアリングビーム支持構造は、車室2の前方側にパワーユニットコンパートメント3が設けられた乗用車等の自動車に設けられるものである。
図1は、第1実施形態のステアリングビーム支持構造を有する車両の車体構造を車両上方から見た状態を示す模式的平面視図である。
図2は、図1の車体構造を車幅方向から見た状態を示す模式的側面視図である。
車体構造1は、車室2とパワーユニットコンパートメント3との接合部周辺の構成に特徴を有する。
車室2は、図示しない乗員等を収容する空間部である。
パワーユニットコンパートメント3は、例えば、図示しないエンジン、トランスミッション、モータジェネレータ、及び、その補機類などのパワーユニットを収容する空間部である。
パワーユニットコンパートメント3は、車室2の前端部から車両前方側へ張り出して形成されている。
車体構造1は、フロントピラーロワ10、フロントピラーアッパ20、トーボード30、トーボードクロスメンバ40、フロアパネル50、フロントサイドフレーム60、アッパフレーム70、ストラットハウジング80、サスペンションクロスメンバ90等を有して形成されている。
フロントピラーロワ10は、車室の前端部かつ左右側部にそれぞれ設けられた柱状の部材である。
フロントピラーロワ10は、上下方向に延在している。
フロントピラーロワ10は、長手方向と直交する平面で切って見た断面形状が閉断面として形成されている。
フロントピラーロワ10は、図示しないフロントウインドウガラス及びフロントドアガラスの下端部よりも下方側(いわゆるグリーンハウスよりも下方側)の領域に設けられている。
フロントピラーアッパ20は、フロントピラーロワ10の上端部から上方へ突き出した柱状の部材である。
フロントピラーロワ10、フロントピラーアッパ20は共同して車両のフロントピラー(Aピラー)を構成する。
フロントピラーアッパ20は、上端部が下端部に対して車両後方側となるように、後傾している。
また、フロントピラーアッパ20は、上端部が下端部に対して車幅方向内側となるように、内傾して配置されている。
フロントピラーアッパ20は、長手方向と直交する平面で切って見た断面形状が閉断面として形成されている。
フロントピラーアッパ20は、フロントウインドウガラスの側端部、及び、フロントドアガラスの前端部に沿って配置されている。
フロントピラーアッパ20の後端部は、図示しないルーフの側部に沿って延在する図示しないルーフサイドフレームに、連続的に接続されている。
ルーフサイドフレームには、図示しないセンターピラー(Aピラー)、リアピラー(Cピラー、Dピラー等)の上端部が接続される。
トーボード30は、左右のフロントピラーロワ10の間にわたして設けられたパネル状の部材である。
トーボード30は、車室2の下半部における前面部を構成する部分である。
トーボード30の上部31は、車幅方向から見たときに、上下方向に沿って延在している。
トーボード30の下部32は、上部31の下端部から下方へ張り出して形成されている。
下部32は、下端部が上端部(上部31との接続部)に対して車両後方側となるように、前傾して配置されている。
トーボードクロスメンバ40は、左右のフロントピラーロワ10の上部の間にわたして配置されている。
トーボードクロスメンバ40は、トーボード30の上部31に対して車両前方側へ張り出して形成されている。
トーボードクロスメンバ40は、フロントウインドウガラスの下端部に沿って延在している。
フロアパネル50は、車室2の床面部を構成するパネル状の部材である。
フロアパネル50は、トーボード30の下部32の下端部から、車両後方側へ張り出して形成されている。
フロアパネル50の側端部には、サイドシル51が設けられている。
サイドシル51は、閉断面を有しかつ車両前後方向に延在する構造部材である。
サイドシル51の前端部は、フロントピラーロワ10の下端部に結合されている。
フロントサイドフレーム60は、図示しないパワーユニット及びフロントサスペンションの一部を支持する車体の構造部材である。
フロントサイドフレーム60は、車室2の前部からパワーユニットコンパートメント3にかけて、車両前後方向に延在している。
フロントサイドフレーム60は、車両前後方向から見た断面形状が閉断面となるよう構成されている。
フロントサイドフレーム60の前部61は、トーボード30における上部31と下部32との接合部付近から、車両前方側へ突出して形成されている。
フロントサイドフレーム60の中間部62は、トーボード30の下部32の前面(下面)に沿って配置されている。
フロントサイドフレーム60の後部63は、フロアパネル50の下面に沿って、車両前後方向に延在している。
中間部62、後部63は、トーボード30、フロアパネル50にそれぞれ溶接等によって固定されている。
フロントサイドフレーム60は、フロントピラーロワ10よりも車幅方向内側に配置されている。
フロントサイドフレーム60は、車幅方向に離間して一対設けられている。
左右のフロントサイドフレーム60の間には、パワーユニットの主機等が配置される。
フロントサイドフレーム60の車幅方向外側には、前輪FWと、前輪FWを支持する図示しないサスペンション装置の一部が配置される。
アッパフレーム70は、フロントピラーロワ10の前部から車両前方側へ突き出した構造部材である。
アッパフレーム70は、車両前後方向から見たときに、矩形状の閉断面形状を有する。
アッパフレーム70の前端部は、ストラットハウジング80に対して車両前方側へ突出している。
アッパフレーム70の後端部は、フロントピラーロワ10の上端部近傍において、フロントピラーロワ10の前面部に、例えば溶接等により結合されている。
ストラットハウジング80は、サスペンション装置の一部を収容する部分である。
ストラットハウジング80は、例えば、下方側が開口したボックス状の構造体として形成することができる。
例えば、サスペンション装置がマクファーソンストラット式である場合には、ストラットハウジング80は、図示しないストラットの上部を収容する。
ストラットは、ショックアブソーバ及びその外径側に巻き回されたコイルスプリングを有する。
ショックアブソーバの下端部は、前輪FWが回転可能に取り付けられる図示しないハブベアリングハウジング(ハブナックル)に締結される。
ストラットハウジング80には、ストラットの上端部が締結される図示しないストラットトップマウント部が形成されている。
ストラットハウジング80の下部は、フロントサイドフレーム60の前部61の車幅方向外側の部分に溶接等により結合されている。
ストラットハウジング80とフロントサイドフレーム60との結合箇所は、フロントサイドフレーム60とトーボード30との結合箇所に対して車両前方側に、トーボード30との間に間隔を有して配置されている。
ストラットハウジング80の上部は、アッパフレーム70の車幅方向内側の側面部に、溶接等により結合されている。
サスペンションクロスメンバ90は、左右のフロントサイドフレーム60の前部61の間にわたして設けられる梁状の構造部材である。
サスペンションクロスメンバ90は、車両前後方向における位置が、ストラットハウジング80と隣接して配置されている。
サスペンションクロスメンバ90には、例えば、車両のパワーユニットが走行用動力源としてエンジンを有する場合には、エンジン主機を、弾性体を介して支持するエンジンマウントが設けられる。
また、サスペンションクロスメンバ90は、例えばトランスバースリンク(ロワアーム)などのサスペンション装置の構成部品が取り付けられる。
第1実施形態において、車両はさらにステアリング装置100を有する。
ステアリング装置100は、前輪FWに舵角を与え車両を操向するものである。
ステアリング装置100は、ステアリングホイール101、ステアリングコラム102、ブラケット103等を有する。
ステアリングホイール101は、図示しないドライバが操舵操作を入力する部材である。
ステアリングホイール101は、例えば円環状に形成されている。
ステアリングホイール101の中心軸は、上方から見た平面視においては、車両前後方向に沿って配置されている。
ステアリングホイール101の中心軸は、車幅方向から見た側面視においては、車両後方側が前方側に対して高くなるよう傾斜して配置されている。
ステアリングコラム102は、図示しないステアリングシャフトを、中心軸回りに回動可能な状態で収容する部分である。
ステアリングシャフトは、ステアリングホイール101の回転を図示しないステアリングギアボックスに伝達する回転軸である。
ブラケット103は、ステアリングコラム102を、ステアリングビーム110の中間部における下部に固定する部材である。
ステアリング装置100のステアリングコラム102は、以下説明するステアリングビーム110を介して車体構造1に取り付けられている。
ステアリングビーム110は、左右のフロントピラーロワ10の間にわたして設けられた梁状の部材である。
ステアリングビーム110の本体部は、例えば鋼製の丸パイプ材によって形成されている。
ステアリングビーム110は、ストレートな丸パイプ材を、その中心軸が車幅方向に沿うように配置して構成されている。
ステアリングビーム110の車幅方向における両端部は、左右のフロントピラーロワ10に、以下説明するブラケット120を介して取り付けられている。
ブラケット120は、フロントピラーロワ10と協働して、本発明のステアリングビーム支持構造として機能する。
図3は、第1実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突前の状態を示す図である。
ブラケット120は、ボルトB1、B2により、フロントピラーロワ10に締結されている。
図3に示す衝突発生前の状態において、ボルトB1は、ステアリングビーム110の中心軸に対して上方かつ車両後方側に配置されている。
ボルトB2は、ステアリングビーム110の中心軸に対して下方かつ車両前方側に配置されている。
ブラケット120には、ボルトB1、B2の軸部がそれぞれ挿入される溝部130、140が形成されている。
溝部130は、ボルトB1が挿入されるものである。
溝部140は、ボルトB2が挿入されるものである。
溝部130,140は、ブラケット120の厚さ方向(車幅方向)に貫通して形成されている。
溝部130は、円弧部131、直線部132を有する。
円弧部131は、衝突発生前にボルトB1が設けられる箇所から、車両後方側かつ下方方側(図3に示すように右側のフロントピラーロワ10を見たときに時計回り方向)へ延在して形成されている。
円弧部131は、ステアリングビーム110の中心軸と同心の円弧状に延在している。
円弧部131の終端部(ボルトB1の初期位置側とは反対側の端部)は、ステアリングビーム110の中心軸に対して上方かつ後方に配置されている。
直線部132は、円弧部131の終端部から、車両後方側かつ下方側へ向けて、水平方向に対して傾斜するよう、直線状に形成されている。
直線部132の後端部は、ブラケット120の後端縁部において、ボルトB1が通過可能なよう開放されている。
溝部140は、円弧部141、直線部142を有する。
円弧部141は、衝突発生前にボルトB2設けられる箇所から、車両前方側かつ上方側(図3に示すように右側のフロントピラーロワ10を見たときに時計回り方向)へ延在して形成されている。
円弧部141は、ステアリングビーム110の中心軸と同心の円弧状に延在している。
円弧部141の終端部(ボルトB2の初期位置側とは反対側の端部)は、ステアリングビーム110の中心軸に対して車両前方かつ下方に配置されている。
直線部142は、円弧部141の終端部から、下方側かつ車両後方側へ向けて、水平方向に対して傾斜するよう、直線状に形成されている。
直線部142の後端部は、ブラケット120の後端縁部において、ボルトB2が通過可能なよう開放されている。
直線部132,142は、スモールオーバラップオフセット衝突の発生時に、フロントピラーロワ10の後退に応じて、ブラケット120をフロントピラーロワ10に対して上昇させる傾斜溝部である。
円弧部141の車両後方側の端部143は、衝突発生前の状態において、ブラケット120のフロントピラーロワ10に対する直線部132,142に沿った相対移動を拘束する係止部として機能する。
上述した車体構造1において、フロントサイドフレーム60よりも車幅方向外側に主な入力を受けるスモールオーバラップオフセット衝突の発生時には、図2に示すように、前輪FWがサスペンション装置の破壊等を伴いつつ後退し、フロントピラーロワ10の中間部に衝突する。
これにより、フロントピラーロワ10の上部は、車幅方向から見たときに、上部が下部に対して車両前方となるように前傾するよう回動挙動を示す。
図4は、第1実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突後にフロントピラーロワが傾斜した状態を示す図である。
図4に示すように衝突後にはフロントピラーロワ10の上部(ブラケット120が取り付けられた領域)は前傾する回動挙動(図4の矢印A1方向)を示す。
このとき、ステアリングビーム110は、反対側のフロントピラーロワ10やステアリング装置100に拘束されているため、ブラケット120は、フロントピラーロワ10に追従して回動することはなく、フロントピラーロワ10のみが回動することになる。
フロントピラーロワ10は、ステアリングビーム110の中心軸回りにブラケット120に対して相対回動する。
この回動の結果、ボルトB1は、溝部130の円弧部131と直線部132との境界部まで移動する。また、ボルトB2は、溝部140の円弧部141と直線部142との境界部まで移動する。
図5は、第1実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突後にステアリングビームがフロントピラーロワに対して上昇した状態を示す図である。
図4に示す状態から、車体変形が進行し、フロントピラーロワ10がブラケット120に対して後退(矢印A2方向)すると、ブラケット120は、フロントピラーロワ10に対して上昇(矢印A3方向)を開始する。
溝部130,140の直線部132,142がカム溝として機能し、ボルトB1,B2の軸部がカムフォロワとして機能することにより、ブラケット120に対するフロントピラーロワ10の車両後方側への相対変位と連動し、ブラケット120は、フロントピラーロワ10に対して上昇する。
これにより、ステアリングビーム110及びこれに支持されたステアリング装置100は上昇し、ステアリングホイール101等が乗員の大腿部や下腹部へ傷害を与えることが防止される。
また、図5に示す状態よりもさらにフロントピラーロワ10の後退量が大きくなると、ボルトB1,B2は、溝部130,140の後端部から脱落し、ステアリングビーム110及びブラケット120は、フロントピラーロワ10から脱落する。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)スモールオーバラップオフセット衝突時に発生するフロントピラーロワ10の車室2に対する後退に応じて、ボルトB1,B2の軸部が溝部130,140の直線部132,142を通過する際に、ブラケット120をフロントピラーロワ10に対して上昇させることができる。
このため、ステアリング装置100を上昇させ、ステアリングホイー101ル等が乗員の大腿部や下腹部等に加害を与えることを防止できる。
(2)衝突が発生してフロントピラーロワ10が後傾する前は、ボルトB2が溝部140の端部143に係止され、直線部132,142に沿った方向のブラケット120のフロントピラーロワ10に対する相対変位を拘束することにより、車両の通常使用時(衝突発生前)におけるステアリングビーム110の支持強度を確保することができる。
(3)フロントピラーロワの後傾に応じて端部143によるボルトB2の拘束が解除されることにより、フロントピラーロワ10の後傾が生じやすいスモールオーバラップオフセット衝突の発生時に上述した効果を確実に得ることができる。
(4)溝部130,140が円弧部131,141、及び、直線部131,142を連続させて構成されていることにより、衝突初期のブラケット120のフロントピラーロワ10に対する相対回動を妨げず、スムースにボルトB1,B2を直線部132,142へ移動させてブラケット120の上昇を開始させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用したステアリングビーム支持構造の第2実施形態について説明する。
第2実施形態において、上述した第1実施形態と共通する箇所には同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図6は、第1実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突後にフロントピラーロワが傾斜した状態を示す図である。
第2実施形態においては、ブラケット120は、回転軸S回りにフロントピラーロワ10に対して回動可能に支持されている。
回転軸Sは、ブラケット120の上端部近傍かつ前端部近傍に配置されている。
回転軸Sは、中心軸を車幅方向に沿わせて配置されている。
ブラケット120は、ボルトB3、B4により、フロントピラーロワ10に締結されている。
図6に示す衝突発生前の状態において、ボルトB3は、ステアリングビーム110の中心軸に対して上方かつ車両後方側に配置されている。
ボルトB4は、ステアリングビーム110の中心軸に対して下方かつ車両後方側に配置されている。
ブラケット120には、第1実施形態の溝部130,140に代えて、ボルトB3、B4の軸部がそれぞれ挿入される溝部150、160が形成されている。
溝部150は、ボルトB3が挿入されるものである。
溝部160は、ボルトB4が挿入されるものである。
溝部150,160は、ブラケット120の厚さ方向(車幅方向)に貫通して形成されている。
溝部150は、円弧部151、直線部152を有する。
円弧部151は、衝突発生前にボルトB3が設けられる箇所から、車両前方側かつ下方方側(図6に示すように右側のフロントピラーロワ10を見たときに時計回り方向)へ延在して形成されている。
円弧部151は、回転軸Sと同心の円弧状に延在している。
円弧部151の終端部(ボルトB1の初期位置側とは反対側の端部)は、ステアリングビーム110の中心軸に対して上方かつ後方に配置されている。
直線部152は、円弧部151の終端部から、車両後方側かつ下方側へ向けて、水平方向に対して傾斜するよう、直線状に形成されている。
直線部152の後端部は、ブラケット120の後端縁部において、ボルトB3が通過可能なよう開放されている。
溝部160は、円弧部161、直線部162を有する。
円弧部161は、衝突発生前にボルトB4設けられる箇所から、車両前方側かつ下方側(図6に示すように右側のフロントピラーロワ10を見たときに時計回り方向)へ延在して形成されている。
円弧部161は、回転軸Sと同心の円弧状に延在している。
円弧部161の終端部(ボルトB4の初期位置側とは反対側の端部)は、ステアリングビーム110の中心軸に対して車両後方かつ下方に配置されている。
直線部162は、円弧部161の終端部から、下方側かつ車両後方側へ向けて、水平方向に対して傾斜するよう、直線状に形成されている。
直線部162の後端部は、ブラケット120の後端縁部において、ボルトB4が通過可能なよう開放されている。
直線部152,162は、スモールオーバラップオフセット衝突の発生時に、フロントピラーロワ10の後退に応じて、ブラケット120をフロントピラーロワ10に対して上昇させる傾斜溝部である。
円弧部161の車両後方側の端部163は、衝突発生前の状態において、ブラケット120のフロントピラーロワ10に対する直線部152,162に沿った相対移動を拘束する係止部として機能する。
図7は、第2実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突後にフロントピラーロワが傾斜した状態を示す図である。
図7に示すように衝突後にはフロントピラーロワ10の上部(ブラケット120が取り付けられた領域)は前傾する回動挙動(矢印A4方向)を示す。
このとき、ステアリングビーム110は、反対側のフロントピラーロワ10やステアリング装置100に拘束されているため、ブラケット120は、フロントピラーロワ10に追従して回動することはなく、フロントピラーロワ10のみが回動することになる。
フロントピラーロワ10は、回転軸S回りにブラケット120に対して相対回動する。
この回動の結果、ボルトB3は、溝部150の円弧部151と直線部152との境界部まで移動する。また、ボルトB4は、溝部160の円弧部161と直線部162との境界部まで移動する。
また、回転軸Sは、ボルトB3,B4が、円弧部151,161の週端部に突き当たったときの衝撃により、破断する構成とすることができる。
図8は、第2実施形態のステアリングビーム支持構造を車幅方向から見た図であって衝突後にステアリングビームがフロントピラーロワに対して上昇した状態を示す図である。
図7に示す状態から、フロントピラーロワ10がブラケット120に対して後退(矢印A5方向)すると、ブラケット120は、フロントピラーロワ10に対して上昇(矢印A6方向)を開始する。
溝部150,160の直線部152,162がカム溝として機能し、ボルトB3,B4の軸部がカムフォロワとして機能することにより、ブラケット120に対するフロントピラーロワ10の車両後方側への相対変位と連動し、ブラケット120は、フロントピラーロワ10に対して上昇する。
これにより、ステアリングビーム110及びこれに支持されたステアリング装置100は上昇し、ステアリングホイール101等が乗員の大腿部や下腹部へ傷害を与えることが防止される。
また、図8に示す状態よりもさらにフロントピラーロワ10の後退量が大きくなると、ボルトB3,B4は、溝部150,160の後端部から脱落し、ステアリングビーム110及びブラケット120は、フロントピラーロワ10から脱落する。
以上説明した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果と同様の効果に加えて、フロントピラーロワ10の後傾回動に応じて発生するブラケット120のフロントピラーロワ10に対する相対回動の回転モーメントを増加させ、上述した効果を促進することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)ステアリングビーム支持構造、車体構造は、上述した各実施形態に限らず、適宜変更することができる。
これらを構成する各部材の形状、構造、材質、製法、配置、数量、結合手法などは、実施形態の構成に限らず、適宜変更することができる。
(2)各実施形態におけるブラケットの溝部の構成は一例であって、溝部の配置、形状や、本数は、適宜変更することができる。
1 車体構造 2 車室
3 パワーユニットコンパートメント
10 フロントピラーロワ 20 フロントピラーアッパ
30 トーボード 31 上部
32 下部 40 トーボードクロスメンバ
50 フロアパネル 51 サイドシル
60 フロントサイドフレーム 61 前部
62 中間部 63 後部
70 アッパフレーム 71 上面部
72 下面部 73 内側側面部
74 外側側面部 80 ストラットハウジング
90 サスペンションクロスメンバ
100 ステアリング装置 101 ステアリングホイール
102 ステアリングコラム 102 ブラケット
110 ステアリングビーム 120 ブラケット
130 溝部 131 円弧部
132 直線部 140 溝部
141 円弧部 142 直線部
143 端部 150 溝部
151 円弧部 152 直線部
160 溝部 161 円弧部
162 直線部 163 端部
B1,B2,B3,B4 ボルト
S 回転軸

Claims (5)

  1. 乗員が収容される車室の前部における側部でありかつ前輪の後方側に設けられ上下方向に延在するフロントピラーロワと、
    左右の前記フロントピラーロワの間にわたして設けられステアリング装置のステアリングコラムが取り付けられるステアリングビームと
    の連結箇所に設けられるステアリングビーム支持構造であって、
    ステアリングビームの車幅方向における端部から上下方向及び前後方向に張り出して形成されたブラケットと、
    前記ブラケットを前記フロントピラーロワに締結する機械的締結部材と、
    前記ブラケットを貫通して形成され前記機械的締結部材の軸部が挿通される溝部とを備え、
    前記溝部は、衝突時に発生するフロントピラーロワの後退に応じて、前記ブラケットをフロントピラーロワに対して上昇させる傾斜溝部を有すること
    を特徴とするステアリングビーム支持構造。
  2. 前記溝部は、衝突発生前においては前記傾斜溝に沿った前記ブラケットの前記フロントピラーロワに対する相対変位を拘束するとともに、衝突発生時におけるフロントピラーロワの傾斜変形に応じて前記拘束を解除する係止部を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のステアリングビーム支持構造。
  3. 前記ブラケットは、前記フロントピラーロワの上端部近傍に締結され、
    前記フロントピラーロワの前記傾斜は、上部が下部に対して車両後方側となる後傾であること
    を特徴とする請求項2に記載のステアリングビーム支持構造。
  4. 前記溝部は、前記フロントピラーロワの前記傾斜に伴う前記フロントピラーロワの前記ブラケットに対する相対回動時に前記軸部が通過する湾曲部と、前記湾曲部の端部から連続して直線状に形成された前記傾斜溝部とを有すること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のステアリングビーム支持構造。
  5. 前記ブラケットは、前記ステアリングビームの前記ブラケットとの結合部近傍における中心軸に対して車両前方側かつ上方側に設けられた回転軸において、前記フロントピラーロワに対して回動可能に支持されること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のステアリングビーム支持構造。
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