JP2023076215A - 面発光型モジュール、および、その製造方法 - Google Patents

面発光型モジュール、および、その製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロレンズと発光素子の上面との距離の精度を向上させ、発光素子から出射される光をマイクロレンズによって高精度に集光させることのできる面発光型モジュールを提供する。【解決手段】封止蓋に貫通孔を設け、貫通孔の内壁にレンズ保持台を設ける。マイクロレンズは、貫通孔内に配置し、レンズ保持台の上面と第1接合部により固定する。発光素子の上面は、レンズ保持台の下面と第2接合部により固定する。搭載部に凹部を設け、その縁と、封止蓋の下面とを第3接合部によって接合する。第1接合部および第2接合部は、いずれもフラックスを含まない金属接合により接合する。第3接合部は、はんだまたは接着剤により接合する。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロレンズアレイを一体化した半導体発光装置に関し、特に光源として垂直共振器型面発光レーザー(以下、VCSELと呼ぶ)を用いた半導体発光装置に関する。
垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)とマイクロレンズアレイを集積した半導体発光装置として、種々の構造が提案されている。
例えば、特許文献1には、マイクロレンズに高さの等しい複数本の脚部を設け、VCSELが搭載されている基板上に立設させることにより、素子の厚み誤差や方向誤差に左右されず、マイクロレンズを信頼性・再現性の良く基板上に実装する装置が開示されている。また、この構造では、素子封止のために、基板にマイクロレンズの脚部を挿入するための凹部を設けている。
また、特許文献2には、VCSELを外部の湿気から保護するために、凹部を備えた導電性放熱基板の凹部内にVCSELを実装し、凹部の開口を封止用ガラス基板で封止した構造が開示されている。VCSELの上部電極は、封止用ガラス基板の下面に接触しており、ガラス基板の下面に設けられた透明電極に電気的に接続されている。
特許文献3には、マイクロレンズに脚部を設け、VCSELが搭載される基板上に搭載する構造が開示されている。製造時には、マイクロレンズの脚部の下面と、基板との間を、溶融した接着剤(AuSn)によって満たし、溶融した接着剤の復元力により、基板とマイクロレンズの脚部とを、基板の主平面内においてセルフアライメントさせる。
特許文献4には、発光体からの出力光を平行ビームとして取り出すために、面発光レーザーが搭載された基板上に、脚部を設けた成形レンズを搭載し、はんだバンプで固定した構造が開示されている。
特許文献5には、基板に搭載された発光チップの側面に接するように周囲に支持枠を立設させ、支持枠の最上部にレンズを搭載した構造が開示されている。支持枠の内側には、発光チップの高さよりも高い位置に突起が設けられ、突起と発光チップ上面との間は、溶接ボールが挿入されている。これにより、発光チップの上面は、フレームと電気的に接続されている。また、発光チップと基板との間には、発光チップと同サイズの放熱基板が挟まれ、放熱基板と発光チップとは、導電性接着剤層により接着されている。
特許第5107559号公報 特開2009-027088号公報 特許第6536004号公報 特開2006-202998号公報 特許第6821630号公報
VCSELから出射される光のマイクロレンズによる集光精度を向上させ、マイクロレンズから出射されるビーム径をより小さくするためには、VCSELの発光面とマイクロレンズとの距離の精度を向上させる必要がある。
しかしながら、特許文献1の構造の場合、マイクロレンズに複数本の脚部を設けるため、複数本の脚部の精度が、VCSELの発光面とマイクロレンズとの距離に影響を与える。また、VCSEL自体の高さの誤差や、VCSELを基板に固定するための接合材の高さの誤差が、VCSELの発光面とマイクロレンズとの距離の誤差になる。
特許文献2の構造は、ガラス基板をVCSELの上面に直接接合するため、この構造でガラス基板にマイクロレンズ構造を適用する場合、ガラス基板の上面をマイクロレンズ構造に加工する必要がある。ガラス基板の上面をマイクロレンズ構造にする場合、ガラス基板の厚みによってVCSELとマイクロレンズとの距離が決定される。また、ガラス基板の上面にマイクロレンズ構造への加工性および耐久性を担保するためには、ガラス基板として一定の厚さ以上のものを用いる必要がある。VCSELとマイクロレンズ間の距離の設計自由度が極めて重要であるが、特許文献2の構造の場合、VCSELとマイクロレンズ間の距離が、ガラス基板の厚さによって決まってしまうという問題が生じる。
また、特許文献2の構造において、ガラス基板の上面にマイクロレンズ構造を設けた場合、上面が凹凸になるため、製造工程において、ガラス基板の上面を吸着ピンセットで吸着して保持する際に、通常の吸着ピンセットでは吸着できず、特殊な形状の治具を真空ピンセットの先端に取り付ける必要がある。
特許文献3、4の構造は、マイクロレンズとVCSELの上面との距離の精度が、マイクロレンズと基板との間を満たす溶融した接着剤(AuSn)やはんだバンプの高さの精度に依存するという問題がある。溶融した接着剤(AuSn)やはんだバンプの高さ精度は、接着剤やバンプの量や濡れ広がり方に依存し、精度を向上させるのには限界がある。
特許文献5の構造は、マイクロレンズとVCSELの上面との距離の精度が、どVCSELを放熱基板に接着する導電性接着剤層の厚さの誤差と、VCSELの高さの誤差によって決まる。導電性接着剤層は、接着時にVCSELを押し付ける押圧により容易に厚さが変化するため、製造誤差が大きい。そのため、特許文献5の構造は、マイクロレンズとVCSELの上面との距離の精度向上させるのが難しい。
本発明の目的は、マイクロレンズと発光素子の上面との距離の精度を向上させ、発光素子から出射される光をマイクロレンズによって高精度に集光させることのできる面発光型モジュールを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の面発光型モジュールは、上面に凹部が形成された搭載部と、凹部の開口を覆って封止する封止蓋と、凹部内に配置され、上面から発光する発光素子と、発光素子から発せられた光を所望のビーム形状にするマイクロレンズとを有する。
封止蓋は、貫通孔と、所定の厚さのレンズ保持台とを備えている。
マイクロレンズは、レンズ保持台の上面と第1接合部により固定される。
発光素子の上面は、レンズ保持台の下面と第2接合部により固定される。
搭載部の凹部の縁と、封止蓋の下面とは、第3接合部によって接合される。
第1接合部および第2接合部は、いずれもフラックスを含まない金属接合による接合部であり、第3接合部は、はんだまたは接着剤による接合部である。
本発明によれば、発光素子とマイクロレンズの距離が、これらがいずれも金属接合によって接合されるレンズ保持台の厚さによって決まるため、発光面である発光素子の上面とマイクロレンズとの距離精度を高めることができ、発光素子からの光をマイクロレンズによって精度よく集光することができる。
本発明の実施形態1の面発光型モジュール100の断面図。 実施形態1の面発光型モジュール100の各部品の斜視図。 実施形態1の面発光型モジュール100の(a)封止蓋13の下面図、(b)サブマウント基板11の上面図、(c)VCSEL31の上面図、(d)VCSEL31の下面図。 (a)~(c)実施形態1の面発光型モジュール100の組み立て工程を説明する斜視図。 実施形態1の面発光型モジュール100のVCSEL31の一部断面図。 実施形態2の面発光型モジュール100の(a)VCSEL31の上面図、(b)VCSEL31の下面図、(c)サブマウント基板11の上面図。 本発明の実施形態2の面発光型モジュール100の断面図。 実施形態2の面発光型モジュール100の組み立て工程を説明する斜視図。 実施形態3の面発光型モジュール100の(a)封止蓋13の下面図、(b)サブマウント基板11の上面図。 (a)~(d)実施形態3の面発光型モジュール100の組み立て工程を説明する斜視図。
本発明の一実施形態について図面を用いて以下に説明する。
<<<実施形態1>>>
<<概要>>
実施形態1の面発光型モジュールについて図1等を用いて説明する。図1は、に実施形態1の面発光型モジュール100の断面図である。図2は、面発光型モジュール100の各部品の斜視図である。
図1および図2のように、面発光型モジュール100は、上面に凹部12が形成された搭載部11と、凹部12の開口を覆って封止する封止蓋13と、発光素子31と、マイクロレンズ15とを備えて構成される。
発光素子31は、上面から発光する面発光素子である。本実施形態では、発光素子31として、垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)を用いる。
封止蓋13は、中央に上下に貫通する貫通孔を備えている。貫通孔の内壁には、貫通孔の内側に向かって突出するレンズ保持台16が設けられている。レンズ保持台16は、所定の一様な厚さd2を有している。ここでは、封止蓋13は、板状であり、レンズ保持台16は、封止蓋13の主平面に平行に貫通孔の内壁から突出している。
貫通孔の内壁形状は、マイクロレンズ15の外形に一致する形状であり、レンズ保持台16は、貫通孔の内壁の全周に沿って設けられている。レンズ保持台16の下面は、封止蓋13の下面と連続した平面となるように形成されている。
マイクロレンズ15は、封止蓋13の貫通孔内のレンズ保持台16の上部空間(レンズ嵌合部13a)に嵌合され、レンズ保持台16の上面と第1接合部14により固定されている。
なお、ここでは、封止蓋13の貫通孔内にレンズ保持台16を設けれているが、封止蓋13に貫通孔を設け、封止蓋13自体をレンズ保持台16として用いることも可能である。すなわち、封止蓋13の上面にマイクロレンズ15を第1接合部14により接合する構成にしてもよい。
搭載部11として、ここでは凹部12を設けたサブマウント基板(以下、サブマウント基板11と呼ぶ)を用いる。なお、搭載部11は、板状のサブマウント基板に凹部12を成形や切削等により設けたものに限定されるものではなく、所望の形状の部材に縁部材を接合したもの等、凹部12が形成された所望の形状の部材を搭載部11として用いることが可能である。
発光素子31は、サブマウント基板11の凹部12内に配置され、レンズ保持台16の下面に対して、第2接合部17により固定されている。
これにより、発光素子31の上面(発光面)と、マイクロレンズ15は、レンズ保持台16を挟んで対向した構造となる。マイクロレンズ15は、発光素子31の上面から発せられた光を所望のビーム形状にして、マイクロレンズ15の上面から上方に出射する。
発光素子31の上面とマイクロレンズ15の下面との距離は、レンズ保持台16の厚さと、第1接合部14と、第2接合部17の厚さによって決定される。
一方、サブマウント基板11の凹部12の縁と、封止蓋13の下面とは、第3接合部18によって接合されている。
また、本実施形態では、発光素子31の下面とサブマウント基板11の凹部12とは、第4接合部19によって接合されている。
このとき、第1接合部14および第2接合部17は、いずれもフラックスを含まない金属接合による接合部であり、第3接合部18は、フラックスを含むはんだまたは接着剤による接合部である。
第1接合部14および第2接合部17のようにフラックスを含まない金属接合としては、フラックスを含まない共晶接合、および、拡散接合を含む。フラックスを含まない共晶接合による接合部は、共晶を構成する2以上の金属を含有する層、または、共晶を構成する2以上の金属の層の積層体を気相成長法等により、予め膜厚を精度よくコントロールして形成しておき、接合時に、これらの層を共晶温度まで加熱することにより形成することができる。また、拡散接合による接合部は、2以上の金属を固相のまま、超音波により摺合わせたり、加熱押圧することにより形成することができる。本実施形態では、フラックスを含まない金属接合として、フラックスを含まない共晶接合を用いる場合を例に説明する。
すなわち、本実施形態では、発光素子31の上面とマイクロレンズ15の下面との距離を決定する要素となる第1接合部14と、第2接合部17を、フラックスを含まない金属接合にしたことにより、厚さを高精度にコントロールして製造することができる。これにより、発光素子31の上面とマイクロレンズ15の下面との距離を、高い精度で所定の距離に形成することができる。
一方、第3接合部18は、はんだまたは接着剤による接合部であるので、はんだや接着剤を、サブマウント基板11の凹部12の縁および封止蓋13の下面の縁の片方または両方に塗布した後、両者を位置合わせして硬化させることにより形成することができる。
このとき、未硬化のはんだや接着剤の厚さは、封止蓋13の押圧量や、はんだまたは接着剤の塗布量によって、容易に調整することができるため、サブマウント基板11の凹部12の縁と封止蓋13の下面を固定する第3接合部18を所望の厚さで形成することができる。
また、はんだや接着剤は、気密に封止するのに必要な量を容易に塗布して硬化させることができるため、気密に封止する第3接合部18を形成できる。
また、はんだを用いる場合、たとえ共晶はんだであっても、フラックスを含有させることにより、溶融させるために必要な加熱温度を、フラックスを含有しない共晶接合よりも低温にすることができる。接着剤の硬化に必要な温度は、一般的に、金属の共晶温度よりも低温である。よって、フラックスを含まない共晶接合部である第1接合部14および第2接合部17よりも低温で、第3接合部18を接合することができるため、第1接合部14および第2接合部17を再溶融させることなく、第3接合部18を接合できる。
また、第3接合部18のみならず第4接合部19も、はんだまたは接着剤による接合部にすることにより、発光素子31の高さが設計変更や誤差が生じたり、凹部12の深さに誤差が生じた場合であっても、第3接合部18または第4接合部19のはんだまたは接着剤の塗布量を調整したり、封止蓋13の押圧量を調整することにより、発光素子31の高さが設計変更や誤差や凹部12の深さの誤差があっても、それらに対応して、第3接合部18の気密封止および発光素子31の底面の接合が可能である。
また、本実施形態では、マイクロレンズ15の下面のうち、レンズ保持台16に固定されていない領域に所望のレンズ形状が形成されている。マイクロレンズ15の上面は、平面である。これにより、発光素子31からレンズ形状(マイクロレンズ15の下面)までの距離は、レンズ保持台16の厚さd2と第1接合部14および第2接合部17の厚さによって決まり、マイクロレンズ15の厚さに依存しない。よって、発光素子31の上面からの光を、マイクロレンズ15のレンズ面によって集光することができる。
また、サブマウント基板11の凹部12の縁と封止蓋13を接合する第3接合部18を、はんだまたは導電性の接着剤により構成することにより、導電性にすることが可能である。この場合、封止蓋13の下面に、金属層20を配置して、金属層20が第3接合部18および第2接合部17に接触して、両者を電気的に接続する構成にすることができる。これにより、発光素子31の上面の上面電極(不図示)を、第2接合部17、金属層20、および、第3接合部18を介して、サブマウント基板11に電気的に接続することができる。これにより、サブマウント基板11から発光素子31の上面電極に給電することができる。例えば、サブマウント基板11が絶縁性である場合、第3接合部18に接する位置に、ビアを設け、ビア内に導電体(金属)を充填した第1導電体領域21を形成することにより、第1導電体領域21を介して、発光素子31の上面電極に給電できる。
また、発光素子31の下面とサブマウント基板の凹部の底面とを接続する第4接合部19を、導電性の接合部にすることにより、発光素子31の下面に配置された下面電極を第4接合部19を介して基板と電気的に接続することができる。例えば、サブマウント基板11の第4接合部19が接する位置に、ビアを設け、ビア内に導電体を充填した第2導電体領域22を形成することにより、第2導電体領域22を介して、発光素子31の下面電極に給電できる。
なお、第3接合部18および第4接合部19は、フラックスを含有するはんだで形成した場合、第3接合部18および第4接合部19は、フラックス残渣を含有する。これに対し、第1接合部14および第2接合部17は、フラックスを含まない共晶接合部であるので、フラックス残渣を含有しない。
<<具体的な構造例>>
本実施形態の面発光型モジュール100の具体的な構造の一例について説明する。なお、本実施形態の面発光型モジュール100は、下記構成に限定されるものではない。
面発光型モジュール100は、発光素子(以下、VCSELと呼ぶ)31の上面からの出射光が、マイクロレンズ15に入射し、コリメートされた光が上方に向かって放射される。
<サブマウント基板11>
サブマウント基板11は、AlN(窒化アルミニウム)から成る絶縁性の基板に、Cu(銅)が充填されたビアを設けることにより、第1導電体領域21および第2導電体領域22を形成している。
<封止蓋13>
封止蓋13は、サブマウント基板11と同一材料であるAlNから成り、レンズ保持台16を有する貫通穴が中央部に形成され、貫通孔にはマイクロレンズ15が嵌合されている。
<マイクロレンズ15>
マイクロレンズ15は、合成石英ガラスから成り、下面の中央領域がレンズ形状に加工されている。図1の例では、マイクロレンズ15の下面の中央領域はアレイレンズの形状に加工されている。マイクロレンズ15下面の周縁部および上面全体は、平面である。レンズ形状に加工された中央領域は、VCSEL31の上面の発光領域と対向している。マイクロレンズ15のレンズ材料は、VCSEL31の発光波長に応じて、合成石英ガラスをはじめとするガラス材料やプラスチック材料等、任意の材料から適切なものを選択することが好ましい。
<VCSEL31>
図3(c)に示すように、VCSEL31は、単数、またはマトリクス状に配列された複数の発光領域31cを有し、発光領域31c以外の素子上面にAu層である上面電極31aが設けられている。一方、図3(d)に示すように、VCSEL31の素子下面には、共通の下面電極31bとしてAu層が備えられている。VCSEL31の詳しい層構造については、後述する。
<第1~第4接合部>
サブマウント基板11の下面全体には、金属層20として、Au層が設けられている。
マイクロレンズ15とレンズ保持台16とを接合する第1接合部14は、フラックスを含まないAuSn共晶により構成されている。
レンズ保持台16とVCSEL31とを接合する第2接合部17は、フラックスを含まないAuSn共晶により構成されている。
封止蓋13とサブマウント基板11とを接合する第3接合部18は、例えばAgやAu、Cu、Snといった金属とフラックスから成るはんだペースト、ボールはんだ、Auバンプによって形成される。
VCSEL31とサブマウント基板11とを接合する第4接合部19は、例えばAgやAu、Cu、Snといった金属とフラックスから成るペースト、ボールはんだ、Auバンプによって形成される。なお、第4接合部19と第3接合部18とを同じ材料で構成する等、同じ焼成温度で焼成できる材料で構成することにより、同一の工程で第4接合部19と第3接合部18とを同時焼成することが可能になる。
<各部のサイズの一例>
各部のサイズの一例は以下の通りである。VCSEL31のチップサイズは、横1.4mm*縦0.9mm*厚さ0.2mmである。サブマウント基板11の外形は、横2.4mm*縦1.9mm*厚さ0.4mmである。封止蓋13の外形は、横2.4mm*縦1.9mm*厚さ0.8mmである。マイクロレンズ15の外形は横1.0mm*縦1.0mm*厚さ0.6mmである。レンズ保持台16が設けられている位置の封止蓋13の貫通孔(レンズ窓)の形状は、横1.0mm*縦1.0mm*厚さ0.2mmである。ただし、上記寸法は一例であり、本実施形態の面発光型モジュール100のサイズを限定するものではない。
<製造方法の一例>
以下、本実施形態の面発光型モジュール100の製造方法について図2~図4を用いて説明する。
(封止蓋13の製造工程例)
AlN板を用意し、レンズ保持台16とレンズ嵌合部13aを有する貫通穴を中央に設けることにより、封止蓋13を製造する。
このとき、レンズ保持台16の厚さd2は、このあと形成される第1接合部14および第2接合部17の厚さと合わせて、マイクロレンズ15とVCSEL31との距離を決定するため、予め設計したおいた値と等しくなるように精度よく形成する。また、レンズ嵌合部13aの高さd3は、マイクロレンズの厚みもしくはそれ以下となるように設計されている。
次に、図3(a)に示したように、封止蓋13の下面の全体に、金属層20として、Au層を厚さ1μmで形成する。また、VCSEL31と接合する第2接合部17となる領域に、AuSn層(組成:Au80%、Sn20%)を厚さ3μmに成膜する。
また、図2のレンズ保持台16の上面全体には、第1接合部14の一部となるAu層を厚さ1μmに成膜する。
(サブマウント基板11の製造工程例)
AlN板を用意し、VCSEL31を実装部するための凹部12を所定の深さd1で形成する。AlN板の凹部12の縁の位置と、凹部12底面のVCSEL31を搭載する領域に、サブマウント基板11を厚さ方向に貫通するにビアを設け、Cuを充填することにより、第1導電体領域21と、第2導電体領域22を形成する。これにより、サブマウント基板11を製造する。
つぎに、図2および図3(b)に示すように、サブマウント基板11の凹部12の縁の上面領域11aと、凹部12の底面のVCSEL31を接合する領域11bにAu層を成膜する。
(マイクロレンズ15の製造工程例)
下面の中央領域がレンズアレイに加工されたマイクロレンズ15を用意し、下面の周縁部に、第1接合部14の一部となるAuSn層(組成:Au80%、Sn20%)を厚さ3μmに成膜する。
(組み立て工程例)
まず、図4(a)のように、VCSEL31の上面電極31a(Au電極)の周縁部と、封止蓋13の下面のAuSn層を位置合わせして接触させ、VCSEL31と封止蓋13とをAuSnの共晶点(280℃)に加熱する。これにより、AuSn共晶の第2接合部17を形成し、封止蓋13の下面にVCSEL31をフラックスを含まないAuSn共晶により接合する。
つぎに図4(b)のように、マイクロレンズ15を封止蓋13のレンズ嵌合部13aに嵌合し、マイクロレンズ15の下面の周縁部のAuSn層と、レンズ保持台16の上面のAu層とを接触させ、封止蓋13とマイクロレンズ15とをAuSnの共晶点(280℃)に加熱する。これにより、AuSn共晶の第1接合部14を形成し、封止蓋13の上面にマイクロレンズ15をフラックスを含まないAuSn共晶により接合する。
これにより、マイクロレンズ15の外周とレンズ保持台16には、AuSn共晶の金属膜である第1接合部14が形成され、マイクロレンズ15の外周は封止される。また、図4(a)でVCSEL31を封止蓋13に固定した後、図4(b)の工程でマイクロレンズ15を封止蓋13に工程することにより、VCSEL31とマイクロレンズ15を精度よく位置合わせすることができる。
つぎに、図4(c)に示すように、サブマウント基板11の凹部12のVCSEL31を接合する領域11bのAu層と、凹部12の周縁の上面領域11aのAu層にAuSn 共晶はんだペーストを塗布する。AuSn 共晶はんだペーストは、フラックスを含有する。
そして、マイクロレンズ15およびVCSEL13が接合されている封止蓋13を、サブマウント基板11に搭載して、所定の温度(例えば280℃)に加熱して、AuSn 共晶はんだペーストを焼成する。
これにより、AuSn共晶により封止蓋13の周縁部とサブマウント基板11の凹部12の縁とを接合する第3接合部18を形成すると同時に、VCSEL31の下面電極31bをサブマウント基板11の凹部12の領域11bに接合する第4接合部19を形成する。
第3接合部18と第4接合部19を形成することにより、VCSEL31の上面電極31aと下面電極31bを、サブマウント基板11の第1導電体領域21と第2導電体領域22に電気的に接続することができる。同時に、封止蓋13とサブマウント基板11の外周部を気密封止することができる。
以上の工程により、面発光型モジュール100を製造することができる。なお、この後の工程で、面発光型モジュール100のサブマウント基板11は、図示していない放熱回路基板に実装される。
上記組み立て工程では、高温に加熱する必要があるフラックスを用いない共晶接合の第1接合部14と第2接合部17の形成を、フラックスを含有する共晶はんだペーストを用いる第3接合部18および第4接合部19の形成よりも前に行う。よって、第3接合部18および第4接合部19の接合の際に、第1接合部14と第2接合部17のAuSn共晶の再溶融を防止できる。
<VCSEL31の構造例>
ここで、VCSEL31の構造の一例について具体的に説明する。図5に青色レーザ光(例えば波長450nm前後)の出射するVCSEL31の一つの発光領域31cの直下の断面図を示す。
図5のVCSEL31は、GaN(窒化ガリウム)から成る導電性の基板51の下面に順に形成された、n型ドーピングにより導電性を持たせた半導体から成る第1反射鏡52と、n型半導体層53、量子井戸層を含む活性層54、電子ブロック層55及びp型半導体層56から成る積層構造を有する。第1反射鏡52は、屈折率の異なる半導体の多層膜から成る。
電子ブロック層55には、GaNよりもバンドギャップエネルギーが大きい材料、たとえばAlGaN等の窒化アルミニウムガリウム系半導体層を用いることができる。
第1反射鏡52ならびにn型半導体層53、活性層54、電子ブロック層55及びp型半導体層56は、GaN系半導体基板51上にMOCVD法を用いたエピタキシャル成長により構成される。
基板51の上面には、たとえばAu等の上面電極31aが成膜されている。
p型半導体層56の下面には、たとえばSiO2等の絶縁膜57が形成されている。絶縁膜57の下面には、たとえばITO等の透明電極層58が形成されている。絶縁膜57には、開口部が設けられており、透明電極層58は、絶縁膜57の開口部においてp型半導体層56と接触し、電流狭窄を行う。
透明電極層58の下面には、波長調整層として、例えばNb2O5等の誘電体層が配置され、続けて誘電体多層膜から成る第2反射鏡60が配置される。
第1反射鏡52、第2反射鏡60は、共に分布ブラッグ反射鏡(DBR)であり、1/4波長の光学膜厚で屈折率の異なる材料を交互に積層した構成である。
半導体から成る第1反射鏡52は、低反射率側(光出射側)として用いられる。第1反射鏡52は、たとえばGaN/InAlNの40~50ペアによる積層構造で、たとえばSiドーピングによってn型半導体とすることで導電性を付与する。
誘電体から成る第2反射鏡60は、高反射率側として用いられる。第2反射鏡60は、SiO2/Nb2O5の5~15ペアによる積層構造である。
活性層54は、量子井戸層構造である。たとえばInGaN/GaNの2~5ペアによる積層構造であり、総厚20~50nmである。
電子ブロック層55は、たとえば20nmのAlGaNであり、活性層54とp型半導体層56の間に位置する。
P型半導体層56およびn型半導体層53の厚みは、共振器内で生じる定在波の強度分布に対して活性層54と透明電極層58が所望の位置に位置し、かつ、共振器長が設計値となるように適宜調整する。
具体的には、光出射(縦)方向の光閉じ込めを効率的に行うため、活性層54は、定在波の強度分布の腹に当たる部分に位置するよう設計することが好ましい。
また透明電極層58として用いるITOは、光吸収が大きいため、定在波の強度分布の節に当たる部分に位置するよう設計する。透明電極層58であるITOの厚みは20nm未満が好ましい。
<効果>
本実施形態の面発光型モジュール100は、簡易な構成でありながら、VCSEL31とマイクロレンズ15間の距離精度が高く、しかもVCSEL31の封止を実現できる。
また、マイクロレンズ15の上面は平面であり、下面のみにレンズアレイ形状を備えた簡素な形状のため、ガラスのような加工にコストがかかる材料を材料としても選択でき、材料選択の幅を広げることができる。
また、マイクロレンズ15の下面のみにレンズアレイ形状を備えた形状であるため、VCSELとマイクロレンズ間の距離をレンズ部材の厚さで規定する構造と比較して、VCSEL31とマイクロレンズ15間の距離を小さくすることができる。よって、VCSEL31とマイクロレンズ15間の距離の制限を受けることなくビーム径の設計が可能となる。また、レンズアレイ形状が、外側に露出していないため、レンズアレイ形状マイクロレンズの加工性や耐久性を高めることができる。
また、マイクロレンズ15の上面が平面であるため、図4(b)の工程でレンズを搬送する際や、完成後に面発光型モジュール100を回路基板に実装する際に、マイクロレンズ15の上面を大面積で安定して吸着して、搬送し、均一な荷重で実装することが可能となる。よって、一般的な装置や備品によって、マイクロレンズ15の搬送や、完成後の面発光型モジュール100の搬送および実装が可能であり、量産性に優れる。
VCSEL31とマイクロレンズ15間の距離に影響を与える構成要素は、レンズ保持台16と、第1接合部14と、第2接合部17の厚みのみであり、誤差がVCSEL31とマイクロレンズ15間の距離に影響を与える構成要素が少ない。よって、VCSEL31とマイクロレンズ15間の距離精度が高い面発光型モジュール100を実現できる。
また、本実施形態の面発光型モジュール100は、VCSEL31の厚みがVCSEL31とマイクロレンズ15間の距離に影響を与えないため、VCSEL31の厚さが大幅に変わる設計変更を行った場合も容易にレンズアライメントが実現できる。例えば、VCSEL31において、第1反射鏡52として、半導体DBRを採用し、第2反射鏡60として、誘電体DBRを採用する場合、基板51上に半導体DBR52を成長させて作成する。これは図5の構成そのものである。
なお、両側に誘電体DBRを採用するVCSEL31を用いることも可能であり、その場合、上面電極31a、第1反射鏡52を除いたものを作製後、基板51を除去、n型半導体層53の上に上面電極31aを形成し、発光領域31cに重なるように誘電体DBRを形成する。P型半導体層56およびn型半導体層53の厚みは、共振器内で生じる定在波の強度分布に対して活性層54と透明電極層58が所望の位置に位置し、かつ、共振器長が設計値となるように適宜調整する。そのため、一方が半導体DBRで他方が誘電体DBRのVCSEL31と、両側に誘電体DBRのVCSEL31では基板51の有無により大幅に素子厚さが変わる。本発明ではVCSEL31の素子厚さの大幅な変更を伴うような、設計変更をVCSEL31に加えたとしてもVCSEL31とマイクロレンズ15間の距離が変わらないため、柔軟に対応できる。
レンズ嵌合部13aの深さd3(例えば300-600μm)は、マイクロレンズ15の厚みと同じ高さ、もしくはそれ以下となるように設計している。これにより、本実施形態の面発光型モジュール100を、回路基板に実装する工程においてマイクロレンズ15全体に荷重がかかるため、マイクロレンズ15への荷重付加を均一に行うことができる。
本実施形態の面発光型モジュール100では、封止蓋13の下面の第2接合部17となる領域にAuSn層のパターンを設け、このパターンを、VCSEL31の上面電極31aの外形のパターンと一致させている。これにより、封止蓋13に接合されているマイクロレンズ15と、VCSEL31とのXY方向のアライメントを簡易に行うことができる。また、マイクロレンズ15とVCSEL31のアライメント精度を高めるため、第1接合部14および第2接合部17には、フラックスを含まないAuSn共晶を用いることが好ましい。
また、実施形態1では、サブマウント基板11にビアを設けて第1導電体領域21および第2導電体領域22を形成し、VCSEL31の上面電極と下面電極から給電しているが、上面のみまたは下面のみに一対以上の電極を設け、上面のみまたは下面のみから給電することも可能である。下面のみから給電する場合、サブマウント基板11の凹部12の縁と封止蓋13の電気的接続は不要である。この場合、第3接合部18は、樹脂等の絶縁性接合剤を使用してもよい。
<接合部の断面構造>
本実施形態1では、フラックスを含有するはんだによる接合と、フラックスを用いない共晶接合とを使い分けている。このため、フラックスを含むはんだにより接合する第3接合部18の封止された内側、ならびに、VCSEL31とサブマウント基板11とを接合する第4接合部19の周囲は、はんだで接合した場合、はんだのフラックス残渣23が残る。一方、マイクロレンズ15と封止蓋13を接合する第1接合部14、および、VCSEL31と封止蓋13を接合する第2接合部17の周囲には、フラックス残渣は生じない。
また、接合部の内部の構造にも差が生じる。フラックスを用いない共晶接合部は、その断面を拡大して観察すると、均一なコントラストである。一方、フラックスを含有する金属ペーストによる接合部は、その断面を拡大して観察すると金属粒子同士が溶け合わさった界面部分でわずかにコントラストが変わった断面となる。なお、はんだには、フラックスレスのものも知られているが、厚さに弾力性がないため、本実施形態の第3接合部18には適さない。
<<<実施形態2>>>
実施形態1では、図3(d)に示したように、VCSEL31として、上面に複数の発光領域31cとその周囲の上面電極31aを備え、下面に共通の下面電極31bを備えるものを用いたが、実施形態2では、VCSEL31の下面電極31dが、図6(a)、(b)のように、上面の発光領域31cと対応する形状の複数の電極に分かれており、各下面電極31dは、上面の発光領域31cと向かい合うように、縦横に配列されている。また、VCSEL31の内部の層構造は、図5の構造が、発光領域31cごとに主平面方向に繰り返されている。
このような下面電極31dの構造を備えるVCSEL31を用いる場合、サブマウント基板11の上面に、図6(c)のように、VCSEL31の底面を接合する領域11bに、VCSEL31の下面電極31dと対応する形状のAu層11dを備える。また、図7に示す通り、第2導電体領域22のビアもVCSEL31の下面電極31dと対応する直径とし、下面電極31dごとに独立して設ける。
組み立て工程時には、実施形態1の工程と同様であるが、実施形態1の図4(c)の工程に代わりに、実施形態2では図8のように、縦横に配列されたAu層11dごとに、フラックスを含まないAuSnを成膜し、 VCSEL31の下面電極31dと接合する第4接合部19をそれぞれ形成する。これにより、VCSEL31の縦横に配置された複数の下面電極31dのうち任意の下面電極31dに対して、第2導電体領域22から電流を供給することができるため、任意の発光領域31cを発光させることが可能になる。
実施形態2では第4接合部19でフラックスを含まないAuSn膜を使用するため厚み誤差を吸収できない構成上、サブマウント凹部深さd1をVCSEL31の厚さより小さくする必要がある。さらに、第3接合部18に使用する共晶はんだペーストも、AuSn膜と同温度条件で焼成できる材料(例えばフラックスを含むAuSn共晶はんだペースト)を用いることが好ましい。
他の構造及び製造工程は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
<<<実施形態3>>>
実施形態1では、サブマウント基板11の凹部12の縁と、封止蓋13の封止と電気的な接続を、第3接合部18によって同時に行う構成であったが、実施形態3では、第3接合部18が、電気的接続部と、その外側に配置された樹脂封止部41を含む二重構造とする。
実施形態3の構造により、電気的接続と封止を同時に実現するのが難しい導電性ペーストを電気的接続に用いることができるため、材料選択の幅を広げることができる。
具体的には、AuSn共晶はんだペースト以外の導電性ペースト(例えば、SnAgCuペースト、SnCuペースト)を使用することができる。
樹脂封止には、エポキシ樹脂や、シリコーン樹脂等の封止材料として公知の樹脂材料を用いることができる。
この際、樹脂封止を容易にするためにサブマウント基板11および封止蓋13の一方のサイズ(面積)を、他方のサイズよりも大きくすることが望ましい。図9の例では、サブマウント基板11を封止蓋13よりも一回り大きくし、周縁部にAu層を設けず、封止樹脂塗布領域11eとしている。
実施形態3の面発光型モジュール100の組み立て工程は、図10(a)~(d)に示したように、図10(a)~(c)までは、実施形態1の図4(a)~(c)と同様である。これにより、封止蓋13とサブマウント基板11の凹部12の縁との間に、第3接合部18のうち電気接合部を形成する。図10(c)の工程の後、図10(d)において、サブマウント基板11の外周部の封止蓋13より外側の部分にエポキシ樹脂をディスペンス塗布し、熱硬化させて封止する。これにより、第3接合部18の樹脂封止部41を形成する。
このように、実施形態3では、サブマウント基板11の外周部の封止蓋13より外側の部分に、第3接合部18の一部として樹脂封止部41を設けることにより、第3接合部18を、封止と電気的接続の役割を別部材に分けて実現することができる。このため、第3接合部18の材料選択の幅が広がる。
以上の実施形態1~3において、VCSEL31の厚み誤差は5μm程度、サブマウント基板11の凹部12の深さ誤差20μm程度であるため、VCSEL31をサブマウント基板11に接合する際に、各部材の厚み誤差を吸収させる必要がある。VCSEL31とサブマウント基板11とを接合する第4接合部19の導電性接合剤は、SnAgCuのような金属ペーストでもよいし、Auバンプでもよいし、また金属のレーザー溶接によって接合を行ってもよい。また、その他導電性を持ち、厚み誤差を吸収する材料を適用できる。
<<<実施形態4>>>
実施形態1~3のいずれかの面発光型モジュール100を搭載して、VR(仮想現実)用やAR(拡張現実)用の眼鏡型ウェアラブルデバイスを構成することができる。例えば、光源として実施形態1~3のいずれかの面発光型モジュール100を眼鏡型の支持体に搭載し、面発光型モジュール100の出射光を、直接またはミラーで反射させて、眼鏡型支持体を掛けた人の眼球の瞳孔に対して入射させる。これにより、所定の画像を人の見せ、VRやARを実現する。
実施形態1~3の面発光型モジュール100であって、発光素子31としてVCSELを搭載したものを用いることにより、小型で、かつ、マイクロレンズ15によって精度よく集光したレーザー光を出射することができるため、解像度の高い画像を表示可能なVR(仮想現実)用またはAR(拡張現実)用の眼鏡型ウェアラブルデバイスを提供できる。
なお、VR(仮想現実)用またはAR(拡張現実)用の眼鏡型ウェアラブルデバイスは、例えば特許6286781号公報等に記載されているように、広く知られた構造であるので詳しい説明は省略する。
また、眼球に対してレーザー光を照射し、その反射光を検出することにより、眼球の傾きや、視線を検出する装置の光源として、実施形態1~3の面発光型モジュール100を適用することも可能である。眼球の傾きを検出する眼鏡型ウェアラブルデバイスは、例えば、特開2020-81449号公報等に記載されているように広く知られた構造であるので詳しい説明は省略する。
さらに、実施形態1~3のいずれかの面発光型モジュール100の上に、偏向器(例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー)を搭載し、レーザービームをスキャンしながら出射する光源装置を構成することも可能である。例えば、この光源装置を、カメラ内に配置し、合焦状態を示すマークをファインダーの視野内にレーザービームで描かせること等が可能である合焦状態を示すマークを表示する機能を備えたカメラについては、例えば特開2010-175677号公報等により広く知られた技術であるので、詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態の面発光型モジュール100の用途は、上述したデバイスに限定されるものではなく、プロジェクタ、ウェアラブルディスプレイ、ならびに、スマートグラス等映像装置や、照明装置等の種々のデバイスの光源として用いることができる。
11 搭載部(サブマウント基板)
11a 上面領域
11b 領域
11d Au層
11e 封止樹脂塗布領域
12 凹部
13 封止蓋
13a レンズ嵌合部
14 第1接合部
15 マイクロレンズ
16 レンズ保持台
17 第2接合部
18 第3接合部
19 第4接合部
20 金属層
21 第1導電体領域
22 第2導電体領域
23 フラックス残渣
31 発光素子(VCSEL)
31a 上面電極
31b 下面電極
31c 発光領域
31d 下面電極
41 樹脂封止部
51 基板
52 第1反射鏡
53 n型半導体層
54 活性層
55 電子ブロック層
56 p型半導体層
57 絶縁膜
58 透明電極層
60 第2反射鏡
100 面発光型モジュール

Claims (14)

  1. 上面に凹部が形成された搭載部と、前記凹部の開口を覆って封止する封止蓋と、前記凹部内に配置され、上面から発光する発光素子と、前記発光素子から発せられた光を所望のビーム形状にするマイクロレンズとを有し、
    前記封止蓋は、貫通孔と、所定の厚さのレンズ保持台とを備え、
    前記マイクロレンズは、前記レンズ保持台の上面に第1接合部により固定され、
    前記発光素子の上面は、前記レンズ保持台の下面に第2接合部により固定され、
    前記搭載部の前記凹部の縁と、前記封止蓋の下面とは、第3接合部によって接合され、
    前記第1接合部および第2接合部は、いずれもフラックスを含まない金属接合による接合部であり、
    前記第3接合部は、はんだまたは接着剤による接合部であることを特徴とする面発光型モジュール。
  2. 請求項1に記載の面発光型モジュールであって、前記レンズ保持台は、前記貫通孔の内壁から前記貫通孔の内側へ突出した部分であることを特徴とする面発光型モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の面発光型モジュールであって、前記発光素子の下面と前記搭載部の凹部の底面とは第4接合部によって接合され、前記第4接合部は、はんだまたは接着剤による接合部であることを特徴とする面発光型モジュール。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の面発光型モジュールであって、前記封止蓋は、板状であり、
    前記レンズ保持台は、一様な厚さを有し、前記封止蓋の主平面に平行な方向に前記貫通孔の内壁から突出し、
    前記レンズ保持台の下面は、前記封止蓋の下面と連続した平面であることを特徴とする面発光モジュール。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の面発光型モジュールであって、前記第3接合部は、前記搭載部の前記凹部の縁と、前記封止蓋の下面とを封止していることを特徴とする面発光型モジュール。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の面発光型モジュールであって、前記マイクロレンズの下面のうち、前記レンズ保持台に固定されていない領域には、所望のレンズ形状が形成されていることを特徴とする面発光型モジュール。
  7. 請求項6に記載の面発光型モジュールであって、前記マイクロレンズの上面は、平面であることを特徴とする面発光型モジュール。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の面発光型モジュールであって、前記搭載部の前記凹部の縁と前記封止蓋の下面とを接続する前記第3接合部は、導電性であり、
    前記封止蓋の下面には、金属層が配置され、前記金属層は、前記第3接合部および前記第2接合部に接触して、両者を電気的に接続し、
    前記発光素子は、上面に上面電極を備え、前記上面電極は、前記第2接合部、前記金属層、および、前記第3接合部を介して、前記搭載部と電気的に接続されていることを特徴とする面発光型モジュール。
  9. 請求項3に記載の面発光型モジュールであって、前記発光素子の下面と前記搭載部の前記凹部の底面とを接続する前記第4接合部は、導電性であり、
    前記発光素子は、下面に下面電極を備え、前記下面電極は、前記第4接合部を介して、前記搭載部と電気接続されていることを特徴とする面発光型モジュール。
  10. 請求項8に記載の面発光型モジュールであって、前記搭載部には、前記第3接合部および第4接合部が接する位置に導電体領域を有することを特徴とする面発光型モジュール。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の面発光型モジュールであって、前記発光素子は、垂直共振器型面発光レーザーであることを特徴とする面発光型モジュール。
  12. 請求項3に記載の面発光型モジュールであって、前記第3接合部および前記第4接合部は、フラックス残渣を含有することを特徴とする面発光型モジュール。
  13. 上面に凹部が形成された搭載部と、前記凹部の開口を覆って封止する封止蓋と、前記凹部内に配置され、上面から発光する発光素子と、前記発光素子から発せられた光を所望のビーム形状にするマイクロレンズとを有し、
    前記封止蓋は、貫通孔と、所定の厚さのレンズ保持台とを備え、
    前記マイクロレンズは、前記レンズ保持台の上面と第1接合部により固定され、
    前記発光素子の上面は、前記レンズ保持台の下面と第2接合部により固定され、
    前記搭載部の前記凹部の縁と、前記封止蓋の下面とは、第3接合部によって接合され、
    前記発光素子の下面は、前記凹部と第4接合部により固定され、
    前記第1接合部および第2接合部は、いずれもフラックスを含まない金属接合による接合部であり、
    前記第4接合部は、はんだまたは接着剤による接合部であることを特徴とする面発光型モジュール。
  14. 貫通孔と、所定の厚さのレンズ保持台とを備える封止蓋の、前記レンズ保持台の下面に発光素子を、前記レンズ保持台の上面に、前記発光素子から発せられた光を所望のビーム形状にするマイクロレンズをそれぞれ接合する第1工程と、
    前記搭載部の前記凹部の縁と、前記封止蓋の下面とを接合する第2工程とを有し、
    前記第1工程は、前記レンズ保持台の下面と発光素子とを接合する接合部、および、前記レンズ保持台の上面と前記マイクロレンズとを接合する接合部をいずれもフラックスを含まない金属接合により形成し、
    前記第2工程は、前記凹部の縁と前記封止蓋の下面とを接合する接合部を、はんだまたは接着剤により形成する
    ことを特徴とする面発光型モジュールの製造方法。
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