JP2023075844A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒートポンプを利用した車両用空調装置において、ホットガス暖房を継続させることで、PTCヒータ等の補助加熱を用いなくても、極低温環境下での暖房を所定時間継続できるようにする。【解決手段】車両用空調装置は、少なくとも圧縮機を備え圧縮機から出た高温冷媒を循環させる冷媒回路と、冷媒の放熱で車室内の空気を加熱する空気加熱装置と、冷媒の放熱量を制御する制御装置とを備えた車両用空調装置であって、制御装置は、冷媒の放熱量を圧縮機からの入熱量以下とするホットガス暖房継続モードを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両用空調装置に関するものである。
エンジン等の燃焼系の熱源を持たない電動車両(EV:Electric Vehicle)や燃焼系の熱源の熱量が少ない車両用の空調装置として、ヒートポンプを熱源とする空調装置が知られている。
ヒートポンプを利用した空調装置は、暖房運転時には、外部熱交換器を吸熱器として機能させ、外気から暖房熱源を得ている。このため、外気温が極低温になると、外気からの吸熱が難しくなり、暖房能力が大きく低下することになる。これに対して、例えばPTCヒータ等の電気式加熱器を用いて熱源を確保すると、バッテリの消費量が大きくなって、電動車両の場合には走行可能距離への悪影響が懸念されると共に、空調装置の製造コストが嵩むことになる。
ヒートポンプの圧縮機を活用したホットガス暖房は、外気吸熱を行わない暖房方式である。このホットガス暖房は、圧縮機から出た高温冷媒が車室内熱交換器である放熱部に送られ、放熱部から出た冷媒は外部熱交換器を介することなく減圧して圧縮機に戻される(下記特許文献1参照)。
ヒートポンプを利用した車両用空調装置において、前述したホットガス暖房を採用して、極低温環境下での暖房運転を行う場合、通常、圧縮機は能力限界に近い設定回転数で運転されることになる。この際、暖房要求に応じて車室内熱交換器での放熱量が大きくなり、圧縮機の消費エネルギー(入熱量)に対して放熱量が大きくなると、上限の回転数で圧縮機を運転し続けたとしても、ホットガス暖房を継続することができなくなる。
本発明は、このような問題に着目して、ホットガス暖房を継続的に利用することを課題としている。即ち、ヒートポンプを利用した車両用空調装置において、ホットガス暖房を継続させることで、PTCヒータ等の補助加熱を用いなくても、極低温環境下で暖房を所定時間継続できるようにすること、が本発明の課題である。
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
少なくとも圧縮機を備え前記圧縮機から出た高温冷媒を循環させる冷媒回路と、前記冷媒の放熱で車室内の空気を加熱する空気加熱装置と、前記冷媒の放熱量を制御する制御装置とを備えた車両用空調装置であって、前記制御装置は、前記冷媒の放熱量を前記圧縮機からの入熱量以下とするホットガス暖房継続モードを有することを特徴とする車両用空調装置。
少なくとも圧縮機を備え前記圧縮機から出た高温冷媒を循環させる冷媒回路と、前記冷媒の放熱で車室内の空気を加熱する空気加熱装置と、前記冷媒の放熱量を制御する制御装置とを備えた車両用空調装置であって、前記制御装置は、前記冷媒の放熱量を前記圧縮機からの入熱量以下とするホットガス暖房継続モードを有することを特徴とする車両用空調装置。
このような特徴を有する本発明によると、極低温環境下でのホットガス暖房を所定時間継続させることが可能になり、ヒートポンプを利用した車両用空調装置の実用性を向上させることができる。また、極低温環境下での暖房をPTCヒータ等の補助加熱を用いること無く行うことができるので、空調装置の製造コストを抑えることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置の構成例を示している。車両用空調装置1は、車室内の空気を加熱する空気加熱装置として機能する室内空調ユニット10と、冷媒回路20を備えている。
図1に示した車両用空調装置1の室内空調ユニット10は、室内熱交換器11,12を備えている。また、室内空調ユニット10は、室内熱交換器11の上流側の送風層10Aに、室内熱交換器11,12に車室内の空気を送風する送風機13が設けられ、室内熱交換器12の下流側の受風層10Bに、図示省略した車室内への送風流路が設けられている。また、室内空調ユニット10には、エアダンパ駆動部14Aによって開閉駆動されるエアダンパ14が設けられている。前述した送風機13の送風量とエアダンパ14の開閉により、室内熱交換器11,12を通過する空気の送風量が調整できるようになっている。
図1に示した車両用空調装置1の冷媒回路20は、ヒートポンプを構成して暖房運転又は冷房運転を行うことができるものであり、ヒートポンプサイクルへの切り替えが可能な冷媒流路切替手段を備えている。そして、図示の太線で示す冷媒流路の選択によって、ホットガス暖房を実行することができるものである。
冷媒回路20は、気化した冷媒を圧縮して吐出する圧縮機2と、圧縮機2によって圧縮された冷媒を所定の圧力に減圧する減圧弁22(22A,22B,22C,22D)と、冷媒の流路を切り替える流路切替弁23(23A,23B,23C,23D)、圧縮機2の上流側に設けられるアキュムレータ21を備えている。
また、冷媒回路20の冷媒流路は、前述した室内熱交換器11,12に接続されると共に、冷媒が外気と熱交換するための外部熱交換器24や、冷媒が熱媒体回路30を流れる熱媒体と熱交換するための冷媒-熱媒体熱交換器25などに接続されている。更に冷媒回路20は、必要に応じて、逆止弁26などが設けられている。
そして、図示の例では、流路切替弁23C,23Dを閉止することで、図示太線で示した冷媒流路によるホットガス暖房を実行することができる。ホットガス暖房の実行時には、圧縮機2から出た高温冷媒は、放熱部として機能する室内熱交換器12を流れ、室内熱交換器12を出た冷媒は、流路切替弁23A、減圧弁22A、冷媒-熱媒体熱交換器25、アキュムレータ21を経由して圧縮機2に戻る。また、圧縮機2を出た冷媒は、室内熱交換器12などを迂回するバイパス流路3を通り、アキュムレータ21を経由して圧縮機2に戻る。
なお、図1に示した例では、室内空調ユニット10において室内熱交換器12のみを放熱部として利用し、冷媒-熱媒体熱交換器25を経由する冷媒流路にしているが、図2に示すように、減圧弁22Aを全閉にすることで、室内空調ユニット10の室内熱交換器11,12の両方を放熱部として利用し、冷媒-熱媒体熱交換器25を迂回する冷媒流路で、ホットガス暖房を実行することもできる。
冷媒回路20は、図1に示した例では、減圧弁22Aと減圧弁22Bの絞り量を調整することで、バイパス流路3の流量とそれ以外の流路の流量の比(流量比)が調整できるようになっている。同様に、図2に示した例では、減圧弁22Cと減圧弁22Bの絞り量を調整することで、前述した流量比を調整することができる。ここで、バイパス流路3の流量が大きくなるように流量比を調整することで、少ない放熱で圧縮機2に戻る冷媒の流量が大きくなり、冷媒の放熱量を小さくすることができる。
また、車両用空調装置1は、図3に示すように、制御装置4を備える。制御装置4は、車両用空調装置1の各種制御モードを実行するための空調用ECU(Electronic Control Unit)であり、ホットガス暖房の実行に際しては、冷媒の放熱量を制御して、ホットガス暖房を継続させるホットガス暖房継続モードを有している。
制御装置4は、車両用空調装置1の動作状況を把握するために、各種センサからの検出情報を取得する。前述したホットガス暖房継続モードでは、制御装置4には、図3に示すように、送風温度センサTa1,Ta2、外気温度センサTa3、冷媒温度センサTr1,Tr2、冷媒圧力センサPr1,Pr2の検出情報が入力され、制御装置4は、流路切替弁駆動部S1~S4を制御して流路切替弁23(23A~23D)を開閉することで冷媒流路の選択を行いながら、圧縮機2、送風機13、エアダンパ駆動部14A、熱媒体循環ポンプ31、減圧弁駆動部E1~E4を制御して、冷媒の放熱量を制御する。
ホットガス暖房継続モードにおける制御装置4の基本制御フローを、図4に示す。制御開始から、圧縮機2からの入熱量(Qcomp)を把握すると共に(ステップS1)、冷媒回路20における冷媒の放熱量(Qout)を把握し(ステップS2)、入熱量(Qcomp)と放熱量(Qout)を比較して(ステップS3)、Qcomp≧Qoutが成立する場合(ステップS3:YES)には、ホットガス暖房が継続可能であるとして、暖房要求に対応して(ステップS4)、当該制御サイクルを終了する。
また、Qcomp≧Qoutが成立しない場合(ステップS3:NO)には、ホットガス暖房の継続が不可能であるとして、冷媒の放熱量(Qout)を低減する処理(ステップS5)を行った後、当該制御サイクルを終了する。ホットガス暖房継続モードでは、この基本制御フローの制御サイクルを繰り返すことで、Qcomp≧Qoutが成立しない場合に、冷媒の放熱量(Qout)を低減する処理を行って、Qcomp≧Qoutが成立する状態に戻すことで、ホットガス暖房の継続を可能にしている。
ここで、圧縮機2からの入熱量(Qcomp)の把握は、圧縮機2の消費電力をモニタリングすることで把握することができる。入熱量(Qcomp)は、圧縮機2の消費電力に所定の係数を乗じること等で求めることができる。
冷媒回路20における冷媒の放熱量(Qout)の把握は、例えば、次の(1)~(3)を個別に又は総合して把握することができる。
(1)室内空調ユニット10における放熱部(室内熱交換器11,12)の放熱量、(2)冷媒回路20の環境放熱量、(3)冷媒-熱媒体熱交換器25における熱媒体回路30への放熱量。
上記(1)~(3)において、ホットガス暖房を継続する際に最も主要な放熱量は、上記(1)の室内空調ユニット10における放熱部の放熱量である。前述した冷媒の放熱量(Qout)を把握する際には、先ず上記(1)の放熱量を把握した上で、必要に応じて、外乱として上記(2)の放熱量の影響を加味し、更に熱媒体回路30の動作時に上記(3)の放熱量を加味することが好ましい。
先ずは、冷媒の放熱量(Qout)が、概ね室内空調ユニット10における放熱部(図1においては、室内熱交換器12)の放熱量(Qicnd)に当たる場合を説明する。
室内空調ユニット10における放熱部の放熱量(Qicnd)は、下記式で求められる。
Qicnd=(Thp-Te)×Ga×K
ここで、Thp:吹き出し空気温度、Te:吸い込み空気温度、Ga:放熱部通過送風量、K:演算定数。
Qicnd=(Thp-Te)×Ga×K
ここで、Thp:吹き出し空気温度、Te:吸い込み空気温度、Ga:放熱部通過送風量、K:演算定数。
ここでの吹き出し空気温度(Thp)は、上記の送風温度センサTa2による検出値であり、吸い込み空気温度(Te)は、上記の送風温度センサTa1による検出値である。また、放熱部通過送風量Gaは、送風機13の出力とエアダンパ14の開度によって求められる算出値である。演算定数(K)は、システムにおいて予め設定された設定値である。
そして、上記のステップS3では、Qcomp≧Qicndの成立を判断し、Qcomp≧Qicndが成立しない場合に行われる、冷媒の放熱量(Qout)を低減する処理(ステップS4)は、下記の(a)~(c)によって実行される。
(a)放熱部通過送風量Gaの低減、(b)バイパス流路3を流れる冷媒の流量比の増大、(c)冷媒-熱媒体熱交換器25を流れる熱媒体流量の低減。
ここで、上記(a)は、送風機13の出力低下とエアダンパ14の開度上昇を適宜組み合わせるか、或いはその一方の制御で行うことができる。放熱部通過送風量Gaを低減させることで、室内空調ユニット10における放熱部の放熱量が減り、冷媒の放熱量(Qout)を低減させることができる。
上記(b)は、図1の流路状態では減圧弁22Aと減圧弁22Bの絞り量調整(図2の流路状態では減圧弁22Cと減圧弁22Bの絞り量調整)によって行うことができる。バイパス流路3を流れる冷媒の流量比を増大させることで、室内空調ユニット10における放熱部を流れる冷媒量が減り、冷媒の放熱量(Qout)を低減させることができる。
上記(c)は、熱媒体回路30が動作中の場合で、熱媒体循環ポンプ31の回転数を低減することによって行うことができる。熱媒体回路30の動作中に冷媒-熱媒体熱交換器25を流れる熱媒体流量を低減させることで、熱媒体回路30における冷媒-熱媒体熱交換器25の放熱量が減り、冷媒の放熱量(Qout)を低減させることができる。
図5は、制御の一例を示している。図5(a)に示す例は、冷媒の放熱量(Qout)を室内空調ユニット10における放熱部の放熱量(Qicnd)で把握し、QcompとQicndの比較を行い、Qcomp≧Qicndが成立しなくなったときに、送風機13の出力電圧を低減させる制御を行っている。図示の例では、Qicnd-Qcomp≧αとなるタイミングT1にて、送風13の出力電圧をV1からV2(V1>V2)に下げており、それによって放熱量(Qicnd)を低下させて、Qcomp≧Qicndを成立させている。
また、図示の例では、Qcomp≧Qicndが成立した後に、所定のタイミングT2で送風機13の出力電圧をV2からV3(V2<V3)に上げて、所望の暖房要求に対応するようにしている。なお、ここでは送風機13の出力電圧を制御することで、放熱部通過送風量Gaを制御しているが、これに替えて又はこれに加えて、エアダンパ14の開度制御を行うことで、放熱部通過送風量Gaを制御するようにしてもよい。
図5(b)に示す例は、冷媒の放熱量(Qout)を熱媒体回路30における放熱量(Qchil)で把握し、QcompとQchilの比較を行い、Qcomp≧Qchilが成立しなくなったときに、熱媒体循環ポンプ31の回転数を低下させて熱媒体流量を低減させる制御を行っている。図示の例では、Qchil-Qcomp≧αとなるタイミングT1にて、熱媒体流量をL1からL2(L1>L2)に下げており、それによって放熱量(Qchil)を低下させて、Qcomp≧Qchilを成立させている。また、図示の例では、Qcomp≧Qchilが成立した後に、所定のタイミングT2で熱媒体流量をL2からL3(L2<L3)に上げて、熱媒体回路30の温調要求に対応するようにしている。
図6は、ホットガス暖房継続モードを実行するための他の制御フロー例を示している。ここでは、圧縮機2の回転数が一定(上限値)であることを前提にして、放熱部の放熱量(Qicnd)又は圧縮機2の吐出圧力(Pci)の時系列変化に基づいて、入熱量(Qcomp)と放熱量(Qout)の関係を推定する。
図6の例では、制御開始から放熱部の放熱量(Qicnd)又は圧縮機2の吐出圧力(Pci)の今回値を取得し(ステップS01)、これをメモリに保存する(ステップS02)。そして、制御サイクルにおける前回サイクルでメモリに保存した前回値Qicndz(又はPciz)と今回値Qicnd(又はPci)を比較し(ステップS03)、Qicnd≧Qicndz(又はPci≧Pciz)が成立する場合には(ステップS03:YES)、ホットガス暖房の継続が可能であるとして、暖房要求に対応して(ステップS04)、今回制御サイクルを終了する。
また、前回値Qicndz(又はPciz)と今回値Qicnd(又はPci)を比較して(ステップS03)、Qicnd≧Qicndz(又はPci≧Pciz)が成立しない場合には(ステップS03:NO)、前述した冷媒の放熱量(Qout)の低減処理を行って(ステップS05)、ホットガス暖房の継続が可能な状態に戻す処理を行い、今回制御サイクルを終了する。
図6に示す制御を行うことで、図7に示すようなタイムチャートが得られる。図7(a)は、放熱部の放熱量Qicndの時系列変化によるものであり、Qicndの今回値が前回値より下がったタイミングT01で、送風機13の出力電圧をV01からV02に下げて、Qicndを低下させる。この際、送風13の出力電圧を下げて放熱部通過送風量Gaを下げることで、Qicndの絶対値は低下するが、時系列変化は抑えられて安定したQicndの状態になる。
ここでのQicndの今回値が前回値より下がった状態は、まさに入熱量(Qcomp)に対して放熱量(Qout)が上回ってしまい、ホットガス暖房の継続条件が崩れた状態になっている。ここでは、この状態を検出して、放熱量(Qout)を低減させる処理を行うことで、ホットガス暖房の継続を確保している。
ステップS05の処理を行うことで、放熱量Qicndの時系列変化が安定し、ホットガス暖房の継続条件が保たれた場合には、所定のタイミングT02で送風機13の出力電圧をV02からV03に上げて、適宜暖房要求に対応する放熱量Qicndが得られるように制御する。
図7(b)は、圧縮機2の吐出圧Pciの時系列変化によるものであり、Pciの今回値が前回値より下がったタイミングT10で、送風機13の出力電圧をV11からV12に下げて、Qicnd(放熱量Qout)を低下させる。この際、放熱量Qoutを低下させることで、圧縮機2の吐出圧Pciは所定圧に戻って安定した時系列変化状態になる。なお、ここでの圧縮機2の吐出圧Pciは、図1に示した冷媒回路20における冷媒圧力センサPr2によって検出される。
そして、図3の制御フローにおけるステップS4或いは図7の制御フローにおけるステップS04の暖房要求に対応するには、目標暖房温度(TCO)に吹き出し空気温度(Thp)を近づける制御が行われる。
このような暖房要求に対して、ホットガス暖房の継続性を考慮する場合には、圧縮機2の回転数を上限値付近に設定していることを前提として、目標暖房温度(TCO)と吹き出し空気温度(Thp)との差が設定値α1より大きい場合(即ち、(TCO-α1)>Tph、α1>0)、放熱量Qout(Oicnd)を下げるために送風機13の出力電圧を下げて、ホットガス暖房の継続性を高める制御を行う。そして、同じ前提で、吹き出し空気温度(Tph)が目標暖房温度(TCO)を設定値βだけ上回っている場合(即ち、TOC≦Thp-β、β>0)、その場合の能力余剰を利用して、送風機13の出力電圧を上げて放熱量Qout(Oicnd)を高めることで、ホットガス暖房時の熱利用効率を上昇させる。
図8に示す制御例は、前述した送風機13の出力電圧の制御(放熱部通過送風量Gaの制御)と前述したバイパス流路3の流量比を調整する制御を組み合わせて、ホットガス暖房継続モードを実行する例である。
この例では、制御開始から圧縮機2からの入熱量Qcompと放熱部の放熱量Qicndを把握し(ステップS10)、ホットガス暖房の継続条件であるQcomp≧Qicndの成立有無を判断する(ステップS11)。そして、Qcomp≧Qicndが成立しない場合(ステップS11:NO)には、ホットガス暖房の継続を目指して送風機13の出力電圧を下げて(ステップS16)、放熱量Qoutを低下させる。
また、ステップS11にてホットガス暖房の継続条件であるQcomp≧Qicndが成立している場合(ステップS11:YES)には、送風機13の出力電圧を維持し(ステップS12)、暖房要求に従って、目標暖房温度(TCO)に吹き出し空気温度(Thp)が到達したかの判断を行う(ステップS13)。ここで、目標暖房温度(TCO)に吹き出し空気温度(Thp)が到達していない場合(ステップ13:NO)には、バイパス流路3を流れる冷媒の流量比を上げて放熱量Qoutを低下させる(ステップS17)。これにより、ホットガス暖房の継続性が高められる。
そして、ステップS13で、目標暖房温度(TCO)に吹き出し空気温度(Thp)が到達している場合(ステップS17:YES)には、能力余剰の有無を判断し(ステップS14)、能力余剰が無い場合(ステップS14:NO)には、その状態を持続し、能力余剰がある場合(ステップS14:YES)には、バイパス流路3を流れる冷媒の流量比を下げて(ステップS15)、放熱量Qoutを上昇させる。
なお、車両用空調装置1が備える制御装置4は、図9に示すように、電動車両(EV)の制御を行う各種ECU(Electronic Control Unit)に車載ネットワークLを介して接続された一つのECUとして構成される。制御装置4は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、入出力I/F(Interface)44、車内通信I/F(Interface)45などを備え、各ハードウェアは、バス46を介して相互に接続されている。
CPU41は、ROM42に記憶されている各種プログラムを実行することにより、制御装置4の制御を実行する。ROM42は、不揮発性メモリである。例えば、ROM42は、CPU41により実行されるプログラム、CPU41がプログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。RAM43は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の主記憶装置である。例えば、RAM43は、CPU41がプログラムを実行する際に利用する作業領域として機能する。入出力I/F44は、EVに設置される各種センサやモニタに接続され、CPU41にデータを入力すると共に、CPU41が演算処理したデータを出力する。車内通信I/F45は、車載ネットワークLに接続されることで、EVに設定された他のECUとのデータ送受信を制御する。
制御装置4は、入出力I/F44や車内通信I/F45を介して、周辺の環境情報関するデータ或いはEVの運転状況に関するデータが入力されることで、CPU41が実行するプログラムによって、前述した車両用空調装置1の制御を実行する。
以上説明したように、本発明の実施形態によると、ヒートポンプの圧縮機2を含む冷媒回路20において、ホットガス暖房を継続させることが可能になるので、極低温環境下であっても、PCTヒータ等の電気式加熱器を用いることなく、低い消費電力で十分な暖房量を維持することができる。これにより、ヒートポンプを利用した車両用空調装置の実用性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1:車両用空調装置,2:圧縮機,3:バイパス流路,4:制御装置,
10:室内空調ユニット(空気加熱装置),10A:送風層,10B:受風層,
11,12:室内熱交換器(放熱部),13:送風機,
14:エアダンパ,14A:エアダンパ駆動部,
20:冷媒回路,21:アキュムレータ,22(22A~22D):減圧弁,
23(23A~23D):流路切替弁,24:外部熱交換器,
25:冷媒-熱媒体熱交換器,26:逆止弁,
30:熱媒体回路,31:熱媒体循環ポンプ,
41:CPU,42:ROM,43:RAM,
44:入出力I/F,45:車内通信I/F,46:バス,
L:車載ネットワーク
10:室内空調ユニット(空気加熱装置),10A:送風層,10B:受風層,
11,12:室内熱交換器(放熱部),13:送風機,
14:エアダンパ,14A:エアダンパ駆動部,
20:冷媒回路,21:アキュムレータ,22(22A~22D):減圧弁,
23(23A~23D):流路切替弁,24:外部熱交換器,
25:冷媒-熱媒体熱交換器,26:逆止弁,
30:熱媒体回路,31:熱媒体循環ポンプ,
41:CPU,42:ROM,43:RAM,
44:入出力I/F,45:車内通信I/F,46:バス,
L:車載ネットワーク
Claims (10)
- 少なくとも圧縮機を備え前記圧縮機から出た高温冷媒を循環させる冷媒回路と、前記冷媒の放熱で車室内の空気を加熱する空気加熱装置と、前記冷媒の放熱量を制御する制御装置とを備えた車両用空調装置であって、
前記制御装置は、前記冷媒の放熱量を前記圧縮機からの入熱量以下とするホットガス暖房継続モードを有することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記圧縮機からの入熱量は、前記圧縮機の消費電力によって求められることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
- 前記空気加熱装置は、当該空気加熱装置に設けた前記冷媒回路の放熱部に車室内へ供給する空気を送風し、
前記制御装置は、前記放熱部の通過送風量を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の車両用空調装置。 - 前記制御装置は、前記放熱部の放熱量が前記圧縮機からの入熱量より高い場合に、前記通過送風量を低下させることを特徴とする請求項3記載の車両用空調装置。
- 前記制御装置は、各制御サイクルで前記放熱部の放熱量(Qicnd)を求め、前回求めた前記放熱量(Qicndz)に対して今回求めた前記放熱量(Qicnd)が低い場合に、前記通過送風量を低下させることを特徴とする請求項4記載の車両用空調装置。
- 前記制御装置は、各制御サイクルで前記圧縮機の吐出圧力(Pci)を取得し、前回取得した前記圧縮機の吐出圧力(Pciz)に対して今回取得した前記圧縮機の吐出圧力(Pci)が低い場合に、前記通過送風量を低下させることを特徴とする請求項4記載の車両用空調装置。
- 前記通過送風量の制御は、前記空気加熱装置における送風機の出力又はエアダンパの開度によってなされることを特徴とする請求項3~6のいずれか1項記載の車両用空調装置。
- 前記冷媒回路は、前記空気加熱装置への前記冷媒の循環を迂回するバイパス流路を備え、
前記制御装置は、前記バイパス流路を流れる冷媒流量と前記空気加熱装置を通過する冷媒流量の流量比を制御することで、前記冷媒の放熱量を制御することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項記載の車両用空調装置。 - 前記冷媒回路は、冷媒-熱媒体熱交換器を備え、
前記制御装置は、熱媒体流量を制御することで、前記冷媒の放熱量を制御することを特徴とする請求項記1~8のいずれか1項記載の車両用空調装置。 - 前記冷媒回路は、ヒートポンプサイクルへの切り替えが可能な冷媒流路切替手段を備えることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項記載の車両用空調装置。
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