JP2023075794A - 基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023075794000001
【課題】結晶粒に対するエッチング速度と結晶粒界に対するエッチング速度との差に起因する処理対象層の表面のラフネスを低減することができる基板処理方法を提供する。
【解決手段】複数の結晶粒110を有する処理対象層102が露出する主面を有する基板Wの主面にエッチング液が供給される(第1エッチング工程)。第1エッチング工程の後、ポリマーを含有するポリマー含有液を基板Wの主面に供給して、結晶粒110の境界である結晶粒界111に少なくとも一部が埋め込まれたポリマー層90が形成される(ポリマー層形成工程)。ポリマー層形成工程の後、基板Wの主面にエッチング液を供給することで処理対象層102がエッチングされる(第2エッチング工程)。
【選択図】図7

Description

この発明は、基板を処理する基板処理方法に関する。
処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウェハ、液晶表示装置および有機EL(Electroluminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等が含まれる。
下記特許文献1および2には、酸化金属層形成工程、および、酸化金属層除去工程を交互に複数回実行することが開示されている。
特開2019-61978号公報 特開2020-88178号公報
特許文献1に開示されている基板処理方法では、金属層の表層部を酸化させて酸化金属層を形成し、この酸化金属層を除去することで、ナノメートル以下の精度での金属層のエッチングを達成している。特許文献1には、この基板処理方法では、酸化金属層の形成、および、酸化金属層の除去を繰り返すことで所望のエッチング量を達成することが開示されている。
特許文献2では、酸化金属層の形成、および、酸化金属層の除去を繰り返す基板処理方法において、結晶粒に対するエッチング速度と結晶粒界に対するエッチング速度との差を低減するために、結晶粒界に存在する隙間よりも大きいサイズを有する化合物を反応化合物として有するエッチング液を用いることが開示されている。
そこで、この発明の1つの目的は、結晶粒に対するエッチング速度と結晶粒界に対するエッチング速度との差に起因する処理対象層の表面のラフネス(表面粗さ)を低減することができる基板処理方法を提供することである。
この発明の一実施形態は、複数の結晶粒を有する処理対象層が露出する主面を有する基板の前記主面にエッチング液を供給する第1エッチング工程と、前記第1エッチング工程の後、ポリマーを含有するポリマー含有液を前記基板の前記主面に供給して、前記結晶粒の境界である結晶粒界に少なくとも一部が埋め込まれたポリマー層を形成するポリマー層形成工程と、前記ポリマー層形成工程の後、前記基板の前記主面にエッチング液を供給して、前記処理対象層をエッチングする第2エッチング工程とを含む、基板処理方法を提供する。
この方法によれば、第1エッチング工程においてエッチング液が供給される基板の主面からは、複数の結晶粒を有する処理対象層が露出している。エッチング液は、結晶粒よりも結晶粒界に浸透し易い。そのため、結晶粒界に対するエッチング速度は、結晶粒に対するエッチング速度よりも高い。そのため、第1エッチング工程によって、結晶粒界に対するエッチングが結晶粒に対するエッチングよりも速やかに進行し、凹部が結晶粒界に形成される(凹部形成工程)。
その後、ポリマー層形成工程においてポリマー層の少なくとも一部を結晶粒界に埋め込むことができる。ポリマー層形成工程の後、基板の主面にエッチング液を供給することで、処理対象層をエッチングすることができる(第2エッチング工程)。
第2エッチング工程において基板の主面にエッチング液が供給される際、結晶粒界には、ポリマー層が埋め込まれている。そのため、結晶粒界へのエッチング液の入り込みを抑制できる。これにより、結晶粒界へのエッチング液の入り込みに起因するエッチング速度のばらつきを抑制できる。
その結果、結晶粒に対するエッチング速度と結晶粒界に対するエッチング速度との差に起因する処理対象層の表面のラフネスを低減することができる。
この発明の一実施形態において、前記ポリマー層形成工程が、前記処理対象層上に第1ポリマー層を形成し、かつ、前記結晶粒界に埋め込まれた第2ポリマー層を形成する工程を含む。
この方法によれば、処理対象層上にポリマー層が形成されず結晶粒界だけにポリマー層が形成されるようにポリマー含有液を基板の主面にポリマー含有液を供給する必要がない。そのため、ポリマー含有液の供給手法の自由度を増大させることができる。
この発明の一実施形態において、前記基板処理方法が、前記ポリマー層形成工程の後で、かつ、前記第2エッチング工程の前に、前記第1ポリマー層を除去する第1除去液を前記基板の前記主面に供給する第1除去液供給工程をさらに含む。
またこの方法によれば、第2エッチング工程の前に、第1除去液によって第1ポリマー層を除去し、第1ポリマー層を基板の主面から除去することができる。そうすることによって、ポリマー層がエッチング液によって充分に除去されない場合であっても、第2エッチング工程の開始時点で処理対象層を露出させることができる。そのため、第2エッチング工程において処理対象層を速やかにエッチングすることができる。
この発明の一実施形態において、前記ポリマー層形成工程が、前記処理対象層の表面が露出するように前記結晶粒界に埋め込まれた前記ポリマー層を形成する工程を含む。
この方法によれば、処理対象層の表面からポリマー層を除去することなく、エッチング液による処理対象層のエッチングを開始することができる。そのため、基板処理の完了に要する時間を短縮できる。
この発明の一実施形態では、前記第2エッチング工程が、エッチング液によって前記処理対象層をエッチングするとともに、エッチング液に前記ポリマー層を溶解させる工程を含む。
この方法によれば、エッチング液によって、処理対象層をエッチングするとともに、結晶粒界に埋め込まれたポリマー層を除去することができる。そのため、処理対象層を除去した後にエッチング液の供給とは別の手法でポリマー層を除去することなく、処理対象層の主面のラフネスを低減できる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記第2エッチング工程の後、前記基板の前記主面から前記ポリマー層を除去する第2除去液を供給する第2除去液供給工程をさらに含む。
この方法によれば、処理対象層がエッチングされた後に、処理対象層の表面に残留するポリマー層を除去することができる。そのため、処理対象層の表面のラフネスを低減できる。
この発明の一実施形態において、前記第2エッチング工程の後、前記第1エッチング工程、前記ポリマー層形成工程、および、前記第2エッチング工程を1サイクルとするサイクル処理がさらに1回以上実行される。
この方法によれば、サイクル処理において、第1エッチング工程、ポリマー層形成工程、および、第2エッチング工程が繰り返される。そのため、第1エッチング工程、ポリマー層形成工程、および、第2エッチング工程が1回ずつ実行されることでエッチングされる処理対象層の厚さが不充分であっても、サイクル処理を複数回実行することで所望のエッチング量を達成できる。したがって、結晶粒に対するエッチング速度と結晶粒界に対するエッチング速度との差に起因する処理対象層の表面のラフネスを低減しながら、所望のエッチング量を達成することができる。
この発明の一実施形態において、前記基板処理方法は、前記第1エッチング工程の後で、かつ、前記前記ポリマー層形成工程の前に、前記基板の前記主面にリンス液を供給する第1リンス工程をさらに含んでいてもよい。この発明の一実施形態において、前記基板処理方法は、前記第2エッチング工程の後に、前記基板の前記主面にリンス液を供給する第2リンス工程をさらに含んでいてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。 図2は、前記基板処理装置で処理される基板の上面の表層部の構造を説明するための模式図である。 図3は、前記基板処理装置に備えられる処理ユニットの構成を説明するための模式図である。 図4は、前記基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。 図5は、前記基板処理装置によって実行される第1基板処理を説明するためのフローチャートである。 図6Aは、前記第1基板処理中の基板の上面の様子について説明するための模式図である。 図6Bは、前記第1基板処理中の基板の上面の様子について説明するための模式図である。 図7は、前記第1基板処理中の処理対象層の表面の表層部の変化について説明するための模式図である。 図8は、前記基板処理装置によって実行される第2基板処理を説明するためのフローチャートである。 図9は、前記第2基板処理中の基板の上面の様子について説明するための模式図である。 図10は、前記第2基板処理中の処理対象層の表面の表層部の変化について説明するための模式図である。 図11は、前記基板処理装置によって実行される第3基板処理を説明するためのフローチャートである。 図12は、前記第3基板処理中の基板の上面の様子について説明するための模式図である。 図13は、前記第3基板処理中の処理対象層の表面の表層部の変化について説明するための模式図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
<基板処理装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1のレイアウトを示す図解的な平面図である。
基板処理装置1は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。この実施形態では、基板Wは、円形状を有する。
基板処理装置1は、基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、処理対象の複数枚の基板Wを収容するキャリアCが載置されるロードポートLPと、ロードポートLPおよび処理ユニット2の間で基板Wを搬送する搬送ロボットIR,CRと、基板処理装置1を制御するコントローラ3とを備える。
搬送ロボットIRは、キャリアCと搬送ロボットCRとの間で基板Wを搬送する。搬送ロボットCRは、搬送ロボットIRと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する。
各搬送ロボットIR,CRは、たとえば、いずれも、一対の多関節アームARと、上下に互いに離間するように一対の多関節アームARの先端にそれぞれ設けられた一対のハンドHとを含む多関節アームロボットである。
複数の処理ユニット2は、水平に離れた4つの位置にそれぞれ配置された4つの処理タワーを形成している。各処理タワーは、上下方向に積層された複数の処理ユニット2を含む。4つの処理タワーは、ロードポートLPから搬送ロボットIR,CRに向かって延びる搬送経路TRの両側に2つずつ配置されている。
処理ユニット2は、液体で基板Wを処理するウェット処理ユニットである。複数の処理ユニット2は、たとえば、同様の構成を有している。処理液には、後述するエッチング液、リンス液、ポリマー含有液、第1除去液、第2除去液等が含まれる。処理ユニット2は、チャンバ4と、チャンバ4内に配置された処理カップ7とを備えており、処理カップ7内で基板Wに対する処理を実行する。
チャンバ4には、搬送ロボットCRによって、基板Wを搬入したり基板Wを搬出したりするための出入口(図示せず)が形成されている。チャンバ4には、この出入口を開閉するシャッタユニット(図示せず)が備えられている。
<基板の主面の表層部の構成>
図2は、基板処理装置1で処理される基板Wの主面の表層部の構造を説明するための模式図である。
基板Wは、シリコンウエハ等の基板であり、一対の主面を有する。一対の主面のうち少なくとも一方が、凹凸パターン120が形成されたデバイス面である。一対の主面のうちの一方は、デバイスが形成されていない非デバイス面であってもよい。
デバイス面の表層部には、たとえば、複数のトレンチ122が形成された下地層105と、表面が露出するように各トレンチ122内に形成された処理対象層102とが形成されている。下地層105は、隣接するトレンチ122同士の間に位置する微細な凸状の構造体121と、トレンチ122の底部を区画する底区画部123とを有する。複数の構造体121および複数のトレンチ122によって凹凸パターン120が構成されている。処理対象層102の表面102aおよび下地層105(構造体121)の表面は、基板Wの主面の少なくとも一部を構成している。
図2に実線で示すように、処理対象層102の表面102aは、構造体121の先端面121aよりも、トレンチ122の底部に近い位置に位置していてもよいが、必ずしもそうである必要はない。たとえば、図2に二点鎖線で示すように、処理対象層102の表面102aと、構造体121の先端面121aとが面一に形成されており、処理対象層102の表面102aと構造体121の先端面121aとが平坦面を構成していてもよい。
下地層105は、たとえば、絶縁層または低誘電率層である。低誘電率層は、酸化シリコンよりも誘電率の低い材料である低誘電率(Low-k)材料からなる。低誘電率層は、具体的には、酸化シリコンに炭素を加えた絶縁材料(SiOC)からなる。絶縁層は、たとえば、酸化シリコン(SiO)および窒化シリコン(SiN)の少なくもいずれかを含んでいてもよい。下地層105は、単層構造を有していてもよく、積層構造を有していてもよい。積層構造は、半導体層、絶縁体層、金属層の少なくともいずれかによって構成されていてもよい。
トレンチ122は、たとえば、ライン状である。ライン状のトレンチ122の幅Lは、トレンチ122が延びる方向に直交する方向におけるトレンチ122の大きさのことである。
複数のトレンチ122の幅Lは全て同一というわけではなく、基板Wの表層部付近には、少なくとも2種類以上の幅Lのトレンチ122が形成されていてもよい。幅Lは、処理対象層102の幅でもある。トレンチ122の幅Lは、たとえば、20nm以上500nm以下である。トレンチ122の深さDは、トレンチ122の大きさであり、たとえば、200nm以下である。
トレンチ122の深さ方向は、たとえば、基板Wの厚さ方向、または、基板Wの厚さ方向に対する直交方向である。トレンチ122が基板Wの厚さ方向に沿う平面に形成されている場合には、トレンチ122の深さ方向は、基板Wの厚さ方向である。トレンチ122が、基板Wの厚さ方向に沿う平面に形成された別のトレンチの側壁に形成されている場合には、トレンチ122の幅方向が、基板Wの厚さ方向であり、かつ、トレンチ122の深さ方向が基板Wの厚さ方向に対する直交方向である。
トレンチ122は、ライン状には限られない。トレンチ122がトレンチ122の深さ方向から見て円形状である場合、幅Lは、トレンチ122の直径に相当する。
処理対象層102は、たとえば、金属層であり、典型的には、銅層(銅配線)である。金属層は、たとえば、半導体装置等の製造工程のバックエンドプロセス(BEOL:Back End of the Line)において半導体ウェハの表面に形成される。金属層は、たとえば、スパッタリング等の手法によりトレンチ122内に形成されたシード層(図示せず)を核として、電気めっき技術等によって結晶成長させることによって形成される。金属層の形成手法は、この手法に限られない。金属層は、スパッタリングのみによって形成されてもよいし、他の手法で形成されてもよい。金属層は、銅層に限られない。たとえば、金属層は、銅、クロム(Cr)、または、ルテニウム(Ru)からなる金属層であってもよい。
図示しないが、トレンチ122内において処理対象層102と下地層105との間には、バリア層およびライナ層が設けられていてもよい。バリア層は、たとえば、窒化タンタル(TaN)であり、ライナ層は、たとえば、ルテニウム(Ru)またはコバルト(Co)である。
処理対象層102は、複数の結晶粒110によって構成されている。結晶粒110同士の界面のことを結晶粒界111という。結晶粒界111とは、格子欠陥の一種であり、原子配列の乱れによって形成される。
結晶粒110は、トレンチ122の幅Lが狭いほど成長しにくく、トレンチ122の幅Lが広いほど成長しやすい。そのため、トレンチ122の幅Lが狭いほど小さい結晶粒110ができやすく、トレンチ122の幅Lが広いほど大きい結晶粒110ができやすい。すなわち、トレンチ122の幅Lが狭いほど結晶粒界密度が高くなり、トレンチ122の幅Lが広いほど結晶粒界密度が低くなる。
<処理ユニットの構成>
図3は、処理ユニット2の構成を説明するための模式図である。処理ユニット2は、基板Wを所定の処理姿勢に保持しながら基板Wを回転軸線A1まわりに回転させるスピンチャック5と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面(上側の主面)に処理液を供給する複数の処理液ノズル(エッチング液ノズル8、ポリマー含有液ノズル9、第1除去液ノズル10、第2除去液ノズル11、および、リンス液ノズル12)とをさらに含む。スピンチャック5および複数の処理液ノズルは、処理カップ7とともにチャンバ4内に配置されている。
スピンチャック5は、デバイス面が上面となるように基板Wを保持する。回転軸線A1は、基板Wの中心部を通り、処理姿勢に保持されている基板Wの各主面に対して直交する。処理姿勢は、たとえば、図3に示す基板Wの姿勢であり、基板Wの主面が水平面となる水平姿勢である。処理姿勢が水平姿勢である場合、回転軸線A1は、鉛直に延びる。スピンチャック5は、基板Wを処理姿勢に保持する基板保持部材の一例であり、基板Wを処理姿勢に保持しながら回転軸線A1まわりに基板Wを回転させる回転保持部材の一例でもある。
スピンチャック5は、水平方向に沿う円板形状を有するスピンベース21と、スピンベース21よりも上方で基板Wの周縁部を把持する複数の把持ピン20と、スピンベース21に連結され鉛直方向に延びる回転軸22と、回転軸22をその中心軸線(回転軸線A1)のまわりに回転させる回転駆動機構23と、回転軸22および回転駆動機構23を収容するハウジング24とを含む。スピンベース21は、円板状のベースの一例である。
複数の把持ピン20は、スピンベース21の周方向に間隔を空けてスピンベース21の上面に配置されている。回転駆動機構23は、たとえば、電動モータ等のアクチュエータを含む。回転駆動機構23は、回転軸22を回転させることでスピンベース21および複数の把持ピン20が回転軸線A1のまわりに回転する。これにより、基板Wは、スピンベース21および複数の把持ピン20とともに回転軸線A1のまわりに回転される。
複数の把持ピン20は、基板Wの周縁部に接触して基板Wを把持する閉位置と、基板Wに対する把持を解除する開位置との間で移動可能である。複数の把持ピン20は、開閉機構(図示せず)によって移動される。
複数の把持ピン20は、閉位置に位置するとき、基板Wの周縁部を把持して基板Wを処理姿勢に保持する。複数の把持ピン20は、開位置に位置するとき、基板Wに対する把持を解除する一方で、基板Wの周縁部を下方から支持する。開閉機構は、たとえば、リンク機構と、リンク機構に駆動力を付与するアクチュエータとを含む。
処理カップ7は、スピンチャック5に保持されている基板Wから飛散する液体を受ける。処理カップ7は、スピンチャック5に保持された基板Wから外方に飛散する液体を受け止める複数(図3の例では2つ)のガード30と、複数のガード30によって下方に案内された液体を受け止める複数(図3の例では2つ)のカップ31と、複数のガード30および複数のカップ31を取り囲む円筒状の外壁部材32とを含む。
複数のガード30は、ガード昇降機構(図示せず)によって個別に昇降される。各ガード30は、その上端が基板Wの上面(上側の主面)よりも上方に位置する上位置と、その上端が基板Wの上面よりも下方に位置する下位置と、上位置および下位置の間の任意の位置とに移動できる。
複数の処理液ノズルは、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に向けて、エッチング液の連続流を吐出するエッチング液ノズル8と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に向けてポリマー含有液の連続流を吐出するポリマー含有液ノズル9と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に向けて第1除去液の連続流を吐出する第1除去液ノズル10と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に向けて第2除去液の連続流を吐出する第2除去液ノズル11と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に向けてリンス液の連続流を吐出するリンス液ノズル12とを含む。
エッチング液は、たとえば、フッ酸(HF)である。フッ酸は、たとえば、40℃以上70℃以下に加熱されてもよく、50℃以上60℃以下に加熱されてもよい。ただし、フッ酸は、加熱されなくてもよい。フッ酸は、フッ化水素の水溶液であり、フッ化水素酸ともいう。
エッチング液は、フッ酸に限られず、フッ酸、リン酸水溶液、過酸化水素水、APM液(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)、HPM液(hydrochloric acid-hydrogen peroxide mixture:塩酸過酸化水素水混合液)、または、王水(濃塩酸および濃硝酸の混合液)のいずれかを含む。これらは全て水溶性のエッチング液である。フッ酸、リン酸水溶液、過酸化水素水、HPM液、王水等は、酸性のエッチング液である。APM液等は、アルカリ性のエッチング液である。
ポリマー含有液は、溶媒およびポリマー(溶質)を含有する液体である。ポリマー含有液に含有されるポリマーは、非水溶性ポリマーまたは水溶性ポリマーである。水溶性ポリマーとしては、たとえば、酸に溶解されずにアルカリに溶解されるアルカリ溶解性ポリマーと、アルカリに溶解されずに酸に溶解される酸溶解性ポリマーとが挙げられる。
ポリマーとしては、たとえば、感熱水溶性樹脂が挙げられる。感熱水溶性樹脂は、所定の変質温度以上に加熱する前は水に対して難溶性または不溶性であり、変質温度以上に加熱することで変質して水溶性になる性質を有する樹脂である。
感熱水溶性樹脂としては、たとえば、所定の変質温度以上(たとえば、200℃以上)に加熱することで分解して、極性を持った官能基を露出させて、水溶性を発現する樹脂等を用いることができる。感熱水溶性樹脂は、変質温度以上に加熱すると、水溶性に変質する。
ポリマーとしては、感熱水溶性樹脂以外のポリマーを用いることも可能である。ポリマーとしては、たとえば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド等を用いることもできる。たとえば、ポリスチレンは、非水溶性ポリマーの一例であり、フェノール樹脂は、アルカリ溶解性ポリマーの一例である。
ポリマー含有液に含有される溶媒は、水系溶媒、有機溶剤、または、これらの混合液である。水系溶媒は、たとえば、純水等の水である。純水は、たとえば、DIW(脱イオン水)である。
有機溶剤は、たとえば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル、アルコールおよびエーテルのうちの少なくとも1つを含む。
具体的には、有機溶剤としては、メタノール、エタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、NMP(N-メチル-2-ピロリドン)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DMA(ジメチルアセトアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、ヘキサン、トルエン、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、PGPE(プロピレングリコールモノプロピルエーテル)、PGEE(プロピレングリコールモノエチルエーテル)、GBL(γ-ブチロラクトン)、アセチルアセトン、3-ペンタノン、2-ヘプタノン、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ジブチルエーテル、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、および、m-キシレンヘキサフルオライドから選択された少なくとも1種が挙げられる。
基板Wの上面に供給されたポリマー含有液から溶媒の少なくとも一部が蒸発することによって、基板W上のポリマー含有液が半固体状または固体状のポリマー層に変化する。ポリマー含有液は、固化または硬化されることでポリマー層を形成する。
半固体状とは、固体成分と液体成分とが混合している状態であり、基板W上で一定の形状を保つことができる程度の粘度を有する状態である。固体状とは、液体成分が含有されておらず、固体成分のみによって構成されている状態である。
ここで、「固化」とは、たとえば、溶媒の揮発に伴い、分子間や原子間に作用する力等によって溶質が固まることを指す。「硬化」とは、たとえば、重合や架橋等の化学的な変化によって、溶質が固まることを指す。したがって、「固化または硬化」とは、様々な要因によって溶質が「固まる」ことを表している。
第1除去液および第2除去液は、基板W上のポリマーを溶解させて基板Wの上面からポリマー層を除去する液体である。第1除去液および第2除去液としては、ポリマー含有液に含有される溶媒として列挙した液体を用いることができる。第1除去液は、ポリマー含有液に含有される溶媒として列挙した液体以外の液体であってもよく、アルカリ性除去液または酸性除去液であってもよい。
アルカリ性除去液は、たとえば、TMAH液(Tetramethylammonium hydroxide solution:水酸化テトラメチルアンモニウム溶液)等である。酸性除去液は、たとえば、酢酸等である。
第2除去液も同様に、アルカリ性除去液または酸性除去液であってもよい。第2除去液は、たとえば、有機溶剤、アルカリ性除去液、および酸性除去液から選択され、ポリマーを除去する除去成分として第1除去液とは異なる化学種を含有する液体である。第2除去液は、有機溶剤、アルカリ性除去液、および酸性除去液から選択され、除去成分として第1除去液と同じ化学種を含有する液体であってもよいが、その場合には、第2除去液に含有される除去成分の濃度が、第1除去液に含有される除去成分の濃度と異なっていることが好ましい。
リンス液は、基板Wの上面をリンスして、エッチング液、第1除去液、第2除去液等を基板Wの上面から除去する液体である。リンス液は、たとえば、DIW等の水である。ただし、リンス液は、DIWに限られない。リンス液は、たとえば、炭酸水、電解イオン水、希釈濃度(たとえば、1ppm以上で、かつ、100ppm以下)の塩酸水、希釈濃度(たとえば、1ppm以上で、かつ、100ppm以下)のアンモニア水、または、還元水(水素水)であってもよい。
この実施形態では、リンス液ノズル12は、水平方向および鉛直方向における位置が固定された固定ノズルである。リンス液ノズル12を除く各処理液ノズルは、移動ノズルである。リンス液ノズル12を除く複数の処理液ノズルは、それぞれ、複数のノズル移動機構(第1ノズル移動機構25、第2ノズル移動機構26、第3ノズル移動機構27、第4ノズル移動機構28)によって、基板Wの上面に沿う方向(水平方向)に移動される。ノズル移動機構は、対応する処理液ノズルを、中央位置と退避位置との間で移動させることができる。
中央位置は、処理液ノズルの吐出口が基板Wの上面の回転中心(中央部)に対向する位置である。退避位置は、処理液ノズルの吐出口が基板Wの上面に対向しない位置であり、処理カップ7よりも外側の位置である。
各ノズル移動機構は、対応する処理液ノズルを支持するアーム(図示せず)と、アームを基板Wの上面に沿う方向(水平方向)に移動させるアーム駆動機構(図示せず)とを含む。アーム駆動機構は、電動モータ、エアシリンダ等のアクチュエータを含む。
各処理液ノズルは、所定の回動軸線まわりに回動する回動式ノズルであってもよいし、アームが延びる方向に直線的に移動する直動式ノズルであってもよい。各処理液ノズルは、鉛直方向にも移動できるように構成されていてもよい。以下で説明する他のノズル移動機構についても同様の構成を有している。
各処理液ノズルには、対応する処理液を処理液ノズルに案内する配管(エッチング液配管40、ポリマー含有液配管41、第1除去液配管42、第2除去液配管43およびリンス液配管44)が接続されている。各配管には、各配管を開閉するバルブ(エッチング液バルブ50、ポリマー含有液バルブ51、第1除去液バルブ52、第2除去液バルブ53およびリンス液バルブ54)が設けられている。バルブが開かれると、対応する処理液の連続流が対応する処理液ノズルから吐出される。
エッチング液バルブ50がエッチング液配管40に設けられるとは、エッチング液バルブ50がエッチング液配管40に介装されることを意味していてもよい。その他のバルブにおいても同様である。図示はしないが、エッチング液バルブ50は、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータとを含む。他のバルブについても同様の構成を有している。
<基板処理装置の電気的構成>
図4は、基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。コントローラ3は、マイクロコンピュータを備え、所定の制御プログラムに従って基板処理装置1に備えられた制御対象を制御する。
具体的には、コントローラ3は、プロセッサ3A(CPU)と、制御プログラムが格納されたメモリ3Bとを含む。コントローラ3は、プロセッサ3Aが制御プログラムを実行することによって、基板処理のための様々な制御を実行するように構成されている。とくに、コントローラ3は、搬送ロボットIR,CR、回転駆動機構23、第1ノズル移動機構25、第2ノズル移動機構26、第3ノズル移動機構27、第4ノズル移動機構28、エッチング液バルブ50、ポリマー含有液バルブ51、第1除去液バルブ52、第2除去液バルブ53、リンス液バルブ54等を制御するようにプログラムされている。
コントローラ3によってバルブが制御されることによって、対応するノズルからの流体の吐出の有無や、対応するノズルからの流体の吐出流量が制御される。後述する図5に示す各工程は、コントローラ3が基板処理装置1に備えられる各部材を制御することにより実行される。言い換えると、コントローラ3は、後述する図5に示す各工程を実行するようにプログラムされている。
<第1基板処理>
図5は、基板処理装置1によって実行される第1基板処理を説明するためのフローチャートである。図5には、主として、コントローラ3がプログラムを実行することによって実現される処理が示されている。図6Aおよび図6Bは、第1基板処理中の基板Wの上面の様子について説明するための模式図である。
基板処理装置1による基板処理では、たとえば、図5に示すように、基板搬入工程(ステップS1)、第1エッチング工程(ステップS2)、第1リンス工程(ステップS3)、ポリマー層形成工程(ステップS4)、第1除去液供給工程(ステップS5)、第1除去液排除工程(ステップS6)、第2エッチング工程(ステップS7)、第2リンス工程(ステップS8)、第2除去液供給工程(ステップS9)、第2除去液排除工程(ステップS10)、スピンドライ工程(ステップS11)、および、基板搬出工程(ステップS12)が実行される。
第1基板処理では、ポリマーとして、エッチング液に殆ど溶解されないポリマーが選択される。そのため、第1基板処理では、ポリマー含有液に含有されるポリマー、エッチング液、第1除去液、および、第2除去液は、以下のような組み合わせで用いられる。
ポリマー含有液に含有されるポリマーが非水溶性ポリマーであれば、エッチング液としては、たとえば、フッ酸等の水溶性のエッチング液が用いられ、第1除去液および第2除去液としては、たとえば、IPA、トルエン等の有機溶剤が用いられる。
ポリマー含有液に含有されるポリマーが酸溶解性ポリマーであれば、エッチング液としては、たとえば、TMAH液等のアルカリ性のエッチング液が用いられ、第1除去液および第2除去液としては、たとえば、フッ酸等の酸性除去液が用いられる。
ポリマー含有液に含有されるポリマーがアルカリ溶解性ポリマーであれば、エッチング液としては、たとえば、フッ酸等の酸性のエッチング液が用いられ、第1除去液および第2除去液としては、たとえば、TMAH液等のアルカリ性除去液が用いられる。
以下では、図3および図5を主に参照し、第1基板処理の詳細について説明する。図6Aおよび図6Bについては適宜参照する。
まず、未処理の基板Wは、搬送ロボットCR(図1を参照)によってキャリアCから処理ユニット2に搬入され、スピンチャック5に渡される(搬入工程:ステップS1)。これにより、基板Wは、スピンチャック5によって処理姿勢に保持される(基板保持工程)。このとき、基板Wは、デバイス面が上面となるようにスピンチャック5に保持される。スピンチャック5は、基板Wを保持しながら基板Wの回転を開始する(基板回転工程)。
まず、基板Wの上面にエッチング液を供給する第1エッチング工程(ステップS2)が実行される。具体的には、第1ノズル移動機構25がエッチング液ノズル8を処理位置に移動させる。処理位置は、たとえば、中央位置である。エッチング液ノズル8が処理位置に位置する状態で、エッチング液バルブ50が開かれる。これにより、図6A(a)に示すように、基板Wの上面に向けて、エッチング液ノズル8からエッチング液が供給(吐出)される(第1エッチング液吐出工程、第1エッチング液供給工程)。
エッチング液ノズル8から吐出されたエッチング液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面がエッチング液によって処理される。基板Wの上面のエッチング液は、基板Wの上面の周縁部から基板W外へ飛散する。第1エッチング工程において基板Wの上面にエッチング液が供給されている間、基板Wは、たとえば、10rpm以上2000rpm以下の回転速度で回転される。
所定の期間(たとえば、10秒以上120秒以下の期間)基板Wの上面にエッチング液が供給された後、基板Wの上面にリンス液を供給する第1リンス工程(ステップS3)が実行される。具体的には、エッチング液バルブ50が閉じられ、その代わりにリンス液バルブ54が開かれる。これにより、図6A(b)に示すように、基板Wの上面に向けて、リンス液ノズル12からリンス液が供給(吐出)される(第1リンス液吐出工程、第1リンス液供給工程)。
リンス液ノズル12から吐出されたリンス液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面が洗い流され、基板Wの上面からエッチング液が排除される。基板Wの上面のリンス液は、エッチング液とともに、基板Wの上面の周縁部から基板W外へ飛散する。第1リンス工程において基板Wの上面にリンス液が供給されている間、基板Wは、たとえば、10rpm以上2000rpm以下の回転速度で回転される。
なお、エッチング液バルブ50が閉じられた後、第1ノズル移動機構25がエッチング液ノズル8を退避位置に移動させる。以下の工程においても、各処理液ノズルは、対応するノズル移動機構によって処理位置(この実施形態では中央位置)に配置される。その状態で対応するバルブが開かれることによって処理液が基板Wの上面に向けて吐出される。対応するバルブが閉じられた後、各ノズルは、退避位置へ移動される。
所定の期間(たとえば、10秒以上60秒以下の期間)基板Wの上面にリンス液が供給された後、基板Wの上面にポリマー含有液を供給し、基板Wの上面にポリマー層90を形成するポリマー層形成工程(ステップS4)が実行される。具体的には、ポリマー含有液ノズル9が処理位置に配置された状態で、ポリマー含有液バルブ51が開かれる。これにより、図6A(c)に示すように、基板Wの上面に向けて、ポリマー含有液ノズル9からポリマー含有液が供給(吐出)される(ポリマー含有液吐出工程、ポリマー含有液供給工程)。
ポリマー含有液ノズル9から吐出されたポリマー含有液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。基板Wの上面上のポリマー含有液から溶媒を蒸発させることで、図6A(d)に示すように、ポリマー層90の形成が促進される(ポリマー層形成促進工程)。
具体的には、所定の期間(たとえば、10秒以上120秒以下の期間)基板Wの上面にポリマー含有液が供給された後、ポリマー含有液バルブ51を閉じてポリマー含有液ノズル9からのポリマー含有液の吐出が停止される。図6A(d)に示すように、ポリマー含有液の吐出が停止された後においても、基板Wの回転が継続される。このとき、基板Wの回転を加速させてもよい。ポリマー含有液ノズル9からのポリマー含有液の吐出が停止された後、基板Wの回転速度は、たとえば、10rpm以上2000rpm以下にされる。
ポリマー含有液ノズル9からのポリマー含有液の吐出を停止した状態で基板Wを所定の期間(たとえば、10秒以上120秒以下の期間)回転させることによって、基板Wの上面上のポリマー含有液の量が低減される。すなわち、ポリマー含有液の液膜が薄膜化される(薄膜化工程)。同時に、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面に接する雰囲気から溶媒の蒸気が排除される。これにより、基板Wの上面上のポリマー含有液から溶媒の蒸発が促進される。
所定の期間(たとえば、10秒以上120秒以下の期間)基板Wが回転された後、基板Wの上面に第1除去液を供給する第1除去液供給工程(ステップS5)が実行される。具体的には、第1除去液ノズル10が処理位置に配置された状態で、第1除去液バルブ52が開かれる。これにより、図6A(e)に示すように、基板Wの上面に向けて、第1除去液ノズル10から第1除去液が供給(吐出)される(第1除去液吐出工程、第1除去液供給工程)。
第1除去液ノズル10から吐出された第1除去液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。詳しくは後述するが、これにより、基板Wの上面からポリマー層90の一部が除去される。基板Wの上面の第1除去液は、基板Wの上面の周縁部から基板W外へ飛散する。第1除去液供給工程において基板Wの上面に第1除去液が供給されている間、基板Wは、たとえば、10rpm以上2000rpm以下の回転速度で回転される。
所定の期間(たとえば、10秒以上120秒以下の期間)基板Wの上面に第1除去液が供給された後、基板Wの上面にリンス液を供給して基板Wの上面から第1除去液を排除する第1除去液排除工程(ステップS6)が実行される。具体的には、第1除去液バルブ52が閉じられ、その代わりにリンス液バルブ54が開かれる。これにより、図6A(f)に示すように、基板Wの上面に向けて、リンス液ノズル12からリンス液が供給(吐出)される。
リンス液ノズル12から吐出されたリンス液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面が洗い流され、基板Wの上面から第1除去液が排除される。第1除去液排除工程において基板Wの上面にリンス液が供給されている間、基板Wは、たとえば、20rpm以上2000rpm以下の回転速度で回転される。
所定の期間(たとえば、10秒以上60秒以下の期間)基板Wの上面にリンス液が供給された後、基板Wの上面にエッチング液を供給する第2エッチング工程(ステップS7)が実行される。具体的には、リンス液バルブ54が閉じられ、エッチング液ノズル8が処理位置に配置されている状態で、エッチング液バルブ50が開かれる。これにより、図6Bの(a)に示すように、基板Wの上面に向けて、エッチング液ノズル8からエッチング液が供給(吐出)される(第2エッチング液吐出工程、第2エッチング液供給工程)。
エッチング液ノズル8から吐出されたエッチング液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面がエッチング液によって再び処理される。基板Wの上面のエッチング液は、基板Wの上面の周縁部から基板W外へ飛散する。第2エッチング工程において基板Wの上面にエッチング液が供給されている間、基板Wは、たとえば、10rpm以上2000rpm以下の回転速度で回転される。
所定の期間(たとえば、10秒以上120秒以下の期間)基板Wの上面にエッチング液が供給された後、基板Wの上面にリンス液を供給する第2リンス工程(ステップS8)が実行される。具体的には、エッチング液バルブ50が閉じられ、その代わりにリンス液バルブ54が開かれる。これにより、図6B(b)に示すように、基板Wの上面に向けて、リンス液ノズル12からリンス液が供給(吐出)される(第2リンス液吐出工程、第2リンス液供給工程)。
リンス液ノズル12から吐出されたリンス液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面が洗い流され、基板Wの上面からエッチング液が排除される。基板Wの上面のリンス液は、エッチング液とともに、基板Wの上面の周縁部から基板W外へ飛散する。第2リンス工程において基板Wの上面にリンス液が供給されている間、基板Wは、たとえば、10rpm以上2000rpm以下の回転速度で回転される。
所定の期間(たとえば、10秒以上60秒以下の期間)基板Wの上面にリンス液が供給された後、基板Wの上面に第2除去液を供給する第2除去液供給工程(ステップS9)が実行される。具体的には、リンス液バルブ54が閉じられ、第2除去液ノズル11が処理位置に配置された状態で、第2除去液バルブ53が開かれる。これにより、図6B(c)に示すように、基板Wの上面に向けて、第2除去液ノズル11から第2除去液が供給(吐出)される(第2除去液吐出工程、第2除去液供給工程)。
第2除去液ノズル11から吐出された第2除去液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。詳しくは後述するが、これにより、基板Wの上面から残りのポリマー層90が除去される。基板Wの上面の第2除去液は、基板Wの上面の周縁部から基板W外へ飛散する。第2除去液供給工程において基板Wの上面に第2除去液が供給されている間、基板Wは、たとえば、10rpm以上2000rpm以下の回転速度で回転される。
所定の期間(たとえば、10秒以上120秒以下の期間)基板Wの上面に第2除去液が供給された後、基板Wの上面にリンス液を供給して基板Wの上面から第2除去液を排除する第2除去液排除工程(ステップS10)が実行される。具体的には、第2除去液バルブ53が閉じられ、その代わりにリンス液バルブ54が開かれる。これにより、図6B(d)に示すように、基板Wの上面に向けて、リンス液ノズル12からリンス液が供給(吐出)される。
リンス液ノズル12から吐出されたリンス液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面が洗い流され、基板Wの上面から第2除去液が排除される。第2除去液排除工程において基板Wの上面にリンス液が供給されている間、基板Wは、たとえば、10rpm以上2000rpm以下の回転速度で回転される。
次に、基板Wを高速回転させて基板Wの上面を乾燥させるスピンドライ工程(ステップS11)が実行される。具体的には、リンス液バルブ54を閉じて基板Wの上面へのリンス液の供給を停止させる。
そして、回転駆動機構23が基板Wの回転を加速し、基板Wを高速回転(たとえば、1500rpm)させる。それによって、大きな遠心力が基板Wに付着しているリンス液に作用し、リンス液が基板Wの周囲に振り切られる。
スピンドライ工程(ステップS11)の後、回転駆動機構23が基板Wの回転を停止させる。その後、搬送ロボットCRが、処理ユニット2に進入して、スピンチャック5から処理済みの基板Wを受け取って、処理ユニット2外へと搬出する(基板搬出工程:ステップS12)。その基板Wは、搬送ロボットCRから搬送ロボットIRへと渡され、搬送ロボットIRによって、キャリアCに収納される。
<第1基板処理中の処理対象層の表面の表層部の変化>
図7は、第1基板処理中の処理対象層102の表面102aの表層部103の変化について説明するための模式図である。図7に示す表層部103は、図2に示すトレンチ122内に形成された処理対象層102の表層部を拡大した図に相当する。
図7(a)は、第1基板処理が開始される前の表層部103の様子を示している。図7(b)は、第1エッチング工程(ステップS2)が実行されているときの表層部103の様子を示している。
上述したように、結晶粒界111では原子配列が乱れている。そのため、エッチング液は、結晶粒110よりも結晶粒界111に入り込み易い。そのため、結晶粒界111に対するエッチング速度は、結晶粒110に対するエッチング速度よりも高い。そのため、第1エッチング工程によって、結晶粒界111に対するエッチングが結晶粒110に対するエッチングよりも進行し、結晶粒界111において結晶粒110同士の間の隙間が大きくなり、ポリマー含有液等の液体が入り込むことができる程度の大きさの凹部112が形成される(凹部形成工程)。図7(b)に示すように、処理対象層102の結晶粒界111におけるエッチング量E2(結晶粒界エッチング量)は、処理対象層102の結晶粒110におけるエッチング量E1(結晶粒エッチング量)よりも大きい。エッチング量は、エッチング深さともいう。
図7(c)は、ポリマー層形成工程(ステップS4)の後の表層部103の様子を示している。第1エッチング工程が実行されることによって結晶粒界111には凹部112が形成されている。そのため、ポリマー層形成工程において基板Wの上面に供給されるポリマー含有液が、凹部112に入り込む。ポリマー層形成工程では、ポリマー含有液が凹部112に入り込み、かつ、処理対象層102上にも存在している状態で、ポリマー含有液がポリマー層90に変化する。そのため、処理対象層102上に第1ポリマー層91が形成され、かつ、結晶粒界111に埋め込まれた第2ポリマー層92が形成される。ポリマー層90は、第1ポリマー層91および第2ポリマー層92を含む。
図7(d)は、第1除去液供給工程(ステップS5)が実行されているときの表層部103の様子を示している。第1除去液供給工程では、第2ポリマー層92を凹部112内に残留させつつ、第1ポリマー層91が除去される(第1ポリマー層除去工程、図5を参照)。第1ポリマー層91は、たとえば、第1除去液に溶解されることによって、処理対象層102上から除去される(第1ポリマー層溶解工程)。
たとえば、第1除去液中の除去成分の濃度が第2除去液中の除去成分の濃度よりも低くなるように各除去液を調整することによって、第2ポリマー層92を残留させつつ第1ポリマー層91を除去することが実現される。あるいは、第1除去液として第2除去液よりもポリマー除去力(溶解力)が低い化学種を除去成分として含有する液体を用いることでも、第2ポリマー層92を残留させつつ第1ポリマー層91を除去することが実現される。
第1基板処理では、ポリマー形成工程において処理対象層102上に第1ポリマー層91を形成し、その後の第1除去液供給工程において第2ポリマー層92を残留させつつ第1ポリマー層91が除去される。そのため、処理対象層102上にポリマー層90を形成させず結晶粒界111だけにポリマー層90が形成されるようにポリマー含有液を基板Wの上面にポリマー含有液を供給する必要がない。そのため、ポリマー含有液の供給手法の自由度を増大させることができる。
また、第2エッチング工程の前に、第1除去液によって第1ポリマー層91が除去し、第1ポリマー層91を基板の主面から除去することができる。そうすることによって、ポリマー層90がエッチング液によって充分に除去されない場合であっても、第2エッチング工程の開始時点で処理対象層102を露出させることができる。そのため、第2エッチング工程において、処理対象層102を速やかにエッチングすることができる。
図7(e)は、第2エッチング工程(ステップS7)が実行されているときの表層部103の様子を示している。
第1除去液排除工程の後、基板Wの上面にエッチング液を供給することで、処理対象層102をエッチングすることができる(第2エッチング工程)。
第2エッチング工程において基板Wの上面にエッチング液が供給される際、結晶粒界111には第2ポリマー層92が埋め込まれている。詳しくは、凹部112内に第2ポリマー層92が配置されている。そのため、結晶粒界111へのエッチング液の入り込みを抑制できる。これにより、結晶粒界111へのエッチング液の入り込みに起因するエッチング速度のばらつきを抑制できる。その結果、結晶粒110に対するエッチング速度と結晶粒界111に対するエッチング速度との差に起因する処理対象層102の表面102aのラフネスを低減することができる。
第2エッチング工程が実行されることによって、第2ポリマー層92が処理対象層102上に露出される。第2エッチング工程の実行によって、第2ポリマー層92の全体が処理対象層102上に露出することが好ましい。第2ポリマー層92の全体が処理対象層102上に露出されることによって、結晶粒界111の凹部112が排除され、処理対象層102の表面102aのラフネスを低減できる。
図7(f)は、第2除去液供給工程(ステップS9)が実行されているときの表層部103の様子を示している。第2除去液供給工程では、第2ポリマー層92が除去される(第2ポリマー層除去工程、図5を参照)。第2ポリマー層92は、たとえば、第2除去液に溶解されることによって、処理対象層102上から除去される(第2ポリマー層溶解工程)。これにより、処理対象層102がエッチングされた後に、処理対象層102の表面102aに残留するポリマー層90を除去することができる。そのため、処理対象層102の表面102aのラフネスを低減できる。
以上のように、基板処理装置1を用いて第1基板処理を実行することで、処理対象層102の表層部103を酸化させて酸化層を形成してからその酸化層をエッチングすることなく、結晶粒110に対するエッチング速度と結晶粒界111に対するエッチング速度との差に起因する処理対象層102の表面102aのラフネスを低減することができる。つまり、酸化層を形成することなく、ラフネスの悪化を抑制しながら処理対象層102をエッチングすることができる。
ところで、この実施形態とは異なり、ポリマー層90を結晶粒界111に埋め込むことなく処理対象層102をエッチングする場合には、基板Wのデバイス面内において結晶粒界密度の違いがラフネスに影響する。
基板Wのデバイス面において結晶粒界密度が大きい箇所(幅Lが狭いトレンチ122内)において処理対象層102がエッチングされやすく、結晶粒界密度が小さい箇所(幅Lが広いトレンチ122内)において処理対象層がエッチングされにくい。したがって、デバイス面内において、処理対象層102が均一にエッチングされにくく、基板Wの上面のラフネスが増大する。そこで、第1基板処理のようにポリマー層90を結晶粒界111に埋め込んだ状態で処理対象層102をエッチングすれば、結晶粒界密度に起因するトレンチ122間での処理対象層102のエッチングのばらつきを低減することができる。すなわち、結晶粒界密度に起因するラフネスを低減することができる。
基板処理装置1を用いて、第1基板処理とは異なる基板処理を実行することも可能である。以下では、第1基板処理とは異なる基板処理として、第2基板処理(図8~図10を参照)、および、第3基板処理(図11~図13を参照)について説明する。
<第2基板処理>
上述の第1基板処理では、ポリマー層形成工程(ステップS4)において、処理対象層102上に形成された第1ポリマー層91と、結晶粒界111に埋め込まれた第2ポリマー層92とを有するポリマー層90が形成されることを前提としている。しかしながら、ポリマー層形成工程(ステップS4)において、第1ポリマー層91が形成されない場合もあり得る。そのような場合には、以下に説明する第2基板処理を実行することが好ましい。
図8は、第2基板処理を説明するためのフローチャートである。図8には、主として、コントローラ3がプログラムを実行することによって実現される処理が示されている。図9は、第2基板処理中の基板Wの上面の様子について説明するための模式図である。
第2基板処理が第1基板処理(図5~図7を参照)と主に異なる点は、第1除去液供給工程(ステップS5)、第1除去液排除工程(ステップS6)、第2除去液供給工程(ステップS9)および第2除去液排除工程(ステップS10)の代わりに、除去液供給工程(ステップS20)および除去液排除工程(ステップS21)が実行される点である。
第2基板処理では、ポリマー含有液に含有されるポリマーとして、エッチング液に殆ど溶解されないポリマーが選択される。そのため、第2基板処理では、ポリマー含有液に含有されるポリマー、エッチング液、および、除去液としての第2除去液の組み合わせとして、第1基板処理と同様の組み合わせを用いることができる。
以下では、第2基板処理について説明するが、各工程の詳細な説明については第1基板処理と同様であるため省略する。
第2基板処理では、スピンチャック5に保持されている基板Wの回転が開始された後、図9(a)に示すように、基板Wの上面にエッチング液を供給して基板Wの上面を処理する第1エッチング工程(ステップS2)が実行される。その後、図9(b)に示すように、基板Wの上面にリンス液を供給して基板Wの上面からエッチング液を排除する第1リンス工程(ステップS3)が実行される。
第1リンス工程の後、図9(c)に示すように回転状態の基板Wの上面にポリマー含有液を供給し、その後、図9(d)に示すように回転状態を継続しながらポリマー含有液の供給を停止させることによって、ポリマー層90を形成するポリマー層形成工程(ステップS4)が実行される。
図9(e)に示すように、ポリマー層90が形成されている状態で、基板Wの上面にエッチング液を再度供給することによって、基板Wの上面を処理する第2エッチング工程(ステップS7)が実行される。その後、図9(f)に示すように、基板Wの上面にリンス液を供給して基板Wの上面からエッチング液を排除する第2リンス工程(ステップS8)が実行される。
その後、図9(g)に示すように、除去液としての第2除去液を基板Wの上面に供給してポリマー層90を除去する除去液供給工程(ステップS20)が実行される。さらにその後、図9(h)リンス液によって、基板Wの上面から除去液としての第2除去液を排除する除去液排除工程(ステップS21)が実行される。さらにその後、スピンドライ工程(ステップS11)および基板搬出工程(ステップS12)が実行される。
<第2基板処理中の処理対象層の表面の表層部の変化>
図10は、第2基板処理中の処理対象層102の表面102aの表層部103の変化について説明するための模式図である。図10に示す表層部103は、図2に示すトレンチ122内に形成された処理対象層102の表面102aの表層部を拡大した図に相当する。
以下では、第2基板処理における処理対象層102の表面102aの表層部103の変化について説明するが、第1基板処理と同様の部分については説明を省略する。
図10(a)は、第2基板処理が開始される前の表層部103の様子を示している。図10(b)は、第1エッチング工程(ステップS2)が実行されているときの表層部103の様子を示している。第1エッチング工程(ステップS2)の実行による表層部103の変化は、第1基板処理と同様である。すなわち、第1エッチング工程によって、結晶粒界111に対するエッチングが結晶粒110に対するエッチングよりも進行し、結晶粒界111において結晶粒110同士の間の隙間が大きくなり、ポリマー含有液等の液体が入り込むことができる程度の大きさの凹部112が形成される(凹部形成工程)。図10(b)に示すように、処理対象層102の結晶粒界111におけるエッチング量E2(結晶粒界エッチング量)は、処理対象層102の結晶粒110におけるエッチング量E1(結晶粒エッチング量)よりも大きい。
図10(c)は、ポリマー層形成工程(ステップS4)の後の表層部103の様子を示している。上述したように、第2基板処理のポリマー層形成工程では、第1ポリマー層91(図7(c)を参照)が形成されない。すなわち、処理対象層102の表面102aを露出させ、かつ、結晶粒界111に埋め込まれるようにポリマー層90(第2ポリマー層92)が形成される。
図10(d)は、第2エッチング工程(ステップS7)が実行されているときの表層部103の様子を示している。第2エッチング工程の実行による表層部103の変化は、第1基板処理と同様である。基板Wの上面にエッチング液を供給することで、処理対象層102をエッチングすることができる(第2エッチング工程)。
第2エッチング工程において基板Wの上面にエッチング液が供給される際、結晶粒界111には第2ポリマー層92が埋め込まれている。詳しくは、凹部112内に第2ポリマー層92が配置されている。そのため、結晶粒界111へのエッチング液の入り込みを抑制できる。これにより、結晶粒界111へのエッチング液の入り込みに起因するエッチング速度のばらつきを抑制できる。その結果、結晶粒110に対するエッチング速度と結晶粒界111に対するエッチング速度との差に起因する処理対象層102の表面102aのラフネスを低減することができる。
第2エッチング工程が実行されることによって、第2ポリマー層92が処理対象層102上に露出される。第2エッチング工程の実行によって、第2ポリマー層92の全体が処理対象層102上に露出することが好ましい。第2ポリマー層92の全体が処理対象層102上に露出させることによって、結晶粒界111の凹部112が排除され、処理対象層102の表面102aのラフネスを低減できる。
図10(e)は、除去液供給工程(ステップS20)が実行されているときの表層部103の様子を示している。除去液供給工程の実行による表層部103の変化は、第1基板処理における第2除去液供給工程(ステップS9)と同様である。すなわち、除去液供給工程では、第2ポリマー層92が除去される(ポリマー層除去工程、図8を参照。)。第2ポリマー層92は、たとえば、第2除去液に溶解されることによって、処理対象層102上から除去される(ポリマー層溶解工程)。これにより、処理対象層102がエッチングされた後に、処理対象層102の表面102aに残留するポリマー層90を除去することができる。そのため、処理対象層102の表面102aのラフネスを低減できる。
このように、第2基板処理においても、第2エッチング工程において基板Wの上面にエッチング液が供給される際、結晶粒界111には、ポリマー層90(第2ポリマー層92)が埋め込まれている。そのため、結晶粒界111へのエッチング液の入り込みを抑制できる。これにより、結晶粒界111へのエッチング液の入り込みに起因するエッチング速度のばらつきを抑制できる。
その結果、結晶粒110に対するエッチング速度と結晶粒界111に対するエッチング速度との差に起因する処理対象層102の表面102aのラフネスを低減することができる。また、結晶粒界密度に起因するラフネスを低減することもできる。
第2基板処理では、第1除去液供給工程(ステップS5)および第1除去液排除工程(ステップS6)を省略できる。そのため、基板処理の完了に要する時間を短縮できる。
なお、第2基板処理は、図3に示す基板処理装置1を用いて実行することができる。しかしながら、図3に示す基板処理装置1から第1除去液ノズル10および当該ノズルに関連する部材を省略した基板処理装置を用いて第2基板処理を実行することも可能である。
<第3基板処理>
第1基板処理とは異なり、ポリマー含有液に含有されるポリマーとして、エッチング液に溶解されるポリマーが選択される場合には、以下に示す第3基板処理を実行することが好ましい。
第3基板処理では、ポリマー含有液に含有されるポリマーおよびエッチング液は、以下のような組み合わせで用いられる。ポリマー含有液に含有されるポリマーが酸溶解性ポリマーであれば、エッチング液としては、たとえば、フッ酸、塩酸、HPM液等の酸性のエッチング液が用いられる。ポリマー含有液に含有されるポリマーがアルカリ溶解性ポリマーであれば、エッチング液としては、たとえば、アンモニア水、TMAH液、APM液等のアルカリ性のエッチング液が用いられる。
さらに、第3基板処理で用いられるエッチング液は、結晶粒110に対するエッチング速度とポリマー層90に対する溶解速度とが同じであることが好ましい。
図11は、第3基板処理を説明するためのフローチャートである。図11には、主として、コントローラ3がプログラムを実行することによって実現される処理が示されている。図12は、第3基板処理中の基板Wの上面の様子について説明するための模式図である。
第3基板処理が第1基板処理(図5~図7を参照)と主に異なる点は、第1除去液供給工程(ステップS5)、第1除去液排除工程(ステップS6)、第2除去液供給工程(ステップS9)および第2除去液排除工程(ステップS10)が省略される点である。
以下では、第3基板処理について説明するが、各工程の詳細な説明については第1基板処理と同様であるため、省略する。
第3基板処理では、スピンチャック5に保持されている基板Wの回転が開始された後、図12(a)に示すように、基板Wの上面にエッチング液を供給して基板Wの上面を処理する第1エッチング工程(ステップS2)が実行される。その後、図12(b)に示すように、基板Wの上面にリンス液を供給して基板Wの上面からエッチング液を排除する第1リンス工程(ステップS3)が実行される。
第1リンス工程の後、図12(c)に示すように回転状態の基板Wの上面にポリマー含有液を供給し、その後、図12(d)に示すように回転状態を継続しながらポリマー含有液の供給を停止させることによって、ポリマー層90を形成するポリマー層形成工程(ステップS4)が実行される。
図12(e)に示すように、ポリマー層90が形成されている状態で、基板Wの上面にエッチング液を再度供給することによって、基板Wの上面を処理する第2エッチング工程(ステップS7)が実行される。その後、図12(f)に示すように、基板Wの上面にリンス液を供給して基板Wの上面からエッチング液を排除する第2リンス工程(ステップS8)が実行される。さらにその後、スピンドライ工程(ステップS11)および基板搬出工程(ステップS12)が実行される。
<第3基板処理中の処理対象層の表面の表層部の変化>
図13は、第3基板処理中の処理対象層102の表面102aの表層部103の変化について説明するための模式図である。図13に示す表層部103は、図2に示すトレンチ122内に形成された処理対象層102の表面102aの表層部を拡大した図に相当する。
以下では、第3基板処理における処理対象層102の表面102aの表層部103の変化について説明するが、第1基板処理と同様の部分については説明を省略する。
図13(a)は、第3基板処理が開始される前の表層部103の様子を示している。図13(b)は、第1エッチング工程(ステップS2)が実行されているときの表層部103の様子を示している。
第1エッチング工程(ステップS2)の実行による表層部103の変化は、第1基板処理と同様である。すなわち、第1エッチング工程によって、結晶粒界111に対するエッチングが結晶粒110に対するエッチングよりも進行し、結晶粒界111において結晶粒110同士の間の隙間が大きくなり、ポリマー含有液等の液体が入り込むことができる程度の大きさの凹部112が形成される(凹部形成工程)。図13(b)に示すように、処理対象層102の結晶粒界111におけるエッチング量E2(結晶粒界エッチング量)は、処理対象層102の結晶粒110におけるエッチング量E1(結晶粒エッチング量)よりも大きい。
図13(c)は、ポリマー層形成工程(ステップS4)の後の表層部103の様子を示している。第1エッチング工程(ステップS2)、第1リンス工程(ステップS3)およびポリマー層形成工程(ステップS4)の実行による表層部103の変化は、第1基板処理と同様である。すなわち、ポリマー層形成工程では、ポリマー含有液が凹部112に入り込み、かつ、処理対象層102上にも存在している状態で、ポリマー含有液がポリマー層90に変化する。そのため、処理対象層102上に第1ポリマー層91が形成され、かつ、結晶粒界111に埋め込まれた第2ポリマー層92が形成される。ポリマー層90は、第1ポリマー層91および第2ポリマー層92を含む。
図13(d)~図13(f)は、第2エッチング工程(ステップS7)が実行されているときの表層部103の様子を示している。ポリマー層形成工程の後、基板Wの上面にエッチング液を供給することで、処理対象層102をエッチングすることができる(第2エッチング工程)。ポリマー層90に含有されるポリマーは、エッチング液によって溶解される性質を有する。そのため、図13(d)に示すように、エッチング液によって第1ポリマー層91が溶解される。第1ポリマー層91が溶解されて処理対象層102から除去された後においても結晶粒界111には第2ポリマー層92が埋め込まれている。第1ポリマー層91が除去された後において、図13(e)に示すように、エッチング液によって処理対象層102がエッチングされるとともに第2ポリマー層92が溶解される。最終的には、図13(f)に示すように、第2ポリマー層92の全体が除去されて処理対象層102の表面102aが均平化される。
処理対象層102がエッチングされる際、凹部112内には第2ポリマー層92が配置されている。そのため、結晶粒界111へのエッチング液の入り込みを抑制できる。これにより、結晶粒界111へのエッチング液の入り込みに起因するエッチング速度のばらつきを抑制できる。その結果、結晶粒110に対するエッチング速度と結晶粒界111に対するエッチング速度との差に起因する処理対象層102の表面102aのラフネスを低減することができる。また、結晶粒界密度に起因するラフネスを低減することもできる。
なお、第3基板処理のポリマー層形成工程(ステップS4)において、第1ポリマー層91(図13(c)を参照)が形成されなくてもよい。すなわち、処理対象層102の表面102aを露出させ、かつ、結晶粒界111に埋め込まれるようにポリマー層90(第2ポリマー層92)が形成されてもよい。
なお、第3基板処理は、図3に示す基板処理装置1を用いて実行することができる。しかしながら、図3に示す基板処理装置1から第1除去液ノズル10、第2除去液ノズル11、および、これらのノズルに関連する部材を省略した基板処理装置を用いて第3基板処理を実行することも可能である。
第1基板処理~第3基板処理において説明したように、ポリマー層形成工程では、結晶粒界111に少なくとも一部が埋め込まれたポリマー層90が形成される。
<その他の実施形態>
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、さらに他の形態で実施することができる。
(1)たとえば、上述の実施形態では、基板Wの上面に対して基板処理が実行される。しかしながら、基板Wの下面に対して基板処理が実行されてもよい。その場合、デバイス面が下面となるように、スピンチャック5によって基板Wが保持される。
(2)上述の各実施形態では、スピンチャック5は、基板Wの周縁を複数の把持ピン20で把持する把持式のスピンチャックであるが、スピンチャック5は把持式のスピンチャックに限られない。たとえば、スピンチャック5は、スピンベース21に基板Wを吸着させる真空吸着式のスピンチャックであってもよい。また、基板保持部材は、必ずしも基板Wを回転させる必要はなく、基板Wを処理姿勢(たとえば、水平姿勢)に保持するように構成されていればよい。
(3)処理姿勢は、必ずしも水平姿勢である必要はない。すなわち、処理姿勢は、図3とは異なり、鉛直姿勢で保持されていてもよいし、基板Wの主面が水平面に対して傾斜する姿勢であってもよい。
(4)上述の各基板処理では、第1エッチング工程(ステップS2)、ポリマー層形成工程(ステップS4)および第2エッチング工程(ステップS7)が1回ずつ実行される。しかしながら、上述の各基板処理とは異なり、第1エッチング工程(ステップS2)、ポリマー層形成工程(ステップS4)および第2エッチング工程(ステップS7)を1サイクルとするサイクル処理がさらに1回以上実行されてもよい。
具体的には、第1基板処理では、図5に二点鎖線で示すように、第1エッチング工程(ステップS2)~第2除去液排除工程(ステップS10)を1サイクルとするサイクル処理がさらに1回以上実行される。第2基板処理では、図8に二点鎖線で示すように、第1エッチング工程(ステップS2)~除去液排除工程(ステップS21)を1サイクルとするサイクル処理がさらに1回以上繰り返される。第3基板処理では、図11に二点鎖線で示すように、第1エッチング工程(ステップS2)~第2リンス工程(ステップS8)を1サイクルとするサイクル処理がさらに1回以上繰り返される。
第1エッチング工程、ポリマー層形成工程、および、第2エッチング工程が1回ずつ実行されることでエッチングされる処理対象層102の厚さが不充分であっても、サイクル処理を複数回実行することで所望のエッチング量を達成できる。したがって、結晶粒110に対するエッチング速度と結晶粒界111に対するエッチング速度との差に起因する処理対象層102の表面102aのラフネスを低減しながら、所望のエッチング量を達成することができる。
(5)第1基板処理(図5~図7を参照)および第2基板処理(図8~図10を参照)において、それぞれ、第2除去液排除工程(ステップS10)および除去液排除工程(ステップS21)を省略することが可能である。詳しくは、第2除去液(除去液)が水系溶媒または有機溶剤である場合、その後のリンス液による第2除去液(除去液)の排除が不要である。
(6)ポリマー含有液に含有されるポリマーとして、エッチング液に対してほとんど溶解されないポリマーが選択される場合であっても、第1基板処理(図5~図7を参照)において、第2除去液供給工程(ステップS9)および第2除去液排除工程(ステップS10)を省略することが可能である。
詳しくは、第2除去液供給工程(ステップS9)の前に実行される第2エッチング工程(ステップS7)および第2リンス工程(ステップS8)において、第2ポリマー層92が除去されれば、第2除去液供給工程を省略することができる。具体的には、エッチング液またはリンス液の液流から作用する運動エネルギーによって第2ポリマー層92が除去されることが考え得る。第2除去液供給工程(ステップS9)が省略されれば、第2除去液排除工程(ステップS10)は当然不要である。
同様に、ポリマー含有液に含有されるポリマーとしてエッチング液に対してほとんど溶解さないポリマーが選択される場合であっても、第2基板処理(図8~図10を参照)において、除去液供給工程(ステップS20)および除去液排除工程(ステップS21)を省略することが可能である。
詳しくは、除去液供給工程(ステップS20)の前に実行される第2エッチング工程(ステップS7)および第2リンス工程(ステップS8)において、第2ポリマー層92が除去されれば、除去液供給工程(ステップS20)を省略することができる。除去液供給工程(ステップS20)が省略されれば、除去液排除工程(ステップS21)は当然不要である。具体的には、エッチング液またはリンス液の液流から作用する運動エネルギーによって第2ポリマー層92が除去されることが考え得る。
すなわち、ポリマー含有液に含有されるポリマーとしてエッチング液に対して溶解されるポリマーが選択される場合であっても、図11に示す第3基板処理を実行することが可能である。
(7)逆に、ポリマー含有液に含有されるポリマーとして、エッチング液に充分に溶解されるポリマーが選択される場合であっても、第2リンス工程(ステップS8)の後に、除去液供給工程(ステップS20)および除去液排除工程(ステップS21)を実行してもよい。すなわち、ポリマー含有液に含有されるポリマーとして、エッチング液に溶解されるポリマーが選択される場合であっても、図8に示す第2基板処理を実行することが可能である。そうすることで、第2エッチング工程(ステップS7)において第2ポリマー層92が充分に除去されていない場合であっても、処理対象層102の表面102aに残留するポリマー層90を一層良好に除去することができる。そのため、処理対象層102の表面102aのラフネスを低減できる。
さらに、ポリマー含有液に含有されるポリマーとして、エッチング液に溶解されるポリマーが選択される場合であっても、第2エッチング工程(ステップS7)の前に第1除去液供給工程(ステップS5)および第1除去液排除工程(ステップS6)が実行されてもよい。すなわち、ポリマー含有液に含有されるポリマーとして、エッチング液に溶解されるポリマーが選択される場合であっても、図5に示す第1基板処理を実行することが可能である。そうすることで、エッチング液によって除去すべきポリマー層90の量を低減できる。そのため、ポリマー層90の除去に起因するエッチング液の活性の低下を抑制でき、処理対象層のエッチング量の低下を抑制できる。
(8)上述の各実施形態では、複数の処理液ノズルから複数の処理液がそれぞれ吐出されるように構成されている。しかしながら、処理液の吐出の態様は、上述の各実施形態に限定されない。
たとえば、チャンバ4内で位置が固定された固定ノズルから処理液が吐出されてもよいし、全処理液が単一のノズルから基板Wの上面へ向けて吐出されるように構成されていてもよい。より具体的には、リンス液ノズル12が移動ノズルであってもよいし、リンス液ノズル12以外の処理液ノズルが固定ノズルであってもよい。また、複数の処理液ノズルが単一のノズル駆動機構によって一体に移動されるように構成されていてもよい。
さらに、上述の各実施形態では、処理液を吐出する部材としてノズルを例示しているが、各処理液を吐出する部材は、ノズルに限られない。すなわち、各処理液を吐出する部材は、処理液を吐出すると処理液吐出部材として機能する部材であればよい。
(9)また、上述の実施形態とは異なり、ポリマー含有液の塗布により基板Wの上面にポリマー含有液を基板Wの上面に供給することによって、ポリマー層90を基板Wの上面に形成してもよい。詳しくは、ポリマー含有液が表面に付着したバー状の塗布部材を基板Wの上面に接触させながら基板Wの上面に沿って移動させることで基板Wの上面にポリマー含有液を塗布してもよい。
(10)上述の各実施形態において、配管、ポンプ、バルブ、アクチュエータ等についての図示を一部省略しているが、これらの部材が存在しないことを意味するものではなく、実際にはこれらの部材は適切な位置に設けられている。たとえば、対応する処理液ノズルから吐出される処理液の流量を調整する流量調整バルブ(図示せず)が各配管に設けられていてもよい。
(11)上述の各実施形態では、コントローラ3が基板処理装置1の全体を制御する。しかしながら、基板処理装置1の各部材を制御するコントローラは、複数箇所に分散されていてもよい。また、コントローラ3は、各部材を直接制御する必要はなく、コントローラ3から出力される信号は、基板処理装置1の各部材を制御するスレーブコントローラに受信されてもよい。
(12)また、上述の実施形態では、基板処理装置1が、搬送ロボットIR,CRと、複数の処理ユニット2と、コントローラ3とを備えている。しかしながら、基板処理装置1は、単一の処理ユニット2とコントローラ3とによって構成されており、搬送ロボットを含んでいなくてもよい。あるいは、基板処理装置1は、単一の処理ユニット2のみによって構成されていてもよい。言い換えると、処理ユニット2が基板処理装置の一例であってもよい。
90 :ポリマー層
91 :第1ポリマー層
92 :第2ポリマー層
102 :処理対象層
102a:表面
110 :結晶粒
111 :結晶粒界
112 :凹部
W :基板

Claims (10)

  1. 複数の結晶粒を有する処理対象層が露出する主面を有する基板の前記主面にエッチング液を供給する第1エッチング工程と、
    前記第1エッチング工程の後、ポリマーを含有するポリマー含有液を前記基板の前記主面に供給して、前記結晶粒の境界である結晶粒界に少なくとも一部が埋め込まれたポリマー層を形成するポリマー層形成工程と、
    前記ポリマー層形成工程の後、前記基板の前記主面にエッチング液を供給して、前記処理対象層をエッチングする第2エッチング工程とを含む、基板処理方法。
  2. 前記ポリマー層形成工程が、前記処理対象層上に第1ポリマー層を形成し、かつ、前記結晶粒界に埋め込まれた第2ポリマー層を形成する工程を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記ポリマー層形成工程の後で、かつ、前記第2エッチング工程の前に、前記第1ポリマー層を除去する第1除去液を前記基板の前記主面に供給する第1除去液供給工程をさらに含む、請求項2に記載の基板処理方法。
  4. 前記ポリマー層形成工程が、前記処理対象層の表面が露出するように前記結晶粒界に埋め込まれた前記ポリマー層を形成する工程を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  5. 前記第2エッチング工程が、エッチング液によって前記処理対象層をエッチングするとともに、エッチング液に前記ポリマー層を溶解させる工程を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  6. 前記第2エッチング工程の後、前記基板の前記主面から前記ポリマー層を除去する第2除去液を供給する第2除去液供給工程をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  7. 前記第1エッチング工程が、前記結晶粒界に前記ポリマー層の少なくとも一部が埋め込まれる凹部を形成する凹部形成工程を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  8. 前記第2エッチング工程の後、前記第1エッチング工程、前記ポリマー層形成工程、および、前記第2エッチング工程を1サイクルとするサイクル処理がさらに1回以上実行される、請求項1~7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  9. 前記第1エッチング工程の後で、かつ、前記前記ポリマー層形成工程の前に、前記基板の前記主面にリンス液を供給する第1リンス工程をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  10. 前記第2エッチング工程の後に、前記基板の前記主面にリンス液を供給する第2リンス工程をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
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