JP2023075779A - アンテナ付き位置検出素子、及び、電子デバイス - Google Patents

アンテナ付き位置検出素子、及び、電子デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】位置検出用の導体とアンテナ素子を同一面に形成可能なアンテナ付き位置検出素子を提供する。【解決手段】アンテナ付き位置検出素子は、絶縁体基板の第1面に配置され第1軸及び第2軸に沿って延在する複数の第1導体及び複数の第2導体と、第1導体又は第2導体を延在方向で接続する第1接続部と、第1面に形成されたアンテナ素子と、基板端辺から延在してアンテナ素子に接続される給電線路とを含み、各第1導体及び各第2導体は第1軸及び第2軸に沿って設けられる複数の第1繰り返し単位部及び複数の第2繰り返し単位部を有し、第1面の複数の位置検出用の単位領域の各々は第1繰り返し単位部及び第2繰り返し単位部が配置される第1領域及び第2領域以外の第3領域を有し、アンテナ素子は少なくとも1つの単位領域のうちの第3領域内に配置され、複数の第1導体、複数の第2導体、及びアンテナ素子は金属製のメッシュで形成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、アンテナ付き位置検出素子、及び、電子デバイスに関する。
従来より、タッチパネル用の電極とアンテナ素子とを含むタッチセンサがある(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2020/0067176号明細書
ところで、従来のタッチセンサは、タッチパネル用の電極(位置検出用の導体)とアンテナ素子とが異なる基板に形成されており、同一面に形成されていない。タッチパネル用の電極(位置検出用の導体)とアンテナ素子とを同一面に形成すれば、例えば、薄型化の実現、構造の簡易化、又は製造の容易化等のメリットを享受可能である。
そこで、位置検出用の導体とアンテナ素子を同一面に形成可能なアンテナ付き位置検出素子、及び、電子デバイスを提供することを目的とする。
本開示の実施形態のアンテナ付き位置検出素子は、絶縁体基板と、前記絶縁体基板の第1面に配置され前記第1面内の第1軸に沿って延在する複数の第1導体と、前記絶縁体基板の前記第1面に配置され前記第1面内で前記第1軸と交差する第2軸に沿って延在する複数の第2導体と、前記第1導体又は前記第2導体を延在方向において接続する第1接続部と、前記絶縁体基板の前記第1面に形成されたアンテナ素子と、前記絶縁体基板の前記第1面に形成され前記絶縁体基板の基板端辺から延在して前記アンテナ素子に接続される給電線路とを含み、各第1導体は、前記第1軸に沿って設けられる複数の第1繰り返し単位部を有し、各第2導体は、前記第2軸に沿って設けられる複数の第2繰り返し単位部を有し、前記複数の第1繰り返し単位部、又は、前記複数の第2繰り返し単位部は、前記延在方向において前記第1接続部によって接続されており、前記絶縁体基板の前記第1面は、前記複数の第1導体と前記複数の第2導体とが平面視で交差する複数の交差部にそれぞれ配置される複数の位置検出用の単位領域を有し、各単位領域は、前記第1導体の前記第1繰り返し単位部が配置される第1領域と、前記第2導体の前記第2繰り返し単位部が配置される第2領域と、前記第1領域及び前記第2領域に含まれない第3領域とを有し、前記アンテナ素子は、少なくとも1つの前記単位領域のうちの前記第3領域内に配置され、前記複数の第1導体、前記複数の第2導体、及び前記アンテナ素子は、金属製のメッシュで形成されている。
位置検出用の導体とアンテナ素子を同一面に形成可能なアンテナ付き位置検出素子、及び、電子デバイスを提供できる。
実施形態のアンテナ付き位置検出素子100を含む電子デバイス10の構成の一例を示す斜視図である。 図1のA-A矢視断面の構成の一例を示す図である。 アンテナ付き位置検出素子100の構成の一例を示す図である。 単位領域A2内の構成を拡大して示す図である。 導体110の構成の一例を示す図である。 図5の一部を拡大して示す図である。 透明導体の構成の一例を示す図である。 導体120の構成の一例を示す図である。 図8の一部を拡大して示す図である。 図4に示す領域B内の構成の一例を示す図である。 導体110及び120とジャンパ150の構成の一例を拡大して示す図である。 アンテナ素子130、給電線路140、及びグランド層140Gの構成の一例を示す図である。 図12の一部を拡大して示す図である。 ダミー部160及び160Aの構成の一例を示す図である。 図14の一部を拡大して示す図である。 図4に示す領域C内の構成の一例を示す図である。 電子デバイス10の動作を説明する図である。 アンテナ付き位置検出素子100のアンテナ素子130の指向性を示す図である。 アンテナ付き位置検出素子100のアンテナ素子130の指向性を示す図である。 アンテナ付き位置検出素子100のアンテナ素子130の反射特性を示す図である。 実施形態の変形例のアンテナ付き位置検出素子100Mの一部分の構成の一例を示す図である。 アンテナ付き位置検出素子100Mのパッチアンテナ130Mの指向性を示す図である。 アンテナ付き位置検出素子100Mのパッチアンテナ130Mの反射特性を示す図である。
<実施形態>
以下、本開示のアンテナ付き位置検出素子、及び、電子デバイスを適用した実施形態について説明する。以下では、XYZ座標系を定義して説明する。X軸に平行な方向(X方向)、Y軸に平行な方向(Y方向)、Z軸に平行な方向(Z方向)は、互いに直交する。また、以下では、説明の便宜上、-Z方向側を下側又は下、+Z方向側を上側又は上と称す場合がある。また、平面視とはXY面視することをいう。また、以下では構成が分かりやすくなるように各部の長さ、太さ、厚さ等を誇張して示す場合がある。また、平行、直角、直交、水平、垂直、上下等の文言は、実施形態の効果を損なわない程度のずれを許容するものとする。
また、以下では、X軸は第1軸の一例であり、Y軸は第2軸の一例である。+X方向側は第1軸方向の一端側の一例であり、-X方向側は第1軸方向の他端側の一例である。
<実施形態のアンテナ付き位置検出素子100を含む電子デバイス10>
図1は、実施形態のアンテナ付き位置検出素子100を含む電子デバイス10の構成の一例を示す斜視図である。電子デバイス10は、一例として、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートブック型PC(Personal Computer)等の無線通信機能を有する情報処理装置である。また、電子デバイス10は、これらに限られず、例えば、車両、電車、又は航空機等に取り付けられるディスプレイパネルを含む電子デバイスであってもよく、柱や壁等の固定構造物に取り付けられるデジタルサイネージ等の電子デバイスであってもよい。
以下では、一例として電子デバイス10がスマートフォンである形態について説明する。また、ここでは、図1に加えて図2を用いて説明する。図2は、図1のA-A矢視断面の構成の一例を示す図である。
電子デバイス10は、筐体10A、カバーガラス11、OCA(Optical Clear Adhesive:光学用透明接着剤)層12、アンテナ付き位置検出素子100、OCA層13、ポラライザ(POL)14、及びOLED(Organic Light-Emitting Diode)15を含む。図1では、筐体10A及びカバーガラス11を破線で示し、OCA層12、OCA層13、ポラライザ14、及びOLED15を省略する。また、電子デバイス10は、アンテナ付き位置検出素子100を通じて行われる無線通信を制御する通信部、カバーガラス11の操作面11Aに対して操作を行う指先等の位置をアンテナ付き位置検出素子100を介して算出する位置算出部、及び、電子デバイス10の全体を制御する制御部等を含むが、図1及び図2では省略する。
また、図1には、電子デバイス10の内部におけるアンテナ付き位置検出素子100の配置を示すために、筐体10Aの内部にアンテナ付き位置検出素子100のシミュレーションモデルを示す。アンテナ付き位置検出素子100のシミュレーションモデルは、一例としてX方向の長さが32mmであり、Y方向の長さが15mmである。これに対して電子デバイス10がスマートフォンである場合には、一例として電子デバイス10のX方向の長さは120mm~200mm程度であり、Y方向の長さは60mm~100mm程度である。このため、図1では、アンテナ付き位置検出素子100のシミュレーションモデルのサイズを電子デバイス10のサイズに合わせて拡大して示す。
筐体10Aは、一例として電子デバイス10の側面側及び下面側を覆うケースであり、上部の開口部10A1と、開口部10A1から下方に連通する収容部10A2とを有する。収容部10A2の内部では、下側から上側に向かって、OLED15、ポラライザ14、OCA層13、アンテナ付き位置検出素子100、OCA層12、及びカバーガラス11の順に重ねられて収容されている。OLED15は、表示部の一例である。OLED15は陰極15Aを有する。ポラライザ14の上にはOCA層13によってアンテナ付き位置検出素子100が接着され、アンテナ付き位置検出素子100の上にはOCA層12によってカバーガラス11が接着されている。OCA層12、OCA層13、及びポラライザ14は、電磁波を透過可能である。
筐体10Aは、上部の開口部10A1からカバーガラス11の操作面11Aを上面に露出させる。筐体10Aは、一例として樹脂又は金属等で形成され、アンテナ素子130の通信を妨げないように、部分的に樹脂製又は金属製であってもよい。
カバーガラス11は、透明なガラス製のカバーであり、筐体10Aの開口部10A1の開口サイズに合わせられた平面サイズを有する。透明とは、ここでは可視光に対して透明であることをいう。人間が視認可能な光を透過可能であればよいからである。カバーガラス11の上面は電子デバイス10の操作面11Aである。操作面11Aは、平面であってもよく、例えば端部側が緩やかに下方に向かって湾曲するように、少なくとも一部が湾曲していてもよい。また、カバーガラス11は、透明な樹脂製であってもよい。
カバーガラス11の下方にはアンテナ付き位置検出素子100及びOLED15が配置され、OLED15に表示されるGUI(Graphical User Interface)ボタン等の画像を表す光は、アンテナ付き位置検出素子100を透過し、操作面11Aを通じて視認可能である。このため、電子デバイス10の利用者は、指先等を操作面11Aに接触又は近接させて、GUIボタン等を操作することが可能である。なお、近接での操作とは、操作面11Aに対して非接触で操作を行うことをいう。
アンテナ付き位置検出素子100は、位置検出用の導体110及び120、通信用のアンテナ素子130、給電線路140、グランド層140G、ジャンパ150、ダミー部160、及びダミー部160Aが基板101の上面101Aに形成された構成を有する。基板101は、絶縁体基板の一例であり、上面101Aは、第1面の一例である。導体110は、第1導体の一例であり、導体120は、第2導体の一例である。ジャンパ150は、第1接続部の一例である。
基板101は、一例としてポリイミド製のフレキシブル基板であり、無色透明であるとともに、折り曲げ可能である。カバーガラス11が湾曲している場合には、カバーガラス11の形状に合わせて、アンテナ付き位置検出素子100を基板101ごと湾曲させればよい。
導体110及び120、アンテナ素子130、給電線路140、グランド層140G、ダミー部160、及びダミー部160Aは、透明導体で形成されている。透明導体は、光透過性を高くするために、一例としてメッシュ状に形成されている金属細線層であり、金属製のメッシュで構成される。また、ジャンパ150は、金属製のメッシュと同等の金属細線で構成されている。このため、導体110及び120、アンテナ素子130、給電線路140、グランド層140G、ダミー部160、及びダミー部160Aは、人間の視力では確認が難しいほど光透過性が高い。
なお、給電線路140及びグランド層140Gのうちの少なくとも一部又は全体が筐体10Aの外部から見えない場合には、外部から見えない部分については透明導体で形成されていなくてもよく、例えば金属薄膜等で形成されていてもよい。例えば、給電線路140及びグランド層140Gに開口部10A1を通じて筐体10Aの外部から見えない部分がある場合や、カバーガラス11の下面の端部に枠状に設けられる加飾部の下に隠れる部分がある場合等である。
アンテナ付き位置検出素子100は、操作面11Aに対して操作を行う指先等の位置に応じて導体110及び120の静電容量が変化することで操作位置の検出を可能にするとともに、アンテナ素子130を介して電子デバイス10の外部に位置する装置との無線通信を可能にするデバイスである。また、アンテナ付き位置検出素子100は、下方に位置するOLED15の画像を表す光をカバーガラス11に向けて透過可能である。なお、導体110及び120、アンテナ素子130、給電線路140、グランド層140G、ダミー部160、及びダミー部160Aの構成の詳細については後述する。
OLED15は、電子デバイス10の制御部によって表示の制御が行われる。ここでは電子デバイス10がスマートフォンである形態について説明するため、OLED15は、スマートフォンの各種アプリケーションプログラムに応じた画像を表示する。なお、OLED15の代わりに、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置を用いてもよい。
<アンテナ付き位置検出素子100の構成>
図3は、アンテナ付き位置検出素子100の構成の一例を示す図である。図3には、一例としてアンテナ付き位置検出素子100のシミュレーションモデルの構成を示す。このシミュレーションモデルは、実際に製造可能なアンテナ付き位置検出素子100と同一の構成を有する。アンテナ付き位置検出素子100は、基板101、導体110及び120、アンテナ素子130、給電線路140、グランド層140G、ジャンパ150、ダミー部160、及びダミー部160Aを有する。基板101は、-Y方向側でX方向に延在する端辺101Eを有する。端辺101Eは基板端辺の一例である。
図3には、一例として導体110及び120を含む24個の単位領域Aのうちの単位領域A1及びA2を破線で示すとともに、端部領域Eを一点鎖線で示す。24個の単位領域Aは、位置検出用の導体110及び120への電圧の印加によって1つずつ選択可能な領域を表すが、この詳細については後述する。
なお、アンテナ付き位置検出素子100のシミュレーションモデルでは、基板101のサイズは、一例として、X方向が32mm、Y方向が15mmである。実際にアンテナ付き位置検出素子100を電子デバイス10に用いる場合には、単位領域Aの数は24個よりも多くてよい。例えば、電子デバイス10がスマートフォンであり、基板101のX方向の長さが120mm~200mm程度、Y方向の長さが60mm~100mm程度である場合には、単位領域Aは、例えば、20000個(X方向に200個×Y方向に100個)程度あってもよい。
端部領域Eは、平面視において、基板101の上面101Aのうちの-Y方向側の端部で-X方向側の端から+X方向側の端まで端辺101Eに沿って延在する細長い領域である。24個の単位領域Aは、すべて同一のサイズを有し、基板101の上面101Aのうちの端部領域Eを除いた領域内に、8行×3列で配置されている。単位領域Aは、X方向及びY方向に沿って区画される矩形状の領域である。なお、端部領域Eは、平面視でOLED15の表示領域の外側に位置し、カバーガラス11の外縁に沿って設けられるベゼル(枠)の下に隠れて見えない部分である。図3では、見やすさを優先して端部領域EのY方向の幅を拡大して示すが、実際のアンテナ付き位置検出素子100では、端部領域EのY方向の幅は、ベゼルのY方向の幅等に合わせて図3に示すY方向の幅よりも狭くてよい。
図3では、見やすさを優先して24個のうちの2個の単位領域A1及びA2を破線で示すが、24個の単位領域Aのうちの20個が単位領域A1であり、残りの4個の単位領域Aが単位領域A2である。以下では、単位領域A1及びA2を区別しない場合には、単に単位領域Aと称す。
8本の行はY方向に延在してX方向に並んでおり、-X方向側の端の行を1行目と称し、+X方向の端の行を8行目と称す。3本の列はX方向に延在してY方向に並んでおり、-Y方向側の端の列を1列目と称し、+Y方向の端の列を3列目と称す。図3に破線で示す単位領域A1は1行目1列目に位置し、単位領域A2は3行目1列目に位置する。20個の単位領域A1は、アンテナ素子130が配置されない単位領域Aであり、単位領域A2はアンテナ素子130が配置される単位領域である。アンテナ付き位置検出素子100は、4個のアンテナ素子130を有するため、単位領域A2が4個あり、単位領域A1が20個あることになる。ここでは、アンテナ付き位置検出素子100の構成を説明するために、図3に加えて図4乃至図16を用いる。
図4は、単位領域A2内の構成を拡大して示す図である。図5は、導体110の構成の一例を示す図である。図6は、図5の一部を拡大して示す図である。図7は、透明導体の構成の一例を示す図である。図8は、導体120の構成の一例を示す図である。図9は、図8の一部を拡大して示す図である。図10は、導体110及び120の構造の一例を拡大して示す図であり、図4に示す領域B内の構成の一例を示す図である。図11は、導体110及び120とジャンパ150の構成の一例を拡大して示す図である。図12は、アンテナ素子130、給電線路140、及びグランド層140Gの構成の一例を示す図である。図12では図3で示した端部領域Eを表す一点鎖線を省略する。図13は、図12の一部を拡大して示す図である。図14は、ダミー部160及び160Aの構成の一例を示す図である。図15は、図14の一部を拡大して示す図である。図16は、アンテナ素子130、給電線路140、グランド層140G、及びダミー部160Aの境界におけるメッシュの構造の一例を拡大して示す図であり、図4に示す領域C内の構成の一例を示す図である。
<導体110の配置と構成>
図5には、アンテナ付き位置検出素子100(図3参照)に含まれる3個の導体110を抽出して配置を示す。各導体110は、8個のT字型の導体部110AをX方向に接続した構成を有する。8個の導体部110Aは、X軸に沿って設けられる複数の第1繰り返し単位部の一例である。単位領域Aのうち、導体部110Aが設けられる領域は、第1領域の一例である。図5では、一例として各導体部110Aを逆T字型に示すが、-X方向側から見れば、各導体部110AはT字型である。図6には、2個の導体部110Aを示す。単位領域A2内での導体110は、図4に示す通りである。
図4乃至図6に示すように、各導体部110Aは、X方向に延在する延在部111と、Y方向に延在する延在部112とを有する。延在部111は第1延在部の一例であり、延在部112は第2延在部の一例である。延在部111は、延在部112のY方向における中央部から-X方向に延在している。延在部112のY方向における中央部とは、延在部112のY方向における両端よりも内側の中央寄りの部分であり、延在部112のY方向における中心から+Y方向又は-Y方向にオフセットしていてもよい。図4乃至図6では、一例として延在部111は、延在部112のY方向における中心よりも少し+Y方向側にオフセットした位置から-X方向に延在している。
各導体部110Aは、Y方向において分断されており、互いに絶縁されている。アンテナ付き位置検出素子100(図3参照)は、図5に示すように、3列に配置される3本の導体110を含む。各導体110は、8個の導体部110Aを有するので、3本の導体110は、合計で24個の導体部110Aを有する。導体部110Aは、各単位領域A1に1つずつ配置される。各単位領域A内において、各導体部110Aの面積は、位置検出における精度を向上させる等の観点から、導体120の導体部120Aの面積と等しい。
導体110は、位置検出用に用いられX方向に延在するため、延在部111は各単位領域A内でY方向の中央部に位置するように配置される。各単位領域A内の中央部分で静電容量の変化を検出可能にするためである。また、単位領域A2においては、良好な通信特性を確保するという観点から、アンテナ素子130を単位領域A2の中央部に設けたいという要望と、位置検出における精度を向上させる等の観点から、各単位領域A内において導体部110Aの面積と導体120の導体部120Aの面積とを等しくしたいという要望がある。このような要望に応えるために、延在部112を各単位領域A内において+X方向側の端でY軸方向に延在するように配置している。
また、延在部111は、-X方向の端部から-X方向に突出する凸部111Aを有する。凸部111Aは、第2接続部の一例である。凸部111Aは、一例として延在部111のY方向の幅の中央から突出している。凸部111Aは、図6に示すように1行上側の導体部110Aの延在部112に接続されている。このようにして、各導体110では、8個の導体部110AがX方向に接続されている。なお、導体110のX方向の長さは、凸部111Aの-X方向側の端と延在部112の+X方向側の端との間の長さであり、一例として4mmである。また、導体120のY方向の長さは、延在部112のY方向の長さであり、一例として3.99mmである。
一例として、後述する8本の導体120(図8参照)に位置検出用の電圧を印加した状態で、Y方向に並べて配置される3本の導体110を時分割的に選択すると、1本の導体110によって選択される範囲は、Y方向においては各導体部110Aに含まれる延在部112が存在する範囲になる。また、8本の導体120は、各導体部110Aに含まれる延在部111及び112のX方向の長さをX方向のピッチとしてX方向に配列されている。各導体120は、3個の導体部120Aを含む(図8参照)。このため、3本の導体110に位置検出用の電圧を印加した状態で、8本の導体120を時分割的に選択すると、1本の導体120によって選択される範囲は、X方向において各導体部110Aに含まれる1組の延在部111及び112が存在する範囲になる。このような理由から、各単位領域AのX方向及びY方向の範囲は、導体部110A及び120AのX方向及びY方向の幅によって決まる。単位領域Aは、導体110と導体120とが交差する交差部に形成される。なお、位置検出のために電圧を印加する方法は、上述のような方法に限られるものではない。
以上のような導体110は、一例として外縁に沿って設けられる金属細線115Aの内側に、メッシュ状の金属細線115Bを設けた構成を有する。外縁とは外側の縁であり、輪郭を表す。1本の導体110の中では、8個のT字型の導体部110Aの外縁を囲む金属細線115Aの内側に、メッシュ状の金属細線115Bが接続されている。ここで、図7を用いて金属細線115A及び115Bを実現する透明導体300について説明する。
<透明導体300>
図7に示す透明導体300は、人間の視力では確認が難しいほど光透過性が高い導体であり、メッシュ状の金属細線層で構成される。金属細線115A及び115B(図6参照)は、一例として、このような透明導体300で実現可能である。透明導体300は、基板101の上面101Aに形成されており、光透過性を高くするために、メッシュ状に形成されている。ここで、メッシュとは、透明導体300に網目状の透孔301が空いた状態をいう。
透明導体300のメッシュの目(透孔301による開口)は方形であってもよく、菱形であってもよい。メッシュの目を方形に形成する場合、メッシュの目は正方形が好ましく、意匠性が良い。透孔301は、金属細線115Aに隣接する部分では、方形以外の三角形等になる部分がある。また、メッシュの目は、自己組織化法によるランダム形状でもよく、そうすることでモアレを抑制できる。メッシュの線幅w1、w2、w3は、0.5μm~5μmが好ましい。また、メッシュの線間隔(ピッチ)p1、p2は、10μm~500μmが好ましい。ここでは一例として、メッシュの線幅w1、w2、w3は3μm、ピッチp1、p2は200μmであることとする。金属細線115A及び115Bの線幅は、一例として等しい。
透明導体300の開口率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。開口率は、透明導体300の開口部(透孔301)を含めた面積当たりの開口部の面積の割合である。透明導体300の開口率を大きくするほど、透明導体300の可視光透過率を高くできる。
透明導体300の厚さは、0.1μm~40μmであってよい。透明導体300がメッシュ状に形成されることにより、透明導体300が厚くても、可視光透過率を高くできる。透明導体300の厚さは、1μm~10μmがさらに好ましい。ここでは一例として、メッシュの厚さは2μmであることとする。
なお、透明導体300の導体材料としては銅が挙げられるが、他にも、金、銀、白金、アルミニウム、クロム等を使用でき、また、これらの材料に限られない。
<導体120及びジャンパ150の配置と構成>
図8には、アンテナ付き位置検出素子100(図3参照)に含まれる8個の導体120を抽出して配置を示す。各導体120は、3個の凹型の導体部120AをY方向に配置した構成を有し、各単位領域A内の-X方向側において、Y方向に延在している。3個の導体部120Aは、Y軸に沿って設けられる複数の第2繰り返し単位部の一例である。単位領域Aのうち、導体部120Aが設けられる領域は、第2領域の一例である。8本の導体120は、8行にわたってY方向に延在しており、各行の導体120内では、3個の導体部120Aが3個のジャンパ150(図3、図4、及び図11参照)によってY方向に接続されている。このため、ここでは、8本の導体120がY方向に延在していることとして説明する。導体120は、図3、図4、図10、及び図11に示すように、各単位領域A内において、導体110の延在部111の-X方向側の端部と交差する。なお、図8、図9、及び図10では、各導体部120Aの構成を見やすくするために、ジャンパ150を省略する。ジャンパ150については図11を用いて説明する。
図9に示すように、各導体部120Aは、導体部121、突出部121A、導体部122、及び突出部122Aを有する。導体部121は、第3延在部の一例であり、導体部122は、第4延在部の一例である。ここでは、導体120のうち、各単位領域Aに含まれる部分を導体部120Aとして取り扱う。各導体部120Aでは、導体部121が+Y方向側に位置し、導体部122が-Y方向に位置する。図9に示すように、導体部121の-X方向側の端部の-Y方向側の端部には-Y方向に突出する突出部121Aが接続され、導体部122の-X方向側の端部の+Y方向側の端部には+Y方向に突出する突出部122Aが接続されている。突出部121Aと突出部122AのX方向の幅及び位置は等しく、間には切れ目123(図9参照)がある。なお、導体部120AのY方向の長さは、導体部122の-Y方向側の端と導体部121の+Y方向側の端との間の長さであり、一例として3.99mmである。
導体部120Aは、突出部121A及び122Aが導体部121及び122に対して-X方向側に凹んでおり、突出部121A及び122Aが凹部を形成する。このような突出部121A及び122Aを有する導体部120Aの全体的な形状は凹形状である。導体部121及び122の間には、図3、図4、図10、及び図11に示すように導体部110Aの延在部111の-X方向側の端部が入り込み、切れ目123の内部には延在部111の先端の凸部111Aが挿通される。各単位領域A内において突出部121A及び122Aは、凸部111Aを跨ぐジャンパ150(図11参照)によって接続される。なお、切れ目123のY方向の幅は、一例として40μmであり、凸部111AのY方向の幅は、一例として20μmである。
ジャンパ150は、図11に示すように凸部111Aの上に配置される絶縁体150Aの上に設けられており、Y方向の両端が突出部121A及び122Aにそれぞれ接続されているブリッジ状の接続部である。ジャンパ150は、導体110及び120を構成する金属製のメッシュと同等の細長い金属細線で構成されている。絶縁体150Aは、ジャンパ150と同様に細長い絶縁体であり、透明であることが望ましい。絶縁体150Aは、例えばPET(polyethylene terephthalate)のように光透過性が高く可視光を透過可能な材質で作製すればよい。このため、ジャンパ150及び絶縁体150Aは、導体110及び120、アンテナ素子130、給電線路140、グランド層140G、ダミー部160、及びダミー部160Aと同様に、人間の視力では確認が難しいほど光透過性が高い。なお、絶縁体150Aの厚さは、一例として5μm程度であればよい。
また、図8に示すように、1列目の単位領域Aに含まれる導体部120Aの導体部121と、2列目の単位領域Aに含まれる導体部120Aの導体部122とは、一例として一体的に形成される。導体部121の方が導体部122よりもX方向において長いので、導体部121及び122が一体的になった形状はL字型である。同様に、2列目の単位領域Aに含まれる導体部120Aの導体部121と、3列目の単位領域Aに含まれる導体部120Aの導体部122とは一体的に形成され、-Y方向側から見ればL字型である。
各単位領域A内において、導体部121の方が導体部122よりもX方向に長いのは、次のような理由による。単位領域AのX方向における中央部において、延在部111よりも-Y方向側にはアンテナ素子130が配置されるが、延在部111よりも+Y方向側にはアンテナ素子130が配置されない。また、位置検出における精度を向上させる等の観点から、導体部120Aが単位領域Aの中央部に位置する部分を有すること、及び、導体部110Aと導体部120Aの面積を等しくしたいことがある。このため、-Y方向側の導体部122については、アンテナ素子130の放射特性に影響しないようにするために単位領域Aの-X方向側に位置させるとともに、アンテナ素子130が配置されない+Y方向側の導体部121は、単位領域AのX方向における中央部まで延在させている。このような理由から、導体部121の方が導体部122よりもX方向に長くなっている。導体部122が延在部111に沿って単位領域AのX方向の中央部まで延在することで、単位領域Aの中央部において、導体部110A及び120Aが電磁界結合する部分が得られ、単位領域A内で指先等による操作が行われた場合に、導体部110A及び120Aの間の静電容量が変化しやすい構成を実現できる。
以上のような導体120の各導体部120Aは、一例として外縁に沿って設けられる金属細線125Aの内側に、メッシュ状の金属細線125Bを設けた構成を有する。外縁とは外側の縁であり、輪郭を表す。1個の導体部120Aの中では、導体部121及び122の各々の外縁を囲む金属細線125Aの内側に、メッシュ状の金属細線125Bが接続されている。金属細線125A及び125Bは、導体110と同様に、図7に示す透明導体300で構成すればよい。
<アンテナ素子130、給電線路140、及びグランド層140G>
図3に示すように、4個のアンテナ素子130は、1列目における3行目から6行目の4個の単位領域A2内にそれぞれ配置されている。また、各アンテナ素子130の-Y方向側には、給電線路140が接続されている。また、図3に示すように、端部領域E内には、-X方向側から+X方向側にかけて、5個のグランド層140Gと4個の給電線路140とが交互に配置されている。
図3及び図12に示すように、各給電線路140は、-X方向側及び+X方向側に位置するグランド層140Gによって挟まれており、両側のグランド層140GとともにGSG(Ground-Signal-Ground)形式のコプレーナ線路を構成している。なお、図12では給電線路140及びグランド層140Gの見やすさを優先して端部領域Eを省略する。なお、一例として、4個の給電線路140の間に位置する3個のグランド層140GのX方向の長さは等しく、一例として4mmである。すなわち、給電線路140はX方向に4mmの間隔を空けて配置される。
図13に示すように、アンテナ素子130及び給電線路140は、一体的に形成されている。アンテナ素子130は、給電部130A、エレメント131、及びエレメント132を有する。給電部130Aは、給電線路140に接続されて給電される部分である。エレメント131は、給電部130Aから+Y方向に直線的に延在しており、エレメント132は、エレメント131の途中から+X方向に分岐して+Y方向にL字型に延在している。
エレメント131及び132は、モノポールアンテナを構成する。一例として、エレメント131よりもエレメント132の方が長く、エレメント131の給電部130Aから先端までの長さは、39GHzにおける波長の電気長の約1/2の長さであり、エレメント132の給電部130Aから先端までの長さは、28GHzにおける波長の電気長の約1/4の長さである。このため、電子デバイス10は、28GHzと39GHzの2つの周波数帯で通信可能である。
28GHzと39GHzは、ミリ波帯の周波数である。ミリ波帯の周波数とは、波長がミリメートルオーダになる周波数のことを指し、具体的には約3GHz~約300GHzの周波数を指す。ミリ波帯の周波数で通信するには、例えばITO(Indium Tin Oxide)のように抵抗値の大きな透明電極膜では損失等が大きすぎるため、アンテナ素子130、給電線路140、及びグランド層140Gをメッシュ状の金属細線で構成している。なお、給電線路140及びグランド層140Gの少なくとも一部をメッシュ状の金属細線ではなく金属薄膜等で構成する場合には、金属薄膜等として銅等の金属製の薄膜を用いればよい。
一体的に形成されるアンテナ素子130及び給電線路140は、アンテナ素子130及び給電線路140の外縁に沿って設けられる枠状の金属細線135A(図13参照)の内側に、メッシュ状の金属細線135B(図13参照)を設けた構成を有する。図13に示すように、枠状の金属細線135Aと、メッシュ状の金属細線135Bとは接続されている。金属細線135A及び135Bは、導体110と同様に、図7に示す透明導体300で構成すればよい。
図12に示す5個のグランド層140Gは、平面視で矩形状であり、外縁に沿って設けられる枠状の金属細線145A(図13参照)の内側に、メッシュ状の金属細線145B(図13参照)を設けた構成を有する。図13に示すように、枠状の金属細線145Aと、メッシュ状の金属細線145Bとは接続されている。金属細線145A及び145Bは、導体110と同様に、図7に示す透明導体300で構成すればよい。
<ダミー部160及び160A>
図14及び図15に示すように、ダミー部160は、単位領域A1内において、導体110及び120が形成されない領域内に配置され、ダミー部160Aは、単位領域A2内において、導体110、120、及びアンテナ素子130が形成されない領域内に配置される。単位領域A1及びA2のうち、導体部110A及び120Aがそれぞれ配置される第1領域及び第2領域に含まれない領域は、第3領域である。単位領域A1の第3領域にはダミー部160が配置され、単位領域A2の第3領域にはダミー部160A及びアンテナ素子130が配置される。
ダミー部160は、導体部161及び162を有し、ダミー部160Aは、導体部161及び162Aを有する。単位領域A1及びA2内において、導体部161は、導体部162及び162Aよりも+Y方向側に位置する。導体部161及び162と、導体部161及び162Aとは、導体部110Aの延在部111を避けるためにY方向において分断されている。また、導体部161のX方向の長さは、導体部162及び162AのX方向の長さよりも短い。これは、図8に示すように導体120の導体部121のX方向の長さが、導体部122のX方向の長さよりも長いことに対応している。
導体部162Aは、アンテナ素子130の形状に対応する対応部162A1がくり抜かれている形状を有する点が導体部162と異なるが、その他は導体部162と同様である。導体部162Aは、端部領域Eに隣接する4個の単位領域A2内に配置され、単位領域A2の四辺のうちの-Y方向側でX方向に延在する端辺に接している。単位領域A2の四辺のうちの-Y方向側でX方向に延在する端辺は、単位領域A2のうちの端辺101E側の端辺である。
ダミー部160及び160Aは、メッシュ状の金属細線によって構成される透明導体によって実現されるが、図16に示すように、外縁に沿って設けられる枠状の金属細線を有さず、メッシュ状の金属細線165Bのみを有する。図16には、ダミー部160Aの金属細線165Bを示すが、金属細線165Bは、ダミー部160Aに隣接する導体110、120、アンテナ素子130、給電線路140、及びグランド層140Gの枠状の金属細線115A、125A、135A、及び145Aに接続されておらず、離間している。これは、ダミー部160についても同様である。ダミー部160及び160Aと、枠状の金属細線115A、125A、135A、及び145Aとの間のX方向又はY方向の間隔は、一例として10μmである。
また、金属細線165Bは、メッシュを構成する正方形の四辺の中央部分に切断部165B1を有する。切断部165B1は、ダミー部160、160Aに含まれる金属細線165Bが、アンテナ素子130から給電されて放射素子として機能しないようにするために設けられている。このため、切断部165B1は、ダミー部160及び160Aのうちの端に位置して正方形のメッシュを構成しない余りの部分にも形成される。
切断部165B1は、金属細線165Bの長さが、アンテナ素子130の通信周波数における波長の電気長の1/2以下の長さになるように設けられることが好ましく、電気長の1/4以下の長さになるように設けられることがさらに好ましい。ここでは、一例として、切断部165B1で切断することによって、金属細線165Bの長さが、アンテナ素子130の通信周波数における波長の電気長の1/4未満になるようにしている。なお、切断部165B1の幅は、切断部165B1によって切断される金属細線165B同士の間隔に等しく、一例として3μmである。
<アンテナ付き位置検出素子100の製造方法>
以上のような構成のアンテナ付き位置検出素子100は、一例として、基板101の上面101Aに対して、フォトリグラフィで銅等の金属細線をパターニングすることによって作製できる。また、フォトリグラフィでの金属細線のパターニングに限らず、例えば、基板101の上面101Aに対して、アディティブ法によるめっき処理で金属細線を形成することよって作製してもよい。
<電子デバイス10の動作>
図17は、電子デバイス10の動作を説明する図である。図17には、アンテナ付き位置検出素子100に位置検出部20、通信部30、制御部40が接続されている。位置検出部20、通信部30、制御部40は、筐体10A(図1及び図2参照)の収容部10A2の内部で、一例としてOLED15の下方に配置されている。
位置検出部20は、3列の導体110と、8行の導体120とに接続されている。位置検出部20は、行と列に位置検出用の電圧を時分割で印加することによって、いずれかの単位領域Aを選択し、静電容量を検出する。検出した静電容量は、制御部40に出力される。このような位置検出部20は、一例として、IC(Integrated Circuit)やマイクロコンピュータ等で実現可能である。
通信部30は、4個の給電線路140に接続されており、送信回路と受信回路とを有する。通信部30は、制御部40によって制御されることによって、給電線路140に接続される回路を送信回路又は受信回路に切り換え、アンテナ素子130を介してデータ等の送信又は受信を行う。
制御部40は、位置検出部20及び通信部30に接続されるコンピュータによって実現される。また、制御部40は、OLED15の駆動回路(図示せず)にも接続されている。
制御部40は、位置検出部20から入力される静電容量の分布に基づいて、操作面11Aに対して操作を行う指先等の位置(XY座標)を算出し、指先の位置に応じた入力を受け付ける。制御部40は、入力内容に応じてアプリケーションプログラムに従ってスマートフォンの動作を実現するための処理を行い、OLED15に表示するGUIボタン等の画像を制御するとともに、通信部30を介してデータの送信又は受信を行う。
<アンテナ付き位置検出素子100の放射特性>
図18及び図19は、アンテナ付き位置検出素子100のアンテナ素子130の指向性を示す図である。4個のアンテナ素子130については、すべて同等の指向性が得られることを確認できているため、ここでは、-X方向側の端に位置するアンテナ素子130を用いて電磁界シミュレーションを行った結果について説明する。電磁界シミュレーションにおけるXYZ座標の原点は、一例として-X方向側の端に位置するアンテナ素子130の給電部130AのX方向における幅の中央である。
エレメント132で28GHzの電波を放射した際の放射特性として、図18(A)にZX面におけるゲインのφ成分とθ成分を示し、図18(B)にZY面におけるゲインのφ成分とθ成分を示す。ゲインのφ成分を実線で示し、ゲインのθ成分を破線で示す。なお、図18(A)、図18(B)において、0度の方向が+Z方向に相当し、90度が+X方向に相当し、-90度が-X方向に相当する。
図18(A)に示すように、ZX平面でのゲインのθ成分は、+X方向側と-X方向側とで分布が多少異なるが、+Z方向のゲインが得られている。また、ZX平面でのゲインのφ成分についても、+Z方向のゲインが得られている。
また、図18(B)に示すように、ZY平面でのゲインのθ成分は、+X方向側と-X方向側とで分布が多少異なるが、+Z方向のゲインが得られている。また、ZX平面でのゲインのφ成分についても、+Z方向のゲインが得られている。なお、放射効率は、31.4%であった。
また、エレメント132で39GHzの電波を放射した際の放射特性として、図19(A)にZX面におけるゲインのφ成分とθ成分を示し、図19(B)にZY面におけるゲインのφ成分とθ成分を示す。ゲインのφ成分を実線で示し、ゲインのθ成分を破線で示す。
図19(A)に示すように、ZX平面でのゲインのθ成分は、+X方向側と-X方向側とで分布が多少異なるが、+Z方向のゲインが得られている。また、ZX平面でのゲインのφ成分についても、+Z方向のゲインが得られている。
また、図19(B)に示すように、ZY平面でのゲインのθ成分は、+X方向側と-X方向側とで分布が多少異なるが、+Z方向のゲインが得られている。また、ZX平面でのゲインのφ成分についても、+Z方向のゲインが得られている。なお、放射効率は、43.7%であった。
図20は、アンテナ付き位置検出素子100のアンテナ素子130の反射特性を示す図である。ここでは、反射特性としてS11パラメータの周波数特性を用いて説明する。S11パラメータは、アンテナ素子130の給電部130Aを入出力ポートとした場合の反射係数を表す。
図20に示すように、28GHzでは-5.69dBとなり、39GHzでは-8.52dBであった。両方とも-5dB以下であり、通信周波数において反射の少ない良好な特性が得られることを確認できた。
<効果>
以上のように、複数の導体110及び120とアンテナ素子130とが基板101の上面101Aに形成され、アンテナ素子130は、導体110及び120が形成する複数の位置検出用の単位領域Aのうちの少なくとも1つの内部に配置され、複数の導体110及び120とアンテナ素子130は金属製のメッシュで形成されている。
したがって、位置検出用の導体110、120とアンテナ素子130を同一面に形成可能なアンテナ付き位置検出素子100を提供できる。また、導体110、120とアンテナ素子130を同一面に形成可能であることにより、アンテナ付き位置検出素子100及び電子デバイス10の薄型化の実現、構造の簡易化、製造の容易化、又は低コスト化等のメリットを享受可能である。
また、単位領域Aは、複数の導体110と、複数の導体120とに交互に位置検出用の電圧が時分割的に印加されることによって、位置検出用に選択される領域であるので、基板101の上面101Aに金属製のメッシュで導体110及び120を含むパターンを形成する際に、X方向及びY方向に連続する同一パターンの領域として利用しやすい。また、単位領域Aが位置検出用に選択される領域であることにより、アンテナ素子130を配置する領域を考慮に入れた導体110及び120の形状を設計しやすい。
単位領域Aは、X軸及びY軸に沿って区画される矩形状の領域であるので、X方向及びY方向における配置が容易であり、連続する同一パターンの領域として設計しやすく、製造も容易である。
また、基板101は、複数の単位領域Aに含まれず、端辺101Eに沿って設けられる端部領域Eを有し、アンテナ素子130は、複数の単位領域Aのうち端部領域Eに隣接する単位領域A2内に形成され、給電線路140は、端部領域E内において端辺101Eからアンテナ素子130に向かって延在する。このため、複数の単位領域Aのうち端部領域Eに隣接する単位領域A2内にアンテナ素子130を確実に配置でき、端部領域E内で延在する給電線路140でアンテナ素子130に確実に給電できる構成を実現できる。
また、端辺101Eは、X軸に沿って延在しており、第3領域内の導体部162Aは、単位領域A2のうちの端辺101E側の端辺に接するので、単位領域A2の中で、単位領域A2のうちの端辺101E側から+Y方向に向けてアンテナ素子130を配置でき、アンテナ素子130の配置が容易である。また、アンテナ素子130が配置されない単位領域A1と同一の形状を有する導体110及び120を含む単位領域A2の第3領域の導体部162Aの形状を変更するだけでアンテナ素子130を配置できる。
また、各単位領域A内において導体110が位置する領域の面積と、各単位領域A内において導体120が位置する領域の面積とは等しいので、操作面11Aに対して操作を行う指先等による静電容量の変化を検出しやすく、指先等の位置を高精度に検出可能である。
また、少なくとも1つの単位領域Aにおける第3領域内に、ダミー部160、160Aが形成されているので、単位領域A内におけるダミー部160、160Aと、ダミー部160、160A以外の部分との見た目を揃えて、意匠性を向上させることができる。
また、ダミー部160、160Aのメッシュにおける金属細線165Bの長さは、アンテナ素子130の通信周波数における波長の電気長の1/4以下であるので、ダミー部160、160Aの金属細線165Bが放射素子として機能することを抑制でき、アンテナ素子130の放射特性を安定させることができる。
また、アンテナ素子130は、モノポールアンテナであるので、グランド層140Gを利用して、限られたスペースで放射特性の良好なアンテナ素子130を実現できる。
また、アンテナ素子130は、複数の通信周波数で通信可能であるため、例えば、28GHz及び39GHzで実現される5G(Fifth Generation)のデュアルバンドのように複数の通信周波数に対応可能なアンテナ付き位置検出素子100を実現できる。
また、アンテナ素子130は、ミリ波帯の通信周波数で通信可能であるため、金属製のメッシュで形成されているアンテナ素子130によってミリ波帯で確実に通信可能なアンテナ付き位置検出素子100を実現できる。
また、導体部110Aは、各単位領域A内において、X方向に延在し、第3領域のダミー部160、160AをY方向において分断する延在部111を有する。このため、複数の単位領域AにわたってX方向に繋がる導体110を実現できるとともに、単位領域A内で延在部111をY方向における端よりも中央寄りに配置して、単位領域Aの中央寄りの部分において静電容量の変化を検出しやすい構造を実現できる。
また、延在部111は、各単位領域A内において、Y方向における中央部に配置されるので、単位領域Aの中央部において静電容量の変化を検出しやすい構造を実現できる。例えば、GUIボタンの表示領域内に、1又は複数の単位領域Aが位置する場合に、各単位領域Aの中央部における静電容量の変化を検出しやすい構造であることで、特にGUIボタンの外縁で操作が行われた場合に、操作の位置がGUIボタンの内側と外側のいずれであるかを、より高精度に判定可能になる。
また、第3領域に配置されるダミー部160、160Aは、各単位領域A内において、X方向における中央部に位置するので、アンテナ素子130を単位領域A2のX方向における中央部に配置可能である。アンテナ素子130が単位領域A2のX方向における中央部に配置されることで、アンテナ素子130の放射特性への隣り合う単位領域A1及びA2の影響を低減でき、アンテナ素子130の放射特性を単位領域A2の内部で管理しやすい構成を実現できる。
また、導体部110Aは、各単位領域A内において、延在部111の+X方向側と接続されY方向に延在する延在部112を有するので、単位領域AのY方向側における範囲を確定しやすい構成を実現できる。
また、延在部111及び延在部112は、延在部112のY方向における中央部から延在部111がX方向に延在するT字型をなす。このため、各単位領域Aを、アンテナ素子130を配置可能な-Y方向側と、アンテナ素子130を配置しない+Y方向側とに分けつつ、単位領域Aの中央部で静電容量の変化を検出しやすい構成を実現できる。
また、導体部120Aは、各単位領域A内において、延在部111の-X方向側と交差する。このため、各単位領域A内において、延在部112とはX方向における反対側で延在部111のY方向における両側に導体120を配置でき、延在部112とともに単位領域AのY方向側における範囲を確定しやすく、かつ、延在部111との間に十分な容量結合を確保しやすい構成を実現できる。
また、導体部120Aは、各単位領域A内において、Y方向の中央部に凹部を有する凹形状を有し、凹部に延在部111の-X方向側が入り込んでいる。このため、導体110との交差を実現しやすく、かつ、延在部111との間に十分な容量結合を確保しやすい構成を実現できる。
また、導体120は、各単位領域A内において、Y方向において延在部111よりも端辺101E側とは反対側に位置する導体部121と、Y方向において延在部111よりも端辺101E側に位置する導体部122とを有し、導体部121のX方向の長さは、導体部122のX方向の長さよりも長い。すなわち、導体120のうちの導体部121のX方向の長さは、延在部111に対してアンテナ素子130と同じ側に配置される導体部122のX方向の長さよりも長い。このため、導体110及び120の面積を等しくしやすく、かつ、延在部111との容量結合を確保しやすい構成を実現できる。
また、導体110は、X方向において隣り合う単位領域A同士の間で、+X方向側の単位領域A内の延在部111と、-X方向側の単位領域A内の延在部112とを接続する凸部111Aを有し、導体部120Aは、各単位領域A内でY方向において、凸部111Aによって分断されており、当該分断された部分は、凸部111Aとは絶縁された状態で凸部111Aを跨ぐジャンパ150によって接続されている。このため、ジャンパ150によって各単位領域Aの導体部120AをY方向に容易に接続できるとともに、X方向において各単位領域Aの導体部110Aを接続した構成を実現できる。
また、アンテナ素子130と、アンテナ素子130が配置される単位領域Aとを複数含むので、例えば、複数のアンテナ素子130から放射される電波でビームフォーミング可能なアンテナ付き位置検出素子100を実現できる。
また、電子デバイス10は、OLED15と、OLED15の表示面側に設けられるアンテナ付き位置検出素子100とを含み、複数の導体110及び120とアンテナ素子130とが基板101の上面101Aに形成され、アンテナ素子130は、導体110及び120が形成する複数の位置検出用の単位領域Aのうちの少なくとも1つの内部に配置され、複数の導体110及び120とアンテナ素子130は金属製のメッシュで形成されている。
したがって、位置検出用の導体110、120とアンテナ素子130を同一面に形成可能なアンテナ付き位置検出素子100を含む電子デバイス10を提供できる。
なお、以上では、アンテナ付き位置検出素子100が複数のアンテナ素子130を含む形態について説明したが、アンテナ付き位置検出素子100は、少なくとも1個のアンテナ素子130を含む構成であってよい。
また、以上では、単位領域Aが矩形状の領域である形態について説明したが、単位領域Aの形状は矩形に限られず、例えば、三角形、五角形、六角形等の多角形であってもよく、その他の形状であってもよい。
また、以上では、導体部110A、導体部120A、アンテナ素子130、給電線路140、及びグランド層140Gが、それぞれ、外縁を囲む金属細線115A、125A、135A、及び145Aの内側に、メッシュ状の金属細線115B、125B、135B、及び145Bが接続されている形態について説明した。しかしながら、外縁を囲む金属細線115A、125A、135A、及び145Aを設けずに、メッシュ状の金属細線115B、125B、135B、及び145Bだけで構成してもよい。この場合には、導体部110A、導体部120A、アンテナ素子130、給電線路140、及びグランド層140Gの端部は、外縁の金属細線115A、125A、135A、及び145Aの代わりに、メッシュ形状の金属細線115B、125B、135B、及び145Bを配置した構成になる。また、この場合に、例えば、凸部111A、突出部121A、及び122Aのように幅が細い部分についてもメッシュ状の金属細線で実現できるように、幅を広げるか、又は、メッシュのピッチp1、p2を小さくすればよい。例えば、外縁を囲む金属細線115A、125A、135A、及び145Aのうちの少なくともいずれか1つが、人間の視力で確認可能になるような場合には、メッシュ状の金属細線だけにすればよい。
また、以上では、アンテナ付き位置検出素子100が端部領域Eを含む形態について説明したが、例えば、アンテナ素子130に同軸ケーブルで給電を行うような場合には、端部領域Eを含まなくてもよい。アンテナ付き位置検出素子100が端部領域Eを含まないことは、アンテナ付き位置検出素子100が給電線路140及びグランド層140Gを含まないことである。
また、以上では、各単位領域Aにおいて、導体110及び120の面積が等しい形態について説明したが、導体110及び120の面積は等しくなくてもよい。特に、指先FTの位置の検出に支障が生じなければ、導体110及び120の面積は等しくなくてもよい。
また、以上では、すべての単位領域Aの第3領域にダミー部160又は160Aが形成される形態について説明したが、少なくともいずれか1つの単位領域A1の第3領域にダミー部160が形成される構成、又は、少なくともいずれか1つの単位領域A2の第3領域にダミー部160Aが形成される構成であってもよい。
また、以上では、導体110が各単位領域A内においてダミー部160又は160AをY方向において分断する延在部111を有し、Y方向における中央部に配置される形態について説明した。しかしながら、延在部111は、各単位領域A内において、Y方向の中央部に位置しなくてもよく、ダミー部160又は160AをY方向において分断していなくてもよい。例えば、延在部111は、単位領域A内で+Y方向側の端部に形成されてL字型をなしていてもよい。また、延在部111は、X方向に沿って真っ直ぐ延在するのではなく、例えば折れ曲がっていてもよい。
また、以上では、各単位領域A内において、ダミー部160、160AがX方向における中央部に位置する形態について説明したが、ダミー部160、160Aは、X方向の中央部から-X方向側又は+X方向側にオフセットして配置されてもよい。
また、以上では、各単位領域A内において、導体110が延在部111の+X方向側と接続されY方向に延在する延在部112を有し、T字型をなす形態について説明した。しかしながら、導体110はT字型ではなくてもよく、延在部112の位置は延在部111の+X方向側ではなくてもよく、また、導体110は延在部112を有しなくてもよい。
また、以上では、各単位領域A内において、導体120が延在部111の-X方向側と交差する形態について説明したが、導体120が延在部111と交差するのは-X方向側ではなくてもよい。導体120の形状は、導体110の形状との兼ね合いで様々な形状を取り得る。この際に、導体110と導体120との十分な容量結合が確保されることが望ましい。
また、以上では、各単位領域A内において、導体部120AがY方向の中央部に凹部を有する凹形状を有し、凹部に延在部111の-X方向側が入り込んでいる形態について説明した。しかしながら、導体120が導体110と交差し、かつ、十分な容量結合を確保できれば、このような構成に限られず、導体110の形状との兼ね合いで様々な形状を取り得る。
また、以上では、各単位領域A内において、導体部120Aのうちの導体部121のX方向の長さは、延在部111に対してアンテナ素子130と同じ側に配置される導体部122のX方向の長さよりも長い形態について説明した。しかしながら、導体120は、この点についても、このような構成に限られず、導体部121のX方向の長さが導体部122のX方向の長さよりも短くてもよい。
また、以上では、導体110が延在部111の-X方向側の凸部111AによってX方向に接続され、導体120がY方向においてジャンパ150によって接続される形態について説明した。しかしながら、導体110がジャンパ150によってX方向に接続され、導体120がY方向において凸部111Aのような金属細線によって接続されていてもよい。
<変形例>
図21は、実施形態の変形例のアンテナ付き位置検出素子100Mの一部分の構成の一例を示す図である。アンテナ付き位置検出素子100Mは、エレメント131及び132を有する4個のアンテナ素子130の代わりに、4個のパッチアンテナ130Mを含み、導体部162A(図15参照)を含まない構成を有する。パッチアンテナ130Mは、アンテナ素子の一例であり、図4におけるアンテナ素子130及び導体部162Aが配置されている領域に配置される。
パッチアンテナ130Mは、給電部130A及び調整部130Bを有する。給電部130Aは、給電線路140に接続されて給電される部分である。調整部130Bは、給電部130Aの±X方向側に設けられた凹部であり、パッチアンテナ130Mのインピーダンスを調整するために設けられている。
パッチアンテナ130Mは、一例として、OLED15の陰極15A(図2参照)をグランド層として利用する。陰極15Aは、平面視でパッチアンテナ130Mと重なり、かつ、パッチアンテナ130Mよりも広い範囲にわたって延在している。パッチアンテナ130MのX方向及びY方向の長さは等しく、一例として39GHzにおける波長の電気長の約1/4の長さである。パッチアンテナ130Mは、波長がミリメートルオーダになるミリ波帯の周波数で通信可能なアンテナである。
ミリ波帯の周波数で通信するには、例えばITOのように抵抗値の大きな透明電極膜では損失等が大きすぎるため、パッチアンテナ130Mは、メッシュ状の金属細線で構成される。
パッチアンテナ130Mは、給電線路140と一体的に形成されるため、パッチアンテナ130M及び給電線路140の外縁に沿って設けられる枠状の金属細線135MAの内側に、メッシュ状の金属細線135MBを設けた構成を有する。枠状の金属細線135MAと、メッシュ状の金属細線135MBとは接続されている。金属細線135MA及び135MBは、図7に示す透明導体300で構成すればよい。
<アンテナ付き位置検出素子100Mの放射特性>
図22は、アンテナ付き位置検出素子100Mのパッチアンテナ130Mの指向性を示す図である。ここでは、4個のパッチアンテナ130Mのうちの-X方向側の端に位置するパッチアンテナ130Mを用いて電磁界シミュレーションを行った結果について説明する。電磁界シミュレーションにおけるXYZ座標の原点は、一例として-X方向側の端に位置するパッチアンテナ130Mの給電部130AのX方向における幅の中央である。
パッチアンテナ130Mで39GHzの電波を放射した際の放射特性として、図22(A)にZX面におけるゲインのφ成分とθ成分を示し、図22(B)にZY面におけるゲインのφ成分とθ成分を示す。ゲインのφ成分を実線で示し、ゲインのθ成分を破線で示す。
図22(A)に示すように、ZX平面でのゲインのθ成分は、+X方向側と-X方向側とで分布が多少異なるが、+Z方向のゲインが得られている。また、ZX平面でのゲインのφ成分についても、+Z方向のゲインが得られている。
また、図22(B)に示すように、ZY平面でのゲインのθ成分は、+X方向側と-X方向側とで分布が多少異なるが、+Z方向のゲインが得られている。また、ZX平面でのゲインのφ成分についても、+Z方向のゲインが得られている。なお、放射効率は、40.7%であった。
図23は、アンテナ付き位置検出素子100Mのパッチアンテナ130Mの反射特性を示す図である。ここでは、反射特性としてS11パラメータの周波数特性を用いて説明する。S11パラメータは、パッチアンテナ130Mの給電部130Aを入出力ポートとした場合の反射係数を表す。
図23に示すように、39GHzにおけるS11パラメータは-18.66dBであった。このように、S11パラメータは非常に低い値が得られ、通信周波数において反射の少ない良好な特性が得られることを確認できた。
以上のように、実施形態の変形例では、複数の導体110及び120とパッチアンテナ130Mとが基板101の上面101Aに形成され、パッチアンテナ130Mは、導体110及び120が形成する複数の位置検出用の単位領域Aのうちの少なくとも1つの内部に配置され、複数の導体110及び120とパッチアンテナ130Mは金属製のメッシュで形成されている。
したがって、位置検出用の導体110、120とパッチアンテナ130Mを同一面に形成可能なアンテナ付き位置検出素子100Mを提供できる。
以上、本開示の例示的な実施形態のアンテナ付き位置検出素子、及び、電子デバイスについて説明したが、本開示は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
10 電子デバイス
15 OLED (表示部の一例)
20 位置検出部
30 通信部
40 制御部
100、100M アンテナ付き位置検出素子
101 基板 (絶縁体基板の一例)
101A 上面 (第1面の一例)
101E 端辺 (基板端辺の一例)
110 導体 (第1導体の一例)
110A 導体部 (第1繰り返し単位部の一例)
111、112 延在部
111A 凸部 (第2接続部の一例)
115A、115B 金属細線
120 導体 (第2導体の一例)
120A 導体部 (第2繰り返し単位部の一例)
121、122 導体部 (第3延在部、第4延在部の一例)
121A、122A 突出部 (凹部の一例)
125A、125B 金属細線
130 アンテナ素子
130A 給電部
131、132 エレメント
130M パッチアンテナ
130B 調整部
135A、135B、135MA、135MB 金属細線
140 給電線路
140G グランド層
145A、145B 金属細線
150 ジャンパ (第1接続部の一例)
160、160A ダミー部
161、162 導体部
162A 導体部
165B 金属細線
165B1 切断部

Claims (21)

  1. 絶縁体基板と、
    前記絶縁体基板の第1面に配置され前記第1面内の第1軸に沿って延在する複数の第1導体と、
    前記絶縁体基板の前記第1面に配置され前記第1面内で前記第1軸と交差する第2軸に沿って延在する複数の第2導体と、
    前記第1導体又は前記第2導体を延在方向において接続する第1接続部と、
    前記絶縁体基板の前記第1面に形成されたアンテナ素子と、
    前記絶縁体基板の前記第1面に形成され前記絶縁体基板の基板端辺から延在して前記アンテナ素子に接続される給電線路と
    を含み、
    各第1導体は、前記第1軸に沿って設けられる複数の第1繰り返し単位部を有し、
    各第2導体は、前記第2軸に沿って設けられる複数の第2繰り返し単位部を有し、
    前記複数の第1繰り返し単位部、又は、前記複数の第2繰り返し単位部は、前記延在方向において前記第1接続部によって接続されており、
    前記絶縁体基板の前記第1面は、前記複数の第1導体と前記複数の第2導体とが平面視で交差する複数の交差部にそれぞれ配置される複数の位置検出用の単位領域を有し、
    各単位領域は、前記第1導体の前記第1繰り返し単位部が配置される第1領域と、前記第2導体の前記第2繰り返し単位部が配置される第2領域と、前記第1領域及び前記第2領域に含まれない第3領域とを有し、
    前記アンテナ素子は、少なくとも1つの前記単位領域のうちの前記第3領域内に配置され、
    前記複数の第1導体、前記複数の第2導体、及び前記アンテナ素子は、金属製のメッシュで形成されている、アンテナ付き位置検出素子。
  2. 前記単位領域は、前記第1軸及び前記第2軸に沿って区画される矩形状の領域である、請求項1に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  3. 前記絶縁体基板は、前記複数の単位領域に含まれず、前記基板端辺に沿って設けられる端部領域を有し、
    前記アンテナ素子は、前記複数の単位領域のうち前記端部領域に隣接する単位領域内に形成され、
    前記給電線路は、前記端部領域内において前記基板端辺から前記アンテナ素子に向かって延在する、請求項1又は2に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  4. 前記基板端辺は、前記第1軸に沿って延在しており、
    前記第3領域は、前記単位領域のうちの前記基板端辺側の端辺に接する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  5. 前記第1繰り返し単位部の面積と、前記第2繰り返し単位部の面積とは等しい、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  6. 少なくとも1つの前記単位領域における前記第3領域内に、金属製のダミーのメッシュが形成されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  7. 前記ダミーのメッシュにおける金属細線の長さは、前記アンテナ素子の通信周波数における波長の電気長の1/4以下である、請求項6に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  8. 前記アンテナ素子は、モノポールアンテナである、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  9. 前記アンテナ素子は、複数の通信周波数で通信可能である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  10. 前記アンテナ素子は、ミリ波帯の通信周波数で通信可能である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  11. 前記第1繰り返し単位部は、前記第1軸方向に延在し、前記第3領域を前記第2軸方向において分断する第1延在部を有する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  12. 前記第1延在部は、各単位領域内において、前記第2軸方向における中央部に配置される、請求項11に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  13. 前記第3領域は、各単位領域内において、前記第1軸方向における中央部に位置する、請求項11又は12に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  14. 前記第1繰り返し単位部は、前記第1延在部の前記第1軸方向における一端側と接続され前記第2軸方向に延在する第2延在部をさらに有する、請求項11乃至13のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  15. 前記第1延在部及び前記第2延在部は、前記第2延在部の前記第2軸方向における中央部から前記第1延在部が前記第1軸方向に延在するT字型をなす、請求項14に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  16. 前記第2繰り返し単位部は、前記第1延在部の前記第1軸方向における他端側と交差する、請求項14又は15のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  17. 前記第2繰り返し単位部は、前記第2軸方向の中央部に凹部を有する凹形状を有し、
    前記凹部に前記第1延在部の前記他端側が入り込んでいる、請求項16に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  18. 前記第2繰り返し単位部は、前記第2軸方向において前記第1延在部よりも前記基板端辺側とは反対側に位置する第3延在部と、前記第2軸方向において前記第1延在部よりも前記基板端辺側に位置する第4延在部とを有し、
    前記第3延在部の前記第1軸方向の長さは、前記第4延在部の前記第1軸方向の長さよりも長い、請求項17に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  19. 前記第1導体は、前記第1軸方向において隣り合う単位領域同士の間で、前記第1軸方向の一端側の単位領域内の前記第1延在部と、前記第1軸方向の他端側の単位領域内の前記第2延在部とを接続する第2接続部を有し、
    前記第2繰り返し単位部は、前記第2軸方向において、前記第2接続部によって分断されており、当該分断された部分は、前記第2接続部とは絶縁された状態で前記第2接続部を跨ぐ前記第1接続部によって接続されている、請求項14乃至18のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  20. 前記アンテナ素子と、前記アンテナ素子が配置される前記単位領域とを複数含む、請求項1乃至16のいずれか1項に記載のアンテナ付き位置検出素子。
  21. 表示部と、
    前記表示部の表示面側に設けられるアンテナ付き位置検出素子と
    を含み、
    前記アンテナ付き位置検出素子は、
    絶縁体基板と、
    前記絶縁体基板の第1面に配置され前記第1面内の第1軸に沿って延在する複数の第1導体と、
    前記絶縁体基板の前記第1面に配置され前記第1面内で前記第1軸と交差する第2軸に沿って延在する複数の第2導体と、
    前記第1導体又は前記第2導体を延在方向において接続する第1接続部と、
    前記絶縁体基板の前記第1面に形成されたアンテナ素子と、
    前記絶縁体基板の前記第1面に形成され前記絶縁体基板の基板端辺から延在して前記アンテナ素子に接続される給電線路と
    を含み、
    各第1導体は、前記第1軸に沿って設けられる複数の第1繰り返し単位部を有し、
    各第2導体は、前記第2軸に沿って設けられる複数の第2繰り返し単位部を有し、
    前記複数の第1繰り返し単位部、又は、前記複数の第2繰り返し単位部は、前記延在方向において前記第1接続部によって接続されており、
    前記絶縁体基板の前記第1面は、前記複数の第1導体と前記複数の第2導体とが平面視で交差する複数の交差部にそれぞれ配置される複数の位置検出用の単位領域を有し、
    各単位領域は、前記第1導体の前記第1繰り返し単位部が配置される第1領域と、前記第2導体の前記第2繰り返し単位部が配置される第2領域と、前記第1領域及び前記第2領域に含まれない第3領域とを有し、
    前記アンテナ素子は、少なくとも1つの前記単位領域のうちの前記第3領域内に配置され、
    前記複数の第1導体、前記複数の第2導体、及び前記アンテナ素子は、金属製のメッシュで形成されている、電子デバイス。
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