JP2023075620A - カテーテル、および、吸引デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】カテーテルを用いて吸引するときの吸引力を高めると共に、カテーテルの柔軟性を確保する。【解決手段】カテーテルは、第1中空シャフトと、第1中空シャフトの先端側で径方向に自己拡張可能な筒状の自己拡張部材と、第1中空シャフトの内径よりも小さい外径を有し、自己拡張部材の先端部を収納する第2中空シャフトと、先端部が第2中空シャフトに接合され、第2中空シャフト、自己拡張部材、および第1中空シャフトの内側において延設されている線状部材と、を備え、自己拡張部材は、先端部が第2中空シャフトに収納されているときに、全体の外径が第1中空シャフトの外径よりも小さくなる形状を有し、線状部材に対して先端側に向かう力が加えられたときに、自己拡張部材の先端部から第2中空シャフトが外れ、自己拡張部材の外径が第1中空シャフトの外径よりも大きくなるまで径方向に自己拡張する。【選択図】図1

Description

本開示は、カテーテル、および、吸引デバイスに関する。
脳梗塞の治療などの血管内治療に用いるデバイスとして、例えば、血栓回収のための吸引カテーテルを備えるデバイスが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなデバイスは、吸引カテーテルの先端(遠位端)に、血管の直径まで拡張できるファネル(ステント)を有し、ファネルを拡張することによって血管を閉鎖して血流を遮断したうえで、吸引カテーテルを用いて血栓を吸引する。そして、上記デバイスは、さらに、病変近傍にファネルを誘導するためにデリバリーカテーテルを備えており、ファネルは、病変近傍に導かれて拡張するまでの間は、吸引カテーテルと共にデリバリーカテーテル内に収納されて、拡張が抑制される。
特表2018-501038号公報
このようなデバイスは、吸引カテーテルの先端に設けられたファネルを、吸引カテーテルと共にデリバリーカテーテル内に収納するため、吸引カテーテルの外径を、デリバリーカテーテルの内径よりも小さくする必要がある。吸引カテーテルによる吸引力は、吸引カテーテルの直径を大きくすることにより高めることができるが、上記のようなデバイスでは、吸引カテーテルの直径はデリバリーカテーテルによって制限される。そのため、血栓回収の効率を向上させるために、吸引カテーテルによる吸引力をさらに高めることが望まれていた。また、上記のようなデバイスでは、ファネルを収納するデリバリーカテーテルにおいて、ファネルが拡張する方向に力が加えられることによりデリバリーカテーテルの柔軟性が低下するという問題があった。デリバリーカテーテルの柔軟性が低下すると、屈曲のある脳血管内の所望の位置(病変部)にデリバリーカテーテルの先端部を導くことが困難になる場合があるため、デリバリーカテーテルの柔軟性を確保する技術が望まれていた。なお、このような課題は、血管系、リンパ腺系、胆道系、尿路系、気道系、消化器官系、分泌腺および生殖器官といった、生体管腔内の異物を除去するデバイス全般に共通する。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、カテーテルが提供される。このカテーテルは、第1中空シャフトと、前記第1中空シャフトの先端側に後端部が接合されて、先端部が径方向に自己拡張可能な筒状の自己拡張部材であって、径方向に拡張および収縮可能な筒状のメッシュ部材と、該メッシュ部材を被覆する樹脂層と、を備える自己拡張部材と、前記第1中空シャフトの内径よりも小さい外径を有し、径方向に収縮された状態の前記自己拡張部材の先端部を収納する第2中空シャフトと、先端部が前記第2中空シャフトに接合され、前記第2中空シャフトに接合される部位よりも後端側の部位が、前記第2中空シャフト、前記自己拡張部材、および前記第1中空シャフトの内側において延設されている線状部材と、を備え、前記自己拡張部材は、前記自己拡張部材の先端部が前記第2中空シャフトに収納されているときに、前記自己拡張部材全体の外径が、前記第1中空シャフトの外径よりも小さくなる形状を有し、前記線状部材に対して前記第1中空シャフトの後端側から先端側に向かう力が加えられたときに、前記線状部材と共に前記第2中空シャフトが移動して、前記自己拡張部材の先端部から前記第2中空シャフトが外れ、前記自己拡張部材の外径が前記第1中空シャフトの外径よりも大きくなるまで径方向に自己拡張する。
この形態のカテーテルによれば、第1中空シャフトの先端側に接合されて自己拡張する自己拡張部材の先端部を、第1中空シャフトの内径よりも小さい外径を有する第2中空シャフト内に収納している。そのため、カテーテルを体内でデリバリする際に、縮径させた自己拡張部材を収納するために、自己拡張部材と共に第1中空シャフトを収納するシャフトを用いる必要がない。このように、第1中空シャフトを、第1中空シャフトよりも径の大きなシャフト内に収納する必要がないため、第1中空シャフトの径の大きさが、この第1中空シャフトを収納する他のシャフトの径の大きさによって制限されることがない。したがって、第1中空シャフトの径の大きさを、より大きく確保することができ、第1中空シャフトを吸引カテーテルとして用いる際の吸引能力を高めることができる。また、第1中空シャフトが自己拡張部材を収納する必要がないため、自己拡張部材を収納することに起因して第1中空シャフトの柔軟性が低下することがなく、生体管腔内でカテーテルをデリバリする際の安全性を高めることができる。さらに、メッシュ部材が樹脂層で被覆されることにより、生体管腔内の流れを自己拡張部材が遮断する程度が高められるため、吸引によって生体管腔の内壁から剥がされた異物が遠位側に飛ばされることを抑える効果を高めることができる。また、第1中空シャフトを介して生体管腔内の異物を吸引して回収する際に、自己拡張部材において吸引力が漏れることを抑えることができる。
(2)上記形態のカテーテルにおいて、前記自己拡張部材は、前記自己拡張部材の前記先端部から前記第2中空シャフトが外された状態で、前記自己拡張部材の中心軸に垂直な方向から見たときに、前記自己拡張部材が先端に向かって拡径する傾斜角度が、前記軸方向に近づくように変更される折れ曲がり部を有することとしてもよい。このような構成とすれば、カテーテルを挿入する生体管腔の管壁と自己拡張部材との間の角度が、自己拡張部材における折れ曲がり部よりも先端側で小さくなり、自己拡張部材の先端によって生体管腔の管壁が損傷される可能性を抑えることができる。また、自己拡張部材を縮径させて第2中空シャフト内に収納する動作が容易になる。
本開示は、上記以外の種々の態様で実現することが可能であり、例えば、カテーテルを備える吸引デバイスや、カテーテルの製造方法などの形態で実現することができる。
第1実施形態のカテーテルの概略構成を示す部分断面図。 図1のA-A断面における断面模式図。 操作ワイヤの操作に伴ってステントが変形される様子を模式的に表す説明図。 カテーテルを用いた血栓回収の動作の一例を示す説明図。 カテーテルを用いた血栓回収の動作の一例を示す説明図。 第2実施形態のステントが血管内で拡張された様子を示す説明図。 第3実施形態のカテーテルの概略構成を示す部分断面図。
A.第1実施形態:
(A-1)カテーテルの全体構成:
図1は、第1実施形態のカテーテル10の概略構成を示す部分断面図である。カテーテル10は、例えば、脳梗塞の治療において、血管内の血栓を物理的に除去するために使用される。カテーテル10は、第1中空シャフト20と、第2中空シャフト30と、ステント40と、操作ワイヤ80と、コネクタ50と、封止部60とを有している。なお、図1および後述する図2-図7は、各部の寸法の比率を正確に表すものではない。
図1では、カテーテル10の中心を通る中心軸を軸線O(一点鎖線)で表す。図1の例では、軸線Oは、第1中空シャフト20、第2中空シャフト30、およびステント40の各中心軸と一致している。ただし、軸線Oは、上述の各構成部材の各中心軸と相違していてもよい。軸線Oに平行な方向を「軸方向」とも呼ぶ。また、図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。X軸は、図1に示すカテーテル10の先端部における軸方向に対応し、Y軸はカテーテル10の高さ方向に対応し、Z軸はカテーテル10の幅方向に対応する。図1の左側(-X軸方向)をカテーテル10および各構成部材の「先端側」と呼び、図1の右側(+X軸方向)をカテーテル10および各構成部材の「基端側」と呼ぶ。また、カテーテル10および各構成部材において、先端側に位置する端部を「先端」と呼び、先端およびその近傍を「先端部」と呼ぶ。また、基端側に位置する端部を「基端」と呼び、基端およびその近傍を「基端部」と呼ぶ。先端側は、生体内部へ挿入される「遠位側」に相当し、基端側は、医師等の術者により操作される「近位側」に相当する。
第1中空シャフト20は、軸線Oに沿って延びる長尺状の部材である。第1中空シャフト20は、両端(先端および基端)が開口した中空の略円筒形状である。第1中空シャフト20は、内部に内腔20Lを有する。内腔20Lは、カテーテル10に対してガイドワイヤを挿通させるためのガイドワイヤルーメンとして機能するほか、先端部20dを介して吸引された血栓を吸引装置へ導くための血栓回収用ルーメンとしても機能する。第1中空シャフト20の外径および長さ、内腔20Lの内径は任意に決定できる。本実施形態では、第1中空シャフト20の先端部20dには、ステント40の基端部40pが接合されている。また、第1中空シャフト20の基端部20pの外周面には、コネクタ50が接続されている。第1中空シャフト20は、複数のシャフトを繋ぎ合わせた構成することもできる。この場合、複数のシャフトは、互いに同一の材料から形成することもできるし、互いに異なる材料から形成することもできる。
第1中空シャフト20は、抗血栓性、可撓性、生体適合性を有することが好ましく、樹脂材料や金属材料で形成することができる。樹脂材料としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を採用できる。金属材料としては、例えば、SUS304等のステンレス鋼、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金等を採用できる。このほか、放射線不透過材料である金、白金、タングステン、またはこれらの元素を含む合金を採用すれば、第1中空シャフト20のX線透視下での視認性を向上させることができ、好ましい。また、第1中空シャフト20は、樹脂材料と金属材料とを組み合わせて、例えば、金属メッシュによって形成されるチューブを樹脂層で覆うことにより形成してもよい。
ステント40は、径方向に拡張および収縮可能であり、かつ、両端(先端および基端)が開口した中空の筒状部材であり、素線が編まれて形成されたメッシュ部材を備える。図1では、ステント40が収縮した状態を示している。このように、ステント40はメッシュ部材を備えるが、図1、および、後述する図3~図5では、ステント40は、形状変化が分かり易くなるように簡略化して示すために、外周を表す線のみによって示している。ステント40の基端部40pは、既述したように、第1中空シャフト20の先端部20dに接合されている。接合は任意の方法で実現でき、例えば、エポキシ系接着剤などの接着剤による接合や、銀ロウ、金ロウ、亜鉛、Sn-Ag合金、Au-Sn合金等の金属はんだによる接合を採用できる。
ステント40は、径方向に拡張および収縮可能であって、カテーテル10が体内に挿入される際には、図1に示すようにステント40の先端部が折りたたまれて、径方向に収縮された状態で、第2中空シャフト30内に収納される(図1の状態)。また、ステント40は、自己拡張型デバイスであり、先端部から第2中空シャフト30が外れると、基端部を中心として先端部が径方向に自己拡張する。ステント40は、基端側の定径部45と、先端側の外周部47と、定径部45と外周部47との間の部位である中間部46と、を備える。拡張後のステント40の状態については、後述する。ステント40は、「自己拡張部材」とも呼ぶ。
図2は、図1に示すA-A断面における断面模式図である。ステント40は、複数の素線42を筒状に編むことにより形成されたメッシュ部材を備える。各素線42は、1本の素線からなる単線であってもよく、複数の素線からなる複線であってもよい。複線の場合、複線の構成は任意に決定でき、例えば中央に配置された芯線(素線)と、芯線を取り囲むように配置された素線とを撚り合せた撚線とできる。複線とする場合、複線を形成する素線の線径および材料は、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、ステント40を構成する一部の素線42については単線とし、残りの素線42については複線としてもよい。
各素線42は、金属材料または樹脂材料により形成されている。金属材料としては、例えば、SUS304等のステンレス鋼、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金等を採用できる。このほか、放射線不透過材料である金、白金、タングステン、またはこれらの元素を含む合金を採用すれば、ステント40のX線透視下での視認性を向上させることができ、好ましい。樹脂材料としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン等を採用できる。ステント40を構成する全ての素線42に対して同じ材料を採用してもよく、一部の素線42については異なる材料を採用してもよい。異なる材料とする場合は、異なる金属材料の組み合わせ、異なる樹脂材料の組み合わせ、金属材料と樹脂材料の組み合わせ等を採用できる。
さらに、ステント40は、ステント40を構成するメッシュ部材を被覆して樹脂によって構成される樹脂層44を備える。本実施形態のステント40においては、樹脂層44は、メッシュ部材全体を被覆するように形成されている。樹脂層44を設けることで、メッシュ部材における素線42間の隙間が塞がれた状態となる。ただし、メッシュ部材において、素線42間の隙間は、完全に塞がれていなくてもよい。樹脂層44を構成する樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン樹脂等を用いることができる。樹脂層44は、例えば、溶融された樹脂の槽にメッシュ部材を浸漬(ディッピング)した後に熱風乾燥させる等の方法により形成することができる。
図1に戻り、第2中空シャフト30は、カテーテル10の先端に配置されて、他の部材よりも先行して血管内を進行する部材である。第2中空シャフト30は、軸線Oに沿って延びて、両端(先端および基端)が開口した中空の略円筒形状である。第2中空シャフト30の外径は、第1中空シャフト20の内径よりも小さく形成されている。第2中空シャフト30は、他の部材に先行して血管内を進行して、他の部材に先立って血管内壁に当接するため、比較的軟らかい材料により形成することが望ましく、例えば、ポリウレタンや、ポリウレタンエラストマー等の樹脂材料により形成することが望ましい。第2中空シャフト30を樹脂により構成すれば、ステント40の先端部を収納した第2中空シャフト30において、柔軟性を確保することが、より容易になる。第2中空シャフト30において十分な柔軟性が得られるならば、第2中空シャフト30は、金属メッシュ等の補強部材を樹脂層の内部に備える構成としてもよい。また、第2中空シャフト30の先端部において、第2中空シャフト30の他の部位よりも軟らかい材料で形成された部材(例えばウレタンチップ)を備えていてもよい。
操作ワイヤ80は、先端部が、第2中空シャフト30の先端部に設けられた接合部31において第2中空シャフト30に接合されており、接合部31よりも基端側の部位が、第2中空シャフト30、ステント40、および第1中空シャフト20の内側において延設されている。上記接合部31は、第2中空シャフト30において、第2中空シャフト30内にステント40の先端部が収納されたときのステント40の先端の位置よりも先端側に設けられている。本実施形態のカテーテル10では、操作ワイヤ80を、ステント40および第1中空シャフト20に対して相対的に先端側に移動させると、操作ワイヤ80と共に第2中空シャフト30もステント40に対して相対的に先端側に移動して、図1の状態のステント40の先端部から第2中空シャフト30が外れる。操作ワイヤ80は、「線状部材」とも呼ぶ。
操作ワイヤ80は、操作ワイヤ80が接合部31において第2中空シャフト30に接合される状態で操作ワイヤ80を軸方向に動かすことにより、第2中空シャフト30を軸方向に移動可能となるような剛性を有していればよい。操作ワイヤ80は、例えば、SUS304等のステンレス鋼、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金、タングステン合金等の金属材料により形成することができる。また、本実施形態において操作ワイヤ80として構成される線状部材は、ワイヤ状以外であってもよく、例えば、少なくとも一部が、管状部材や棒状部材によって構成されることとしてもよい。
接合部31における操作ワイヤ80と第2中空シャフト30との接合は、任意の方法で実現でき、例えば、エポキシ系接着剤などの接着剤による接合とすることができる。あるいは、第2中空シャフト30において、少なくとも接合部31が形成される部位を含む箇所が金属により形成される場合には、溶接やろう付けやはんだ付けによる接合としてもよい。
図3は、カテーテル10の使用時に、操作ワイヤ80の操作に伴って、操作ワイヤ80および第2中空シャフト30が移動して、ステント40が変形される様子を模式的に表す説明図である。既述したように、ステント40は、基端側の定径部45と、先端側の外周部47と、定径部45と外周部47との間の部位である中間部46と、を備える。図3(A)は、図1と同様に、ステント40の先端部が第2中空シャフト30内に収納される様子を示す。図3(A)では、このような状態のときに、操作ワイヤ80に対して先端側に向かう力を加える様子を、白抜き矢印によって表している。このようなステント40において、ステント40の基端部である定径部45は、ステント40が拡張あるいは収縮する場合であってもほとんど径の大きさが変わらず、第1中空シャフト20と同程度の径を有している。また、ステント40の先端部である外周部47を収納する第2中空シャフト30は、第1中空シャフト20の内径よりも小さい外径を有している。そのため、図3(A)のように外周部47が第2中空シャフト30内に収納されているときには、外周部47は、ステント40の中で最も径が小さくなる。そして、外周部47が第2中空シャフト30に収納された状態のステント40では、中間部46は、定径部45から外周部47に向かって次第に縮径する形状となっている。そのため、図3(A)に示すようにステント40の先端部が第2中空シャフト30内に収納されるときには、ステント40全体の外径が、第1中空シャフト20の外径よりも小さくなる。すなわち、第1中空シャフト20の先端部を含むカテーテル10の先端部を軸線方向から見たときには、ステント40の外周線は、第1中空シャフト20の外周線よりも内側に位置する。
図3(B)は、操作ワイヤ80に対して上記した先端側に向かう力が加えられた結果、ステント40の先端部から第2中空シャフト30が外れ、第2中空シャフト30が自己拡張した様子を示す。図3(B)に示すように、ステント40の先端部から第2中空シャフト30が外れたときには、ステント40の先端部である外周部47の外径は、第1中空シャフト20の外径よりも大きくなる。図3(B)では、このような状態のときに、操作ワイヤ80に対して基端側に向かう力を加える様子を、白抜き矢印によって表している。図3(C)は、操作ワイヤ80に対して上記した基端側に向かう力が加えられた結果、操作ワイヤ80および第2中空シャフト30が、ステント40および第1中空シャフト20の内部を介して引き抜かれた様子を示す。
ステント40の先端部から第2中空シャフト30が外れてステント40が拡張すると、外周部47は、ステント40の中で最も径が大きくなる。外周部47は、ステント40が拡張したときに、ほぼ一定の径となってもよく、あるいは、先端に向かって次第に拡径する形状であってもよい。外周部47は、後述するように、血管内でステント40が拡張したときに血管の内壁に当接する部位である。ステント40が拡張したときには、中間部46は、定径部45から外周部47に向かって次第に拡径する形状となる。そのため、中間部46と外周部47との境界部は、図3(C)に示すように、中心軸に垂直な方向(軸方向に垂直な方向)からステント40を見たときに、先端に向かって拡径する傾斜角度が軸線方向に近づくように変更される折れ曲がり部48となっている。
図1に戻り、コネクタ50は、カテーテル10の基端側に配置され、術者によって把持される部材である。コネクタ50は、二股に分岐した中空状の分岐部59と、羽根部51,52とを備えている。分岐部59が備える内腔のうち、第1の基端部59sへと繋がる内腔51Lは、カテーテル10に対してガイドワイヤを挿通させるためのガイドワイヤルーメンとして機能する。また、分岐部59が備える内腔のうち、第2の基端部59bへと繋がる内腔52Lは、第1中空シャフト20を介して運搬された血栓を吸引装置へ導くための血栓用ルーメンとして機能する。分岐部59の形状、外径および長さ、内腔51Lおよび内腔52Lの内径は任意に設定できる。本実施形態では、分岐部59の先端部59dの内周面には、第1中空シャフト20の基端部20pが接続されている。また、第1の基端部59sの外周面には羽根部51が、第2の基端部59bの外周面には羽根部52が、それぞれ接合されている。
羽根部51は、両端(先端および基端)が開口した中空形状であり、内腔51Lへと通じる基端側の開口51oからは、既述した操作ワイヤ80が露出している。羽根部52は、羽根部51と同様に、両端(先端および基端)が開口した中空形状であり、内腔52Lへと通じる基端側の開口52oは、図示しない吸引装置を取り付け可能な構成とされている。羽根部51,52には任意の形状を採用できる。また、羽根部51,52は省略してもよい。分岐部59、羽根部51、および羽根部52は、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエーテルサルフォン等の樹脂材料で形成することができる。なお、操作ワイヤ80の駆動方法に特に制限はなく、例えば、カテーテル10に装着された部材を回転操作して、その回転運動を直線運動に変換して操作ワイヤ80を前後方向に駆動することとしてもよく、また、アクチュエータを利用して前後方向に駆動することとしてもよい。また、操作ワイヤ80を、第1中空シャフト20の外部に露出させた状態で駆動することとしてもよく、第1中空シャフト20の外部に露出させない状態(第1中空シャフト20の内部に収容した状態)で駆動することとしてもよい。
封止部60は、分岐部59の内腔51Lに配置されている。封止部60は、操作ワイヤ80やガイドワイヤやマイクロカテーテルを挿通させることができ、かつ、内腔51Lを封止して第1中空シャフト20内部を気密に維持する。封止部60は、例えば弁体として構成できる。なお、封止部60は、内腔51Lを常に封止する必要はなく、少なくとも吸引装置の駆動時(第1中空シャフト20の内部を負圧にする際)に、内腔51Lを封止できる構造を有していればよい。
(A-2)血栓回収の動作:
図4および図5は、本実施形態のカテーテル10を用いた血栓回収の動作の一例を示す説明図である。図4および図5では、生体管腔の一例として血管90を例示し、異物の一例として血栓92を例示する。図4および図5に示すように、血管90には、血栓92で血管90が閉塞された病変部が形成されている。以下では、一例として、血栓92が生じた血管90が内頸動脈である場合について説明する。カテーテル10を用いた血栓回収動作を行う際には、カテーテル10に加えて、例えばバルーン付きガイドカテーテル(図示せず)を用いることができる。この場合には、例えば大腿動脈等にシースを挿入して、このシースを介して、バルーン付きガイドカテーテルを内頸動脈の入口部に留置すればよい。そして、本実施形態のカテーテル10(吸引カテーテル)の内にマイクロカテーテル72を挿入すると共に、マイクロカテーテル72の内にガイドワイヤ70を挿入して一体としたシステムを、バルーン付きガイドカテーテル内を通過させて血管内に挿入する。このとき、カテーテル10においては、図1に示すように、ステント40の先端部が第2中空シャフト30内に収納される状態となっている。バルーン付きガイドカテーテルのバルーンを内頸動脈の入口部で拡張させることにより、バルーン付きガイドカテーテルの先端からさらに遠位側に進行するカテーテル10を含む上記システムのぐらつきを抑えて、バックアップすることができる。なお、カテーテル10を挿入する血管90の径の大きさが十分であって、カテーテル10のデリバリに支障が無ければ、マイクロカテーテル72を用いないこととしてもよい。
図4(A)は、ガイドワイヤ70が血管90内を先行するように進行し、術者によって、血栓92(病変部)の遠位側にガイドワイヤ70の先端部が位置するように、ガイドワイヤ70がデリバリされた様子を表す。ただし、ガイドワイヤ70の先端をデリバリする位置は、血栓92の手前(近位側)であってもよい。図4(B)は、図4(A)の状態となった後、術者によってマイクロカテーテル72がガイドワイヤ70に沿って押し進められて、マイクロカテーテル72の先端が、血栓92の手前(近位側)までデリバリされた様子を示す。図4(C)は、図4(B)の状態となった後、術者によってカテーテル10がマイクロカテーテル72に沿って進められ、カテーテル10の先端部である第2中空シャフト30が、血栓92の手前(近位側)に到達するまでデリバリされた様子を表す。カテーテル10において、バルーン付きガイドカテーテルの先端よりも遠位側にデリバリされる部位では、図4(C)に示すように、第1中空シャフト20と、ステント40と、第2中空シャフト30とは、さらに他の部材内に収納されることなく、血栓92内で露出している。なお、図4(C)では、マイクロカテーテル72に沿ってカテーテル10をデリバリする動作に先立って、マイクロカテーテル72内からガイドワイヤ70が抜去されているが、カテーテル10をデリバリするときに、ガイドワイヤ70が抜去されていないこととしてもよい。
図5(A)は、図4(C)の状態となった後、カテーテル10内からマイクロカテーテル72を抜去した後の様子を表す。図5(B)は、図5(A)の状態となった後、術者によって操作ワイヤ80が操作されて操作ワイヤ80および第2中空シャフト30が遠位側に押されて、第2中空シャフト30がステント40の先端部から外れ、ステント40が自己拡張した様子を表す。図5(B)に示すように、ステント40が拡径することにより、ステント40の先端部である外周部47が、血管90の内壁に当接する。このとき、外周部47から血管90の内壁に対して、径方向外側に向かう力が加えられ、ステント40は、血管90内において、自己拡張した位置で保持される。既述したように、ステント40の先端部から第2中空シャフト30が外れると、ステント40の先端部である外周部47の径は、第1中空シャフト20の径よりも大きくなるため、血栓回収の対象となる血管90の径に応じて、用いるカテーテル10が備えるステント40の大きさを適宜選択すればよい。ステント40の拡張圧(ステント40が拡張されたときにステント40から血管90の内壁に加えられる圧力)は、ステント40が血管に制限されること無く拡径されたときの外径や、ステント40の軸方向の長さ、あるいは、ステント40を構成する素線42の編み方や材質等により、任意に設定できる。
ステント40は、既述したように、メッシュ部材と、このメッシュ部材を被覆する樹脂層44と、を備える。そのため、上記のようにステント40が血管90内で自己拡張することにより、ステント40によって血管90が塞がれて、血管90内を遠位側に向かって流れる血流が遮断される。なお、ステント40が血管90内の血流を妨げる程度は、後述する血栓92の回収動作に支障が無い限り、完全な遮断でなくてもよいが、血栓92を吸引して回収する効率を高めるためには、血流が十分に遮断されることが望ましい。
図5(C)は、図5(B)の状態となった後、ステント40および第1中空シャフト20内から、操作ワイヤ80および第2中空シャフト30を抜去した様子を表す。第2中空シャフト30は、例えば、封止部60を構成する弁体を開弁させて第1中空シャフト20内から完全に抜去してもよく、封止部60近傍まで引き戻すだけでもよい。図5(C)の状態において術者は、コネクタ50に取り付けられた吸引装置を作動させる。これにより、血栓92は、ステント40内へと吸引され、血栓92が第1中空シャフト20の内径よりも小さいときには第1中空シャフト20内へと吸引されて、第1中空シャフト20の血栓回収用ルーメン(内腔20L)を通じて、吸引装置へと導かれ、吸引・除去される。このとき、ステント40が、血管90の内壁を径方向外側に向かって押圧しつつ血管90内で保持されるため、ステント40と血管90の内壁との間から吸引力が漏れることが抑えられ、血栓92を吸引する動作を効率良く行うことができる。また、ステント40によって遠位側に向かう血流が抑えられるため、吸引によって血管90の内壁から剥がされた血栓92が、血流によって遠位側(末梢側)に飛ばされることを抑えることができる。
血栓92の回収を終えた後、術者は、カテーテル10を抜去する。このとき、カテーテル10は、内頸動脈の入口部まで引き戻されると、バルーン付きガイドカテーテル内に収納されて、バルーン付きガイドカテーテルと共に体内から抜去される。
なお、上記した血栓92を吸引する処置を行う際に、処置の途中でカテーテル10等が血管90内を進行する様子を把握するために、例えば、第2中空シャフト30の先端部、第1中空シャフト20の先端部、マイクロカテーテル72の先端部、ガイドワイヤ70の先端部等に、X線不透過マーカーを設けることとすればよい。また、さらに、第2中空シャフト30の後端部や、ステント40の先端部にも、X線不透過マーカーを設けることが望ましい。X線不透過マーカーは、例えば、上記各部材におけるX線不透過マーカーを設けるべき部位を、X線不透過な材料により構成する、X線不透過部材を取り付ける、樹脂製の部材であれば樹脂中にX線不透過である材料を練り込む、等により設けることができる。
以上のように構成された本実施形態のカテーテル10によれば、第1中空シャフト20の先端側に接合されて自己拡張するステント40の先端部を、第1中空シャフト20よりも先端側に配置されて、第1中空シャフト20の内径よりも小さい外径を有する第2中空シャフト30内に収納している。そのため、カテーテル10を体内でデリバリする際に、縮径させたステント40を収納するために、ステント40と共に第1中空シャフト20を収納するシャフト(第1中空シャフト20よりも径の大きなシャフト)を用いる必要がない。このように、第1中空シャフト20を、第1中空シャフト20よりも径の大きなシャフト内に収納する必要がないため、第1中空シャフト20の径の大きさが、この第1中空シャフト20を収納する他のシャフトの径の大きさによって制限されることがない。したがって、吸引カテーテルである第1中空シャフト20の径の大きさを、より大きく確保して、血栓92を吸引する際の吸引能力を高めることができる。
さらに、本実施形態のカテーテル10によれば、カテーテル10を体内でデリバリする際に、縮径させたステント40を収納するために第1中空シャフト20が用いられることがない。したがって、ガイドカテーテル(本実施形態ではバルーン付きガイドカテーテル)先端からさらに遠位側に延びて血管90内を進行する第1中空シャフト20は、自己拡張可能なステント40(径方向外側に向かって押す力を生じる部材)を収納することに起因して柔軟性が低下することが無い。このように、第1中空シャフト20の柔軟性を確保できることにより、例えば屈曲のある脳血管内であっても、より容易に第1中空シャフト20を導くことが可能になり、第1中空シャフト20を血管90内でデリバリする際の安全性を高めることができる。このとき、縮径したステント40を収納する第2中空シャフト30は、ステント40を収納することにより柔軟性が低下し得るが、第2中空シャフト30の外径が、第1中空シャフト20の内径よりも小さく形成されており、第2中空シャフト30は、カテーテル10の先端近傍の限られた範囲のみに設けられているため、上記した柔軟性の低下に起因してカテーテル先端部のデリバリが困難化する影響を抑えることができる。特に、第2中空シャフト30を、既述したように、樹脂等の比較的軟らかい材料により構成することで、ステント40を収納して柔軟性が低下することによる影響を抑えることができる。
また、本実施形態のカテーテル10によれば、ステント40は、径方向に拡張および収縮可能な筒状のメッシュ部材と、このメッシュ部材を被覆する樹脂層44と、を備えている。そのため、血栓92を吸引する際に、メッシュ部材の編み目を介して吸引力が漏れることを抑えて、血栓92を吸引する性能を高めることができる。また、血管90内を遠位側に向かって流れる血流をステント40が遮断する程度が高められるため、吸引によって血管90の内壁から剥がされた血栓92が、血流によって遠位側(末梢側)に飛ばされることを抑える効果を高めることができる。
さらに、本実施形態のカテーテル10によれば、ステント40は、ステント40の先端部から第2中空シャフト30が外されて拡張された状態で、ステント40の中心軸に垂直な方向(軸方向に垂直な方向)から見たときに、ステント40が先端に向かって拡径する傾斜角度が、上記軸方向に近づくように変更される折れ曲がり部48を有している。そのため、血管90の内壁と外周部47との間の角度が、血管90と中間部46との間の間の角度よりも小さくなり、ステント40の先端によって血管90を損傷させる可能性を抑えることができる。また、ステント40の先端部である外周部47では、拡径時の径の変化が中間部46よりも小さいため、ステント40を収縮させて先端部を第2中空シャフト30内に収納する動作が容易になる。
B.第2実施形態:
第1実施形態のカテーテル10が備えるステント40は、このステント40を構成するメッシュ部材全体が樹脂層44で覆われることとしたが、メッシュ部材の一部のみに樹脂層44を設けることとしてもよい。例えば、基端側の定径部45と中間部46とを構成するメッシュ部材は樹脂層44を備え、先端側の外周部47を構成するメッシュ部材は樹脂層44を備えないこととしてもよい。このようなステント240を備える構成を、第2実施形態として以下に説明する。
図6は、第2実施形態のステント240が血管90内で拡張された様子を、図5(C)と同様にして示す説明図である。ステント240のうちで、樹脂層44を有しない外周部47は、「非被覆部」とも呼ぶ。第2実施形態のステント240では、外周部47が樹脂層44を有しないため、ステント240を収縮させてステント240の先端部を第2中空シャフト30に収納する動作が容易になる。さらに、外周部47が樹脂層44を有しないことにより、外周部47を収納したときに第2中空シャフト30の柔軟性が低下する程度を抑えることができる。このとき、外周部47は血管90の内壁に当接する部位であるため、外周部47に樹脂層44を設けないことに起因して、血栓92を吸引する際にメッシュ部材から吸引力が漏れることを抑えることができる。
C.第3実施形態:
図7は、第3実施形態のカテーテル310の概略構成を示す部分断面図である。第3実施形態のカテーテル310は、コネクタ50に代えてコネクタ350を備える点において、図1に示す第1実施形態と異なっている。
コネクタ350は、コネクタ50のようなY字型の二股形状ではなく、ストレート形状を有している。コネクタ350は、中空状の本体部359と、羽根部351とを備えている。本体部359の内腔51Lは、ガイドワイヤルーメンおよび血栓用ルーメンとして機能する。本体部359の先端部59dには、第1中空シャフト20の基端部20pが接合されている。また、本体部359の基端部359sには、羽根部351が接合されている。羽根部351は、第1実施形態の羽根部51と同様の形状を有し、内腔51Lへと通じる基端側の開口51oは、図示しない吸引装置を取り付け可能な構成とされている。羽根部351の材料は、例えば、第1実施形態の羽根部51と同様の材料を用いて形成することができる。
第3実施形態のカテーテル310を用いて、図4~図5と同様にして血栓92を回収する処置を行う場合には、例えば、封止部60を構成する弁体を開弁させて、第1中空シャフト20内から、ガイドワイヤ70、マイクロカテーテル72、および、第2中空シャフト30が接合された操作ワイヤ80を引き抜いて図5(A)の状態とした後に、羽根部351に対して吸引装置を接続して、吸引の動作を行えばよい。このような構成としても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、分岐部を有しないコネクタ350を用いてカテーテル310を構成することができるため、カテーテル310を小型化できる。ただし、分岐部を有しないコネクタ350を用いる場合には、上記したガイドワイヤ70や操作ワイヤ80等の引き抜きの動作の後に、吸引装置を接続する動作を行う必要があるため、処置全体の時短の観点からは、第1実施形態のように二股形状のコネクタ50を用いる方が望ましい。
D.他の実施形態:
上記した各実施形態では、自己拡張部材であるステントは、メッシュ部材と、このメッシュ部材を被覆する樹脂層44と、を備えることとしたが、異なる構成としてもよい。例えば、メッシュ部材の編み目が比較的細かく、メッシュ部材のみであっても、血管90内を遠位側に向かって流れる血流を遮断する効果が十分に得られる場合には、メッシュ部材を被覆する樹脂層44を設けないこととしてもよい。あるいは、自己拡張部材を、第1中空シャフト20の中心軸を中心として先端側に向かって外周側に自己拡張可能な金属製の複数の骨部と、この複数の骨部に張られた樹脂膜と、を備える傘状に形成することとしてもよい。また、自己拡張可能な、樹脂製あるいは金属製のロート状部材(ファネル)としてもよい。自己拡張部材は、自己拡張可能に折りたたんで、先端部を第2中空シャフト30内に収納することができればよい。
上記した各実施形態のカテーテルは、血栓回収のための吸引カテーテルとしたが、生体の管腔内の流れを妨げながら、吸引を伴う処置によって管腔内の異物を除去するカテーテルにおいて広く適用することができる。例えば、脳血管のほか、心臓等の他の血管系、リンパ腺系、胆道系、尿路系、気道系、消化器官系、分泌腺および生殖器官といった、生体管腔内の対象物(異物)を除去するためのデバイスとすることができる。
本開示は、上述の実施形態等に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10,310…カテーテル
20…第1中空シャフト
20L…内腔
20d…先端部
20p…基端部
30…第2中空シャフト
31…接合部
40,240…ステント
40p…基端部
42…素線
44…樹脂層
45…定径部
46…中間部
47…外周部
48…折れ曲がり部
50,350…コネクタ
51,351…羽根部
51L…内腔
51o…開口
52…羽根部
52L…内腔
52o…開口
59…分岐部
59b…第2の基端部
59d…先端部
59s…第1の基端部
60…封止部
70…ガイドワイヤ
72…マイクロカテーテル
80…操作ワイヤ
90…血管
92…血栓
359…本体部
359s…基端部

Claims (3)

  1. カテーテルであって、
    第1中空シャフトと、
    前記第1中空シャフトの先端側に後端部が接合されて、先端部が径方向に自己拡張可能な筒状の自己拡張部材であって、径方向に拡張および収縮可能な筒状のメッシュ部材と、該メッシュ部材を被覆する樹脂層と、を備える自己拡張部材と、
    前記第1中空シャフトの内径よりも小さい外径を有し、径方向に収縮された状態の前記自己拡張部材の先端部を収納する第2中空シャフトと、
    先端部が前記第2中空シャフトに接合され、前記第2中空シャフトに接合される部位よりも後端側の部位が、前記第2中空シャフト、前記自己拡張部材、および前記第1中空シャフトの内側において延設されている線状部材と、
    を備え、
    前記自己拡張部材は、
    前記自己拡張部材の先端部が前記第2中空シャフトに収納されているときに、前記自己拡張部材全体の外径が、前記第1中空シャフトの外径よりも小さくなる形状を有し、
    前記線状部材に対して前記第1中空シャフトの後端側から先端側に向かう力が加えられたときに、前記線状部材と共に前記第2中空シャフトが移動して、前記自己拡張部材の先端部から前記第2中空シャフトが外れ、前記自己拡張部材の外径が前記第1中空シャフトの外径よりも大きくなるまで径方向に自己拡張する
    カテーテル。
  2. 請求項1に記載のカテーテルであって、
    前記自己拡張部材は、前記自己拡張部材の前記先端部から前記第2中空シャフトが外された状態で、前記自己拡張部材の中心軸に垂直な方向から見たときに、前記自己拡張部材が先端に向かって拡径する傾斜角度が、前記軸方向に近づくように変更される折れ曲がり部を有する
    カテーテル。
  3. 請求項1または2に記載のカテーテルと、前記第1中空シャフトの後端が接続されるコネクタと、前記コネクタを介して前記第1中空シャフトに接続される吸引装置と、を備える
    吸引デバイス。
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