JP2023074940A - 石英管継手構造 - Google Patents

石英管継手構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2023074940A
JP2023074940A JP2021188151A JP2021188151A JP2023074940A JP 2023074940 A JP2023074940 A JP 2023074940A JP 2021188151 A JP2021188151 A JP 2021188151A JP 2021188151 A JP2021188151 A JP 2021188151A JP 2023074940 A JP2023074940 A JP 2023074940A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quartz tube
peripheral surface
stopper
inner peripheral
cylindrical portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021188151A
Other languages
English (en)
Inventor
拓朗 蓮輪
Takuro Hasuwa
祐人 土屋
Yuto Tsuchiya
智大 足立
Tomohiro Adachi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Pillar Packing Co Ltd filed Critical Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority to JP2021188151A priority Critical patent/JP2023074940A/ja
Publication of JP2023074940A publication Critical patent/JP2023074940A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Joints With Pressure Members (AREA)
  • Joints With Sleeves (AREA)

Abstract

【課題】長期間にわたって高温/高圧下で使用されてもシールの効果を高く維持することができる石英管継手構造を提供する。【解決手段】石英管は外周面に周方向の溝を含む。継手本体の外筒部は外周面に雄ねじを含み、内周側に石英管の端部を収容する。継手本体の内筒部は外筒部に囲まれ、外周面が外筒部の内周面と環状溝を形成している。フェルールは石英管の端部と溝との間で石英管を囲み、石英管の外周面と外筒部の内周面との隙間を塞ぐ。ストッパーは石英管の溝と同じ場所で石英管を囲み、フェルールと石英管の溝の内面とに接触する。ユニオンナットは内周側に、石英管、フェルール、およびストッパーを収容し、外筒部の雄ねじと自身の雌ねじとの結合に伴う軸力をストッパーに対して加える。これにより、ストッパーがフェルールを石英管の外周面と外筒部の内周面とに押し付けると共に、石英管の先端を環状溝へ圧入する。【選択図】図2

Description

本発明は管継手に関し、特に石英管を接続対象とするものに関する。
「石英管」は、管状に成形された石英ガラスの総称である。石英ガラスは純度が極めて高く、耐熱性に優れ、薬品に侵されにくく、熱膨張率が極めて低い。したがって、石英管は、以下の条件(1)-(3)を満たす配管としてよく利用される。(1)輸送中の流体に不純物、特に金属を混入させない。(2)流体または環境が高温であっても形状を安定に保ち、漏れ等、変形に起因する不具合を起こさない。(3)多様な流体に対して化学的に安定である。このような配管は、たとえば半導体プロセスにおいて、炉心管に対する酸化用、成膜用、イオン注入用等のガスの導入と排出、または洗浄槽に対する洗浄用薬液、超純水、乾燥用ガス等の導入と排出に利用される。
配管を利用する設備には、配管と他の配管または流体機器との間の接続部からの流体の漏れを防ぐ機能、すなわち配管のシールが不可欠である。配管のシールは通常、配管と接続相手との隙間を、ガスケット、パッキン、Oリング等、流体の遮蔽力に優れた部材、すなわちシール材で塞ぐことによって達成される。さらに、流体の圧力で配管とシール材との間に隙間が開かないようにするには、配管に対するシール材の圧力、すなわちシール圧を高く維持する必要がある(たとえば特許文献1、2参照)。しかし、石英管には樹脂製の管のような柔軟性がない一方、金属製の管のような強度もないので、シール圧が高すぎると石英管が破壊されるおそれがある。したがって、石英管のシールには、シール圧を抑える工夫が必要である。たとえば、特許文献2に開示された石英管と管継手との組み合わせ(以下、「石英管継手構造」と呼ぶ。)は、石英管とそれを囲む継手本体との環状の隙間に環状部材を押し込んで、その隙間を塞ぐ。環状部材の内周面のうち石英管に密着する部分、すなわちシール面は、軸方向の長さが十分に大きく設計されている。その結果、シール面が石英管に対して加える内周方向の圧力、すなわちシール圧が比較的低く抑えられても、シール面と石英管の外周面との間を流体が通過できない。
特開平09-310790号公報 特開2019-113086号公報
近年の半導体プロセスには、ウェハの洗浄に使用される薬液等の温度と圧力とが引き上げられる傾向がある。このような流体の温度/圧力の上昇は、石英管継手構造に次の問題を生じさせる。石英管とは異なり、管継手は、フッ素樹脂等、耐薬品性の高い樹脂から成る。これにより、流体への不純物、特に金属の混入が防止される。しかし、その反面、樹脂の成形品が長期間(たとえば1年以上)にわたって高温/高圧に曝され続けると、クリープ変形が無視できない大きさにまで成長しやすい。たとえば特許文献2に開示された石英管継手構造では、継手本体の雄ねじとユニオンナットの雌ねじとの間の軸力によって環状部材が石英管と継手本体との隙間に押し込まれ、その隙間を塞いだ状態に保持される。したがって、継手本体、ユニオンナット、環状部材等、環状部材のシール圧を応力で維持する管継手の要素のいずれか1つにでも過大なクリープ変形が生じれば、それに伴う応力緩和がシール圧を過剰に低下させて漏れを引き起こす可能性がある。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に、長期間にわたって高温/高圧下で使用されてもシールの効果を高く維持することができる石英管継手構造を提供することにある。
本発明の1つの観点による石英管継手構造は、石英管と、その石英管の端部に接続される樹脂製の管継手とを備えている。石英管は、端部に隣接する部分の外周面に周方向の溝を含む。管継手は、継手本体、フェルール、ストッパー、およびユニオンナットを備えている。継手本体は外筒部と内筒部とを有する。外筒部は外周面に雄ねじを含み、内周側に石英管の端部を収容する。内筒部は外筒部に囲まれ、外周面が外筒部の内周面と環状溝を形成している。フェルールは環状部材であり、石英管の端部と溝との間で石英管を囲み、石英管の外周面と外筒部の内周面との隙間を塞ぐ。ストッパーは環状部材であり、石英管の溝と同じ場所で石英管を囲み、フェルールと石英管の溝の内面とに接触する。ユニオンナットは、内周面に外筒部の雄ねじと結合する雌ねじを含む筒状部材であり、内周側に、石英管、フェルール、およびストッパーを収容し、外筒部の雄ねじと自身の雌ねじとの結合に伴う軸力をストッパーに対して加える。その軸力によってストッパーが、フェルールを石英管の外周面と外筒部の内周面とに押し付けると共に、石英管の先端を環状溝へ圧入する。
外筒部の内周面または内筒部の外周面がスロープを含んでもよい。このスロープは環状溝の入口から底へ向かって広がっており、その入口に近い場所ほど環状溝の幅が広いように軸方向に対して傾斜している。さらに、石英管の外周面または内周面がテーパ面を含んでもよい。このテーパ面は、石英管の先端から遠い場所ほど石英管の外径が広いように、または石英管の内径が狭いように軸方向に対して傾斜している部分であり、外筒部の雄ねじとユニオンナットの雌ねじとの結合に伴う軸力によってスロープに押し付けられる。
本発明による上記の石英管継手構造では、フェルールが石英管の外周面と外筒部の内周面との隙間を塞ぐのに加え、石英管の先端が環状溝を塞ぐ。この場合、フェルールのシール圧を応力で維持する管継手の要素、すなわち、外筒部の雄ねじ、ユニオンナット、ストッパー、およびフェルールは、環状溝のシール圧を応力で維持する管継手の要素、すなわち、外筒部の内周面および内筒部とは場所が離れている。したがって、前者の要素のクリープ変形からは環状溝のシール圧が影響を受けにくく、後者の要素のクリープ変形からはフェルールのシール圧が影響を受けにくい。それ故、管継手の要素のいずれかに過大なクリープ変形が生じたとしても、フェルールと環状溝とのいずれかではシール圧が十分に高く維持される。さらに、前者の要素のいずれかと後者の要素のいずれかとの両方に同時に過大なクリープ変形が生じる可能性は極めて低いので、フェルールと環状溝との両方でシール圧が過剰に低下する可能性も極めて低い。こうして、本発明による上記の石英管継手構造は、長期間にわたって高温/高圧下で使用されてもシールの効果を高く維持することができる。
外筒部の内周面または内筒部の外周面がスロープを含む場合、石英管の端部が外筒部に収容される際に石英管の先端がスロープによって環状溝の中へ案内されるので、環状溝の中へ進入しやすい。したがって、その収容作業では石英管が過剰な力を受けにくいので、石英管の先端が破損する危険性が抑えられる。さらに、石英管の外周面または内周面がテーパ面を含む場合、そのテーパ面がスロープに押し付けられてスロープとの隙間を塞ぐので、環状溝のシールの効果が更に向上する。
本発明の実施形態による石英管継手構造の組立図である。 (a)は、図1が示す石英管継手構造の一部の縦断面図であり、(b)は、(a)が示す破線で囲まれた部分の拡大図である。
図1は本発明の実施形態による石英管継手構造の組立図であり、図2の(a)は、その石英管継手構造のうち石英管と管継手との接続部の縦断面図であり、(b)は、(a)が示す破線で囲まれた部分の拡大図である。この石英管継手構造は石英管100と管継手200とを含む。
[石英管]
石英管100は単体の円管、または、炉心管、洗浄槽等、石英ガラス製の容器に設けられた円筒形状の出入口である。石英管100の端部110は外径が実質的に(すなわち、許容誤差の範囲内で)一定である。石英管100は更に、端部110に隣接する部分の外周面に周方向の溝120を含む。溝120は石英管100を1周している。石英管100の縦断面では溝120は矩形状であり、その内面のうち、底面121が石英管100の軸方向(図2では左右方向)に対して実質的に平行であり、端部110に近い方の側面122が石英管100の径方向(図2では上下方向)に対して実質的に平行である。溝120の幅と深さとは石英管100の全周にわたって実質的に一定である。
石英管100の端部110は圧入部111を含む。圧入部111は、石英管100の先端112からその近傍にわたって内径が実質的に一定に揃えられた部分である。すなわち圧入部111は管壁の厚さが全周にわたって実質的に一定である。端部110は更に、圧入部111に隣接する部分の内周面にテーパ面113を含む。テーパ面113は円錐台の側面のように軸方向(図2では左右方向)に対して傾斜している。これにより、端部110の内径は先端112から遠い(図2では左方へ離れた)場所ほど狭い。
[管継手]
管継手200は、石英管100と他の配管、または、ポンプ、バルブ、フィルター等の流体機器との両方に接続されることにより、それらの間で流体を中継する。管継手200は、継手本体300、フェルール400、ストッパー500、およびユニオンナット600を含む。これらの要素300-600はいずれも、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂から成る。
-継手本体-
継手本体300は、フッ素樹脂が円筒形状に成型された部材であり、たとえばソケット形、すなわち、軸が真っ直ぐな形状である。継手本体300は、軸方向の片側301(以下、「第1部分」と呼ぶ。)が石英管100の端部110と同軸に接続可能であり、反対側302(以下、「第2部分」と呼ぶ。)が石英管100とは別の配管または流体機器(図示せず。)に同軸に接続可能である。第1部分301は外筒部310と内筒部320とを含む。
外筒部310は、第1部分301の外形を成す円筒部分であり、外周面に雄ねじ311を含む。外筒部310は、軸方向の一端部(図2では右端部)312(以下、「基端部」と呼ぶ。)が第2部分302に連続しており、他端部(図2では左端部)313(以下、「先端部」と呼ぶ。)が開口している。外筒部310の軸方向(図2では左右方向)の長さ、すなわち第2部分302から外筒部310の開口端(図2では左端)314までの軸方向の距離は石英管100の端部110の軸方向の長さ以上であり、石英管100の先端112から溝120までの軸方向の距離よりも短い。外筒部310の内周面315は、先端部313の内周面316を除いて直径が実質的に一定であり、石英管100の端部110の外径と実質的に等しい。先端部313の内周面316は円錐台の側面のように軸方向(図2では左右方向)に対して傾斜しており、開口端314に近い場所ほど直径が広い。内周面315、316の上記のような形状により、外筒部310は内周側に石英管100の端部110を先端部313から同軸に収容し、内周面315を石英管100の端部110の外周面に隙間なく接触させることができる。
内筒部320は、外筒部310よりも短い円筒部分であり、外筒部310の基端部312に同軸に囲まれている。内筒部320は、軸方向の一端部(図2では右端部)321(以下、「基端部」と呼ぶ。)が第2部分302に連続しており、他端部(図2では左端部)322(以下、「先端部」と呼ぶ。)が開口している。これにより、外筒部310の空洞が内筒部320の空洞を通して第2部分302の空洞に連通している。
内筒部320の外周面323は外筒部310の内周面315と環状溝330を形成している。環状溝330は、内筒部320の基端部321に近い方の端(図2では右端)331(以下、「底」と呼ぶ。)が第2部分302によって閉じられている一方、反対側の端(図2では左端)332(以下、「入口」と呼ぶ。)が開口している。環状溝330の深さ、すなわち環状溝330の底331から入口332までの軸方向(図2では左右方向)の距離は内筒部320の軸方向の長さに等しい。内筒部320の外周面323は、スロープ324を除いて直径が実質的に一定であり、石英管100の圧入部111の内径よりもわずかに広い。スロープ324は、環状溝330の入口332から底331へ向かって広がっており、円錐台の側面のように軸方向(図2では左右方向)に対して傾斜している。これにより、スロープ324では、環状溝330の入口332に近い場所ほど環状溝330の幅、すなわち外筒部310と内筒部320との間の径方向の距離が広い。内筒部320の外周面323の上記のような形状により、環状溝330の入口332から環状溝330の中へ石英管100の圧入部111が同軸に圧入可能である。さらに、スロープ324は、その傾斜角が石英管100のテーパ面113の傾斜角と実質的に等しいので、石英管100のテーパ面113と隙間なく接触することができる。
-フェルール-
フェルール400は、フッ素樹脂が円環形状に成型された部材であり、その外径が、軸方向における片側の端部(図2では右端部)410(以下、「狭端部」と呼ぶ。)、中間部420、反対側の端部(図2では左端部)430(以下、「広端部」と呼ぶ。)の順に狭い。狭端部410の外周面411は円錐台の側面のように軸方向(図2では左右方向)に対して傾斜している。これにより、狭端部410の外径は先端(図2では右端)412で最小であり、中間部420に近い場所ほど大きい。狭端部410の外径の範囲は外筒部310の先端部313の内径の範囲内であり、狭端部410の外周面411の傾斜角は外筒部310の先端部313の内周面316の傾斜角と実質的に等しい。狭端部410の外周面411と同様、中間部420の外周面421も軸方向に対して傾斜しており、外径が広端部430に近い場所ほど大きい。ただし、中間部420の外周面421は狭端部410の外周面411よりも傾斜が緩い。中間部420の最大外径は広端部430の外径と等しく、外筒部310の開口端314の内径よりも大きい。しかし、中間部420は軸方向の長さが十分に大きく設計されているので、狭端部410が外筒部310の内周側に挿入されると、中間部420の外周面421よりも先に狭端部410の外周面411の全体が外筒部310の先端部313の内周面316に接触する。
狭端部410の内周面413は軸方向(図2では左右方向)に対して実質的に平行であり、その直径が石英管100の端部110の外径よりもわずかに狭い。一方、中間部420と広端部430とは内径が石英管100の端部110の外径よりも広い。これにより、フェルール400の内周側には石英管100の端部110が圧入可能である。フェルール400は、石英管100の端部110と溝120との間で石英管100を同軸に囲むように石英管100に取り付けられる。
広端部430の円環面431は径方向(図2では上下方向)に対して実質的に平行である。狭端部410の外周面411が外筒部310の先端部313の内周面316に接触したとき、広端部430の円環面431が軸方向(図2では左右方向)において石英管100の溝120と同じ場所に位置するように、狭端部410、中間部420、および広端部430の軸方向の長さが設計されている。
-ストッパー-
ストッパー500は、フッ素樹脂が円環形状に成型された部材である。ストッパー500の縦断面は矩形状であり、内周面501が軸方向(図2では左右方向)に対して実質的に平行であり、両側の円環面502、503がいずれも径方向(図2では上下方向)に対して実質的に平行である。ストッパー500の外径はフェルール400の外径よりも大きく、外筒部310の雄ねじ311の内径以下であり、好ましくは、その内径と実質的に等しい。ストッパー500の内径は石英管100の端部110の外径よりも狭く、溝120の底面121の直径以下である。この場合、ストッパー500の内周側に石英管100の端部110が入らない。しかし、ストッパー500は切れ目504とリビングヒンジ505とを含む。切れ目504は、ストッパー500の周方向の一部が除去されて生じた隙間である。リビングヒンジ505は、外周面に軸方向の溝を含む部分であり、切れ目504とは径方向において反対側に位置する。リビングヒンジ505はストッパー500の周方向における他の部分よりも径方向に薄いので、弾性的な屈曲が可能である。リビングヒンジ505の屈曲によって切れ目504の間隔は可変であるので、切れ目504を拡げ、そこからストッパー500の内周側へ石英管100を入れることができる。
ストッパー500は、石英管100の溝120と同じ場所で石英管100を同軸に囲むように石英管100に取り付けられる。このときストッパー500は、軸方向の長さが石英管100の溝120の幅以下であり、かつ、内径が溝120の底面121の直径以下であるので、リビングヒンジ505の復元力によって内周面501の全体を溝120の底面121に接触させる。
-ユニオンナット-
ユニオンナット600は、フッ素樹脂が円筒形状に成型された部材であり、内周面に雌ねじ601を含む。雌ねじ601は外筒部310の雄ねじ311と結合可能である。すなわち、雌ねじ601の内径はフェルール400とストッパー500とのいずれの外径よりも大きい。
雌ねじ601とは軸方向において反対側に位置するユニオンナット600の端部にはリブ602が設けられている。リブ602は、ユニオンナット600の管壁603から内周方向へ張り出した部分であり、内径が雌ねじ601の内径よりも狭く、石英管100の外径よりも大きい。リブ602の内側、すなわち雌ねじ601に近い側(図2では右側)の円環面604は径方向(図2では上下方向)に対して実質的に平行である。この円環面604から、軸方向において反対側に位置するユニオンナット600の先端605までの距離は、フェルール400とストッパー500との軸方向の長さの和よりも大きい。これによりユニオンナット600は、内周側に石英管100と、それに取り付けられたフェルール400とストッパー500とを収容した上で、雌ねじ601を外筒部310の雄ねじ311と結合させることができる。
[石英管と管継手との接続]
石英管100と管継手200との接続は以下の手順で行われる。(1)石英管100の端部110から溝120までの範囲をユニオンナット600の内周側に通す。(2)ストッパー500の切れ目504を拡げて、そこからストッパー500の内周側へ石英管100を入れ、ストッパー500を石英管100の溝120に嵌め込む。(3)石英管100の端部110をフェルール400の内周側に通し、ストッパー500の片側の円環面502をフェルール400の広端部430の円環面431に接触させる。(4)石英管100の端部110を外筒部310の内周側へ挿し込んで、石英管100の先端112で環状溝330の入口332を塞ぐと共に、フェルール400の狭端部410を外筒部310の先端部313の内周側に位置させる。(5)ユニオンナット600の雌ねじ601を外筒部310の雄ねじ311にねじ込む。
ユニオンナット600の雌ねじ601が外筒部310の雄ねじ311にねじまれると、ユニオンナット600のリブ602の円環面604がストッパー500の片側(図2では左側)の円環面503に接触して、雌ねじ601と雄ねじ311との結合に伴う軸力をその円環面503に対して加える。これにより、ストッパー500の反対側(図2では右側)の円環面502がフェルール400の広端部430の円環面431と石英管100の溝120の側面122とに対し、軸方向(図2では右方)の圧力を加える。
ストッパー500からの軸方向(図2では右方)の圧力により、フェルール400の狭端部410の外周面411が外筒部310の先端部313の内周面316に押し付けられて密着する。このとき、外周面411と内周面316とが軸方向に対して傾斜しているので、外周面411が内周面316から内周方向の反力を受ける。この反力により、狭端部410の内周面413が石英管110の端部110の外周面114に押し付けられて密着する。こうして、狭端部410が外筒部310の先端部313の内周面316と石英管110の端部110の外周面114との隙間を塞ぐ。
ストッパー500からの軸方向(図2では右方)の圧力により、石英管100の圧入部111が環状溝330の中へ圧入される。これにより、圧入部111の外周面が外筒部310の基端部312の内周面315を外周方向へ押し退けると共にそれ315に密着し、圧入部111の内周面が内筒部320の外周面323を内周方向へ押し退けると共にそれ323に密着する。こうして、圧入部111が環状溝330を塞ぐ。さらに、石英管100のテーパ面113が内筒部320のスロープ324に押し付けられて密着し、石英管100の内周面とスロープ324との隙間を塞ぐ。
[実施形態の利点]
本発明の上記の実施形態による石英管継手構造では、フェルール400の狭端部410が外筒部310の先端部313の内周面316と石英管110の端部110の外周面114との隙間を塞ぐのに加え、石英管100の圧入部111が環状溝330を塞ぐ。このように、石英管100と管継手200との隙間のシールが二重であるので、この石英管継手構造はシールの効果が高い。
フェルール400の狭端部410が外筒部310の先端部313と石英管110とに対して加える圧力、すなわちフェルール400のシール圧は、外筒部310の雄ねじ311とユニオンナット600の雌ねじ601との結合に伴う軸力がユニオンナット600のリブ602からストッパー500を通してフェルール400の狭端部410まで、各要素の応力によって伝達されたものである。したがって、フェルール400のシール圧は、外筒部310の雄ねじ311と先端部313、ユニオンナット600、ストッパー500、およびフェルール400のそれぞれの応力によって維持される。
一方、石英管100の圧入部111が外筒部310の基端部312の内周面315と内筒部320の外周面323とに対して加える圧力、すなわち環状溝330のシール圧は、圧入部111によって押し退けられた外筒部310の基端部312と内筒部320との弾性による反発力に起因する。したがって、環状溝330のシール圧は外筒部310の基端部312と内筒部320とのそれぞれの応力によって維持される。
フェルール400のシール圧を応力で維持する管継手200の要素、すなわち、外筒部310の雄ねじ311と先端部313、ユニオンナット600、ストッパー500、およびフェルール400は、環状溝330のシール圧を応力で維持する管継手200の要素、すなわち、外筒部310の基端部312と内筒部320とは場所が離れている。したがって、前者の要素のクリープ変形からは環状溝330のシール圧が影響を受けにくく、後者の要素のクリープ変形からはフェルール400のシール圧が影響を受けにくい。それ故、管継手200の要素のいずれかに過大なクリープ変形が生じたとしても、フェルール400と環状溝330とのいずれかではシール圧が十分に高く維持される。さらに、前者の要素のいずれかと後者の要素のいずれかとの両方に同時に過大なクリープ変形が生じる可能性は極めて低いので、フェルール400と環状溝330との両方でシール圧が過剰に低下する可能性も極めて低い。こうして、上記の石英管継手構造は、長期間にわたって高温(たとえば170℃)または高圧(たとえば0.3MPaG)の環境で使用されても、シールの効果を高く維持することができる。
この石英管継手構造では、内筒部320の外周面323がスロープ324を含む。スロープ324は、石英管100の端部110が外筒部310の内周側に挿入される際、石英管100の先端112を環状溝330の中へ案内する。これにより、石英管100の先端112が環状溝330の中へ進入しやすい。したがって、石英管100が過剰な力を受けにくいので、石英管100の先端112が破損する危険性が抑えられる。
この石英管継手構造では、石英管100の内周面がテーパ面113を含む。石英管100の圧入部111が環状溝330に圧入されると、テーパ面113がスロープ324に押し付けられて石英管100の内周面とスロープ324との隙間を塞ぐので、環状溝330のシールの効果が更に向上する。
[変形例]
(1)石英管100の周は円形であるが、楕円、多角形等、他の形の閉曲線であってもよい。石英管100の周と同じ形状であるように、外筒部310の内周、内筒部320の外周、フェルール400の内周、およびストッパー500の内周が成形されていれば、石英管100の表面に外筒部310の内周面315、内筒部320の外周面323、およびフェルール400の内周面413が密着可能である。また、石英管100とそれらの要素310、320、400との間の密着が可能である限り、それらの間で軸の位置がずれていてもよい。
(2)石英管100の溝120は縦断面が矩形状であり、その幅と深さとが石英管100の全周にわたって実質的に一定である。しかし、溝120の縦断面がその他の形状であってもよく、幅または深さが周方向の位置に応じて異なってもよい。さらに、溝120が石英管100の周方向の一部にのみ設けらてもよい。いずれの場合も、溝120の内面にストッパー500を接触させて、ストッパー500に石英管100を継手本体300の環状溝330へ向かって押させることができればよい。
(3)管継手200はフッ素樹脂製であるが、輸送対象の流体に侵食される危険性が低い等の使用条件に応じて、別の樹脂で形成されてもよい。
(4)継手本体300はソケット形であるが、ティー、エルボ、ベンド、クロス等、他の形状であってもよい。また、第2部分302が流体機器の筐体に固定され、または一体化されていてもよい。
(5)外筒部310の先端部313の内周面316とフェルール400の狭端部410の外周面411とは傾斜角が等しい。しかし、それら316、411の傾斜角を変えられるほどストッパー500からの圧力が高く、または、外筒部310もしくはフェルール400の柔軟性が高い場合、それら316、411の傾斜角が異なっていてもよい。また、それら316、411が軸方向に対して実質的に平行であってもよい。この場合、フェルール400の狭端部410の管壁が、それら316、411の隙間に圧入可能な厚さに設計されればよい。
(6)ストッパー500は単一の環状部材であり、ユニオンナット600の軸力を実質的にはそのまま、フェルール400の広端部430の円環面431と石英管100の溝120の側面122とへ伝える。しかし、ストッパー500は、特許文献2に開示されたもののように、2本以上の環状部材で構成される複合部材であってもよく、特に、ユニオンナット600の軸力の一部を内周方向の力へ変換して石英管100の溝120の縁の角に対して加える構造を備えていてもよい。この場合、ストッパー500が溝120の軸方向への変位を妨げるので、石英管100が外部から軸方向の振動を受けても、その振動が石英管100の端部110にまでは届きにくい。こうして、外部からの振動にかかわらず、フェルール400と環状溝330とのいずれのシールの効果も高く維持される。
(7)ユニオンナット600のリブ602の内側の円環面604と、それから圧力を受けるストッパー500の円環面503とはいずれも径方向に対して実質的に平行である。しかし、その圧力が内周方向の成分を含むように、円環面604、503が径方向に対して傾斜していてもよい。さらに、その内周方向の成分が石英管100の溝120の縁の角に対して加えられるように、ストッパー500の内周面が成形されていてもよい。この場合、ストッパー500が溝120の軸方向への変位を妨げるので、石英管100が外部から軸方向の振動を受けても、その振動が石英管100の端部110にまでは届きにくい。こうして、外部からの振動にかかわらず、フェルール400と環状溝330とのいずれのシールの効果も高く維持される。
(8)内筒部320の外周面323はスロープ324を含む。しかし、石英管100の端部110が外筒部310の内周側に挿入される際、石英管100の先端112を環状溝330の中へ進入させることが十分に容易である場合、スロープ324が省略されてもよい。この場合、石英管100のテーパ面113も省略される。また、環状溝330のシールの効果が十分に高い場合、スロープ324の有無にかかわらず、テーパ面113が省略されてもよい。
(9)環状溝330の幅は石英管100の圧入部111の管壁の厚さよりもわずかに狭い。これは、内筒部320の外周面323の直径が圧入部111の内径よりもわずかに広いことによる。その他に、外筒部310の基端部312の内径が圧入部111の外径よりもわずかに狭くてもよい。この場合にも、環状溝330のシールの効果を十分に高くすることはできる。
さらに、外筒部310の内周面315がスロープを含んでいてもよい。このスロープは環状溝330の入口332から底331へ向かって広がっており、入口332に近い場所ほど環状溝330の幅が広いように軸方向に対して傾斜している。このスロープは、石英管100の端部110が外筒部310の内周側に挿入される際、石英管100の先端112を環状溝330の中へ案内するので、先端112が環状溝330の中へ進入しやすい。したがって、先端112が破損する危険性が抑えられる。
一方、石英管100の外周面がテーパ面を含んでいてもよい。このテーパ面は、石英管100の先端112から遠い場所ほど石英管100の外径が広いように、軸方向に対して傾斜している。好ましくは、テーパ面は外筒部310の内周面315のスロープと傾斜角が実質的に等しい。これにより、テーパ面がスロープと隙間なく接触することができる。石英管100の圧入部111が環状溝330の中へ圧入されると、テーパ面がスロープに押し付けられて密着し、石英管の外周面とスロープとの隙間を塞ぐ。これにより、環状溝330のシールの効果が更に向上する。
100 石英管
110 石英管の端部
111 圧入部
112 石英管の先端
113 テーパ面
120 溝
121 溝の底面
122 溝の側面
200 管継手
300 継手本体
301 継手本体の第1部分
302 継手本体の第2部分
310 外筒部
311 雄ねじ
312 外筒部の基端部
313 外筒部の先端部
314 外筒部の開口端
315 外筒部の内周面
316 外筒部の先端部の内周面
320 内筒部
321 内筒部の基端部
322 内筒部の先端部
323 内筒部の外周面
324 スロープ
330 環状溝
331 環状溝の底
332 環状溝の入口
400 フェルール
410 狭端部
411 狭端部の外周面
412 狭端部の先端
413 狭端部の内周面
420 中間部
421 中間部の外周面
430 広端部
431 広端部の円環面
500 ストッパー
501 ストッパーの内周面
502、503 ストッパーの円環面
501 ストッパーの内周面
504 切れ目
505 リビングヒンジ
600 ユニオンナット
601 雌ねじ
602 リブ
603 ユニオンナットの管壁
604 リブの円環面
605 ユニオンナットの先端

Claims (3)

  1. 端部に隣接する部分の外周面に周方向の溝を含む石英管と、
    前記石英管の端部に接続される樹脂製の管継手と
    を備えた石英管継手構造であって、
    前記管継手が、
    外周面に雄ねじを含み、内周側に前記石英管の端部を収容する外筒部と、前記外筒部に囲まれ、外周面が前記外筒部の内周面と環状溝を形成している内筒部とを有する継手本体と、
    前記石英管の端部と前記石英管の溝との間で前記石英管を囲む環状部材であって、前記石英管の外周面と前記外筒部の内周面との隙間を塞ぐフェルールと、
    前記石英管の溝と同じ場所で前記石英管を囲む環状部材であって、前記フェルールと前記石英管の溝の内面とに接触するストッパーと、
    内周面に前記外筒部の雄ねじと結合する雌ねじを含む筒状部材であって、内周側に、前記石英管、前記フェルール、および前記ストッパーを収容し、前記雄ねじと前記雌ねじとの結合に伴う軸力を前記ストッパーに対して加えるユニオンナットと
    を備え、
    前記ストッパーが前記軸力により、前記フェルールを前記石英管の外周面と前記外筒部の内周面とに押し付けると共に、前記石英管の先端を前記環状溝へ圧入する
    ことを特徴とする石英管継手構造。
  2. 前記外筒部の内周面または前記内筒部の外周面が、
    前記環状溝の入口から底へ向かって広がっており、前記環状溝の入口に近い場所ほど前記環状溝の幅が広いように軸方向に対して傾斜しているスロープ
    を含む、請求項1に記載の石英管継手構造。
  3. 前記石英管の外周面または内周面が、
    前記石英管の先端から遠い場所ほど前記石英管の外径が広いように、または前記石英管の内径が狭いように軸方向に対して傾斜している部分であって、前記軸力によって前記スロープに押し付けられるテーパ面
    を含む、請求項2に記載の石英管継手構造。
JP2021188151A 2021-11-18 2021-11-18 石英管継手構造 Pending JP2023074940A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021188151A JP2023074940A (ja) 2021-11-18 2021-11-18 石英管継手構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021188151A JP2023074940A (ja) 2021-11-18 2021-11-18 石英管継手構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023074940A true JP2023074940A (ja) 2023-05-30

Family

ID=86541517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021188151A Pending JP2023074940A (ja) 2021-11-18 2021-11-18 石英管継手構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023074940A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3203130B1 (en) Resin-made tube joint
JP2011503449A (ja) Oリングが不要なシール連結部
KR100571698B1 (ko) 수지제 관이음매에 있어서의 튜브이탈방지방법 및튜브이탈방지구조
EP3249276B1 (en) Resin pipe joint structure
KR20010033868A (ko) 수지제관 조인트
WO2014181589A1 (ja) インナーリング
TW201018820A (en) Tube joint consisting of resin
JPH04248095A (ja) 流体機器の管継手構造
US20070001451A1 (en) Spring-loaded stay-tight retaining nut assembly for a tubing fitting
JP2013100874A (ja) インナーリング
JP2023074940A (ja) 石英管継手構造
JP4512526B2 (ja) 集積パネルと流体デバイスとの接続構造
JP5923578B2 (ja) 樹脂製管継手
JP7245636B2 (ja) スリーブ、およびそれを備えた継手
JP4751920B2 (ja) 樹脂管継手
JP4625855B2 (ja) 管継手
JP2010038259A (ja) 管継手
WO2021260858A1 (ja) 管継手及び結合方法
WO2021095366A1 (ja) 管継手
JP5142878B2 (ja) 樹脂管継手
JP3927920B2 (ja) 熱交換器
JP4210670B2 (ja) 流体用ガスケット
JP2005036942A (ja) プレス式管継手とその接合方法並びにプレス工具
EP3298669B1 (en) Probe feedthrough design
CN117072774A (zh) 推入式接头