JP2023074915A - 自動運行装置、車両制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地図データを用いて自動運転を行う自動運行装置及び車両制御方法において、ドライバの利便性を損なう恐れを低減する。【解決手段】自動運転ECUのプロセッサは、自動運転制御を実行中、又は、自動運転制御の開始指示を受け付けた場合、所定時間以内に通過予定の道路区間についての最新版の地図データが地図記憶部に保存されているか否かを判定する。最新の地図が保存されていない道路区間が検出された場合であっても、該当区間が渋滞状態である場合には自動運転制御を継続/開始する。【選択図】図7

Description

本開示は、地図データを用いて自動運転制御を実施する自動運行装置及び車両制御方法に関する。
特許文献1には、地図データを用いて自動運転を行う技術が開示されている。具体的には、車載コンピュータが、現在位置に応じた地図データがローカルに保存されているか否かを判定し、保存されている場合にはその地図が最新版か否かを地図のバージョン情報に基づき判定する。そして、車載コンピュータは、ローカルに保存されている地図が最新ではない場合にはサーバから最新版の地図をダウンロードすることでローカルの地図を更新する。また、現在位置に応じた地図データがローカルに保存されていない場合にも、サーバから現在位置に応じた地図データをダウンロードする。
特開2020-34544号公報
地図データの正確性を保持する為には、ローカルメモリに保存されている地図の更新を頻繁に行う必要がある。しかしながら、更新頻度が多くなると、車両の管理者(主としてドライバ)が地図の更新をおろそかにする可能性がある。
もちろん、ローカルメモリに保存されている地図は常に最新版であることが好ましいが、仮にローカルメモリに保存されている地図が最新版ではない場合には一律的に自動運転を禁止とすると、ドライバの利便性が低下しうる。ドライバが自動運転機能を利用したいと思ったときに、最新の地図を未取得であることに起因してすぐに自動運転機能を利用できない事態が生じうるためである。
本開示は、上記の着眼点に基づいて成されたものであり、その目的の1つは、地図データを用いて自動運転を行う自動運行装置及び車両制御方法において、ドライバの利便性を損なう恐れを低減することにある。
ここに開示される自動運行装置は、ローカルメモリに保存されている地図データを用いて車両を自律的に走行させる自動運転制御を実行する自動運行装置であって、ローカルメモリに保存されている地図データが最新版であるか否かを判定する地図管理部(F2)と、車両の走行環境を取得する環境取得部(F3)と、ローカルメモリに保存されている地図データと、車両に搭載されている周辺監視センサからの信号と、に基づいて自動運転制御を実行する制御部(F4)と、を備え、制御部は、地図管理部にてローカルメモリに保存されている地図データが最新版ではないことが検出されている場合であっても、環境取得部が取得している走行環境が所定の補完条件を充足している場合には、自動運転制御を実施可能に構成されている。
また、本開示の車両制御方法は、少なくとも1つのプロセッサ(31)によって実行される、ローカルメモリに保存されている地図データを用いて車両を自律的に走行させるための車両制御方法であって、ローカルメモリに保存されている地図データが最新版であるか否かを判定することと、車両の走行環境を取得することと、ローカルメモリに保存されている地図データと、車両に搭載されている周辺監視センサからの信号と、に基づいて車両を自律的に走行させる自動運転制御を実行することと、ローカルメモリに保存されている地図データが最新版ではないことが検出されている場合であっても走行環境が所定の補完条件を充足している場合には、自動運転制御の実施を許可することと、を含む。
上記の装置及び方法によれば、何らかの事情により自動運転装置/プロセッサが最新版の地図データを利用できない場合であっても、走行環境が特定の補完条件を充足している場合には、ドライバは自動運転機能を利用可能となる。つまり、地図データの取得/更新状況に由来して自動運転機能を利用できないシーンを低減できる。故に、ドライバの利便性を損なう恐れを低減可能となる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
自動運転システムの全体構成を概略的に示す図である。 車載システムの全体構成を示すブロック図である。 自動運転ECUの機能ブロック図である。 制御部の機能ブロック図である。 走行路画像に含まれる表示要素を説明するための図である。 自動運転ECUの作動を説明するためのフローチャートである。 自動運転ECUの他の作動例を説明するためのフローチャートである。 本開示の効果を説明するための図である。 自動運転ECUの他の作動例を説明するためのフローチャートである。 自動運転ECUの他の作動例を説明するためのフローチャートである。 目的地入力応答処理に対応するフローチャートである。
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。
<前置き>図1は、本開示に係る自動運転システムSysの概略的な構成の一例を示す図である。図1に示すように、自動運転システムSysは、車両Hvに構築されている車載システムVSと、地図サーバMSと、を備える。車載システムVSは、地図サーバMSと無線通信を実施することにより、地図サーバMSから局所的な自動運転用の地図データである部分地図データをダウンロードして、自動運転やナビゲーションに使用する。
車載システムVSは、道路上を走行可能な多様な車両に搭載可能である。車載システムVSが適用される車両としては、四輪自動車のほか、二輪自動車、三輪自動車等であってもよい。車載システムVSが適用される車両は、個人によって所有されるオーナーカーであってもよいし、シェアカーや、レンタカーであってもよい。シェアカーは、カーシェアリングサービスに供される車両であり、レンタカーは車両貸し出しサービスに供される車両である。以降では車載システムVSが搭載されている車両Hvを自車両とも記載する。
車両Hvは例えば電動車である。他の態様として車両Hvは、エンジン車であってもよい。電動車の概念には、電気自動車のみならず、プラグインハイブリッド車や、ハイブリッド車、燃料電池車を含めることができる。エンジン車は、駆動源としてエンジンのみを備える車両であって、ガソリンや軽油などの燃料によって走行する車両に相当する。電気自動車は、モータのみを駆動源として備える車両を指す。プラグインハイブリッド車及びハイブリッド車は動力源としてエンジンとモータを備える車両を指す。
本開示におけるドライバとは、実際に運転操作を実施している人物に限らず、自動運転終了時に車載システムVSから運転操作の権限及び責務を受け取るべき人物を指しうる。つまり本開示におけるドライバとは、実際に運転しているか否かに関わらず、運転席に着座している人物、つまり運転席乗員を指す。本開示におけるドライバとの記載は運転席乗員と置き換えることができる。車両Hvは、車両外部に存在するオペレータによって遠隔操作される遠隔操作車両であってもよい。車載システムVSから運転操作を引き継ぐ人物は、車両外部に存在するオペレータであってもよい。ここでのオペレータとは、車両の外部から遠隔操作によって車両を制御する権限を有する人物を指す。オペレータもまた、ドライバ/運転席乗員の概念に含めることができる。管制センタに配置されているオペレータ用の運転席も車両Hvの運転席に含まれうる。
車載システムVSは、無線基地局及び広域通信ネットワークを介して地図サーバMSと相互通信可能に構成されている。広域通信ネットワークは、例えばインターネットである。無線基地局は、例えば4Gなどのセルラー通信用の基地局であっても良いし、無線LAN(Local Area Network)を形成するアクセスポイントであってもよい。セルラー通信とは、例えばLTE(Long Term Evolution)や、4G、5G、6Gといった規格に準拠した無線通信を指す。アクセスポイントの概念には、ルーターの他、路側機も含めることができる。路側機は道路沿いに設置された無線通信設備である。無線LAN規格としては例えばWi-Fi(登録商標)などを採用可能である。
車載システムVSは、車両Hvを所定の経路に沿って自律的に走行させる、いわゆる自動運転機能を提供する。運転操作の自動化の度合いである自動化レベルとしては、例えば米国自動車技術会(SAE International(SAEは登録商標))が定義しているように、複数のレベルが存在し得る。自動化レベルは、例えば以下のレベル0~5の6段階に区分される。
レベル0は、システムが介入せずにドライバが全ての運転タスクを実施するレベルである。運転タスクには、例えば操舵及び加減速が含まれる。運転タスクには、例えば車両前方など、車両の周辺を監視することも含まれる。レベル0は、いわゆる完全手動運転レベルに相当する。レベル1は、操舵と加減速との何れかをシステムがサポートするレベルである。レベル2は、操舵操作と加減速操作のうちの複数をシステムがサポートするレベルを指す。レベル1~2は、いわゆる運転支援レベルに相当する。
レベル3は、運行設計領域(ODD:Operational Design Domain)内においてシステムが全ての運転タスクを実行する一方、緊急時にはシステムからドライバに操作権限が移譲されるレベルを指す。ODDは、例えば走行位置が自動車専用道路内であること等の、自動運転を実行可能な条件規定するものである。レベル3は、いわゆる条件付き自動運転に相当する。
レベル4は、対応不可能な所定の道路、極限環境等の特定状況下を除き、システムが全ての運転タスクを実施するレベルである。レベル4は、ODD内にてシステムが全ての運転タスクを実施するレベルに相当する。レベル4は、いわゆる高度自動運転に相当する。レベル5は、あらゆる環境下でシステムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。レベル5は、いわゆる完全自動運転に相当する。
自動化レベル3~5がドライバによる周辺監視が不要となる自動化レベル、換言すれば自動運転に対応するレベルである。本開示の車載システムVSは自動化レベル3に相当する自動運転制御を実施可能に構成されている。もちろん、本開示の車載システムVSは、自動化レベル4又は5に相当する自動運転制御を実施可能に構成されていても良い。
本開示における先行車とは、自車両の前方に存在する車両の中で、自車両と同一のレーンを走行し、且つ、自車両から最も近い車両を指す。後続車とは、自車両の後方に存在する車両の中で、自車両と同一のレーンを走行し、且つ、自車両から最も近い車両を指す。本開示では自車両が走行している道路を自車走行路と称するとともに、自車走行路が備えるレーンのうち、自車両が走行しているレーンである自車レーンと称する。自車レーンはエゴレーンと呼ぶこともできる。自車レーンに隣接するレーンである隣接レーンを走行する車両のうち、車両Hvとの速度差が所定値(例えば5km/h)未満である他車両を併走車とも称する。
以下の説明は、車載システムVSが適用される地域の法規及び慣習に適合するように適宜変更して実施可能である。車両Hvが使用される地域は、左側通行が法制化されている地域であってもよいし、右側通行の地域であってもよい。本開示によるドライバへの種々のコンテンツ表示は、それぞれの国及び地域の道路交通法、さらに車両のハンドル位置等に応じて適宜最適化されうる。また、本開示に示す種々のフローチャートは何れも一例であって、フローチャートを構成するステップの数や、処理の実行順は適宜変更可能である。
<地図サーバMSについて>
地図サーバMSは、車両Hvからの要求に基づき、自動運転制御に必要な道路情報を含む地図データを配信するサーバである。地図データは、道路構造、及び、道路沿いに配置されている地物についての位置座標等を、自動運転に利用可能な精度で示す地図データに相当する。自動運転に利用可能な精度とは、例えば、各地図要素にかかる実際の位置と地図に登録されている位置との誤差が20cm以下に抑制されているレベルに相当する。
道路構造データは、道路の形状及び接続関係を示す、いわゆるネットワークデータであって、例えばノードデータとリンクデータとを含む。ノードデータは、交差点や、車線数が増減する地点、道路が分岐/合流する地点であるノードについてのデータである。リンクデータは、ノード間を接続する道路区間である道路リンクについてのデータである。リンクデータは、道路リンクが備える車線情報や曲率、勾配、道路端の位置などのデータを備える。道路リンクは道路セグメントと呼ぶこともできる。道路構造に係るデータは、レーン単位で記述されていてもよい。道路構造データは、レーンレベルでの接続関係を示すレーンネットワークデータを含んでいても良い。
地物データは、道路沿いに配置されている路面標示や立体構造物の位置を示すデータである。路面標示には、道路の交通に関する規制または指示のための路面に描かれたペイントが含まれる。例えば、レーンの境界を示す車線区画線や、横断歩道、停止線、導流帯、安全地帯、規制矢印などが路面標示に含まれる。道路沿いに設置される立体構造物とは、例えば、交通標識、商業看板、ポール、ガードレール、縁石、電柱、信号機などである。
道路の構造や形状を示す地図は静的地図データとも呼ばれうる。地図サーバMSが配信する地図データは、動的な地図要素についての情報を含んでいても良い。動的な地図要素とは、例えば存続状態や位置が1分単位、或いは、1時間単位で変化しうる要素である。例えば合流車の位置及び速度等を示す情報が動的地図要素に相当する。また、地点ごとの路面状態や天候、落下物、車線規制、工事区間、渋滞区間なども動的な地図要素に該当する。動的な地図要素についてのデータは、静的地図データとともに地図サーバMSからストリーミング配信の態様にて受信しても良い。また、地図データは、レーンごとの走行軌道モデルを含んでいても良い。走行軌道モデルは、自動運転制御の目標とする走行軌道を示すデータに相当する。走行軌道モデルは、直近所定時間以内における複数の車両の走行軌跡を統計的に統合することで生成された軌道データとすることができる。例えば走行軌道モデルは車線ごとの走行軌跡を平均化したデータである。
地図収録対象とする全領域についての地図データは、複数の部分地図データに区分されて管理(生成/更新/配信)される。各部分地図データはそれぞれ異なる区域についての地図データに相当する。部分地図データは、地図収録地域全体を矩形状に分割してなるメッシュ毎の地図データとすることができる。メッシュはマップタイルと呼ぶこともできる。
もちろん、個々の部分地図データの収録範囲は、矩形状でなくともよい。個々の部分地図データの収録範囲、換言すれば、地図の分割形状は、六角形や円形などであってもよい。各部分地図データは、隣接する部分地図データと部分的に重なるように設定されていてもよい。つまり、各部分地図データは境界付近で他の部分地図データとオーバーラップするように設定されていてもよい。また、部分地図データは、所定の長さを持った道路区間/道路セグメントごとのデータセットとすることもできる。地図データは、市町村などの行政区画単位で分割されていても良い。加えて、地図データの分割態様は、データサイズによって規定されていてもよい。換言すれば、地図収録地域は、データサイズによって規定される範囲で分割されて管理されてもよい。各部分地図データは、データ量が所定値未満となるように設定されうる。
各部分地図データは、現実世界における収録対象領域を示す識別子である区画番号を含む。また、各部分地図データは、メタデータとして、発行日又は更新日を間接的に示すバージョン情報を含む。バージョン情報は、地図が最新版であるか否かを示すデータに相当する。部分地図データは、バージョン情報の代わりに/バージョン情報とともに、発行日や更新日を含んでいても良い。
地図サーバMSは、地図データの中身(登録内容)を更新/メンテナンスする処理を実施しうる。例えば地図サーバMSは、複数の車両からアップロードされるプローブデータを統合処理することによって各部分地図データを随時更新する。なお、本実施形態の地図サーバMSが取り扱う地図データは、複数の車両で観測されたプローブデータを統合することで生成及び更新されるプローブデータ地図(以降、PD地図)である。他の態様として地図サーバMSが取り扱う地図データは、定点測量結果や、高精度なGPS測量の結果、LiDAR等を搭載した専用のプローブカーが測定したデータを元に生成された高精度地図(以降、HD地図)であってもよい。LiDARはLight Detection and Ranging、又は、Laser Imaging Detection and Rangingの略である。
なお、地図データの更新機能は、別のサーバが備えていても良い。地図を生成/更新するサーバと、地図データを配信するサーバは別々であってもよい。地図サーバMSは、地図生成サーバから提供された地図データをもとに、自動運転制御に適した配信データを生成し、車両Hvに配信するサーバであってもよい。
<車載システムVSの全体構成について>
車載システムVSは一例として図2に示す種々の構成を備える。すなわち、車載システムVSは、周辺監視センサ11、車両状態センサ12、ロケータ13、外界センサ14、無線通信機15、ドライバモニタ16、地図記憶部17、及び走行アクチュエータ18を備える。また、車載システムVSは、車載HMI20、及び、自動運転ECU30を備える。なお、ECUは、Electronic Control Unitの略であり、電子制御装置を意味する。HMIは、ヒューマンマシンインターフェース(Human Machine Interface)の略である。
自動運転ECU30は、周辺監視センサ11などといった上記装置/センサのそれぞれと車両内ネットワークNwを介して相互通信可能に接続されている。車両内ネットワークNwは、車両内に構築されている通信ネットワークである。車両内ネットワークNwの規格としては、Controller Area Network(CANは登録商標)や、Ethernet(登録商標)など、多様な規格を採用可能である。また、一部の装置/センサは自動運転ECU30と専用の信号線によって直接的に接続されていてもよい。装置同士の接続形態は適宜変更可能である。
周辺監視センサ11は、自車両の周辺環境を監視するセンサ(いわゆる自律センサ)である。周辺監視センサ11は、自車両周囲の検出範囲から予め規定された移動物体及び静止物体を検出する。車載システムVSは、複数種類の周辺監視センサ11を備えうる。車載システムVSは周辺監視センサ11として、例えば、カメラ111及びミリ波レーダ112を備える。
カメラ111は、例えば車両前方を所定の画角で撮像するように配置された、いわゆる前方カメラである。カメラ111は、フロントガラスの車室内側の上端部や、フロントグリル、ルーフトップ等に配置されている。カメラ111は、画像フレームを生成するカメラ本体部に加えて、画像フレームに対して認識処理を施す事により、所定の検出対象物を検出するECUであるカメラECUを含みうる。カメラ本体部は少なくともイメージセンサとレンズとを含む構成である。カメラECUは、CPU(Central Processing Unit)や、GPU(Graphics Processing Unit)などを主体として構成されている。カメラECUは、例えばディープラーニングを適用した識別器を用いて検出対象として登録されている物体を検出及び識別する。なお、ディープラーニングの手法としてはCNN(Convolutional Neural Network)やDNN(Deep Neural Network)などを採用することできる。
カメラ111の検出対象物には、例えば、歩行者や、他車両などの移動体が含まれる。カメラ111の検出対象物には、道路端や、路面標示、道路沿いに設置される構造物といった地物も含まれる。路面標示とは、レーンの境界を示す車線区画線や、横断歩道、停止線、導流帯、安全地帯、規制矢印などである。道路沿いに設置される構造物とは、道路標識、ガードレール、縁石、信号機などである。
車載システムVSは複数のカメラ111を備えうる。例えば車載システムVSは、カメラ111として、前方カメラの他に、車両側方を撮像する側方カメラや、車両後方を撮像する後方カメラを備えていても良い。なお、カメラ画像を解析することで検出対象物体を検出する機能は、例えば自動運転ECU30など他のECUが備えていても良い。車載システムVS内における機能配置は適宜変更可能である。カメラ111は、自車周囲を撮影した撮像データ及び撮像データの解析結果の少なくとも一方を、検出情報として車両内ネットワークNwに出力する。車両内ネットワークNwに流れるデータは適宜自動運転ECU30によって参照される。
ミリ波レーダ112は、所定方向に向けてミリ波又は準ミリ波といった探査波を送信するとともに、当該送信波が物体で反射されて返ってきた反射波の受信データを解析することにより、自車両に対する物体の相対位置や相対速度を検出するデバイスである。車載システムVSはそれぞれ異なるエリアを検出対象とする複数のミリ波レーダ112を備えうる。例えば車載システムVSは、ミリ波レーダ112として前方ミリ波レーダ及び後方ミリ波レーダを備える。前方ミリ波レーダは、車両前方に向けて探査波を送信するミリ波レーダ112であって、例えば、フロントグリルや、フロントバンパに設置されている。後方ミリ波レーダは、車両後方に向けて探査波を送信するミリ波レーダ112であって、例えば、リアバンパに設置されている。各ミリ波レーダ112は、検出物の相対位置及び相対速度を示すデータを生成し、検出結果として自動運転ECU30等に出力する。ミリ波レーダ112の検出対象物には、他車両や、歩行者などの他、マンホール(鉄板)、ランドマークとしての立体構造物などが含まれうる。
車載システムVSは、周辺監視センサ11として、カメラ111及びミリ波レーダ112の他、LiDAR、ソナー等を備えていてもよい。LiDARは、レーザ光を照射することによって、検出方向ごとの反射点の位置を示す3次元点群データを生成する。LiDARはレーザレーダとも称される。LiDARやソナーに関しても、車載システムVSはそれぞれ複数個備えていても良い。なお、カメラ111及びミリ波レーダ112は周辺監視センサ11の一例であり、必須の要素ではない。車載システムVSが備える周辺監視センサ11の組み合わせは適宜変更可能である。周辺監視センサ11の検出結果は自動運転ECU30に入力される。
車両状態センサ12は、自車両の状態、及び、自車両の挙動に影響を及ぼすドライバの運転操作を検出するセンサ群である。車両状態センサ12には、車速センサ、操舵角センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、アクセルペダルセンサ等が含まれる。車速センサは、自車の車速を検出する。操舵角センサは、操舵角を検出する。加速度センサは、自車両の前後及び左右方向に作用する加速度を検出する。ヨーレートセンサは、自車の角速度を検出する。アクセルペダルセンサは、アクセルペダルの踏込量/踏込力を検出するセンサである。車両状態センサ12は、検出対象とする物理状態量の現在の値(つまり検出結果)を示すデータを車両内ネットワークNwに出力する。車両状態センサ12として車載システムVSが使用するセンサの種類は適宜設計されればよく、上述した全てのセンサを備えている必要はない。
ロケータ13は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する測位衛星から送信される航法信号を用いて自車両の位置座標を算出及び出力するデバイスである。ロケータ13は、GNSS受信機及び慣性センサ等を含む。ロケータ13は、GNSS受信機で受信する測位信号、慣性センサの計測結果、及び車両内ネットワークNwに流れる車速情報等を組み合わせ、自車両の自車位置及び進行方向等を逐次算出し、ロケータ情報として自動運転ECU30に向けて出力する。
外界センサ14は、車両Hvの走行環境を構成する所定項目を検出対象とするセンサである。例えば外部照度を検出する照度センサや、降雨/降雪を検出するレインセンサ、外気温を検出する温度センサなどが外界センサ14に該当する。外界センサ14の検出結果もまた自動運転ECU30に入力される。
無線通信機15は、自車両が他の装置と無線通信を実施するための装置である。無線通信機15は、セルラー通信を実施可能に構成されている。車両Hvは、無線通信機15の搭載により、インターネットに接続可能なコネクテッドカーとなる。例えば自動運転ECU30は、無線通信機15との協働により、地図サーバMSから現在位置に応じた地図データをダウンロードしうる。なお、無線通信機15は、セルラー通信規格に準拠した方式によって、無線基地局を介さずに、他の装置との直接的に無線通信を実施可能に構成されていても良い。つまり、無線通信機15は、セルラーV2X(PC5/Uu)を実施するように構成されていても良い。
また、無線通信機15は、狭域通信を実施可能に構成されている。本開示における狭域通信とは、通信可能距離が数百m以内に限定される無線通信を指す。狭域通信の規格としては、例えばIEEE802.11p規格に対応するDSRC(Dedicated Short Range Communications)や、Wi-Fi(登録商標)などを採用可能である。狭域通信方式は、前述のセルラーV2Xであってもよい。
例えば無線通信機15は、自動運転ECU30からの要求に基づき、地図サーバMSから地図データを受信する。なお、車両Hvは、路側機や他車両といった他装置を介して、地図サーバMSが配信した地図データを受信しても良い。無線通信機15が受信した地図データは、自動運転ECU30に転送される。その他、無線通信機15は、車車間通信により周辺車両から車両情報を受信してもよい。車両情報には、速度や、現在位置、方向指示器の作動状態、加速度などが含まれうる。
ドライバモニタ16は、ドライバの顔画像に基づいてドライバの状態を逐次検出するセンサである。具体的には、ドライバモニタ16は、近赤外カメラを用いてドライバの顔部を撮影し、その撮像画像に対して画像認識処理を施すことで、ドライバの顔の向きや視線方向、瞼の開き度合い等を逐次検出する。ドライバモニタ16としてのドライバモニタ16は、画像解析により特定したドライバの顔の向きや、視線方向、瞼の開き度合い等を示す情報をドライバ状態データとして車両内ネットワークNwへ逐次出力する。なお、ドライバモニタ16を構成するカメラは可視光カメラであってもよい。
地図記憶部17は、地図サーバMSからダウンロードした地図データが保存されている記憶装置である。地図記憶部17に保存されている地図データは前述の通り、部分地図データの単位で受信及び更新されうる。地図記憶部17に保存されている部分地図データは、後述する地図管理部F2にて、区画番号やバージョン情報、受信日などをもとに管理される。地図記憶部17は、無線通信機15が地図サーバMSから受信した地図データを一時的に保持するための記憶装置であっても良い。地図記憶部17は自動運転ECU30に内蔵されていても良い。地図記憶部17は、フラッシュメモリなど書き換え可能な不揮発性のメモリを用いて実現されている。また、他の態様として、地図記憶部17は、RAMなどを用いて実現されていてもよい。地図記憶部17は、実体を有する、非遷移的な記憶媒体である。地図記憶部17がローカルメモリに相当する。
車載HMI20は、乗員と車載システムVSとが情報をやり取りするためのインターフェース群である。車載HMI20は、ドライバへ向けて情報を通知するためのデバイスである報知デバイスとして、ディスプレイ21、及びスピーカ22を備える。また、車載HMI20は、乗員からの操作を受け付ける入力インターフェースとしての入力装置23を含む。
車載システムVSは、ディスプレイ21として、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)、メータディスプレイ、及びセンターディスプレイのうちの1つ又は複数を備える。HUDは、フロントガラスの所定領域に画像光を投影することにより、ドライバによって知覚されうる虚像を映し出す装置である。メータディスプレイはインストゥルメントパネルにおいて運転席の正面に位置する領域に配置されたディスプレイである。センターディスプレイはインストゥルメントパネルの車幅方向中央部に設けられたディスプレイである。メータディスプレイ及びセンターディスプレイは、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを用いて実現されうる。ディスプレイ21は自動運転ECU30から入力される制御信号及び映像信号に基づき、入力信号に応じた画像を表示する。スピーカ22は、自動運転ECU30から入力される信号に対応する音を出力する装置である。音との表現には、通知音のほか、音声や音楽などが含まれる。
入力装置23は、車載システムVSに対するドライバの指示操作を受け付けるための装置である。入力装置23としては、ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアリングスイッチや、ステアリングコラム部に設けられた操作レバー、センターディスプレイに積層されたタッチパネルなどを採用可能である。車載システムVSは、上述した複数種類のデバイスを入力装置23として備えていても良い。入力装置23は、ドライバの操作に対応する電気信号を操作信号として車両内ネットワークNwに出力する。操作信号は、ドライバの操作内容を示す情報を含む。車載システムVSは、入力装置23を介して自動運転の開始及び終了にかかる指示を受け付ける。自動運転の開始/終了指示は音声入力によって実施可能に構成されていても良い。マイクなどの音声入力にかかるデバイスも入力装置23に含めることができる。なお、車載HMI20と自動運転ECU30との間には、例えばHCU(HMI Control Unit)が介在していても良い。HCUは、ドライバへの情報通知を統合的に制御する装置である。
自動運転ECU30は、周辺監視センサ11の検出結果及び地図データをもとに走行アクチュエータ18を制御することにより、運転操作の一部又は全部をドライバの代わりに実行するECUである。自動運転ECU30は自動運行装置とも称される。走行アクチュエータ18には例えば制動装置としてのブレーキアクチュエータや、電子スロットル、操舵アクチュエータなどが含まれる。操舵アクチュエータには、EPS(Electric Power Steering)モータが含まれる。なお、自動運転ECU30と走行アクチュエータ18との間には、操舵制御を行う操舵ECUや、加減速制御を行うパワーユニット制御ECU、及びブレーキECU等、他のECUが介在していてもよい。
自動運転ECU30は、プロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、通信インターフェース34、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として構成されている。メモリ32は書き換え可能な揮発性の記憶媒体であって例えばRAM(Random Access Memory)である。ストレージ33は、例えばフラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性である。ストレージ33には、プロセッサ31によって実行されるプログラムである車両制御プログラムが格納されている。プロセッサ31が車両制御プログラムを実行することは、当該プログラムに対応する車両制御方法が実行されることに相当する。なお、運転支援にかかる処理を実行するプロセッサは、自動運転にかかる処理を実行するプロセッサとは別に設けられていても良い。自動運転ECU30は複数のプロセッサ31を備えうる。
自動運転ECU30は、自動化レベルが異なる複数の動作モードを備える。ここでは一例として自動運転ECU30は、完全手動モード、運転支援モード、及び自動運転モードを切替可能に構成されている。各動作モードは、ドライバが担当する運転タスクの範囲、換言すればシステムが介入する運転タスクの範囲が異なる。ここでのシステムとは、車載システムVS、実態的には自動運転ECU30を指す。自動運転ECU30の動作モードは運転モードと言い換えることもできる。
完全手動モードは、ドライバがすべての運転タスクを実行する動作モードである。完全手動モードは自動化レベル0に相当する。運転支援モードは、システムが加減速及び操舵操作の少なくとも何れか一方をシステムが実行する動作モードである。運転支援モードは自動化レベル1又は2に対応する。運転支援モードの操舵操作の実行主体はドライバであって、少なくともドライバは車両前方などの周辺を監視する必要があるモードである。完全手動モード及び運転支援モードは、ドライバが少なくとも一部の運転タスクを実行する運転モードである。そのため本開示では、完全手動モード及び運転支援モードを区別しない場合には乗員関与モードとも記載する。乗員関与モードは、自動運転モードの対義語としての手動運転モードと呼ぶこともできる。
自動運転モードは、システムがすべての運転タスクを実行する動作モードである。ここでは一例として自動運転モードは、自動化レベル3に相当する制御を実行する動作モードである。なお、自動運転モードは、レベル4以上の自動運転制御を実施するものであっても良い。
乗員関与モードから自動運転モードへは、所定のスイッチの押下など、入力装置23から入力される操作信号に基づいて切り替えられうる。自動運転モードにおいては、自動運転ECU30は、ドライバによって設定された目的地へ向かう走行予定経路に沿って自車両が走行するように、車両の操舵、加速、減速(換言すれば制動)等を自動で実施する。なお、自動運転ECU30は、ドライバ操作(いわゆるオーバーライド)の他、システム限界や、ODDの退出等に起因して自動運転モードを終了する。自動運転ECU30は、目的地へ向かう走行予定経路上の途中に設定される権限移譲予定地点まで自動運転を実施する装置であっても良い。権限移譲予定地点はODDの退出予定地点に相当する。
ODDとしては、例えば(a)降雨量が所定の閾値以下であること、(b)走行路が高速道路又は中央分離帯とガードレール等が整った自動車専用道路であること、(c)渋滞状態であること等が挙げられる。ここでの自動車専用道路とは、歩行者や自転車の進入が禁止されている道路であって、例えば高速道路などの有料道路などを指す。その他、(d)最新版の地図データを使用可能であること、(e)全て/所定数以上の周辺監視センサ11が正常に動作していること、(f)路上駐車車両が存在しないことなどもODDに含めることができる。自動運転可能/不可と判定する条件、換言すればODDを定義する詳細条件は、適宜変更可能である。
ODDを構成する要素は、必須条件と、準必須条件とに分けられうる。必須条件は、自動運転制御を実施する上で常に要求される条件、換言すれば最低限の条件である。準必須条件は、特定のシーンにおいては省略可能な条件、換言すれば、別途定義される補完条件が充足されている場合には充足していなくとも良い条件に相当する。例えば上記の(a)や(b)が必須条件に該当する。一方、(c)や(d)、(e)は、車両Hvの走行速度や走行環境によっては緩和されうる。よって、(c)や(d)、(e)は、任意条件とすることができる。準必須条件の欠落を補う条件である補完条件は、例外許可条件とよぶこともできる。補完条件(例外許可条件)は、準必須条件ごとに設計されうる。
自動運転を実施するための必須条件、準必須条件は車載システムVSが備える周辺監視センサ11の性能や組み合わせによって定まりうる。本実施形態では(a)及び(b)を必須条件とするが、車載システムVSの構成によっては(a)及び(b)の何れか一方又は両方は準必須条件となりうる。
なお、本開示における渋滞状態とは、例えば、走行速度が所定の渋滞判定値以下となっている状態、又は、停止発進を繰り返す車列が1km以上かつ15分以上継続した状態とすることができる。渋滞判定値は、例えば60km/hである。もちろん渋滞判定値は20km/hや、30km/h、40km/hであっても良い。渋滞判定値は、道路ごとに設定されている制限速度に応じて動的に決定されても良い。渋滞判定値は、制限速度の4分の1などに動的に決定されても良い。渋滞判定値は、自動車専用道路か、一般道かで異なる値が適用されても良い。自動車専用道路用の渋滞判定値は60km/hとする一方、一般道路用の渋滞判定値は15km/hであっても良い。
<自動運転ECU30の構成について>
自動運転ECU30は図3に示す機能部を備える。すなわち自動運転ECU30は、情報取得部F1、環境認識部F3、及び制御部F4を有する。これらの機能部は、例えばプロセッサ31が車両制御プログラムを実行することによって実現されうる。
情報取得部F1は、自動運転及び運転支援といった車両制御を実施するための多様な情報を取得する構成である。例えば情報取得部F1は、カメラ111を含む種々の周辺監視センサ11から検出結果(つまり、センシング情報)を取得する。センシング情報には、自車両周辺に存在する他の移動体や、地物、障害物などの位置や、移動速度、種別などが含まれる。また、情報取得部F1は、車両状態センサ12から、自車両の走行速度や加速度、ヨーレート、外部照度などを取得する。さらに、情報取得部F1は、ロケータ13から自車位置情報を取得する。なお、本開示における「取得」には、他の装置/センサから入力されたデータなどを元に内部演算によって「生成」/「検出(判定)」することも含まれる。システム内の機能配置は適宜変更であるためである。
情報取得部F1は、無線通信機15との協働により、前方車両から車車間通信にて送信されてきた車両情報を取得しうる。また、情報取得部F1は、無線通信機15との協働により、路側機や交通情報センタ、地図サーバMSなどから、自車両が所定時間以内に通過予定の道路区間についての交通情報を受信する。交通情報には渋滞区間の有無、渋滞区間の位置、渋滞の長さなどが含まれる。
情報取得部F1は、入力装置23からの信号に基づき、車載システムVSに対するドライバの操作なども取得する。例えば情報取得部F1は、自動運転の開始及び終了にかかる乗員指示信号を入力装置23から取得する。情報取得部F1は、ドライバモニタ16から、ドライバ状態データとして、目の開度や視線方向などを取得する。
情報取得部F1が逐次取得する種々の情報は、例えばメモリ32等の一時記憶媒体に保存され、環境認識部F3やモード制御部F41などによって利用される。なお、各種情報は、種別ごとに区分されてメモリ32に保存されうる。また、各種情報は、例えば最新のデータが先頭となるようにソートされて保存されうる。取得から一定時間が経過したデータは破棄されうる。
地図管理部F2は、地図記憶部17に保存されている地図データを管理する。地図管理部F2は、定期的に、又は、所定距離進むごとに、又は、所定の確認イベントが生じる度に、参照エリアに対応する地図データが最新版であるか否かを判断する。参照エリアは、自動運転制御の計画を策定する上で参照する地図の範囲を規定する。参照エリアは、車両Hvが所定時間以内に通過予定の道路セグメントに対応する。参照エリアは、自動運転制御において所定時間以内にこれから通行する可能性がある区間についての地図データに相当する。本開示では、参照エリアに対応する地図データのことを参照エリア地図とも称する。
例えば自動運転ECU30に目的地及び走行予定経路が設定されている場合には、走行予定経路が通るメッシュについての部分地図データが、参照エリア地図に相当する。また自動運転ECU30に目的地及び走行予定経路が設定されていない場合には、現在の走行路において、現在位置から自車進行方向側、所定の参照対象距離以内となる道路区間についての地図が、参照エリア地図に該当しうる。参照エリア及び参照エリア地図は、車両Hvの現在位置に応じて動的に定まる。また参照エリア及び参照エリア地図は、目的地の設定状況や自車両の進行方向に応じて定まる。参照対象距離は2kmや3kmなどに設定されうる。参照対象距離は自車両の現在の走行速度に応じて動的に決定されても良い。
参照エリアが複数のメッシュを含む場合など、参照エリア地図が複数の部分地図データを含む場合、地図管理部F2は、部分地図データ毎、換言すれば、メッシュ毎に、地図データが最新バージョンか否かを判定する。地図データが最新バージョンか否かの判定は、例えば参照エリア地図の最新バージョン情報を地図サーバMSに問い合わせることによって実施可能である。参照エリアとなる区画は、区画番号によって表現されうる。地図管理部F2は、地図記憶部17の保存されている参照エリア地図のバージョン情報と、地図サーバMSから返送されてきた最新バージョン情報とを照合することで、判定対象とするエリアの地図が最新版か否かを判定する。地図が最新版ではないと判定することは、地図が古い、あるいは、更新する必要があると判定することに対応する。
なお、地図サーバMSが一定時間間隔で各区画の部分地図データを更新するように構成されている場合、当該更新間隔とダウンロードした日付とを比較することで地図が最新版かどうかを判定しても良い。すなわち地図管理部F2は、地図をダウンロードした日時と現在の日時との差が更新間隔以上であることに基づいて、地図記憶部17に保存されている地図は古いと判定しても良い。地図管理部F2は、地図データをダウンロードした日時の代わりに、地図が発行された日時を用いて地図の鮮度を判定しても良い。
参照エリア地図が最新版であるか否かを判定する処理であるバージョン確認処理は、例えば、走行用電源がオンである間、10秒や、30秒、1分など所定の確認周期で実行されうる。なお、走行用電源がオンになってから1度最新版か否かを判定した部分地図データに関しては、次回以降の判定を省略可能である。ただし、最後のバージョン確認処理を実施してから更新間隔以上経過した部分地図データに関しては再度、バージョン確認処理を実施しても良い。地図管理部F2の動作は、地図サーバMSにおける地図の更新間隔に応じて設計されうる。
地図管理部F2は、車両Hvが例えば200mなど所定距離進むごとにバージョン確認処理を実施しても良い。また、地図管理部F2は、右左折や分岐点の通過など、所定の確認イベントが生じるたびにバージョン確認処理を実行しても良い。車両Hvの位置等に応じて参照エリアは変動するため、バージョン確認処理ごとにバージョンの確認対象とする部分地図データ/メッシュは異なりうる。
なお、本開示では地図管理部F2の処理負荷軽減等の観点から、参照エリア地図に限って順次、ローカルに保存されている地図データが最新版であるか否かを判定するが、これに限らない。地図管理部F2は、走行用電源がオンになったことに基づいて、全ての区画を対象にバージョン確認処理を実施してもよい。
環境認識部F3は、情報取得部F1が取得した種々のデータに基づいて、自車両の走行環境を認識する。例えば環境認識部F3は、カメラ111とミリ波レーダ112など、複数の周辺監視センサ11の検出結果を、所定の重みで統合するセンサフュージョン処理により、自車両の走行環境を認識する。環境認識部F3が環境取得部に相当する。
走行環境には、車両周辺に存在する物体の位置や、種別、移動速度、移動方向なども含まれる。環境認識部F3は、外部装置との通信及び周辺監視センサ11の検出結果の少なくとも何れか一方に基づき、先行車や後続車、併走車に係る情報を取得する。例えば環境認識部F3は、先行車や後続車などとの車間距離や相対速度、隣接レーンを走行する車両の位置や速度などを取得する。
また、走行環境には、道路の曲率や、勾配、車線数、自車レーン番号、天候、路面状態などが含まれる。自車レーン番号は、左又は右の道路端から何番目のレーンを走行しているかを示す。道路構造にかかる情報は、地図データをもとに特定可能である。環境認識部F3は、地図データと周辺監視センサ11の検出結果を併用して道路の曲率等を取得しても良い。環境認識部F3は、カメラ111の認識結果、外界センサ14の出力、及び、外部装置から受信した天候情報の一部又は全部を組み合わせることにより、天候や路面状態を特定してもよい。環境認識部F3は、周辺監視センサ11の検出結果の他、地図データを用いて道路構造を特定しても良い。
環境認識部F3は、走行環境が渋滞状態に該当するか否かを判定する。環境認識部F3は、例えば交通情報センタ等から受信した情報をもとに走行環境が渋滞状態であるか否かを認識する。環境認識部F3は、自車両の車速情報や、停車及び発進の実行頻度、周辺監視センサ11の検出結果などを用いて自車両の周囲が渋滞状態に該当するか否かを判断してもよい。具体的には、自車両の車速が渋滞判定値以下である状態が所定時間(例えば5分)以上継続した場合に周囲は渋滞状態であると判定する。渋滞状態であるか否かの判断材料としては、先行車両の挙動を採用可能である。また、環境認識部F3は、複数の前方車両から車車間通信で取得する車両情報を元に渋滞状態であるか否かを判定してもよい。その他、環境認識部F3は、ODDに関連する車外環境情報や、ドライバ状態データを取得する。
制御部F4は、自動運転制御を含む、種々の制御処理を実行する構成である。制御部F4はサブ機能部として、図4に示すようにモード制御部F41、全行程取得部F42、計画部F43、及び、制御信号出力部F44を備える。
モード制御部F41は、情報取得部F1が取得した種々の情報に基づき、自動運転ECU30の動作モードを制御する。例えばモード制御部F41は現行モードが乗員関与モードであり且つ走行環境がODDを充足している状態において、入力装置23から自動運転の開始指示信号が入力された場合に、自動運転モードへ移行することを決定する。モード制御部F41は、自動運転モードへ移行することを決定した場合には、自動運転モードへ移行するように要求する信号を計画部F43に出力する。現行モードとは現在適用されている動作モード(運転モード)である。また、モード制御部F41は、自動運転モード中において、走行環境がODDを充足しなくなった場合、あるいは、所定時間以内に充足しなくなることが予見された場合には、乗員関与モードに移行することを決定し、その旨を計画部F43に通知する。
さらに、モード制御部F41は、自動運転モード中、入力装置23から自動運転モードを終了するための操作信号や、ドライバによるオーバーライド操作が検知された場合には、自動運転モードを終了することを決定する。モード制御部F41は、自動運転モードを終了することを決定した場合には、所定の乗員関与モードに切り替えることを示す信号を制御部F4に出力する。オーバーライド操作とは、ハンドル/ペダル類といった操作部材に対する乗員の操作を指す。自動運転ECU30はドライバによるオーバーライド操作が行われたことを検出した場合には、速やかに運転権限をドライバに移譲するとともに、所定の乗員関与モードに切り替わったことを音声出力等にて報知する。なお、自動運転モード終了時に遷移する動作モードは、完全手動モードであってもよいし、運転支援モードであってもよい。自動運転モード終了時に遷移先は、状況に応じて動的に決定されても良いし、ドライバによって予め登録されていても良い。
全行程取得部F42は、地図データに基づき、現在位置から目的地までの経路である全体経路を算出する。全体経路は全行程と言い換えることができる。目的地情報は、入力装置23を介してドライバにより設定される。なお、経路計算は外部サーバが実施しても良い。制御部F4は、外部サーバで算出された全体経路情報を受信して使用するように構成されていても良い。
制御部F4は、現在位置から目的地までのルート全体(つまり全体経路)のうち、自動運転可能な区間を自動運転候補区間として抽出する。自動運転候補区間は前述の参照エリアの一例に相当する。自動運転候補区間は、仮に地図記憶部17に保存されている地図データが最新バージョンに保たれていると仮定した場合に、自動運転制御を実施可能な区間に相当する。自動運転候補区間は、ODDのうち、必須条件を充足する道路区間に相当する。
また、制御部F4は、自動運転候補区間に対応する地図データが最新版であるか否かを地図管理部F2から取得する。例えば、制御部F4は自動運転候補区間の情報を地図管理部F2に提供する。地図管理部F2は、地図記憶部17に保存されている部分地図データのうち、自動運転候補区間に対応する部分地図データが最新版であるか否かを判定し、その結果を制御部F4に返送する。制御部F4は、自動運転候補区間のうち、地図データが最新版ではない部分を更新必要区間に設定する。更新必要区間は未更新区間と呼ぶこともできる。
本実施形態では一例として、自動運転ECU30は、地図データが最新版でなくとも、走行環境が特定の例外許可条件を充足している場合には自動運転制御を実施可能に構成されている。つまり、自動運転ECU30は、更新必要区間においても例外許可条件が充足している限りはドライバの指示に基づき自動運転制御を実施しうる。例外許可条件については別途後述する。
計画部F43は、自動運転として実行する制御内容を計画する構成である。自動運転モード適用時、環境認識部F3による走行環境の認識結果に基づき、自律的に走行させるための走行計画を生成する。環境認識部F3による走行環境の認識結果を用いて走行計画を作成することは、周辺監視センサ11の出力信号を用いて自動運転制御を行うことに相当する。走行計画は制御計画と呼ぶこともできる。走行計画には、時刻ごとの走行位置や目標速度、操舵角などが含まれる。すなわち、走行計画には、算出した経路における速度調整のための加減速のスケジュール情報や、操舵量のスケジュール情報を含みうる。
例えば計画部F43は、例えば、先行者が存在しない場合には、所定の目標速度にて自車レーンの中央を走行する経路を走行計画として生成する。また、先行車が存在する場合には、先行車の挙動又は走行軌跡に沿う経路を走行計画として生成する。なお、先行車の速度が自車両の目標速度よりも所定値以上小さい場合には、計画部F43は、自動的な追い越し制御の実施計画を作成しうる。自動的な追い越し制御とは、隣接車線の空き状況を確認した上で自動的に車線変更することと、加速して前方車両を追い越すことと、前方車両を追い越したことに基づいてもとの車線に戻ることとを含む、一連の制御を指す。
その他、計画部F43はモード制御部F41からの入力信号に基づき、自動運転の開始/終了に係る制御計画を作成する。また、計画部F43は、車両の走行に直接的に関係する制御計画の他に、ヘッドライトや方向指示器、ディスプレイ21などの動作に係る計画も策定する。計画部F43は、ODDを充足する区間である自動運転可能区間の始端及び終端の位置情報の位置に応じて、自動運転可能となったことを通知するタイミングや、ハンドオーバーリクエストを開始するタイミングを決定する。
制御信号出力部F44は、計画部F43で策定された制御計画に基づく制御指令を生成し、走行アクチュエータ18やヘッドライト等へ向けて逐次出力する。
表示制御部F45は、自動運転制御の実施可否及び実施状況を示す画像をディスプレイ21に表示する。例えばODDが充足されている場合には自動運転機能を利用可能であることを示す自動運転可能画像を表示する。自動運転可能画像はスタンバイ画像と呼ぶこともできる。また、表示制御部F45は、ODDが充足されていない場合には自動運転機能は利用不能であることを示す自動運転不可画像を表示する。
表示制御部F45は、自動運転制御を実施中である場合には、自動運転中であることを示す画像を表示する。また、表示制御部F45は、走行用電源がオンであることに基づいて、自車両周辺の道路の構造を示す走行路画像ImRをディスプレイ21に表示する。走行路画像ImRは、図5に示すように表示要素として、右側の道路端を示す右道路端画像RS_Rと、左側の道路端を示す左道路端画像RS_Lと、自車レーンを規定する右側区画線の画像である右側区画線画像EL_Rと、左側区画線画像EL_Lと、を含む。道路の構造によっては、走行路画像ImRは、自車レーンのさらに右側に存在する区画線を示す右隣接車線画像NL_Rや、自車レーンのさらに左側に存在する区画線を示す左隣接車線画像NL_Lを含みうる。走行路画像ImRは、自車両を示す自車両画像Im_hvを含みうる。
表示制御部F45は、参照エリアの地図データに基づいて走行路画像ImRを描画する。なお、走行路画像ImRには、周辺監視センサ11が検出している区画線や道路端、他車両を示す認識結果画像が重畳されていても良い。例えば周辺監視センサ11にて自車両の斜め前方に他車両が検出されている場合、走行路画像ImRは他車両を示す他車両画像Im_ovを含みうる。表示制御部F45は、自動運転制御実行中であることを条件として走行路画像ImRを表示するように構成されていても良い。
なお、自動運転不可の状態から自動運転可能な状態に切り替わった場合、制御部F4は、音出力や画像表示にて自動運転機能を利用可能となったことをドライバに通知する。また、自動運転中において自動運転不能な状態に切り替わった場合には、制御部F4は、音出力や画像表示にて運転操作を引き継ぐようにドライバに要求する。つまりハンドオーバーリクエストを実施する。表示制御部F45は、HUD、メータディスプレイ、センターディスプレイなどいった複数種類のデバイスの中から、ドライバへの情報提示に使用するものを選択的に採用しうる。
<自動運転の開始要求に対する>
ここでは、自動運転の開始要求を受け付けた場合の自動運転ECU30の作動について図6に示すフローチャートを用いて説明する。図6に示すフローチャートは、自動運転の開始指示が行われたことに基づいて開始されうる。図6に示すフローチャートは一例としてステップS101~S106を含む。
ステップS101は、プロセッサ31が自動運転候補区間に対応する地図データのバージョン情報を確認するステップである。ステップS101は例えば制御部F4と地図管理部F2の協働によって実施されうる。ステップS101はバージョン確認処理に相当する。更新必要区間が検出された場合には(S102 YES)、プロセッサ31はステップS103を実行する。一方、更新必要区間が存在しなかった場合には(S102 NO)、プロセッサ31はステップS104を実行する。
ステップS103は走行環境が例外許可条件を充足しているか否かをプロセッサ31が判定するステップである。地図の未更新に対する例外許可条件としては、例えば、走行環境が渋滞状態であることを採用可能である。渋滞時には、自車両は先行車の動きに合わせて渋滞判定値以下の速度で(つまりゆっくりと)走行することが可能である。そのため、渋滞時には自動運転制御を実施する上で地図データの重要度は低く、地図データが最新版でなくとも自動運転を実施可能とする。プロセッサ31は、環境認識部F3にて走行環境が渋滞状態であると判定されている場合、自動運転可能と見なしてステップS104を実行する。一方、走行環境が渋滞状態ではない場合にはプロセッサ31はステップS105を実行する。
ステップS104は、制御部F4が自動運転制御を開始するステップである。制御部F4は、ドライバに自動運転制御を開始することを通知するとともに、操舵や加減速に係る制御権をドライバから取得する。
ステップS105は、自動運転制御の開始を保留とするステップである。ステップS106は、ドライバに地図データの更新を実施してもよいかを問い合わせる処理である更新確認処理を実行するステップである。例えば更新確認処理は、ディスプレイ21に地図データを更新してもよいかを問い合わせる画面を表示することと、入力装置23からの信号に基づいて更新指示を取得することと、を含む。プロセッサ31は、ディスプレイ21に地図データを更新してもよいかを問い合わせる画面を表示してから所定の応答待機時間が経過しても、ドライバからの回答が得られなかった場合には、地図の更新を中止する。
ステップS106にて地図の更新がドライバにて許可された場合には、地図データの更新を開始する。そして、地図データの更新が完了次第、自動運転制御を開始する。なお制御部F4は地図データの更新が完了するまでは、まだ自動運転モードに移っていないことをドライバに報知する。一方、ステップS106にて地図の更新が許可されなかった場合には、自動運転制御を開始できない旨をドライバに報知する。なお、プロセッサ31はステップS103で走行環境が例外許可条件を充足していないと判定した場合、更新確認処理をせずに自動運転制御の開始を中止し、地図データが未更新であるため自動運転機能を利用できないことを通知しても良い。ステップS105~S106は省略可能である。
上記構成は、走行環境が渋滞状態ではなく且つ地図データが最新版ではない場合には自動運転制御を禁止する一方、地図データが最新版でなくとも走行環境が渋滞状態である場合には自動運転制御を実施可能な構成に相当する。なお、渋滞中ではない場合には、相対的に走行速度が大きい。渋滞中ではない場合、換言すれば車速が所定の値以上である場合には、自動運転ECU30は、自動運転の安全性及び乗り心地を担保するために、地図データによって前方の道路構造等を先読みすることが好ましい。上記構成によれば、渋滞中ではない場合には、地図が最新版ではない場合には自動運転を禁止とする。これにより自動運転の安全性及び乗り心地を担保可能となる。一方、渋滞時には地図が古くとも自動運転可能とする。これにより、自動運転機能が利用できないシーンを減らすことが可能となる。
以上では、自動運転の開始要求を受け付けた場合にバージョン確認処理を実施する場合について述べたがこれに限らない。目的地が設定されたタイミングで、あるいは、全体経路が算出されたタイミングで上記の処理を実施しても良い。
また、自動運転ECU30は、自動運転制御を実行中である場合にも、例外許可条件による自動運転制御の継続可否を随時判断しうる。例えばプロセッサ31は、所定の確認周期で現在位置に応じた参照エリアを特定し、参照エリアに対応する地図データが最新版であるか否かを判定する(図7 S201)。なお、ステップS201もまた、ステップS101と同様、バージョン確認処理に相当する。ここで更新必要区間が検出された場合には(S202 YES)、ステップS103と同様に、走行環境が例外許可条件を充足しているか否かを判定する(S203)。そして、走行環境が例外時許可条件を充足している場合には、プロセッサ31は自動運転制御を継続する(S204)。走行環境が例外許可条件を充足していない場合、プロセッサ31は更新確認処理を実施する(S205)。プロセッサ31は、更新確認処理におけるドライバからの回答に基づき、地図データを更新した上で自動運転制御を継続しても良いし、ハンドオーバーリクエストを実施しても良い。なお、例外許可条件が充足していない場合、更新確認処理をせずに自動運転制御を終了しても良い。
当該構成によれば図8に概念的に示すように、比較構成では自動運転が中断されるようなシーンにおいても、例外許可条件が充足している限りは自動運転を継続可能となる。よってドライバの利便性を向上可能となる。なお、ここでの比較構成とは、地図データが最新バージョンではない場合には一律的に自動運転制御の実行を禁止する構成を指す。
以上では、地図データが最新版ではない場合の例外許可条件として、走行環境が渋滞状態であることを採用する構成について述べたが、これに限らない。例外許可条件は、自車両の前方所定距離以内に他車両が存在すること、つまり、自車両から所定距離以内に先行車が存在することであってもよい。当該構成は地図データが最新版でなくとも車両前方の所定距離以内に先行車が存在する場合には自動運転制御の実施を許可する一方、地図データが最新版ではなく、かつ、先行車が存在しない場合には自動運転制御を禁止する構成に相当する。当該構成によれば、渋滞中でなく、且つ、最新の地図をローカルに保持していなくとも、追従対象となる先行車が存在すれば、レベル3相当の自動運転制御を実施可能となり、ドライバの利便性/自動運転制御の継続性をより一層高めることができる。また、先行車が存在せず且つ地図データも古い場合には自動運転制御の実施を禁止することにより、安全性を高めることができる。
なお、例外許可条件を規定する先行車との車間距離の上限値である追従対象距離は、250mなどの固定値であっても良いし、自車両の走行速度に応じて決定されても良い。追従対象距離は自車速が大きいほど大きい値に設定されうる。追従対象距離は、時間距離で表現されてもよい。例えば追従対象距離は3秒相当の長さに設定されている。先行車を対象とする時間距離は、先行車が通過した地点を自車両が通過するまでの時間の長さに相当する。なお、プロセッサ31は、先行車が存在する場合であっても、先行車と自車両との速度差が所定値以上であって、自動運転にて採用可能な速度範囲において先行車に追従して走行することができない場合には、自動運転不可と判定しても良い。周辺車両に対する例外許可条件は相対的な速度差に関する条件を含んでいても良い。
また、参照エリア地図が最新ではない場合の例外許可条件は、自車両の前方及び後方のそれぞれ所定距離以内に他車両が存在することであってもよい。すなわち、自動運転ECU30は、参照エリア地図が最新ではない状態において、自車両の前方及び後方のそれぞれ所定距離以内に他車両が存在しない場合には自動運転制御の実行を禁止する。一方、自車両の前方及び後方の所定距離以内に他車両が存在する場合には自動運転制御の実施を許可してもよい。当該構成によっても上記実施形態と同様の効果を奏する。
その他、参照エリア地図が最新ではない場合の例外許可条件は、自車両の前方及び左右のそれぞれ所定距離以内に他車両が存在することであってもよい。すなわち、自動運転ECU30は、参照エリア地図が最新ではない状態において、自車両の前、左、右の各方位所定距離以内に他車両が存在しない場合には自動運転制御の実行を禁止する。一方、自車両の前及び左右の所定距離以内に他車両が存在する場合には自動運転制御の実施を許可してもよい。
以上、本開示の1つの実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の補足や変形例などは、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。なお、以上で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については上記説明を適用することができる。
<変形例(1)>
プロセッサ31は、参照エリアの地図が最新版ではない場合と、参照エリアの地図が最新版である場合とで、ディスプレイ21に表示する走行路画像ImRの表示態様を変更しても良い。例えば、参照エリアの地図が最新版である場合には実線で示していた表示要素を、参照エリアの地図が最新版ではない場合には破線で示してもよい。また、参照エリアの地図が最新版である場合には青色で示していた表示要素を、参照エリアの地図が最新版ではない場合には黄色で示してもよい。表示要素の表示態様の変更は、線種、色、明滅などによって実現されうる。なお、ここでの表示要素とは、右道路端画像RS_Rや、左道路端画像RS_L、右側区画線画像EL_R、左側区画線画像EL_Lなどを指す。つまり、プロセッサ31は、参照エリアの地図が最新版ではない場合と、参照エリアの地図が最新版である場合とで、道路端や、区画線などの路面標示の見た目を変更する。当該構成によれば、ドライバは、地図データが未更新であること、ひいては自動運転制御が中断する可能性が通常時に比べて高いことを認識しやすくなる。なお、ここでの通常時とは参照エリア地図が最新版である場合に相当する。
また、プロセッサ31は、参照エリアの地図が最新である場合には走行路画像ImRを表示する一方、参照エリアの地図が最新版ではない場合には、走行路画像ImRを表示しないように構成されていても良い。当該構成によっても、ドライバは、車載システムVSが最新の地図を保持していないことを認識しやすくなる。
<変形例(2)>
プロセッサ31は、地図が最新版ではないこと(つまり古いこと)に基づいて、自動運転制御の機能を縮退させた上で継続するように構成されていてもよい。すなわち、プロセッサ31は、自動運転制御の詳細な動作モードとして、所定のすべての機能を実施可能な通常モードと、一部の機能に制限がかかった制限モードと、を備えていてもよい。通常モードと制限モードは、実施可能な制御範囲の観点から自動運転モードを細分化したものに相当する。
例えば自動運転ECU30は、図9に示すように、自動運転中において(S301 YES)、参照エリアに更新必要区間があることが検知された場合(S302 YES)、通常モードから制限モードに切り替える(S303)。なお、プロセッサ31は、参照エリアの地図データが最新版である場合には通常モードを適用する(S304)。図9に示すモード判定処理は、所定周期で実施されても良いし、バージョン確認処理が実行される度に実施されても良い。図9に示すモード判定処理は、バージョン確認処理の後続処理として一体化されていても良い。
また、プロセッサ31は、自動運転中に限らず、自動運転制御の開始要求を受け付けた場合に図9に示すステップS302~S304のシーケンスを実施しても良い。プロセッサ31は、自動運転制御の開始要求を受け付けた場合において、参照エリアに更新必要区間が存在することを検出した場合には、制限モードでの自動運転制御を開始しても良い。また、プロセッサ31は、例外許可条件が充足していることを条件に、制限モードでの自動運転を開始/継続するように構成されていても良い。
制限モードは、例えば、自動運転制御時に適用可能な速度の上限値を、通常上限速度よりも所定量小さくする自動運転モードとすることができる。通常上限速度は、通常モード時に適用される速度範囲の上限値である。通常上限速度は、地図データが最新版である場合に適用される速度範囲の上限値と解することができる。通常速度上限値は、ドライバが指定した目標速度に応じて決定される。通常速度上限値は、ドライバが指定した目標速度に対して5km/hや10km/hといった所定値を加えた値に設定されうる。通常上限速度は、道路の種別や、道路に設定されている制限速度に従って決定される。制限速度は、道路沿いに設置されている標識を画像認識することで特定されても良いし、地図データを参照することで特定されても良い。通常上限速度は、ドライバが指定した値および制限速度の何れか小さい方に設定されうる。なお、プロセッサ31は、円滑な交通の流れを実現すべく、周辺監視センサ11で検出されている前後の車両の移動速度に応じて、通常上限速度を一時的に制限速度よりも大きい値に設定可能に構成されていても良い。
制限モード時の上限速度である臨時上限速度は、通常目標速度よりも所定量小さい値に設定される。通常モードに対する制限モードでの速度抑制量は、3km/hや、5km/h、10km/hなどの一定量とすることができる。また、臨時上減速度は通常上限速度の90%や80%など、通常上限速度に応じて決定されても良い。臨時上限速度は、道路種別に応じた固定値であってもよい。例えば、臨時上限速度は、高速道路においては60km/h、一般道路においては40km/hなどとすることができる。上記で述べた構成は、地図が古い場合には車速を抑制させる構成に相当する。
なお、制限モードは、自動的な追い越し制御の実行を禁止する動作モードであってもよい。また、制限モードは、緊急性のない車線変更を禁止する動作モードであってもよい。緊急性のない車線変更とは、緊急性がある車線変更以外の車線変更を指す。緊急性のある車線変更とは、主として路上障害物を回避するための車線変更を指す。また、合流/分岐地点や交差点から所定距離以内において、直ちに車線変更を行わないと走行予定経路から外れてしまうようなシーンでの車線変更も、緊急性のある車線変更に含めることができる。
自動運転ECU30は、車線が存在する範囲を地図データによって特定しうる。地図データが最新版ではない場合には、車線の存在範囲が不確かとなってしまうため、車線変更は行わないことが好ましい。上記構成はそのような着想に基づいて創出されたものであり、上記構成によれば、車両の安全性をさらに高めることができる。なお、上記構成は、地図が最新版ではないこと(つまり古いこと)に基づいて、自動的な追い越し制御の実行を禁止したり、緊急性のない車線変更を禁止したりする構成に相当する。
なお、プロセッサ31は制限モードでの自動運転を開始することを決定した場合、車載HMI20と連携して、ドライバに向けて制限モードに移行することを通知する処理を行ってもよい。例えば、プロセッサ31は制限モードに移行することを示す通知画像をディスプレイ21に表示させる。制限モードへの移行通知は、スピーカ22からの所定の音声メッセージを出力することによって実施されても良い。制限モードへの移行に関する通知を実施するタイミングは、自動運転ECU30が実際に制限モードに移行するタイミングの5秒前や10秒前などであってもよい。他の態様としてプロセッサ31は、制限モードに移行してもよいかをドライバに問い合わせてもよい。その場合、ドライバの許可が得られた場合に制限モードに移行することを確定する。一方、プロセッサ31は、制限モードへの移行問い合わせ処理においてドライバの許可が得られなかった場合には、ハンドオーバーリクエストを開始してもよい。モード移行の可否についての問い合わせに対するドライバの回答は入力装置23を介して取得されうる。
<変形例(3)>
また、自動運転ECUは、参照エリアの地図が最新版ではない場合、夜間の自動運転制御を禁止するように構成されていてもよい。具体的には次に通りである。
プロセッサ31は、自動運転の開始指示が行われた場合、図10に示すように、まずはバージョン確認処理を実施する(S401)。そして、参照エリアに更新必要区間があることが検知された場合(S402 YES)、夜間であるか否かを判定する(S403)。夜間に該当するか否かは、時刻情報に基づいて判断可能である。夜間に該当するか否かは、ヘッドライトの点灯状態、換言すればライトスイッチの設定状態に基づいて判断されても良い。また、夜間に該当するか否かは、車外の明るさを検出する照度センサの出力信号に基づいて判断されてもよい。
プロセッサ31は、参照エリアの地図が最新版ではなく、かつ、夜間に該当する場合には、更新確認処理を実施するか、自動運転制御の開始を中止する(S405)。一方、プロセッサ31は、参照エリアの地図が最新版ではなくとも、夜間に該当しない場合には、自動運転制御を開始する(S404)。当該構成は、例外許可条件として、夜間ではないことを含める構成に相当する。
夜間は光学カメラによる物体認識能力が低下しうる。地図データが最新版であれば、画像に基づく環境認識能力の低下分を地図データで補うことができるが、地図データが古い場合にはその限りではない。上記制御態様は当該着想に基づいて創出されたものであって、上記制御態様によれば、地図が古くかつ夜間である場合には自動運転制御が中止されるため、安全性を高めることができる。また、地図が古くとも夜間ではない場合や、夜間であっても地図が最新版である場合にはドライバは自動運転機能を利用可能となるためドライバの利便性を高めることができる。
ところで、市街地や外灯が密に配置されている区間(例えば高速道路)など、夜間でも十分に画像解析に基づく物体検出が可能な区間については、自動運転ECU30は夜間でも自動運転可能に構成されていてもよい。自動運転ECUは、参照エリアの地図が最新版ではない場合、外部照度が所定値以上である場合には自動運転を開始/継続可能である一方、外部照度が所定値未満となりうる区間では自動運転を禁止/終了するように構成されていてもよい。当該構成は照度が所定値以上であることを例外許可条件又は必須条件に含める構成に相当する。照度が所定値以下となる区間とは、夜間の農村部や郊外などを指す。外灯の配置間隔が所定値以上であって、車両Hvのヘッドライトだけではカメラ111による道路構造の把握が困難となる区間が、照度が所定値以下となる区間に相当しうる。地図が古い状態での自動運転を禁止する道路区間は予め登録されていても良い。換言すれば最新の地図データを保持していることを、自動運転制御を実行する上での任意条件とする道路区間は予め登録されていても良い。自動運転ECU30は、照度センサの出力値が所定値未満となったこと、あるいは、画像認識によって車両Hvの側方の路面の明るさが所定値未満であることを検出したことに基づいて自動運転制御を終了/開始禁止とするように構成にされていても良い。
<変形例(4)>
プロセッサ31は、目的地が設定された場合、目的地までの経路上に(つまり全体経路上に)、更新必要区間が存在するか否かを判定し、更新必要区間が存在する場合には一部又は全区間において自動運転機能を利用できない旨をドライバに報知しても良い。また、プロセッサ31は、仮算出した全体経路に更新必要区間が含まれる場合には、更新必要区間を避ける回避経路を算出して提案しても良い。図11は、上記技術思想に対応する目的地入力応答処理を示すフローチャートである。目的地入力応答処理は、入力装置23に対するドライバ操作に基づいて目的地情報が入力された場合に実行されうる。目的地入力応答処理は、例えばルート上の地図の更新状況を確認するステップ(S501、S502)と、ルート上に更新必要区間が検出された場合に所定の通知/提案を実施するステップ(S503)と、含む。なお、ステップS503での提案内容は、地図データを更新することであってもよい。
<変形例(5)>
環境認識部F3は、周辺監視センサ11の出力信号に基づき、現在位置から所定距離以内に特定地点が存在するか否かを判断してもよい。また、制御部F4は、環境認識部F3による特定地点の検出状況に基づいて自動運転制御の実施可否を判断しても良い。プロセッサ31は、参照エリアの地図が最新版でなくとも、環境認識部F3にて現在位置から所定距離以内に特定地点は存在しないと判定されていない場合には、自動運転制御を実施可能に構成されていても良い。
ここでの特定地点とは、合流地点、分岐地点、料金所、トンネル、交差点、曲率半径が所定値未満となる地点、及び勾配変化量が所定値以上となる地点など、見通しのよい直線路に比べて制御上の難易度が高い地点を指す。曲率半径が所定値以下となる地点は、曲率が所定値以上となる区間に相当する。曲率半径が所定値以下となる地点とは、いわゆる急カーブに相当する。急カーブの定義は道路に設定されている制限速度又は道路種別に応じて切り替えられる。例えば、高速道路において曲率半径が250m未満となる区間が急カーブに相当する。上記特定地点の存在は、例えば道路沿いに設置されている標識(例えば予告標識)をカメラ111にて認識することにより検出されうる。また、環境認識部F3は、地図記憶部17に保存されている地図データをもとに上記特定地点の有無を判断しても良い。短期間で新設されたり撤去されたりする地図要素ではないため、仮に保存地図データが最新版でなくとも、特定地点の有無はある程度の確度で推定可能となりうる。
<変形例(6)>
以上では地図記憶部17に地図データが保存されていることを前提とする構成について述べたが、必ずしも地図記憶部17に全メッシュの地図データが保存されている必要はない。なお、ダウンロードした部分地図データの保存規則は、地図記憶部17の容量等を鑑みて、多様な規則を適用可能である。例えば地図記憶部17の容量が相対的に小さい場合、地図管理部F2は車両Hvがすでに離脱した領域について部分地図データは、離脱次第あるいは所定距離以上離れたタイミングで削除してもよい。そのような構成によれば、地図記憶部17に要求される容量を低減できる。すなわち、地図記憶部17のコストを低減できる。また、地図管理部F2は、地図記憶部17にダウンロードされた地図データを、ダウンロードされた時点から所定時間(例えば1週間)経過したタイミングで削除するように構成されていてもよい。地図管理部F2は通勤路や通学路など、日常的に使用する道路についての地図データについては、地図記憶部17に保存するように構成されていてよい。例えば空き容量が所定値以下とならない限り、地図管理部F2は日常的に使用する道路についての地図データについては地図記憶部17に残してもよい。
地図記憶部17に参照エリアについての最新版の地図データが保存されていない場合には、保存されている地図データが古い場合に限らず、参照エリアの地図データが未取得である場合も含める事ができる。上記の更新必要区間は、地図を取得(受信)する必要がある区間であるダウンロード必要区間、あるいは、地図未取得区間と読み替えることができる。
また、地図データがストリーミング配信される構成においては、ローカルメモリに保存されている最新版ではない地図データとは、キャッシュされている地図データと解することができる。ローカルメモリはキャッシュメモリであってもよい。また、地図データがストリーミング配信される構成においては、ローカルメモリに最新版の地図が保存されていない状態とは地図を未受信の状態に相当する。
地図管理部F2は、現在位置に応じた参照エリアについての最新版の地図データがローカルメモリに保存されているか否かを判定する構成であっても良い。また、制御部F4は、参照エリアについての最新版の地図データがローカルメモリに保存されていないと判定されているか否かと走行環境が保管条件を充足しているか否かの組み合わせに応じて自動運転制御の可否を切り替える構成であってもよい。本開示の制御部F4は、参照エリアについての最新版の地図データがローカルメモリに保存されていない場合であっても、走行環境が所定の補完条件を充足している場合には、自動運転制御の実施を許可するように構成されていてもよい。
<付言>
本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。例えばプロセッサ31が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。プロセッサ(演算コア)としては、CPUや、MPU、GPU、DFP(Data Flow Processor)などを採用可能である。また、プロセッサ31が備える機能の一部又は全部は、複数種類の演算処理装置を組み合わせて実現されていてもよい。プロセッサ31が備える機能の一部又は全部は、システムオンチップ(SoC:System-on-Chip)や、FPGA、ASICなどを用いて実現されていても良い。FPGAはField-Programmable Gate Arrayの略である。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略である。種々のコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に記憶されていてもよい。プログラムの保存媒体としては、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を採用可能である。
VS 車載システム、15 無線通信機、17 地図記憶部(ローカルメモリ)、21 ディスプレイ、22 スピーカ、30 自動運転ECU、31 プロセッサ、32 メモリ、F1 情報取得部、F2 地図管理部、F3 環境認識部(環境取得部)、F4 制御部、F41 モード制御部、F42 全行程取得部、F43 計画部、F44 制御信号出力部、F45 表示制御部、ImR 走行路画像、EL_R 右側区画線画像、EL_L 左側区画線画像、NL_R 右隣接車線画像、NL_L 左隣接車線画像、RS_R 右道路端画像、RS_L 左道路端画像

Claims (14)

  1. ローカルメモリに保存されている地図データを用いて車両を自律的に走行させる自動運転制御を実行する自動運行装置であって、
    前記ローカルメモリに保存されている前記地図データが最新版であるか否かを判定する地図管理部(F2)と、
    前記車両の走行環境を取得する環境取得部(F3)と、
    前記ローカルメモリに保存されている前記地図データと、前記車両に搭載されている周辺監視センサからの信号と、に基づいて前記自動運転制御を実行する制御部(F4)と、を備え、
    前記制御部は、前記地図管理部にて前記ローカルメモリに保存されている前記地図データが最新版ではないことが検出されている場合であっても、前記環境取得部が取得している前記走行環境が所定の補完条件を充足している場合には、前記自動運転制御を実施可能に構成されている自動運行装置。
  2. 請求項1に記載の自動運行装置であって、
    前記環境取得部は、前記走行環境が渋滞状態に該当するか否かを判定し、
    前記制御部は、
    前記走行環境が渋滞状態ではなく且つ前記地図データが最新版ではない場合には前記自動運転制御を実行しない一方、
    前記地図データが最新版でなくとも、前記環境取得部にて前記走行環境が渋滞状態であると判定されている場合には前記自動運転制御を実施可能に構成されている自動運行装置。
  3. 請求項1に記載の自動運行装置であって、
    前記環境取得部は、前記周辺監視センサの出力信号に基づき、前記走行環境として自車両の前方に存在する他車両の位置を取得し、
    前記制御部は、
    前記地図データが最新版ではなく、かつ、自車両の前方所定距離以内に他車両が存在しない場合には、前記自動運転制御を実行しない一方、
    前記地図データが最新版でなくとも、自車両の前方所定距離以内に他車両が存在する場合には前記自動運転制御を実施可能に構成されている自動運行装置。
  4. 請求項3に記載の自動運行装置であって、
    前記環境取得部は、前記周辺監視センサの出力信号に基づき、前記走行環境として自車両の前後に存在する他車両の位置を取得し、
    前記制御部は、
    前記地図データが最新版ではなく、かつ、自車両の前方及び後方のそれぞれ所定距離以内に他車両が存在しない場合には、前記自動運転制御を実行しない一方、
    前記地図データが最新版でなくとも、自車両の前方及び後方の所定距離以内に他車両が存在する場合には前記自動運転制御を実施可能に構成されている自動運行装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の自動運行装置であって、
    前記環境取得部は、前記周辺監視センサの出力信号に基づき、前記走行環境として、自車両周辺に存在する他車両の位置及び移動方向を取得し、
    前記補完条件は、自車両の左側及び右側の所定距離以内に移動方向を自車両と同一とする他車両が存在することを含む自動運行装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の自動運行装置であって、
    前記制御部は、
    前記ローカルメモリに保存されている前記地図データに基づき、自車両が走行している道路の構造を示す走行路画像(ImR)をディスプレイ(21)に表示することと、
    前記地図データが最新版であるか否かに応じて前記走行路画像の表示態様を変更することと、を実施するように構成されている自動運行装置。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の自動運行装置であって、
    前記制御部は、前記自動運転制御として、所定の全ての機能を実施可能な通常モードと、一部の機能に制限がかかった制限モードと、を備え、
    前記地図データが最新版ではない道路区間において前記自動運転制御を実施する場合には、前記制限モードを適用するように構成されている自動運行装置。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の自動運行装置であって、
    前記制御部は、前記地図管理部にて前記地図データが最新版ではないことが検出されている場合には、自動的な車線変更を実施しないように構成されている自動運行装置。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の自動運行装置であって、
    前記制御部は、
    前記地図データが最新版である場合には、先行車の走行速度が自車両の目標速度よりも所定量小さいことに基づいて前記先行車を自動的に追い越す制御を実施する一方、
    前記地図管理部にて前記地図データが最新版ではないことが検出されている場合、当該最新版ではない前記地図データに対応する区間を走行している間は、自動的な追い越し制御を実施しない自動運行装置。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の自動運行装置であって、
    前記制御部は、前記地図データが最新版ではない場合、少なくとも夜間は、前記自動運転制御を実施しないように構成されている自動運行装置。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の自動運行装置であって、
    前記環境取得部は、前記周辺監視センサの出力信号に基づき、現在位置から所定距離に以内に特定地点が存在するか否かを判定し、
    前記制御部は、前記地図データが最新版ではなくとも、前記環境取得部にて現在位置から所定距離以内に前記特定地点が存在すると判定されていない場合には、前記自動運転制御を実施可能に構成されており、
    前記特定地点には、合流地点、分岐地点、料金所、トンネル、交差点、曲率半径が所定値以下となる地点、及び勾配変化量が所定値以上となる地点の少なくとも何れか1つが含まれている自動運行装置。
  12. 請求項1から11の何れか1項に記載の自動運行装置であって、
    前記地図管理部は、目的地が設定されたことに基づいて、当該目的地に向かう走行予定経路にかかる前記地図データが最新版ではあるか否かを判定し、
    前記制御部は、目的地時設定時において前記走行予定経路に前記地図データが最新版ではない区間が存在することが検出された場合には、前記自動運転制御が実施できないこと又は中断される可能性があること通知する自動運行装置。
  13. 請求項1から12の何れか1項に記載の自動運行装置であって、
    前記地図管理部は、目的地が設定されたことに基づいて、当該目的地に向かう走行予定経路にかかる前記地図データが最新版ではあるか否かを判定し、
    前記制御部は、目的地時設定時において前記走行予定経路上に前記地図データが最新版ではない区間が存在することが検出された場合には、前記地図データが最新版ではない区間を迂回する経路を提案するように構成されている自動運行装置。
  14. 少なくとも1つのプロセッサ(31)によって実行される、ローカルメモリに保存されている地図データを用いて車両を自律的に走行させるための車両制御方法であって、
    前記ローカルメモリに保存されている前記地図データが最新版であるか否かを判定することと、
    前記車両の走行環境を取得することと、
    前記ローカルメモリに保存されている前記地図データと、前記車両に搭載されている周辺監視センサからの信号と、に基づいて前記車両を自律的に走行させる自動運転制御を実行することと、
    前記ローカルメモリに保存されている前記地図データが最新版ではないことが検出されている場合であっても前記走行環境が所定の補完条件を充足している場合には、前記自動運転制御の実施を許可することと、を含む車両制御方法。
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