JP2023074914A - 電力変換装置 - Google Patents

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Seiichiro NISHIMACHI
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Abstract

【課題】筐体を車両側部材に固定することにより、ノイズ抑制効果が得られる電力変換装置を提供する。【解決手段】電力変換装置1は、複数の半導体モジュール2と、平滑コンデンサ3と、半導体モジュール2、平滑コンデンサ3を収容している筐体5とを備える。電力変換装置1は、導電性を有するシールド層41,42を備える。シールド層41,42は、筐体5に内蔵されている。シールド層41,42は、筐体本体50において筐体内面5aと筐体外面5bとの間に設けられている。電力変換装置1は、固定具12を用いて筐体5を車両側の設置台13に固定するために、筐体5に一体に設けられたカラー部材8を備える。カラー部材8は、導電性を有しかつ固定具12が挿通可能である。カラー部材8とシールド層41,42とは導電可能に結合されている。【選択図】図2

Description

この明細書における開示は、電力変換装置に関する。
特許文献1には、樹脂からなるケースボディにメッキ層を形成したケースを備えるマイクロホンが記載されている。
特開2008-67383号公報
特許文献1の装置は、ケースを接地するために、接着剤、PCB基板、接続パターン、接続端子等の構成要素を必要とする。この装置によれば、電磁波などのノイズの遮断と接地とを達成するための構成に関して、改善の余地が十分にあり、改良が求められる。
本開示の1つの目的は、筐体を車両側部材に固定することにより、ノイズ抑制効果が得られる電力変換装置を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、1つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するため、開示された態様は、
電力を変換する電力変換装置(1)であって、
複数の半導体モジュール(2)と、
半導体モジュールと通電可能に接続されているコンデンサ(3,4)と、
半導体モジュール及びコンデンサを収容している筐体(5)と、
導電性を有する層であって、筐体における内面(5a)と外面(5b)との間に内蔵され、筐体の内部空間(5c)を覆うように延びている被内蔵シールド層(41,42)と、
固定具(12)を用いて筐体を車両側部材(13)に固定するために筐体に一体に設けられて、導電性を有しかつ固定具が挿通可能なカラー部材(8,108)と、
を備え、
カラー部材と被内蔵シールド層とは導電可能に接続されている電力変換装置である。
上記態様によれば、カラー部材に挿通した固定具を用いて筐体を車両側部材に固定することにより、被内蔵シールド層をカラー部材を通じて車両側部材に接地できる。これにより、被内蔵シールド層に伝達した電磁ノイズをカラー部材を介して車両側部材に移動させる構成を提供できる。したがって、筐体を車両側部材に固定することにより、ノイズ抑制効果が得られる電力変換装置を提供できる。
しかも、被内蔵シールド層は、筐体において内面と外面との間に内蔵されている。このため、被内蔵シールド層が筐体の内面又は外面から剥がれて被内蔵シールド層によるノイズ抑制効果が低下する、ということが生じにくくなっている。したがって、筐体において被内蔵シールド層によるノイズ抑制効果を維持することができる。
第1実施形態の電力変換装置に係る回路図である。 第1実施形態の電力変換装置の概要構成を示す断面図である。 第2実施形態の電力変換装置の概要構成を示す断面図である。 第3実施形態の電力変換装置の概要構成を示す断面図である。 第4実施形態の電力変換装置を示す部分断面図である。 第5実施形態の電力変換装置を示す部分断面図である。 第6実施形態の電力変換装置を示す部分断面図である。 第7実施形態の電力変換装置の概要構成を示す断面図である。 第8実施形態の電力変換装置の概要構成を示す断面図である。 第9実施形態の電力変換装置の概要構成を示す断面図である。 第10実施形態の電力変換装置を示す部分断面図である。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
<第1実施形態>
電力変換装置の一例を開示する第1実施形態について図1及び図2を参照しながら説明する。電力変換装置は、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載された車載用電力変換装置に適用することができる。明細書に明示の目的を達成可能な電力変換装置は、例えば、インバータ装置、コンバータ装置等に適用することができる。この実施形態では、インバータ装置に適用した電力変換装置を以下に説明する。
電力変換装置1は、インバータ回路200を備えている。図1に示すように、インバータ回路200は、複数の半導体モジュール2を備えている。半導体モジュール2が備える半導体素子20をオンオフさせることにより、直流電源100から供給される直流電力を交流電力に変換している。半導体素子20は、例えばIGBT素子である。車両は、得られた交流電力を用いて三相交流モータ110を駆動して走行する。平滑コンデンサ3は、半導体モジュール2に対して並列に接続されている。Yコンデンサ4の1つは、正極配線に接続され、グランドに接続されている。Yコンデンサ4の1つは、負極配線に接続され、グランドに接続されている。車両においてYコンデンサ4は、電力変換装置1のケースグランドを介してシャーシ等のボディグランドに電気的に接続される。
図2に示すように、電力変換装置1は、電気部品を収容する筐体5を備える。筐体5には、複数の半導体モジュール2、平滑コンデンサ3、Yコンデンサ4、制御回路基板等が収容されている。平滑コンデンサ3は、通電可能に半導体モジュール2に接続されている。平滑コンデンサ3、Yコンデンサ4は、筐体5に固定されている。平滑コンデンサ3、Yコンデンサ4は、ボルト、ねじ、リベット等の固定具61、溶接結合、ろう付け結合等の結合手段により支持台62に固定されている。以下、平滑コンデンサ3とYコンデンサ4は、総称してコンデンサと称することがある。
支持台62は、筐体5に一体に設けられ、又は筐体5に装着されている。支持台62は、筐体5と同様の材質又は異なる材質によって形成されている。支持台62は、端子やバスバ等の連結部材6を介してコンデンサに連結されている。この構成により、コンデンサと支持台62は導電する状態で連結されている。支持台62は、図示しない支持導電部を有している。支持導電部は、金属材料等の導電性材料を含んで形成されており、導電性を有している。支持導電部は、連結部材6に導電可能に接続されている。
筐体5は容器を形成する。筐体5は、内部空間5cを有している。筐体5は、筐体内面5a及び筐体外面5bを有している。筐体内面5aは、筐体5の内面であり、内部空間5cを形成している。筐体外面5bは、筐体5の外面であり、筐体内面5aに沿って延びている。
筐体5は、筐体本体50、シールド層41,42及び接続層43,44を有している。シールド層41,42及び接続層43,44は、筐体本体50に内蔵されていることで筐体5に内蔵されている。筐体本体50は、筐体内面5a及び筐体外面5bを形成している。筐体本体50は、内部空間5cを形成しており、内部空間5cに沿って延びている。筐体本体50は、樹脂材料を含んで形成された樹脂成型品である。筐体本体50は、筐体5の樹脂部分である。筐体本体50は、電気絶縁性を有している。筐体本体50は、シールド層41,42及び接続層43,44を内蔵しており、シールド内蔵部に相当する。筐体本体50は、シールド層41,42及び接続層43,44を被覆した状態になっている。シールド層41,42及び接続層43,44は、筐体5の型成形時にインサート成形することにより、筐体5の樹脂部分と一体に成形される。
筐体5は、複数のケース部材を組み合わせて形成されている。筐体5は、少なくとも第1ケース部材と第2ケース部材とを含んでいる。例えば、第1ケース部材は、制御回路基板、半導体モジュール2、コンデンサ等の周囲を取り囲む下部ケース51である。制御回路基板、半導体モジュール2、コンデンサ等は、筐体5の内部空間5cに収容されている。例えば下部ケース51の内部空間に収容されている。例えば、第2ケース部材は、下部ケース51の内部空間を覆うように下部ケース51に装着されているカバー部材52である。カバー部材52は下部ケース51に対して上部から蓋をするように一体に固定されている。
下部ケース51は、底壁部510と、底壁部510の周縁から立設する側壁部511と、接合部512と、被固定部513とを一体に備えている。底壁部510は、筐体5の底部に相当し、半導体モジュール2、支持台62、コンデンサ等が設置されている。側壁部511は、半導体モジュール2及びコンデンサの周囲を取り囲み、底壁部510に対して垂直に上方へ延びる周囲壁である。側壁部511と底壁部510は、下部ケース51の内部空間を区画形成している。
カバー部材52は、天壁部520と、天壁部520の周縁から立設する側壁部521と、接合部522と、を一体に備えている。天壁部520は、筐体5の天井部に相当し、半導体モジュール2、支持台62、コンデンサ等を上方において覆っている。側壁部521は、天壁部520に対して垂直に下方へ延びる周囲壁である。側壁部521と天壁部520は、下部ケース51の内部空間における上方部分を形成している。
シールド層41,42は、導電性を有しており、内部空間5cを覆うように筐体5に設けられている。シールド層41,42は、筐体本体50に内蔵されていることで筐体5に内蔵されており、被内蔵シールド層に相当する。シールド層41,42は、筐体本体50に埋め込まれた状態になっている。シールド層41,42は、筐体内面5aと筐体外面5bとの間に設けられており、内部空間5cに沿って層状に延びている。シールド層41,42は、面形成部の厚さ方向において筐体内面5a及び筐体外面5bのいずれからも離間した位置にある。
筐体本体50は、筐体内側部50a及び筐体外側部50bを有している。筐体内側部50aは、筐体内面5aを形成しており、筐体本体50においてシールド層41,42の内側部分である。筐体内側部50aは、ケース内側部51a及びカバー内側部52aを含む。筐体外側部50bは、筐体外面5bを形成しており、筐体本体50においてシールド層41,42の外側部分である。筐体外側部50bは、ケース外側部51b及びカバー外側部52bを含む。シールド層41,42は、筐体内側部50aと筐体外側部50bとの間に設けられている。シールド層41,42は、筐体内側部50aと筐体外側部50bとの境界部に沿って延びている。筐体内側部50aが内蔵内側部に相当し、筐体外側部50bが内蔵外側部に相当する。
下部ケース51は、ケースシールド層41、ケース接続層43及びケース内蔵部51cを有している。ケースシールド層41は、ケース内蔵部51cに内蔵されていることで下部ケース51に内蔵されている。ケース内蔵部51cは、筐体本体50に含まれている。ケース内蔵部51cは、下部ケース51の内面及び外面を形成している。下部ケース51においては、内面が筐体内面5aに含まれており、外面が筐体外面5bに含まれている。
ケース内蔵部51cは、ケース内側部51a及びケース外側部51bを有している。ケース内側部51aは、下部ケース51の内面を形成している部位である。ケース外側部51bは、下部ケース51の外面を形成している部位である。ケース内側部51aが筐体内側部50aに含まれており、ケース外側部51bが筐体外側部50bに含まれている。ケースシールド層41は、ケース内側部51aとケース外側部51bとの間に設けられている。ケースシールド層41は、ケース内側部51aとケース外側部51bとの境界部に沿って延びている。ケースシールド層41は、ケース内蔵部51cの厚さ方向に直交する方向に延びている。ケース内側部51aとケース外側部51bとは、ケースシールド層41を介してケース内蔵部51cの厚さ方向に重ねられた状態になっている。
ケースシールド層41は、ケース内蔵部51cにおいて、底壁部510と側壁部511とにかけ渡されるようにして底壁部510及び側壁部511のそれぞれに内蔵されている。底壁部510及び側壁部511においては、内面510a,511aを形成する部位がケース内側部51aに含まれている。また、外面510b,511bを形成する部位がケース外側部51bに含まれている。下部ケース51においては、接合部512及び被固定部513がケース外側部51bに含まれている。
ケースシールド層41は、底壁シールド部410及び側壁シールド部411を有している。底壁シールド部410は、底壁部510に内蔵されている。底壁シールド部410は、底壁部510において内面510aと外面510bとの間に設けられている。底壁シールド部410は、内面510a及び外面510bのいずれからも離間した位置にある。底壁シールド部410は、内面510a及び外面510bに沿って延びている。底壁部510においては、内面510aを形成する部位が筐体内側部50aに含まれ、外面510bを形成する部位が筐体外側部50bに含まれている。
側壁シールド部411は、側壁部511に内蔵されている。側壁シールド部411は、側壁部511において内面511a及び外面511bとの間に設けられている。側壁シールド部411は、内面511a及び外面511bのいずれからも離間した位置にある。側壁シールド部411は、内面511a及び外面511bに沿って延びている。側壁部511においては、内面511aを形成する部位が筐体内側部50aに含まれ、外面511bを形成する部位が筐体外側部50bに含まれている。
カバー部材52は、カバーシールド層42、カバー接続層44及びカバー内蔵部52cを有している。カバーシールド層42は、カバー内蔵部52cに内蔵されていることでカバー部材52に内蔵されている。カバー内蔵部52cは、筐体本体50に含まれている。カバー内蔵部52cは、カバー部材52の内面及び外面を形成している。カバー部材52においては、内面が筐体内面5aに含まれており、外面が筐体外面5bに含まれている。
カバー内蔵部52cは、カバー内側部52a及びカバー外側部52bを有している。カバー内側部52aは、カバー部材52の内面を形成している部位である。カバー外側部52bは、カバー部材52の外面を形成している部位である。カバー内側部52aが筐体内側部50aに含まれており、カバー外側部52bが筐体外側部50bに含まれている。カバーシールド層42は、カバー内側部52aとカバー外側部52bとの間に設けられている。カバーシールド層42は、カバー内側部52aとカバー外側部52bとの境界部に沿って延びている。カバーシールド層42は、カバー内蔵部52cの厚さ方向に直交する方向に延びている。カバー内側部52aとカバー外側部52bとは、カバーシールド層42を介してカバー内蔵部52cの厚さ方向に重ねられた状態になっている。
カバーシールド層42は、カバー内蔵部52cにおいて、天壁部520と側壁部521とにかけ渡されるようにして天壁部520及び側壁部521のそれぞれに内蔵されている。天壁部520及び側壁部521においては、内面520a,521aを形成する部位がカバー内側部52aに含まれている。また、外面520b,521bを形成する部位がカバー外側部52bに含まれている。カバー部材52においては、接合部522がカバー外側部52bに含まれている。
カバーシールド層42は、天壁シールド部420及び側壁シールド部421を有している。天壁シールド部420は、天壁部520に内蔵されている。天壁シールド部420は、天壁部520において内面520aと外面520bとの間に設けられている。天壁シールド部420は、内面520a及び外面520bのいずれからも離間した位置にある。天壁シールド部420は、内面520a及び外面520bに沿って延びている。天壁部520においては、内面520aを形成する部位が筐体内側部50aに含まれ、外面520bを形成する部位が筐体外側部50bに含まれている。
側壁シールド部421は、側壁部521に内蔵されている。側壁シールド部421は、側壁部521において内面521aと外面521bとの間に設けられている。側壁シールド部421は、内面521a及び外面521bのいずれからも離間した位置にある。側壁シールド部421は、内面521a及び外面521bに沿って延びている。側壁部521においては、内面521aを形成する部位が筐体内側部50aに含まれ、外面521bを形成する部位が筐体外側部50bに含まれている。
シールド層41,42は、内部空間5cを覆うように筐体5に内蔵されている。ケースシールド層41は、内部空間5cを下部から覆うように下部ケース51に内蔵されている。カバーシールド層42は、内部空間5cを上部から覆うようにカバー部材52に内蔵されている。シールド層41,42は、磁気をシールドすることが可能であり、磁気シールド部と称されることがある。シールド層41,42は、筐体5の内部にて発生した電磁ノイズが筐体5の外部に漏洩することを規制可能である。また、シールド層41,42は、筐体5の外部にて発生した電磁ノイズが筐体5の内部に進入することを規制可能である。例えば、ケースシールド層41は、電磁ノイズが下部ケース51を透過することを規制可能である。カバーシールド層42は、電磁ノイズがカバー部材52を透過することを規制可能である。
シールド層41,42は、金属材料等の導電性材料を含んで形成されており、導電性を有している。シールド層41,42の導電率は、筐体本体50の導電率よりも高い。例えば、ケースシールド層41の導電率は、ケース内蔵部51cの導電率よりも高い。カバーシールド層42の導電率は、カバー内蔵部52cの導電率よりも高い。本実施形態では、単位体積当たりの導電率を単に導電率と称する。
シールド層41,42は、鉄等の磁性材を含んで形成されており、磁性を有している。シールド層41,42に含まれる磁性材は、磁性材料及び強磁性材料などである。シールド層41,42の磁性は、筐体本体50の磁性よりも高い。例えば、ケースシールド層41の磁性は、ケース内蔵部51cの磁性よりも高い。カバーシールド層42の磁性は、カバー内蔵部52cの磁性よりも高い。
シールド層41,42は、薄肉状の薄肉部材により形成されており、筐体本体50の厚さ方向に直交する方向に延びている。薄肉部材としては、シート状のシート部材及び薄板状の板部材などがある。シールド層41,42の少なくとも一部は、多数の孔を有する多孔部材により形成されている。多数の孔は、シールド層41,42を厚さ方向に貫通しており、シールド層41,42の層面に沿って並べられている。シールド層41,42を形成する多孔部材としては、網目状のメッシュ部材がある。シールド層41,42においては、メッシュ部材が有する多数の網目により多数の孔が形成されている。
筐体本体50においては、筐体内側部50aと筐体外側部50bとがメッシュ部材の網目を介して接続されている。筐体内側部50aと筐体外側部50bとは、シールド層41,42が有する網目等の孔を介して、多数の部位にて互いに一体的に接続されている。下部ケース51においては、ケース内側部51aとケース外側部51bとが、ケースシールド層41が有する多数の網目を介して多数の部位で接続されている。底壁部510及び側壁部511のそれぞれにおいて、内面510a,511a側の部位と外面510b,511b側の部位とが、ケースシールド層41の網目を介して多数の部位で接続されている。カバー部材52においては、カバー内側部52aとカバー外側部52bとが、カバーシールド層42が有する多数の網目を介して互いに接続されている。天壁部520及び側壁部521において、内面520a,521a側の部位と外面520b,521b側の部位とが、カバーシールド層42の網目を介して多数の部位で接続されている。
接合部522は、側壁部521から外方に突出するフランジ部を形成する。接合部512は、カバー部材52の接合部522に接合される部分である。接合部512、接合部522は、それぞれ、下部ケース51とカバー部材52とが組み合わされる接合方向に対して直交する平面をなす接合面512a、接合面522aを有する。接合部512と接合部522は、接合面512aと接合面522aとが対向した状態で、ボルト、ねじ等の固定具11とカラー部材7とによって接合されている。接合部512,522は、接合面512a,522aとは反対側の反対面512b,522bを有している。
カラー部材7は、第1カラー71と第2カラー72とを含み、筐体5に一体に設けられている。カラー部材7は、固定具11を支持し接合部512,522を補強する補強部材である。第2カラー72は、軸方向に貫通する貫通孔72aを備える筒状体である。第2カラー72の貫通孔72aは、固定具11の軸部が挿通可能な内径寸法に形成されている。第1カラー71は、軸方向に貫通する貫通孔71aを備える筒状体である。貫通孔71aを形成する第1カラー71の内周面には、雌ねじが形成されている。この雌ねじは、固定具11の軸部に形成された雄ねじが螺合可能なように形成されている。第1カラー71及び第2カラー72は、金属材料等の導電性材料を含んで形成されており、導電性を有している。第1カラー71及び第2カラー72の導電率は、筐体本体50の導電率よりも高い。また、第1カラー71及び第2カラー72の導電率は、シールド層41,42の導電率、及び接続層43,44の導電率のいずれよりも高い。
第1カラー71は、軸方向一端部が接合面512aよりもわずかに突出した状態で、接合部512に一体に設けられている。第1カラー71の軸方向他端部は、接合部512に埋設されている。第1カラー71は、下部ケース51を形成する金型内にインサートされ、周囲の樹脂部分が固化することで樹脂と一体に成形される。
第2カラー72は、接合部522を軸方向に貫通するように、接合部522に一体に設けられている。第2カラー72は、軸方向一端部が接合面522aよりもわずかに突出した状態で、接合部512に一体に設けられている。第2カラー72の軸方向他端部は、筐体5の外部に露出し、固定具11の頭部が接触している。固定具11の頭部は、軸部の軸方向他端部に一体に設けられた軸部よりも外径の大きい部分である。第2カラー72は、カバー部材52を形成する金型内にインサートされて周囲の樹脂部分の固化によって樹脂と一体に成形されることによって設けられる。
接合部512と接合部522は、第2カラー72に挿通した固定具11の雄ねじが第1カラー71の雌ねじに螺合することにより、接合される。接合部512と接合部522が固定具11とカラー部材7とによって接合された状態において第1カラー71の軸方向一端部と第2カラー72の軸方向一端部とは接触している。この接触状態により、第1カラー71と第2カラー72とは導電可能に接続されている。導電可能に接続された状態は、導通状態のことである。例えば、第1カラー71と第2カラー72とが導電可能に接続された構成では、第1カラー71と第2カラー72とが互いに導通した導通状態になっている。
接合部512と接合部522との間には、シール部16が設けられている。シール部16は、導電性及び弾性を有するシールパッキンであり、カバー部材52と下部ケース51との間に介在して両者間を封止している。このシール部16は、導電性を有する、シート状部材、グリス、ジェル状物体によって構成することができる。シール部16は、シールド層41,42及び接続層43,44から離間した位置にある。ケースシールド層41及びケース接続層43は、接合面512aから離間した位置にあることでシール部16から離間した位置にある。カバーシールド層42及びカバー接続層44は、接合面522aから離間した位置にあることでシール部16から離間した位置にある。なお、シール部16は、導電性を有していなくてもよい。
接続層43,44は、金属材料等の導電性材料を含んで形成されており、導電性を有している。接続層43,44の導電率は、筐体本体50の導電率よりも高く、例えばシールド層41,42の導電率とほぼ同じである。例えば、ケース接続層43の導電率は、ケース内蔵部51cの導電率よりも高い。カバー接続層44の導電率は、カバー内蔵部52cの導電率よりも高い。
接続層43,44は、薄肉状の薄肉部材により形成されている。薄肉部材としては、シート状のシート部材、及び薄板状の板部材などがある。接続層43,44は、多数の孔を有する多孔部材により形成されている。多数の孔は、接続層43,44を厚さ方向に貫通しており、接続層43,44の層面に沿って並べられている。接続層43,44を形成する多孔部材としては、網目状のメッシュ部材がある。接続層43,44においては、メッシュ部材が有する多数の網目により多数の孔が形成されている。
なお、ケース接続層43とケースシールド層41とは、例えば1つのメッシュ部材等により一体的に形成されていてもよい。カバー接続層44とカバーシールド層42とは、例えば1つのメッシュ部材等により一体的に形成されていてもよい。
接続層43,44は、筐体5に内蔵された状態で、カラー部材7を介してケースシールド層41とカバーシールド層42とを導電可能に接続している。接続層43,44は、カラー部材7を介してケースシールド層41とカバーシールド層42とを導通状態にしている。ケース接続層43は、ケースシールド層41及び第1カラー71のそれぞれに導電可能に接続されている。例えばケース接続層43は、ケースシールド層41及び第1カラー71の両方に接触している。ケースシールド層41と第1カラー71とは、ケース接続層43を介して導電可能に接続されている。カバー接続層44は、カバーシールド層42及び第2カラー72のそれぞれに導電可能に接続されている。例えばカバー接続層44は、カバーシールド層42及び第2カラー72の両方に接触している。カバーシールド層42と第2カラー72とは、カバー接続層44を介して導電可能に接続されている。
ケース接続層43は、下部ケース51に内蔵されている。例えばケース接続層43は、ケース外側部51bに内蔵されている。ケース接続層43は、接合部512を介して側壁部511と被固定部513とにかけ渡されるようにして、側壁部511、接合部512及び被固定部513に内蔵されている。ケースシールド層41とケース接続層43との接続部分は、側壁部511に内蔵されている。ケース接続層43においてケースシールド層41とは反対側の端部は、被固定部513から外部に露出していてもよく、露出していなくてもよい。
ケース接続層43は、接合部512及び被固定部513の厚さ方向に直交する方向に層状に延びている。ケース接続層43は、接合面512a及び表面513aに沿って延びている。ケース接続層43は、接合部512において接合面512aと反対面512bとの間に設けられている。ケース接続層43は、被固定部513において表面513aと設置面513bとの間に設けられている。ケース接続層43は、接合面512a、反対面512b、表面513a及び設置面513bのいずれからも離間した位置にある。第1カラー71は、ケース接続層43を貫通した状態になっている。ケース接続層43は、第1カラー71の外周面に接触している。ケース接続層43と第1カラー71とは半田や溶接等により固定されていてもよい。
カバー接続層44は、カバー部材52に内蔵されている。例えばカバー接続層44は、カバー外側部52bに内蔵されている。カバー接続層44は、側壁部521と接合部522とにかけ渡されるようにして、側壁部521及び接合部522に内蔵されている。カバーシールド層42とカバー接続層44との境界部は、側壁部521に内蔵されている。カバー接続層44においてカバーシールド層42とは反対側の端部は、接合部522から外部に露出していてもよく、露出していなくてもよい。
カバー接続層44は、接合部522の厚さ方向に直交する方向に層状に延びている。カバー接続層44は、接合面522aに沿って延びている。カバー接続層44は、接合部522において接合面522aと反対面522bの間に設けられている。カバー接続層44は、接合面522a及び反対面522bのいずれからも離間した位置にある。第2カラー72は、カバー接続層44を貫通した状態になっている。カバー接続層44は、第2カラー72の外周面に接触している。カバー接続層44と第2カラー72とは半田や溶接等により固定されていてもよい。
被固定部513は、接合部512よりも外側に延びる板状部であり、設置台13に固定される部分である。設置台13は、車両のシャーシ、ボディ、車両に搭載されている部材である車両側部材の1つである。設置台13は、車両に搭載されたモータ装置等の機能部品である車両側部材の1つである。設置台13は、金属材料等の導電性材料を含んで形成されており、導電性を有している。被固定部513は、筐体5の周方向について接合部512と同等位置に設けられる構成でもよいし、接合部512に対して周方向にずらした位置に設けられる構成でもよい。被固定部513は、接合面512aと同じ側に位置する表面513aと、設置台13に対向する平面をなす設置面513bを有する。被固定部513と設置台13は、設置面513bと設置台13の外面とが対向した状態で、ボルト、ねじ等の固定具12とカラー部材8とによって接合されている。
カラー部材8は、被固定部513に一体に設けられている。カラー部材8は、被固定部513を貫通した状態になっており、貫通カラー部材に相当する。カラー部材8は、固定具12を支持し被固定部513を補強する補強部材である。カラー部材8は、軸方向に貫通する貫通孔8aを備える筒状体である。カラー部材8の貫通孔8aは、固定具12の軸部が挿通可能な内径寸法に形成されている。設置台13には、例えば、固定具12の軸部に形成された雄ねじが螺合可能に形成された雌ねじが設けられている。また、設置台13は、固定具12の軸部が挿通可能な貫通孔が設けている構成でもよい。この場合、被固定部513と設置台13は、ボルトとナットによって構成された固定具12とカラー部材8とによって一体に固定される。カラー部材8は、金属材料等の導電性材料を含んで形成されており、導電性を有している。カラー部材8の導電率は、筐体本体50の導電率よりも高い。また、カラー部材8の導電率は、シールド層41,42の導電率、及び接続層43,44の導電率のいずれよりも高い。
カラー部材8は、被固定部513を軸方向に貫通するように、被固定部513に一体に設けられている。カラー部材8は、ケース接続層43及び設置台13のそれぞれに導電可能に接続されている。カラー部材8は、軸方向一端部が被固定部513の表面513aよりもわずかに突出し軸方向他端部が設置台13に接触する状態で、被固定部513に一体に設けられている。カラー部材8は、ケース接続層43を貫通した状態になっている。ケース接続層43は、カラー部材8の外周面に接触している。ケース接続層43と設置台13とは、カラー部材8を介して導電可能に接続されている。カラー部材8は、下部ケース51を形成する金型内にインサートされ、周囲の樹脂部分が固化することで樹脂と一体に成形される。ケース接続層43とカラー部材8とは半田や溶接等により固定されていてもよい。
カラー部材8とシールド層41,42とは、接続層43,44及びカラー部材7を介して導電可能に接続されている。すなわち、カラー部材8とシールド層41,42とは導通状態になっている。ケース接続層43は、カラー部材8とケースシールド層41とのそれぞれに接触していることで、カラー部材8とケースシールド層41とを導電可能に接続している。ケース接続層43は、導電接続部及び導電接続層に相当する。
筐体5の内部空間は、例えば、隔壁部によって、コンデンサ収容空間と半導体モジュール収容空間とに区画されている。半導体モジュール収容空間には、半導体モジュール2の他に、制御回路基板等が設置されている。
平滑コンデンサ3、Yコンデンサ4は、半導体モジュール2に電気的に接続されている。平滑コンデンサ3は、半導体モジュール2に加わる直流電圧を平滑化する。平滑コンデンサ3は、コンデンサ素子、封止部材、端子等を備える。平滑コンデンサ3は、コンデンサ収容部に収容されたコンデンサ素子と、コンデンサ収容空間に充填されてコンデンサ素子を封止する封止部材とを備える。封止部材は、平滑コンデンサ3のコンデンサ素子やYコンデンサ4のコンデンサ素子をコンデンサ収容空間において封止している。封止部材は、平滑コンデンサ3やYコンデンサ4における外装部に相当する。コンデンサ素子は、電極板等に接続されている。例えば、コンデンサ素子にはフィルムコンデンサを用いることができる。
封止部材は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる。封止部材は、コンデンサ素子及び端子と、コンデンサ収容部との間の隙間を充填されている。この構成により、封止部材は、コンデンサ素子及び端子等を封止している。端子等の一部は例えば連結部材6として、封止部材から突出している。
コンデンサを製造する際には、コンデンサ収容空間にコンデンサ素子を収納し、さらに未硬化の封止部材を注入する。そして熱を加えて封止部材を硬化させて、コンデンサを製造する。また、コンデンサは、コンデンサ素子を収容する外装ケースを備える構成でもよい。コンデンサは、素子を被覆するフィルムを外装部とする構成でもよい。
平滑コンデンサ3及びYコンデンサ4は、連結部材6及び支持台62を介してケースシールド層41に導電可能に接続されている。支持台62は、ケースシールド層41に導電可能に接続されている。支持台62においては、支持導電部がケースシールド層41に導電可能に接続されている。支持台62は、支持突出部63及び支持埋込部64を有している。支持突出部63は、下部ケース51から内部空間5cに突出している。支持突出部63は、支持埋込部64から天壁部520に向けて延びている。固定具61は、支持突出部63に含まれている。
支持台62の一部は下部ケース51に埋め込まれており、この埋め込まれた部位が支持埋込部64である。支持埋込部64は、底壁部510に埋め込まれている。支持埋込部64は、底壁部510の厚さ方向にケースシールド層41を貫通した状態になっている。ケースシールド層41は、支持埋込部64の外周面に接触している。支持台62が埋込支持台に相当する。支持台62においては、支持導電部が支持突出部63と支持埋込部64とにかけ渡されるようにして設けられている。支持導電部は、支持埋込部64においてケースシールド層41に接触しており、ケースシールド層41に導電可能に接続されている。
なお、支持埋込部64は、ケースシールド層41に接触していれば、ケースシールド層41を貫通していなくてもよい。例えば、支持埋込部64の端面がケースシールド層41に重なった状態で、支持埋込部64とケースシールド層41とが接触していてもよい。また、支持埋込部64は、ケースシールド層41に導電可能に接続されていれば、ケースシールド層41に接触していなくてもよい。例えば、支持埋込部64は、導電性を有する部材を介してケースシールド層41に間接的に接続されていてもよい。
半導体モジュール2は、半導体素子20を内蔵した本体部と、本体部から突出したパワー端子及び制御端子とを備える。半導体モジュール2は、パワーモジュールとも呼ばれる。パワー端子は、直流電圧が加わる入力端子と、三相交流モータ110側の出力側バスバに接続されている出力端子とを含む。入力端子は、コンデンサの端子に接続され、入力側バスバを介して直流電源100の出力部に電気的に接続されている。制御端子は、制御回路基板に接続されている。制御回路基板は、半導体素子20の動作を制御する演算素子等の電子部品が実装されている回路基板を構成する。半導体素子20のオンオフ動作は、制御回路基板によって制御される。この制御により、直流電源100から供給される直流電力を交流電力に変換している。
制御回路基板は、例えば、下部ケース51に設けられたボスに支持された状態で固定されている。制御回路基板は、配線を介して、筐体5の外部に突出するコネクタに電気的に接続されている。このコネクタは、電力変換装置1の外部に設置された周辺機器に接続可能である。
電力変換装置1においては、電気部品等に障害を与える電磁ノイズが発生し、伝搬し、放射する構成を有している。以下、電磁ノイズはノイズと称することもある。電力変換装置1では、電力経路に高周波電流などを流れることにより、ノイズが伝搬している。例えば、スイッチング電源がノイズの発生源となる。スイッチング電源には、半導体によって電流を断続することにより電圧や周波数の変換を行う電気回路が含まれる。このように電流を断続する部位では、高周波エネルギが発生するため、このエネルギが伝搬や放射により外部に漏洩するとノイズ障害の原因になる。高周波エネルギは、コンデンサなどで吸収されるが、外部に漏洩する場合がある。また、電磁ノイズは、整流子などで電流が断続する開閉サージ現象の一種にも起因して、発生し得る。また、電力変換装置1においてコンデンサがノイズの発生源となる可能性もある。
電磁ノイズは、放射や伝搬により筐体5に伝達し、筐体5から外部に放出され得る。筐体5に伝達した電磁ノイズは、ノイズ障害を抑えるために、速やかに大地等に放出することが望まれる。電力変換装置1は、シールド層41,42及びカラー部材8を有することにより、電磁ノイズを速やかに大地等に放出することが可能な構成を備えている。
電力変換装置1は、入力側バスバと出力側バスバを含むバスバを備えている。電力変換装置1は、電力入出用のバスバを備えている。このバスバは、電力変換装置1において、入力側の端子部と出力側の端子部とを連絡する電力経路を形成する導電性部材である。このバスバは、半導体モジュール2とコンデンサの少なくとも1つに対して、入力側又は出力側に接続されている導電性部材である。このようなバスバは、電力経路の1つをなし、電磁ノイズを伝搬し得る。シールド層41,42は、バスバから放射されるノイズが筐体5を透過して外部に放出することを抑制できる。
次に、電力変換装置1の製造方法について説明する。電力変換装置1を製造する工程には、筐体5を製造する工程が含まれている。また、筐体5を製造する工程には、下部ケース51を製造する工程と、カバー部材52を製造する工程とが含まれている。
作業者は、下部ケース51を製造するための準備工程として、ケースシールド層41、ケース接続層43、第1カラー71、カラー部材8及び支持台62を準備する。作業者は、ケースシールド層41とケース接続層43と第1カラー71とカラー部材8と支持台62とを、互いに導電可能に接続させた状態でモールド成形用の金型に装着する。作業者は、金型を用いた射出成形により下部ケース51の樹脂部分を成形する。下部ケース51においては、インサート成形によりケースシールド層41、ケース接続層43、第1カラー71、カラー部材8及び支持台62が樹脂部分に一体化されている。下部ケース51の樹脂部分には、筐体本体50のうち下部ケース51を構成するケース内蔵部51c等の部位が含まれている。
作業者は、カバー部材52を製造するための準備工程として、カバーシールド層42、カバー接続層44及び第2カラー72を準備する。作業者は、カバーシールド層42とカバー接続層44と第2カラー72とを導電可能に接続させた状態でモールド成形用の金型に装着する。作業者は、金型を用いた射出成形によりカバー部材52の樹脂部分を成形する。カバー部材52においては、インサート成形によりカバーシールド層42、カバー接続層44及び第2カラー72が樹脂部分に一体化されている。カバー部材52の樹脂部分には、筐体本体50のうちカバー部材52を構成するカバー内蔵部52c等の部位が含まれている。
第1実施形態の電力変換装置1がもたらす作用効果について説明する。電力変換装置1は、複数の半導体モジュール2、半導体モジュール2と通電可能に接続されているコンデンサを少なくとも収容する筐体5を備える。電力変換装置1は、筐体内面5aと筐体外面5bとの間に内蔵されて内部空間5cを覆うように延びているシールド層41,42を備える。電力変換装置1は、固定具12を用いて筐体5を車両側部材に固定するために筐体5に一体に設けられて、導電性を有しかつ固定具12が挿通可能なカラー部材8を備える。電力変換装置1においてカラー部材8とシールド層41,42とは導電可能に接続されている。
電力変換装置1においては様々なノイズ源から発生した電波ノイズが発生する。電波ノイズとしては例えば電磁波がある。筐体5内に放射される電波ノイズは不具合を生じさせ得るので、速やかに排出することが求められる。電力変換装置1によれば、シールド層41,42は、電磁ノイズの放射や拡散を妨げることに寄与する。電力変換装置1によれば、カラー部材8に挿通した固定具12を用いて筐体5を車両側部材に固定することにより、シールド層41,42はカラー部材8を通じて車両側部材に接地する。これにより、シールド層41,42に伝達した電磁ノイズを、カラー部材8を介して速やかに車両側部材に移動可能な電力変換装置1を提供できる。電力変換装置1は、電磁ノイズ等が筐体5を介して筐体内や外部に空間伝導することを抑制できる。このように電力変換装置1は、簡易な構成により、筐体5を車両側部材に固定することでノイズ抑制効果を奏する。電力変換装置1は、筐体内の電気部品や筐体5の周囲に存在する周辺機器に対するノイズ障害を抑制できる。
例えば本実施形態とは異なり、シールド層が筐体5に内蔵されずに筐体内面5a及び筐体外面5bの少なくとも一方に重ねられた構成を想定する。この構成では、シールド層が筐体5の内側及び外側の少なくとも一方に露出した状態になっており、シールド層が筐体内面5a又は筐体外面5bから剥がれるように外れることが懸念される。この場合、筐体内面5a又は筐体外面5bからのシールド層の剥がれ発生に伴って、シールド層によるノイズ抑制効果が低下しやすくなる。
これに対して、本実施形態によれば、シールド層41,42は、筐体5において筐体内面5aと筐体外面5bとの間に内蔵されている。この構成では、筐体内面5a又は筐体外面5bからシールド層41,42が剥がれるということが回避される。このため、シールド層41,42の剥がれ発生に伴ってシールド層41,42によるノイズ抑制効果が低下するということが生じにくくなっている。このように、筐体5においてシールド層41,42によるノイズ抑制効果を適正に発揮させることができる。
電波ノイズ等の電磁波は、電界及び磁界の変化が空間伝搬として伝搬する波であり、電磁放射と称されることがある。電磁波は、電界の強さEと磁界の強さHとの積に応じて生じる。このため、シールド層41,42がカラー部材8を介して車両側部材に接地されていることで電界の強さEがゼロになり、電磁波が生じなくなる。一方、シールド層41,42が接地されていても、磁界の強さHはゼロにならず、電力変換装置1の全体に磁界が付与される。例えば磁界は、筐体5の内外に付与される。電力変換装置1に付与される磁界には、交流磁界及び直流磁界が含まれている。交流磁界はAC磁界と称され、直流磁界はDC磁界と称されることがある。
交流磁界は、シールド層41,42において渦電流損Peにより消費されやすい。渦電流損Peについては、例えば図2に示す式F1が成り立つ。式F1においては、Bが磁束、fが周波数、dが渦電流の流れる面の厚さ、ρが導電率である。渦電流損Peは、磁性を有していない非磁性材と磁性材とのいずれにおいても生じやすい。このため、シールド層41,42が磁性を有しているか否かに関係なく、交流磁界はシールド層41,42において渦電流損Peにより消費されやすい。すなわち、交流磁界はシールド層41,42により遮蔽されやすい。なお、シールド層41,42の厚さが大きいほど渦電流損Peが大きくなりやすく、交流磁界が遮蔽されやすい。
一方、直流磁界については渦電流損Peが生じないことに起因して、直流磁界が渦電流損Peにより消費されにくい。このため、例えば本実施形態とは異なり、シールド層41,42が磁性を有していない構成では、直流磁界は、シールド層41,42により遮蔽されにくい。このため、例えば直流磁界が筐体5を通過しにくい。電力変換装置1においては、スイッチング電源等に含まれる電気回路に直流磁界が付与されると、電気回路の内部にてノイズが発生しやすい。このノイズは、電気回路を流れている電流と外部から電気回路に付与される直流磁界とによって発生するノイズである。このノイズが発生すると、電気回路が搭載された基板の制御異常、及びこの基板の発熱などが生じることが考えられる。
これに対して、本実施形態によれば、シールド層41,42が磁性を有しているため、直流磁界は、磁性材を含むシールド層41,42を通りやすくなる。このため、交流磁界に加えて、直流磁界がシールド層41,42により遮蔽されやすくなる。したがって、電力変換装置1にて発生した電磁波が他の機器に影響を与えにくく、電力変換装置1が他の機器からの電磁波の影響を受けにくくなる。すなわち、EMC性能を高めることができる。EMC性能はEMC効果と称されることがある。
本実施形態によれば、筐体本体50においては、筐体内側部50aと筐体外側部50bとの間にシールド層41,42が設けられている。この構成では、筐体本体50からのシールド層41,42の剥がれや離脱を筐体内側部50a及び筐体外側部50bにより抑制できる。例えば、筐体内側部50aからシールド層41,42が剥がれることが筐体外側部50bにより抑制される。また、筐体外側部50bからシールド層41,42が剥がれることが筐体内側部50aにより抑制される。さらに、下部ケース51においては、ケースシールド層41の剥がれや離脱がケース内側部51a及びケース外側部51bにより抑制される。カバー部材52においては、カバーシールド層42の剥がれや離脱がカバー内側部52a及びカバー外側部52bにより抑制される。
本実施形態によれば、シールド層41,42において多孔部材が有する孔を介して筐体内側部50aと筐体外側部50bとが接続されている。この構成では、筐体内側部50aと筐体外側部50bとの間にシールド層41,42があっても、筐体内側部50aと筐体外側部50bとが分離するということが生じにくい。このため、筐体内側部50aと筐体外側部50bとの直接的な接続により、筐体内側部50aと共にシールド層41,42が筐体外側部50bから剥がれることを抑制できる。また、筐体外側部50bと共にシールド層41,42が筐体内側部50aから剥がれることを抑制できる。
本実施形態によれば、シールド層41,42においてメッシュ部材が有する網目を介して筐体内側部50aと筐体外側部50bとが接続されている。この構成では、シールド層41,42が有する層面の面積に対する孔面積の割合をメッシュ部材により極力大きくできる。このため、シールド層41,42の網目を介して接続されている、筐体内側部50aと筐体外側部50bとの接続面積を極力大きくできる。したがって、筐体内側部50aと共にシールド層41,42が筐体外側部50bから剥がれること、及び筐体外側部50bと共にシールド層41,42が筐体内側部50aから剥がれることを、より確実に抑制できる。
カラー部材8は、車両側部材に固定される筐体5の被固定部513を貫通した状態で設けられている。ケース接続層43は、ケースシールド層41及びカラー部材8のそれぞれに接触していることで、ケースシールド層41とカラー部材8とを導電可能に接続している。この構成によれば、被固定部513を車両側部材に固定具12を用いて固定することにより、カラー部材8が被固定部513と車両側部材とを電気的に橋渡しするように接続する。
さらにカラー部材8は、単位体積当たりの導電率がシールド層41,42よりも高いことが好ましい。この構成によれば、シールド層41,42において遮断した電磁ノイズを速やかにカラー部材8に移動させ、さらに車両側部材に伝搬させる電力変換装置1を提供できる。
本実施形態によれば、ケース接続層43が層状に延びているため、ケース接続層43とケースシールド層41及びカラー部材8との接続面積を大きくしやすい。このため、ケースシールド層41とカラー部材8とがケース接続層43を介して導電可能に接続された構成において、ケース接続層43とケースシールド層41及びカラー部材8との接続面積が不足する、ということを抑制できる。したがって、シールド層41,42によるノイズ抑制効果をケース接続層43により高めることができる。
本実施形態によれば、下部ケース51において支持台62とケースシールド層41とが導電可能に接続されている。この構成では、ノイズ排出経路に支持台62を含めることができる。このため、平滑コンデンサ3及びYコンデンサ4等にてノイズが発生したとしても、このノイズが支持台62から車両側部材に排出されやすい構成を実現できる。
筐体5は、ケースシールド層41が設けられた下部ケース51と、下部ケース51の内部空間を覆うように下部ケース51に装着されているカバー部材52とを含む。下部ケース51には、コンデンサに含まれるYコンデンサ4を導電可能に支持する支持台62と、カラー部材8とが設けられている。この構成によれば、Yコンデンサ4、支持台62、第1ケース部材、シールド層41,42、カラー部材8及び車両側部材にわたる経路をノイズ排出経路として提供できる。これにより、Yコンデンサ4に関わるノイズの排出を促進し、EMC性能の向上が図れる。
本実施形態によれば、支持台62の少なくとも一部が下部ケース51に埋め込まれてケースシールド層41に接触している。この構成では、支持台62とケースシールド層41との導電可能な接続部分が下部ケース51に埋め込まれているため、この接続部分が解除されにくくなっている。このため、支持台62を含むノイズ排出経路によるノイズ排出効果が低下することを抑制できる。
筐体5は、ケースシールド層41が設けられた下部ケース51と、カバーシールド層42が設けられ、下部ケース51に装着されているカバー部材52とを含む。下部ケース51は、カバー部材52に接合されている接合部512を備える。カバー部材52は、接合部512に接合されている接合部522を備える。電力変換装置1は、固定具11を用いて接合部512と接合部522を固定するために接合部512に一体に設けられた第1カラー71を備える。電力変換装置1は、固定具11を用いて接合部512と接合部522を固定するために接合部522に一体に設けられた第2カラー72を備える。第1カラー71と第2カラー72は、それぞれ導電性を有しかつ固定具11が挿通可能な筒状体である。接合部512と接合部522が固定具11によって接合された状態において第1カラー71と第2カラー72は接触している。第1カラー71とケースシールド層41とは導電可能に接合されている。第2カラー72とカバーシールド層42とは導電可能に接続されている。
この構成によれば、ケースシールド層41とカバーシールド層42とに伝搬したノイズを、カラー部材8を介して車両側部材へ排出できる。これにより、筐体5の全体にわたって伝搬したノイズの排出を促進し、EMC性能の向上が図れる。
筐体5においては、第1ケース部材と第2ケース部材との間に介在してシールするシール部16が設けられている。このため、シール部16によって下部ケース51とカバー部材52とのシール性を確保できる。しかも、シール部16は、カラー部材7に導電可能に接触している。このため、筐体5に滞留する電磁ノイズ等を、シールド層41,42に加えてシール部16によって遮蔽することができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、シールド層41,42とカラー部材7,8とが接続層43,44により導電可能に接続されていた。これに対して、第2実施形態では、シールド層41,42とカラー部材7,8とが接続棒45,46により導電可能に接続されている。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第2本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図3に示す筐体5は、接続棒45,46を有している。接続棒45,46は、上記第1実施形態の接続層43,44と同様に、筐体本体50に内蔵されていることで筐体5に内蔵されている。接続棒45,46は、筐体本体50により被覆された状態になっている。接続棒45,46は、筐体5の型成形時にインサート成形することにより、筐体5の樹脂部分と一体に成形される。下部ケース51はケース接続棒45を有しており、カバー部材52はカバー接続棒46を有している。ケース接続棒45は、ケース接続層43と同様に下部ケース51に内蔵されている。カバー接続棒46は、カバー接続層44と同様にカバー部材52に内蔵されている。
接続棒45,46は、金属材料等の導電性材料を含んで形成されており、導電性を有している。接続棒45,46の導電率は、筐体本体50の導電率よりも高い。例えば、ケース接続棒45の導電率は、ケース内蔵部51cの導電率よりも高い。カバー接続棒46の導電率は、カバー内蔵部52cの導電率よりも高い。また、接続棒45,46の導電率は、シールド層41,42の導電率よりも高く、例えば第1カラー71、第2カラー72及びカラー部材8の導電率とほぼ同じである。接続棒45,46は、棒状の棒部材により形成されている。棒部材としては、柱状の柱部材、及び筒状の筒部材などがある。
接続棒45,46は、筐体5に内蔵された状態で、カラー部材7を介してケースシールド層41とカバーシールド層42とを導電可能に接続している。接続棒45,46は、カラー部材7を介してケースシールド層41とカバーシールド層42とを導通状態にしている。接続棒45,46は、導電接続部に相当する。
ケース接続棒45は、ケースシールド層41及び第1カラー71のそれぞれに導通可能に接続されている。例えばケース接続棒45は、ケースシールド層41及び第1カラー71のそれぞれに接触している。ケース接続棒45においては、一方の端部がケースシールド層41の端部に接触しており、他方の端部が第1カラー71の外周面に接触している。ケース接続棒45とケースシールド層41及び第1カラー71との接触部分は、半田や溶接等により固定されていてもよい。
カバー接続棒46は、カバーシールド層42及び第2カラー72のそれぞれに導通可能に接続されている。例えばカバー接続棒46は、カバーシールド層42及び第2カラー72の両方に接触している。カバー接続棒46においては、一方の端部がカバーシールド層42の端部に接触しており、他方の端部が第2カラー72の外周面に接触している。カバー接続棒46とカバーシールド層42及び第2カラー72との接触部分は、半田や溶接等により固定されていてもよい。
カラー部材8は、ケース接続棒45及びカラー部材7を介してシールド層41,42に導電可能に接続されている。下部ケース51には、第1カラー71とケースシールド層41とを導電可能に接続するケース接続棒45に加えて、カラー部材8と第1カラー71とを導電可能に接続するケース接続棒45が含まれている。カラー部材8と第1カラー71とを導電可能に接続するケース接続棒45は、カラー部材8及び第1カラー71のそれぞれに接触している。このケース接続棒45においては、一方の端部がカラー部材8の外周面に接触しており、他方の端部が第1カラー71の外周面に接触している。これら接触部分は、半田や溶接等により固定されていてもよい。
なお、筐体5には、導電接続部として、接続層43,44及び接続棒45,46の両方が含まれていてもよい。例えば下部ケース51において、ケースシールド層41と第1カラー71とがケース接続層43により導電可能に接続されている一方で、カラー部材8と第1カラー71とがケース接続棒45により導電可能に接続されていてもよい。
<第3実施形態>
上記第1実施形態では、シールド層41,42がシール部16から離間した位置に設けられていた。これに対して、第3実施形態では、シールド層41,42とシール部16カラー部材7,8とが接続棒45,46により導電可能に接続されている。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第2実施形態と同様である。第3本実施形態では、上記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
図4に示す筐体5においては、ケースシールド層41とカバーシールド層42とが、導電性を有するシール部16を介して導電可能に接続されている。下部ケース51においては、ケースシールド層41がシール部16に接触している。ケースシールド層41においては、側壁シールド部411が接合面512aまで延びている。側壁シールド部411は、接合面512aから露出した状態になっており、シール部16に接触している。側壁シールド部411は、底壁シールド部410とシール部16とにかけ渡された状態になっている。側壁シールド部411は、ケース接続棒45を越えてシール部16に達している。
カバー部材52においては、カバーシールド層42がシール部16に接触している。カバーシールド層42においては、側壁シールド部421が接合面522aまで延びている。側壁シールド部421は、接合面522aから露出した状態になっており、シール部16に接触している。側壁シールド部421は、天壁シールド部420とシール部16とにかけ渡された状態になっている。側壁シールド部421は、カバー接続棒46を越えてシール部16に達している。
本実施形態によれば、ケースシールド層41及びカバーシールド層42がシール部16に接触している。この構成では、内部空間5cの全体をシールド層41,42及びシール部16により覆うことができる。このため、下部ケース51とカバー部材52との境界部において、電磁ノイズ等をシール部16とシールド層41,42とによって遮蔽でき、ノイズの漏れ抑制効果を向上できる。
なお、筐体5においては、シール部16がカラー部材7に接触していれば、シールド層41,42とカラー部材7とがシール部16を介して導電可能に接続された状態になる。この場合、シールド層41,42とカラー部材7とは接続層43,44や接続棒45,46により接続されていなくてもよい。
<第4実施形態>
上記第1実施形態では、カラー部材8が被固定部513を貫通するようにして筐体5に設けられていた。これに対して、第4実施形態では、カラー部材8を含むカラーユニット80が被固定部513に埋め込まれるようにして筐体5に設けられている。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第4本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図5に示す筐体5には、カラーユニット80が設けられている。カラーユニット80は、下部ケース51に埋め込まれた状態になっている。カラーユニット80は、カラー部材8及び導電体81を有している。導電体81は、カラー部材8と同様に、金属材料等の導電性材料を含んで形成されており、導電性を有している。導電体81の導電率はカラー部材8の導電率とほぼ同じになっている。カラーユニット80においては、カラー部材8と導電体81とが半田や溶接等により固定されることで一体化されている。導電体81は、例えば、棒状体、筒状体である。導電体81は、カラー部材8の軸方向に対して垂直な方向に延びる形状である。
導電体81は、カラー部材8とケースシールド層41とを導電可能に接続している。導電体81は、被固定部513と側壁部511とにかけ渡されるようにして下部ケース51に内蔵されている。導電体81は、被固定部513において表面513aと設置面513bとの間に設けられており、表面513a及び設置面513bに沿って延びている。導電体81においては、一端側の部位がカラー部材8に接触しており、他端側の部位がケースシールド層41に接触している。導電体81は、ケースシールド層41を貫通した状態になっている。導電体81の外周面とケースシールド層41とが接触しており、この接触部分が半田や溶接等により固定されている。導電体81においてカラー部材8とは反対側の端部は、筐体内面5aから露出していてもよく、露出していなくてもよい。なお、導電体81は導電接続部に相当する。
カラーユニット80は、筐体5の型成形時にインサート成形することにより、筐体5の樹脂部分と一体に成形される。導電体81は、被固定部513に内蔵されていることで被固定部513を補強しており、補強部材と称されることがある。筐体5については、導電体81を介してケースシールド層41とカラー部材8とを導通させてノイズの排出を促進し、EMC性能の向上を図ることができる。
なお、下部ケース51においては、接合部512と被固定部513とが互いに離間した位置に設けられていてもよい。例えば本実施形態においては、被固定部513がカバー部材52とは反対側に向けて接合部512から離間した位置にある。下部ケース51においては、カラー部材8がカラー部材7を介さずにケースシールド層41に導電可能に接続されている。
<第5実施形態>
上記第1実施形態では、電力変換装置1が、ケースシールド層41に接触した支持台62を有していた。これに対して、第5実施形態では、電力変換装置1が、冷却部材14に接触した支持台162を有している。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第5本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図6に示す電力変換装置1は、冷却部材14及び支持台162を有している。冷却部材14は、半導体モジュール2を冷却することが可能な部材である。冷却部材14は、半導体モジュール2に接触し、又は熱伝導性部材を介して熱伝達可能に接触して、設けられている。また、冷却部材14は、筐体5に接触し、又は熱伝導性部材を介して熱伝達可能に接触する構成でもよい。伝導性部材は、導電性を有する又は非導電性である、シート状部材、グリス、ジェル状物体でもよい。冷却部材14は、プレート状であり、内部に冷却用流体が流通する流路14aを備えている。冷却部材14は、例えばボルト、ねじ等の固定具により筐体5に一体に固定されている。冷却部材14は、下部ケース51の一部として筐体5に設けられている。冷却部材14は、ケースシールド層41に接触し、ケースシールド層41と導通可能である。
支持台162は、上記第1実施形態の支持台62と同様に、連結部材6を支持しており、連結部材6に導電可能に接続されている。支持台162は、冷却部材14に接触した状態で冷却部材14に固定されている。支持台162は、下部ケース51に埋め込まれていない。支持台162と冷却部材14とは導電可能に接続されている。支持台162においては、支持導電部が冷却部材14に接触している。支持台162は、冷却部材14を介してケースシールド層41に導電可能に接続されている。支持台162は、冷却支持台と称されることがある。なお、支持台162は、冷却部材14に熱伝達可能に接触していてもよい。
第5実施形態の電力変換装置1は、半導体モジュール2を冷却可能な導電性を有する冷却部材14と、Yコンデンサ4を導電可能に支持する支持台162とを備える。支持台162は、冷却部材14に接触して設けられ、又はケースシールド層41を介して冷却部材14に導電可能に設けられている。これによれば、半導体モジュール2を冷却する機能と、Yコンデンサ4に関わるノイズの排出を促進する機能とを併せ持つ冷却部材14を提供でき、EMC性能の向上が図れる。
<第6実施形態>
上記第1実施形態では、カラー部材8がケース接続層43を介してケースシールド層41に導電可能に接続されていた。これに対して、第6実施形態では、カラー部材8がケースシールド層41に直接的に導電可能に接続されている。すなわち、カラー部材8がケースシールド層41に接触している。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第6本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図7に示す筐体5には、カラー部材108が設けられている。カラー部材108は、下部ケース51に埋め込まれた状態になっている。カラー部材108は、設置台13とケースシールド層41とを導電可能に接続している。カラー部材108は、設置台13及びケースシールド層41のそれぞれに接触している。カラー部材108は、導電カラー部材に相当する。
カラー部材108は、上記第1実施形態のカラー部材8と同様に、金属材料等の導電性材料を含んで形成されており、導電性を有している。カラー部材108の導電率は、筐体本体50の導電率よりも高く、例えばシールド層41,42の導電率、及び接続層43,44の導電率よりも高い。カラー部材108は、例えば、棒状体、筒状体、板状体である。カラー部材108は、貫通孔8aに直交する方向に延びる形状である。
カラー部材108は、車両側接触部8b及びシールド側接触部8cを有している。カラー部材108においては、一端側の部位が車両側接触部8bであり、他端側の部位がシールド側接触部8cである。
車両側接触部8bは、設置台13に接触しており、固定具12により設置台13に固定されている。車両側接触部8bには、固定具61が挿通される貫通孔8aが設けられている。車両側接触部8bは、貫通孔8aを形成している孔形成部である。車両側接触部8bは、固定具12の頭部と設置台13とによって挟まれて設置台13に固定されている。
シールド側接触部8cは、側壁部511に埋め込まれた状態になっている。シールド側接触部8cは、外面511bから側壁部511の内部に入り込んだ状態になっている。シールド側接触部8cは、側壁部511の内部においてケースシールド層41に接触している。シールド側接触部8cは、ケースシールド層41を貫通した状態になっている。シールド側接触部8cの外周面とケースシールド層41とが接触しており、この接触部分が半田や溶接等により固定されている。シールド側接触部8cは、筐体内面5aから露出していてもよく、露出していなくてもよい。
上記構成により、設置台13とケースシールド層41とはカラー部材108を介して導通する関係である。カラー部材108は、下部ケース51を形成するための金型内にシールド側接触部8cがインサートされ、周囲の樹脂部分が固化することで樹脂と一体に成形される。カラー部材108は、固定具12を支持するとともに被固定部としても機能する部材である。
本実施形態によれば、カラー部材108は、車両側接触部8bとシールド側接触部8cとを備える。この構成によれば、導電性を有するカラー部材108を側壁部511に一体に設けることにより、ケースシールド層41と車両側部材とを導通させることができる。
<第7実施形態>
第7実施形態では、筐体5が、被内蔵シールド層としてのシールド層41,42に加えて、内側シールド層55a,56aを有している。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第7本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図8に示す筐体5は、シールド層41,42及び内側シールド層55a,56aを有している。内側シールド層55a,56aは、筐体内面5aに重ねられている。内側シールド層55a,56aは、筐体内面5aに沿って延びており、筐体本体50に取り付けられている。内側シールド層55a,56aは、導電性を有しており、内部空間5cを覆うように筐体5に設けられている。内側シールド層55a,56aは、筐体5においてシールド層41,42よりも内側に設けられている。シールド層41,42と内側シールド層55a,56aとは、カラー部材7及び接続層43,44等を介して導電可能に接続されている。内部空間5cは、シールド層41,42及び内側シールド層55a,56aにより2重にシールドされた状態になっている。
内側シールド層55a,56aは、例えば筐体内面5aにメッキ処理された金属層又は合金層によって形成できる。内側シールド層55a,56aは、例えば筐体内面5aにメッキ処理された銅メッキであってもよい。この構成によれば、導電率が高く、内側シールド層55a,56aの厚さ寸法を抑えることができ、軽量化、薄形化を図ることができる。内側シールド層55a,56aは、筐体内面5aを覆うように、筐体5の内部に内蔵されている層として形成することもできる。この場合、内側シールド層55a,56aは、筐体5の型成形時にインサート成形することにより、筐体5の樹脂部分と一体に設置される。
内側シールド層55aは、下部ケース51の内面を覆う位置に設けられている。内側シールド層55aが設けられている下部ケース51の内面は、底壁部510の内面510a、側壁部511の内面511a等である。さらに内側シールド層55aは、接合部512の接合面512aと被固定部513の表面513aとに設けられている。内側シールド層55aは、下部ケース51の内面側において、電磁ノイズが筐体5の外部へ漏洩することを抑制する効果を奏する。
内側シールド層56aは、カバー部材52の内面を覆う位置に設けられている。内側シールド層56aが設けられているカバー部材52の内面は、天壁部520の内面520a、側壁部521の内面521a等である。さらに内側シールド層56aは、接合部522の接合面522aに設けられている。内側シールド層56aは、カバー部材52の内面側において、電磁ノイズが筐体5の外部へ漏洩することを抑制する効果を奏する。
内側シールド層55aと内側シールド層56aは、筐体5において、内部空間を形成する内側面の全体にオーバーラップするように設けられていることが好ましい。これによれば、内部空間から筐体5の内面に放射される電磁ノイズを広範囲にわたり高い確度で遮蔽することが可能である。
カラー部材7は、シールド層41,42に加えて、内側シールド層55a,56aに導電可能に接続されている。カラー部材7は、内側シールド層55a,56aのそれぞれに接触している。カラー部材7においては、第1カラー71の軸方向一端部が内側シールド層56aに接触している。この構成により、第1カラー71と内側シールド層56aは導通する関係である。カラー部材7においては、第2カラー72の軸方向一端部が内側シールド層55aに接触している。この構成により、第2カラー72と内側シールド層55aは導通する関係である。下部ケース51が有する内側シールド層55aと、カバー部材52が有する内側シールド層56aとは、カラー部材7を介して導通する関係である。
下部ケース51とカバー部材52との境界部においては、シール部16が、内側シールド層56aと内側シールド層55aとに接触している。これによれば、筐体5の接合部分において、電磁ノイズ等をシール部16と内側シールド層55aと内側シールド層56aとによって遮蔽でき、ノイズの漏れ抑制効果を向上できる。
カラー部材8は、下部ケース51においてケースシールド層41に加えて内側シールド層55aに導電可能に接続されている。カラー部材8は、ケースシールド層41及び内側シールド層55aのそれぞれに接触している。カラー部材8の軸方向一端部は内側シールド層55aに接触している。この構成により、カラー部材8と内側シールド層55aは導通する関係である。さらに内側シールド層55aと設置台13はカラー部材8を介して導通している。
本実施形態の電力変換装置1は、支持台262を有している。支持台262は、上記第1実施形態の支持台62と同様に、連結部材6を支持しており、連結部材6に導電可能に接続されている。支持台262は、内側シールド層55aに接触した状態で下部ケース51に固定されている。支持台262は、下部ケース51に埋め込まれていない。支持台262と内側シールド層55aとは導電可能に接続されている。支持台262においては、支持導電部が内側シールド層55aに接触している。支持台262は、内側支持台と称されることがある。
本実施形態によれば、電力変換装置1は、下部ケース51の内面を覆うように下部ケース51に設けられている内側シールド層55aを含む。電力変換装置1は、カバー部材52の内面を覆うようにカバー部材52に設けられている内側シールド層56aを含む。この構成によれば、内側シールド層55a,56aによって電磁ノイズ等が筐体内から筐体5を通じて外部へ放射されることを抑制できる。
本実施形態によれば、シール部16は、内側シールド層55aと内側シールド層56aとの間に挟み込まれた状態で、内側シールド層55a,56aのそれぞれに接触する。この構成によれば、筐体5に滞留する電磁ノイズ等をシール部16と内側シールド層55aと内側シールド層56aとによって遮蔽することができる。
<第8実施形態>
第8実施形態では、筐体5が、シールド層41,42に加えて、外側シールド層55b,56bを有している。第8実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第7実施形態と同様である。第8本実施形態では、上記第7実施形態と異なる点を中心に説明する。
図9に示す筐体5は、シールド層41,42に加えて、内側シールド層55a,56a及び外側シールド層55b,56bを有している。外側シールド層55b,56bは、筐体外面5bに重ねられている。外側シールド層55b,56bは、筐体外面5bに沿って延びており、筐体本体50に取り付けられている。外側シールド層55b,56bは、導電性を有しており、内部空間5cを覆うように筐体5に設けられている。外側シールド層55b,56bは、筐体5においてシールド層41,42よりも外側に設けられている。シールド層41,42と内側シールド層55a,56aと外側シールド層55b,56bとは、カラー部材7及び接続層43,44等を介して導電可能に接続されている。内部空間5cは、シールド層41,42、内側シールド層55a,56a及び外側シールド層55b,56bにより3重にシールドされた状態になっている。
外側シールド層55b,56bは、例えば筐体外面5bにメッキ処理された金属層又は合金層によって形成できる。外側シールド層55b,56bは、例えば筐体外面5bにメッキ処理された銅メッキであってもよい。この構成によれば、導電率が高く、外側シールド層55b,56bの厚さ寸法を抑えることができ、軽量化、薄形化を図ることができる。外側シールド層55b,56bは、筐体外面5bを覆うように、筐体5の外部に設けられる層として形成することもできる。この場合、外側シールド層55b,56bは、筐体5の型成形時にインサート成形することにより、筐体5の樹脂部分と一体に設置される。
外側シールド層55bは、下部ケース51の外面を覆う位置に設けられている。外側シールド層55bが設けられている下部ケース51の外面は、底壁部510の外面510b、側壁部511の外面511b、被固定部513の設置面513bである。外側シールド層55bは、下部ケース51の外面側において、電磁ノイズを遮蔽しノイズが筐体5の外部へ漏洩することを抑制する効果を奏する。
外側シールド層56bは、カバー部材52の外面を覆う位置に設けられている。外側シールド層56bが設けられているカバー部材52の外面は、天壁部520の外面520b、側壁部521の外面521b、接合部522の反対面522bである。外側シールド層56bは、カバー部材52の外面側において、電磁ノイズを遮蔽しノイズが筐体5の外部へ漏洩することを抑制する効果を奏する。
電力変換装置1は、シールド層41,42と、内側シールド層55a,56aと、外側シールド層55b,56bとを含む。この構成によれば、筐体5における内部と内面側と外面側とのそれぞれにおいて、電磁ノイズを遮蔽でき、電磁ノイズを速やかにカラー部材8を介して車両側部材に排出可能である。したがって、電力変換装置1は、筐体内の電気部品と筐体周囲の周辺機器とに対するノイズ障害を効果的に抑制できる。
<第9実施形態>
上記第8実施形態では、筐体5が、シールド層41,42に加えて、内側シールド層55a,56a及び外側シールド層55b,56bのそれぞれを有していた。これに対して、第9実施形態では、筐体5が内側シールド層55a,56aを有していない一方で、外側シールド層55b,56bを有している。第9実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第8実施形態と同様である。第9本実施形態では、上記第8実施形態と異なる点を中心に説明する。
図10に示す筐体5は、シールド層41,42及び外側シールド層55b,56bを有している。シールド層41,42と外側シールド層55b,56bとは、カラー部材7及び接続層43,44等を介して導電可能に接続されている。内部空間5cは、シールド層41,42及び外側シールド層55b,56bにより2重にシールドされた状態になっている。この構成によれば、筐体5において、電磁ノイズを遮蔽でき、電磁ノイズを速やかにカラー部材8を介して車両側部材に排出可能である、という構成をシールド層41,42及び外側シールド層55b,56bにより実現できる。
<第10実施形態>
第10実施形態では、上記第9実施形態において、電力変換装置1が、外側シールド層55bに接触した支持台262を有している。第10実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第9実施形態と同様である。第10本実施形態では、上記第9実施形態と異なる点を中心に説明する。
図11に示す電力変換装置1は、外側シールド層55b,56b及び支持台362を有している。支持台362は、上記第1実施形態の支持台62と同様に、支持突出部63及び支持埋込部64を有している。
支持台362は、外側シールド層55bに導電可能に接続されている。支持台362は、外側シールド層55bに接触するように支持埋込部64が下部ケース51に埋め込まれている。支持台362においては、支持埋込部64が外側シールド層55bに接触している。例えば、支持埋込部64は、外側シールド層55bを貫通している。支持埋込部64の外周面と外側シールド層55bとが接触しており、この接触部分が半田や溶接等により固定されている。支持台362においては、支持導電部が外側シールド層55bに接触している。支持台362は、外側支持台と称されることがある。なお、支持埋込部64は、外側シールド層55bよりも外側に突出していてもよく、突出していなくてもよい。
支持台362は、外側シールド層55bに加えてケースシールド層41に導電可能に接続されている。支持台362においては、上記第1実施形態と同様に、支持埋込部64がケースシールド層41に接触している。下部ケース51においては、外側シールド層55bとケースシールド層41とが支持台362を介して導電可能に接続されている。支持台362は埋込支持台に相当する。
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、又は組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書に開示するカラー部材、シールド層は、金属や、金属以外の導電性を有する素材を含んで形成されている。電力変換装置は、筐体よりも単位体積当たりの導電率が大きいカラー部材、シールド層を備えている。
明細書に開示の目的を達成可能な電力変換装置は、シールド層に係る構成に関して、図面に示された形態に限定されない。前述のカラー部材には、シールド層と同様のメッキ処理を施してもよい。例えば、シールド層を形成する際に、カラー部材も含めてメッキ処理して導電層を形成してもよい。
前述の実施形態においてシールド層41,42は、電磁ノイズの外部放射を効果的に抑制できる範囲に設けられていれば、内部空間5cの全体を完全に覆う構成に限定されない。例えば、シールド層41,42の少なくとも一方が設けられていてもよく、シールド層41,42が内部空間5cの一部に沿って延びていてもよい。
上記各実施形態において、カラー部材8は、ケースシールド層41に接触していてもよい。この構成としては、上記第6実施形態の構成がある。また、上記第1実施形態において、ケースシールド層41が側壁部511から被固定部513に向けて延びるようにして被固定部513に内蔵されており、ケースシールド層41のうち被固定部513に内蔵された部分にカラー部材8が接触していてもよい。
上記各実施形態において、被固定部513等の被固定部は、下部ケース51及びカバー部材52の少なくとも一方に含まれていればよい。例えば、下部ケース51及びカバー部材52のそれぞれに被固定部が含まれた構成では、カラー部材8が下部ケース51の被固定部とカバー部材52の被固定部とを貫通するように設けられていてもよい。この場合、カラー部材8により、下部ケース51とカバー部材52との固定、及び設置台13に対する筐体5の固定、の両方を実現することができる。
上記各実施形態において、シールド層41,42等の被内蔵シールド層は、複数種類の部材により形成されていてもよい。例えば、被内蔵シールド層は、メッシュ部材により形成された部位と、シート部材により形成された部位と、を有していてもよい。また、被内蔵シールド層は、導電性を有する線状部材により形成されていてもよい。例えば、線状部材が内部空間5cに沿って延びるように設けられていてもよい。
上記各実施形態において、接続層43,44、第1カラー71,第2カラー72、カラー部材8,108、接続棒45,46、導電体81は、シールド層41,42と同様に磁性を有していてもよい。例えば、カラー部材8,108は、鉄等の磁性材を含んで形成されていてもよい。 上記各実施形態において、電力変換装置1が搭載される車両としては、乗用車やバス、建設作業車、農業機械車両などがある。また、車両は移動体の1つであり、電力変換装置1が搭載される移動体としては、車両の他に電車や飛行機、船舶などある。電力変換装置1としては、インバータ装置やコンバータ装置などがある。このコンバータ装置としては、交流入力直流出力の電源装置、直流入力直流出力の電源装置、交流入力交流出力の電源装置などがある。電力変換装置1は、移動体に搭載される移動型ではなく、移動体に搭載されない定置型でもよい。
1…電力変換装置、2…半導体モジュール、3…コンデンサとしての平滑コンデンサ、4…コンデンサとしてのYコンデンサ、5…筐体、5a…内面としての筐体内面、5b…外面としての筐体外面、5c…内部空間、50…シールド内蔵部としての筐体本体、50a…内蔵内側部としての筐体内側部、50b…内蔵外側部としての筐体外側部、51…第1ケース部材としての下部ケース、513…被固定部、52…第2ケース部材としてのカバー部材、8…貫通カラー部材としてのカラー部材、108…導電カラー部材としてのカラー部材、8b…車両側接触部、8c…シールド側接触部、12…固定具、13…車両側部材としての設置台、14…冷却部材、41…被内蔵シールド層としてのケースシールド層、42…被内蔵シールド層としてのカバーシールド層、43…導電接続部及び導電接続層としてのケース接続層、45…導電接続部としてのケース接続棒、62…埋込支持台としての支持台、162…支持台、262…支持台、362…埋込支持台としての支持台、81…導電接続部としての導電体。

Claims (11)

  1. 電力を変換する電力変換装置(1)であって、
    複数の半導体モジュール(2)と、
    前記半導体モジュールと通電可能に接続されているコンデンサ(3,4)と、
    前記半導体モジュール及び前記コンデンサを収容している筐体(5)と、
    導電性を有する層であって、前記筐体における内面(5a)と外面(5b)との間に内蔵され、前記筐体の内部空間(5c)を覆うように延びている被内蔵シールド層(41,42)と、
    固定具(12)を用いて前記筐体を車両側部材(13)に固定するために前記筐体に一体に設けられて、導電性を有しかつ前記固定具が挿通可能なカラー部材(8,108)と、
    を備え、
    前記カラー部材と前記被内蔵シールド層とは導電可能に接続されている電力変換装置。
  2. 前記筐体は、
    前記内面及び前記外面を形成し、前記被内蔵シールド層を内蔵しているシールド内蔵部(50)を有しており、
    前記シールド内蔵部においては、前記内面を形成している内蔵内側部(50a)と、前記外面を形成している内蔵外側部(50b)と、の間に前記被内蔵シールド層が設けられている、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記被内蔵シールド層は、多数の孔が形成された多孔部材を有しており、
    前記内蔵内側部と前記内蔵外側部とは、前記多孔部材の前記孔を介して接続されている、請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記被内蔵シールド層は、網目状のメッシュ部材を有しており、
    前記内蔵内側部と前記内蔵外側部とは、前記メッシュ部材の網目を介して接続されている、請求項2又は3に記載の電力変換装置。
  5. 前記被内蔵シールド層と前記カラー部材とを導電可能に接続している導電接続部(43,45,81)と、
    前記カラー部材として、前記車両側部材に固定される前記筐体の被固定部(513)を貫通した状態で設けられている貫通カラー部材(8)と、
    を備え、
    前記導電接続部は、前記被固定部に内蔵され、前記被内蔵シールド層及び前記カラー部材のそれぞれに接触している、請求項1~4のいずれか1つに記載の電力変換装置。
  6. 前記導電接続部は、
    前記被内蔵シールド層及び前記カラー部材のそれぞれに接触し、前記カラー部材が前記被固定部を貫通した方向に直交する方向に延びた導電接続層(43)を有している、請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記筐体の内部において前記コンデンサに含まれるYコンデンサを導電可能に支持する支持台(62,162,262,362)を備え、
    前記被内蔵シールド層は、前記支持台に導電可能に接続されている、請求項1~6のいずれか1つに記載の電力変換装置。
  8. 前記筐体は、前記被内蔵シールド層が設けられた第1ケース部材(51)と、前記第1ケース部材の内部空間を覆うように前記第1ケース部材に装着されている第2ケース部材(52)とを含み、
    前記第1ケース部材には、前記支持台及び前記カラー部材が設けられている請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 前記支持台として、少なくとも一部が前記筐体に埋め込まれて前記被内蔵シールド層に接触している埋込支持台(62,362)、を備えている請求項7又は8に記載の電力変換装置。
  10. 前記半導体モジュールに対して熱伝達可能に接触して前記半導体モジュールを冷却可能であり、導電性を有し、前記被内蔵シールド層に導電可能に接続されている冷却部材(14)と、
    前記支持台として、前記冷却部材に接触して設けられていることで、前記冷却部材を介して前記被内蔵シールド層に導電可能に接続されている、請求項7~9のいずれか1つに記載の電力変換装置。
  11. 前記カラー部材として、前記車両側部材と前記被内蔵シールド層とを導電可能に接続している導電カラー部材(108)を備え、
    前記導電カラー部材は、
    前記車両側部材に接触している車両側接触部(8b)と、
    前記被内蔵シールド層に接触するように前記筐体に埋め込まれているシールド側接触部(8c)と、
    を有している請求項1~10のいずれか1つに記載の電力変換装置。
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