JP2023074890A - エンジンの冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カバー部材に対する冷却水導入ケースの結合剛性を向上させることができ、カバー部材および冷却水導入ケースの振動を低減できるエンジンの冷却装置を提供すること。【解決手段】拡張部27は、冷却水導入ケース50の下側部50Aがボルト11によって締結される第1ケース取付ボス部28Aと、冷却水導入ケース50の上側部50Bがボルト11によって締結される第2ケース取付ボス部28Bと、冷却水導入口30から第1カバー取付ボス部26Aの側方に延伸する第1フランジ部29Aと、冷却水導入口30から第2カバー取付ボス部26Bの側方に延伸する第2フランジ部29Bと、を有する。第1ケース取付ボス部28A、第2ケース取付ボス部28Bは、それぞれ第1フランジ部29A、第2フランジ部29Bの延伸方向先端部に配置されるとともに、第1カバー取付ボス部26A、第2カバー取付ボス部26Bに連結される。【選択図】図3
Description
本発明は、エンジンの冷却装置に関する。
特許文献1には、シリンダブロックとクランクケースの側面にカバー部材が配置されているエンジンにおいて、冷却水を循環させるためのウォータポンプを、カバー部材と該カバー部材の表面に付設されるアウター部材とによって形成し、カバー部材自体をウォータポンプの構成部材として利用するようにしたエンジンの冷却構造が記載されている。
このエンジンの冷却構造において、シリンダブロックには、ウォータポンプに冷却水を取り入れる冷却水導入ケースが一体形成され、この冷却水導入ケースはカバー部材に連結されている。特許文献1に記載の技術によれば、ウォータポンプをエンジンの側面にコンパクトに設置して、別途ホース等を使用することなくウォータポンプとオイルクーラーの間に冷却水通路を形成することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、冷却水導入ケースがシリンダブロックに一体形成されているため、冷却水導入ケースの位置や姿勢が制限され、ウォータポンプへの冷却水の導入方向を設定する自由度が低くなるという問題があった。
一方、ウォータポンプへの冷却水の導入方向を自由に設定できるようにするために、シリンダブロックとは別体に形成した冷却水導入ケースをカバー部材のシリンダブロック側の側壁に直接連結することが考えられる。しかし、冷却水導入ケースをカバー部材に連結する場合、カバー部材に対する冷却水導入ケースの結合剛性を高める必要があり、この結合剛性が不足するとカバー部材および冷却水導入ケースの振動が増加してしまうという問題があった。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、カバー部材に対する冷却水導入ケースの結合剛性を向上させることができ、カバー部材および冷却水導入ケースの振動を低減できるエンジンの冷却装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、エンジン本体の端部に接合される接合部と、前記接合部に沿って配置され、前記エンジン本体の端部にボルトによって締結される複数のカバー取付ボス部と、前記接合部よりも外側に拡張して形成され、前記エンジン本体の端部に接合されない拡張部と、を有するカバー部材と、前記拡張部に配置されるウォータポンプと、前記ウォータポンプの冷却水導入口へ冷却水を導入する冷却水導入通路を有し、前記拡張部における前記エンジン本体側の側面にボルトによって締結される冷却水導入ケースと、を備えるエンジンの冷却装置であって、複数の前記カバー取付ボス部は、前記ウォータポンプの下側に配置される第1カバー取付ボス部と、前記ウォータポンプの上側に配置される第2カバー取付ボス部と、を含み、前記拡張部は、前記冷却水導入ケースの下側部がボルトによって締結される第1ケース取付ボス部と、前記冷却水導入ケースの上側部がボルトによって締結される第2ケース取付ボス部と、前記冷却水導入口から前記第1カバー取付ボス部の側方に延伸する第1フランジ部と、前記冷却水導入口から前記第2カバー取付ボス部の側方に延伸する第2フランジ部と、を有し、前記第1ケース取付ボス部は、前記第1フランジ部の延伸方向先端部に配置されるとともに、前記第1カバー取付ボス部に連結されており、前記第2ケース取付ボス部は、前記第2フランジ部の延伸方向先端部に配置されるとともに、前記第2カバー取付ボス部に連結されていることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、カバー部材に対する冷却水導入ケースの結合剛性を向上させることができ、カバー部材および冷却水導入ケースの振動を低減できるエンジンの冷却装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るエンジンの冷却装置は、エンジン本体の端部に接合される接合部と、接合部に沿って配置され、エンジン本体の端部にボルトによって締結される複数のカバー取付ボス部と、接合部よりも外側に拡張して形成され、エンジン本体の端部に接合されない拡張部と、を有するカバー部材と、拡張部に配置されるウォータポンプと、ウォータポンプの冷却水導入口へ冷却水を導入する冷却水導入通路を有し、拡張部におけるエンジン本体側の側面にボルトによって締結される冷却水導入ケースと、を備えるエンジンの冷却装置であって、複数のカバー取付ボス部は、ウォータポンプの下側に配置される第1カバー取付ボス部と、ウォータポンプの上側に配置される第2カバー取付ボス部と、を含み、拡張部は、冷却水導入ケースの下側部がボルトによって締結される第1ケース取付ボス部と、冷却水導入ケースの上側部がボルトによって締結される第2ケース取付ボス部と、冷却水導入口から第1カバー取付ボス部の側方に延伸する第1フランジ部と、冷却水導入口から第2カバー取付ボス部の側方に延伸する第2フランジ部と、を有し、第1ケース取付ボス部は、第1フランジ部の延伸方向先端部に配置されるとともに、第1カバー取付ボス部に連結されており、第2ケース取付ボス部は、第2フランジ部の延伸方向先端部に配置されるとともに、第2カバー取付ボス部に連結されていることを特徴とする。
これにより、本発明の一実施の形態に係るエンジンの冷却装置は、カバー部材に対する冷却水導入ケースの結合剛性を向上させることができ、カバー部材および冷却水導入ケースの振動を低減できる。
以下、本発明の一実施例に係るエンジンの冷却装置について、図面を用いて説明する。図1から図7は、本発明の一実施例に係るエンジンの冷却装置を示す図である。
図1から図7において、上下前後左右方向は、車両から取り外されたエンジンを、シリンダヘッドがクランク軸の真上になるように正立させた状態を基準として表している。また、前後方向は、内燃機関を搭載した車両の前後方向と一致するように表している。
まず、構成を説明する。図1、図2において、エンジン1は、エンジン本体1Aと、このエンジン本体1Aに冷却水を循環させるウォータポンプ40とを備えている。ウォータポンプ40は、ウォータポンププーリ41を有しており、図示しない補機ベルトを介してクランク軸からウォータポンププーリ41に伝達された動力によって作動する。
エンジン本体1Aは、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、シリンダヘッドカバー4およびオイルパン5を備えている。シリンダブロック2にはクランク軸2Aが設けられており、クランク軸2Aは前後方向に延びている。
シリンダブロック2には、前後方向に配列された図示しない3つの気筒が形成されており、気筒は上下方向に延びている。本実施例のエンジン1は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)式の縦置きエンジンである。なお、エンジン1は、直列エンジンに限らず、例えばV型エンジン等であってもよいし、気筒数も3つに限定されるものではない。
シリンダヘッド3はシリンダブロック2の上側に設けられている。シリンダヘッド3は、空気を取り入れる図示しない吸気口と、排気ガスを排出する排気口3B(図2参照)と、図示しない吸気バルブおよび排気バルブ等を有する。吸気口はシリンダヘッド3の右側壁に開口しており、排気口3Bはシリンダヘッド3の左側壁に開口している。
シリンダヘッドカバー4は、シリンダヘッド3の上側に設けられており、シリンダヘッド3の上部を覆っている。オイルパン5は、シリンダブロック2の下方に設けられている。オイルパン5には、エンジン本体1Aの潤滑用のオイルが貯留されている。
エンジン本体1Aの前端部には図示しないタイミングチェーンおよび可変バルブタイミング機構が設けられている。エンジン本体1Aは、チェーンケース20を備えており、このチェーンケース20は、タイミングチェーンおよび可変バルブタイミング機構を前方から覆うように、シリンダブロック2およびシリンダヘッド3の前端面に固定されている。
チェーンケース20の縁部は複数のボルト10によりシリンダブロック2およびシリンダヘッド3に固定されている。チェーンケース20の上部には、可変バルブタイミング機構を覆う膨出部21が形成されており、この膨出部21はクランク軸方向(前方)に膨出している。チェーンケース20の中央部および下部には、クランク軸方向に膨出せず、全体として平坦に形成された平坦部22が形成されている。
チェーンケース20は、エンジン本体1Aの端部に接合される接合部20Aを備えている。接合部20Aは、チェーンケース20の縁部に形成されている。接合部20Aは接合面20B(図2参照)を有しており、この接合面20Bにおいてエンジン本体1Aに接合する。
チェーンケース20は、カバー取付ボス部25、第1カバー取付ボス部26Aおよび第2カバー取付ボス部26Bを備えている。カバー取付ボス部25、第1カバー取付ボス部26Aおよび第2カバー取付ボス部26Bは、接合部20Aに沿って配置されており、エンジン本体1Aの端部にボルト10によって締結される。カバー取付ボス部25、第1カバー取付ボス部26Aおよび第2カバー取付ボス部26Bは、本発明におけるカバー取付ボス部を構成している。
図3において、チェーンケース20は拡張部27を有しており、この拡張部27は、接合部20Aよりも左方の外側に拡張して形成されている。ウォータポンプ40は拡張部27に配置されている。拡張部27は、エンジン本体1Aの端部には接合されず、後述する冷却水導入ケース50に接合される。拡張部27は、ウォータポンプ40のハウジングの一部を構成するとともに、ウォータポンプ40を冷却水導入ケース50に連結するための菱形フランジを構成している。
図2、図3において、エンジン1は冷却水導入ケース50を備えている。冷却水導入ケース50は、拡張部27におけるエンジン本体1A側の側面にボルト11によって締結されている。図6に示すように、冷却水導入ケース50は、ウォータポンプ40の冷却水導入口30へ冷却水を導入する冷却水導入通路51Cを有している。冷却水導入通路51Cには、図示しないサーモスタットが収容されており、サーモスタットは、冷却水の温度に応じて開閉し、冷却水の流量を調整する。
図6、図7に示すように、冷却水導入ケース50は、拡張部27の後面に配置された第1冷却水導入ケース51と、この第1冷却水導入ケース51の後面に配置された第2冷却水導入ケース52とから構成されている。
第1冷却水導入ケース51には接続部51A、51Bが設けられており、接続部51A、51Bには、図示しない冷却水配管が接続される。接続部51Aは後方を向いて開口しており、接続部51Bは前方を向いて開口している。第2冷却水導入ケース52には接続部52Aが設けられており、接続部52Aには、図示しない冷却水配管が接続される。接続部52Aは上方を向いて開口している。
このように、本実施例では、ウォータポンプ40に冷却水導入ケース50が連結されているため、冷却水導入ケース50に接続される複数の冷却水配管の位置および姿勢を自由に設定することができる。ここで、第1冷却水導入ケース51と第2冷却水導入ケース52とは、後方からボルト13(図7参照)を締結することにより連結される。
図4、図5において、複数のカバー取付ボス部25、第1カバー取付ボス部26Aおよび第2カバー取付ボス部26Bのうち、第1カバー取付ボス部26Aはウォータポンプ40(図2参照)の下側に配置され、第2カバー取付ボス部26Bはウォータポンプ40の上側に配置されている。
拡張部27は、冷却水導入ケース50の下側部50A(図2参照)がボルト11によって締結される第1ケース取付ボス部28Aと、冷却水導入ケース50の上側部50B(図2参照)がボルト11によって締結される第2ケース取付ボス部28Bと、を有している。また、拡張部27は、冷却水導入口30から第1カバー取付ボス部26Aの側方に延伸する第1フランジ部29Aと、冷却水導入口30から第2カバー取付ボス部26Bの側方に延伸する第2フランジ部29Bと、を有している。つまり、第1フランジ部29Aは、第1カバー取付ボス部26Aの左方の近傍の位置(側方)に向かって、冷却水導入口30から下方に延伸している。また、第2フランジ部29Bは、第2カバー取付ボス部26Bの左方の近傍の位置(側方)に向かって、冷却水導入口30から上方に延伸している。
第1ケース取付ボス部28Aは、第1フランジ部29Aの延伸方向先端部(下端部)に配置されるとともに、第1カバー取付ボス部26Aに連結されている。第2ケース取付ボス部28Bは、第2フランジ部29Bの延伸方向先端部(上端部)に配置されるとともに、第2カバー取付ボス部26Bに連結されている。
第1ケース取付ボス部28Aおよび第1カバー取付ボス部26Aは、接合部20Aの接合面20Bからのチェーンケース20の厚さ方向の寸法が同一に形成されている。同様に、第2ケース取付ボス部28Bおよび第2カバー取付ボス部26Bは、接合部20Aの接合面20Bからのチェーンケース20の厚さ方向の寸法が同一に形成されている。厚さ方向の寸法とは、本実施例では前後方向の寸法である。
さらに、本実施例では、第1フランジ部29Aも、第1ケース取付ボス部28Aおよび第1カバー取付ボス部26Aと、接合部20Aの接合面20B(図2参照)からのチェーンケース20の厚さ方向の寸法が同一に形成されている。同様に、第2フランジ部29Bも、第2ケース取付ボス部28Bおよび第2カバー取付ボス部26Bと、接合部20Aの接合面20Bからのチェーンケース20の厚さ方向の寸法が同一に形成されている。
ここで、第1ケース取付ボス部28Aおよび第2ケース取付ボス部28Bは、エンジン本体1Aに対するチェーンケース20の締結強度を確保するために、十分な厚さ方向の寸法を有している。したがって、第1ケース取付ボス部28Aおよび第2ケース取付ボス部28Bと厚さ方向の寸法が同一の第1カバー取付ボス部26Aおよび第2カバー取付ボス部26Bも、冷却水導入ケース50との締結強度を確保するための十分な厚さ方向の寸法を有することができる。
チェーンケース20の外面側(前面側)の同一平面上には、第1ケース取付ボス部28A、第2ケース取付ボス部28B、第1カバー取付ボス部26A、第2カバー取付ボス部26B、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bのそれぞれの端部が配置されている。
つまり、拡張部27における第1ケース取付ボス部28A、第2ケース取付ボス部28B、第1カバー取付ボス部26A、第2カバー取付ボス部26B、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bは、厚さ方向の寸法が互いに等しく、かつ、チェーンケース20の外面側におけるこれらの各部位は同一平面を構成している。
このようにすることで、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bの厚さを大きくすることができ、第1フランジ部29Aによって第1カバー取付ボス部26Aと第1ケース取付ボス部28Aとを強固に連結することができ、第2フランジ部29Bによって第2カバー取付ボス部26Bと第2ケース取付ボス部28Bとを強固に連結することができる。
なお、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bの内側面を部分的に肉抜きして壁の肉厚を薄くしてもよい。その場合、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bの断面がコの字形状になり、形状による剛性の向上を図ることができる。このため、肉抜きされていない場合と同様に、第1ケース取付ボス部28Aおよび第2ケース取付ボス部28Bに対して第1カバー取付ボス部26Aおよび第2カバー取付ボス部26Bを強固に連結することができる。
また、チェーンケース20の外面側の同一平面上に、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bの端部が配置されているので、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bを全体的に厚くすることができる。このため、拡張部27は、第1フランジ部29Aによって第1カバー取付ボス部26Aと第1ケース取付ボス部28Aとに強固に連結され、第2フランジ部29Bによって第2カバー取付ボス部26Bと第2ケース取付ボス部28Bとに強固に連結される。このため、チェーンケース20に対する冷却水導入ケース50の結合剛性を向上させることができ、チェーンケース20および冷却水導入ケース50の振動を抑制できる。
図2、図3において、ウォータポンプ40は、チェーンケース20に一体形成される円筒状のウォータポンプケース42と、ウォータポンプケース42にボルト12によって締結されるウォータポンプカバー43と、を有している。ウォータポンプ40は、図4に示すように、チェーンケース20に一体形成される冷却水導入口30、ウォータポンプ室31、冷却水吐出通路32および冷却水吐出口33を有している。ウォータポンプ40において、冷却水導入口30に導入された冷却水は、ウォータポンプ室31に設けられた図示しないインペラによって冷却水吐出通路32に吐出され、冷却水吐出口33からシリンダブロック2の内部に供給される。
図3、図4において、ウォータポンプケース42の外周部には、複数のウォータポンプカバー取付ボス部42A~42G(図4参照)が設けられている。ウォータポンプカバー取付ボス部42A~42Gには、ウォータポンプカバー43を取り付けるためのボルト12(図3参照)が挿入される。
複数のウォータポンプカバー取付ボス部42A~42Gは、第1フランジ部29Aの外側部に連結される第1ウォータポンプカバー取付ボス部42Aと、第2フランジ部29Bの外側部に連結される第2ウォータポンプカバー取付ボス部42Bと、を有している。
図3において、チェーンケース20の平坦部22の一側面(前側側面)には、断面が円形の管状の流体通路部23が設けられている。流体通路部23は、内部に図示しない流路を有しており、オイルポンプ6(図5参照)から吐出されるオイルを膨出部21の内部の可変バルブタイミング機構に供給している。本実施例では、流体通路部23は、図4に示すようにチェーンケース20の平坦部22の後側側面にも設けられている。つまり、流体通路部23は、チェーンケース20の平坦部22の外側(前側)と内側(後側)の両面から突出するように形成されている。
図3、図4において、流体通路部23は、ウォータポンプ40の下側から斜め上方に延びる第1流体通路部23Aと、第1流体通路部23Aの上端部から屈曲してウォータポンプ40の上方へ延びる第2流体通路部23Bと、からなる。そして、第1ケース取付ボス部28Aは、第1流体通路部23Aの近傍に配置されている。また、第2ケース取付ボス部28Bは、第2流体通路部23Bの近傍に配置されている。
本実施例では、第1流体通路部23Aの左端部には、厚肉で剛性の高いボス部23Dが設けられている。第2流体通路部23Bの左端部には、厚肉で剛性の高いボス部23Cが設けられている。第1流体通路部23Aおよび第2流体通路部23Bの内部の流路は、それぞれボス部23C、23D側から切削加工によって形成された後、ボス部23C、23Dを図示しない封止プラグによって封止することにより閉塞される。
このように、第1ケース取付ボス部28Aは、第1流体通路部23Aのボス部23Dの近傍に配置され、第2ケース取付ボス部28Bは、第2流体通路部23Bのボス部23Cの近傍に配置されている。
以上のように、本実施例において、複数のカバー取付ボス部25、第1カバー取付ボス部26Aおよび第2カバー取付ボス部26Bのうち、第1カバー取付ボス部26Aがウォータポンプ40の下側に配置され、第2カバー取付ボス部26Bがウォータポンプ40の上側に配置される。
また、拡張部27は、冷却水導入ケース50の下側部50Aがボルト11によって締結される第1ケース取付ボス部28Aと、冷却水導入ケース50の上側部50Bがボルト11によって締結される第2ケース取付ボス部28Bと、冷却水導入口30から第1カバー取付ボス部26Aの側方に延伸する第1フランジ部29Aと、冷却水導入口30から第2カバー取付ボス部26Bの側方に延伸する第2フランジ部29Bと、を有している。
そして、第1ケース取付ボス部28Aは、第1フランジ部29Aの延伸方向先端部に配置されるとともに、第1カバー取付ボス部26Aに連結されており、第2ケース取付ボス部28Bは、第2フランジ部29Bの延伸方向先端部に配置されるとともに、第2カバー取付ボス部26Bに連結されている。
これにより、第1ケース取付ボス部28Aおよび第2ケース取付ボス部28Bが、第1カバー取付ボス部26Aの外側と第2カバー取付ボス部26Bの外側に強固に連結され、かつこれら第1ケース取付ボス部28Aおよび第2ケース取付ボス部28Bは、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bによってウォータポンプ40に強固に連結される。このため、第1ケース取付ボス部28Aおよび第2ケース取付ボス部28Bを、冷却水のシール性を高めるため冷却水導入ケース50における冷却水導入通路51Cの近傍に配置するとともに、第1カバー取付ボス部26Aおよび第2カバー取付ボス部26Bから離れた位置に配置した場合と比較して、チェーンケース20に対する冷却水導入ケース50の結合剛性を向上させることができ、チェーンケース20および冷却水導入ケース50の振動を低減できる。
また、本実施例では、第1ケース取付ボス部28Aおよび第1カバー取付ボス部26Aは、接合部20Aの接合面20Bからのチェーンケース20の厚さ方向の寸法が同一に形成され、第2ケース取付ボス部28Bおよび第2カバー取付ボス部26Bは、接合部20Aの接合面20Bからのチェーンケース20の厚さ方向の寸法が同一に形成されている。そして、チェーンケース20の外面側の同一平面上に、第1ケース取付ボス部28A、第2ケース取付ボス部28B、第1カバー取付ボス部26A、第2カバー取付ボス部26B、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bのそれぞれの端部が配置されている。
これにより、第1カバー取付ボス部26Aの厚さ方向の寸法を、エンジン本体1Aへのチェーンケース20の締結のための十分な厚さ方向の寸法を有する第1ケース取付ボス部28Aと同一にすることができる。このため、チェーンケース20の第1カバー取付ボス部26Aへの冷却水導入ケース50の締結強度を向上させることができる。また、第2カバー取付ボス部26Bの厚さ方向の寸法を、エンジン本体1Aへのチェーンケース20の締結のための十分な厚さ方向の寸法を有する第2ケース取付ボス部28Bと同一にすることができる。このため、チェーンケース20の第2カバー取付ボス部26Bへの冷却水導入ケース50の締結強度を向上させることができる。
また、チェーンケース20の外面側の同一平面上に、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bの端部が配置されているので、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bを全体的に厚くすることができる。このため、拡張部27は、第1フランジ部29Aによって第1カバー取付ボス部26Aと第1ケース取付ボス部28Aとに強固に連結され、第2フランジ部29Bによって第2カバー取付ボス部26Bと第2ケース取付ボス部28Bとに強固に連結される。このため、チェーンケース20に対する冷却水導入ケース50の結合剛性を向上させることができ、チェーンケース20および冷却水導入ケース50の振動を抑制できる。
また、本実施例では、ウォータポンプ40は、チェーンケース20に一体形成される円筒状のウォータポンプケース42と、ウォータポンプケース42にボルト12によって締結されるウォータポンプカバー43と、を有している。また、ウォータポンプケース42の外周部に、ウォータポンプカバー43を取り付けるためのボルト12が挿入される複数のウォータポンプカバー取付ボス部42A~42Gが設けられている。そして、複数のウォータポンプカバー取付ボス部42A~42Gは、第1フランジ部29Aの外側部に連結される第1ウォータポンプカバー取付ボス部42Aと、第2フランジ部29Bの外側部に連結される第2ウォータポンプカバー取付ボス部42Bと、を有している。
これにより、円筒状で剛性が高い第1ウォータポンプカバー取付ボス部42Aおよび第2ウォータポンプカバー取付ボス部42Bによって第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bが支持されるので、第1フランジ部29Aおよび第2フランジ部29Bの剛性を向上させることができ、チェーンケース20および冷却水導入ケース50の振動を低減することができる。
また、本実施例では、チェーンケース20の一側面に管状の流体通路部23が設けられ、流体通路部23は、ウォータポンプ40の下側から斜め上方に延びる第1流体通路部23Aと、第1流体通路部23の上端部から屈曲してウォータポンプ40の上方へ延びる第2流体通路部23Bと、からなる。そして、第1ケース取付ボス部28Aが、第1流体通路部23Aの近傍に配置され、第2ケース取付ボス部28Bが、第2流体通路部23Bの近傍に配置されている。
これにより、第1ケース取付ボス部28Aおよび第2ケース取付ボス部28Bが、それぞれ管状であり剛性の高い第1流体通路部23Aおよび第2流体通路部23Bの近傍にそれぞれ配置されているため、チェーンケース20に対する第1ケース取付ボス部28Aおよび第2ケース取付ボス部28Bの結合剛性を向上させることができ、チェーンケース20および冷却水導入ケース50の振動を低減できる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...エンジン、1A...エンジン本体、10,11,12...ボルト、20...チェーンケース(カバー部材)、20A...接合部、20B...接合面、23...流体通路部、23A...第1流体通路部、23B...第2流体通路部、25...カバー取付ボス部(カバー取付ボス部)、26A...(第1)カバー取付ボス部(カバー取付ボス部)、26B...(第2)カバー取付ボス部(カバー取付ボス部)、27...拡張部、28A...第1ケース取付ボス部、28B...第2ケース取付ボス部、29A...第1フランジ部、29B...第2フランジ部、30...冷却水導入口、40...ウォータポンプ、42...ウォータポンプケース、42A...第1ウォータポンプカバー取付ボス部、42B...第2ウォータポンプカバー取付ボス部、43...ウォータポンプカバー、50...冷却水導入ケース、50A...下側部、50B...上側部、51C...冷却水導入通路
Claims (4)
- エンジン本体の端部に接合される接合部と、前記接合部に沿って配置され、前記エンジン本体の端部にボルトによって締結される複数のカバー取付ボス部と、前記接合部よりも外側に拡張して形成され、前記エンジン本体の端部に接合されない拡張部と、を有するカバー部材と、
前記拡張部に配置されるウォータポンプと、
前記ウォータポンプの冷却水導入口へ冷却水を導入する冷却水導入通路を有し、前記拡張部における前記エンジン本体側の側面にボルトによって締結される冷却水導入ケースと、を備えるエンジンの冷却装置であって、
複数の前記カバー取付ボス部は、
前記ウォータポンプの下側に配置される第1カバー取付ボス部と、
前記ウォータポンプの上側に配置される第2カバー取付ボス部と、を含み、
前記拡張部は、
前記冷却水導入ケースの下側部がボルトによって締結される第1ケース取付ボス部と、
前記冷却水導入ケースの上側部がボルトによって締結される第2ケース取付ボス部と、
前記冷却水導入口から前記第1カバー取付ボス部の側方に延伸する第1フランジ部と、
前記冷却水導入口から前記第2カバー取付ボス部の側方に延伸する第2フランジ部と、を有し、
前記第1ケース取付ボス部は、前記第1フランジ部の延伸方向先端部に配置されるとともに、前記第1カバー取付ボス部に連結されており、
前記第2ケース取付ボス部は、前記第2フランジ部の延伸方向先端部に配置されるとともに、前記第2カバー取付ボス部に連結されていることを特徴とするエンジンの冷却装置。 - 前記第1ケース取付ボス部および前記第1カバー取付ボス部は、前記接合部の接合面からの前記カバー部材の厚さ方向の寸法が同一に形成され、
前記第2ケース取付ボス部および前記第2カバー取付ボス部は、前記接合部の接合面からの前記カバー部材の厚さ方向の寸法が同一に形成され、
前記カバー部材の外面側の同一平面上に、前記第1ケース取付ボス部、前記第2ケース取付ボス部、前記第1カバー取付ボス部、前記第2カバー取付ボス部、前記第1フランジ部および前記第2フランジ部のそれぞれの端部が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの冷却装置。 - 前記ウォータポンプは、
前記カバー部材に一体形成される円筒状のウォータポンプケースと、
前記ウォータポンプケースにボルトによって締結されるウォータポンプカバーと、を有し、
前記ウォータポンプケースの外周部に、前記ウォータポンプカバーを取り付けるためのボルトが挿入される複数のウォータポンプカバー取付ボス部が設けられ、
複数の前記ウォータポンプカバー取付ボス部は、
前記第1フランジ部の外側部に連結される第1ウォータポンプカバー取付ボス部と、
前記第2フランジ部の外側部に連結される第2ウォータポンプカバー取付ボス部と、を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンの冷却装置。 - 前記カバー部材の一側面に管状の流体通路部が設けられ、
前記流体通路部は、前記ウォータポンプの下側から斜め上方に延びる第1流体通路部と、前記第1流体通路部の上端部から屈曲して前記ウォータポンプの上方へ延びる第2流体通路部と、からなり、
前記第1ケース取付ボス部が、前記第1流体通路部の近傍に配置され、
前記第2ケース取付ボス部が、前記第2流体通路部の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のエンジンの冷却装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2021188064A JP2023074890A (ja) | 2021-11-18 | 2021-11-18 | エンジンの冷却装置 |
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