JP2023074488A - ガラス板 - Google Patents

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JP2023074488A
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Sho Kubota
尚史 高信
Hisafumi Takanobu
隆宏 浅田
Takahiro Asada
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Abstract

【課題】デバイスの情報取得領域に対する防曇性を付与する、透明性があり、かつ加熱面積の広い加熱部材を備えるガラス板を提供する。【解決手段】ガラス板であって、平面又は曲面のガラス基材と、前記ガラス基材の表面に配置される発熱体とを備え、前記発熱体は、光が透過可能であって、少なくとも一つの折れ曲がり部を含む帯状に形成され、前記発熱体の一端部には第1電極が、他端部には第2電極が接続され、前記発熱体の幅が0.005~250mmであり、前記ガラス基材及び前記発熱体の重複領域における可視光透過率が70%以上である。【選択図】図1

Description

本開示は、ガラス板に関し、特に、防曇機能を有するガラス板に関する。
従来の車両の窓ガラスには、ガラス板上に導電性の加熱線条を配置して曇り止め対策をしている。この加熱線条は、通電によって発熱し、ウィンドウ上に付着した水滴や曇りを除去し、窓ガラスの防曇機能を発揮する。従来は車両のリアウィンドウに加熱線条が配置されているが、最近はフロントウィンドウやサイドウィンドウにも加熱線条が配置されることがある。
この技術分野の背景技術として特開2020-126707号公報(特許文献1)及び国際公開2019/230732号(特許文献2)がある。特許文献1には、加熱線を含む発熱シートを情報取得領域に備えるウインドシールドが開示されている。また、特許文献2には、情報送受信領域に加熱可能なフィルムを有する合わせガラスが開示されている。
特開2020-126707号公報 国際公開2019/230732号
最近の車両には、安全かつ快適な運転のため、車両のウィンドウ付近に設置されたカメラやセンサ等のデバイスが取得した外部情報によって、車両の加減速やステアリング操作を補助するアシスト機能が搭載されている。デバイスの情報取得領域のウィンドウに水滴が付着して曇りが発生すると、デバイスによる情報取得が困難となり、アシスト機能が正常に作動しなくなる。そのため、デバイスの情報取得領域には防曇性が求められる。しかし、従来の加熱線条によって情報取得領域に防曇性を付与する場合、カメラやセンサ等のデバイスが加熱線条を認識し、アシスト機能が正常に作動しなくなる。また、加熱線条は幅が狭く面積が小さいので、情報取得領域内で加熱むらが生じる可能性がある。よって、情報取得領域を加熱する部材には、透明性と、加熱むらの低減が求められる。
本明細書は、デバイスの情報取得領域に対する防曇性を付与する、透明性があり、かつ加熱面積の広い加熱部材を備えるガラス板を開示する。
すなわち、本明細書の開示(1)は、ガラス板であって、平面又は曲面のガラス基材と、前記ガラス基材の表面に配置される発熱体とを備え、前記発熱体は、光が透過可能であって、少なくとも一つの折れ曲がり部を含む帯状に形成され、前記発熱体の一端部には第1電極が、他端部には第2電極が接続され、前記発熱体の幅が0.005mm~250mmであり、前記ガラス基材板及び前記発熱体の重複領域における可視光透過率が70%以上である、ガラス板である。
また、開示(2)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体と接続する二つの電極が、前記発熱体が設けられる防曇領域の同じ側の辺に設けられるガラス板ある。
また、開示(3)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、複数の前記折れ曲がり部によってメアンダ状に折り返して形成されるガラス板である。
また、開示(4)は、開示(1)に記載のガラス板であって、車両に搭載されるガラス板である。
また、開示(5)は、開示(4)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、前記ガラス基材の車内側に配置されるガラス板である。
また、開示(6)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記第1電極及び前記第2電極の面積が2mm2~5000mm2であるガラス板である。
また、開示(7)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記第1電極及び前記第2電極の縦幅が1mm~250mmであるガラス板である。
また、開示(8)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記第1電極及び前記第2電極の横幅が1mm~250mmであるガラス板である。
また、開示(9)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、複数の線状の金属導体によって形成されるガラス板である。
また、開示(10)は、開示(9)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、光を透過可能な導電体非形成部を有するガラス板である。
また、開示(11)は、開示(9)に記載のガラス板であって、前記金属導体の幅が0.0001mm~0.1mmであるガラス板である。
また、開示(12)は、開示(9)に記載のガラス板であって、前記金属導体の厚さが0.0001mm~0.1mmであるガラス板である。
また、開示(13)は、開示(9)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、前記金属導体を格子状に配置して形成されるガラス板である。
また、開示(14)は、開示(13)に記載のガラス板であって、前記格子状に配置された金属導体のピッチが0.005mm~5mmであるガラス板である。
また、開示(15)は、開示(9)に記載のガラス板であって、前記発熱体中の前記金属導体の面積の割合は、0.1%~15%であるガラス板である。
また、開示(16)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、透明酸化物導電体の膜によって形成されるガラス板である。
また、開示(17)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、膜厚50nm以下の金属膜によって形成されるガラス板である。
また、開示(18)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、導電性炭素膜によって形成されるガラス板である。
また、開示(19)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体の少なくとも一部が、前記ガラス板の中央上部に配置される情報取得領域と重複する位置に配置されるガラス板である。
また、開示(20)は、開示(19)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、前記情報取得領域の内側に配置されるガラス板である。
また、開示(21)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体の単位面積当たりの発熱量が100W/m2~4000W/m2であるガラス板である。
また、開示(22)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体の単位面積当たりの発熱量を820W/m2の条件で、60秒間通電したときの前記発熱体の最も温度が低い部分の温度上昇量が2℃以上であるガラス板である。
また、開示(23)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体の単位面積当たりの発熱量を820W/m2の条件で、60秒間通電したときの前記発熱体の面内の温度差が5℃以下であるガラス板である。
また、開示(24)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、車内側を透明フィルムで覆われているガラス板である。
また、開示(25)は、開示(24)に記載のガラス板であって、前記発熱体が、前記透明フィルムの表面積の1%~99%を占めるガラス板である。
また、開示(26)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記発熱体の可視光透過率が85%以上であるガラス板である。
また、開示(27)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記情報取得領域における前記ガラス基材の可視光透過率が75%以上であるガラス板である。
また、開示(28)は、開示(1)に記載のガラス板であって、前記第1電極及び前記第2電極が、はんだ付けによって給電用配線と接続されるガラス板である。
また、開示(29)は、開示(28)に記載のガラス板であって、前記第1電極及び前記第2電極が、無鉛はんだによるはんだ付けによって給電用配線と接続されるガラス板である。
本開示の一態様によれば、発熱部が可視光を透過可能なので、透明性を維持してガラス板を加熱できる。また、発熱体が帯状に形成されるので、線状より広い面積を加熱できる。また、発熱体がメアンダ状に折り返して形成され、電極を発熱体の両端に配置しなくてもよく、電極の配置の自由度を向上でき、発熱体の一辺を覆う電極より小さくできる。
本明細書に開示された実施例のガラス板の全体の構成を示す図である。 本実施例のガラス板の縦断面図である。 本実施例のガラス板の縦断面図である。 本実施例のガラス板の縦断面図である。 本実施例のガラス板の縦断面図である。 本実施例の発熱体の構成例を示す図である。 本実施例の発熱体の構成例を示す図である。 本実施例の発熱体のパターンの例1を示す図である。 本実施例の発熱体のパターンの例2を示す図である。 本実施例の発熱体のパターンの例2を示す図である。 本実施例の発熱体のパターンの例2を示す図である。 本実施例の発熱体のパターンの例3を示す図である。 本実施例の発熱体のパターンの例4を示す図である。 本実施例の発熱体のパターンの例5を示す図である。 本実施例のガラス板を加熱した結果を示す図である。
図1は、本明細書に開示された実施例のガラス板の全体の構成を示す図であり、図2A、図2B、図2C、図2Dは、図1に示すガラス板の縦断面図である。
本実施例のガラス板は防曇機能を有する自動車の窓ガラスに好適なガラス板である。ガラス基材1の周辺には、黒色のセラミックを焼成して形成される遮蔽層3が設けられる。ガラス基材1は、遮蔽層3において、接着剤によって車体に取り付けられる。遮蔽層3は、ガラス基材1の中央上部において下方に広がっており、この領域には遮蔽層3がない情報取得領域2が設けられる。情報取得領域2の車内側には、カメラやセンサなどの情報取得装置が設けられる。情報取得装置は情報取得領域2を通して外界の情報を取得する。
ガラス基材1は、ガラス基材を1枚使用した単板ガラスである場合だけでなく、複数枚のガラス基材が中間膜により一体化された合わせガラスである場合も含む。中間膜の材質としては、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル共重合体などが用いられる。
単板ガラス又は合わせガラスを構成するガラス基材としては、フロート法で製造されたガラス基材を好適に用いることができる。ガラス基材の材質としては、ISO16293-1で規定されているようなソーダ石灰珪酸塩ガラスの他、アルミノシリケートガラスやホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等の公知のガラス組成のものを使用することができる。ガラス基材の厚さは、1mm~5mmの範囲であることが好ましく、約2mmのものを使うことが好ましいが、軽量化のためにこれよりも薄い厚さのものを用いてもよい。
ガラス基材として曲面形状が必要とされる場合には、ガラス基材を軟化点以上に加熱した後、モールドによるプレスや自重による曲げなどで成形する。
ガラス基材は、風冷強化処理や化学強化処理などで強化ガラスとしてもよい。
情報取得領域2には、可視光を透過する発熱体10がガラス基材1上に設けられ、発熱体10の少なくとも一部が情報取得領域2と重複する。発熱体10が光透過性を有するので、車内から外界の視認を妨げない。発熱体10の透明度(可視光透過率)は、85%以上である必要があり、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上である。ガラス基材1の可視光透過率は75%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。このとき、ガラス基材1上に設けられる情報取得領域2の可視光透過率は70%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上である。同様に、ガラス基材1及び発熱体10の重複領域における可視光透過率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上である。発熱体10の構成は、例えば、図3に示す細い金属導体が格子状に形成された発熱体や、図4に示す透明酸化物導電体膜で形成でき、他の材質でもよい。なお、本開示における可視光透過率は、以下の手順で算出される。
(1)遮蔽層3などがない、人の目で透明と認識できる位置を選定する。
(2)その位置について、1cm2の測定領域において、JIS R 3212:2021に規定された方法で測定する。
JIS R 3212:2021では、可視光の波長域を380nm~780nmとしている。発熱体10は、発熱体10を支持する基材フィルムを含む場合がある。発熱体10が基材フィルムを含む場合は、基材フィルムごと可視光透過率を測定することとする。
発熱体10は、帯状に形成されており、一つ又は複数の屈曲部によって折り返されて、情報取得領域2内に形成される。図1に示す例では、発熱体10の縦中央部に右側から切り込まれたノッチ11によって左側に屈曲部12が形成され、屈曲部12で折り返された帯状の導電体が形成される。発熱体10の幅は0.005mm~250mmであることが好ましく、0.01mm~50mmであることがより好ましく、1mm~20mmであってもよく、2mm~10mmであってもよい。
発熱体10の端部には電極51、52が接続される。図1に示す例では、発熱体10の右側上端部に第1電極51が接続され、右側下端部に第2電極52が接続される。電極51、52の位置関係は特に限定されないが、互いに近傍することが好ましい。但し、電極51、52は、ショートしない程度に、また、それぞれの電極から延伸するリード線が互いに平行する程度に、離れていることが好ましい。電極51、52の材質は、例えば、銅箔や、焼き付けた銀ペーストでもよく、他の材質でもよい。電極51、52の縦幅は1~250mmであることが好ましく、3mm~50mmであることがより好ましい。また、電極51、52の横幅は1mm~250mmであることが好ましく、3mm~50mmであることがより好ましい。また、電極51、52の面積は2mm2~5000mm2であることが好ましく、25mm2~500mm2であることがより好ましい。発熱体10と電極51、52の接続方法は、例えば、導電性接着剤を使用しても、ハンダ付けでもよく、他の方法でもよい。第1電極51と第2電極52の間には所定の直流電圧(例えば12V)が印加され、供給される電力によるジュール熱によって、発熱体10の温度が上昇し、ガラス板上に付着した水滴や曇りを除去する。なお、第1電極51と第2電極52が、発熱体10が設けられる防曇領域の同じ側の辺に設けられることが好ましい。両電極が防曇領域の別の辺に設けられると、両電極の距離が遠くなり、両電極にケーブルを接続することが困難であるが、両電極が同じ側に設けられると、それら電極に電力を供給するケーブルとを接続することが容易である。
図1では、ガラス基材1の中央上部の情報取得領域2に防曇領域を設けた例を説明したが、ガラス基材1の全面に防曇領域を設けてもよい。
また、図2Bに示すように、発熱体10とガラス基材1との間に透明接着剤13を設けて、発熱体10をガラス基材1に接着してもよい。透明接着剤13は、可視光域で高い透過率を持つものであればよく、例えば、光学用透明粘着シート(OCA)を使用できる。
また、図2Cに示すように、発熱体10、第1電極51及び第2電極52の上に透明フィルム14を貼付して、透明フィルム14によって発熱体10を覆うとよい。図2Dに示すように、透明接着剤13によって発熱体10をガラス基材1に接着し、発熱体10、第1電極51及び第2電極52の上に透明フィルム14が貼付して、透明フィルム14によって発熱体10を覆ってもよい。透明フィルム14は、透明接着剤によって発熱体に接着されるとよい。透明フィルム14は、発熱体10より広い面積を覆うとよい。すなわち、発熱体10は透明フィルム14の面積の1%~99%となるとよい。透明フィルム14によって、自立が困難な発熱体10や電極51、52を支持でき、外部からの力による発熱体10の損傷を避けられる。透明フィルム14は、透明で絶縁性がある樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタラート)を使用でき、他の樹脂を使用してもよい。なお、図2C、図2Dに示すように、透明フィルム14は、発熱体10及び電極51、52を覆うように配置しても、電極51、52を避けて、発熱体10を覆うように配置してもよい。
透明フィルム14の材質は特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等を使用できる。
次に、図3及び図4を参照して、発熱体10の構成例を説明する。
図3に示す発熱体10は、複数の細い線状の金属導体が格子状に組み合わされてシートを構成している。金属導体を構成する金属は、金、銅、銀、スズ、アルミニウム、鉄、クロム、又はそれらの合金を使用できる。金属導体の格子による隙間で光が透過する導電体非形成部が形成される。導体を格子状に残して複数の穴を形成した金属シートで発熱体10を構成してもよい。発熱体10を構成するシートには複数のノッチ11が左右の側辺から交互に縦中心線に向かって設けられて帯状の導体が形成され、帯状の導体が複数の屈曲部12によってメアンダ状に折り返され、第1電極51から第2電極52への帯状の電流経路が形成される。
図3において、発熱体10上の電流経路は、矢印で図示するように、金属導体に流れる電流の集合によって構成される。電流経路を構成する金属導体の数は複数が好ましいが、1本でもよい。複数の金属導体によって電流経路を構成することによって、電流経路の電気抵抗を低減し、発熱体10に流れる電流を増加でき、発熱量を増加できる。また、電流経路を構成する金属線の数は、第1電極51から第2電極52までの間において好ましくは同数として、場所による抵抗の変化による発熱ムラを抑制するとよい。
格子状を形成する金属導体の幅が0.0001mm~0.1mmであることが好ましく、0.005mm~0.05mmであることがより好ましい。また、金属導体の厚さが0.0001mm~0.1mmであることが好ましく、0.005mm~0.05mmであることがより好ましい。また、格子のピッチは0.005mm~5mmであることが好ましく、0.25mm~2.5mmであることがより好ましい。また、導体幅とピッチの関係が、導体幅:ピッチ=1:10~1:100であることが好ましい。また、第1電極51から第2電極52への帯状の電流経路の長さは1.5mm~7000mmである。
発熱体10の発熱量は、電極51、52間に印加される電圧と電気抵抗によって定まる。電気抵抗は、金属導体の材質と、金属導体の幅及び厚さと、電流経路を構成する金属導体の数と、電流経路の長さによって定められる。電流経路を構成する金属導体の数は、電流経路の幅と金属導体の格子ピッチによって定められる。これらのパラメータを適切に定めることによって、単位面積あたりの発熱量を調整でき、所望の防曇特性を有する発熱体10を形成できる。例えば、金属導体の幅が0.02mmのとき、格子ピッチは1mm以上にすると、可視光線透過率が85%以上となり、所望の光透過率が実現できる。つまり、導体幅:ピッチ=0.02:1(1:50)の関係が成立する。このような構成によって、発熱体10の単位面積当たりの発熱量が100W~4000Wで調整できる。
また、所望の光透過率を85%以上とすると、発熱体10中の金属導体の面積の割合は0.1%~15%以下である。
図4に示す発熱体10は、透明酸化物導電膜によって構成されており、一つのノッチ11が右側辺から縦中心線に向かって設けられており、屈曲部12によってU字状に折り返され、第1電極51から第2電極52への帯状の電流経路が形成されている。透明酸化物導電膜の材質は、可視光が透過可能で導電性を有せば特に限定しないが、例えば、ZnSnO(SnドープZnO)、ITO(SnドープIn23)、FTO(FドープSnO2)、ATO(SbドープSnO2)、AZO(AlドープZnO)、GZO(GaドープZnO)などが挙げられる。他に、発熱体10として、導電性炭素膜である金属を含まない導電性有機ポリマー、金属を含む導電性有機ポリマー(金属は、金、銅、銀、スズ、アルミニウム、鉄、クロム、又はそれらの合金から選ばれる)、膜厚50nm以下の金属薄膜を使用できる。
図4に示す発熱体10でも、発熱量は、電極51、52間に印加される電圧と電気抵抗によって定まる。電気抵抗は、導電体の材質と、発熱体10の幅及び厚さと、電流経路の長さによって定められる。これらのパラメータを適切に定めることによって、単位面積あたりの発熱量を調整でき、所望の防曇特性を有する発熱体10を形成できる。
発熱体10の形状、すなわちノッチの数及び位置の例は、図3及び図4に示す以外に、後述するような様々な形態でもよい。導電体(金属導体、透明酸化物導電膜)は、発熱体10の面積の10%~100%となるとよい。
次に、発熱体10のパターンの例について、図5から図11を参照して説明する。以下に説明する発熱体10のパターンの例は、細い金属導体が格子状に組み合わされてシートによって構成される発熱体10で説明するが、透明酸化物導電膜によって構成される発熱体10(図4)のいずれにも適用できる。
図5は、発熱体10のパターン1を示す図である。パターン1の発熱体10には、右上部に第1電極51と左上部に第2電極52が接続される。発熱体10には、中央上部から切り込まれるノッチ11Aの下部に一つの屈曲部12Aが形成され、第1電極51から第2電極52へ、屈曲部12Aで折れ曲がった電流経路が形成される。
図6、図7、図8は、発熱体10のパターン2を示す図である。パターン2の発熱体10には、右上部に第1電極51と左上部に第2電極52が接続される。発熱体10には、中央上部から切り込まれるノッチ11Aが形成される。ノッチ11Aには、それと交差する複数の短いノッチ11Bが付加され、ノッチ11Bの端部付近に屈曲部12Bが形成される。また、発熱体10の左右の側辺から縦中心線に向かって複数の短いノッチ11Cが形成され、ノッチ11Cの端部付近に屈曲部12Cが形成される。パターン2では、ノッチによって、第1電極51から第2電極52への電流経路が、屈曲部12B及び12Cによって蛇行するため、発熱体10の広範囲に電流が流れ、発熱ムラを抑制できる。
パターン2において、図6、図7、図8に示す例では、電流経路を構成する金属導体の数が異なっており、金属導体の材質及び断面積が同じである場合、電流経路の電気抵抗は、電流経路を構成する金属導体の数及び電流経路の長さによって定まる。例えば、図6に示す例より、図7に示す例、図8に示す例の方が、金属導体の数が少なく電流経路が長い。よって、図6に示す例より、図7に示す例、図8に示す例の方が、電気抵抗が高く、流れる電流が少ないことから、発熱量が小さくなる。単位面積当たりの発熱量が820W/m2となる条件で発熱体10を60秒間通電すると、発熱体10の最も温度が低い部分の温度上昇量が2℃以上であることが好ましく、5℃以上であることがより好ましい。単位面積当たりの発熱量が820W/m2となる条件で発熱体10を60秒間通電すると、発熱体10の面内の温度差が5℃以下になることが好ましく、3℃以下になることがより好ましい。
図9は、発熱体10のパターン3を示す図である。発熱体10には、左上部に第1電極51と右上部に第2電極52が接続される。発熱体10は、上辺左側から切り込まれるノッチ11Dの下部に屈曲部12Dが形成され、下辺中央部から切り込まれるノッチ11Eの上部に屈曲部12Eが形成され、上辺右側から切り込まれるノッチ11Fの下部に屈曲部12Fが形成される。これら三つの屈曲部12D、12E、12Fによって第1電極51から第2電極52への折れ曲がった電流経路が形成される。
図10は、発熱体10のパターン4を示す図である。発熱体10には、右上部に第1電極51と第2電極52が接続される。発熱体10は、第1電極51と第2電極52の間から下方に延伸し、右方に屈曲し、さらに上方に屈曲するノッチ11Gによって、その先端の上部に屈曲部12Hが形成され、ノッチ11Gの屈曲部(すなわち、発熱体10の左下部及び右下部)に屈曲部12Gが形成される。また、中央上部から切り込まれるノッチ11Aの下部に屈曲部12Aが形成され、屈曲部12G、12H、12Aによって、第1電極51から第2電極52への折れ曲がった電流経路が形成される。
図11は、発熱体10のパターン5を示す図である。発熱体10には、右上部に第1電極51と第2電極52が接続される。パターン5の発熱体10は、パターン4の発熱体10のノッチ11A、11Gと交わる短いノッチ11Jが付加されて、ノッチ11Jの先端の屈曲部によって折れ曲がった電流経路が形成されるものである。パターン5では、第1電極51から第2電極52への電流経路が、ノッチ11Gを設けない場合より長くなり、発熱量の調整が容易になる。また、ノッチ11Jによって電流経路が蛇行するため、発熱体10の広範囲に電流が流れ、場所による発熱量の差を抑制できる。
図12は、図6に示す本実施例の発熱体10のような、細い金属導体が格子状に組み合わされ、メアンダ状に折れ曲がった構造を有する発熱体が形成されたガラス板と、比較例の銀熱線プリントが形成されたガラス板を加熱シミュレーションした結果を示す図である。
実施例で加熱したガラス板は、4.7mm厚の合わせガラスであり、100μm厚の光学用透明粘着シート(OCA)で発熱体10を貼付した。発熱体10は、金属導体幅20μm、厚137μmの細い金属導体が、メッシュピッチ2mmで格子状に組み合わされ、2本分の金属導体が幅4mmの帯状の発熱体となるようにノッチが設けられて構成されている。発熱体10に、直流12Vを印加した。発熱体中の金属導体の面積割合は1.8%であることから、合わせガラスの可視光透過率は約77%と推定される。
また、比較例のガラス板は、4.7mm厚の合わせガラスであり、粘着層なしでガラス上に線幅1mmの銀熱線プリントの発熱体を線ピッチ10mmで設けた。発熱体に、直流12Vを印加した。
ガラス板には、二つの測定点を設け、測定点1は発熱体の中央部分で電流経路が折り返す位置であり、測定点2は発熱体の外周部分で電流経路から離れた位置である。つまり、測定点1は発熱体の最高温度となり、測定点2は発熱体の最低温度となり、測定点1と測定点2の温度差が発熱体の温度ばらつきを示す。
上記条件で通電したところ、発熱体の単位面積当たりの発熱量は、実施例では820W/m2であり、比較例では520W/m2であった。
実施例では、通電開始から60秒後には、最も加熱効率の低い測定点2の表面温度が5℃以上上昇した。面内の温度差も1.5℃程度になり、温度差が少ないことが分かる。通電開始から20分後でも、面内の温度差は10℃以内であった。
一方、比較例においては、通電開始から60秒後には、最も加熱効率の低い測定点2の表面温度はほとんど上昇せず、面内の温度差も5℃以上であった。通電開始から20分後には、面内の温度差は10℃を超えていた。
以上のことから、実施例では、比較例に比べて、単位面積当たりの発熱量が大きいにもかかわらず、面内の温度差が小さい、優れたヒーターであることがわかる。
以上、本開示を添付の図面を参照して詳細に説明したが、本開示はこのような具体的構成に限定されるものではなく、添付した請求の範囲の趣旨内における様々な変更及び同等の構成を含むものである。
1 ガラス基材
2 情報取得領域
3 遮蔽層
10 発熱体
11、11A~11J ノッチ
12、12A~12H 屈曲部
13 透明接着剤
14 透明フィルム
51 第1電極
52 第2電極

Claims (29)

  1. ガラス板であって、
    平面又は曲面のガラス基材と、前記ガラス基材の表面に配置される発熱体とを備え、
    前記発熱体は、光が透過可能であって、少なくとも一つの折れ曲がり部を含む帯状に形成され、
    前記発熱体の一端部には第1電極が、他端部には第2電極が接続され、
    前記発熱体の幅が0.005mm~250mmであり、
    前記ガラス基材及び前記発熱体の重複領域における可視光透過率が70%以上であるガラス板。
  2. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体と接続する二つの電極が、前記発熱体が設けられる防曇領域の同じ側の辺に設けられるガラス板。
  3. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体は、複数の前記折れ曲がり部によってメアンダ状に折り返して形成されるガラス板。
  4. 請求項1に記載のガラス板であって、
    車両に搭載されるガラス板。
  5. 請求項4に記載のガラス板であって、
    前記発熱体は、前記ガラス基材の車内側に配置されるガラス板。
  6. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記第1電極及び前記第2電極の面積が2mm2~5000mm2であるガラス板。
  7. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記第1電極及び前記第2電極の縦幅が1mm~250mmであるガラス板。
  8. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記第1電極及び前記第2電極の横幅が1mm~250mmであるガラス板。
  9. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体は、複数の線状の金属導体によって形成されるガラス板。
  10. 請求項9に記載のガラス板であって、
    前記発熱体は、光を透過可能な導電体非形成部を有するガラス板。
  11. 請求項9に記載のガラス板であって、
    前記金属導体の幅が0.0001mm~0.1mmであるガラス板。
  12. 請求項9に記載のガラス板であって、
    前記金属導体の厚さが0.0001mm~0.1mmであるガラス板。
  13. 請求項9に記載のガラス板であって、
    前記発熱体は、前記金属導体を格子状に配置して形成されるガラス板。
  14. 請求項13に記載のガラス板であって、
    前記格子状に配置された金属導体のピッチが0.005mm~5mmであるガラス板。
  15. 請求項9に記載のガラス板であって、
    前記発熱体中の前記金属導体の面積の割合は、0.1%~15%であるガラス板。
  16. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体は、透明酸化物導電体の膜によって形成されるガラス板。
  17. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体は、膜厚50nm以下の金属膜によって形成されるガラス板。
  18. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体は、導電性炭素膜によって形成されるガラス板。
  19. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体の少なくとも一部は、前記ガラス板の中央上部に配置される情報取得領域と重複する位置に配置されるガラス板。
  20. 請求項19に記載のガラス板であって、
    前記発熱体は、前記情報取得領域の内側に配置されるガラス板。
  21. 請求項1に記載のガラス板であって、前記発熱体の単位面積当たりの発熱量が100W/m2~4000W/m2であるガラス板。
  22. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体の単位面積当たりの発熱量を820W/m2の条件で、60秒間通電したときの前記発熱体の最も温度が低い部分の温度上昇量が2℃以上であるガラス板。
  23. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体の単位面積当たりの発熱量を820W/m2の条件で、60秒間通電したときの前記発熱体の面内の温度差が5℃以下であるガラス板。
  24. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体は、車内側を透明フィルムで覆われているガラス板。
  25. 請求項24に記載のガラス板であって、
    前記発熱体が、前記透明フィルムの面積の1%~99%を占めるガラス板。
  26. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記発熱体の可視光透過率が85%以上であるガラス板。
  27. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記情報取得領域における前記ガラス基材の可視光透過率が75%以上であるガラス板。
  28. 請求項1に記載のガラス板であって、
    前記第1電極及び前記第2電極は、はんだ付けによって給電用配線と接続されるガラス板。
  29. 請求項28に記載のガラス板であって、
    前記第1電極及び前記第2電極は、無鉛はんだによるはんだ付けによって給電用配線と接続されるガラス板。
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