JP2023073609A - 微細造粒物の製造方法 - Google Patents

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在将 長尾
Arimasa Nagao
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Abstract

Figure 2023073609000001
【課題】微細造粒物を簡易かつ低コストで製造することが可能な方法を提供する。
【解決手段】微細造粒物の製造方法は、主材、および造粒助材を、該造粒助材間に液体架橋を発生させる造粒液とともに原料撹拌装置で撹拌して、中間造粒物を作成する。次いで、中間造粒物を、主材の溶解は許容しないが、造粒助材の溶解を許容する溶媒に浸漬させて、中間造粒物から造粒助材を除去する。その後、溶媒から固体残留物として、微細造粒物を取り出す。なお、主材の粒径は、造粒助材の粒径の1/6以下である。
【選択図】図3

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 一般社団法人粉体工学会 2020年度 秋期研究発表会 令和2年11月17日 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3丁目11番1号)ならびにオンライン開催 〔刊行物等〕 一般社団法人粉体工学会 2021年度 春期研究発表会 令和3年6月2日 オンライン開催 〔刊行物等〕 一般社団法人粉体工学会 2021年度 秋期研究発表会 令和3年10月13日 インテックス大阪(大阪市住之江区南港北1丁目5番102号)ならびにオンライン開催
本発明は、粉体から造粒物を製造する方法に関し、特に、原料撹拌装置を用いて微細造粒物を製造する方法に関する。
原料撹拌装置は、原料の造粒、コーティング、混合、混練、撹拌、および乾燥などの各種処理を行うことが可能な装置として知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。このような原料撹拌装置は、医薬品、化学薬品、食品、化粧品、ファインケミカル、鋳物、建築材料、塗料、およびダスト処理などの様々な産業分野で用いられている。
一般に、原料撹拌装置を用いた撹拌造粒処理では、大きさ(粒径)が100~30000μm程度の造粒物が製造される。これら造粒物は、医薬品、食品、セラミックス材、および肥料などに利用されている。
特開2013-17923号公報 特開2016-2536号公報
近年では、粉砕技術や合成技術の進歩に伴って、造粒物の原料となる粉体の微細化が進んでおり、一般市場で入手可能な粉体の粒子径はnm単位にまで至っている。そして、容易に入手可能な粉体の粒子径が小さくなるにつれて、市場で要求される造粒物の大きさも小さくなってきている。例えば、二次電池材料、半導体材料、および摩擦材、並びに精密フィルター、3Dプリンターなどの原料として用いられる造粒物は、100μm以下、特に、10~30μm以下の大きさが要求されるようになってきている。なお、本明細書では、10~30μm以下の大きさを有する造粒物を、「微細造粒物」と称する。
しかしながら、従来の撹拌造粒処理で製造可能な造粒物の大きさ(粒径)は、100~30000μm程度であり、微細造粒物を製造することが困難であった。そのため、これまでの技術では、微細造粒物を製造するために、原料を非常に高温および/または高圧となる特殊な環境下で取り扱うことが可能な特別な装置または施設で処理する必要がある。したがって、特別な装置または施設などを必要とせずに、簡易かつ低コストで微細な造粒物を製造することが可能な技術が望まれている。
そこで、本発明は、微細造粒物を簡易かつ低コストで製造することが可能な方法を提供することを目的とする。
一態様では、主材、および造粒助材を、前記造粒助材間に液体架橋を発生させる造粒液とともに原料撹拌装置で撹拌して、中間造粒物を作成し、前記中間造粒物を、前記主材の溶解は許容しないが、前記造粒助材の溶解を許容する溶媒に浸漬させて、前記中間造粒物から前記造粒助材を除去し、その後、前記溶媒から固体残留物として、微細造粒物を取り出し、前記主材の粒径は、前記造粒助材の粒径に対して1/6以下である、微細造粒物の製造方法が提供される。
一態様では、前記微細造粒物の半径の6倍以上の半径を有する前記造粒助材を選択することで、所望の粒径を有する前記微細造粒物を製造する。
一態様では、前記原料撹拌装置は、前記主材および前記造粒助材が投入される回転容器と、前記回転容器内に配置されたロータユニットと、備えており、前記ロータユニットの回転速度は、15m/s以上である。
本発明によれば、微細造粒物を製造するのに必要とされる装置は、主として原料撹拌装置のみである。すなわち、微細造粒物を製造するために従来必要とされた特別な装置または施設を必要としない。その結果、微細造粒物を簡易かつ低コストで製造することができる。
図1は、微細造粒物を製造するための原料撹拌装置の一例を示す正面図である。 図2は、図1に示す原料撹拌装置の側面図である。 図3は、一実施形態に係る微細造粒物の製造方法を示すフローチャートである。 図4は、第1のメカニズムを説明するための模式図である。 図5(a)は、第2のメカニズムを説明するための模式図であり、図5(b)は、主材単体で形成された微細造粒物を示す模式図である。 図6は、微細造粒物の粒径と造粒助材の粒径との関係を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、微細造粒物を製造するための原料撹拌装置の一例を示す正面図である。図2は、図1に示す原料撹拌装置の側面図である。なお、図1および図2に示す原料撹拌装置は、後述する造粒処理だけでなく、コーティング、混合、混練、撹拌などの各種処理を実行することができる、市場で入手可能な装置である。
図1および図2に示すように、原料撹拌装置は、微細造粒物の原料(以下では、単に「原料」と称する)を収容して回転する回転容器(混合パン)1と、回転容器1を回転させるための第1駆動装置(モータ)2と、回転容器1内の原料を撹拌するロータユニット3と、ロータユニット3を回転させるための第2駆動装置(モータ)4とを備えている。本実施形態では、原料は、微細造粒物を形成する主材と、造粒助材とであり、回転容器1には、さらに、後述する中間造粒物を作成するための造粒液が投入される。
ロータユニット3は、プーリおよびベルトなどの駆動力伝達部品を介して第2駆動装置4に接続されている。第2駆動装置4の駆動力は、駆動力伝達部品を介してロータユニット3に伝達される。
本実施形態では、駆動装置2,4は制御装置8に接続されており、制御装置8はこれら駆動装置2,4の回転速度および回転方向を自在に制御するように構成されている。このような構成により、回転容器1およびロータユニット3をそれぞれ所望の回転速度および回転方向で独立して回転させることができる。なお、図1および図2では、図が煩雑にならないように、制御装置8から各構成要素に延びる信号線の図示を省略している。
回転容器1は、有底円筒形状を有しており、カバー9の内部に回転可能に配置されている。本実施形態では、カバー9の上部には、蓋部材5が設けられており、該蓋部材5によって、回転容器1の上端に形成された開口が塞がれる。図1に示すように、蓋部材5は、原料を回転容器1に供給するための供給口5aを有している。原料は、供給口5aから直接回転容器1内に供給されてもよいし、供給口5aにシュート、ノズル、またはホッパーなどの原料供給設備(図示せず)を連結し、該原料供給設備および供給口5aを介して、回転容器1に供給されてもよい。微細造粒物を製造するときは、原料が投入された回転容器1とロータユニット3とを回転させる。
なお、図1および図2に示した実施形態では、蓋部材5が図示しない駆動機構(例えば、エアシリンダ、油圧シリンダ、または電動シリンダ)により回転容器1の回転軸と平行な方向に上昇することで、カバー9および回転容器1の上部開口が開かれるようになっている。図示はしないが、駆動機構は、蓋部材5を回転容器1の回転軸に対して斜めに上昇させるように構成されてもよい。この場合、駆動機構の昇降軸と回転容器1の回転軸との間の角度は、30°以内であることが好ましい。さらに、図示はしないが、蓋部材5が旋回軸を支点として回動することにより、カバー9および回転容器1の上部開口が開閉されてもよい。蓋部材5を上昇させて、回転容器1の上部開口が開かれたときに、原料を上部開口から回転容器1に投入してもよい。この場合、上記供給口5aを省略してもよい。さらに、一実施形態では、蓋部材5はカバー9に固定されていてもよい。この場合、上記供給口5aが原料を回転容器1に投入するための開口として設けられる。
原料撹拌装置では、所定量の原料が投入され、蓋部材5で上部開口が塞がれた回転容器1を回転させ、同時に、ロータユニット3を回転容器1内で回転させることにより、原料の造粒処理を実行する。原料の造粒処理を実行している間、回転容器1およびロータユニット3が回転しても、蓋部材5は回転しない。
造粒処理を実行している間に、回転容器1と蓋部材5との間の隙間から原料が漏洩することを防止するために、原料撹拌装置は、回転容器1と蓋部材5との間に配置されるシール機構を有している。このシール機構によって、回転容器1と蓋部材5との間の隙間がシールされる。
発明者らは、図1および図2に示すような原料撹拌装置を用いた微細造粒物の製造方法を鋭意研究した結果、以下の知見を得て、本発明を完成するに至った。すなわち、微細造粒物を形成する主材と造粒助材とを、造粒液とともに原料撹拌装置で混合して中間造粒物を製造し、中間造粒物を、造粒助材が溶解可能ではあるが、主材が溶解できない溶媒に浸漬させることで、溶媒中の固形残留物として、微細造粒物を取り出せることを見いだした。
図3は、一実施形態に係る微細造粒物の製造方法を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、上記知見に基づいている。図3に示すように、最初に、原料撹拌装置の回転容器1に主材と造粒助材とを投入して、撹拌造粒処理を実行する(S101)。この撹拌造粒処理によって、主材と造粒助材とからなる中間造粒物が製造される。撹拌造粒処理中に、回転容器1に水などの造粒液がさらに加えられる。造粒液は、造粒助材間に液体架橋を形成させて中間造粒物を製造するための液体である。
次いで、回転容器1から中間造粒物を取り出して、溶媒に浸漬させる(S102)。この溶媒は、主材の溶解は許容しないが、造粒助材の溶解を許容する液体である。中間造粒物を溶媒に浸漬させることで、中間造粒物における造粒助材が溶媒に溶け、主材のみが固形残留物として溶媒内に残る。一実施形態では、中間造粒物が存在する回転容器1内に溶媒を投入し、この状態で、回転容器1およびロータユニット3を回転させてもよい。
次いで、造粒助材が完全に溶けた溶媒に対して固液分離処理を行い(S103)、固形残留物を取り出す。回転容器1に溶媒を投入する実施形態では、固形残留物を含む溶媒が回転容器1から取り出され、その後、固液分離処理が行われる。固液分離処理は、例えば、遠心分離器を用いて行われる。一実施形態では、造粒助材を含む溶液をフィルターを通過させることで、固形残留物を溶媒から分離(ろ過)してもよい。固液分離処理で溶媒から分離された固形残留物が微細造粒物である。以下では、上記した製造方法で、微細造粒物が製造できることを確認した検証実験が説明される。
検証実験(以下では、単に「実験」と称する)では、上記製造方法で、10~30μm以下の粒径を有する微細造粒物が製造できるか否かが確認された。実験では、日本アイリッヒ株式会社製の原料撹拌装置が使用された。この原料撹拌装置は、市場で入手可能な原料撹拌装置であり、回転容器1(図1および図2参照)の処理容量は1Lである。上述したように、回転容器1およびロータユニット3は、独立して回転可能である。回転容器1は、原料撹拌装置の設置面に対して30度傾斜している。
実験で用いられた主材および造粒助材は、アルミナ(Al)および粉末塩(以下では、単に「塩」と称する)であり、粒径(D50)が異なる複数のアルミナを用いて複数の実験を行った。実験で用いた複数のアルミナA~Fは、全て市場で入手可能なアルミナである。塩の粒径を1としたとき、アルミナAの粒径は0.06であり、アルミナBの粒径は0.12であり、アルミナCの粒径は0.24であり、アルミナDの粒径は0.43であり、アルミナEの粒径は0.88であり、アルミナFの粒径は1.84である。微細造粒条件を確認するため、粒径が30μm 以上の粗大粒子を含むアルミナについても実験を行っている。
所定量(重量比で、5:95)の主材および造粒助材が原料撹拌装置の回転容器1に投入され、主材および造粒助材を回転容器1内で十分に混合撹拌させた後で、造粒液として所定量の水が回転容器1内に投入された。本実験で回転容器1に投入された水の量は、主材および造粒助材の合計重量の13wt%の量である。回転容器1およびロータユニット3のロータの運転時間、すなわち、原料撹拌装置の運転時間は4分である。実験中、回転容器1は、該回転容器1の回転速度が0.7m/sとなるように回転され、ロータユニット3は、回転容器1の回転方向とは逆方向(反時計回り)で、ロータの回転速度が15m/sとなるように回転された。発明者らの経験則によれば、ロータの回転速度が15m/sよりも低いと、効果的に中間造粒物を形成することができない。したがって、ロータの回転速度は、15m/s以上であることが好ましい。
回転容器1とロータユニット3との回転によって中間造粒物を製造する撹拌造粒処理では、主材および造粒助材には、回転容器1とロータユニット3との撹拌作用による高いせん断力が加わる。このせん断力によって、回転容器1内の全ての主材および造粒助材が均一に混合され、さらに、造粒液が主材および造粒助材に対して均一に分散される。均一に混合された主材および造粒助材同士が造粒液の液体架橋効果により結合して疑似粒子を形成し、これら疑似粒子の凝集・積層・合体が繰り返し行われることで中間造粒物が作成される。実験で得られた中間造粒物の粒度分布では、アルミナA~Fのいずれも500~2000μmの粒度を有する中間造粒物がおよそ60%を占めていた。
次いで、所定量(25g)の中間造粒物を回転容器1から回収容器に取り出し、回収容器に溶媒としての水を加えて、所定の時間(5分間)撹拌処理した。溶媒としての水は、主材(アルミナ)の溶解は許容しないが、造粒助材(塩)の溶解を許容する液体である。回収容器に投入された水の量は、25gの中間造粒物に含まれる塩の飽和溶解度を過剰に超える100gである。
次いで、造粒助材が完全に溶解した溶液を遠心分離器に導入して固液分離し、溶液中に残った固形残留物を回収した。一実施形態では、造粒助材が完全に溶解した溶液をフィルターに通すことで固液分離し、フィルターに残った固形残留物を回収してもよい。このような実験を、粒度の異なるアルミナA~Fに対して行い、回収された固形残留物を電子顕微鏡(SEM)で観察するとともに、SEM-EDXマッピングを用いた画像解析及びLIBS解析を行った。
電子顕微鏡の観察結果および解析結果によれば、アルミナA~Cを用いた実験では、10~30μmの粒径を有し、アルミナ単体で形成された微細造粒物が確認された。溶液から固液分離されたアルミナの微細造粒物は、遠心分離による外力がかかっても、崩壊せず造粒形状を保っていた。
一方で、アルミナD~Fを用いた実験では、アルミナがほぼ一次粒子の形状を持つ状態で観察されており、意図した微細造粒物が作製されていないことが判明した。さらに、アルミナD~Fを用いた実験で得られた固形残留物は、へらなどを用いて力を加えてもその形状を維持していたが、より大きな力を加えると簡単に崩壊してしまった。この結果から、アルミナD~Fを用いた実験で得られた固形残留物はアルミナが凝集しているだけで、造粒はされていないものと考えられる。これらの実験結果から、微細造粒物を製造するためには、主材は、造粒助材の粒径の1/6以下の粒径を有する必要があることがわかった。
発明者らは、上記製造方法で微細造粒物が製造可能な理由は、以下の2つのメカニズムに起因していると考えている。第1のメカニズムは、造粒助材の間に形成される液体架橋内での主材への局所作用である。第2のメカニズムは、造粒助材による主材の凝集塊への間接的作用である。
図4は、第1のメカニズムを説明するための模式図である。図4において、大きな円は造粒助材である塩を表し、小さな円は主材であるアルミナを表している。図4に示すように、隣接する造粒助材同士と、造粒液として使用した水により形成される液体架橋の内部に、非水溶性の主材(アルミナ)の集合が発生して、主材の凝集塊が形成されたと考えられる。したがって、主材は造粒助材間に形成された液体架橋内に存在できる粒径を有する必要がある。
図5(a)は、第2のメカニズムを説明するための模式図であり、図5(b)は、主材単体で形成された微細造粒物を示す模式図である。図5(a)および図5(b)でも、大きな円は造粒助材である塩を表し、小さな円は主材であるアルミナを表している。なお、図5(a)に示す造粒物は、上記中間造粒物に相当し、図5(b)に示す造粒物は、主材単体からなる微細造粒物に相当する。
図4に示すような液体架橋を形成しつつ、液体架橋内部に主材の凝集塊を有する造粒助材同士がその結合状態を維持しながら、ロータユニット3のロータにより絶えず撹拌されると、ロータにより生じる凝集・積層・合体の撹拌作用が造粒助材を経由して主材に間接的に作用する。この間接的な作用によって、様々な粒子間相互作用が発生し、図5(a)に示すような主材単体からなる微細造粒物が複数の造粒助材からなる塊に内包された中間造粒物が作成されたと考えられる。その後、上述したように、中間造粒物を溶媒に浸漬させることで造粒助材を溶媒に溶解させると、図5(b)に示すような微細造粒物が、固形残留物として溶液内に残る。したがって、溶液から固定残留物を分離することで、微細造粒物を入手することができる。
上述した実験では、使用した全てのアルミナA~Fで微細造粒物を製造することができなかった。具体的には、アルミナA~Cでは、10~30μmの粒径を有する微細造粒物が製造できたのに対し、アルミナD~Fでは、微細造粒物を製造できなかった。発明者らは、上述した第1メカニズムおよび第2メカニズムを考慮して、その原因を鋭意研究したところ、微細造粒物を製造するためには、主材の粒径、造粒助材の粒径、および微細造粒物の粒径の間の関係が重要であることを見いだした。
図6は、微細造粒物の粒径と造粒助材の粒径との関係を示す模式図である。上述したように、微細造粒物を製造するためには、造粒液により形成される液体架橋の内部に、主材の集合を発生させる必要あり、さらに、主材単体からなる微細造粒物が複数の造粒助材の間に内包された中間造粒物を作成する必要がある。これを達成するためには、図6に示すように、造粒助材粒子A,B,Cで構成される液体架橋内に、主材単体からなる微細造粒物が存在できなければならない。
この場合、微細造粒物の粒径(または、半径)をPrとし、造粒助材粒子A,B,Cの粒径(または、半径)をRとすると、Rに対するPrの比は、以下の式(1)で表せる。
R:Pr≒1:0.15(式(1))
上記実験で使用した造粒助材の最大粒径は140μmであり、アルミナA~Cを用いて作成された微細造粒物の粒径は、およそ21μm以下であった。この実験結果は、式(1)で表される微細造粒物の粒径Prと、造粒助材粒子A,B,Cの粒径Rとに関係におよそ一致する。すなわち、微細造粒処理を行う際に、所望の粒径を有する微細造粒物を得るためには、該微細造粒物の半径の6倍以上の半径を有する造粒助材を選択すればよい。
また、主材であるアルミナと造粒助材の塩のD90の粒径比に着目すると、微細造粒物が作成できたアルミナA~Cの粒径に対する塩の粒径は6倍以上であり、微細造粒物が作成できなかったアルミナD~Fの粒径に対する塩の粒径は6倍未満となっている。したがって、造粒助材は、主材の粒径に対して6倍以上の粒径を有しているのが好ましい。
このように、本実施形態によれば、微細造粒物を製造するのに主として必要とされる装置は、原料撹拌装置のみである。すなわち、微細造粒物を製造するために従来必要とされた特別な装置または施設を必要としない。その結果、微細造粒物を簡易かつ低コストで製造することができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 回転容器(混合パン)
2 第1駆動装置
3 ロータユニット
4 第2駆動装置
5 蓋部材
9 カバー

Claims (3)

  1. 主材、および造粒助材を、前記造粒助材間に液体架橋を発生させる造粒液とともに原料撹拌装置で撹拌して、中間造粒物を作成し、
    前記中間造粒物を、前記主材の溶解は許容しないが、前記造粒助材の溶解を許容する溶媒に浸漬させて、前記中間造粒物から前記造粒助材を除去し、
    その後、前記溶媒から固体残留物として、微細造粒物を取り出し、
    前記主材の粒径は、前記造粒助材の粒径に対して1/6以下である、微細造粒物の製造方法。
  2. 前記微細造粒物の半径の6倍以上の半径を有する前記造粒助材を選択することで、所望の粒径を有する前記微細造粒物を製造する、請求項1に記載の微細造粒物の製造方法。
  3. 前記原料撹拌装置は、前記主材および前記造粒助材が投入される回転容器と、前記回転容器内に配置されたロータユニットと、備えており、
    前記ロータユニットの回転速度は、15m/s以上である、請求項1または2に記載の微細造粒物の製造方法。
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