JP2023073019A - 光源装置、露光装置、及び物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 LEDアレイの交換を効率的に実施すること。【解決手段】 複数のLEDが構成される第1回路と、前記第1回路に対して並列又は独立に設けられ、前記第1回路に構成されるLEDより少ない数のLEDで構成される第2回路と、を含むLEDアレイと、前記第2回路におけるLEDの点灯状態を検出する検出部と、前記LEDアレイを冷却する冷却器と、を有し、前記第2回路のLEDのうち少なくとも1つのLEDは、前記第1回路のいずれのLEDよりも、前記冷却器の冷却力が小さい位置に配置される。【選択図】 図1
Description
本発明は、光源装置、露光装置、及び物品の製造方法に関する。
半導体デバイスやフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造工程において露光装置が用いられている。露光装置は、リソグラフィ工程において、原版であるレチクルやマスクのパターンを、投影光学系を介して基板(例えば、表面に感光材が塗布されたウエハやガラスプレート)に転写する。
露光装置の光源として、例えば水銀ランプが用いられているが、近年、水銀ランプの代わりに、省エネルギーである発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)へ置換することが期待されている。LEDは、光の出力が安定するまでの時間が短く、水銀ランプのように常時発光させる必要がないという利点もある。
ただし、水銀ランプの光出力に比べて、LED1個当たりの光出力は極めて小さい。そこで、露光光源としてLEDを採用する場合には、例えば1000個程度のLEDをアレイ状に配置させたLEDアレイを用いて光の総出力を大きくする必要がある。その際、LEDを個別に電流を制御することは回路設計上現実的ではなく、複数のLED(例えば20個程度のLED)が直列接続されたチップ列毎に電流制御が行われることが一般的である。ただし、直列接続されたチップ列のうち1つのLEDが不点灯となってしまうと、該チップ列に電流が流れなくなり、該チップ列内の全てのLEDが不点灯になってしまう。
特許文献1には、LEDアレイにおける矩形のLEDの配置角度を異ならせることで、複数のLEDにおける発光面の光強度分布を重畳させた面において、円形状の有効光源分布を均一化することができる内容が開示されている。また、特許文献1には、直列接続された同一のチップ列におけるLEDの配置角度を異ならせることで、一部のチップ列におけるLEDが不点灯となった場合でも、有効光源分布の均一化を維持することができる内容が開示されている。
しかしながら、LEDアレイに配置されているLEDのうち1つが不点灯となると、そのLEDと同じ回路に接続されている他のLEDにも電流が流れなくなり、複数のLEDが不点灯となるため、光照度が大きく落ちる。そのため、必要とされる光照度を満たさない場合には、露光装置を用いた基板処理をストップさせなければならない。LEDの寿命は仕様である程度予測できる場合もあるが、使用されている環境に左右されるため、予期せぬタイミングでLEDの交換作業が必要となるおそれがある。
そこで、本発明は、LEDアレイの交換を効率的に実施するために有利な光源装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての光源装置は、複数のLEDが構成される第1回路と、前記第1回路に対して並列又は独立に設けられ、前記第1回路に構成されるLEDより少ない数のLEDで構成される第2回路と、を含むLEDアレイと、前記第2回路におけるLEDの点灯状態を検出する検出部と、前記LEDアレイを冷却する冷却器と、を有し、前記第2回路のLEDのうち少なくとも1つのLEDは、前記第1回路のいずれのLEDよりも、前記冷却器の冷却力が小さい位置に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、LEDアレイの交換を効率的に実施するために有利な光源装置を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。尚、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
図1を参照して本実施形態における光源装置50について説明する。図1は、本実施形態における光源装置50の構成を示す概略図である。光源装置50は、回路基板1、LEDチップ30~40(単にLEDとも呼ぶ)、冷却器2、検出部3、冷凍機8、及び制御部9を有する。LEDチップ30~40が配置(実装)された回路基板1を、以下ではLEDアレイとも呼ぶ。本実施形態では、図1に示すように、冷媒が流れる方向をX方向、X方向に垂直な方向をY方向と定義する。
図1を参照して本実施形態における光源装置50について説明する。図1は、本実施形態における光源装置50の構成を示す概略図である。光源装置50は、回路基板1、LEDチップ30~40(単にLEDとも呼ぶ)、冷却器2、検出部3、冷凍機8、及び制御部9を有する。LEDチップ30~40が配置(実装)された回路基板1を、以下ではLEDアレイとも呼ぶ。本実施形態では、図1に示すように、冷媒が流れる方向をX方向、X方向に垂直な方向をY方向と定義する。
回路基板1には銅配線11がLEDチップ30~40に接続・実装されており、LEDチップ30~40を駆動するための回路が形成されている。回路に電流を流すことで、LEDチップ30~40から所定の波長の光が出力される。LEDチップ30~40が発光すると、それに伴い熱が発生する。LEDチップには許容できる温度があるため、LEDチップを効率的に冷却することが好ましい。
冷却器2は、冷凍機8に接続されており、冷却器2の冷媒入口6側から冷媒出口7側に向かってX軸方向に冷媒が流れる。冷却器2は、回路基板1のLEDチップ30~40が配置されている面とは反対側の面に接しており、回路基板1から熱を奪ってLEDアレイを冷却している。冷凍機8は温度が上昇した冷媒を冷却する。熱交換後の冷媒は、冷媒出口7から冷凍機8へと循環し、再度、冷媒入口6に流すことで、再びLEDアレイを冷却することができる。
上記の熱交換の効率を上げるために、熱伝導率の良い素材を回路基板1や冷却器2に用いることが好ましい。回路基板1の基材としては、例えば、熱伝導率の高い窒化アルミニウムが用いられうる。冷却器2の素材としては、例えば、銅やアルミニウムなどを用いられうる。
LEDアレイは、複数の回路により構成されており、例えばLEDチップ30a~39aは電気的に直列に接続されている。LEDチップ30a~39aを含む回路を、以下では第1回路と呼ぶ。第1回路の複数のLEDチップは、冷媒が流れるX方向に沿った同一直線上に該複数のLEDチップが配置されうる。また、LEDチップ40aを含む回路を、以下では第2回路と呼ぶ。尚、第2回路は、第1回路に対して並列又は独立に設けられている。図1の例では、第1回路は10個のLEDチップで構成されており、第2回路は1つのLEDチップで構成されているが、それぞれの回路に構成されるLEDチップの数はこれに限らない。第2回路のLEDチップは、第1回路に配置されるLEDチップと同一直線上に配置されうる。尚、「回路」とは一般的に電流の流れのための閉ループを有しているものを指すことが多いが、本実施形態における説明では、閉ループ全体のうち一部分を指して「回路」と呼んでいる。
また、図1で説明するLEDアレイには、第1回路と第2回路に相当する回路が、複数並列に設けられている。直列接続されているまとまり(チップ列)毎に、制御部9はLEDチップに流れる電流やLEDチップにかかる電圧を制御することができる。第1回路と前記第2回路にはそれぞれ別の電源が接続され、第1回路と第2回路とに流れる電流値をそれぞれ独立して制御しうる。多数のLEDチップを配置する場合には、このようにチップ列としてLEDアレイに実装されることが現実的であるためこのような構成となっている。
検出部3は、LEDアレイに実装されている回路(第1回路や第2回路)におけるLEDチップの点灯状態を検出する。検出部3は、例えば、LEDチップの電流値を計測する電流計でありうる。また、検出部3は、例えば、LEDチップにかかる電圧値を計測する電圧計でありうる。点灯状態とは、例えば、電流値及び電圧値の少なくとも一方でありうる。
検出部3で検出したLEDチップの点灯状態に関する情報は制御部9に送られ、制御部9は、LEDチップの点灯状態の異常(LEDチップが不点灯であるか否か)を判断しうる。LEDチップの点灯状態の異常が検出された場合には、制御部9は、不図示の報知手段に前記情報を送信する送信部としての役割を果たす。報知手段は、警告音やガイド音声を発するスピーカーでありうる。また、報知手段は、画面表示をするモニターでありうる。報知手段は、LEDチップに関する情報を音声及び画面表示の少なくとも一方によってユーザに報知することができ、ユーザはLEDチップの点灯状態を把握することができる。例えば、後述するように、LEDチップ40aや40lが不点灯となったとき、報知手段がその情報をユーザに報知することで、LEDアレイの交換タイミングが近いことをユーザが知ることができる。上記のようなLEDチップの不点灯は、例えば、接続されている配線の経年劣化により断線することにより生じうる。
次に、図2を参照してLEDアレイを冷却する冷却器について説明する。図2は、本実施形態における冷却器2の内部の構成を示す概略図である。LEDアレイに多数のLEDチップを配置することで光源装置50を高輝度化することができるが、それに伴い発熱量も大きくなる。LEDチップは、熱等の環境により特性(例えば、射出する光の波長)が変化する原因となりうる。また、LEDチップの短命化や光源装置50の故障の原因にもなりうるため、LEDアレイの熱を効率的に冷却することが求められる。
冷却器2には、冷媒が単位時間あたりにLEDアレイから除去できる熱量で定義される冷却力を向上させるため、冷却器2の冷媒入口6側から冷媒出口7側の方向であるX軸方向に沿って複数の仕切り5が延在している。これにより、冷却器2全体に冷媒を行き届かせる流路を形成する。複数の仕切り5は、仕切り5により形成される各々の流路が、LEDチップが配置されているチップ列に対応するように配置されうる。冷媒は、仕切り5間を流れて、熱交換により回路基板1から熱を奪い、LEDアレイを冷却する。冷媒には、例えば、冷却力が優れている水を主成分とする液体や、電気絶縁性に優れたオイルを主成分する液体が用いられる。
次に、上述した光源装置50の冷却と、LEDチップとの寿命の関係について説明する。LEDチップの寿命は、点灯中のLEDチップの発光面の温度であるジャンクション温度が大きく関係する。LEDチップの寿命は、LEDチップが半導体であるためアレニウスの式を用いて式(1)のように予測することができる。Lは寿命、Aは定数、Eは活性化エネルギー(本実施形態における電流)、Kはボルツマン定数、Tはジャンクション温度である。
L=A×exp(E/KT)・・・(1)
L=A×exp(E/KT)・・・(1)
式(1)より、活性化エネルギーEが同じである場合、ジャンクション温度が低いほどLEDチップの寿命は長くなる。したがって、冷却器2の冷却力が大きい位置では、冷却力が小さい位置に比べてLEDチップの寿命が長くなる。本実施形態では、冷媒が冷媒入口6から冷媒出口7の方向に、LEDアレイと熱交換を行いながら流れる。そのため、冷媒は上流側から下流側へと冷媒の温度が上昇しながら流れる。すなわち、本実施形態における冷却力が大きい位置とは冷媒入口6付近の領域であり、冷却力が小さい位置とは冷媒出口7付近の位置となる。
冷媒入口6付近に配置されたLEDチップ30a~30lのジャンクション温度は、例えば、40℃前後であり、LEDチップの寿命は25000時間となりうる。一方、冷媒出口7付近に配置されたLEDチップ40a~40lのジャンクション温度は、例えば、90℃前後であり、LEDチップの寿命は15000時間となりうる。すなわち、LEDチップ30a~39aが構成されている第1回路よりも、LEDチップ40aが構成されている第2回路が先に不点灯となる。また、LEDチップが一定数不点灯となり、LEDアレイに必要とされる光量の基準や照度ムラの基準を満たさない場合、新しいLEDチップが配置されたLEDアレイに交換することが望ましい。
本実施形態では、第2回路のLEDチップのうち少なくとも1つのLEDチップ(LEDチップ40a)が、第1回路のいずれのLEDチップ(LEDチップ30a~39a)よりも、冷却器2の冷却力が小さい位置に配置されている。すなわち、第2回路のLEDチップのうち少なくとも1つのLEDチップ(LEDチップ40a)は、第1回路のいずれのLEDチップ(LEDチップ30a~39a)よりも冷却器2において前記冷媒が流れる下流側の位置に配置されている。このような構成とすることで、第1回路に構成されるLEDチップよりも、第2回路に構成されるLEDチップが先に不点灯となる。ユーザは、第2回路に構成されるLEDチップが不点灯になったことを確認し、近いうちにLEDチップ39aが不点灯になることを事前に認識することができる。
ここで、LEDチップ39aが不点灯となると、第1回路に直列に接続されているLEDチップ30a~38aも不点灯となるため、光源装置50の輝度が急激に低下する。そのため、LEDチップ40aが不点灯となった段階で、LEDチップ30a~38aも不点灯となることを予期することは、近いうちに光源装置50の輝度が急激に低下することを予期することと同義である。本実施形態において、第2回路は、第1回路に構成されるLEDより少ない数のLEDで構成されているため、第2回路におけるLEDチップが不点灯となった段階では、光源装置50の輝度の低下量を小さく抑えることができる。本実施形態では、第2回路が光源装置50における輝度の大幅な低下を予期する検査回路としての役割を果たす。
上記では、第1回路と第2回路との関係についてのみ説明した。冷却器2のY方向における冷却力は、おおよそ同じであるため、第1回路及び第2回路と並列に接続されている他の回路についても第1回路及び第2回路と同様な関係となる。例えば、冷却器2における冷媒の温度は、任意のX座標位置においてY座標に依らずほぼ一定となり、その温度差は1度未満程度である。
(変形例)
LEDチップ30~40は、図1に示すように、回路基板1にアレイ状に設けられる。図1におけるLEDアレイには、LEDチップ30~40がX方向及びY方向に並んで配置されているが、これに限らず、図3に示すように千鳥状にLEDチップが配置されうる。図3に示すように、LEDチップが千鳥状に配置される場合には、LEDチップの間隔を大きくすることができるため、発生する熱の上昇を低減させる点で他の配置に比べて有利である。
LEDチップ30~40は、図1に示すように、回路基板1にアレイ状に設けられる。図1におけるLEDアレイには、LEDチップ30~40がX方向及びY方向に並んで配置されているが、これに限らず、図3に示すように千鳥状にLEDチップが配置されうる。図3に示すように、LEDチップが千鳥状に配置される場合には、LEDチップの間隔を大きくすることができるため、発生する熱の上昇を低減させる点で他の配置に比べて有利である。
また、回路の配線は、LEDチップのジャンクション温度や冷却器2の冷却性能に対する影響が小さい。そのため、回路の配線は図1に示すように直線に設けられていなくとも良く、任意に設けられても良い。例えば、図4に示すように、蛇行して回路の配線が設けられていても良い。
また、図1に示すように回路基板1は1つでなくとも良く、分割して複数設けられても良い。例えば、図5に示すように、X方向に並んだLEDチップ(チップ列)毎に配置されても良い。また、LEDアレイを交換する際に、回路基板毎に独立して交換できるようにしても良い。
また、図6に示すようにLEDチップの配置及び配線をしても良い。図6では、LEDチップ40lを含む回路が第2回路となる。図1における構成と比較して、第2回路に相当する回路の数が少ないため回路の制作が容易になり、比較的安価に光源装置50を製造することができる。
また、第2回路に構成されるLEDチップの数は1つでなくとも良く、第2回路に構成されるLEDチップの数よりも少ない数であれば良い。例えば、図7に示すように、第2回路に構成されるLEDチップの数が2つであっても良い。ただし、第2回路に構成されるLEDチップの数が多いと、第2回路におけるLEDチップが不点灯となった場合に光源装置50の輝度の低下が大きくなる。そのため、第2回路のLEDチップの数は、第1回路のLEDチップの数の20%以下であることが好ましい。
また、LEDチップは製造時の製造誤差により、同じ規格のLEDチップであったとしても発光効率が異なる場合がある。本実施形態における発光効率は、LEDチップへの入力電流に対する発光量の割合で定義する。本実施形態では、第2回路のLEDチップのうち冷却器2の冷却力が最も小さい位置に配置されているLEDチップは、第1回路のいずれのLEDチップよりも発光効率が低いことが好ましい。これは、検査回路である第2回路に発光効率が低いLEDチップを配置し、第1回路に発光効率が高いLEDチップを配置することが好ましいためである。
また、本実施形態では、回路基板1にLEDチップを直接実装した形態で説明しているが、代わりにLEDパッケージを使用しても良い。また、LEDチップの配置は、等間隔と不等間隔のどちらでも良い。
また、本実施形態では、LEDチップの寿命をLEDチップが不点灯となるタイミングとして説明したがこれに限らない。例えば、LEDチップの発光面周辺の樹脂等の消耗によりLEDチップの輝度が低下することが考えられる。LEDチップの輝度が、目標輝度(例えば、新品のLEDと比較して70%)以下になったときを、LEDチップの寿命としても良い。
以上より、本実施形態では、第2回路におけるLEDチップの点灯状態が検出されることによって、第1回路におけるLEDチップが不点灯となる前に、第1回路におけるLEDチップの不点灯を予期することができる。そのため、ユーザは新しいLEDアレイを事前に手配することや、交換を即座に実行できるように準備をすることが可能になる。したがって、本実施形態における光源装置50は、LEDアレイの交換を効率的に実施する上で有利である。
<照明光学系の実施形態>
本実施形態では、上記の光源装置50を照明光学系の光源に適用した場合について説明する。図8は照明光学系500の概略断面図である。照明光学系500は、光源部501、コンデンサレンズ502、インテグレータ光学系503、コンデンサレンズ504を有する。光源部501から出た光束は、コンデンサレンズ502を通過して、インテグレータ光学系503に至る。
本実施形態では、上記の光源装置50を照明光学系の光源に適用した場合について説明する。図8は照明光学系500の概略断面図である。照明光学系500は、光源部501、コンデンサレンズ502、インテグレータ光学系503、コンデンサレンズ504を有する。光源部501から出た光束は、コンデンサレンズ502を通過して、インテグレータ光学系503に至る。
コンデンサレンズ502は、光源部501の射出面位置とインテグレータ光学系503の入射面位置が、光学的にフーリエ共役面になるように設計されている。このような照明系をケーラー照明と呼ぶ。コンデンサレンズ502は、図8では平凸レンズ1枚を描いているが、実際は複数のレンズ群で構成されることが多い。
光源部501(より正確には、LEDアレイに配置された複数のLEDチップ)から射出されたそれぞれの光を、コンデンサレンズ502を介して、インテグレータ光学系の入射面で重ね合わせる。インテグレータ光学系503により、インテグレータ光学系503の射出面位置には、光源部501の射出面と共役な複数の二次光源像が形成される。インテグレータ光学系503の射出面から射出された光は、コンデンサレンズ504を介して照明面505に至る。
図9を用いて光源部501を説明する。図9は、光源部501の概略図である。光源部501は、光源装置50、集光レンズ506、集光レンズ507を有する。集光レンズ506、507は、LEDアレイに配置されている各LEDチップに対応して設けられた複数のレンズを有するレンズアレイである。レンズアレイのレンズは、図9のような平凸レンズであっても良いし、その他のパワーがついた形状をとっても良い。レンズアレイとしては、エッチングや切削等で連続的にレンズを形成したレンズアレイや、個々のレンズを接合したレンズアレイを用いることができる。LEDチップ3から出た光は、半角で50°~70°程度の広がりを持っているが、集光レンズ506、507によって、それらは30°以下程度に変換される。集光レンズ506はLEDチップから所定の間隔だけ離されて設けられる。
図8の説明に戻る。インテグレータ光学系503は、光強度分布を均一化させる機能を有する。インテグレータ光学系503には、オプティカルインテグレータやロッドレンズが用いられ、照明面505の照度均一度を改善する。
コンデンサレンズ504は、インテグレータ光学系503の射出面と照明面505が光学的にフーリエ共役面になるように設計されており、インテグレータ光学系503の射出面またはその共役面は照明光学系の瞳面となる。その結果、照明面505において、ほぼ均一な光強度分布を作成することができる。
上記の照明光学系500は各種照明装置に適用でき、光硬化性樹脂を照明する装置、被検物を照明して検査する装置、リソグラフィ装置などにも用いることができる。例えば、マスクのパターンを基板に露光する露光装置、マスクレス露光装置、型を用いて基板にパターンを形成するインプリント装置、又は、平坦層形成装置に適用することできる。
<露光装置の実施形態>
本実施形態では、上記の光源装置50や照明光学系500を露光装置に適用した場合について説明する。図10は、露光装置100の構成を示す概略図である。露光装置100は、半導体素子や液晶表示素子の製造工程であるリソグラフィ工程に採用され、基板上にパターンを形成するリソグラフィ装置である。露光装置100は、マスクを介して基板を露光して、マスクのパターンを基板に転写する。本実施形態では、露光装置100がステップ・アンド・スキャン方式の露光装置、いわゆる、走査型露光装置として説明するが、ステップ・アンド・リピート方式やその他の露光方式を採用しても良い。
本実施形態では、上記の光源装置50や照明光学系500を露光装置に適用した場合について説明する。図10は、露光装置100の構成を示す概略図である。露光装置100は、半導体素子や液晶表示素子の製造工程であるリソグラフィ工程に採用され、基板上にパターンを形成するリソグラフィ装置である。露光装置100は、マスクを介して基板を露光して、マスクのパターンを基板に転写する。本実施形態では、露光装置100がステップ・アンド・スキャン方式の露光装置、いわゆる、走査型露光装置として説明するが、ステップ・アンド・リピート方式やその他の露光方式を採用しても良い。
露光装置100は、マスク101を照明する照明光学系500、マスク101のパターンを基板102上に投影する投影光学系103を有する。投影光学系103はレンズからなる投影レンズや、ミラーを用いた反射型投影系でもよい。
照明光学系500は、光源部501からの光をマスク101に照明する。マスク101には、基板102に形成すべきパターンに対応するパターンが形成されている。マスク101は、マスクステージ104に保持されており、基板102は、基板ステージ105に保持されている。
マスク101と基板102とは、投影光学系103を介して、光学的にほぼ共役な位置に配置されている。投影光学系103は、物体を像面に投影する光学系である。投影光学系103には、反射系、屈折系、反射屈折系を適用することができる。投影光学系103は、本実施形態では、所定の投影倍率を有し、マスク101に形成されたパターンを基板102に投影する。そして、マスクステージ104及び基板ステージ105を、投影光学系103の物体面と平行な方向に、投影光学系103の投影倍率に応じた速度比で走査する。これにより、マスク101に形成されたパターンを基板102に転写することができる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、フラットパネルディスプレイ(FPD)、半導体デバイス、センサや光学素子などの物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板上に塗布された感光剤に上記の露光装置による露光で潜像パターンを形成し、露光基板を得る工程(露光工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された露光基板を現像し、現像基板を得る工程(現像工程)とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、フラットパネルディスプレイ(FPD)、半導体デバイス、センサや光学素子などの物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板上に塗布された感光剤に上記の露光装置による露光で潜像パターンを形成し、露光基板を得る工程(露光工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された露光基板を現像し、現像基板を得る工程(現像工程)とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
2 冷却器
3 検出部
30~40 LEDチップ
50 光源装置
3 検出部
30~40 LEDチップ
50 光源装置
Claims (19)
- 複数のLEDが構成される第1回路と、前記第1回路に対して並列又は独立に設けられ、前記第1回路に構成されるLEDより少ない数のLEDで構成される第2回路と、を含むLEDアレイと、
前記第2回路におけるLEDの点灯状態を検出する検出部と、
前記LEDアレイを冷却する冷却器と、を有し、
前記第2回路のLEDのうち少なくとも1つのLEDは、前記第1回路のいずれのLEDよりも、前記冷却器の冷却力が小さい位置に配置されることを特徴とする光源装置。 - 前記第2回路のLEDの数は、前記第1回路のLEDの数の20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記第2回路のLEDの数は、1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
- 前記第2回路のLEDのうち前記冷却器の冷却力が最も小さい位置に配置されるLEDは、前記第1回路のいずれのLEDよりも発光効率が低いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記冷却器は、冷媒が流れることにより前記LEDアレイを冷却し、
前記第2回路のLEDのうち少なくとも1つのLEDは、前記第1回路のいずれのLEDよりも前記冷却器において前記冷媒が流れる下流側の位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記第1回路の複数のLEDは、前記冷媒が流れる方向に沿った同一直線上に該複数のLEDが配置されることを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
- 前記第2回路のLEDチップは、前記第1回路に配置されるLEDと同一直線上に配置されることを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
- 前記冷媒は、主成分が水であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記冷媒は、主成分がオイルであることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記LEDアレイには、千鳥状にLEDが配置されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記第1回路と前記第2回路にはそれぞれ別の電源が接続され、前記第1回路と前記第2回路とに流れる電流値をそれぞれ独立して制御することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記検出部で前記第2回路におけるLEDの点灯状態の異常が検出されたとき、前記第2回路のLEDの点灯状態に関する情報を報知手段に送信する送信部を更に有し、
前記報知手段は、前記情報を、音声及び画面表示の少なくとも一方によってユーザに報知することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記検出部は、前記第2回路における電流値を計測する電流計であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記検出部は、前記第2回路のLEDにかかる電圧値を計測する電圧計であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光源装置。
- 複数のLEDで構成される第1回路と、前記第1回路に対して並列又は独立に設けられ、前記第1回路で構成されるLEDより少ない数のLEDで構成される第2回路と、を含むLEDアレイと、
前記第2回路におけるLEDの点灯状態を検出する検出部と、
前記LEDアレイを冷却するために冷媒が流れる冷却器と、
を有し、
前記第2回路のLEDのうち少なくとも1つのLEDは、前記第1回路のいずれのLEDよりも、前記冷却器において前記冷媒が流れる下流側の位置に配置されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の光源装置と、
コンデンサレンズと、
オプティカルインテグレータを有し、
前記LEDアレイに配置された複数のLEDから射出されたそれぞれの光を、前記コンデンサレンズを介して、前記オプティカルインテグレータの入射面で重ね合わせることを特徴とする照明光学系。 - 前記オプティカルインテグレータはレンズ群を有することを特徴とする請求項16に記載の照明光学系。
- 請求項16又は17に記載の照明光学系からの光でパターンが形成された原版を照明し、前記パターンを基板に転写することを特徴とする露光装置。
- 請求項18に記載の露光装置を用いて基板を露光し、露光基板を得る露光工程と、
前記露光基板を現像し、現像基板を得る現像工程と、を含み、
前記現像基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021185815A JP2023073019A (ja) | 2021-11-15 | 2021-11-15 | 光源装置、露光装置、及び物品の製造方法 |
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- 2021-11-15 JP JP2021185815A patent/JP2023073019A/ja active Pending
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