JP2023072926A - 電解セル、及びセルスタック装置 - Google Patents

電解セル、及びセルスタック装置 Download PDF

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俊之 中村
Toshiyuki Nakamura
誠 大森
Makoto Omori
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Abstract

【課題】電解効率を高めた電解セルを提供する。【解決手段】電解セル10は、支持基板4と、素子部5と、触媒部13と、を備える。支持基板4は、水素及び二酸化炭素が流れる流路43を内部に有する。素子部5は、支持基板4に支持される。触媒部13は、水素と二酸化炭素との反応を促進するための触媒を有する。触媒部13は、水素及び二酸化炭素の流通方向において素子部5に対して上流側に配置される。【選択図】図5

Description

本発明は、電解セル、及びセルスタック装置に関するものである。
セラミックス製の電極および電解質からなる電解セルを用いて、水蒸気(H2O)及び二酸化炭素(CO2)を共電解することで、水素(H2)及び一酸化炭素(CO)を合成する技術が知られている。例えば、特許文献1に記載された電解セルは、素子部と、素子部を支持する支持基板とを有している。
特許第6110246号公報
上述したような電解セルにおいて、電解効率を高めたいという要請がある。
本発明の課題は、電解効率を高めた電解セルを提供することにある。
本発明の第1側面に係る電解セルは、支持基板と、少なくとも1つの素子部と、触媒部と、を備える。支持基板は、水素及び二酸化炭素が流れる流路を内部に有する。素子部は、支持基板に支持される。触媒部は、水素と二酸化炭素との反応を促進するための触媒を有する。触媒部は、水素及び二酸化炭素の流通方向において素子部に対して上流側に配置される。
この構成によれば、素子部に対して上流側に触媒部が配置される。触媒部は、水素(H2)と二酸化炭素(CO2)との反応を促進して水蒸気(H2O)を生成する。そのため、触媒部に対して下流側に位置する素子部に、二酸化炭素(CO2)及び水素(H2)を供給する反応ガス供給部から供給されるガスに含まれる水蒸気(H2O)に加えて、触媒部において生成した水蒸気(H2O)を供給することができる。その結果、より多くの水蒸気(H2O)が共電解に用いられ、電解効率を高めることができる。
好ましくは、少なくとも1つの素子部は複数の素子部を含む。複数の素子部は、流通方向に沿って配列される。触媒部は、複数の素子部のうち流通方向の最下流に位置する最下流素子部に対して上流側に配置される。
この構成によれば、各素子部が支持基板の二酸化炭素(CO2)及び水素(H2)の流通方向に配列されている、いわゆる横縞型のセルスタック装置において、触媒部は、最下流に位置する素子部に対して上流側に配置される。そのため、触媒部に対して下流側に位置する素子部に、反応ガス供給部から供給されるガスに含まれる水蒸気(H2O)に加えて、触媒部において生成した水蒸気(H2O)も供給することができる。その結果、より多くの水蒸気(H2O)が共電解に用いられ、電解効率を高めることができる。
好ましくは、少なくとも1つの素子部は複数の素子部を含む。複数の素子部は、流通方向に沿って配列される。触媒部は、複数の素子部のうち流通方向の最上流に位置する最上流素子部に対して上流側に配置される。
この構成によれば、横縞型のセルスタック装置において、触媒部は、最上流に位置する素子部に対して上流側に配置される。そのため、より早い段階で多くの水蒸気(H2O)を生成することができ、触媒部に対して下流側に位置するより多くの素子部において電解効率を高めることができる。
好ましくは、素子部は、酸素極と、水素極と、電解質と、を有する。水素極は、酸素極と支持基板との間に配置される。電解質は、酸素極と水素極との間に配置される。触媒部は、水素極と同じ材料で構成される。
好ましくは、触媒部は、平面視において流路と重複するように支持基板上に配置される。
好ましくは、支持基板は、表面に凹部を有する。触媒部は、支持基板の凹部に配置される。
好ましくは、触媒部は、電子伝導性を有しない。
本発明の第2側面に係るセルスタック装置は、電解セルと、供給部材と、触媒部と、を備える。供給部材は、電解セルに水素及び二酸化炭素を供給する。触媒部は、水素と二酸化炭素との反応を促進するための触媒を有する。触媒部は、供給部材に配置される。
好ましくは、セルスタック装置は、マニホールドを有する。マニホールドは、供給室を有する。触媒部は、供給室内に配置される。
好ましくは、マニホールドは、供給室を画定する内壁面を覆う第1酸化被膜を有する。触媒部は、第1酸化被膜上に配置される。
好ましくは、触媒部は、供給室内に充填される。
好ましくは、供給部材は、マニホールドと、配管と、を有する。マニホールドは、供給室を有する。配管は、供給室に水素及び二酸化炭素を供給する。触媒部は、配管内に配置される。
好ましくは、配管は、内壁面を覆う第2酸化被膜を有する。触媒部は、第2酸化被膜の上に配置される。
好ましくは、触媒部は、配管内に充填される。
本発明によれば、電解効率を高めた電解セルを提供することができる。
セルスタック装置の斜視図。 マニホールドの断面図。 マニホールドの平面図。 セルスタック装置の断面図。 マニホールドに取り付けられた電解セルの平面図。 電解セルの断面図。 上流部における電解セルの断面図。 下流部における電解セルの断面図。 マニホールド表面近辺の断面図。 変形例に係るセルスタック装置の断面図。 配管の断面図。 変形例に係るセルスタック装置の断面図。 変形例に係るセルスタック装置の断面図。 変形例に係るセルスタック装置の断面図。 変形例に係るセルスタック装置の断面図。
以下、本実施形態に係る電解セルについて図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、電解セルの一例として固体酸化物形電解セル(SOEC)を用いて説明する。以下の説明において、上流とは、二酸化炭素(CO2)及び水素(H2)の流通方向の上流を意味する。以下の説明において、下流とは、二酸化炭素(CO2)及び水素(H2)の流通方向の下流を意味する。図1はセルスタック装置を示す斜視図、図2はマニホールド2の断面図である。なお、図1及び図2において、いくつかの電解セルの記載を省略している。
[セルスタック装置]
図1に示すように、セルスタック装置100は、供給部材20と、複数の電解セル10と、触媒部13と、を備えている。
[供給部材]
供給部材20は、マニホールド2と、配管25と、を備える。供給部材20は、電解セル10に水素(H2)及び二酸化炭素(CO2)を供給する。供給部材20には、水素(H2)及び二酸化炭素(CO2)以外のガスが流れてもよい。
[マニホールド]
図2に示すように、マニホールド2は、複数の電解セル10のそれぞれにガスを分配するように構成されている。また、マニホールド2は、電解セル10によって生成されたガスを回収するように構成されている。マニホールド2は、供給室21と回収室22とを有している。供給室21には、水蒸気(H2O)、二酸化炭素(CO2)及び水素(H2)などが供給される。回収室22は、各電解セル10にて生成された水素(H2)及び一酸化炭素(CO)などを回収する。
マニホールド2は、マニホールド本体部23と、仕切板24とを有している。マニホールド本体部23は、内部に空間を有している。マニホールド本体部23は、直方体状である。
仕切板24は、マニホールド本体部23の空間を供給室21と回収室22とに気密に仕切っている。詳細には、仕切板24は、マニホールド本体部23の長手方向に延びている。
供給室21の底面には、供給口211が形成されている。また、回収室22の底面には、排出口221が形成されている。なお、供給口211及び排出口221は、底面ではなく側面や上面に形成されていてもよい。
供給口211は、例えば、電解セル10の配列方向(z軸方向)において、マニホールド2の中心Cよりも第1端部201側に配置されている。一方、排出口221は、例えば、電解セル10の配列方向(z軸方向)において、マニホールド2の中心Cよりも第2端部202側に配置されている。
図3に示すように、マニホールド本体部23の天板部231には、複数の貫通孔232が形成されている。各貫通孔232は、マニホールド本体部23の長手方向(z軸方向)に間隔をあけて並んでいる。各貫通孔232は、マニホールド本体部23の幅方向(y軸方向)に延びている。各貫通孔232は、供給室21及び回収室22と連通している。なお、各貫通孔232は、供給室21と連通する部分と回収室22と連通する部分とに分かれていてもよい。
図4に示すように、マニホールド2は、第1酸化被膜26を有している。詳細には、供給室21を画定する内壁面上に第1酸化被膜26が配置されている。供給室21を画定する内壁面は、第1酸化被膜26に覆われていてもよい。また、仕切板24上に第1酸化被膜26が配置されていてもよい。第1酸化被膜26は、例えば、酸化クロム(Cr23)、マンガンクロムスピネル(Mn,Cr)34、又は酸化アルミニウム(Al23)、酸化チタン(TiO2)、酸化マンガン(MnO、Mn23、Mn34)などによって構成されている。第1酸化被膜26は複数の酸化物層から構成されていてもよい。また、第1酸化被膜26は、拡散元素が含まれた酸化物によって構成されていてもよい。
[配管25]
図1及び図2に示すように、配管25は、マニホールド2に連結している。詳細には、配管25の一端部は、マニホールド2の供給口211と連結している。配管25は、溶接又は接合材などによって、マニホールド2に固定されている。配管25は、供給室21に水蒸気(H2O)、二酸化炭素(CO2)及び水素(H2)などの反応ガスを供給する。
配管25の他端部は、水蒸気(H2O)、二酸化炭素(CO2)及び水素(H2)などのタンクおよび供給制御装置などの反応ガス供給部(図示せず)と連結される。
図4に示すように、配管25は、第2酸化被膜27を有している。詳細には、配管25の内壁面上に第2酸化被膜27が配置されている。第2酸化被膜27は、例えば、酸化クロム(Cr23)、マンガンクロムスピネル(Mn,Cr)34、又は酸化アルミニウム(Al23)、酸化チタン(TiO2)、酸化マンガン(MnO、Mn23、Mn34)などによって構成されている。第2酸化被膜27は複数の酸化物層から構成されていてもよい。また、第2酸化被膜27は、拡散元素が含まれた酸化物によって構成されていてもよい。なお、図4では、第2酸化被膜27は、マニホールド2の第1酸化被膜26と連結しているが、第2酸化被膜27は、第1酸化被膜26から離れていてもよい。
[電解セル]
図4及び図5に示すように、電解セル10は、マニホールド2から第1方向に延びている。なお、本実施形態では、電解セル10は、マニホールド2から上方に延びている。
電解セル10は、上流部101及び下流部102を有している。電解セル10は、上流部101においてマニホールド2に取り付けられている。すなわち、マニホールド2は、各電解セル10の上流部101を支持している。一方、電解セル10の下流部102は、マニホールド2などに固定されていない。すなわち、電解セル10の下流部102は、自由端となっている。本実施形態では、電解セル10の上流部101は下端部を意味し、電解セル10の下流部102は上端部を意味する。
図1に示すように、各電解セル10は、主面同士が対向するように並べられている。また、各電解セル10は、マニホールド2の長手方向(z軸方向)に沿って間隔をあけて並べられている。すなわち、電解セル10の配列方向は、マニホールド2の長手方向に沿っている。
図4及び図5に示すように、電解セル10は、支持基板4と、複数の素子部5と、触媒部13と、を有している。また、電解セル10は、連通部材3をさらに有している。
[支持基板]
支持基板4は、マニホールド2から上方に延びている。支持基板4は、板状である。詳細には、支持基板4は、平面視(z軸方向視)が長方形状である。支持基板4は、長手方向(x軸方向)と幅方向(y軸方向)とを有している。本実施形態では、図4及び図5の上下方向(x軸方向)が支持基板4の長手方向であり、図4及び図5の左右方向が(y軸方向)が支持基板4の幅方向である。
支持基板4は、上流部41と下流部42とを有している。上流部41及び下流部42は、支持基板4の長手方向(x軸方向)における両端部である。本実施形態では、支持基板4の上流部41は下端部を意味し、支持基板4の下流部42は上端部を意味する。
支持基板4の上流部41は、マニホールド2に取り付けられる。例えば、支持基板4の上流部41は、接合材400などによってマニホールド2の天板部231に取り付けられる。詳細には、支持基板4の上流部41は、天板部231に形成された貫通孔232に挿入されている。なお、支持基板4の上流部41は、貫通孔232に挿入されていなくてもよい。すなわち、支持基板4の第1端面411によって貫通孔232を覆うように、支持基板4が天板部231上に載置されていてもよい。
支持基板4には、複数の第1流路43、及び1つの第2流路44が形成されている。第1流路43の数は、第2流路44の数よりも多い。
第1及び第2流路43、44は、支持基板4内を第1方向に延びている。なお、第1方向とは、第1及び第2流路43,44が延びる方向を意味する。本実施形態では、第1及び第2流路43,44は、支持基板4の長手方向に延びている。また、第1方向と交差する方向を「第2方向」と称する。なお、本実施形態では、第2方向は第1方向と直交している。第2方向は、支持基板4の幅方向(y軸方向)に沿って延びている。
第1及び第2流路43、44は、支持基板4を貫通している。各第1流路43は、第2方向において互いに間隔をあけて配置されている。また、各第2流路44は、第2方向において第1流路43と間隔をあけて配置されている。すなわち、各第1流路43と第2流路44とは、第2方向において互いに間隔をあけて配置されている。なお、第1流路43と第2流路44との間隔は、第1流路43同士の間隔よりも大きいことが好ましい。
第1流路43は、その上流部431において、供給室21と連通している。このため、第1流路43には、供給室21からH2、H2O及びCO2などが供給される。すなわち、第1流路43の上流部431から下流部432に向かって、H2、H2O及びCO2などが流れる。第1流路43には、H2、H2O及びCO2以外のガスが流れてもよい。
第2流路44は、その下流部442において、第1流路43と連通している。すなわち、第1流路43の下流部432と第2流路44の下流部442は互いに連通している。詳細には、第1流路43の下流部432と、第2流路44の下流部442とは、後述する連通流路30を介して連通している。また、第2流路44は、その上流部441において、回収室22と連通している。
第2流路44には、電解セル10によって生成されたH2及びCOなどが下流部442から上流部441に向かって流れる。そして、第2流路44内を流れるH2及びCOなどは、第2流路44の上流部441から回収室22に排出される。
支持基板4は、電子伝導性を有さない多孔質の材料によって構成される。支持基板4は、例えば、Y23(イットリア)、MgO(酸化マグネシウム)、MgAl24(マグネシアアルミナスピネル)あるいはこれらの複合物などによって構成することができる。支持基板4の気孔率は、例えば、20~60%程度である。この気孔率は、例えば、アルキメデス法により測定される。
支持基板4は、緻密層48によって覆われている。緻密層48は、第1流路43及び第2流路44から支持基板4内に拡散されたガスが外部に排出されることを抑制するように構成されている。本実施形態では、緻密層48は、支持基板4の表面のうち、素子部5が形成されていない部分を覆っている。なお、本実施形態では、緻密層48は、後述する電解質7に使用される材料、又は結晶化ガラス等によって構成することができる。緻密層48は、支持基板4よりも緻密である。例えば、緻密層48の気孔率は、0~7%程度である。
図6は、第2方向と直交する面で電解セル10を切断した切断面を示している。なお、図6は、第1流路43に沿って電解セル10を切断した切断面である。
図6及び図7に示すように、支持基板4は、第1主面45、第2主面46、複数の第1凹部49、第2凹部149及び複数の桟部50を有している。各第1凹部49は、第1方向において、互いに間隔をあけて配置されている。第1凹部49は、第2方向に延びている。第2凹部149は、第2方向に延びている。第2凹部149は、第1凹部49に対して上流側に配置されている。なお、第1凹部49及び第2凹部149は、平面視(z軸方向視)において、第2流路44と重複する部分には形成されていない。
桟部50は、一対の第1凹部49の間に配置される。すなわち、一対の第1凹部49の間の部分が桟部50となる。桟部50は、第2方向に延びている。第1方向において、第1凹部49と桟部50とが交互に配置される。
[連通部材]
図4に示すように、電解セル10は、第1流路43と第2流路44とを連通する連通流路30を有している。なお、連通流路30は、支持基板4に取り付けられた連通部材3に形成されている。連通部材3は、支持基板4と一体的に形成されていることが好ましい。
連通部材3は、例えば、多孔質である。また、連通部材3は、その外側面を構成する緻密層31を有している。緻密層31は、連通部材3の本体よりも緻密に形成されている。例えば、緻密層31の気孔率は、0~7%程度である。この緻密層31は、連通部材3と同じ材料、上述した電解質7に使用される材料、又は結晶化ガラス等によって形成することができる。
[素子部]
図5に示すように、複数の素子部5が、支持基板4上に配置されている。なお、本実施形態では、支持基板4の両面において、複数の素子部5が支持されている。なお、第1主面45に形成される素子部5の数と第2主面46に形成される素子部5の数とは、互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。また、素子部5は、支持基板4の第1主面45及び第2主面46のどちらか一方のみに支持されていてもよい。
複数の素子部5は、第1方向に配列されている。すなわち、本実施形態に係る電解セル10は、いわゆる横縞型の電解セルである。本明細書において、複数の素子部5のうち流通方向の最下流に位置する素子部5を、最下流素子部52という。本明細書において、複数の素子部5のうち流通方向の最上流に位置する素子部5を、最上流素子部53という。なお、複数の素子部5は、インターコネクタ9(図6参照)によって、互いに電気的に直列に接続されている。
素子部5は、第2方向に延びている。素子部5は、平面視(z軸方向視)において、第1流路43と重複する一方で、第2流路44とは重複していない。すなわち、第1流路43は、平面視において素子部5と重複するように配置されており、第2流路44は、平面視において、素子部5と重複しないように配置されている。なお、平面視とは、電解セル10の厚さ方向に沿って見ることを言う。
支持基板4は、第1領域R1と第2領域R2とに分けることができる。第1領域R1は、第1方向視(x軸方向視)において、供給室21と重複する領域である。第2領域R2は、第1方向視(x軸方向視)において、回収室22と重複する領域である。
素子部5は、支持基板4の第1領域R1に配置されており、第2領域R2には配置されていない。また、第1流路43は、支持基板4の第1領域R1内に形成されており、第2流路44は、支持基板4の第2領域R2内に形成されている。
図6に示すように、素子部5は、水素極6(カソード)、電解質7、及び酸素極8(アノード)を有している。支持基板4側から、水素極6、電解質7、酸素極8の順で配置されている。素子部5は、反応防止膜11をさらに有している。
[水素極]
水素極6は、下記(1)~(3)式に示す化学反応に従って、共電解反応によりCO2及びH2Oから、H2、CO、及びO2-を生成する。なお、下記(1)~(3)式は全て吸熱反応である。
・水素極6:
2O + 2e- → H2 + O2-・・・(1)
CO2 + 2e- → CO + O2-・・・(2)
CO2 + H2 → CO +H2O・・・(3)
水素極6は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される。水素極6は、焼成体である。水素極6は、水素極集電部61と水素極活性部62とを有する。各水素極6は、支持基板4上に配置されている。各水素極6は、第1方向(x軸方向)において、互いに間隔をあけて配置されている。
[水素極集電部]
水素極集電部61は、第1凹部49内に配置されている。第1凹部49は、支持基板4に形成されている。詳細には、水素極集電部61は、第1凹部49を埋めており、第1凹部49と同様の形状を有する。
水素極集電部61の主面611は、支持基板4の第1主面45と実質的に同一面上にある。すなわち、支持基板4の第1主面45と、各水素極集電部61の主面611とによって、一つの面が構成されている。なお、水素極集電部61の主面611は、支持基板4の第1主面45と完全に同一面上になくてもよく、例えば、支持基板4の第1主面45との間に20μm以下程度の段差があってもよい。
水素極集電部61は、電子伝導性を有する。水素極集電部61は、水素極活性部62よりも高い電子伝導性を有していることが好ましい。水素極集電部61は、酸素イオン伝導性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
水素極集電部61は、遷移金属酸化物微粒子、金属微粒子、Ni又は8YSZの複合物、又は、NiO及びGDC=(Ce,Gd)O2(ガドリニウムドープセリア)の複合物などによって構成することができる。遷移金属酸化物微粒子としては、具体的に、NiO、Fe23、及びFe34などを挙げることができ、金属微粒子としては、具体的に、Ni、Fe、及びRuなどを挙げることができる。水素極集電部61の厚さ、及び第1凹部49の深さは、例えば、50~500μm程度である。
[水素極活性部]
水素極活性部62は、水素極集電部61の主面611上に配置されている。このため、水素極活性部62は、第1凹部49から突出している。すなわち、水素極活性部62は、水素極集電部61に埋設されていない。水素極活性部62の端縁は、主面611上において、水素極集電部61の端縁よりも内側に形成されている。詳細には、水素極活性部62は、水素極集電部61よりも平面視(z軸方向視)の面積が小さい。そして、水素極活性部62は、水素極集電部61の主面611内に収まっている。
水素極活性部62は、酸素イオン伝導性を有するとともに、電子伝導性を有する。水素極活性部62は、水素極集電部61より高い酸素イオン伝導性を有することが好ましい。
水素極活性部62は、遷移金属酸化物微粒子、金属微粒子、Ni又は8YSZの複合物、又は、NiO及びGDC=(Ce,Gd)O2(ガドリニウムドープセリア)の複合物などによって構成することができる。遷移金属酸化物微粒子としては、具体的に、NiO、Fe23、及びFe34などを挙げることができ、金属微粒子としては、具体的に、Ni、Fe、及びRuなどを挙げることができる。水素極活性部62は、水素極集電部61よりも薄い。水素極活性部62の厚さは、例えば、5~30μm程度である。
[電解質]
電解質7は、水素極6と酸素極8との間に配置される。電解質7は、酸素イオン伝導性を有する。電解質7は、水素極6において生成されたO2-を酸素極8に伝達させる。電解質7は、水素極6上を覆うように配置されている。詳細には、電解質7は、一のインターコネクタ9から他のインターコネクタ9まで第1方向に延びている。すなわち、第1方向において、電解質7とインターコネクタ9とが交互に配置されている。
電解質7は、支持基板4よりも緻密である。例えば、電解質7の気孔率は、0~7%程度である。電解質7は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料から構成される焼成体である。電解質7は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)、又は、LSGM(ランタンガレート)などによって構成することができる。電解質7の厚さは、例えば、3~50μm程度である。
[反応防止膜]
反応防止膜11は、緻密な材料から構成される焼成体である。反応防止膜11は、平面視において、水素極活性部62と略同一の形状であり、水素極活性部62と重複するように配置されている。反応防止膜11は、電解質7を介して、水素極活性部62と対応する位置に配置されている。反応防止膜11は、電解質7内のYSZと酸素極活性部81内のSrとが反応して電解質7と酸素極活性部81との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。反応防止膜11は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O2(ガドリニウムドープセリア)などによって構成することができる。反応防止膜11の厚さは、例えば、3~50μm程度である。
[酸素極]
酸素極8は、下記(4)式に示す化学反応に従って、電解質7を介して水素極6より伝達されるO2-からO2を生成する。
・酸素極8:2O2-→O2+4e-・・・(4)
酸素極8は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される。酸素極8は、焼成体である。酸素極8は、水素極6と協働して電解質7を挟むように配置されている。酸素極8は、酸素極活性部81及び酸素極集電部82を有している。
[酸素極活性部]
酸素極活性部81は、反応防止膜11上に配置されている。酸素極活性部81は、酸素イオン伝導性を有するとともに、電子伝導性を有する。酸素極活性部81は、酸素極集電部82より高い酸素イオン伝導性を有することが好ましい。
酸素極活性部81は、多孔質の材料から構成される。酸素極活性部81は焼成体である。酸素極活性部81は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、LSF=(La,Sr)FeO3(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O3(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO3(ランタンストロンチウムコバルタイト)、又はSSC=(Sm,Sr)CoO3(サマリウムストロンチウムコバルタイト)、およびそれらとGDCなどの酸素イオン伝導材料との複合物によって構成することができる。また、酸素極活性部81は、LSCFから構成される第1層(内側層)とLSCから構成される第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。酸素極活性部81の厚さは、例えば、10~100μmである。
[酸素極集電部]
酸素極集電部82は、酸素極活性部81上に配置されている。酸素極集電部82は、酸素極活性部81から、隣の素子部5に向かって延びている。酸素極集電部82は、インターコネクタ9を介して隣の素子部5の水素極集電部61と電気的に接続されている。なお、水素極集電部61と酸素極集電部82とは、第1方向において、反応領域から互いに反対側に延びている。なお、反応領域とは、電解セル10の平面視(z軸方向視)において、水素極活性部62と電解質7と酸素極活性部81とが重複する領域である。
酸素極集電部82は、電子伝導性を有する多孔質材料から構成される。酸素極集電部82は、焼成体である。酸素極集電部82は、酸素極活性部81よりも高い電子伝導性を有していることが好ましい。酸素極集電部82は、酸素イオン伝導性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
酸素極集電部82は、例えば、LSCF、LSC、Ag(銀)、又は、Ag-Pd(銀パラジウム合金)などによって構成することができる。なお、酸素極集電部82の厚さは、例えば、50~500μm程度である。
[インターコネクタ]
インターコネクタ9は、第1方向において隣り合う素子部5同士を電気的に接続するように構成されている。インターコネクタ9は、隣り合う素子部5の一方の素子部5の水素極6と、他方の素子部5の酸素極8とを電気的に接続している。詳細には、インターコネクタ9は、隣り合う素子部5の一方の素子部5の水素極集電部61と、他方の素子部5の酸素極集電部82とを電気的に接続している。
このように、各素子部5は、インターコネクタ9によって、第1及び第2主面45、46のそれぞれにおいて電解セル10の上流部101から下流部102まで直列に接続されている。
インターコネクタ9は、水素極集電部61の主面611上に配置されている。インターコネクタ9は、第1方向において、水素極活性部62と間隔をあけて配置されている。
インターコネクタ9は、電子伝導性を有する緻密な材料から構成される。インターコネクタ9は、焼成体である。インターコネクタ9は、支持基板4よりも緻密である。例えば、インターコネクタ9の気孔率は、0~7%程度である。インターコネクタ9は、例えば、LaCrO3(ランタンクロマイト)、又は、(Sr,La)TiO3(ストロンチウムチタネート)などによって構成することができる。インターコネクタ9の厚さは、例えば、10~100μmである。
第2主面46において最上流に配置された素子部5の酸素極集電部82は、第2主面46から支持基板4の側面を介して第1主面45まで延びている。すなわち、この最上流に配置された素子部5の酸素極集電部82は、環状に延びている。そして、第1主面45において最上流に配置されたインターコネクタ9は、第2主面46から第1主面45まで延びる酸素極集電部82と、第1主面45において最上流に配置された素子部5の水素極集電部61と、を電気的に接続している。
このように、第1主面45において直列接続された複数の素子部5と、第2主面46において直列接続された複数の素子部5とは、インターコネクタ9によって、電解セル10の上流部101において直列接続されている。
[集電部材]
図8に示すように、セルスタック装置100は、集電部材12をさらに有している。集電部材12は、隣り合う電解セル10の間に配置されている。そして、集電部材12は、隣り合う電解セル10を互いに電気的に接続している。集電部材12は、隣り合う電解セル10の下流部102同士を接合している。例えば、集電部材12は、支持基板4の両主面に配置された複数の素子部5のうち、最下流に配置された素子部5に対して下流に配置されている。集電部材12は、隣り合う電解セル10の最下流に配置された素子部5同士を電気的に接続している。
集電部材12は、導電性接合材103を介して、素子部5から延びる酸素極集電部82に接合される。導電性接合材103としては、周知の導電性セラミックス等を用いることができる。例えば、導電性接合材103は、(Mn,Co)34、(La,Sr)MnO3、及び(La,Sr)(Co,Fe)O3などから選ばれる少なくとも1種によって構成することができる。
[触媒部]
図5に示すように、触媒部13は、素子部5に対して上流側に配置される。詳細には、触媒部13は、最下流素子部52に対して上流側に配置される。なお、触媒部13は、桟部50内には配置されていないが、桟部50内に配置されていてもよい。触媒部13は、素子部5と別の素子部5との間に配置されてもよい。
触媒部13は、平面視において第1流路43と重複するように支持基板4上に配置されている。なお、触媒部13は、素子部5から電気化学的に絶縁されている。すなわち、触媒部13は、素子部5から離れた位置に配置されている。
図7に示すように、触媒部13は、第2凹部149内に配置されている。第2凹部149は、支持基板4に形成されている。詳細には、触媒部13は、第2凹部149を埋めており、第2凹部149と同様の形状を有する。
触媒部13の主面131は、支持基板4の第1主面45と実質的に同一面上にある。すなわち、支持基板4の第1主面45と、触媒部13の主面131とによって、一つの面が構成されている。触媒部13の主面131上には、電解質7が配置されている。なお、触媒部13の主面131上には、電解質7のみが配置されている。
触媒部13は、第1流路43内から供給される二酸化炭素(CO2)と水素(H2)との反応を促進する触媒を含む。触媒部13は、水素極6と同じ材料で構成されている。詳細には、このような触媒としては、例えば、遷移金属酸化物微粒子、金属微粒子、Ni又は8YSZの複合物、又は、NiO及びGDC=(Ce,Gd)O2(ガドリニウムドープセリア)の複合物などを用いることができ、遷移金属酸化物微粒子としては、具体的に、NiO、Fe23、及びFe34などを挙げることができ、金属微粒子としては、具体的に、Ni、Fe、及びRuなどを挙げることができる。
触媒部13では、下記(5)式のように、水素極6で起こる(3)式と同じ反応が起こる。触媒部13は、(5)式に示す化学反応に従って、二酸化炭素(CO2)及び水素(H2)から、H2Oを生成する反応を触媒する。
・触媒部13:CO2 + H2 → CO + H2O・・・(5)
第1流路43から供給された二酸化炭素(CO2)及び水素(H2)が触媒部13に供給されることによって、触媒部13において上記(5)式で示す反応が起こる。すなわち、第1流路43において、触媒部13に対して下流側で供給されるH2Oが増える。
上記のように、水素極6において起こっていた吸熱反応の一部を触媒部13で起こるように構成したことによって、吸熱反応が起こる場所を分散させることができる。
[使用方法]
上述したように構成されたセルスタック装置100では、電極間に電力を供給しながら、マニホールド2の供給室21にH2O、CO2及びH2を供給する。そして、第1流路43内を流れるH2O及びCO2が素子部5において共電解されて、H2、及びCOが生成される。このように生成されたH2、及びCOは、第2流路44内を流れて、回収室22で回収される。本実施形態においては、素子部5に対して上流側に触媒部13が配置される。触媒部13は、H2とCO2との反応を促進してH2Oを生成する。そのため、触媒部13に対して下流側に位置する素子部5に、反応ガス供給部から供給されるガスに含まれるH2Oに加えて、触媒部13で生成したH2Oも素子部5に供給することができる。その結果、より多くのH2Oが共電解に用いられ、電解効率を高めることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
(a)上記実施形態において、触媒部13は、支持基板4に配置されることとしたが、これに限らない。触媒部13は、供給部材20に配置されてもよい。詳細には、触媒部13は、供給部材20のマニホールド2の供給室21を画定する内壁面上に配置されてもよい。触媒部13は、マニホールド2の供給室21を画定する内壁面を覆うように配置されてもよい。この場合、図9に示すように、触媒部13は、供給室21の第1酸化被膜26上に配置される。すなわち、マニホールド2の内壁側から、第1酸化被膜26、触媒部13、の順に積層する。
また、図10に示すように、触媒部13は、マニホールド2の供給室21内に充填されていてもよい。この場合、触媒部13は例えば、触媒粒子をペレット状に固めた物を用いることができる。
本変形例においては、上記実施形態では電解セル10の水素極6において起こっていた吸熱反応の一部を供給部材20で起こるように構成したことによって、吸熱反応が起こる場所を分散させることができる。
(b)触媒部13は、供給部材20の配管25の内壁面上に配置されてもよい。触媒部13は、配管25の内壁面を覆うように配置されてもよい。この場合、図11に示すように、触媒部13は、配管25の第2酸化被膜27上に配置される。すなわち、配管25の内壁面側から、第2酸化被膜27、触媒部13、の順に積層する。
また、図10に示すように、触媒部13は、配管25内に充填されていてもよい。この場合、触媒部13は例えば、触媒粒子をペレット状に固めた物を用いることができる。
本変形例においては、上記実施形態では電解セル10の水素極6において起こっていた吸熱反応の一部を配管25で起こるように構成したことによって、吸熱反応が起こる場所を分散させることができる。
(c)上記実施形態において、触媒部13は、水素極6と同じ材料で構成されたが、これに限らない。触媒部13は、二酸化炭素(CO2)と水素(H2)との反応を促進する触媒材料で構成されていれば、特に限定されない。
触媒部13は、電子伝導性を有しないものであってもよい。この場合、触媒部13には、例えば、遷移金属酸化物微粒子、金属微粒子、Ni又は8YSZの複合物粒子、又は、NiO及びGDC=(Ce,Gd)O2(ガドリニウムドープセリア)の複合物粒子などを用いることができる。さらに、これらの粒子を、粒子同士が互いに接触しない程度の含有量を含ませることで、電子伝導性を有しない触媒部13を構成する。遷移金属酸化物微粒子としては、具体的に、NiO、Fe23、及びFe34などを挙げることができ、金属微粒子としては、具体的に、Ni、Fe、及びRuなどを挙げることができる。
(d)上記実施形態では、触媒部13は1つだけであったが、触媒部13は複数存在してもよい。この場合は、最下流側の触媒部13が、最下流素子部52に対して上流側に配置される。各触媒部13は、流通方向(x軸方向)において、互いに間隔をあけて配置されている。
(e)上記実施形態では、連通流路30は連通部材3に形成されていたが、連通流路30の構成はこれに限定されない。例えば、図12に示すように、連通流路30は、支持基板4内に形成されていてもよい。この場合、セルスタック装置100は、連通部材3を備えていなくてもよい。この支持基板4内に形成された連通流路30によって、第1流路43と第2流路44とが連通されている。
(f)上記実施形態では、第1流路43の下流部432と第2流路44の下流部442とが連通流路30を介して間接的に連通していたが、第1及び第2流路43,44の構成はこれに限定されない。例えば、第1流路43の下流部432と第2流路44の下流部442とが直接連通していてもよい。
(g)上記実施形態では、電解セル10は、複数の素子部5を有していたが、電解セル10の構成はこれに限定されない。例えば、電解セル10は、1つの素子部5のみを有する構成であってもよい。この場合、素子部5は、支持基板4の第1主面45から側面を介して第2主面46まで延びている構成とすることができる。
(h)上記実施形態では、支持基板4の第1領域R1において素子部5が形成される一方で、支持基板4の第2領域R2には何も形成されていないが、電解セル10の構成はこれに限定されない。例えば、図13に示すように、素子部5から第2領域R2に向かって延びるような調整部材51を形成することができる。
調整部材51は、素子部5と同様の形状をしている一方で、素子部5とは異なる材料で構成されている。第2流路44内を流れるH2O及びCO2は、この調整部材51において、共電解されることはない。調整部材51は、電解セル10を製造する際の焼成時の収縮挙動が素子部5と近いような構成とすることができる。これにより、電解セル10をより適切に焼成することができる。
(i)上記実施形態の電解セルは、各素子部5が支持基板4の流通方向(x軸方向)に配列されている、いわゆる横縞型の電解セルであるが、電解セルの構成はこれに限定されない。例えば、電解セルは、支持基板4の第1主面45に1つの素子部5が支持された、いわゆる縦縞型の電解セルであってもよい。この場合、支持基板4の第2主面46に一つの素子部5が支持されていてもよいし、支持されていなくてもよい。
(j)上記実施形態において、セルスタック装置100は、いわゆる円筒平板型の電解セルを備えることとしたが、セルスタック装置100の構成はこれに限定されない。例えば、セルスタック装置100は、いわゆる平板型の電解セルを備えてもよい。この場合、図14及び図15に示すように、セルスタック装置100は、複数の電解セル10と、供給部材20と、第2マニホールド93と、回収部材95,96と、触媒部13と、複数のインターコネクタ94と、を備える。セルスタック装置100は、インターコネクタ94を介して複数の電解セル10が積層された構造を有する。
供給部材20は、電解セル10に水素(H2)及び二酸化炭素(CO2)を供給する。供給部材20には、水素(H2)及び二酸化炭素(CO2)以外のガスが流れてもよい。
供給部材20は、第1マニホールド92および配管97を有する。第1マニホールド92には、積層方向(z軸)に沿って水素(H2)及び二酸化炭素(CO2)などのガスが流れる供給室921が形成されている。回収部材95は、水素(H2)及び二酸化炭素(CO2)などのガス排出管として用いられる。電解セル10で生成された水素(H2)及び一酸化炭素(CO)も、回収部材95を通して回収される。
配管97は、第1マニホールド92に連結している。配管97は、供給室921に水素(H2)及び二酸化炭素(CO2)などの反応ガスを供給する。
第2マニホールド93内部には、空気が流れる。回収部材96は、空気および酸素(O2)排出管として用いられる。
電解セル10は、水素極6と、電解質7と、酸素極8とを有する。電解セル10は、平面視(z軸方向視)において、矩形状である。電解質7は、平板状であり、主面が積層方向(z軸方向)を向いている。酸素極8は、電解質7の一方の主面に配置されている。水素極6は、電解質7の他方の主面に配置されている。電解質7は、水素極6と酸素極8との間に配置される。本実施形態では、電解質7の上面に酸素極8が配置され、電解質7の下面に水素極6が配置されている。水素極6は、電解質7及び酸素極8より厚い。
触媒部13は、供給部材20に配置される。詳細には、触媒部13は、供給部材20のマニホールド92の供給室921に配置される。好ましくは、触媒部13は、最も上流に配置される電解セル10に対して上流側に配置される。本変形例においては、触媒部13は、供給室921に充填されている。触媒部13は、配管97内に配置されてもよい。
なお、本変形例では、平板型の電解セル10は、水素極6が支持体としての機能を担う水素極支持型セルであったが、これに限定されない。平板型の電解セル10は、電解質7が支持体としての機能を担う電解質支持型セルであってもよい。平板型の電解セル10は、酸素極8が支持体としての機能を担う酸素極支持型セルであってもよい。平板型の電解セル10は、水素極6又は酸素極8に接合された金属基板が支持体としての機能を担うメタルサポート型セルであってもよい。電解セル10が電解質支持型セルである場合、電解質7は、水素極6及び酸素極8より厚くてよい。電解セル10が酸素極支持型セルである場合、酸素極8は、水素極6及び電解質7より厚くてよい。
2 :マニホールド
4 :支持基板
5 :素子部
10 :電解セル
13 :触媒部
21 :供給室
22 :回収室
25 :配管
30 :連通流路
43 :第1流路
44 :第2流路
52 :最下流素子部
53 :最上流素子部
100 :セルスタック装置

Claims (14)

  1. 水素及び二酸化炭素が流れる流路を内部に有する支持基板と、
    支持基板に支持される少なくとも1つの素子部と、
    水素と二酸化炭素との反応を促進するための触媒を有し、水素及び二酸化炭素の流通方向において前記素子部に対して上流側に配置される触媒部と、
    を備える、電解セル。
  2. 前記少なくとも1つの素子部は複数の素子部を含み、
    前記複数の素子部は、前記流通方向に沿って配列され、
    前記触媒部は、前記複数の素子部のうち前記流通方向の最下流に位置する最下流素子部に対して上流側に配置される、
    請求項1に記載の電解セル。
  3. 前記少なくとも1つの素子部は複数の素子部を含み、
    前記複数の素子部は、前記流通方向に沿って配列され、
    前記触媒部は、前記複数の素子部のうち前記流通方向の最上流に位置する最上流素子部に対して上流側に配置される、
    請求項1に記載の電解セル。
  4. 前記素子部は、
    酸素極と、
    前記酸素極と前記支持基板との間に配置される水素極と、
    前記酸素極と前記水素極との間に配置される電解質と、
    を有し、
    前記触媒部は、前記水素極と同じ材料で構成される、
    請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電解セル。
  5. 前記触媒部は、平面視において前記流路と重複するように前記支持基板上に配置される、
    請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電解セル。
  6. 前記支持基板は、表面に凹部を有し、
    前記触媒部は、前記凹部に配置される、
    請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電解セル。
  7. 前記触媒部は、電子伝導性を有しない、
    請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電解セル。
  8. 電解セルと、
    前記電解セルに水素及び二酸化炭素を供給する供給部材と、
    水素と二酸化炭素との反応を促進するための触媒を有し、前記供給部材に配置される触媒部と、
    を備える、セルスタック装置。
  9. 前記供給部材は、供給室を有するマニホールドを有し、
    前記触媒部は、前記供給室内に配置される、
    請求項8に記載のセルスタック装置。
  10. 前記マニホールドは、前記供給室を画定する内壁面を覆う第1酸化被膜を有し、
    前記触媒部は、前記第1酸化被膜上に配置される、
    請求項9に記載のセルスタック装置。
  11. 前記触媒部は、前記供給室内に充填される、
    請求項9に記載のセルスタック装置。
  12. 前記供給部材は、
    供給室を有するマニホールドと、
    前記供給室に水素及び二酸化炭素を供給する配管と、
    を有し、
    前記触媒部は、前記配管内に配置される、
    請求項8に記載のセルスタック装置。
  13. 前記配管は、内壁面を覆う第2酸化被膜を有し、
    前記触媒部は、前記第2酸化被膜上に配置される、
    請求項12に記載のセルスタック装置。
  14. 前記触媒部は、前記配管内に充填される、
    請求項12に記載のセルスタック装置。
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