JP2023072105A - 回転子及び電動機 - Google Patents

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Katsutoshi Fujita
勇輝 吉岡
Yuki Yoshioka
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Abstract

【課題】巻線コイルのコイルエンドをリングカバーで覆ったとしてもワニス等の樹脂を巻線コイルに浸透させやすくするとともに巻線コイルの温度上昇を抑制することができる回転子等を提供する。【解決手段】回転子10は、回転軸13と、回転軸13に取り付けられた回転子鉄心11と、回転子鉄心11に巻回された巻線コイル12と、巻線コイル12のコイルエンド12aを覆うリングカバー14とを備え、リングカバー14におけるコイルエンド12aを覆う位置に、少なくとも一つの貫通孔(第1貫通孔110、第2貫通孔210)が設けられている。【選択図】図6

Description

本開示は、回転子及び電動機に関する。
電動機は、家庭用電気機器をはじめとして種々の機器に用いられている。例えば、電動機は、電気掃除機に搭載される電動送風機に用いられる。
電動機としては、ブラシを用いる整流子電動機、及び、ブラシを用いないブラシレス電動機が知られている。このうち、整流子電動機は、固定子と、固定子の磁力によって回転する回転子と、回転子の回転軸に取り付けられた整流子と、整流子に摺接するブラシとを備える。
整流子電動機の回転子は、電機子であり、回転軸と、回転軸に取り付けられた回転子鉄心と、回転子鉄心に巻回された巻線コイルとを備える。この場合、回転子鉄心に巻回された巻線コイルがばらけて飛散しないように、巻線コイルにはワニス等の粘性の低い絶縁性熱硬化性樹脂が塗布される。
一般的に、電気掃除機の電動送風機には、整流子電動機が用いられる。近年、家庭用の電気掃除機では、省エネルギーの要求に伴って高効率化が求められている。電気掃除機で消費するエネルギーは、電気掃除機に用いられる整流子電動機で消費するエネルギーに直結するため、電気掃除機を高効率化するには、整流子電動機を効率化する必要がある。
これまで、電気掃除機に用いられる整流子電動機を高効率化するための手段については種々検討されてきている。例えば、回転子を高速回転化することも整流子電動機を高効率化するための一つの手段である。
しかしながら、整流子電動機において、回転子を高速回転させると、回転子鉄心に巻回された巻線コイルの表面に生じる凹凸による乱流が風損として顕在化し、電動機の効率化を妨げることになる。
そこで、従来、巻線コイルの表面に生じる凹凸に起因する風損を抑制するための技術が提案されている(特許文献1、2)。特許文献1には、回転子鉄心に巻回された巻線コイルに含まれるコイルエンドの表面を粘性の高い熱硬化性樹脂で覆うことで、巻線コイルの表面に生じる凹凸を平滑化する技術が開示されている。また、特許文献2には、回転子鉄心に巻回された巻線コイルのコイルエンドを覆うように樹脂製のリングカバーを取り付けることで、巻線コイルの表面に生じる凹凸を平滑化する技術が開示されている。
特開2009-303440号公報 特開2011-229746号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された方法では、巻線コイルの表面に生じる凹凸に起因する風損を抑制することができるものの、巻線コイルの放熱性が低下してしまう。
特に、特許文献2のようにリングカバーで巻線コイルを覆ってしまうと、飛散防止用に巻線コイルに塗布するワニスが巻線コイルの内部に浸透することを阻害してしまうため、巻線コイルがばらけて飛散したり巻線コイルの温度が上昇したりするおそれがある。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、巻線コイルに含まれるコイルエンドをリングカバーで覆ったとしてもワニス等の樹脂を巻線コイルに浸透させ易くするとともに巻線コイルの温度上昇を抑制することができる回転子及び電動機等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係る回転子の一態様は、回転軸と、前記回転軸に取り付けられた回転子鉄心と、前記回転子鉄心に巻回されて、前記回転軸が延伸する方向の端部をコイルエンドとする巻線コイルと、前記巻線コイルの前記コイルエンドを覆うリングカバーと、を備え、前記リングカバーにおける前記コイルエンドを覆う位置に、少なくとも一つの貫通孔が設けられている。
また、本開示に係る電動機の一態様は、上記の回転子と、前記回転子と向かい合う固定子と、を備える。
回転子の巻線コイルに含まれるコイルエンドをリングカバーで覆ったとしても、巻線コイルにワニス等の樹脂を浸透させ易くするとともに巻線コイルの温度上昇を抑制することができる。
実施の形態に係る電動送風機を上方から見たときの斜視図である。 実施の形態に係る電動送風機を下方から見たときの斜視図である。 実施の形態に係る電動送風機の分解斜視図である。 実施の形態に係る電動送風機をXZ平面で切断したときの断面図である。 実施の形態に係る電動送風機をXY平面で切断したときの断面図である。 実施の形態に係る回転子の斜視図である。 実施の形態に係る回転子の斜視図である。 実施の形態に係る回転子の断面図である。 実施の形態に係る回転子の分解斜視図である。 実施の形態に係る回転子の上面図である。 実施の形態に係る回転子の側面図である。 実施の形態に係る回転子において、飛散防止用の熱硬化性樹脂を塗布するときの工程を説明するための図である。 比較例1の回転子の斜視図である。 比較例2の回転子の斜視図である。 変形例1に係る回転子に用いられるリングカバーの斜視図である。 変形例2に係る回転子に用いられるリングカバーの斜視図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。本実施の形態では、回転軸13の軸心Cの方向をZ軸方向としている。
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る電動送風機1の全体の構成について、図1~図4を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る電動送風機1を上方から見たときの斜視図であり、図2は、同電動送風機1を下方から見たときの斜視図である。図3は、同電動送風機1の分解斜視図である。図4は、同電動送風機1の断面図である。図5は、同電動送風機1の断面図である。
なお、図4は、回転軸13の軸心Cを通る平面で切断したときの断面(XZ断面)を示しており、図5は、回転軸13の軸心Cを法線とする平面で切断したときの断面(XY断面)を示している。また、図4では、電動送風機1の断面部分のみを図示している。図4において、太矢印は、空気の流れを示している。また、図3及び図4において、巻線コイル12は、模式的に示している。
図1~図5に示すように、電動送風機1は、回転子10及び固定子20を有する電動機2と、電動機2の回転軸13に取り付けられた回転ファン3とを備える。電動送風機1は、さらに、回転ファン3から排出された空気が流れ込むエアガイド4と、回転ファン3を収納するファンケース5とを有する。電動機2は、回転ファン3を回転させるファンモータである。
図3~図5に示すように、電動機2は、回転子10と、固定子20と、ヨーク30と、フレーム40と、ブラケット50とを備える。回転子10、固定子20及びヨーク30は、フレーム40内に配置されている。
本実施の形態における電動機2は、ブラシ付き整流子電動機であり、さらに、整流子60とブラシ70とを備える。また、電動機2は、直流電源を入力とする直流電動機(DCモータ)である。
図4に示すように、電動機2の回転子10(ロータ)は、固定子20との間に微小なエアギャップを介して配置されている。本実施の形態において、回転子10は、インナーロータであり、固定子20の内側に配置されている。回転子10は、回転軸13を有しており、固定子20が発生する磁力によって回転軸13の軸心Cを回転中心として回転する。回転子10は、例えば、毎分50,000回転以上の回転数で高速回転する。
回転子10は、固定子20に作用する磁力を発生する。具体的には、回転子10が発生する主磁束の向きは、回転軸13の軸心Cの方向(回転軸方向)と直交する方向である。本実施の形態において、回転子10は、電機子であり、回転軸13に取り付けられた回転子鉄心11(ロータコア)と、回転子鉄心11に巻回された巻線コイル12とを有する。なお、回転子10の詳細な構造については、後述する。
回転軸13の一方側の第1部位13aは、第1軸受け81に支持されており、回転軸13の他方側の第2部位13bは、第2軸受け82に支持されている。一例として、第1軸受け81及び第2軸受け82は、回転自在な状態で回転軸13を支持するベアリングである。なお、第1軸受け81は、ブラケット50に固定されており、第2軸受け82は、フレーム40の底部に固定されている。つまり、ブラケット50は、第1ブラケットであり、フレーム40は、第2ブラケットである。
本実施の形態において、回転軸13の第1部位13aは、第1軸受け81から突出している。第1軸受け81から突出した回転軸13の先端部には、回転ファン3が取り付けられている。
また、回転軸13の第2部位13bには、整流子60が取り付けられている。整流子60は、回転軸13の回転方向に互いに絶縁分離された複数の整流子片61(セグメント)を有する。複数の整流子片61は、回転子10の巻線コイル12と電気的に接続されている。整流子片61は、例えば銅によって構成されている。例えば、巻線コイル12は、巻線コイル12を構成する導電線が整流子片61のフック部に掛止されて接合されることで整流子片61に接続される。
整流子60には、ブラシ70が接触している。ブラシ70は、給電ブラシであり、整流子60に接触することで回転子10に電力を供給する。具体的には、ブラシ70が整流子片61に接触することで、ブラシ70に供給される電機子電流が整流子片61を介して巻線コイル12に流れる。一例として、ブラシ70は、カーボンブラシである。ブラシ70は、ブラシ箱に収納されている。
ブラシ70は、整流子60に摺接可能に一対設けられている。一対のブラシ70は、整流子60を挟持するように整流子60を挟んで対向して配置される。一対のブラシ70の内側の先端部は、整流子60の整流子片61に当接している。ブラシ70は、トーションバネ等のブラシバネによって整流子60に向けて押圧が付与されており、整流子60に弾接している。
図4に示すように、固定子20(ステータ)は、回転子10に対向して配置されている。具体的には、固定子20は、回転子10の径方向の外周側に配置されている。本実施の形態において、固定子20は、回転子10の周方向に亘って互いに間隔をあけて配置された複数の磁石21である。磁石21は、トルクを発生するための磁束を作る界磁石であり、例えばS極及びN極を有する永久磁石である。
具体的には、固定子20は、回転子10を介して対向する2つの磁石21によって構成されている。各磁石21の内面と回転子10(回転子鉄心11)の外周面との間には、微小なエアギャップが存在する。磁石21は、ヨーク30に固定されている。
ヨーク30は、厚さが一定の筒状であり、回転子10及び固定子20(磁石21)の全体を囲っている。ヨーク30は、磁石21とともに磁気回路(界磁)を構成している。ヨーク30は、鉄等の磁性材料によって構成されている。具体的には、ヨーク30は、鉄板によって構成されている。なお、ヨーク30は、固定子20の一部とみなしてもよい。
図5に示すように、本実施の形態において、ヨーク30は、上面視の外周形状及び内周形状が略小判形状(レーストラック形状)の筒体であり、XY断面において、円弧部31と直線部32とを有する。このように、ヨーク30に直線部32を設けてヨーク30の断面形状を略小判形状にすることで、断面形状が円形のヨーク(つまり円筒のヨーク)と比べて磁路を短くすることができ、ヨーク30(磁路)での損失を抑えることができる。
ヨーク30の円弧部31の内側には、一対の磁石21が回転子10を挟んで対向するように配置されている。具体的には、一対の磁石21の各々は、円弧部31の内周面に沿った形状を有しており、磁石21の外周面と円弧部31の内周面とが密着するように配置されている。
図4に示すように、フレーム40は、回転子10及び固定子20等の電動機2を構成する部品を収納する筐体(ケース)である。本実施の形態において、フレーム40は、電動送風機1及び電動機2の外郭部材(外殻)である。フレーム40は、開口部40aを有する有底筒状体である。フレーム40は、例えば、アルミニウムによって構成されている。
図1~図4に示すように、フレーム40の側壁部及び底部の各々には、回転ファン3の回転によって吸引した空気を排出するための複数の排気口40bが形成されている。例えば、フレーム40の側壁部及び底部の各々に複数の排気口40bが形成されている。
図4、図5に示すように、ヨーク30の外面とフレーム40の内面との間には、回転軸13の軸心Cの方向(回転軸方向)への通風路となる隙間Gが形成されている。
フレーム40は、フレーム40の側壁部の一部が径方向外側(つまり軸心Cを中心とする径方向の外方)に膨出する膨出部41を有している。隙間Gは、この膨出部41とヨーク30との間の空間領域である。膨出部41は、回転軸13の軸心Cが延伸する方向(回転軸方向)に延在している。また、膨出部41は、回転軸13の回転方向に沿って円弧状に延在している。本実施の形態において、膨出部41は、回転方向に沿って90°間隔で4つ設けられている。一例として、膨出部41は、突条に形成されたリブであり、例えば、フレーム40の側壁部をプレス加工することによって形成することができる。
また、フレーム40の側壁部のうち隣り合う2つの膨出部41の間の部位は、凹部42となっている。つまり、フレーム40の側壁部における膨出部41以外の部位が凹部42となっている。フレーム40の側壁部に複数の膨出部41を設けることで、フレーム40の側壁部に凹部42が形成される。凹部42が形成された箇所においてヨーク30がフレーム40に支持されている。
図4に示すように、ブラケット50は、フレーム40の開口部40aを覆っている。本実施の形態において、ブラケット50は、フレーム40の開口部40aを完全に塞ぐことなく、フレーム40の開口部40aを部分的に覆っている。つまり、フレーム40にブラケット50が取り付けられた状態において、エアガイド4で整流された空気は、フレーム40内に流入する。
図4及び図5に示すように、ブラケット50には、エアガイド4で整流された空気が通過する複数の貫通孔として、径方向内側に位置する内側貫通孔50aと、内側貫通孔50aよりも径方向外側に位置する外側貫通孔50bとが設けられている。
図3から図5に示すように、ブラケット50は、ブラケット50の中心を含む部位である中心部51と、中心部51を囲む円環状の内側環状部52と、内側環状部52を囲む外側環状部53と、中心部51と内側環状部52とに横架される複数本の内側ブリッジ部54と、内側環状部52と外側環状部53とに横架される複数本の外側ブリッジ部55とを有する。
複数の内側貫通孔50aは、中心部51と内側環状部52との間に設けられており、内側ブリッジ部54により仕切られている。図5に示すように、内側貫通孔50aは、フレーム40の内側の空間領域に連通している。具体的には、内側貫通孔50aは、ヨーク30の内側の空間領域に連通している。
複数の外側貫通孔50bは、内側環状部52と外側環状部53との間に設けられており、外側ブリッジ部55により仕切られている。図5に示すように、外側貫通孔50bは、フレーム40の内側の空間領域に連通する第1外側貫通部50b1と、フレーム40の外側の空間領域に連通する第2外側貫通部50b2とを有する。なお、第1外側貫通部50b1は、ヨーク30とフレーム40の膨出部41との間の空間領域(つまり隙間G)に連通している。
ブラケット50は、例えば樹脂材料によって構成されているが、金属材料によって構成されていてもよい。ブラケット50は、フレーム40に固定されている。例えば、ブラケット50とフレーム40とは、フレーム40の凹部42とブラケット50の内側環状部52とが接合されることで固定されている。
以上のように構成される電動機2では、ブラシ70に供給される電流が整流子60を介して電機子電流(駆動電流)として回転子10の巻線コイル12に流れることで、回転子10に磁束が発生する。そして、この回転子10に生じた磁束と固定子20から生じる磁束との相互作用によって生成された磁気力が回転子10を回転させるトルクとなる。このとき、整流子60の整流子片61とブラシ70とが接する際の位置関係によって電流が流れる方向が切り替えられる。このように、電流が流れる方向が切り替えられることで、回転子10と固定子20との間に発生する磁力の反発力と吸引力とで一定方向の回転力が生成され、回転子10が回転する。
そして、回転子10が回転することによって、回転子10の回転軸13が軸心Cを中心として回転する。これにより、電動機2の回転軸13に取り付けられた回転ファン3が回転する。
図4に示すように、回転ファン3は、フレーム40とファンケース5とにより構成される外殻(ハウジング)内に空気を吸引する。一例として、回転ファン3は、高い吸引圧力が得られる遠心ファンである。回転ファン3が回転することにより風圧が発生し、ファンケース5の吸気口5cから空気が吸い込まれ、回転ファン3から空気が排出される。回転ファン3から排出された空気はエアガイド4に流れ込む。
エアガイド4は、気流の流路を形成する機能を有する。例えば、エアガイド4は、回転ファン3の回転によってファンケース5の吸気口5cから吸引された空気を整流して排出する。エアガイド4から排出された空気は、ブラケット50の内側貫通孔50a及び外側貫通孔50bを通ってフレーム40の内外に流れていく。
図3、図4に示すように、本実施の形態において、エアガイド4は、本体部4aと、本体部4aと隙間をあけて本体部4aを囲む円環状の環状部4bとを有する。本体部4aと環状部4bとの間の隙間は、通風路となる。
本体部4aは、ブラケット50の中心部51に固定するための開口部を有する円板体である。回転軸13の軸心Cの方向における本体部4aと環状部4bとの間には、複数の連結板4cが設けられている。複数の連結板4cは、本体部4aと環状部4bとに挟まれており、本体部4aと環状部4bとを連結している。
連結板4cは、気流の流路を形成するためのガイド板であり、本体部4aの開口部から外側に向かって渦巻きくように配置されている。なお、環状部4bは、ファンケース5の側壁部5bにおける回転軸13の軸心Cの方向の端部を支持する支持部として機能する。エアガイド4は、例えば樹脂材料によって構成されているが、金属材料によって構成されていてもよい。
ファンケース5は、回転ファン3を収納する筐体である。また、ファンケース5は、回転ファン3及びエアガイド4を覆うカバーである。具体的には、ファンケース5は、金属材料によって構成された金属カバーである。本実施の形態において、ファンケース5は、回転ファン3及びエアガイド4の上方部分を覆う蓋部5aと、回転ファン3及びエアガイド4の側方部分を覆う側壁部5bとを有する。また、ファンケース5は、外気を吸い込むための吸気口5c(吸込口)を有する。本実施の形態において、吸気口5cは、蓋部5aの中央部に設けられた円形の貫通孔である。
ファンケース5は、ブラケット50に固定されている。具体的には、上記のように、ファンケース5は、エアガイド4を介してブラケット50に固定されている。ファンケース5の外径(側壁部5bの外径)は、ブラケット50の外側環状部53の外径とほぼ同じである。なお、ファンケース5の吸気口5cには、吸気口5cに対応する開口部を有するファンケーススペーサが取り付けられていてもよい。
以上のように構成される電動送風機1では、電動機2が備える回転子10が回転すると、回転ファン3が回転し、ファンケース5が有する吸気口5cからファンケース5の内部に空気が吸引される。これにより、回転ファン3の内部に空気が流れ込み、回転ファン3に吸引された空気は、回転ファン3のファン翼により高圧に圧縮されて、回転ファン3の外周側部から径方向外側に排出される。回転ファン3から排出された空気は、ファンケース5の側壁部5bに沿ってエアガイド4に流れ込み、エアガイド4の通風路を通ってブラケット50に到達する。
このとき、ブラケット50に到達した空気の一部は、ブラケット50の内側貫通孔50a及び外側貫通孔50bのうち第1外側貫通部50b1を通ってフレーム40の内部に流入し、フレーム40の内部を通ってフレーム40に形成された排気口40bから外部に排出される。つまり、フレーム40の内部に流入した空気は、電動機2の発熱部品(巻線等)を冷却しながら、電動送風機1の外に排出される。
一方、ブラケット50に到達した空気の他の一部は、フレーム40の内部を通過することなく、ブラケット50の外側貫通孔50bを通って電動送風機1の外に直接排出される。具体的には、ブラケット50の外側貫通孔50bのうち第2外側貫通部50b2を通過する空気は、そのままフレーム40の外部へと排出される。これにより、フレーム40の内部を通過することによる損失を発生させることなく、電動送風機1の外に気流を排出することができる。
このように、本実施の形態に係る電動送風機1では、吸引した空気の一部を冷却風として用いているので、性能を低下させることなく電動機2の内部構造を冷却することができる。したがって、本実施の形態に係る電動送風機1によれば、高い性能の確保と電動機の冷却との両立を図ることができる。
次に、本実施の形態に係る電動機2に用いられる回転子10の詳細な構成について、図3及び図4を参照しつつ、図6~図11を用いて説明する。
図6及び図7は、実施の形態に係る回転子10の斜視図である。図8は、同回転子10の断面図であり、図9は、同回転子10の分解斜視図である。図10は、同回転子10の上面図であり、図11は、同回転子10の側面図である。なお、図9~図11において、回転軸13は省略しており、図10及び図11において、整流子60は省略している。また、図8では、巻線コイル12は模式的に示しており、図9では、巻線コイル12を省略している。
図6~図11に示すように、回転子10は、回転子鉄心11と、巻線コイル12と、回転軸13と、リングカバー14と、第1インシュレータ15と、第2インシュレータ16と、を備える回転子組立体である。本実施の形態における回転子10は、さらに、回転軸13に取り付けられた整流子60を備える。
回転子鉄心11は、巻線コイル12が巻回された電機子コアである。本実施の形態において、回転子鉄心11は、複数の電磁鋼板が回転軸13の軸心Cが延伸する方向に積層された積層体である。なお、回転子鉄心11は、電磁鋼板の積層体に限るものではなく、磁性材料によって構成されたバルク体であってもよい。
回転子鉄心11は、複数のティース11aを有する。複数のティース11aは、磁極であり、ティース11aに巻回された巻線コイル12に通電されることで磁力を発生させる。それぞれのティース11aは、回転軸13の径方向外側に向かって突出している。また、複数のティース11aは、回転軸13の回転方向に亘って等間隔に存在している。つまり、複数のティース11aは、回転軸13の軸心Cと直交する方向(ラジアル方向)に放射状に延在している。隣り合う2つのティース11aの間には、開口部となるスロット11bが存在する。したがって、回転子10には、複数のスロット11bが存在している。
巻線コイル12は、回転子鉄心11に巻き回されている。具体的には、巻線コイル12は、回転子鉄心11が有する複数のティース11aに巻回されている。また、回転子鉄心11のスロット11bには、巻線コイル12が存在している。
巻線コイル12は、電機子である回転子10の電機子巻線であり、電流が流れることで固定子20に作用する磁力を発生するように巻き回されている。本実施の形態において、巻線コイル12は、分布巻きにより巻線された分布巻きコイルであり、複数のティース11aに跨って回転子鉄心11の全体に分布巻きにより巻回されている。なお、巻線コイル12を構成する電線は、例えば絶縁被覆線であり、芯線となる銅等の導電材料からなる導電線と、この導電線を被膜する絶縁膜とを有する。
また、本実施の形態では、回転子鉄心11における回転軸13の軸心Cが延伸する方向の一方の端部が第1インシュレータ15で覆われており、また、回転子鉄心11における回転軸13の軸心Cが延伸する方向の他方の端部が第2インシュレータ16で覆われている。第1インシュレータ15及び第2インシュレータ16は、絶縁性の樹脂材料によって構成されている。したがって、巻線コイル12は、第1インシュレータ15及び第2インシュレータ16を介して回転子鉄心11に巻回されている。
第1インシュレータ15及び第2インシュレータ16に挟持された回転子鉄心11は、第1インシュレータ15及び第2インシュレータ16と一体のコアとなっており、巻線コイル12は、このコアに巻回されている。これにより、第1インシュレータ15は、回転子鉄心11における回転軸13の軸心Cが延伸する方向の一方の端部と巻線コイル12との間に配置されることになる。また、第2インシュレータ16は、回転子鉄心11における回転軸13の軸心Cが延伸する方向の他方の端部と巻線コイル12との間に配置されることになる。
第1インシュレータ15は、回転子鉄心11が有する複数のティース11aの各々に対応する複数の第1突出部15aを有する。また、第2インシュレータ16は、回転子鉄心11が有する複数のティース11aの各々に対応する複数の第2突出部16aを有する。したがって、第1インシュレータ15の第1突出部15a及び第2インシュレータ16の第2突出部16aの各々は、回転子鉄心11が有するティース11aと同様に、回転軸13の径方向外側に向かって突出している。具体的には、第1突出部15a及び第2突出部16aは、固定子20に向かって回転軸13の軸心Cと直交する方向に放射状に延在している。
回転子鉄心11に巻回された巻線コイル12は、コイルエンド12aを有する。コイルエンド12aは、回転子鉄心11に巻かれた巻線コイル12のうち回転子鉄心11から回転軸13の軸心Cが延伸する方向にはみ出した部分である。本実施の形態では、巻線コイル12は回転子鉄心11を挟む第1インシュレータ15及び第2インシュレータ16を介して回転子鉄心11に巻回されているので、コイルエンド12aは、巻線コイル12のうち第1インシュレータ15及び第2インシュレータ16から回転軸13の軸心Cが延伸する方向にはみ出した部分である。
また、コイルエンド12aは、回転子鉄心11から回転軸13の軸心Cが延伸する方向の両側の各々に存在している。したがって、回転子10には、巻線コイル12の一部として、回転軸13の第1部位13a側に位置するコイルエンド12a(第1コイルエンド)と、回転軸13の第2部位13b側に位置するコイルエンド12a(第2コイルエンド)とが存在している。
巻線コイル12には、回転子10の回転によって巻線コイル12がばらけて飛散しないように、粘性の低い熱硬化性樹脂が塗布されている。この場合、巻線コイル12の飛散を防止するための飛散防止用の熱硬化性樹脂としては、ワニスを用いることができる。ワニス等の粘性の低い熱硬化性樹脂は、巻線コイル12の内部にまで浸透している。
また、巻線コイル12は、上記のように、整流子60が有する整流子片61と電気的に接続されている。整流子60を介して巻線コイル12に電流が流れることで、回転子鉄心11が有するティース11aの各々には固定子20に作用する磁力が生じる。
回転子鉄心11は、回転軸13に取り付けられている。回転軸13は、例えば金属棒等によって構成されたシャフトであり、回転子鉄心11の両側に延在するように、回転子鉄心11を貫通する状態で回転子鉄心11に固定されている。回転軸13は、例えば、回転子鉄心11の中心孔に圧入したり焼き嵌めしたりすることで回転子鉄心11に固定されている。
リングカバー14は、環状の枠状部材であり、巻線コイル12が含むコイルエンド12aを覆っている。本実施の形態において、リングカバー14は、コイルエンド12aの回転子鉄心11側の部分を覆っている。リングカバー14におけるコイルエンド12aを覆う部分の外面は、断面形状が円弧の湾曲面を有する。リングカバー14は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)又はPET(ポリエチレンテレフタレート)等の絶縁性樹脂材料によって構成されている。
リングカバー14は、巻線コイル12の飛散を防止するための飛散防止用の熱硬化性樹脂によって巻線コイル12に接着固定されている。例えば、飛散防止用の熱硬化性樹脂としてワニスが用いられている場合、リングカバー14はワニスによって巻線コイル12に接着固定されている。
リングカバー14におけるコイルエンド12aを覆う位置には、少なくとも一つの貫通孔(空隙)が設けられている。この貫通孔の開口の大きさは、少なくとも飛散防止用の熱硬化性樹脂が通ることができる大きさであればよい。
本実施の形態において、回転子10は、リングカバー14として、第1リングカバー100と、第2リングカバー200とを備える。第1リングカバー100は、回転軸13の軸心Cが延伸する方向の一方の端部における巻線コイル12のコイルエンド12a(第1コイルエンド)を覆っている。また、第2リングカバー200は、回転軸13の軸心Cが延伸する方向の他方の端部における巻線コイル12のコイルエンド12a(第2コイルエンド)を覆っている。
第1リングカバー100におけるコイルエンド12aを覆う位置には、貫通孔として複数の第1貫通孔110が設けられている。複数の第1貫通孔110は、回転軸13の回転方向に沿って円環状に配列されている。
第1リングカバー100は、第1リング部120と、第1リング部120に連結された複数の第1ウェッジ部130とを有する。第1リング部120と複数の第1ウェッジ部130とは樹脂成形により一体に形成されている。この場合、第1貫通孔110の形状は、第1リングカバー100を樹脂成形により作製する際の金型を上方向と下方向とに抜くことができる形状であるとよい。
第1リング部120は、略円環状であり、上面視形状が円形の第1開口部140を有する。第1リング部120は、コイルエンド12aの外周部分を覆っている。具体的には、第1リング部120は、巻線コイル12が含むコイルエンド12aにおける回転子鉄心11側の部分の外周表面を覆っている。つまり、第1リング部120は、回転軸13の軸心Cの方向から見たときに、コイルエンド12aの最外径部分の外周表面を覆っている。
第1リング部120におけるコイルエンド12aを覆う部分の外面は、断面形状が円弧の湾曲面である。具体的には、第1リング部120におけるコイルエンド12aを覆う部分の内面及び外面の断面形状は、外方に凸となる円弧である。
第1リングカバー100の複数の第1貫通孔110は、第1リング部120に設けられている。したがって、第1リング部120のうち第1貫通孔110が設けられた部分では、巻線コイル12が含むコイルエンド12aが露出している。この第1貫通孔110には、飛散防止用の熱硬化性樹脂が存在していてもよい。
また、本実施の形態において、第1インシュレータ15が有する第1突出部15aの先端部分は巻線コイル12から露出しており、第1リングカバー100が有する第1リング部120は、巻線コイル12から露出する第1突出部15aの先端部分を覆っている。したがって、第1貫通孔110が設けられた第1リング部120の部分では、コイルエンド12aだけではなく、第1突出部15aの先端部分も露出している。
複数の第1ウェッジ部130は、回転子鉄心11が有する複数のスロット11bの各々に配置されている。具体的には、各第1ウェッジ部130は、スロット11bの隙間を埋めるように形成されている。複数の第1ウェッジ部130は、巻線コイル12を押さえている。つまり、第1ウェッジ部130を設けることで、回転子10が回転したときの遠心力でスロット11bから巻線コイル12がばらけて飛散することを抑制することができる。本実施の形態において、複数の第1貫通孔110と複数の第1ウェッジ部130とは、同数である。つまり、複数の第1ウェッジ部130は、複数のスロット11bと一対一に対応して設けられている。
第2リングカバー200は、第1リングカバー100で覆われるコイルエンド12aとは反対側に位置するコイルエンド12aを覆っている。第2リングカバー200におけるコイルエンド12aを覆う位置には、複数の第2貫通孔210が設けられている。複数の第2貫通孔210は、第1貫通孔110と同様に、回転軸13の回転方向に沿って円環状に配列されている。
なお、第2貫通孔210は、第1貫通孔110と同数であって、回転軸13の軸心Cが延伸する方向において第1貫通孔110と対向する位置に設けられているが、これに限らない。例えば、第2貫通孔210と第1貫通孔110とは異なる数であってもよい。また、第2貫通孔210は、第1貫通孔110と同数であって、回転軸13の軸心Cが延伸する方向において対向しないようにずれて設けられていてもよい。
第2リングカバー200は、第2リング部220と、第2リング部220に連結された複数の第2ウェッジ部230とを有する。第2リング部220と複数の第2ウェッジ部230とは樹脂成形により一体に形成されている。この場合、第2貫通孔210の形状は、第2リングカバー200を樹脂成形により作製する際の金型を上方向と下方向とに抜くことができる形状であるとよい。
第2リング部220は、略円環状であり、上面視形状が円形の第2開口部240を有する。第2リング部220は、コイルエンド12aの外周部分を覆っている。具体的には、第2リング部220は、巻線コイル12が含むコイルエンド12aにおける回転子鉄心11側の部分の外周表面を覆っている。つまり、第2リング部220は、回転軸13の軸心Cの方向から見たときに、コイルエンド12aの最外径部分の外周表面を覆っている。
第2リング部220におけるコイルエンド12aを覆う部分の外面は、断面形状が円弧の湾曲面である。具体的には、第2リング部220におけるコイルエンド12aを覆う部分の内面及び外面の断面形状は、外方に凸となる円弧である。
第2リングカバー200が有する複数の第2貫通孔210は、第2リング部220に設けられている。したがって、第2リング部220のうち第2貫通孔210が設けられた部分では、巻線コイル12のコイルエンド12aが露出している。この第2貫通孔210には、飛散防止用の熱硬化性樹脂が存在していてもよい。
また、本実施の形態において、第2インシュレータ16が有する第2突出部16aの先端部分は巻線コイル12から露出しており、第2リングカバー200が有する第2リング部220は、巻線コイル12から露出する第2突出部16aの先端部分を覆っている。したがって、第2貫通孔210が設けられた第2リング部220の部分では、コイルエンド12aだけではなく、第2突出部16aの先端部分も露出している。
また、本実施の形態では、第2リング部220における回転軸13の軸心Cが延伸する方向に沿った長さ(リング幅)は、第1リング部120における回転軸13の軸心Cが延伸する方向に沿った長さ(リング幅)よりも長くなっている。つまり、第2リング部220は、第1リング部120よりもコイルエンド12aを覆う部分が大きい。したがって、第2リング部220に設けられた各第2貫通孔210における回転軸13の軸心Cが延伸する方向に沿った長さ(開口長さ)は、第1リング部120に設けられた各第1貫通孔110における回転軸13の軸心Cが延伸する方向に沿った長さ(開口長さ)よりも長くなっている。なお、第2リング部220のリング幅は、第1リング部120のリング幅と同じであってもよいし、第1リング部120のリング幅よりも短くてもよい。したがって、第2貫通孔210の開口長さは、第1貫通孔110の開口長さと同じであってもよいし、第1貫通孔110の開口長さよりも短くてもよい。
複数の第2ウェッジ部230は、回転子鉄心11が有する複数のスロット11bの各々に配置されている。具体的には、各第2ウェッジ部230は、スロット11bの隙間を埋めるように形成されている。複数の第2ウェッジ部230は、巻線コイル12を押さえている。つまり、第2ウェッジ部230を設けることで、回転子10が回転したときの遠心力でスロット11bから巻線コイル12がばらけて飛散することを抑制することができる。本実施の形態において、複数の第2貫通孔210と複数の第2ウェッジ部230とは、同数である。つまり、複数の第2ウェッジ部230は、複数のスロット11bと一対一に対応して設けられている。
また、第2リングカバー200が有する第2ウェッジ部230は、第1リングカバー100が有する第1ウェッジ部130と近接している。つまり、第2ウェッジ部230の先端部(つまり第2ウェッジ部230の第2リング部220側とは反対側の部分)は、第1ウェッジ部130の先端部(つまり第1ウェッジ部130の第1リング部120側とは反対側の部分)は、近接している。この場合、第2ウェッジ部230と第1ウェッジ部130とは、わずかに隙間を開けて配置されていてもよいし、接触していてもよい。例えば、第2ウェッジ部230の先端部と第1ウェッジ部130の先端部とが当接していてもよい。なお、第2ウェッジ部230と第1ウェッジ部130とは、近接していなくてもよい。
このように構成される回転子10では、巻線コイル12の飛散を防止するためのワニス等の粘性の低い熱硬化性樹脂300が巻線コイル12に塗布される。この場合、例えば、図12に示すように、回転子10を傾けて回転させながら液状の熱硬化性樹脂300を上から塗布する。この場合、回転子10の傾斜角は、例えば、15°である。
このとき、熱硬化性樹脂300を第1リングカバー100及び第2リングカバー200に向けて上から塗布したときに、熱硬化性樹脂300は、第1リングカバー100の第1貫通孔110及び第2リングカバー200の第2貫通孔210を通って巻線コイル12に到達し、巻線コイル12の内部にまで浸透する。これにより、熱硬化性樹脂300を巻線コイル12の内部及び表面の全体にわたって隙間なくコーティングすることができる。また、このときの熱硬化性樹脂300によって、第1リングカバー100と巻線コイル12とが着固定されるとともに、第2リングカバー200と巻線コイル12とが接着固定される。なお、熱硬化性樹脂300としては、例えばワニスを用いることができる。
次に、図13及び図14を用いて、本実施の形態に係る回転子10の効果について、本開示に至った経緯も含めて説明する。図13は、比較例1の回転子10Xの斜視図である。図14は、比較例2の回転子10Yの斜視図である。
従来、電動機を高効率化するために、回転子を高速回転化することが考えられているが、回転子を高速回転させると、回転子鉄心に巻回された巻線コイルの表面に生じた凹凸等の回転子の表面凹凸による乱流によって風損が顕在化し、電動機の効率化を妨げてしまう。つまり、巻線コイルを構成する導電線によって巻線コイルの表面には凹凸が存在しており、回転子を高速に回転させると、この巻線コイルの表面に生じた凹凸によって乱流が生じて風損が発生する。特に、回転子を毎分50,000回転以上の回転数で高速回転させると、巻線コイルの表面に生じた凹凸に起因する風損が顕在化してくる。
そこで、図13に示される回転子10Xのように、回転子鉄心11に巻回された巻線コイル12が含むコイルエンドに粘性の高い熱硬化性樹脂14Xを塗布してコイルエンドの表面を熱硬化性樹脂14Xで覆うことで、巻線コイル12の表面に生じた凹凸を平滑化して回転子10Xの表面を滑らかにすることが考えられる。熱硬化性樹脂14Xとしては、粘性の高いワニスを用いることができる。具体的には、先に粘性の低いワニスを塗布して巻線コイル12にワニスを浸透させ、その後に粘性の高いワニスをコイルエンドに塗布することで回転子10Xの表面に生じた凹凸部分を少なくしている。つまり、ワニスを二度塗りしている。
また、図14に示される回転子10Yのように、回転子鉄心11に巻回された巻線コイル12のコイルエンドを覆うように樹脂製のリングカバー40Yを取り付けることで、巻線コイル12の表面に生じた凹凸を平滑化して回転子10Yの表面を滑らかにすることが考えられる。
このように、比較例1の回転子10X及び比較例2の回転子10Yによれば、巻線コイル12のコイルエンドの表面で乱流が生じることを抑制できるので、風損を抑制することができる。
しかしながら、比較例1の回転子10Xでは、粘性の高い熱硬化性樹脂14Xを塗布しているので巻線コイル12の表面が厚さの厚い熱硬化性樹脂14Xで覆われてしまう。また、比較例2の回転子10Yでは、巻線コイル12が樹脂製のリングカバー40Yで覆われてしまう。この結果、比較例1の回転子10X及び比較例2の回転子10Yでは、巻線コイル12の放熱性が低下し、巻線コイル12の温度が上昇してしまう。
さらに、比較例2の回転子10Yのようにリングカバー40Yで巻線コイル12を覆うと、飛散防止用に巻線コイル12に塗布するワニスが巻線コイル12の内部に浸透することを阻害してしまう。つまり、リングカバー40Yで覆われた部分の巻線コイル12については、飛散防止用のワニスが巻線コイル12の内部に浸透しにくくなってしまう。この結果、回転子10Xの回転により遠心力によって巻線コイル12がばらけて飛散するおそれがあるばかりか、ワニスが巻線コイル12の全体に行き渡らずに巻線コイル12の内部の導電線の間に空気層が残って巻線コイル12の放熱性が低下して巻線コイル12の温度上昇を引き起こすおそれもある。
このような課題に対して本発明者らが鋭意検討した結果、巻線コイルのコイルエンドをリングカバーで覆ったとしても、ワニス等の熱硬化性樹脂が巻線コイルへ浸透することを阻害させることなく巻線コイルの温度上昇も抑制できる構成を見出した。具体的には、本願発明者らは、巻線コイルのコイルエンドを覆うリングカバーに貫通孔を設けるという構成を見出した。
このように、本実施の形態における回転子10では、図6~図12に示すように、巻線コイル12が含むコイルエンド12aを覆ったリングカバー14におけるコイルエンド12aを覆う位置に、貫通孔が設けられている。具体的には、本実施の形態における回転子10では、コイルエンド12aを覆うリングカバー14として、回転軸13の軸心Cが延伸する方向の一方の端部のコイルエンド12aを覆う第1リングカバー100と、回転軸13の軸心Cが延伸する方向の他方の端部のコイルエンド12aを覆う第2リングカバー200とが配置されており、第1リングカバー100におけるコイルエンド12aを覆う位置に第1貫通孔110が設けられ、第2リングカバー200におけるコイルエンド12aを覆う位置に第2貫通孔210が設けられている。
このように、本実施の形態における回転子10では、巻線コイル12が含むコイルエンド12aがリングカバー14で覆われているので、巻線コイル12の表面に生じる凹凸を平滑化して回転子10の表面を滑らかにすることができる。これにより、巻線コイル12が含むコイルエンド12aの表面に生じる凹凸で生じる乱流を抑制することができるので、風損を抑制することができる。
しかも、本実施の形態に係る回転子10では、巻線コイル12が含むコイルエンド12aがリングカバー14で覆われていても、リングカバー14に貫通孔(第1貫通孔110、第2貫通孔210)が設けられている。この構成により、図12に示すように、巻線コイル12の飛散を防止するための飛散防止用の液状の熱硬化性樹脂300を塗布する際に、熱硬化性樹脂300がリングカバー14の貫通孔(第1貫通孔110、第2貫通孔210)を通って巻線コイル12の内部にまで十分に浸透させることができる。つまり、リングカバー14に設けられた貫通孔は、熱硬化性樹脂300を巻線コイル12に浸透させるための流路として機能する。
これにより、巻線コイル12の内部の導電線の隙間に熱硬化性樹脂300が充填されるので、巻線コイル12の放熱性を向上させることができる。しかも、リングカバー14に貫通孔を設けることで、貫通孔を設けない場合と比べて巻線コイル12の放熱性を向上させることができる。例えば、リングカバー14の貫通孔から巻線コイル12が露出している場合には、巻線コイル12が外気に曝されるので巻線コイル12が効率良く冷却される。これにより、巻線コイル12の放熱性を効果的に向上させることができる。
このように、本実施の形態に係る回転子10によれば、回転子10の巻線コイル12が含むコイルエンド12aをリングカバー14で覆ったとしても、巻線コイル12にワニス等の樹脂を浸透させ易くするとともに巻線コイル12の温度上昇を抑制することができる。したがって、回転子10を高速回転させたとしても、風損が抑制されるので、電動機2の効率を効果的に向上させることができる。したがって、高効率の電動機2及び電動送風機1を実現することができる。
なお、比較例2の回転子10Yのように、貫通孔が設けられていないリングカバー40Yを用いる場合であっても、飛散防止用のワニスを塗布した後にリングカバー40Yを装着すれば、リングカバー40Yでワニスの浸透性が阻害されることを回避できるが、この場合、リングカバー40Yを巻線コイル12に接着するための接着剤が別途必要になるため、製造コスト及び材料コストが増加する。
一方、本実施の形態における回転子10では、リングカバー14に貫通孔(第1貫通孔110、第2貫通孔210)が設けられているので、上記のように、巻線コイル12にリングカバー14を装着した状態で、ワニス等の飛散防止用の熱硬化性樹脂300を巻線コイル12に塗布しているので、この熱硬化性樹脂300によってリングカバー14を巻線コイル12に接着固定することができる。
また、リングカバー14に貫通孔(第1貫通孔110、第2貫通孔210)を通じて飛散防止用の熱硬化性樹脂300を巻線コイル12に塗布することで、この貫通孔に硬化後の熱硬化性樹脂300が存在していてもよい。この場合、リングカバー14に設けられた貫通孔から露出する巻線コイル12の全部を覆うようにして貫通孔に熱硬化性樹脂300が充填されていてもよい。リングカバー14に設けられた貫通孔に熱硬化性樹脂300が充填されていることで、貫通孔を設けたことによるリングカバー14の凹凸によって起因する風損の発生を抑制することができる。このため、リングカバー14に設けられた貫通孔に存在する熱硬化性樹脂300は、貫通孔による凹凸の高低差をできるだけ小さくなるように充填されているとよく、好ましくは、リングカバー14の表面と面一となるように充填されているとよい。
また、本実施の形態において、巻線コイル12に塗布される飛散防止用の熱硬化性樹脂300は、ワニスである。
これにより、巻線コイル12の内部の奥にまで熱硬化性樹脂300を効果的に浸透させることができるとともに、巻線コイル12で発生する熱を効果的に放熱することができる。また、ワニスを用いることで、リングカバー14と巻線コイル12とを簡単に接着固定することができる。
また、本実施の形態に係る回転子10において、リングカバー14に設けられる貫通孔(第1貫通孔110、第2貫通孔210)は、複数であり、この複数の貫通孔は、回転軸13の回転方向に沿って円環状に配列されている。
これにより、飛散防止用の熱硬化性樹脂300を巻線コイル12の全周に塗布することができるので、熱硬化性樹脂300をより効果的に巻線コイル12の内部にまで浸透させることができる。また、複数の貫通孔が回転軸13の回転方向に沿って円環状に配列されることで、図12に示すように、回転子10を回転させながら熱硬化性樹脂300を上から塗布することで巻線コイル12の全周にわたって熱硬化性樹脂300を効率良く塗布することができる。
また、本実施の形態に係る回転子10において、リングカバー14は、回転子鉄心11の複数のスロット11bの各々に配置された複数のウェッジ部を有する。具体的には、第1リングカバー100は、複数のスロット11bの各々に配置された複数の第1ウェッジ部130を有し、第2リングカバー200は、複数のスロット11bの各々に配置された複数の第2ウェッジ部230を有する。
この構成により、リングカバー14がウェッジの機能を兼用する。つまり、ウェッジ部を有するリングカバー14を用いることで、回転子10が回転したときの遠心力でスロット11bから巻線コイル12がばらけて飛散することを抑制することができる。
なお、本実施の形態において、第1リングカバー100が有する第1ウェッジ部130と第2リングカバー200が有する第2ウェッジ部230とは近接している。
この構成により、スロット11bから巻線コイル12が飛散することを確実に防止することができる。この場合、第1リングカバー100において、複数の第1貫通孔110と複数の第1ウェッジ部130とは同数であるとよい。同様に、第2リングカバー200において、複数の第2貫通孔210と複数の第2ウェッジ部230とは同数であるとよい。
また、本実施の形態に係る回転子10において、リングカバー14は、巻線コイル12が含むコイルエンド12aの回転子鉄心11側の部分を覆っている。
この構成により、回転子10が回転したときに巻線コイル12の表面に生じた凹凸による乱流で生じる風損を効果的に抑制することができる。つまり、巻線コイル12が含むコイルエンド12aの回転子鉄心11側の部分は、コイルエンド12aの径大部であってコイルエンド12aのうちの径方向の外側に位置しているので、表面の凹凸に起因する風損の影響が大きい。そこで、巻線コイル12が含むコイルエンド12aの回転子鉄心11側の部分をリングカバー14で覆うことで、巻線コイル12の表面に生じる凹凸に起因する風損を効果的に抑制することができる。
この場合、リングカバー14におけるコイルエンド12aを覆う部分の外面は、断面形状が円弧の湾曲面を有するとよい。
この構成により、リングカバー14を設けたことによる風損の影響を軽減することができる。
また、本実施の形態に係る回転子10では、回転子鉄心11における回転軸13の軸心Cが延伸する方向の端部と巻線コイル12との間に第1インシュレータ15及び第2インシュレータ16が配置されており、第1インシュレータ15が有する第1突出部15aと第2インシュレータ16が有する第2突出部16aとの各々の先端部分が巻線コイル12から露出している。このため、巻線コイル12の表面に生じる凹凸に加えて第1突出部15a及び第2突出部16aの凹凸によって風損が発生するおそれがあるが、本実施の形態に係る回転子10では、巻線コイル12から露出する第1突出部15a及び第2突出部16aの各々の先端部分がリングカバー14で覆われている。
この構成により、第1突出部15aを有する第1インシュレータ15と第2突出部16aを有する第2インシュレータ16を配置したとしても、巻線コイル12から露出する第1突出部15a及び第2突出部16aの凹凸によって風損が生じることを抑制することができる。
なお、第1リングカバー100において、第1リング部120における隣り合う2つの第1貫通孔110の間の部分(非貫通部分)の周方向の幅と第1貫通孔110の周方向の幅とは、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、第1リング部120の非貫通部分の周方向の幅よりも第1貫通孔110の周方向の幅の方が大きい方がよい。これにより、飛散防止用の熱硬化性樹脂300が第1貫通孔110を通じて巻線コイル12に到達し易くなるので、さらに熱硬化性樹脂300が巻線コイル12の内部に浸透し易くなる。
同様に、第2リングカバー200において、第2リング部220における隣り合う2つの第2貫通孔210の間の部分(非貫通部分)の周方向の幅と第2貫通孔210の周方向の幅とは、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、第2リング部220の非貫通部分の周方向の幅よりも第2貫通孔210の周方向の幅の方が大きい方がよい。
ただし、第1リング部120及び第2リング部220の非貫通部分が少なすぎると、第1リングカバー100及び第2リングカバー200の強度が低下するおそれがある。
(変形例)
以上、本開示に係る回転子、電動機及び電動送風機について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、第1リングカバー100であるリングカバー14は、第1ウェッジ部130を有していたが、第1ウェッジ部130を有していなくてもよい。具体的には、図15に示されるように、第1リングカバー100Aであるリングカバー14Aは、第1貫通孔110及び第1開口部140が設けられた第1リング部120のみによって構成されていてもよい。なお、第2リングカバー200についても同様に、第2リングカバー200は、第2ウェッジ部230を有していなくてもよい。
また、上記実施の形態において、第2リングカバー200であるリングカバー14は、リング部として1つの第2リング部220を有していたが、これに限らず、リングカバー14のリング部は、複数であってもよい。例えば、図16に示されるように、第2リングカバー200Bであるリングカバー14Bは、第2リング部220と第2リング部250との2つのリング部を有していてもよい。具体的には、第2リングカバー200Bは、第2ウェッジ部230を有しておらず、第2開口部240が設けられた第2リング部220と、第2リング部220よりも直径が大きく且つ上面視において径方向外側に位置する第2リング部250とを有する。この場合、第2貫通孔210は、2つのリング部の間、つまり、第2リング部220と第2リング部250との間に設けられている。
なお、図16に示される第2リングカバー200Bに、さらに、複数の第2ウェッジ部230を設けてもよい。この場合、複数の第2ウェッジ部230は、第2リング部250に連結される。また、第1リングカバー100についても同様に、第1リングカバー100は、複数の第1ウェッジ部130の有無を問わず、第1貫通孔110を挟む2つの第1リング部120によって構成されていてもよい。
また、上記実施の形態において、第1リングカバー100は、複数の第1貫通孔110を有していたが、これに限らない。第1リングカバー100が有する第1貫通孔110は、1つであってもよい。この場合、上記実施の形態における複数の第1貫通孔110のうちの1つのみが設けられていてもよいが、飛散防止用の熱硬化性樹脂を巻線コイル12の全体に行き渡らせるとの観点では、1つの第1貫通孔110は、第1リング部120の周方向(回転軸13の回転方向)にスリット状に延在しているとよい。なお、複数の第1貫通孔110を設ける場合であっても、複数の第1貫通孔110の各々は、第1リング部120の周方向に延在しているとよい。
同様に、上記実施の形態において、第2リングカバー200は、複数の第2貫通孔210を有していたが、これに限らない。第2リングカバー200が有する第2貫通孔210は、1つであってもよい。この場合、上記実施の形態における複数の第2貫通孔210のうちの1つのみが設けられていてもよいが、飛散防止用の熱硬化性樹脂を巻線コイル12の全体に行き渡らせるとの観点では、1つの第2貫通孔210は、第2リング部220の周方向(回転軸13の回転方向)にスリット状に延在しているとよい。なお、複数の第2貫通孔210を設ける場合であっても、複数の第2貫通孔210の各々は、第2リング部220の周方向に延在しているとよい。
また、上記実施の形態における回転子10は、リングカバー14として、第1リングカバー100と第2リングカバー200の2つを有していたが、これに限らない。つまり、回転子10は、リングカバー14として、第1リングカバー100及び第2リングカバー200のいずれか一方のみを有していてもよい。
また、上記実施の形態において、回転子10の回転数は、毎分50,000回転以上であったが、これに限るものではない。例えば、回転子10の回転数は、毎分50,000回転未満であってもよい。
また、上記実施の形態において、回転子10の巻線コイル12は、分布巻きにより回転子鉄心11に巻回されていたが、これに限らない。例えば、巻線コイル12は、集中巻きにより回転子鉄心11に巻回されていてもよい。
また、上記実施の形態において、固定子20を構成する磁石21は、2つであったが、これに限るものではない。例えば、磁石21は、4つであってもよい。
また、上記実施の形態において、固定子20は、磁石21ではなく、固定子鉄心と固定子鉄心に巻回された巻線コイルとによって構成されていてもよい。なお、この場合、固定子鉄心にヨーク部が形成されるので、ヨーク30は、補助ヨークとして機能する。また、ヨーク30は無くてもよい。
また、上記実施の形態において、電動送風機1は、電気掃除機に用いる場合について説明したが、これに限らない。例えば、電動送風機1は、エアタオル等に用いてもよい。
また、上記実施の形態では、電動機2を電動送風機1に用いる例を説明したが、これに限らず、電動機2は、電動送風機1以外の電気機器に用いてもよい。また、電動機2は、家庭用機器に用いる場合に限らず、自動車用機器等の産業用機器に用いてもよい。
また、上記実施の形態における回転子10は、上記の構造の電動機2に適用する場合に限るものではなく、ユニバーサルモータ又はモールドモータ等の種々の電動機に適用することができる。また、上記実施の形態における回転子10は、径小のDCモータに用いられていてもよいし、直径がφ84mm又はφ72のモータに用いられていてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。例えば、第1リングカバー及び第2リングカバーについては、上記実施の形態及び変形例の種々のリングカバーを適宜組み合わせて用いることができる。
本開示に係る回転子、電動機及び電動送風機は、充電式掃除機等の電気掃除機等の家庭用電気機器をはじめとして種々の電気機器に利用することができる。
1 電動送風機
2 電動機
3 回転ファン
4 エアガイド
4a 本体部
4b 環状部
4c 連結板
5 ファンケース
5a 蓋部
5b 側壁部
5c 吸気口
10、10X、10Y 回転子
11 回転子鉄心
11a ティース
11b スロット
12 巻線コイル
12a コイルエンド
13 回転軸
13a 第1部位
13b 第2部位
14、14A、14B、40Y リングカバー
15 第1インシュレータ
15a 第1突出部
16 第2インシュレータ
16a 第2突出部
20 固定子
21 磁石
30 ヨーク
31 円弧部
32 直線部
40 フレーム
40a 開口部
40b 排気口
41 膨出部
42 凹部
50 ブラケット
50a 内側貫通孔
50b 外側貫通孔
50b1 第1外側貫通部
50b2 第2外側貫通部
51 中心部
52 内側環状部
53 外側環状部
54 内側ブリッジ部
55 外側ブリッジ部
60 整流子
61 整流子片
70 ブラシ
81 第1軸受け
82 第2軸受け
100、100A 第1リングカバー
110 第1貫通孔
120 第1リング部
130 第1ウェッジ部
140 第1開口部
200、200B 第2リングカバー
210 第2貫通孔
220、250 第2リング部
230 第2ウェッジ部
240 第2開口部
300、14X 熱硬化性樹脂

Claims (14)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸に取り付けられた回転子鉄心と、
    前記回転子鉄心に巻回されて、前記回転軸が延伸する方向の端部をコイルエンドとする巻線コイルと、
    前記巻線コイルの前記コイルエンドを覆うリングカバーと、を備え、
    前記リングカバーにおける前記コイルエンドを覆う位置に、少なくとも一つの貫通孔が設けられている、
    回転子。
  2. 前記貫通孔は、複数であり、
    前記複数の貫通孔は、前記回転軸の回転方向に沿って円環状に配列されている、
    請求項1に記載の回転子。
  3. 前記リングカバーは、前記回転子鉄心が含む複数のスロットの各々に配置された複数のウェッジ部を有する、
    請求項2に記載の回転子。
  4. 前記複数の貫通孔と前記複数のウェッジ部とは、同数である、
    請求項3に記載の回転子。
  5. 前記リングカバーは、前記コイルエンドの前記回転子鉄心側の部分を覆っている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の回転子。
  6. 前記リングカバーにおける前記コイルエンドを覆う部分の外面は、断面形状が円弧の湾曲面を有する、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の回転子。
  7. 前記リングカバーは、熱硬化性樹脂によって前記巻線コイルに接着固定されている、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の回転子。
  8. 前記貫通孔に、前記熱硬化性樹脂が存在している、
    請求項7に記載の回転子。
  9. 前記熱硬化性樹脂は、ワニスである、
    請求項7又は8に記載の回転子。
  10. 前記回転子鉄心における前記回転軸の軸心方向の端部と前記巻線コイルとの間に配置されたインシュレータを備え、
    前記インシュレータは、前記回転子鉄心が含む複数のティースの各々に対応する複数の突出部を有し、
    前記突出部の先端部分は、前記巻線コイルから露出しており、
    前記リングカバーは、前記巻線コイルから露出する前記突出部の先端部分を覆っている、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の回転子。
  11. 前記リングカバーは、2つの、前記回転軸を囲うように形成されたリング部を有し、
    前記貫通孔は、前記2つの、前記回転軸を囲うように形成されたリング部の間に設けられている、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の回転子。
  12. 前記リングカバーとして、前記回転軸の軸心方向の一方の端部における前記巻線コイルの第1コイルエンドを覆う第1リングカバーと、前記回転軸の軸心方向の他方の端部における前記巻線コイルの第2コイルエンドを覆う第2リングカバーとを含み、
    前記第1リングカバー及び前記第2リングカバーの各々に、前記複数の貫通孔が設けられている、
    請求項1~11のいずれか1項に記載の回転子。
  13. 前記第1リングカバーは、前記回転子鉄心が含む複数のスロットの各々に配置された複数の第1ウェッジ部を有し、
    前記第2リングカバーは、前記複数のスロットの各々に配置された複数の第2ウェッジ部を有し、
    前記第1ウェッジ部と前記第2ウェッジ部とは近接している、
    請求項12に記載の回転子。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の回転子と、
    前記回転子と向かい合う固定子と、を備える、
    電動機。
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