JP2023071264A - 揮散装置 - Google Patents
揮散装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2023071264A JP2023071264A JP2021183921A JP2021183921A JP2023071264A JP 2023071264 A JP2023071264 A JP 2023071264A JP 2021183921 A JP2021183921 A JP 2021183921A JP 2021183921 A JP2021183921 A JP 2021183921A JP 2023071264 A JP2023071264 A JP 2023071264A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- housing
- volatilization
- drug
- film
- container
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Catching Or Destruction (AREA)
- Packaging Of Annular Or Rod-Shaped Articles, Wearing Apparel, Cassettes, Or The Like (AREA)
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
Abstract
【課題】薬剤が筐体から漏れるのを抑制できる揮散装置を提供する。【解決手段】揮散装置1は、薬剤容器4を筐体2内に位置決めする位置決め部を備える。位置決め部は、筐体2の内面から突き出た突出部53であって、揮散膜442に直交する第一方向において薬剤容器4を位置決めする突出部53を有する。薬剤容器4の外周端面と筐体2との間には、薬剤容器4の外周端面の全長にわたって隙間があり、突出部53の先端面は、揮散膜442に接触しかつ揮散膜442の外周縁から離れている。【選択図】図7
Description
本開示は、揮散装置に関する。
特許文献1には、従来の揮散装置(特許文献1では、揮発性組成物ディスペンサ)が開示されている。特許文献1に記載の揮発性組成物ディスペンサは、ハウジング内にカートリッジが収容されている。
カートリッジは、容器と、容器の開口を閉じる膜とを備える。容器に収容された揮発性組成物は、容器から流れ出して膜を濡らし、膜から揮発することで、揮発性組成物ディスペンサが置かれている空間に拡散される。
ところで、この種のディスペンサでは、ハウジングの内部のカートリッジは、ハウジングに対して位置決めされている。
一般的に、位置決めするための構造としては、ハウジングの内面から突き出る突起によってカートリッジの膜を押さえる構造を採用することが考えられる。
しかし、本発明者らは、突起の先端と膜とでなす入隅部には、毛細管現象による作用によって、揮発性組成物が溜まることがあることを発見した。例えば、突起がリブ状に形成されていて、突起の長手方向の一部によって膜が支持される場合には、カートリッジが移動するのに応じて突起と膜との接触面積が変化するため、突起の先端と膜とでなす入隅部に揮散性組成物が多く溜まる可能性がある。
本開示は、薬剤が筐体から漏れるのを抑制できる揮散装置を提供することを目的とする。
本開示の揮散装置は、薬剤が収容された容器本体の開口面が揮散膜で閉じられた薬剤容器を筐体に収容可能な揮散装置である。前記筐体は、前記薬剤容器を前記筐体内に位置決めする位置決め部を備える。前記位置決め部は、前記筐体の内面から突き出た突出部であって、前記揮散膜に直交する第一方向において前記薬剤容器を位置決めする突出部を有する。前記薬剤容器の外周端面と前記筐体との間には、前記薬剤容器の外周端面の全長にわたって隙間があり、前記突出部の先端面は、前記揮散膜に接触しかつ前記揮散膜の外周縁から離れている。
また、本開示の揮散装置は、前記突出部の先端面よりも突出高さが低く、前記突出部を補強する補強部を備えることが好ましい。
また、本開示の揮散装置では、前記補強部は、前記筐体の内面から突き出ておりかつ前記突出部に対して境界に谷線ができるように接続されており、前記谷線が、前記筐体の内面に向かって延びることが好ましい。
また、本開示の揮散装置では、前記筐体は、前記谷線を伝った薬剤を受ける液受け部を有することが好ましい。
また、本開示の揮散装置では、前記突出部の先端面は、使用状態で前記揮散膜における薬剤の液面よりも下側の位置に接触することが好ましい。
本開示の揮散装置は、薬剤が筐体から漏れるのを抑制できる、という利点がある。
<実施形態>
(1)全体
本実施形態に係る揮散装置1は、内部に収容された薬剤容器4から薬剤を揮散させ、揮散装置1が設置された空間に薬剤を拡散する装置である。本実施形態に係る揮散装置1は、図1に示すように、水平面に平行な載置面1Gに載せて使用される。ただし、本開示に係る揮散装置1の設置態様には特に制限はない。本開示に係る揮散装置1は、例えば、天井等から吊るしたり、取手等に引っ掛けたり、ガラス面や鏡面等に吸盤等で引っ付けたり、送風機のルーバーに差し込んだりして設置されてもよい。本開示において、使用状態とは、薬剤を拡散する対象の空間に揮散装置1が設置された状態を意味する。使用状態の一例は、揮散装置1が載置面1Gに載った状態(脚部22の下面が載置面1Gに接した状態)である。
(1)全体
本実施形態に係る揮散装置1は、内部に収容された薬剤容器4から薬剤を揮散させ、揮散装置1が設置された空間に薬剤を拡散する装置である。本実施形態に係る揮散装置1は、図1に示すように、水平面に平行な載置面1Gに載せて使用される。ただし、本開示に係る揮散装置1の設置態様には特に制限はない。本開示に係る揮散装置1は、例えば、天井等から吊るしたり、取手等に引っ掛けたり、ガラス面や鏡面等に吸盤等で引っ付けたり、送風機のルーバーに差し込んだりして設置されてもよい。本開示において、使用状態とは、薬剤を拡散する対象の空間に揮散装置1が設置された状態を意味する。使用状態の一例は、揮散装置1が載置面1Gに載った状態(脚部22の下面が載置面1Gに接した状態)である。
揮散装置1は、図2に示すように、フレーム23及びカバー29を有する筐体2と、筐体2に対して移動可能に取り付けられる可動体3と、を備える。可動体3及び薬剤容器4は筐体2に収容される。可動体3は、図3に示すように、操作部31を有する。操作部31は、筐体2から突き出ており、筐体2から露出している。
薬剤容器4は、図2に示すように、薬剤が収容された容器本体41の開口面が揮散膜442で閉じられて構成されている。本実施形態に係る薬剤容器4は、揮散膜442と破断膜441とが積層されており、揮散膜442及び破断膜441によって、容器本体41の開口面が閉じられている。
可動体3が筐体2に対して移動することで、可動体3は、破断膜441を破断させる。これにより、薬剤容器4が開封され、薬剤が揮散膜442に浸透し、空間に薬剤が揮散する。
薬剤は、揮発性を有する液状の薬剤である。薬剤としては、特に制限はなく、例えば、芳香剤、消臭剤、防虫剤、又はこれらの混合物等が挙げられる。また、薬剤には、目的に応じて添加物が含まれる。添加物としては、例えば、香料、消臭成分、防虫成分、着色料等が挙げられる。
(2)筐体
筐体2は、揮散装置1の外殻を構成する。筐体2は、図3に示すように、本体部21と、脚部22と、を備える。本体部21の正面及び背面は、水平面に対して傾斜している。ここでは、本体部21の正面に直交する方向に沿って本体部21を見た場合(これを本体部21の「正面視」という)に、左右方向に平行な方向を「幅方向」とし、幅方向に直交する方向を「長さ方向」として定義する。また、幅方向と長さ方向に直交する方向(すなわち、本体部21の正面に直交する方向)を「厚さ方向」として定義する。以下の説明において、本体部21の長さ方向は、単に「長さ方向」と記載される。筐体2の幅方向は、単に「幅方向」と記載される。筐体2の厚さ方向は、単に「厚さ方向」と記載される。
筐体2は、揮散装置1の外殻を構成する。筐体2は、図3に示すように、本体部21と、脚部22と、を備える。本体部21の正面及び背面は、水平面に対して傾斜している。ここでは、本体部21の正面に直交する方向に沿って本体部21を見た場合(これを本体部21の「正面視」という)に、左右方向に平行な方向を「幅方向」とし、幅方向に直交する方向を「長さ方向」として定義する。また、幅方向と長さ方向に直交する方向(すなわち、本体部21の正面に直交する方向)を「厚さ方向」として定義する。以下の説明において、本体部21の長さ方向は、単に「長さ方向」と記載される。筐体2の幅方向は、単に「幅方向」と記載される。筐体2の厚さ方向は、単に「厚さ方向」と記載される。
本体部21は、扁平な箱状であり、正面視略矩形状に形成されている。ここでいう「扁平」とは、厚さ方向の寸法が、幅方向の寸法及び長さ方向の寸法よりも短い形状を意味する。本体部21は中空である。長さ方向は、載置面1Gに載る脚部22の下面(筐体2の底部という場合がある)に対して傾斜している。長さ方向と脚部22の下面とのなす角(側面視におけるなす角)は、例えば、45°以上90°未満である。
筐体2は、図2に示すように、脚部22並びに本体部21の背面及び側周面を構成するフレーム23、及び本体部21の正面を構成するカバー29のほか、薬剤容器4を筐体2内に位置決めする位置決め部51,52(図5,6等)を備える。筐体2の材質は合成樹脂である。合成樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。本実施形態に係る筐体2は、熱可塑性樹脂を用いた射出成形(インジェクション成形)により成形される。ただし、本開示では、筐体2の材料及び成型方法は特に限定されない。筐体2の材質は、合成樹脂のほか、例えば、金属、パルプ、カーボン、セラミック等が挙げられる。
(2.1)フレーム
フレーム23は、筐体2の骨格をなす部分である。フレーム23は、図4に示すように、厚さ方向の正面側の面に開口面を有する容器状に形成されている。フレーム23は、背板部24と、側板部28と、を備える。
フレーム23は、筐体2の骨格をなす部分である。フレーム23は、図4に示すように、厚さ方向の正面側の面に開口面を有する容器状に形成されている。フレーム23は、背板部24と、側板部28と、を備える。
背板部24は、本体部21の背面を構成する部分である。背板部24の上側の部分は、水平面に対して傾斜しており、背板部24の上側の部分の主面は厚さ方向に向いている。背板部24の下側の部分は、脚部22の一部を構成する。背板部24は、図4(A)に示すように、複数の通気口25と、取付け部26と、を備える。
通気口25は、薬剤容器4から揮散した薬剤が通る開口である。通気口25は、背板部24を貫通している。複数の通気口25は、背板部24の中央部分(すなわち、取付け部26)以外の部分に形成されている。各通気口25の形状としては、部位に応じて、矩形状、三角形状又は台形状等に形成されているが、これに限らず、例えば、円形状、楕円形状、五角形状、六角形状、網目状等に形成することもできる。
取付け部26は、可動体3を取り付けるための部分である。取付け部26は、背板部24の幅方向の中央部で、かつ長さ方向の中央部の一範囲をなす部分で構成される。取付け部26は、図4(A)に示すように、操作部開口261と、一対の保持部262と、複数のガイド部263と、を備える。
操作部開口261は、可動体3の操作部31が通される開口である。操作部開口261は、略矩形状に形成されている。操作部開口261に対して、操作部31が、筐体2の内側から外側に向かって通され、筐体2から露出する。操作部開口261内において、操作部31は、厚さ方向に沿って移動し得る。
保持部262は、可動体3の弾性部33の一部を取付け部26上に保持する部分である。可動体3は、上述したように、厚さ方向に沿って移動し得るが、保持部262によって弾性部33が保持されることで、可動体3の移動範囲が一定の範囲に制限される。
一対の保持部262は、長さ方向に離れている。本実施形態に係る揮散装置1では、一対の保持部262は、可動体3の長手方向(長さ方向)の両端部に対応する位置に形成されている。ただし、一対の保持部262としては、幅方向に離れていてもよく、この場合、可動体3の短手方向の両端部に対応する位置に形成されるとよい。
各保持部262は、本実施形態では、弾性部33の一部を、厚さ方向に移動しないように保持する鉤状の爪によって構成されている。ただし、保持部262としては、爪に限らず、例えば、溶着、溶接、ピン止め、ねじ止め、断面C字状の軸受け等で構成されてもよい。
ガイド部263は、可動体3における幅方向の両端に係り合い、可動体3を厚さ方向に平行移動させる。ガイド部263としては、例えば、厚さ方向に延びた突条やレール等が挙げられる。可動体3に、例えば、溝が形成される。突条等が溝に嵌まり合うことで、ガイド部263は、可動体3を、厚さ方向へ平行移動させることができる。
側板部28は、背板部24の外周から厚さ方向に突き出た部分である。側板部28の突出先端によってフレーム23の開口面を構成する。側板部28は、筐体2の側周面を構成する。本実施形態に係る揮散装置1では、側板部28には通気口25は形成されていないが、通気口25が形成されていてもよい。
(2.2)カバー
カバー29は、フレーム23の正面の開口面を閉じる部材である。カバー29は、図2に示すように、フレーム23内に、可動体3及び薬剤容器4を収容した状態で、フレーム23の開口面を閉じる。カバー29は、薬剤容器4内の薬剤の残量を視認できる残量表示窓291を有する。残量表示窓291は、カバー本体292に形成された長さ方向に延びる貫通穴294と、貫通穴294を覆う透明板293と、で構成されている。貫通穴294は、筐体2の内部に収容された薬剤容器4に対応する位置に形成されている。
カバー29は、フレーム23の正面の開口面を閉じる部材である。カバー29は、図2に示すように、フレーム23内に、可動体3及び薬剤容器4を収容した状態で、フレーム23の開口面を閉じる。カバー29は、薬剤容器4内の薬剤の残量を視認できる残量表示窓291を有する。残量表示窓291は、カバー本体292に形成された長さ方向に延びる貫通穴294と、貫通穴294を覆う透明板293と、で構成されている。貫通穴294は、筐体2の内部に収容された薬剤容器4に対応する位置に形成されている。
(2.3)位置決め部
位置決め部51,52は、薬剤容器4を筐体2内に位置決めする部分である。本実施形態に係る位置決め部51,52は、揮散膜442が水平面に対して交差した状態となるように、薬剤容器4を位置決めする。位置決め部は、カバー29に設けられた第一位置決め部51(図5)と、フレーム23に設けられた第二位置決め部52(図6)と、を備える。
位置決め部51,52は、薬剤容器4を筐体2内に位置決めする部分である。本実施形態に係る位置決め部51,52は、揮散膜442が水平面に対して交差した状態となるように、薬剤容器4を位置決めする。位置決め部は、カバー29に設けられた第一位置決め部51(図5)と、フレーム23に設けられた第二位置決め部52(図6)と、を備える。
第一位置決め部51は、図5に示すように、カバー29の内面から厚さ方向の内側に突き出ている。第一位置決め部51は、厚さ方向に沿って第一位置決め部51を見た場合、略矩形枠状に形成されている。第一位置決め部51は、長さ方向及び幅方向において、薬剤容器4を位置決めする。
第一位置決め部51は、幅方向に離れた一対の第一規制壁511と、長さ方向に離れた一対の第二規制壁512と、を備える。各第一規制壁511は、長さ方向に延びている。各第二規制壁512は、幅方向に延びている。各第一規制壁511は、一対の第二規制壁512における幅方向の端部間同士をつなぐ。第一規制壁511と第二規制壁512とでなすコーナー部513は、円弧状に形成されている。
一対の第一規制壁511の間には、薬剤容器4の一部である剤収容部421(「第一部分」という場合がある)が位置する。一対の第一規制壁511の間には、剤収容部421(「第二部分」という場合がある)が位置する。これにより、薬剤容器4は、筐体2内において、長さ方向及び幅方向に位置決めされる。なお、本実施形態では、第一部分と第二部分とは、互いに同じ剤収容部421であるが、本開示では、互いに異なる部分であってもよい。例えば、第一部分をフランジ部43とし、第二部分を剤収容部421としてもよい。
第二位置決め部52は、厚さ方向(揮散膜442に直交する方向)において薬剤容器4を位置決めする。第二位置決め部52は、図6(A)に示すように、フレーム23の内面から突き出た複数の第一突出部53(突出部)及び複数の第二突出部54を備える。第一突出部53及び第二突出部54は、背板部24から厚さ方向に突き出ている。第一突出部53及び第二突出部54は、フレームに対して、樹脂成形によって一体に成形されている。
第一突出部53は、薬剤容器4の中央よりも下側の部分を厚さ方向に押さえる部分である。第一突出部53は、本実施形態では、幅方向に離れて二つ設けられているが、薬剤容器4に対して、幅方向の両端部に対応する位置と、その間の位置との三箇所以上に設けられてもよい。
第一突出部53は、薬剤容器4が第一位置決め部51によって筐体2内に位置決めされた状態において、薬剤容器4の揮散膜442に対し、薬液の液面よりも下側の位置を厚さ方向に押さえる。ここでいう「薬剤容器4」は、所定量の薬剤を収容した薬剤容器4を意味し、長期間使用して薬剤が所定量に満たない薬剤容器4や、不十分な量の薬剤しか収容されていない不良品の薬剤容器4を含まない。「所定量の薬剤」とは、薬剤容器4の揮散膜442を鉛直面に沿わせた状態で、薬剤の液面が、容器本体41の収容部42の鉛直方向の高さ寸法のおよそ1/2以上の位置に対応する量を意味する。本実施形態に係る第一突出部53は、第一位置決め部51によって筐体2内に位置決めされた薬剤容器4に対し、長さ方向の中央よりも下側の位置、好ましくは、収容部42よりも下側の位置を押さえるように配置されている。
第一突出部53は、図7(A)に示すように、厚さ方向に延びた棒状に形成されており、先端面が平面である。第一突出部53の先端面は、揮散膜442に接触しており、揮散膜442を厚さ方向に押さえている。第一突出部53の先端面は、揮散膜442の外周縁から離れている。
第一突出部53は、本実施形態では、断面円形状であるが、本開示ではこれに限らず、例えば、断面矩形状、断面五角形状等が挙げられる。また、第一突出部53の先端面は平面に限らず、半球面であってもよいし、尖っていてもよい。
筐体2には、第一突出部53を補強する補強部6が設けられている。補強部6は、リブ状に形成されている。補強部6は、第一突出部53に対して幅方向の外側に隣接しており、第一突出部53と側板部28とをつなぐ。補強部6は幅方向に延びている。補強部6の先端(本体部21の厚さ方向の先端)は、背板部24と第一突出部53の先端面との間に位置している。補強部6の突出高さは、第一突出部53の先端面の突出高さよりも低い。すなわち、第一突出部53は、補強部6の先端面からも突き出ている。
補強部6の先端面と第一突出部53の先端面との間の寸法6Lは、第一突出部53の先端面の外周に液滴が溜まった際に、液滴が補強部6の先端面に接触しない程度の寸法であることが好ましい。補強部6の先端面と第一突出部53の先端面との間の寸法6Lとしては、好ましくは、0.1mm以上10mm以下であり、より好ましくは0.5mm以上3mm以下である。
補強部6と第一突出部53とは、図6(B)に示すように、境界が谷状となるように接続されている。補強部6と第一突出部53との境界線は、図7(A)に示すように、背板部24に向かって延びており、谷線61を形成する。ここでいう「谷線」とは、断面視において、曲面ではなく、屈曲した形状をもつ入隅部を有し、当該入隅部が一方向へ連なることを意味する。ここでは、図6(B)に示すように、谷線61は、正面視において直線と円弧とで構成された鋭角の頂点である。ただし、本開示では、谷線61は、正面視において直線と直線で構成された鋭角の頂点であってもよいし、円弧と円弧で構成された鋭角の頂点等であってもよく、また、直角又は鈍角の頂点であってもよい。
谷線61に対して液滴が付着すると、液滴は、谷線に沿って移動する。ここで、図7(B)に示すように、第一突出部53の先端面には揮散膜442が接触するため、揮散膜442と第一突出部53とでなすコーナー部分8には、毛細管現象の作用により、薬剤が溜まる。長時間が経過すると、コーナー部分8における薬剤が増えてゆく可能性があるが、その場合、コーナー部分8の薬剤は、補強部6の先端面よりも先に谷線61に接触する。谷線61に接触した薬剤は、毛細管現象の作用によって、谷線61に沿って筐体2に向かって移動する。
谷線61に沿って移動した薬剤は、図8に示すように、液受け部221で受けられる。液受け部221は、脚部22の底部の上面に含まれる。液受け部221は、筐体2の合わせ面や穴等が存在しない面である。液受け部221によって薬剤を受けることにより、薬剤が筐体2の外に漏れない。
液受け部221には、シボ加工やローレット加工等によって、微細な凹凸面が形成されることが好ましい。これによって、液受け部221によって受けられた薬剤を、液受け部221上に保持することができる。微細な凹凸面としては、例えば、算術最大高さRyが、20μm以上であることが好ましく、より好ましくは40μm以上である。また、液受け部221は、本実施形態では、微細な凹凸面を有する平面であるが、凹状に形成されてもよい。
このように、第一突出部53と揮散膜442との間に溜まった薬剤は、補強部6の先端面よりも先に谷線61に接触するため、薬剤は筐体2の外に漏れにくい。補強部6がリブ状に形成されている場合、製造時のガス抜きの関係上、補強部6の先端面には、入れ子線(金型本体と入れ子金型との境界でできる筋状の隆起)が形成される可能性がある。入れ子線に薬剤が接触すると、入れ子線に沿って薬剤が移動し、筐体2の外に薬剤が漏れる可能性があるが、本実施形態では、これを回避できる。
第二突出部54は、図6(A)に示すように、薬剤容器4の中央よりも上側の部分を厚さ方向に押さえる部分である。第二突出部54は、本実施形態では、幅方向に離れて二つ設けられている。ただし、第二突出部54としては、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。
第二突出部54は、薬剤容器4が第一位置決め部51によって筐体2内に位置決めされた状態において、薬剤容器4の揮散膜442に対し、薬液の液面よりも上側の位置を厚さ方向に押さえる。第二突出部54は、薬剤容器4の揮散膜442に接触する領域を有する。
図9に示すように、薬剤容器4は、第一突出部53及び第二突出部54によって、厚さ方向に位置決めされた状態において、薬剤容器4の外周端面と筐体2の側板部28との間には全長にわたって隙間(空間)がある。
また、一対の第一規制壁511の中央に容器本体41の幅方向の中央が位置するように配置した場合、幅方向において、一方の第一規制壁511と容器本体41の剤収容部421との間の寸法1Lは、薬剤容器4の外周端面と筐体2の内面との間の寸法2Lよりも小さい。また、一対の第二規制壁512の中央に容器本体41の長さ方向の中央が位置するように配置した場合、長さ方向において、一方の第二規制壁512と容器本体41の剤収容部421との間の寸法3Lは、薬剤容器4の外周端面と筐体2の内面との間の寸法4Lよりも小さい。
薬剤容器4は、少なくとも、第一位置決め部51によって位置決めされた範囲内で移動することが可能である。この場合において、薬剤容器4がどの位置に移動しても、揮散膜442と第一突出部53との接触面積は一定となる。このため、薬剤容器4の位置によって、位置決め部との接触面積が変わることがなくなり、薬剤の漏れが生じる可能性を低減することができる。仮に、第一突出部53がなく薬剤容器4の外周端面が筐体2(補強部6)に接触している場合、薬剤容器4の位置に応じて薬剤容器4の筐体2との接触面積にバラつきが生じる。すなわち、薬剤容器4が正面視で右に移動した場合は、薬剤容器4の筐体2との接触面積は、移動前に比べて、右側で大きくなり、左側で小さくなる。薬剤容器4の筐体2との接触面積が局所的に大きくなることによって、薬剤の漏れが生じる可能性が高まる。これに対して、本実施形態の揮散装置1においては、薬剤容器4の外周端面と筐体2との間に全長に亘って隙間があることによって薬剤の漏れを抑制できる。
なお、ここでいう「寸法1L」「寸法2L」「寸法3L」「寸法4L」は、取り得る寸法の最小値を意味する。
(3)可動体
可動体3は、筐体2に対して、移動可能に設けられた部材である。可動体3は、図4(A)に示すように、ユーザによって操作される操作部31と、可動体3の主体を構成する可動部32と、一対の弾性部33と、を備える。
可動体3は、筐体2に対して、移動可能に設けられた部材である。可動体3は、図4(A)に示すように、ユーザによって操作される操作部31と、可動体3の主体を構成する可動部32と、一対の弾性部33と、を備える。
操作部31は、厚さ方向に沿って移動し得る。操作部31は、初期の位置(可動部32が背板部24に当たる位置;図10(A)参照)と、可動部32が薬剤容器4を開封する位置(図10(B)参照)との間で移動可能に構成されている。本実施形態では、操作部31の移動範囲のうち、初期の位置を「第一位置」とし、可動部32が薬剤容器4を開封する位置を「第二位置」として定義する。
本実施形態では、操作部31、可動部32及び弾性部33は、一体に成形されている。可動体3の材料としては、特に制限はなく、例えば、合成樹脂、金属、パルプ、カーボン等が挙げられる。
可動部32は、操作部31と一体に動く。可動部32は、長さ方向に平行な長軸(言い換えると「長手軸」)を有する長円形状に形成されている。可動部32は、長手軸に沿う方向に離れて形成された複数(ここでは二つ)の突入部321を備える。
各突入部321は、図10(A)に示すように、操作部31が第一位置にあると、薬剤容器4に対して離れている。一方、各突入部321は、図10(B)に示すように、操作部31が第二位置に移動すると、薬剤容器4に対して穴を開け、薬剤容器4を開封する。複数の突入部321は、可動部32の長手軸に沿う方向の両端部に形成されている。各突入部321は、可動部32の移動方向の第一位置側の面から突き出している。各突入部321の形状としては、例えば、錘状(円錐状、角錘状)、針状、棒状等が挙げられるが、円錐状であることが好ましい。
複数の突入部321は、可動部32の長手軸方向(すなわち、長さ方向)に離れている。これによって、図10(B)に示すように、薬剤容器4に対して、薬剤容器4の中央よりも上側の位置と下側の位置との両方に穴を開けることができる。すなわち、複数の突入部321は、薬剤容器4内の気相に対応する部分と液相に対応する部分との両方に穴を開けることができる。
この結果、複数の穴のうちの上側の穴を空気取り込み穴とし、下側の穴を薬剤通過用の穴とすることができる。このため、薬剤容器4は、薬剤を吐出しやすくでき、薬剤の安定した揮発量を維持できる。可動部32の長手軸方向に並ぶ突入部321のうちの下側の突入部321は、できる限り容器本体41の開口縁に近い位置に穴を開けることが好ましい。なお、上側とは、揮散装置1を載置面1Gに置いた状態における上側を意味する。下側とは、揮散装置1を載置面1Gに置いた状態における下側を意味する。
一対の弾性部33は、可動部32と筐体2とをつなぐ部分である。フレーム23の取付け部26に対し、可動体3が取り付けられると、図10(A)に示すように、操作部31は第一位置に位置する。操作部31が第一位置に位置する状態で操作部31に外力を付加する(筐体2内に押し込む)と、図10(B)に示すように、弾性部33が弾性変形する。このとき、操作部31が第一位置から第二位置へ移動するのに連動して可動部32が動く(図10(A)→図10(B))。この状態で、操作部31に付加された外力を除くと、弾性部33が元の状態に戻る。このとき、操作部31が第二位置から第一位置へ移動するのに連動して可動部32が復帰する(図10(B)→図10(A))。
(4)薬剤容器
薬剤容器4は、薬剤が収容された容器である。薬剤容器4は、図11に示すように、容器本体41と、蓋体44と、板部材45と、を備える。
薬剤容器4は、薬剤が収容された容器である。薬剤容器4は、図11に示すように、容器本体41と、蓋体44と、板部材45と、を備える。
(4.1)容器本体
容器本体41は、薬剤容器4の主体を構成する部分である。容器本体41は、硬質樹脂で構成されている。硬質樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリ塩化ビニル、あるいはこれらの積層体等が挙げられる。本実施形態では、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの積層体で構成されている。
容器本体41は、薬剤容器4の主体を構成する部分である。容器本体41は、硬質樹脂で構成されている。硬質樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリ塩化ビニル、あるいはこれらの積層体等が挙げられる。本実施形態では、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの積層体で構成されている。
本実施形態に係る容器本体41は、薬剤の残量が視認できるように、透明な樹脂で構成されている。ここでいう「透明」とは、薬剤の残量が視認できる程度の透明度であればよく、いわゆる半透明も含まれる。なお、本開示では、容器本体41は不透明な材料で構成されてもよい。
容器本体41は、収容部42と、フランジ部43と、を備える。収容部42は、容器本体41において薬剤が収容される部分である。収容部42は、一面に開口面を有する容器状に形成されている。収容部42は、図12に示すように、剤収容部421と、板材収容部422と、を備える。
剤収容部421は、主に薬剤が収容される部分である。剤収容部421は、図13に示すように、平面視略矩形状の底壁4211と、底壁4211の外周縁から立ち上がる第一側壁4212と、を備える。板材収容部422は、板部材45が収容される部分であり、剤収容部421とフランジ部43との間に形成される。板材収容部422は、剤収容部421の第一側壁4212につながる支持部4221と、支持部4221の外周縁から立ち上がる第二側壁4222と、を備える。第二側壁4222のフランジ部43側の端によって、収容部42の開口面が形成されている。
剤収容部421の厚さ方向の寸法(内寸)は、特に制限はないが、例えば、5mm以上20mm以下に設定される。板材収容部422の厚さ方向の寸法(内寸)は、板部材45の厚さ方向の寸法に応じて適宜設定されるが、例えば、1mm以上5mm以下に設定される。
フランジ部43は、蓋体44が接合される部分である。フランジ部43は、収容部42の開口面の外周の全周に沿って設けられている。フランジ部43の蓋体44が接合される面は、平面である。フランジ部43の蓋体44が接合される面の全面が同一平面上に位置している。
(4.2)蓋体
蓋体44は、容器本体41の開口面を閉じるようにして、フランジ部43に接合される。フランジ部43に対する蓋体44の接合方法としては、例えば、溶着、接着等により実現される。蓋体44は、可とう性を有している。蓋体44は、破断膜441と、揮散膜442と、が重ねられて構成されている。蓋体44は、薬剤容器4の内側から外側に向かって、破断膜441、揮散膜442の順に配置されている。
蓋体44は、容器本体41の開口面を閉じるようにして、フランジ部43に接合される。フランジ部43に対する蓋体44の接合方法としては、例えば、溶着、接着等により実現される。蓋体44は、可とう性を有している。蓋体44は、破断膜441と、揮散膜442と、が重ねられて構成されている。蓋体44は、薬剤容器4の内側から外側に向かって、破断膜441、揮散膜442の順に配置されている。
破断膜441は、厚さ方向の外側から揮散膜442に外力が加わった際に、揮散膜442よりも少ない伸長量で破断するように構成されている。破断膜441は、液不透過性の材料で構成されている。破断膜441としては、例えば、ポリエチレン層、アルミニウム層及びポリエチレンテレフタレート層が積層された薄膜が挙げられる。
破断膜441の具体例として、例えば、第一のポリエチレン層、アルミニウム層、第二のポリエチレン層及びポリエチレンテレフタレート層が、内側から外側に向かって、この順で積層された薄膜が挙げられる。この場合、例えば、第一のポリエチレン層の厚さが、5μm以上30μm、アルミニウム層の厚さが5μm以上25μm以下、第二のポリエチレン層の厚さが5μm以上25μm以下、ポリエチレンテレフタレート層の厚さが5μm以上25μm以下に設定される。
揮散膜442は、破断膜441に形成された穴(破断穴)を通過した薬剤を保持しつつ、薬剤を揮散させる。揮散膜442は、破断膜441の外側の面(厚さ方向において、容器本体41とは反対側の面)に配置されている。揮散膜442は、厚さ方向の外側から揮散膜442に外力が加わった際に、破断膜441よりも破断しにくい。揮散膜442としては、例えば、テスリン(商標)、ダラミック(商標)等の多孔質フィルムが挙げられる。
このような構成の薬剤容器4は、図14に示すように、操作部31が第一位置から第二位置に移動する際、突入部321が揮散膜442を押す。その後、突入部321が破断膜441を押し込む。このとき、揮散膜442及び破断膜441は伸長するが、先に破断膜441が破断し、破断膜441に穴が開く(図14(A)→(B))。この後、操作部31に対する外力が除かれると、弾性部33によって、操作部31は第二位置から第一位置に復帰し、可動部32及び突入部321は、揮散膜442から離れる。
すると、薬剤容器4内の薬剤は、下側の穴を通って外部に出る。薬剤は揮散膜442に浸透し、揮散する。薬剤が外に出ると、容器内が減圧するため、上側の穴を通って空気が取り込まれる。このとき、揮散膜442は、薬剤の液面と略同じ程度の高さから下側の部分が主に濡れ、薬剤の液面よりも上側の部分は濡れないか、又は濡れる量が少ない。このため、揮散膜442において、薬剤の液面よりも上側を押さえる第二突出部には薬剤が付着しにくい。
(4.3)板部材
板部材45は、蓋体44に対して、外力が加わった際に、蓋体44の伸びを部分的に阻止するための部材である。板部材45によって、外力が加わった際に、破断膜441がより破断し易くなる。板部材45は、図12に示すように、略矩形状に形成された板状に形成されている。板部材45の材料としては、特に制限はなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリ塩化ビニル、あるいはこれらの積層体等が挙げられる。
板部材45は、蓋体44に対して、外力が加わった際に、蓋体44の伸びを部分的に阻止するための部材である。板部材45によって、外力が加わった際に、破断膜441がより破断し易くなる。板部材45は、図12に示すように、略矩形状に形成された板状に形成されている。板部材45の材料としては、特に制限はなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリ塩化ビニル、あるいはこれらの積層体等が挙げられる。
板部材45には、複数(ここでは二つ)の貫通穴451が形成されている。複数の貫通穴451は、板部材45の長手方向(長さ方向)の両端部分に形成されている。貫通穴451は、外力が加えられる予定の部分に対応する位置に形成されている。
(5)効果
以上説明したように、本実施形態に係る揮散装置1では、薬剤容器4の外周端面と筐体2との間には、薬剤容器4の外周端面の全長にわたって隙間があり、突出部(第一突出部53)の先端面は揮散膜442に接触し、かつ揮散膜442の外周縁から離れている。このため、薬剤容器4が筐体2内のどの位置に移動しても、揮散膜442と第一突出部53との接触面積は一定となる。この結果、薬剤容器4の位置によって、位置決め部との接触面積が変わることがなくなり、薬剤の漏れが生じる可能性を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る揮散装置1では、薬剤容器4の外周端面と筐体2との間には、薬剤容器4の外周端面の全長にわたって隙間があり、突出部(第一突出部53)の先端面は揮散膜442に接触し、かつ揮散膜442の外周縁から離れている。このため、薬剤容器4が筐体2内のどの位置に移動しても、揮散膜442と第一突出部53との接触面積は一定となる。この結果、薬剤容器4の位置によって、位置決め部との接触面積が変わることがなくなり、薬剤の漏れが生じる可能性を低減することができる。
また、筐体2は第一突出部53を補強する補強部6を備えるため、第一突出部53の変形を抑制することができる。この結果、第一突出部53の揮散膜442に対する接触面積が変化するのを抑制することができる。また、第一突出部53が変形することにより揮散膜442が破損することも抑制することができる。
また、第一突出部53と補強部6との境界が谷線61であるため、第一突出部53と揮散膜442との間に薬液が溜まっても、薬液は、谷線61を伝って筐体2の内面に導かれる。この結果、薬液が予想しない位置に移動するのを抑制することができる。
また、筐体2の内面には、谷線61を伝った薬液を受ける液受け部221を有するため、薬液を筐体2の外に漏れることを一層抑制することができる。
<変形例>
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
上記実施形態に係る揮散装置1では、可動体3は、筐体2とは別部材で構成されたが、筐体2と可動体3とは一体に形成されてもよい。また、可動体3を備えたが、本開示では、揮散装置1が可動体3の機能を有する必要はなく、可動体3はなくてもよい。本開示に係る揮散装置1では、予め開封された薬剤容器4を筐体2に収容してもよい。
上記実施形態では、薬剤容器4は、第一位置決め部51による位置決めがされた範囲内で移動可能であったが、本開示では、薬剤容器4は、第二位置決め部52による位置決めだけで筐体2に位置決めされてもよい。すなわち、本開示では、第一位置決め部51は無くてもよい。
上記実施形態に係る操作部31は、厚さ方向に沿って移動可能に構成されたが、本開示では、操作部31の移動方向は、厚さ方向に限らず、例えば、長さ方向又は幅方向に沿って移動可能に構成されてもよい。この場合、操作部31は、例えば、筐体2の側周面から突き出していてもよい。操作部31の移動に連動して、押す方向と交差する方向に可動部32が移動してもよい。また、操作部31は、押す操作だけでなく、スライド操作、回転操作、引張り操作等によって操作してもよい。
上記実施形態に係る揮散装置1では、薬剤容器4はフランジ部43を備えたが、フランジ部43は無くてもよい。
上記実施形態では、筐体2が載置面1Gに対して傾斜するため、揮散膜442が第一突出部53及び第二突出部54によって、常時接触することで支持されていた。しかし、本開示では、筐体2の長さ方向が載置面1Gに対して垂直に延びてもよい。この場合、第一突出部53及び第二突出部54は、揮散膜442に対して、対向(近接又は接触)していればよく、必ずしも常時接触していなくてもよい。ただし、揮散膜442が斜め下方を向くように、筐体2内において薬剤容器4が位置決めされると、揮散膜442が薬剤によって濡れる範囲を広くすることができる。したがって、揮散膜442からの揮散量が安定するため好ましい。
使用状態において、揮散膜442は水平面と平行であってもよい。例えば、揮散装置1は、揮散膜442が水平面と平行になるように、ゴミ箱の蓋の裏側に吸盤等で取り付けられてもよい。
上記実施形態では、本体部21は、長さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも長く形成されたが、本開示では、長さ方向の寸法と幅方向の寸法は同じであってもよいし、幅方向の寸法が長さ方向の寸法よりも長くてもよい。なお、上記実施形態では、筐体2の「厚さ方向」「幅方向」「長さ方向」に基づいて、実施形態の説明をしたが、筐体2の「厚さ方向」「幅方向」「長さ方向」は、それぞれ、「第一方向」「第二方向」「第三方向」と言い換えることもできる。
上記実施形態に係る揮散装置1では、薬剤容器4を、薬剤容器のみを新しい薬剤容器4に交換できるカートリッジ式の薬剤容器としてもよい。なお、「破断膜441」「揮散膜442」は、それぞれ、「第1膜」、「第2膜」と言い換えることもできる。
本明細書にて、「略平行」、又は「略直交」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
また、本明細書において「端部」及び「端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「端」は物体の末の部分を意味するが、「端部」は「端」を含む一定の範囲を持つ域を意味する。端を含む一定の範囲内にある点であれば、いずれも、「端部」であるとする。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
1 揮散装置
2 筐体
221 液受け部
4 薬剤容器
41 容器本体
442 揮散膜
53 第一突出部(突出部)
6 補強部
61 谷線
2 筐体
221 液受け部
4 薬剤容器
41 容器本体
442 揮散膜
53 第一突出部(突出部)
6 補強部
61 谷線
Claims (5)
- 薬剤が収容された容器本体の開口面が揮散膜で閉じられた薬剤容器を筐体に収容可能な揮散装置であって、
前記筐体は、前記薬剤容器を前記筐体内に位置決めする位置決め部を備え、
前記位置決め部は、前記筐体の内面から突き出た突出部であって、前記揮散膜に直交する第一方向において前記薬剤容器を位置決めする突出部を有し、
前記薬剤容器の外周端面と前記筐体との間には、前記薬剤容器の外周端面の全長にわたって隙間があり、前記突出部の先端面は、前記揮散膜に接触しかつ前記揮散膜の外周縁から離れている、
揮散装置。 - 前記突出部の先端面よりも突出高さが低く、前記突出部を補強する補強部を備える、
請求項1に記載の揮散装置。 - 前記補強部は、前記筐体の内面から突き出ておりかつ前記突出部に対して境界に谷線ができるように接続されており、
前記谷線が、前記筐体の内面に向かって延びる、
請求項2に記載に揮散装置。 - 前記筐体は、前記谷線を伝った薬剤を受ける液受け部を有する、
請求項3に記載の揮散装置。 - 前記突出部の先端面は、使用状態で前記揮散膜における薬剤の液面よりも下側の位置に接触する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の揮散装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021183921A JP2023071264A (ja) | 2021-11-11 | 2021-11-11 | 揮散装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021183921A JP2023071264A (ja) | 2021-11-11 | 2021-11-11 | 揮散装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023071264A true JP2023071264A (ja) | 2023-05-23 |
Family
ID=86409893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021183921A Pending JP2023071264A (ja) | 2021-11-11 | 2021-11-11 | 揮散装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023071264A (ja) |
-
2021
- 2021-11-11 JP JP2021183921A patent/JP2023071264A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8157188B2 (en) | Container for a device for dispensing a volatile liquid | |
KR20080009698A (ko) | 휘발성 액체 살포 장치 | |
JP6242216B2 (ja) | 中栓、吸い上げ式液体容器 | |
JP2019513494A (ja) | ロック可能な押しボタンを備える揮発性組成物ディスペンサ | |
WO2018087980A1 (ja) | 蓋機構、包装体及び分与容器 | |
WO2018087981A1 (ja) | 蓋機構、包装体及び分与容器 | |
JP2018526080A (ja) | 揮発性組成物ディスペンサ | |
JP2023071264A (ja) | 揮散装置 | |
US20100205799A1 (en) | Method Of Manufacturing A Device For Storing And Dispensing Liquid | |
JP2023071263A (ja) | 揮散装置 | |
JP2023071265A (ja) | 揮散装置 | |
JP2007007125A (ja) | 薬剤揮散器 | |
WO2023063309A1 (ja) | 揮散装置 | |
JP2023058972A (ja) | 揮散装置 | |
JP2023058973A (ja) | 揮散装置 | |
JP2023058970A (ja) | 揮散装置 | |
JP5789429B2 (ja) | 薬剤容器 | |
JP2023058976A (ja) | 薬剤容器及びこれを備えた揮散装置 | |
JP6641142B2 (ja) | 薬剤揮散器 | |
JP2022002972A (ja) | 薬液揮散器 | |
JP5243004B2 (ja) | 揮散装置 | |
CN212590280U (zh) | 加热雾化装置及其储液器、以及电子设备 | |
WO2023234122A1 (ja) | 薬剤揮散器及びホルダー | |
JP7064248B2 (ja) | 揮発性液体の収容装置 | |
JP7227101B2 (ja) | 分析チップデバイス |