JP2023070567A - ステビオール配糖体の水中凝集抑制方法、及び水中での凝集が抑制されたステビア製剤 - Google Patents

ステビオール配糖体の水中凝集抑制方法、及び水中での凝集が抑制されたステビア製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制する方法、及びそれに使用する製剤を提供する。【解決手段】ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制する方法であって、水溶液中でステビオール配糖体とラカンカ抽出物とを共存させる工程を含むことを特徴とする方法。【選択図】なし

Description

本発明はステビオール配糖体の水中での凝集抑制方法に関する。また、本発明はステビオール配糖体の水中での凝集を抑制するために使用される製剤に関する。さらに、本発明は、水中での凝集が抑制されたステビア製剤に関する。
ステビオール配糖体は、キク科ステビア属に属する植物であるステビアレバウディアナ・ベルトニ(学名:Stevia rebaudiana(Bertoni)Bertoni)の葉や茎に含まれる甘味成分として知られており、当該ステビオール配糖体やこれを含むステビア抽出物は、従来、食品添加物や医薬品添加物として広く使用されている(非特許文献1及び2)。
厚生労働省 消費者庁「第9版 食品添加物公定書2018」第725―726頁「ステビア抽出物」、第726―727頁「ステビオール配糖体」 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課「医薬品添加物規格2018」第413-415頁「精製ステビア抽出物」 厚生労働省 消費者庁「第9版 食品添加物公定書2018」、第975-976頁「ラカンカ抽出物」
本発明者は、日々研究を重ねるなかで、ステビア抽出物等、ステビオール配糖体を含有する製剤は、水中での安定性が低く、経時的に結晶が析出して凝集すること、その傾向はステビオール配糖体の精製度を高くすることで顕著になることを知見した。しかしながら、ステビオール配糖体の水安定性、特に水中での凝集を抑制する技術は知られていない。
そこで本発明は、ステビオール配糖体の水中での凝集を抑制する方法を提供することを課題とする。また本発明は、当該方法に使用する製剤を提供すること、さらに水中での凝集が抑制されたステビオール配糖体含有製剤(ステビア製剤)を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねていたところ、水溶液中で、ステビオール配糖体にラカンカ抽出物を共存させることで、ステビオール配糖体の水中での結晶化及び凝集が有意に抑制され、保存安定性が良好なステビオール配糖体含有水溶液が調製できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて、さらに検討を重ねて完成したものであり、下記の実施形態を包含するものである。
(I)ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制するための製剤
(I-1)ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制するための製剤であって、当該製剤はラカンカ抽出物を含有することを特徴とする、前記製剤。
(I-2)前記ステビオール配糖体がレバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドD、及びステビオサイドよりなる群から選択される少なくとも一種、好ましくはレバウディオサイドA及び/又はステビオサイドである、(I-1)に記載する製剤。
(II)ステビア製剤
(II-1)ステビオール配糖体、及び(I-1)に記載する製剤を含有するステビア製剤。
(III)ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制する方法
(III-1)ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制する方法であって、
当該方法は、水溶液中でステビオール配糖体とラカンカ抽出物とを共存させる工程を含む、前記方法。
(III-2)前記ステビオール配糖体が、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドD、及びステビオサイドよりなる群から選択される少なくとも一種、好ましくはレバウディオサイドA及び/又はステビオサイドである、(III-1)に記載する方法。
(III-3)前記凝集が、ステビオール配糖体の水溶液中での結晶化によるものである、(III-1)または(III-2)に記載する方法。
(III-4)ステビオール配糖体を85質量%以上、好ましくは90質量%以上含有するステビオール配糖体含有製剤またはステビア抽出物の水への溶解安定方法である、(III-1)~(III-3)のいずれかに記載する方法。
本発明によれば、ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制する方法、または当該方法に使用される製剤を提供することができる。また、本発明の方法及び製剤によれば、ステビオール配糖体の水溶液中での結晶化及び凝集を抑制され、水溶液に調製した場合でも保存安定性が良好なステビア配糖体含有製剤(ステビア製剤)を提供することができる。
(I)ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制する方法
本発明のステビオール配糖体の水溶液中での凝集抑制方法(以下、単に「本発明の方法」と称する)は、対象とするステビオール配糖体とラカンカ抽出物とを、水溶液中で共存させることを特徴とする。
共存させる方法は、特に制限されず、ステビオール配糖体を含有する水溶液にラカンカ抽出物を添加し溶解する方法、ラカンカ抽出物を含有する水溶液にステビオール配糖体を添加し溶解する方法、及び水溶媒にステビオール配糖体に加えて、ラカンカ抽出物を添加し溶解する方法を例示することができる。なお、水溶液の調製に使用される水溶媒は、体内に摂取可能なものであればよく、例えば、飲料水、水道水、天然水、ミネラルウォーター、精製水、蒸留水、海洋深層水、アルカリイオン水、水素水、及び純水等が例示されるが、これらに制限されるものではない。
本発明が対象とするステビオール配糖体は、ステビオール骨格の1または2の部位に単糖または2糖ないし3糖以上のオリゴ糖が結合した化合物である。当該ステビオール配糖体には、ステビアレバウディアナ・ベルトニ(学名:Stevia rebaudiana(Bertoni)Bertoni)(以下、「ステビア植物」とも称する)の葉や茎に含まれるステビオール配糖体が含まれる。制限されないものの、例えば、ステビオサイド、レバウディオサイドA、B、C、D、及びF、並びに、ズルコサイドA、ルブソサイド、及びステビオールビオサイド等を挙げることができる。好ましくは、ステビオサイド、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、及びレバウディオサイドDであり、より好ましくはステビオサイド、及びレバウディオサイドAである。ステビオール配糖体は、前記成分を1種単独で含有するものであってもよいし、また任意の2種以上を含有するものであってもよい。
例えば、一態様として、対象とするステビオール配糖体がレバウディオサイドAである場合、水溶液中のレバウディオサイドAの濃度は、制限されないものの、下限値が0.5質量%以上、好ましくは0.75質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、上限値が20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
また、これと併用するラカンカ抽出物の水溶液中の濃度については、制限されないものの、ラカンカ抽出物に含まれるモグロシドVの量に換算して、下限値が0.15質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上であり、上限値が20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。また、水溶液中のレバウディオサイドA100質量部に対するラカンカ抽出物の割合として、制限されないものの、モグロシドVの量に換算して、3~100質量部の範囲から選択することができる。好ましくは5~75質量部、より好ましくは10~50質量部である。
また、別の態様として、ステビオール配糖体がステビオサイドである場合、水溶液中のステビオサイドの濃度は、制限されないものの、下限値が0.5質量%以上、好ましくは0.75質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、上限値が15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下である。
また、これと併用するラカンカ抽出物の水溶液中の濃度は、制限されないものの、ラカンカ抽出物に含まれるモグロシドVの量に換算して、下限値が0.15質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上であり、上限値が20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。また、水溶液中のステビオサイド100質量部に対するラカンカ抽出物の割合として、制限されないものの、モグロシドVの量に換算して、3~100質量部の範囲から選択することができる。好ましくは5~75質量部、より好ましくは10~50質量部である。
なお、各種ステビオール配糖体の定量は、公定書記載の方法に従って実施することができる(非特許文献1及び2参照)。またラカンカ抽出物に含まれるモグロシドVの定量も、公定書記載の方法(非特許文献3参照)に従って行うことができる。
本発明で使用するステビオール配糖体は、その由来は問わず、前記ステビア植物に由来するものであっても、また発酵技術により製造されたものであってもよい。制限されないものの、例えば特表2018-521636号公報には、組換え酵母菌を用いてグルコール含有組成物からステビオール配糖体を製造する方法が記載されている。各種のステビオール配糖体は、ステビア植物から調製することもできるが、簡便には、市販の製品を用いることができる。
市販の製品として、制限されないものの、レバウディオサイドAを含有する製品としては、レバウディオ(登録商標)J-100(≧95%)(守田化学工業(株)製);を例示することができる。括弧内の数値は、製剤中のレバウディオサイドAの含有量(製品の規格値)を示す。
また、ステビオサイドを含有する製品としては、制限されないものの、ステビロン(登録商標)S-100(≧90%)(守田化学工業(株)製)を例示することができる。括弧内の数値は、製剤中のステビオサイドの含有量(製品の規格値)を示す。
羅漢果(学名:Siraitia grosvenorii(Swingle)C.Jeffrey ex A.M.Lu & Zhi Y.Zhang (Momordica grosvenorii Swingle))は、中国を原産地とするウリ科ラカンカ属のつる性の多年生植物である。本発明が対象とするラカンカ抽出物は、産地の別を問わず、羅漢果の果実、好ましくは羅漢果の生果実から、水又はエタノール等の有機溶媒を用いて抽出されたモグロシドVを含有する抽出物である。
ラカンカ抽出物は、モグロシドVを精製した状態で含むものであっても、またモグロシドVの他に、それ以外のトリテルペン系配糖体(例えば、モグロール、モグロシドIE1、モグロシドIA1、モグロシドIIE、モグロシドIII、モグロシドIVa、モグロシドIVE、シメノシド、11-オキソモゴロシド、5α,6α-エポキシモグロシド等)を含むものであってもよい。本発明が対象とするラカンカ抽出物にはこれらも含まれる。ラカンカ抽出物中のモグロシドVの含有量は、全体の20質量%以上であることが好ましい。より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。
こうしたラカンカ抽出物は、羅漢果の果実から抽出し、さらに必要に応じて精製処理することで調製することもできるが、簡便には、市販の製品を用いることができる。市販の製品として、制限されないものの、「サンナチュレ(登録商標)M30」(30質量%モグロシドV含有物)、「サンナチュレ(登録商標)M50」(50質量%モグロシドV含有物)(以上、いずれも三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)を例示することができる。
本発明の方法によれば、少なくとも室温条件下での水溶液中におけるステビオール配糖体の凝集を抑制することができる。当該凝集は、ステビオール配糖体が水溶中で析出(結晶化)し、それが集合または堆積することで生じ得る。このため、本発明の方法は、ステビオール配糖体の水溶液中での析出(結晶化)抑制方法、または水溶液中での溶解安定化方法と言い換えることもできる。当該凝集の有無及び抑制効果は、後述する実験例に記載する方法に従って、目視により評価することができる。
(II)ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制するための製剤
本発明は、ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制するための製剤(以下、便宜上「凝集抑制剤」と称する。)を提供する。
本発明の凝集抑制剤はラカンカ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
凝集抑制剤中のラカンカ抽出物の含有割合は、後述する使用量に支障がない範囲であれば特に制限されず、100%を限度として適宜選択調製することができる。
ラカンカ抽出物は、前述するように、モグロシドVを含有する限り、その産地は特に問わない。羅漢果の果実から抽出し、さらに必要に応じて精製処理したものであっても、また市販の製品を用いることができる。前述するように、ラカンカ抽出物は、モグロシドVの含有量が20質量%以上であることが好ましい。より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。
本発明の凝集抑制剤の使用量は、ラカンカ抽出物を、凝集抑制する対象のステビオール配糖体と水溶液中で共存させることで、ステビオール配糖体の凝集を抑制できる量であればよく、それを限度として特に制限されるものではない。
例えば、ステビオール配糖体がレバウディオサイドAである場合、凝集抑制剤の使用量は、下記の範囲になるように調整することができる。なお、この場合の水溶液中のステビオール配糖体(レバウディオサイドA)の濃度は、制限されないものの、下限値が0.5質量%以上、好ましくは0.75質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、上限値が20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
[ラカンカ抽出物]
水溶液の濃度:モグロシドVの量に換算して、下限値が0.15質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上であり、上限値が20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下。
レバウディオサイドA100質量部に対する割合:モグロシドVの量に換算して、3~100質量部、好ましくは5~75質量部、より好ましくは10~45質量部。
また別の態様として、ステビオール配糖体がステビオサイドである場合、凝集抑制剤の使用量は、下記の範囲になるように調整することができる。なお、この場合の水溶液中のステビオール配糖体(ステビオサイド)の濃度は、制限されないものの、下限値が0.5質量%以上、好ましくは0.75質量%以上、より好ましくは0.85質量%以上であり、上限値が15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下である。
[ラカンカ抽出物]
水溶液の濃度:モグロシドVの量に換算して、下限値が0.15質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上であり、上限値が20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下。
ステビオサイド100質量部に対する割合:モグロシドVの量に換算して、3~100質量部、好ましくは5~75質量部、より好ましくは10~50質量部の範囲から選択することができる。
本発明の凝集抑制剤の形状は、特に制限されず、粉末、顆粒、錠剤、及び丸剤などの固体、並びに液体が含まれるが、好ましくは粉末または顆粒形状である。本発明の凝集抑制剤は、ステビオール配糖体を水に溶解してステビオール配糖体含有水溶液を調製する際に、当該水溶液に一緒に添加配合して使用される。斯くして、水溶液中でステビオール配糖体とラカンカ抽出物とを共存させることで、ステビオール配糖体の水溶液中での析出(結晶化)、及び凝集を抑制することができる。言い換えれば、本発明の凝集抑制剤は、ステビオール配糖体の水溶液中での安定性(溶解安定性)を維持または向上するために好適に使用することができる。
(III)ステビア製剤
本発明のステビア製剤は、製剤中に、前述するステビオール配糖体と凝集抑制剤として前述するラカンカ抽出物を含有するステビオール配糖体含有製剤である。
その製剤形態には、粉末、顆粒、錠剤、及び丸剤等の固体、並びに液体が含まれる。好ましくは粉末または顆粒である。
当該ステビア製剤は、形態に応じて、定法に従って調製することができる。例えば、粉末または顆粒の形態を有するステビア製剤は、前述するステビオール配糖体及びラカンカ抽出物の粉体同士を混合して粉体混合物として調製する方法、ステビオール配糖体及びラカンカ抽出物を含有する溶液を噴霧乾燥して粉末状に調製する方法、ステビオール配糖体とラカンカ抽出物を混合して溶液中に分散させてスラリー状に調製した後、押し出し造粒する方法などを挙げることができる。なお、上記乾燥は任意の方法で行うことができ、例えばスプレードライ、ドラムドライ、凍結乾燥など種々の方法を挙げることができる。
本発明のステビア製剤の一態様として、ステビオール配糖体がレバウディオサイドAである場合、これにラカンカ抽出物を含有する製剤を挙げることができる。
当該ステビア製剤には、レバウディオサイドA100質量部に対して、ラカンカ抽出物をモグロシドV量に換算して、3~100質量部、好ましくは5~75質量部、より好ましくは10~50質量部の範囲で含有する製剤が含まれる。
本発明のステビア製剤の別の態様として、ステビオール配糖体がステビオサイドである場合、ステビオサイド100質量部に対して、ラカンカ抽出物をモグロシドV量に換算して3~100質量部、好ましくは5~75質量部、より好ましくは10~50質量部の範囲で含有する製剤が含まれる。
本発明のステビア製剤は、甘味料として通常使用される砂糖やその他の甘味料に代替する目的で、それ自身調理用甘味料又は卓上甘味料として用いることができるとともに、あらゆる可食性製品(例えば、飲食品、経口医薬品、口内清涼剤、口内洗浄剤、歯磨き剤等)の甘味料としてそれらに配合して用いることができる。
本発明のステビア製剤は、これを水に溶解して、例えば20質量%以下の濃度、好ましくは10質量%以下の濃度の水溶液として調製した場合に、ステビオール配糖体の水溶液中での安定性(溶解安定性)が良好であり、ステビオール配糖体の析出(結晶化)、及び凝集が抑制されていることを特徴とする。
以上、本明細書において、「含む」及び「含有する」の用語には、「からなる」及び「から実質的になる」という意味が含まれる。
以下、本発明の構成及び効果について、その理解を助けるために、実験例を用いて本発明を説明する。但し、本発明はこれらの実験例によって何ら制限を受けるものではない。以下の実験は、特に言及しない限り、室温(25±5℃)、及び大気圧条件下で実施した。なお、特に言及しない限り、以下に記載する「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
以下の実験で使用した製剤は、下記の通りである。
(1)レバウディオサイドA製剤:レバウディオ(登録商標) J-100(乾燥粉末、守田化学工業(株)製) 、レバウディオサイドAを90%以上含有する製剤
(2)ステビオサイド製剤:ステビロン(登録商標)S-100(乾燥粉末、守田化学工業(株)製)、ステビオサイドを90%以上含有する製剤
(3)ラカンカ抽出物1:サンナチュレ(登録商標)M30(乾燥粉末、三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)、モグロシドVを30%含有する製剤
(4)ラカンカ抽出物2:サンナチュレ(登録商標)M50(乾燥粉末、三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)、モグロシドVを50%含有する製剤
実験例1 ステビオール配糖体の水溶液中での凝集とそれに対する抑制(その1)
ステビオール配糖体として「レバウディオサイドA」の水溶液中での凝集と、それに対するラカンカ抽出物の抑制効果を評価した。
(1)実験方法
レバウディオサイドA製剤を5%濃度で含有する水溶液20mLに、凝集抑制剤として、ラカンカ抽出物1(実施例1a)、ラカンカ抽出物2(実施例1b)、または砂糖(比較例)を表1に記載する濃度(W/V%)になるように添加、室温で溶解して、蓋付き透明ガラス容器(胴径27mm×高さ55mm)にいれた状態で暗所、室温条件下で1時間~7日静置した。
静置から1時間後、4時間後、1日後、3日後、及び7日後に結晶の析出及びその凝集の有無を目視にて確認した。白濁した凝集物の量から、下記の6段階の判断基準に従って、使用した凝集抑制剤の効果を評価した。
[凝集抑制]
0:凝集物なし
1:溶液の下(容器底)から1/5程度まで凝集物が堆積
2:溶液の下(容器底)から2/5程度まで凝集物が堆積
3:溶液の下(容器底)から3/5程度まで凝集物が堆積
4:溶液の下(容器底)から4/5程度まで凝集物が堆積
5:溶液全体に凝集物が堆積
(2)実験結果
結果を表1に示す。
Figure 2023070567000001
表1に示すように、レバウディオサイドAは、水溶液中での安定性が低く、早期に結晶化し凝集する(Blank)。これに対して、レバウディオサイドAを含有する水溶液に、ラカンカ抽出物を配合して、共存させておくことで、レバウディオサイドAの結晶化及び凝集が有意に抑制できることが確認された。こうした効果は、砂糖ではほとんど認められなかった。
実験例2 ステビオール配糖体の水溶液中での凝集とそれに対する抑制(その2)
ステビオール配糖体として「ステビオサイド」の水溶液中での凝集と、それに対するラカンカ抽出物の抑制効果を評価した。
(1)実験方法
ステビオサイド製剤を5%濃度で含有する水溶液20mLに、凝集抑制剤として、ラカンカ抽出物1(実施例2a)及びラカンカ抽出物2(実施例2b)を表2に記載する濃度(W/V%)になるように添加、室温で溶解して、蓋付き透明ガラス容器(胴径27mm×高さ55mm)にいれた状態で暗所、室温条件下で1~7日静置した。
静置から1時間後、4時間後、1日後、3日後、及び7日後に結晶の析出及びその凝集の有無を目視にて確認し、白濁した凝集物の量から、実験例1と同じ判断基準に従って、使用した凝集抑制剤の効果を評価した。
(2)実験結果
結果を表2に示す。
Figure 2023070567000002
表2に示すように、ステビオサイドは、水溶液中での安定性が高くなく、凝集しやすい(Blank)。これに対して、ステビオサイドを含有する水溶液に、ラカンカ抽出物を配合して、共存させておくことで、ステビオサイドの結晶化及び凝集が有意に抑制できることが確認された。

Claims (7)

  1. ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制するための製剤であって、ラカンカ抽出物を有効成分として含有する、製剤。
  2. 前記ステビオール配糖体がレバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドD、及びステビオサイドよりなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載する製剤。
  3. ステビオール配糖体、及び請求項1に記載する製剤を含有するステビア製剤。
  4. ステビオール配糖体の水溶液中での凝集を抑制する方法であって、
    当該方法は、水溶液中でステビオール配糖体とラカンカ抽出物とを共存させる工程を含む、前記方法。
  5. 前記ステビオール配糖体がレバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドD、及びステビオサイドよりなる群から選択される少なくとも一種である、請求項4に記載する方法。
  6. 前記凝集が、ステビオール配糖体の水溶液中での結晶化によるものである、請求項4または5に記載する方法。
  7. ステビオール配糖体を50質量%以上含有するステビオール配糖体含有製剤またはステビア抽出物の水への溶解安定方法である、請求項4~6のいずれかに記載する方法。
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