JP2023070557A - テクネチウムの昇華型熱分離方法及び装置 - Google Patents

テクネチウムの昇華型熱分離方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】モリブデンMo-99からテクネチウムTc-99mを定常的に製造可能で、かつ高額なモリブデン試料(Mo-100やMo-98)試料を一定周期で高効率で容易に回収、再利用可能とする。【解決手段】親核種のMo-99から昇華法を用いてTc-99mを熱分離する際に、複数段の試料棚14に試料10を配置した複数の昇華装置8を、複数の管状炉100中にそれぞれ挿入して加熱し、第1の所定期間毎に新しい試料10を1つの昇華装置の最上段又は最下段の試料棚14に配設して、前記昇華装置8を所定角度だけ回転させ、前記第1の所定期間より長い第2の所定期間毎に前記試料棚14を下方又は上方へ1段分移動させ、前記第2の所定期間より長い第3の所定期間毎に一番古い試料10を前記昇華装置8の最下段又は最上段の試料棚14から取出す。【選択図】図12

Description

本発明は、テクネチウムの昇華型熱分離方法及び装置に係り、特に、モリブデンMo-99からテクノチウムTc-99mを定常的に製造可能で、かつ高額なモリブデン試料(Mo-100やMo-98)を一定周期で高効率で容易に回収、再利用可能なテクネチウムの昇華型熱分離方法及び装置に関する。
Tc-99mは、核医学診断用として最も多用されている放射性核種であり、放射性親核種Mo-99からの周期的な分離(ミルキング)で得られている。従来法では、原子炉内で濃縮ウランU-235を試料として、その核分裂反応で生成されている非常に高い比放射能のMo-99を、少量のアルミナカラムに吸着させたものからTc-99mを分離している。
一方、例えば加速器や原子炉でMo-100を試料として製造するMo-99は、比放射能が上述のMo-99より概ね1/10000と低い。その上、U-235試料を用いる場合と同じ放射能量のMo-99を得ようとすると、非放射性モリブデンを含む多量のモリブデン試料から製造することが必要となる。その場合、上述のアルミナカラムを用いて非放射能が低い大量のモリブデン試料を含むMo-99からTc-99mを分離する方法は用いることができない。
そこで発明者は、特許文献1で、複数個のるつぼが縦方向に多層に配置された電気炉を用い、該電気炉内に湿気を帯びた酸素を含むガスを流しつつ、前記るつぼにおいてMo-99を含む三酸化モリブデンMoO3試料を溶融し、多数回のミルキングを行って、MoO3からTc-99mを熱分離精製する技術を提案している。
特許第6467574号公報
しかしながら、実用的には必ずしも十分とはいえなかった。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、特許文献1で提案した技術を、安全性・操作性と経済性を念頭に実用的に改良することを課題とする。
まず、本発明についての研究内容について説明する。
通常、高強度のMo-99を生成するため1個100gを超える100MoO3試料に加速器で得られる加速器中性子が例えば1回あたり24時間照射されるサイクル(以降これを1サイクルと呼称)が、1週間に6サイクル連続で繰り返され、残る1日(24時間)の加速器運転は停止され、加速器等の保守に当てられる。上記Mo-99生成過程により、毎日新鮮なMo-99が100gを超える照射済100MoO試料と共に照射室から取り出される。
本発明は、1)こうして日々取り出され、るつぼ内にセットされる100gを超える照射済MoO3試料を有効利用して高効率でTc-99mを分離抽出する、また2)上記過程で試料棚外部に凝縮し結晶化するMo-99を再利用してTc-99mを分離抽出する、更に3)Mo-99を生成する100MoO3試料は高価であること、一方1サイクルで消費される100MoO3中のMo-100は百万分の1程度であるため、例えば照射済100MoO3を高効率で回収して長く再利用する、の3点を実現する。
1.照射済試料(Mo-99生成済)の有効利用
加速器で照射されたMoO3試料は1回あたり1個100gを超える。生成されたMo-99を最大限利用するために、1日2回9日間(計18回)分離することができるシステムとして、管状電気炉による、例えば3段式の熱分離装置を例えば3基組み合わせ、回転方式で毎日1個新しい(高放射能)試料を設置し、古い(9日経過試料→休日も考慮した場合は10~11日経過)試料を取り出し交換する。
具体的には、新しい試料は3日経過後に1度(1回転毎)、新しい試料を交換する時、試料棚の最上位位置(1段目)に設置し、これまであった1段目と2段目の試料を一つ下へ移動させ、全体の中で最も古い3段目の試料を取り除く。予め製作された同方式1個の電気炉における4回の熱分離後の各段におけるMoO3の昇華による損失は、上段から5%、3%、2%と位置による昇華率は不均一であり、上段の方がTc-99mの分離効率が良い。照射後の高放射能試料は、最も分離効率の高い領域に位置する仕組みである。
1日照射で1日1回の製造パターンによるTc-99mの回収量の例を表1に、同じく1日照射で1日2回の製造パターンによるTc-99mの回収量の例を表2に示す。
Figure 2023070557000002
Figure 2023070557000003
2.MoO3針状結晶の再利用化
MoO3を830度付近で加熱溶融すると、4回の熱分離で2~5%程度は気化し、試料棚外部に凝集、結晶化する。この結晶量が増えると結果的に元の試料中Mo-99が減少することになり、Tc-99mの分離収量が下がる。この試料ロスを解消するために、一度結晶化したMoO3を再び試料上部へ戻す装置構造とし、試料を同温度で加熱することで、結晶中にできたTc-99mの分離回収も可能とする。
3.MoO3試料の再利用
9日間熱分離後、減衰したMo-99を含むMoO3試料は、上述の管状電気炉と同型のもので、溶融固化し、再び加速器で照射することができる。
本発明は、上記研究結果に基いてなされたもので、親核種のモリブデン99から昇華法を用いてテクネチウム99mを熱分離する際に、複数段の試料棚に試料を配置した複数の昇華装置を、複数の管状炉中にそれぞれ挿入して加熱し、第1の所定期間毎に新しい試料を1つの昇華装置の最上段又は最下段の試料棚に配設して、前記昇華装置を所定角度だけ回転させ、前記第1の所定期間より長い第2の所定期間毎に前記試料棚を下方又は上方へ1段分移動させ、前記第2の所定期間より長い第3の所定期間毎に一番古い試料を前記昇華装置の最下段又は最上段の試料棚から取出すことを特徴とするテクネチウムの昇華型熱分離方法により、前記課題を解決するものである。
本発明は、又、親核種のモリブデン99から昇華法を用いてテクネチウム99mを熱分離するためのテクネチウムの昇華型熱分離装置であって、試料が配置される試料棚を複数段有する複数の昇華装置と、該複数の昇華装置がそれぞれ挿入される複数の管状炉と、前記昇華装置を第1の所定期間毎に所定角度だけ回転させる手段と、前記第1の所定期間より長い第2の所定期間毎に前記試料棚を下方又は上方へ1段分移動させる手段と、前記第2の所定期間より長い第3の所定期間毎に一番古い試料を前記昇華装置の最下段又は最上段の試料棚から取出す手段と、を備えたことを特徴とするテクネチウムの昇華型熱分離装置により、同様に前記課題を解決するものである。
本発明によれば、モリブデンMo-99からテクネチウムTc-99mを定常的に製造可能であり、かつ高額な同位体濃縮モリブデン試料(Mo-100やMo-98)を一定周期で高効率で容易に回収し、再利用可能となる。
本発明に係る昇華型熱分離装置の概念を示す流路図 同じくTc-99m回収装置の系統図 同じく昇華型熱分離装置をセル内に設置した全体構成を示す、一部断面図を含む正面図 同じく、一部断面図を含む側面図 本発明に係る昇華型熱分離装置の実施形態の構成を示す、一部断面図を含む宇正面図 同じく、一部断面図を含む側面図 同じく平面図 同じく図5のVIII-VIII線に沿う横断面図 同じく図5のIX-IX線に沿う横断面図 同じく図5のX-X線に沿う横断面図 同じく昇華装置部分の(A)拡大図、(B)B-B断面図 前記実施形態を用いたTc-99mの製造手順を示す流れ図
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
本発明の実施形態である3連式Tc-99m昇華型熱分離装置の概念を図1に示す。
本実施形態を用いた製造作業の基本的な流れは、後出図11に詳細に示す昇華装置8部分の、例えば3段の例えば白金製の試料棚14を有する水冷ジャケット106付き電気炉100を、例えば3台(100A、100B、100C)並列に接続し、それぞれの電気炉100A、100B、100Cで独自にTc-99mを回収するシステムである。
基本的な操作は以下のとおりである。
I.酸素O2ガスは、入側の酸素ガス流量コントローラ210により、出側の3台の酸素ガス流量コントローラ280A、280B、280Cの合計量より多めに流し、その余分の酸素ガスは水トラップ250でバブリング後、放出口から放出され、系が加圧にならないように維持される。水トラップ250は、酸素ガスに湿気を持たせることにより、Tc-99mが溶融したMoOから昇華し易くする働きを持たせるものである。
II.真空トラップ300を真空ポンプ340により一定の減圧下の元、それぞれの電気炉100A、100B、100Cに独立して設けられた酸素ガス流量コントローラ280A、280B、280Cにより一定量(例えば100~200ml/min)の流量で流し、例えば830℃で約30分加熱してTc-99mを分離回収する。酸素ガス流量は、例えば石英製のMoO3挿入ガイド管38(図11参照)のサイズが86mmφ×510mmLの場合120ml/min以上では回収率の低下がみられた。この現象は、流量が多くなると冷却効果が働くためであり、MoO3挿入ガイド管38の形状により流量と回収率を確認して決定する。また、差圧計270A、270B、270Cにより系内の差圧を測定し、主に下部の例えば石英製のMoO3上側回収容器18(図11参照)の目詰まり状況を確認し、上下のMoO3上側回収容器18の交換時期を決定する。
図1において、220は酸素O2ガスのリザーバタンク、260A、260B、260Cは、各電気炉100A、100B、100Cの出側にそれぞれ配設されたシリカゲル筒、300は真空トラップ、310は真空計、222、224、282A、282B、282C、302、304は電磁弁である。
図2にTc-99m回収装置(以下、単に回収装置と称する)500の系統図を示す。
本回収装置500は、3台の電気炉100A、100B、100Cにそれぞれ設置された、例えば石英製のTc-99m回収管26(図11参照)の3本をホールダガイド510内で連結し、Tc-99m回収管26内の金線28(図11参照)に捕集(>99%)されたTc-99mを、水酸化ナトリウムNaOH水溶液容器550から2段のトラップ560、570を介して供給される、例えば0.1M NaOH水溶液で溶解する。
前記0.1M NaOH水溶液を陽イオン交換樹脂520で処理後、Tc-99mをアルミナカラム540に吸着させ、超純水で洗浄後、塩化ナトリウムNaCl水溶液容器580から供給される、例えば0.7% NaCl水溶液でなる生理食塩水により、トラップ650、フィルタ660を介して、例えばバイアル瓶である製品瓶670に回収する。
図において、700は真空ポンプ、710はリザーバタンク、720は真空計、512、522、542、552、562、564、572、574、582、652、654、672、702、712、714、716、718、722は電磁弁である。
図3及び図4に熱分離精製装置(以下、単に熱分離装置とも称する)90のセル900内設置例のイメージを示す。
熱分離装置90は十分な遮蔽能力を有する、例えば鉄製のセル900内に設置され、MoO3ターゲット10やTc-99m回収管26等(図11参照)の取扱いは、マニプレータ910によってセル900外からのリモート操作により行われる。図2に示したTc-99m回収装置500によるTc-99mの回収も、Tc-99m回収管26の連結以外はセル900外からのリモート操作により行われる。図3、図4において、108は電気炉天板、920は吊上用のリフトである。
図5~図10に熱分離装置90、図11に昇華装置8部分の詳細を示す。
本熱分離装置90の基本的な性能及び作動については以下のとおりである。
(1)電気炉100A、100B、100Cは、それぞれに水冷ジャケット106を有するカンタル炉で、例えば3段の例えば白金製のるつぼ12を均一に加熱することを目的として、例えばカンタル発熱体102が3ゾーンに分かれた電気炉である。電気炉温度は、ゾーン毎に温度コントロールを行うことにより、上2つのゾーンはMoO3の融点795℃より高い常用830~840℃の温度分布で使用する。最下段のゾーンは600~650℃で使用され、MoO3上側回収容器18の部分は約700℃、Tc-99m回収管26と、例えば石英製のMoO3下側回収容器ガイド24の接続ジョイント部の温度は約550℃に、金線28は300℃以下になるように設定される。図において、104は断熱材である。
(2)電気炉100A、100B、100Cは、図8に示すように120度角に設置し、例えば白金製の試料棚ガイド16より上位に位置し、電気炉上下駆動モータ110により電気炉上下駆動チェーン112、電気炉上下駆動軸受114及び電気炉上下駆動軸116を介し、MoO3支持架台回転盤118まで上下する機能を有する。電気炉100とMoO3支持架台34は、Оリングにより気密を保持できる構造である。
(3)MoO3支持架台回転盤118は、MoO3支持架台回転用円形(LM)ガイド120上にあり、MoO3支持架台回転用モータ124により電気炉100A、100B、100Cが最上位の位置にある時と、Tc-99m回収管上側支持架台132が最下段の状態においてのみ、60度角毎に時計回りに回転する構造である。それらと電気炉100は、熱分離(精製)装置架台122に設置されている。
(4)MoO3ターゲット10の入ったるつぼ12及びMoO3上側回収容器18(図11参照)の入れ替え及び交換は、ターゲット支持台回転盤118が、図8のX地点にある時に行う。操作はマニプレータ910を用いて次の順序で行う(図11参照)。
a.試料棚ガイド16を取り外す。
b.試料棚ガイド16から上部のMoO3上側回収容器18と、MoO3上側回収容器ガイド20を取り外す。
c.試料棚14を取り出す。
d.上から3段目のるつぼ12を外して2段目を最下段へ、1段目を2段目へ移動し、1段目に新たなMoO3ターゲット10の入ったるつぼ12を設置する。
e.MoO3支持架台34上のMoO3上側回収容器18の上下を交換する。
f.試料棚ガイド16に試料棚14、MoO3上側回収容器18及びMoO3上側回収容器ガイド20を設置する。
g.試料棚ガイド16をMoO3支持架台34に設置する。
(5)図5に示したTc-99m回収管上側支持架台132は、定位置(電気炉直下)において、Tc-99m回収管支持架台上下駆動モータ136、Tc-99m回収管支持架台上下駆動軸128、Tc-99m回収管支持架台上下駆動軸受130及びTc-99m回収管支持架台上下駆動チェーン134を介し、図6の側面図に示すように上昇移動することにより、電気炉100内にTc-99m回収管26を挿入することができる構造である。挿入時の気密は、Tc-99m回収管架台36(図11参照)上のOリングによる。
(6)挿入された状態においては、MoO3下側回収容器ガイド24、Tc-99m回収管26及びTc-99m回収管接続管30が、例えば透明ボールジョイントで接続され、上からはるつぼ12等の重量と、下からはスプリング32とのバランスにより流路の気密が保持される。
(7)水蒸気を含む酸素ガスの流路は、Tc-99m回収管架台36側面の酸素ガス導入口40より入り、図11(B)の主にスリット36aより上昇し、金線28を冷却してMoO3支持架台34側面に設けられた、例えば10mmφの穴34aよりMoO3挿入ガイド管38内面に出てMoO3支持架台34との間を上昇する。この間に温められた水蒸気を含む酸素ガスは、上部のMoO3上側回収容器18の上部に設けられた穴18aより入り、るつぼ12内のMoO3から放出されるTc-99mを金線28まで運び回収する。同時に昇華するMoO3は、下部のMoO3上側回収容器18で回収される。下部のMoO3上側回収容器18を通過したものは、MoO3下側回収容器22で回収する。
(8)図5に示すTc-99m回収管上側支持架台132は、製造が終了したTc-99mがTc-99m回収管26に回収できた後下降し、最下段においてTc-99m回収管26が取り出せるようTc-99m回収管支持架台スライドレール138上を、Tc-99m回収管支持架台左右駆動軸144(図10参照)により右に移動できる構造である。
(9)電気炉100A、100B、100C内から取り出されたTc-99m回収管26は、図3と図4に示したマニプレータ910により取り出され、図2に示したホールダガイド510に設置された後、図2に例示したTc-99m回収装置500で回収される。
(10)本熱分離装置90を使用した場合のTc-99mの回収量は、表1、表2に示したように、1日1回では1日の生成量を1とした場合の1.92倍、1日2回では2.64倍の放射能量を得ることができる。
(11)1日に照射されるMoO3の量は100~150gの範囲内であり、これを入れるるつぼ12は直径70~80mmφ、高さ20mm、厚さ1~1.5mmtの大きさの容器を使用することができる。
(12)本熱分離装置90は、原子炉で98Mo(n,γ)99Mo反応を用いたMoO3ターゲットを使用しての製造にも使用できる。この場合のターゲット処理量は約1kgである。その場合は昇華装置の回転、るつぼ移動操作は必要ない。
(13)本熱分離装置90は、電子線加速器で100Mo(γ,n)99Mo反応を用いたMoO3ターゲットを使用しての製造にも使用できる。
図6において、150、152は、例えばカドミウム亜鉛テルライドCZTを用いた放射線検出器である。
前記実施形態によるTc-99mの製造手順を図12に示す。
まずステップ1010で、MoO3ターゲット10を生成する。具体的には、MoO3 100~150gを840℃で15分加熱溶融し、急冷により錠剤を作製する。
次にステップ1020で、MoO3ターゲット10を照射する。具体的には、重陽子40MeV,2mAでカーボン照射することにより、加速器中性子照射(1日)する。
次にステップ1030で、MoO3ターゲット10を移送し、照射容器を解体する。
次にステップ1040で、新しいるつぼ12(例えば70~80φ×20h×1.2mmt)にMoO3を挿入する。
次にステップ1050で、試料棚14にるつぼ12を設置する。具体的には、試料棚14の最下段のるつぼ12を抜き取り、1段目及び2段目のるつぼ12は1段ずつ下段に移動し、新しいるつぼ12は最上段に設置する。
次にステップ1060で、上下のMoO3上側回収容器18の位置を交換する。
次いでステップ1070で、フックなどを用いて試料棚ガイド16に試料棚14を静かに挿入する。
次いでステップ1080で、マニプレータ910を用いてMoO3上側回収容器ガイド20を試料棚ガイド16に設置する。
次いでステップ1090で、マニプレータ910を用いて試料棚ガイド16をMoO3支持架台34に設置する。
次いでステップ1100で、MoO3支持架台回転盤118を時計方向に60度回転して、試料棚ガイド16の位置を、マニプレータ910での操作性を考慮した図8に示す位置X地点から、同じ図8中に示す手前の電気炉100A直下の位置a地点まで移動する。図8において、b地点は電気炉100Bの直下の位置、c地点は電気炉100Cの直下の位置である。
次いでステップ1110で、電気炉100を下降し、Tc-99m回収管架台36を上昇させて電気炉100に挿入する。
次いでステップ1120で、湿気を含む酸素ガスを、例えば100~200ml/min供給する。
次いでステップ1130で、電気炉100を昇温して、上段、中段及び下段のるつぼ12を830~840℃で約30分維持する。
約30分後、ステップ1140で、電気炉100を冷却して、600℃以下でTc-99m回収管架台36を下げる。
次いでステップ1150で、酸素ガスの供給を停止する。
次いでステップ1160で、Tc-99m回収管下側支持架台142を図5の右側にスライド移動する。
次いでステップ1170で、Tc-99m回収管26の3本を取り出し、図2に示したTc-99m回収装置500のホールダガイド510内に設置する。
次いでステップ1180で、新規のTc-99m回収管26の3本をTc-99m回収管架台36に設置し、Tc-99m回収管架台36を定位置に移動する。
次いでステップ1190で、電気炉100を上昇させる。
次いでステップ1200で、MoO3支持架台回転盤118を時計方向に60度回転して、試料棚ガイド16の位置を、図8に示した電気炉100Cの直下の位置c地点から前記X地点まで移動する。
次いでステップ1210で、マニプレータ910を用いて試料棚ガイド16からMoO3上側回収容器ガイド20を取り外す。
次いでステップ1220で、マニプレータ910を用いてMoO3支持架台34から試料棚ガイド16を取り外す。
次いでステップ1230で、本発明に従って、ステップ1040からステップ1220を繰り返す。
次いでステップ1240で、Tc-99m回収管26を、例えば0.1molの水酸化ナトリウム水溶液で満たし、約5分放置して、回収したTc-99mを溶解する。
次いでステップ1250で、図2に示した陽イオン交換樹脂(例えばThermo Scientific社製オンガードII H)520を通して水酸化ナトリウムを除去する。
次いでステップ1260で、ステップ1230及びステップ1240を繰り返す。
次いでステップ1270で、Tc-99mをアルミナカラム(例えばWaters社製Sep Pak alumina A)540に吸着させる。
次いでステップ1280で、超純水でアルミナカラム540を洗浄する。
次いでステップ1290で、NaCl水溶液容器580から供給される生理食塩水を用いてTc-99mを溶離する。
次いでステップ1300で、製品瓶670に回収する。
次いでステップ1310で、Tc-99mの濃度を測定して放射能を検定する。
ステップ1310終了後、例えば注文量を出荷する。
本実施形態においては、試料の移動方向が上段→下段であったので、効率良くTc-99mを製造できる。なお、場合によっては逆でもよい。
前記実施形態においては、電気炉が3台とされ、試料棚が3段、試料容器が3個とされていたが、電気炉の台数や試料棚の段数、試料容器の数はこれに限定されず、例えば電気炉の台数を2台又は4台以上、試料棚の段数を2段又は4段以上、あるいは、試料容器の数を2個又は4個以上とすることも可能である。
又、るつぼ、試料棚、試料棚ガイド等の材質も白金に限定されず、試料棚ガイド、回収容器、回収容器ガイド、回収管、回収管接続管、挿入ガイド管等の材質も石英に限定されない。
電気炉もカンタル発熱体を用いたカンタル炉に限定されない。
8…昇華装置
10…MoO3ターゲット
12…るつぼ
14…試料棚
16…試料棚ガイド
18、22…MoO3回収容器
20、24…MoO3回収容器ガイド
26…Tc-99m回収管
28…金線
30…Tc-99m回収管接続管
34…MoO3支持架台
36…Tc-99m回収管架台
38…MoO3挿入ガイド管
90…熱分離(精製)装置
100、100A、100B、100C…電気炉
106…水冷ジャケット
110…電気炉上下駆動モータ
118…MoO3支持架台回転盤
122…熱分離(精製)装置架台
124…MoO3支持架台回転用モータ
126…Tc-99m回収管支持架台天板
132、142…Tc-99m回収管支持架台
136…Tc-99m回収管支持架台上下駆動モータ
138…Tc-99m回収管支持架台スライドレール
140…Tc-99m回収管支持架台スライドモータ
500…Tc-99m回収装置
510…ホールダガイド
520…陽イオン交換樹脂
540…アルミナカラム
670…製品瓶(バイアル瓶)
900…セル
910…マニプレータ

Claims (2)

  1. 親核種のモリブデン99から昇華法を用いてテクネチウム99mを熱分離する際に、
    複数段の試料棚に試料を配置した複数の昇華装置を、複数の管状炉中にそれぞれ挿入して加熱し、
    第1の所定期間毎に新しい試料を1つの昇華装置の最上段又は最下段の試料棚に配設して、前記昇華装置を所定角度だけ回転させ、
    前記第1の所定期間より長い第2の所定期間毎に前記試料棚を下方又は上方へ1段分移動させ、
    前記第2の所定期間より長い第3の所定期間毎に一番古い試料を前記昇華装置の最下段又は最上段の試料棚から取出すことを特徴とするテクネチウムの昇華型熱分離方法。
  2. 親核種のモリブデン99から昇華法を用いてテクネチウム99mを熱分離するためのテクネチウムの昇華型熱分離装置であって、
    試料が配置される試料棚を複数段有する複数の昇華装置と、
    該複数の昇華装置がそれぞれ挿入される複数の管状炉と、
    前記昇華装置を第1の所定期間毎に所定角度だけ回転させる手段と、
    前記第1の所定期間より長い第2の所定期間毎に前記試料棚を下方又は上方へ1段分移動させる手段と、
    前記第2の所定期間より長い第3の所定期間毎に一番古い試料を前記昇華装置の最下段又は最上段の試料棚から取出す手段と、
    を備えたことを特徴とするテクネチウムの昇華型熱分離装置。
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