JP2020169873A - 放射性同位元素の製造方法、及び、放射性同位元素製造用の熱分離装置 - Google Patents

放射性同位元素の製造方法、及び、放射性同位元素製造用の熱分離装置 Download PDF

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Abstract

【課題】100g程度以上の多量の亜鉛試料に加速器で得られる中性子を照射して生成される放射性銅を迅速に高効率で分離すると共に、再利用を可能とする。【解決手段】加速器からの中性子を金属亜鉛Zn−68、Zn−67、Zn−64等を含む試料に照射して単独にあるいは同時にCu−67やCu−64を生成する。中性子照射済みの亜鉛を加熱し、亜鉛と銅の蒸気圧の差を利用し、蒸気圧の高い亜鉛のみを気化して分離・除去し、亜鉛分離後の残渣を回収・精製して放射性銅Cu−67、Cu−64を得る。【選択図】図2

Description

本発明は、放射性同位元素の製造方法、及び、放射性同位元素製造用の熱分離装置に係り、特に、銅の放射性同位元素であるCu−64やCu−67の製造に用いるに好適な、放射性同位元素の製造方法、及び、放射性同位元素製造用の熱分離装置に関する。
銅の放射性同位元素であるCu−64とCu−67は、次世代の核医学診断・治療用の放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)として有望視されているが、臨床実用段階での製造方法は確立されていない。
重陽子加速器(重陽子エネルギー10〜50MeV)で得られる重陽子を中性子生成用のコンバータ(炭素、ベリリウム、リチウムなど)に当て、発生させた高速中性子を亜鉛試料に照射して、両核種を単独あるいは同時に合成することができる。
例えば特許文献1には、原料ターゲットに加速器からの高速中性子を照射し、1個の中性子nの照射により1個の陽子pを放出する(n,p)反応を起こさせ、放射性同位元素を製造する方法が記載されている。
高速中性子を用いる方法は、陽子などの荷電粒子ビームを試料に照射する場合に問題となる試料の発熱等に起因して試料を多量に使用できないといった制限がないため高強度、高品質、高比放射能を有するRIを製造できることなど他の製造方法に比べて有利な点がある。しかし、この有利性を生かして臨床に実利用できる製造量を確保するためには、一度に多量の試料(〜100g)を分離精製し高品質の銅が得られる処理をする必要がある。
これまでは、30g程度までの照射済み亜鉛(Zn)酸化物からCu−64とCu−67の両核種を合成し、カラム分離法(非特許文献1参照)を用いて単離する技術開発を成功裏に行ってきた。しかし、カラム分離法で30g以上の照射済み亜鉛を処理すると、10時間以上の分離時間を要し、その間に目的核種の減衰による放射能の損失が無視できないため、大量製造のためにこの方法を採用できなかった。
一方、特許文献2および3にはZn−68に高エネルギーのγ線を照射し、Cu−67を熱分離法により製造する方法が記載されている。
特開2010−223935号公報 米国特許出願公開第2013/0083882号明細書 米国特許出願公開第2016/0040267号明細書
M. Kawabata 他 "Production and separation of 64Cu and 67Cu using 14 MeV neutrons" J Radioanal Nucl Chem (2014. 9. 6)
しかしながら従来は、加速器で得られる高速中性子を用いて合成した銅の放射性同位元素を熱分離法により分離することは考えられていなかった。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、高速中性子により製造された銅放射性同位元素と亜鉛試料の蒸気圧の差を利用した熱分離法を適用することにより、100g程度の多量の亜鉛試料を用いて短時間で銅放射性同位元素を分離できることを課題とする。
本発明は、加速器を用いて得た高速中性子を金属亜鉛を含む100g程度以上の試料に照射し、中性子照射済みの亜鉛を加熱し、亜鉛と銅の蒸気圧の差を利用し、蒸気圧の高い亜鉛のみを気化して分離・除去し、亜鉛分離後の残渣を回収・精製して放射性銅を得ることにより、前記課題を解決するものである。
ここで、前記放射性銅は、濃縮Zn−68試料又は濃縮Zn−67試料に中性子を照射した時に、68Zn(n,d+np)67Cu反応又は67Zn(n,p)67Cu反応により生成されるCu−67を含むことができる。なお、濃縮Zn−68試料又は濃縮Zn−67試料は天然のZn試料であってもよい。
又、前記放射性銅は、濃縮Zn−64試料に中性子を照射した時に、64Zn(n,p)64Cu反応により生成されるCu−64を含むことができる。なお、濃縮Zn−64試料は天然のZn試料であってもよい。
本発明は、又、中性子照射済みの亜鉛を含む試料を収容する管と、該管を加熱する炉と、前記管を収容する真空容器と、該真空容器内を減圧する真空ポンプと、前記真空容器と真空ポンプの間に配設された、気化した亜鉛を冷却するためのコールドトラップと、前記管の外側面から試料から放出される放射線(ガンマ線)をオンラインで測定するために設置されるCZT検出器と、を備えたことを特徴とする放射性同位元素製造用の熱分離装置を提供することにより、同様に前記課題を解決するものである。
銅放射性同位元素を用いた医療に必須の高強度の銅RIを得るために不可欠な30g以上の大量亜鉛試料をカラム分離だけで処理すると分離に要する時間が長時間になり、銅放射性同位元素の減衰によるロスが避けられないという問題を生じるが、本発明により乾式熱分離で亜鉛を粗分離し、化学精製を容易にすることで100g程度以上の多量の亜鉛試料を用いる道が拓かれかつ亜鉛と銅の分離時間を短縮できる。
通常Cu−64はニッケル試料を用い、またCu−67は亜鉛試料を用い合成されることが多いが、この場合Cu−64及びCu−67の合成に際しては原材料試料が異なるため同じ分離法は使えない。本発明によれば、加速器中性子を用いた反応で亜鉛−64試料を用い、または亜鉛−67あるいは亜鉛−68試料から同じ装置でCu−64とCu−67の2核種を同時に製造することが可能である。
更に、分離された亜鉛を回収し、不活性ガス雰囲気中で溶解固化などの処理をすることで濃縮して、再びRI合成用照射試料として再利用が可能である。濃縮亜鉛−68、亜鉛−67そして亜鉛−64は高価なため照射済み亜鉛試料が再利用できることは医療用RIの製造コスト軽減に向け重要な要素である。
特に、照射前に亜鉛試料から不純物を除去した場合には、純亜鉛のみを照射でき、分離後製品中への残量金属量が減少し、高い標識率、高品質の放射性同位元素を得ることができる。
製作した装置を用いて実際に照射済みZn金属を用いて試験を行った結果、95%以上の収率で放射性銅を分離することができることが判明した。分離後残渣には昇華せずに残った少量のZnと放射性Cuがあり、これを回収した後、市販樹脂等を用いて簡易に化学分離精製することで、高純度のCu−64、Cu−67の最終製品を得ることができる。なお、比放射能を低下させる非放射性Cu及び品質を低下させる不純物金属は、本装置を用い照射前に熱分離精製することにより、試料中Znから事前除去することができる。
本発明の原理である亜鉛と銅の蒸気圧曲線を比較して示す図 本発明の実施形態における処理手順を示す流れ図 同じく亜鉛試料に中性子を照射している状態を模式的に示す断面図 本発明で用いる熱分離装置の全体構成を示す管路図 同じく熱分離の手順を示す流れ図 試料中(A)Cu−67及び(B)Zn−69m由来γ線ピークエリアカウント数の経時変化を比較して示す線図 前記実施形態における熱分離後の銅精製手順の例を示す流れ図 同じく亜鉛回収装置の構成例を示す断面図 同じく照射用試料の製作手順の例を示す流れ図
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
図1に亜鉛と銅の蒸気圧曲線を比較して示す。減圧下で600℃近辺のターゲット温度領域の亜鉛(Zn)と銅(Cu)の蒸気圧差を利用することで、亜鉛のみを昇華させて銅を固体のまま残すことができる。この際、減圧下で昇華することで亜鉛の酸化を防ぐことができる。本発明は、このような原理を利用して亜鉛を湿式法で多量の化学薬品等を用いることなく乾式で熱分離している。
本発明の実施形態の処理手順を図2に示す。
まずステップ100で、図3に例示する如く、Zn試料18に中性子(n)16を照射して、金属亜鉛からRIを合成する。
即ち、加速器本体10で得られた、例えば40MeV以上のエネルギーを持つ重陽子(d)12は、真空中に設置された炭素あるいはベリリウム標的14に吸収され、C(d,n)反応あるいはBe(d,n)反応により高速中性子(n)16を大気中に放出する。この中性子16と濃縮Zn−68、濃縮Zn−64、及び天然Zn等の亜鉛試料18との間で起こる核反応でCu−67、Cu−64を合成することができる。
具体的には、安定濃縮同位体Zn−68に中性子nを照射することにより、標的となる原子核が中性子nを吸収し、重水素の原子核d、中性子n、陽子pを放出する次式(1)の核反応によりCu−67が合成される。
68Zn(n,d+np)67Cu ・・・(1)
又、安定濃縮同位体Zn−67に同じく中性子nを照射することにより、標的となる原子核が中性子nを吸収し、陽子pを放出する次式(2)の核反応によりCu−67が合成される。
67Zn(n,p)67Cu ・・・(2)
又、安定濃縮同位体Zn−64に同じく中性子nを照射することにより、標的となる原子核が中性子nを吸収し、陽子pを放出する次式(3)の核反応によりCu−64が合成される。
64Zn(n,p)64Cu ・・・(3)
これらの核反応は、照射するターゲットがZnなので、化学的にZnからCuを分離する点では同じであり、異なる質量の亜鉛68あるいは亜鉛67及び亜鉛64試料を用いてそれぞれCu−67あるいはCu−64を共通の分離法を適用し分離できる。
次いでステップ110に進み、大量の高価な亜鉛試料に加速器で得られる中性子を照射して生成される放射性銅を迅速に高効率で分離すると共に、分離後には高価な亜鉛試料を再利用するために高効率で回収可能な性能を有する熱分離装置を用いて、熱分離により亜鉛を除去する。
熱分離装置の構成例を図4に示す。この熱分離装置22は、Cu−67あるいはCu−64を含む照射済み金属亜鉛を例えば石英回収管24である試験管内で加熱し、蒸気圧の高い亜鉛のみを気化して分離する。系内は亜鉛の酸化を防止するために真空状態とし、気化温度を下げた分離が可能であるようにする。
前記熱分離装置22は、中性子照射済みの金属亜鉛を含むZn試料18を収容する石英回収管24と、石英内筒管26と、ステンレス(SUS)内筒管28と、前記石英回収管24等を周囲から加熱するための上下動可能な電気炉30と、前記石英回収管24等を収容する、例えばSUS製の真空容器32と、該真空容器32内を減圧する、例えばターボ分子ポンプで構成される真空ポンプ34と、前記真空容器32と真空ポンプ34の間に配設された、気化した亜鉛を冷却するためのコールドトラップ36と、前記石英回収管24の外側面からZn試料18から放出される放射線(ガンマ線)をオンラインで測定するために設置されるCZT検出器38と、を主に備えている。図において、40は、放射線が亜鉛試料18から放出されるものであることを限定するためのCZT検出器38用のコリメータ、42、44は真空計、46はリークバルブ、48はバタフライバルブである。
CdZnTe化合物半導体検出器である前記CZT検出器38は、RIから放出されるγ線のエネルギーとその強度をオンラインで測定できる。オンラインで測定することは分離過程が不測の事態を起こすことなく順調に進展しているかどうかを即時判断するために重要である。亜鉛試料18で生成されるRIには、Cu−64やCu−67など様々な種類のRIが混在しており、それぞれのRIはそのRIに固有のエネルギーのγ線を放出する。そのため、電気炉30周辺垂直方向の至る所にCZT検出器38をセットしておくと、電気炉30の温度を上昇させた時に、ある場所のCZT検出器38が検出するγ線のエネルギーを測定できれば、その場所にそのγ線が放出されるRIがやってきたという情報が、「その場観測」で得られる。即ち、時々刻々の変化が追跡できるので、熱分離による様々なRIの挙動を目で見るようにすることができる。これは不測の事態を瞬時に判断できるため熱分離を成功裏に行ううえで貴重なデータとなる。
前記コールドトラップ36は、減圧操作において、気化した亜鉛を固体に濃縮することを目的としているが、実際はコールドトラップ36まで亜鉛が移動することはない。
前記リークバルブ46は、高真空状態から常圧に戻す時、真空内の試料や石英装置及び真空計42、44などに支障のないように徐々に常圧へ戻す。
前記熱分離装置22を用いて、Zn試料18に中性子16を照射し、目的核種Cu−64及び/又はCu−67を熱分離する手順を図5に示す。
まずステップ200で、照射済み亜鉛金属(18)を石英回収管24に入れる。
次いでステップ210に進み、石英回収管24を石英内筒管26、ステンレス内筒管28、真空容器32と共に電気炉30内に設置し、試料部が最も高温になる中央部分にくるように電気炉30を上下させる。
次いでステップ220に進み、液体窒素LN2をコールドトラップ36に入れる。
次いでステップ230に進み、CZT検出器38を電気炉30の外側面からZn試料18に向けて設置する。
次いでステップ240に進み、真空ポンプ34で減圧し、真空計44で10-5hPA程度になることを確認する。
次いでステップ250に進み、電気炉30で例えば600℃まで加熱し、70分を目安に保持する。
次いでステップ260に進み、CZT検出器38を用いてCu−64、Cu−67、Zn−69m、Zn−65など、試料中のRIに由来するピーク領域の計数の経時変化を調べる。
Cu−67に由来するγ線のピーク領域の計数の時間経過に伴う変化とZn−69mに由来するγ線のピーク領域の計数の時間経過に伴う変化を図6に比較して示す。図6(A)に示すCu−67(185keV)は、熱分離が進行すると亜鉛によるγ線吸収が減少するため、やや右肩辺りで上昇するが減少はみられない。即ち、Cu−67は試料位置に留まっている。一方、図6(B)に示すZn−69mは、熱分離進行に伴い顕著に減少し、非放射性亜鉛と共に試料位置から昇華し、分離されていることがわかる。
CZT検出器38のスペクトルをみながら、ステップ270に進み、例えば所定の保持時間で加熱を停止して電気炉30を降下する。
次いでステップ280に進み、温度表示が例えば200℃以下となったことを確認後、コールドトラップ36周りのバルブを閉じてからリークバルブ46を開いて常圧に戻し、ステップ290で真空容器32を開ける。
そして、石英回収管24及び昇華亜鉛20析出部の重量測定により亜鉛の収率を評価する。
図4に示した熱分離装置22を用いて図5の手順で亜鉛を除去した後、図2のステップ120に戻り、残渣(Cu−64、Cu−67)を回収する。即ち、熱分離後、試料が入っていた石英回収管24内の残渣(10mg程度)は、目的核種(Cu−64、Cu−67)と亜鉛以外の不純物金属及び酸化亜鉛ZnOなどの混合物である。
そこで図2のステップ130に進み、図7に示す熱分離後の銅精製の手順により精製する。
即ち、まずステップ300で、例えば8Mの塩酸(10mL以下)で溶解する。
次いでステップ310に進み、Cu吸着用樹脂に適したpHに調整する。
ステップ320では、例えばCuResinやキレックス100(市販品)等のCu吸着用樹脂を用いることができる。
ステップ320で除去しきれない場合にはステップ330に進み、例えばAG1x8(市販品)等の陰イオン交換カラムを用いて除去することが可能である。
吸着したCuは、濃度を濃くした塩酸で単独溶解できる。
このようにして、少量の金属分離用樹脂で除去しきれなかった亜鉛、他金属を除去して、ステップ140でCu−64、Cu−67の最終製品を得る。
一方、濃縮亜鉛試料は1g当たり10万円程度と大変高価であるのに対し、中性子との化学反応で消費される亜鉛試料は、照射前の重量の100万分の1程度以下であり、ほとんど亜鉛試料の重量が減ることはない。そのため、熱分離後に亜鉛試料を再利用するべく高効率で回収することは、経済的に放射性銅を製造するという観点から重要である。
そこで、図4に示した熱分離装置22を用いて図5の手順で亜鉛を昇華(熱分離)させ、Cuを除去した後、図8に例示する亜鉛回収装置50を用いて亜鉛を回収する。
図8の亜鉛回収装置50は、石英回収管24が底部に配設された回収容器52と、その外側に設けられた保護容器54と、アダプター56と、更にその外側に設けられた保護容器58と、真空容器60と、電気炉62と、前記真空容器60内を真空にするための真空ポンプ64と、真空容器60と真空ポンプ64の途中に設けられたトラップ66と、該トラップ66を冷却するための液体窒素(LN2)容器68とを主に用いて構成されている。図において、76は真空計である。
以下、図9を参照して照射用試料の製作手順(RI分離後Zn再利用も同様)を説明する。
まずステップ400で、石英回収管24の途中で析出している昇華亜鉛20を石英回収管24ごと取り出し、ステップ410で、亜鉛回収装置50の真空容器60内に回収容器52、保護容器54、アダプター56と共に設置する。
次いでステップ420に進み、石英製の真空容器60と保護容器58を用いて、昇華亜鉛20を2重構造で密封する。
次いでステップ430に進み、亜鉛の酸化を防ぐために、真空ポンプ64を用いて真空容器60内の空気を排出し、ステップ440において、不活性ガス(例えば窒素N2と水素H2の混合ガス)と置換して真空容器60内を充填し、常圧とする。
次いでステップ450に進み、電気炉62を例えば最高800℃付近まで上昇して、数分保持し、石英回収管24の壁に付着した昇華亜鉛20を溶融し、回収容器52内に落とし込む。
次いでステップ460に進み、試料を冷却し、石英回収管24内で固化したペレット状亜鉛70を取り出して、そのまま次の照射で試料として再利用する。
このようにして、高価な亜鉛試料を再利用することができ、高効率で回収可能である。
この回収した亜鉛は事前に銅が除去されており、不純物銅の少ない亜鉛金属を使うことが可能となる。
本工程は中性子未照射のZnにも適用でき、熱分離によって事前にCuを除去し、中性子照射前にZnを精製することにより、合成されたCu−64、Cu−67の比放射能を上げることができる。
又、熱分離装置22は、銅以外の熱分離にも適用でき、蒸気圧の差を利用して例えば硫黄からP−32、P−33を分離することができる。
10…加速器本体
12…重陽子
14…炭素/ベリリウム標的
16…中性子
18…亜鉛試料
20…昇華亜鉛
22…熱分離装置
24…石英回収管
26…石英内筒管
28…ステンレス内筒管
30、62…電気炉
38…CZT検出器
32、60…真空容器
34、64…真空ポンプ
36…コールドトラップ
46…リークバルブ
42、44、76…真空計
50…亜鉛回収装置
52…回収容器
54、58…保護容器
66…トラップ
68…液体窒素容器
70…ペレット状亜鉛

Claims (4)

  1. 加速器を用いて得た高速中性子を金属亜鉛を含む100g程度以上の試料に照射し、
    中性子照射済みの亜鉛を加熱し、
    亜鉛と銅の蒸気圧の差を利用し、蒸気圧の高い亜鉛のみを気化して分離・除去し、
    亜鉛分離後の残渣を回収・精製して放射性銅を得ることを特徴とする放射性同位元素の製造方法。
  2. 前記放射性銅が、Zn−68又はZn−67に中性子を照射した時に、68Zn(n,d+np)67Cu反応又は67Zn(n,p)67Cu反応により生成されるCu−67を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射性同位元素の製造方法。
  3. 前記放射性銅が、Zn−64に中性子を照射した時に、64Zn(n,p)64Cu反応により生成されるCu−64を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性同位元素の製造方法。
  4. 中性子照射済みの亜鉛を含む試料を収容する管と、
    該管を加熱する炉と、
    前記管を収容する真空容器と、
    該真空容器内を減圧する真空ポンプと、
    前記真空容器と真空ポンプの間に配設された、気化した亜鉛を冷却するためのコールドトラップと、
    前記管の外側面から試料に向けて設置されるCZT検出器と、
    を備えたことを特徴とする放射性同位元素製造用の熱分離装置。
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