JP2023069463A - 圧縮機システム、圧縮機制御装置、及び圧縮機制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、圧縮機システム、圧縮機制御装置、及び圧縮機制御方法に関する。
複数の圧縮機を用いて、圧縮気体を生成する圧縮機システムを構成することが行われている。このような圧縮機システムでは、複数の圧縮機の吐出配管系統を1つに合流して圧縮気体を吐出し、圧縮気体の使用状況に応じて稼働及び停止する圧縮機の台数を変更する台数制御を行う。
圧縮機は、吐出空気の品質確保や機器保守のために、吸気フィルタを備えるのが通常である。例えば、筐体内に圧縮機本体ユニット等が格納されたパッケージ型の圧縮機の場合、筐体に、吸気フィルタを介して埃やゴミを濾過した大気を外部から取込む開口部を有する。また、例えば、パッケージ型圧縮機及び、筐体を有さずに圧縮機ユニットが外部露出するタイプの圧縮機の何れにしても、圧縮機本体ユニットの吸気部には、吸気フィルタが取付けられる。
吸気フィルタの目詰まりは吸込み圧損を招来し、結果として吐出空気量の低下や動力損を招き、圧縮機の電力効率が低下する。よって、吸気フィルタの定期的な清掃や交換が推奨されるが、圧縮機の使用者等がこれを失念することもある。
これに対して、特許文献1は、吸気フィルタの交換時期を使用者等に報知する技術を開示する。すなわち特許文献1には、パッケージ型の圧縮機であって、圧縮機筐体の吸気口に配置されたフィルタと、この吸気口の筐体内部側近傍に配置された圧力検出器と、外部放置機器とを備え、圧力検出器の検出圧力が所定圧力以下のときに、外部放置機器に発砲することでフィルタの目詰まりを報知する(すなわち交換又は清掃を要する旨を報知する)技術が開示されている。
しかしながら、上記従来技術では、吸気フィルタの清掃及び交換の必要性を報知することはできるが、仮に使用者等が報知を受けても交換や清掃を失念してしまう場合には、吸込み圧損増による動力損が継続することになる。また、交換等の報知は、吸込み圧力が所定圧力以下の場合に行われるが、所定圧力以下になる直前までは一定の目詰まりを許容してしまうため、その分の動力損が発生し、圧縮機の電力効率が低下するおそれがある。これを解消するために、報知の契機となる所定圧力値をより低圧に設定すれば、報知の周期が短くなり頻繁に報知が行われる事態になり、支障をきたすおそれもある。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、複数の圧縮機を含んで構成される圧縮機システムの運転において、各圧縮機のフィルタの目詰まり等の状況に応じて、圧縮機システム全体の電力効率の低下を抑制することを1つの目的とする。
かかる課題を解決するため本発明においては、複数の圧縮機と、前記複数の圧縮機の運転を制御する圧縮機制御装置と、を有する圧縮機システムであって、前記圧縮機のそれぞれは、空気を濾過するフィルタと、空気を圧縮する圧縮機本体と、前記圧縮機本体の圧力損失と相関がある物理量を検出する検出手段と、を備え、前記圧縮機制御装置は、前記複数の圧縮機のうち、前記検出手段によって検出された物理量に応じた電力効率が、より高い圧縮機の運転を優先的に行い、より低い圧縮機の運転を制限することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、複数の圧縮機を含んで構成される圧縮機システムの運転において、各圧縮機のフィルタの目詰まり等の状況に応じて、圧縮機システム全体の電力効率の低下を抑制することができる。
以下図面に基づき、本発明の実施形態及び実施例を詳述する。本発明の実施形態及び実施例では、一定速制御で圧縮機本体(コンプレッサ)を回転させて圧縮空気を製造する1又は複数の圧縮機(一定速機)と、インバータ等の可変速制御で圧縮機本体を回転させて圧縮空気を製造する1又は複数の圧縮機(可変速機)とを含んで構成される圧縮機システムを開示する。この圧縮機システムでは、一定速機及び可変速機に対して、吸気フィルタやセパレータエレメント等の圧力損失(以下「圧損」という)に応じて、全負荷運転及び容量制御運転を適宜振分け、圧縮機システム全体としてより良い電力効率で、配管網に接続された圧縮空気の消費機器に対して、圧縮空気を製造し供給する。
以下実施形態及び実施例を説明するための各図面において、同一参照番号で同一又は類似の機能を備えた構成又は処理を示し、後出の説明を省略する。また、各実施形態及び各実施例は、本発明の技術思想の範囲内及び整合する範囲内でその一部又は全部を組合せることができる。また、後出の実施形態及び例において、既出の構成及び処理の説明を省略し、差分を中心に説明する。
以下の説明において、「xxxテーブル」といった表現により、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、この情報は、どのような構造のデータでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。
また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
[実施形態1]
<実施形態1に係る圧縮機システム1の構成>
図1は、実施形態に係る圧縮機システム1の構成図である。圧縮機システム1は、M台の圧縮機(一定速機F1,F2,・・・,FM)と、N台の圧縮機(可変速機V1,V2,・・・,VN)を含んで構成される。M、Nは0を含む自然数である。M=0の場合は一定速機なし、N=0の場合は可変速機なしを意味する。なお、一定速機Fi(i=1,2,・・・,M)と可変速機Vj(j=1,2,・・・,N)を総称する場合には、圧縮機4と表記する。
<実施形態1に係る圧縮機システム1の構成>
図1は、実施形態に係る圧縮機システム1の構成図である。圧縮機システム1は、M台の圧縮機(一定速機F1,F2,・・・,FM)と、N台の圧縮機(可変速機V1,V2,・・・,VN)を含んで構成される。M、Nは0を含む自然数である。M=0の場合は一定速機なし、N=0の場合は可変速機なしを意味する。なお、一定速機Fi(i=1,2,・・・,M)と可変速機Vj(j=1,2,・・・,N)を総称する場合には、圧縮機4と表記する。
一定速機Fiは、ロード(圧縮空気の製造)とアンロード(カラ運転での待機)で圧縮機本体を制御して圧縮空気を製造する一定速制御を行う。可変速機Vjは、それぞれがインバータとPID(Proportional-Integral-Differential)機能を有し、回転数を変化させて圧縮空気を製造する可変速制御を行う。
一定速機Fi及び可変速機Vjのそれぞれの圧縮空気出口は集合されて空気槽(タンク)5に接続されている。一定速機Fi及び可変速機Vjによって製造された圧縮空気は、空気槽5を介して圧縮空気の使用ラインへと供給される。
空気槽5には圧力センサ6が取付けられており、空気槽5内の圧力を計測した圧力センサ6の計測信号が管理装置2に取り込まれる。管理装置2は、クラウド上の装置であり、圧力センサ6の計測信号を始め、一定速機Fi及び可変速機Vjの各センサの計測信号といった圧縮機システム1の計測情報を収集し、各種計測情報に基づく表示をユーザに対して提供すると共に、各種のアラートを出力する。管理装置2は、圧縮機システム1の各種計測情報を圧縮機制御装置3に対して出力する。なお、管理装置2は、圧縮機制御装置3と共にオンプレミスの装置であってもよい。
圧縮機制御装置3は、オンプレミスの装置である。圧縮機制御装置3は、管理装置2から通知された圧縮機システム1の各種計測情報を基に、圧縮機システム1で製造する圧縮空気の使用空気量比に応じて、一定速機Fi及び可変速機Vjの運転及び運転制限を決定する。圧縮機制御装置3は、運転及び運転制限の決定に基づいて後述の運転パターンテーブル31d(図8、「運転パターン情報」とも呼ぶ)を作成する。なお、圧縮機制御装置3は、管理装置2と共にクラウド上の装置であってもよい。
<圧縮機(一定速機)Fiの構成>
図2は、実施形態1に係る圧縮機(一定速機)Fiの構成図である。一定速機Fiの本体等は、筐体41内に格納されている。筐体41の周面には、外気を取り入れる外気入口42と、筐体41内の空気を外部へ排出する排気口43がある。ファン44の回転によって筐体41の外部から吸込まれた空気は、一部が圧縮機本体45の吸気部へ流れて圧縮空気となり、一部が圧縮機本体45やその他の補器を冷却した後、排気口43から外部へ排出される。
図2は、実施形態1に係る圧縮機(一定速機)Fiの構成図である。一定速機Fiの本体等は、筐体41内に格納されている。筐体41の周面には、外気を取り入れる外気入口42と、筐体41内の空気を外部へ排出する排気口43がある。ファン44の回転によって筐体41の外部から吸込まれた空気は、一部が圧縮機本体45の吸気部へ流れて圧縮空気となり、一部が圧縮機本体45やその他の補器を冷却した後、排気口43から外部へ排出される。
筐体41の外気入口42には、集塵部材として外気フィルタ46が設置されている。また、圧縮機本体45の吸気部上流にも吸気フィルタ47が配置されている。外気入口42から筐体41内へ流入する空気は、外気フィルタ46によって塵埃が除去される。圧縮機本体45の吸気部から圧縮機本体45内へ吸入される空気は、吸気フィルタ47によって塵埃が除去される。
外気入口42の近傍には、圧力センサ48が配置されている。圧力センサ48は、空気の吸込みに伴う負圧の程度を検出する。
制御部49Fは、プログラムに基づいて演算処理や制御処理を実行する演算制御部(例えばCPU(Central Processing Unit))と、プログラムや演算処理の結果を記憶する記憶部(例えばROM(read Only Memory)、RAM(Random Access Memory))等を有する。制御部49Fは、圧縮機制御装置3から受信した運転指令に基づいて電磁接触器50Fを制御し、モータ51を駆動及び停止させ、一定速機Fiを容量制御運転又は全負荷運転させる。一定速機Fiの容量制御運転では、一定回転数のロードとアンロードの各期間を調整しながら繰返すことで圧縮空気の製造量を増減する。一定速機Fiの全負荷運転では、一定回転数のロードとアンロードの各期間を一定で繰返すことで圧縮空気の製造量を一定に保つ。
また、制御部49Fは、圧力センサ48によって検出された吸込み圧力を管理装置2へ送信する。
モータ51は、電磁接触器50Fを介し商用電源52に接続されている。制御部49Fは、圧力センサ6で検出された空気槽5内の圧力が作動圧力まで上昇すると、電磁接触器50Fの接点を開いてモータ51を停止し、圧縮機本体45から空気槽5への圧縮空気の供給を停止させる(アンロード)。また、制御部49Fは、圧力センサ6で検出された空気槽5内の圧力が復帰圧力まで下降すると、電磁接触器50Fの接点を閉じてモータ51を駆動し、圧縮機本体45から空気槽5への圧縮空気の供給を復帰させる(ロード)。
圧縮機本体45は、例えばレシプロ型コンプレッサであり、シリンダ、ピストン、吸込み弁、及び吐出し弁を有する。モータ51の回転運動は、プーリ及びベルト等を介し伝達され、更に、クランク軸等を介し往復運動に変換されてピストンに伝達される。これにより、シリンダ内のピストンが往復して、シリンダ内の作動室の容積が変化する。吸込み弁が開き状態、吐出し弁が閉じ状態になり、作動室の容積が増加することにより、作動室に空気を吸込む(吸込み過程)。その後、吸込み弁が閉じ状態、吐出し弁が閉じ状態になり、作動室の容積が減少することにより、作動室内の空気を圧縮する(圧縮過程)。その後、吸込み弁が閉じ状態、吐出し弁が開き状態になり、作動室から圧縮空気を吐出す(吐出し過程)。
一定速機Fiは、一般的に、可変速機Vjと比較して、全負荷運転(100%負荷の運転)時の電力効率が優れる。
<圧縮機(可変速機Vj)の構成>
図3は、実施形態1に係る圧縮機(可変速機Vj)の構成図である。可変速機Vjは、一定速機Viと比較して、制御部49Fに代えて制御部49Vを備え、電磁接触器50Fに代えてインバータ50Vを備える。その他は、可変速機Vjは、一定速機Viと同一である。
図3は、実施形態1に係る圧縮機(可変速機Vj)の構成図である。可変速機Vjは、一定速機Viと比較して、制御部49Fに代えて制御部49Vを備え、電磁接触器50Fに代えてインバータ50Vを備える。その他は、可変速機Vjは、一定速機Viと同一である。
制御部49Vは、プログラムに基づいて演算処理や制御処理を実行する演算制御部(例えばCPU)と、プログラムや演算処理の結果を記憶する記憶部(例えばROM、RAM)等を有する。制御部49Vは、圧縮機制御装置3から受信した運転指令に基づいてインバータ50Vを制御してモータ51を駆動させ、可変速機Vjを容量制御運転又は全負荷運転させる。可変速機Vjの容量制御運転では、空気槽5内の目標圧力に追従するようにモータ51の回転数を調整しながら圧縮空気の製造量を増減する。可変速機Vjの全負荷運転は、モータ51の回転数を全負荷として圧縮空気の最大製造量を一定に保つ。
また、制御部49Vは、圧力センサ48によって検出された吸込み圧力を管理装置2へ送信する。
制御部49Fは、インバータ50Vの回転を制御し、圧力センサ6で検出された空気槽5内の圧力が目標圧力の変動幅内に収まるように、圧縮機本体45から空気槽5への圧縮空気の供給量を調整する。
可変速機Vjは、一般的に、一定速機Viと比較して、容量制御運転(負荷を変動する運転)時の電力効率が優れる。
<実施形態1の圧縮機制御装置3の構成>
図4は、実施形態1に係る圧縮機制御装置3の構成図である。圧縮機制御装置3は、ストレージ31、プロセッサ32、メモリ33、及び周辺装置34を含んで構成される。
図4は、実施形態1に係る圧縮機制御装置3の構成図である。圧縮機制御装置3は、ストレージ31、プロセッサ32、メモリ33、及び周辺装置34を含んで構成される。
ストレージ31は、所定記憶領域を有する記憶装置であり、圧損情報テーブル31a、圧損判定テーブル31b、運転期間配分テーブル31c、及び運転パターンテーブル31dを格納する。
プロセッサ32は、1又は複数のプロセッサを含み、例えばCPUのようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。また、プロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。また、プロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
プロセッサ32は、ストレージ31等の所定記憶領域から読出したプログラムをメモリ33と協働して実行することで、情報生成部32a、運転パターン情報生成部32b、及び運転制御部32cを実現する。
情報生成部32aは、圧損情報テーブル31a及び運転期間配分テーブル31cを生成する。運転パターン情報生成部32bは、運転パターンテーブル31dを生成する。情報生成部32a及び運転パターン情報生成部32bの処理の説明は、図9を参照して後述する。
運転制御部32cは、運転パターン情報生成部32bによって生成された運転パターンテーブル31dの情報に従って、一定速機Fi及び可変速機Vjに対して運転及び運転制限(運転期間の減少や回転速度の制限等)の指令を出力する。
周辺装置34は、圧縮機制御装置3が管理装置2、一定速機Fi及び可変速機Vjと通信を行うための通信インターフェース、情報を出力するディスプレイ等の出力装置、及び情報入力を受付ける入力装置等のデバイスを含む。
なお、圧縮機制御装置3の圧損情報テーブル31a、圧損判定テーブル31b、運転期間配分テーブル31c、運転パターンテーブル31d、情報生成部32a、及び、運転パターン情報生成部32bは、クラウドサーバ上に設けられてもよい。この場合、圧縮機制御装置3の運転制御部32cは、クラウドサーバ上で作成された運転パターンテーブル31dに基づく運転指示を受けて各圧縮機4を運転制御する。
<実施形態1の圧損情報テーブル31aの構成>
図5は、実施形態1に係る圧損情報テーブル31aの構成図である。圧損情報テーブル31aは、一定速機Fiと可変速機Fjの圧縮機4毎に、「圧損の有無」を記録している。「圧損の有無」は、定期的に収集される各圧縮機の圧力センサ48によって検出された吸込み圧力と、圧損判定テーブル31bを基に判定される。
図5は、実施形態1に係る圧損情報テーブル31aの構成図である。圧損情報テーブル31aは、一定速機Fiと可変速機Fjの圧縮機4毎に、「圧損の有無」を記録している。「圧損の有無」は、定期的に収集される各圧縮機の圧力センサ48によって検出された吸込み圧力と、圧損判定テーブル31bを基に判定される。
例えば「圧損の有無」が「0」であれば、該当の圧縮機4には、圧損が発生していない。「圧損の有無」が「1」であれば、該当の圧縮機4には、圧損が発生している。
<実施形態1の圧損判定テーブル31bの構成>
図6は、実施形態1に係る圧損判定テーブル31bの構成図である。圧損判定テーブル31bは、各圧縮機4の圧力センサ48によって検出された吸込み圧力が、「正常」「圧損あり」の何れであるかを判断するための基準情報を記録している。例えば「吸込み圧力P」が「P1≦P」(P1は所定値)を満たす場合に、該当の圧縮機4には「Q1≦Q」(Q1は所定値)の「圧損Q」が発生していると判断される。
図6は、実施形態1に係る圧損判定テーブル31bの構成図である。圧損判定テーブル31bは、各圧縮機4の圧力センサ48によって検出された吸込み圧力が、「正常」「圧損あり」の何れであるかを判断するための基準情報を記録している。例えば「吸込み圧力P」が「P1≦P」(P1は所定値)を満たす場合に、該当の圧縮機4には「Q1≦Q」(Q1は所定値)の「圧損Q」が発生していると判断される。
圧損がある場合に、該当の圧縮機4の運転を制限する。例えば「吸込み圧力P」が「P1≦P」の場合、後述の運転期間配分テーブル31cの該当の圧縮機の運転期間を「縮退」に示すように、デフォルト情報から「2/3だけマスを減ら」し(運転期間の減少)、減らしたマスを他の圧縮機に割振る。「マス」とは、運転パターンテーブル31dにおいて圧縮機システム1全体の電力消費特性を、圧縮機システム1を構成する圧縮機4毎に分解した各圧縮機4の消費電力特性を表す領域をいう。デフォルト情報とは、何れの圧縮機4にも圧損が発生していない場合に、運転期間配分テーブル31cにおいて各圧縮機4に対してマスが均等に割当てられた情報をいう。
圧縮損失による縮退によってある圧縮機4から減らしたマスは、省エネルギーの観点から、マスを減らした圧縮機4と同一性能(一定速機又は可変速機)である、圧縮損失が発生していない圧縮機4へ割振ることが望ましい。
しかし、必ずしも、圧縮損失による縮退によってマスを減らした圧縮機4と同一性能である、圧縮損失が発生していない圧縮機4へ全ての減らしたマスを割振ることができるとは限らない。この場合、異なる性能の圧縮機4へ減らしたマスを割振ったり、圧縮損失ありの圧縮機4を運転させたりする必要があることもある。よって、マスの割振りは、各圧縮機4の圧縮損失分を差引いた電力効率を考慮した上で圧縮機システム1全体の電力効率がより良くなる又は最良となる方法が選択されるとする。
なお、圧損判定テーブル31bでは、各圧縮機4の圧力センサ48によって検出された吸込み圧力の異常を「圧損あり」の1段階としてレベル分けを行っていないが、これに限らず、吸込み圧力の異常の程度に応じて2段階以上のレベル分けを行ってもよい。2段階以上のレベル分けでは、圧損の異常の程度(レベル)が高いほど該当の圧縮機4の運転を大きく制限する。
また、圧縮機4の運転制限は、運転停止及び縮退を含む。縮退は、上述の「運転期間の減少」に限らず、電力効率が低下しない回転速度の範囲内(例えば低速域)での運転でもよい。
本実施形態では、圧損は外気入口42の外気フィルタ46の目詰まりによる吸込み圧損とし、この圧縮損失の発生を外気フィルタ46の吸込み圧力に基づいて検出する。しかしこれに限らず、例えば、圧縮機本体45の吸気部の吸気フィルタ47の目詰まりによる吸込み圧損とし、この圧損の発生を圧縮機本体45の吸気フィルタ47又は吸気部周辺の温度に基づいて検出してもよい。あるいは、圧縮損失を圧縮機本体45から吐出される圧縮空気を濾過して圧縮機本体45の潤滑油を除去するセパレータエレメントの目詰まりによる圧損とし、この圧損の発生を圧力センサ6によって検知された空気槽5内の圧力から圧縮機本体45の圧縮空気の吐出圧力を差引いた値に基づいて検出してもよい。すなわち、圧縮機4の圧縮損失の発生を、圧縮損失と相関があるフィルタの吸込み圧力や温度等の何れか少なくとも1つの物理量に基づいて検出してもよい。
<運転期間配分テーブル31cの構成>
図7は、実施形態1に係る運転期間配分テーブル31cの構成図である。運転期間配分テーブル31cは、後述の運転パターンテーブル31d(図8)において、各圧縮機4を運転する運転期間を表すマスを圧縮機4毎に確保する数を記録している。例えば「圧縮機」がF1の「一定速機」には、「運転期間(マスの数)」が「a1」だけ割当てられている。何れの圧縮機にも圧縮損失が発生していなければ、各圧縮機4には同一の数「{(M+N)2+(M+N)}/(M+N)」=「M+N+1」が割当てられている。圧縮機4毎の「運転期間(マスの数)」は、該当の圧縮機4に圧縮損失が発生しているならば減じられ、他の圧縮機4の「運転期間(マスの数)」に割振られる。
図7は、実施形態1に係る運転期間配分テーブル31cの構成図である。運転期間配分テーブル31cは、後述の運転パターンテーブル31d(図8)において、各圧縮機4を運転する運転期間を表すマスを圧縮機4毎に確保する数を記録している。例えば「圧縮機」がF1の「一定速機」には、「運転期間(マスの数)」が「a1」だけ割当てられている。何れの圧縮機にも圧縮損失が発生していなければ、各圧縮機4には同一の数「{(M+N)2+(M+N)}/(M+N)」=「M+N+1」が割当てられている。圧縮機4毎の「運転期間(マスの数)」は、該当の圧縮機4に圧縮損失が発生しているならば減じられ、他の圧縮機4の「運転期間(マスの数)」に割振られる。
<運転パターンテーブル31dの構成>
図8は、実施形態1に係る運転パターンテーブル31dの構成図である。運転パターンテーブル31dは、目的の使用空気圧縮比を導出するために、運転する圧縮機4の指定、並びに、一定速機及び可変速機の各圧縮機4の電力消費特性を積上げて作成される。
図8は、実施形態1に係る運転パターンテーブル31dの構成図である。運転パターンテーブル31dは、目的の使用空気圧縮比を導出するために、運転する圧縮機4の指定、並びに、一定速機及び可変速機の各圧縮機4の電力消費特性を積上げて作成される。
運転パターンテーブル31dでは、横軸を使用空気量比(%)、縦軸を消費電力比(%)とする。図8では、一定速機M台かつ可変速機N台の合計(M+N)台の場合を示し、横軸が0~100~200~300~・・・~(M+N)×100~・・・~300~200~100、縦軸が0~100~200~300~・・・~(M+N)×100の値を取る。
図8のグラフにおいて、概ねマスの対角線で電力消費特性が表される領域を容量調整領域という。容量調整領域では、圧縮機4は容量制御運転が行われる。また、図8のグラフにおいて、マスの全領域が塗りつぶされた領域を全負荷領域という。全負荷領域では、圧縮機4は全負荷運転が行われる。一般的に、容量調整領域での容量制御運転では一定速機よりも可変速機が電力消費特性に優れ、全負荷領域での全負荷運転では可変速機よりも一定速機が電力消費特性に優れる。
図8では、何れの圧縮機にも圧縮損失が発生していないので、各圧縮機4には同一の数「{(M+N)2+(M+N)}/(M+N)」のマス目が均等に割当てられることで、各圧縮機4が均等の期間に亘って運転されるようにする。
例えば圧縮機システム1全体の使用空気量比が100~200の場合、一定速機である一定速機F1を全負荷の一定速運転し、可変速機である可変速機V1を可変速運転することで、目的の使用空気量比が実現される。使用空気量比が100~200から200~300へ移行すると、一定速機である一定速機F1の全負荷の一定速運転に加えて一定速機である一定速機F2を全負荷運転し、可変速機である可変速機V1を可変速運転することで、目的の使用空気量比が実現される。
また、使用空気量比が300~200の場合、一定速機である一定速機F1,F2を全負荷の一定速運転し、可変速機である可変速機VNを可変速運転することで、目的の使用空気量比が実現される。使用空気量比が300~200から200~100へ移行すると、一定速機である一定速機F1の運転を停止し、一定速機である一定速機F2を全負荷の一定速運転し、可変速機である可変速機VNを可変速運転することで、目的の使用空気量比が実現される。
<圧損情報及び動作期間配分情報生成処理>
図9は、実施形態1に係る圧損情報及び運転期間配分情報生成処理を示すフローチャートである。圧損情報及び運転期間配分情報生成処理は、圧縮機制御装置3の情報生成部32aによって、所定周期で繰返し実行される、又はユーザ指示を契機に実行される。圧損情報は、圧損情報テーブル31aに記録されている情報である。運転期間配分情報は、運転期間配分テーブル31cに記録されている情報である。
図9は、実施形態1に係る圧損情報及び運転期間配分情報生成処理を示すフローチャートである。圧損情報及び運転期間配分情報生成処理は、圧縮機制御装置3の情報生成部32aによって、所定周期で繰返し実行される、又はユーザ指示を契機に実行される。圧損情報は、圧損情報テーブル31aに記録されている情報である。運転期間配分情報は、運転期間配分テーブル31cに記録されている情報である。
先ずステップS11では、情報生成部32aは、各圧縮機4の圧損の発生有無を判定する。次にステップS12では、情報生成部32aは、ステップS11の圧損の発生有無の判定結果から圧損情報を生成する。具体的には、情報生成部32aは、圧力センサ48によって計測された圧力を基に圧損判定テーブル31bを参照し、外気入口42の外気フィルタ46による吸込み圧損の有無を判定し、圧損が発生していると判定された圧縮機4の「圧損の有無」のカラムに、圧損のフラグをセットする。
次にステップS13では、情報生成部32aは、ステップS12で生成した圧損情報に基づいて、運転期間配分情報を生成する。具体的には、情報生成部32aは、圧損情報を参照し、圧損が発生している圧縮機4の運転について圧損に応じた縮退(圧損判定テーブル31bの「縮退」の「2/3だけマスを減らす」)を、運転期間配分テーブル31cの該当の圧縮機4の「運転期間」に対して実施する。すなわち圧損に応じて圧縮機4の運転期間を短くする縮退運転を実施する。情報生成部32aは、運転期間配分テーブル31cから縮退によって該当の圧縮機4から減らした運転期間を、他の圧縮機4の運転期間へ割当てる。
<運転パターン情報生成処理>
図10は、実施形態1に係る運転パターン情報生成処理を示すフローチャートである。運転パターン情報生成処理は、圧縮機制御装置3の運転パターン情報生成部32bによって、所定周期で繰返し実行される、又はユーザ指示を契機に実行される。運転パターン情報は、運転パターンテーブル31dに記録されている情報である。
図10は、実施形態1に係る運転パターン情報生成処理を示すフローチャートである。運転パターン情報生成処理は、圧縮機制御装置3の運転パターン情報生成部32bによって、所定周期で繰返し実行される、又はユーザ指示を契機に実行される。運転パターン情報は、運転パターンテーブル31dに記録されている情報である。
先ずステップS20では、運転パターン情報生成部32bは、圧損情報(圧損情報テーブル31a)が運転パターン情報生成処理の前回実行時から変化しているか否かを判定する。圧損情報は、運転パターン情報生成処理の都度、所定の記録領域に保存されている。運転パターン情報生成部32bは、圧損情報が変化している場合(ステップS20YES)にステップS21へ処理を移し、圧損情報が変化していない場合(ステップS20NO)に運転パターン情報生成処理を終了する。
ステップS21では、運転パターン情報生成部32bは、圧縮機4毎の「運転期間(マスの数)」を、該当の圧縮機4に圧縮損失が発生しているならば、圧縮損失に応じて減らし、減らしたマスを他の圧縮機4の「運転期間(マスの数)」に割振る。
次にステップS33では、運転パターン情報生成部32bは、ステップS21の処理で新たに作成された変更後の運転パターン情報が、変更前の運転パターン情報よりも、省エネルギーならば、変更後の運転パターン情報で圧損情報テーブル31aを更新する。変更前後の運転パターン情報のエネルギーは、運転パターンに従って各圧縮機4(一定速機Fi及び可変速機Vj)を全負荷運転及び容量制御運転した場合の電力消費特性の積算で求められる。このとき、各圧縮機4の圧縮損失による定格電力効率の低下分が考慮される。一方、運転パターン情報生成部32bは、変更後の運転パターン情報が変更前の運転パターン情報と比較して、増エネルギーならば、変更後の運転パターンを破棄して、変更前の運転パターン情報を維持する。
<適用例1>
以下、一定速機が2台、可変速機が2台の合計4台(M=N=2)で圧縮機システム1を構成した例を実施形態1の適用例1として説明する。
以下、一定速機が2台、可変速機が2台の合計4台(M=N=2)で圧縮機システム1を構成した例を実施形態1の適用例1として説明する。
図11は、実施形態1の適用例1に係る運転パターン情報(運転パターンテーブル31d)生成の説明図である(一定速機を2台、可変速機を2台の合計4台の正常運転時)。図11の(a)に示すように、圧縮機システム1を構成する4台の圧縮機4には、何れも圧縮損失が発生していない。
よって、運転期間(セルの数)は、2台の一定速機の合計と、2台の可変速機の合計とに、20/2=10と均等に割当てられ、かつ一定速機内及び可変速機内のそれぞれでも10/2=5と均等に割当てられるため、運転期間配分テーブル31cは、図11の(b)に示すようになる。そして図11の(b)に示す運転期間配分テーブル31cに基づくと、運転パターンテーブル31dは、例えば図11の(c)に示すようになる。図11の(c)の運転パターンテーブル31dは、デフォルト情報として、圧縮機システム1の運用に先立ち予め作成される。
次に、適用例1において、可変速機V1に圧損が発生した場合を説明する。図12は、実施形態1の適用例1に係る運転パターン情報(運転パターンテーブル31d)生成の説明図である(可変速機の圧縮損発生時)。
図12の(a)に示すように、圧縮機システム1を構成する4台の圧縮機4のうちの可変速機V1に圧縮損失が発生したとする。このとき、可変速機V1の運転期間が「2/3だけマスを減らす」へ縮退される。そして、可変速機V1以外の各圧縮機4への運転期間の配分のリバランスが実施され、可変速機V1の縮退分「5×(2/3)=3マス」が他の可変速機V2へ割当てられてられる。よって、運転期間配分テーブル31cは、図12の(b)に示すようなる。また、図12の(b)に示す運転期間配分テーブル31cに基づくと、運転パターンテーブル31dは、使用空気量比が0~100、100~200、200~300(%)の容量調整領域の可変速機V2が可変速機V2へ置換えられ、例えば図12の(c)に示すように更新される。
なお、図11と図12のそれぞれの(c)に示す運転パターンテーブル31dでは、使用空気量比が300~400、400~300(%)における消費電力比200~300、300~400(%)の可変速機V1と可変速機V2が入替っている。これは可変速機V1の圧縮損失に応じた定格電力効率の低下を考慮して、圧縮機システム1全体の電力効率が最善となるように運転パターンテーブル31dを更新する場合である。しかし、図12の(c)において可変速機V1と可変速機V2を入替えず、図11の(c)と同様としても、可変速機V1の圧縮損失に応じた定格電力効率の低下を考慮して、圧縮機システム1全体の電力効率を改善するという目的は達成することができる。
次に、適用例1において、一定速機F2に圧損が発生した場合を説明する。図13は、実施形態1の適用例1に係る運転パターン情報(運転パターンテーブル31d)生成の説明図である(一定速機の圧縮損発生時)。
図13の(a)に示すように、圧縮機システム1を構成する4台の圧縮機4のうちの一定速機F2に圧縮損失が発生したとする。このとき、一定速機F2の運転期間が「2/3だけマスを減らす」へ縮退される。そして、一定速機F2以外の各圧縮機4の運転期間の配分のリバランスが実施され、一定速機F1の縮退分「5×(2/3)=3マス」が他の一定速機及び可変速機へ均等に割当てられてられる。よって、運転期間配分テーブル31cは、図19の(b)に示すようになる。また、図19の(b)に示す運転期間配分テーブル31cに基づくと、運転パターンテーブル31dは、使用空気量比が200~300(%)の全負荷領域の一定速機F2が可変速機V1へ、容量調整領域の可変速機V1が可変速機V2へ置換えられ、また、使用空気量比が300~200(%)の全負荷領域の一定速機F2が可変速機V1へ、200~100(%)の全負荷領域の一定速機F2が一定速機F1へ置換えられる。よって、例えば図13の(c)に示すようになる。
<適用例2>
次に、一定速機が2台、可変速機が1台の合計3台(M=2、N=1)で圧縮機システム1を構成した例を実施形態1の適用例2として説明する。
次に、一定速機が2台、可変速機が1台の合計3台(M=2、N=1)で圧縮機システム1を構成した例を実施形態1の適用例2として説明する。
図14は、実施形態1の適用例2に係る運転パターン情報(運転パターンテーブル31d)生成の説明図である(一定速機を2台、可変速機を1台の合計3台の正常運転時)。図14の(a)に示すように、圧縮機システム1を構成する3台の圧縮機4には、何れも圧縮損失が発生していない。
よって、運転期間(セルの数)は、2台の一定速機の合計と、1台の可変速機とに、12/2=6と均等に割当てられ、かつ一定速機内及び可変速機内のそれぞれでも均等に割当てられるため、運転期間配分テーブル31cは、図14の(b)に示すようになる。そして図14の(b)に示す運転期間配分テーブル31cに基づくと、運転パターンテーブル31dは、例えば図14の(c)に示すようになる。図14の(c)の運転パターンテーブル31dは、デフォルト情報として、圧縮機システム1の運用に先立ち予め作成される。
次に、実施形態1の適用例2において、可変速機V1に圧損が発生した場合を説明する。図15は、実施形態1の適用例2に係る運転パターン情報(運転パターンテーブル31d)生成の説明図である(可変速機の圧縮損発生時)。
図15の(a)に示すように、圧縮機システム1を構成する3台の圧縮機4のうちの可変速機V1に圧縮損失が発生したとする。このとき、可変速機V1の運転期間が「2/3だけマスを減らす」へ縮退される。そして、可変速機V1以外の各圧縮機4への運転期間の配分のリバランスが実施され、可変速機V1の縮退分「6×(2/3)=4マス」が他の全ての一定速機へ均等に割当てられてられる。よって、運転期間配分テーブル31cは、図15の(b)に示すようになる。
また、図15の(b)に示す運転期間配分テーブル31cに基づくと、運転パターンテーブル31dは、使用空気量比が0~100、100~200(%)の容量調整領域の可変速機V1が一定速機F1、F2のそれぞれへ置換えられ、また、200~100、100~0(%)の容量調整領域の可変速機V1が一定速機F1、F2のそれぞれへ置換えられる。よって、例えば図15の(c)に示すようになる。
次に、適用例2において、一定速機F2に圧損が発生した場合を説明する。図16は、適用例2に係る運転パターン情報(運転パターンテーブル31d)生成の説明図である(一定速機の圧縮損発生時)。
図16の(a)に示すように、圧縮機システム1を構成する3台の圧縮機4のうちの一定速機F2に圧縮損失が発生したとする。このとき、一定速機F2の運転期間が「2/3だけマスを減らす」へ縮退される。そして、一定速機F2以外の各圧縮機4の運転期間の配分のリバランスが実施され、一定速機F1の縮退分「3×(2/3)=2マス」が他の一定速機へ均等に割当てられてられる。よって、運転期間配分テーブル31cは、図16の(b)に示すようになる。
また、図16の(b)に示す運転期間配分テーブル31cに基づくと、運転パターンテーブル31dは、使用空気量比が200~100(%)の全負荷領域の一定速機F2が一定速機F1へ置換えられ、例えば図16の(c)に示すようになる。
<運転パターン情報等のユーザに対する画面表示>
図17は、実施形態1係る圧縮機制御装置3における表示画面34aの説明図である。圧縮機制御装置3は、図17に示すように、図11~図16に示すような運転パターンテーブル31d(運転パターン情報)を、デフォルト情報からの変更箇所を明示した表示画面34aを出力装置から出力することで、ユーザに対して、どの圧縮機4に圧損が発生したためどの圧縮機4によって代替されるかを直感的に把握させることができる。また、圧縮機制御装置3は、図17に示すように、ユーザに対して、運転を停止中の圧縮機4の圧損の原因となっているフィルタを明示して保守を促す通知を行うこともできる。
図17は、実施形態1係る圧縮機制御装置3における表示画面34aの説明図である。圧縮機制御装置3は、図17に示すように、図11~図16に示すような運転パターンテーブル31d(運転パターン情報)を、デフォルト情報からの変更箇所を明示した表示画面34aを出力装置から出力することで、ユーザに対して、どの圧縮機4に圧損が発生したためどの圧縮機4によって代替されるかを直感的に把握させることができる。また、圧縮機制御装置3は、図17に示すように、ユーザに対して、運転を停止中の圧縮機4の圧損の原因となっているフィルタを明示して保守を促す通知を行うこともできる。
なお、表示画面34aは、圧縮機制御装置3ではなく、管理装置2の出力装置から出力してもよい。
[実施形態2]
実施形態2では、圧縮機制御装置3は、運転パターン情報生成部32bが実行する運転パターン情報生成処理が異なり、その他は同様である。
実施形態2では、圧縮機制御装置3は、運転パターン情報生成部32bが実行する運転パターン情報生成処理が異なり、その他は同様である。
<実施形態2の運転パターン生成処理>
図18は、実施形態2に係る運転パターン情報生成処理を示すフローチャートである。実施形態2の運転パターン情報生成処理は、圧縮機制御装置3の運転パターン情報生成部32bによって、所定周期で繰返し実行される、又はユーザ指示を契機に実行される。運転パターン情報は、運転パターンテーブル31dに記録される情報である。
図18は、実施形態2に係る運転パターン情報生成処理を示すフローチャートである。実施形態2の運転パターン情報生成処理は、圧縮機制御装置3の運転パターン情報生成部32bによって、所定周期で繰返し実行される、又はユーザ指示を契機に実行される。運転パターン情報は、運転パターンテーブル31dに記録される情報である。
先ずステップS20では、運転パターン情報生成部32bは、圧損情報(圧損情報テーブル31a)が運転パターン情報生成処理の前回実行時から変化しているか否か、又は、運転パターン情報生成処理の初回実行時か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、圧損情報が変化又は初回実行時の場合(ステップS21YES)にステップS22へ処理を移し、圧損情報が変化していない場合(ステップS21NO)に運転パターン情報生成処理を終了する。
ステップS22では、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数DをD=0と初期化する。
次にステップS23では、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数dをd=0と初期化すると共に、カウンタ変数Dに1を加算する。
次にステップS24では、運転パターン情報生成部32bは、「全ての一定速機のうちから全負荷運転する圧縮機を選択」処理を実行する。「全ての一定速機のうちから全負荷運転する圧縮機を選択」処理の詳細は、図19を参照して後述する。
次にステップS25では、運転パターン情報生成部32bは、「圧損なしの可変速機のうちから全負荷運転する圧縮機を選択」処理を実行する。「圧損なしの可変速機のうちから全負荷運転する圧縮機を選択」処理の詳細は、図20を参照して後述する。
次にステップS26では、運転パターン情報生成部32bは、「圧損なしの可変速機のうちから容量制御運転する圧縮機を選択」処理を実行する。「圧損なしの可変速機のうちから容量制御運転する圧縮機を選択」処理の詳細は、図21を参照して後述する。
次にステップS27では、運転パターン情報生成部32bは、「圧損なしの一定速機のうちから容量制御運転する圧縮機を選択」処理を実行する。「圧損なしの一定速機のうちから容量制御運転する圧縮機を選択」処理の詳細は、図22を参照して後述する。
次にステップS28では、運転パターン情報生成部32bは、「圧損ありの可変速機のうちから容量制御運転する圧縮機を選択」処理を実行する。「圧損ありの可変速機のうちから容量制御運転する圧縮機を選択」処理の詳細は、図23を参照して後述する。
次にステップS29では、運転パターン情報生成部32bは、「圧損ありの一定速機のうちから容量制御運転する圧縮機を選択」処理を実行する。「圧損ありの一定速機のうちから容量制御運転する圧縮機を選択」処理の詳細は、図24を参照して後述する。
次にステップS30では、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数D=M+N(Mは一定速機の全数、Nは可変速機の全数)か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数D=M+Nの場合(ステップS30YES)にステップS31へ処理を移し、カウンタ変数D≠M+Nの場合(ステップS30NO)にステップS31へ処理を戻す。
ステップS31では、運転パターン情報生成部32bは、ステップS23~S30を繰返すことで生成されたd=1~(M+N)の運転パターン情報を、dの逆順でコピーする。図8の例で具体的に説明すると、使用空気量比0~100(d=1)、100~200(d=2)、200~300(d=3)、・・・、(M+N-1)×100~(M+N)×100(d=M+N)(%)の運転パターン情報を、使用空気量比=(M+N)×100(%)を対称軸としてdの逆順で対称軸の右側へコピーする。
次にステップS32では、運転パターン情報生成部32bは、各圧縮機4の運転期間を、運転期間配分テーブル31cの情報を基に平準化する。図8の例で具体的に説明すると、運転パターン情報を、使用空気量比=(M+N)×100(%)を対称軸としてdの逆順で対称軸の右側へコピーしただけでは、運転パターンテーブル31dにおける一定速機Fi及び可変速機Vjの各運転期間と、運転期間配分テーブル31cに示される各運転期間とに違いが生じる。運転パターン情報生成部32bは、一定速機Fi及び可変速機Vjの各運転期間を入れ替えることで、運転パターンテーブル31dと運転期間配分テーブル31cとで運転期間を同一にする。
次にステップS33では、運転パターン情報生成部32bは、ステップS32の処理で新たに作成された変更後の運転パターン情報が、変更前の運転パターン情報よりも、省エネルギーならば、変更後の運転パターン情報で圧損情報テーブル31aを更新する。一方、運転パターン情報生成部32bは、変更後の運転パターン情報が変更前の運転パターン情報と比較して、増エネルギーならば、変更後の運転パターンを破棄して、変更前の運転パターン情報を維持する。
図19は、図18の運転パターン情報生成処理のステップS24の詳細フローである。先ずステップS24aでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数i=1とする。次にステップS24bでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数D≠1かつd<D-1か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数D≠1かつd<D-1の場合(ステップS24bYES)にステップS24cへ処理を移し、カウンタ変数D=1又はd≧Dの場合(ステップS24bNO)にステップS25(図18)へ処理を移す。
ステップS24cでは、運転パターン情報生成部32bは、圧損情報テーブル31aを参照し、一定速機Fiは圧損なしか否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、一定速機Fiは圧損なしの場合(ステップS24cYES)にステップS24dへ処理を移し、一定速機Fiは圧損ありの場合(ステップS24cNO)にステップS24fへ処理を移す。
ステップS24dでは、運転パターン情報生成部32bは、運転パターンテーブル31dにおいて一定速機Fiへ全負荷運転をセットする。
一方ステップS24fでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数iに1を加算する。次にステップS24gでは、運転パターン情報生成部32bは、i>M(Mは一定速機Fiの全数)か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、i>Mの場合(ステップS24gYES)にステップS24hへ処理を移し、i≦Mの場合(ステップS24gNO)にステップS24bへ処理を移す。
ステップS24hでは、運転パターン情報生成部32bは、d<D-Nか否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、d<D-Nの場合(ステップS24hYES)にステップS24iへ処理を移し、d≧D-Nの場合(ステップS24hNO)にステップS25(図18)へ処理を移す。
ステップS24iでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数i=1とする。次にステップS24jでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数D≠1かつd<D-1か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数D≠1かつd<D-1の場合(ステップS24jYES)にステップS24kへ処理を移し、カウンタ変数D=1又はd≧Dの場合(ステップS24jNO)にステップS25(図18)へ処理を移す。
ステップS24kでは、運転パターン情報生成部32bは、圧損情報テーブル31aを参照し、一定速機Fiは圧損ありか否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、一定速機Fiは圧損ありの場合(ステップS24kYES)にステップS24lへ処理を移し、一定速機Fiは圧損なしの場合(ステップS24kNO)にステップS24nへ処理を移す。
ステップS24lでは、運転パターン情報生成部32bは、運転パターンテーブル31dにおいて一定速機Fiへ全負荷運転をセットする。
一方ステップS24nでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数iに1を加算する。次にステップS24oでは、運転パターン情報生成部32bは、i>M(Mは一定速機Fiの全数)か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、i>Mの場合(ステップS24oYES)にステップS25(図18)へ処理を移し、i≦Mの場合(ステップS24oNO)にステップS24jへ処理を移す。
図20は、図18の運転パターン情報生成処理のステップS25の詳細フローである。先ずステップS25aでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数j=1とする。次にステップS25bでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数D≠1かつd<D-1か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数D≠1かつd<D-1の場合(ステップS25bYES)にステップS25cへ処理を移し、カウンタ変数D=1又はd≧Dの場合(ステップS25bNO)にステップS26(図18)へ処理を移す。
ステップS25cでは、運転パターン情報生成部32bは、圧損情報テーブル31aを参照し、可変速機Vjは圧損なしか否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、可変速機Vjは圧損なしの場合(ステップS25cYES)にステップS25dへ処理を移し、可変速機Vjは圧損ありの場合(ステップS25cNO)にステップS25fへ処理を移す。
ステップS25dでは、運転パターン情報生成部32bは、運転パターンテーブル31dにおいて可変速機Vjへ全負荷運転をセットする。
一方ステップS25fでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数jに1を加算する。次にステップS25gでは、運転パターン情報生成部32bは、j>N(Nは可変速機Vjの全数)か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、j>Nの場合(ステップS25gYES)にステップS26(図18)へ処理を移し、j≦Nの場合(ステップS25gNO)にステップS25bへ処理を移す。
図21は、図18の運転パターン情報生成処理のステップS26の詳細フローである。先ずステップS26aでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数j=1とする。次にステップS26bでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数d=Dか否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数d=Dの場合(ステップS26bYES)にステップS26cへ処理を移し、カウンタ変数d≠Dの場合(ステップS26bNO)にステップS26fへ処理を移す。
ステップS26cでは、運転パターン情報生成部32bは、可変速機Vjは圧損なし、かつ、d<D-1において既に運転をセット済み(図20のステップS25dを実行済み)でないか否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、可変速機Vjは圧損なし、かつ、既に運転をセット済みでない場合(ステップS26cYES)にステップS26dへ処理を移し、可変速機Vjは圧損あり、又は、既に運転をセット済みの場合(ステップS26cNO)にステップS26fへ処理を移す。
ステップS26dでは、運転パターン情報生成部32bは、可変速機Vjに容量制御運転をセットする。次にステップS26eでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数dに1を加算する。
一方、ステップS26fでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数jに1を加算する。次にステップS26gでは、運転パターン情報生成部32bは、j>N(Nは可変速機Vjの全数)か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、j>Nの場合(ステップS26gYES)にステップS27(図18)へ処理を移し、j≦Nの場合(ステップS26gNO)にステップS26bへ処理を移す。
図22は、図18の運転パターン情報生成処理のステップS27の詳細フローである。先ずステップS27aでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数i=1とする。次にステップS27bでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数d=D-1か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数d=D-1の場合(ステップS27bYES)にステップS27cへ処理を移し、カウンタ変数d≠D-1の場合(ステップS27bNO)にステップS28(図10)へ処理を移す。
ステップS27cでは、運転パターン情報生成部32bは、一定速機Fiは圧損なし、かつ、既に運転をセット済み(図19のステップS24d,S24lを実行済み)でないか否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、一定速機Fiは圧損なし、かつ、既に運転をセット済みでない場合(ステップS27cYES)にステップS27dへ処理を移し、可変速機Vjは圧損あり、又は、既に運転をセット済みの場合(ステップS27cNO)にステップS27fへ処理を移す。
ステップS27dでは、運転パターン情報生成部32bは、一定速機Fiに容量制御運転をセットする。次にステップS27eでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数dに1を加算する。
一方、ステップS27fでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数iに1を加算する。次にステップS27gでは、運転パターン情報生成部32bは、i>M(Mは一定速機Fiの全数)か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、i>Mの場合(ステップS27gYES)にステップS28(図18)へ処理を移し、i≦Mの場合(ステップS27gNO)にステップS27bへ処理を移す。
図23は、図18の運転パターン情報生成処理のステップS28の詳細フローである。先ずステップS28aでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数j=1とする。次にステップS28bでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数d=D-1か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数d=D-1の場合(ステップS28bYES)にステップS28cへ処理を移し、カウンタ変数d≠D-1の場合(ステップS28bNO)にステップS29(図18)へ処理を移す。
ステップS28cでは、運転パターン情報生成部32bは、可変速機Vjは圧損ありか否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、可変速機Vjは圧損ありの場合(ステップS28cYES)にステップS28dへ処理を移し、可変速機Vjは圧損なしの場合(ステップS28cNO)にステップS28fへ処理を移す。
ステップS28dでは、運転パターン情報生成部32bは、可変速機Vjに容量制御運転をセットする。次にステップS28eでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数dに1を加算する。
一方、ステップS28fでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数jに1を加算する。次にステップS28gでは、運転パターン情報生成部32bは、j>N(Nは可変速機Vjの全数)か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、j>Nの場合(ステップS28gYES)にステップS29(図10)へ処理を移し、j≦Nの場合(ステップS28gNO)にステップS28bへ処理を移す。
図24は、図18の運転パターン情報生成処理のステップS29の詳細フローである。先ずステップS29aでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数i=1とする。次にステップS29bでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数d=D-1か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数d=D-1の場合(ステップS28bYES)にステップS29cへ処理を移し、カウンタ変数d≠D-1の場合(ステップS29bNO)にステップS30(図18)へ処理を移す。
ステップS29cでは、運転パターン情報生成部32bは、一定速機Fiは圧損あり、かつ、既に運転をセット済み(図19のステップS24d,S24l、図22のステップS27dを実行済み)でないか否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、一定速機Fiは圧損あり、かつ、既に運転をセット済みでない場合(ステップS29cYES)にステップS29dへ処理を移し、一定速機Fiは圧損なし、又は、既に運転をセット済みの場合(ステップS29cNO)にステップS29fへ処理を移す。
ステップS29dでは、運転パターン情報生成部32bは、一定速機Fiに容量制御運転をセットする。次にステップS29eでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数dに1を加算する。
一方、ステップS29fでは、運転パターン情報生成部32bは、カウンタ変数iに1を加算する。次にステップS29gでは、運転パターン情報生成部32bは、i>M(Mは一定速機Fiの全数)か否かを判定する。運転パターン情報生成部32bは、i>Mの場合(ステップS29gYES)にステップS30(図10)へ処理を移し、i≦Mの場合(ステップS29gNO)にステップS29bへ処理を移す。
本実施形態では、図18のステップS24~S29の実行順序は、圧損なしの一定速機の全負荷運転、圧損なしの一定速機の容量制御運転、圧損ありの一定速機の全負荷運転、圧損ありの一定速機の容量制御運転、圧損なしの可変速機の全負荷運転、圧損なしの可変速機の容量制御運転、圧損ありの可変速機の全負荷運転、圧損ありの可変速機の容量制御運転、の各パターンの電力効率を比較し、電力効率がより良い圧縮機4を優先的に運転し、より低い圧縮機4の運転を制限するように、適宜入替えが可能である。
<実施形態の効果>
上述の実施形態では、複数の圧縮機4のうち、検出された物理量に応じた電力効率が、より高い圧縮機の運転を優先的に行い、より低い圧縮機の運転を制限する。よって、複数の圧縮機4を負荷に応じて交代で稼働させる圧縮機システム1において、圧損が発生している圧縮機4の運転期間を短くしたり、低回転運転したりすることで、圧縮機システム1全体の電力効率の低下を抑制できる。
上述の実施形態では、複数の圧縮機4のうち、検出された物理量に応じた電力効率が、より高い圧縮機の運転を優先的に行い、より低い圧縮機の運転を制限する。よって、複数の圧縮機4を負荷に応じて交代で稼働させる圧縮機システム1において、圧損が発生している圧縮機4の運転期間を短くしたり、低回転運転したりすることで、圧縮機システム1全体の電力効率の低下を抑制できる。
また、上述の実施形態では、圧縮機システム1全体の電力効率が最善となるように、複数の圧縮機4の運転を制御することで、一部の圧縮機4で圧損が発生している状況下で、圧縮機システム1全体の電力効率の低下を極力抑制できる。
また、上述の実施形態では、複数の圧縮機4は、圧縮機本体45を可変速制御可能な可変速機Vjと、圧縮機本体45を一定速制御する一定速機Fiとを含むので、可変速機Vjと一定速機Fiが混在の圧縮機システム1でも圧損に対して圧縮機システム1全体の電力効率の低下を抑制できる。
また、上述の実施形態では、フィルタは、複数の箇所のそれぞれに備えられる各種フィルタの少なくとも何れかを含む。また、各種フィルタは、外気入口を通過する空気を濾過する外気フィルタ46と、圧縮機本体45の吸気部から取込まれる空気を濾過する吸気フィルタ47と、各圧縮機4が吐出する圧縮空気を濾過するセパレータエレメントと、を含む。フィルタによる吸込み圧力損失は、外気フィルタ46による圧力損失、吸気フィルタ47による圧力損失、又は、セパレータエレメントによる圧力損失である。よって、あらゆるフィルタの目詰まりを起因とする圧損に対して、圧縮機システム1全体の電力効率の低下を抑制できる。
また、上述の実施形態では、検出された物理量に応じた電力効率は、各圧縮機4の定格電力効率からフィルタによる吸込み圧力損失に起因する効率低下を減じた電力効率である。よって、圧損を考慮した上での電力効率が良い圧縮機4を優先的に運転するので、圧損による圧縮機システム1全体の電力効率の低下を抑制できる。
また、上述の実施形態では、外気フィルタ46による圧力損失は、外気フィルタ46及び外気入口42を通過後の空気の圧力に基づいて判断され、吸気フィルタ47による圧力損失は、圧縮機本体45の吸気部から取込まれる空気の温度に基づいて判断され、セパレータエレメントによる圧力損失は、各圧縮機4によって圧縮された空気の吐出圧力及び空気が合流する空気槽5内の圧力に基づいて判断される。よって、各フィルタに対応するセンサの検出値を用いて適切に判断された各フィルタの圧損に対して、圧縮機システム1全体の電力効率の低下を適切に抑制できる。
また、上述の実施形態では、フィルタによる吸込み圧力損失に起因する効率低下が大きいほど、検出された物理量に応じた電力効率がより低い圧縮機の運転を大きく制限する。よって、効率低下がより大きい圧縮機4を運転からできるだけ除外するので、圧損による圧縮機システム1全体の電力効率の低下をさらに抑制できる。
また、上述の実施形態では、圧縮機4の運転制限は、圧縮機4の運転の停止及び運転の縮退を含む。よって、効率低下が大きい圧縮機4を、停止可能であれば停止し、稼動せざるを得ない場合に限り運転するようにするので、所望の使用空気量比の達成と、圧損による圧縮機システム1全体の電力効率の低下の抑制と、を高度に両立できる。
また、上述の実施形態では、圧縮機システム1のユーザに対して、運転を停止中の圧縮機4のフィルタの保守を促す通知を行うことで、ユーザに対して最適なタイミングで効率的にフィルタ保守を確実に行わせることができる。
また、上述の実施形態では、複数の圧縮機4のうち、検出された圧力に応じた電力効率が、より高い圧縮機4の運転を優先的に行い、より低い圧縮機4の運転を制限することで、圧縮機システム1全体の電力効率が低下する場合には、より高い圧縮機4の運転及びより低い圧縮機4の運転制限を行わない。よって、圧縮機4の運転及び運転制限を行うことで、圧縮機システム1全体の電力効率が低下してしまうという不都合を防止できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換・統合・分散をすることが可能である。また実施形態で示した各処理は、処理効率又は実装効率に基づいて適宜分散又は統合してもよい。
1:圧縮機システム、2:管理装置、3:圧縮機制御装置、4:圧縮機、Fi:一定速機、Fj:可変速機
Claims (14)
- 複数の圧縮機と、前記複数の圧縮機の運転を制御する圧縮機制御装置と、を有する圧縮機システムであって、
前記圧縮機のそれぞれは、
空気を濾過するフィルタと、
空気を圧縮する圧縮機本体と、
前記圧縮機本体の圧力損失と相関がある物理量を検出する検出手段と、を備え、
前記圧縮機制御装置は、
前記複数の圧縮機のうち、前記検出手段によって検出された物理量に応じた電力効率が、より高い圧縮機の運転を優先的に行い、より低い圧縮機の運転を制限する
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項1に記載の圧縮機システムであって、
前記圧縮機制御装置は、
前記圧縮機システム全体の電力効率が最善となるように、前記複数の圧縮機の運転を制御する
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項1に記載の圧縮機システムであって、
前記複数の圧縮機は、前記圧縮機本体を可変速制御可能な可変速機と、前記圧縮機本体を一定速制御する一定速機とを含む
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項1に記載の圧縮機システムであって、
前記圧縮機のそれぞれにおいて、
前記フィルタは、複数の箇所のそれぞれに備えられる各種フィルタの少なくとも何れかを含む
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項4に記載の圧縮機システムであって、
前記フィルタは、外気入口を通過する空気を濾過する外気フィルタと、前記圧縮機本体の吸気部から取込まれる空気を濾過する吸気フィルタと、各圧縮機が吐出する圧縮空気を濾過するセパレータエレメントと、を含む
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項5に記載の圧縮機システムであって、
前記検出手段によって検出された物理量に応じた電力効率は、各圧縮機の定格電力効率から前記フィルタによる吸込み圧力損失に起因する効率低下を減じた電力効率である
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項6に記載の圧縮機システムであって、
前記フィルタによる吸込み圧力損失は、前記外気フィルタによる圧力損失、前記吸気フィルタによる圧力損失、又は、前記セパレータエレメントによる圧力損失である
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項7に記載の圧縮機システムであって、
前記外気フィルタによる圧力損失は、前記外気フィルタ及び前記外気入口を通過後の空気の圧力に基づいて判断され、
前記吸気フィルタによる圧力損失は、前記圧縮機本体の吸気部から取込まれる空気の温度に基づいて判断され、
前記セパレータエレメントによる圧力損失は、各圧縮機によって圧縮された空気の吐出圧力及び該空気が合流する空気槽内の圧力に基づいて判断される
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項6に記載の圧縮機システムであって、
前記フィルタによる吸込み圧力損失に起因する効率低下が大きいほど、前記検出手段によって検出された物理量に応じた電力効率がより低い圧縮機の運転を大きく制限する
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項1に記載の圧縮機システムであって、
前記圧縮機の運転の制限は、該圧縮機の運転の停止及び運転の縮退を含む
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項1に記載の圧縮機システムであって、
前記圧縮機システムのユーザに対して、運転を停止中の前記圧縮機の前記フィルタの保守を促す通知を行う
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 請求項1に記載の圧縮機システムであって、
前記圧縮機制御装置は、
前記複数の圧縮機のうち、前記検出手段によって検出された圧力に応じた電力効率が、より高い圧縮機の運転を優先的に行い、より低い圧縮機の運転を制限することで、前記圧縮機システム全体の電力効率が低下する場合には、該より高い圧縮機の運転及び該より低い圧縮機の運転の制限を行わない
ことを特徴とする圧縮機システム。 - 圧縮機システムにおける複数の圧縮機の運転を制御する圧縮機制御装置であって、
前記圧縮機のそれぞれは、
空気を濾過するフィルタと、
空気を圧縮する圧縮機本体と、
前記圧縮機本体の圧力損失と相関がある物理量を検出する検出手段と、を備え、
前記複数の圧縮機のうち、前記検出手段によって検出された物理量に応じた電力効率が、より高い圧縮機の運転を優先的に行い、より低い圧縮機の運転を制限する
ことを特徴とする圧縮機制御装置。 - 複数の圧縮機と、前記複数の圧縮機の運転を制御する圧縮機制御装置とを有する圧縮機システムにおいて前記圧縮機制御装置が行う圧縮機制御方法であって、
前記圧縮機のそれぞれは、
空気を濾過するフィルタと、
前記空気を圧縮する圧縮機本体と、
前記圧縮機本体の圧力損失と相関がある物理量を検出する検出手段と、を備え、
前記圧縮機制御装置が、
前記複数の圧縮機のうち、前記検出手段によって検出された物理量に応じた電力効率が、より高い圧縮機の運転を優先的に行い、より低い圧縮機の運転を制限する
ことを特徴とする圧縮機制御方法。
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