JP2023069027A - 成形装置、成形方法、インプリント方法および物品の製造方法 - Google Patents
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- Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
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Abstract
【課題】 搖動を抑制する好適な成形装置を提供することを課題とする。【解決手段】 基板上の硬化性組成物をテンプレートに接触させた状態で硬化させることで、基板上に硬化物を成形する成形装置であって、基板を保持する基板保持部と、テンプレートを保持するテンプレート保持部と、前記テンプレートを前記基板に近づける方向に駆動可能であり、且つ前記基板の平面方向に対して傾けることが可能なテンプレート駆動部と、前記テンプレート駆動部の駆動を制御する制御部と、を有し、前記制御部が、前記基板上の硬化性組成物と前記テンプレートとが接触を開始する開始接点、および離型する際の最終接点、の少なくとも一方において、前記テンプレート駆動部による前記テンプレートの接点にかかるモーメントが減少するように前記テンプレートを傾ける制御を行うことを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明は、成形装置、成形方法、インプリント方法および物品の製造方法に関する。
インプリント装置は、テンプレート(型、モールド、マスクと呼ばれることもある。)を基板(ウエハ)上のインプリント材(硬化性組成物)に押印することでパターンを形成する成形装置である。このときテンプレートに圧力(キャビティ圧)をかけて下凸に変形させて押印することでインプリント材の速やかな充填を実現する。この押印に際してテンプレートと基板間に傾きがあると、ショット面内でインプリント材の厚みに偏りが発生し、インプリント材の充填が不十分になることがある。特許文献1には、このインプリント材の厚みの偏りを防ぐため、複数軸のアクチュエータの出力を制御することでテンプレートの傾きを基板の傾きに合わせ、テンプレートと基板間の相対傾きを低減することが記載されている。また、特許文献2ではテンプレートの姿勢を制御して押印させるインプリントヘッドのアクチュエータが発生させるモーメント量に応じて、傾きを決定する方式を述べている。
インプリント時の基板とテンプレートの間の傾きを補正したとしても、テンプレートを保持して押印するインプリントヘッドの傾き制御中心に対し、押印接触時の力の作用点が基板平面方向にずれている場合、モーメント外乱となり傾き方向に搖動する。その結果、テンプレートと基板の間に傾きが生じ、未充填が発生する等の問題が発生する可能性があり、インプリント結果に支障をきたす恐れがある。さらに図2に示す通り、ウエハの端部の部分的に欠けているショット領域(欠けショット領域)では、ウエハ上の有効ショットエリア内の中心がテンプレートのショット領域中心とずれた状態で押印されることになる。
インプリント材の充填がウエハ上のショット有効エリア内に等方的に広がるように、最初の押印接触点はウエハ上のショット領域の中心であることが望ましい。そのために接触開始時から、インプリント材が有効領域全体に広がるまでの時間、モールドを傾けて接触させる方法もありうる。
テンプレートを傾けた状態でインプリント材と接触させる場合、インプリントヘッドの制御中心と押印接触時の力の作用点が大きくずれ、モーメント外乱となりテンプレートが搖動してしまうことがある。
また離型時においては、基板上の有効ショットエリアの端部から離型が進行する。特に欠けショット領域を離型する場合、離型が最後に完了する最終接点はインプリントヘッド制御中心とは平面方向にずれた位置になる可能性がある。最終接点が切り離されるときには大きなモーメント外乱が発生するため、この場合もテンプレートの搖動が発生してしまう。
そこで本発明は、テンプレートの接触時、および離型時に発生する搖動を抑制することが可能な成形装置を提供することを課題とする。
上記課題に鑑み、本発明に係る成形装置は、
基板上の硬化性組成物にテンプレートに接触させた状態で硬化させ、基板上に硬化物を成形する成形装置であって、
基板を保持する基板保持部と、
テンプレートを保持するテンプレート保持部と、
前記テンプレートを前記基板に近づける方向に駆動可能であり、且つ前記基板の平面方向に対して傾けることが可能なテンプレート駆動部と、
前記テンプレート駆動部の駆動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部が、
前記基板上の硬化性組成物と前記テンプレートとが接触を開始する開始接点、および離型する際の最終接点、の少なくとも一方において、前記テンプレート駆動部による前記テンプレートの接点にかかるモーメントが減少するように前記テンプレートを傾ける制御を行うことを特徴とする。
基板上の硬化性組成物にテンプレートに接触させた状態で硬化させ、基板上に硬化物を成形する成形装置であって、
基板を保持する基板保持部と、
テンプレートを保持するテンプレート保持部と、
前記テンプレートを前記基板に近づける方向に駆動可能であり、且つ前記基板の平面方向に対して傾けることが可能なテンプレート駆動部と、
前記テンプレート駆動部の駆動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部が、
前記基板上の硬化性組成物と前記テンプレートとが接触を開始する開始接点、および離型する際の最終接点、の少なくとも一方において、前記テンプレート駆動部による前記テンプレートの接点にかかるモーメントが減少するように前記テンプレートを傾ける制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、テンプレートを傾けて接触させた場合に発生する搖動を抑制できる成形装置を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の成形装置の一形態であるインプリント装置の構成を示した図である。
図1は本発明の成形装置の一形態であるインプリント装置の構成を示した図である。
本発明の第1実施形態のインプリント装置100について説明する。インプリント装置100は、半導体デバイスなどの製造に使用され、テンプレートを用いて基板に形成されたショット領域上のインプリント材(硬化性組成物)を成形するインプリント処理を行う。
例えば、インプリント装置100は、パターンが形成されたパターン面を有するテンプレート1を基板上のインプリント材3に接触させた状態でインプリント材を硬化させる。そして、インプリント装置100は、テンプレート1と基板2との間隔を広げ、硬化したインプリント材3からテンプレート1を剥離(離型)することによって、インプリント材3で構成されたパターンを基板上に形成することができる。
インプリント材3を硬化する方法には、熱を用いる熱サイクル法と光を用いる光硬化法があり、本実施形態では光硬化法を採用した例について説明する。光硬化法とは、インプリント材3として光硬化性組成物(未硬化の紫外線硬化樹脂)を基板上に供給し、テンプレート1とインプリント材3とを接触させた状態でインプリント材3に紫外線を照射することにより当該インプリント材3を硬化させる(すなわち、硬化物を生成する)方法である。
テンプレート1をインプリント材3が塗布された基板2にインプリントすることでパターンが転写される。テンプレート1の上下動はテンプレート駆動部であるアクチュエータ4によって行われる。制御部5が第一計測器13からの情報をもとに算出した出力でアクチュエータ4に指令を送ることで、テンプレート1の姿勢(基板平面に対するテンプレート接触面の傾き)を制御する。
インプリント装置100は、照射部7と、テンプレート保持部8と、基板保持部(基板チャック18および基板駆動部14)と、供給部10と、検出部11と、制御部5とを含みうる。制御部5は、例えばCPUやメモリなどを有し、インプリント処理を制御する(インプリント装置100の各部を制御する)。
テンプレート1は、通常、石英など紫外線を透過することが可能な材料で作製されており、基板側の一部の面(パターン面6a)には、基板上のインプリント材を成形するための凹凸のパターンが形成されている。また、基板2は、例えば、単結晶シリコン基板やSOI(Silicon on Insulator)基板が用いられうる。基板2の上面(被処理面)には、後述する供給部10によってインプリント材3が供給される。
テンプレート保持部8は、例えば真空吸着力や静電力などによりテンプレート1を保持するテンプレートチャック12と、テンプレートチャック12により保持されたテンプレート1の位置および姿勢を変更可能に構成されたアクチュエータ4とを含みうる。アクチュエータ4は、例えば、テンプレート1とインプリント材3とを接触させる第1方向(例えばZ方向)にテンプレート1を駆動したり、回転軸を中心に回転してテンプレート1を傾けたりするように構成されうる。
図のテンプレートに対して傾きを付与し、これらを制御、駆動するためには最低で3つのアクチュエータが必要となる。ここで、インプリント装置100には、テンプレート1の位置および姿勢を計測する計測器(以下、第1計測器13)が設けられ、制御部5は、第1計測器13によって計測されたテンプレート1の位置および姿勢に基づいてアクチュエータ4を制御する。
第1計測器13は、例えばレーザ干渉計やエンコーダなどを含みうる。また、本実施形態のインプリント装置100では、テンプレート1と基板2との間隔を変える動作がモールドチャック12によって行われているが、後述する基板ステージ9の基板駆動部14によって行われてもよいし、双方によって相対的に行われてもよい。
テンプレート1とテンプレート保持部8との間には、パターン面6aと反対側のテンプレートの面、テンプレートチャック12およびテンプレート駆動部12によって規定された空間15が設けられうる。空間15には、配管を介して変形部16が接続される。
変形部16は、空間15の圧力を変化させることにより、パターン面6aを基板2に向かって撓んだ凸形状に変形させることができる。例えば、テンプレート1と基板2との間隔を狭めてテンプレート1と基板上のインプリント材3とを接触させる際には、変形部16は、空間15の圧力がその外部の圧力よりも高くなるように空間15の圧力を変化させる。
そして、テンプレート1とインプリント材3とが接触を開始した後では、変形部16は、テンプレート1と基板2との間隔に応じて空間の圧力を徐々に低下させていく。これにより、変形部16は、パターン面6aが変形した状態でテンプレートとインプリント材との接触を開始させ、パターン面6aの一部(例えば中心)から徐々にテンプレート1とインプリント材3とを接触させることができる。
その結果、テンプレート1に形成されたパターンの凹部とインプリント材3との間に気体が閉じ込められることを抑制し、インプリント材3で構成されたパターンに欠損が生じることを防止することができる。ここで、インプリント装置100には、空間15の圧力を計測する計測器(以下、第2計測器17)が設けられ、制御部5は、第2計測器17によって計測された空間の圧力値に基づいて変形部16を制御する。
第2計測器17は、例えば、気圧センサなどを含み、空間15または配管の内部に配置されうる。
基板保持部は、基板チャック18と基板駆動部14とを含み、テンプレート1とインプリント材3とが接触している状態において、第1方向(Z方向)と垂直な第2方向(XY方向)に基板2を移動させてテンプレート1と基板2との位置合わせを行う。基板チャック18は、例えば真空吸着力や静電力などによって基板2を保持する。
基板駆動部14は、例えば、基板チャック18によって保持された基板2をXY方向に駆動する。ここで、インプリント装置100には、基板2の位置を計測する計測器(以下、第3計測器19)が設けられ、制御部5は、第3計測器19によって計測された基板2の位置に基づいて基板駆動部14を制御する。
第3計測器19は、例えばレーザ干渉計やエンコーダなどを含みうる。また、第1実施形態のインプリント装置100では、テンプレート1と基板2との位置合わせが基板駆動部14によって行われているが、テンプレート保持部8のテンプレート駆動部12によって行われてもよいし、双方によって相対的に行われてもよい。
このように構成された第1実施形態のインプリント装置100は、テンプレート1のパターン面6aの下方にショット領域を配置した後、テンプレート1と基板上のインプリント材3とを接触させ、それらが接触した状態でテンプレート1と基板2との位置合わせを行う。つまり、テンプレート1に形成されたパターンとショット領域とを対向させた後に、テンプレート1と基板との間隔が狭まるようにする。
インプリント装置100では、一般に、インプリント材で構成されたパターンの残膜の厚さ(インプリント材3で構成されたパターンの凹部の底面と基板2の面との距離)を均一にすることが好ましい。そのため、第1実施形態のインプリント装置100では、基板2の面の傾きに応じて基板2の面とテンプレート1のパターン面6aとが平行になるようにテンプレート1を傾けた状態で、テンプレート1とインプリント材3との接触が行われる。
ここで、テンプレート1とインプリント材3とが接触した状態ではテンプレート1と基板2との相対位置を変更しづらくなる。そのため、テンプレート1と基板2との位置合わせを迅速に行うためには、当該位置合わせにおいてテンプレート1と基板2との相対位置を変更する量をできるだけ小さくすることが好ましい。しかしながら、テンプレート1と傾けるとテンプレート上のマークAM1がXY方向にシフトする。そのため、テンプレート1を傾けた状態でテンプレート1とインプリント材3とを接触させると、テンプレート1と基板2との位置合わせにおいて、それらの相対位置を変更する量がテンプレート1を傾けた分だけ大きくなりうる。
そこで、本実施形態のインプリント装置100は、テンプレート1を傾けることによってテンプレート上のマークAM1がXY方向にシフトするシフト量を求める。そして、テンプレート1と基板2との相対位置(XY方向)を当該シフト量に従って変更した後でテンプレート1とインプリント材3とを接触させる。これにより、テンプレート1と基板2との位置合わせにおいて、それらの相対位置を変更する量がテンプレート1を傾けた分だけ大きくなることを抑制し、当該位置合わせを迅速に行うことができる。
図2(a)は、本実施形態におけるテンプレート1とインプリント材3との接触状態を模式的に示した図である。テンプレート1が傾いた姿勢で基板2上のインプリント材3を押印している状態を示している。具体的には、ウエハのエッジ付近の欠けたショット領域にテンプレート1を接触させる場合を想定している。
図2(b)は、図2(a)の上面図である。基板上のショットの有効領域を横線で示しており、その中心を点Aで示す。図2(b)でわかるように、3つのアクチュエータ4の配置の中心である点Bとは異なる位置である。
図2に示す状態の開始接点で接触した後、テンプレート1をさらに基板側に押し付けることでインプリント材3の充填をショット領域全体に広げることができる。
その際、基板上のインプリント材とテンプレートとが接触を開始する開始接点において、テンプレート駆動部によるテンプレートの接点にかかるモーメントが減少するようにテンプレートを傾ける制御を行う。具体的には、開始接点と3つのアクチュエータのモーメントの中心を点Aに一致させれば、搖動を発生させることなく押印充填を直ちに開始させることができる。これにより、テンプレートの姿勢制御を高速かつ精度よく実施できるため、その後の充填を等方的に進めることができ、ショット領域の四方の端部に同時に硬化性組成物を到達させることができる。その結果、インプリント処理に係る時間を短縮し、膜厚差や部分的未充填などを抑制することができる。
図2において、アクチュエータ4が3つ配置されている場合のモーメントの制御方法について以下に説明する。
図2(b)に示す通り、各アクチュエータのショット有効領域の中心点Aからの座標を(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3)とすると、制御部5は以下の式(1)のようにアクチュエータへの指令値(各アクチュエータへの指令分配比率値)を計算する。
ここで、Fは有効領域の中心点Aにおける押印力であり、(τx,τy)は有効領域の中心点Aにおける力のモーメントであり、F1、F2、F3は各アクチュエータによって印加される力を示す。
すなわち、図2(a)に示すように、3つのアクチュエータが発生させるモーメントの中心位置(モーメントの発生量が0となる位置)においては、押印に伴う外乱力21が印可された場合であっても、アクチュエータにはモーメント外乱22が発生せず、傾き方向の制御偏差が発生しにくくなる。これによって、搖動が発生せずテンプレートを所望の姿勢のまま押印させることができる。
本実施形態における充填時、および離型時のテンプレート1とインプリント材3との接触状態の進行の様子について、図3に模式的に示す。図3(a)は充填の進行の様子を示すものであり、図3(b)は離型の進行の様子を示すものである。
充填時と離型時にテンプレート1とインプリント材3が接する領域の時間変化は、単純な時間逆向きではなく、互いに異なる形状変化を示しながら進行していく。
充填時の押印の進行について、以下に説明する。
図4は、テンプレートが傾いた状態でインプリント材に接触する際の開始接点Aがテンプレートの中心からのずれていることを示すものである。
空間15(キャビティ)への加圧によりテンプレート1は球状下凸に膨らんでいる。この曲率半径をR0、テンプレートの球面の中心を点O、テンプレート1と基板2との傾きをθとすると、接触時の開始接点AはR0sinθだけテンプレートの中心(ショット領域の中心点B)からずれている。
押印が進行して充填される領域が広がっていくとき、この充填領域の形状が楕円のように対称的な形状を維持した状態で広がる場合は、充填欠陥の生じにくい理想的な広がりとなる。この場合、充填領域の中心点は開始接点Aから動かずに広がってゆく。
その後、充填がショット領域の隅々まで到達すれば、押印による充填が完了する。
このような充填の進行を観察する方法として、テンプレートを透過したインプリント材の画像撮影による干渉縞を観察する方法がある。得られる干渉縞画像の模式図を図5に示す。
実際の押印や離型の時には、事前に算出していた開始接点Aが実際のものと一致しない場合がある。また欠けショット領域においては、ショット端まで充填が進んだ場合の幾何学的中心を事前の計算で求めるのは困難である。
そこで、本実施形態のインプリント装置100においては、テンプレートの基板と接触する面の画像を取得する画像取得部を有することが好ましい。画像取得部では、図5のような干渉縞画像を取得することができ、これによりテンプレートとインプリント材の接触領域の境界の情報が得られる。例えば、干渉縞51の閉曲線の重心位置を計算することで接触の開始接点Aに関する情報を取得することができる。
本実施形態においては、接触の開始接点と、3つのアクチュエータのモーメントの中心点と、有効ショット領域の幾何学的中心点と、を点Aで一致させるようにアクチュエータの出力を算出し、テンプレートを傾けた状態で押印による充填を行う。その際に、干渉縞画像を取得して干渉縞の広がりに偏りが発生しないようにアクチュエータの駆動を制御すると良い。
離型の開始時の最終接点Aは、ショットの有効領域の幾何学的中心点とすることが好ましく、ショット有効領域の形状から事前に求めることが可能である。
離型の進行に伴うモーメントの中心の変化を数学的に算出するのは難しいが、前記の干渉縞を用いてモーメントの中心とすべき位置を算出することができる。
これらの形態を実施することにより、接触開始時の搖動、および離型の最終段階での揺動を抑制することができ、所望の姿勢での押印離型を可能にする。
<第2実施形態>
本実施形態では、基板上の複数のショット領域に対して、順次にインプリント処理を行う形態について説明する。
本実施形態では、基板上の複数のショット領域に対して、順次にインプリント処理を行う形態について説明する。
図6(a)は、同一基板上に設けられた二つのショット領域に順次インプリント処理を行う際のテンプレート接触面における接触状態を示した図である。
図6(a)左は、第1のショットの離型を行う直前のショット領域の状態を模式的に示している。インプリント材3が充填されている領域はショット領域の全面ではなく、横線で示された領域に部分的に配置されている。この状態で離型する場合、外乱力による搖動を抑制するため、充填された領域の中心Aにおいてモーメント発生量がゼロとなるようにモーメントを制御すると良い。離型が終わると、インプリント材3との接触による外乱の入力は突然に無くなるが、この直前の最終接点において、テンプレートに発生するモーメントがゼロとなるようにテンプレートの傾きを制御することで、搖動が抑制されるためである。よって、制御の中心位置となる離型の最終接点は、ショット領域の幾何学的な中心位置Aとなっていることが望ましい。
次いで、基板上の第2のショット領域の押印を開始するために基板とテンプレートとを相対的に移動させる。この間はインターバル期間として、基板上のインプリント材3との接触はない(図6(a)中)。この時、テンプレートの上下動が駆動されているタイミングがありうるため、テンプレートの接触面の幾何学的な中心にモーメント中心が来るようにすると良い。
基板上の第2のショット領域上にテンプレートが配置された後、基板面に対してテンプレートの傾きを制御した上で第2のショット領域の押印を開始する(図6(b)右)。
この時、テンプレートの開始接点Aに外乱が入力されるが、モーメント外乱は発生しないようにアクチュエータを制御し、テンプレートを傾けて姿勢を制御する。
図6(b)は、図6(a)に示す3つの工程において、テンプレートの接触面のモーメント中心Aの変化を時系列で示したグラフである。縦軸は、テンプレートの接触面の幾何学的中心位置からの距離を示し、第1ショットの離型時は+C、第2ショットの接触時には-C、その間のインターバル間では0(幾何学的中心と同位置)となっている。
この場合、第1のショットの離型の終了と第2のショットの開始の二か所で値が不連続に跳躍している。この不連続を用いた制御部5は瞬間的に大きな力を発生させてしまい、無用な揺動を誘発する。この不具合を避けるため、モーメント中心Aの変化を連続関数で滑らかにつなぐのが望ましい。
連続関数としては、例えば以下の式(2)で示す関数が挙げられる。
式(2)は、(xA1,yA1)と(xA2,yA2)を線形に結ぶ関数である。ここで(xA1,yA1)は第1ショット離型時t1のモーメント中心Aの位置、(xA2,yA2)は第2ショット押印時t2のモーメント中心Aの位置、Δtは加減速に使える時間である。図6(c)はこの関数の時系列を表したグラフである。
また、以下の式(3)のように、(xA1,yA1)と(xA2,yA2)を三角関数で結ぶ関数をとることも出来る。
図6(d)は、式(3)の関数の時系列を表したグラフである。
<その他の実施形態>
本発明にかかる成形装置は、上述の実施形態で使用したテンプレート1に替えて、表面に凹凸のパターンを有さない平坦面を有するスーパーストレートをテンプレートとして用いても良い。この場合、基板上に平坦な面を成形する平坦化処理を実施可能な平坦化装置として本発明は適用可能である。
本発明にかかる成形装置は、上述の実施形態で使用したテンプレート1に替えて、表面に凹凸のパターンを有さない平坦面を有するスーパーストレートをテンプレートとして用いても良い。この場合、基板上に平坦な面を成形する平坦化処理を実施可能な平坦化装置として本発明は適用可能である。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に塗布された硬化性組成物に上記の成形装置を用いてパターンを形成する工程(基板にインプリント処理を行う工程)と、かかる工程でパターンを形成された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に塗布された硬化性組成物に上記の成形装置を用いてパターンを形成する工程(基板にインプリント処理を行う工程)と、かかる工程でパターンを形成された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 テンプレート
2 基板
3 インプリント材
4 アクチュエータ
5 制御部
7 照射部
8 テンプレート保持部
10 供給部
11 検出部
12テンプレートチャック
13 第1計測器
14 基板駆動部
15 空間(キャビティ)
16 変形部
17 第2計測器
18 基板チャック
19 第3計測器
AM1 テンプレート側位置合わせマーク
AM2 基板側位置合わせマーク
A 押印点
B アクチュエータ配置中心
21 外乱力
22 モーメント外乱
2 基板
3 インプリント材
4 アクチュエータ
5 制御部
7 照射部
8 テンプレート保持部
10 供給部
11 検出部
12テンプレートチャック
13 第1計測器
14 基板駆動部
15 空間(キャビティ)
16 変形部
17 第2計測器
18 基板チャック
19 第3計測器
AM1 テンプレート側位置合わせマーク
AM2 基板側位置合わせマーク
A 押印点
B アクチュエータ配置中心
21 外乱力
22 モーメント外乱
Claims (12)
- 基板上の硬化性組成物にテンプレートに接触させた状態で硬化させ、基板上に硬化物を成形する成形装置であって、
基板を保持する基板保持部と、
テンプレートを保持するテンプレート保持部と、
前記テンプレートを前記基板に近づける方向に駆動可能であり、且つ前記基板の平面方向に対して傾けることが可能なテンプレート駆動部と、
前記テンプレート駆動部の駆動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部が、
前記基板上の硬化性組成物と前記テンプレートとが接触を開始する開始接点、および離型する際の最終接点、の少なくとも一方において、前記テンプレート駆動部による前記テンプレートの接点にかかるモーメントが減少するように前記テンプレートを傾ける制御を行う
ことを特徴とする成形装置。 - 前記テンプレート駆動部は、前記テンプレートに傾きを付与する少なくとも3つのアクチュエータを有しており、
前記制御部が、前記基板上の硬化性組成物と前記テンプレートとが接触を開始する開始接点、および離型する際の最終接点、のそれぞれにおける前記テンプレートのモーメントがゼロとなるように前記少なくとも3つのアクチュエータを制御する、請求項1に記載の成形装置。 - 前記テンプレートが、前記硬化性組成物と接触する表面に凹凸を有し、
インプリントにより基板上にパターンを形成することを特徴とする請求項1または2に記載の成形装置。 - 前記テンプレートの傾きを計測するセンサと、
前記基板上に硬化性組成物を供給する供給部と、
前記基板上の硬化性組成物を硬化させるための光を照射する照射部と、
を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の成形装置。 - 前記テンプレートの接触面を凸形状に変形させる手段を有し、
前記制御部は、前記接触の開始接点を前記テンプレートの凸形状と前記傾きから算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の成形装置。 - 前記制御部は、前記テンプレートとインプリント材とが接触する接触領域の幾何学的中心を求め、前記接触の開始接点、および前記離型する際の最終接点、を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の成形装置。
- 前記テンプレートの前記基板と接触する面の画像を取得する画像取得部を有し、
前記制御部は取得した前記画像から前記テンプレートと前記基板の接触領域の境界を取得し、前記接触領域の境界の幾何学的中心を求め、これを前記モーメントがゼロとなる位置と一致させることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の成形装置。 - 前記制御部は、前記アクチュエータへの指令分配比率を変更することで前記テンプレートを傾ける請求項2に記載の成形装置。
- 基板上の硬化性組成物をテンプレートに接触させた状態で硬化させ、基板上に硬化物を成形する成形方法であって、
前記テンプレートを前記基板に近づけるとともに、前記基板の平面方向に対して傾けた状態で前記基板上の硬化性組成物と接触させる工程と、
前記接触させた状態で硬化性組成物を硬化させ、硬化物を得る工程と、
前記硬化物から前記テンプレートを離型する工程と、
を有しており、
前記基板上の硬化性組成物と前記テンプレートとが接触する開始接点、および離型する際の最後の接点、において、前記テンプレートの接点にかかるモーメントが減少するように前記テンプレートを傾けることを特徴とする成形方法。 - 基板上のインプリント材をテンプレートに接触させた状態で硬化させ、基板上にパターンを成形するインプリント方法であって、
前記テンプレートを前記基板に近づけるとともに、前記基板の平面方向に対して傾けた状態で前記基板上のインプリント材と接触させる工程と、
前記接触させた状態でインプリント材を硬化させ、硬化物を得る工程と、
前記硬化物から前記テンプレートを離型する工程と、
を有しており、
前記基板上のインプリント材と前記テンプレートとが接触する開始接点、および離型する際の最後の接点、において、前記テンプレートの接点にかかるモーメントが減少するように前記テンプレートを傾けることを特徴とするインプリント方法。 - 物品の製造方法であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載の成形装置を用いて基板上に硬化物を形成することを特徴とする物品の製造方法。 - 前記基板上の硬化物を介して基板を加工する工程をさらに有する請求項11に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021180578A JP2023069027A (ja) | 2021-11-04 | 2021-11-04 | 成形装置、成形方法、インプリント方法および物品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021180578A JP2023069027A (ja) | 2021-11-04 | 2021-11-04 | 成形装置、成形方法、インプリント方法および物品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023069027A true JP2023069027A (ja) | 2023-05-18 |
Family
ID=86328008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021180578A Pending JP2023069027A (ja) | 2021-11-04 | 2021-11-04 | 成形装置、成形方法、インプリント方法および物品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023069027A (ja) |
-
2021
- 2021-11-04 JP JP2021180578A patent/JP2023069027A/ja active Pending
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