JP2023064807A - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向寸法を短くでき、かつ、部品点数を抑えられるとともに、出力部材に回転トルクが逆入力された際に、出力部材を安定して空転させることができる、フリー式の逆入力遮断クラッチにおいて、さらなる小型化を図りやすい構造を実現する。【解決手段】逆入力遮断クラッチ1を、内周面に被押圧面23を有する出力部材3と、被押圧面23の径方向内側に配置されたカム部30を有し、被押圧面23と同軸に配置され入力部材4と、被押圧面23とそれぞれ対向し、かつ、円周方向に互いに離隔した1対の押圧面41を有する係合子5と、被押圧面23から1対の押圧面41が離れるように係合子5に力を付与する力付与部材6とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、入力部材に入力される回転トルクは出力部材に伝達するのに対し、出力部材に逆入力される回転トルクは遮断する機能を有する、逆入力遮断クラッチに関する。
逆入力遮断クラッチは、駆動源等の入力側機構に接続される入力部材と、減速機構等の出力側機構に接続される出力部材を備えており、入力部材に入力される回転トルクは出力部材に伝達するのに対し、出力部材に逆入力される回転トルクは遮断して、入力部材に伝達しないか又はその一部のみを伝達する機能を有している。
逆入力遮断クラッチは、出力部材に逆入力される回転トルクを遮断する機構の相違により、ロック式とフリー式に大別される。ロック式の逆入力遮断クラッチは、出力部材に回転トルクが逆入力された際に、出力部材の回転を防止(抑制)する機構を備えている。一方、フリー式の逆入力遮断クラッチは、出力部材に回転トルクが逆入力された際に、出力部材を空転させる機構を備えている。ロック式の逆入力遮断クラッチとフリー式の逆入力遮断クラッチとのいずれを使用するかについては、逆入力遮断クラッチを組み込む装置の用途等によって適宜決定される。
特開2004-84918号公報等には、ロック式の逆入力遮断クラッチが記載されている。特開2004-84918号公報に記載された逆入力遮断クラッチは、出力部材に回転トルクが逆入力された際に、内方部材と外方部材との間のくさび形空間に配置された転動体を、くさび形空間のうち径方向に関する幅の狭い幅狭部に移動させて、内方部材と外方部材との間で突っ張らせることにより、出力部材の回転を防止する機構を備えている。しかしながら、特開2004-84918号公報に記載された逆入力遮断クラッチでは、転動体がくさび形空間の幅狭部から幅広部に移動できなくなり、出力部材がロックしてしまうといった問題を生じる可能性がある。
これに対し、特開2020-8124号公報には、フリー式の逆入力遮断クラッチが記載されている。特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチは、入力部材に回転トルクが入力された際には、係合子が入力係合カムとの係合に基づき被押圧面に近づくように径方向に移動し、円筒面状の凸面である押圧面を、円筒面状の凹面である被押圧面に対して当接させることで、入力部材に入力された回転トルクを出力部材に伝達する。これに対し、出力部材に回転トルクが逆入力された際には、力付与部材が付与する力によって被押圧面と押圧面との間に形成される隙間に基づき出力部材を空転させることで、出力部材に逆入力された回転トルクを入力部材に伝達しない。
特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチでは、入力部材の回転及び力付与部材が付与する力によって、係合子の径方向移動を制御し、入力部材から出力部材に回転トルクが伝達可能になるロック状態と、出力部材に逆入力された回転トルクを遮断するフリー状態とを切り換えることができる。このため、特開2020-8124号公報に記載の構造によれば、逆入力遮断クラッチの装置全体の軸方向寸法を短くすることができる。
又、特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチでは、係合子に、入力部材に入力された回転トルクを出力部材に伝達する機能と、出力部材に逆入力された回転トルクを遮断する機能との両方の機能を持たせている。このため、特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチによれば、部品点数を抑えることができ、かつ、両機能をそれぞれ別の部材に持たせる場合に比べて、動作を安定させることができる。
特開2004-84918号公報 特開2020-8124号公報
特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチは、さらなる小型化を図る面からは改良の余地がある。
本発明は、上述のような事情を鑑みて、軸方向寸法を短くでき、かつ、部品点数を抑えられるとともに、出力部材に回転トルクが逆入力された際に、出力部材を安定して空転させることができる、フリー式の逆入力遮断クラッチにおいて、さらなる小型化を図りやすい構造を実現することを目的としている。
本発明の一態様に係る逆入力遮断クラッチは、出力部材と、入力部材と、係合子と、力付与部材を備える。
前記出力部材は、内周面に被押圧面を有する。
前記入力部材は、前記被押圧面の径方向内側に配置されたカム部を有し、前記被押圧面と同軸に配置されている。
前記係合子は、前記被押圧面とそれぞれ対向し、かつ、円周方向に互いに離隔した1対の押圧面を有する。
前記力付与部材は、前記被押圧面から前記1対の押圧面が離れる方向の力を前記係合子に付与する。
本発明の一態様に係る逆入力遮断クラッチでは、前記入力部材への回転トルクの入力に伴って前記係合子に作用する前記1対の押圧面を前記被押圧面に近づける方向の力が、前記力付与部材が前記係合子に付与する力よりも大きい場合には、前記係合子が前記1対の押圧面を前記被押圧面に近づける方向に径方向に移動し、前記1対の押圧面を前記被押圧面に対して摩擦係合させて、前記入力部材に入力された回転トルクを前記出力部材に伝達するのに対し、前記入力部材に回転トルクが入力されていないか、又は、前記入力部材への回転トルクの入力に伴って前記係合子に作用する前記1対の押圧面を前記被押圧面に近づける方向の力が、前記力付与部材が前記係合子に付与する力以下である場合には、前記力付与部材が前記係合子に付与する力に基づいて前記被押圧面と前記1対の押圧面との間に隙間を形成することにより、前記入力部材と前記出力部材との間でトルクを伝達しない。
なお、前記入力部材への回転トルクの入力に伴って前記係合子に作用する前記1対の押圧面を前記被押圧面に近づける方向の力は、前記係合子が前記カム部との係合に基づき前記1対の押圧面を前記被押圧面に近づける方向に径方向に移動しようとする力と、前記係合子に作用する遠心力との合力である。
本発明の一態様に係る逆入力遮断クラッチでは、前記入力部材は、入力部材側ガイド部を有することができ、かつ、前記係合子は、係合子側ガイド部を有することができる。この場合、前記力付与部材が前記係合子に付与する力に基づいて前記被押圧面と前記1対の押圧面との間に前記隙間が形成されている状態で、前記入力部材側ガイド部と前記係合子側ガイド部とが、前記被押圧面に対する前記1対の押圧面の遠近方向である第1方向と前記入力部材の中心軸とに直交する第2方向に関するがたつきなく係合する。
本発明の一態様に係る逆入力遮断クラッチでは、前記入力部材側ガイド部を、軸方向から見て単一円弧形の輪郭形状を有する凸曲面により構成することができる。
本発明の一態様に係る逆入力遮断クラッチは、前記係合子を、前記カム部を径方向外側から挟むように1対備えることができる。
この場合、前記力付与部材を、1対の前記係合子同士の間にかけ渡すように備えることができる。
本発明の一態様に係る逆入力遮断クラッチでは、前記力付与部材を、ばねやゴム等の弾性部材により構成することができる。
本発明の一態様に係る逆入力遮断クラッチによれば、軸方向寸法を短くでき、かつ、部品点数を抑えることができるとともに、出力部材に回転トルクが逆入力された際に、出力部材を安定して空転させることができる構造において、さらなる小型化を図りやすくすることができる。
図1は、実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチを示す断面図である。 図2は、実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチを示す分解斜視図である。 図3は、実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチを、一部を省略して示す斜視図である。 図4は、実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチを、一部を省略して示す、図1のX-X断面に相当する図である。 図5は、実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチを、一部を省略し、かつ、ロック状態で示す、図4と同様の図である。 図6は、実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチを、一部を省略し、かつ、フリー状態で示す、図4と同様の図である。 図7(A)は、図5の中央部拡大図であり、図7(B)は、図6の中央部拡大図である。 図8は、実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチから入力部材を取り出して、小径軸部を省略して示す斜視図である。 図9は、実施の形態の第2例に係る逆入力遮断クラッチを、一部を省略して示す斜視図である。 図10は、実施の形態の第2例に係る逆入力遮断クラッチを示す、図4と同様の図である。 図11は、実施の形態の第2例に係る逆入力遮断クラッチを示す、図5と同様の図である。 図12は、実施の形態の第2例に係る逆入力遮断クラッチを示す、図6と同様の図である。 図13(A)は、図11の中央部拡大図であり、図13(B)は、図12の中央部拡大図である。 図14は、実施の形態の第2例に係る逆入力遮断クラッチから入力部材を取り出して、小径軸部を省略して示す斜視図である。 図15は、実施の形態の第3例に係る逆入力遮断クラッチを、一部を省略して示す斜視図である。 図16は、実施の形態の第3例に係る逆入力遮断クラッチを示す、図4と同様の図である。 図17は、実施の形態の第3例に係る逆入力遮断クラッチを示す、図5と同様の図である。 図18は、実施の形態の第3例に係る逆入力遮断クラッチを示す、図6と同様の図である。 図19(A)は、図17の中央部拡大図であり、図19(B)は、図18の中央部拡大図である。 図20は、実施の形態の第3例に係る逆入力遮断クラッチから入力部材を取り出して、小径軸部を省略して示す斜視図である。 図21は、実施の形態の第4例に係るエンジン駆動装置を示す模式図である。 図22は、実施の形態の第5例に係るステアリング装置を示す模式図である。 図23は、実施の形態の第6例に係る電動式カーテン開閉装置を示す模式図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図8により説明する。
<逆入力遮断クラッチ1の構造>
本例の逆入力遮断クラッチ1は、フリー式(空転式)の逆入力遮断クラッチであって、ハウジング2と、出力部材3と、入力部材4と、1対の係合子5と、1対の力付与部材6とを備える。なお、以下の説明において、軸方向、径方向及び円周方向とは、特に断らない限り、出力部材3の軸方向、径方向及び円周方向をいい、入力部材4の軸方向、径方向及び円周方向と一致する。又、軸方向片側とは、出力部材3側(図1の右側)をいい、軸方向他側とは、入力部材4側(図1の左側)をいう。
ハウジング2は、段付円筒状に構成されている。本例では、ハウジング2は、中空円形板状の側板部7と、該側板部7の径方向外側部分から軸方向片側に向けて全周にわたり突出する大径筒部8と、該側板部7の径方向内側の端部から軸方向他側に向けて全周にわたり折れ曲がった小径筒部9とを有する。さらに、ハウジング2は、小径筒部9の軸方向他側の端部から径方向内側に向けて全周にわたり折れ曲がった内向フランジ部10を有し、かつ、側板部7のうち、大径筒部8の外周面よりも径方向外側に突出した部分の円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する通孔11を有する。
ハウジング2は、通孔11に挿通したボルト12を、使用時にも回転しない固定部材13の軸方向片側面に開口するねじ孔14に螺合しさらに締め付けることで、固定部材13に対して支持固定される。
出力部材3は、例えば減速機構等の出力側機構に接続され、回転トルクを出力する。出力部材3は、出力軸部15と、円筒部16と、側板部17とを有する。
出力軸部15は、軸方向片側に配置された円柱状の小径部18と、軸方向他側に配置された円筒状の大径部19とを有する。出力軸部15は、小径部18の先端部(軸方向片側の端部)を前記出力側機構の入力部にトルク伝達可能に接続するか、又は、前記出力側機構の入力部と一体に構成される。大径部19は、軸方向片側の小径円筒面部20と、軸方向他側の大径円筒面部21とを、軸方向他側を向いた段差部22により接続してなる段付円筒状の内周面を有する。
円筒部16は、内周面に、円筒面状の凹面である被押圧面23を全周にわたって有し、出力軸部15の軸方向他側に配置されている。
側板部17は、中空円形板状に構成されて、出力軸部15(大径部19)の軸方向他側の端部と円筒部16の軸方向片側部分とを接続する。
本例の逆入力遮断クラッチ1では、出力部材3の円筒部16をハウジング2の大径筒部8の径方向内側に、ラジアルニードル軸受24を介して回転自在に支持している。すなわち、金属板を断面略U字形に曲げ成形してなる外輪25を、大径筒部8に締り嵌めで内嵌し、外輪25の内周面と円筒部16の外周面との間に、保持器26により保持された複数個のニードル27を転動自在に配置することで、ラジアルニードル軸受24を構成している。これにより、出力部材3をハウジング2に対して回転自在に支持している。
なお、本例では、大径筒部8の内周面と円筒部16の外周面との間に存在し、かつ、ラジアルニードル軸受24が設置された円筒状空間の軸方向片側の開口を、シール部材28により塞いでいる。これにより、前記円筒状空間に封入したグリースの外部空間への漏洩、及び、水分等の異物の前記円筒状空間への侵入を防止している。
入力部材4は、軸方向他側から順に、大径軸部29と、カム部30と、小径軸部31とを有する。これら大径軸部29とカム部30と小径軸部31とは、すべて同軸かつ直列に配置されている。
大径軸部29は、円柱状で、その基端部(軸方向他側の端部)が前記入力側機構の出力部にトルク伝達可能に接続されるか、又は、前記入力側機構の出力部と一体に構成されている。大径軸部29は、軸方向片側の端部に、径方向外側に向けて突出する外向フランジ部32を有する。
カム部30は、軸方向から見て、円弧形又は楕円弧形の四隅を含む略矩形の端面形状を有する。すなわち、カム部30の外周面は、短軸方向(図4の上下方向)両側に配置された1対の第1平坦面部33と、長軸方向(図4の左右方向)両側に配置された1対の第2平坦面部34と、第1平坦面部33の長軸方向端部と第2平坦面部34の短軸方向端部とを接続する断面円弧又は楕円弧形の接続面部35とから構成されている。このため、入力部材4の中心軸(カム部30の回転中心)Oからカム部30の外周面までの距離は、円周方向に関して変化する。又、カム部30の長軸方向に関する幅寸法は、短軸方向の端部に向かうほど小さくなっている。なお、第1平坦面部33と接続面部35とは、互いの端部同士を接線方向に滑らかに接続している。
小径軸部31は、円柱状に構成されている。
入力部材4は、大径軸部29を、ハウジング2の小径筒部9の径方向内側に、ラジアル転がり軸受36aを介して回転自在に支持し、かつ、小径軸部31を、出力部材3の大径部19の径方向内側に、ラジアル転がり軸受36bを介して回転自在に支持している。この状態で、カム部30は、被押圧面23の径方向内側に配置されている。
すなわち、軸方向他側のラジアル転がり軸受36aは、小径筒部9に内嵌された外輪37aと、大径軸部29に外嵌された内輪38aと、外輪37aの内周面と内輪38aの外周面との間に転動自在に配置された複数個の転動体39aとを有する。外輪37aは、内向フランジ部10の軸方向片側面と、小径筒部9の軸方向片側の端部内周面に係止された止め輪40aとの間で軸方向両側から挟持されている。内輪38aは、外向フランジ部32の軸方向他側面と大径軸部29の軸方向中間部外周面に係止された止め輪40bとの間で軸方向両側から挟持されている。
又、軸方向片側のラジアル転がり軸受36bは、大径部19の内周面に備えられた大径円筒面部21に内嵌された外輪37bと、小径軸部31に外嵌された内輪38bと、外輪37bの内周面と内輪38bの外周面との間に転動自在に配置された複数個の転動体39bとを有する。外輪37bは、段差部22と、大径円筒面部21の軸方向他側の端部に係止された止め輪40cとの間で軸方向両側から挟持されている。内輪38bは、カム部30の軸方向片側の端面と、小径軸部31の軸方向片側の端部外周面に係止された止め輪40dとの間で軸方向両側から挟持されている。
なお、本例では、ラジアル転がり軸受36a、36bは、転動体39a、39bとして玉を使用したラジアル玉軸受により構成されている。ただし、ラジアル転がり軸受36a、36bは、転動体として円すいころを使用したラジアル円すいころ軸受や、円筒ころ(ニードルを含む)を使用したラジアルころ軸受により構成することもできる。
1対の係合子5は、軸方向から見て略半円形(略弓形)の端面形状を有する。1対の係合子5は、出力部材3の被押圧面23と入力部材4のカム部30との間部分に、カム部30を該カム部30の短軸方向両側から挟むように配置されている。1対の係合子5は、互いに同形及び同大に造られた同一部品である。
1対の係合子5は、孤に相当する径方向外側面を互いに反対側に向け、かつ、弦に相当する径方向内側面を互いに対向させた状態で、径方向外側面を、被押圧面23に対して遠近動させる方向である第1方向(図4にαで示す方向)の移動を可能に配置されている。すなわち、1対の係合子5を、被押圧面23とカム部30との間に配置した状態で、それぞれの係合子5が、径方向外側面を被押圧面23に対して第1方向に移動できるように、被押圧面23の内径及び係合子5の径方向寸法が規制されている。
1対の係合子5は、径方向外側面に、それぞれが被押圧面23に対向し、かつ、円周方向に互いに離隔した1対の押圧面41を有する。それぞれの押圧面41は、被押圧面23の曲率半径よりも小さい曲率半径を有する部分円筒面状の凸曲面により構成されている。なお、1対の係合子5の径方向外側面のうち、1対の押圧面41から円周方向に外れた部分は、軸方向から見た場合に、入力部材4の中心軸Oを中心とし、かつ、1対の押圧面41に接する仮想円よりも、径方向内側に存在している。すなわち、1対の押圧面41が被押圧面23に当接した状態で、1対の係合子5の径方向外側面のうち、1対の押圧面41から円周方向に外れた部分は、被押圧面23に当接しない。
それぞれの押圧面41は、係合子5のその他の部分よりも被押圧面23に対する摩擦係数が大きい表面性状を有することが好ましい。又、それぞれの押圧面41は、係合子5のその他の部分と一体に構成することもできるし、係合子5のその他の部分に、貼着や接着等により固定された摩擦材に表面に形成することもできる。
又、1対の係合子5は、径方向内側面のうち、第1方向と出力部材3の中心軸Oとに直交する第2方向(図4にβで示す方向)に関する中央部に、略台形状の係合凹部42を有する。
係合凹部42は、後述する逆入力遮断クラッチ1のフリー状態において、入力部材4のカム部30の短軸方向端部と、第2方向βに関するがたつきなく係合する。すなわち、本例では、カム部30の短軸方向端部が、入力部材側ガイド部を構成し、かつ、係合凹部42が、係合子側ガイド部を構成する。係合凹部42の内面は、底面43と、1対の側面部44とから構成されている。
底面43は、第1方向に直交する平坦面により構成されている。底面43の長さ寸法(第2方向に関する長さ寸法)は、カム部30の第1平坦面部33の長さ寸法と同じか、又は、第1平坦面部33の長さ寸法よりもわずかに長い。
1対の側面部44は、係合凹部42の内面のうち、第2方向に関して両側に配置され、かつ、第2方向に関して互いに対向している。本例では、1対の側面部44は、係合子5の径方向内側に向かうほど、すなわち第1方向に関して被押圧面23から離れる方向に向かうほど、互いの間隔が拡がる方向に傾斜した凹曲面により構成されている。したがって、係合凹部42の第2方向に関する幅寸法は、開口側に向かうほど大きくなっている。1対の側面部44は、カム部30の接続面部35の曲率半径と同じ大きさの曲率半径、又は、接続面部35の曲率半径よりもわずかに大きい曲率半径を有する。なお、底面43と側面部44とは、互いの端部同士を接線方向に滑らかに接続している。
このため、逆入力遮断クラッチ1のフリー状態では、底面43が、第1平坦面部33に面接触し、かつ、1対の側面部44が、接続面部35に面接触する。
さらに、1対の係合子5は、径方向内側面のうち、第2方向に関して係合凹部42を挟む両側部分に、半長円形状の切り欠き部45を有し、かつ、切り欠き部45の径方向外側に位置する部分に、軸方向に貫通する係止孔46を有する。
1対の力付与部材6は、1対の係合子5に対して、1対の押圧面41が被押圧面23から離れる方向の力を付与する。本例では、1対の力付与部材6は、1対の係合子5に対して互いに近づく方向の弾力を付与している。このために、本例では、1対の力付与部材6を、引張コイルばねにより構成している。すなわち、1対の力付与部材6は、弾性を有する金属線を螺旋状に曲げ成形してなるコイル部77と、該コイル部77の両側の端部から略L字形に折れ曲がった1対の係止腕部78とを備える。
それぞれの力付与部材6は、係止腕部78を係止孔46に係止(挿通)することにより、1対の係合子5同士の間にかけ渡されて、1対の係合子5に対して互いに近づく方向の弾力を付与する。これにより、1対の係合子5の係合凹部42により、入力部材4のカム部30を径方向両側から弾性的に挟持している。具体的には、底面43を第1平坦面部33に対して弾性的に押し付け、かつ、側面部44を接続面部35に対して弾性的に押し付けている。そして、逆入力遮断クラッチ1のフリー状態で、カム部30の長軸方向が係合子5の径方向内側面と略平行になるようにカム部30の姿勢(回転位相)を規制し、被押圧面23と1対の押圧面41との間に隙間79が形成されるようにしている。
なお、1対の力付与部材6を、1対の係合子5同士の間にかけ渡した状態で、コイル部77の長さ方向両側部分と1対の係止腕部78とは、切り欠き部45の内側に配置されている。
<逆入力遮断クラッチ1の動作説明>
次に、本例の逆入力遮断クラッチ1の動作について説明する。
まず、入力部材4の回転に伴って1対の係合子5に作用する1対の押圧面41を被押圧面23に近づける方向の力Fが、1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力fよりも大きい(F>f)場合について説明する。
入力部材4に回転トルクが入力されると、図5に示すように、カム部30が、1対の係合凹部42同士の内側で、入力部材4の回転方向(図5の例では時計方向)に回転しようとする。すると、カム部30の接続面部35が、係合凹部42の底面43を押圧する。このとき、接続面部35が底面43を押圧することに基づいて、1対の係合子5が1対の押圧面41を被押圧面23に近づける方向に径方向外側に移動しようとする力と、1対の係合子5が入力部材4の中心軸Oを中心に回転することに伴い1対の係合子5に作用する遠心力との合力Fが、1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力fよりも大きくなると、1対の係合子5が、1対の押圧面41を被押圧面23に近づける方向に径方向外側に移動する。そして、1対の押圧面41を被押圧面23に押し付けて摩擦係合させ、1対の係合子5を、カム部30と被押圧面23との間で突っ張らせる。これにより、逆入力遮断クラッチ1を、入力部材4から出力部材3に回転トルクを伝達可能なロック状態に切り換える。この結果、入力部材4に入力された回転トルクは、1対の係合子5を介して、出力部材3に伝達され、出力部材3から出力される。
本例の逆入力遮断クラッチ1は、前記合力Fが1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力fよりも大きい場合には、入力部材4の回転方向に関係なく、1対の係合子5を、第1方向に関して被押圧面23に近づく方向にそれぞれ移動させる。そして、入力部材4に入力された回転トルクを、1対の係合子5を介して、出力部材3に伝達する。
次に、入力部材4の回転に伴って1対の係合子5に作用する1対の押圧面41を被押圧面23に近づける方向の力Fが、1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力f以下である(F≦f)場合について説明する。
入力部材4に回転トルクが入力されていない場合を含め、入力部材4の回転に伴って1対の係合子5が1対の押圧面41を被押圧面23に近づける方向に径方向外側に移動しようとする力と、1対の係合子5に作用する遠心力との合力Fが、1対の力付与部材6が係合子5に付与する力f以下である場合、1対の力付与部材6が係合子5に付与する力fに基づいて、被押圧面23と1対の押圧面41との間に隙間79が形成される。これにより、逆入力遮断クラッチ1は、入力部材4と出力部材3との間で回転トルクが伝達されないフリー状態に切り換える。この結果、出力部材3が入力部材4に対して空転する、及び/又は、入力部材4が出力部材3に対して空転する。
本例の逆入力遮断クラッチ1は、前記合力Fが1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力f以下である場合、入力部材4や出力部材3の回転方向に関係なく、入力部材4と出力部材3との間で回転トルクを伝達しない。
なお、1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力(弾力)の大きさは、入力部材4から出力部材3に伝達すべきトルク及び回転数の最小値に応じて、適切に設定する。
以上の構成を有し、上述のように動作する本例の逆入力遮断クラッチ1によれば、特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチと同様の理由により、軸方向寸法を短くでき、かつ、部品点数を抑えることができるとともに、出力部材3に回転トルクが逆入力された際に、出力部材3を安定して空転させることができる。
すなわち、本例の逆入力遮断クラッチ1は、入力部材4の回転及び力付与部材6が発揮する力を利用して、係合子5の遠近方向の移動(径方向の移動)を制御する。具体的には、それぞれが引張コイルばねにより構成される1対の力付与部材6の弾力を利用して1対の係合子5を径方向内側に引っ張ることで、入力部材4に回転トルクが入力されていない状態で、被押圧面23と1対の押圧面41との間に隙間79を形成しておく。そして、入力部材4の回転に伴って1対の係合子5に作用する1対の押圧面41を被押圧面23に近づける方向の力Fが、1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力fよりも大きくなった場合に、カム部30を係合子5に対して相対回転させることで、1対の係合子5を径方向外側に移動させ、1対の押圧面41を被押圧面23に対して当接させる。
これに対し、入力部材4の回転に伴って1対の係合子5に作用する1対の押圧面41を被押圧面23に近づける方向の力Fが、1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力f以下である場合、1対の力付与部材6の弾力によって形成される被押圧面23と1対の押圧面41との間に隙間79に基づいて、入力部材4及び/又は出力部材3を空転させる。このように、本例の逆入力遮断クラッチ1は、入力部材4の回転及び1対の力付与部材6の弾力によって制御される1対の係合子5の遠近方向の移動に基づき、入力部材4から出力部材3に回転トルクが伝達可能になるロック状態と、入力部材4と出力部材3との間での回転トルクの伝達を遮断するフリー状態とを切り替えることができる。したがって、逆入力遮断クラッチ1の装置全体の軸方向寸法を短くできる。
又、1対の係合子5に、入力部材4に入力された回転トルクを出力部材3に伝達する機能と、被押圧面23から離れるように径方向に移動して、入力部材4と出力部材3との間での回転トルクの伝達を遮断する機能との両方の機能を持たせている。このため、逆入力遮断クラッチ1の部品点数を抑えることができ、かつ、両機能をそれぞれ別の部材に持たせる場合に比べて、動作を安定させることができる。たとえば、回転トルクを伝達する機能と回転トルクを遮断する機能とを別の部材に持たせる場合、出力部材に逆入力される回転トルクの遮断を解除するタイミングと、入力部材から出力部材に回転トルクの伝達を開始するタイミングとがずれる可能性がある。この場合、回転トルクの遮断を解除してから出力部材への回転トルクの伝達を開始するまでの間に出力部材に回転トルクが逆入力されると、再び回転トルクが遮断されてしまう可能性がある。本例では、係合子5に、入力部材4に入力された回転トルクを出力部材3に伝達する機能と、出力部材3に逆入力された回転トルクを遮断する機能との両方の機能を持たせているため、このような不都合が生じることを防止できる。
又、入力部材4から1対の係合子5に作用する力の向きと、1対の力付与部材6から1対の係合子5に付与する力の向きとを逆向きにしているため、両方の力の大小関係を規制することで、1対の係合子5の移動方向を制御できる。このため、入力部材4から出力部材3への回転トルクの伝達が可能なロック状態と、入力部材4と出力部材3との間での回転トルクの伝達が不能なフリー状態との切り換え動作を安定して確実に行うことができる。
さらに本例では、入力部材4の回転に伴って1対の係合子5に作用する1対の押圧面41を被押圧面23に近づける方向の力Fが、1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力fよりも大きくなった場合には、係合子5の径方向外側面に形成された1対の押圧面41を、出力部材3の内周面に形成された円筒面状の凹面である被押圧面23に押し付け、入力部材4から出力部材3へと回転トルクを伝達する。これに対し、入力部材4の回転に伴って1対の係合子5に作用する1対の押圧面41を被押圧面23に近づける方向の力Fが、1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力f以下になると、1対の力付与部材6の弾力によって、1対の押圧面41を被押圧面23から離隔させる。したがって、本例の逆入力遮断クラッチ1によれば、特開2004-84918号公報に記載された従来構造のように、転動体がくさび形空間の幅狭部から幅広部に移動できなくなり、出力部材がロックされたままになることを有効に防止できる。したがって、入力部材4の回転に伴って1対の係合子5に作用する1対の押圧面41を被押圧面23に近づける方向の力Fが、1対の力付与部材6が1対の係合子5に付与する力f以下になり、出力部材3に回転トルクが逆入力された際に、出力部材3を安定して空転させることができる。さらに、1対の力付与部材6は、入力部材4の惰性回転等によって1対の係合子5に作用する遠心力のみに基づき、1対の押圧面41が被押圧面23に当接することを防止できるため、出力部材3に逆入力された回転トルクが、入力部材4に伝達されることを有効に防止できる。
さらに、逆入力遮断クラッチ1を構成する係合子5は、熱処理やコーティング処理等によって、表面硬度を容易に高めることができる。このため、係合子5に摩耗を生じにくくすることができるので、逆入力遮断クラッチ1全体としての耐久性を高めることができる。
又、本例の逆入力遮断クラッチ1は、特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチと比較して、さらなる小型化を図りやすい。すなわち、本例の逆入力遮断クラッチ1では、1対の係合子5が、径方向外側面の周方向に離隔した2箇所に押圧面41を有している。このため、本例の逆入力遮断クラッチ1によれば、特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチのように、1つの押圧面を被押圧面に摩擦係合させる場合と比較して、被押圧面23と1対の押圧面41との摩擦係合力を、くさび効果によって大きくすることができる。したがって、本例の逆入力遮断クラッチ1は、出力部材3と係合子5との間の摩擦係合力を同じとした場合、特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチと比べて、外径寸法及び/又は軸方向寸法を小さくすることができる。
又、特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチでは、係合子の径方向内側面に形成した係合凹部(入力係合凹部)の底面の第2方向に関する寸法を、入力部材のカム部(入力係合カム)の長軸方向に関する寸法よりも大きくしている。したがって、入力部材と出力部材との間で回転トルクが伝達されないフリー状態において、係合子が入力部材に対して第2方向にずれ動く可能性がある。このため、フリー状態における被押圧面と押圧面との間の隙間の径方向寸法を、ある程度大きく確保しておく必要がある。
これに対し、本例の逆入力遮断クラッチ1では、フリー状態において、入力部材4のカム部30の短軸方向端部と、1対の係合子5の係合凹部42とを第2方向に関してがたつきなく係合させている。したがって、フリー状態において、1対の係合子5が入力部材4に対して第2方向にずれ動くことを防止できる。このため、フリー状態における被押圧面23と1対の押圧面41との間の隙間79の径方向寸法を小さくすることができる。この面からも、本例の逆入力遮断クラッチ1は、特開2020-8124号公報に記載の逆入力遮断クラッチと比較して、さらなる小型化を図りやすい。
なお、本例の逆入力遮断クラッチ1では、カム部30の長軸方向に関する幅寸法を、短軸方向の端部に向かうほど小さくし、かつ、係合凹部42の第2方向に関する幅寸法を、開口側に向かうほど大きくしている。このため、図5→図6及び図7(A)→図7(B)に示すように、逆入力遮断クラッチ1がロック状態からフリー状態に切り換わる際に、カム部30の短軸方向端部の長軸方向両側に位置する1対の接続面部35により、係合凹部42の第2方向両側に位置する1対の側面部44が案内されることで、1対の係合子5が第2方向に移動することが規制される。このため、フリー状態において、入力部材4のカム部30の短軸方向端部と、1対の係合子5の係合凹部42とを第2方向に関してがたつきなく係合させる場合でも、ロック状態からフリー状態への切り換えを円滑に行うことができる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図9~図14により説明する。本例の逆入力遮断クラッチ1aでは、フリー状態において、1対の係合子5aが入力部材4aに対して第2方向にずれ動くことを防止するための係合部の構造が、実施の形態の第1例と異なる。
入力部材4aは、カム部30aのうち、短軸方向両側に配置された1対の第1平坦面部33の長軸方向中央部から径方向外側に向けて突出した1対の係合凸部47を有する。1対の係合凸部47は、軸方向から見て四分の一円弧形の輪郭形状を有する。本例では、1対の係合凸部47の外周面は、入力部材4aの中心軸Oを中心とする単一の円筒面上に存在している。
1対の係合子5aは、径方向内側面のうち、第2方向に関する中央部に、四分の一円弧形の係合凹部42aを有する。係合凹部42aの内面は、係合凸部47の曲率半径と同じ大きさの曲率半径又は係合凸部47の曲率半径よりもわずかに大きい曲率半径を有する部分円筒面状の凹曲面により構成されている。したがって、係合凹部42aは、逆入力遮断クラッチ1aのフリー状態において、係合凸部47とがたつきなく係合する。すなわち、本例では、係合凸部47が、入力部材側ガイド部を構成し、かつ、係合凹部42aが、係合子側ガイド部を構成する。
本例の逆入力遮断クラッチ1aでは、入力部材4aに回転トルクが入力されると、図11に示すように、カム部30aの接続面部35が、係合子5aのうち、係合凹部42aから外れた部分を押圧する。すなわち、本例では、フリー状態において係合子5aの係合凹部42aと係合する係合凸部47aは、カム部30aのうちで入力部材4aへの回転トルクの入力時に係合子5aを押圧する部分である接続面部35よりも、第2方向に関して入力部材4aの中心軸Oに近い側に位置している。
本例の逆入力遮断クラッチ1aによれば、製造コストを低減しやすい。
すなわち、実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチ1では、フリー状態において、カム部30の短軸方向端部と、係合凹部42とを、第2方向に関してがたつきなく係合させるべく、カム部30の短軸方向端部の外面及び係合凹部42の内面に、研磨等の仕上加工を施す必要がある。実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチ1では、カム部30の短軸方向端部の外面と、係合凹部42の内面とが、曲率半径が異なる複数の面を組み合わせなる複合面により構成されている。具体的には、カム部30の短軸方向端部の外面は、1対の接続面部35同士を第1平坦面部33により接続することにより構成されているため、カム部30の外面に仕上加工を施す際に、1対の接続面部35と第1平坦面部33とにそれぞれ別々に仕上加工を施す必要がある。又、係合凹部42の内面は、1対の側面部44を底面43により接続することにより構成されているため、係合凹部42に仕上加工を施す際に、1対の側面部44と底面43とにそれぞれ別々に仕上加工を施す必要がある。
これに対して、本例の逆入力遮断クラッチ1aでは、フリー状態において互いに係合する、係合凹部42aの内面と係合凸部47の外面とは、いずれも単一の部分円筒面により構成されている。したがって、係合凹部42aの内面に仕上加工を施す際には、該係合凹部42aの内面全体に一度で仕上加工を施すことができる。又、係合凸部47の外面に仕上加工を施す際には、該係合凸部47の外面全体に一度で仕上加工を施すことができる。このため、本例の逆入力遮断クラッチ1aは、実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチ1に比べて、製造コストを低減しやすい。その他の部分の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図15~図20により説明する。本例の逆入力遮断クラッチ1bでは、フリー状態において、1対の係合子5bが入力部材4bに対して第2方向にずれ動くことを防止するための係合部の構造が、実施の形態の第1例及び第2例と異なる。
入力部材4bは、軸本体48と、1対のピン49とを備える。
軸本体48は、軸方向他側から順に、大径軸部29と、カム部30bとを有する。カム部30bは、短軸方向両側に配置された1対の第1平坦面部33の長軸方向中央部に、断面半円形の凹部50を有する。
1対のピン49は、円柱形状を有し、カム部30bの短軸方向両側に支持固定されている。具体的には、1対のピン49の基端部(軸方向片側の端部)を、大径軸部29の軸方向片側面に開口する圧入孔に内嵌固定することで、1対のピン49を軸本体48に支持固定している。これにより、1対のピン49の半部を、カム部30bのうち、短軸方向両側に配置された1対の第1平坦面部33の長軸方向中央部から径方向外側に向けて突出させることで、1対の係合凸部47aを設けている。
1対の係合子5bは、径方向内側面のうち、第2方向に関する中央部に、係合凹部42bを有する。係合凹部42bの内面は、凹曲面部51と、1対の傾斜面部52とを有する複合面により構成されている。凹曲面部51は、係合凸部47a(ピン49)の曲率半径と同じ大きさの曲率半径又は係合凸部47aの曲率半径よりもわずかに大きい曲率半径を有する。1対の傾斜面部52は、軸方向から見た場合に、凹曲面部51の端部から該凹曲面部51の端部における接線方向に伸長する平坦面により構成されている。
本例の逆入力遮断クラッチ1bでは、入力部材4bに回転トルクが入力されると、図17に示すように、カム部30bの接続面部35が、係合子5bのうち、係合凹部42bから外れた部分を押圧する。すなわち、本例では、フリー状態において係合子5bの係合凹部42bと係合する係合凸部47aは、カム部30bのうちで入力部材4bへの回転トルクの入力時に係合子5bを押圧する部分である接続面部35よりも、第2方向に関して入力部材4bの中心軸Oに近い側に位置している。
本例では、軸本体48に、それぞれが円柱状の1対のピン49を支持固定することにより、係合凸部47aを設けているため、係合凸部47aの形状精度を確保しやすい。すなわち、係合凸部47aの形状精度を確保しつつ、製造コストを抑えることができる。その他の部分の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例及び第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例について、図21を用いて説明する。本例の特徴は、逆入力遮断クラッチ1を、エンジン駆動装置53に適用した点にある。以下、本例のエンジン駆動装置53について、具体的に説明する。
エンジン54の始動時には、スタータモータ55によって、エンジン54を始動可能な回転数までクランクシャフト56を回転駆動することが行われている。ところが、エンジン54は、運転を一旦開始してしまえば、スタータモータ55がなくても運転を継続することができる。このため、スタータモータ55とエンジン54とを、両方向のトルク伝達を可能に接続していると、エンジン54が運転を開始した後には、スタータモータ55はエンジン54にとって負荷になる。
そこで、本例のエンジン駆動装置53では、スタータモータ55とエンジン54との間に、逆入力遮断クラッチ1を設けている。これにより、スタータモータ55からクランクシャフト56へはトルクを伝達するが、クランクシャフト56からスタータモータ55へはトルクを伝達しないようにしている。逆入力遮断クラッチ1の基本的な構成は、実施の形態の第1例の構造と同じである。
特に本例では、逆入力遮断クラッチ1を構成する入力部材4を、スタータモータ55のモータ出力軸57と一体に設けている。又、逆入力遮断クラッチ1を構成する出力部材3を、先端部にピニオン58を有するピニオン軸59と一体に設けている。このため、モータ出力軸57の先端部には、略長円柱状のカム部30(図1~図6参照)が設けられており、ピニオン軸59の基端部には、内周面に被押圧面23を有する円筒部16(図1~図6参照)が設けられている。そして、カム部30と円筒部16との間には、カム部30を径方向両側から挟持するように1対の係合子5(図1~図6参照)が配置されている。又、1対の係合子5に架け渡すように1対の力付与部材6(図2~図6参照)が設けられている。又、ピニオン58は、クランクシャフト56に固定したフライホイール60の外周面に形成されたリングギヤ61と噛合している。
以上のような構成を有する本例のエンジン駆動装置53では、エンジン54を始動する際に、スタータモータ55を回転駆動する。これにより、スタータモータ55のモータ出力軸57の回転を、逆入力遮断クラッチ1、ピニオン58とリングギヤ61との噛合部を介して、クランクシャフト56に伝達する。そして、クランクシャフト56の回転数を、エンジン54を始動可能な回転数まで上昇させて、エンジン54を始動させる。又、このようにエンジン54が始動した後は、スタータモータ55の駆動を停止する。エンジン54が始動すると、クランクシャフト56はスタータモータ55によらずに回転する。このため、逆入力遮断クラッチ1には、ピニオン軸59(クランクシャフト56)から回転トルクが逆入力されるが、力付与部材6の弾力によって被押圧面23と1対の押圧面41との間には隙間79を有しているため、ピニオン軸59の回転はモータ出力軸57には伝達されず、ピニオン軸59は空転する。このように本例では、クランクシャフト56から逆入力される回転トルクがスタータモータ55に伝達されることを防止できる。このため、エンジン54の始動後に、スタータモータ55が負荷になることを防止できて、エンジン54の燃費性能を向上することができる。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例について、図22を用いて説明する。本例の特徴は、逆入力遮断クラッチ1を、ステアリング装置62に適用した点にある。以下、本例のステアリング装置62について、具体的に説明する。
ステアリング装置62は、左右1対の操舵輪63にステアリングホイール64の操作量に応じた舵角を付与するためのもので、万が一故障が生じた場合にも、乗員の安全を保障できるようにするために、ステアリングホイール64と操舵輪63とを、ステアリングホイール64の操作に基づいて回転するステアリングシャフト等の回転軸65、ステアリングギヤユニット66及びタイロッド67等を介して機械的に接続することが行われている。
ところで、近年、自動車の自動運転技術が急速に進展している。このため、近い将来、自動車の自動運転のレベルは、特定の条件下においては自動車が自動で運転を行うレベル(レベル3、4)や、完全自動運転のレベル(レベル5)にまで到達すると考えられている。このような自動運転技術を備えた自動車においては、運転者がステアリングホイール64を操作しなくても、自動車が自動的に操舵輪63に舵角を付与する。このため、自動運転技術を備えた自動車では、ステアリングホイール64と操舵輪63とが単に機械的に接続されていると、自動車が自動的に操舵輪63に舵角を付与した際に、ステアリングホイール64が回転することになる。この場合、ステアリングホイール64に運転者の衣服が巻き込まれたり、回転するステアリングホイール64に運転者の身体がぶつかったりする等の問題が生じる可能性がある。
そこで、本例のステアリング装置62では、ステアリングホイール64の操作に基づいて回転するステアリングシャフト等の回転軸65の途中に、逆入力遮断クラッチ1を設けている。具体的には、回転軸65を、互いに同軸に配置された入力側回転軸68と出力側回転軸69とを、逆入力遮断クラッチ1を介して接続することにより構成している。そして、自動運転を行う際には、出力側回転軸69又は出力側回転軸69よりも操舵輪63側に存在する回転部材を、図示しない駆動モータやウォーム減速機等の駆動装置を用いて回転駆動し、操舵輪63に舵角を付与する。
又、本例に用いる逆入力遮断クラッチ1の基本的な構成は、実施の形態の第1例の構造と同じであるが、逆入力遮断クラッチ1を構成する入力部材4を、入力側回転軸68と一体に設けており、逆入力遮断クラッチ1を構成する出力部材3を、出力側回転軸69と一体に設けている。このため、入力側回転軸68の前端部には、略長円柱状のカム部30(図1~図6参照)が設けられており、出力側回転軸69の後端部には、内周面に被押圧面23を有する円筒部16(図1~図6参照)が設けられている。そして、カム部30と円筒部16との間には、カム部30を径方向両側から挟持するように1対の係合子5(図1~図6参照)が配置されている。又、1対の係合子5に架け渡すように1対の力付与部材6(図2~図6参照)が設けられている。
上述のような本例のステアリング装置62では、運転者がステアリングホイール64を操作し、入力側回転軸68に回転トルクが入力されると、入力側回転軸68の回転を、逆入力遮断クラッチ1を介して、出力側回転軸69(出力部材3)に伝達する。そして、操舵輪63に対して、ステアリングホイール64の操作量に応じた舵角を付与する。
これに対し、自動運転を行う際に、図示しない駆動装置が、出力側回転軸69又は出力側回転軸69よりも操舵輪63側に存在する回転部材を回転駆動し、出力側回転軸69に回転トルクが逆入力されると、力付与部材6の弾力によって被押圧面23と1対の押圧面41との間に形成された隙間79に基づき、出力側回転軸69を空転させる。これにより、出力側回転軸69から逆入力された回転トルクが、入力側回転軸68に伝達されることを防止できる。したがって、自動車が自動的に操舵輪63に舵角を付与した際に、その舵角の向き及び大きさにかかわらず、ステアリングホイール64が回転することを防止できる。この結果、ステアリングホイール64が、運転者の操作によらずに回転することに起因して問題が生じることを防止できる。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
[実施の形態の第6例]
本発明の実施の形態の第6例について、図23を用いて説明する。本例の特徴は、逆入力遮断クラッチ1を、電動式カーテン開閉装置70に適用した点にある。以下、本例の電動式カーテン開閉装置70について、具体的に説明する。
本例の電動式カーテン開閉装置70は、窓の室内側に遮光や保温等を目的として取り付けられるカーテン71を電動で開閉するものであり、無端ベルト72と、駆動プーリ73と、従動プーリ74と、駆動モータ75と、逆入力遮断クラッチ1を備えている。
無端ベルト72は、駆動プーリ73と従動プーリ74との間に架け渡された状態で、図示しないカーテンレール内に配置されている。このような無端ベルト72には、カーテン71の上部が留め具を介して吊り下げ支持されている。駆動プーリ73は、駆動モータ75により回転駆動されるもので、外周面に形成された歯部を無端ベルト72の内周面に形成された歯部に噛合させている。従動プーリ74は、カーテンレール内に回転自在に支持されており、外周面に形成された歯部を無端ベルト72の内周面に形成された歯部に噛合させている。本例では、駆動プーリ73と、駆動プーリ73を回転駆動する駆動モータ75との間に、逆入力遮断クラッチ1を設けている。これにより、駆動モータ75から駆動プーリ73へはトルクを伝達するが、駆動プーリ73から駆動モータ75へはトルクを伝達しないようにしている。逆入力遮断クラッチ1の基本的な構成は、実施の形態の第1例の構造と同じである。
特に本例の電動式カーテン開閉装置70では、逆入力遮断クラッチ1を構成する入力部材4(図1~図6参照)を、駆動モータ75の出力軸と一体に設けている。又、逆入力遮断クラッチ1を構成する出力部材3(図1~図6参照)を、先端部に駆動プーリ73を有するプーリ軸76と一体に設けている。このため、出力軸の先端部には、略長円柱状のカム部30(図1~図6参照)が設けられており、プーリ軸76の基端部には、内周面に被押圧面23を有する円筒部16(図1~図6参照)が設けられている。そして、カム部30と円筒部16との間には、カム部30を径方向両側から挟持するように1対の係合子5(図1~図6参照)が配置されている。又、1対の係合子5にかけ渡すように1対の力付与部材6(図2~図6参照)が設けられている。
以上のような構成を有する本例の電動式カーテン開閉装置70では、カーテン71を開閉する際に、駆動モータ75を駆動し、駆動モータ75の出力軸を所定方向に所定量だけ回転駆動する。これにより、駆動モータ75の出力軸の回転を、逆入力遮断クラッチ1及び駆動プーリ73を介して無端ベルト72に伝達する。そして、無端ベルト72を回転させることで、カーテン71を開閉する(水平移動させる)。又、カーテン71を手動にて開閉する際には、カーテン71を水平移動させることで、無端ベルト72を回転させる。これにより、逆入力遮断クラッチ1には、駆動プーリ73のプーリ軸76から回転トルクが逆入力されるが、力付与部材6の弾力によって被押圧面23と1対の押圧面41との間には隙間79を有しているため、プーリ軸76の回転は出力軸には伝達されず、プーリ軸76は空転する。このように本例では、駆動プーリ73のプーリ軸76から逆入力される回転トルクが駆動モータ75に伝達されることを防止できる。したがって、本例の電動式カーテン開閉装置70では、停電時等、駆動モータ75に電力を供給できない場合にも、手動にてカーテン71を軽い力で開閉することができる。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
実施の形態の第4例~第6例では、実施の形態の第1例に係る逆入力遮断クラッチを適用した例について説明したが、エンジン駆動装置やステアリング装置、電動式カーテン装置に、実施の形態の第2例又は第3例に係る逆入力遮断クラッチを適用することができる。又、本発明の逆入力遮断クラッチは、エンジン駆動装置やステアリング装置、電動式カーテン開閉装置の他、各種機械装置に適用することができる。たとえば、本発明の逆入力遮断クラッチを、ドアの開閉を行う電動式ドア開閉装置に適用することができる。
逆入力遮断クラッチを構成する係合子の数は、実施の形態で示した2個に限らず、1個でも良いし、3個以上としても良い。又、入力部材及び出力部材と係合子との係合構造に関しても、実施の形態で示した構造に限定されない。入力部材の回転を係合子の径方向移動に変換可能であれば、従来から知られた各種構造を採用できる。又、力付与部材は、実施の形態で示した構造に限定されず、1対の押圧面が被押圧面から離れるように係合子に力を付与できる構造であれば、各種構造を採用できる。又、逆入力遮断クラッチ装置に組み込む力付与部材の数も、2個に限らず、1個でも良いし、3個以上であっても良い。力付与部材を1個のみ設ける場合には、カム部に形成した貫通孔内に力付与部材を配置することができる。
1、1a、1b 逆入力遮断クラッチ
2 ハウジング
3 出力部材
4、4a、4b 入力部材
5、5a、5b 係合子
6 力付与部材
7 側板部
8 大径筒部
9 小径筒部
10 内向フランジ部
11 通孔
12 ボルト
13 固定部材
14 ねじ孔
15 出力軸部
16 円筒部
17 側板部
18 小径部
19 大径部
20 小径円筒面部
21 大径円筒面部
22 段差部
23 被押圧面
24 ラジアルニードル軸受
25 外輪
26 保持器
27 ニードル
28 シール部材
29 大径軸部
30、30a、30b カム部
31 小径軸部
32 外向フランジ部
33 第1平坦面部
34 第2平坦面部
35 接続面部
36a、36b ラジアル転がり軸受
37a、37b 外輪
38a、38b 内輪
39a、39b 転動体
40a、40b、40c、40d 止め輪
41 押圧面
42、42a、42b 係合凹部
43 底面
44 側面部
45 切り欠き部
46 係止孔
47、47a 係合凸部
48 軸本体
49 ピン
50 凹部
51 凹曲面部
52 傾斜面部
53 エンジン駆動装置
54 エンジン
55 スタータモータ
56 クランクシャフト
57 モータ出力軸
58 ピニオン
59 ピニオン軸
60 フライホイール
61 リングギヤ
62 ステアリング装置
63 操舵輪
64 ステアリングホイール
65 回転軸
66 ステアリングギヤユニット
67 タイロッド
68 入力側回転軸
69 出力側回転軸
70 電動式カーテン開閉装置
71 カーテン
72 無端ベルト
73 駆動プーリ
74 従動プーリ
75 駆動モータ
76 プーリ軸
77 コイル部
78 係止腕部
79 隙間

Claims (6)

  1. 内周面に被押圧面を有する出力部材と、
    前記被押圧面の径方向内側に配置されたカム部を有し、前記被押圧面と同軸に配置された入力部材と、
    前記被押圧面とそれぞれ対向し、かつ、円周方向に互いに離隔した1対の押圧面を有する係合子と、
    前記被押圧面から前記1対の押圧面が離れる方向の力を前記係合子に付与する力付与部材と、
    を備え、
    前記入力部材への回転トルクの入力に伴って前記係合子に作用する前記1対の押圧面を前記被押圧面に近づける方向の力が、前記力付与部材が前記係合子に付与する力よりも大きい場合には、前記係合子が前記1対の押圧面を前記被押圧面に近づける方向に径方向に移動し、前記1対の押圧面を前記被押圧面に対して摩擦係合させて、前記入力部材に入力された回転トルクを前記出力部材に伝達するのに対し、前記入力部材に回転トルクが入力されていないか、又は、前記入力部材への回転トルクの入力に伴って前記係合子に作用する前記1対の押圧面を前記被押圧面に近づける方向の力が、前記力付与部材が前記係合子に付与する力以下である場合には、前記力付与部材が前記係合子に付与する力に基づいて前記被押圧面と前記1対の押圧面との間に隙間を形成することにより、前記入力部材と前記出力部材との間でトルクを伝達しない、
    逆入力遮断クラッチ。
  2. 前記入力部材が、入力部材側ガイド部を有し、かつ、前記係合子が、係合子側ガイド部を有しており、
    前記力付与部材が前記係合子に付与する力に基づいて前記被押圧面と前記1対の押圧面との間に前記隙間が形成されている状態で、前記入力部材側ガイド部と前記係合子側ガイド部とが、前記被押圧面に対する前記1対の押圧面の遠近方向である第1方向と前記入力部材の中心軸とに直交する第2方向に関するがたつきなく係合する、
    請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. 前記入力部材側ガイド部が、軸方向から見て単一円弧形の輪郭形状を有する凸曲面により構成されている、
    請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  4. 前記係合子が前記カム部を径方向外側から挟むように1対備えられている、
    請求項1~3のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  5. 前記力付与部材が、1対の前記係合子同士の間にかけ渡すように備えられている、
    請求項4に記載の逆入力遮断クラッチ。
  6. 前記力付与部材が、弾性部材により構成されている、
    請求項1~5のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
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