JP2023064612A - レーザ溶接品質判定システムおよびレーザ溶接品質判定方法 - Google Patents

レーザ溶接品質判定システムおよびレーザ溶接品質判定方法 Download PDF

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克典 椎原
Katsunori Shiihara
翔太 荒木
Shota Araki
智也 井上
Tomoya Inoue
崇史 濱田
Takashi Hamada
晋作 天野
Shinsaku Amano
剛史 小川
Takashi Ogawa
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Abstract

【課題】溶接の品質に影響する変化量を閾値として設定可能であり、溶接の品質の安定化を図ることができるレーザ溶接品質判定技術を提供する。【解決手段】レーザ溶接品質判定システム1は、制御装置3を備え、制御装置3は、溶接条件を変更しつつ試験体の表面にレーザを照射して溶接を行ったときに観察部6で観察された照射部分の位置を示す情報を含む試験用観察データを取得し、溶接後の評価で得られた試験体の溶接の品質を示す情報を含む品質評価データを取得し、試験用観察データと品質評価データを比較して決定される値であって被加工物の溶接の品質の判定に用いる判定用閾値を取得し、被加工物の表面にレーザを照射して溶接を行ったときに観察部6で観察された照射部分の位置を示す情報を含む判定用観察データを取得し、判定用観察データと判定用閾値に基づいて被加工物の溶接の品質を判定する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、レーザ溶接品質判定技術に関する。
レーザ溶接は、特定の波長の光を光学系で任意の形状にして集光し、母材を溶融接合する技術である。このようなレーザ溶接では、高エネルギー密度を得られる利点からアーク溶接と比較して高速で、かつ溶け込みの深い溶接が可能である。そのため、適用範囲が拡大している。従来からレーザ溶接の施工中の品質のモニタリングを行う取り組みとして様々な検討が行われている。例えば、レーザの照射部分を観察するカメラを設け、事前に撮影した映像から、異常要素を検出するためのニューラルネットワークモデルを構築し、溶接中に光検出センサにより取得したデータを教師データと比較し、異常要素を検出する技術が知られている。また、レーザが照射された部分を撮影するカメラにより得られた画像を、溶接状態ごとに教示画像として機械学習させ、一致度を判定基準としてフィードバックすることで、溶接の品質の維持する技術が知られている。
特開2010-52009号公報 特開2020-163413号公報
従来の技術は、いずれも溶接ヘッドに搭載された同軸カメラの画像から取得した情報のみを用いるモニタリング技術である。この技術は、同軸カメラので、レーザの軸上および垂直面で発生する事象を2次元的に取得するものであり、溶け込み深さの変動またはハンピングなどの溶接の品質に影響を及ぼす溶融池およびレーザが照射された部分の3次元的な変動を取得することができない。そのため、溶接の品質の安定化を図ることができないという課題がある。
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、溶接の品質に影響する変化量を閾値として設定可能であり、溶接の品質の安定化を図ることができるレーザ溶接品質判定技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るレーザ溶接品質判定システムは、レーザを被加工物の表面に照射して前記被加工物の溶接を行うレーザ溶接装置と、前記レーザ溶接装置を制御する制御装置と、前記レーザが照射される前記被加工物の表面における照射部分を観察する少なくとも1つの観察部と、を備え、前記制御装置は、溶接条件を変更しつつ試験体の表面に前記レーザを照射して溶接を行ったときに前記観察部で観察された前記照射部分の位置を示す情報を含む試験用観察データを取得し、溶接後の評価で得られた前記試験体の溶接の品質を示す情報を含む品質評価データを取得し、前記試験用観察データと前記品質評価データを比較して決定される値であって前記被加工物の溶接の品質の判定に用いる判定用閾値を取得し、前記被加工物の表面に前記レーザを照射して溶接を行ったときに前記観察部で観察された前記照射部分の位置を示す情報を含む判定用観察データを取得し、前記判定用観察データと前記判定用閾値に基づいて前記被加工物の溶接の品質を判定する、ように構成されている。
本発明の実施形態により、溶接の品質に影響する変化量を閾値として設定可能であり、溶接の品質の安定化を図ることができるレーザ溶接品質判定技術が提供される。
レーザ溶接品質判定システムを示すブロック図。 母材を溶接する溶接ヘッドを示す斜視図。 (A)および(B)は第1側方カメラおよび第2側方カメラで撮影した溶融池が正常である場合の画像図。 (A)および(B)は第1側方カメラおよび第2側方カメラで撮影した溶融池が突出している場合の画像図。 (A)および(B)は第1側方カメラおよび第2側方カメラで撮影した溶融池が凹んでいる場合の画像図。 レーザの照射部分の位置と時間経過との関係を示すグラフ。 溶接欠陥点数と時間経過との関係を示すグラフ。 (A)から(G)は各々溶接不良の形態を模式的に示す断面図。 レーザ溶接品質判定方法の準備態様を示すフローチャート。 レーザ溶接品質判定方法の判定態様を示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら、レーザ溶接品質判定システムおよびレーザ溶接品質判定方法の実施形態について詳細に説明する。
図1の符号1は、本実施形態のレーザ溶接品質判定システムである。このレーザ溶接品質判定システム1は、レーザ溶接後の被加工物の品質の判定を行うものである。レーザ溶接品質判定システム1は、レーザ溶接装置2と制御装置3を備える。レーザ溶接装置2は、レーザを被加工物の表面に照射して被加工物の溶接を行うものである。制御装置3は、レーザ溶接装置2を制御するものである。制御装置3は、制御部4と記憶部5を含む。
本実施形態のレーザ溶接品質判定システム1は、CPU、ROM、RAM、HDDなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。さらに、本実施形態のレーザ溶接品質判定方法は、各種プログラムをコンピュータに実行させることで実現される。
なお、レーザ溶接品質判定システム1の各構成は、必ずしも1つのコンピュータに設ける必要はない。例えば、ネットワークで互いに接続された複数のコンピュータを用いて1つのレーザ溶接品質判定システム1を実現しても良い。例えば、レーザ溶接装置2の制御を行うコンピュータとレーザ溶接後の被加工物の品質の判定を行うコンピュータとをそれぞれ個別に設けても良い。
記憶部5には、レーザ溶接品質判定方法を行うときに必要な各種情報が記憶される。例えば、記憶部5は、所定のデータベースを含む。これらは、メモリ、HDDまたはクラウドに記憶され、検索または蓄積ができるよう整理された情報の集まりである。
また、レーザ溶接品質判定システム1は、観察部6を備える。観察部6は、レーザが照射される被加工物の表面における照射部分を含む溶融池15(図3)を観察するためのカメラとセンサで構成されている。例えば、観察部6は、第1側方カメラ7と第2側方カメラ8と同軸カメラ9と非接触形状計測センサ10とを含む。さらに、レーザ溶接品質判定システム1は、観察部6以外にも、3次元形状計測センサ11を備える。3次元形状計測センサ11は、レーザ溶接後に生じる溶接ビード18(図2)を観察するためのものである。
図2に示すように、レーザ溶接装置2は、レーザ12を出力する溶接ヘッド13を備える。この溶接ヘッド13から出力されるレーザ12が、被加工物または試験体としての母材14に照射される。なお、溶接ヘッド13の内部には、レーザ12を集光照射するための集光光学系が設けられている。
例えば、レーザ発振器(図示略)から出射されたレーザ12が、光ファイバーなどを用いて溶接ヘッド13まで伝送される。そして、このレーザ12が、溶接ヘッド13の内部の光学系により集光または結像され、母材14の表面に照射される。なお、レーザ12は、光学系により任意のビーム径に調整される。
特に図示はしないが、母材14におけるレーザ12の照射部分には、材料表面の酸化を防止するための不活性ガスが、シールドガスノズルを経由して供給されている。なお、レーザ溶接中には、母材14が固定され、かつ溶接ヘッド13が移動しても良いし、溶接ヘッド13が固定され、かつ母材14が移動しても良い。また、溶接ヘッド13と母材14の双方が同調して移動しても良い。本実施形態では、母材14が所定の固定ステージ(図示略)に固定されており、かつ溶接ヘッド13が所定のヘッド保持部(図示略)とともに移動するものとして説明する。
第1側方カメラ7と第2側方カメラ8は、溶接ヘッド13の両側方にそれぞれ設けられている。これらの側方カメラ7,8は、溶接ヘッド13に対して相対的に固定され、かつ溶接ヘッド13とともに移動し、レーザ12の照射部分を含む溶融池15から発せられる照射光16(図3)を、溶接ヘッド13が進行する進行方向の側方から観察(撮影)するものである。つまり、これらの側方カメラ7,8は、レーザ12の軸17以外の方向から溶融池15を撮影するものである。それぞれの側方カメラ7,8は、例えば、撮像素子などで構成される光検出センサを含む。
なお、本実施形態では、側方カメラ7,8が溶接ヘッド13に直接的に固定されているが、その他の態様であっても良い。例えば、溶接ヘッド13を保持するヘッド保持部(図示略)に側方カメラ7,8が固定されても良いし、溶接ヘッド13とともに側方カメラ7,8が移動するように、所定のロボットアーム(図示略)を用いて側方カメラ7,8を固定しても良い。
第1側方カメラ7は、溶接ヘッド13の進行方向(溶接方向)に対して一方の側方から溶融池15の撮影を行う。第2側方カメラ8は、第1側方カメラ7の反対側である他方の側方から溶融池15の撮影を行う。つまり、それぞれの側方カメラ7,8が、溶融池15から発せられる照射光16(図3)をそれぞれ異なる方向から観察する。このようにすれば、溶融池15(照射部分)の3次元的な変化の取得精度を向上させることができる。
同軸カメラ9は、レーザ12の軸方向から溶融池15(照射部分)を観察(撮影)するものである。この同軸カメラ9は、溶接ヘッド13に設けられている。溶接ヘッド13の内部には、溶融池15の像を同軸カメラ9まで導くために、プリズム(図示略)などの所定の屈折光学系が設けられている。
非接触形状計測センサ10は、照射部分を含む溶融池15の形状を非接触で計測するものである。この非接触形状計測センサ10は、例えば、溶接ヘッド13の進行方向の前方側に設けられている。
3次元形状計測センサ11(図1)は、レーザ溶接により形成される溶接ビード18の3次元形状を計測するものである。この3次元形状計測センサ11は、例えば、溶接ヘッド13の進行方向の後方側に設けられている。
次に、それぞれの側方カメラ7,8で撮影した画像に基づいて、溶融池15の状態を把握する態様について説明する。図3、図4、図5は、レーザ溶接中にそれぞれの側方カメラ7,8で撮影された溶融池15の画像である。ここで、図3(A)、図4(A)、図5(A)は、第1側方カメラ7で撮影した画像であり、図3(B)、図4(B)、図5(B)は、第2側方カメラ8で撮影した画像である。これらの図面において、十字の点線で画像の中央位置を示す。この中央位置は、レーザ12の照射部分の基準位置となっている。これらの画像が、本実施形態の試験用観察データおよび判定用観察データとなっている。
レーザ溶接中に、溶融池15が突出したり凹んだりしてレーザ12の照射部分がレーザ12の軸方向に振動すると、その振動に応じてレーザ12が反射した照射光16が、画像中で上下に動作するようになる。
例えば、図3(A)および図3(B)に示すように、溶融池15に変動が無い場合には、レーザ12が反射した照射光16の部分が画像の基準位置に存在する。一方、図4(A)および図4(B)に示すように、溶融池15が凸状に突出している場合には、レーザ12が反射した照射光16の部分が画像の基準位置から上方にずれる。また、図5(A)および図5(B)に示すように、溶融池15が凹状に凹んでいる場合には、レーザ12が反射した照射光16の部分が画像の基準位置から下方にずれる。
図6のグラフ19に示すように、それぞれの側方カメラ7,8で取得した画像から、レーザ12が反射した照射光16の位置を、縦軸とし、横軸を時間として時系列で整理することができる。このグラフ19を用いて、レーザ溶接に関する評価を行うことができる。このグラフ19では、画像中の照射光16の位置が、基準位置20から変化した場合の変化量を把握することができる。
なお、本実施形態では、側方カメラ7,8で取得した画像に基づいて、レーザ溶接に関する評価を行っているが、その他の態様でも良い。例えば、同軸カメラ9で取得した画像に基づいて、レーザ溶接に関する評価を行っても良いし、非接触形状計測センサ10で取得した溶融池15の形状に基づいて、レーザ溶接に関する評価を行っても良い。
同軸カメラ9を用いる場合には、設定したレーザ出力が一定の場合でも、グラフの縦軸を照射光16の輝度、または照射光16の寸法とし、横軸を時間として時系列で整理すると、図6と同様に溶接中の溶融池15の変化を伴う評価を行うことができる。
非接触形状計測センサ10を用いる場合には、母材14である金属の表面の形状を計測し、グラフの縦軸を溶融池15の高さ、または溶融池15の幅とし、横軸を時間として時系列で整理すると、図6と同様に溶接中の溶融池15の変化を伴う評価を行うことができる。
本実施形態では、まず、所定の試験体を用いてレーザ溶接の試験を行う。この試験では、レーザ溶接条件、例えば、レーザ12の出力、速度、スポット径などを変更しつつ、観察部6により画像または形状のデータを取得する。
そして、レーザ溶接後の試験体の外観観察、断面観察、放射線透過試験などを行う。ここで、溶接ビード18の幅、溶接ビード18の高さ、ポロシティなどの溶接欠陥点数を取得し、時系列データとして整理を行う。
例えば、図7のグラフ21に示すように、観察されたポロシティの寸法、または深さを数値化し、溶接の長さ位置との関係を整理して評価を行うことができる。図7において、グラフ21の矩形の部分が大きいほど、ポロシティが発生し易い部分となっている。なお、ポロシティの数値化は、ポロシティの寸法、またはポロシティが発生した深さに依存した数値となる。この数値は、ポロシティの点数を個別に評価しても良いし、ポロシティの点数の合計値の評価でも良い。このグラフ21が、本実施形態の品質評価データとなっている。
なお、本実施形態では、評価の対象となる溶接不良がポロシティである場合を例示しているが、他の溶接不良に対しても本実施形態を適用することができる。例えば、図8に示すように、ブローホール(図8(A))、ピット(図8(B))、スラグ巻込(図8(C))、オーバーラップ(図8(D))、融合不良(図8(E))、溶込不良(図8(F))、アンダーカット(図8(G))などの溶接不良に対しても、本実施形態を適用することができる。
次に、図6および図7のグラフ19,21で評価した時系列のデータを比較分析する。例えば、ポロシティの発生に起因するレーザ12の照射光16の位置の変化量を抽出し、ポロシティの発生が予測される閾値の範囲を設定する。これが本実施形態の判定用閾値となる。設定された判定用閾値は、制御装置3の記憶部5に記憶される。また、ポロシティが発生しない閾値の範囲における中央値を、図6のグラフ19の基準位置20として設定する。さらに、側方カメラ7,8の画面(図3から図5)の基準位置として設定する。
なお、3次元形状計測センサ11を用いて、溶接ビード18の表面の形状を計測済みの場合は、レーザ溶接中のレーザ12の照射光16の位置が写る画像と、溶接ビード18の形状とを比較して評価しても良い。レーザ溶接後の溶接ビード18の高さと相関の高いもの、例えば、ハンピングの発生状態に起因するレーザ12の照射光16の位置の変化量の閾値を抽出し、これを本実施形態の判定用閾値として設定しても良い。
ポロシティ発生の評価を行う場合、その発生の有無は、側方カメラ7,8で撮影した画像中のレーザ12の照射光16の位置のみで判定を行う。ここで、レーザ溶接中の画像の取得は、判定の処理と並行して行うことができる。
次に、レーザ溶接品質判定方法の準備態様について図9のフローチャートを用いて説明する。このレーザ溶接品質判定システム1の動作によって受動的に生じる作用効果を含めて説明する。なお、前述の図面を適宜参照する。
まず、ステップS1において、制御装置3は、レーザ溶接装置2を制御し、試験体(母材14)のレーザ溶接を行う(図2)。ここで、レーザ溶接装置2を用いて、溶接条件を変更しつつ試験体の表面にレーザ12を照射する。
次のステップS2において、制御装置3は、レーザ溶接を行ったときに観察部6で観察された照射部分の位置(照射光16の位置)を示す情報を含む試験用観察データを取得する。この試験用観察データには、側方カメラ7,8で撮影された画像が含まれる(図3から図5)。
また、試験用観察データには、同軸カメラ9で観察された照射部分から発せられる照射光16の状態を示す情報が含まれる。さらに、試験用観察データには、非接触形状計測センサ10で計測された溶融池15の形状を示す情報が含まれる。さらに、試験用観察データには、3次元形状計測センサ11で計測された溶接ビード18(図2)の3次元形状を示す情報が含まれる。
次のステップS3において、作業者が所定の試験を行い、レーザ溶接後の試験体(母材14)の評価が行われる。
次のステップS4において、制御装置3は、溶接後の評価で得られた試験体の溶接の品質を示す情報を含む品質評価データを取得する。
次のステップS5において、試験用観察データと品質評価データを比較して、被加工物の溶接の品質の判定に用いる判定用閾値が決定される。この判定用閾値の決定は、作業者が行っても良いし、コンピュータが行っても良い。制御装置3は、決定された判定用閾値を取得し、記憶部5に記憶する。
なお、判定用閾値は、試験用観察データを時系列に沿って分析し、時系列に対応するそれぞれの溶接された部分の品質に基づいて決定される(図6から図7)。このようにすれば、溶接された部分に沿ってそれぞれの部分の品質の判定を行うことができる。
そして、レーザ溶接品質判定方法の準備を終了する。以上のステップは、レーザ溶接品質判定方法の準備態様に含まれる少なくとも一部であり、他のステップが含まれていても良い。
次に、レーザ溶接品質判定方法の判定態様について図10のフローチャートを用いて説明する。このレーザ溶接品質判定システム1の動作によって受動的に生じる作用効果を含めて説明する。なお、前述の図面を適宜参照する。
まず、ステップS11において、制御装置3は、レーザ溶接装置2を制御し、被加工物(母材14)のレーザ溶接を行う(図2)。
次のステップS12において、制御装置3は、レーザ溶接を行ったときに観察部6で観察された照射部分の位置(照射光16の位置)を示す情報を含む判定用観察データを取得する。この判定用観察データには、側方カメラ7,8で撮影された画像が含まれる(図3から図5)。このようにすれば、レーザ溶接中に発生する照射部分である溶融池15の3次元的な変化を取得することができる。
また、判定用観察データには、同軸カメラ9で観察された照射部分から発せられる照射光16の状態を示す情報が含まれる。このようにすれば、レーザ12の照射部分から発せられる照射光16の状態に基づいて、レーザ溶接の品質を判定することができる。
さらに、判定用観察データには、非接触形状計測センサ10で計測された溶融池15の形状を示す情報が含まれる。このようにすれば、溶融池15の形状に基づいて、レーザ溶接の品質を判定することができる。
さらに、判定用観察データには、3次元形状計測センサ11で計測された溶接ビード18(図2)の3次元形状を示す情報が含まれる。このようにすれば、溶接ビード18の3次元形状に基づいて、レーザ溶接の品質を判定することができる。
次のステップS13において、制御装置3は、判定用観察データと判定用閾値に基づいて被加工物の溶接の品質を判定する。ここで、制御装置3は、判定用観察データを時系列に沿って分析し、時系列に対応するそれぞれの溶接された部分の品質を判定する。制御装置3は、判定結果を出力して作業者に提示する。なお、被加工物のレーザ溶接については、ここで終了する。
次のステップS14において、作業者が所定の試験を行い、レーザ溶接後の被加工物(母材14)の評価が行われる。
次のステップS15において、制御装置3は、レーザ溶接後の評価で得られた被加工物の溶接の品質を示す情報で品質評価データを更新する。
次のステップS16において、制御装置3は、判定用観察データと更新後の品質評価データを比較して判定用閾値を更新する。このようにすれば、被加工物のレーザ溶接の度に品質評価データを蓄積し、品質の判定の精度を向上させることができる。
そして、レーザ溶接品質判定方法の判定を終了する。以上のステップは、レーザ溶接品質判定方法の判定態様に含まれる少なくとも一部であり、他のステップが含まれていても良い。
なお、本実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。
本実施形態では、レーザ溶接後に品質評価データを比較して検証することで、判定用閾値の精度が継続して向上される。
なお、本実施形態では、レーザ溶接後に品質の判定を行っているが、その他の態様であっても良い。例えば、レーザ溶接中に品質の判定を行っても良い。そして、品質が向上されるように、判定結果をフィードバックし、レーザ溶接装置2を制御しても良い。このようにすれば、レーザ溶接中に品質の判定を行う場合に判定用閾値で行うため、側方カメラ7,8など取得した画像の蓄積または画像処理を行う必要が無く、短時間での判定が可能となる。加えて、判定と並行してレーザ溶接中の画像の取得を継続することで、レーザ溶接の品質の判定の根拠となる品質評価データが増え、これに基づいて以後のレーザ溶接の判定が行える。
また、本実施形態では、カメラを観察部6の一例として説明を行ったが、レーザ12の照射部分の変化量が測定可能であれば、その他の態様であっても良い。例えば、判定用閾値を設定可能な複数の光検出センサを組み合せて観察部6を構成しても良い。そして、観察用光学系を用いて、レーザ12の照射部分近傍の像を光検出センサに結像させても良い。このような複数の光検出センサを組み合わせて使用する利点は、溶融池15の寸法の情報を光検出センサの位置に置き換えることが可能なことである。レーザ12の照射部分の位置の変化と関連する特定の光検出センサのみに、判定用閾値を設定すれば良く、より高速な判定処理を実現することができる。加えて、レーザ12の照射部分(溶融池15)の高さの変化は、溶け込み深さの変化と相関が高いため、複雑な計測システムを構築することなく、溶け込み深さの予測も可能となる。
また、本実施形態では、事前にレーザ溶接中の画像を取得し、画像に基づいて時系列データを作成する。そして、レーザ溶接後に品質の評価試験で取得した各種の溶接の品質結果と比較して、レーザ溶接の品質と相関の高い画像に関わる判定用閾値を抽出する。そして、抽出した判定用閾値を画像中の位置または画像の輝度値などとして設定する。このようにすれば、レーザ溶接中の品質の判定をより高速に実現することが可能となる。加えて、判定時も並行して画像を取得し、レーザ溶接後の品質と比較することで、判定用閾値の精度が向上する効果も得られる。
なお、レーザ溶接中に発生する溶融池15の3次元的な変化の情報を取得することで、取得した情報をデータベースとして記憶しても良い。レーザ溶接後に得られる溶け込み深さまたはブローホールといった溶接の品質に関する情報とを比較し、品質に影響する変化量を判定用閾値として設定することで、レーザ溶接の状態を瞬時に制御装置3にフィードバックすることができる。このようにすれば、レーザ溶接の品質の安定化を図ることができる。
本実施形態のシステムは、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスまたはキーボードなどの入力装置と、通信インターフェースとを備える。このシステムは、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。
なお、本実施形態のシステムで実行されるプログラムは、ROMなどに予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されて提供するようにしても良い。
また、このシステムで実行されるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしても良い。また、このシステムは、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワークまたは専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
以上説明した実施形態によれば、レーザが照射される被加工物の表面における照射部分を観察する少なくとも1つの観察部を備え、判定用観察データと判定用閾値に基づいて被加工物の溶接の品質を判定することにより、溶接の品質に影響する変化量を閾値として設定可能であり、溶接の品質の安定化を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲と要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…レーザ溶接品質判定システム、2…レーザ溶接装置、3…制御装置、4…制御部、5…記憶部、6…観察部、7…第1側方カメラ、8…第2側方カメラ、9…同軸カメラ、10…非接触形状計測センサ、11…3次元形状計測センサ、12…レーザ、13…溶接ヘッド、14…母材、15…溶融池、16…照射光、17…レーザの軸、18…溶接ビード、19…グラフ、20…基準位置、21…グラフ。

Claims (9)

  1. レーザを被加工物の表面に照射して前記被加工物の溶接を行うレーザ溶接装置と、
    前記レーザ溶接装置を制御する制御装置と、
    前記レーザが照射される前記被加工物の表面における照射部分を観察する少なくとも1つの観察部と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    溶接条件を変更しつつ試験体の表面に前記レーザを照射して溶接を行ったときに前記観察部で観察された前記照射部分の位置を示す情報を含む試験用観察データを取得し、
    溶接後の評価で得られた前記試験体の溶接の品質を示す情報を含む品質評価データを取得し、
    前記試験用観察データと前記品質評価データを比較して決定される値であって前記被加工物の溶接の品質の判定に用いる判定用閾値を取得し、
    前記被加工物の表面に前記レーザを照射して溶接を行ったときに前記観察部で観察された前記照射部分の位置を示す情報を含む判定用観察データを取得し、
    前記判定用観察データと前記判定用閾値に基づいて前記被加工物の溶接の品質を判定する、
    ように構成されている、
    レーザ溶接品質判定システム。
  2. 前記制御装置は、
    溶接後の評価で得られた前記被加工物の溶接の品質を示す情報で前記品質評価データを更新し、
    前記判定用観察データと更新後の前記品質評価データを比較して前記判定用閾値を更新する、
    請求項1に記載のレーザ溶接品質判定システム。
  3. 前記判定用閾値は、前記試験用観察データを時系列に沿って分析し、前記時系列に対応するそれぞれの溶接された部分の品質に基づいて決定される、
    請求項1または請求項2に記載のレーザ溶接品質判定システム。
  4. 前記観察部は、前記レーザを出力する溶接ヘッドに対して相対的に固定され、かつ前記溶接ヘッドとともに移動し、前記照射部分から発せられる光を、前記照射部分が進行する進行方向の側方から観察する少なくとも1つの光検出センサを含む、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレーザ溶接品質判定システム。
  5. 前記照射部分から発せられる光をそれぞれ異なる方向から観察する少なくとも2つの前記光検出センサが設けられている、
    請求項4に記載のレーザ溶接品質判定システム。
  6. 前記観察部は、前記レーザの軸方向から前記照射部分を観察する同軸カメラを含み、
    前記試験用観察データおよび前記判定用観察データには、前記同軸カメラで観察された前記照射部分から発せられる光の状態を示す情報が含まれる、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレーザ溶接品質判定システム。
  7. 前記観察部は、前記照射部分を含む溶融池の形状を非接触で計測する非接触形状計測センサを含み、
    前記試験用観察データおよび前記判定用観察データには、前記非接触形状計測センサで計測された前記溶融池の形状を示す情報が含まれる、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ溶接品質判定システム。
  8. 溶接により形成される溶接ビードの3次元形状を計測する3次元形状計測センサを備え、
    前記試験用観察データおよび前記判定用観察データには、前記3次元形状計測センサで計測された前記溶接ビードの3次元形状を示す情報が含まれる、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のレーザ溶接品質判定システム。
  9. レーザを被加工物の表面に照射して前記被加工物の溶接を行うレーザ溶接装置と、
    前記レーザ溶接装置を制御する制御装置と、
    前記レーザが照射される前記被加工物の表面における照射部分を観察する少なくとも1つの観察部と、
    を用いて行うレーザ溶接品質判定方法であって、
    前記制御装置が、溶接条件を変更しつつ試験体の表面に前記レーザを照射して溶接を行ったときに前記観察部で観察された前記照射部分の位置を示す情報を含む試験用観察データを取得するステップと、
    前記制御装置が、溶接後の評価で得られた前記試験体の溶接の品質を示す情報を含む品質評価データを取得するステップと、
    前記制御装置が、前記試験用観察データと前記品質評価データを比較して決定される値であって前記被加工物の溶接の品質の判定に用いる判定用閾値を取得するステップと、
    前記制御装置が、前記被加工物の表面に前記レーザを照射して溶接を行ったときに前記観察部で観察された前記照射部分の位置を示す情報を含む判定用観察データを取得するステップと、
    前記制御装置が、前記判定用観察データと前記判定用閾値に基づいて前記被加工物の溶接の品質を判定するステップと、
    を含む、
    レーザ溶接品質判定方法。
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