JP2023063060A - トランス用巻線部、トランス及び電力変換装置 - Google Patents

トランス用巻線部、トランス及び電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】2次コイルとして配置されるコイル同士の高い結合度を確保し、出力側回路に流れる電流のバランスの崩れを抑えるトランス用巻線部、当該トランス用巻線部を備えるトランス及び当該トランスを備える電力変換装置を提供する。【解決手段】トランス用巻線部10は、巻数が所定のターン数である、例えば2ターンである第2コイル14a、14bを、第2コイル14aの各ターンが第2コイル14bの所定のターンに隣接するように重ね合わせた状態で配置して構成された2次コイル14と、2次コイル14の第2コイル14a、14bの間に配置され、巻数が所定のターン数である第1コイル12aを備えた1次コイル12と、第1コイル12aと第2コイル14a、14bとの間及び重ね合わせた第2コイル14a、14bの隣接し合う各ターンの間に配置された絶縁体である絶縁紙16と、で構成される積層体を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、1次コイルと2次コイルとを積層配置したトランス用巻線部、及び当該トランス用巻線部を備えるトランス、及び当該トランスを備える電力変換装置に関する。
従来のトランスは、例えば特許文献1に記載されているように、巻数が1ターン以上の1次コイル(入力側)と巻数が1ターンの2次コイル(出力側)とを積層して、2次コイルの少なくとも一部が、1次コイルの始端と終端との積層方向の間に挟まれるよう1次コイルの巻線に沿って配置された単位積層体を備えたトランス用巻線部と、当該トランス用巻線部が装着される磁性体のコア部とを備えている。
そして、当該トランス用巻線部を備えるトランスは、1次コイルを2以上の部品に分けることなく2次コイルの少なくとも一部を挟むことでき、部品点数の少ない簡単な構成で実現でき、かつ1次コイルと2次コイルとの高い結合度を得ることができるものとされている。
特開2013-131589号公報
しかしながら、従来の単位積層体を複数個積層してトランス用巻線部を形成する場合、単位積層体同士の2次コイルとして配置されるコイルは隣り合っていないため、各単位積層体が備える2次コイルとして配置されるコイル間の結合度は低くなってしまう。そして、2次コイルとして配置されるコイル同士の結合度が低い場合には、2次コイルが接続される出力側回路に漏れインダクタンスが発生し、出力側回路のインダクタンスがアンバランスになることにより、出力側回路に流れる電流のバランスが崩れる問題が発生する。
また、従来のトランス用巻線部は、1次コイルの巻数は1ターン以上として、その巻数が任意のターン数のものに適用することができるが、2次コイルについては巻数を1ターンとして固定されている。また、1次コイルの巻線は任意のターン数のものに適用することができるが、一度トランスとして組み立て後はターン数を自由に変更することはできず、トランス用巻線部としての拡張性に欠けるものである。
本発明は、2次コイルとして配置されるコイル同士の高い結合度を確保し、出力側回路に流れる電流のバランスの崩れを抑えることを主な目的とし、加えて拡張性の優れたトランス用巻線部、当該トランス用巻線部を備えたトランス、及び当該トランスを備えた電力変換装置を提供することを目的とする。
(トランス用巻線部)
本発明は、トランス用巻線部であって、
巻数が所定のターン数である第2コイルと別の第2コイルとを、一方の第2コイルの各ターンが他方の第2コイルの所定のターンに隣接するように重ね合わせた状態で配置して構成された2次コイルと、
2次コイルの第2コイル間に配置され、巻数が所定のターン数である第1コイルを備えた1次コイルと、
第1コイルと第2コイルとの間、及び重ね合わせた第2コイルの隣接し合う各ターンの間に配置された絶縁体と、
で構成される積層体を備えたことを特徴とする。
(複数個の積層体)
所定の数の積層体が積層配置される。
(積層体の間に配置された第1コイル)
1次コイルは、更に積層配置された積層体の間に配置された第1コイルを備え、
積層体と積層体の間に配置された第1コイルとの間に絶縁体が配置される。
(所定ターン数の位置に形成された接続部)
第2コイルは、巻線の始端から終端側に向けて所定のターン数進んだ位置に電気的に接続可能な接続部を備える。
(板部材とした第2コイル)
第2コイルは、導体を材料とする板部材である。
(トランス、電力変換装置)
また本発明は、前述したトランス用巻線部と、トランス用巻線部が装着されるコア部とを備えたトランス、又は前述したトランスを備え、トランス用巻線部の1次コイルが入力側に接続され、2次コイルが出力側に接続された電力変換装置を特徴とするものである。
(トランス用巻線部の効果)
本発明は、トランス用巻線部であって、巻数が所定のターン数である第2コイルと別の第2コイルとを、一方の第2コイルの各ターンが他方の第2コイルの所定のターンに隣接するように重ね合わせた状態で配置して構成された2次コイルと、2次コイルの第2コイル間に配置され、巻数が所定のターン数である第1コイルを備えた1次コイルと、第1コイルと第2コイルとの間、及び重ね合わせた第2コイルの隣接し合う各ターンの間に配置された絶縁体と、で構成される積層体を備えるため、2次コイルを構成する第2コイル同士は絶縁を確保した状態で隣接して配置され、第2コイル同士の結合度を高くすることができる。そのため、電力変換装置にトランスとして実装された場合には、出力側回路に漏れインダクタンスが発生することを抑制し、出力側回路に流れる電流のバランスの崩れを抑制することができる。
また、第1コイルに対する第2コイルの各々の距離は略同一となるため、第1コイルと各第2コイルとの結合度が同程度となり、その点からも出力側回路に流れる電流のバランスの崩れを抑制することができる。
また、2次コイルは同一の第2コイルにより構成されるため、1種類の形状のコイルを準備すればよく、部品費用や金型費等の費用を抑えることができる。
(複数個の積層体の効果)
また、所定の数の積層体が積層配置されるため、積層体間の接続方法を変更することで、1次コイル及び2次コイルの回路構成を並列回路や直流回路等の任意の回路構成にすることができる。
(積層体の間に配置された第1コイルの効果)
また、1次コイルは、更に積層配置された積層体の間に配置された第1コイルを備え、積層体と積層体の間に配置された第1コイルとの間に絶縁体が配置されるため、1次コイルと2次コイルとの結合度を更に高めることができる。
(所定ターン数の位置に形成された接続部の効果)
第2コイルは、巻線の始端から終端側に向けて所定のターン数進んだ位置に電気的に接続可能な接続部を備えるため、2次コイルの回路構成を2次コイルの巻線も含めて更に柔軟に変更することができ、また2次コイルの巻線を変更したい場合に、異なる巻線である2次コイルで構成されるトランス用巻線部を別に用意する必要がなく、各第2コイルが備える接続部に対する接続方法を変更することで対応でき、優れた拡張性を有する。
(板部材とした第2コイルの効果)
第2コイルは、導体を材料とする板部材であるため、2次コイルが接続される出力側回路に大電流が流れる場合であっても、2次コイルの発熱を抑えることができる。
本発明におけるトランス用巻線部を示した説明図である。 図1におけるトランス用巻線部を備えたトランスを示した説明図である。 図2におけるトランスを用いた電力変換回路を示した説明図である。 本発明におけるトランス用巻線部及びトランスの別形態を示した説明図である。 図4におけるトランスを備えた電力変換回路を示した説明図である。
以下に、本発明に係るトランス用巻線部、トランス及び電力変換装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態により、本発明が限定されるものではない。
その内容については、以下のように分けて説明する。
a.第1の実施形態のトランス用巻線部
b.第1の実施形態のトランス用巻線部を備えたトランス
c.第1の実施形態のトランスを用いた電力変換装置
d.第2の実施形態のトランス用巻線部及びトランス
e.第2の実施形態のトランスを用いた電力変換装置
f.本発明の変形例
[a.第1の実施形態のトランス用巻線部]
まず、本発明におけるトランス用巻線部の第1の実施形態について説明する。図1(A)は第1の実施形態のトランス用巻線部を示した図であり、図1(B)は第1の実施形態のトランス用巻線部の2次コイルを構成する第2コイルを重ね合わせる前の状態を示した図であり、図1(C)は第2コイルを重ね合わせて2次コイルを構成した状態を示した図である。
本実施形態に於けるトランス用巻線部10は、図1(A)に示すように、第1コイル12aで構成される1次コイル12と、第2コイル14a、14bで構成される2次コイル14と、絶縁体である絶縁紙16と、を1つの積層体とすることで構成されるものである。尚、本実施形態に於いては、1次コイル12は、第1コイル12aのみで構成されるものであるため、1次コイル12は第1コイル12aと同義のものとなる。
第1コイル12aは、巻線を渦巻き状に任意のターン数だけ、例えば略円環形状に巻くことで形成されたものであり、巻線の始端及び終端が電気的に接続可能な接続部120、122として形成されている。巻線として、例えば銅やアルミ等の導体からなる線材を用いているが、コイルとして機能するものであれば、これに限定されるものではない。
2次コイル14を構成する第2コイル14a、14bは、板部材を渦巻き状に任意のターン数、本実施形態では2ターンとして略円環形状に巻くことで形成されたものであり、板部材の始端に始端接続部140a、140b、終端に終端接続部144a、144b、及び始端から終端側に向けて1ターン進んだ位置に1ターン目接続部142a、142bが電気的に接続可能に形成されている。板部材として、例えば銅やアルミ等の導体を材料とする薄板を用いているが、コイルとして機能するものであれば、これに限定されるものではない。また、板部材により形成されたことで、第2コイル14a、14bが接続される出力側回路に大電流が流れる場合であっても、2次コイル14の発熱することを抑えることができる。
本実施形態では第2コイル14a、14bの巻数を2ターンとしているが、仮に巻数を3ターンとする場合には、1ターン目接続部、2ターン目接続部のように、始端から終端側に向けて任意のターン数だけ進んだ位置に接続部を任意に形成して良い。巻数が4ターン以上の場合も同様である。
尚、第1コイル12a及び第2コイル14a、14bの形状は略円環形状に限られたものではなく、後の説明で登場するコア部の突起部を挿入することが出来るものであれば良く、例えば円環形状の内周円が代わりに矩形状や多角形状であるもの、外周円が代わりに矩形状や多角形状であるものであっても良い。
絶縁紙16は、隣接し合う第1コイル12a及び第2コイル14a、14bの絶縁を確保するために、隣接するコイルの間に配置される絶縁体であり、第1コイル12a及び第2コイル14a、14bの略円環形状の内周円に対応した開口を有するものである。
尚、必ずしも絶縁体として絶縁紙を用いる必要はなく、隣接し合う第1コイル12a及び第2コイル14a、14bの絶縁を確保できる適宜の手段を取ることができ、例えば第1コイル12aを形成する線材及び第2コイル14a、14bを形成する板部材を絶縁材料により被覆することで絶縁を確保するようにしても良い。
これ以降、第2コイル14a、14bの始端(始端接続部140a、140b)から1ターン進んだ位置(1ターン目接続部142a、142b)までを「第1ターン部」として、当該始端から1ターン進んだ位置から終端(接続部144a、144b)までを「第2ターン部」と呼ぶ。
続いて、第1コイル12a、第2コイル14a、14b、及び絶縁紙16を1つの積層体とする方法の一例について説明する。尚、図1(A)のトランス用巻線部10を構成できるのであれば、適宜の方法で1つの積層体を構成すれば良い。
まず、図1(B)に示すように、第2コイル14bを反転させ、第2コイル14aの第1ターン部側に第2コイル14bの第2ターン部が位置し、第2コイル14aの第2ターン部側に第2コイル14bの第1ターン部が位置するように、第1コイル14aと第2コイル14bを向き合わせて配置する。
続いて、図1(B)に示す矢印の向きに第2コイル14a、14bをスライドさせ、図1(C)に示すように、第2コイル14aの第1ターン部と第2コイル14bの第2ターン部、及び第2コイル14aの第2ターン部と第2コイル14bの第1ターン部が隣接して重ね合わさった状態に配置する。
そして、重ね合わせた第2コイル14a、14bの第2コイル14aの第2ターン部と第2コイル14bの第2ターン部との間に、第1コイル12aを挿入して配置する。
最後に、第2コイル14aの第1ターン部と第2コイル14bの第2ターン部との間、第2コイル14bの第2ターン部と第1コイル12aとの間、第1コイル12aと第2コイル14aの第2ターン部との間、及び第2コイル14aの第2ターン部と第2コイル14bの第1ターン部との間の計4箇所に絶縁紙16を挿入して配置することで、1つの積層体が構成され、当該積層体が第1の実施形態のトランス用巻線部10となる。
つまり、完成されたトランス用巻線部10は、図1(A)に於ける上側から、第2コイル14aの第1ターン部、絶縁紙16、第2コイル14bの第2ターン部、絶縁紙16、第1コイル12a、絶縁紙16、第2コイル14aの第2ターン部、第2コイル14bの第1ターン部の順で積層された構造となっている。
これにより、第1の実施形態のトランス用巻線部10は、第2コイル14aの第1ターン部と第2コイル14bの第2ターン部、及び第2コイル14aの第2ターン部と第2コイル14bの第1ターン部が絶縁紙16を介して隣接し合うように重ね合わせた状態で配置されるため、第2コイル14a、14b同士の結合度が高くなる。
また、第1コイル12aは、第2コイル14aの第2ターン部と第2コイル14bの第1ターン部との間に配置されるため、第1コイル12aは第2コイル14a、14bにいずれにも隣接する位置にあり、かつ第2コイル14a、14bに対する距離が略同一となり、第1コイル12aと第2コイル14aの結合度が、第1コイル12aと第2コイル14bの結合度と同程度の高い結合度とすることができる。
また、2次コイル14を構成する2つの第2コイル14a、14bは同じ形状とすることができるため、2次コイル14を構成するためのコイルの金型は1種類で済み、部品費用や金型費等の費用を抑えることができる。
[b.第1の実施形態のトランス用巻線部を備えたトランス]
続いて、第1の実施形態のトランス用巻線部を備えた第1の実施形態のトランスについて説明する。図2はトランスを分解図で示した図である。
本実施形態に於けるトランス20は、図2に示すように、前述したトランス用巻線部10と、2つのコア部22とにより構成されるものである。
コア部22は磁性体であり、その形状は任意であるが、本実施形態では略中央に円筒状の突起部が形成され、両端に側壁部が形成され、2つ組合せることで一般的に「EERコア」と呼ばれる形状になるコア部としている。
トランス用巻線部10は、積層体とした第1コイル12a、第2コイル14a、14b及び絶縁紙16の略中央の開口に対して、図2に於ける上下双方向からコア部22の突起部が挿入され、コア部22同士の突起部及び側壁部を当接させることで、コア部22に対して装着されることになる。
[c.第1の実施形態のトランスを用いた電力変換装置]
続いて、第1の実施形態のトランスを用いた電力変換装置について説明する。図3は、電力変換装置の回路構成の一例を示した図である。尚、図3では、回路にFETを実装しているがFETを制御する回路を省略し、第2コイル14a、14bの1ターン目接続部142a、142bについては未接続としているため省略している。
電力変換装置30の回路は、図3に示すように、前述したトランス20と、トランス20のトランス用巻線部10の1次コイル12を構成する第1コイル12aの接続部120、122に接続される入力側に、所定電圧の交流電源又は直流電源となる電源32と、電源32に直列接続されるFET34、35と、FET34、35の間に接続部120を接続する第1コイル12aの接続部122と電源32のマイナス側の間に配置されるコンデンサ39と、を備え、トランス20のトランス用巻線部10の2次コイル14を構成する第2コイル14a、14bに接続される出力側に整流回路を構成している。
出力側に構成される整流回路について、詳しく説明する。第2コイル14aの終端接続部144aと第2コイル14bの終端接続部144bを接続し、当該接続点を2次コイル14のセンタータップとして、負荷42のプラス側に接続する。
第2コイル14aの始端接続部140aと第2コイル14bの始端接続部140bの各々は、負荷42のマイナス側に接続される。また、第2コイル14aの始端接続部140aから出力される電圧を整流するために第2コイル14aの始端接続部140aと負荷42のマイナス側の間にはFET38が設けられ、同様に第2コイル14bの始端接続部140bから出力される電圧を整流するために第2コイル14bの始端接続部140bと負荷42のマイナス側の間にはFET36が設けられ、整流された電圧を平滑するために負荷42のプラス側とマイナス側の間にコンデンサ40が設けられている。
第2コイル14aの1ターン目接続部142aと第2コイル14bの1ターン目接続部142bは未接続であるため、当該回路を構成するためには、必ずしも第2コイル14a、14bに1ターン目接続部142a、142bは形成されていなくても良い。
続いて、電力変換装置の動作の一例について説明する。電源32によりトランス20のトランス用巻線部10の1次コイル12を構成する第1コイル12aに所定の交流電圧が印加されると、第2コイル14aと第2コイル14bで構成される2次コイル14に1次コイル12と2次コイル14との巻線比に応じた交流電圧が生じる。
当該2次コイル14に生じる交流電圧により、第2コイル14aの終端接続部144a側のセンタータップの電位が第2コイル14aの始端接続部140aの電位に対してプラスとなる半サイクルのときは第2コイル14aの始端接続部140aから負荷42のマイナス側に向けて電流が流れ、第2コイル14bの終端接続部144b側のセンタータップの電位が第2コイル14bの始端接続部140bの電位に対してプラスとなる半サイクルのときは第2コイル14bの始端接続部140bから負荷42のマイナス側に向けて電流が流れる。
そして、本実施形態のトランス用巻線部10は2次コイル14を構成する第2コイル14a、14b同士の結合度が高く、出力側回路の漏れインダクタンスを抑えることができることから、出力側回路の電流バランスの崩れが小さくなる。そのため、電流バランスの崩れによるFET36、38の何れかが発熱することを抑えることができ、低いON抵抗のFETを選定することが必要なくなり、結果として部品費用を抑えることできる。
また、第2コイル14a、14bの各接続部の接続は、第2コイル14a、14bに形成された各接続部が電力変換装置30の回路基板の所定のパターンと接続するようにトランス20を電力変換装置30の回路基板に実装し、接続したい接続部同士が接続されるようにパターン間にジャンパー線等を配線することで実現されるものであるが、その他接続したい接続部同士を接続できるものであれば、その接続方法は任意である。
[d.第2の実施形態のトランス用巻線部及びトランス]
続いて、本発明の別形態となるトランス用巻線部、及び当該トランス用巻線部を備えたトランスの第2の実施形態について説明する。図4は第2の実施形態のトランスを示した図であり、図4(A)にトランスの分解斜視図を示し、図4(B)に図4(A)に示した矢印の向きから見たトランスの分解正面図を示している。
本実施形態に於けるトランス用巻線部100は、第1の実施形態のトランス用巻線部10で示した第1コイル12a、第2コイル14a、14b、及び絶縁紙16からなる1つ積層体を所定の複数個重ね合わせて配置したものであり、本実施形態では第1積層体50と第2積層体52として積層させた状態で配置したものとし、更に第1積層体50と第2積層体52の間に第1コイル12aを配置し、第1積層体50と第1コイル12aとの間、及び第2積層体52と第1コイル12aとの間に絶縁紙16を配置して構成されるものである。
つまり、本実施形態に於いては、1次コイル12は、第1積層体50の第1コイル12a、第2積層体52の第1コイル12a、及び第1積層体50と第2積層体52との間に配置される第1コイル12aとで構成されるものであり、2次コイル14は、第1積層体50の第2コイル14a、14b、及び第2積層体52の第2コイル14a、14bで構成されるものである。
尚、第1積層体50と第1コイル12aとの間、及び第2積層体52と第1コイル12aとの間に配置される絶縁紙16については、図4のトランスの分解図では省略している。
また、第1積層体50と第2積層体52との間に配置される第1コイル12aは必ずしも配置が必要なものではなく、1次コイル12と2次コイル14との結合度を更に高めたい場合に配置されるものである。
第1コイル12a、第2コイル14a、14b、及び絶縁紙16は、第1の実施形態のトランス用巻線部10と同じものであるから、その説明は省略する。
そして、2次コイル14は、第1積層体50の第2コイル14a、14bと第2積層体52の第2コイル14a、14bで構成され、各第2コイルの始端接続部、終端接続部、及び1ターン目接続部の接続方法を変更することで、2次コイル14としての巻数を任意のターン数にすることができる。
例えば、2次コイル14の巻数を2ターンとする場合には、第1積層体50の第2コイル14aの始端接続部140aと第2積層体52の第2コイル14aの始端接続部140aを接続すると共に、第1積層体50の第2コイル14aの終端接続部144aと第2積層体52の第2コイル14aの終端接続部144aを接続することで、巻数が2ターンとなる経路が2つ並列された状態となる。第2コイル14bについても同様に接続することで、第2コイル14b側にも巻数が2ターンとなる経路が2つ並列された状態となり、結果として巻線を2ターンとした2次コイル14とすることができる。
また例えば、2次コイル14の巻数を3ターンとする場合には、第1積層体50の第2コイル14aの1ターン目接続部142aと第2積層体52の第2コイル14aの始端接続部140aを接続すると共に、第1積層体50の第2コイル14aの終端接続部144aと第2積層体52の第2コイル14aの1ターン目接続部142aを接続することで、巻数が3ターンとなる経路が2つ並列された状態となる。第2コイル14bについても同様に接続することで、第2コイル14b側にも巻数が3ターンとなる経路が2つ並列された状態となり、結果として巻線を3ターンとした2次コイル14とすることができる。
ここでいう巻数が3ターンになる経路とは、第2コイル14a側を例に取ると、第1積層体50の第2コイル14aの始端接続部140aから第1積層体50の第2コイル14aの1ターン目接続部142aまでの1ターン分の経路と、第2積層体52の第2コイル14aの始端接続部140aから第2積層体52の第2コイル14aの終端接続部144aまでの2ターン分の経路とを合計した計3ターンとなる経路と、第1積層体50の第2コイル14aの始端接続部140aから第1積層体50の第2コイル14aの終端接続部144aまでの2ターン分の経路と、第2積層体52の第2コイル14aの1ターン目接続部142aから第2積層体52の第2コイル14aの終端接続部144aまでの1ターン分の経路とを合計した計3ターンとなる経路のことである。
また例えば、2次コイル14の巻数を4ターンとする場合には、第1積層体50の第2コイル14aの終端接続部144aと第2積層体52の第2コイル14aの始端接続部140aを接続することで、巻数が4ターンとなる経路1つが出来上がる。第2コイル14bについても同様に接続することで、第2コイル14b側にも巻数が4ターンとなる経路1つが出来上がり、結果として巻線を4ターンとした2次コイル14とすることができる。
以上のように、第2コイル14a、14bの各接続部の接続方法を変更することで、2次コイル14の巻数を任意のターン数にすることができるため、巻数の変更したい場合に、別のトランス用巻線部を用意することなく対応することができ、更に優れた拡張性を有することとなる。
トランス300は、前述したトランス用巻線部100と、2つのコア部22とにより構成されるものであり、第1の実施形態とは1つの積層体に対してコア部22が装着されるのではなく、積層配置された第1積層体50、第1コイル12、及び第2積層体52を積層配置したものに対してコア部22が装着される点で異なり、その他については同様となる。
[e.第2の実施形態のトランスを用いた電力変換装置]
続いて、第2の実施形態のトランスを用いた電力変換装置について説明する。図5は、電力変換装置の回路構成の一例を示した図である。尚、図5では、回路にFETを実装しているがFETを制御する回路を省略して、2次コイル14の巻数が3ターンとなる場合の回路で示している。
電力変換装置300は、図5に示すように、前述したトランス200と、トランス200のトランス用巻線部100の1次コイル12を構成し、並列接続された積層体50の第1コイル12a、積層体52の第1コイル12a、及び積層体の間に配置された第1コイル12aの各接続部120、122に接続される入力側に、所定電圧の交流電源又は直流電源である電源32と、電源32に直列接続されるFET34、35と、FET34、35の間に接続部120を接続する各第1コイル12aの接続部122と電源32のマイナス側の間に配置されるコンデンサ39と、を備え、トランス200のトランス用巻線部100の第1積層体50及び第2積層体52の第2コイル14a、14bに接続される出力側に整流回路を構成している。
ここで、図3における2次コイル14は、左上が第1積層体50の第2コイル14a、右上が第2積層体52の第2コイル14a、左下が第2積層体52の第2コイル14b、右下が第1積層体50の第2コイル14bとする。
また、2次コイル14の巻数を2~4ターンに変更できるように接続点A~Cが回路上に設けられ、2次コイル14の巻数を2ターンとする場合には接続点Aの箇所を接続し、3ターンとする場合には接続点Bの箇所を接続し、4ターンとする場合には接続点Cを接続することとなる。図5は2次コイル14の巻数を3ターンにした場合であるため、接続点Bの箇所が接続され、接続点AとCの箇所については未接続となっている。
続いて、出力側に構成される整流回路について、詳しく説明する。第2積層体52の第2コイル14aの終端接続部144aと第2積層体52の第2コイル14bの終端接続部144bを接続し、当該接続点を2次コイル14のセンタータップとして、負荷42のプラス側に接続する。
第1積層体50の第2コイル14aの始端接続部140aと第1積層体の第2コイル14bの始端接続部140bの各々は、負荷42のマイナス側に接続される。また、第1積層体50の第2コイル14aの始端接続部140aから出力される電圧を整流するために第1積層体50の第2コイル14aの始端接続部140aと負荷42のマイナス側の間にはFET38が設けられ、同様に第1積層体50の第2コイル14bの始端接続部140bから出力される電圧を整流するために第1積層体50の第2コイル14bの始端接続部140bと負荷42のマイナス側の間にはFET36が設けられ、整流された電圧を平滑するために負荷42のプラス側とマイナス側の間にコンデンサ40が設けられている。
続いて、電力変換装置の動作の一例について説明する。電源32によりトランス200のトランス用巻線部100の1次コイル12を構成する各第1コイル12aに所定の交流電圧が印加されると、第2コイル14aと第2コイル14bで構成される2次コイル14に1次コイル12と2次コイル14との巻線比に応じた交流電圧が生じる。
当該2次コイル14に生じる交流電圧により、第2積層体52の第2コイル14aの終端接続部144a側のセンタータップの電位が第1積層体50の第2コイル14aの始端接続部140aの電位に対してプラスとなる半サイクルのときは第1積層体50の第2コイル14aの始端接続部140aから負荷42のマイナス側に向けて電流が流れ、第2積層体52の第2コイル14bの終端接続部144b側のセンタータップの電位が第1積層体50の第2コイル14bの始端接続部140bの電位に対してプラスとなる半サイクルのときは第1積層体50の第2コイル14bの始端接続部140bから負荷42のマイナス側に向けて電流が流れる。
そして、本実施形態のトランス用巻線部100は、第1の実施形態のトランス用巻線部10と同様に、2次コイル14を構成する第2コイル14a、14b同士の結合度が高く、出力回路側の漏れインダクタンスを抑えることができることから、出力側の電流バランスの崩れが小さくなる。そのため、電流バランスの崩れによるFET36、38の何れかが発熱することを抑えることができ、低いON抵抗のFETを選定することが必要なくなり、結果として部品費用を抑えることできる。
また、2次コイル14の第1積層体50及び第2積層体52の第2コイル14a、14bの各接続部は、電力変換装置30の回路基板の所定のパターンと接続するように実装され、2次コイル14の巻数に合わせて接続したい接続部同士が接続されるようにパターン間にジャンパー線等を配線して、接続点A~Cの何れかを接続するものであるが、接続点A~Cの接続方法についてはこれに限らず、その接続方法は任意であり、例えば各接続点に切替スイッチ等を設け、スイッチの切り替えにより接続を切り替えられるようにしても良い。
[f.本発明の変形例]
本発明によるトランス用巻線部、トランス及び電力変換装置の変形例について、より詳細に説明する。本発明のトランス用巻線部、トランス及び電力変換装置は、上記の実施形態以外に、以下の変形を含むものである。
(電力変換装置)
上記の実施形態の電力変換装置は、LLC共振回路を例にとっているが、LLC共振回路に限らずトランスを用いる電力変換装置を適用できるものである。
(その他)
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10、100:トランス用巻線部
12:1次コイル
12a:第1コイル
120、122:接続部
14:2次コイル
14a、14b:第2コイル
140a、140b:始端接続部
142a、142b:1ターン目接続部
144a、144b:終端接続部
16:絶縁紙
20、200:トランス
22:コア部
30、300:電力変換装置
32:電源
34、35、36、38:FET
39、40:コンデンサ
42:負荷
50:第1積層体
52:第2積層体

Claims (7)

  1. 巻数が所定のターン数である第2コイルと別の前記第2コイルとを、一方の第2コイルの各ターンが他方の第2コイルの所定のターンに隣接するように重ね合わせた状態で配置して構成された2次コイルと、
    前記2次コイルの前記第2コイル間に配置され、巻数が所定のターン数である第1コイルを備えた1次コイルと、
    前記第1コイルと前記第2コイルとの間、及び重ね合わせた第2コイルの隣接し合う各ターンの間に配置された絶縁体と、
    で構成される積層体を備えたことを特徴とするトランス用巻線部。
  2. 請求項1記載のトランス用巻線部であって、
    所定の数の前記積層体が積層配置されたことを特徴とするトランス用巻線部。
  3. 請求項2記載のトランス用巻線部であって、
    前記1次コイルは、更に積層配置された前記積層体の間に配置された前記第1コイルを備え、
    前記積層体と前記積層体の間に配置された第1コイルとの間に絶縁体が配置されたことを特徴とするトランス用巻線部。
  4. 請求項1乃至3何れかに記載のトランス用巻線部であって、
    前記第2コイルは、巻線の始端から終端側に向けて所定のターン数進んだ位置に電気的に接続可能な接続部を備えたことを特徴とするトランス用巻線部。
  5. 請求項1乃至4何れかに記載のトランス用巻線部であって、
    前記第2コイルは、導体を材料とする板部材であることを特徴とするトランス用巻線部。
  6. 請求項1乃至5何れかに記載のトランス用巻線部と、
    前記トランス用巻線部が装着されるコア部と、
    を備えたことを特徴とするトランス。
  7. 請求項6記載のトランスを備え、
    前記トランス用巻線部の前記1次コイルが入力側に接続され、前記2次コイルが出力側に接続されたことを特徴とする電力変換装置。
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