JP2023062300A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池システムにおいて、燃料電池を冷却するための冷却媒体の導電率の上昇を抑制する。【解決手段】燃料電池FCに供給される冷却媒体の導電率を調整する調整部と、燃料電池システムFCSとグランドとの間の絶縁抵抗を測定する測定部RMと、燃料電池システムFCSの動作中、絶縁抵抗が閾値以下である場合、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、調整部の動作を制御する制御部CNTとを備えて燃料電池システムFCSを構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムとして、当該燃料電池システムの停止時、燃料電池を冷却するための冷却媒体に含まれる不純物イオンをイオン交換器により除去することで、冷却媒体の導電率を低下させ当該燃料電池システムとグランドとの間の絶縁抵抗の低下を抑制し漏電の発生を抑制するものがある。関連する技術として、特許文献1がある。なお、絶縁抵抗が低下する原因として、冷却媒体の導電率が高くなることの他に、燃料電池システムを覆う筐体や燃料電池システム内部の機器類が水に濡れることなどが考えられる。
ところで、燃料電池システムの生産後初回起動時や燃料電池システムの長期停止(長期放置)時では、冷却媒体を冷やすためのラジエータなどから冷却媒体に溶出される不純物イオンが比較的多くなり冷却媒体の導電率が上昇するおそれがある。
そのため、上記燃料電池システムでは、当該燃料電池システムの停止時のみ、冷却媒体から不純物イオンを除去する処理が行われる構成であるため、当該燃料電池システムの初回起動時や当該燃料電池システムの長期停止時、冷却媒体から不純物イオンを十分に除去することができず、冷却媒体の導電率が上昇し易くなり漏電の発生を抑制することが難しくなるおそれがある。
本発明の一側面に係る目的は、燃料電池システムにおいて、燃料電池を冷却するための冷却媒体の導電率の上昇を抑制することである。
本発明に係る一つの形態である燃料電池システムは、燃料電池を冷却するための冷却媒体の導電率を調整する調整部と、当該燃料電池システムとグランドとの間の絶縁抵抗を測定する測定部と、当該燃料電池システムの動作中、前記絶縁抵抗が閾値以下である場合、前記冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、前記調整部の動作を制御する制御部とを備える。
これにより、燃料電池システムの停止時のみにおいて、冷却媒体の導電率を低下させるための処理が行われる場合に比べて、冷却媒体の導電率を低下させる機会を増加させ、燃料電池システムの作動中にも導電率を低下させることができるため、冷却媒体の導電率の上昇を抑制することができる。
また、前記調整部は、前記冷却媒体から不純物イオンを除去するイオン交換器と、前記燃料電池及び前記イオン交換器にそれぞれ供給される前記冷却媒体の単位時間あたりの流量を調整するポンプとを備え、前記制御部は、当該燃料電池システムの動作中、前記絶縁抵抗が前記閾値以下である場合、前記冷却媒体の導電率が前記所定導電率以下になるように、前記ポンプの動作を制御するように構成してもよい。
また、前記調整部は、前記冷却媒体から不純物イオンを除去するイオン交換器と、前記燃料電池及び前記イオン交換器にそれぞれ前記冷却媒体を供給するポンプと、前記ポンプと前記燃料電池とをつなぐ第1経路と、前記第1経路と前記イオン交換器とをつなぐ第2経路との分岐点に設けられ、前記燃料電池及び前記イオン交換器にそれぞれ供給される前記冷却媒体の単位時間あたりの流量を調整する分岐弁とを備え、前記制御部は、当該燃料電池システムの動作中、前記絶縁抵抗が前記閾値以下である場合、前記冷却媒体の導電率が前記所定導電率以下になるように、前記分岐弁の動作を制御するように構成してもよい。
また、前記制御部は、当該燃料電池システムの起動時及び当該燃料電池システムの動作中、前記絶縁抵抗が前記閾値以下である場合、前記冷却媒体の導電率が前記所定導電率以下になるように、前記調整部の動作を制御するように構成してもよい。
これにより、冷却媒体の導電率を低下させる機会をさらに増やすことができるため、冷却媒体の導電率の上昇をさらに抑制することができる。
また、前記制御部は、当該燃料電池システムの生産後初回起動時、または、当該燃料電池システムの前回の停止時刻から今回の起動時刻までの停止時間が所定時間以上である場合、前記冷却媒体の導電率が前記所定導電率以下になるように、前記調整部の動作を制御するように構成してもよい。
これにより、燃料電池システムの起動時、冷却媒体に含まれる不純物イオンが比較的多くなるタイミングに絞って、冷却媒体の導電率を低下させることができるため、冷却媒体の導電率を低下させることによって燃料電池の発電準備が妨げられることを抑制することができ、発電準備にかかる時間が増加することを抑制することができる。
また、前記制御部は、当該燃料電池システムの動作中、前記絶縁抵抗が前記閾値以下である場合で、かつ、当該燃料電池システムから負荷に出力される出力電力が所定電力以下である場合、前記冷却媒体の導電率が前記所定導電率以下になるように、前記調整部の動作を制御するように構成してもよい。
これにより、燃料電池システムの動作中、燃料電池の温度を多少低下させても問題ないタイミングに絞って、冷却媒体の導電率を低下させることができるため、冷却媒体の導電率を低下させることによって燃料電池の発電が妨げられることを抑制することができ、所望な電力を負荷に出力させることができる。
本発明によれば、燃料電池システムにおいて、燃料電池を冷却するための冷却媒体の導電率の上昇を抑制することができる。
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
図1は、実施形態の燃料電池システムの一例を示す図である。
図1に示す燃料電池システムFCSは、燃料電池FCと、DCDCコンバータCNVと、蓄電装置Bと、水素タンクHTと、インジェクタINJと、エアコンプレッサACPと、インタークーラICと、イオン交換器IEと、ラジエータRと、ファンFと、ポンプPと、測定部RMと、制御部CNTとを備え、外部の負荷Loに電力を供給する。
なお、燃料電池システムFCSがフォークリフトなどの車両や電気自動車などの車両に搭載される場合、負荷Loは、走行モータを駆動するインバータ回路や電装機器などとする。
また、燃料電池システムFCSを定置型発電機として構成してもよい。
燃料電池FCは、互いに直列接続される複数の燃料電池セルにより構成される燃料電池スタックであり、燃料ガス(水素ガスなど)に含まれる水素と酸化剤ガス(空気など)に含まれる酸素との電気化学反応により電気を発生させる。
DCDCコンバータCNVは、制御部CNTにより動作が制御されることで燃料電池FCから出力される電圧を所定の電圧に変換する。また、DCDCコンバータCNVから出力される電力は、負荷Lo、エアコンプレッサACPやインジェクタINJなどの補機、及び蓄電装置Bに供給される。
蓄電装置Bは、キャパシタなどにより構成され、負荷Loに電力を供給する。すなわち、DCDCコンバータCNVから出力される電力と、補機に供給される電力との差に相当する供給電力が、燃料電池システムFCSの外部(例えば、車両に搭載される走行制御部)から要求される要求電力より大きい場合、その供給電力のうち、要求電力分の電力が負荷Loに供給されるとともに、残りの電力が蓄電装置Bに供給される。DCDCコンバータCNVから蓄電装置Bに電力が供給されると、蓄電装置Bが充電され蓄電装置Bの充電量が増加する。また、DCDCコンバータCNVから出力される電力と、補機に供給される電力との差に相当する供給電力が、燃料電池システムFCSの外部から要求される要求電力より小さい場合、その供給電力が負荷Loに供給されるとともに、足りない分の電力が蓄電装置Bから負荷Loに供給される。蓄電装置Bから負荷Loに電力が供給されると、蓄電装置Bが放電され蓄電装置Bの充電量が減少する。なお、充電量とは、蓄電装置Bの充電率[%](蓄電装置Bの満充電容量に対する残容量の割合)、または、蓄電装置Bに電流が流れていないときの蓄電装置Bの開回路電圧[V]、または、蓄電装置Bに電流が流れているときの蓄電装置Bの閉回路電圧[V]、または、蓄電装置Bに流れる電流の積算値[Ah]などとする。
水素タンクHTは、燃料ガスの貯蔵容器である。水素タンクHTに貯蔵された燃料ガスはインジェクタINJを介して燃料電池FCに供給される。
インジェクタINJは、燃料電池FCに供給される燃料ガスの流量を調整する。
エアコンプレッサACPは、燃料電池システムFCSの周囲に存在する酸化剤ガスを圧縮し燃料電池FCに供給する。
インタークーラICは、圧縮により高温になった酸化剤ガスをインタークーラICに流れる冷却水などの冷却媒体と熱交換させる。
イオン交換器IEは、フィルタなどにより構成され、冷却媒体から不純物イオンを除去(ろ過)する。なお、不純物イオンは、ラジエータR、ポンプP、及び配管などから冷却媒体に溶出され、冷却媒体に溶出される不純物イオンが多くなるほど、冷却媒体の導電率が上昇するものとする。また、イオン交換器IEに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量が大きくなるほど、冷却媒体から除去される不純物イオンが多くなり冷却媒体の導電率が低下するものとする。また、燃料電池システムFCSの生産後初回起動時や燃料電池システムFCSの前回の停止時刻から今回の起動時刻までの停止時間が比較的長い場合、冷却媒体に溶出される不純物イオンが比較的多くなり冷却媒体の導電率が高くなるおそれがある。
ラジエータRは、燃料電池FCの発熱により温められた冷却媒体を外気と熱交換させる。
ファンFは、ラジエータRの放熱量を上昇させる。
ポンプPは、ラジエータRにより冷却された冷却媒体をインタークーラIC及び配管L1(第1経路)を介して燃料電池FCに供給するとともに、ラジエータRにより冷却された冷却媒体をインタークーラIC、配管L1、配管L1と配管L2(第2経路)との分岐点BP、及び配管L2を介してイオン交換器IEに供給する。なお、燃料電池FCに供給される冷却媒体は、燃料電池FCの発熱により温められた後、燃料電池FCから配管L3を介してラジエータRに排出される。また、イオン交換器IEに供給された冷却媒体はイオン交換器IEにおいて不純物イオンが除去された後、イオン交換器IEから配管L3を介してラジエータRに排出される。すなわち、冷却媒体は、ポンプPからインタークーラIC、燃料電池FC、及びラジエータRを経由してポンプPまでの閉路において循環されるとともに、ポンプPからインタークーラIC、イオン交換器IE、及びラジエータRを経由してポンプPまでの閉路において循環される。そのため、燃料電池FCにおいて温められた冷却媒体がラジエータRにおいて冷却されるとともに、ラジエータRなどから冷却媒体に溶出された不純物イオンがイオン交換器IEにおいて除去されることが繰り返される。また、燃料電池FCから出力される出力電力が大きくなるほど、燃料電池FCの発熱量が多くなり、燃料電池FCから排出される冷却媒体の温度が上昇するものとする。また、ポンプPに備えられるモータの回転数が高くなるほど、燃料電池FC及びイオン交換器IEにそれぞれ供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量が多くなるものとする。これにより、燃料電池FCに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量が多くなるほど、燃料電池FCとの間で熱交換が行われる冷却媒体が多くなるため、燃料電池FCの温度を低下させることができる。また、イオン交換器IEに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量が多くなるほど、イオン交換器IEにおいて冷却媒体から除去される不純物イオンが多くなるため、上記各閉路において循環される冷却媒体の導電率が低下する。これにより、ポンプPを、冷却媒体の導電率を調整する調整部として機能させることができる。そのため、ポンプPにより冷却媒体の導電率を小さくさせるほど、燃料電池システムFCSとグランドとの間の絶縁抵抗を大きくさせることができ、漏電の発生を抑制することができる。
測定部RMは、燃料電池システムFCSとグランドとの間の絶縁抵抗を測定する。例えば、測定部RMは、絶縁抵抗=(燃料電池システムFCSを覆う筐体とグランドとの間に印加される電圧)/(筐体とグランドとの間に流れる電流)を計算することにより、絶縁抵抗を測定する。なお、測定部RMにより測定された絶縁抵抗が比較的小さくなる原因として、冷却媒体の導電率が比較的高くなることの他に、燃料電池システムFCSを覆う筐体や燃料電池システムFCS内部の機器類が水に濡れることなどが挙げられる。そのため、測定部RMにより測定された絶縁抵抗が比較的低い場合、冷却媒体の導電率が比較的高くなっている可能性がある、または、燃料電池システムFCSを覆う筐体や燃料電池システムFCS内部の機器類が水に濡れている可能性があると予測することができる。
制御部CNTは、マイクロコンピュータなどにより構成される。
また、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの停止中、外部の制御部など(例えば、車両側の走行制御部)から送信される、燃料電池システムFCSの起動指示を受信すると、発電準備処理(各種設定値を記憶部から読み出す処理、掃気処理、及び各種センサのチェックを行う処理など)を行うためにエアコンプレッサACPやインジェクタINJなどの動作を制御し、発電準備処理が終了すると、燃料電池FCの発電を開始させて燃料電池システムFCSを起動する。
また、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの動作中(燃料電池システムFCSが起動してから停止するまでの間)、蓄電装置Bの充電量に応じて目標電力を変化させるとともに、燃料電池FCから出力される電力が目標電力に追従するようにエアコンプレッサACPやインジェクタINJの動作を制御することで燃料電池FCを発電させる。
また、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの動作中、外部の制御部などから送信される、燃料電池システムFCSの停止指示を受信すると、燃料電池FCの停止準備処理(各種設定値を記憶部に記憶する処理など)を行った後、燃料電池FCの発電を終了させて燃料電池システムFCSを停止させる。
また、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの動作中、燃料電池FCから排出される冷却媒体の温度や測定部RMにより測定される絶縁抵抗に応じて、ポンプPの動作を制御する。例えば、制御部CNTは、ポンプPに備えられるモータの目標回転数を、燃料電池FCから排出される冷却媒体の温度に対応する回転数に設定する。この場合、燃料電池FCから排出される冷却媒体の温度が高くなるほど、目標回転数を高くすることで、燃料電池FCに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量を増加させることができるため、燃料電池FCの温度上昇を抑えることができる。また、例えば、制御部CNTは、ポンプPに備えられるモータの目標回転数を、測定部RMにより測定される絶縁抵抗に対応する回転数に設定する。この場合、測定部RMにより測定される絶縁抵抗が小さくなるほど、目標回転数を高くすることで、イオン交換器IEに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量を増加させることができるため、冷却媒体の導電率の上昇を抑制することができる。
<実施例1>
図2は、実施例1における制御部CNTの動作を示すフローチャートである。
図2は、実施例1における制御部CNTの動作を示すフローチャートである。
まず、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの起動指示を受信すると(ステップS11:Yes)、発電準備処理を行い(ステップS12)、燃料電池FCの発電を開始させた後(ステップS13)、測定部RMにより測定された絶縁抵抗が閾値以下であるか否かを判断する(ステップS14)。例えば、閾値は、燃料電池システムFCSを覆う筐体とグランドとの間に比較的大きな電流が流れ始めるときに測定部RMにより測定される絶縁抵抗より任意の値大きい絶縁抵抗とする。
次に、制御部CNTは、絶縁抵抗が閾値より大きい場合、すなわち、漏電が発生する可能性が低い場合(ステップS14:No)、ステップS15に進み、絶縁抵抗が閾値以下である場合、すなわち、漏電が発生する可能性が高い場合(ステップS14:Yes)、ステップS16に進む。
次に、ステップS15において、制御部CNTは、ポンプPに備えられるモータの目標回転数を回転数ω1にした後、ステップS17に進む。なお、回転数ω1は、燃料電池FCから排出される冷却媒体の温度が目標温度範囲内になるときのモータの回転数とする。また、目標温度範囲とは、燃料電池FCが効率よく発電しているときに燃料電池FCから排出される冷却媒体の温度の最小値から最大値までの範囲とする。
また、ステップS16において、制御部CNTは、ポンプPに備えられるモータの目標回転数を回転数ω2にした後、ステップS17に進む。なお、回転数ω2は、燃料電池FCから排出される冷却媒体の温度が目標温度範囲内になるときで、かつ、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるときのモータの回転数とする。また、所定導電率とは、燃料電池システムFCSを覆う筐体とグランドとの間に比較的大きな電流が流れ始めるときの冷却媒体の導電率より任意の値大きい導電率とする。これにより、モータの目標回転数を回転数ω2にすることで、燃料電池FCを効率よく発電させつつ、冷却媒体の導電率を所定導電率以下にさせることができる。回転数ω2は回転数ω1より大きい。
次に、ステップS17において、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの停止指示を受信したか否かを判断する。
制御部CNTは、停止指示を受信していない場合(ステップS17:No)、ステップS14に戻り、停止指示を受信すると(ステップS17:Yes)、停止準備処理を行った後(ステップS18)、燃料電池FCの発電を停止させる(ステップS19)。
すなわち、実施例1の制御部CNTは、燃料電池システムFCSの動作中、測定部RMにより測定される絶縁抵抗が閾値以下である場合、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、ポンプPに備えられるモータの目標回転数を回転数ω2にする。
このように、実施例1の燃料電池システムFCSでは、燃料電池システムFCSの動作中、測定部RMにより測定される絶縁抵抗が閾値以下である場合、冷却媒体の導電率を低下させるための処理が繰り返し行われる。そのため、燃料電池システムFCSの停止時(停止準備処理など)のみにおいて、冷却媒体の導電率を低下させるための処理が行われる場合に比べて、冷却媒体の導電率を低下させる機会を増加させることができるため、冷却媒体の導電率の上昇を抑制することができる。これにより、燃料電池システムFCSとグランドとの間の絶縁抵抗の低下を抑えることができ、漏電の発生を抑制することができる。
また、燃料電池システムFCSの停止時のみにおいて、冷却媒体の導電率を低下させるための処理が行われる場合に比べて、冷却媒体の導電率を低下させる機会を増加させることができ、燃料電池システムの作動中にも、冷却媒体の導電率を低下させることができるため、冷却媒体から不純物イオンをより早く除去することができる。
<実施例2>
図3は、実施例2における制御部CNTの動作を示すフローチャートである。なお、図3に示すステップS11~S19は、図2に示すステップS11~S19と同じであるため、それら各ステップの説明を省略する。
図3は、実施例2における制御部CNTの動作を示すフローチャートである。なお、図3に示すステップS11~S19は、図2に示すステップS11~S19と同じであるため、それら各ステップの説明を省略する。
図3に示すフローチャートにおいて、制御部CNTは、起動指示を受信し(ステップS11:Yes)、発電準備処理を開始した後(ステップS21)、絶縁抵抗が閾値以下であるか否かを判断する(ステップS22)。
次に、制御部CNTは、絶縁抵抗が閾値以下である場合(ステップS22:Yes)、ステップS23に進み、絶縁抵抗が閾値より大きい場合(ステップS22:No)、ステップS24に進む。
次に、ステップS23において、制御部CNTは、ポンプPに備えられるモータの目標回転数を回転数ω2にした後、ステップS24に進む。
次に、ステップS24において、制御部CNTは、発電準備処理が終了したか否かを判断し、発電準備処理が終了していない場合(ステップS24:No)、ステップS22に戻り、発電準備処理が終了した場合(ステップS24:Yes)、ステップS13に進む。
すなわち、実施例2の制御部CNTは、燃料電池システムFCSの起動時及び燃料電池システムFCSの動作中、測定部RMにより測定される絶縁抵抗が閾値以下である場合、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、ポンプPに備えられるモータの目標回転数を回転数ω2にする。
このように、実施例2の燃料電池システムFCSでは、燃料電池システムFCSの動作中だけでなく、燃料電池システムFCSの起動時(発電準備処理時)においても、測定部RMにより測定される絶縁抵抗が閾値以下である場合、冷却媒体の導電率を低下させるための処理が繰り返し行われる。そのため、燃料電池システムFCSの停止時のみにおいて、冷却媒体の導電率を低下させるための処理が行われる場合に比べて、冷却媒体の導電率を低下させる機会をさらに増加させることができるため、冷却媒体の導電率の上昇をさらに抑制することができる。これにより、燃料電池システムFCSの絶縁抵抗の低下をより抑えることができ、漏電の発生をさらに抑制することができる。
<実施例3>
図4は、実施例3における制御部CNTの動作を示すフローチャートである。なお、図4に示すステップS11~S19は、図2に示すステップS11~S19と同じであり、図4に示すステップS21~S24は、図3に示すステップS21~S24と同じであるため、それら各ステップの説明を省略する。
図4は、実施例3における制御部CNTの動作を示すフローチャートである。なお、図4に示すステップS11~S19は、図2に示すステップS11~S19と同じであり、図4に示すステップS21~S24は、図3に示すステップS21~S24と同じであるため、それら各ステップの説明を省略する。
図4に示すフローチャートにおいて、制御部CNTは、起動指示を受信し(ステップS11:Yes)、発電準備処理を開始した後(ステップS21:Yes)、燃料電池システムFCSの今回の起動が生産後初回起動であるか否か、または、燃料電池システムFCSの前回の停止時刻から今回の起動時刻までの停止時間が所定時間以上であるか否かを判断する(ステップS31)。例えば、燃料電池システムFCSの生産後、初めて起動するときに判定フラグがオンからオフに切り替えられる場合を想定する。この場合、制御部CNTは、判定フラグがオフである場合、燃料電池システムFCSの今回の起動が生産後初回起動であると判断し、フラグがオンである場合、燃料電池システムFCSの今回の起動が生産後初回起動でないと判断する。また、例えば、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの前回停止時の時刻を停止時刻として記憶部に記憶し、燃料電池システムFCSの今回起動時の時刻を起動時刻として記憶部に記憶し、記憶部に記憶した停止時刻から起動時刻までの時間を停止時間として算出する。なお、所定時間は、冷却媒体の導電率が十分に低い状態から上記所定導電率まで上昇するときの燃料電池システムFCSの停止時間とする。また、停止時間は、燃料電池システムFCSが搭載される車両のイグニッションキーがオンである状態のまま車両が停車している時間としてもよい。
次に、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの今回の起動が生産後初回起動でない場合、または、停止時間が所定時間より短い場合(ステップS31:No)、ステップS22に進む。なお、制御部CNTは、上記判定フラグを認識することができないなど、燃料電池システムFCSの今回の起動が生産後初回起動であるか否かを判断することができない場合や記憶部に前回の停止時刻が記憶されていないなど、停止時間を求めることができない場合も、ステップS22に進むように構成してもよい。
一方、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの今回の起動が生産後初回起動である場合、または、停止時間が所定時間以上である場合(ステップS31:Yes)、ステップS23に進む。
すなわち、実施例3の制御部CNTは、燃料電池システムFCSの起動時、燃料電池システムFCSの今回の起動が生産後初回起動である場合、または、燃料電池システムFCSの停止時間が所定時間以上である場合、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、ポンプPに備えられるモータの回転数を回転数ω2にする。
このように、実施例3の燃料電池システムFCSでは、燃料電池システムFCSの起動時、冷却媒体に含まれる不純物イオンが比較的多くなるタイミングに絞って、冷却媒体の導電率を低下させることができるため、冷却媒体の導電率を低下させることによって燃料電池FCの発電準備が妨げられることを抑制することができ、発電準備にかかる時間が増加することを抑制することができる。
<実施例4>
図5は、実施例4における制御部CNTの動作を示すフローチャートである。なお、図5に示すステップS11~S19は、図2に示すステップS11~S19と同じであり、図5に示すステップS21~S24は、図3に示すステップS21~S24と同じであるため、それら各ステップの説明を省略する。
図5は、実施例4における制御部CNTの動作を示すフローチャートである。なお、図5に示すステップS11~S19は、図2に示すステップS11~S19と同じであり、図5に示すステップS21~S24は、図3に示すステップS21~S24と同じであるため、それら各ステップの説明を省略する。
図5に示すフローチャートにおいて、制御部CNTは、絶縁抵抗が閾値以下である場合(ステップS14:Yes)、燃料電池システムFCSから負荷Loに出力される出力電力が所定電力以下であるか否かを判断する(ステップS41)。なお、所定電力は、ポンプPに備えられるモータの目標回転数を回転数ω2にしても、燃料電池FCの発電効率があまり低下しないときの燃料電池システムFCSの出力電力とする。
次に、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの出力電力が所定電力より大きい場合(ステップS41:No)、ステップS15に進む。
一方、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの出力電力が所定電力以下である場合(ステップS41:Yes)、ステップS16に進む。
すなわち、実施例4の制御部CNTは、燃料電池システムFCSの動作中、絶縁抵抗が閾値以下である場合で、かつ、燃料電池システムFCSから負荷Loに出力される出力電力が所定電力以下である場合、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、ポンプPに備えられるモータの回転数を回転数ω2にする。
通常、燃料電池システムFCSから負荷Loに出力される電力が比較的小さい場合(低負荷状態である場合)、燃料電池FCの発熱量が小さくなり燃料電池FCの温度が上昇し難い状態になる。
そこで、実施例4の燃料電池システムFCSでは、燃料電池システムFCSの動作中、測定部RMにより測定される絶縁抵抗が閾値以下である場合で、かつ、燃料電池システムFCSから負荷Loに出力される出力電力が比較的小さく燃料電池FCの温度が上昇し難い場合、モータの目標回転数を回転数ω2にして冷却媒体の導電率を低下させる。これにより、燃料電池システムFCSの動作中、モータの目標回転数を回転数ω2にすることで燃料電池FCの温度を多少低下させても、燃料電池FCの発電効率に悪影響を及ぼさないようにすることができるため、所望な電力を負荷Loに出力させることができる。
なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
<変形例>
図6は、燃料電池システムFCSの変形例を示す図である。なお、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6は、燃料電池システムFCSの変形例を示す図である。なお、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6に示す燃料電池システムFCSにおいて、図1に示す燃料電池システムFCSと異なる点は、配管L1と配管L2との分岐点BPに分岐弁Vを設けている点である。
分岐弁Vは、ポンプPからインタークーラICを介して燃料電池FC及びイオン交換器IEにそれぞれ供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量を調整する。すなわち、分岐弁Vは、イオン交換器IEに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量が所定流量になるように、イオン交換器IEに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量を増加させる場合、その増加分、燃料電池FCに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量を減少させる。または、分岐弁Vは、イオン交換器IEに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量が所定流量になるように、イオン交換器IEに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量を減少させる場合、その減少分、燃料電池FCに供給される冷却媒体の単位時間あたりの流量を増加させる。すなわち、分岐弁Vを、冷却媒体の導電率を調整する調整部として機能させることができる。そのため、分岐弁Vにより冷却媒体の導電率を低下させるほど、燃料電池システムFCSとグランドとの間の絶縁抵抗の低下を抑制することができ、漏電の発生を抑制することができる。
また、図6に示す制御部CNTは、燃料電池システムFCSの動作中、測定部RMにより測定される絶縁抵抗が閾値以下である場合、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、分岐弁Vの動作を制御する。
このように構成しても、燃料電池システムFCSの動作中、測定部RMにより測定される絶縁抵抗が閾値以下である場合、冷却媒体の導電率を低下させるための処理が繰り返し行われる。そのため、燃料電池システムFCSの停止時(停止準備処理など)のみにおいて、冷却媒体の導電率を低下させるための処理が行われる場合に比べて、冷却媒体の導電率を低下させる機会を増加させることができるため、冷却媒体の導電率の上昇を抑制することができる。これにより、燃料電池システムFCSとグランドとの間の絶縁抵抗の低下を抑えることができ、漏電の発生を抑制することができる。
なお、図6に示す制御部CNTは、燃料電池システムFCSの起動時及び燃料電池システムFCSの動作中、測定部RMにより測定される絶縁抵抗が閾値以下である場合、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、分岐弁Vの動作を制御するように構成してもよい。
これにより、燃料電池システムFCSの停止時のみにおいて、冷却媒体の導電率を低下させるための処理が行われる場合に比べて、冷却媒体の導電率を低下させる機会をさらに増加させることができるため、冷却媒体の導電率の上昇をさらに抑制することができる。
また、図6に示す制御部CNTは、燃料電池システムFCSの起動時、燃料電池システムFCSの今回の起動が生産後初回起動である場合、または、燃料電池システムFCSの前回の停止時刻から今回の起動時刻までの停止時間が所定時間以上である場合、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、分岐弁Vの動作を制御するように構成してもよい。
これにより、燃料電池システムFCSの起動時、冷却媒体に含まれる不純物イオンが比較的多くなるタイミングに絞って、冷却媒体の導電率を低下させることができるため、冷却媒体の導電率を低下させることによって燃料電池FCの発電準備が妨げられることを抑制することができ、発電準備にかかる時間が増加することを抑制することができる。
また、図6に示す制御部CNTは、燃料電池システムFCSの動作中、測定部RMにより測定される絶縁抵抗が閾値以下である場合で、かつ、燃料電池システムFCSから負荷Loに出力される出力電力が所定電力以下である場合、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、分岐弁Vの動作を制御するように構成してもよい。
これにより、燃料電池システムFCSの動作中、冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、分岐弁Vの動作を制御することで燃料電池FCの温度を多少低下させても、燃料電池FCの発電効率に悪影響を及ぼさないようにすることができるため、所望な電力を負荷Loに出力させることができる。
FCS 燃料電池システム
FC 燃料電池
CNV DCDCコンバータ
B 蓄電装置
HT 水素タンク
INJ インジェクタ
ACP エアコンプレッサ
IC インタークーラ
IE イオン交換器
R ラジエータ
F ファン
P ポンプ
RM 測定部
CNT 制御部
Lo 負荷
V 分岐弁
FC 燃料電池
CNV DCDCコンバータ
B 蓄電装置
HT 水素タンク
INJ インジェクタ
ACP エアコンプレッサ
IC インタークーラ
IE イオン交換器
R ラジエータ
F ファン
P ポンプ
RM 測定部
CNT 制御部
Lo 負荷
V 分岐弁
Claims (6)
- 燃料電池を冷却するための冷却媒体の導電率を調整する調整部と、
当該燃料電池システムとグランドとの間の絶縁抵抗を測定する測定部と、
当該燃料電池システムの動作中、前記絶縁抵抗が閾値以下である場合、前記冷却媒体の導電率が所定導電率以下になるように、前記調整部の動作を制御する制御部と、
を備える燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記調整部は、
前記冷却媒体から不純物イオンを除去するイオン交換器と、
前記燃料電池及び前記イオン交換器にそれぞれ供給される前記冷却媒体の単位時間あたりの流量を調整するポンプと、
を備え、
前記制御部は、当該燃料電池システムの動作中、前記絶縁抵抗が前記閾値以下である場合、前記冷却媒体の導電率が前記所定導電率以下になるように、前記ポンプの動作を制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記調整部は、
前記冷却媒体から不純物イオンを除去するイオン交換器と、
前記燃料電池及び前記イオン交換器にそれぞれ前記冷却媒体を供給するポンプと、
前記ポンプと前記燃料電池とをつなぐ第1経路と、前記第1経路と前記イオン交換器とをつなぐ第2経路との分岐点に設けられ、前記燃料電池及び前記イオン交換器にそれぞれ供給される前記冷却媒体の単位時間あたりの流量を調整する分岐弁と、
を備え、
前記制御部は、当該燃料電池システムの動作中、前記絶縁抵抗が前記閾値以下である場合、前記冷却媒体の導電率が前記所定導電率以下になるように、前記分岐弁の動作を制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1~3の何れか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、当該燃料電池システムの起動時及び当該燃料電池システムの動作中、前記絶縁抵抗が前記閾値以下である場合、前記冷却媒体の導電率が前記所定導電率以下になるように、前記調整部の動作を制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1~3の何れか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、当該燃料電池システムの生産後初回起動時、または、当該燃料電池システムの前回の停止時刻から今回の起動時刻までの停止時間が所定時間以上である場合、前記冷却媒体の導電率が前記所定導電率以下になるように、前記調整部の動作を制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1~3の何れか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、当該燃料電池システムの動作中、前記絶縁抵抗が前記閾値以下である場合で、かつ、当該燃料電池システムから負荷に出力される出力電力が所定電力以下である場合、前記冷却媒体の導電率が前記所定導電率以下になるように、前記調整部の動作を制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021172188A JP2023062300A (ja) | 2021-10-21 | 2021-10-21 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021172188A JP2023062300A (ja) | 2021-10-21 | 2021-10-21 | 燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023062300A true JP2023062300A (ja) | 2023-05-08 |
Family
ID=86269897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021172188A Pending JP2023062300A (ja) | 2021-10-21 | 2021-10-21 | 燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023062300A (ja) |
-
2021
- 2021-10-21 JP JP2021172188A patent/JP2023062300A/ja active Pending
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