JP2023062250A - 多面鏡 - Google Patents

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【課題】高スループットで形成することができる高品質な多面鏡を提供する。【解決手段】本発明に係る多面鏡5は、光束を反射する複数の反射面5aと、複数の反射面5aの夫々を含む平面に対して互いに反対側に配置される第1及び第2の面5u及び5dと、第1の面5uに形成された凸部5p及び第2の面5dに形成された凹部5rとを有し、第1の面5uから凸部5pの頂部までの距離は、第2の面5dから凹部5rの底部までの距離よりも大きいことを特徴とする。【選択図】 図4

Description

本発明は、多面鏡に関し、レーザービームプリンタ、デジタル複写機やマルチファンクションプリンタ等の画像形成装置に搭載される光走査装置に好適なものである。
従来、光走査装置に用いられる多面鏡の製造において高スループット化及び低コスト化を達成するために、一度に多数の樹脂製の多面鏡それぞれの反射面に対して成膜を行うことが求められている。
その際に、多数の多面鏡それぞれの反射面を互いに整列させながら配置することで、それぞれの反射面に対する成膜の均一度が向上することによって高品質化された多面鏡を得ることができる。
特許文献1は、反射面に直交する上面及び下面の一方に突起、他方に穴を設け、隣接する多面鏡の一方の当該突起を他方の当該穴に差し込むことで、容易にそれぞれの反射面を互いに整列させながら一度に多数の多面鏡に対して成膜を行うことができる技術を開示している。
特開平5-323224号公報
上記に加えて、多面鏡の反射面に形成された膜の密着強度を十分に確保するように成膜を行うことで、多面鏡における更なる高品質化が求められている。
そして、多面鏡の反射面に十分な密着強度が確保された膜を形成するための一つの方法として、反射面だけでなく反射面に直交する上面や下面において一部が回り込むように成膜を行う方法が知られている。
しかしながら特許文献1に開示されている技術では、突起が穴内に完全に挿入されることによって隣接する多面鏡それぞれの上面及び下面が互いに接触しているため、反射面に直交する上面や下面において一部が回り込むように成膜を行うことは非常に困難である。
そこで本発明は、高スループットで形成することができる高品質な多面鏡を提供することを目的とする。
本発明に係る多面鏡は、光束を反射する複数の反射面と、複数の反射面の夫々を含む平面に対して互いに反対側に配置される第1及び第2の面と、第1の面に形成された凸部及び第2の面に形成された凹部とを有し、第1の面から凸部の頂部までの距離は、第2の面から凹部の底部までの距離よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、高スループットで形成することができる高品質な多面鏡を提供することができる。
第一実施形態に係るポリゴンミラーを備える光走査装置の主走査断面図。 第一実施形態に係るポリゴンミラーに対して成膜を行うための真空蒸着装置の断面図、一部拡大断面図及び一部拡大上面図。 第一実施形態に係るポリゴンミラーが取り付けられた偏向装置の断面図。 第一実施形態に係るポリゴンミラーの斜視図。 実施形態に係る画像形成装置の要部副走査断面図。 従来の光走査装置の主走査断面図。
以下に、本実施形態に係る多面鏡(ポリゴンミラー)を添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお以下に示す図面は、本実施形態を容易に理解できるようにするために、実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。
レーザービームプリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に用いられる光走査装置では、光源から射出された光束が入射光学系によって偏向器に導光される。
そして、偏向器によって偏向走査された光束は、結像光学系によって被走査面の位置に配置された感光ドラム面上にスポット状に集光されることで、当該光束によって感光ドラム面上が光走査される。
そのような光走査装置では、光源から出射した光束がコリメータレンズ等によって略平行光束に変換された後、シリンドリカルレンズによって偏向器の偏向面近傍に集光されることで線像が形成される。
そして偏向器の偏向面によって偏向された光束は、走査レンズによって感光ドラム面上においてスポットを形成するように集光され、例えば偏向器が回転することで感光ドラム面上が略等速走査される。
図6は、従来の光走査装置900の模式的主走査断面図を示している。
光走査装置900において、光源901は、例えば半導体レーザーより構成されており、コリメータレンズ902は、光源901から射出された発散光束を略平行光束に変換する。
シリンドリカルレンズ903は、副走査断面内においてのみ所定の屈折力を有しており、コリメータレンズ902を通過した光束を副走査断面内において集光することで、偏向器905の偏向面(偏向反射面)905aに略線像が形成される。
絞り904は、例えばスリット部材であり、シリンドリカルレンズ903を通過した光束の光束径を制限する。
偏向器905は、例えば複数の偏向面905aを有するポリゴンミラー(回転多面鏡)によって構成されており、モーター等の不図示の駆動手段によって図中矢印R方向に回転する。
fθレンズ群906は、主に主走査断面内において屈折力を有する第一レンズ群906aと、主に副走査断面内において屈折力を有する第二レンズ群906bとによって構成されている。
そしてfθレンズ群906は、偏向器905によって偏向された光束を被走査面907上に導光することで、被走査面907上にスポットが形成される。
また、fθレンズ群906によって副走査断面内において偏向面905aと被走査面907とが互いに略共役関係に設定されており、偏向面905aの倒れによる結像位置ずれが低減される、すなわち面倒れ補正光学系が構成されている。
また、偏向器905によって所定の方向に偏向された後、第一レンズ群906aを通過した光束は、ミラー908によって同期検出センサー910へ向かうように反射される。
そして、同期検出結像レンズ909が、ミラー908によって反射された光束を同期検出センサー910上に集光する。
偏向器に用いられる樹脂製のポリゴンミラーにおいては、反射面に成膜を行うことで高品質化を達成すると共に、成膜装置において一度に多数のポリゴンミラーに対して成膜を行うことで高スループット化を達成することが求められる。
そしてそのような高品質化を達成するためには、成膜装置における各ポリゴンミラーの間の位相合わせ、すなわちそれぞれの反射面の整列を容易に行うことができることが求められる。
特許文献1に開示されている技術では、ポリゴンミラーの反射面に直交する上面及び下面それぞれに凹凸形状を形成し、複数のポリゴンミラーの間で当該凹凸形状を互いに嵌合させて位相合わせを行うことで高品質化を図っている。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では上面及び下面それぞれに凹凸形状を設けているため、偏向装置においてモーター等に接触する部分であるポリゴンミラーの基準面の平面度を向上させることが困難であるという課題が発生する。
すなわち、そのような基準面の高精度化と位相合わせにおける作業性の向上とを両立することでポリゴンミラーにおける更なる高品質化が求められる。
また、成膜装置内に多数のポリゴンミラーを配置する際に、各反射面に対する膜の密着強度を確保しつつ複数の反射面の間の反射率差や各反射面内における反射率の分布を低減することが求められる。
そのために、各ポリゴンミラーの間で位相を合わせると共に、以下に詳細に示すように、隣接するポリゴンミラーを互いに離間させて配置する課題が生じる。
加えて、ポリゴンミラーを射出成形で形成する際に、基準面を形成するための型の平面度を向上させ、基準面の周辺部分を形成する型の部品点数を削減すると共に、特に樹脂流動性が変化する凸形状を基準面には設けないようにするという課題が生じる。
本願発明者は、以下に詳細に示すように、上記の課題を解決することで、量産性が高く、安価且つ高品質なポリゴンミラーを作成するための方法を見出した。
すなわち本実施形態によって、基準面を高精度に形成し成膜コストを低減することが可能であると共に、安価且つ高精細な光走査装置用のポリゴンミラーを提供することができる。
図1は、第一実施形態に係るポリゴンミラー5を備える光走査装置100の模式的主走査断面図を示している。
光走査装置100は、光源1、絞り2、アナモフィックコリメータレンズ3、偏向器5及び走査レンズ6を備えている。また光走査装置100は、不図示のミラーを備えている。
光源1は、41の発光点を有する半導体レーザーから構成されている。
絞り2は、楕円形状の開口部を有する開口絞りであり、光源1から出射した光束の主走査方向及び副走査方向の光束幅を規制する。
アナモフィックコリメータレンズ3は、絞り2を通過した光束を主走査方向においては弱収束光束、副走査方向においては収束光束になるように変換している。
すなわちアナモフィックコリメータレンズ3は、主走査断面と副走査断面とで互いに屈折力が異なるアナモフィックレンズで構成されている。
またアナモフィックコリメータレンズ3は、プラスティックモールドで形成されている。
以上のように、光走査装置100では、絞り2及びアナモフィックコリメータレンズ3によって入射光学系75が構成される。
偏向器5は、外接円直径が20mmであると共に四つの反射面5aを有するポリゴンミラーであり、光走査装置100において不図示のモーター等の駆動手段によって矢印R方向に一定速度で回転することで、入射光学系75を通過した光束を偏向走査する。
走査レンズ6は、略fθ特性を有するfθレンズであり、偏向器5によって偏向された光束を被走査面7上に導光することで、被走査面7の画像領域にスポットが形成される。
なお走査レンズ6は、副走査断面内において偏向器5の偏向面(反射面)5a又はその近傍と、被走査面7又はその近傍との間を略共役関係にしており、これにより、偏向器5の偏向面5aの倒れ補正を行っている。
また光走査装置100では、走査レンズ6によって結像光学系85が構成される。
以上の構成により、光走査装置100では、画像情報に応じて光源1より光変調されて出射した光束が絞り2を通過する際に、絞り2の開口部によって主走査方向及び副走査方向における光束幅が制限される。
そして絞り2を通過した光束は、アナモフィックコリメータレンズ3によって主走査断面及び副走査断面で互いに異なる収束度を有する光束に変換され、偏向器5の偏向面5aにおいて略焦線の像(主走査方向に長い線像)が形成されるように、集光される。
偏向器5の偏向面5aによって反射偏向された光束は、走査レンズ6によって被走査面7上にスポット状に集光され、偏向器5を矢印R方向に回転させることで被走査面7上が主走査方向に略等速度で光走査される。
これにより、被走査面7の位置に配置されている記録媒体としての感光ドラム面上に画像記録が行われる。
なお被走査面7上を光走査する際には、被走査面7上における走査開始タイミングを決定する必要がある。
そのため光走査装置100では、偏向器5によって所定の方向に反射偏向された光束を不図示のBD(Beam Detection:ビーム検知)レンズによって不図示のBDセンサー上に導光している。
そして、不図示の制御部がBDセンサーからの出力信号を検知することによって取得される同期信号(BD信号)を用いることで、被走査面7上の画像記録における走査開始のための光源1の発光点の発光タイミングを決定している。
次に、本実施形態に係るポリゴンミラー5の構成について説明する。
光走査装置100の偏向器5として用いられる本実施形態に係るポリゴンミラー5は、プラスチック材料(具体的には、例えば日本ゼオン社製K22R)を用いて射出成形によって作成される。
これにより、本実施形態に係るポリゴンミラー5の反射面5aを高精度かつ安価に作成することができる。
また、本実施形態に係るポリゴンミラー5の反射面5aにおける成膜については、真空蒸着を用いて行っている。これにより、多数のポリゴンミラー5に対して一度に同時に成膜を行うことができるため、ポリゴンミラー一個あたりの成膜加工費を削減することができる。
更に、市販の汎用蒸着装置を使用することができるため、投資も抑制することができる。
図2(a)及び(b)は、本実施形態に係るポリゴンミラー5の反射面5aに対して成膜を行うための真空蒸着装置300の模式的断面図及び模式的一部拡大断面図を示している。
真空蒸着装置300には、内部を真空状態に維持することができる成膜室301と、成膜室301を排気する真空ポンプ等から構成される排気系302とが設けられている。
そして成膜室301には、公転軸303を中心に公転駆動が可能な公転部品304が配置されており、駆動機構305によってギア306を介して公転部品304の公転駆動が行われる。
ポリゴンミラー5は、中心に形成されている孔を成膜室301に設けられている自転軸部品307が貫通するように複数積層されて配置される。
そして、そのように複数のポリゴンミラー5が配置された自転軸部品307が、公転部品304に対して角度Sθをなすように傾けて設置され、不図示の駆動機構によって自転軸部品307の自転駆動が行われる。
このように、公転部品304が公転駆動すると共に自転軸部品307が自転駆動することによって、ポリゴンミラー5が自公転駆動した状態で反射面5aに対して成膜が行われる。
また真空蒸着装置300には、ライナー308、イオン銃309及び水晶膜厚センサー310が設けられている。
更に成膜室301には、酸素ガスを導入するための不図示のアルゴン導入ライン及び酸素導入ラインが設けられている。
そしてライナー308は、公転軸303から距離OFSだけ離間すると共に、ポリゴンミラー5から高さSLだけ離間した位置に配置される。
また図2(b)に示されているように、複数のポリゴンミラー5が、自転軸部品307の軸方向に沿って複数の反射面5aに垂直な上面5uが上方を向くように、すなわち自転軸部品307の軸方向と上面5uに垂直なZ方向とが互いに平行になるように配置されている。
加えて、隣接するポリゴンミラー5は、互いに対して隙間Lだけ離間するように配置される。
そして複数のポリゴンミラー5は、自転軸部品307の軸方向に沿って、互いに位相を揃える、すなわちそれぞれの所定の反射面5aが互いに略平行になるように配置される。
本実施形態に係るポリゴンミラー5の製造方法は、以下に詳細に示すような構成を有する基板を複数形成するステップと、形成された複数の基板を真空蒸着装置300において上記のように配置するステップと、真空蒸着装置300において配置された複数の基板それぞれに対して成膜を行うステップとを含む。
次に、真空蒸着装置300において複数のポリゴンミラー5の反射面5aに対して成膜を行う際に、上記のように隣接するポリゴンミラー5を互いに対して隙間Lだけ離間するように配置する理由について説明する。
図3は、本実施形態に係るポリゴンミラー5が取り付けられる偏向装置500の断面図を示している。
偏向装置500は、ポリゴンミラー5、回転軸504、ロータ505、ステータ506、基板507、軸受装置508及び押さえばね509を備えている。
回転軸504は、ロータ505に一体的に結合されていると共に、ポリゴンミラー5の中心孔512を貫通して延在している。
また、基板507及び軸受装置508は、互いに一体的に結合されている。
また、押さえばね509はポリゴンミラー5を固定する弾性部材として機能し、ロータ505及びステータ506によって駆動モーター516(駆動部)が構成される。
そして、ステータ506に電流が供給されることによって駆動モーター516が駆動することで、ロータ505の回転に伴ってポリゴンミラー5が回転する。
図3に示されているように、多層膜511は、ポリゴンミラー5の反射面5a上に加えて、一部が上面5u及び下面5dに回り込むように形成されている。
上記のように、ポリゴンミラー5は押さえばね509によって下方(-Z方向)に押圧されることによってロータ505を下方に押圧するように固定されている。
そのため、本実施形態に係るポリゴンミラー5では、多層膜511の一部を上面5u及び下面5dに回り込むように形成することで、ポリゴンミラー5に印加されている下方への押圧力による変形を抑制させている。
すなわち、上面5uにおける多層膜511の回り込み量に対応する径方向幅(Z方向に垂直な面内における幅)をL1、下面5dにおける多層膜511の径方向幅をL2としたとき、L1>L2の関係を満たすように多層膜511を形成する。
形成された多層膜511は圧縮応力を有するため、上面5u及び下面5dそれぞれにおいて、反射面5aから中心孔512へと向かう力が印加され、圧縮応力によって印加される当該力は、多層膜511が形成されている領域が広いほど大きくなる。
そのため、L1>L2の関係を満足するように多層膜511を形成することで、下面5dに印加される当該力よりも上面5uに印加される当該力の方を大きくすることができる。
これにより、ポリゴンミラー5において多層膜511の形成に伴って上方(+Z方向)への圧縮応力を発生させることで、ポリゴンミラー5の反射面5aの変形を抑制することができる。
そして、そのように一部が上面5u及び下面5dに回り込むように多層膜511を形成するために、真空蒸着装置300において隣接するポリゴンミラー5を互いに対して隙間Lだけ離間するように配置している。
また、真空蒸着装置300において複数のポリゴンミラー5の反射面5aに対して成膜を行う際に、上記のように複数のポリゴンミラー5を互いに位相を揃える、すなわちそれぞれの所定の反射面5aが互いに略平行になるように配置する理由について説明する。
従来、安価な加工方法を用いて成膜が行われたポリゴンミラーの反射面における環境耐久性の向上と光量分布の均一性の向上との両立は、困難であった。
そこで本願発明者は、鋭意検討を行い、成膜時における斜入射成分を抑制するように成膜方法を工夫することで、環境耐久性が高い反射面を有する高品質なポリゴンミラーの加工方法及び当該反射面に形成される多層膜の構成を見出した。
図2(c)は、真空蒸着装置300において自転軸部品307の軸方向に沿って配置された複数のポリゴンミラー5をZ方向から見た図を示している。
真空蒸着装置300において複数のポリゴンミラー5を自転軸部品307の軸方向に沿って配置する際には、隣接するポリゴンミラー5(第1の多面鏡、第2の多面鏡)それぞれの所定の反射面5aの間の角度(位相)αが大きくずれていると、成膜時の斜入射成分が増大してしまう。
この場合、反射面5aに形成される多層膜の膜密度が低下することにより環境耐久性が悪化するため好ましくない。
そこで、本実施形態に係るポリゴンミラー5の反射面5aに成膜を行う際には、上記角度αが以下の条件式(1)を満たすように、真空蒸着装置300において複数のポリゴンミラー5を自転軸部品307の軸方向に沿って配置することが好ましい。
-10°≦α≦10° ・・・(1)
上記条件式(1)を満たす、すなわち複数のポリゴンミラー5を互いに位相を揃えながら配置することで、成膜時の斜入射成分が抑制され、環境耐久性が高い反射面5aを有する高品質なポリゴンミラー5を形成することができる。
なお上記角度αは、以下の条件式(1a)を満たすことがより好ましく、以下の条件式(1b)を満たすことが更により好ましく、以下の条件式(1c)を満たすことが最も好ましい。
-5°≦α≦5° ・・・(1a)
-2°≦α≦2° ・・・(1b)
α=0° ・・・(1c)
また本実施形態に係るポリゴンミラー5を加工する際には、反射面5aにおける斜入射膜の形成を抑制することで環境耐久性を確保するために、成膜時における自転軸部品307の自転を断続的に行いながら、ポリゴンミラー5の反射面5aに対して多層膜の成膜を行っている。
本実施形態に係るポリゴンミラー5の反射面5aに形成されている多層膜の膜構成及び中心における各層の物理膜厚を以下の表1に示す。
なお表1に示されている各層の物理膜厚とは、各層に成膜されている膜の厚さを示している。
また、本実施形態に係るポリゴンミラー5の反射面5aに形成されている多層膜において、基板と第1層との間に光学性能には影響しない密着性向上のための下地層(密着層)として例えば低屈折率材料SiOの層を設けてもよい。
Figure 2023062250000002
表1に示されているように、本実施形態に係るポリゴンミラー5の反射面5aでは、樹脂(日本ゼオン社製K22R)で形成されている基板上において金属材料Alで成膜された第1層、低屈折率材料SiOで成膜された第2層、高屈折率材料Taで成膜された第3層、低屈折率材料SiOで成膜された第4層の順に積層されるように多層膜が形成されている。
しかしながら、本実施形態に係るポリゴンミラー5の反射面5aに形成される多層膜の膜材料は、これに限定されるものではない。
そして反射面5aにおいて多層膜の成膜を行う際には、成膜室301の圧力が1.3×10-2Paまで減圧されるように排気系302によって排気を行った後、ライナー308によって上記の各材料を反射面5aに蒸着する。
また成膜速度は、水晶膜厚センサー310によって制御され、具体的には金属材料Al、低屈折率材料SiO及び高屈折率材料Taそれぞれにおいて2.5nm/sec、1.6nm/sec及び0.4nm/secに設定されている。
また低屈折率材料SiO及び高屈折率材料Taの成膜を行う際には、イオン銃309によってイオンアシストを行っている。
図4(a)、(b)及び(c)はそれぞれ、本実施形態に係るポリゴンミラー5の斜視図、上面5uを上に向けたときの斜視図、及び下面5dを上に向けたときの斜視図を示している。
図4(a)乃至(c)に示されているように、本実施形態に係るポリゴンミラー5は、四つの反射面5aと、それぞれ反射面5aに直交する(垂直な)上面5u(第1の面)及び下面5d(第2の面)とから構成されている。なおここで、上面5u及び下面5dはそれぞれ反射面5aに対して厳密に垂直である必要は無く、略垂直であっても構わない。
そして、上面5uには四つの凸部5p(嵌合用凸部、位置決め部、整合部、嵌合部)が形成されていると共に、下面5dには四つの凹部5r(嵌合用凹部、位置決め部、整合部、嵌合部)が形成されている。
ここで上面5u及び下面5dはそれぞれ、複数の反射面5aそれぞれの中心を含む断面に対して互いに反対側に配置されている。
また本実施形態に係るポリゴンミラー5では、後述するように、凸部5p及び凹部5rのうち、上面5uには凸部5pのみが形成されている一方で、下面5dには凹部5rのみが形成されていることが好ましい。
しかしながらこれに限らず、上面5uには凹部5rのみが形成されている一方で、下面5dには凸部5pのみが形成されていてもよく、上面5u及び下面5dそれぞれに凸部5p及び凹部5rの双方が形成されていても構わない。
またポリゴンミラー5は、上面5uに樹脂が流れてくる部分、すなわちゲート部5gが形成されるように射出成形を行うことで形成され、本実施形態では、ゲートカットしたときのゲート残りが上面5uから飛び出さないようにゲート部5gを含む領域に凹部5gr(ゲート部用凹部)を形成している。
なお本実施形態に係るポリゴンミラー5では、ロータ505に接触する下面5dの部分(基準面)の面精度を維持するために、ゲート部5g及び凹部5grを上面5uに形成することが好ましい。
また本実施形態に係るポリゴンミラー5では、下面5dにおいて載置した際に傷等が形成されないように保護するための凸状の保護部5bも形成されている。
図2(d)は、自転軸部品307の軸方向に沿って配置されている複数の本実施形態に係るポリゴンミラー5の断面図を示している。
図4(b)及び(c)に示したように、本実施形態に係るポリゴンミラー5では、上面5uに四つの凸部5pが形成されていると共に、下面5dに四つの凹部5rが形成されている。
そして、複数のポリゴンミラー5それぞれの所定の反射面5aを互いに略平行にしながら隣接するポリゴンミラー5を互いに接近させると、図2(d)に示されているように、四つの凸部5pがそれぞれ四つの凹部5rと嵌合する。
すなわち、四つの凸部5p及び四つの凹部5rはそれぞれ、嵌合させた際に複数のポリゴンミラー5それぞれの所定の反射面5aが互いに略平行になるように、すなわち上記の条件式(1)が満たされるように形成されている。
換言すると、複数の本実施形態に係るポリゴンミラー5を自転軸部品307の軸方向に沿って配置した際に、隣接するポリゴンミラー5において一方の回転に伴って他方が回転するように互いに嵌合する凸部5p及び凹部5rが形成されている。
ここで、凸部5pの高さ(突出量)、すなわち凸部5pにおいて上面5uから最も離間している部分(頂部)と上面5uとの間の距離をH1、凹部5rの深さ、すなわち凹部5rにおいて下面5dから最も離間している部分(底部)と下面5dとの間の距離をH2とする。
そして、複数の本実施形態に係るポリゴンミラー5を自転軸部品307の軸方向に沿って配置した際に、隣接するポリゴンミラー5の対向する一方の上面5uと他方の下面5dとの間の距離をLとしたとき、以下の式(2)が満たされる。
H1-H2=L ・・・(2)
そして本実施形態に係るポリゴンミラー5では、上記に示したように、一部が上面5u及び下面5dに回り込むように反射面5a上に多層膜を形成することが求められている。
そのため、複数の本実施形態に係るポリゴンミラー5を自転軸部品307の軸方向に沿って配置する際には、隣接するポリゴンミラー5の対向する一方の上面5uと他方の下面5dとの間の距離(間隔)L、すなわちH1-H2を正の値にすることが求められる。
換言すると、凸部5pの上面5uからの高さH1が凹部5rの下面5dに対する深さH2よりも大きいことが求められる。
そして本願発明者は、当該距離L[mm]が以下の条件式(3)を満たすことが好ましいことを見出している。
0.05<L<2.00 ・・・(3)
すなわち本実施形態に係るポリゴンミラー5では、自転軸部品307の軸方向に沿って複数配置する際に、隣接するポリゴンミラー5において一方の上面5uと他方の下面5dとが対向しながら径方向端部において互いに離間するように、凸部5p及び凹部5rが形成されている。
なお本実施形態に係るポリゴンミラー5では、以下の条件式(3a)が満たされていることがより好ましい。
0.05<L<1.50 ・・・(3a)
また本実施形態に係るポリゴンミラー5では、以下の条件式(3b)が満たされていることが更により好ましい。
0.05<L<1.00 ・・・(3b)
なお本実施形態に係るポリゴンミラー5では、距離H1及び距離H2はそれぞれ、0.5mm及び0.3mmとなっており、従って距離Lは0.2mmであることから、条件式(3)乃至(3b)が満たされている。
また本実施形態に係るポリゴンミラー5では、凸部5p及び凹部5rをそれぞれ上面5u及び下面5dの中心(回転中心)近傍に形成している。
これにより、ポリゴンミラー5を射出成形する際に上面5u及び下面5dの径方向端部近傍を平面に形成することができるため、ポリゴンミラー5を形成するための型の強度を増大させると共に、上面5u及び下面5dの面精度の向上や面の傾きの抑制を行うことができる。
具体的に本実施形態に係るポリゴンミラー5では、Z方向に垂直な面内において上面5uの中心から最も離間している凸部5pの部分と上面5uの中心との間の距離をS1、上面5uの中心に最も近接している外縁部と中心との間の距離をR1とする。
また、Z方向に垂直な面内において下面5dの中心から最も離間している凹部5rの部分と下面5dの中心との間の距離をS2、下面5dの中心に最も近接している外縁部と中心との間の距離をR2とする。
このとき、以下の条件式(4)及び(5)が満たされていることが好ましい。
S1/R1≦0.50 ・・・(4)
S2/R2≦0.50 ・・・(5)
なお本実施形態に係るポリゴンミラー5では、以下の条件式(4a)及び(5a)が満たされていることがより好ましい。
S1/R1≦0.40 ・・・(4a)
S2/R2≦0.40 ・・・(5a)
また本実施形態に係るポリゴンミラー5では、以下の条件式(4b)及び(5b)が満たされていることが更により好ましい。
S1/R1≦0.35 ・・・(4b)
S2/R2≦0.35 ・・・(5b)
なお本実施形態に係るポリゴンミラー5では、S1=2.4mm、R1=7.1mm、S2=2.3mm及びR2=7.1mmであることから、S1/R1=0.34及びS2/R2=0.32となり、上記の条件式(4)乃至(4b)及び(5)乃至(5b)は満たされている。
また本実施形態に係るポリゴンミラー5では、例えば反射面5a上に成膜を行った後に複数のポリゴンミラー5を互いに容易に分離することができるようにするために、凸部5pと凹部5rとの間の嵌合性を向上させることが好ましい。
そのため、図2(d)に示されているように、凹部5rの壁部は下面5dに対して垂直になるように設計すると共に、凸部5pはテーパ状の壁部を有するように設計している。
すなわち本実施形態に係るポリゴンミラー5では、凸部5pは、先端に向かってテーパ状に傾斜している部分を有することが好ましい。
換言すると、本実施形態に係るポリゴンミラー5では、上面5u及び下面5dに垂直な所定の断面内において、凸部5pは台形形状を有している一方で、凹部5rは矩形形状を有していることが好ましい。
なお本実施形態に係るポリゴンミラー5では、上面5u及び下面5dに垂直な所定の断面内において、凸部5pが矩形形状を有している一方で、凹部5rが台形形状を有していても構わない。
また本実施形態に係るポリゴンミラー5は、図3に示されているように、下面5dの一部がロータ505に接触するように、偏向装置500に組み込まれている。
ここで、下面5dに凸部5pを形成すると、下面5dの面精度が低下してしまうと共に、ロータ505に逃げ部を設ける必要が生じることで従来とは異なるロータを作成しなくてはならなくなり、コスト増大に繋がるため好ましくない。
従って本実施形態に係るポリゴンミラー5では、凸部5pは上面5uのみに形成する一方で、凹部5rは下面5dのみに形成することが好ましい。
また本実施形態に係るポリゴンミラー5では、図2(d)に示されているように、保護部5bは、隣接するポリゴンミラー5それぞれの反射面5aのエッジ部が互いに衝突することによって反射面5aに傷が形成されることを抑制する機能も果たしている。
また本実施形態に係るポリゴンミラー5では、上面5u及び下面5dそれぞれへの多層膜の回り込み量を制御するように、自転軸部品307の軸方向に沿って配置する際に隣接するポリゴンミラー5の間の距離L、及び真空蒸着装置300に配置した際の自転軸部品307の傾き量を調整している。
このとき距離Lに関しては、所定のポリゴンミラー5の上面5uから一方の隣接するポリゴンミラー5の下面5dまでの距離と、当該所定のポリゴンミラー5の下面5dから他方の隣接するポリゴンミラー5の上面5uまでの距離とを互いに異ならせてもよい。
この場合、上面5uへの多層膜の回り込み量と下面5dへの多層膜の回り込み量とを互いに異ならせることができる。
以上のように、本実施形態に係るポリゴンミラー5において上面5u及び下面5dそれぞれの形状を工夫して設計することで、複数のポリゴンミラー5を、それぞれの間の位相合わせと隣接するポリゴンミラー5の間における隙間の確保とを同時に行いながら配置することができる。
具体的には、凸部5pの高さが凹部5rの深さより大きくなると共に、隣接するポリゴンミラー5の一方の凸部5pと他方の凹部5rとを互いに嵌合させた際に複数のポリゴンミラー5それぞれの位相が略等しくなるように、上面5uに少なくとも一つの凸部5pを形成すると共に、下面5dに少なくとも一つの凹部5rを形成している。
そして、真空蒸着装置300においてそのように配置された複数のポリゴンミラー5に対して成膜を行うことで、環境耐久性が高い反射面5aを有する高品質なポリゴンミラー5を得ることができる。
加えて、ポリゴンミラー5を偏向装置500に取り付けた際の反射面5aの変形を抑制する、すなわち取り付けるための基準面の高精度化を達成することができる、光走査装置100に用いるための安価で高性能なポリゴンミラー5を製造することができる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係るポリゴンミラー5について説明する。なお本実施形態に係るポリゴンミラー5の構成は、第一実施形態に係るポリゴンミラー5と同一であるため、同一の部材には同一の符番を付して、説明を省略する。
本実施形態に係るポリゴンミラー5では、凸部5pの高さH1及び凹部5rの深さH2の大きさが第一実施形態に係るポリゴンミラー5と異なっており、具体的には高さH1及び深さH2はそれぞれ、1.0mm及び0.5mmとなっている。
従って、式(2)から距離Lは0.5mmとなり、本実施形態に係るポリゴンミラー5においても条件式(3)乃至(3b)が満たされていることがわかる。
すなわち本実施形態に係るポリゴンミラー5では、隣接するポリゴンミラー5の対向する一方の上面5uと他方の下面5dとの間の距離Lが第一実施形態に係るポリゴンミラー5に比べて大きくなっている。
そのため、ポリゴンミラー5の上面5u及び下面5dへの多層膜の回り込みをより容易に行うことができる。
これにより、反射面5aにおいて多層膜をより強固に固定すると共に、ポリゴンミラー5を偏向装置500に取り付けた際に、ポリゴンミラー5の変形を打ち消すことができる。
また、距離Lの増大に伴って、上面5u及び下面5dへの多層膜の回り込み量、すなわち上面5u及び下面5dそれぞれにおける多層膜の形成範囲を広げることができるため、反射面5aにおける多層膜の密着強度をより向上させることができる。
以上のように、本実施形態に係るポリゴンミラー5において上面5u及び下面5dそれぞれの形状を工夫して設計することで、複数のポリゴンミラー5を、それぞれの間の位相合わせと隣接するポリゴンミラー5の間における隙間の確保とを同時に行いながら配置することができる。
また、真空蒸着装置300において複数のポリゴンミラー5を配置した際の隣接するポリゴンミラー5の間隔を広げることで、反射面5aに形成される膜の密着強度をより向上させることができる。
これにより、光走査装置100に用いるためのより高性能なポリゴンミラー5を安価に製造することができる。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態に係るポリゴンミラー5について説明する。なお本実施形態に係るポリゴンミラー5の構成は、第一実施形態に係るポリゴンミラー5と同一であるため、同一の部材には同一の符番を付して、説明を省略する。
本実施形態に係るポリゴンミラー5では、凸部5pの高さH1及び凹部5rの深さH2の大きさが第一実施形態に係るポリゴンミラー5と異なっており、具体的には高さH1及び深さH2はそれぞれ、0.5mm及び0.4mmとなっている。
従って、式(2)から距離Lは0.1mmとなり、本実施形態に係るポリゴンミラー5においても条件式(3)乃至(3b)が満たされていることがわかる。
すなわち本実施形態に係るポリゴンミラー5では、隣接するポリゴンミラー5の対向する一方の上面5uと他方の下面5dとの間の距離Lが第一実施形態に係るポリゴンミラー5に比べて小さくなっている。
これにより、所定の長さを有する自転軸部品307の軸方向に沿って、第一実施形態に比べてより多くのポリゴンミラー5を配置することができる。
従って、真空蒸着装置300において一回の成膜処理で成膜を行うことができるポリゴンミラー5の数が増加することで低コスト化を図ることができる。
以上のように、本実施形態に係るポリゴンミラー5において上面5u及び下面5dそれぞれの形状を工夫して設計することで、複数のポリゴンミラー5を、それぞれの間の位相合わせと隣接するポリゴンミラー5の間における隙間の確保とを同時に行いながら配置することができる。
また、真空蒸着装置300において複数のポリゴンミラー5を配置した際の隣接するポリゴンミラー5の間隔を狭くすることで、一回の成膜処理で成膜を行うことができるポリゴンミラー5の数を増加させることができる。
これにより、光走査装置100に用いるための高性能なポリゴンミラー5をより安価に製造することができる。
[モノクロ画像形成装置]
図5(a)は、第一乃至第三実施形態のいずれかに係るポリゴンミラー5を備える光走査ユニット100が搭載されたモノクロ画像形成装置104の要部副走査断面図を示している。
モノクロ画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117から出力したコードデータDcが入力される。このコードデータDcは、画像形成装置104内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、光走査ユニット100に入力される。そして、この光走査ユニット100からは、画像データに応じて変調された光ビーム103が出射され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム101は、モーター115によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方には、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラム101の表面に、光走査ユニット100によって走査される光ビーム103が照射されるようになっている。
先に説明したように、光ビーム103は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム103を照射することによって、感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、光ビーム103の照射位置よりも更に感光ドラム101の回転方向の下流側で感光ドラム101に当接するように配設された現像器107によってトナー像として現像される。
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対向するように配設された転写ローラ(転写器)108によって被転写材たる用紙112上に転写される。用紙112は感光ドラム101の前方(図5(a)において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109の端部には、給紙ローラ110が配設されており、用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
以上のようにして、未定着トナー像が転写された用紙112は、更に感光ドラム101後方(図5(a)において左側)の定着器150へと搬送される。定着器150は、内部に定着ヒータ(不図示)を有する定着ローラ113と定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されている。転写部から搬送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114との圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像は定着せしめられる。更に定着器150の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112がモノクロ画像形成装置104の外部に排出せしめられる。
なお、プリンタコントローラ111は、データの変換だけでなく、モーター115を始めモノクロ画像形成装置104内の各部や、光走査ユニット100内のポリゴンモーターなどの制御も行う。
[カラー画像形成装置]
図5(b)は、第一乃至第三実施形態のいずれかに係るポリゴンミラー5を備える光走査装置61乃至64が搭載された画像形成装置60の要部副走査断面図を示している。
画像形成装置60は、光走査装置を四個並行して配置し、各々が像担持体である感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。
画像形成装置60は、第一乃至第三実施形態のいずれかに係るポリゴンミラー5を備える光走査装置61、62、63、64、及び像担持体としての感光体ドラム81、82、83、84を備えている。
また、画像形成装置60は、現像器31、32、33、34、搬送ベルト51、プリンタコントローラ53及び定着器54を備えている。
画像形成装置60には、パーソナルコンピュータ等の外部機器52からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号(コードデータ)が入力される。これらの色信号は、装置内のプリンタコントローラ53によって、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各画像データに変換される。これらの画像データは、画像信号及び画像情報として、それぞれ光走査装置61、62、63、64に入力される。そして、これらの光走査装置61、62、63、64からは、各色の画像データに応じて変調された光束71、72、73、74が出射する。これらの光線によって感光体ドラム81、82、83、84の感光面が主走査方向に走査される。
画像形成装置60では、例えば光走査装置61にはC(シアン)、光走査装置62にはM(マゼンタ)、光走査装置63にはY(イエロー)、光走査装置64にはK(ブラック)の画像信号が入力される。そして、各々並行して感光体ドラム81、82、83、84の感光面上に画像信号を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
画像形成装置60は、上述の如く4つの光走査装置61、62、63、64により各々の画像データに基づいた光束を用いて、各色の静電潜像を各々対応する感光体ドラム81、82、83、84の感光面上に形成している。
その後、各色の静電潜像が現像器31、32、33、34によって各色トナー像に現像され、現像された各色トナー像が搬送ベルト51によって搬送された被転写材に転写器によって多重転写される。そして、転写されたトナー像が定着器54によって定着され、1枚のフルカラー画像が形成される。
また、外部機器52としては、例えばCCDセンサーを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置60とで、カラーデジタル複写機が構成される。
また、画像形成装置60は、4個の光走査装置及び感光体ドラムの構成に限定されるものではない。例えば、光走査装置と感光体ドラムとがそれぞれ1個のみで構成されていても構わない。また、光走査装置と感光体ドラムとがそれぞれ2個、3個、若しくは5個以上で構成されていても構わない。
5 ポリゴンミラー(多面鏡)
5a 反射面
5d 下面(第2の面)
5p 凸部
5r 凹部
5u 上面(第1の面)

Claims (21)

  1. 光束を反射する複数の反射面と、
    該複数の反射面の夫々を含む平面に対して互いに反対側に配置される第1及び第2の面と、
    前記第1の面に形成された凸部及び前記第2の面に形成された凹部とを有し、
    前記第1の面から前記凸部の頂部までの距離は、前記第2の面から前記凹部の底部までの距離よりも大きいことを特徴とする多面鏡。
  2. 前記多面鏡としての第1の多面鏡に形成された前記凸部と、前記多面鏡としての第2の多面鏡に形成された前記凹部とが互いに嵌合した状態において、該第1の多面鏡の前記複数の反射面のうちの一つと該第2の多面鏡の前記複数の反射面のうちの一つとのなす角度をα[度]としたとき、
    -10≦α≦10
    なる条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の多面鏡。
  3. 前記凸部の前記距離をH1[mm]、前記凹部の前記距離をH2[mm]としたとき、
    0.05<H1-H2<2.00
    なる条件を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の多面鏡。
  4. 前記第1の面に平行な断面において、前記第1の面の中心から最も離間している前記凸部の部分と前記第1の面の中心との間の距離をS1、前記第1の面の中心に最も近接している外縁部と該中心との間の距離をR1とし、前記第2の面に平行な断面において、前記第2の面の中心から最も離間している前記凹部の部分と前記第2の面の中心との間の距離をS2、前記第2の面の中心に最も近接している外縁部と該中心との間の距離をR2としたとき、
    S1/R1≦0.50
    S2/R2≦0.50
    なる条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の多面鏡。
  5. 前記凸部は、先端に向かってテーパ状に傾斜している部分を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の多面鏡。
  6. 前記多面鏡は、前記第1及び第2の面の一方にゲート部が設けられると共に、該ゲート部のまわりにゲート部用凹部が設けられるように射出成形で形成される多面鏡であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の多面鏡。
  7. 前記第1及び第2の面に垂直な所定の断面において、前記凸部及び前記凹部の一方は台形形状を有すると共に、他方は矩形形状を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の多面鏡。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の多面鏡と、
    該多面鏡を回転させる駆動部とを有することを特徴とする偏向装置。
  9. 前記凸部及び前記凹部のうち、前記第1の面には前記凸部のみが形成されていると共に、前記第2の面には前記凹部のみが形成されており、
    前記駆動部は、ロータ及びステータを有するモーターであり、
    前記第2の面が前記ロータに接触するように前記多面鏡が前記駆動部に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載の偏向装置。
  10. 前記多面鏡は、前記第1の面にゲート部が設けられると共に、該ゲート部のまわりにゲート部用凹部が設けられるように射出成形で形成される多面鏡であることを特徴とする請求項9に記載の偏向装置。
  11. 光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する請求項8乃至10の何れか一項に記載の偏向装置と、
    該偏向装置によって偏向された光束を前記被走査面に導光する結像光学系とを備えることを特徴とする光走査装置。
  12. 請求項11に記載の光走査装置と、該光走査装置により前記被走査面に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項11に記載の光走査装置と、外部機器から出力された信号を画像データに変換して該光走査装置に入力するプリンタコントローラとを備えることを特徴とする画像形成装置。
  14. 光束を反射する複数の反射面と、該複数の反射面の夫々を含む平面に対して互いに反対側に配置される第1及び第2の面と、前記第1の面に形成された凸部及び前記第2の面に形成された凹部とを有し、前記第1の面から前記凸部の頂部までの距離は、前記第2の面から前記凹部の底部までの距離よりも大きい基板を複数形成するステップと、
    前記複数の基板を、隣接する二つの前記基板の一方の前記凸部と他方の前記凹部とが互いに嵌合するように配置するステップと、
    前記複数の基板の夫々の前記反射面に膜を形成するステップとを含むことを特徴とする多面鏡の製造方法。
  15. 前記基板を複数形成するステップは、前記配置するステップにおいて、二つの前記基板の一方の前記複数の反射面のうちの一つと他方の前記複数の反射面のうちの一つとのなす角度をα[度]としたとき、何れの二つの前記基板においても、
    -10≦α≦10
    なる条件を満たすように、前記複数の基板の夫々に前記凸部及び前記凹部を形成するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記基板を複数形成するステップは、前記凸部の前記距離をH1[mm]、前記凹部の前記距離をH2[mm]としたとき、
    0.05<H1-H2<2.00
    なる条件を満たすように前記複数の基板の夫々に前記凸部及び前記凹部を形成するステップを含むことを特徴とする請求項14または15に記載の製造方法。
  17. 前記基板を複数形成するステップは、前記第1の面に平行な断面において、前記第1の面の中心から最も離間している前記凸部の部分と前記第1の面の中心との間の距離をS1、前記第1の面の中心に最も近接している外縁部と該中心との間の距離をR1とし、前記第2の面に平行な断面において、前記第2の面の中心から最も離間している前記凹部の部分と前記第2の面の中心との間の距離をS2、前記第2の面の中心に最も近接している外縁部と該中心との間の距離をR2としたとき、
    S1/R1≦0.50
    S2/R2≦0.50
    なる条件を満たすように前記複数の基板の夫々に前記凸部及び前記凹部を形成するステップを含むことを特徴とする請求項14乃至16の何れか一項に記載の製造方法。
  18. 前記基板を複数形成するステップは、前記凸部が先端に向かってテーパ状に傾斜している部分を有するように前記複数の基板の夫々に前記凸部を形成するステップを含むことを特徴とする請求項14乃至17の何れか一項に記載の製造方法。
  19. 前記基板を複数形成するステップは、前記第1及び第2の面の一方にゲート部が設けられると共に、該ゲート部のまわりにゲート部用凹部が設けられるように射出成形によって前記複数の基板の夫々を形成するステップを含むことを特徴とする請求項14乃至18の何れか一項に記載の製造方法。
  20. 前記基板を複数形成するステップは、前記第1及び第2の面に垂直な所定の断面において、前記凸部及び前記凹部の一方は台形形状を有すると共に、他方は矩形形状を有するように前記複数の基板の夫々に前記凸部及び前記凹部を形成するステップを含むことを特徴とする請求項14乃至19の何れか一項に記載の製造方法。
  21. 前記基板を複数形成するステップは、
    前記第1の面にゲート部が設けられると共に、該ゲート部のまわりにゲート部用凹部が設けられるように射出成形によって前記複数の基板の夫々を形成するステップと、
    該形成された複数の基板の夫々の前記第1の面には前記凸部のみを形成すると共に、前記第2の面には前記凹部のみを形成するステップとを含むことを特徴とする請求項14乃至20の何れか一項に記載の製造方法。
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