JP2023060956A - 吸収体および衛生材料製品 - Google Patents

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Hirotaka Hananouchi
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Abstract

【課題】薄型であり、かつ、シート間に配置された吸収ポリマーの高い活用効率により吸収特性に優れた吸収体を提供することを課題とする。【解決手段】第1の不織布、第1の吸水ポリマー群、第2の不織布、第2の吸水ポリマー群および第3の不織布を、この順に備える吸収体であって、前記第1~3の不織布が何れも長方形状であり、前記第1~3の不織布の目付が何れも15~50g/m2であり、前記第1~3の不織布は何れも長辺方向の引張強度を短辺方向の引張強度で除して得られる引張強度比が2~15であり、長方形状である、吸収体。【選択図】なし

Description

本発明は、吸収体に関する。
紙おむつやナプキン等の衛生材料製品は、尿や経血等(以下、尿等と称することがある)の水系液体を吸収し保水するシート状の吸収体、吸収体の一方の面に配置された表面シートおよび吸収体の他方の面に配置された裏面シートを有している。上記の表面シートは尿等の透過性を有し、上記の裏面シートは尿等の防漏性を有する。また、上記の吸収体は、パルプ繊維と吸水ポリマーの混合物が不織布またはティッシュ等で包まれた構成となっている。
そして、衛生材料製品において、吸収体、表面シートおよび裏面シートは、上記の衛生材料製品の着用時に、着用者に近い方から表面シート、吸収体および裏面シートの順に配置されている。
ここで、近年、紙おむつやナプキン等の衛生材料製品の普及に伴い、衛生材料製品は薄型化による着用感の向上が望まれるようになってきている。
そこで、吸収体に嵩高いパルプ繊維を用いず、基本的な性能(尿等の速い浸透速度、十分な吸収性、少ない逆戻り量、少ない漏れ量など)に優れた薄型化吸収体として、所定量の吸水性樹脂及び所定量の接着剤が、2枚以上の不織布により挟持された構造を有する吸収体(例えば、特許文献1、2参照)が開示されている。
国際公開第2013/099635号公報 特開2018―166876号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された吸収体では、着用者にとって十分満足のいく吸収特性が発現できないという課題がある。例えば、特許文献1に開示された吸水シート構成体では、上方の不織布として特定の透水速度を規定した透水性不織布、下方の不織布として特定の吸水量を規定した保水性不織布が用いられている。また、特許文献2に開示された吸収性物品では、上層シート、中間シート、および下層シートの順に配設され、下層シートが特定の拡散面積を有することが規定されている。いずれの文献も上層シートから迅速に吸収した尿等を下層シートで保水、又は拡散させることで、シート間の主に下層シート側に配置された吸水ポリマーへ吸収させる機構である。よって、上層シート側に配置された吸水ポリマーと尿等の接触が小さくなり、吸水しない吸水ポリマーが存在する。結果として、吸水ポリマーの活用効率が低下し、吸収体の全体の吸水量が低下し、吸収体の全体の吸収特性が劣ったものとなるとの課題がある。すなわち、特許文献1、2に開示された吸収体には、薄型ではあるものの、吸収特性に劣るとの課題がある。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑み、薄型であり、かつ、シート間に配置された吸収ポリマーの高い活用効率により吸収特性に優れた吸収体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、下記の構成からなる。
(1)第1の不織布、第1の吸水ポリマー群、第2の不織布、第2の吸水ポリマー群および第3の不織布を、この順に備える吸収体であって、前記第1~3の不織布が何れも長方形状であり、前記第1~3の不織布の目付が何れも15~50g/mであり、前記第1~3の不織布は何れも長辺方向の引張強度を短辺方向の引張強度で除して得られる引張強度比が2~15であり、長方形状である、吸収体であり、
(2)前記第1~3の不織布の長辺方向の引張強度が何れも10~60N/5cmであり、
前記第1~3の不織布の短辺方向の引張強度が何れも2~20N/5cmである、(1)の吸収体であり、
(3)前記第2の不織布の目付量が15~35g/mであり、前記第2の不織布の長辺方向の引張強度が10~40N/5cmであり、前記第2の不織布の短辺方法の引張強度が2~15N/5cmであり、前記第2の不織布の長辺方向の引張強度を、前記第2の不織布の短辺方向の引張強度で除して得られる引張強度比が2~10である、(1)または(2)の吸収体であり、
(4)(1)~(3)の何れかの吸収体を備える、衛生材料製品である。
本発明によれば、薄型であり、かつ、吸収特性に優れる吸収体を提供することができる。
本発明の吸収体は、第1の不織布、第1の吸水ポリマー群、第2の不織布、第2の吸水ポリマー群および第3の不織布を、この順に備え、さらに、長方形状である。そして、第1~3の不織布が何れも長方形状であり、第1~3の不織布の目付が何れも15~50g/mであり、第1~3の不織布の長辺方向の引張強度を短辺方向の引張強度で除して得られる引張強度比が2~15である。ここで、長方形状とは、吸収体や不織布を水平な面に置いたときに、水平面に投影した平面における投影部の2次元図形としての形状をいい、長方形状を含む概念であることはいうまでもなく、長方形状の少なくとも1つの角に丸みがつけられている形状や長方形状の少なくとも1つの辺が湾曲している形状等の略長方形状も含む概念である。また、以下、「不織布の長辺方向の引張強度を短辺方向の引張強度で除して得られる引張強度比」を単に「引張強度比」と称することがある。
このような、特徴的な構成を有する本発明の吸収体は、吸収特性に優れたものとなる。上記の効果が得られるメカニズムについては、詳細は後述するが、以下の通りと推測する。すなわち、本発明の吸収体が備える第1~3の不織布は、第1~3の不織布の目付が何れも15~50g/mであり、かつ、第1~3の不織布の引張強度比が何れも2~15であることで、尿等が、これらの不織布を透過しやすく、かつ、これらの不織布における尿等の拡散性も高くなる。このことにより、吸収体の長辺方向および短辺方向や厚さ方向へ尿等を拡散させることができ、吸水ポリマーの活用効率を向上させることで吸水ポリマーの吸収能を最大限活用することが可能となる。このことにより、パルプ繊維が存在しなくとも、不織布間に存在する吸水ポリマーが尿等を吸水することが可能となる。よって、嵩高いパルプ繊維がないため、薄型の吸収体とすることができる。なお、上記の第1~3の不織布の目付量が15~50g/mであることも、吸収体の薄型化にとって有利であることはいうまでもない。
(第1~3の不織布)
本発明の吸収体が備える第1~3の不織布について説明する。上記のとおり、第1~第3の不織布は、何れも目付が15~50g/mであり、何れも引張強度比が2~15である。
ここで、第1~3の不織布を構成する繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリルニトリル繊維等のアクリル繊維、綿、麻、レーヨン繊維等のセルロース系繊維を挙げることができる。これらの中でも、親水性であるセルロース系繊維であることが好ましく、さらに尿等の拡散性に優れる細繊度化が容易なレーヨン繊維が好ましい。また、第1~3の不織布は、何れも、尿等の拡散性の観点からレーヨン繊維を各不織布の全体に対し50質量%以上含有することが好ましい。
また、第1~3の不織布として、具体的にはサーマルボンド不織布、スパンボンド不織布およびスパンレース不織布を挙げることができる。これらの中でも、バインダーレスで不織布化が可能なスパンレース不織布であることが好ましい。
次に、第1~3の不織布の目付は、何れも、15~50g/mである。目付量が15g/m以上であることで、不織布の目付ムラが軽減でき、吸水ポリマーを確実に担持することができる。また、目付量が50g/m以下であることで、尿等の不織布の長辺方向や短辺方向への拡散性が良好なものとなる。
次に、長方形状である第1~3の不織布は何れも引張強度比が2~15である。この引張強度比は、長辺方向への繊維配向度を示しており、引張強度比が高いほど、不織布を構成する繊維が長辺方向へ配向している、すなわち、高配向化しており、尿等の長辺方向への拡散性が高くなる。また、不織布を構成する繊維が高配向化するほど、不織布の厚さも薄くなり、尿等の透水性が高くなる。上記理由から引張強度比が2以上である。一方で、不織布の形態保持性から15以下であり、10以下であることが好ましい。
また、第1~3の不織布の長辺方向の引張強度が何れも10~60N/5cmであり、第1~3の不織布の短辺方向の引張強度が何れも2~20N/5cmであることが好ましい。長辺方向の引張強度が何れも10N/5cm以上であることで、不織布の製造時の工程張力による切断トラブルを抑制できる。また、短辺方向の引張強度が何れも2N/5cm以上であることで、不織布の製造時の長辺方向にかかる工程張力による不織布の幅(短辺方向)収縮が抑制できる。また、長辺方向、および短辺方向の引張強度は、長辺方向が60N/5cm以下、短辺方向が20N/5cm以下であることが好ましい。後述する高圧水流により交絡させて不織布化する製法では、水流の高圧力化により交絡が進み、長辺および短辺方向の引張強度が高くなる。このような不織布は、高密度化し毛細管現象による拡散性は高くなるが、一方で、尿等の透水性は低下する。
また、本発明の吸収体が有する第1~3の不織布は、各々異なるものであってもよい。
(第1の不織布)
本発明の吸収体に用いられる第1の不織布について詳述する。第1の不織布は、衛生材料の表面シート側に配置され、尿等の迅速な吸収と第1の不織布で吸収した尿等を拡散させ、第1の吸水ポリマー群の吸水量を向上させる。上記の効果を得ることができるとの観点から第1の不織布は、レーヨン繊維を50~90質量%含有することが好ましく、70~85質量%であることが特に好ましい。上記レーヨン繊維以外でポリエチレンテレフタレート繊維およびナイロン繊維の少なくとも一方を含有することが好ましい。レーヨン繊維に加えてポリエチレンテレフタレート繊維およびナイロン繊維の少なくとも一方を含有することで、不織布が嵩高くなり空隙が大きくなり、結果として、尿等の吸収速度が高くなる。また、レーヨン繊維を50質量%以上含有することで、不織布の長辺方向や短辺方向への尿等の拡散性が良好なものとなる。上記の理由により、レーヨン繊維の含有量は70質量%以上であることがより好ましい。
(第2の不織布)
次に、本発明の吸収体に用いられる第2の不織布について詳述する。第2の不織布は、第1の不織布と第3の不織布の中間に配置され、尿等の第2の不織布での拡散性と透水性を一層両立することで、第1の不織布側の吸水ポリマーにおける吸水量を向上させ、第1の不織布側の吸水ポリマーの活用効率を向上させるとともに、第3の不織布側へ尿等を透水させることで、第3の不織布側の吸水ポリマーを効率的に活用でき、吸収体の吸収特性が優れたものとなる。上記の効果を得ることができるとの観点から第2の不織布は、目付が15~50g/mである。また、上記の観点から、第2の不織布の目付は15~35g/mであることが好ましい。また、第2の不織布の長辺方向の引張強度は、10~60N/5cmであり、かつ、第2の不織布の短辺方向の引張強度は、2~20N/5cmであることが好ましく、第2の不織布の長辺方向の引張強度は10~40/5cmであり、かつ、第2の不織布の短辺方法の引張強度は、2~15N/5cmであることがより好ましい。また、第2の不織布の引張強度比が、2~15であり、第2の不織布の引張強度比が2~10であることがより好ましい。
(第3の不織布)
本発明の吸収体に用いられる第3の不織布について詳述する。第3の不織布は、第2の不織布を通過した尿等をさらに第3の不織布で大きく拡散させ、第2の吸水ポリマー群での吸収量を向上させる。上記の効果を得ることができるとの観点から第3の不織布は、レーヨン繊維を95質量%以上含有することが好ましく、100質量%であることが特に好ましい。親水性であるレーヨン繊維の含有量が高くなると、不織布の長辺方向や短辺方向への尿等の拡散性が良好なものとなる。
(第1~3の不織布の不織布の製造方法)
次に、本発明の吸収体に用いる第1~3の不織布を製造する方法について具体的に説明するが、本発明の吸収体で用いる第1~3の不織布の製造方法はこれらに限定されるものではない。また、第1~3の不織布の製造方法は、各々異なるものであってもよい。
本発明の第1~3の不織布を得るために用いる短繊維をカードマシンに投入し、混繊および開繊維を行った後、ウエーバーで均一なウエッブを成形する。続いてウエッブをウォータージェット式の不織布化装置に投入し、高圧水流により交絡させて不織布とする。その後、熱風オーブンで不織布を乾燥させ不織布を得る。
また、上記のウエッブは、構成繊維が長手方向に配向したパラレルウエッブ、または、構成繊維が長手方向に配向したパラレルウエッブを含むクリスクロスウエッブであることが好ましい。これらのウエッブから得られる不織布では、構成繊維の長手方向への繊維配向度が高くなる。なお、クリスクロスウエッブは、パラレルウエッブをクロスレイヤー等で短辺方向に配向させたクロスウエッブとパラレルウエッブとを積層してなるものである。
(第1および2の吸水ポリマー群)
本発明の吸収体は、第1の吸水ポリマー群および第2の吸水ポリマー群(以下、単に「吸水ポリマー群」と称することがある。)を含む。吸水ポリマー群は吸水ポリマーから構成される。本発明に用いられる吸水ポリマーとしては、例えば、デンプンや架橋カルボキシメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又はその共重合体、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸塩やポリアクリル酸塩グラフト重合体等が挙げられる。これらの中でも、吸水ポリマーは、ポリアクリル酸ナトリウムであることがこのましい。上記とは別の観点から、吸水ポリマーは、吸水ポリマー1g当たりの生理食塩水の吸収倍率が40~80倍であって、かつ、吸水ポリマー1g当たりの生理食塩水の吸収速度が50秒以下であるものが、吸収特性がより優れたものとなるとの観点から好ましい。また、吸水ポリマーは、製造工程などにおける取り扱い性の観点から粒子状であることが好ましい。吸水ポリマーが粒子状である場合において、その数平均粒子径は、50μm以上800μm以下であることが好ましい。吸水ポリマーの数平均粒子径が50μm以上800μm以下であることで、吸水ポリマーが第1の不織布や第2の不織布を透過することを抑制することができる。ここで、吸水ポリマーの生理食塩水の吸収倍率はJIS K7223(1996)に規定されたティーパック法で測定されたものをいい、吸水ポリマーの生理食塩水の吸収速度はJIS K7224(1996)に規定されたVortex法で測定されたものをいう。また、吸水ポリマーの数平均粒子径は、10粒の吸水ポリマーについてSEM等で観察し、それぞれの粒について円形近似を行うことで得られた直径を10粒について平均することで算出する。
本発明の吸収体では、吸水ポリマー群の総目付けが100g/m以上500g/m以下であり、かつ、第1の吸水ポリマー群と第2の吸水ポリマー群の目付の比率は、4:6から6:4であることが好ましい。吸水ポリマーが密に存在した状態で尿等と接した際に吸水膨張した吸水ポリマー同士が接触して、他の未吸水・未膨張の吸水ポリマーと水系液体の接触を阻害するゲルブロック現象が起こることが知られているが、吸水ポリマーの目付けが上記の範囲であることにより、吸水ポリマーの粒子同士が適度な間隔で存在し、ゲルブロック現象を回避して、吸水ポリマーが効率的に機能し易くなる。
(吸収体)
本発明の吸収体は厚みが3.0mm以下である。吸収体の厚みが3.0mm以下であることで、本発明の吸収体をおむつなどの衛生材料製品に用いた場合に、本発明の吸収体を用いた衛生材料製品を柔軟であり、ごわつき感が抑制され、さらに、着用感に優れたものとすることができる。衛生材料製品の着用感をより良くするとの理由から、吸収体は薄いほうが好ましく、吸収体の厚さは3.0mm以下であることが好ましい。一方で、吸収体の吸収特性をより優れたものとするとの理由から、吸収体の厚さは2mm以上であることが好ましい。なお、ここで言う吸収体の厚みとはJIS L1913(1998) 6.1.2 A法に基づいて測定したものをいう。
なお、本発明の吸収体を3.0mm以下とする方法について説明する。ここで、従来の吸収体では、吸収体の吸収特性を優れたものとするために、ティッシュなどの不織布2枚の間に吸水ポリマー群と多量のパルプ繊維とが挟持されている。そして、上記のパルプ繊維は嵩高いため、従来の吸収体の厚さは3.0mmを超え、厚いものとなっている。一方で、本発明の吸収体においては、上記の事情、すなわち、特徴的な構成により、2枚の不織布との間に嵩高いパルプ繊維を配置することなく、吸収体の優れた吸収特性を担保することができる。
(吸収体の製造方法)
本発明の吸収体を製造する方法について具体的に説明するが、本発明の吸収体の製造方法は下記のものに限定されるものではない。第1の不織布と第2の不織布、および第2の不織布と第3の不織布との間に吸水ポリマー群を固定して吸収体を得る。吸水ポリマー群を固定する方法としては、(1)第1の不織布の片面にホットメルト接着剤をスプレー状やスパイラル状に散布しその上から吸水ポリマーを散布した後に、同様に片面にホットメルト接着剤を散布した第2の不織布を、ホットメルト接着剤と吸水ポリマー群が接するように上から被せて圧着させ、さらに第2の不織布のもう一方の面にホットメルト接着剤をスプレー状やスパイラル状に散布しその上から吸水ポリマーを散布した後に、同様に片面にホットメルト接着剤を散布した第3の不織布を、ホットメルト接着剤と吸水ポリマー群が接するように上から被せて圧着する方法や、(2)熱融着性の樹脂パウダーと吸水ポリマーを予め均一混合したものを第1の不織布の片面に散布した後に、第2の不織布を吸水ポリマー群の上から被せて熱融着性パウダーの融点以上の温度に加熱して熱圧着させ、さらに第2の不織布のもう一方の面に熱融着性の樹脂パウダーと吸水ポリマーを予め均一混合したものを散布した後に、第3の不織布吸水ポリマー群の上から被せて熱融着性パウダーの融点以上の温度に加熱して熱圧着させる方法が挙げられる。このとき用いるホットメルト接着剤としては、衛生材料製品用途に適したスチレン系ホットメルトやオレフィン系ホットメルト接着剤を好適なものとして用いることができる。また、熱融着性の樹脂パウダーとしては、比較的、低温で熱融着を可能とすることができるとの観点から、ポリエチレンパウダーやエチレン-酢酸ビニル共重合体パウダーを好適に用いることができる。
次いで、長方形状に断裁された吸収体を得る工程について説明する。通常、上記の方法で得られた積層体のロールから、吸収体の形状が長方形状となるように吸収体を断裁するが、この場合において、上記のロールの機械方向に拘わらず、吸収体に含まれる第1~3の不織布の長辺方向の引張強度を短辺方向の引張強度で除して得られる引張強度比が何れも2~15となるように断裁すればよい。
また、長方形状に断裁された吸収体に含まれる第1~3の不織布は何れも長方形状であることはいうまでもない。
(衛生材料製品の製造方法)
本発明の吸収体を使用した、紙おむつやナプキン等の衛生材料製品の製造方法について説明する。長方形状に断裁された本発明の吸収体を、この吸収体と同じく長方形状であり、かつ、この吸収体よりも面積の大きい表面シートおよび裏面シートの間に吸収体を挟持して固定する。このとき、吸収体の第1の不織布が表面シートと接するように吸収体を表面シートと裏面シートとで挟持することが好ましい。第1の不織布は、第1の不織布の一方の面から他方の面に水系液体は透過し易くする特徴を有するため、表面シートが第1の不織布と接することにより、表面シート内部に浸透した水系液体は第1の不織布を迅速に透過し、吸水ポリマーに吸水され、保水されやすくなる。よって、吸収体の吸収特性はより優れたものとなる。表面シートと吸収体、裏面シートと吸収体、および表面シートと裏面シートが、直接接する部分を固定する方法は、ホットメルト接着剤を用いる方法や熱融着性の樹脂パウダーを用いる方法を挙げることができる。また、本発明の吸収体を衛生材料製品とする際に用いる表面シートとしては、通液性や触感がより優れたものとなるとの観点から、不織布を採用することが好ましく、例えば、湿式不織布やレジンボンド式乾式不織布、サーマルボンド式乾式不織布、スパンボンド式乾式不織布、ニードルパンチ式乾式不織布、ウォータージェットパンチ式乾式不織紙布またはフラッシュ紡糸式乾式不織布等のほか、目付や厚みが均一にできる抄紙法により製造された不織布も好ましく使用できる。中でも、人肌に触れる場所に位置するという観点から、触感に優れるサーマルボンド式乾式不織布を表面シートとして用いることが好ましい。また、本発明の吸収体を衛生材料製品とする際に用いる裏面シートとしては、衛生材料製品内部に蓄積した水蒸気を外部に逃がして着用者に快適性を与えることができるとの観点と、防水性や触感を優れたものとすることができるとの観点とから、透湿防水性フィルムと不織布との積層シートであることが好ましい。上記の透湿防水性フィルムとしては多孔質ポリエチレンフィルム、透湿性ウレタンフィルムや透湿性ポリエステルエラストマーフィルム等が挙げられる。また上記の不織布としては表面シートと同様の不織布を用いることができるが、コストと強度の観点からスパンボンド式乾式不織布が好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
[測定および評価方法]
(1)不織布の目付
JIS L1913(2010) 6.2に基づき、不織布から25cm×25cmの試験片3枚を採取し、それぞれの標準状態における質量(g)を量り、次の式によって、1m当たりの質量(g/m)を求め、次式により目付の平均値を算出した。
Sm=W/A
Sm:目付(g/m
W:標準状態における試験片の質量(g)
A:試験片の面積(m)。
(2)不織布の引張強度、および不織布の引張強度比
JIS L1913(2010) 6.3に基づき、不織布から幅が50mmで、つかみ間隔を100mmにできる長さの不織布の試験片5枚を採取し、試験片を初荷重で定速伸長形引張試験機につかみ間隔を100mmで取り付け、200mm/minの引張速度で、試験片が切断するまで荷重を加えた。得られた試験片各5枚のそれぞれの最大荷重時の強度から平均値を算出した。不織布の長辺方向と短辺方向それぞれで引張強度の平均値を求め、次式により引張強度比を算出した。
Sr=SL/SS
Sr:長辺方向と短辺方向の引張強度比
SL:長辺方向の引張強度(N/5cm)
SS:短辺方向の引張強度(N/5cm)
(3)吸収体の厚み
JIS L1913(1998) 6.1.2 A法に基づいて測定した。具体的には不織布の試料から50mm×50mmの試験片を5枚採取し、厚さ測定器(TECLOCK社製定圧厚さ測定器、型式PG11J)を用いて標準状態で試験片に0.36kPaの圧力を10秒間かけて厚さを測定した。測定は各試験片(5枚)について行い、平均値を算出した。具体的には不織布の試料から50mm×50mmの試験片を5枚採取し、厚さ測定器(TECLOCK社製定圧厚さ測定器、型式PG11J)を用いて標準状態で試験片に0.36kPaの圧力を10秒間かけて厚さを測定した。測定は各試験片(5枚)について行い、平均値を算出した。
(4)傾斜状態での尿等の吸収量
表面シート、吸収体、裏面シートを接着して一体化した長方形状の衛生材料製品を試料とし、試料を45°の傾斜角度を有した傾斜台に試料の長手方向が傾斜方向と一致するように固定した。このとき表面シート上の皺をなくすため試料を伸ばした状態で固定した。続いて表面シートの上端から1cm下方の位置で、あらかじめビーカーに準備した0.9%生理食塩水(青色染料で着色)を、マイクロチューブポンプから、1.5g/秒の速度で滴下し、衛生材料製品の下側端面から生理食塩水の漏出が観測されるまで、生理食塩水の滴下を継続した。より詳細にはビーカーに300gの生理食塩水を準備し、上記傾斜状態で生理食塩水を滴下し、衛生材料製品の下側端面から生理食塩水の漏出が観測された時点で滴下を終了した。滴下されずにビーカーに残った生理食塩水の重量(g)を測定し、以下の式により傾斜状態での吸収量を算出した。
傾斜状態での吸収量(g)=250-Q
Q:滴下されずにビーカーに残った生理食塩水の量
傾斜状態での吸収量は高い値を示すほど、液漏れ防止性に優れている。傾斜状態での吸収量が100gより小さいものは着用状態で寝位を取った際など衛生材料製品が傾斜状態になるときの漏れが顕著であり、実用レベルの吸収特性を有さないと判断した。
(製造例1)
レーヨンからなる短繊維(繊維径:13μm、繊維長:51mm)からなる短繊維を、カードで開繊した後、ウエーバーで目付20g/mのパラレルウエッブaとした。また上記のレーヨンからなる短繊維70質量%と、ポリエチレンテレフタレートからなる中空短繊維(繊維径:30μm、繊維長:51mm)30質量%をカードで混繊し、開繊した後、ウエーバーで20g/mのクロスウエッブbとした。得られたパラレルウエッブaとクロスウエッブbを重ねて(クリスクロスウエッブ)、ウエッブb側から高圧水流をあてて絡合させ、150℃で3分間乾燥することにより40g/mの不織布Aを得た。
(製造例2)
製造例1において得られたパラレルウエッブaを、高圧水流をあてて絡合させ、150℃で3分間乾燥することにより20g/mの不織布Cを得た。
(製造例3)
レーヨンからなる短繊維(繊維径:13μm、繊維長:51mm)からなる短繊維を、カードで開繊した後、ウエーバーで目付25g/mのパラレルウエッブdとした。得られたパラレルウエッブdを、高圧水流をあてて絡合させ、150℃で3分間乾燥することにより30g/mの不織布Eを得た。
(製造例4)
レーヨンからなる短繊維(繊維径:13μm、繊維長:51mm)からなる短繊維を、カードで開繊した後、ウエーバーで目付30g/mのパラレルウエッブeとした。得られたパラレルウエッブeを、高圧水流をあてて絡合させ、150℃で3分間乾燥することにより30g/mの不織布Fを得た。
(製造例5)
レーヨンからなる短繊維(繊維径:13μm、繊維長:51mm)からなる短繊維を、カードで開繊した後、ウエーバーで目付15g/mのパラレルウエッブgと目付15g/mのクロスウエッブhとした。得られたパラレルウエッブgとクロスウエッブhを重ねて、高圧水流をあてて絡合させ、150℃で3分間乾燥することにより30g/mの不織布Hを得た。
(実施例1)
第1の不織布として不織布Aを用い、不織布Aのウエッブa側を第1の面として、第1の面にスチレン系ホットメルトを1g/mとなるようにスプレー状に塗布し、さらにその上から吸水ポリマー(住友精化社製SA60S)を125g/mとなるように均一に散布した。続いて第2の不織布として不織布Cを用い、不織布Cの片面にスチレン系ホットメルトを1g/mとなるようにスプレー状に散布し、第2の不織布のホットメルト散布面が第1の不織布上に散布した吸水ポリマーと接するように被せた。さらに、不織布Cのも一方の面にスチレン系ホットメルトを1g/mとなるようにスプレー状に塗布し、さらにその上から吸水ポリマーを125g/mとなるように均一に散布した。最後に第3の不織布として不織布Fを用い、不織布Fの片面にスチレン系ホットメルトを1g/mとなるようにスプレー状に散布し、第3の不織布のホットメルト散布面が第2の不織布上に散布した吸水ポリマーと接するように被せ、圧着し、得られたものを長辺20cm×短辺10cmの長方形状にカットすることで長方形状の吸収体を得た。そして、芯部にポリエチレン、鞘部にポリプロピレンを有した芯鞘構造のポリエチレン/ポリプロピレン短繊維を用いて作成したサーマルボンド式乾式不織布を24cm×14cmの長方形状にカットして得た表面シートを用意し、スチレン系ホットメルト1g/mを用いて、吸収体の第1の不織布のウエッブb側に表面シートを重ねて圧着した。同様に、多孔質ポリエチレンフィルムとポリプロピレン製スパンボンド式乾式不織布を24cm×14cmの長方形状にカットして得た裏面シートを用意し、スチレン系ホットメルト1g/mを用いて、第3の不織布の吸水ポリマー側の面とは反対側の面に重ねて圧着した。このとき、表面シート、吸収体、裏面シートの各材料の長方形状の長手方向を揃えつつ重心が一致するように重ねて圧着し衛生材料製品とした。なお、上記の衛生材料製品は紙おむつである。
(実施例2)
第2の不織布に不織布Eを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、吸収体および衛生材料製品を得た。なお、上記の衛生材料製品は紙おむつである。
(実施例3)
第2の不織布、および第3の不織布に不織布Hを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、吸収体および衛生材料製品を得た。なお、上記の衛生材料製品は紙おむつである。
(製造例6)
レーヨンからなる短繊維(繊維径:13μm、繊維長:51mm)からなる短繊維を、カードで開繊した後、ウエーバーで目付20g/mのクロスウエッブcとした。得られたウエッブcと製造例1のウエッブbを重ねて、ウエッブb側から高圧水流をあてて絡合させ、150℃で3分間乾燥することにより40g/mの不織布Bを得た。
(製造例7)
製造例6において得られたクロスウエッブcを、高圧水流をあてて絡合させ、150℃で3分間乾燥することにより20g/mの不織布Dを得た。
(製造例8)
レーヨンからなる短繊維(繊維径:13μm、繊維長:51mm)からなる短繊維を、カードで開繊した後、ウエーバーで目付30g/mのクロスウエッブfとした。得られたクロスウエッブfを、高圧水流をあてて絡合させ、150℃で3分間乾燥することにより30g/mの不織布Gを得た。
(比較例1)
第1の不織布に不織布B、第2の不織布に不織布D、第3の不織布に不織布Gを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、吸収体および衛生材料製品を得た。なお、上記の衛生材料製品は紙おむつである。
ここで、実施例1~3および比較例1の吸収体の構成や性能を表1にまとめた。また、これらの吸収体を用いた衛生材料製品の性能も表1にまとめた。
Figure 2023060956000001
本発明の吸収体は、吸収特性に優れる吸収体であり、テープタイプ紙おむつ、パンツタイプ紙おむつ、生理用ナプキン、尿取りパッド等の種々の衛生材料製品として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 第1の不織布、第1の吸水ポリマー群、第2の不織布、第2の吸水ポリマー群および第3の不織布を、この順に備える吸収体であって、
    前記第1~3の不織布が何れも長方形状であり、
    前記第1~3の不織布の目付が何れも15~50g/mであり、
    前記第1~3の不織布は何れも長辺方向の引張強度を短辺方向の引張強度で除して得られる引張強度比が2~15であり、
    長方形状である、吸収体。
  2. 前記第1~3の不織布の長辺方向の引張強度が何れも10~60N/5cmであり、
    前記第1~3の不織布の短辺方向の引張強度が何れも2~20N/5cmである、請求項1に記載の吸収体。
  3. 前記第2の不織布の目付量が15~35g/mであり、
    前記第2の不織布の長辺方向の引張強度が10~40N/5cmであり、
    前記第2の不織布の短辺方法の引張強度が2~15N/5cmであり、
    前記第2の不織布の長辺方向の引張強度を、前記第2の不織布の短辺方向の引張強度で除して得られる引張強度比が2~10である、請求項1または2の吸収体。
  4. 請求項1~3の何れかの吸収体を備える、衛生材料製品。
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