JP2023060531A - 曲げ成形装置、曲げ成形方法、およびコンピュータプログラム - Google Patents

曲げ成形装置、曲げ成形方法、およびコンピュータプログラム Download PDF

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政敏 澤村
Masatoshi Sawamura
隆道 岩田
Takamichi Iwata
南 藤村
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Abstract

【課題】1つの加工装置を用いて多様なテーラードブランク材に対して、少ない加工回数で目標の曲げ角度に成形する。【解決手段】曲げ成形装置は、異なる曲げ強度の板材が接合されたテーラードブランク材を、所定の方向に曲げる曲げ成形部と、曲げ成形部により曲げられたテーラードブランク材を、所定の方向とは逆方向に曲げ戻す曲げ戻し成形部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、曲げ成形装置、曲げ成形方法、およびコンピュータプログラムに関する。
鋼板を所定の角度に曲げる成形装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1に記載された曲げ加工方法では、長尺のワークに曲げ成形を施す際に、角度センサによりワークの曲げ角度を計測する。角度センサの計測結果に応じてスプリングバック量が補正され、ワークに曲げ成形が施される。これにより、スプリングバック量から押し込み量の補正量が算出される。
特許文献2に記載された曲げ成形装置は、曲げ成形後の成形部材の推定値と、成形部材の曲げ角度の目標値との差分値を用いて、曲げ成形後の成形部材に対して修正成形を行う。非特許文献1に記載された曲げ成形は、曲げ成形を行う上型を傾斜させることにより、1回の曲げ成形で狙いの曲げ角度に成形する。
特開2013-180339号公報 特開2020-099935号公報
大津雅亮、「テーラードブランク材のV曲げ加工の高精度化」、公益財団法人天田財団、助成研究成果報告書、2016、Vol.29
曲げ成形される成形対象として、異なる強度や板厚の鋼板が突合せ接合された板材であるテーラードブランク材が知られている。特許文献1,2の加工方法では、テーラードブランク材を目標の曲げ角度に成形できない。また、非特許文献1の加工方法では、成形部材の形状や材質に応じて傾斜した上型が必要になる。そのため、非特許文献1の加工方法では、1つのテーラードブランク材に対して専用の金型が必要になるため、多様なテーラードブランク材を加工できない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、1つの加工装置を用いて多様なテーラードブランク材に対して、少ない加工回数で目標の曲げ角度に成形することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
(1)本発明の一形態によれば、曲げ成形装置が提供される。この曲げ成形装置は、異なる曲げ強度の板材が接合されたテーラードブランク材を、所定の方向に曲げる曲げ成形部と、前記曲げ成形部により曲げられた前記テーラードブランク材を、前記所定の方向とは逆方向に曲げ戻す曲げ戻し成形部と、を備える。
この構成によれば、異なる曲げ強度の板材が接合されたテーラードブランク材が、曲げ
成形部により曲げられた後に、曲げ戻し成形部により曲げ戻される。テーラードブランク材を曲げ成形する際には、曲げ強度の高い板材に合わせて、曲げ強度の低い板材を目標となる曲げ角度よりも過剰に曲げる必要がある。特に、金属製の板材の場合には、スプリングバックが発生するため、目標の曲げ角度よりも過剰に曲げないと、目標の曲げ角度に成形できない。本構成によれば、テーラードブランク材を曲げ成形部により曲げた後に、曲げ戻す曲げ戻し成形部が存在するため、少ない加工回数で目標の曲げ角度に成形できる。また、テーラードブランク材の材料に応じた特殊な金型等を必要としない。そのため、同じ成形装置を用いて、曲げ成形部による曲げ角度と、曲げ戻し成形部による曲げ戻し角度との成形条件を変えるだけで、多様なテーラードブランク材を加工できる。
(2)上記態様の曲げ成形装置において、さらに、前記テーラードブランク材の成形後の曲げ目標値に応じて、前記曲げ目標値よりも大きな曲げ角度と、前記曲げ目標値よりも小さな曲げ戻し角度と、を算出する条件算出部を備え、前記曲げ成形部は、算出された前記曲げ角度となるよう前記テーラードブランク材を曲げた後、前記曲げ戻し成形部は、算出された前記曲げ戻し角度となるよう前記テーラードブランク材を曲げ戻してもよい。
この構成によれば、曲げ成形部は、曲げ目標値よりも大きな曲げ角度により、テーラードブランク材を成形する。金属で構成されるテーラードブランク材を曲げ成形すると、スプリングバックが発生する。これに対して、本構成の曲げ成形装置は、曲げ目標値よりも過剰に曲げられた曲げ強度の低い板材を曲げ目標値へと曲げ戻すため、より少ない加工回数でテーラードブランク材を曲げ目標値へと成形できる。
(3)上記態様の曲げ成形装置において、前記条件算出部は、前記テーラードブランク材が第1部材と第2部材との接合により形成されている場合に、前記第1部材に対する前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とにより決定される成形後の前記第1部材の角度である第1角度と、前記第2部材に対する前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とにより決定される成形後の前記第2部材の角度である第2角度と、を用いて、成形後の前記テーラードブランク材の角度である成形角度を予測する予測モデルを作成してもよい。
この構成によれば、テーラードブランク材として用いられる第1部材と第2部材とのそれぞれについて、曲げ角度と曲げ戻し角度とにより決定される成形後の第1角度と第2角度とを用いて予測モデルが作成されている。曲げ目標値に成形するための曲げ角度と、曲げ戻し角度との組み合わせは複数ある。それに対して、第1角度と、第2角度とを構成する組み合わせから、第1角度と第2角度とが同じとなる曲げ目標値を満たす共通解を決定することにより、より少ない加工回数でテーラードブランク材を曲げ目標値に成形できる。
(4)上記態様の曲げ成形装置において、さらに、前記予測モデルを用いて得られる前記成形角度の予測値と、前記成形角度の測定値とを用いて、前記予測モデルを補正する補正部を備えてもよい。
この構成によれば、予測モデルが、予測モデルの予測値と、実際に成形されたテーラードブランク材の測定値とを用いて補正されるため、予測モデルの予測精度が向上する。精度が向上した予測モデルを用いることにより、より少ない加工回数でテーラードブランク材を曲げ目標値に成形できる。
(5)上記態様の曲げ成形装置において、さらに、前記第1角度と、前記第2角度とを取得する曲げ角度取得部を備え、前記補正部は、前記曲げ角度取得部により取得された前記第1角度と前記第2角度とを用いて、前記予測モデルを補正してもよい。
この構成によれば、第1部材と第2部材とのそれぞれについて取得された第1角度と第2角度とを用いて、予測モデルが補正される。そのため、予測モデルの精度をより向上させることができる。
(6)上記態様の曲げ成形装置において、さらに、前記テーラードブランク材を送り方向に搬送する搬送部を備え、前記テーラードブランク材は、前記送り方向に沿って、前記第1部材、前記第2部材、第3部材の順番で接合されていることにより、前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材の順番で成形され、前記第3部材に対する前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とにより決定される成形後の前記第3部材の角度を第3角度としたとき、前記曲げ成形部と前記曲げ戻し成形部とは、前記第1部材を、前記第1角度と前記第2角度とを用いて作成された前記予測モデルを用いた前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とにより成形し、前記第3部材を、前記第2角度と前記第3角度とを用いて作成された前記予測モデルを用いた前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とにより成形し、前記第2部材を、前記搬送部による送り量が増加するにつれて、前記第1部材の成形時における前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とから、前記第3部材の成形時における前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度へと、前記第2角度を用いて徐々に変化させてもよい。
この構成によれば、搬送方向に沿って3つの部材が接合されたテーラードブランク材は、搬送部により搬送されながら、曲げ成形部と曲げ戻し成形部とのそれぞれにより加工される。第1部材は、第1角度と第2角度とから予測される共通解の曲げ角度と曲げ戻し角度により成形される。第3部材は、第2角度と第3角度とから予測される共通解の曲げ角度と曲げ戻し角度により成形される。第1部材と第3部材とに挟まれている第2部材が曲げ成形および曲げ戻し成形される際の成形角度は、第1部材を成形する際の共通解から、第3部材を成形する際の共通解へと接続するように、送り量が増加するにつれて変化する。また、当該変化には、第2部材を曲げ目標値へと加工する際の第2角度が用いられている。そのため、本構成によれば、第1部材および第3部材を曲げ目標値に成形しつつ、かつ、第1部材と、第3部材とを接続している第2部材も曲げ目標値に成形できる。さらに、第1部材から第2部材への成形変化と、第2部材から第3部材への成形変化とを滑らかに接続できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、曲げ成形装置、加工装置、製造装置、およびこれらを備える装置およびシステム、および曲げ成形方法、加工方法、製造方法、およびこれらシステムや方法を実行するためのコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現できる。
本発明の第1実施形態としての曲げ成形装置の概略ブロック図である。 テーラードブランク材である板材の説明図である。 テーラードブランク材である板材の説明図である。 テーラードブランク材である板材の説明図である。 曲げ成形についての説明図である。 曲げ戻し成形についての説明図である。 板材に負荷する荷重についての説明図である。 曲げ成形時の曲げ角度と曲げ戻し成形時の曲げ戻し角度との説明図である。 曲げ成形時の曲げ角度と曲げ戻し成形時の曲げ戻し角度との説明図である。 板材の曲げ角度と曲げ戻し角度との決定についての説明図である。 予測モデルの補正についての説明図である。 予測モデルの補正についての説明図である。 本実施形態の曲げ成形方法のフローチャートである。 曲げ目標値と加工後の曲げ角度との関係の説明図である。 曲げ目標値と加工後の曲げ角度との関係の説明図である。 曲げ目標値と加工後の曲げ角度との関係の説明図である。 曲げ目標値と加工後の曲げ角度との関係の説明図である。 予測モデルの補正前後での板材の曲げ角度についての説明図である。 予測モデルの補正前後での板材の曲げ角度についての説明図である。 第2実施形態の曲げ成形装置の説明図である。 第2実施形態の曲げ成形装置の説明図である。 第2実施形態の曲げ成形装置の説明図である。 第2実施形態の曲げ成形装置により加工された板材の概略斜視図である。 曲げ成形時の成形ツールの状態の説明図である。 曲げ成形時の成形ツールの状態の説明図である。 曲げ成形時の成形ツールの状態の説明図である。 板材の送り量に対する曲げ成形ツールの位置と曲げ戻し成形ツールの位置の説明図である。 板材の送り量に対する曲げ成形ツールの位置と曲げ戻し成形ツールの位置の説明図である。 板材の送り量に対する曲げ成形ツールの位置と曲げ戻し成形ツールの位置の説明図である。 板材の送り量に対する曲げ成形ツールの位置と曲げ戻し成形ツールの位置の説明図である。 板材の送り量に対する曲げ成形ツールの位置と曲げ戻し成形ツールの位置の説明図である。 板材の送り量に対する曲げ成形ツールの位置と曲げ戻し成形ツールの位置の説明図である。 第2部材および第3部材の曲げ成形時における曲げ角度と曲げ戻し角度との説明図である。 第3実施形態の曲げ成形装置の概略斜視図である。 第2送りローラの送り方向に直交する概略断面図である。 曲げ成形ツールの送り方向に直交する概略断面図である。 曲げ戻し成形ツールの送り方向に直交する概略断面図である。 第4実施形態の曲げ成形装置の概略正面図である。 第4実施形態における曲げ目標値についての説明図である。 曲げ成形時の曲げ成形装置の概略正面図である。 曲げ戻し成形時の曲げ成形装置の概略正面図である。 変形例の曲げ成形方法のフローチャートである。
<第1実施形態>
1.曲げ成形装置の概略:
図1は、本発明の第1実施形態としての曲げ成形装置100の概略ブロック図である。図1に示される曲げ成形装置100は、加工対象である板材OBに対して所定の方向に対して曲げ、かつ、その後に所定の方向とは逆方向に曲げ戻すことにより、板材OBを目標の曲げ角度へと成形する。本実施形態の曲げ成形装置100を用いることにより、強度の異なる鋼板が接合されたテーラードブランク材を加工する場合に、少ない加工回数でテーラードブランク材を目標の曲げ角度に加工できる。
本実施形態の曲げ成形装置100は、強度の異なる鋼板が接合されたテーラードブランク材である板材OBに対して、曲げ成形を行うV曲げ加工装置である。図1に示されるように、曲げ成形装置100は、板材OBを折り曲げる上型10および下型20と、板材OBを撮影する第1カメラ(曲げ角度取得部)30および第2カメラ(曲げ角度取得部)40と、上型10および下型20の動きを制御する制御装置50と、を備えている。
図1に示されるように、上型10は、真ん中に位置する中央上型12と、中央上型12を挟んで配置されている外側上型11,13と、を備えている。同じように、下型20は
、真ん中に位置する中央下型22と、中央下型22を挟んで配置されている外側下型21,23と、を備えている。各上型11~13と、各下型21~23とは、上下方向(Z軸方向)DR21に沿って別々に上下する。各上型11~13と、各下型21~23とのそれぞれは、XY平面に対して対向する位置に配置されている。各上型11~13と、各下型21~23とのそれぞれの上下移動が制御装置50に制御されることにより、板材OBを折り曲げることができる。なお、図1に示されるX軸、Y軸、およびZ軸で構成される直交座標系CSは、図5以降に示される直交座標系CSと対応している。
図2から図4までの各図は、テーラードブランク材である板材OBの説明図である。図2には、テーラードブランク材を使用している自動車の車体フレームFRの概略斜視図が示されている。図3には、車体フレームFRのアッパーフレームUFとして使用されるテーラードブランク材OB1の一例が示されている。図3に示されるように、テーラードブランク材OB1は、中空の角柱形状を有する。テーラードブランク材OB1は、長手方向に平行な中央線に沿って、2つの強度の異なる第1部材MAと第2部材MBとが接合されている。なお、図3,4では、第1部材MAと、第2部材MBとは、異なるハッチングにより区別されて示されている。
図4には、車体フレームFRのロッカーフレームRFとして使用されるテーラードブランク材OB2の一例が示されている。図4に示されるように、テーラードブランク材OB2は、長手方向に沿って板材が数カ所で折り曲げ成形された部材である。テーラードブランク材OB2は、長手方向に直交する断面において、2つの強度の異なる第1部材MAと第2部材MBとが接合されている。本実施形態の曲げ成形装置100は、テーラードブランク材OB1,OB2を曲げ成形する。
図1に示される第1カメラ30と第2カメラ40とは、折り曲げられた板材OBの曲げ角度を撮影できる位置に配置されている。具体的には、図1に示されるように、第1カメラ30と第2カメラ40とのそれぞれは、上型10および下型20の長手方向(Y軸方向)において、一端側と、一端側の反対の他端側とに配置されている。そのため、第1カメラ30は、板材OBにおける第1部材MAの曲げ角度を撮影できる。同じように、第2カメラ40は、板材OBにおける第2部材MBの曲げ角度を撮影できる。第1カメラ30および第2カメラ40により撮影された撮影画像は、制御装置50に送信され、上型10と下型20との制御に利用される。
制御装置50は、第1カメラ30および第2カメラ40の撮影画像を取得し、上型10および下型20を制御するためのパーソナルコンピュータ(Personal Computor)である。図1に示されるように、制御装置50は、CPU51と、記憶部56と、他の装置との情報を送受信する通信部57と、出力部58と、入力部59と、を備えている。
入力部59は、キーボードとマウスとで構成されている。入力部59が受け付けた入力をCPU51に入力情報として送信する。出力部58は、各種画像を表示可能なモニタと、音声を出力するスピーカとを有している。出力部58は、CPU51から送信される出力情報に応じて、各種出力を行う。記憶部56は、上型10と下型20とを用いて板材OBを折り曲げる際に、目標の曲げ角度である曲げ目標値θtargetから、上型10と下型20とのそれぞれが板材OBに負荷する荷重を算出する予測モデルMDを記憶している。なお、予測モデルMDの詳細については後述する。
CPU51は、図示されていないROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムをRAM(Ramdom Access Memoryu)に展開することにより、プログラムを実行する。CPU51は、板材OBの曲げ目標値θtargetを設定する設定部55と、板材OBに負荷する荷重を算出する演算部(条件算出部)53と、演算部53により算出された荷重により上型10および下型20を制御する駆動制御部52と、予測モデルMDを補正する補正部54として機能する。演算部53は、記憶部56に記憶された予測モデルMDを用いて上型10と下型20とが板材OBに負荷する荷重を算出する。
図5は、曲げ成形についての説明図である。図5に示されるように、駆動制御部52は、板材OBを曲げ成形する際に、初めに、上型10と下型20とを用いて所定の方向に曲げる曲げ成形を行う。本実施形態では、駆動制御部52は、所定の方向として、上下方向DR11~DR13,DR21~DR23の下方向に板材OBを折り曲げる。この際に、駆動制御部52は、図5に示されるように、中央上型12を用いて、板材OBに上下方向DR22の下方に荷重を付加させる。同時に、駆動制御部52は、外側下型21,23を用いて、板材OBに上下方向DR11,DR13の上方に荷重を付加させる。駆動制御部52は、外側上型11,13と中央下型22とには荷重を負荷させないため、外側上型11,13と中央下型22とは、曲げ加工される板材OBの動きに追従する。
図6は、曲げ戻し成形についての説明図である。図6に示されるように、駆動制御部52は、曲げ成形後に上型10と下型20とを用いて、板材OBを所定の方向とは反対方向に曲げ戻す曲げ戻し成形を行う。駆動制御部52は、所定の方向の反対方向として、上下方向DR11~DR13,DR21~DR23の上方向に板材OBを曲げ戻す。この際に、駆動制御部52は、図6に示されるように、中央下型22を用いて、板材OBに上下方向DR22の上方に荷重を付加させる。同時に、駆動制御部52は、図6に示されるように、外側上型11,13を用いて、板材OBに上下方向DR11,DR13の下方に荷重を付加させる。駆動制御部52は、中央上型12と外側下型21,23とには荷重を負荷させないため、中央上型12と外側下型21,23とは、曲げ加工される板材OBの動きに追従する。曲げ成形および曲げ戻し成形において板材OBに負荷させる荷重は、予測モデルMDを用いた演算部53により算出される。なお、本実施形態における中央上型12および外側下型21,23は、曲げ成形部に相当する。外側上型11,13および中央下型22は、曲げ戻し成形部に相当する。
図7は、板材OBに負荷する荷重についての説明図である。図7には、曲げ目標値θtargetに折り曲げられた板材OBの概略斜視図が示されている。板材OBでは、第1部材MAの曲げ強度と第2部材MBの曲げ強度とが異なる。また、第1部材MAと第2部材MBとは、金属製の鋼板であるため、曲げ成形時にスプリングバックが発生する。そのため、本実施形態の駆動制御部52は、上型10と下型20とを用いて、曲げ成形時に板材OBを目標値θtargetよりも余分に曲げた後、曲げ戻し成形により板材OBを曲げ戻す。
図8および図9は、曲げ成形時の曲げ角度θf_loadと曲げ戻し成形時の曲げ戻し角度θb_loadとの説明図である。図8と図9とには、第1部材MAと第2部材MBとのそれぞれに、曲げ成形時に曲げ角度θf_loadに曲げ、かつ、曲げ戻し成形時に曲げ戻し角度θb_loadに曲げた場合に、成形後の各部材の曲げ角度θunload_Aと、曲げ戻し角度θunload_Bとが示されている。演算部53は、第1部材MAと第2部材MBとのそれぞれに対して、複数の曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadにより曲げ成形を行った結果を取得する。演算部53は、取得した結果を用いて、曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとにより決定する成形後の曲げ角度θunload_A,θunload_Bを表す曲面である予測モデルMDを作成する。本実施形態では、作成される予測モデルMDは、回帰モデルである。なお、成形後の曲げ角度θunload_Aは、第1角度に相当し、曲げ角度θunload_Bは、第2角度に相当する。
演算部53は、曲げ目標値θtargetが成形後の曲げ角度θunload_A,θunload_Bとなるように、図8に示される関係から第1部材MAの曲線CBaを算出し、図9に示される関係から第2部材MBの曲線CBbを算出する。図10は、板材OBの曲げ角度θf_load
曲げ戻し角度θb_loadとの決定についての説明図である。演算部53は、図10に示されるように、第1部材MAの曲線CBaと、第2部材MBの曲線CBbとの交点CP1を算出する。演算部53は、交点CP1から導出される曲げ角度θf_loadと、曲げ戻し角度θb_loadとを、駆動制御部52が板材OBを加工する際の成形条件として採用する。
図1に示される補正部54は、第1カメラ30および第2カメラ40の撮影画像を用いて、予測モデルMDを補正する。第1カメラ30および第2カメラ40は、予測モデルMDを用いて算出された曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとを用いて加工した板材OBの成形後の曲げ角度θunloadの撮影画像を取得する。補正部54は、撮影画像が算出される加工後の曲げ角度θunloadの測定値と、予測モデルMDを用いた予測値との誤差を算出する。補正部54は、算出された誤差が予め設置された許容誤差の範囲である場合には、板材OBの加工を終了する。一方で、算出された誤差が許容範囲外である場合には、補正部54は、実測値と予測値とが合うように、予測モデルMDを補正する。
図11および図12は、予測モデルMDの補正についての説明図である。本実施形態では、補正部54は、図11に示されるように、補正前の第1部材MAの成形後の曲げ角度θunload_Aに補正係数CAを乗じることにより、第1部材MAの成形後の曲げ角度θunload_Aを補正する。同じように、補正部54は、図12に示されるように、補正前の第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bに補正係数CBを乗じることにより、第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bを補正する。補正部54は、補正した第1部材MAの成形後の曲げ角度θunload_Aと、第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bとを用いて、補正前の予測モデルMDを補正する。駆動制御部52は、補正後の予測モデルMDを用いて、成形した板材OBを再成形する。補正部54は、再成形された板材OBの実測値が予測値の許容誤差の範囲になるまで、予測モデルMDを補正する。
2.曲げ成形フロー:
図13は、本実施形態の曲げ成形方法のフローチャートである。図13に示される曲げ成形フローでは、初めに、設定部55が、板材OBの曲げ目標値θtargetを設定する(ステップS1)。設定部55は、入力部59または通信部57を介して取得した入力情報に基づき、板材OBの曲げ目標値θtargetを設定する。
演算部53は、記憶部56に記憶された予測モデルMDを用いて、板材OBの曲げ角度と曲げ戻し角度とを算出する(ステップS2)。演算部53は、曲げ目標値θtargetが予測モデルMDの成形後の曲げ角度θunloadとなる曲げ角度θf_loadと、曲げ戻し角度θb_loadとを算出する。
駆動制御部52は、図5に示されるように、上型10と下型20とを制御して板材OBの曲げ成形を行う曲げ成形工程を実行する(ステップS3)。駆動制御部52は、板材OBの曲げ角度が算出された曲げ角度θf_loadとなるように、中央上型12と外側下型21,23とを制御する。駆動制御部52は、図6に示されるように、上型10と下型20とを制御して板材OBの曲げ戻し成形を行う曲げ戻し成形工程を実行する(ステップS4)。駆動制御部52は、板材OBの曲げ戻し角度が算出された曲げ戻し角度θb_loadとなるように、外側上型11,13と中央下型22とを制御する。
補正部54は、第1カメラ30および第2カメラ40の撮影画像を用いて、成形後の板材OBの曲げ角度の測定値を算出する(ステップS4)。補正部54は、算出された測定値が曲げ目標値θtargetに対して予め設定された誤差の許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS6)。測定値が誤差の範囲内であれば(ステップS6:YES)、板材OBの加工が終了する。
ステップS6において、測定値が誤差の範囲外の場合には(ステップS6:NO)、補正部54は、予測モデルMDを補正する(ステップS7)。本実施形態の補正部54は、図11,12に示されるように、補正前の第1部材MAの成形後の曲げ角度θunload_Aと第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bに対して、測定値を元に算出した補正係数CA,CBを用いて予測モデルMDを補正する。演算部53は、補正された予測モデルMDを用いて、再加工する板材OBの曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとを算出する。その後、ステップS3以降の処理が繰り返される。
3.効果:
図14から図17までの各図は、曲げ目標値θtargetと加工後の曲げ角度との関係の説明図である。図14には、曲げ目標値θtargetが40,45,50度の場合に、予測モデルMDを用いて算出された曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとの関係の一例が示されている。また、図14には、第1カメラ30の撮影画像から算出された第1部材MAの加工後の曲げ角度と、第2カメラ40の撮影画像から算出された第2部材MBの加工後の曲げ角度とが示されている。例えば、板材OBの曲げ目標値θtargetが40度の場合には、予測モデルMDを用いて算出された曲げ角度θf_loadは、45.55度であり、曲げ戻し角度θb_loadは、37.84度である。成形後の第1部材MAの曲げ角度は40.09度であり、第2部材MBの曲げ角度は40.14度である。なお、図14~17に示される例では、誤差の許容範囲が、曲げ目標値θtargetから±0.5度に設定されている。
図15から図17までのそれぞれには、曲げ目標値θtargetが40度と、45度と、50度との場合に、成形後の板材OBのX座標の位置と、Z座標の位置との関係が示されている。各図には、第1カメラ30の撮影画像から算出された第1部材MAの関係が実線で示され、第2カメラ40の撮影画像から算出された第2部材MBの関係が破線で示されている。第1部材MAの曲げ強度と、第2部材MBの曲げ強度とが異なるため、図15~17に示される一例では、加工後の第1部材MAの位置と、第2部材MBの位置とは、完全には一致しない。図14に示されるように、曲げ目標値θtargetが50度の場合の第1部材MAの曲げ角度および第2部材の曲げ角度が許容誤差の範囲外であるため、補正部54は、予測モデルMDを補正する。
図18および図19は、予測モデルMDの補正前後での板材OBの曲げ角度についての説明図である。図18には、補正後の予測モデルMDにより新たな板材OBが加工された場合の曲げ角度が示されている。補正部54が補正した予測モデルMDを用いると、図18に示されるように、新たな板材OBは、曲げ角度θf_loadが58.01度で曲げ成形され、曲げ戻し角度θb_loadが46.04度で曲げ戻し成形される。その結果、加工後の板材OBにおける第1部材MAの曲げ角度が50.48度であり、第2部材MBの曲げ角度は49.96度である。
図19には、曲げ目標値θtargetが50度であり、補正された予測モデルMDを用いて新たな板材OBを加工した婆の、X座標の位置と、Z座標の位置との関係が示されている。図19では、図17と同様に、第1部材MAの関係が実線で示され、第2部材MBの関係が破線で示されている。図17~19に示されるように、予測モデルMDが補正されることにより、予測モデルMDを用いた板材OBの加工の精度が向上している。
以上説明したように、本実施形態の曲げ成形装置100では、駆動制御部52は、板材OBを曲げ加工する際に、上型10と下型20とを用いて所定の方向に曲げる曲げ成形を行う。駆動制御部52は、曲げ成形後に上型10と下型20とを用いて、板材OBを所定の方向とは反対方向に曲げ戻す曲げ戻し成形を行う。板材OBを曲げ成形する際には、曲げ強度の高い板材(例えば第1部材MA)に合わせて、曲げ強度の低い板材(例えば第2部材MB)を曲げ目標値θtargetよりも過剰に曲げる必要がある。特に、金属製の板材O
Bの場合には、スプリングバックが発生するため、曲げ目標値θtargetよりも過剰に曲げないと、曲げ目標値θtargetに成形できない。本実施形態の曲げ成形装置100によれば、上型10と下型20とを用いて板材OBを曲げた後に、上型10と下型20とを用いて板材OBを曲げ戻すため、少ない加工工数で曲げ目標値θtargetに成形できる。また、本実施形態では、板材OBを構成する材料に応じた特殊な上型や下型を必要としない。そのため、同じ曲げ成形装置100を用いて、曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとである成形条件を変更するだけで、多様な板材OBを加工できる。
また、本実施形態の曲げ成形装置100は、駆動制御部52は、上型10と下型20とを用いて、曲げ成形時に板材OBを目標値θtargetよりも余分に曲げた後、曲げ戻し成形により板材OBを曲げ戻す。金属で構成される板材OBを曲げ成形すると、スプリングバックが発生する。これに対して、本実施形態の曲げ成形装置100では、曲げ目標値θtargetよりも過剰に曲げられた曲げ強度の低い板材を曲げ目標値θtargetへと曲げ戻すため、より少ない加工回数で板材OBを曲げ目標値θtargetへと成形できる。
また、本実施形態の演算部53は、第1部材MAと第2部材MBとのそれぞれに対して、複数の曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadにより曲げ成形を行った結果を取得する。演算部53は、取得した結果を用いて、曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとにより決定する成形後の曲げ角度θunload_A,θunload_Bを表す曲面である予測モデルMDを作成する。曲げ目標値θtargetに成形するための曲げ角度θf_loadと、曲げ戻し角度θb_loadとの組み合わせは複数ある。それに対して、本実施形態では、第1部材MAの成形後の曲げ角度θunload_Aと、第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bとを構成する組み合わせから、曲げ角度θunload_Aと曲げ角度θunload_Bとが同じとなる曲げ目標値θtargetを満たす共通解を決定する。これにより、本実施形態の曲げ成形装置100は、より少ない加工回数で板材OBを曲げ目標値θtargetに成形できる。
また、本実施形態の補正部54は、第1カメラ30および第2カメラ40の撮影画像を用いて、予測モデルMDを補正する。第1カメラ30および第2カメラ40は、予測モデルMDを用いて算出された曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとを用いて加工した板材OBの成形後の曲げ角度θunloadの撮影画像を取得する。正部54は、撮影画像が算出される加工後の曲げ角度θunloadの測定値と、予測モデルMDを用いた予測値との誤差を算出する。予測モデルMDが、予測モデルMDの予測値と、実際に成形された板材OBの測定値とを用いて補正されるため、予測モデルMDの予測精度が向上する。精度が向上した予測モデルMDを用いることにより、より少ない加工回数で板材OBを曲げ目標値θtargetに成形できる。また、第1部材MAと第2部材MBとを別々に曲げ成形した際の成形後の曲げ角度θunload_A,θunload_Bが用いられて予測モデルMDが補正される。これにより、本実施形態の曲げ成形装置100は、予測モデルMDの精度をさらに向上させることができる。
<第2実施形態>
図20から図22までの各図は、第2実施形態の曲げ成形装置の説明図である。第2実施形態では、第1実施形態の上型10および下型20の代わりである成形ツール10Aが、板材OBaを送りながら成形する。第2実施形態で成形される板材OBaは、3つの異なる鋼材が順番に接合されたテーラードブランク材である。図20には、成形ツール10Aの概略正面図が示されている。図21には、図20におけるa-a断面の概略図が示されている。図22には、図20におけるb-b断面の概略図が示されている。なお、第2実施形態の成形ツール10Aを制御する制御装置の構成は、第1実施形態の制御装置50の構成と同じであるため、図20では、図示が省略されている。
図20~22に示されるように、成形ツール10Aは、加工対象である板材OBaに対
してZ軸正方向側(上側)に配置される3つの上側ローラ(搬送部)10a1~10a3と、Z軸負方向側(下側)に配置される3つの下側ローラ(搬送部)10b1~10b3とを備えている。上側ローラ10a1~10a3と、下側ローラ10b1~10b3とは、板材OBaをY軸に平行な送り方向に搬送しながら、板材OBaに対して曲げ成形と曲げ戻し成形とを行う。図21,22に示されるように、上側ローラ10a1~10a3のうちの上側ローラ10a2と、下側ローラ10b1~10b3のうちの10b1,10b3とが、他のローラ10a1,10a2,10b2よりも送り方向の上流側(Y軸負方向側)に配置されている。
上側ローラ10a1~10a3および下側ローラ10b1~10b3のそれぞれは、Z軸方向に沿って上下に移動する。これにより、送り方向の上流側に配置された上側ローラ10a2と、下側ローラ10b1,10b3とは、板材OBaに対して曲げ成形を行う。一方で、送り方向の下流側(Y軸正方向側)に配置された上側ローラ10a1,10a3と、下側ローラ10b2とは、板材OBaに対して曲げ戻し成形を行う。なお、以降では、曲げ成形を行う上側ローラ10a2と、下側ローラ10b1,10b3とを、曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3とも呼ぶ。曲げ戻し成形を行う上側ローラ10a1,10a3と、下側ローラ10b2とを、曲げ戻し成形ツール10a1,10a3,10b2とも呼ぶ。
図23は、第2実施形態の曲げ成形装置により加工された板材OBaの概略斜視図である。第2実施形態の曲げ成形装置は、板材OBaにおいて異なる材質が接合されている部分に直交する方向を、送り方向として加工する。具体的には、曲げ成形装置は、第1部材MA、第2部材MB、および第3部材MCの送り順に沿ってそれぞれ加工する。
図24から図26までの各図は、曲げ成形時および曲げ戻し成形時の成形ツール10Aの状態の説明図である。図24には、成形ツール10Aの概略正面図が示されている。図25には、図24におけるa-a断面の概略図が示されている。図26には、図24におけるb-b断面の概略図が示されている。図25に示されるように、曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3は、X軸回りに回転することにより板材OBaを送り方向に送る。曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3は、さらに、Z軸方向に上下することにより、板材OBaを曲げ角度θf_loadに成形する。
図26に示されるように、曲げ戻し成形ツール10a1,10a3,10b2は、X軸回りに回転することにより板材OBaを送り方向に送る。曲げ戻し成形ツール10a1,10a3,10b2は、さらに、Z軸方向に上下することにより、板材OBaを曲げ戻し角度θb_loadに成形する。なお、図26には、曲げ戻し角度との比較のための、図25に示される曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3により曲げ角度に成形された板材OBaが破線で示されている。
図27から図32までの各図は、板材OBaの送り量に対する曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3の位置PTfと曲げ戻し成形ツール10a1,10a3,10b2の位置PTbの説明図である。図27,29,31には、板材OBaに対する、曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3の位置PTfと、曲げ戻し成形ツール10a1,10a3,10b2の位置PTbとの関係が示されている。図28,30,32のそれぞれには、板材OBaの送り量に応じた曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3の曲げ角度θf_loadと、曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3の曲げ戻し角度θb_loadとの推移が示されている。
図28には、図27に示される板材OBのうちの第1部材MAの曲げ成形が開始された状態が示されている。第2実施形態の制御装置50の演算部53は、第1部材MAの成形
後の曲げ角度θunload_Aと、第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bとを用いて、区間PAにおける曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとを算出する。駆動制御部52は、図28に示される状態の曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3の位置PTfを、区間PAの範囲において、板材OBaの曲げ角度が第1実施形態の図10の交点CP1として表される曲げ角度θf_loadになるように設定する。同じように、駆動制御部52は、まだ第1部材MAの曲げ戻し成形を行っていない曲げ戻し成形ツール10a1,10a3,10b2の位置PTbを、区間PAにおいて、板材OBaの曲げ戻し角度が図10の交点CP1として表される曲げ戻し角度θb_loadになるように設定する。
図30には、図28に示される状態から、板材OBaの送り量が増え、図29に示される板材OBのうちの第1部材MAの曲げ戻し成形が開始された状態が示されている。この状態では、図30に示されるように、曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3の位置PTfと、曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3の位置PTbは、図28に示される位置と同じである。
図32には、図30に示される状態から、板材OBaの送り量が増え、図31に示される板材OBのうち、第2部材MBの曲げ成形が開始された状態が示されている。この状態では、駆動制御部52は、図32の区間PBに示されるように、曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3の位置PTfを、送り量に応じて変化させる。
図33は、第2部材MBおよび第3部材MCの曲げ成形時における曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとの説明図である。図33には、図10のように、第1部材MAと、第2部材MBと、第3部材MCとで決定する曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとの関係が示されている。交点CP1は、第1部材MAと第2部材MBとの予測モデルMDにより算出される曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとを表している。
図32における区間PAでは、駆動制御部52は、交点CP1に対応する曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとに対応するように、成形ツール10Aを制御する。同じように、図32において、駆動制御部52は、第3部材MCの加工が開始される区間PCでは、交点CP1に対応する曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとに対応するように、成形ツール10Aを制御する。具体的には、演算部53は、第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bと、第3部材の成形後の曲げ角度(第3角度)とを用いて、区間PCにおける曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとを算出する。
一方で、第2部材MBの成形加工が開始される区間PBでは、駆動制御部52は、第2部材の成形開始から成形完了まで、第2部材MBの曲線CBbに沿って交点CP1から交点CP2への曲線CPBに沿って徐々に変化するように、成形ツール10Aを制御する。具体的には、演算部53は、板材OBaの送り量が増加するにつれて、第1部材MAの曲げ角度θf_load(または曲げ戻し角度θb_load)から、第3部材MCの曲げ角度θf_load(または曲げ戻し角度θb_load)まで、徐々に曲げ角度θf_load(または曲げ戻し角度θb_load)を変化させる。駆動制御部52は、区間PBにおいて、第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bが同一となる曲線CPBに沿って、曲げ角度θf_load(または曲げ戻し角度θb_load)を変化させる。この結果、図32の区間PBにおいて、曲げ成形ツール10a2,10b1,10b3の位置PTfと、曲げ戻し成形ツール10a1,10a3,10b2の位置PTbとは、徐々に変化する曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとに応じて送り量に応じて変化する。
以上説明したように、第2実施形態の駆動制御部52は、第1部材MAの成形後の曲げ角度θunload_Aと、第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bとを用いて算出された区間PAにおける曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとにより曲げ成形および曲げ戻
し成形を行う。駆動制御部52は、第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bと、第3部材の成形後の曲げ角度(第3角度)とを用いて算出された区間PCにおける曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとにより曲げ成形および曲げ戻し成形を行う。駆動制御部52は、板材OBaの送り量が増加するにつれて、第1部材MAの曲げ角度θf_load(または曲げ戻し角度θb_load)から、第3部材MCの曲げ角度θf_load(または曲げ戻し角度θb_load)まで、徐々に曲げ角度θf_load(または曲げ戻し角度θb_load)を変化させる。駆動制御部52は、区間PBにおいて、第2部材MBの成形後の曲げ角度θunload_Bが同一となる曲線CPBに沿って、曲げ角度θf_load(または曲げ戻し角度θb_load)を変化させる。そのため、第1部材MAと第3部材MCとに挟まれている第2部材MBが成形される際の曲げ角度および曲げ戻し角度は、第1部材MAを成形する際の共通解から、第3部材MCを成形する際の共通解へと接続するように、送り量が増加するにつれて変化する。また、当該変化には、第2部材MBを曲げ目標値θtargetへと加工する際の図33に示される曲線CBbが用いられている。そのため、本実施形態の曲げ成形装置は、第1部材MAおよび第3部材MCを曲げ目標値θtargetに成形しつつ、かつ、第1部材MAと、第3部材MCとを接続している第2部材MBも曲げ目標値θtargetに成形できる。さらに、第1部材MAから第2部材MBへの曲げ角度θf_loadおよび曲げ戻し角度θb_loadの変化と、第2部材MBから第3部材MCへの曲げ角度θf_loadおよび曲げ戻し角度θb_loadの変化とを滑らかに接続できる。
<第3実施形態>
図34は、第3実施形態の曲げ成形装置の概略斜視図である。第3実施形態では、第2実施形態の成形ツール10Aの代わりである成形ツール10Bが、テーラードブランク材である板材OBbを送りながら成形する。なお、第3実施形態の成形ツール10Bを制御する制御装置は、第1実施形態の制御装置50と同じであるため、図34での図示が省略されている。
図34に示されるように、第3実施形態の成形ツール10Bは、Y軸に平行な送り方向の上流側から順番に、第1送りローラ10c1~10c3と、第2送りローラ10d1~10d3と、曲げ成形ツール10e1,10e2と、曲げ戻し成形ツール10f1,10f2と、を備えている。
図35は、第2送りローラ10d1~10d3の送り方向に直交する概略断面図である。図35には、図34における断面dの概略図が示されている。第3実施形態では、第2送りローラ10d1~10d3のそれぞれは、送り方向に板材OBbを送る方向に回転するローラである。図35に示されるように、第2送りローラ10d3は、Z軸方向に沿って動けるように配置されている。すなわち、第2送りローラ10d3がZ軸方向に沿って動くことにより、第2送りローラ10d1~10d3は、板材OBbを所定の角度に曲げ成形しながら板材OBbを送る。なお、第1送りローラ10c1~10c3は、第2送りローラ10d1~10d3による曲げ成形前に、第2送りローラ10d1~10d3よりも小さな角度に曲げ成形する。
図36は、曲げ成形ツール10e1,10e2の送り方向に直交する概略断面図である。図36には、図34における断面eの概略図が示されている。曲げ成形ツール10e1は、送り方向に板材OBbを送る方向に回転するローラである。曲げ成形ツール10e2は、曲げ成形ツール10e1により送られる板材OBbを、曲げ角度θf_loadに曲げる治具である。曲げ成形ツール10e2は、図36に示されるように、断面e上でY軸回りに回転できるように配置されている。そのため、曲げ成形ツール10e2のY軸回りの回転角度に応じて、曲げ角度θf_loadが設定される。
図37は、曲げ戻し成形ツール10f1,10f2の送り方向に直交する概略断面図で
ある。図37には、図34における断面fの概略図が示されている。曲げ戻し成形ツール10f1は、送り方向に板材OBbを送る方向に回転するローラである。曲げ戻し成形ツール10f2は、曲げ戻し成形ツール10f1により送られる板材OBbを、曲げ戻し角度θb_loadに曲げ戻す治具である。曲げ戻し成形ツール10f2は、図37に示されるように、断面f上でY軸回りに回転できるように配置されている。そのため、曲げ戻し成形ツール10f2のY軸回りの回転角度に応じて、曲げ戻し角度θb_loadが設定される。
第3実施形態の成形装置のように、曲げ成形ツール10e1,10e2が曲げ角度θf_loadに成形する前に、第1送りローラ10c1~10c3と、第2送りローラ10d1~10d3とにより、板材OBbが曲げ角度θf_loadよりも小さな角度で曲げ成形されてもよい。また、曲げ成形ツール10e1,10e2のうち、一方が板材OBbを送り方向に搬送する機能を備え、他方が搬送機能を備えていなくてもよい。同様に、曲げ戻し成形ツール10f1,10f2のうち、一方が板材OBbを送り方向に搬送する機能を備え、他方が搬送機能を備えていなくてもよい。他の実施形態では、曲げ成形ツール10e1,10e2と曲げ戻し成形ツール10f1,10f2とのうち、全てが搬送機能を備えていてもよいし、全てが搬送機能を備えずに第1送りローラ10c1~10c3等により板材OBbが搬送されてもよい。
<第4実施形態>
図38は、第4実施形態の曲げ成形装置100Cの概略正面図である。第4実施形態の曲げ成形装置100Cは、上型10Cと、下型20Cとを備えるプレス成形機である。第4実施形態で成形される板材OBcでは、Y軸方向に平行な奥行き方向に直交するZX平面で第1部材MAと第2部材MBとが接合されている。なお、第4実施形態の上型10Cと下型20Cとを制御する制御装置は、第1実施形態の制御装置50と同じであるため、図38では図示が省略されている。
上型10Cは、図示されていない装置によりZ軸方向に沿って移動する。図38に示されるように、上型10Cは、可動上型10C1と、駆動装置10C2,10C3と、ジョイント10C4,10C5と、クランク10C6,10C7とを備えている。可動上型10C1は、X軸方向に沿って延びる上部10C1aと、一端が上部10C1aに接続されている柱部10C1bと、上部10C1aのX軸負方向側に接続されている左端部10C1cと、上部10C1aのX軸正方向側に接続されている右端部10C1dと、を備えている。柱部10C1bのうち、上部10C1aに接続されていない他端は、上部10C1aのX軸方向における中央からZ軸負方向側に延びている。左端部10C1cと右端部10C1dのうち、上部10C1aに接続されていない他端は、Z軸負方向側に延びている。左端部10C1cと右端部10C1dとが延びている長さは、柱部10C1bの長さよりも小さい。左端部10C1cの下端には駆動装置10C2が固定されている。同じように、右端部10C1dの下端には駆動装置10C3が固定されている。
駆動装置10C2は、ジョイント10C4のX軸負方向側の一端を、X軸方向に沿って揺動可能に支持している。同じように、駆動装置10C3は、ジョイント10C5のX軸正方向側の一端を、X軸方向に沿って揺動可能に支持している。クランク10C6,10C7は、長手方向に沿って延びる棒状部材である。図38に示されるように、クランク10C6,10C7の一端側には、長手方向に沿って形成された溝GR6,GR7が形成されている。クランク10C6,10C7のうち、溝GR6,GR7が形成されていない他端側は、柱部10C1bのZ軸負方向側の下端に、Y軸回りに回転可能に支持されている。
ジョイント10C4のうち、駆動装置10C2に支持されていない他端は、クランク10C6に形成された溝GR6内を揺動できるように支持されている。具体的には、ジョイ
ント10C4の他端に形成されたピンPN4が、溝GR6に係合している。同じように、ジョイント10C5のうち、駆動装置10C3に支持されていない他端は、クランク10C7に形成された溝GR7内を揺動できるように支持されている。ジョイント10C5の他端に形成されたピンPN5が、溝GR7に係合している。上型10Cは以上に説明した構造を有するため、駆動装置10C2,10C3が制御するジョイント10C4,10C5の揺動量に応じて、クランク10C6,10C7と、クランク10C6,10C7とを回転支持する柱部10C1bの下端のYZ平面とが成す角度が変化する。
図38に示されるように、下型20Cは、固定下型20C1と、駆動装置20C2~20C5と、ジョイント20C6~20C9と、クランク20C10,20C11と、を備えている。固定下型20C1は、X軸方向に沿って延びる下部20C1aと、一端が下部20C1aに接続されている柱部20Cb2と、下部20C1aのX軸負方向側に接続されている左端部20C1cと、下部20C1aのX軸正方向側に接続されている右端部20C1dと、を備えている。柱部20C1bのうち、下部20C1aに接続されていない他端は、下部20C1aのX軸方向における中央からZ軸正方向側に延びている。左端部20C1cと右端部20C1dのうち、下部20C1aに接続していない他端は、Z軸正方向側に延びている。左端部20C1cと右端部20C1dとが延びている長さは、柱部20Cb2の長さよりも大きい。左端部20C1cの上端には、駆動装置20C2が固定されている。左端部20C1cの上端と下端との間には、駆動装置20C3が固定されている。同じように、右端部20C1dの上端には、駆動装置20C4が固定されている。右端部20C1dの上端と下端との間には、駆動装置20C5が固定されている。
駆動装置20C2は、ジョイント20C6のX軸負方向側の一端を、X軸方向に沿って揺動可能に支持している。駆動装置20C3は、ジョイント20C7のX軸負方向側の一端を、X軸方向に沿って揺動可能に支持している。同じように、駆動装置20C4は、ジョイント20C8のX軸正方向側の一端を、X軸方向に沿って揺動可能に支持している。駆動装置20C5は、ジョイント20C9のX軸正方向側の一端を、X軸方向に沿って揺動可能に支持している。
クランク20C10,20C11は、長手方向に沿って延びる棒状部材である。図38に示されるように、クランク20C10,20C11の一端側には、長手方向に沿って形成された溝GR10,GR11が形成されている。クランク20C10のうち、溝GR10が形成されていない他端側は、ジョイント20C6のうちの駆動装置20C2に支持されていない他端側に、Y軸回りに回転可能に支持されている。同じように、クランク20C11のうち、溝GR11が形成されていない他端側は、ジョイント20C8のうちの駆動装置20C4に支持されていない他端側に、Y軸回りに回転可能に支持されている。
ジョイント20C7のうち、駆動装置20C3に支持されていない他端は、クランク20C10に形成された溝GR10内を揺動できるように支持されている。具体的には、ジョイント20C7の他端に形成されたピンPN7が、溝GR10に係合している。同じように、ジョイント20C9のうち、駆動装置20C5に支持されていない他端は、クランク20C11に形成された溝G11内を揺動できるように支持されている。ジョイント20C9の他端に形成されたピンPN9が、溝GR11に係合している。下型20Cは以上に説明した構造を有するため、駆動装置20C2,20C3が制御するジョイント20C6,20C7の揺動量に応じて、クランク20C10と、クランク20C10の他端側を回転支持するジョイント20C6の上端のXY平面とが成す角度が変化する。同じように、駆動装置20C4,20C5が制御するジョイント20C8,20C9の揺動量に応じて、クランク20C11と、クランク20C11の他端側を回転支持するジョイント20C8の上端のXY平面とが成す角度が変化する。
図39は、第4実施形態における曲げ目標値θtargetについての説明図である。図39には、板材OBcに曲げ成形を行った際の4つの曲げ目標値θtargetを示す概略断面図が示されている。第4実施形態では、4つの曲げ目標値θtargetは、同じ角度であるが、他の実施形態では、異なる角度であってもよい。第4実施形態では、駆動制御部52は、6つの駆動装置10C2,10C3,20C2~20C5の揺動量を制御することにより、曲げ角度θf_loadを曲げ目標値θtargetよりも大きくする。また、駆動制御部52は、曲げ戻し角度θb_loadを曲げ目標値θtargetよりも小さくする。
図40は、曲げ成形時の曲げ成形装置100Cの概略正面図である。駆動制御部52は、予測モデルMDを用いて、曲げ成形時の曲げ角度θf_loadを決定する。駆動制御部52は、決定された曲げ角度θf_loadに板材OBcを成形下死点で曲げ成形できるように、駆動装置10C2,10C3,20C2~20C5を制御する。図40に示されるように、駆動装置10C2は、ジョイント10C4をX軸正方向側に揺動させる。駆動装置10C3は、ジョイント10C5をX軸負方向側に揺動させる。これにより、クランク10C6,10C7と、柱部10C1bとが成す角度が曲げ角度θf_loadに変化する。同じように、駆動装置20C2は、ジョイント20C6をX軸正方向側に揺動させる。駆動装置20C3は、ジョイント20C7をX軸負方向側に揺動させる。駆動装置20C4は、ジョイント20C8をX軸負方向側に揺動させる。駆動装置20C5は、ジョイント20C9をX軸正方向側に揺動させる。これにより、クランク20C10と、ジョイント20C6の上端とが成す角度が曲げ角度θf_loadに変化する。同じように、クランク20C11と、ジョイント20C8の上端とが成す角度が曲げ角度θf_loadに変化する。
図41は、曲げ戻し成形時の曲げ成形装置100Cの概略正面図である。駆動制御部52は、決定された曲げ戻し角度θb_loadに板材OBcを曲げ戻し成形できるように、駆動装置10C2,10C3,20C2~20C5を制御する。図41に示されるように、駆動装置10C2は、曲げ成形時の状態から、ジョイント10C4をX軸負方向側に揺動させる。駆動装置10C3は、ジョイント10C5をX軸正方向側に揺動させる。これにより、クランク10C6,10C7と、柱部10C1bとが成す角度が曲げ戻し角度θb_loadに変化する。同じように、駆動装置20C2は、曲げ成形時の状態から、ジョイント20C6をX軸正負向側に揺動させる。駆動装置20C3は、ジョイント20C7をX軸正方向側に揺動させる。駆動装置20C4は、ジョイント20C8をX軸正方向側に揺動させる。駆動装置20C5は、ジョイント20C9をX軸負方向側に揺動させる。これにより、クランク20C10と、ジョイント20C6の上端とが成す角度が曲げ戻し角度θb_loadに変化する。同じように、クランク20C11と、ジョイント20C8の上端とが成す角度が曲げ戻し角度θb_loadに変化する。図41に示される状態から、上型10Cと下型20Cとが離型することにより、板材OBcが曲げ目標値θtargetに成形される。
第4実施形態の曲げ成形装置100Cであるプレス成形機により、曲げ加工が行われる板材OBcにおける複数の位置に、曲げ成形と曲げ戻し成形とが行われてもよい。曲げ角度θf_loadと曲げ戻し角度θb_loadとを設定するためのクランプ10C6,10C7,20C10,20C11は、自由に設定されてよい。
<実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。また、上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
上記実施形態では、曲げ成形と、曲げ成形後に曲げ戻し成形を行う曲げ成形装置100
の一例について説明したが、曲げ成形装置が備える構成等については変形可能である。曲げ成形装置として、テーラードブランク材に対して曲げ成形と、曲げ戻し成形とのそれぞれを行える範囲で周知の装置を適用できる。曲げ成形装置100は、制御装置50、第1カメラ30、および第2カメラ40を備えていなくてもよい。変形例の曲げ成形装置は、例えば、他の装置からの制御信号に応じて駆動する上型10と下型20とにより構成されていてもよい。また、曲げ成形と、曲げ戻し成形とにおいて、予測モデルMDが用いられずに、ユーザにより設定された曲げ角度と、曲げ戻し角度により、テーラードブランク材が成形されてもよい。また、予測モデルMDが用いられた加工であっても、予測モデルMDが補正されてなくてもよい。また、予測モデルMDの補正は、実測値と予測値との比較ではなく、成形シミュレーションの値と予測値との比較により補正されてもよい。
図42は、変形例の曲げ成形方法のフローチャートである。図42に示される曲げ成形フローの各ステップS11~S14の処理は、上記実施形態(図13)の曲げ成形フローのステップS1~S4に対応する処理と同じである。図42に示されるように、曲げ成形フローは、予測モデルMDを補正する処理を備えていなくてもよい。
上記実施形態では、X軸、Y軸、およびZ軸で定義された直交座標系CSを用いて、曲げ成形装置100等を説明したが、座標系の定義については変形可能である。上記第1実施形態および第4実施形態では、鉛直方向に平行なZ軸に沿って稼働する上型10,10Cと下型20,20Cとを用いて、板材OB,OBcが加工されたが、例えば、X軸またはY軸のような水平方向に移動する成形型により、板材OB,OBcが成形されてもよい。また、上型10,10Cと下型20,20C以外の別の成形型を加えた曲げ成形装置により、テーラードブランク材が加工されてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
10,10C…上型
10A,10B…成形ツール
10C1…可動上型
10C1a…上型の上部
10C1b…上型の柱部
10C1c…上型の左端部
10C1d…上型の右端部
10C2,10C3…上型の駆動装置
10C4,10C5…上型のジョイント
10C6,10C7…上型のクランク
10a1~10a3…上側ローラ(搬送部)
10b1~10b3…下側ローラ(搬送部)
10c1~10c3…第1送りローラ
10d1~10d3…第2送りローラ
10e1,10e2…曲げ成形ツール
10f1,10f2…曲げ戻し成形ツール
11,13…外側上型
12…中央上型
20,20C…下型
20C1…固定下型
20C10,20C11…下型のクランク
20C1a…下型の下部
20C1b…下型の柱部
20C1c…下型の左端部
20C1d…下型の右端部
20C2~20C5…下型の駆動装置
20C6~20C9…下型のジョイント
20Cb2…下型の柱部
21…外側下型
22…中央下型
30…第1カメラ(曲げ角度取得部)
40…第2カメラ(曲げ角度取得部)
50…制御装置
51…CPU
52…駆動制御部
53…演算部(条件算出部)
54…補正部
55…設定部
56…記憶部
57…通信部
58…出力部
59…入力部
100,100C…成形装置
A…第1部材の補正係数
B…第2部材の補正係数
CBa…第1部材の曲線
CBb,CPB…第2部材の曲線
CP1,CP2…交点
CS…直交座標系
DR11~DR13,DR21~DR23…上下方向
FR…車体フレーム
GR6,GR7,GR10,GR11…溝
MA…第1部材
MB…第2部材
MC…第3部材
MD…予測モデル
OB…板材
OB1,OB2…テーラードブランク材
OB,OBa,OBb,OBc…板材(テーラードブランク材)
PA…区間
PB…区間
PC…区間
PN4,PN5,PN7,PN9…ピン
PTf…曲げ成形ツールの位置
PTb…曲げ戻し成形ツールの位置
RF…ロッカーフレーム
UF…アッパーフレーム
θf_load…曲げ角度
θb_load…曲げ戻し角度
θtarget…曲げ目標値
θunload_A…第1部材の成形後の曲げ角度(第1角度)
θunload_B…第2部材の成形後の曲げ角度(第2角度)

Claims (8)

  1. 曲げ成形装置であって、
    異なる曲げ強度の板材が接合されたテーラードブランク材を、所定の方向に曲げる曲げ成形部と、
    前記曲げ成形部により曲げられた前記テーラードブランク材を、前記所定の方向とは逆方向に曲げ戻す曲げ戻し成形部と、
    を備える、曲げ成形装置。
  2. 請求項1に記載の曲げ成形装置であって、さらに、
    前記テーラードブランク材の成形後の曲げ目標値に応じて、前記曲げ目標値よりも大きな曲げ角度と、前記曲げ目標値よりも小さな曲げ戻し角度と、を算出する条件算出部を備え、
    前記曲げ成形部は、算出された前記曲げ角度となるよう前記テーラードブランク材を曲げた後、
    前記曲げ戻し成形部は、算出された前記曲げ戻し角度となるよう前記テーラードブランク材を曲げ戻す、曲げ成形装置。
  3. 請求項2に記載の曲げ成形装置であって、
    前記条件算出部は、
    前記テーラードブランク材が第1部材と第2部材との接合により形成されている場合に、
    前記第1部材に対する前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とにより決定される成形後の前記第1部材の角度である第1角度と、
    前記第2部材に対する前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とにより決定される成形後の前記第2部材の角度である第2角度と、
    を用いて、成形後の前記テーラードブランク材の角度である成形角度を予測する予測モデルを作成する、曲げ成形装置。
  4. 請求項3に記載の曲げ成形装置であって、さらに、
    前記予測モデルを用いて得られる前記成形角度の予測値と、前記成形角度の測定値とを用いて、前記予測モデルを補正する補正部を備える、曲げ成形装置。
  5. 請求項4に記載の曲げ成形装置であって、さらに、
    前記第1角度と、前記第2角度とを取得する曲げ角度取得部を備え、
    前記補正部は、前記曲げ角度取得部により取得された前記第1角度と前記第2角度とを用いて、前記予測モデルを補正する、曲げ成形装置。
  6. 請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の曲げ成形装置であって、さらに、
    前記テーラードブランク材を送り方向に搬送する搬送部を備え、
    前記テーラードブランク材は、前記送り方向に沿って、前記第1部材、前記第2部材、第3部材の順番で接合されていることにより、前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材の順番で成形され、
    前記第3部材に対する前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とにより決定される成形後の前記第3部材の角度を第3角度としたとき、
    前記曲げ成形部と前記曲げ戻し成形部とは、
    前記第1部材を、前記第1角度と前記第2角度とを用いて作成された前記予測モデルを用いた前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とにより成形し、
    前記第3部材を、前記第2角度と前記第3角度とを用いて作成された前記予測モデルを用いた前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とにより成形し、
    前記第2部材を、前記搬送部による送り量が増加するにつれて、前記第1部材の成形時における前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度とから、前記第3部材の成形時における前記曲げ角度と前記曲げ戻し角度へと、前記第2角度を用いて徐々に変化させる、曲げ成形装置。
  7. 曲げ成形方法であって、曲げ成形装置が、
    異なる曲げ強度の板材が接合されたテーラードブランク材を、所定の方向に曲げる曲げ成形工程と、
    前記曲げ成形工程により曲げられた前記テーラードブランク材を、前記所定の方向とは逆方向に曲げ戻す曲げ戻し成形工程と、
    を備える、曲げ成形方法。
  8. コンピュータプログラムであって、
    異なる曲げ強度の板材が接合されたテーラードブランク材を、所定の方向に曲げる曲げ成形機能と、
    前記曲げ成形機能により曲げられた前記テーラードブランク材を、前記所定の方向とは逆方向に曲げ戻す曲げ戻し成形機能と、
    を曲げ成形装置に実現させる、コンピュータプログラム。
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