JP2023060508A - シングルレバー式混合水栓用カートリッジ - Google Patents

シングルレバー式混合水栓用カートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP2023060508A
JP2023060508A JP2021170148A JP2021170148A JP2023060508A JP 2023060508 A JP2023060508 A JP 2023060508A JP 2021170148 A JP2021170148 A JP 2021170148A JP 2021170148 A JP2021170148 A JP 2021170148A JP 2023060508 A JP2023060508 A JP 2023060508A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lever
cartridge
convex portion
embossed
faucet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021170148A
Other languages
English (en)
Inventor
昌憲 藤原
Masanori Fujiwara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanei Ltd
Original Assignee
Sanei Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanei Ltd filed Critical Sanei Ltd
Priority to JP2021170148A priority Critical patent/JP2023060508A/ja
Publication of JP2023060508A publication Critical patent/JP2023060508A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Domestic Plumbing Installations (AREA)
  • Multiple-Way Valves (AREA)

Abstract

【課題】レバーハンドルの操作にクリック感を付与するための板バネの耐久性を向上させることが可能なシングルレバー式混合水栓用カートリッジを提供すること。【解決手段】レバーハンドルの回転操作により水栓本体から吐出する湯水の混合比と流量とを変化させるカートリッジ10は、レバーハンドルに連結されるレバー部13の可動部12に対する横軸13Aまわりの回転にクリック感を付与するクリック感付与部20を有する。クリック感付与部20は、レバー部13に両端支持されて中間部にエンボス凸部21Bを有する板バネ21と、可動部12に設けられる固定凸部23Cと、を有する。エンボス凸部21Bは、レバー部13の回転により固定凸部23Cとの当接を経て固定凸部23C上を板バネ21の撓みを伴って押し退けられながら摺動し固定凸部23Cを乗り越えた位置で板バネ21の弾発力により復元する構成とされる。【選択図】図3

Description

本発明は、シングルレバー式混合水栓用カートリッジに関する。詳しくは、レバーハンドルに連結され、レバーハンドルの回転操作により水栓本体から吐出する湯水の混合比と流量とを変化させるシングルレバー式混合水栓用カートリッジに関する。
特許文献1には、レバーハンドルの操作により、吐水する湯水の温度調節や吐水・止水の切り替えを行えるシングルレバー水栓が開示されている。レバーハンドルは、その基部が水栓本体内に設けられたカートリッジと連結されている。カートリッジは、円筒状の本体部と、本体部に対して筒周方向に回転可能なように組み付けられた可動部と、可動部から上方に突出してレバーハンドルの基部と連結されるレバー部と、を備える。
レバー部は、可動部に対して、水平方向に延びる軸まわりに回転可能なように連結されている。上記カートリッジは、レバーハンドルが中立位置から左右方向に回されることで、レバー部がこれに追従して可動部と共に回転する。これにより、可動部と本体部との間に設けられた弁体の湯水の各供給口の開度が変えられて、湯水の混合割合が調節される。
また、カートリッジは、レバーハンドルが中立位置から引き上げられることで、レバー部がこれに追従して可動部に対して回転する。これにより、可動部と本体部との間に設けられた弁体の吐出口が開かれて、レバーハンドルの操作量に応じた量の湯水が吐出される。
上記カートリッジには、レバーハンドルの引き上げ操作にクリック感を付与するべく、レバー部と可動部との間に、レバーハンドルの操作に伴って弾性的に嵌合されたり外されたりする凹凸の嵌合構造が設けられている。凹凸の嵌合構造は、凸部を有する形に折り曲げられた板バネと、凸部を受け入れ可能な凹部と、の組み合わせから成る。板バネは、可動部に取り付けられており、レバーハンドルの操作によりレバー部が回転することで、その凸部がレバー部に形成された凹部に弾性的に嵌合されたり外されたりする。
特許第2779792号公報
特許文献1に記載の技術では、板バネが板幅方向の全域に亘って折り曲げられることで、凸部が山状に突出する形に形成されている。そのため、凸部の山の先端部分に応力集中が生じやすく、板バネの耐久性に改善の余地がある。そこで、本発明は、レバーハンドルの操作にクリック感を付与するための板バネの耐久性を向上させることが可能なシングルレバー式混合水栓用カートリッジを提供する。
上記課題を解決するために、本発明のシングルレバー式混合水栓用カートリッジは次の手段をとる。すなわち、シングルレバー式混合水栓用カートリッジは、レバーハンドルに連結され、レバーハンドルの回転操作により水栓本体から吐出する湯水の混合比と流量とを変化させる構成とされ、水栓本体に固定される円筒状の本体部と、本体部に対して筒周方向に回転可能なように組み付けられる可動部と、を有する。また、シングルレバー式混合水栓用カートリッジは、可動部に対して筒径方向に延びる横軸を介して回転可能なように組み付けられると共に、レバーハンドルの基部に一体的に連結されるレバー部と、レバー部の可動部に対する横軸まわりの回転に弾性的な係合に伴うクリック感を付与するクリック感付与部と、を有する。
クリック感付与部は、レバー部及び可動部のうちの一方に長手方向に両端支持されると共に中間部に板幅方向の両縁を残してエンボス状に突出するエンボス凸部が形成される板バネと、他方に設けられる凸状の固定凸部と、を有する。クリック感付与部は、レバー部の回転によりエンボス凸部が固定凸部との当接を経て固定凸部上を板バネの撓みを伴って押し退けられながら摺動し固定凸部を乗り越えた位置で板バネの弾発力により復元する構成とされる。
上記構成によれば、板バネに形成されるエンボス凸部は、板バネが板幅方向の全域に亘って折り曲げられて構成されるものと比べて、突出の横断面がループ状に閉じた構造強度の高い構成となる。それにより、板バネは、レバー部の回転によりエンボス凸部が固定凸部に押し当てられた際、エンボス凸部に過度な応力集中を掛けることなく、両端の支持部を支点に全体を撓ませる構成となる。したがって、板バネの繰り返し使用に対する耐久性を向上させることができる。また、エンボス凸部自体が変形しにくいことから、板バネの硬さ調整により、レバーハンドルのクリック感を低減させることなく操作フィーリングを適切にコントロールすることができる。
また、本発明のシングルレバー式混合水栓用カートリッジは、更に、レバー部の可動部に対する回転方向の可動範囲を、エンボス凸部が固定凸部の回転方向の一方側の側面に当接する第1位置と回転方向の他方側の側面に当接する第2位置との間に規制する回転規制部を備えるように構成されていてもよい。
上記構成によれば、構造強度の高いエンボス凸部を備えた板バネにより、レバーハンドルを操作フィーリング良くON/OFF(吐水/止水)等に2段階切り替えすることができる。
また、本発明のシングルレバー式混合水栓用カートリッジは、更に次のように構成されていてもよい。固定凸部が、一方側の側面と他方側の側面とを山の各斜面とする山状の凸形状とされる。
上記構成によれば、レバー部を第1位置或いは第2位置から回転させる際の、エンボス凸部と固定凸部との当接による操作荷重の急激な立ち上がりを緩和することができる。よって、レバーハンドルの操作フィーリングを更に向上させることができる。
また、本発明のシングルレバー式混合水栓用カートリッジは、更に次のように構成されていてもよい。固定凸部が、可動部からレバー部の横軸からの延び出し方向に突出する。板バネが、レバー部から周囲に張り出して固定凸部と上記延び出し方向に対向する。エンボス凸部が、板バネから上記延び出し方向とは反対方向に突出しレバー部の回転により固定凸部の天板面上に乗り上がって摺動する構成とされる。固定凸部の天板面が、横軸を中心に描かれる円弧状に湾曲した曲面とされる。
上記構成によれば、板バネのエンボス凸部が固定凸部の天板面上を摺動する間の摺動抵抗を一定にすることができる。したがって、レバーハンドルの操作フィーリングの更なる向上を図ることができる。
また、本発明のシングルレバー式混合水栓用カートリッジは、更に次のように構成されていてもよい。板バネが、レバー部から横軸の延びる方向に張り出す第1張出部と、レバー部からレバー部の回転方向の各方向に張り出す各第2張出部と、をひと続き状に有する回り込み形状とされる。第1張出部にエンボス凸部が形成され、各第2張出部にレバー部により支持される支持部が形成される。
上記構成によれば、板バネの各支持部間の距離を広げることなく、エンボス凸部と各支持部との間の支持スパンを広げることができる。したがって、板バネの撓みをより適切にコントロールすることができ、板バネの繰り返し使用に対する耐久性をより適切に向上させることができる。
また、本発明のシングルレバー式混合水栓用カートリッジは、更に次のように構成されていてもよい。シングルレバー式混合水栓用カートリッジが、更に、レバー部に通される第1通し孔を備えて可動部に全周を取り巻く形に装着されるキャップを備え、このキャップに固定凸部が形成される。板バネが、レバー部に通される第2通し孔を備えてレバー部に全周を取り巻く形に装着される。
上記構成によれば、クリック感付与部を、当該構成を備えない既存のシングルレバー式混合水栓用カートリッジに対して簡便に後付けすることが可能となる。
また、本発明のシングルレバー式混合水栓用カートリッジは、更に次のように構成されていてもよい。エンボス凸部が、半球状又は円錐状に突出する形状とされる。
上記構成によれば、エンボス凸部が先細り形状となるため、レバー部を回転させる際の、エンボス凸部と固定凸部との当接による操作荷重の急激な立ち上がりを緩和することができる。よって、レバーハンドルの操作フィーリングを更に向上させることができる。
第1の実施形態に係るシングルレバー式混合水栓用カートリッジの概略構成を表す斜視図である。 シングルレバー式混合水栓用カートリッジを可視化した図1の要部拡大図である。 シングルレバー式混合水栓用カートリッジ単体の斜視図である。 クリック感付与部の構成部品を外した分解斜視図である。 図4を反対側から見た分解斜視図である。 シングルレバー式混合水栓用カートリッジの平面図である。 シングルレバー式混合水栓用カートリッジの正面図である。 シングルレバー式混合水栓用カートリッジの側面図である。 レバー部の回転により板バネが撓む様子を表す図8に対応する側面図である。 レバー部が吐水位置に切り替えられた状態を表す図8に対応する側面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
《第1の実施形態》
(シングルレバー式混合水栓用カートリッジ10の概略構成)
始めに、本発明の第1の実施形態に係るシングルレバー式混合水栓用カートリッジ10(以下、カートリッジ10)の構成について、図1~図10を用いて説明する。なお、以下の説明において、手前、奥、上、下、左、右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。
各図中に示す方向は、それぞれ、本実施形態に係るカートリッジ10が適用されたシングルレバー水栓1の正面に立つ使用者から見た方向となっている。以下の説明において、具体的な参照図を示さない場合、或いは参照図に該当する符号がない場合には、図1~図10のいずれかの図を適宜参照するものとする。
図1に示すように、本実施形態に係るカートリッジ10は、不図示の洗面化粧台の天板上に設置される、いわゆる台付きタイプのシングルレバー水栓1に適用されている。シングルレバー水栓1は、不図示の天板の下側から供給される湯と水とを内部で混合して吐出することが可能な湯水混合水栓として構成される。
具体的には、シングルレバー水栓1は、上記天板の下側から供給される湯と水との混合割合を内部で調節することが可能な温調機能を備える。また、シングルレバー水栓1は、混合した湯水の吐水/止水を切り替えることが可能な吐止水の切替機能を備える。
上記湯水の混合割合の調節と吐水/止水の切り替えは、全て、水栓本体2の頭部に取り付けられた1本のレバーハンドル3の操作によって行われる。具体的には、使用者がレバーハンドル3の先端の操作部3Aを摘んで左右に回転位置を変えることにより、水栓本体2の内部に設けられた湯水混合用のカートリッジ10が湯水の各供給口(不図示)の開度を変化させるように操作される。それにより、水栓本体2の内部で混合される湯水の混合割合が、レバーハンドル3の操作位置に応じた設定温度となるよう調節される。
また、使用者がレバーハンドル3の操作部3Aを左右方向の任意の回転操作位置から奥に引き上げるように操作することにより、上記カートリッジ10が不図示の吐出口の開度を閉じた状態から徐々に開くように操作される。それにより、レバーハンドル3の引き上げ操作に伴って、その回転移動量に応じた量の湯水が、水栓本体2の正面に設けられた吐水口2Aから吐水される。
水栓本体2の吐水口2Aから吐水された湯水は、その下部に取り付けられた吐水板4上に流れ出て、吐水板4に沿って前方へと緩やかに送り流される。また、使用者がレバーハンドル3の引き上げ操作を元の高さ位置へと戻すことにより、カートリッジ10の吐出口(不図示)が閉じられて、吐水口2Aからの吐水が止められる。
上記レバーハンドル3は、その湯水の混合割合を調節する左右方向の回転操作領域が次のように設定されている。すなわち、レバーハンドル3は、その先端の操作部3Aが使用者の立つ正面側(手前側)に真っ直ぐ向けられた中立位置から右側に回される回転操作領域が、どの操作位置でも、カートリッジ10における湯水の混合割合が水のみとなるように開度調節を行う冷水設定領域とされる。また、レバーハンドル3は、上記中立位置から左側に回される回転操作領域が、レバーハンドル3の回転操作量の増大に伴って、カートリッジ10における湯の混合割合が増大するように開度調節を行う温水設定領域とされる。
また、レバーハンドル3は、その吐水/止水を切り替える上下方向の回転操作領域が次のように設定されている。すなわち、レバーハンドル3は、その水栓本体2内のカートリッジ10と連結される基部3Bから手前斜め上方に湾曲して延び出る操作部3Aの先が略水平向きとなる操作位置が、回転可動域の下限位置となる止水位置とされる。
そして、レバーハンドル3は、上記下限位置から奥側に向かって約20度引き上げられることで、回転可動域の上限位置となる最大吐水位置となる。上記レバーハンドル3の上下方向の回転可動域は、後述する水栓本体2内のカートリッジ10に設定されたレバー部13の回転可動域によって上記範囲内に制限されている。
上記レバーハンドル3は、具体的には、次のようにカートリッジ10と連結されている。すなわち、レバーハンドル3は、その基部3Bが、水栓本体2の頭部に取り付けられた化粧カバー5のカバー通し孔5Aに図示上方から通されて、水栓本体2の内部に設けられたカートリッジ10のレバー部13(栓棒)に嵌められて一体的にビス締めされている。
それにより、レバーハンドル3は、図2に示すように、カートリッジ10のレバー部13と一体的となってレバー部13の可動部12に対する回転中心軸である横軸13Aのまわりに上下方向に回転することができる構成とされる。また、レバーハンドル3は、レバー部13及び可動部12と一体的となって可動部12を外周側から支持するカートリッジ10の本体部11に対して左右方向に回転することができる構成とされる。
上記レバーハンドル3の基部3Bは、詳しくは、図1に示すように、化粧カバー5の上部に重ね合わせ状に設けられる円板状の化粧プレート6の中心部に空けられた丸孔状のプレート通し孔6Aにも図示上方から通されている。それにより、レバーハンドル3の基部3Bは、レバーハンドル3の上下方向の回転により、化粧プレート6を前後方向に引き連れて動くことができるようになっている。上記化粧プレート6の設定により、化粧カバー5のカバー通し孔5Aがレバーハンドル3の上下方向の動きを許容するために広く形成されていても、カバー通し孔5Aと基部3Bとの間の隙間が外部に露出しにくくなっている。
また、レバーハンドル3は、その引き上げ操作によってカートリッジ10を止水状態から吐水状態へと切り替える際、カートリッジ10に設けられたクリック感付与部20によって、引き上げ操作前の止水位置と引き上げ操作後の最大吐水位置とのそれぞれの位置で、弾性的な係合に伴うクリック感(節度感)が付与されるようになっている。同様に、レバーハンドル3は、その引き上げ操作した吐水状態から止水状態に戻す際にも、カートリッジ10に設けられたクリック感付与部20により、最大吐水位置と止水位置とのそれぞれの位置で、弾性的な係合に伴うクリック感(節度感)が付与されるようになっている。
それにより、レバーハンドル3は、使用者がレバーハンドル3に上下方向の力を掛けることによって、レバーハンドル3を上記止水位置と最大吐水位置とのそれぞれの位置に節度感のある良好な操作フィーリングで切り替えることができる構成とされる。以下、クリック感付与部20を含むカートリッジ10の各部の具体的な構成について詳しく説明する。
(カートリッジ10)
図3に示すように、カートリッジ10は、上下方向に延びる円筒状の本体部11と、本体部11の上部に筒周方向に回転可能なように組み付けられる有天円筒状の可動部12と、を有する。また、カートリッジ10は、可動部12に対して図示左右方向(筒径方向)に延びる横軸13Aを介して回転可能なように組み付けられる四角棒状のレバー部13を有する。また、カートリッジ10は、レバー部13の可動部12に対する横軸13Aまわりの回転に弾性的な係合に伴うクリック感を付与するクリック感付与部20を有する。
上記カートリッジ10は、図2に示すように、上述した各構成部品が1つに組み合わされたアッセンブリ状態で、水栓本体2の内部に組み込まれている。上記カートリッジ10は、本体部11が水栓本体2の内部に固定され、レバー部13に連結されたレバーハンドル3が左右方向や上下方向に回転操作されることで、上述した湯水の混合割合の調節や吐水/止水の切り替えを行うよう各構成部品が動かされる構成とされる。
具体的には、カートリッジ10は、レバーハンドル3が左右方向に回転操作されることにより、レバー部13が横軸13Aを介して繋がれた可動部12と一体的となって本体部11に対して左右方向に回転するよう操作される。それにより、可動部12と本体部11との間に設けられた不図示の弁体が湯水の各供給口の開度を変化させるように動かされて、カートリッジ10の内部に供給される湯水の混合割合が調節される。
また、カートリッジ10は、レバーハンドル3が上下方向に回転操作されることにより、レバー部13が可動部12に対して横軸13Aのまわりに上下方向に回転するよう操作される。それにより、可動部12と本体部11との間に設けられた不図示の弁体がレバー部13の回転に伴って吐出口の開度を変化させるように動かされ、カートリッジ10から吐出される湯水の吐出量が調節される。
なお、上述したカートリッジ10の湯水の混合割合の調節及び吐水/止水の切り替えに纏わる基本構成は、特開2020-46067号公報等の文献に開示された公知の構成と同一となっている。したがって、これらの基本構成に纏わる詳細な説明は省略することとする。
図4に示すように、可動部12は、本体部11の上部に互いの円筒同士が内外に並ぶ同心状の位置で相対回転可能に嵌まり合う形に組み付けられている。レバー部13の可動部12に対する回転中心軸となる横軸13Aは、その中心軸線が、カートリッジ10の中心軸線C、すなわち本体部11及び可動部12の中心部を通って上下方向に延びるカートリッジ10の中心軸線C上を横切る位置に配置されている。
レバー部13は、その下端部が、可動部12の上部に形成されたレバー通し孔12Aから可動部12の内部に通されて、上述した横軸13Aにより可動部12に回転可能なように連結されている。上記連結により、レバー部13は、可動部12に対して、上記横軸13Aから中心軸線Cに沿って上方に真っ直ぐ延びる止水位置(図8に示す第1位置P1)と、横軸13Aを中心に奥側へ約20度傾倒される最大吐水位置(図10に示す第2位置P2)との間で回転することができるようになっている。
上記レバー部13の可動部12に対する横軸13Aまわりの回転移動は、レバー部13が可動部12のレバー通し孔12A内の回転方向の各側の端面Mと当接するそれぞれの位置で規制されるようになっている。ここで、レバー部13の回転移動を規制するレバー通し孔12Aの各側の端面Mが、本発明の「回転規制部」に相当する。なお、レバー部13の可動部12に対する横軸13Aまわりの回転移動を規制する回転規制部は、レバー部13の回転に伴ってカートリッジ10内で動かされる不図示の弁体が可動部12の内壁に当接して規制する構造等、他の構造から成るものであっても良い。
図4に示すように、レバー部13の上下方向の途中箇所には、手前側面と奥側面とからそれぞれ横長な角棒形状に突出する嵌合凸部13Bが形成されている。これら嵌合凸部13Bは、レバー部13の手前側面及び奥側面の左右方向の全域から、これらの面と平行な平坦面を段差状に突出させる形に形成されている。
(クリック感付与部20)
図3に示すように、クリック感付与部20は、レバー部13に通されるリング板状の板バネ21と、板バネ21の上部に重ね合わせ状に設けられるリング板状の支持プレート22と、可動部12に装着される有天円筒状のキャップ23と、で構成される。板バネ21は、金属製であり、支持プレート22とキャップ23は、それぞれ樹脂製である。これらクリック感付与部20を構成する板バネ21、支持プレート22、及びキャップ23は、これらを除くカートリッジ10の各構成部品が組み合わされたアッセンブリ状態から、後付けで組み付けることができる構成とされる。
板バネ21は、レバー部13の操作に弾性的なクリック感を付与するための弾性部材として機能する部品である。支持プレート22は、板バネ21をレバー部13に対して両端支持した状態に取り付けるための支持部材として機能する部品である。キャップ23は、可動部12に装着されて、レバー部13の操作により板バネ21と係合したり外れたりして板バネ21の撓みを変化させる相手部材として機能する部品である。
次に、クリック感付与部20の各部の具体的な構成について説明する。図4~図5に示すように、板バネ21は、その中心部に、レバー部13に図示上方から通すことが可能な角孔状の第2通し孔21Aが形成された平坦なリング板形状とされる。第2通し孔21Aは、レバー部13の嵌合凸部13Bが形成された箇所の横断面と緩やかに合致する角孔形状とされる。
板バネ21は、レバー部13に対して、第2通し孔21Aが嵌合凸部13Bに嵌まる箇所まで通された状態にセットされる(図8参照)。上記組み付けにより、板バネ21は、図4~図6に示すように、四角棒状を成すレバー部13の左右の各側面から張り出す左右一対の第1張出部A1と、レバー部13の手前側面と奥側面とから張り出す前後一対の第2張出部A2と、をひと続き状に有する形にセットされる。
図4~図5に示すように、板バネ21の左右一対の第1張出部A1の各中間部には、図示下方に向かって半球状に突出する形にエンボス加工されたエンボス凸部21Bが形成されている。各エンボス凸部21Bは、それぞれ、各第1張出部A1の左右対称位置にて、板幅方向(筒径方向)の両縁を残して図示下方にエンボス状に突出する形に形成されている。それにより、各エンボス凸部21Bは、これらが板バネ21の板幅方向の全域に亘って折り曲げられて形成されるものと比べて、突出の横断面がループ状に閉じた横断面となる構造強度の高い構成とされる。各エンボス凸部21Bは、互いに左右対称な形状とされる。
図5に示すように、板バネ21の中心部に形成された角孔状の第2通し孔21Aには、その手前側の縁部と奥側の縁部とのそれぞれの箇所に、孔形状を手前側と奥側とに部分的に角孔状に拡張させる嵌合孔21Cが形成されている。これら嵌合孔21Cは、支持プレート22に形成された対応する各嵌合突起22Cを図示上方から嵌め込んで係合させる孔として機能する。上記板バネ21の各第2張出部A2の左右方向の中間部、詳しくは、各嵌合孔21Cの外周側に位置する各面部には、それぞれ、支持プレート22に形成された対応する各当接部22Dにより図示上方から当てられて支持される平坦状の支持部21Dが形成されている。
支持プレート22は、その中心部に、レバー部13に図示上方から通すことが可能な角孔状の第3通し孔22Aが形成された平坦なリング板形状とされる。第3通し孔22Aは、レバー部13の各嵌合凸部13Bが形成された箇所よりも上側の一般部の横断面と緩やかに合致する角孔形状とされる。支持プレート22は、上述した板バネ21に図示上方から重ね合わされる形にセットされた状態で、板バネ21と共にレバー部13に通されてセットされる構成とされる(図8参照)。
上記支持プレート22は、図5に示すように、その第3通し孔22Aの内周面上の周方向の所々の箇所に、部分的に小さく突出する小突起22Bが形成された構成とされる。また、支持プレート22の第3通し孔22Aを挟む手前側と奥側の各面部には、それぞれ、第3通し孔22Aから離れた箇所から図示下方に横長な立板形状に突出する嵌合突起22Cが形成されている。また、支持プレート22の各嵌合突起22Cの外周側に位置する手前側と奥側の各面部には、それぞれ、上述した板バネ21の各支持部21Dに図示上方から面当接した状態に当てられる平坦状の当接部22Dが形成されている。
上記支持プレート22は、次のように板バネ21に図示上方から重ね合わされる形に組み付けられて、板バネ21と共にレバー部13に通されるようになっている。先ず、支持プレート22の各嵌合突起22Cを板バネ21の対応する各嵌合孔21C内に図示上方から嵌め込む。それにより、支持プレート22の各嵌合突起22Cが、板バネ21の対応する各嵌合孔21C内に完全に入り込んで、支持プレート22の各当接部22Dが板バネ21の各支持部21Dに図示上方からそれぞれ面当接した状態にセットされる。
また、上記組み付けにより、支持プレート22が板バネ21に対して、各々の中心部に形成された第3通し孔22Aと第2通し孔21Aとが平面視で重なる形にセットされる。次に、支持プレート22及び板バネ21を、レバー部13に図示上方から第2通し孔21A及び第3通し孔22Aの順に挿通する。上記挿通により、図8に示すように、板バネ21の第2通し孔21Aがレバー部13の嵌合凸部13Bまで通されたところで、支持プレート22の第3通し孔22Aに臨む手前側と奥側の各面部が、各嵌合凸部13Bの上面に図示上方からそれぞれ当接する。
その際、支持プレート22の第3通し孔22Aがレバー部13に通されることに伴い、第3通し孔22Aの内周面に形成された各小突起22B(図5参照)が、レバー部13の外周面に押し付けられる。それにより、支持プレート22が、レバー部13に対して、各小突起22Bの押し付けに伴う摺動摩擦抵抗力により、挿通方向及び抜去方向のそれぞれ方向に滑りにくい状態に嵌合される。
また、各小突起22Bがレバー部13に押し付けられることにより、支持プレート22には、第3通し孔22Aの孔形状を手前側と奥側とに拡張させる方向の反発力が掛けられる。上記反発力により、支持プレート22は、各嵌合突起22Cが互いに引き離される方向に押圧されて、各嵌合突起22Cが板バネ21の各嵌合孔21Cの内周面にそれぞれ押し付けられる。それにより、支持プレート22の各嵌合突起22Cが、板バネ21の各嵌合孔21Cの内周面に強く嵌合されて、支持プレート22と板バネ21とが互いに上下方向に離間しにくい形に結合される。
したがって、その状態で、支持プレート22が板バネ21と共にレバー部13の嵌合凸部13B上に当接する位置まで挿通されることにより、支持プレート22及び板バネ21の双方が、レバー部13に対して挿通方向にも抜去方向にも移動しにくい状態に組み付けられる(図8参照)。上記組み付けにより、支持プレート22は、図6~図8に示すように、その手前側と奥側の2箇所の当接部22Dにおいて、板バネ21の対応する各支持部21Dをそれぞれ図示上方から当てて支持する状態にセットされる。また、上記組み付けにより、支持プレート22は、板バネ21と共に、レバー部13に対して回転方向に一体的となる状態にセットされる。
支持プレート22は、図3及び図6に示すように、概ね板バネ21と外径が一致するリング板形状とされるが、板バネ21の左右の第1張出部A1の外周縁との重なりを避けるように左右の縁部がカットされた形状とされる。具体的には、図6~図7に示すように、支持プレート22は、板バネ21の左右の第1張出部A1におけるエンボス凸部21Bの形成箇所から外周側の領域とは重ならないように左右の縁部が前後方向に真っ直ぐにカットされた形状とされる。
それにより、支持プレート22は、板バネ21が図8に示す自由状態から、図9で後述するキャップ23の固定凸部23Cとの干渉によって左右の第1張出部A1を図示上方に撓ませる際に、各第1張出部A1との干渉を生じにくくなっている。すなわち、板バネ21は、後述するキャップ23の固定凸部23Cとの干渉により、左右の第1張出部A1を図示上方に撓ませるようになっている。その際、板バネ21は、その左右の第1張出部A1を、手前側と奥側の端部である支持部21Dを支点に、片持ち梁の撓み形態のように左右の外周縁ほど図示上方に大きく反らせる形に撓ませる。
したがって、支持プレート22の左右の縁部がカットされていることで、上記板バネ21の左右の第1張出部A1の撓みを適切に逃がすことができる。また、図6~図7に示すように、上記支持プレート22の、板バネ21の左右の第1張出部A1に図示上方から重なる各部分には、それらの下面部に、内周縁から外周縁に向かって板厚が図示上方に傾斜状に減少していく形に肉抜きされた肉抜き部22Eが形成されている。
それにより、支持プレート22は、上記板バネ21の左右の第1張出部A1の図示上方への撓みをより適切に逃がすことができるようになっている。詳しくは、支持プレート22の肉抜き部22Eが形成された左右の各面部は、それらの板厚が外周縁にいくほど薄くなることで、仮に、板バネ21の左右の第1張出部A1が撓みによって図示下方から当てられることがあっても、左右の第1張出部A1と共に柔軟に撓むことができるようになっている。それにより、支持プレート22は、板バネ21の左右の第1張出部A1の図示上方への撓みをより適切に逃がすことができるようになっている。
図4~図5に示すように、キャップ23は、その天板の中心部に、レバー部13に図示上方から通すことが可能な角孔状の第1通し孔23Aが形成された有天円筒形状とされる。第1通し孔23Aは、レバー部13の嵌合凸部13Bが形成された箇所の横断面を挿通方向に通過することができる角孔形状とされる。
キャップ23は、上述した板バネ21及び支持プレート22がレバー部13に通されるよりも先にレバー部13に図示上方から通されて、図3に示すように可動部12をすっぽりと覆う形にセットされる。具体的には、キャップ23は、その第1通し孔23Aをレバー部13に図示上方から通すことにより、その円筒部分が可動部12に図示上方からすっぽりと覆う形に組み付けられる。上記組み付けにより、キャップ23は、その天板が可動部12の天板に当接した状態にセットされる。
詳しくは、図4に示すように、キャップ23は、上記組み付けにより、その第1通し孔23Aの左右の内周縁から図示下方に立板状に張り出す各係止部23Bが、可動部12のレバー通し孔12A内に入り込んで、レバー通し孔12Aの左右の内周縁とそれぞれ当接する。それにより、キャップ23は、可動部12に対して、筒周方向の回転が規制された状態にセットされる。
上記キャップ23の天板上の第1通し孔23Aを挟む左右2箇所の対称位置には、それぞれ、図示上方に向かって山状に膨らむ形に突出する固定凸部23Cが形成されている。各固定凸部23Cは、互いに左右対称な形状とされる。各固定凸部23Cは、図8に示すように、それぞれ、キャップ23の天板上の前後方向の途中箇所から奥側に向かって斜め上方に突出する形に形成されている。
具体的には、各固定凸部23Cは、図8に示す側面視において、その山の手前側の斜面の上角部に、手前斜め上側に凸となる凸湾曲面状のアール面を成す第1湾曲面C1が形成された構成とされる。また、各固定凸部23Cは、その山の奥側の斜面の上角部にも、奥斜め上側に凸となる凸湾曲面状のアール面を成す第2湾曲面C2が形成された構成とされる。ここで、第1湾曲面C1が本発明の「一方側の側面」に相当し、第2湾曲面C2が本発明の「他方側の側面」に相当する。
また、各固定凸部23Cは、その山の頂上面に、横軸13Aを中心に描かれる円弧形状に湾曲した凸湾曲面状の天板面C3が形成された構成とされる。各固定凸部23Cの天板面C3は、その手前側の縁部と奥側の縁部とが第1湾曲面C1と第2湾曲面C2とにそれぞれ段差なく滑らかに繋がる形に形成されている。
各固定凸部23Cは、レバー部13が図8に示す止水位置、すなわちレバー部13が回転可動域の下限位置(第1位置P1)にある状態において、板バネ21の対応する各エンボス凸部21Bの奥側の斜面が第1湾曲面C1に手前側から当接するように構成されている。この状態では、板バネ21の各エンボス凸部21Bは、対応する各固定凸部23Cの第1湾曲面C1には押し付けられておらず、板バネ21は略撓まない状態とされる。
各固定凸部23Cは、上記レバー部13が第1位置P1から横軸13Aのまわりに奥側へと傾倒されることにより、図9に示すように、板バネ21の対応する各エンボス凸部21Bを各第1湾曲面C1に沿って摺動させながら各天板面C3上に乗り上がらせる。その際、各エンボス凸部21Bは、板バネ21の各第1張出部A1を両端の支持部21Dを支点に図示上方に反らせる形に撓ませながら、各固定凸部23Cの第1湾曲面C1上から天板面C3上へと乗り上がる。
したがって、この各エンボス凸部21Bの乗り上がりに伴う板バネ21の各第1張出部A1の撓みにより発生する弾発力によって、レバー部13を奥側へ傾倒させる動きに摺動摩擦力の急激的な増大に伴う抵抗力が付与される。その結果、レバーハンドル3(図1参照)の止水位置からの引き上げ操作にクリック感が付与される。
各固定凸部23Cは、図9に示すように、各エンボス凸部21Bがそれらの天板面C3上に乗り上がった後、レバー部13の奥側への傾倒により各エンボス凸部21Bを各天板面C3に沿って奥側へ摺動させる。したがって、この間は、板バネ21の撓み量は一定に保持され、レバーハンドル3の引き上げ操作に一定の摺動摩擦抵抗力が付与され続ける。
そして、各固定凸部23Cは、レバー部13が図10に示す最大吐水位置、すなわちレバー部13が回転可動域の上限位置(第2位置P2)まで傾倒されることにより、板バネ21の対応する各エンボス凸部21Bを各天板面C3の奥側へと通過させる。それにより、各エンボス凸部21Bが、板バネ21の弾発力による復元変形に伴って、各固定凸部23Cの第2湾曲面C2上に落ち込む。そしてそれにより、各エンボス凸部21Bは、各固定凸部23Cの第2湾曲面C2に、それらの手前側の斜面を奥側から当接させる。
したがって、この各エンボス凸部21Bの落ち込みに伴う板バネ21の弾性復帰によって、レバー部13を奥側へ傾倒させる動きに対して摺動摩擦力が急激的に開放される抜け感が付与される。その結果、レバーハンドル3(図1参照)を最大吐水位置へと到達させる操作にクリック感が付与される。
なお、上記のクリック感は、レバー部13を最大吐水位置(図10参照)から止水位置(図8)へと戻す際にも、上記と同様に、最大吐水位置(図10参照)と止水位置(図8)とのそれぞれの位置で付与される。その際の板バネ21の挙動は、レバーハンドル3を引き上げる際の挙動と同様となる。
以上をまとめると、第1の実施形態に係るカートリッジ10は、次のような構成となっている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
すなわち、シングルレバー式混合水栓用カートリッジ(10)は、レバーハンドル(3)に連結され、レバーハンドル(3)の回転操作により水栓本体(2)から吐出する湯水の混合比と流量とを変化させる構成とされ、水栓本体(2)に固定される円筒状の本体部(11)と、本体部(11)に対して筒周方向に回転可能なように組み付けられる可動部(12)と、を有する。
また、シングルレバー式混合水栓用カートリッジ(10)は、可動部(12)に対して筒径方向に延びる横軸(13A)を介して回転可能なように組み付けられると共に、レバーハンドル(3)の基部(3B)に一体的に連結されるレバー部(13)と、レバー部(13)の可動部(12)に対する横軸(13A)まわりの回転に弾性的な係合に伴うクリック感を付与するクリック感付与部(20)と、を有する。
クリック感付与部(20)は、レバー部(13)に長手方向に両端支持されると共に中間部に板幅方向の両縁を残してエンボス状に突出するエンボス凸部(21B)が形成される板バネ(21)と、可動部(12)に設けられる凸状の固定凸部(23C)と、を有する。クリック感付与部(20)は、レバー部(13)の回転によりエンボス凸部(21B)が固定凸部(23C)との当接を経て固定凸部(23C)上を板バネ(21)の撓みを伴って押し退けられながら摺動し固定凸部(23C)を乗り越えた位置で板バネ(21)の弾発力により復元する構成とされる。
上記構成によれば、板バネ(21)に形成されるエンボス凸部(21B)は、板バネ(21)が板幅方向の全域に亘って折り曲げられて構成されるものと比べて、横断面がループ状に閉じた構造強度の高い構成となる。それにより、板バネ(21)は、レバー部(13)の回転によりエンボス凸部(21B)が固定凸部(23C)に押し当てられた際、エンボス凸部(21B)に過度な応力集中を掛けることなく、両端の支持部(21D)を支点に全体を撓ませる構成となる。
したがって、板バネ(21)の繰り返し使用に対する耐久性を向上させることができる。また、エンボス凸部(21B)自体が変形しにくいことから、板バネ(21)の硬さ調整により、レバーハンドル(3)のクリック感を低減させることなく操作フィーリングを適切にコントロールすることができる。
また、シングルレバー式混合水栓用カートリッジ(10)は、レバー部(13)の可動部(12)に対する回転方向の可動範囲を、エンボス凸部(21B)が固定凸部(23C)の回転方向の一方側の側面(C1)に当接する第1位置(P1)と回転方向の他方側の側面(C2)に当接する第2位置(P2)との間に規制する回転規制部(M)を更に備える。上記構成によれば、構造強度の高いエンボス凸部(21B)を備えた板バネ(21)により、レバーハンドル(3)を操作フィーリング良くON/OFF(吐水/止水)等に2段階切り替えすることができる。
また、固定凸部(23C)が、一方側の側面(C1)と他方側の側面(C2)とを山の各斜面とする山状の凸形状とされる。上記構成によれば、レバー部(13)を第1位置(P1)或いは第2位置(P2)から回転させる際の、エンボス凸部(21B)と固定凸部(23C)との当接による操作荷重の急激な立ち上がりを緩和することができる。よって、レバーハンドル(3)の操作フィーリングを更に向上させることができる。
また、固定凸部(23C)が、可動部(12)からレバー部(13)の横軸(13A)からの延び出し方向に突出する。板バネ(21)が、レバー部(13)から周囲に張り出して固定凸部(23C)と上記延び出し方向に対向する。エンボス凸部(21B)が、板バネ(21)から上記延び出し方向とは反対方向に突出しレバー部(13)の回転により固定凸部(23C)の天板面(C3)上に乗り上がって摺動する構成とされる。固定凸部(23C)の天板面(C3)が、横軸(13A)を中心に描かれる円弧状に湾曲した曲面とされる。
上記構成によれば、板バネ(21)のエンボス凸部(21B)が固定凸部(23C)の天板面(C3)上を摺動する間の摺動抵抗を一定にすることができる。したがって、レバーハンドル(3)の操作フィーリングの更なる向上を図ることができる。
また、板バネ(21)が、レバー部(13)から横軸(13A)の延びる方向に張り出す第1張出部(A1)と、レバー部(13)からレバー部(13)の回転方向の各方向に張り出す各第2張出部(A2)と、をひと続き状に有する回り込み形状とされる。第1張出部(A1)にエンボス凸部(21B)が形成され、各第2張出部(A2)にレバー部(13)により支持される支持部(21D)が形成される。
上記構成によれば、板バネ(21)の各支持部(21D)間の距離を広げることなく、エンボス凸部(21B)と各支持部(21D)との間の支持スパンを広げることができる。したがって、板バネ(21)の撓みをより適切にコントロールすることができ、板バネ(21)の繰り返し使用に対する耐久性をより適切に向上させることができる。
また、シングルレバー式混合水栓用カートリッジ(10)が、更に、レバー部(13)に通される第1通し孔(23A)を備えて可動部(12)に全周を取り巻く形に装着されるキャップ(23)を備え、このキャップ(23)に固定凸部(23C)が形成される。板バネ(21)が、レバー部(13)に通される第2通し孔(21A)を備えてレバー部(13)に全周を取り巻く形に装着される。上記構成によれば、クリック感付与部(20)を、当該構成を備えない既存のシングルレバー式混合水栓用カートリッジに対して簡便に後付けすることが可能となる。
また、エンボス凸部(21B)が、半球状に突出する形状とされる。上記構成によれば、エンボス凸部(21B)が先細り形状となるため、レバー部(13)を回転させる際の、エンボス凸部(21B)と固定凸部(23C)との当接による操作荷重の急激な立ち上がりを緩和することができる。よって、レバーハンドル(3)の操作フィーリングを更に向上させることができる。
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、以下に示す様々な形態で実施することができるものである。
1.本発明のシングルレバー式混合水栓用カートリッジは、洗面化粧台の他、キッチンの天板上に設置されるシングルレバー水栓に適用されるものであっても良い。また、シングルレバー式混合水栓用カートリッジは、浴室の壁面に設置される壁付きタイプのシングルレバー水栓に適用されるものであっても良い。
また、シングルレバー式混合水栓用カートリッジは、レバーハンドルが水栓本体の側部に横向きに取り付けられるタイプのシングルレバー水栓に、レバー部が横向きに延びる形に適用される構成であっても良い。その場合には、レバー部の可動部に対する横軸まわりの回転方向は、横向きに倒されたり起こされたりする回転方向となる。レバー部は、四角棒状の他、丸棒状や異形の棒形状から成るものであっても良い。
2.クリック感付与部は、エンボス凸部を備える板バネが可動部に設けられ、固定凸部がレバー部に設けられる構成であっても良い。板バネと固定凸部とは、横軸の延びる方向に対向するように配置されて、板バネがエンボス凸部と固定凸部との当接により縦向きでなく横向きに撓むように構成されていても良い。その場合、板バネは、縦向きに長尺となるもの、又はレバー部の横軸まわりの回転方向に長尺となるもののどちらから成るものであっても良い。
板バネは、レバー部及び可動部のうちの一方において、エンボス凸部を対称位置に一対で備えるリング板状の構成とされるものの他、エンボス凸部を1つのみ備える半リング等の非環状形状から成るものであっても良い。クリック感付与部は、固定凸部がレバー部の回転方向の複数箇所に設けられて、レバー部の可動範囲において板バネのエンボス凸部が固定凸部を複数乗り越えて回転方向の3箇所以上の位置でクリック感が付与される構成であってもよい。
3.板バネのエンボス凸部は、半球状の他、円錐状に突出する形状とされていても良い。エンボス凸部は、その突出した先の端部が尖っていても良く、丸まっていても良く、平坦な切頭形状とされたものであっても良い。
4.固定凸部は、必ずしも一方側の側面と他方側の側面とが凸湾曲面となる山状の凸形状から成るものでなくても良く、一方側の側面と他方側の側面とが真っ直ぐな斜面となる山状の凸形状から成るものであっても良い。また、固定凸部は、一方側の側面と他方側の側面とが直角に立ち上がるような寸胴状に突出する凸形状から成るものであっても良い。同様に、エンボス凸部も必ずしも先細り形状から成るものでなくても良く、寸胴状に突出する凸形状から成るものであっても良い。このような構成であっても、相手側の凸部が先細り形状とされることで、レバー部の回転に伴ってエンボス凸部を固定凸部との当接を経て固定凸部上に乗り上げさせる構成とすることは可能である。
5.レバー部の可動部に対する回転方向の可動範囲は、エンボス凸部が固定凸部の回転方向の一方側の側面と他方側の側面とに当接する間の可動範囲の他、エンボス凸部が固定凸部の一方側の側面及び/又は他方側の側面と当接する位置から回転方向に離間した非当接位置を含む可動範囲に設定されていても良い。また、レバー部の可動部に対する回転方向の可動範囲が、エンボス凸部が固定凸部の回転方向の一方側の側面に当接する第1位置と他方側の側面に当接する第2位置との間に規制される場合において、第1位置及び/又は第2位置は、エンボス凸部が固定凸部上に乗り上がって板バネの撓みによる弾発力が及ぼされる位置に設定されていても良い。
6.板バネは、支持プレートを介することなく、レバー部に直接、長手方向に両端支持されるように取り付けられる構成であってもよい。固定凸部は、可動部に対して着脱可能に設けられるキャップに形成されるものの他、可動部に直接形成される構成であっても良い。
1 シングルレバー水栓
2 水栓本体
2A 吐水口
3 レバーハンドル
3A 操作部
3B 基部
4 吐水板
5 化粧カバー
5A カバー通し孔
6 化粧プレート
6A プレート通し孔
10 カートリッジ
11 本体部
12 可動部
12A レバー通し孔
13 レバー部
13A 横軸
13B 嵌合凸部
20 クリック感付与部
21 板バネ
21A 第2通し孔
21B エンボス凸部
21C 嵌合孔
21D 支持部
A1 第1張出部
A2 第2張出部
22 支持プレート
22A 第3通し孔
22B 小突起
22C 嵌合突起
22D 当接部
22E 肉抜き部
23 キャップ
23A 第1通し孔
23B 係止部
23C 固定凸部
C1 第1湾曲面(一方側の側面)
C2 第2湾曲面(他方側の側面)
C3 天板面
M 端面(回転規制部)
P1 第1位置
P2 第2位置
C 中心軸線

Claims (7)

  1. レバーハンドルに連結され、該レバーハンドルの回転操作により水栓本体から吐出する湯水の混合比と流量とを変化させるシングルレバー式混合水栓用カートリッジであって、
    前記水栓本体に固定される円筒状の本体部と、
    該本体部に対して筒周方向に回転可能なように組み付けられる可動部と、
    該可動部に対して筒径方向に延びる横軸を介して回転可能なように組み付けられると共に、前記レバーハンドルの基部に一体的に連結されるレバー部と、
    該レバー部の前記可動部に対する前記横軸まわりの回転に弾性的な係合に伴うクリック感を付与するクリック感付与部と、を有し、
    前記クリック感付与部が、前記レバー部及び前記可動部のうちの一方に長手方向に両端支持されると共に中間部に板幅方向の両縁を残してエンボス状に突出するエンボス凸部が形成される板バネと、他方に設けられる凸状の固定凸部と、を有し、前記レバー部の回転により前記エンボス凸部が前記固定凸部との当接を経て該固定凸部上を前記板バネの撓みを伴って押し退けられながら摺動し前記固定凸部を乗り越えた位置で前記板バネの弾発力により復元する構成とされるシングルレバー式混合水栓用カートリッジ。
  2. 請求項1に記載のシングルレバー式混合水栓用カートリッジであって、
    前記レバー部の前記可動部に対する回転方向の可動範囲を、前記エンボス凸部が前記固定凸部の回転方向の一方側の側面に当接する第1位置と回転方向の他方側の側面に当接する第2位置との間に規制する回転規制部を更に備えるシングルレバー式混合水栓用カートリッジ。
  3. 請求項2に記載のシングルレバー式混合水栓用カートリッジであって、
    前記固定凸部が、前記一方側の側面と前記他方側の側面とを山の各斜面とする山状の凸形状とされるシングルレバー式混合水栓用カートリッジ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のシングルレバー式混合水栓用カートリッジであって、
    前記固定凸部が、前記可動部から前記レバー部の前記横軸からの延び出し方向に突出し、前記板バネが、前記レバー部から周囲に張り出して前記固定凸部と前記延び出し方向に対向し、前記エンボス凸部が、前記板バネから前記延び出し方向とは反対方向に突出し前記レバー部の回転により前記固定凸部の天板面上に乗り上がって摺動する構成とされ、
    前記固定凸部の前記天板面が、前記横軸を中心に描かれる円弧状に湾曲した曲面とされるシングルレバー式混合水栓用カートリッジ。
  5. 請求項4に記載のシングルレバー式混合水栓用カートリッジであって、
    前記板バネが、前記レバー部から前記横軸の延びる方向に張り出す第1張出部と、前記レバー部から該レバー部の回転方向の各方向に張り出す各第2張出部と、をひと続き状に有する回り込み形状とされ、前記第1張出部に前記エンボス凸部が形成され、各前記第2張出部に前記レバー部により支持される支持部が形成されるシングルレバー式混合水栓用カートリッジ。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のシングルレバー式混合水栓用カートリッジであって、
    前記レバー部に通される第1通し孔を備えて前記可動部に全周を取り巻く形に装着されるキャップを更に備え、該キャップに前記固定凸部が形成され、
    前記板バネが、前記レバー部に通される第2通し孔を備えて前記レバー部に全周を取り巻く形に装着されるシングルレバー式混合水栓用カートリッジ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のシングルレバー式混合水栓用カートリッジであって、
    前記エンボス凸部が、半球状又は円錐状に突出する形状とされるシングルレバー式混合水栓用カートリッジ。
JP2021170148A 2021-10-18 2021-10-18 シングルレバー式混合水栓用カートリッジ Pending JP2023060508A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021170148A JP2023060508A (ja) 2021-10-18 2021-10-18 シングルレバー式混合水栓用カートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021170148A JP2023060508A (ja) 2021-10-18 2021-10-18 シングルレバー式混合水栓用カートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023060508A true JP2023060508A (ja) 2023-04-28

Family

ID=86098133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021170148A Pending JP2023060508A (ja) 2021-10-18 2021-10-18 シングルレバー式混合水栓用カートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023060508A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5212759B1 (ja) 水路切換装置及びそれを備えたハンドシャワーヘッド
US6920899B2 (en) Fluid control valve
JP2848537B2 (ja) ウオーターハンマー防止用の流量制御装置付きの片手混合水栓
JP2008531885A (ja) 衛生的な水流出口
AU2001254767B2 (en) Multiway valve for sanitary fixtures
JP2023060508A (ja) シングルレバー式混合水栓用カートリッジ
JP4732530B2 (ja) 操作レバーの取付構造
JP2014020551A (ja) 水栓金具用の節湯型カートリッジ
JP5260481B2 (ja) ガスバルブ
JP2009530565A (ja) 水制御弁カートリッジ
JP3757555B2 (ja) シングルレバー式水栓のクリック機構
JP5497545B2 (ja) 節水器具
JP2011069169A (ja) 水栓装置
JP5642528B2 (ja) シングルレバー水栓
JP2009213778A (ja) シャワー装置
JP7508348B2 (ja) シングルレバー水栓
JP4486245B2 (ja) シングルレバー式混合水栓
KR101812214B1 (ko) 샤워기
JP3382187B2 (ja) 湯水混合栓
JP2952651B2 (ja) シャワーヘッド
JPH08159309A (ja) 湯温規制型湯水混合栓
JP7110133B2 (ja) シングルレバー用カートリッジ及びシングルレバー式湯水混合栓
JP4683370B2 (ja) 吐水装置
JP2022087918A (ja) シングルレバー水栓
JP2952652B2 (ja) シャワーヘッド