JP2023059739A - 冷凍冷やし麺食品およびその調理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の電子レンジ調理用冷凍冷やし麺食品と比較して、電子レンジで加熱調理した後に十分に冷却された冷やし麺食品を得ることができる冷凍冷やし麺食品の提供。【解決手段】電子レンジ加熱用の氷が配置された凍結麺、および前記氷が配置された凍結麺と分離された、電子レンジで加熱されない凍結つゆを含む、容器入りの冷凍冷やし麺食品を提供する。【選択図】なし

Description

本開示は、冷凍冷やし麺食品およびその調理方法に関する。
冷凍冷やし麺食品を電子レンジで加熱調理して得られる冷やし麺食品を、別添の凍結つゆで冷却するアプローチが検討されている(例えば、特許文献1)。
特開2010-178667号公報
しかしながら、従来のアプローチでは、冷凍冷やし麺食品を電子レンジで加熱調理して得られる冷やし麺食品を十分に冷却できないという問題がある。
本開示の一つの態様によれば、電子レンジ加熱用の氷が配置された凍結麺、および前記氷が配置された凍結麺と分離された、電子レンジで加熱されない凍結つゆを含む、容器入りの冷凍冷やし麺食品が提供される。
本開示の別の態様によれば、凍結麺および該凍結麺に配置された氷、ならびに前記凍結麺および氷と分離された凍結つゆを含む冷凍冷やし麺食品の調理方法であって、
(A)前記凍結麺および氷を電子レンジで加熱して解凍麺を得る工程、
(B)前記凍結つゆを解凍して半凍結状態のつゆを得る工程、および
(C)前記解凍麺と前記半凍結状態のつゆとを混合する工程
を含む、冷凍冷やし麺食品の調理方法が提供される。
本開示のさらに別の態様によれば、麺類およびつゆを含む冷やし麺食品の調製方法であって、
(a)前記麺類を凍結して得られる凍結麺を準備する工程、
(b)前記つゆを凍結して得られる凍結つゆを準備する工程、
(c)前記凍結麺に氷を配置する工程、
(d)前記氷を配置した凍結麺を電子レンジで加熱して解凍麺を得る工程、
(e)前記凍結つゆを解凍して半凍結状態のつゆを得る工程、および
(f)前記解凍麺と前記半凍結状態のつゆとを混合して冷やし麺食品を得る工程
を含む、冷やし麺食品の調製方法が提供される。
本開示によれば、電子レンジ調理用冷凍冷やし麺食品において、従来技術で開示された電子レンジ調理用冷凍冷やし麺食品と比較して、電子レンジで加熱調理した後に得られる冷やし麺食品を十分に冷却することができる。
図1は、本開示の冷凍麺食品の調理方法のフローチャートの一例である。 図2は、本開示の冷凍麺食品における容器の一例を示す斜視図である。 図3は、図2に示す本容器11および中容器12が重ねられた状態の冷凍麺食品10の一例を示す斜視図である。 図4は、図3に示す冷凍麺食品10の断面の一例を示す図である。
[冷凍冷やし麺食品]
一つの態様によれば、凍結麺、氷および凍結つゆを構成物として含む容器入りの冷凍冷やし麺食品(以下、「本開示の冷凍麺食品」ともいう。)が提供される。本開示の冷凍麺食品において、氷は凍結麺に配置されており、それらは電子レンジによる加熱調理に供される。また、凍結麺および氷と、凍結つゆとは別体として分離されている。凍結つゆは、電子レンジによる加熱調理に供されない。本開示の冷凍麺食品を電子レンジで加熱調理して得られる冷やし麺食品は、従来技術で開示された電子レンジ調理用冷凍冷やし麺食品を電子レンジで加熱調理して得られる冷やし麺食品と比較して十分に冷却され、その結果、より低い温度を有する。
本開示の冷凍麺食品を電子レンジで加熱調理して得られる冷やし麺食品が、従来の電子レンジ調理用冷凍冷やし麺食品を電子レンジで加熱調理して得られる冷やし麺食品と比較して十分に冷却され、より低い温度を有する理由の一つは以下の通りであると考えられる。
本開示の冷凍麺食品においては、まず、氷を配置した凍結麺が電子レンジで加熱調理されることにより凍結麺が解凍される。一方、主成分が水である氷は、十分に小さなBrix値を有し、電子レンジで加熱されてもほとんど融解しない性質を持つ。したがって、氷を配置した凍結麺が電子レンジで加熱調理された場合、凍結麺は解凍されて解凍麺となるのに対して、氷はほとんど融解せず解凍麺中に残存する。氷は融解熱(潜熱)が大きく、融解するのに大きな熱量を必要とするため、電子レンジによる加熱調理後の解凍麺を冷却する効果が大きい。
凍結つゆは、室温、例えば5~35℃の環境下に静置することで、凍結状態のつゆの少なくとも一部が溶融して半凍結状態になる。つゆは、氷よりも大きなBrix値を有しており、凝固点降下等に起因してつゆの凝固点は氷の凝固点よりも低く、つゆの潜熱(融解熱)は氷の潜熱(融解熱)よりも小さい。そのため凍結状態のつゆは、室温環境下に数分程度(例えば1~5分程度)静置しておくだけで、少なくとも一部が溶融して半凍結状態になり得る。少なくとも一部が溶融した凍結つゆが解凍麺に添加され、残存する氷と撹拌されることで、十分に低い温度を有する麺とつゆとを含む冷やし麺食品を得ることができる。
一方、従来技術においては、電子レンジで加熱して得た解凍麺を、凍結つゆだけを使って冷却している。しかしながら、前述したように、つゆの潜熱は氷の潜熱よりも小さいため、凍結つゆだけを使って解凍麺を冷却しても、冷却効果は小さい。本開示の冷凍麺食品は、潜熱の大きい氷と、一部が溶融した凍結つゆとを併用するので、従来技術よりも冷却効果が大きくなる。
氷と凍結つゆとを併用するさらなる理由は、以下の通りである。すなわち、氷を配置した凍結麺が電子レンジで加熱調理された場合、氷は解凍麺に張り付きやすいため、氷だけを使って解凍麺を冷却する場合には、解凍麺を局所的には冷却できるものの、全体を冷却しにくい。一方、氷が残存する解凍麺へ、一部が溶融して液化した凍結つゆを添加する場合、解凍麺が流動性を持ち、氷を撹拌しやすくなるため、解凍麺の全体を冷却しやすくなる。
本開示の冷凍麺食品における麺食品としては、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、一般的に知られているあらゆる麺食品が含まれる。麺食品としては、例えば、冷やし中華、ラーメン、蕎麦、うどん、きしめん、そうめん、パスタ、冷麺等が挙げられる。好ましい実施形態において、本開示の冷凍麺食品は冷凍冷やし中華である。
以下、本開示の冷凍麺食品の構成物についてそれぞれ説明する。
<凍結麺>
本開示の冷凍麺食品を構成する凍結麺は、麺類(例えば、生麺、乾麺等)を、茹でる等の一般的な方法により調理して喫食可能な状態の麺類(調理済み麺類)を得、得られた調理済み麺類を凍結することによって得ることができる。なお、喫食可能な状態の麺類を必要に応じて適切な温度(例えば、室温)で冷却して、その後に凍結して凍結麺を得てもよい。一つの実施形態において、喫食可能な状態の麺類を凍結する条件は、例えば、-35℃~-40℃、30分~1時間とすることができる。別の実施形態において、凍結麺の温度は-30℃~-25℃に設定される。
凍結麺を構成する麺類としては、穀粉を主原料として含み、任意に澱粉、水、調味料、香料等をさらに含む生地を、所望の形状に成形することによって得ることができる。
麺類の主原料である穀粉は、麺類の製造に通常使用される穀物由来の粉末であれば特に限定されず、目的とする冷凍冷やし麺食品の種類に応じて適宜選択することができる。穀粉としては、例えば、小麦粉、蕎麦粉、米粉、ライ麦粉、ライ小麦粉、片栗粉、タピオカ粉、トウモロコシ粉等が挙げられる。好ましい実施形態において、穀粉として小麦粉が使用される。これらの穀粉は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
麺類の形状は、通常麺類の形状として採用される形状であれば特に限定されず、目的とする冷凍冷やし麺食品の種類に応じて適宜選択することができる。麺類の形状としては、例えば、線状、帯状、扁平状、筒状等が挙げられる。好ましい実施形態において、麺類の形状は線状である。
麺類の種類は、目的とする冷凍冷やし麺食品の種類に応じて適宜選択することができる。麺の種類としては、例えば、中華麺、蕎麦、うどん、きしめん、そうめん、パスタ、冷麺等が挙げられる。好ましい実施形態において、麺類の種類は中華麺である。
本開示の冷凍麺食品における凍結麺の含有量は、冷凍麺食品の一食当たり、例えば、150~300g、180~250g、190~230g等とすることができる。
一つの実施形態において、本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、冷凍冷やし中華の一食当たりの凍結麺の含有量は、例えば、150~250g、170~230g、190~220g等とすることができる。
<氷>
本開示の冷凍麺食品を構成する氷は、水を凍結させることにより得ることができる。氷は、本開示の効果が奏されるのを妨げない限り、目的とする冷凍冷やし麺食品の種類に応じて、必要に応じて調味料、香料、果汁、エキス等を含んでいてもよい。
本開示の冷凍麺食品において、氷は、上述した凍結麺に配置されて、電子レンジ加熱用の被加熱物を形成する。この被加熱物を電子レンジで加熱して得られる解凍麺は、この被加熱物に含まれる氷により冷却される。氷は比較的小さいBrix値を有し、電子レンジで加熱されてもほとんど融解せずに残存し、さらに、氷は大きな潜熱を有する。そのため、本開示の冷凍麺食品においては、電子レンジによる加熱調理後に残存する氷によって解凍麺を高い効率で冷却することができる。
氷は、凍結麺に対していずれの位置に配置されていてもよい。具体的には、氷は、凍結麺の上、中、下、側方等に配置される。好ましい実施形態において、氷は凍結麺に接触して配置されている。さらに好ましい実施形態において、氷は、凍結麺に固定されている。氷を凍結麺に固定する方法は、本開示の効果が奏されるのを妨げない限り特に限定されないが、例えば、凍結麺と氷とを接触させ、接触部に液体を噴霧し、凍結麺と氷との隙間で液体を凝固させ、凝固した液体を介して氷を凍結麺に固定する。凍結麺と氷との接触部に噴霧される液体は、食品衛生上許容可能な液体であれば特に限定されず、例えば、水、調味料を溶解した水、液体調味料等が挙げられる。
本開示の冷凍麺食品における氷のBrix値は、本開示の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、10%以下、5%以下、1%以下等とすることができる。氷のBrix値が上記の範囲である場合、氷が、電子レンジが発するマイクロ波の影響を受けにくい。その結果、氷を配置した凍結麺が電子レンジにより加熱調理された場合であっても、氷がほとんど融解せず、氷により解凍麺を十分に冷やすことができる。また、氷のBrix値が上記の範囲である場合、氷は、凍結麺が電子レンジで加熱されて解凍した時点において、少なくとも一部が融け切らずに残存している。実際に、発明者は、氷のBrix値が10%の場合に本開示の効果が奏されることを確認しており、5%の場合により好ましい効果が得られ、1%の場合により一層好ましい効果が奏されることを確認している。なお、氷が調味料、香料、果汁、エキス等を含む場合、それらの含有量は上述したBrix値を満たす範囲であることが好ましい。
本開示の冷凍麺食品における氷の含有量は、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、本開示の冷凍麺食品の種類、凍結麺の量、凍結つゆの量、電子レンジによる加熱条件等に応じて適宜設定することができる。一つの実施形態において、冷凍麺食品における氷の含有量の下限値は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、2質量%、5質量%、10質量%等と設定することができる。冷凍麺食品における氷の含有量の下限値を上記の通りとすることにより、氷を配置した凍結麺で構成される被加熱物を電子レンジで加熱した後に被加熱物中に十分な量の氷が残存し、氷により解凍麺を十分に冷やすことができる。
冷凍麺食品における氷の含有量の上限値は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、80質量%、70質量%、60質量%等と設定することができる。氷による凍結麺の冷却効果は氷の含有量に応じて増大するものの、一定の氷の含有量においてほぼ頭打ちなる。さらに、氷の含有量が過度に大きい場合には、氷を配置した凍結麺を電子レンジで加熱した後に、得られる解凍麺と氷との撹拌が妨げられ、解凍麺の冷却効率が低下し得る。したがって、冷凍麺食品における氷の含有量の上限値を上記の通りとすることにより、解凍麺と氷とが容易に撹拌され、結果として、解凍麺が氷により高い効率で冷却され得る。
冷凍麺食品における氷の含有量の範囲は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、2~80質量%、5~70質量%、10~60質量%等と設定することができる。冷凍麺食品における氷の含有量の範囲を上記の通りとすることにより、氷を配置した凍結麺で構成される被加熱物を電子レンジで加熱した後に被加熱物中に解凍麺を冷却するのに十分な量の氷が残存し、結果として、解凍麺が氷により高い効率で冷却され得る。
一つの実施形態において、本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、冷凍冷やし中華における氷の含有量の下限値は、上述した凍結麺の質量に対して、好ましくは2.5質量%、より好ましくは10質量%、より一層好ましくは15質量%である。一方、冷凍冷やし中華における氷の含有量の上限値は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば75質量%、60質量%、50質量%等とすることができる。また、冷凍冷やし中華における氷の含有量の範囲は、上述した凍結麺の質量に対して、好ましくは2.5~75質量%、より好ましくは10~75質量%、より一層好ましくは15~75質量%である。
氷の形状、大きさおよび数は、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、上述した冷凍麺食品における氷の含有量を満たす範囲で適宜選択することができる。好ましい実施形態において、氷の大きさは、氷を配置した凍結麺が電子レンジで加熱調理された場合に、氷が完全に融解せずに残存し、解凍麺の冷却に資する大きさである。したがって、具体的には、氷の大きさの下限値は、1cm、3cm、8cm等とすることができる。一方で、氷を配置した凍結麺を電子レンジで加熱した後の解凍麺と氷との撹拌の容易性の観点から、氷の大きさの上限値は、30cm、20cm、10cm等とすることができる。また、氷の大きさの範囲は、例えば、1~30cm、3~20cm、8~10cm等とすることができる。氷の大きさは均一であってもよく、均一でなくてもよい。
氷を配置した凍結麺で構成される被加熱物に含まれる氷の数は1個であっても複数個であってもよいが、好ましくは複数個の氷が被加熱物に含まれる。複数個の氷が被加熱物に含まれる場合、被加熱物を電子レンジで加熱した場合に、氷により解凍麺の全体を効率的に冷却する観点から、複数個の氷は被加熱物中に分散して含まれる。
凍結麺と氷との被加熱物を電子レンジで加熱する条件は、凍結麺が十分に解凍されて解凍麺が得られる限り特に限定されず、凍結麺の量、氷の量、凍結つゆの量によって適宜設定することができる。例えば、凍結麺の量が200gである場合、電子レンジ加熱における仕事量(J(ジュール))(=ワット数×加熱時間(秒))の範囲は、例えば、60,000~120,000J等とすることができる。また、電子レンジ加熱におけるマイクロ波の出力(ワット数)は、例えば、300~800W等とすることができる。また、加熱時間は、例えば、1~5分等とすることができる。凍結麺を高い出力で短い時間加熱する場合、凍結麺の内部まで十分に加熱されない、均一に加熱されない等の問題が生じ得ることから、低い出力で長い時間にわたり凍結麺を加熱することが好ましい。
本開示の冷凍麺食品において、凍結麺と氷との被加熱物は包装されていてもよく、包装されていなくてもよい。好ましい実施形態において、被加熱物は包装されていない。被加熱物が包装されている場合、包装体としては柔軟な袋体を使用することが好ましい。
<凍結つゆ>
本開示の冷凍麺食品は、上述した凍結麺および氷と分離されている凍結つゆを含む。凍結つゆは、一般的な麺食品で使用されるつゆを凍結することにより得ることができる。なお、本開示の冷凍麺食品における「つゆ」には、たれ、スープ、汁、濃縮スープ等と呼ばれるものも包含される。
凍結つゆを構成するつゆは、いわゆるストレートタイプのつゆであってもよく、濃縮タイプのつゆであってもよい。本開示の冷凍麺食品においては、凍結麺と氷との被加熱物を電子レンジで加熱し、得られる解凍麺を氷で冷却することから、冷凍麺食品を調理して冷やし麺食品を得る過程で水が生成する。その結果、冷凍麺食品を調理する過程で生成する水によりつゆが希釈される。したがって、凍結つゆを構成するつゆの組成は、目的とする冷凍冷やし麺食品の種類、凍結麺と氷との被加熱物に含まれる氷の量に応じて適宜設定することができる。
つゆを構成する材料としては、一般的な麺食品で使用されるつゆにおいて使用される材料であれば特に限定されず、例えば、水、砂糖、塩、酢、醤油、味噌、酒、糖類、胡椒、唐辛子、みりん、ゴマ油、ウスターソース、ケチャップ、マスタード、香辛料、ハーブ、カレー粉、ラー油、マヨネーズ、出汁、果汁、果実の皮、アミノ酸、タンパク質加水分解物、酵母エキス、着色料、香料、香辛料抽出物、増粘多糖類、加工でん粉、乳化剤等が挙げられる。これらの材料は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、つゆは、砂糖、塩、酢、醤油、アミノ酸、水を含む。
つゆは、上述した材料を使用して、麺食品で使用されるつゆを製造するための一般的な方法に従って製造することができる。
本開示の冷凍麺食品における凍結つゆの含有量は、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、本開示の冷凍麺食品の種類、凍結麺の量、氷の量等に応じて適宜設定することができる。一つの実施形態において、冷凍麺食品における凍結つゆの含有量の下限値は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、2.5質量%、5質量%、10質量%等と設定することができる。上述した通り、凍結つゆは、電子レンジ調理加熱後の解凍麺に流動性を付与して撹拌性を向上させる役割をも担う。したがって、解凍麺の十分な流動性および撹拌性の観点から、冷凍食品における凍結つゆの含有量の下限値は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、10質量%等と設定することができる。一方、冷凍麺食品における凍結つゆの含有量の上限値は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、80質量%、70質量%、60質量%等と設定することができる。また、冷凍麺食品における凍結つゆの含有量の範囲は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、2.5~80質量%、5~80質量%、10~70質量%等と設定することができる。
一つの実施形態において、本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、冷凍冷やし中華における凍結つゆの含有量の下限値は、上述した凍結麺の質量に対して、好ましくは7.6質量%である。一方、冷凍冷やし中華におけるつゆの含有量の上限値は、上述した凍結麺の質量に対して、好ましくは50質量%、より好ましくは45質量%、より一層好ましくは40質量%である。また、冷凍冷やし中華におけるつゆの含有量の範囲は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、7.6~50質量%、7.6~45質量%、7.6~40質量%等と設定することができる。
本開示の冷凍麺食品において、上述した氷および凍結つゆの含有量の合計は、本発明の効果が奏される限り特に限定されず、本開示の冷凍麺食品の種類、凍結麺の量等に応じて適宜設定することができる。氷および凍結つゆの含有量の合計の下限値は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、25質量%等と設定することができる。また、氷および凍結つゆの含有量の合計の上限値は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、125質量%等と設定することができる。
一つの実施形態において、本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、氷および凍結つゆの含有量の合計の下限値は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、25質量%、25.3質量%、30質量%等と設定することができる。一方、氷および凍結つゆの含有量の合計の上限値は、上述した凍結麺の質量に対して、例えば、111.1質量%、85質量%、40質量%等と設定することができる。
好ましい実施形態において、本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、上述した氷および凍結つゆの含有量の合計が、上述した凍結麺の質量に対して25.3質量%以上であり、氷の含有量が凍結麺の質量に対して2.5質量%以上であり、かつ凍結つゆの含有量が凍結麺の質量に対して27.6質量%以上である。
別の好ましい実施形態において、本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、上述した氷の含有量が、上述した記凍結麺の質量に対して5.1質量%以上であり、かつ上述した凍結つゆの含有量が凍結麺の質量に対して25.3質量%以上である。
さらに別の好ましい実施形態において、本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、上述した氷および凍結つゆの含有量の合計が、上述した凍結麺の質量に対して53質量%以上であり、氷の含有量が凍結麺の質量に対して15.2質量%以上であり、かつ凍結つゆの含有量が凍結麺の質量に対して32.8質量%以上である。
本開示の冷凍麺食品において、上述した氷と凍結つゆとの質量比は、本発明の効果が奏される限り特に限定されず、本開示の冷凍麺食品の種類、凍結麺の量等に応じて適宜設定することができる。氷と凍結つゆとの質量比において、氷1に対する凍結つゆの下限値は、例えば、0.05、0.1、0.2等と設定することができる。また、氷と凍結つゆとの質量比において、氷1に対する凍結つゆの上限値は、例えば、10、5、3等と設定することができる。
一つの実施形態において、本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、氷と凍結つゆとの質量比において、氷1に対する凍結つゆの下限値は、例えば、0.3、0.4、0.5等と設定することができる。一方、氷と凍結つゆとの質量比において、氷1に対する凍結つゆの上限値は、例えば、10、4、3等と設定することができる。
つゆを凍結する条件は、つゆの組成、物性値(Brix値、pH、塩分濃度、比重等)、特に後述するつゆのBrix値に応じて適宜設定することができる。一つの実施形態において、つゆのBrix値が25~50%である場合、つゆを凍結する条件は、-35℃~-40℃、30分~1時間とすることができる。別の実施形態において、つゆの温度は-16~-10℃に設定される。
凍結つゆを構成するつゆのBrix値は、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、本開示の冷凍麺食品の種類、凍結麺の量、凍結つゆの量、氷の量、氷を含む凍結麺の電子レンジ加熱調理の時間等に応じて適宜設定することができる。一つの実施形態において、つゆのBrix値の下限は、例えば、10%、15%、20%等と設定することができる。一方、つゆのBrix値の上限は、例えば、80%、70%、60%等と設定する。また、凍結つゆを構成するつゆのBrix値の範囲は、例えば、10~80%、15~70%、20~60%等と設定することができる。つゆのBrix値を上記の範囲とすることにより、氷を配置した冷凍麺の電子レンジ加熱が完了するタイミングで、室温の環境下に静置した凍結つゆの少なくとも一部が溶融した状態(半凍結状態)となる。この一部が溶融した状態の凍結つゆが解凍麺に添加され、残存する氷と撹拌されることで、加熱調理後の解凍麺が冷やされ、十分に低い温度を有する麺とつゆとを含む冷やし麺食品を得ることができる。したがって、好ましい実施形態において、凍結つゆを構成するBrix値は、氷を含む凍結麺の電子レンジによる加熱調理の時間に応じて設定される。
本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華であり、氷を含む凍結麺の電子レンジによる加熱調理の時間が、例えば1~5分である場合、つゆのBrix値の下限は、好ましくは25%であり、より好ましくは27%、より一層好ましくは29%である。一方、つゆのBrix値の上限は、好ましくは50%であり、より好ましくは49%、より一層好ましくは48%である。また、つゆのBrix値の範囲は、好ましくは25~50%であり、より好ましくは27~49%、より一層好ましくは29~48%である。また、この場合において、氷のBrix値は、好ましくは5%以下である。
凍結つゆを構成するつゆのBrix値は、20℃の常温、常圧下においてBrix計(株式会社アタゴ製)を用いて測定される。より具体的には、つゆ(水溶液)の光の屈折率に基づいて測定される。
凍結つゆを構成するつゆのpHは、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、本開示の冷凍麺食品の種類、凍結つゆの量、氷の量に応じて適宜設定することができる。一つの実施形態において、つゆのpHの下限値は、例えば、2、4、6等と設定することができる。一方、つゆのpHの上限値は、例えば、9、8、7等と設定することができる。また、つゆのpHの範囲は、例えば、2~9、4~8、6~7等と設定することができる。
本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、つゆのpHの下限値は、好ましくは3、より好ましくは3.2、より一層好ましくは3.4である。一方、つゆのpHの上限値は、本開示の効果が奏される限り特に限定されないが、好ましくは5、より好ましくは4.5、より一層好ましくは4.2である。また、つゆのpHの範囲は、好ましくは3~5、より好ましくは3.2~4.5、より一層好ましくは3.4~4.2である。
凍結つゆを構成するつゆのpHは、20℃の常温、常圧下においてpHメーター(株式会社堀場製作所製)を用いて測定される。
凍結つゆを構成するつゆの塩分濃度は、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、本開示の冷凍麺食品の種類、凍結麺の量、凍結つゆの量、氷の量に応じて適宜設定することができる。一つの実施形態において、つゆの塩分濃度の下限値は、つゆの質量に対して、例えば、1質量%、2質量%、3質量%等と設定することができる。一方、つゆの塩分濃度の上限値は、つゆの質量に対して、例えば、20質量%、15質量%、10質量%等と設定することができる。また、つゆの塩分濃度の範囲は、例えば、1~20質量%、2~15質量%、3~10質量%等と設定することができる
本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、つゆの塩分濃度の下限値は、好ましくは2質量%、より好ましくは2.5質量%、より一層好ましくは3質量%である。一方、つゆの塩分濃度の上限値は、好ましくは7質量%、より好ましくは5質量%、より一層好ましくは5.5質量%である。つゆの塩分濃度は、20℃の常温、常圧下において、電位差滴定法により測定される。
凍結つゆを構成するつゆの比重は、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、本開示の冷凍麺食品の種類、凍結麺の量、凍結つゆの量、氷の量に応じて適宜設定することができる。一つの実施形態において、つゆの比重の下限値は、例えば、1.02、1.05、1.07等と設定することができる。一方、つゆの比重の上限値は、例えば、2、1.7、1.5等と設定することができる。また、つゆの比重の範囲は、例えば、1.02~2、1.05~1.7、1.07~1.5等と設定することができる。
本開示の冷凍麺食品が冷凍冷やし中華である場合、つゆの比重の下限値は、好ましくは1.05、より好ましくは1.07、より一層好ましくは1.1である。一方、つゆの比重の上限値は、好ましくは1.5、より好ましくは1.3、より一層好ましくは1.25である。
凍結つゆを構成するつゆの比重は、20℃の常温、常圧下において電子比重計(アズワン株式会社製)やマス計量法等により測定される。
本開示の冷凍麺食品において、凍結つゆは電子レンジによる加熱調理用ではない。好ましい実施形態において、凍結つゆは非加熱調理用であり、特に好ましくは室温における自然解凍用である。特に好ましい実施形態において、凍結つゆは、上述した氷が配置された凍結麺を電子レンジで加熱する間、室温に静置した場合に、凍結状態のつゆが部分的に解凍されて半凍結状態(シャーベット状)となる。このような凍結つゆの解凍の速さは、例えば、凍結つゆの組成、物性値、特にBrix値を調節することにより、適宜調節することができる。好ましい実施形態において、凍結つゆを構成するつゆは、上述した物性値(Brix値、pH、塩分濃度および比重)の範囲をそれぞれ満たす。凍結つゆを構成するつゆが上述した各物性値の範囲を満たすことによって、凍結つゆが、上述した凍結麺と氷との被加熱物を電子レンジで加熱する間、室温に静置した場合に部分的に解凍されて半凍結状態となり得る。
本開示の冷凍麺食品において、凍結つゆは包装されていてもよく、包装されていなくてもよい。好ましい実施形態において、凍結つゆは包装されている。凍結つゆが包装されている場合、包装体としては柔軟な袋体を使用することが好ましい。
<その他の構成物>
本開示の冷凍麺食品は、上述した各構成物以外の構成物(すなわち、その他の構成物)を含んでいてもよい。その他の構成物の種類、量は、目的とする冷凍冷やし麺食品の種類によって適宜選択することができる。一つの実施形態において、その他の構成物は凍結されている。その他の構成物を凍結する条件は、例えば、-35℃~-40℃、30分~1時間とすることができる。別の実施形態において、その他の構成物の温度は-30℃~-25℃に設定される。
その他の構成物の種類としては、例えば、具材(トッピング)、調味料、香料、果汁、だし等が挙げられる。
調味料、香料、果汁、だし等としては、上述した氷および凍結つゆについて説明したのと同じものを使用することができる。
具材としては、一般的な麺食品で使用される具材を使用することができる。具体的には、具材としては、畜肉類、魚介類、野菜類、卵類、きのこ類、豆類、種実類、それらの加工物等が挙げられる。これらの具材は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
その他の構成物は加熱調理用であってもよく、非加熱調理用であってもよい。好ましい実施形態において、その他の構成物は加熱調理用であり、特に好ましい実施形態において、その他の構成物は電子レンジによる加熱調理用である。その他の構成物が電子レンジによる加熱調理用である場合、その他の構成物は、上述した凍結麺と氷との被加熱物と共に電子レンジで加熱調理されることが好ましい。また、その他の構成物は凍結されていてもよく、凍結されていなくてもよい。好ましい実施形態において、その他の構成物は凍結されている。
本開示の冷凍麺食品において、その他の構成物は包装されていてもよく、包装されていなくてもよい。好ましい実施形態において、その他の構成物は包装されていない。その他の構成物が包装されている場合、包装体としては柔軟な袋体を使用することが好ましい。
<容器>
本開示の冷凍麺食品は、上述した各構成物を収容する、電子レンジで加熱可能な材料で作られた容器を含む。容器の構成は、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、本開示の冷凍麺食品の種類、凍結麺の量、氷の量、凍結つゆの量、その他の構成物の種類および量によって適宜設定することができる。容器には、上述した各構成物が収容される。構成物が包装されている場合、構成物を含む包装体が容器に収容される。
本開示の冷凍麺食品において、容器は、1つの容器のみからなっていてもよく、2つ以上の容器からなっていてもよい。また、各容器は仕切られて2つ以上のスペースを有していてもよい。
上述した各構成物は、同じ容器に収容されていてもよく、異なる容器に収容されていてもよい。具体的には、上述した氷を配置した凍結麺および凍結つゆは同じ容器に収容されていてもよく、異なる容器に収容されていてもよい。好ましい実施形態において、氷を配置した凍結麺および凍結つゆは同じ容器に収容されている。この場合、氷を配置した凍結麺および凍結つゆは、別体として分離されている。好ましい実施形態において、氷を配置した凍結麺および凍結つゆの少なくとも一方が包装されることにより、氷を配置した凍結麺および凍結つゆが分離されている。特に好ましい実施形態において凍結つゆが包装されることにより、氷を配置した凍結麺および凍結つゆが分離されている。氷を配置した凍結麺で構成される被加熱物および凍結つゆが分離されていることにより、被加熱物と凍結つゆとを容易に分離することができ、その結果、容易に被加熱物と凍結つゆとを異なる条件で解凍することができる。
本開示の冷凍麺食品が上述したその他の構成物を含む場合、その他の構成物は、氷を配置した凍結麺および/または凍結つゆと同じ容器に収容されていてもよく、異なる容器に収容されていてもよい。好ましい実施形態において、容器は2つ以上の容器からなり、1つの容器に氷を配置した凍結麺および凍結つゆが収容され、別の容器にその他の構成物が収容される。特に好ましい実施形態において、氷を配置した凍結麺および凍結つゆが収容された容器(本容器)に、その他の構成物が収容されたその他の容器が(中容器)が収容されて、本容器と中容器とが一体化する。
本開示の冷凍麺食品が2種以上のその他の構成物を含む場合、2種以上のその他の構成物は同じ容器に収容されていてもよく、異なる容器に収容されていてもよい。好ましい実施形態において、2種以上のその他の構成物は同じ容器に収容されている。特に好ましくは、2種以上のその他の構成物は同じ容器の仕切られた異なるスペースにそれぞれ収容される。
容器の素材は、食品を収容する容器として一般的に使用される容器であれば特に限定されないが、電子レンジによる加熱調理用の構成物を収容する容器は電子レンジによる加熱調理に耐え得る素材により構成されていることが好ましい。したがって、好ましい実施形態において、氷が配置された凍結麺を収容する容器は、電子レンジによる加熱調理に耐え得る素材により構成されている。また、本開示の冷凍麺食品が電子レンジによる加熱調理用のその他の構成物を含む場合、その他の構成物を収容する容器は、電子レンジによる加熱調理に耐え得る素材により構成されている。これらの電子レンジによる加熱調理用の構成物が、電子レンジによる加熱調理に耐え得る素材により構成された容器に収容されていることにより、これらの構成物を他の容器に移すことなく電子レンジで加熱調理することができる。
以下、図面を参照して本開示の冷凍麺食品における容器および本開示の冷凍麺食品をより具体的に説明する。
図2は、本開示の冷凍麺食品における容器の一例を示す斜視図である。図2に示す容器は、本容器11および中容器12を有する。図3は、図2に示す本容器11および中容器12が重ねられた状態の冷凍麺食品10の一例を示す斜視図である。図4は、図3に示す冷凍麺食品10の断面の一例を示す図である。
本容器11はスペースS1を有し、スペースS1には、氷Jを配置した凍結麺F1および凍結つゆ13が収容される。凍結つゆ13は包装されており、氷Jを配置した凍結麺F1と分離されている。
中容器12はスペースS2を有し、スペースS2には、その他の構成物F2が収容される。その他の構成物F2は、たとえば、麺へトッピングする具材である。本開示の冷凍麺食品が2種以上のその他の構成物を含む場合、その他の構成物はそれぞれ異なる中容器12に収容されてもよく、図3に示すように、同じ中容器12の仕切られた異なるスペースS2にそれぞれ収容されてもよい。
本容器11と中容器12とは着脱自在に重ねることができ、好ましい実施形態において、図3および4に示すように、中容器12は、本容器11の一部のみを覆う形で本容器11に重ねられる。すなわち、中容器12が本容器11の内部(すなわちスペースS1)の一部を覆い、他の部分を露出するように、中容器12が本容器11に重ねられる。
氷Jを配置した凍結麺F1は電子レンジによる加熱調理用であることから、本容器11は電子レンジによる加熱調理に耐え得る素材であることが好ましい。また、その他の構成物F2が電子レンジによる加熱調理用である場合、その他の構成物F2を収容する中容器12は電子レンジによる加熱調理に耐え得る素材であることが好ましい。
冷凍麺食品10を電子レンジにより加熱調理して冷やし麺食品を得る手順の一例を以下に説明する。まず、冷凍麺食品10から凍結つゆ13を取り出し、常温に静置して解凍する。一方で、本容器11と中容器12とを分離することなく電子レンジに入れ、本容器11および中容器12にそれぞれ収容されている氷Jを配置した凍結麺F1およびその他の構成物F2を電子レンジにより加熱調理する。電子レンジによる加熱調理後、本容器11と中容器12とを分離する。電子レンジによる加熱調理により得られる本容器11中の解凍麺と残存する氷へ、常温で解凍されて半凍結状態になった凍結つゆを添加し、解凍麺と混合して、解凍麺を冷却する。電子レンジによる加熱調理により解凍された中容器12中のその他の構成物を、本容器11中の解凍麺に添加(トッピング)する。
本開示の冷凍麺食品がその他の構成物(トッピング)を含む冷凍冷やし中華である場合について、図3および4を参照して具体的に説明する。好ましい実施形態において、冷凍冷やし中華の各構成物を収容する容器は、本容器11および中容器12を含む。そして、中容器12が本容器11の一部のみを覆う形で本容器11に重ねられ、露出したスペースS1に氷Jを配置した凍結麺F1が収容される。この場合、氷Jを配置した凍結麺F1の上に、包装された凍結つゆ13が載置されることが好ましい。一方、その他の構成物F2は、中容器12に収容される。本開示の冷凍麺食品が2種以上のその他の構成物F2を含む場合、2種以上のその他の構成物は中容器12の仕切られた異なるスペースS2にそれぞれ収容される。
[冷凍冷やし麺食品の製造方法]
一つの態様によれば、本開示の冷凍麺食品の製造方法(以下、「本開示の製造方法」ともいう。)が提供される。本開示の製造方法は、調理済み麺類、氷および凍結つゆを準備する工程(準備工程)、準備された調理済み麺類を容器に収容する工程(収容工程)、ならびに調理済み麺類を凍結して凍結麺類を得る工程(凍結工程)、凍結麺類へ氷を配置する工程(配置工程)を含む。なお、本開示の冷凍麺食品がその他の構成物を含む場合、その他の構成物は、調理済み麺類と同様に容器に収容され、凍結されることが好ましい。本開示の製造方法によれば、従来の電子レンジ調理用冷凍冷やし麺食品と比較して、電子レンジで加熱調理した後に十分に冷却された冷やし麺食品を得ることができる冷凍冷やし麺食品が提供される。
準備工程では、調理済み麺類、氷および凍結つゆが準備される。また、本開示の冷凍麺食品がその他の構成物を含む場合、その他の構成物も準備される。調理済み麺類、氷、凍結つゆおよびその他の構成物はそれぞれ、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。
収容工程では、準備工程で準備された調理済み麺類が容器に収容される。また、本開示の冷凍麺食品がその他の構成物を含む場合、その他の構成物も容器に収容される。使用される容器、調理済み麺類およびその他の構成物を容器に収容する方法等はそれぞれ、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。
凍結工程では、調理済み麺類が凍結されて凍結麺類が得られる。本開示の冷凍麺食品がその他の構成物を含む場合、その他の構成物も凍結される。調理済み麺類およびその他の構成物を凍結する条件は、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。
配置工程では、凍結麺類に氷を配置する。好ましい実施形態において、氷は凍結麺類に固定されている。凍結麺類と氷とを配置する方法、および凍結麺類に氷を固定する方法も、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。
凍結工程は、収容工程の前に行われてもよく、収容工程の後に行われてもよい。すなわち、調理済み麺類およびその他の構成物は、それぞれ凍結後に容器に収容されてもよく、容器に収容された後に凍結されてもよい。好ましい実施形態において、凍結工程は収容工程の後に行われる。すなわち、調理済み麺類およびその他の構成物を容器に収容し、調理済み麺類およびその他の構成物が収容された容器を凍結条件下に置くことにより、調理済み麺類およびその他の構成物を凍結する。調理済み麺類およびその他の構成物が同じ容器に収容されている場合、または一体化している異なる容器に収容されている場合、凍結工程を収容工程の後に行うことにより、調理済み麺類およびその他の構成物を同時に凍結することができる。
上記の各工程を経て得られた冷凍冷やし麺食品は、袋体、蓋等により密封してもよい。
[冷凍冷やし麺食品の調理方法]
一つの態様によれば、凍結麺および該凍結麺に配置された氷、ならびに氷が配置された凍結麺と分離された凍結つゆを含む冷凍冷やし麺食品の調理方法(以下、「本開示の調理方法」ともいう。)が提供される。
本開示の調理方法は、図1を参照して、氷が配置された凍結麺を電子レンジで加熱して解凍麺を得る工程(工程(A))、凍結つゆを解凍して半凍結状態のつゆを得る工程(工程(B))、および解凍麺と半凍結状態のつゆとを混合する工程(工程(C))を含む。本開示の製造方法によれば、電子レンジによる加熱調理により、冷凍冷やし麺食品から、十分に冷却された冷やし麺食品を得ることができる。以下、工程(A)~(C)のそれぞれについて説明する。
<工程(A)>
工程(A)では、氷が配置された凍結麺を電子レンジで加熱して解凍麺が得られる。凍結麺および氷等はそれぞれ、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。また、電子レンジによる加熱の条件も、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。氷が配置された凍結麺が電子レンジで加熱調理される場合、凍結麺は解凍されて解凍麺となるのに対して、氷はほとんど融解せず解凍麺中に残存し、その結果、残存する氷によって解凍麺が冷却される。このとき、解凍麺が冷却される箇所は、氷が残存している部分が中心であり、つまり冷却は局所的に行われる。
<工程(B)>
工程(B)では、凍結つゆを解凍して半凍結状態のつゆが得られる。凍結つゆ、凍結つゆの解凍方法等はそれぞれ、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。好ましい実施形態において、工程(B)は、上述した工程(A)と並行して行われる。工程(A)および(B)を並行して行うことによって、冷凍冷やし麺食品を効率的に調理して、より短時間で冷やし麺食品を得ることができる。
<工程(C)>
工程(C)では、工程(A)で得られた解凍麺と工程(B)で得られた半凍結状態のつゆとが混合される。工程(A)で得られる解凍麺および残存した氷へ、本工程(C)において半凍結状態のつゆを添加・混合することにより解凍麺が冷却され、一方で半凍結状態のつゆが解凍されて液状となる。その結果、十分に低い温度を有する麺とつゆとを含む冷やし麺食品を得ることができる。
上記の工程(A)~(C)は、図1に示す本開示の調理方法のフローチャートの一例における工程(A)~(C)にそれぞれ対応している。
[冷やし麺食品の調製方法]
一つの態様によれば、麺類およびつゆを含む冷やし麺食品の調製方法(以下、「本開示の調製方法」ともいう。)が提供される。
本開示の調製方法は、麺類を凍結して得られる凍結麺を準備する工程(工程(a))、つゆを凍結して得られる凍結つゆを準備する工程(工程(b))、氷を凍結麺に配置する工程(工程(c))、工程(c)で得た氷が配置された凍結麺を電子レンジで加熱して解凍麺を得る工程(工程(d))、工程(b)で準備された凍結つゆを解凍して半凍結状態のつゆを得る工程(工程(e))、および工程(d)で得られた解凍麺と工程(e)で得られた半凍結状態のつゆとを混合して冷やし麺食品を得る工程(工程(f))を含む。本開示の調製方法によれば、電子レンジによる加熱調理により、十分に冷却された冷やし麺食品を得ることができる。以下、工程(a)~(f)のそれぞれについて説明する。
<工程(a)>
工程(a)では、麺類を凍結し得られる凍結麺が準備される。凍結麺は、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。凍結麺は上述した本開示の冷凍麺食品について説明した方法に従って調製してもよく、市販品を入手してもよい。
<工程(b)>
工程(b)では、つゆを凍結して得られる凍結つゆが準備される。つゆは、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。また、つゆから凍結つゆを得る方法も、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。凍結つゆは上述した本開示の冷凍麺食品について説明した方法に従って調製してもよく、市販品を入手してもよい。
<工程(c)>
工程(c)では、工程(a)で準備される凍結麺に、氷が配置される。氷は、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。また、氷を配置した凍結麺を調製する方法についても、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。氷は、上述した本開示の冷凍麺食品について説明した方法に従って調製してもよく、市販品を入手してもよい。
<工程(d)>
工程(d)では、工程(c)で準備される氷を配置した凍結麺を電子レンジで加熱して解凍麺が得られる。電子レンジによる加熱の条件は、上述した本開示の冷凍麺食品について説明したのと同じとすることができる。氷を配置した凍結麺が電子レンジで加熱調理される場合、凍結麺は解凍されて解凍麺となるのに対して、氷はほとんど融解せず解凍麺中に残存し、その結果、残存する氷によって解凍麺が冷却される。一つの実施形態において、工程(d)は、後述する工程(e)と並行して行われる。例えば、氷を配置した凍結麺を電子レンジで加熱して解凍麺を得、それと並行して凍結つゆを常温に静置して解凍して半凍結状態のつゆを得る。
<工程(e)>
工程(e)では、工程(b)で準備される凍結つゆを解凍して半凍結状態のつゆが得られる。好ましい実施形態において、凍結つゆを常温に静置して半凍結状態のつゆを得る。
<工程(f)>
工程(f)では、工程(d)において電子レンジで加熱することにより得られる解凍麺と、工程(e)において得られる半凍結状態のつゆとを混合して冷やし麺食品が得られる。解凍麺と半凍結状態のつゆとを混合することにより、解凍麺の流動性が増し、解凍麺を冷却しやすくなる。好ましい実施形態において、解凍麺と半凍結状態のつゆとは、解凍麺の全体に半凍結状態のつゆが接触するように混合される。解凍麺の全体に半凍結状態のつゆが接触することにより、解凍麺をより短時間で均一に冷却することができる。
以下、実施例に基づいて本開示について具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特段の記載のない限り、本開示における各パラメータの測定方法および単位は、JIS(日本工業規格)に従うものとする。
製造例:冷凍冷やし麺食品の作製
以下の手順に従って、冷凍冷やし麺食品(冷凍冷やし中華)を作製した。
まず、中華麺、Brix値がほぼ0%と見なせる氷、包装された凍結つゆ、冷やし中華具材をそれぞれ準備した。中華麺は予め茹でられ、その後に室温で冷却された。冷やし中華具材としては、茹でオクラ、加工肉、錦糸卵および生姜を準備した。また、凍結つゆの組成は以下の表1の通りであった。なお、この凍結つゆは、20℃の常温、常圧下において、塩分3.21%、Brix値38.4%、pH3.45、比重1.155であった。
Figure 2023059739000001
各構成物を収容するための容器として、図2に示す本容器11および中容器12を含む容器を準備した。
中容器12が本容器11の内部(すなわちスペースS1)の一部を覆い、他の部分を露出するように、中容器12を本容器11に重ねて一体化した。スペースS1に調理済み中華麺を収容した。また、中容器12の4つのスペースS2に、冷やし中華具材(茹でオクラ、加工肉、錦糸卵および生姜)をそれぞれ収容した。
調理済み中華麺および冷やし中華具材を収容した容器を-35℃で約1時間静置して、調理済み中華麺および冷やし中華具材を凍結させた。次いで、凍結した中華麺の上に氷を載置して、液体(水3g)を凍結した中華麺と氷との接触部に噴霧して、氷を凍結した中華麺の上に固定した。次いで、氷が固定された中華麺の上に凍結つゆを載置した。
次いで、すべての構成物が収容された容器を袋体に収容して、試験区1~22の各冷凍冷やし中華を得た。各試験区の冷凍冷やし中華に収容された調理済み中華麺、氷および凍結つゆの量を表2に示す。なお、冷やし中華具材の量は、各試験区の冷凍冷やし中華において同量とした。また、各表中、「-」は、質量比が算出できなかったことを示す。
Figure 2023059739000002
各試験区の冷凍冷やし中華を冷凍庫にて-18℃で1日以上保管した後、冷凍庫より取り出した。次いで、各試験区の冷凍冷やし中華を、電子レンジ(RE-S209、シャープ株式会社製)を用いて600Wで2分10秒間加熱調理した。なお、電子レンジによる加熱調理前に、凍結つゆを各試験区の冷凍冷やし中華から取り出し、室温20℃で静置して自然解凍させた。自然解凍させた凍結つゆを、電子レンジによる加熱調理完了後の冷凍冷やし中華にかけて、箸で約1分間撹拌した。なお、各試験区の凍結つゆは、凍結麺を電子レンジで加熱している間に溶融して半凍結状態となり、レンジ加熱後の冷やし中華にかけるときの温度は-11℃~-15℃であった。撹拌後、麺中心部の異なる5点の温度を測定した。なお、箸による撹拌後に氷が残存する場合には、氷が残存する箇所を避けて温度を測定した。5点の温度の平均値を、各試験区の冷凍冷やし中華の電子レンジ加熱調理後の温度(麺食品温度)とした。結果を表2に示す。
試験区11と試験区4~10とを比較する。なお、質量%に関する各数値は、小数点第二位を四捨五入して表現していることがある。試験区4~10は、いずれも氷と凍結つゆの合計量が凍結麺の質量に対して25.3質量%(50g)であり、氷の含有量が2.5質量%以上、凍結つゆの含有量が7.6質量%以上であった。そして、氷を含まず凍結つゆを50g含む試験区11では、麺食品温度が26.9℃であった。一方、氷と凍結つゆとを含み、それらの合計量が50gである試験区4~10では、麺食品温度がいずれも26℃以下(22.1~25.8℃)であり、試験区11よりも低かった。なお、いずれの麺食品においても、冷やし中華として適量のつゆが存在した。
氷と凍結つゆの合計量を凍結麺の質量に対して25.3質量%とした理由は、詳細は後述するが、氷および凍結つゆを加熱調理した冷やし中華麺とかき混ぜた後において、適量のつゆが存在する麺食品を得るためである。凍結つゆの最小の含有量を凍結麺の質量に対して7.6質量%(=15g)とした理由は、試行錯誤した結果、凍結つゆがこの量以上だと、氷と撹拌しやすいためである。氷の最小の含有量を凍結麺の質量に対して2.5質量%(=5.0g)とした理由は、本実施例では5点を計測したが、5点すべてが26℃近傍で安定して冷却できた質量だからである。氷の含有量を2.5質量%未満で試験したところ、5点の計測点の温度はバラツキが大きく、安定的に冷却できなかった。
また、試験区12では、氷と凍結つゆとの合計量が20.2質量%(40g)と、試験区4~11よりも少ないことから、麺食品中に冷やし中華として適量のつゆが存在しなかった。しかしながら、麺食品温度が24.4℃と試験区11よりも低く、氷と凍結つゆとを組み合わせることにより解凍麺を効率的に冷却できることが示された。
また、試験区13では、氷と凍結つゆとの合計量が30.3質量%(60g)と、試験区4~12よりも多く、麺食品温度が20.88℃と試験区4~12よりも低かった。なお、試験区4~11および試験区13の麺食品においては、冷やし中華として適量のつゆが存在した。試験区4~13を考慮すると、適量のつゆが存在する麺食品を得るためには、氷と凍結つゆの合計量は、凍結麺の質量に対して25.3質量%以上が好ましい。
これらの結果から、氷と凍結つゆとを組み合わせて用いる場合には、氷のみを用いる場合と比較して、解凍麺を効率的に冷却できることが示された。特に、氷と凍結つゆの合計量が凍結麺の質量に対して25.3質量%以上であり、氷の含有量が2.5質量%以上、凍結つゆの含有量が7.6質量%以上の場合には、解凍麺をより効率的に冷却できることが示された。さらに、氷と凍結つゆの合計量が凍結麺の質量に対して30.3質量%であり、氷の含有量が2.5質量%以上、凍結つゆの含有量が7.6質量%以上の場合には、解凍麺をより一層効率的に冷却できることが示された。
次に、試験区1~3と試験区4~10とを比較する。試験区1~3は、いずれも凍結つゆの含有量が凍結麺の質量に対して25.3質量%(50g)であり、氷の含有量がそれぞれ5.1~10.1質量%(10~20g)である。試験区1~3では、いずれも麺食品温度が21℃以下(18.18~20.98℃)であり、麺食品温度が22.1~25.8℃である試験区4~10よりも麺食品温度が低かった。なお、各試験区の麺食品においては、冷やし中華として適量のつゆが存在した。
これらの結果から、凍結つゆの含有量が25.3質量%以上であり、氷の含有量が5.1質量%以上の場合には、解凍麺を特に効率的に冷却できることが示された。
次に、試験区17~22を比較する。試験区17~22は、いずれも氷と凍結つゆとの含有量の合計が凍結麺に対して53.0質量%(105g)であり、氷の含有量がそれぞれ2.5~25.3質量%(5~50g)、凍結つゆの含有量がそれぞれ27.8~50.5質量%(55~100g)である。これらの試験区は、いずれも麺食品温度が19℃以下であり、解凍麺を効率的に冷却できることが示された。これらの試験区のうち、氷の含有量が15.2質量%以上である試験区17~19では、いずれも麺食品温度が17℃以下であり、解凍麺をより効率的に冷却できることが示された。さらに、氷の含有量が15.2質量%以上であり、かつ凍結つゆの含有量が32.8質量%以上である試験区18では、麺食品温度が16℃以下であり、解凍麺をより一層効率的に冷却できることが示された。なお、各試験区の麺食品においては、冷やし中華として適量のつゆが存在した。
次に、試験区14~16を比較する。試験区14~16は、いずれも氷の含有量が凍結麺の質量に対して60.6質量%(120g)であり、凍結つゆの含有量がそれぞれ20.2~60.6質量%(40~120g)である。これらの試験区は、いずれも麺食品温度が10℃以下であり、解凍麺を極めて効率的に冷却できることが示された。また、これらの試験区うち、試験区14および15では、冷やし中華として適量のつゆが存在した。試験区16では、冷やし中華としては若干多いつゆが存在した。試験区15のとき、すなわち氷と凍結つゆとの合計量が凍結麺の質量に対して111.1%のとき、冷やし中華にとって適切な水分量の上限といえる。
電子レンジで加熱調理された冷凍麺が好適に冷却される試験区1~10、12~22を参照すると、氷と凍結つゆとの質量比は、氷1に対して、凍結つゆが0.3以上である。
氷のBrix値は、20℃において5%以下が好ましい。この場合、氷を配置した凍結麺が電子レンジで加熱されても、氷がほとんど融解せず、もしくは氷が少なくとも一部は残存しており、レンジ加熱後の解凍麺を冷却できる。
凍結つゆのBrix値は、20℃において25~50%が好ましい。つゆのBrix値を上記の範囲とすることにより、氷を配置した冷凍麺の電子レンジ加熱が完了するタイミングで、室温の環境下に静置した、すなわち自然解凍した凍結つゆの少なくとも一部が溶融した状態(半凍結状態)となる。この一部が溶融した状態の凍結つゆが解凍麺に添加され、残存する氷と撹拌されることで、加熱調理後の解凍麺が冷やされ、十分に低い温度を有する麺とつゆとを含む冷やし麺食品を得ることができる。
本開示によれば、従来の電子レンジ調理用冷凍冷やし麺食品と比較して、電子レンジで加熱調理した後に十分に冷却された冷やし麺食品を得ることができる冷凍冷やし麺食品を提供することができる。
本開示によれば、以下の各発明が提供される。
[1]電子レンジ加熱用の氷が配置された凍結麺、および
前記氷が配置された凍結麺と分離された、電子レンジで加熱されない凍結つゆ
を含む、容器入りの冷凍冷やし麺食品。
[2]前記氷および凍結つゆの含有量の合計が前記凍結麺の質量に対して25.3質量%以上であり、
前記氷の含有量が前記凍結麺の質量に対して2.5質量%以上であり、
前記凍結つゆの含有量が前記凍結麺の質量に対して7.6質量%以上である、[1]に記載の冷凍冷やし麺食品。
[3]前記氷の含有量が前記凍結麺の質量に対して5.1質量%以上であり、
前記凍結つゆの含有量が前記凍結麺の質量に対して25.3質量%以上である、
[1]に記載の冷凍冷やし麺食品。
[4]前記氷および凍結つゆの含有量の合計が前記凍結麺の質量に対して53質量%以上であり、
前記氷の含有量が前記凍結麺の質量に対して15.2質量%以上であり、
前記凍結つゆの含有量が前記凍結麺の質量に対して32.8質量%以上である、
[1]に記載の冷凍冷やし麺食品。
[5]前記氷および凍結つゆの含有量の合計が前記凍結麺の質量に対して25質量%以上であり、
前記氷と凍結つゆの質量比が、氷が1に対し、凍結つゆが0.3以上である、
[1]に記載の冷凍冷やし麺食品
[6]前記氷および凍結つゆの含有量の合計が前記凍結麺の質量に対して111.1質量%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の冷凍冷やし麺食品。
[7]前記氷のBrix値が5%以下であり、前記凍結つゆのBrix値が25~50%である、[1]~[6]のいずれかに記載の冷凍冷やし麺食品。
[8]前記凍結つゆが自然解凍用の凍結つゆである、[1]~[7]のいずれかに記載の冷凍冷やし麺食品。
[9]前記氷は、前記凍結麺が電子レンジで加熱されて解凍した時点において、少なくとも一部が残存している、[1]~[8]のいずれかに記載の冷凍冷やし麺食品。
[10]冷凍冷やし中華である、[1]~[9]のいずれかに記載の冷凍冷やし麺食品。
[11]前記氷は前記凍結麺へ接触配置されている、[1]~[10]のいずれかに記載の冷凍冷やし麺食品。
[12]凍結麺および該凍結麺に配置された氷、ならびに前記凍結麺および氷と分離された凍結つゆを含む冷凍冷やし麺食品の調理方法であって、
(A)前記凍結麺および氷を電子レンジで加熱して解凍麺を得る工程、
(B)前記凍結つゆを解凍して半凍結状態のつゆを得る工程、および
(C)前記解凍麺と前記半凍結状態のつゆとを混合する工程
を含む、冷凍冷やし麺食品の調理方法。
[13]麺類およびつゆを含む冷やし麺食品の調製方法であって、
(a)前記麺類を凍結して得られる凍結麺を準備する工程、
(b)前記つゆを凍結して得られる凍結つゆを準備する工程、
(c)前記凍結麺に氷を配置する工程、
(d)前記氷を配置した凍結麺を電子レンジで加熱して解凍麺を得る工程、
(e)前記凍結つゆを解凍して半凍結状態のつゆを得る工程、および
(f)前記解凍麺と前記半凍結状態のつゆとを混合して冷やし麺食品を得る工程
を含む、冷やし麺食品の調製方法。
10 冷凍麺食品
11 本容器
12 中容器
13 包装された凍結つゆ
F1 凍結麺
F2 その他の構成物
J 氷
S1 食材スペース
S2 具材スペース

Claims (13)

  1. 電子レンジ加熱用の氷が配置された凍結麺、および
    前記氷が配置された凍結麺と分離された、電子レンジで加熱されない凍結つゆ
    を含む、容器入りの冷凍冷やし麺食品。
  2. 前記氷および凍結つゆの含有量の合計が前記凍結麺の質量に対して25.3質量%以上であり、
    前記氷の含有量が前記凍結麺の質量に対して2.5質量%以上であり、
    前記凍結つゆの含有量が前記凍結麺の質量に対して7.6質量%以上である、請求項1に記載の冷凍冷やし麺食品。
  3. 前記氷の含有量が前記凍結麺の質量に対して5.1質量%以上であり、
    前記凍結つゆの含有量が前記凍結麺の質量に対して25.3質量%以上である、
    請求項1に記載の冷凍冷やし麺食品。
  4. 前記氷および凍結つゆの含有量の合計が前記凍結麺の質量に対して53質量%以上であり、
    前記氷の含有量が前記凍結麺の質量に対して15.2質量%以上であり、
    前記凍結つゆの含有量が前記凍結麺の質量に対して32.8質量%以上である、
    請求項1に記載の冷凍冷やし麺食品。
  5. 前記氷および凍結つゆの含有量の合計が前記凍結麺の質量に対して25質量%以上であり、
    前記氷と凍結つゆの質量比が、氷が1に対し、凍結つゆが0.3以上である、
    請求項1に記載の冷凍冷やし麺食品
  6. 前記氷および凍結つゆの含有量の合計が前記凍結麺の質量に対して111.1質量%以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の冷凍冷やし麺食品。
  7. 前記氷のBrix値が5%以下であり、前記凍結つゆのBrix値が25~50%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の冷凍冷やし麺食品。
  8. 前記凍結つゆが自然解凍用の凍結つゆである、請求項1~7のいずれか一項に記載の冷凍冷やし麺食品。
  9. 前記氷は、前記凍結麺が電子レンジで加熱されて解凍した時点において、少なくとも一部が残存している、請求項1~8のいずれか一項に記載の冷凍冷やし麺食品。
  10. 冷凍冷やし中華である、請求項1~9のいずれか一項に記載の冷凍冷やし麺食品。
  11. 前記氷は前記凍結麺へ接触配置されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の冷凍冷やし麺食品。
  12. 凍結麺および該凍結麺に配置された氷、ならびに前記凍結麺および氷と分離された凍結つゆを含む冷凍冷やし麺食品の調理方法であって、
    (A)前記凍結麺および氷を電子レンジで加熱して解凍麺を得る工程、
    (B)前記凍結つゆを解凍して半凍結状態のつゆを得る工程、および
    (C)前記解凍麺と前記半凍結状態のつゆとを混合する工程
    を含む、冷凍冷やし麺食品の調理方法。
  13. 麺類およびつゆを含む冷やし麺食品の調製方法であって、
    (a)前記麺類を凍結して得られる凍結麺を準備する工程、
    (b)前記つゆを凍結して得られる凍結つゆを準備する工程、
    (c)前記凍結麺に氷を配置する工程、
    (d)前記氷を配置した凍結麺を電子レンジで加熱して解凍麺を得る工程、
    (e)前記凍結つゆを解凍して半凍結状態のつゆを得る工程、および
    (f)前記解凍麺と前記半凍結状態のつゆとを混合して冷やし麺食品を得る工程
    を含む、冷やし麺食品の調製方法。
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