JP2023059411A - 車両制御装置 - Google Patents

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大樹 横山
Daiki Yokoyama
寛也 千葉
Hiroya Chiba
義之 影浦
Yoshiyuki Kageura
真典 嶋田
Masanori Shimada
佳宏 坂柳
Yoshihiro Sakayanagi
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Abstract

【課題】バッテリ充電量の低下に伴う走行用電動機の出力制限に起因する渋滞の発生や悪化を抑制する。【解決手段】車両制御装置20は、バッテリ215の充電量が所定充電量未満のときに回転電機214に供給する電力を一定以下に制限する出力制限を実施し、車両2の現在位置情報と、渋滞情報と、内燃機関の駆動が制限される制限区域に関する情報と、に基づいて、車両2が制限区域内において渋滞に巻き込まれているか否かを判定し、車両2が制限区域内において渋滞に巻き込まれていると判定したときは、出力制限を実施していれば出力制限を解除すること、及び出力制限の実施要求があっても出力制限を実施しないことの、少なくとも一方を行うように構成される。【選択図】図3

Description

本発明は車両制御装置に関する。
近年、大気汚染防止の観点から、或いは、騒音防止の観点から、或いは、その他の観点から、内燃機関の駆動を制限する制限区域を設定する国が増えてきている。特許文献1には、従来の内燃機関の制御装置として、車両の現在位置を確認し、車両が大気汚染防止強化地域内に位置するときには内燃機関を停止させるように構成されたものが開示されている。
特開平7-75210号公報
電気自動車(Battery Electric Vehicle;以下「BEV」という。)やハイブリッド車(Hybrid Electric Vehicle;以下「HEV」という。)、プラグインハイブリッド車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle;以下「PHEV」という。)などの走行用電動機を備える電動車において、走行用電動機に電力を供給するバッテリの充電量が所定充電量未満となったときに、走行用電動機に供給する電力を一定以下に制限して走行用電動機の出力を制限する出力制限が行われることがある。
しかしながら、走行用電動機の出力を制限してしまうと、走行用電動機の出力が低下して車両が減速する可能性がある。その結果、周囲の車両よりも速度が低下して、渋滞を引き起こしたり、また渋滞を悪化させたりするおそれがある。そして前述した内燃機関の駆動を制限する制限区域内においては、特にHEVやPHEVは内燃機関を起動してバッテリの充電を行うことができないため、バッテリ充電量が低下しやすく、したがって走行用電動機に対する出力制限が行われる蓋然性が高い。
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、バッテリ充電量の低下に伴う走行用電動機の出力制限に起因する渋滞の発生や悪化を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、走行用の駆動力を出力する回転電機と、回転電機に電力を供給するバッテリと、を備える車両を制御するための車両制御装置が、バッテリの充電量が所定充電量未満のときには回転電機に供給する電力を一定以下に制限する出力制限を実施し、車両の現在位置情報と、渋滞情報と、内燃機関の駆動が制限される制限区域に関する情報と、に基づいて、車両が制限区域内において渋滞に巻き込まれているか否かを判定し、車両が前記制限区域内において渋滞に巻き込まれていると判定したときは、出力制限を実施していれば出力制限を解除すること、及び出力制限の実施要求があっても出力制限を実施しないことの、少なくとも一方を行うように構成される。
本発明のこの態様によれば、車両が制限区域内において渋滞に巻き込まれていると判定されたときには、出力制限を実施していれば出力制限を解除すること、及び出力制限の実施要求があっても出力制限を実施しないことの、少なくとも一方が行わる。そのため、周囲の車両よりも速度が低下することもないので、バッテリ充電量の低下に伴う走行用電動機の出力制限に起因する渋滞の発生や悪化を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態による車両制御システムの概略構成図である。 図2は、制限区域について説明する図である。 図3は、本発明の一実施形態による車両の概略構成図である。 図4は、ハイブリッドシステムの概略構成図である。 図5は、バッテリ充電量と切替負荷との関係を示した図である。 図6は、本発明の一実施形態による出力制限制御について説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
図1は、本発明の一実施形態による車両制御システム100の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態による車両制御システム100は、サーバ1と、車両2と、を備える。
サーバ1は、サーバ通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ処理部13と、を備える。
サーバ通信部11は、サーバ1を例えばゲートウェイ等を介してネットワーク3と接続するための通信インターフェース回路を有し、車両2との間で相互に通信することができるように構成される。
サーバ記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)や光記録媒体、半導体メモリ等の記憶媒体を有し、サーバ処理部13での処理に用いられる各種のコンピュータプログラムやデータ等を記憶する。
本実施形態ではサーバ記憶部12は、全国の各所に設けられた制限区域に関する情報(後述する境界GFや制限期間に関する情報など)を少なくとも記憶している。制限区域とは、大気汚染防止の観点から、或いは、騒音防止の観点から、或いは、その他の観点から、内燃機関の駆動が制限される区域のことである。図2を参照して制限区域について簡単に説明すると、図2には、制限区域の内側と外側との境界GFと、境界GF上に位置する各道路位置Kd,Ke,Kf,Kgと、が示されている。
図2において、境界GFの内側が制限区域であり、この制限区域が、例えば予め定められた制限期間の間だけ設けられる時間変動制の制限区域である場合には、制限期間の間だけ制限区域内での内燃機関の駆動が制限され、非制限期間においては内燃機関の駆動が許可される。制限期間は、例えば、時間や日、週、月、年、曜日などの単位で設定される。一方で、図2に示す制限区域が、制限期間が特に設けられていない固定制の制限区域である場合には、制限区域内では常に内燃機関の駆動が制限される。
境界GF上に位置する各道路位置Kd,Ke,Kf,Kgには、例えばゲートが設けられており、本実施形態では、車両2がゲートを通過して制限区域内に進入すると、ゲートから車両2に対して制限区域に進入したことを知らせる信号が送信される。そして車両2は、この信号を受信して自車両が制限区域内に進入したことを認識すると、自車両に搭載された内燃機関の駆動を自動的に制限する(例えば車両2がHEV又はPHEVであれば、走行モードが自動的にEVモードとされる)。
図1に戻り、サーバ処理部13は、一又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。サーバ処理部13は、サーバ記憶部12に格納された各種のコンピュータプログラムを実行し、サーバ1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えばプロセッサである。
図3は、車両2の概略構成図である。車両2は、BEVやHEV、PHEVなどの走行用電動機を備える電動車であり、図3は、車両2がHEVである場合の構成の一例を示している。
図3に示すように、車両2は、電子制御ユニット20と、ハイブリッドシステム21と、GPS受信装置22と、地図情報記憶装置23と、通信装置24と、HMI(Human Machine Interface)装置25と、ナビゲーション装置26と、外部情報受信装置27と、SOCセンサ28aや負荷センサ28b、車速センサ28cなどの各種のセンサ類28と、を備える。ハイブリッドシステム21、GPS受信装置22、地図情報記憶装置23、通信装置24、HMI装置25、ナビゲーション装置26、外部情報受信装置27、及び各種のセンサ類28は、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内ネットワーク29を介して電子制御ユニット20と接続されている。
ハイブリッドシステム21は、車両2を走行させるために必要な動力を発生させ、その動力を駆動輪に伝達することができるように構成される。ハイブリッドシステム21の詳細については、図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態によるハイブリッドシステム21の概略構成図である。本実施形態によるハイブリッドシステム21は、いわゆるシリーズ・パラレル式のハイブリッドシステムであるが、シリーズ式やパラレル式などのその他の形式のハイブリッドシステムであってもよい。
図4に示すように、本実施形態によるハイブリッドシステム21は、内燃機関211と、動力分割機構212と、主に発電機として使用される第1回転電機213と、主に走行用電動機として使用される第2回転電機214と、バッテリ215と、パワーコントロールユニット(以下「PCU」という。)216と、を備える。
内燃機関211は、その内部に形成された気筒内で燃料を燃焼させて、動力分割機構212に連結された機関出力軸を回転させるための動力を発生させる。なお、本実施形態による内燃機関211は、ガソリン燃料を燃焼させて動力を発生させるガソリンエンジンである。
動力分割機構212は、内燃機関211の動力を、駆動輪を回転させるための動力と、第1回転電機213を回生駆動させるための動力と、の2系統に分割するための公知の遊星歯車機構である。
第1回転電機213は、例えば三相の交流同期型のモータジェネレータであり、バッテリ215からの電力供給を受けて力行駆動する電動機としての機能と、内燃機関211の動力を受けて回生駆動する発電機としての機能と、を有する。本実施形態では第1回転電機213は、主に発電機として使用され、バッテリ215を充電するために必要な電力や第2回転電機214を力行駆動するために必要な電力を発電する。そして、内燃機関211の始動時に機関出力軸を回転させてクランキングを行うときに電動機として使用され、スタータとしての役割を果たす。
第2回転電機214は、例えば三相の交流同期型のモータジェネレータであり、バッテリ215からの電力供給を受けて力行駆動する電動機としての機能と、車両2の減速時に駆動輪からの動力を受けて回生駆動する発電機としての機能と、を有する。本実施形態では第2回転電機214は、主に走行用電動機として使用され、駆動輪を回転させるための動力を発生させる。
バッテリ215は、例えばニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池などの充放電可能な二次電池である。バッテリ215は、バッテリ215の充電電力を第1回転電機213及び第2回転電機214に供給してそれらを力行駆動することができるように、また、第1回転電機213及び第2回転電機214の発電電力をバッテリ215に充電できるように、PCU216を介して第1回転電機213及び第2回転電機214に電気的に接続される。
PCU216は、インバータと昇圧コンバータとを備え、電子制御ユニット20によってその動作が制御される。具体的には、各回転電機213,214を電動機として使用するときは、各回転電機213,214を駆動するために必要な電力がバッテリ215から各回転電機213,214に供給されるように、PCU216の動作が電子制御ユニット20によって制御される。また各回転電機213,214を発電機として使用するときは、各回転電機213,214で発電された電力がバッテリ215に供給されるように、PCU216の動作が電子制御ユニット20によって制御される。
図3に戻り、GPS受信装置22は、人工衛星からの電波を受信して車両2の緯度及び経度を特定し、車両2の現在位置を検出する。
地図情報記憶装置23は、道路の位置情報や道路形状の情報(例えば道路勾配や、カーブと直線部の種別、カーブの曲率など)、交差点及び分岐点の位置情報、道路種別、制限車速などの地図情報を記憶する。
通信装置24は、無線通信機能を有する車載の端末である。通信装置24は、ネットワーク3(図1参照)と不図示のゲートウェイ等を介して接続される無線基地局4(図1参照)にアクセスすることで、無線基地局4を介してネットワーク3と接続される。これにより、サーバ1との間で相互に通信が行われる。
HMI装置25は、車両乗員との間で情報のやり取りを行うためのインターフェースである。本実施形態によるHMI装置25は、車両乗員に各種の情報を提供するためのディスプレイ及びスピーカと、車両乗員が情報の入力操作を行うためのタッチパネルと、を備える。HMI装置25は、車両乗員によって入力された入力情報(例えば目的地や経由地などの情報)を電子制御ユニット20やナビゲーション装置26に送信する。またHMI装置25は、電子制御ユニット20やナビゲーション装置26、外部情報受信装置27などから各種の情報を受信すると、必要に応じて受信した情報をディスプレイに表示するなどして車両乗員に提供する。
ナビゲーション装置26は、HMI装置25を介して車両乗員によって設定された目的地まで車両2を案内する装置である。ナビゲーション装置26は、車両2の現在位置情報と地図情報とに基づいて、現在位置から目的地までの走行予定ルートを設定し、設定した走行予定ルートに関する情報をナビゲーション情報として電子制御ユニット20やHMI装置25に送信する。
外部情報受信装置27は、例えば道路交通情報通信システムセンタなどの外部の通信センタから送信されてくる外部情報を受信する。外部情報は、例えば渋滞情報や事故情報などの道路交通情報や、気象情報(雨や雪、霧、風速、温度、湿度等の情報)などである。外部情報受信装置27は、受信した外部情報を電子制御ユニット20に送信する。
SOCセンサ28aは、バッテリ215の充電量(以下「バッテリ充電量」という。)SOC[%]を検出する。負荷センサ28bは、走行負荷に相当するパラメータとして、アクセルペダルの踏み込み量に比例した出力電圧を検出する。車速センサ28cは、車両2の速度を検出する。
電子制御ユニット20は、車内通信インターフェース201、車両記憶部202及び車両処理部203、を備える。車内通信インターフェース201、車両記憶部202及び車両処理部203、信号線を介して互いに接続されている。
車内通信インターフェース201は、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内ネットワーク29に電子制御ユニット20を接続するための通信インターフェース回路である。
車両記憶部202は、HDD(Hard Disk Drive)や光記録媒体、半導体メモリ等の記憶媒体を有し、車両処理部203での処理に用いられる各種のコンピュータプログラムやデータ等を記憶する。
車両処理部203は、一又は複数個のCPU及びその周辺回路を有する。車両処理部203は、車両記憶部202に格納された各種のコンピュータプログラムを実行して車両2を統括的に制御するものであり、例えばプロセッサである。以下、車両処理部203、ひいては電子制御ユニット20によって実施される車両2の各種制御の内容について説明する。
電子制御ユニット20は、走行モードをEV(Electric Vehicle)モード又はHV(Hybrid Vehicle)モードのいずれか一方に切り替えて車両2を走行させる。本実施形態では電子制御ユニット20は、バッテリ充電量SOCが所定のモード切替充電量以上であれば、車両2の走行モードをEVモードに設定し、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量未満であれば、車両2の走行モードをHVモードに設定する。
EVモードは、バッテリ215の電力を消費するべく、バッテリ215の電力を優先的に利用して第2回転電機214を力行駆動させ、第2回転電機214の動力を駆動輪に伝達して車両2を走行させるモードである。したがってEVモードは、CD(Charge Depleting;充電消耗)モードと称される場合もある。
電子制御ユニット20は、走行モードがEVモードのときは、基本的に内燃機関211を停止させた状態でバッテリ215の電力を使用して第2回転電機214を力行駆動させ、第2回転電機214の動力のみにより駆動輪を回転させて車両2を走行させる。
一方でHVモードは、バッテリ充電量SOCが、HVモードに切り替えられたときの充電量(以下「維持充電量」という。)に維持されるように、内燃機関211及び第2回転電機214の出力を制御して車両2を走行させるモードである。したがってHVモードは、CS(Charge Sustaining;充電維持)モードと称される場合もある。
電子制御ユニット20は、走行モードがHVモードのときは、図5に示すように、走行負荷が、バッテリ充電量SOCに応じて変化する所定の切替負荷未満であれば、前述したEVモードと同様に、内燃機関211を停止させた状態でバッテリ215の電力を使用して第2回転電機214を力行駆動させ、第2回転電機214の動力のみにより駆動輪を回転させて、車両2を走行させる。なお電子制御ユニット20は、図5に示すように、バッテリ充電量が少ないときほど切替負荷が小さくなるように、バッテリ充電量SOCに応じて切替負荷を変化させる。
そして電子制御ユニット20は、走行負荷が切替負荷以上になると、内燃機関211の動力を動力分割機構212によって2系統に分割し、分割した内燃機関211の一方の動力を駆動輪に伝達すると共に、他方の動力によって第1回転電機213を回生駆動させる。そして、第1回転電機213の発電電力によって第2回転電機214を力行駆動しつつ、必要に応じてその発電電力の一部をバッテリ215に供給してバッテリ215を充電し、内燃機関211の一方の動力に加えて第2回転電機214の動力を駆動輪に伝達して車両2を走行させる。
このように本実施形態では、EVモード中は、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量になるまでバッテリ215の電力を消費して車両2の走行が行われることになる。そして、HVモード中は、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量に維持されるように、必要に応じて内燃機関211の動力を利用して発電した電力をバッテリ215に充電しつつ車両2の走行が行われることになる。燃費向上のためには、モード切替充電量をできるだけ低い値に設定し、可能な限りEVモードでの走行を行った方が望ましい。
しかしながら、近年においては、図2を参照して前述した制限区域が各所に設けられている場合がある。その結果、例えば、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量まで低下してHVモードで走行している状態、すなわちバッテリ充電量SOCが十分に確保されていない状態で、制限期間中の制限区域に進入しなければならなくなるおそれがある。また例えば、制限区域内を走行しているときに、バッテリ充電量SOCが十分に確保されていない状態で非制限期間から制限期間に切り替わるおそれがある。
制限期間中の制限区域内では、内燃機関211の駆動が禁止されるため、HEVやPHEVは、バッテリ充電量SOCが十分に確保されていない状態であってもEVモードで走行しなければならず、内燃機関211を駆動してバッテリ215の充電を行うこともできない。
ここでBEVやHEV、PHEVなどの電動車では、バッテリ充電量SOCが所定の下限充電量未満となったときに、過放電に起因するバッテリ215の劣化を抑制するべく、走行用電動機として使用される第2回転電機214に供給する電力を一定以下に制限し、第2回転電機214の出力を一定以下に制限する出力制限が行われる場合がある。出力制限が行われると、第2回転電機214の出力が低下して車両2が減速するおそれがある。その結果、車両2の速度が周囲の車両の速度よりも低下して、渋滞を引き起こす可能性がある。
そして前述した通り、制限期間中の制限区域内では内燃機関211の駆動が禁止されてバッテリ215の充電を行うことができなくなるため、特にHEVやPHEVは、制限期間中の制限区域内において、第2回転電機214の出力制限に起因する渋滞を引き起こしやすいと言える。またBEVにおいても、第2回転電機214に対する出力制限が行われてしまうと、同様の事態になる可能性がある。
そこで本実施形態では、このようなバッテリ充電量SOCの低下に伴う第2回転電機214の出力制限に起因する渋滞の発生を抑制するべく、車両2が制限区域内において渋滞に巻き込まれている場合には、第2回転電機214に対する出力制限を実施していれば出力制限を解除することとした。また、第2回転電機214に対する出力制限の実施要求があっても出力制限を実施しないこととした。以下、この本実施形態による出力制限制御について説明する。
図6は、本実施形態による出力制限制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット20は、本ルーチンを所定の演算周期で実施する。
ステップS1において、電子制御ユニット20は、車両2の現在位置情報と、外部情報受信装置27から受信した最新の渋滞情報と、に基づいて、車両2の現在位置において渋滞が発生しているか否かを判定する。電子制御ユニット20は、車両2の現在位置において渋滞が発生していれば、ステップS2の処理に進む。一方で電子制御ユニット20は、車両2の現在位置において渋滞が発生していなければ、今回の処理を終了する。なお電子制御ユニット20は、外部情報受信装置27から定期的に渋滞情報を受信してそのたびに渋滞情報を最新の渋滞情報に更新して記憶している。
ステップS2において、電子制御ユニット20は、制限区域情報を取得するべく、制限区域情報要求信号をサーバ1に送信する。本実施形態では、制限区域情報要求信号には、車両2の現在位置情報が含まれる。
ステップS3において、サーバ1は、制限区域情報要求信号を受信したか否かを判断する。サーバ1は、制限区域情報要求信号を受信していれば、ステップS4の処理に進む。一方でサーバ1は、制限区域情報要求信号を受信していなければ、今回の処理を終了する。
ステップS4において、サーバ1は、サーバ記憶部12に記憶された制限区域に関する情報と、制限区域情報要求信号の送信元となる車両2(以下、必要に応じて「送信元車両2」ともいう。)の現在位置情報と、現在日時と、に基づいて、送信元車両2が制限期間中の制限区域内を走行しているか否かを判定する。そしてサーバ1は、その判定結果を制限区域情報として、送信元車両2に送信する。
ステップS5において、電子制御ユニット20は、制限区域情報を受信しているか否かを判定する。電子制御ユニット20は、制限区域情報を受信していれば、ステップS6の処理に進む。一方で電子制御ユニット20は、制限区域情報を受信していなければ、一定の時間を空けた後、制限区域情報を受信しているか否かを再度判定する。
ステップS6において、電子制御ユニット20は、制限区域情報を参照し、車両2が制限期間中の制限区域内に走行しているか否かを判定する。電子制御ユニット20は、車両2が制限期間中の制限区域内を走行していれば、ステップS7の処理に進む。一方で電子制御ユニット20は、車両2が制限期間中の制限区域内に位置していなければ、今回の処理を終了する。
ステップS7において、電子制御ユニット20は、第2回転電機124に対する出力制限を実施しているか否かを判定する。電子制御ユニット20は、第2回転電機124に対する出力制限の実施中であれば、ステップS8の処理に進む。一方で電子制御ユニット20は、第2回転電機124に対する出力制限を実施していなければ、ステップS9の処理に進む。
ステップS8において、電子制御ユニット20は、第2回転電機124に対する出力制限が原因で渋滞が発生している可能性があると判断し、第2回転電機124に対する出力制限を解除する。
ステップS9において、電子制御ユニット20は、第2回転電機124に対する出力制限の実施要求があるか否かを判定する。本実施形態では電子制御ユニット20は、バッテリ充電量が所定の下限充電量未満であれば、第2回転電機124に対する出力制限の実施要求があると判定してステップS10の処理に進む。一方で電子制御ユニット20は、バッテリ充電量が所定の下限充電量以上であれば、第2回転電機124に対する出力制限の実施要求はないと判定して今回の処理を終了する。
ステップS10において、電子制御ユニット20は、第2回転電機124に対する出力制限の実施要求があるものの、第2回転電機214に対する出力制限を実施してしまうと、例えば周囲の他車両との間に速度差が生じてしまって渋滞をさらに悪化させてしまうおそれがあると判断し、第2回転電機124に対する出力制限を実施しないようにする。
なお本実施形態では、このように車両2が制限区域内において渋滞に巻き込まれていると判断されたときに、出力制限を実施していれば出力制限を解除すること、及び出力制限の実施要求があっても出力制限を実施しないこと、の双方を行うように電子制御ユニット20を構成しているが、少なくとも一方を行うように構成してもよい。
以上説明した本実施形態によれば、走行用の駆動力を出力する第2回転電機214(回転電機)と、第2回転電機214に電力を供給するバッテリ215と、を備える車両2を制御するための電子制御ユニット20(車両制御装置)が、バッテリ充電量SOCが下限充電量(所定充電量)未満のときには第2回転電機214に供給する電力を一定以下に制限する出力制限を実施し、車両2の現在位置情報と、渋滞情報と、内燃機関の駆動が制限される制限区域に関する情報と、に基づいて、車両2が制限区域内において渋滞に巻き込まれているか否かを判定し、車両2が制限区域内において渋滞に巻き込まれていると判定したときは、出力制限を実施していれば出力制限を解除すること、及び出力制限の実施要求があっても出力制限を実施しないことの、少なくとも一方を行うように構成される。
これにより、車両2が制限区域内において渋滞に巻き込まれている場合に第2回転電機124に対する出力制限を実施しているとき、すなわち、第2回転電機124に対する出力制限が原因で渋滞が発生している可能性があるときには、第2回転電機124に対する出力制限を解除することができる。そのため、バッテリ充電量SOCの低下に伴う第2回転電機214の出力制限に起因する渋滞の発生を抑制することができる。
また、車両2が制限区域内において渋滞に巻き込まれている場合に第2回転電機124に対する出力制限の実施要求があるとき、すなわち、第2回転電機124に対する出力制限を実施してしまうと渋滞をさらに悪化させてしまう可能性があるときには、第2回転電機124に対する出力制限を実施しないようにすることができる。そのため、バッテリ充電量SOCの低下に伴う第2回転電機214の出力制限に起因する渋滞の悪化を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば上記の各実施形態では、制限区域情報をサーバ1から取得していたが、これに限らず、電子制御ユニット20の車両記憶部202やその他の車載の記憶装置に制限区域情報を予め記憶させるようにしてもよいし、道路交通情報通信システムセンタなどの外部の通信センタが制限区域情報を定期的に送信している場合には、外部の通信センタから送信されてくる制限区域情報を受信することによって取得するようにしてもよい。
2 車両
20 電子制御ユニット(車両制御装置)
214 第2回転電機(回転電機)
215 バッテリ

Claims (1)

  1. 走行用の駆動力を出力する回転電機と、
    前記回転電機に電力を供給するバッテリと、
    を備える車両を制御するための車両制御装置であって、
    前記バッテリの充電量が所定充電量未満のときに前記回転電機に供給する電力を一定以下に制限する出力制限を実施し、
    前記車両の現在位置情報と、渋滞情報と、内燃機関の駆動が制限される制限区域に関する情報と、に基づいて、前記車両が前記制限区域内において渋滞に巻き込まれているか否かを判定し、
    前記車両が前記制限区域内において渋滞に巻き込まれていると判定したときは、前記出力制限を実施していれば前記出力制限を解除すること、及び前記出力制限の実施要求があっても前記出力制限を実施しないことの、少なくとも一方を行うように構成される、
    車両制御装置。
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