JP2023058398A - 負極材料、電池、負極材料の製造方法、及び電池の製造方法 - Google Patents

負極材料、電池、負極材料の製造方法、及び電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置できる負極材料、電池、負極材料の製造方法、及び電池の製造方法を提供する。【解決手段】負極材料は、アモルファスカーボン粒子30と、アモルファスカーボン粒子30の表面に設けられるタングステン酸ナトリウム粒子32と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、負極材料、電池、負極材料の製造方法、及び電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池の負極材料としては、炭素が用いられる場合がある。例えば特許文献1には、黒鉛の表面に三酸化タングステンを配置した負極が記載されている。黒鉛の表面に三酸化タングステンを配置することで、リチウムイオンの拡散性を向上させることが可能となり、容量などの電池の特性を向上できる。
特開2018-45904号公報
しかし、このような負極材料において、炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置するためには、改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置できる負極材料、電池、負極材料の製造方法、及び電池の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る負極材料は、電池の負極材料であって、アモルファスカーボンと、前記アモルファスカーボンの表面に設けられるタングステン酸ナトリウムと、を含む。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る電池は、前記負極材料と、正極材料とを含む。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る負極材料の製造方法は、界面活性剤が溶解してナトリウムを含む第1溶液にアモルファスカーボンを添加して、前記第1溶液に前記アモルファスカーボンが分散した第2溶液を生成するステップと、前記第2溶液と、タングステンが含まれるタングステン溶液とを混合して、第3溶液を生成するステップと、前記第3溶液の液体成分を除去することで、負極材料を生成するステップと、を含む。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る電池の製造方法は、前記負極材料の製造方法と、正極材料を製造するステップと、を含む。
本発明によれば、炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置することができる。
図1は、本実施形態に係る電池の模式的な一部断面図である。 図2は、本実施形態に係る負極の模式的な断面図である。 図3は、本実施形態の電池の製造方法を説明するフローチャートである。 図4は、各例の負極材料の同定結果を示す表である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(電池)
図1は、本実施形態に係る電池の模式的な一部断面図である。本実施形態に係る電池1は、リチウムイオン二次電池である。電池1は、ケージング10と、電極群12と、図示しない電解液と、を備える。ケージング10は、内部に電極群12及び電解液を収納するケースである。ケージング10内には、電極群12以外にも、電極群12に接続される配線や端子などを備えていてよい。
電極群12は、負極14と、正極16と、セパレータ18とを備える。電極群12は、負極14と正極16との間に、セパレータ18が配置される構成となっている。図1の例では、電極群12は、矩形状のセパレータ18を間に挟んで、矩形状の負極14と矩形状の正極16とが交互に積層された、いわゆる積層型の電極群構造である。ただし、電極群12は、積層型の電極群構造に限られない。例えば、電極群12は、帯状のセパレータ18を間に挟んで、帯状の負極14と帯状の正極16とが積層されて、これらが巻回される、巻回型の電極群構造であってもよい。
(負極)
図2は、本実施形態に係る負極の模式的な断面図である。図2に示すように、負極14は、集電層20と、負極材料層22と、を備える。集電層20は、導電性部材で構成される層である。集電層20の導電性部材としては、例えば銅が挙げられる。負極材料層22は、本実施形態に係る負極材料を含む層である。負極材料層22は、集電層20の表面に設けられる。集電層20の厚みは、例えば、15μm以上40μm以下程度であってよく、負極材料層22の厚みは、例えば20μm以上200μm以下程度であってよい。
負極材料層22は、負極材料を含む。負極材料は、アモルファスカーボンと、アモルファスカーボンの表面に設けられるタングステン酸ナトリウムと、を含む。タングステン酸ナトリウムは、NaWOで表されるタングステン化合物であり、x、yは、0より大きい数である。NaWOの詳細については後述する。
なお、タングステン酸ナトリウムは、結晶構造上、NaWOの形態だけでなく、NaWOやNa1444のような形態をとる場合もある。なお、NaWOは、Naの価数が2、Wの価数が1、Oの価数が4のため、NaWOという化学式で表されるといえる。また、Na1444は、Wの価数を1に換算すると、Na5/14WO44/14という化学式で表されるため(すなわちNaの価数が5/14、Wの価数が1、Oの価数が44/14となるため)、NaWOという化学式で表されるといえる。すなわち、NaWOという化学式で表されるタングステン酸ナトリウムとは、Naの価数とWの価数とOの価数との比率が、X:1:Yとなるタングステン酸ナトリウムを指すと言える。
より具体的には、負極材料層22の負極材料は、アモルファスカーボンの粒子であるアモルファスカーボン粒子30と、タングステン酸ナトリウムの粒子であるNaWO(タングステン酸ナトリウム)粒子32と、を含む。なお、ここでの粒子とは、形状が球状などに限定されるものではなく、線状やシート形状など、任意の形状であってよい。また、本実施形態の負極材料は、残部に不可避的不純物を含んでもよい。
負極材料層22の負極材料は、複数のアモルファスカーボン粒子30を含む。アモルファスカーボンとは、結晶構造を有さない非晶質なカーボンであり、グラファイト構造のような平面的な結晶構造やダイヤモンドの様な結晶構造を有さないカーボンである。アモルファスカーボンは、無定形炭素やダイヤモンドライクカーボンと呼ばれることもあり、sp2結合とsp3結合とが混在した炭素であるともいえる。
アモルファスカーボン粒子30は、粒子全体がアモルファスカーボンで構成されており、不可避的不純物を除き、アモルファスカーボン以外の成分を含有しないことが好ましい。具体的には、アモルファスカーボン粒子30には、黒鉛が含まれていないことが好ましい。
また、アモルファスカーボンは、表面にタングステン酸ナトリウムを配置する処理の際に、表面に官能基(例、ヒドロキシ基、カルボキシル基)を含むことができる。そのため、この官能基によって、アモルファスカーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切にトラップすることが可能となり、表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置できる。また、この官能基によってタングステン酸ナトリウムがアモルファスカーボンの表面に定着されるために、アモルファスカーボンの表面へのタングステン酸ナトリウムの密着性を高くすることができ、タングステン酸ナトリウムがカーボンの表面から切り離されることを抑制できる。特に、ハードカーボン原料は、例えば黒鉛に比べて低温で製造されるため、官能基が除去されずに残りやすく、表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置できる。
アモルファスカーボン粒子30は、平均粒径が、1μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。平均粒径がこの範囲にあることで、電極膜の強度を保つことができる。
負極材料層22の負極材料は、複数のNaWO粒子32を含む。NaWO粒子32は、アモルファスカーボン粒子30の表面に設けられている。より詳しくは、それぞれのアモルファスカーボン粒子30に対し、複数のNaWO粒子32が設けられている。NaWO粒子32は、アモルファスカーボン粒子30の表面に密着(接触)しており、さらに言えば、NaWO粒子32とアモルファスカーボン粒子30とは、複合化されている。ここでの複合化とは、少なくとも外力が作用しない場合においては、NaWO粒子32をアモルファスカーボン粒子30から引き離すことが不可能になっている状態を指す。
負極材料層22の負極材料に含まれるNaWO粒子32は、y(Oの価数)が3であることが好ましく、言い換えれば、NaWOであることが好ましい。また、負極材料層22の負極材料に含まれるNaWO粒子32は、x(Naの価数)が0より大きく1以下であり、かつy(Oの価数)が2以上4以下であることが好ましい。また、NaWO粒子32は、xの価数が0.1以上0.7以下であり、かつyが2.5以上3.5以下であることがより好ましく、xの価数が0.1以上0.7以下であり、かつyが2.8以上3.2以下であることがより好ましく、xの価数が0.3以上0.5以下であり、かつyが2.8以上3.2以下であることが更に好ましい。x及びyがこの範囲となることで、アモルファスカーボン粒子30の表面にNaWO粒子32を適切に配置できる。なお、負極材料層22の負極材料は、1種類のNaWO粒子32のみを含んでいてもよいし、複数種類のNaWO粒子32を含んでいてもよい。
負極材料層22の負極材料は、NaWO粒子32として、Na0.3WO、及びNa0.1WOの少なくとも一方を含むことが好ましい。すなわち、NaWO粒子32としてNa0.3WOのみを含んでいてもよいし、NaWO粒子32としてNa0.1WOのみを含んでもよいし、NaWO粒子32としてNa0.3WO及びNa0.1WOの両方を含んでいてもよい。さらに、NaWOあるいはNa1444でも良い。このように、本実施形態における負極材料層22の負極材料は、タングステン酸ナトリウムとして、Na0.3WO、Na0.1WO、NaWO、及びNa1444の少なくとも1つを含むことが好ましい。
NaWO粒子32など、負極材料に含まれる化合物は、XRD(X-Ray Diffraction)により測定できる。XRDでの測定条件は、例えば以下であってよい。
・測定装置:(株) リガク社製 Ultima IV
・使用管球:Cu
・管電圧:40kV
・管電流:40mA
・走査範囲:5°~80°
・走査速度:2°/min
化合物を同定するためのデータベースとしては、粉末回折・結晶構造データベースの、ICDD(PDF2.DAT)、すなわち、ICDD(International Center for Diffraction Data)のPDF2.DATを使用してよい。そして、XRDで検出された結晶ピークに対して、統合粉末X線回折ソフトウェアであるPDXL2を用いて、測定サンプル(ここでは負極材料)に含まれる化合物を特定してよい。具体的には、同ソフトウェアを用いてFOM(性能指数)が閾値以下となる化合物を抽出し、FOMが閾値以下となる化合物を、その測定サンプル(ここでは負極材料)に含まれる化合物として特定してよい。FOMは、0~100の値をとり、値が小さいほど一致度が高い。FOMの閾値は、10としてよい。すなわち例えば、負極材料の回折ピークの、ICDDでのNa0.3WOの回折ピークに対するFOMが閾値(例えば10)以下である場合、負極材料にNa0.3WOが含まれると判断する。また例えば、分析対象物のX線回折分析結果におけるピーク波形が、カーボンのピーク波形を示すが、既知のグラファイト構造における(002)ピーク波形がブロードになる場合に、アモルファスカーボンであると判断できる。
NaWO粒子32は、立方晶の結晶構造のものと、正方晶の結晶構造のものとの、少なくとも一方を含むことが好ましい。すなわち、負極材料は、NaWO粒子32として立方晶のもののみを有していてもよいし、NaWO粒子32として正方晶のみを有していてもよいし、NaWO粒子32として立方晶と正方晶との両方を有していてもよい。負極材料層22の負極材料は、NaWO粒子32として立方晶と正方晶との両方が含まれている場合、立方晶のNaWO粒子32よりも、正方晶のNaWO粒子32が多く含まれていてよい。立方晶のNaWOとしては、例えば、Na0.3WOが挙げられ、正方晶のNaWOとしては、例えば、Na0.1WOが挙げられる。ただし、負極材料に含まれるNaWOの結晶構造はこれに限られず、例えば、他の結晶構造のNaWOを含んでもよい。例えば、NaWO(立方晶)及びNa1444(三斜晶)を含んでもよい。また、負極材料は、非晶質のNaWOを含んでいてもよい。
なお、NaWO粒子32の結晶構造も、負極材料に含まれる化合物の同定と同様の方法で同定できる。すなわち例えば、負極材料の回折ピークの、ICDDでの立方晶のNa0.3WOの回折ピークとのFOMが閾値(例えば10)以下である場合に、負極材料に立方晶のNa0.3WOが含まれると判断する。
NaWO粒子32の平均粒径は、アモルファスカーボン粒子30の平均粒径より小さいことが好ましい。NaWO粒子32の平均粒径は、100nm以上20μm以下であることが好ましく、100nm以上1μm以下であることがさらに好ましい。
このように、負極材料は、アモルファスカーボン粒子30の表面に、粒子状のタングステン酸ナトリウム(NaWO粒子32)が設けられた構造となっているが、それに限られない。負極材料は、アモルファスカーボンの表面にタングステン酸ナトリウムが設けられる構造であればよく、アモルファスカーボンの表面に設けられるタングステン酸ナトリウムの形状は、任意であってよい。
負極材料におけるタングステン酸ナトリウム(NaWO粒子32)の含有量は、蛍光X線分析によってNa、W、Oの含有量を測定することで確認できる。すなわち、蛍光X線分析で検出されたNa、W、Oの全量の内の少なくとも一部が、タングステン酸ナトリウム(NaWO粒子32)を構成するため、Na、W、Oの含有量によってタングステン酸ナトリウムの含有量が確認できる。
負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Naの含有量が、質量比率で0.01%以上0.5%以下であり、Wの含有量が、質量比率で0.5%以上10%以下であり、Oの含有量が、質量比率で0.1%以上5%以下であることが好ましい。また、負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Naの含有量が、質量比率で0.02%以上0.1%以下であり、Wの含有量が、質量比率で1%以上8%以下であり、Oの含有量が、質量比率で0.3%以上3%以下であることがより好ましい。また、負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Naの含有量が、質量比率で0.025%以上0.07%以下であり、Wの含有量が、質量比率で1%以上7%以下であり、Oの含有量が、質量比率で0.5%以上1.5%以下であることが更に好ましい。Na、W、Oの含有量がこれらの範囲となることで、タングステン酸ナトリウムが適量含有され、炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置できる。
負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Cの含有量が、質量比率で、85%以上99%以下であることが好ましく、90%以上98%以下であることがより好ましく、92%以上98%以下であることが更に好ましい。Cの含有量がこの範囲となることで、炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置できる。
負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Wの含有量に対するNaの含有量の比率であるNa/Wが、質量比率で、0.001以上0.15以下であることが好ましく、0.002以上0.1以下であることがより好ましく、0.003以上0.06以下であることが更に好ましい。また、負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Cの含有量に対するWの含有量の比率であるW/Cが、質量比率で、0.005以上0.2以下であることが好ましく、0.01以上0.1以下であることがより好ましく、0.01以上0.07以下であることが更に好ましい。含有量の比率がこれらの範囲となることで、炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置できる。
蛍光X線分析は、波長分散型蛍光X線分析装置を用いて行ってよく、測定条件は以下であってよい。
・測定装置:(株) リガク社製 ZSX PrimusIV
・管電圧:30kV
・管電流:100mA
測定方法としては、スタンダードレス・ファンダメンタル・パラメータ法を用い、解析にはリガク社のSQX散乱線FP法を用いてよい。
なお、負極材料層22は、負極材料(アモルファスカーボン粒子30及びNaWO粒子32)以外の物質を含んでよい。負極材料層22は、例えば、バインダを含んでよい。バインダの材料は任意であってよいが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)等が挙げられる。バインダは1種類のみで使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。ただし、負極材料層22は、言い換えれば負極材料は、黒鉛を含まないことが好ましい。
また、NaWO粒子32がアモルファスカーボン粒子30の表面に配置されていることは、SEM(Scanning Electron Microscope)や、TEM(Transmission Electron Microscope)などの電子顕微鏡で観察することで、確認することができる。
また、本実施形態における平均粒径とは、一次粒径(1つの粒子の径)の平均を指す。平均粒径の測定方法は任意であるが、例えば、SEM写真を用いて測定してもよい。
(正極)
正極16は、集電層と正極材料層とを備える。正極16の集電層は、導電性部材で構成される層であり、ここでの導電性部材としては、例えばアルミニウムが挙げられる。正極材料層は、正極材料の層であり、正極16の集電層の表面に設けられる。正極の集電層の厚みは、例えば、10μm以上30μm以下程度であってよく、正極材料層の厚みは、例えば10μm以上100μm以下程度であってよい。
正極材料層は、正極材料を含む。正極材料は、リチウムを含有する化合物であるリチウム化合物の粒子を含む。リチウム化合物としては、リチウム含有金属酸化物やリチウム含有リン酸塩などであってよい。より詳しくは、リチウム化合物は、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiNiCoMn(ただし、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1である)、LiFePO等が挙げられる。リチウム化合物は、1種類の材料のみを含んでもよいし、2種類以上の材料を含んでもよい。また、正極材料層は、正極材料以外の物質を含んでよく、例えば、バインダを含んでよい。バインダの材料は任意であってよいが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PAA等が挙げられる。バインダは1種類のみで使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。
(セパレータ)
セパレータ18は、絶縁性の部材である。本実施形態では、セパレータ18は、例えば、樹脂製の多孔質膜であり、樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。また、セパレータ18は、異なる材料の膜が積層された構造であってもよい。また、セパレータ18は、耐熱層を有していてもよい。耐熱層は、高融点の物質を含有する層である。耐熱層は、たとえば、アルミナ等の無機材料の粒子を含有してもよい。
(電解液)
電池1に設けられる電解液は、非水電解液である。電解液は、電極群12内の空隙に含浸されている。電解液は、例えば、リチウム塩および非プロトン性溶媒を含む。リチウム塩は、非プロトン性溶媒に分散、溶解している。リチウム塩としては、たとえば、LiPF、LiBF、Li[N(FSO]、Li[N(CFSO]、Li[B(C]、LiPOなどが挙げられる。非プロトン性溶媒は、例えば、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルの混合物であってよい。環状炭酸エステルとしては、たとえば、EC、PC、ブチレンカーボネート等が挙げられる。鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。
(電池の製造方法)
次に、本実施形態に係る電池1の製造方法を説明する。図3は、本実施形態の電池の製造方法を説明するフローチャートである。図3に示すように、本製造方法においては、ステップS10からステップS20の工程で、負極14を形成する。
具体的には、界面活性剤を溶媒に溶解させて、第1溶液を生成する(ステップS10)。第1溶液は、界面活性剤が溶解し、かつ、Na(イオン状態のNa)を含む溶液である。界面活性剤は、アモルファスカーボンを分散させるために用いられる。界面活性剤としては、アモルファスカーボンを分散可能な任意の物を用いてよいが、本実施形態では、Naを含有する物を用いる。Naを含有する界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を用いてよい。第1溶液の溶媒は、界面活性剤を溶解させる任意のものであってよいが、例えば水を用いてよい。
なお、界面活性剤は、Naを含有するものであることには限られない。この場合、例えばNaを含有しない界面活性剤と、Naを含有する化合物とを、溶媒に溶解させて、第1溶液を生成してもよい。Naを含有しない界面活性剤としては、例えば、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテルや、ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテルなどを用いてよい。ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が12以上15以下の物を用いることが好ましく、例えば、C1225O(CH(ポリ(オキシエチレン)ドデシルエーテル)、C1327O(CH(ポリ(オキシエチレン)トリデシルエーテル)、C1327O(CH(ポリ(オキシエチレン)イソトリデシルエーテル)、C1425O(CH(ポリ(オキシエチレン)テトラデシルエーテル)、C15525O(CH(ポリ(オキシエチレン)ペンタデシルエーテル)などを用いてよい。ここでnは1以上の整数である。ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテルとしては、例えば、C19(CHCHO)H、C19(CHCHO)10H、C19(CHCHO)12Hなどを用いてよい。Naを含有する化合物としては、例えば、硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムなどを用いてよい。
第1溶液における界面活性剤の含有量は、すなわち界面活性剤の添加量は、後段のステップS12で添加するアモルファスカーボン原料の添加量に対して、質量比率で、0.1%以上10%以下であることが好ましく、0.5%以上7%以下であることがより好ましく、1%以上5%以下であることが更に好ましい。この数値範囲とすることで、アモルファスカーボンとNaWOとの親和性を適切に向上できる。
次に、第1溶液にアモルファスカーボン原料を添加して、第2溶液を生成する(ステップS12)。アモルファスカーボン原料は、原料として用いられるアモルファスカーボンである。アモルファスカーボン原料は、例えば、平均粒径が、1μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。アモルファスカーボン原料の平均粒径をこの範囲とすることで、電池の容量を高くすることが可能となる。ステップS12では、アモルファスカーボン原料が添加された第1溶液、すなわち第2溶液を撹拌して、第1溶液中にアモルファスカーボン原料を分散させる。すなわち、第2溶液は、アモルファスカーボン原料が分散した第1溶液といえる。
アモルファスカーボン原料は、例えば、オイルファーネス法で製造されてよい。オイルファーネス法では、例えば高温雰囲気中に原料油を噴霧して熱分解させた後、急冷することで、粒子状のアモルファスカーボン原料を製造する。ただし、アモルファスカーボン原料の製造方法はこれに限られず任意であってよい。
次に、第2溶液とタングステン溶液とを混合して、第3溶液を生成する(ステップS14)。タングステン溶液は、WとOとを含む溶液である。タングステン溶液は、例えば、酸化タングステン原料が溶媒に溶解して生成される溶液である。ここでの酸化タングステン原料は、NaWO粒子32の原料であり、例えば三酸化タングステンが用いられる。溶媒としては、例えばアルカリ性の液体が用いられ、本実施形態ではアンモニア水溶液が用いられる。そのため、タングステン溶液は、本実施形態では、WとOとを含むアルカリ性の溶液であり、さらに言えば、タングステン酸アンモニウムである。ただし、タングステン溶液は、WとOとを含む任意の溶液であってよい。
第2溶液に添加するタングステン溶液に含まれるWの含有量は、すなわちWの添加量は、ステップS12で添加したアモルファスカーボン原料の添加量に対して、質量比率で、0.1%以上10%以下であることが好ましく、0.5%以上7%以下であることがより好ましく、1%以上5%以下であることが更に好ましい。この数値範囲とすることで、アモルファスカーボンとNaWOとの親和性を適切に向上できる。
次に、第3溶液の液体成分を除去することで、負極材料を生成する(負極材料生成ステップ)。本実施形態では、負極材料生成ステップとして、ステップS16、S18を実行する。具体的には、第3溶液を乾燥させて、負極中間物を生成する(ステップS16;乾燥ステップ)。ステップS16においては、例えば、大気中で第3溶液を80℃で12時間乾燥させることで、添加溶液に含まれる液体成分を除去、すなわち蒸発させる。ただし乾燥条件は任意であってよい。負極中間物は、第3溶液の液体成分が除去されて残った固形成分を含むものであるといえる。
次に、負極中間物を加熱することで、負極材料を生成する(ステップS18;加熱ステップ)。負極中間物を加熱することで、アモルファスカーボン粒子30の表面にNaWO粒子32が設けられた負極材料が形成される。すなわち、第3溶液において分散していたアモルファスカーボン粒子30の表面に、第3溶液に含まれていたイオン状態のNa、W、Oが、NaWO粒子32として析出して、負極材料が形成される。
加熱ステップにおいて負極中間物を加熱する条件は、任意であってよいが、次のように行われることが好ましい。すなわち、加熱ステップは、負極中間物を炉内に投入して、炉内を不活性雰囲気とするステップと、負極中間物を第1加熱速度で第1温度まで加熱する第1加熱ステップと、第1温度まで加熱した負極中間物を、第2加熱速度で第2温度まで加熱する第2加熱ステップとを含むことが好ましい。
炉内を不活性雰囲気とするステップにおける不活性雰囲気は、例えば、窒素雰囲気や、Arなどの希ガス雰囲気などであってよく、例えば炉内の酸素を窒素や希ガスに置換することで、不活性雰囲気としてよい。なお、このステップは必須ではない。
第1加熱ステップは、負極中間物に含まれる金属や有機物などを除去するステップである。第1加熱ステップにおける、第1加熱温度は、例えば550℃であるが、それに限られず、150℃以上625℃以下であることが好ましく、175℃以上600℃以下であることが好ましく、200℃以上575℃以下であることがより好ましい。第1加熱速度は、任意の速度であってよいが、例えば、45℃/時以上75℃/時以下であることが好ましく、50℃/時以上70℃/時以下であることがより好ましく、55℃/時以上65℃/時以下であることが更に好ましい。第1加熱温度や第1加熱速度をこの範囲とすることで、負極中間物に含まれる金属や有機物などを適切に除去できる。
第2加熱ステップは、第1加熱ステップ後に、NaWOを生成するステップである。第2加熱ステップにおける、第2加熱温度は、第1加熱温度より高く、例えば700℃であるが、それに限られず、680℃以上750℃以下であることが好ましく、685℃以上740℃以下であることが好ましく、690℃以上730℃以下であることがより好ましい。第2加熱速度は、任意の速度であってよいが、第1加熱速度より高いことが好ましく、例えば、165℃/時以上195℃/時以下であることが好ましく、170℃/時以上190℃/時以下であることがより好ましく、175℃/時以上185℃/時以下であることが更に好ましい。第2加熱温度や第2加熱速度をこの範囲とすることで、プロセスに要する時間を短くしつつ、NaWOを適切に生成できる。
第2加熱ステップにおいては、第2加熱温度まで加熱した負極中間物を、第2加熱温度で所定時間保持することが好ましい。ここでの保持時間は、1.25時間以上2.75時間以下であることが好ましく、1.5時間以上2.5時間以下であることがより好ましく、1.75時間以上2.25時間以下であることが更に好ましい。
なお、第1加熱ステップより前(かつ、本実施形態では不活性雰囲気にするステップの後)に、負極中間物を第3加熱速度で第3温度まで加熱して、第3温度で所定時間保持するステップが設けられていてもよい。第3温度は、第1温度より低く、例えば100℃であるが、それに限られず、80℃以上120℃以下であることが好ましく、85℃以上115℃以下であることが好ましく、90℃以上110℃以下であることがより好ましい。第3加熱速度も任意であってよく、例えば、165℃/時以上195℃/時以下であることが好ましく、170℃/時以上190℃/時以下であることがより好ましく、175℃/時以上185℃/時以下であることが更に好ましい。また、第3加熱温度で保持する所定時間も任意であってよく、例えば、0.5時間以上1.75時間以下であることが好ましく、0.75時間以上1.5時間以下であることがより好ましく、1時間以上1.25時間以下であることが更に好ましい。このステップを設けることで、水分を適切に除去できる。
次に、形成した負極材料を用いて、負極14を形成する(ステップS20)。すなわち、集電層20の表面に、負極材料を含んだ負極材料層22を形成して、負極14を形成する。
また、本製造方法は、正極16を形成する(ステップS22)。ステップS22においては、アモルファスカーボン原料の代わりに、リチウム化合物であるリチウム化合物原料を用いる点以外は、ステップS10からステップS20と同じの方法で、正極材料を形成してよい。そして、正極16用の集電層の表面に、正極材料を含んだ正極材料層を形成して、正極16を形成する。
負極14と正極16を形成したら、負極14と正極16とを用いて、電池1を製造する(ステップS24)。具体的には、負極14とセパレータ18と正極16とを積層して電極群12を形成して、電極群12と電解液とをケージング10内に収納して、電池1を製造する。
このように、本実施形態においては、ステップS10からステップS20で示したように、Na、O、Wを含み、かつアモルファスカーボンが分散した第3溶液を生成して、第3溶液から液体成分を除去することにより、負極材料を製造する。このような負極材料の製造方法を、以下、適宜、溶液法と記載する。ただし、本実施形態の負極材料の製造方法は、溶液法であることに限られない。例えば、溶液法の代わりに、ボールミルを用いた方法や、噴霧乾燥法や、CVD法などを用いて、負極材料を製造してもよい。ボールミルを用いた方法とは、アモルファスカーボンとNaWOをボールミル内に添加して、所定の回転速度で所定時間ボールミルを回転させることで、負極材料を製造する方法である。噴霧乾燥法とは、Naを含むタングステン溶液にアモルファスカーボンを添加して、その溶解用溶液を噴霧して乾燥させることにより、負極材料を製造する方法である。CVD法とは、Naを含むタングステン溶液を乾燥させて、アモルファスカーボンと共にCVD炉に入れて、所定の温度下で化学気相堆積を行って、負極材料を製造する方法である。また、正極材料の製造方法も、同様に、溶液法に限られず、ボールミルを用いた方法や、噴霧乾燥法や、CVD法など、任意の方法を用いてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る電池の負極材料は、アモルファスカーボンと、アモルファスカーボンの表面に設けられるタングステン酸ナトリウムと、を含む。本実施形態に係る負極材料は、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを設けることにより、容量などの電池特性を向上させることができる。また、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを設けた負極材料においては、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することが求められる。カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置できない場合、すなわちカーボンの表面にタングステン酸ナトリウムが設けられていなかったり、タングステン酸ナトリウムがカーボンの表面から切り離されてしまったりする場合には、電池特性を適切に向上できなくなる。それに対し、本実施形態に係る負極材料は、カーボンとして、非晶質のアモルファスカーボンを用いて、アモルファスカーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを設けている。アモルファスカーボンは、表面にタングステン酸ナトリウムを配置する処理の際に、表面に官能基(例、ヒドロキシ基、カルボキシル基)を含むことができる。そのため、この官能基によって、アモルファスカーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切にトラップすることが可能となり、表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置できる。また、この官能基によって、アモルファスカーボンの表面へのタングステン酸ナトリウムの密着性を高くすることができ、タングステン酸ナトリウムがカーボンの表面から切り離されることを抑制できる。そのため、本実施形態に係る負極材料は、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することができる。そして、本実施形態のようにアモルファスカーボンの表面にタングステン酸ナトリウムが設けられた負極材料を用いることで、特に高電流を充放電する際の容量を向上することが可能となるため、電池の特性を向上させることができる。特に、アモルファスカーボン原料は、例えば黒鉛に比べて低温で製造されるため、官能基が除去されずに残りやすく、表面にタングステン酸ナトリウムンを適切に配置できる。
また、本実施形態に係る負極材料は、立方晶と正方晶との少なくともいずれか一方の結晶構造のタングステン酸ナトリウムを含むことが好ましい。また、三斜晶の結晶構造のタングステン酸ナトリウムを含んでもよい。立方晶や正方晶のタングステン酸ナトリウムをアモルファスカーボンの表面に設けることで、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る負極材料において、タングステン酸ナトリウムは、NaWOという化学式で表され、xが0より大きく1以下でありyが2以上4以下であることが好ましい。このような化学式のタングステン酸ナトリウムを含むことで、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、ナトリウムの含有量が、質量比率で、0.01%以上0.5%以下であり、かつ、タングステンの含有量が、質量比率で、0.5%以上10%以下であり、酸素の含有量が、質量比率で、0.1%以上5%以下であることが好ましい。Na、W、Oがこの範囲となることで、タングステン酸ナトリウムが適切な量含まれて、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、タングステンに対するナトリウムの含有比率であるNa/Wが、0.001以上0.15以下であることが好ましい。Na/Wがこの範囲となることで、タングステン酸ナトリウムが適切な量含まれて、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る負極材料は、黒鉛を含まないことが好ましい。黒鉛を含まずにアモルファスカーボンを用いることで、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る負極材料の製造方法は、界面活性剤が溶解してナトリウムを含む第1溶液にアモルファスカーボンを添加して、第1溶液にアモルファスカーボンが分散した第2溶液を生成するステップと、第2溶液と、タングステンが含まれるタングステン溶液とを混合して、第3溶液を生成するステップと、第3溶液の液体成分を除去することで、負極材料を生成するステップと、を含む。本実施形態に係る負極の製造方法は、このように、Na、W、Oが溶解してアモルファスカーボンが分散する第3溶液により、負極材料を製造することで、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することが可能となる。また、タングステン溶液を加える前に、界面活性剤が溶解した第1溶液にアモルファスカーボンを添加することで、アモルファスカーボンを適切に分散させて、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することが可能となる。
また、本実施形態に係る負極材料の製造方法においては、アモルファスカーボンの添加量に対する、タングステンの添加量の比率を、質量比で、0.5%以上10%以下とすることが好ましい。Wの添加量をこの範囲とすることで、アモルファスカーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に形成して、負極として、電池特性を向上できる。
また、負極材料生成ステップは、第3溶液を乾燥させて負極中間物を生成する乾燥ステップと、負極中間物を加熱する加熱ステップと、を含むことが好ましい。第3溶液を乾燥させて形成した負極中間物を加熱して負極材料を生成することにより、アモルファスカーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に形成して、負極として、電池特性を向上できる。
また、加熱ステップは、負極中間物を、第1加熱速度で、150℃以上625℃以下の第1温度まで加熱するステップと、第1温度まで加熱した負極中間物を、第1加熱速度より高い第2加熱速度で、680℃以上750℃以下の第2温度まで加熱するステップと、負極中間物を第2温度で保持するステップと、を含むことが好ましい。第1加熱ステップ及び第2加熱ステップを経て負極材料を生成することで、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に形成できる。
(実施例)
次に、実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1においては、実施形態で説明した溶液法で、負極材料を製造した。具体的には、第1溶液として、水を溶媒として界面活性剤としてSDSが溶解した溶液を準備した。第1溶液におけるSDSの濃度は、4.8%とした。そして、添加するアモルファスカーボン原料に対する第1溶液中のSDSの質量比率が3%となるように、第1溶液に、アモルファスカーボン原料を添加して撹拌し、第2溶液とした。そして、第1溶液中のアモルファスカーボン原料に対するタングステン酸アンモニウム(タングステン溶液)に含まれるWの量が質量比で5%となるように、第2溶液にタングステン酸アンモニウム(タングステン溶液)を添加して、第3溶液とした。そして、第3溶液を撹拌した後、加熱により水分を蒸発させて乾燥させて、負極中間物を生成した。そして、この負極中間物を、管状炉(焼成炉)内に導入し、窒素雰囲気下で、第1加熱速度60℃/時にて第1加熱温度550℃迄昇温させ、第1加熱温度に達した後に第2加熱速度180℃/時にて第2加熱温度700℃に昇温し、2時間保持した。2時間保持した後、加熱を停止し50℃になるまで自然降温させて負極材料を生成した。
(実施例2)
実施例2においては、第1溶液中のアモルファスカーボン原料に対するタングステン酸アンモニウム(タングステン溶液)に含まれるWの量が質量比で5.0%とした点以外は、実施例1と同様の方法で、負極材料を生成した。
(実施例3)
実施例3においては、第1溶液における界面活性剤の濃度が5%となるように、界面活性剤C1225O(CH(ポリ(オキシエチレン)ドデシルエーテル)を添加し、第1溶液中のアモルファスカーボン原料に対するNaの量が0.025wt%なるようにステアリン酸ナトリウムを添加した以外は、実施例1と同様な条件で作製した。
(比較例1)
比較例1においては、アモルファスカーボンのみを用いて負極材料とした。
(負極材料の同定)
図4は、各例の負極材料の同定結果を示す表である。各例で製造した負極材料に対して、蛍光X線分析を実行して、負極材料に含まれる元素の含有量と、Na/W、W/Cとを測定した。元素の含有量の測定結果を図4に示す。なお、蛍光X線分析の測定条件は、上述の実施形態で説明した条件を用いた。
実施例1ないし3の負極材料は、アモルファスカーボン由来のC、タングステン酸ナトリウム由来のNa、W、C以外の元素(ここではSi、S)も含んでいるが、これらは不純物である。また、比較例1に含まれているC以外の元素(ここではO、Si、S)も含んでいるが、これらは不純物である。また、図4に挙げられている元素以外にも不可避的不純物を含んでもよい。
各例で製造した負極材料に対して、XRDを実行して、負極材料に含まれるタングステン酸ナトリウムの化学式と結晶構造とを同定した。同定結果を図4に示す。なお、XRDの測定条件は、上述の実施形態で説明した条件を用いた。
XRDの測定により、実施例1の負極材料は、立方晶のNa0.3WOを含むことが分かり、実施例2の負極材料は、立方晶のNa0.3WOと正方晶のNa0.1WOとを含むことが分かった。
各例で製造した負極材料を、SEMにより観察した。SEMの観察結果に示すように、実施例1、2においては、アモルファスカーボンの表面にタングステン酸ナトリウムが設けられていることが分かる。
(評価結果)
各例の負極材料の評価として、負極材料を用いた負極の容量を測定した。具体的には、Cレートを0.2とした場合の1g当たりの電流値(mAh/g)と、Cレートを3.2とした場合の1g当たりの電流値(mAh/g)とを測定した。例えばCレートを0.2とした場合の1g当たりの負極の電流値とは、5時間で定格容量を消費する電流値を指す。
図4に評価結果を示す。図4に示すように、タングステン酸ナトリウムがアモルファスカーボンの表面に設けられた実施例1ないし3においては、タングステン酸ナトリウムを含まない比較例1に対して、0.2Cでの電池特性が向上していることがわかる。さらに、実施例1ないし3の3.2Cの電池特性も、115,106,108となり、十分な値を保っていることが分かる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 電池
14 負極
22 負極材料層
30 アモルファスカーボン粒子
32 NaWO粒子

Claims (12)

  1. 電池の負極材料であって、
    アモルファスカーボンと、前記アモルファスカーボンの表面に設けられるタングステン酸ナトリウムと、を含む、負極材料。
  2. 立方晶と正方晶との少なくともいずれか一方の結晶構造の前記タングステン酸ナトリウムを含む、請求項1に記載の負極材料。
  3. 前記タングステン酸ナトリウムは、NaWOという化学式で表され、xが0より大きく1以下であり、yが2以上4以下である、請求項1又は請求項2に記載の負極材料。
  4. 蛍光X線分析で測定した場合における、ナトリウムの含有量が、質量比率で、0.01%以上0.5%以下であり、かつ、タングステンの含有量が、質量比率で、0.5%以上10%以下であり、酸素の含有量が、質量比率で、0.1%以上5%以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の負極材料。
  5. 蛍光X線分析で測定した場合における、タングステンに対するナトリウムの含有比率であるNa/Wが、0.001以上0.15以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の負極材料。
  6. タングステン酸ナトリウムとして、Na0.3WO、Na0.1WO、NaWO、及びNa1444の少なくとも1つを含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の負極材料。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の負極材料と、正極材料とを含む、電池。
  8. 電池の負極材料の製造方法であって、
    界面活性剤が溶解してナトリウムを含む第1溶液にアモルファスカーボンを添加して、前記第1溶液に前記アモルファスカーボンが分散した第2溶液を生成するステップと、
    前記第2溶液と、タングステンが含まれるタングステン溶液とを混合して、第3溶液を生成するステップと、
    前記第3溶液の液体成分を除去することで、負極材料を生成するステップと、
    を含む、負極材料の製造方法。
  9. 前記アモルファスカーボンの添加量に対する、前記タングステンの添加量の比率を、質量比で、0.1%以上10%以下とする、請求項8に記載の負極材料の製造方法。
  10. 前記負極材料を生成するステップは、
    前記第3溶液を乾燥させて負極中間物を生成する乾燥ステップと、
    前記負極中間物を加熱する加熱ステップと、を含む、請求項8又は請求項9に記載の負極材料の製造方法。
  11. 前記加熱ステップは、
    前記負極中間物を、第1加熱速度で、150℃以上625℃以下の第1温度まで加熱するステップと、
    前記第1温度まで加熱した前記負極中間物を、前記第1加熱速度より高い第2加熱速度で、680℃以上750℃以下の第2温度まで加熱するステップと、
    前記負極中間物を前記第2温度で保持するステップと、を含む、請求項10に記載の負極材料の製造方法。
  12. 請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の負極材料の製造方法と、正極材料を製造するステップと、を含む、電池の製造方法。
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