JP2023057495A - 電源回路及び電源装置 - Google Patents

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和之 指田
Kazuyuki Sashita
健一 岩尾
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Abstract

【課題】導通損失を低減し、かつ、簡便な方法でOR接続用スイッチを制御する電源回路及び電源装置を提供する。【解決手段】電源装置1において、電源回路100は、一次側コイル21、第1の二次側コイル22-1及び第2の二次側コイル22-2を有するトランス20と、一次側コイル22-1と接続された一次側メインスイッチ部10と、第1の二次側コイル22-1と接続されている第1の二次側整流部30と、出力端子Te3から電流が逆流することを阻止する向きにボディダイオードが配置されるOR接続用スイッチ40と、を備える。第2の二次側コイル22-2は、一方端が第2の二次側整流部50のダイオードD5を介してOR接続用スイッチ40のゲート電極と接続され、他方端が、第1の二次側整流部30及びOR接続用スイッチ40ののソース電極(ボディダイオードのアノード)と接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電源回路及び電源装置に関する。
従来、電源回路(コンバータ)を複数並列に接続して冗長構成とした電源装置が知られている。このような電源装置においては、複数の電源回路のうちの1つの電源回路が故障したときに出力電圧が低下することを防ぐための選択遮断回路が設けられている。
図5は、従来の電源装置9及び電源回路900を示す回路図である。従来の電源装置9は、図5に示すように、コンバータ部CONVとコンバータ部CONVの出力側に設けられ、出力端子からコンバータ部CONVに向かって電流が流れることを阻止する向きに配置されるORダイオード940とを備える電源回路900が複数並列に接続されている。各電源回路900の各ORダイオード940は、カソード側が互いに接続されたOR回路となる選択遮断回路SCCを構成する。これにより、複数の電源回路のうちの1つの電源回路が故障した場合でも出力電圧が低下することを防ぐことができる。また、故障した電源回路に向かって他の電源回路等から電流が逆流することを防ぐことができる。
国際公開2017/209238
ところで近年、導通損失を低減することが可能な電源装置が求められている。そこで、電圧降下による導通損失が比較的大きいORダイオードに代えてダイオードよりも導通損失が小さいスイッチング素子を用いることが考えられる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、スイッチング素子をオンさせる場合には出力電圧を超える電圧をゲート電極に印加しなければならず、例えばフローティングの補助電源を用いてゲート電圧を大きくする必要がある。このため、出力電圧が大きい場合(例えば数百Vの場合)には、そのような出力電圧を超える電圧を供給してOR接続用スイッチを制御することは容易ではない、という問題がある。
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、導通損失を低減することが可能で、かつ、簡便な方法でOR接続用スイッチを制御することが可能な電源回路を提供すること、及び、そのような電源回路を備える電源装置を提供することを目的とする。
本発明の電源回路は、一次側コイル、第1の二次側コイル、及び、第2の二次側コイルを有するトランスと、前記一次側コイルと接続され、スイッチング素子で構成されている一次側メインスイッチ部と、前記第1の二次側コイルと接続されている第1の二次側整流部と、出力端子から電流が逆流することを阻止する向きにボディダイオードが配置されるOR接続用スイッチとを備え、前記第2の二次側コイルは、一方端が前記OR接続用スイッチのゲート電極と接続され、他方端が、前記第1の二次側整流部、及び、前記OR接続用スイッチの前記ボディダイオードと接続されていることを特徴とする。
なお、トランスがセンタータップを有する場合のようにトランスが3つ以上の端子を有する場合には、トランスの「一方端」は、3つ以上の端子のうちの少なくとも1つのことを指し、「他方端」は3つ以上の端子のうちの「一方端」の端子以外の端子のうちの少なくとも1つのことを指す。
本発明の電源装置は、本発明の電源回路を複数備え、複数の前記電源回路の出力端子が互いに接続されていることを特徴とする。
本発明の電源回路及び電源装置によれば、出力端子から電流が逆流することを阻止する向きにボディダイオードが配置されるOR接続用スイッチを備えるため、ダイオードを用いた場合と比較して順方向電圧降下による導通損失を低減することができる。
また、本発明の電源回路及び電源装置によれば、第2の二次側コイルは、一方端がOR接続用スイッチのゲート電極と接続され、他方端が、第1の二次側整流部、及び、OR接続用スイッチのボディダイオードと接続されているため、トランスの一次側コイルに電流が流れたときに第2の二次側コイルに発生する誘導起電力によってOR接続用スイッチをオンすることができる。従って、出力電圧が大きい場合でも、出力電圧を超える電圧を供給するための補助電源を用いる必要がなく、トランスに第2の二次側コイルを形成するという簡便な方法でOR接続用スイッチを制御することが可能となる。
実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100を示す回路図である。なお、符号RLは負荷を示す。また、符号40のOR接続用スイッチに記載されたダイオードはボディダイオードを示す。 スイッチング素子Q1,Q4をオンした場合の電源回路100の動作を説明するために示す回路図である。 スイッチング素子Q2,Q3をオンした場合の電源回路100の動作を説明するために示す回路図である。 実施形態2に係る電源装置2及び電源回路102を示す回路図である。 従来の電源装置9及び電源回路900を示す回路図である。なお、符号910は一次側メインスイッチ部を示し、符号920はトランスを示し、符号921は一次側コイルを示し、符号922は二次側コイルを示し、符号930は二次側整流部を示す。
以下、本発明の電源回路及び電源装置について、図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[実施形態1]
1.実施形態1に係る電源装置1の構成
図1は、実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100を示す回路図である。実施形態1に係る電源装置1は、図1に示すように、並列に接続された複数(実施形態1においては2つ)の電源回路100を備える。各電源回路100には一対の出力端子Te3,Te4と、ボディダイオードのカソードが出力端子Te3と接続されたOR接続用スイッチ40がそれぞれ設けられており、各出力端子Te3同士が互いに接続され、各出力端子Te4同士が互いに接続されている。これにより、それぞれのOR接続用スイッチ40のボディダイオードのカソードが互いに接続されたOR回路となっており、選択遮断回路SCCを構成する。
実施形態1に係る電源回路100は、一次側メインスイッチ部10と、トランス20と、第1の二次側整流部30と、OR接続用スイッチ40と、第2の二次側整流部50と、入力コンデンサC1と、出力コンデンサC2と、一対の入力端子Te1,Te2と、一対の出力端子Te3,Te4とを備える。なお、一次側メインスイッチ部10と、トランス20と、第1の二次側整流部30とでコンバータ部CONVを構成する。実施形態1に係る電源回路100は、例えば、DC-DCコンバータである。
一対の入力端子Te1,Te2のうち、入力端子Te1は図示しない直流電源と接続され、入力端子Te2は基準電位と接続されており、入力電圧(直流電圧)Vinを入力する。入力端子Te1は電力供給線L1と接続されている。
一対の出力端子Te3,Te4のうち、出力端子Te3はハイサイド側の出力端子、出力端子Te4はローサイド側の出力端子であり、出力電圧Voutを出力する。出力端子Te3は電力供給線L2と接続され、出力端子Te4は、電力供給線L3と接続されている。
一次側メインスイッチ部10は、直列に接続されたスイッチング素子Q1,Q2、及び、直列に接続されたスイッチング素子Q3,Q4が並列に接続されたフルブリッジ型の駆動回路である。そして、スイッチング素子Q1とQ2の中点(接続点)が一次側コイル21の一方端と接続されており、直列に接続されたスイッチング素子Q3とQ4の中点が一次側コイル21の他方端と接続されている。スイッチング素子Q1(Q3)のドレイン電極はハイサイド側の入力端子Te1と接続され、ソース電極はスイッチング素子Q2(Q4)のドレイン電極と接続されている。スイッチング素子Q2(Q4)のドレイン電極はスイッチング素子Q1(Q3)のソース電極と接続され、ソース電極は基準電位に接続されている。スイッチング素子Q1、Q2,Q3,Q4は、例えばn型MOSFET(n型電界効果トランジスタ)を用いることができるが、IGBT等そのほか適宜のスイッチング素子を用いることができる。
なお、実施形態1においては、一次側メインスイッチ部10として、フルブリッジ型の駆動回路を用いたが、ハーフブリッジ型、そのほか適宜の駆動回路を用いることができる。
入力コンデンサC1は、一方端が電力供給線L1と接続され、他方端が、ローサイド側の入力端子Te2及び基準電位に接続されており、直流電圧を平滑化する。
トランス20は、一次側コイル21、第1の二次側コイル22-1、及び、第2の二次側コイル22-2を有する。トランス20において、一次側コイル21に一次側メインスイッチ部10から供給される電圧が印加されると、二次側コイル22-1、22-2との巻き線比に応じて変換した起電力が生じる。第1の二次側コイル22-1は第1の二次側整流部30と接続されている。第2の二次側コイル22-2は、一方端が第2の二次側整流部50のダイオードD5を介してOR接続用スイッチ40のゲート電極と接続されており、他方端がOR接続用スイッチ40のソース電極(ボディダイオードのアノード)、第1の二次側整流部30の整流ダイオードD1,D3、及び、出力コンデンサC2と接続されている。なお、第2の二次側コイル22-2に生じる起電力は、後述するOR接続用スイッチ40をオンすることができる程度の大きさでよく、第2の二次側コイル22-2の巻き線数は第1の二次側コイル22-1の巻き線数よりも少なくてもよい。
第1の二次側整流部30は、整流ダイオードD1,D2,D3,D4を有し、直列に接続された整流ダイオードD1,D2、及び、直列に接続された整流ダイオードD3,D4が並列に接続されたフルブリッジ型の整流回路である。そして、整流ダイオードD1,D2の中点(整流ダイオードD1,D2の間の配線)が第1の二次側コイル22-1の一方端と接続され、整流ダイオードD3,D4の中点が第1の二次側コイル22-1の他方端と接続されている。
整流ダイオードD1,D3のカソードは電力供給線L2と接続されている。整流ダイオードD1のアノードは、整流ダイオードD2のカソード及び第1の二次側コイル22-1の一方端と接続されている。整流ダイオードD2のアノードは、電力供給線L3と接続されている。また、整流ダイオードD3のカソードは電力供給線L2と接続されている。整流ダイオードD3のアノードは、整流ダイオードD4のカソード及び第1の二次側コイル22-1の他方端と接続されている。整流ダイオードD4のアノードは、電力供給線L3と接続されている。
なお、実施形態1においては、第1の二次側整流部30として、フルブリッジ型の整流回路を用いたが、ハーフブリッジ型、そのほか適宜の整流回路を用いることができる。
出力コンデンサC2は、ハイサイド側の電力供給線L2とローサイド側の電力供給線L3との間に配置され、出力電圧を平滑化する。
OR接続用スイッチ40(スイッチQ6)は、電力供給線L2を介してハイサイド側の出力端子Te3と接続されたn型MOSFETである。OR接続用スイッチ40においては、ボディダイオードのアノード(MOSFETのソース電極)が第1の二次側整流部30と接続されている。また、ボディダイオードのカソード(MOSFETのドレイン電極)が出力端子Te3と接続されており、言い換えると、ハイサイド側の出力端子Te3から第1の二次側整流部30に向かって電流が逆流することを阻止する向きにボディダイオードが配置されている。OR接続用スイッチ40のゲート電極は第2の二次側整流部50を介して第2の二次側コイル22-2と接続されており、第2の二次側コイル22-2に起電力が生じたときに、ゲート電極がオンとなるように構成されている。
第2の二次側整流部50は、ダイオードD5とコンデンサC3とを有する半波整流回路である。第2の二次側整流部50は、第2の二次側コイル22-2とOR接続用スイッチ40のゲート電極との間に接続されている。ダイオードD5は、アノードが第2の二次側コイル22-2の一方端と接続されており、カソード側がOR接続用スイッチ40のゲート電極及びコンデンサC3と接続されている。コンデンサC3は、一方端がダイオードD5のカソード及びOR接続用スイッチ40のゲート電極と接続され、他方端が、第2の二次側コイル22-2の他方端及び電力供給線L2と接続されている。
次に、実施形態1に係る電源回路の動作について説明する。図2は、スイッチング素子Q1,Q4をオンした場合の電源回路100の動作を説明するために示す回路図である。図3は、スイッチング素子Q2,Q3をオンした場合の電源回路100の動作を説明するために示す回路図である。
スイッチング素子Q1,Q4をオンした場合、図2に示すように、トランス20の一次側コイル21には図2の実線で示すような電圧が印加される。このとき、トランス20により、巻き線比に応じた起電力(図2の破線参照)が第1の二次側コイル22-1及び第2の二次側コイル22-2に生じる。第1の二次側コイル22-1に生じる起電力は第1の二次側整流部30によって整流され、出力コンデンサC2によって直流電圧に変換され、OR接続用スイッチ40のソース電極に向かって印加される。第2の二次側コイル22-2に生じる起電力は、第2の二次側整流部50によって整流され、直流電圧に変換されてOR接続用スイッチ40のゲート電極に向かって印加される。このとき、第2の二次側整流部50のコンデンサC3は充電される。これにより、OR接続用スイッチ40がオンとなり、出力コンデンサC2に蓄えられた電圧がOR接続用スイッチ40を通って出力端子Te3に印加される。
スイッチング素子Q2,Q3をオンした場合、図3に示すように、トランス20の一次側コイル21には図3の実線で示すような電圧が印加される。このとき、トランス20により、巻き線比に応じた起電力が第1の二次側コイル22-1及び第2の二次側コイル22-2に図3の破線で示すような向きに生じる。第1の二次側コイル22-1に生じる起電力は第1の二次側整流部30によって整流され、出力コンデンサC2によって直流電圧に変換され、OR接続用スイッチ40に向かって印加される。一方、第2の二次側コイル22-2に生じる起電力は、第2の二次側整流部50のダイオードD5の逆方向電圧なのでOR接続用スイッチ40のゲート電極に向かっては印加されない。しかし、スイッチング素子Q1,Q4をオンしたときに充電されたコンデンサC3から電圧が印加され、OR接続用スイッチ40のゲート電極をオンし続けることとなる。
仮に、一次側で不具合があり、一次側コイル21に電圧が印加されなかったときは、第1の二次側コイル22-1に起電力が生じず、出力端子Te3に電圧が印加されなくなる。また、第2の二次側コイル22-2に起電力が生じないため、OR接続用スイッチ40のゲート電極がオンされない(スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4をオフしている場合、コンデンサC3が放電された後、電圧が印加されなくなる)。従って、OR接続用スイッチ40がダイオードとして作用することとなるため、他の電源回路からコンバータ部CONVに電流が逆流することを防ぐことができる。
2.実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100の効果
実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100によれば、出力端子Te3から第1の二次側整流部30に向かって電流が流れることを阻止する向きにボディダイオードが配置されるOR接続用スイッチ40を備えるため、ダイオードを用いた場合と比較して順方向電圧降下による導通損失を低減することができる。
また、実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100によれば、第2の二次側コイル22-2は、一方端がOR接続用スイッチ40のゲート電極と接続され、他方端が、第1の二次側整流部、及び、OR接続用スイッチ40におけるボディダイオード(アノード)と接続されているため、トランス20の一次側コイル21に電圧が印加されたときに第2の二次側コイル22-2に発生する起電力によってOR接続用スイッチをオンすることができる。従って、出力電圧が大きい場合でも、出力電圧を超える電圧を供給するための補助電源を用いる必要がなく、トランス20に第2の二次側コイル22-2を形成するという簡便な方法でOR接続用スイッチを制御することが可能となる。
また、実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100によれば、第2の二次側コイル22-2とOR接続用スイッチ40のゲート電極との間に接続されている第2の二次側整流部50を備えるため、第2の二次側コイル22-2に生じる起電力を整流し直流電圧に変換することでOR接続用スイッチ40のゲート電極に印加する電圧とすることができる。従って、一次側コイル21に印加する電圧に追従してOR接続用スイッチ40のオンオフを制御することができる。
また、実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100によれば、第2の二次側整流部50は、アノードが第2の二次側コイル22-2の一方端と接続され、カソードがOR接続用スイッチ40のゲート電極と接続されたダイオードD5(整流素子)と、ダイオードD5のカソードと第2の二次側コイル22-2の他端との間に接続されたコンデンサC3とを有するため、少ない部品点数で第2の二次側コイル22-2に生じる起電力をOR接続用スイッチ40のオンオフに用いる電圧とすることができる。また、コンデンサC3を有するため、スイッチング素子Q1,Q4をオンしたときに充電した電力でスイッチング素子Q2,Q3をオンしたときに電圧を維持し、OR接続用スイッチ40をオンし続けることができる。
また、実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100によれば、OR接続用スイッチ40におけるボディダイオードのカソードは一対の出力端子のうちのハイサイド側の出力端子Te3と接続されているため、他の電源回路から電流が逆流した時の影響が大きくなる可能性が高いハイサイド側を確実に守ることができる。
また、実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100によれば、OR接続用スイッチ40は、電界効果トランジスタであるため、ダイオードの場合よりも電圧降下が低く、導通損失を小さくすることができる。また、ゲートをオンするための駆動電力が少なくて済む。
また、実施形態1に係る電源装置1によれば、複数の電源回路100の出力端子が互いに接続されているため、複数の電源回路のうちの1つの電源回路が故障したときに出力電圧が低下することを防ぐための選択遮断回路を構成することができる。また、故障した電源回路に向かって他の電源回路等から電流が逆流することを防ぐことができる。
[実施形態2]
図4は、実施形態2に係る電源装置2及び電源回路102を示す回路図である。実施形態2に係る電源装置2及び電源回路102は、基本的には実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100と同様の構成を有するが、第2の二次側整流部の構成が実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100の場合とは異なる。実施形態2に係る電源装置2及び電源回路102において、第2の二次側整流部52は、センタータップ方式の全波整流型の整流回路である(図4参照)。
第2の二次側整流部52は、ダイオードD5,D6及びコンデンサC3を有する。
ダイオードD5のアノードは、第2の二次側コイル22-2の一方端と接続され、ダイオードD5のカソードは、コンデンサC3、OR接続用スイッチ40のゲート電極、及び、ダイオードD6のカソードと接続されている。
ダイオードD6のアノードは、第2の二次側コイル22-2の他方端と接続され、ダイオードD6のカソードは、コンデンサC3、OR接続用スイッチ40のゲート電極、及び、ダイオードD5のカソードと接続されている。
コンデンサC3の一方端は、ダイオードD5,D6のカソード、及び、OR接続用スイッチ40のゲート電極と接続され、コンデンサC3の他方端は、第2の二次側コイル22-2のセンタータップ及び電力供給線L2と接続されている。
第2の二次側整流部52においては、スイッチング素子Q2,Q3をオンした場合でも、第2の二次側コイル22-2に生じる起電力は、第2の二次側整流部50のダイオードD6を通過し、コンデンサC3で直流変換されてOR接続用スイッチ40のゲート電極に向かって印加される。従って、第2の二次側コイル22-2に起電力が生じている場合には、OR接続用スイッチ40をオンし続けることができる。コンデンサC3の充電に頼らずにOR接続用スイッチ40をオンし続けることができるため、一次側メインスイッチ部10のオンオフ切り替えの間隔が比較的長い場合に好適である。
なお、実施形態2においては、第2の二次側整流部52として、センタータップ方式の整流回路を用いたが、ダイオード4個を用いたブリッジ整流回路でもよいし、半波整流回路を2組直列に接続した整流回路でもよく、全波整流回路であれば適宜の回路を用いることができる。
このように、実施形態2に係る電源装置2及び電源回路102は、第2の二次側整流部の構成が実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100の場合とは異なるが、実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100の場合と同様に、出力端子Te3から第1の二次側整流部30に向かって電流が流れることを阻止する向きにボディダイオードが配置されるOR接続用スイッチ40を備えるため、ダイオードを用いた場合と比較して順方向電圧降下による導通損失を低減することができる。
また、実施形態2に係る電源装置2及び電源回路102によれば、第2の二次側コイル22-2は、一方端がOR接続用スイッチ40のゲート電極と接続され、他方端が、第1の二次側整流部、及び、OR接続用スイッチにおけるボディダイオード(アノード)と接続されているため、トランス20の一次側コイル21に電圧が印加されたときに第2の二次側コイル22-2に発生する誘導電圧によってOR接続用スイッチをオンすることができる。従って、出力電圧が大きい場合でも、出力電圧を超える電圧を供給するための補助電源を用いる必要がなく、トランス20に第2の二次側コイル22-2を形成するという簡便な方法でOR接続用スイッチを制御することが可能となる。
また、実施形態2に係る電源装置2及び電源回路102によれば、第2の二次側整流部52が、全波整流回路であるため、一次側メインスイッチ部10のオンオフ切り替えの間隔が比較的長い場合であってもOR接続用スイッチ40のオンオフを制御することができる。
なお、実施形態2に係る電源装置2及び電源回路102は、第2の二次側整流部の構成以外の点においては実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る電源装置1及び電源回路100が有する効果のうち該当する効果を有する。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態(各変形例も含む。以下同じ。)において記載した位置、大きさ、個数等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
(2)上記各実施形態においては、2つの電源回路を備える電源装置としたが、本発明はこれに限定するものではない。3以上の電源回路を備えてもよい。
(3)上記各実施形態においては、スイッチング素子として電界効果トランジスタ(MOSFT)を用いたが、本発明はこれに限定するものではない。スイッチング素子として、IGBT、サイリスタ、トライアック、その他適宜のスイッチング素子を用いることができる。
(4)上記各実施形態においては、OR接続用スイッチをハイサイド側に配置したが、本発明はこれに限定するものではない。OR接続用スイッチをローサイド側に配置してもよい。この場合、ボディダイオードのアノードが出力端子側となり、カソードが第1の二次側整流部側となる。
(5)上記各実施形態においては、コンバータ部(DC-DCコンバータ)として、LLC共振式のコンバータ部を用いたが、本発明はこれに限定するものではない。コンバータ部(DC-DCコンバータ)として、フォワード方式のコンバータ部、フライバック方式のコンバータ部、その他適宜のコンバータ部を用いてもよい。
1,2,9…電源装置、10,910…一次側メインスイッチ部、20,920…トランス、21,921…一次側コイル、22-1…第1の二次側コイル、22-2…第2の二次側コイル、30,930…第1の二次側整流部、40…OR接続用スイッチ、50,52…第2の二次側整流部、100,102,900…電源回路、C3…コンデンサ、D5,D6…ダイオード、Q1,Q2,Q3,Q4…スイッチング素子、Te1,Te2…入力端子、Te3,Te4…出力端子

Claims (7)

  1. 一次側コイル、第1の二次側コイル、及び、第2の二次側コイルを有するトランスと、
    前記一次側コイルと接続され、スイッチング素子で構成されている一次側メインスイッチ部と、
    前記第1の二次側コイルと接続されている第1の二次側整流部と、
    出力端子から電流が逆流することを阻止する向きにボディダイオードが配置されるOR接続用スイッチとを備え、
    前記第2の二次側コイルは、一方端が前記OR接続用スイッチのゲート電極と接続され、他方端が、前記第1の二次側整流部、及び、前記OR接続用スイッチの前記ボディダイオードと接続されていることを特徴とする電源回路。
  2. 前記第2の二次側コイルと前記OR接続用スイッチの前記ゲート電極との間に接続されている第2の二次側整流部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
  3. 前記第2の二次側整流部は、
    アノードが前記第2の二次側コイルの前記一方端又は前記他方端と接続され、カソードが前記OR接続用スイッチの前記ゲート電極と接続された整流素子と、
    前記第2の二次側コイルと並列に接続されたコンデンサとを有することを特徴とする請求項2に記載の電源回路。
  4. 前記第2の二次側整流部は、全波整流回路であることを特徴とする請求項2に記載の電源回路。
  5. 前記出力端子は、一対の出力端子であり
    前記OR接続用スイッチにおける前記ボディダイオードのカソードは、前記一対の出力端子のうちのハイサイド側の出力端子と接続されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の電源回路。
  6. 前記OR接続用スイッチは、電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の電源回路。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の電源回路を複数備え、
    複数の前記電源回路の出力端子が互いに接続されていることを特徴とする電源装置。
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