JP2023056706A - サンルーフ装置 - Google Patents

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藍青 河津
Aisei Kawazu
千年 西山
Chitose Nishiyama
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Abstract

Figure 2023056706000001
【課題】動力伝達部材の耐久性を高めることができるサンルーフ装置を提供する。
【解決手段】サンルーフ装置30は、駆動シュー110から伝達される動力に基づき、レールユニット60に沿って前記前後方向に変位することによりリアリンクを駆動するチェックロッド180と、駆動シュー110とチェックロッド180とを連結する接続位置及び駆動シュー110とチェックロッド180とを連結しない切断位置の間で変位するチェックブロック190と、を有する動力伝達部材170を備える。チェックブロック190は、可動パネル40が全閉位置及びチルトアップ位置の間で作動する場合には接続位置に変位し、可動パネル40がチルトアップ位置及び全開位置の間で作動する場合には切断位置に変位する。
【選択図】図16

Description

本発明は、サンルーフ装置に関する。
特許文献1には、ルーフ開口部を有する車体と、ルーフに設置されるサンルーフ装置と、を備える車両が開示されている。サンルーフ装置は、ルーフ開口部の両側で前後方向に延びる2本のガイドレールと、ルーフ開口部を開閉する可動パネルと、2本のガイドレールに沿って移動することで可動パネルを開閉作動する2つの移動体と、を備える。
移動体は、ガイドレールに沿って移動する駆動シューと、駆動シューの移動に伴い姿勢が変化するフロントリンク及びリアリンクと、可動パネルを支持する支持ブラケットと、を有する。フロントリンクは、支持ブラケットの前端部を支持し、リアリンクは、フロントリンクよりも後方で支持ブラケットを支持している。
可動パネルが全閉位置に位置する状況下において、駆動シューが後方に移動すると、リアリンクが支持ブラケットの後端部を押し上げるように起立する。こうして、可動パネルは、全閉位置よりも、可動パネルの後端部が上昇するチルトアップ位置に位置する。可動パネルがチルトアップ位置に位置する状況下において、駆動シューが後方に移動すると、リアリンクが起立したまま、フロントリンクが後方に移動する。このとき、リアリンクに対して、支持ブラケットが後方に移動する。こうして、可動パネルは、全開位置に向かって変位する。
特開2018-131056号公報
上記のようなサンルーフ装置において、駆動シューとリアリンクとは、長尺の動力伝達部材によって接続される。動力伝達部材には、駆動シューが変位したり可動パネルに外力が作用したりする場合に、長手方向に対して引張荷重及び圧縮荷重が作用し得る。このため、動力伝達部材は、上記のような荷重が作用しても、応力集中が起きにくく、座屈強度が高いことが望まれている。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するサンルーフ装置は、車両のルーフ開口部を全閉する全閉位置、前記全閉位置よりも後端部が上昇したチルトアップ位置及び前記ルーフ開口部を全開する全開位置の間で作動される可動パネルと、前記可動パネルの幅方向における両側で前記可動パネルを支持し、前後方向に延びる支持ブラケットと、前記ルーフ開口部の前記幅方向における両側に配置され、前記前後方向を長手方向とするレールユニットと、前記支持ブラケットを支持するフロント支持部と、前記フロント支持部よりも後方で前記支持ブラケットを支持するリア支持部と、前記レールユニットに沿って前記前後方向に変位することにより、前記フロント支持部及び前記リア支持部を駆動する駆動シューと、前記駆動シューから前記リア支持部に動力を伝達する動力伝達部材と、を備え、前記フロント支持部は、前記駆動シューから伝達される動力に基づき、前記レールユニットに沿って前記前後方向に変位することにより、前記チルトアップ位置及び前記全開位置の間で前記可動パネルを作動させるフロントリンクを有し、前記リア支持部は、前記動力伝達部材から伝達される動力に基づき、前記幅方向に延びる軸線回りに回転することにより、前記全閉位置及び前記チルトアップ位置の間で前記可動パネルを作動させるリアリンクを有し、前記動力伝達部材は、前記駆動シューから伝達される動力に基づき、前記レールユニットに沿って前記前後方向に変位することにより前記リアリンクを駆動するチェックロッドと、前記駆動シュー及び前記チェックロッドの一方に支持され、前記駆動シューと前記チェックロッドとを連結する接続位置及び前記駆動シューと前記チェックロッドとを連結しない切断位置の間で変位するチェックブロックと、を有し、前記チェックブロックは、前記可動パネルが前記全閉位置及び前記チルトアップ位置の間で作動する場合には前記接続位置に変位し、前記可動パネルが前記チルトアップ位置及び前記全開位置の間で作動する場合には前記切断位置に変位する。
上記構成のサンルーフ装置は、チェックブロックが接続位置及び切断位置の間を変位することで、駆動シューからチェックロッドに対する動力の伝達状態を切り替える。言い換えれば、サンルーフ装置は、駆動シューからチェックロッドに対する動力の伝達状態を切り替えるために、チェックロッドの曲げ及びねじりといった変形を利用しない。したがって、変形しているチェックロッドに外力が作用することが抑制される点で、チェックロッドに応力集中などが起きにくい。したがって、上記構成のサンルーフ装置は、動力伝達部材の耐久性を高めることができる。
上記サンルーフ装置において、前記チェックロッドは、前記チェックブロックを支持し、前記チェックブロックは、前記駆動シューが後方に変位するときに、係合対象が前記駆動シューから前記レールユニットに切り替わることにより前記切断位置に変位し、前記駆動シューが前方に変位するときに、係合対象が前記レールユニットから前記駆動シューに切り替わることにより前記接続位置に変位することが好ましい。
駆動シューがチェックブロックを支持する場合、駆動シューとともに変位するチェックブロックがレールユニットに干渉しないように、レールユニットの形状を工夫する必要がある。この点、上記構成のサンルーフ装置は、チェックロッドがチェックブロックを支持するため、レールユニットの形状を簡素化できる。さらに、サンルーフ装置は、駆動シューの変位する方向に応じて、チェックブロックの位置を切り替えることができる。
上記サンルーフ装置において、前記チェックブロックは、前記幅方向に延びる係合軸を有し、前記係合軸の先端部は、前記チェックブロックが前記接続位置に変位するときに、前記駆動シューと係合し、前記係合軸の基端部は、前記チェックブロックが前記切断位置に変位するときに、前記レールユニットに係合することが好ましい。
上記構成のサンルーフ装置において、チェックブロックの係合軸は、駆動シューと係合する部分として機能するとともに、レールユニットに係合する部分として機能する。このため、サンルーフ装置は、チェックブロックに2本の係合軸を設けなくてもよい点で、チェックブロックの構造を簡素化できる。
上記サンルーフ装置において、前記チェックブロックは、前記チェックロッドの先端部を前記幅方向に挟む挟持部を有することが好ましい。
上記構成のサンルーフ装置は、チェックブロックを接続位置及び切断位置の間で円滑に変位させることができる。
上記構成のサンルーフ装置は、動力伝達部材の耐久性を高めることができる。
サンルーフ装置を備える車両の概略構成を示す斜視図。 サンルーフ装置の概略構成を示す平面図。 サンルーフ装置の斜視図。 レールユニットを部分的に破断したサンルーフ装置の斜視図。 レールユニットを部分的に破断したサンルーフ装置の斜視図。 レールユニットの分解斜視図。 レールユニットの分解斜視図。 サンルーフ装置の前側部分の分解斜視図。 サンルーフ装置の前側部分の分解斜視図。 サンルーフ装置の後側部分の分解斜視図。 サンルーフ装置の後側部分の分解斜視図。 サンルーフ装置の平面図。 可動パネルが全閉位置に位置しているときのサンルーフ装置の側面図。 可動パネルが全閉位置に位置しているときの駆動シューとフロント支持部との関係を示す側面図。 可動パネルが全閉位置に位置しているときの動力伝達部材とリア支持部との関係を示す側面図。 可動パネルが全閉位置に位置しているときの駆動シューと動力伝達部材との関係を示す側面図。 可動パネルが全閉位置及びチルトアップ位置の間に位置しているときのサンルーフ装置の側面図。 可動パネルが全閉位置及びチルトアップ位置の間に位置しているときの動力伝達部材とリア支持部との関係を示す側面図。 可動パネルがチルトアップ位置に位置しているときのサンルーフ装置の側面図。 可動パネルがチルトアップ位置に位置しているときの動力伝達部材とリア支持部との関係を示す側面図。 可動パネルがチルトアップ位置に位置しているときの駆動シューと動力伝達部材との関係を示す側面図。 可動パネルがリフトアップ位置に位置しているときのサンルーフ装置の側面図。 可動パネルがリフトアップ位置に位置しているときの駆動シューとフロント支持部との関係を示す側面図。 可動パネルが全開位置に位置しているときのサンルーフ装置の側面図。 可動パネルが全開位置に位置しているときの駆動シューとフロント支持部とリア支持部との関係を示す側面図。
以下、サンルーフ装置を備える車両の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<車両10>
図1に示すように、車両10は、車体20と、サンルーフ装置30と、を備える。
図面において、X軸の延びる方向は車両10の幅方向を示し、Y軸の延びる方向は車両10の前後方向を示し、Z軸の延びる方向は車両10の上下方向を示している。以降の説明では、「車両10の幅方向、車両10の前後方向及び車両10の上下方向」を、それぞれ「幅方向、前後方向及び上下方向」ともいう。
<車体20>
図2に示すように、車体20は、ルーフを構成するルーフパネル21を備える。ルーフパネル21は、前後方向に延びる2つのサイドパネル22と、2つのサイドパネル22の前端同士を接続するフロントパネル23と、2つのサイドパネル22の後端同士を接続するリアパネル24と、を有する。ルーフパネル21は、2つのサイドパネル22、フロントパネル23及びリアパネル24に区画されるルーフ開口部25を有する。上方からの平面視において、ルーフ開口部25は、幅方向を長手方向とし前後方向を短手方向とする矩形状をなしている。ルーフパネル21には、ルーフ開口部25を囲うようにウェザーストリップ26が設置されている。
<サンルーフ装置30>
図2に示すように、サンルーフ装置30は、可動パネル40と、アクチュエータ50と、を備える。図3~図5に示すように、サンルーフ装置30は、レールユニット60と、支持ブラケット100と、駆動シュー110と、フロント支持部120と、リア支持部140と、動力伝達部材170と、デフレクタ200と、を備える。
図2に示すように、サンルーフ装置30の構成部品の多くは、左右対称な形状をなしているとともに、ルーフ開口部25の右側及び左側に配置されている。このため、以降の説明では、サンルーフ装置30の右側の構成部品について説明する。さらに、車体20に搭載されたときの方向に従って、サンルーフ装置30の構成部品を説明する。
<可動パネル40>
図2に示すように、可動パネル40は、板状をなすパネル本体41と、パネル本体41に接合されるパネルブラケット42と、を備える。
パネル本体41は、ガラス又は樹脂などの光を通すことのできる材質で構成されている。パネル本体41は、ルーフ開口部25に応じた大きさ及び形状をなしている。パネル本体41の周縁は、パネル本体41を保護する目的で、樹脂材料によって被覆されることが好ましい。パネルブラケット42は、パネル本体41の下面に接合されている。パネルブラケット42は、パネル本体41の幅方向における両側で前後方向に延びている。例えば、パネルブラケット42は、RIM成形される。パネル本体41とパネルブラケット42とは、RIM成形時に一体化させることも可能である。または、別々に製造したパネル本体41とパネルブラケット42とをウレタン接着により接合することも可能である。
<アクチュエータ50>
図2に示すように、アクチュエータ50は、モータ51と、モータ51に駆動されるケーブル52と、モータ51の出力軸の回転運動をケーブル52の進退運動に変換する変換機構53と、を備える。
モータ51と変換機構53とは、フロントパネル23の幅方向における中央部に固定されている。ケーブル52は、駆動シュー110を押し引き可能なプッシュプルケーブルである。ケーブル52は、フロントパネル23とレールユニット60とに沿って配索されている。ケーブル52の先端は、レールユニット60の内部において、駆動シュー110に接続されている。こうして、アクチュエータ50は、モータ51の出力軸の回転方向に応じて、駆動シュー110をレールユニット60に沿って進退させる。
<レールユニット60>
図6及び図7に示すように、レールユニット60は、前後方向に延びるメインレール70と、メインレール70の前端部に装着されるインナーキャップ80及びアウターキャップ90と、を備える。
メインレール70は、幅方向における側面視において、上方に凸となるように僅かに湾曲している。本実施形態において、前後方向に延びるメインレールとは、直線状に延びるメインレールだけでなく、湾曲しつつ延びるメインレールを含んでいる。メインレール70は、底壁71と、底壁71から延びる内壁72、中間壁73及び外壁74と、を有する。メインレール70は、例えば、アルミニウムなどの金属材料を押出加工した後に切削加工することによって成形される。この点で、メインレール70は、切削加工される部位を除き、長手方向に一定の断面形状をなしている。
底壁71は、前後方向を長手方向とし、上下方向を板厚方向とし、幅方向を短手方向とする平板状をなしている。底壁71は、貫通孔が設けられる部分を除き、長手方向に一様な断面形状をなしている。
図6及び図7に示すように、内壁72は、底壁71の幅方向における内端から延びている。図6に示すように、内壁72の前後方向における長さは、底壁71の前後方向における長さよりも短くなっている。詳しくは、内壁72の前端は、底壁71の前端よりも後方に位置し、内壁72の後端は、底壁71の後端と一致している。図7に示すように、内壁72は、底壁71から上方に延びる第1内壁72aと、第1内壁72aの先端から中間壁73に向かって延びる第2内壁72bと、を有する。第2内壁72bの先端は、底壁71に向かって屈曲している。
図6及び図7に示すように、中間壁73は、底壁71の幅方向における中間部から延びている。図6に示すように、中間壁73の前後方向における長さは、底壁71の前後方向における長さよりも短くなっている。詳しくは、中間壁73の前端は、底壁71の前端と一致しているが、中間壁73の後端は、底壁71の後端よりも前方に位置している。また、中間壁73の後端は、内壁72の前端よりも後方に位置している。言い換えれば、中間壁73及び内壁72は、部分的に幅方向に対向している。図7に示すように、中間壁73は、底壁71から上方に延びる第1中間壁73aと、第1中間壁73aから外壁74に向かって延びる第2中間壁73b及び第3中間壁73cと、を有する。第2中間壁73bは、第1中間壁73aの先端から延びている。第3中間壁73cは、第2中間壁73bと底壁71との間に位置している。第3中間壁73cの先端は、底壁71に向かって屈曲している。
図6及び図7に示すように、外壁74は、底壁71の外端から延びている。図6に示すように、外壁74の前後方向における長さは、底壁71の前後方向における長さと同等となっている。つまり、外壁74の前端は底壁71の前端と一致し、外壁74の後端は底壁71の後端と一致している。図7に示すように、外壁74は、底壁71から上方に延びる第1外壁74aと、第1外壁74aから中間壁73に向かって延びる第2外壁74b、第3外壁74c、第4外壁74d及び第5外壁74eと、を有する。第1外壁74aは、湾曲しつつ中間壁73に向かって延びた後、上方に延びている。第2外壁74bは、第1外壁74aの先端から幅方向における内方に延びている。第3外壁74c、第4外壁74d及び第5外壁74eは、第2外壁74bと底壁71との間に位置している。幅方向において、第2外壁74b及び第3外壁74cは、第2中間壁73b及び第3中間壁73cとそれぞれ対向している。第5外壁74eの先端は、底壁71に向かって僅かに屈曲している。図6に示すように、外壁74において、第2外壁74b及び第3外壁74cは、第4外壁74d及び第5外壁74eよりも前後方向における長さが短くなっている。詳しくは、第2外壁74bの前端及び第3外壁74cの前端は、第4外壁74dの前端及び第5外壁74eの前端と一致しているが、第2外壁74bの後端及び第3外壁74cの後端は、第4外壁74dの後端及び第5外壁74eの後端よりも前方に位置している。第1外壁74aの上端部についても、後端部が切り欠かれている。
図7に示すように、以降の説明では、メインレール70において、底壁71、内壁72及び中間壁73によって区画される空間を第1収容空間75ともいい、底壁71、中間壁73及び外壁74によって区画される空間を第2収容空間76ともいう。第1収容空間75は、幅方向における内方に位置し、第2収容空間76は、幅方向における外方に位置している。また、上述したように、前後方向において、中間壁73は、底壁71の後端まで延びていないため、メインレール70の後部において、第1収容空間75及び第2収容空間76は、幅方向に接続している。
第1収容空間75は、第1ガイド溝75aを含む。第1ガイド溝75aは、底壁71、第1内壁72a及び第2内壁72bに区画される空間である。一方、第2収容空間76は、第2ガイド溝76b、第3ガイド溝76c、第4ガイド溝76d及び第5ガイド溝76eを含む。第2ガイド溝76bは、第1中間壁73a、第2中間壁73b及び第3中間壁73cに区画される空間と、第1外壁74a、第2外壁74b及び第3外壁74cに区画される空間と、を含む。第3ガイド溝76cは、底壁71、第1中間壁73a及び第3中間壁73cに区画される空間である。第4ガイド溝76dは、第1外壁74a、第4外壁74d及び第5外壁74eに区画される空間である。第5ガイド溝76eは、底壁71、第1外壁74a及び第5外壁74eに区画される空間である。
図6及び図7に示すように、インナーキャップ80は、レールユニット60の前端部を構成する延長部81と、メインレール70に嵌合する嵌合部82と、メインレール70に挿入される挿入部83と、ルーフパネル21に固定される固定部84と、を有する。延長部81は、幅方向を深さ方向とする第2ガイド溝81bを有する。第2ガイド溝81bは、前方に進むにつれて下方に向かうように湾曲している。挿入部83は、嵌合部82よりも後方に直線状に延びている。挿入部83は、下方に向かって凹む係合凹部85を含む。係合凹部85は、挿入部83の後端寄りに位置している。インナーキャップ80は、嵌合部82がメインレール70の第3ガイド溝76cに嵌合することにより、メインレール70と一体化する。このとき、第2ガイド溝81bは、メインレール70の第2ガイド溝76bと前後方向に接続される。また、挿入部83は、メインレール70の底壁71上に位置する。
アウターキャップ90は、インナーキャップ80と略同様の構成である。アウターキャップ90は、インナーキャップ80の延長部81、嵌合部82及び固定部84に相当する延長部91、嵌合部92及び固定部93と、支持ブラケット100の先端部の動きを制限する規制部94と、を有する。規制部94は、幅方向における内方に向かって突出する2つのリブとして構成されている。アウターキャップ90は、嵌合部92がメインレール70の第4ガイド溝76dに嵌合することにより、メインレール70と一体化する。このとき、アウターキャップ90の第2ガイド溝91bは、メインレール70の第2ガイド溝76bと前後方向に接続される。
図2に示すように、レールユニット60は、サイドパネル22と隣り合うように車体20に固定されている。こうして、レールユニット60は、ルーフ開口部25の幅方向における両側で前後方向に延びている。
<支持ブラケット100>
図2に示すように、支持ブラケット100は、前後方向に延びている。支持ブラケット100の長さは、可動パネル40のパネルブラケット42の長さと同等であることが好ましい。支持ブラケット100は、例えば、金属板をプレス加工することにより成形される。
図8~図11に示すように、支持ブラケット100は、前後方向に延びる主壁101と、主壁101から屈曲して延びる上部フランジ102及び下部フランジ103と、幅方向を軸方向とする支持軸104と、幅方向を軸方向とする複数の固定孔105と、を備える。
主壁101は、幅方向を板厚方向とする板状をなしている。上部フランジ102は主壁101の上端から幅方向における外方に延び、下部フランジ103は主壁101の下端から幅方向における内方に延びている。支持軸104は、円柱状をなし、支持ブラケット100の先端部から幅方向に対称に延びている。複数の固定孔105は、支持ブラケット100の長手方向に間隔をあけて位置している。
図4及び図5に示すように、支持ブラケット100は、レールユニット60に収容されている。詳しくは、図4及び図5に示す状態において、支持ブラケット100は、メインレール70の中間壁73及び外壁74の間であって、インナーキャップ80及びアウターキャップ90の間に配置されている。支持軸104は、レールユニット60の第2ガイド溝81b,91bに収容されている。このため、支持ブラケット100がレールユニット60に対して相対的に変位する場合、支持軸104は、レールユニット60の第2ガイド溝76b,81b,91bを構成する壁部と摺動する。
図2に示すように、支持ブラケット100は、可動パネル40のパネルブラケット42と幅方向に隣り合った状態で連結されている。詳しくは、支持ブラケット100は、複数の固定孔105を通る複数の締結部材を介して、パネルブラケット42と連結している。このため、支持ブラケット100がレールユニット60に対して変位する場合、可動パネル40は支持ブラケット100とともに変位する。
<駆動シュー110>
図8及び図9に示すように、駆動シュー110は、レールユニット60と摺動する第1摺動部111、第2摺動部112及び第3摺動部113を備える。また、駆動シュー110は、第1摺動部111から幅方向に延びる延設部114と、第1摺動部111及び第2摺動部112を幅方向に連結するガイド軸115と、延設部114から幅方向に延びる押さえ部116と、を備える。
第1摺動部111及び第2摺動部112は、幅方向に間隔をあけて隣り合っている。第1摺動部111は、第2摺動部112よりも幅方向における外方に位置している。第2摺動部112は、延設部114から後方に延びている。第2摺動部112は、幅方向における内方を向く面に係合溝117を有する。係合溝117は、幅方向における外方に向かって凹んでいる。係合溝117は、後方に向かうにつれて上方に進むように湾曲している。
第3摺動部113は、延設部114の上端から幅方向における内方に延びている。第3摺動部113の延びる方向と直交する断面形状は半円形状をなしている。延設部114の周面は上方を向き、延設部114の平面は下方を向いている。延設部114は、幅方向における内方に進みながら上方に向かうように斜めに延びている。押さえ部116は、延設部114の先端から上方に延びた後、幅方向における内方に延びている。
図4及び図5に示すように、駆動シュー110は、メインレール70の第2収容空間76に収容されている。詳しくは、第1摺動部111は、メインレール70の第5ガイド溝76eに収容され、第2摺動部112は、メインレール70の底壁71に接し、第3摺動部113は、メインレール70の第2ガイド溝76bに収容されている。こうして、駆動シュー110は、メインレール70の長手方向への変位が許容され、メインレール70の長手方向と直交する方向への変位が制限される。
図2に簡易的に図示するように、第1摺動部111には、アクチュエータ50のケーブル52が接続されている。このため、アクチュエータ50が駆動される場合には、アクチュエータ50の動力が第1摺動部111に伝達される。また、図4に示す状態において、押さえ部116は、レールユニット60の中間壁73を上方から避けつつ幅方向における内方に延びている。
<フロント支持部120>
図8及び図9に示すように、フロント支持部120は、支持ブラケット100の先端部を支持するフロントリンク130を備える。フロントリンク130は、例えば、金属板を樹脂で被覆することにより成形される。
フロントリンク130は、平板状をなすリンク本体131と、リンク本体131から幅方向に延びる係合突起132及び摺動突起133と、を有する。リンク本体131は、幅方向に貫通するガイド孔134を有する。ガイド孔134は、リンク本体131の長手方向に延びる第1ガイド孔134aと、リンク本体131の長手方向と交差する方向に延びる第2ガイド孔134bと、を含む。第1ガイド孔134aの終端と第2ガイド孔134bの始端とは接続している。係合突起132は、フロントリンク130の先端に位置し、摺動突起133は、フロントリンク130の基端に位置している。係合突起132及び摺動突起133は、幅方向における外方に向かって延びている。係合突起132は、摺動突起133よりも短くなっている。
図8及び図9に示すように、フロントリンク130の先端部は、支持ブラケット100の先端部と幅方向を軸方向とする連結ピンによって連結されている。つまり、フロントリンク130は、支持ブラケット100に対して、幅方向に延びる軸線回りに相対的に回転可能となっている。フロントリンク130のガイド孔134には、駆動シュー110のガイド軸115が挿通している。図4及び図5に示すように、フロントリンク130は、メインレール70の第2収容空間76に収容されている。このとき、係合突起132は、図6に示すアウターキャップ90の規制部94に係合し、図4に示すように、摺動突起133は、メインレール70の第4ガイド溝76dに収容されている。
<リア支持部140>
図10及び図11に示すように、リア支持部140は、リアリンク150と、リアリンク150に支持されるスライダ161と、リアリンク150を支持するリンク支持部162と、リアリンク150を付勢するリンク付勢部163と、を備える。
リアリンク150は、矩形板状をなす基部151と、基部151を被覆する被覆部152と、を有する。以降の説明では、リアリンク150において、スライダ161を支持する部位を先端部とし、リンク支持部162に支持される部位を基端部とする。
基部151は、金属材料によって構成され、被覆部152は、基部151よりも弾性率の低い樹脂材料によって構成されている。被覆部152は、基部151の基端部を除く部分を被覆している。被覆部152は、基部151の板厚方向に対して偏った態様で、基部151を被覆している。詳しくは、幅方向において、リアリンク150の内側における被覆部152の肉厚は、リアリンク150の外側における被覆部152の肉厚よりも厚くなっている。一例として、金型内に配置した基部151の周りに液状樹脂を注入した後、当該液状樹脂を固化させることにより、基部151を被覆する被覆部152が成形される。このため、金型の変更により、被覆部152の形状を変更することが可能である。
被覆部152は、基部151の板厚方向を深さ方向とする第1凹部153及び第2凹部154を有する。第1凹部153及び第2凹部154は、被覆部152の幅方向における内方を向く面にだけ設けられている。幅方向における側面視において、第1凹部153及び第2凹部154は、リアリンク150の長手方向に対して傾いた方向に延びている。同側面視において、第1凹部153の幅は、第2凹部154の幅よりも狭くなっている。第1凹部153はリアリンク150の基端寄りに位置し、第2凹部154はリアリンク150の先端寄りに位置している。
被覆部152は、第1摺動面155,156と、第2摺動面157と、を有する。第1摺動面155は、第1凹部153の内側面を含み、第1摺動面156は、被覆部152の外側面と第1凹部153の内側面を含む。言い換えれば、第1摺動面155は、リアリンク150の長手方向に対して傾く傾斜面を含み、第1摺動面156は、リアリンク150の長手方向と略同じ方向に延びる水平面とリアリンク150の長手方向に対して傾く傾斜面とを含む。一方、第2摺動面157は、第2凹部154の内側面を含む。言い換えれば、第2摺動面157は、リアリンク150の長手方向に対して傾く傾斜面を含む。
リアリンク150の先端部は、幅方向を軸方向とする連結ピンを介して、スライダ161を支持している。スライダ161は、リアリンク150に対して幅方向に延びる軸線回りに回転可能となっている。スライダ161の回転軸線は、第2凹部154の底面と交差している。リアリンク150は、第1凹部153及び第2凹部154が設けられる側とは反対側にスライダ161を支持している。
リンク支持部162は、幅方向を軸方向とする連結ピンを介して、リアリンク150の基端部を支持している。こうして、リアリンク150は、幅方向に延びる軸線回りに回転可能となっている。以降の説明では、リアリンク150が図10及び図11に示すように傾いて倒れた位置を「傾倒位置」ともいい、リアリンク150が傾倒位置から起き上がった位置を「起立位置」ともいう。つまり、リアリンク150は、傾倒位置及び起立位置の間を回転変位する。
リンク付勢部163は、ゴム及び樹脂などのエラストマーによってブロック状に成形されている。リンク付勢部163は、リアリンク150の先端寄りの位置に固定されている。詳しくは、リンク付勢部163は、図10に示す姿勢において、リアリンク150の下方を向く面に固定されている。
図4及び図5に示すように、リア支持部140は、中間壁73が存在しないレールユニット60の後端部に位置している。言い換えれば、リア支持部140は、レールユニット60の第1収容空間75及び第2収容空間76に跨って収容されている。
スライダ161は、支持ブラケット100を幅方向及び上下方向の両方向から挟んでいる。こうして、スライダ161は、支持ブラケット100を変位可能に支持している。支持ブラケット100において、スライダ161に支持される部位は、フロントリンク130と連結される部位よりも後方に位置している。この点で、リア支持部140は、フロント支持部120よりも後方において、支持ブラケット100を支持しているといえる。なお、スライダ161の支持ブラケット100の支持態様は、支持ブラケット100の断面形状に応じて適宜に変更することが好ましい。
リンク支持部162は、ねじなどの締結部材を用いて、メインレール70の底壁71に固定されることが好ましい。リンク支持部162は、駆動シュー110が駆動される場合であっても、メインレール70に対して相対的に動くことはない。
図4及び図5では、他の構成部品に隠れているが、リンク付勢部163は、リアリンク150とレールユニット60の底壁71との間で圧縮されている。このため、リンク付勢部163は、圧縮変形量に応じた弾性力をリアリンク150に付与している。つまり、リンク付勢部163は、リアリンク150が傾倒位置から起立位置に回転する方向に、傾倒位置に位置するリアリンク150を付勢している。
<動力伝達部材170>
図8~図11に示すように、動力伝達部材170は、駆動シュー110から駆動リンクに動力を伝達するチェックロッド180と、駆動シュー110とチェックロッド180との係合状態を切り替えるチェックブロック190と、を備える。
チェックロッド180は、前後方向を長手方向とする長尺部材である。チェックロッド180は、後端部が他の部分よりも幅方向にずれるように屈曲している。以降の説明では、チェックロッド180の前後方向に延びる部分をロッド本体181ともいい、チェックロッド180の後端部をリアシュー182ともいう。チェックロッド180は、チェックブロック190を付勢するブロック付勢部183と、リアシュー182から幅方向に延びる第1摺動軸184及び第2摺動軸185と、を有する。チェックロッド180は、例えば、屈曲する金属板を樹脂材料で被覆することにより成形される。
図8及び図9に示すように、ロッド本体181は、メインレール70と同様に直線状に延びている。本実施形態のように、メインレール70が僅かに湾曲している場合には、ロッド本体181も同様に湾曲していることが好ましい。ロッド本体181の長手方向と直交する断面形状は、幅方向を短手方向とし、上下方向を長手方向とする矩形状をなしている。
ブロック付勢部183は、いわゆる板ばねとして機能する。ブロック付勢部183は、ロッド本体181の先端寄りの位置であって、ロッド本体181の幅方向における外側を向く面に支持されている。ブロック付勢部183は、基端が固定端であり、先端が自由端である。他の実施形態において、ブロック付勢部183は、ねじりコイルばねとしてもよいし、他のばねとしてもよい。
図10及び図11に示すように、リアシュー182は、ロッド本体181の後端から幅方向に屈曲しつつ後方に延びている。チェックロッド180の前方からの正面視において、リアシュー182は、ロッド本体181よりも幅方向における内方に位置している。
第1摺動軸184及び第2摺動軸185は、リアシュー182から幅方向における外方に向かって延びている。つまり、第1摺動軸184及び第2摺動軸185は、基端が固定端であり、先端が自由端である。幅方向からの側面視において、第1摺動軸184は、第2摺動軸185よりも後方かつ上方に位置している。第1摺動軸184の外径は、第2摺動軸185の外径よりも小さくなっている。本実施形態において、第1摺動軸184はローラ186を含まない一方で、第2摺動軸185はローラ186を含む。ローラ186は、ゴム及び樹脂などのエラストマーによって構成されている。ローラ186の弾性率は、リアリンク150の被覆部152の弾性率よりも低いことが好ましい。
図8及び図9に示すように、チェックブロック190は、ブロック本体191と、ブロック本体191の先端から屈曲して延びる挟持部192と、ブロック本体191から幅方向に延びる係合軸193と、を有する。
チェックブロック190の係合軸193を除く部分は、例えば、金属板を樹脂材料で被覆することにより成形される。幅方向からの側面視において、ブロック本体191は、長円形状をなしている。挟持部192は、ブロック本体191の先端から幅方向における内方に延びた後、ブロック本体191に沿って延びている。挟持部192とブロック本体191との間にできる隙間は、チェックロッド180の先端部の厚さよりも僅かに大きくなっている。係合軸193は、ブロック本体191の中間部から幅方向における外方に延びている。係合軸193は、円柱状をなしている。
ブロック本体191の基端部は、幅方向を軸方向とする連結ピンを介して、チェックロッド180の先端部に支持されている。こうして、チェックブロック190は、ロッド本体181に対して幅方向に延びる軸線回りに回転可能となっている。ブロック本体191は、ロッド本体181の幅方向における内方において、チェックロッド180のブロック付勢部183によって下方に付勢されている。挟持部192は、チェックロッド180の先端部を幅方向に挟んでいる。
図4及び図5に示すように、動力伝達部材170は、メインレール70の第1収容空間75及び第2収容空間76に収容されている。詳しくは、チェックロッド180のロッド本体181は、第3ガイド溝76cに収容されている。また、チェックロッド180のリアシュー182の一部は、第1ガイド溝75aに収容されている。メインレール70の後端部において、第1収容空間75及び第2収容空間76を区画する中間壁73が存在していないため、第1収容空間75及び第2収容空間76を跨って、チェックロッド180のリアシュー182が配置されている。
チェックロッド180において、第1摺動軸184は、傾倒位置に位置するリアリンク150に接し、第2摺動軸185は、傾倒位置に位置するリアリンク150の前方に位置している。第1摺動軸184は、リアリンク150の第1摺動面156を上方から押さえ付けている。したがって、図4及び図5に示す状態において、リアリンク150は傾倒位置から回転することが制限されている。上述したように、リア支持部140のリンク付勢部163は、レールユニット60の底壁71とリアリンク150との間で圧縮されている。この点で、第1摺動軸184は、リンク付勢部163とともにリアリンク150を挟んでいる。ここで、リンク付勢部163は、第1摺動軸184に向けて、傾倒位置に位置するリアリンク150を付勢しているということもできる。
第1収容空間75の前端寄りの位置において、チェックブロック190は、駆動シュー110の第2摺動部112と幅方向に隣り合っている。図8に示すように、チェックブロック190の係合軸193の先端部は、駆動シュー110の係合溝117に係合している。言い換えれば、チェックブロック190は、駆動シュー110とチェックロッド180とを連結している。このため、図4及び図5に示す状態において、駆動シュー110が後方に変位する場合には、動力伝達部材170は、駆動シュー110とともに後方に変位する。図8に示すように、チェックブロック190は、ブロック付勢部183に付勢されている。チェックブロック190の係合軸193は、レールユニット60の内部において、図6に示すインナーキャップ80の挿入部83に上方から接している。
<デフレクタ200>
図1に示すように、デフレクタ200は、ルーフ開口部25の周辺の気流を調整する装置である。デフレクタ200は、可動パネル40を全開位置に変位させた状況下において、車両走行時に発生する風切り音を抑制する。
図2及び図3に示すように、デフレクタ200は、メインレール70に固定されるアーム支持部201と、アーム支持部201に回転可能に支持されるアーム202と、アーム202の先端に支持される可動フレーム203と、を備える。また、デフレクタ200は、アーム202を付勢するアーム付勢部204と、フロントパネル23に固定される固定フレーム205と、可動フレーム203及び固定フレーム205に支持されるスクリーン206と、を備える。デフレクタ200の構成部品のうち、アーム支持部201、アーム202及びアーム付勢部204は、ルーフ開口部25の幅方向における両側に配置される部品である。
アーム202は、幅方向と直交する方向を長手方向とする棒状をなしている。アーム202の基端部は、アーム支持部201に支持されている。アーム202の回転軸線は幅方向に延びている。アーム202の上面は、駆動シュー110の押さえ部116と摺動する面となっている。
可動フレーム203及び固定フレーム205は、幅方向を長手方向とする棒状をなしている。可動フレーム203には、アーム202の先端部が接続している。可動フレーム203におけるアーム202との接続位置は、可動フレーム203の端部ではなく、可動フレーム203の端部よりも幅方向における内方にずれた位置となっている。本実施形態において、可動フレーム203の長手方向における長さは、2つのアーム202の幅方向における間隔、言い換えれば、2つのアーム支持部201の幅方向における間隔よりも長くなっている。
スクリーン206は、折り畳むことのできる樹脂製又は布製の帯状部材である。スクリーン206は、ルーフ開口部25の前方の空間に展開されたり、折り重なった状態で格納されたりする。他の実施形態において、スクリーン206は、パネル状をなしていてもよい。スクリーン206の上端は、幅方向にわたって可動フレーム203に支持されている。一方、スクリーン206の下端は、幅方向にわたって固定フレーム205に支持されている。
図2に示すように、デフレクタ200は、ルーフ開口部25の前端縁及び側端縁に沿って配置されている。アーム支持部201は、メインレール70の底壁71に固定されている。詳しくは、図3に示すように、アーム支持部201は、メインレール70の内壁72の前端よりも前方であって、メインレール70の中間壁73よりも幅方向における内方に固定されている。アーム付勢部204は、アーム202とメインレール70の底壁71との間に配置されている。そして、アーム付勢部204は、メインレール70の底壁71から可動フレーム203が離れる方向にアーム202を付勢している。
図12に示すように、上方からの平面視において、アーム202は、メインレール70に沿って延びている。図12に示す状態において、アーム202は、フロントリンク130の少なくとも一部と幅方向に並んで位置している。アーム202は、リアリンク150の少なくとも一部と前後方向に並んで位置している。また、アーム202とリアリンク150とは、フロントリンク130よりも幅方向における内方に位置している。
図3に示すように、可動パネル40が全閉位置に位置する場合、アーム202は、駆動シュー110の押さえ部116に下方から接している。このため、アーム202は、アーム付勢部204の付勢力に従って、スクリーン206を展開する方向に回転することが制限されている。言い換えれば、スクリーン206は格納されている。
本実施形態のサンルーフ装置30は、駆動シュー110が前後方向に変位することにより、可動パネル40を作動させる。詳しくは、駆動シュー110が後方に変位する場合に可動パネル40が開作動し、駆動シュー110が前方に変位する場合に可動パネル40が閉作動する。以降の説明では、可動パネル40がルーフ開口部25を全閉する位置を「全閉位置」といい、可動パネル40がルーフ開口部25を全開する位置を「全開位置」という。また、全閉位置よりも可動パネル40の後端部が上昇した位置を「チルトアップ位置」といい、チルトアップ位置よりも可動パネル40の前端部が上昇した位置を「リフトアップ位置」という。
さらに、可動パネル40を全閉位置に変位させる駆動シュー110の位置を「全閉対応位置」といい、可動パネル40を全開位置に変位させる駆動シュー110の位置を「全開対応位置」という。また、可動パネル40をチルトアップ位置に変位させる駆動シュー110の位置を「チルトアップ対応位置」といい、可動パネル40をリフトアップ位置に変位させる駆動シュー110の位置を「リフトアップ対応位置」という。駆動シュー110の移動範囲において、最も前方の位置が全閉対応位置となり、最も後方の位置が全開対応位置となる。チルトアップ対応位置及びリフトアップ対応位置は、全閉対応位置及び全開対応位置の間の位置である。
<サンルーフ装置30の作用>
以下、図13~図25を参照して、サンルーフ装置30において、可動パネル40が開作動する場合の作用について説明する。
図13に示す状態において、駆動シュー110は、全閉対応位置に位置している。図14に示すように、駆動シュー110が全閉対応位置に位置する場合、フロントリンク130は、前後方向において最も前方に位置するとともに最も前傾している。図15に示すように、リアリンク150は、最も前傾する傾倒位置に位置している。その結果、図13に示すように、支持ブラケット100は、前後方向において最も前方に位置するとともに最も下降している。したがって、可動パネル40は、全閉位置に位置している。
図16に示すように、駆動シュー110が全閉対応位置に位置する場合、駆動シュー110とチェックブロック190とは、幅方向に重なって位置している。詳しくは、チェックブロック190の係合軸193は、駆動シュー110の係合溝117に係合している。つまり、駆動シュー110は、チェックブロック190を介して、チェックロッド180と連結している。言い換えれば、チェックロッド180は、駆動シュー110とともに変位可能な状態にある。
図13に示すように、駆動シュー110の押さえ部116は、アーム202の先端寄りの部位に接している。このため、アーム202は、起き上がることが制限され、スクリーン206は、フロントパネル23と可動パネル40との間に格納されている。
図17に示すように、駆動シュー110が全閉対応位置から後方に移動すると、駆動シュー110の動力が、フロントリンク130及びリアリンク150のうち、リアリンク150だけに伝達される。つまり、フロントリンク130の位置及び姿勢が略変化することなく、リアリンク150の姿勢が変化する。
図14に示すように、フロントリンク130の第1ガイド孔134aは、駆動シュー110の移動方向に延びている。このため、図14に実線矢印で示すように、駆動シュー110が全閉対応位置から後方に変位する場合には、駆動シュー110のガイド軸115がフロントリンク130の第1ガイド孔134aに沿って変位する。このため、駆動シュー110の動力がフロントリンク130に略伝達されず、フロントリンク130の位置及び姿勢が略変化しない。また、図8に示すフロントリンク130の係合突起132が図6に示すアウターキャップ90の規制部94に係合しているため、フロントリンク130は後方に変位しにくい。
図16に示すように、チェックブロック190の係合軸193は、駆動シュー110の係合溝117に係合している。このため、全閉対応位置から駆動シュー110が後方に変位する場合には、動力伝達部材170が駆動シュー110とともに後方に変位する。すると、図18に示すように、チェックロッド180の第1摺動軸184及び第2摺動軸185がリアリンク150の第1摺動面155及び第2摺動面157をそれぞれ後方に押すことで、リアリンク150が傾倒位置から起立位置に向かって回転する。ここで、第1摺動軸184は、第1摺動面155と摺動しつつ第1摺動面155を後方に押し、第2摺動軸185のローラ186は、第2摺動面157上を転動しつつ第2摺動面157を後方に押す。本実施形態において、転動は摺動の一態様であるとする。
駆動シュー110の動力がフロントリンク130及びリアリンク150のうち、リアリンク150だけに伝達される状態は、駆動シュー110がチルトアップ対応位置に到達するまで継続する。つまり、駆動シュー110がチルトアップ対応位置に到達するまでは、フロントリンク130の位置及び姿勢が略変化することなく、リアリンク150の姿勢が変化する。
図17に示すように、駆動シュー110が全閉対応位置から後方に変位すると、駆動シュー110の押さえ部116とアーム202とが摺動する。その結果、押さえ部116とアーム202との係合関係が変化する。ただし、押さえ部116はアーム202の起き上がりを制限するため、スクリーン206は格納される状態が継続される。
図19及び図20に示すように、駆動シュー110がチルトアップ対応位置まで変位すると、リアリンク150が起立位置に変位する。したがって、駆動シュー110が全閉対応位置からチルトアップ対応位置に変位する場合には、支持ブラケット100の前端部に対して後端部が上昇する。その結果、可動パネル40は、全閉位置よりも前端部に対して後端部が上昇するチルトアップ位置に変位する。
なお、リアリンク150が傾倒位置から起立位置に変位する場合において、2つの摺動軸184,185と2つの摺動面155,157との摺動態様は、以下の第1摺動態様、第2摺動態様及び第3摺動態様の順に変化する。第1摺動態様は、第1摺動軸184が第1摺動面155と摺動しない一方で第2摺動軸185が第2摺動面157と摺動する状態である。第2摺動態様は、第1摺動軸184及び第2摺動軸185がそれぞれ第1摺動面155及び第2摺動面157と摺動する状態である。第3摺動態様は、第1摺動軸184が第1摺動面155と摺動する一方で第2摺動軸185が第2摺動面157と摺動しない状態である。したがって、図20に示すように、リアリンク150が起立位置に変位する場合、第1摺動軸184が第1摺動面155に接しているが、第2摺動軸185が第2摺動面157から離れている。
図19及び図21に示すように、駆動シュー110がチルトアップ対応位置まで変位すると、駆動シュー110とチェックブロック190との係合態様が変化する。詳しくは、チェックブロック190の係合軸193は、駆動シュー110の係合溝117に係合しなくなる。
図16に示すように、駆動シュー110が全閉対応位置からチルトアップ対応位置の手前まで変位する場合には、チェックブロック190は、レールユニット60の挿入部83と摺動する。言い換えれば、チェックブロック190は、レールユニット60の挿入部83と接することで、ブロック付勢部183の付勢力に基づく回転が制限されている。これに対し、図21に示すように、駆動シュー110がチルトアップ対応位置まで変位すると、チェックブロック190の係合軸193の下方にレールユニット60の係合凹部85が位置する。このため、チェックブロック190は、ブロック付勢部183の付勢力に基づいて、チェックロッド180に対して回転する。その結果、チェックブロック190の係合軸193は、レールユニット60の係合凹部85に係合する一方で、駆動シュー110の係合溝117に係合しなくなる。言い換えれば、チェックブロック190の係合対象が駆動シュー110からレールユニット60に変化し、チェックブロック190は、接続位置から切断位置に変位する。したがって、チェックブロック190が切断位置に変位した後に駆動シュー110が後方に変位する場合、言い換えれば、チルトアップ対応位置から駆動シュー110が後方に変位する場合には、駆動シュー110の動力がチェックロッド180に伝達されなくなる。
チェックブロック190の係合軸193がレールユニット60の係合凹部85に係合すると、チェックロッド180が前後方向に変位できなくなる。このため、リアリンク150が起立位置に変位した状態が保持される。言い換えれば、駆動シュー110から動力の伝達が遮断されたリアリンク150の姿勢が不意に変化することが抑制される。
駆動シュー110がチルトアップ対応位置から後方に変位すると、駆動シュー110の動力がフロントリンク130及びリアリンク150のうち、フロントリンク130だけに伝達される。つまり、リアリンク150の姿勢が変化することなく、フロントリンク130の姿勢が変化する。
図14に二点鎖線で示すように、駆動シュー110がチルトアップ対応位置に位置する場合、駆動シュー110のガイド軸115は、フロントリンク130の第1ガイド孔134aの終端付近に位置している。言い換えれば、駆動シュー110のガイド軸115は、フロントリンク130の第2ガイド孔134bの始端付近に位置している。このため、駆動シュー110がチルトアップ対応位置から後方に変位すると、駆動シュー110のガイド軸115がフロントリンク130の第2ガイド孔134bの壁面と摺動する。その結果、図22及び図23に示すように、フロントリンク130は、フロントリンク130の先端部が上昇するように、摺動突起133の軸線回りに回転する。このとき、フロントリンク130が後方に変位することなく回転するのは、図8に示すフロントリンク130の係合突起132が図6に示すアウターキャップ90の規制部94に係合しているためである。フロントリンク130の係合突起132とアウターキャップ90の規制部94との係合は、フロントリンク130が回転することによって解消される。
図22及び図23に示すように、駆動シュー110がリフトアップ対応位置まで変位すると、フロントリンク130の回転が完了する。フロントリンク130が回転する場合には、支持ブラケット100の支持軸104は、インナーキャップ80及びアウターキャップ90の第2ガイド溝81b,91bに沿って変位する。このため、支持ブラケット100の後端部に対して前端部が上昇する。その結果、可動パネル40は、チルトアップ位置よりも前端部が上昇するリフトアップ位置に変位する。
図22に示すように、駆動シュー110がリフトアップ対応位置まで変位すると、駆動シュー110の押さえ部116とアーム202とが摺動する。その結果、アーム202において、押さえ部116との接触位置が先端寄りの位置から基端寄りの位置に変化する。このため、駆動シュー110がリフトアップ対応位置の付近を後方に移動する場合、アーム202はスクリーン206を展開する方向に徐々に回転する。
駆動シュー110がリフトアップ対応位置から後方に変位すると、駆動シュー110の動力がフロントリンク130及びリアリンク150のうち、フロントリンク130だけに伝達される。つまり、リアリンク150の姿勢が変化することなく、フロントリンク130が後方に変位する。
図24及び図25に示すように、駆動シュー110がリフトアップ対応位置から後方に変位すると、駆動シュー110とともにフロントリンク130が後方に変位する。このとき、駆動シュー110のガイド軸115はフロントリンク130に対して相対的に変位しないため、フロントリンク130の姿勢は変化しない。したがって、駆動シュー110の後方への変位に伴い、支持ブラケット100は、姿勢を保ったまま後方に変位する。このとき、支持ブラケット100の支持軸104は、メインレール70の第2ガイド溝76bと摺動し、支持ブラケット100の下部フランジ103は、スライダ161と摺動する。
駆動シュー110がリフトアップ対応位置から後方に変位すると、駆動シュー110の押さえ部116は、アーム202から離れる。その結果、スクリーン206は展開する。
図24に示すように、駆動シュー110が全開対応位置に到達すると、可動パネル40は全開位置に変位する。このとき、図25に示すように、駆動シュー110の後端部及びフロントリンク130の後端部は、幅方向において、リア支持部140と重なっている。
以上、サンルーフ装置30において、可動パネル40が全閉位置から全開位置まで開作動する様子について説明したが、可動パネル40が全開位置から全閉位置まで閉作動する場合についても略同様である。以下、サンルーフ装置30において、可動パネル40が閉作動する場合の作用について簡単に説明する。
可動パネル40を全開位置から閉作動させる場合には、駆動シュー110が全開対応位置から前方に変位する。駆動シュー110が全開対応位置からリフトアップ対応位置まで変位する場合には、駆動シュー110とともにフロントリンク130が前方に変位する。その結果、支持ブラケット100が前方に変位し、可動パネル40が全開位置からリフトアップ位置に変位する。駆動シュー110がリフトアップ対応位置に到達する前に、駆動シュー110の押さえ部116はデフレクタ200のアーム202を倒し始める。このため、駆動シュー110がリフトアップ対応位置に到達する前に、スクリーン206は格納され始める。
駆動シュー110がリフトアップ対応位置からチルトアップ対応位置まで変位する場合には、駆動シュー110のガイド軸115の係合対象が、フロントリンク130の第2ガイド孔134bから第1ガイド孔134aに変化する。このため、フロントリンク130の先端が下降するようにフロントリンク130が回転する。その結果、支持ブラケット100の先端部が下降し、可動パネル40がリフトアップ位置からチルトアップ位置に変位する。
駆動シュー110がチルトアップ対応位置から前方に変位すると、チェックブロック190の係合軸193の係合対象がレールユニット60の係合凹部85から駆動シュー110の係合溝117に変化する。言い換えれば、チェックブロック190が切断位置から接続位置に変位する。これは、チェックブロック190の係合軸193が駆動シュー110の係合溝117の壁面と摺動することで、チェックブロック190がブロック付勢部183の付勢力に抗して回転するためである。詳しくは、係合軸193が係合溝117の奥に導かれることにより、チェックブロック190が回転するためである。こうして、駆動シュー110がチルトアップ対応位置から前方に変位すると、駆動シュー110がチェックブロック190を介してチェックロッド180と連結される。
駆動シュー110がチェックロッド180と連結される状況下において、駆動シュー110が全閉対応位置に変位する場合には、駆動シュー110とともにチェックロッド180が前方に変位する。このとき、チェックロッド180の第1摺動軸184がリアリンク150の第1摺動面156を前方に押すことで、リアリンク150が起立位置から傾倒位置に変位する。可動パネル40が閉作動される場合には、可動パネル40が開作動される場合と異なり、第1摺動軸184がリアリンク150を前方に押すが、第2摺動軸185はリアリンク150を前方に押さない。
駆動シュー110が全閉対応位置に到達すると、リアリンク150が傾倒位置に変位する。その結果、支持ブラケット100の後端部が下降し、可動パネル40が全閉位置に変位する。
<サンルーフ装置30の効果>
(1)サンルーフ装置30は、チェックブロック190が接続位置及び切断位置の間を変位することで、駆動シュー110からチェックロッド180に対する動力の伝達状態を切り替える。言い換えれば、サンルーフ装置30は、駆動シュー110からチェックロッド180に対する動力の伝達状態を切り替えるために、チェックロッド180の変形を利用しない。したがって、変形しているチェックロッド180に外力が作用することが抑制される点で、チェックロッド180に応力集中が起きたり、チェックロッド180が座屈したりしにくい。したがって、サンルーフ装置30は、チェックロッド180の耐久性を高めることができる。
(2)駆動シュー110がチェックブロック190を支持する場合、駆動シュー110とともに変位するチェックブロック190がレールユニット60に干渉しないように、レールユニット60の形状を工夫する必要がある。この点、サンルーフ装置30は、チェックロッド180がチェックブロック190を支持するため、レールユニット60の形状を簡素化できる。さらに、サンルーフ装置30は、駆動シュー110の変位する方向に応じて、チェックブロック190の位置を切り替えることができる。
(3)駆動シュー110が全閉対応位置及びチルトアップ対応位置の間を変位する場合には、チェックブロック190の係合軸193が駆動シュー110の係合溝117に係合することで、駆動シュー110とチェックロッド180とを連結する。一方、駆動シュー110がチルトアップ対応位置及び全開対応位置の間を変位する場合には、チェックブロック190の係合軸193がレールユニット60の係合凹部85に係合することで、駆動シュー110とチェックロッド180との連結を解消する。このように、チェックブロック190の係合軸193は、駆動シュー110と係合する部分として機能するとともに、レールユニット60に係合する部分として機能する。このため、サンルーフ装置30は、チェックブロック190に2本の係合軸を設けなくてもよい点で、チェックブロック190の構造を簡素化できる。
(4)サンルーフ装置30において、チェックブロック190は、チェックロッド180の前端部を幅方向に挟む挟持部192を有する。このため、チェックブロック190が接続位置及び切断位置の間で変位するときに、チェックブロック190がチェックロッド180に対して幅方向にブレにくくなる。こうして、サンルーフ装置30は、チェックブロック190を接続位置及び切断位置の間で円滑に変位させることができる。
(5)可動パネル40をリフトアップ位置及び全開位置の間で作動させる場合には、フロントリンク130がレールユニット60に沿って変位する。このとき、フロントリンク130とリアリンク150とは幅方向にずれて位置しているため、フロントリンク130の前後方向における変位量を多くすることができる。また、リアリンク150の少なくとも一部とデフレクタ200のアーム202とが幅方向に重なって位置しているため、幅方向において、サンルーフ装置30の構成部品が専有する領域が小さくなる。したがって、サンルーフ装置30は、ルーフ開口部25を広く取ることができる。
(6)例えば、上下方向における平面視において、ルーフ開口部25の四隅が丸みを帯びている場合など、ルーフ開口部25の幅方向における長さが後方に向かうにつれて短くなることがある。この場合、サンルーフ装置30の構成部品のうち、ルーフ開口部25の後端寄りで動作する構成部品は、ルーフ開口部25の側端から離して配置されることが好ましい。この点、サンルーフ装置30において、フロントリンク130よりも後方で動作するリアリンク150は、フロントリンク130よりも幅方向における内方に配置される。したがって、サンルーフ装置30は、リアリンク150とリアパネル24又はウェザーストリップ26との干渉を避けつつ、リアリンク150をより後方に配置できる。このため、可動パネル40を開作動させるときのフロントリンク130の後方への移動量が長くなる。その結果、可動パネル40を全開位置に変位させたときに、ルーフ開口部25における可動パネル40に覆われない部分が広くなる。詳しくは、ルーフ開口部25の前端と全開位置に位置する可動パネル40の前端との間の前後方向における間隔が長くなる。
(7)サンルーフ装置30は、駆動シュー110の押さえ部116によって、スクリーン206を格納できる。ここで、押さえ部116はレールユニット60に沿って移動するため、サンルーフ装置30は、スクリーン206の格納時において、アーム202を過度に回転させることを抑制できる。言い換えれば、サンルーフ装置30は、スクリーン206の格納時における可動フレーム203の位置を管理しやすくなる。また、可動パネル40でアーム202を押さえる構成と比較したとき、デフレクタ200及び他の駆動部品が下方に張り出しにくくなる。このため、サンルーフ装置30は、装置全体の上下方向における厚みを薄くすることができる。
(8)サンルーフ装置30は、被覆部152を樹脂材料により構成する点で、被覆部152の形状を比較的自由に選択できる。このため、サンルーフ装置30は、被覆部152に摺動面155~157を設けつつも、被覆部152の形状をリアリンク150の周辺の空きスペースに応じた形状にできる。こうして、サンルーフ装置30は、リアリンク150の周辺の空きスペースを活用できる。
また、リアリンク150において、摺動面155~157は、基部151を被覆する被覆部152に設けられる。このため、サンルーフ装置30は、弾性率が高く加工しにくい基部151に摺動面155~157を設ける比較例と比べ、リアリンク150に摺動面155~157を容易に設けることができる。こうして、サンルーフ装置30は、リアリンク150の構成を簡素化できる。
(9)リアリンク150において、第1摺動面155,156及び第2摺動面157は、基部151の幅方向における片側にだけ設けられる。このため、サンルーフ装置30は、摺動面155~157が基部151の幅方向における両側に設けられる比較例と比べ、幅方向におけるリアリンク150の厚みを薄くできる。
(10)リアリンク150は、傾倒位置において、リンク付勢部163を圧縮する。言い換えれば、リアリンク150は、傾倒位置において、リンク付勢部163と第1摺動軸184とに挟まれる。このため、傾倒位置において、リアリンク150にがたつきが生じにくくなる。言い換えれば、傾倒位置において、リアリンク150の姿勢が一定に維持されやすくなる。したがって、サンルーフ装置30は、全閉位置に位置する可動パネル40のがたつきを抑制できる。
(11)サンルーフ装置30において、動力伝達部材170の2つの摺動軸184,185は、リアリンク150の2つの摺動面155,157とそれぞれ摺動する。このため、サンルーフ装置30は、リアリンク150を傾倒位置及び起立位置の間で円滑に変位させることができる。詳しくは、リアリンク150を傾倒位置から起立させる当初において、第2摺動軸185と第2摺動面157とを摺動させる。このため、リアリンク150の回転中心から、リアリンク150に対する力の作用点までの距離を長くできる。言い換えれば、リアリンク150を傾倒位置から起立させる当初において、第1摺動軸184と第1摺動面155とを摺動させる比較例に比べ、上記距離を長くできる。このため、リアリンク150に作用する力のモーメントが大きくなり、リアリンク150を傾倒位置から起立させる当初において、円滑に回転させることが可能となる。
(12)サンルーフ装置30の構成部品に製造上の誤差が生じると、第1摺動軸184及び第2摺動軸185がそれぞれ第1摺動面155及び第2摺動面157と同時に摺動する状況下において、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、リアリンク150を傾倒位置及び起立位置の間で変位させる際に、リアリンク150及び動力伝達部材170に過負荷が加わるおそれがある。この点、チェックロッド180において、第2摺動軸185は、被覆部152よりも弾性率の小さなローラ186を含む。このため、サンルーフ装置30は、上述したような製造上の誤差をローラ186の変形で吸収できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・レールユニット60において、メインレール70は、インナーキャップ80の係合凹部85に相当する構成を備えてもよい。
・支持ブラケット100と駆動シュー110とフロント支持部120とリア支持部140と動力伝達部材170との位置関係は、適宜に変更することができる。例えば、フロント支持部120は、リア支持部140とデフレクタ200のアーム202とよりも幅方向における内方に配置してもよい。
・リアリンク150は、第1摺動面155,156及び第2摺動面157を幅方向における両側に備えてもよい。この場合、チェックロッド180は、リアリンク150の幅方向における両側に設けられる第1摺動面155,156及び第2摺動面157とそれぞれ摺動する第1摺動軸184及び第2摺動軸185を備えることが好ましい。
・リアリンク150において、基部151は、摺動面155,156に沿って屈曲するフランジを有してもよい。この場合、被覆部152は、基部151のフランジを被覆することになる。これによれば、リアリンク150の剛性を高めることができる。
・リンク付勢部163は、傾倒位置に変位したリアリンク150を起立位置に向けて付勢できればよい。例えば、リンク付勢部163は、メインレール70の底壁71に設置してもよい。また、リンク付勢部163は、リアリンク150を回転軸線回りに付勢するコイルばねであってもよい。
・上記実施形態において、チェックロッド180はチェックブロック190を支持する構成であり、チェックブロック190は駆動シュー110に係合することにより駆動シュー110とチェックロッド180とを連結する構成である。これに対し、変更例において、駆動シュー110はチェックブロック190を支持する構成としてもよい。また、チェックブロック190はチェックロッド180に係合することにより駆動シュー110とチェックロッド180とを連結する構成としてもよい。
・チェックロッド180は、駆動シュー110の係合溝117に係合する係合軸と、レールユニット60の係合凹部85に係合する係合軸と、を別々に有してもよい。
・チェックロッド180は、チェックブロック190を回転可能に支持するのではなく、ある方向に対して往復移動可能に支持してもよい。
・チェックロッド180において、第1摺動軸184及び第2摺動軸185の双方は、ローラ186を備えてもよい。チェックロッド180において、第1摺動軸184及び第2摺動軸185の双方は、ローラ186を備えなくてもよい。
・チェックロッド180は、単一の摺動軸を備えてもよい。この場合、リアリンク150は、単一の摺動軸と摺動する単一の摺動面を備えることが好ましい。
・デフレクタ200において、スクリーン206がある程度の剛性を有する場合、デフレクタ200は、可動フレーム203を備えなくてもよい。この場合、アーム202は、先端にスクリーン206を直接的に支持することが好ましい。
・駆動シュー110が押さえ部116を有しない場合、閉作動する可動パネル40をデフレクタ200のアーム202に接触させることにより、スクリーン206を格納させてもよい。
・ルーフ開口部25は、幅方向における長さが後方に向かうにつれて次第に短くなっていてもよい。言い換えれば、ルーフ開口部25は、上方からの平面視において、台形状をなしていてもよい。この場合、本実施形態のメインレール70のように、外壁74の後端部を切り欠くと、メインレール70をサイドパネル22の近くに配置することが可能となる。その結果、ルーフ開口部25を広く取ることが可能となる。
・サンルーフ装置30は、可動パネル40を、リフトアップ位置を経由することなくチルトアップ位置及び全開位置の間で作動できるように構成してもよい。
10…車両
20…車体
25…ルーフ開口部
30…サンルーフ装置
40…可動パネル
50…アクチュエータ
60…レールユニット
70…メインレール
100…支持ブラケット
110…駆動シュー
115…ガイド軸
116…押さえ部
117…係合溝
120…フロント支持部
130…フロントリンク
134(134a,134b)…ガイド孔
140…リア支持部
150…リアリンク
151…基部
152…被覆部
153…第1凹部
154…第2凹部
155,156…第1摺動面(摺動面)
157…第2摺動面
161…スライダ
162…リンク支持部
163…リンク付勢部
170…動力伝達部材
180…チェックロッド
181…ロッド本体
184…第1摺動軸
185…第2摺動軸
186…ローラ
190…チェックブロック
192…挟持部
193…係合軸
200…デフレクタ
202…アーム
204…アーム付勢部
206…スクリーン

Claims (4)

  1. 車両のルーフ開口部を全閉する全閉位置、前記全閉位置よりも後端部が上昇したチルトアップ位置及び前記ルーフ開口部を全開する全開位置の間で作動される可動パネルと、
    前記可動パネルの幅方向における両側で前記可動パネルを支持し、前後方向に延びる支持ブラケットと、
    前記ルーフ開口部の前記幅方向における両側に配置され、前記前後方向を長手方向とするレールユニットと、
    前記支持ブラケットを支持するフロント支持部と、
    前記フロント支持部よりも後方で前記支持ブラケットを支持するリア支持部と、
    前記レールユニットに沿って前記前後方向に変位することにより、前記フロント支持部及び前記リア支持部を駆動する駆動シューと、
    前記駆動シューから前記リア支持部に動力を伝達する動力伝達部材と、を備え、
    前記フロント支持部は、前記駆動シューから伝達される動力に基づき、前記レールユニットに沿って前記前後方向に変位することにより、前記チルトアップ位置及び前記全開位置の間で前記可動パネルを作動させるフロントリンクを有し、
    前記リア支持部は、前記動力伝達部材から伝達される動力に基づき、前記幅方向に延びる軸線回りに回転することにより、前記全閉位置及び前記チルトアップ位置の間で前記可動パネルを作動させるリアリンクを有し、
    前記動力伝達部材は、前記駆動シューから伝達される動力に基づき、前記レールユニットに沿って前記前後方向に変位することにより前記リアリンクを駆動するチェックロッドと、前記駆動シュー及び前記チェックロッドの一方に支持され、前記駆動シューと前記チェックロッドとを連結する接続位置及び前記駆動シューと前記チェックロッドとを連結しない切断位置の間で変位するチェックブロックと、を有し、
    前記チェックブロックは、前記可動パネルが前記全閉位置及び前記チルトアップ位置の間で作動する場合には前記接続位置に変位し、前記可動パネルが前記チルトアップ位置及び前記全開位置の間で作動する場合には前記切断位置に変位する
    サンルーフ装置。
  2. 前記チェックロッドは、前記チェックブロックを支持し、
    前記チェックブロックは、前記駆動シューが後方に変位するときに、係合対象が前記駆動シューから前記レールユニットに切り替わることにより前記切断位置に変位し、前記駆動シューが前方に変位するときに、係合対象が前記レールユニットから前記駆動シューに切り替わることにより前記接続位置に変位する
    請求項1に記載のサンルーフ装置。
  3. 前記チェックブロックは、前記幅方向に延びる係合軸を有し、
    前記係合軸の先端部は、前記チェックブロックが前記接続位置に変位するときに、前記駆動シューと係合し、
    前記係合軸の基端部は、前記チェックブロックが前記切断位置に変位するときに、前記レールユニットに係合する
    請求項2に記載のサンルーフ装置。
  4. 前記チェックブロックは、前記チェックロッドの先端部を前記幅方向に挟む挟持部を有する
    請求項2又は請求項3に記載のサンルーフ装置。
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