JP2023055326A - トランスデューサ及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動電圧による振動膜の変位に対する精度が良好なトランスデューサを提供する。また、当該トランスデューサを備える電子機器を提供する。【解決手段】一対の電極11、12及び一対の電極11、12に挟まれた圧電膜13を備える圧電素子10と、膜支持部17と、膜支持部17に連結され、かつ、圧電素子10が設けられている主面16Bを有する膜厚方向に変位可能な振動膜16と、振動膜16が膜厚方向に変位するとき、主面16Bとは反対側の振動膜16の主面16Aと接触可能である接触部材25と、を有する、トランスデューサ1。【選択図】図1

Description

本実施形態は、トランスデューサ及び電子機器に関する。
従来、音波若しくは超音波の送信又は受信を行うトランスデューサが知られている。トランスデューサは、例えば、音波を送信するスピーカとして利用され、イヤホン又はウェアラブル端末などに搭載されている。
例えば、特許文献1には、イヤホンに好適なトランスデューサが開示されている。このトランスデューサは、下部基板の板厚方向に貫通する下部貫通孔が形成されており、当該下部貫通孔と下空間部を隔てて対向している振動膜と、当該振動膜上の圧電素子とを少なくとも備えている。
特開2021-044762号公報
圧電素子は一対の電極に対して駆動電圧を繰り返し印加することで、圧電素子と共に振動膜が上側への変位と下側への変位を交互に繰り返す。具体的には、振動膜に対する法線方向に変位する。当該振動膜の振動により、振動膜の周囲の空気が振動させられ、空気の振動が音波として出力される。空気の流れをよくするために下部基板に下部貫通孔を設けると、当該振動膜が振動することによって振動膜の上部及び下部に存在する空気が圧縮又は伸張するとき、振動膜の変位を抑制する空気による減衰作用が軽減され、結果として、条件によっては振動膜の変位が大きくなることがある。大きな駆動電圧を印加することにより振動膜の大きな変位を得ようとすると、振動膜の固有振動数付近の周波数の入力に対して、振動膜が共振して機械的に弾むため、より大きな変位が振動膜に生じる。これによって、想定以上の応力が振動膜にかかるため、振動膜の形状の変形又は破損が生じてしまう。また、振動膜は、駆動電圧を調整しても共振して設定値(駆動電圧を調整して定めた変位値)よりさらに下側に変位してしまう。これらにより、駆動電圧による振動膜の変位に対する精度に影響を及ぼす可能性がある。
本実施形態の一態様は、駆動電圧による振動膜の変位に対する精度が良好なトランスデューサを提供する。また、当該トランスデューサを備える電子機器を提供する。
本実施形態は、振動膜の変位を一定範囲内に収めるように、圧電素子が設けられている振動膜の主面とは反対側の主面と接触可能である接触部材を設けることにより振動膜の共振を減衰させることができる。本実施形態の一態様は以下のとおりである。
本実施形態の一態様は、一対の電極及び前記一対の電極に挟まれた圧電膜を備える圧電素子と、膜支持部と、前記膜支持部に連結され、かつ、前記圧電素子が設けられている第1の主面を有する膜厚方向に変位可能な振動膜と、前記振動膜が前記膜厚方向に変位するとき、前記第1の主面とは反対側の前記振動膜の第2の主面と接触可能である第1の接触部材と、を有する、トランスデューサである。
本実施形態の他の一態様は、上記トランスデューサを備える電子機器である。
本実施形態によれば、駆動電圧による振動膜の変位に対する精度が良好なトランスデューサを提供することができる。また、当該トランスデューサを備える電子機器を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係るトランスデューサのX方向における断面図である。 図2は、第1の実施形態に係るトランスデューサの上面図である。 図3は、第1の実施形態の第1の変形例に係るトランスデューサのX方向における断面図である。 図4は、第1の実施形態の第1の変形例に係るトランスデューサの上面図である。 図5は、第1の実施形態の第2の変形例に係るトランスデューサのX方向における断面図である。 図6は、第1の実施形態の第2の変形例に係るトランスデューサの上面図である。 図7は、第1の実施形態の第3の変形例に係るトランスデューサの上面図である。 図8Aは、電子機器の一例であるイヤホンの全体図である。 図8Bは、電子機器の一例であるイヤホンの筐体を説明する図である。 図9は、実装例におけるスピーカユニットの構成を説明する図である。 図10は、実装例におけるイヤホンの断面図である。
次に、図面を参照して、本実施形態について説明する。以下に説明する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各構成部品の厚みと平面寸法との関係等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
また、以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものではない。本実施形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
具体的な本実施形態の一態様は、以下の通りである。
<1> 一対の電極及び前記一対の電極に挟まれた圧電膜を備える圧電素子と、膜支持部と、前記膜支持部に連結され、かつ、前記圧電素子が設けられている第1の主面を有する膜厚方向に変位可能な振動膜と、前記振動膜が前記膜厚方向に変位するとき、前記第1の主面とは反対側の前記振動膜の第2の主面と接触可能である第1の接触部材と、を有する、トランスデューサ。
<2> 前記圧電素子に電圧が印加されていないときにおける前記振動膜の前記第2の主面は、前記膜厚方向における前記第1の接触部材の主面と近接又は接触している、<1>に記載のトランスデューサ。
<3> 前記第1の接触部材は、前記振動膜の先端部よりも前記膜支持部と前記振動膜との間の連結部分側にある、<1>又は<2>に記載のトランスデューサ。
<4> 基材をさらに有し、前記基材上に、前記膜支持部及び前記第1の接触部材がある、<1>~<3>のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
<5> 前記第1の接触部材は、前記第2の主面に対向する前記第1の接触部材の主面から前記膜厚方向に延在している貫通孔を有する、<1>~<3>のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
<6> 前記第1の接触部材は、樹脂からなる、<1>~<5>のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
<7> 前記振動膜の第1の主面に対向しており、前記振動膜が前記膜厚方向に変位するときに前記振動膜に接触する第2の接触部材をさらに有する、<1>~<6>のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
<8> <1>~<7>のいずれか1項に記載のトランスデューサを備える電子機器。
(第1の実施形態)
<トランスデューサ>
図1及び図2を用いて、本実施形態に係るトランスデューサ1の構成を説明する。図1は、トランスデューサ1のX方向における断面図である。図2は、トランスデューサ1の上面図である。トランスデューサ1は、圧電素子10と、膜体15と、接触部材18と、基材19と、接触部材25と、を主体に構成されている。具体的には、膜体15は、膜支持部17及び当該膜支持部17に連結され、膜厚方向に変位可能な振動膜16で構成されている。基材19は、振動膜16と対向している対向面19Aを有する。圧電素子10は、振動膜16上に配置され、一対の電極11、12及び当該一対の電極11、12に挟まれている圧電膜13を備える。以下の説明では、図1に示すトランスデューサ1の状態を基準に上下方向(Z方向)を定義するが、トランスデューサ1を使用する方向を限定するものではない。また、本実施形態において、基材19の長手方向をX方向、基材19の短手方向をY方向とする。
一対の電極11、12及び圧電膜13は、後述する振動膜16の形状と対応する形状を有しており、図1及び図2に示す例では四角状である。
一対の電極11、12のそれぞれは、例えば、プラチナ、モリブデン、イリジウム、又はチタンなどの導電性を有する金属の薄膜を用いて形成されている。一方の電極11は、圧電膜13の上側に位置し、電極11に駆動電圧を印加するための回路パターンである電極パッドと接続されている。他方の電極12は、圧電膜13の下側に位置し、電極12に駆動電圧を印加するための回路パターンである電極パッドと接続されている。
圧電膜13は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)によって構成されている。圧電膜13は、チタン酸ジルコン酸鉛以外にも、窒化アルミニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)又はチタン酸鉛(PbTiO)などを用いることができる。
このような構成のトランスデューサ1において、膜体15の振動膜16上には、圧電素子10が設けられている。すなわち、振動膜16上には、下側の電極12、圧電膜13及び上側の電極11が順番に積層されている。一対の電極11、12に駆動電圧がそれぞれ印加されると、一対の電極11、12の間に電位差が生じる。当該電位差により、振動膜16が変位する。
一対の電極11、12に対して駆動電圧を繰り返し印加することで、振動膜16は、空間100側への変位と空間101側への変位を交互に繰り返す。振動膜16の振動により、振動膜16の周囲の空気が振動させられ、空気の振動が音波として出力される。
圧電素子10の上面の一部には絶縁膜20が設けられており、電極11は、絶縁膜20に設けられた開口部を介して配線21と接続している。また、配線21上には、絶縁膜22が設けられる。配線21は絶縁膜22の開口部を介して電極パッド(図示せず)と電気的に接続している。つまり、電極11は、配線21を介して電極パッドと電気的に接続している。なお、本明細書等において、「電気的に接続」とは、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に限定されない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極、配線、スイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、容量素子、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
配線21は、例えば、金属などの薄膜を用いて形成されている。絶縁膜20、22は、例えば、酸化アルミニウムなどを用いることができる。
膜体15は、振動膜16と、膜支持部17と、で構成されている。膜体15は、例えば、シリコン(Si)より構成されている。振動膜16を形成するために膜体15の裏面側(基材19が設けられている側)をエッチングすることで、振動膜16と膜支持部17とを一体形成することができる。
振動膜16は、薄膜から構成されており、膜厚方向、すなわち、振動膜16に対する法線方向(図1における紙面上下方向:Z方向、図2における紙面を裏表に垂直方向:Z方向)に変位可能なように構成されている。振動膜16は、後述する空間101に面している主面16Aと、主面16Aと反対側の主面16Bと、先端部16Cと、先端部16Cと反対側、かつ、膜支持部17と振動膜16との間の連結部分16Dと、を有する。振動膜16は、振動膜16と平行な平面の法線方向から観察する際、略四角状を有している。
膜支持部17は、空間(キャビティ)101を形成する四角筒状の内周面を備えている。膜支持部17の内周面の一辺には、振動膜16が内接し、これにより、振動膜16が膜支持部17によって支持される。振動膜16は膜支持部17の上端側に連結されている。
また、膜支持部17は圧電素子10の端部と重畳する領域を有しており、振動膜16は膜支持部17から張り出した片持ち梁形状を有している。振動膜16の先端部16Cは、自由端に構成されている。
基材19は、振動膜16と対向している対向面19Aを有する。また、基材19は、対向面19Aにおいて膜支持部17と接している。また、対向面19Aには、基材19を貫通し、かつ、空間101に面する開口部19aが設けられている。振動膜16、膜支持部17、及び基材19で囲まれる空間101において、振動膜16の変位により空気が振動し、開口部19aを介してトランスデューサ1の外部へ空気が流通される。また、図2に示すように、開口部19aは、端部が丸みを帯びていることが好ましい。開口部19aの端部が丸みを帯びることにより、当該端部における応力集中を緩和することができる。基材19は、例えば、シリコン(Si)より構成されている。
接触部材18は、絶縁膜22上及び膜支持部17上に形成されている。接触部材18は、振動膜16と対向するように配置されている。接触部材18は、振動膜16の変位を制御する機能を有する。すなわち、接触部材18は、振動膜16が空間100側に変位するときに、振動膜16又は振動膜16上の圧電素子10が接触部材18に接することで振動膜16の変位を制御する。
振動膜16が接する接触部材18の接触面18Aと、振動膜16との距離は、圧電素子10に定格電圧が印加されるときの振動膜16の変位(以下、「最大変位」という)に基づいて設定されている。すなわち、接触部材18の接触面18Aは、最大変位よりも大きな変位が生じた際に、振動膜16又は圧電素子10(これらの積層を振動体ともいう)が接触面18Aに接するように設定されている。これにより、圧電素子10による振動膜16の通常の変位を妨げることなく、衝撃などによって最大変位を超えるような大きな変位が振動体に生じたときに、振動膜16又は圧電素子10が接触面18Aに接することになる。
接触面18Aの形状は、振動膜16が変位したときの変位形状に基づいて形成されている。これにより、振動膜16が接触面18Aに接したときに、接触面18Aが振動膜16を面で接する。例えば、空間100に配置される接触部材18の接触面18Aは、上側に向かって湾曲するような半球形状を有していてもよい。接触部材18は、例えば、シリコン(Si)より構成されている。
接触部材18の中央には、開口部18aが設けられている。また、振動膜16と接触部材18との間の空間100において、振動膜16の変位により空気が振動し、開口部18aを介してトランスデューサ1の外部へ空気が流通される。空気が空間100内を流れる際、振動膜16の先端部16Cと、膜支持部17及び接触部材18(具体的には、Z方向における空間100及び空間101と面する膜支持部17側面及び接触部材18の側面)との距離(隙間)は、振動膜16が上下に変位しても膜支持部17及び接触部材18と接触しない程度であればよく、小さい方が好ましい。例えば、隙間が5~30μmである。隙間を小さくすることにより、空気漏れを抑制し、効率よく空気を振動させることができる。また、図2に示すように、開口部18aは、端部が丸みを帯びていることが好ましい。開口部18aの端部が丸みを帯びることにより、当該端部における応力集中を緩和することができる。
接触部材25は、振動膜16が膜厚方向(Z方向)に変位するとき、振動膜16の主面16Aと接触可能である。本明細書等において、「接触可能」とは、接触している状態、及び接触していない状態から振動等の外的要因により接触する状態を意味する。接触部材25は、基材19上に設けられている。接触部材25は、振動膜16と対向するように配置されている。具体的には、接触部材25の主面25Aは、振動膜16の主面16Aと対向している。接触部材25は、振動膜16の変位を制御する機能を有する。振動膜16は、駆動電圧を調整しても共振等により空間101側に最大変位を超えようと大きく変位しようとする。しかし、振動膜16が共振等により空間101側に最大変位を超えようと大きく変位しようとするときに、振動膜16が接触部材25に接することで振動膜16の変位が制御される。
接触部材25は、例えば、樹脂などの軟質材料、又はシリコン(Si)などから構成されている。特に、接触部材25が樹脂などの軟質材料から構成されていると、振動膜16が接触部材25に接触するときの衝撃を緩和することができるため好ましい。また、接触部材25の厚さ(Z方向の寸法)を調整することにより、振動膜16の変位の許容範囲を調整することができる。具体的には、接触部材25の厚さを厚くすれば接触部材25の主面25Aと振動膜16の主面16Aとの距離は小さくなるため、空間101側に振れる振動膜16の変位量は小さくなる。一方、接触部材25の厚さを薄くすれば接触部材25の主面25Aと振動膜16の主面16Aとの距離は大きくなるため、空間101側に振れる振動膜16の変位量は大きくなる。なお、振動膜16が共振等により空間101側に最大変位を超えようと大きく変位しようとするときは、振動膜16が接触部材25に接するように接触部材25の厚さを適宜調整することができる。
圧電素子10に電圧が印加されていない(印加電圧が0V)ときにおいて、振動膜16の主面16Aは、接触部材25の主面25Aと近接又は接触していることが望ましい。本明細書等において、「近接している」とは、振動膜16の膜厚相当の距離以下にまで近づいている状態を意味する。また、一対の電極11、12に対して駆動電圧を印加する際、圧電素子10が収縮し、膜厚方向(Z方向)に振動膜16が反ることがある。振動膜16の主面16Aと接触部材25の主面25Aとの距離は、膜厚方向(Z方向)における、振動膜16が反っていない状態から最も反る状態までの距離(反り幅ともいう)より小さい。通常、振動膜16の反り幅は、振動膜16の膜厚相当の距離より小さいため、圧電素子10に定格電圧が印加されるときは振動膜16の主面16Aと接触部材25の主面25Aとは互いに接触しないが、振動膜16が共振等により空間101側に最大変位を超えようと大きく変位しようとするときに、振動膜16が接触部材25に接することで振動膜16の変位を制御することができる。これに限られず、例えば、振動膜16の反り幅が振動膜16の膜厚相当の距離以上であっても同様に、振動膜16が共振等により空間101側に最大変位を超えようと大きく変位しようとするときに、振動膜16が接触部材25に接することで振動膜16の変位を制御することができる。
振動膜16の主面16Aと接触部材25の主面25Aとが互いに近接しているときについて説明したがこれに限られず、接触部材25の厚さ(Z方向の寸法)を適宜調整し、振動膜16の主面16Aと接触部材25の主面25Aとが互いに接触していてもよい。さらに、圧電素子10に電圧が印加されていない(印加電圧が0V)ときにおいて説明したがこれに限られない。圧電素子10に印加する最低電位は0V以外(例えば、負の電位又は正の電位)であってもよいが、例えば、圧電膜13によく用いられる圧電定数が大きいチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)はヒステリシスを有しており、圧電素子10の変位量が一定でなく、これに伴って振動膜16の変位量も一定でなくトランスデューサ1として扱いにくいため、圧電素子10に印加する最低電位は0Vであることが好ましい。
さらに、接触部材25は、振動膜16の先端部16Cよりも膜支持部17と振動膜16との間の連結部分16D側にあってもよく、例えば、先端部16Cと連結部分16Dとの中間点において、振動膜16が接触部材25と接触可能であってもよい。接触部材25の位置を調整することにより、振動膜16の変位の許容範囲を調整することができる。具体的には、接触部材25を先端部16C側に近づけると振動膜16の変位の許容範囲は小さくなるため、空間101側に振れる振動膜16の変位量は小さくなる。一方、接触部材25を連結部分16D側に近づけると振動膜16の変位の許容範囲は大きくなるため、空間101側に振れる振動膜16の変位量は大きくなる。なお、振動膜16が共振等により空間101側に最大変位を超えようと大きく変位しようとするときは、振動膜16が接触部材25に接するように接触部材25の厚さを適宜調整することができる。
また、接触部材25がX方向に幅広い場合、接触部材25により空間101が分断されたとみなすことができ、振動膜16の振動により圧力(気圧)が変化した、接触部材25より連結部分16D側の空間101内の空気は、接触部材25上部と振動膜16との間の隙間を介して外部に流れるため、接触部材25より連結部分16D側の空間101内に閉じ込められた空気により、振動膜16の共振を減衰させることが可能となる。
<第1の変形例>
さらに、開口部19aの位置は、図1及び図2において示したものに限られず、例えば、図3及び図4に示すトランスデューサ1Aのように、開口部19aが接触部材25より先端部16C側及び連結部分16D側に位置していてもよい。開口部19aが接触部材25より先端部16C側及び連結部分16D側に設けられていることにより、接触部材25より連結部分16D側の空間101内の空気も連結部分16D側にある開口部19aを介して外部に流すことができ、より圧力の変化を抑制することができる。
本実施形態において、トランスデューサ1は、振動膜16が共振して機械的に弾んだとしても接触部材25により振動膜16の変位を一定範囲内に収める機能を有する。具体的には、振動膜16が膜厚方向(Z方向)に変位するとき、振動膜16の主面16Aと接触可能である接触部材25を設けることにより、振動膜16の変位を制御することができる。
このような構成によれば、駆動電圧による振動膜の変位に対する精度が良好なトランスデューサを提供することができる。
本実施形態に係るトランスデューサは、上述した構成に限られず、様々な変更が可能である。以下に、本実施形態に係るトランスデューサの他の変形例を説明する。
<第2の変形例>
図5及び図6を用いて、本変形例に係るトランスデューサ1Bの構成を説明する。図5は、トランスデューサ1BのX方向における断面図である。図6は、トランスデューサ1Bの上面図である。本変形例に係るトランスデューサ1Bが前述の図1及び図2に示すトランスデューサ1と異なる点は、接触部材25の代わりに貫通孔35aを有する接触部材35を有する点である。本変形例において図1及び図2に示すトランスデューサ1と共通する点は前述の説明を援用し、以下、異なる点について説明する。
接触部材35は、振動膜16の主面16Aに対向する主面35Aを有し、当該主面35Aから膜厚方向(Z方向)に延在している貫通孔35aを有する。接触部材35は、振動膜16が膜厚方向(Z方向)に変位するとき、振動膜16の主面16Aと接触可能である。接触部材35は、振動膜16の変位を制御する機能を有する。振動膜16は、駆動電圧を調整しても共振等により振動膜16の下側に最大変位を超えようと大きく変位しようとする。しかし、振動膜16が共振等により振動膜16の下側に最大変位を超えようと大きく変位しようとするときに、振動膜16が接触部材35に接することで振動膜16の変位が制御される。
本変形例では、図5に示すように、圧電素子10に電圧が印加されていない(印加電圧が0V)ときにおいて、振動膜16の主面16Aは、接触部材35の主面35Aと接触しているがこれに限られず、振動膜16の主面16Aは、接触部材35の主面35Aと近接していてもよい。
貫通孔35aは、1つであっても2つ以上であってもよい。貫通孔35aのX方向における幅は、例えば、50~250μmであってもよい。また、貫通孔35aが2つ以上有している接触部材35において、各貫通孔35aのX方向における幅はそれぞれ同じであってもよく、例えば、隣り合う貫通孔35aのX方向における間隔は50~250μmであってもよい。さらに、貫通孔35aが2つ以上有している接触部材35において、各貫通孔35aのX方向における幅はそれぞれ異なっていてもよい。貫通孔35aを設けることにより、貫通孔35aには、空間100側から振動膜16の主面16A側に空気が流れる。空気の流れを調整して振動膜16を変位させることができる。
接触部材35は、上述の接触部材25と同様、例えば、樹脂などの軟質材料、又はシリコン(Si)などから構成されている。特に、接触部材35が樹脂などの軟質材料から構成されていると、振動膜16が接触部材35に接触するときの衝撃を緩和することができるため好ましい。
さらに、接触部材35は、振動膜16の先端部16Cよりも膜支持部17と振動膜16との間の連結部分16D側にあってもよい。接触部材35の位置を調整することにより、膜厚方向(Z方向)における振動膜16の変位の許容範囲を調整することができる。具体的には、接触部材35を先端部16C側に近づけると、膜厚方向(Z方向)における振動膜16の変位の許容範囲は小さくなるため、下側に振れる振動膜16の変位量は小さくなる。一方、接触部材35を連結部分16D側に近づけると、膜厚方向(Z方向)における振動膜16の変位の許容範囲は大きくなるため、下側に振れる振動膜16の変位量は大きくなる。
本変形例では、膜支持部17の厚さ(Z方向の寸法)と振動膜16の厚さ(Z方向の寸法)との差分を接触部材35の厚さ(Z方向の寸法)としたがこれに限られず、例えば、接触部材35の厚さは、膜支持部17の厚さと振動膜16の厚さとの差分より小さくてもよい。
<第3の変形例>
また、接触部材35の形状は、図5及び図6において示したものに限られず、例えば、図7に示すトランスデューサの上面図のように、複数の接触部材35の長手方向(Y方向)の端部が繋がっている共通部35bを有する接触部材35であってもよい。
本実施形態において、トランスデューサ1Bは、振動膜16が共振して機械的に弾んだとしても接触部材35により振動膜16の変位を一定範囲内に収める機能を有する。具体的には、振動膜16が膜厚方向(Z方向)に変位するとき、振動膜16の主面16Aと接触可能である接触部材35を設けることにより、振動膜16の変位を制御することができる。
第2及び第3の変形例によれば、駆動電圧による振動膜の変位に対する精度が良好なトランスデューサを提供することができる。
<電子機器>
本実施形態における電子機器について説明する。本実施形態に係る電子機器は、スピーカユニットと、スピーカユニットを収容する筐体を有する。電子機器の一例として、イヤホンが挙げられる。図8Aに示すイヤホン50は、イヤーピース51と、筐体52と、を有する。
図8Bは、イヤホン50からイヤーピース51を取り外した図であり、筐体52の形状を説明する図である。筐体52は、有底筒状であり、筒部52aと、筒部52aと接する底部52bと、を有する。筒部52aの一部と底部52bの一部にスピーカユニットが配置されている。以下、筐体52とスピーカユニットとの配置(スピーカユニットの実装)について説明する。
(実装例)
図9に示すように、スピーカユニット(トランスデューサ1)は、基材19上に膜体15及び接触部材18が設けられている構成である。トランスデューサ1(基材19、膜体15、及び接触部材18)の膜厚方向(図中の矢印で示す方向)に通気口(具体的には、図9及び図10に示す開口部18a及び開口部19a)が設けられている。
図10は、筐体52にトランスデューサ1が実装されたイヤホンの断面図である。基材19は筒部52aの一部と底部52bの一部に配置され、基材19上に膜体15及び接触部材18が設けられている。基材19は開口部19aを有し、接触部材18は開口部18aを有する。膜体15は振動膜16と膜支持部17とで構成されている。底部52bは、トランスデューサ1を介して筒部52aと隔てられており、開口部18a及び開口部19aを介して底部52bの空間と筐体52の外部とを連通させる。本実装例のおけるトランスデューサ1は、例えば、図1及び図2に示す第1の実施形態に係るトランスデューサ1を用いることができ、開口部18a、空間100、空間101、及び開口部19aを介して底部52bの空間と筐体52の外部とが連通する。
トランスデューサ1を介して筒部52aと底部52bとを隔てる構造にすることにより、筒部52aと底部52bとの間の気流が遮断される。これにより、筐体52内に他のデバイスやバッテリーなどを搭載するスペースに活用することができ、筐体52を小型化することができる。
(その他の実施形態)
上述のように、いくつかの実施形態及びについて記載したが、開示の一部をなす論述及び図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、トランスデューサは、音波を送信する以外にも、音波を受信する用途に適用してもよい。また、トランスデューサは、音波に限らず、超音波の送信又は受信を行う用途に適用してもよい。
1、1A、1B トランスデューサ
10 圧電素子
11、12 電極
13 圧電膜
15 膜体
16 振動膜
16A、16B、25A、35A 主面
17 膜支持部
18、25、35 接触部材
18a、19a 開口部
18A 接触面
19 基材
19A 対向面
20、22 絶縁膜
21 配線
35a 貫通孔
35b 共通部
50 イヤホン
51 イヤーピース
52 筐体
52a 筒部
52b 底部
100、101 空間

Claims (8)

  1. 一対の電極及び前記一対の電極に挟まれた圧電膜を備える圧電素子と、
    膜支持部と、
    前記膜支持部に連結され、かつ、前記圧電素子が設けられている第1の主面を有する膜厚方向に変位可能な振動膜と、
    前記振動膜が前記膜厚方向に変位するとき、前記第1の主面とは反対側の前記振動膜の第2の主面と接触可能である第1の接触部材と、を有する、トランスデューサ。
  2. 前記圧電素子に電圧が印加されていないときにおける前記振動膜の前記第2の主面は、前記膜厚方向における前記第1の接触部材の主面と近接又は接触している、請求項1に記載のトランスデューサ。
  3. 前記第1の接触部材は、前記振動膜の先端部よりも前記膜支持部と前記振動膜との間の連結部分側にある、請求項1又は2に記載のトランスデューサ。
  4. 基材をさらに有し、
    前記基材上に、前記膜支持部及び前記第1の接触部材がある、請求項1~3のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
  5. 前記第1の接触部材は、前記第2の主面に対向する前記第1の接触部材の主面から前記膜厚方向に延在している貫通孔を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
  6. 前記第1の接触部材は、樹脂からなる、請求項1~5のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
  7. 前記振動膜の第1の主面に対向しており、前記振動膜が前記膜厚方向に変位するときに前記振動膜に接触する第2の接触部材をさらに有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のトランスデューサを備える電子機器。
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