JP2023055146A - 電気供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】停電時に使用可能な電気量を複数の住居に不公平なく配分することができる電気供給システムを提供する。【解決手段】集合住宅の住居に電気を供給する電気供給システム1であって、住居110に設けられて、停電時における電気の供給を制限する接点33bと、住居において停電時に使用された電気量を計測する計測部33aと、接点33bを制御する制御装置10と、を備え、制御装置10は、停電時に住居において使用可能な電気量を決定し、計測部33aが計測した電気量が決定した電気量となった場合に、住居110に供給する電気の使用を制限するように接点33bを制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、電気供給システムに関する。
従来、集合住宅において発電電力を有効利用する技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された集合住宅用電力供給システムは、昼間(太陽光発電時)の時間帯は、太陽光発電装置の発電電力を、店舗、共有部、各住居の順の優先順位に従って供給するように制御する。また、時間帯が変わって夜間(日没~日の出)の時間帯になった場合には、蓄電池の電力を、共有部、各住居、店舗の順の優先順位に従って電力を供給するように制御する。
例えば、特許文献1に記載された集合住宅用電力供給システムは、昼間(太陽光発電時)の時間帯は、太陽光発電装置の発電電力を、店舗、共有部、各住居の順の優先順位に従って供給するように制御する。また、時間帯が変わって夜間(日没~日の出)の時間帯になった場合には、蓄電池の電力を、共有部、各住居、店舗の順の優先順位に従って電力を供給するように制御する。
特許文献1に記載されたシステムにおいては、停電時に住居にて使用可能な限られた電気量を、複数の住居にどのように配分するかについてさらなる改善の余地がある。
本発明は、停電時に使用可能な電気量を複数の住居に不公平なく配分することができる電気供給システムを提供することを目的とする。
本発明は、停電時に使用可能な電気量を複数の住居に不公平なく配分することができる電気供給システムを提供することを目的とする。
かかる目的のもと完成させた本発明は、集合住宅の住居に電気を供給する電気供給システムであって、前記住居に設けられて、停電時における電気の供給を制限する制限手段と、前記住居において停電時に使用された電気量を計測する計測手段と、前記制限手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、停電時に前記住居において使用可能な電気量を決定し、前記計測手段が計測した電気量が決定した電気量となった場合に、前記住居に供給する電気の使用を制限するように前記制限手段を制御する、電気供給システムである。
ここで、前記住居に、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器と、停電時に当該停電時接続器に電気を供給可能な停電時電路とを有し、前記制限手段は、前記停電時電路に配置されており、前記制御手段は、前記計測手段が計測した電気量が決定した電気量となった場合に、前記停電時電路を遮断するように前記制限手段を制御しても良い。
あるいは、前記住居に、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器と、停電時に当該停電時接続器に電気を供給可能な停電時電路とを有し、前記制限手段は、前記計測手段が計測した電気量が予め定められた所定電気量となった場合に前記停電時電路を遮断し、前記制御手段は、前記所定電気量として決定した電気量を設定しても良い。
また、前記住居に、電力系統からの電気を供給可能な接続器と、当該接続器に電気を供給可能な電路とを有し、複数の前記接続器の一部が前記停電時接続器を兼ねていても良い。
また、前記制御手段は、停電が発生した時に蓄電池に貯められている電気量を前記住居の数で除算した値を当該住居において使用可能な電気量として決定しても良い。
また、前記制御手段は、停電時に使用する電気に対する入札価格に基づいて前記住居において使用可能な電気量を決定しても良い。
また、前記制御手段は、停電が発生した時に蓄電池に貯められている電気量と、発電装置で創られた電気であって前記集合住宅にて使用されない余剰電力量とを考慮して、停電時に前記住居において使用可能な電気量を決定しても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、集合住宅の住居に電気を供給する電気供給システムであって、電気を貯めることが可能な蓄電池と、前記集合住宅の複数の前記住居それぞれに設けられた、電力系統からの電気を供給可能な接続器および当該接続器に電気を供給可能な電路と、前記複数の前記住居の内、特別料金を支払う当該住居に設けられた、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器および当該停電時接続器に前記蓄電池からの電気を供給可能な停電時電路と、を備える電気供給システムである。
ここで、前記住居に、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器と、停電時に当該停電時接続器に電気を供給可能な停電時電路とを有し、前記制限手段は、前記停電時電路に配置されており、前記制御手段は、前記計測手段が計測した電気量が決定した電気量となった場合に、前記停電時電路を遮断するように前記制限手段を制御しても良い。
あるいは、前記住居に、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器と、停電時に当該停電時接続器に電気を供給可能な停電時電路とを有し、前記制限手段は、前記計測手段が計測した電気量が予め定められた所定電気量となった場合に前記停電時電路を遮断し、前記制御手段は、前記所定電気量として決定した電気量を設定しても良い。
また、前記住居に、電力系統からの電気を供給可能な接続器と、当該接続器に電気を供給可能な電路とを有し、複数の前記接続器の一部が前記停電時接続器を兼ねていても良い。
また、前記制御手段は、停電が発生した時に蓄電池に貯められている電気量を前記住居の数で除算した値を当該住居において使用可能な電気量として決定しても良い。
また、前記制御手段は、停電時に使用する電気に対する入札価格に基づいて前記住居において使用可能な電気量を決定しても良い。
また、前記制御手段は、停電が発生した時に蓄電池に貯められている電気量と、発電装置で創られた電気であって前記集合住宅にて使用されない余剰電力量とを考慮して、停電時に前記住居において使用可能な電気量を決定しても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、集合住宅の住居に電気を供給する電気供給システムであって、電気を貯めることが可能な蓄電池と、前記集合住宅の複数の前記住居それぞれに設けられた、電力系統からの電気を供給可能な接続器および当該接続器に電気を供給可能な電路と、前記複数の前記住居の内、特別料金を支払う当該住居に設けられた、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器および当該停電時接続器に前記蓄電池からの電気を供給可能な停電時電路と、を備える電気供給システムである。
本発明によれば、停電時に使用可能な電気量を複数の住居に不公平なく配分することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る電気供給システム1の概略構成の一例を示す図である。
図2は、制御装置10の概略構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る電気供給システム1は、複数の住居110を有する集合住宅100に設けられ、集合住宅100への電気の供給を制御するシステムである。図1には、8つの住居110である、第1住居111、第2住居112、第3住居113、第4住居114、第5住居115、第6住居116、第7住居117および第8住居118を有する集合住宅100を例示している。
図1は、第1実施形態に係る電気供給システム1の概略構成の一例を示す図である。
図2は、制御装置10の概略構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る電気供給システム1は、複数の住居110を有する集合住宅100に設けられ、集合住宅100への電気の供給を制御するシステムである。図1には、8つの住居110である、第1住居111、第2住居112、第3住居113、第4住居114、第5住居115、第6住居116、第7住居117および第8住居118を有する集合住宅100を例示している。
電気供給システム1は、太陽光を利用して発電する発電装置21と、発電装置21が発電した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ22と、発電装置21にて創られた電気量を計測する電力量計23とを備えている。また、電気供給システム1は、発電装置21にて創られた電気や電力系統120からの電気を貯める蓄電池25と、蓄電池25から住居110への電気の供給を制御する制御装置10とを備えている。また、電気供給システム1は、電力系統120から集合住宅100へ供給された電気量や、発電装置21にて創られた電気の内、電力系統120に供給された電気量を計測する電力量計27を備えている。
発電装置21は、自然エネルギとして太陽光を利用して発電する装置を例示しているが、発電装置21は、自然エネルギとして、風力、水力、地熱、バイオマスを利用して発電する装置であっても良い。また、電気供給システム1は、発電装置21を備えていなくても良い。
蓄電池25は、例えば、太陽が出ている昼の間に発電装置21にて創られた電気の内、集合住宅100にて使用されない分の電気(以下、「余剰電力」と称する場合がある。)を貯める。また、蓄電池25は、例えば、夜の間に、電力系統120からの電気を貯める。そして、蓄電池25は、電力系統120から電気の供給が停止した停電時に各住居110に貯めておいた電気を供給する。
また、電気供給システム1は、各住居110に、電気機器の差込プラグが差し込まれるプラグ受けを有して電気機器に電気を供給可能な接続器31と、複数の接続器31へ電気を分ける分電盤32と、住居110にて使用された電気を積算し計量する電力量計33とを備えている。
電力量計33は、住居110にて使用された電気を積算し計測する計測部33aと、閉じることで電気を供給可能にするとともに、開くことで電気を供給不可能にする接点33bとを有する。接点33bは、後述する制御装置10にて、開閉が制御される。
(制御装置10)
制御装置10は、装置全体を制御する制御部15と、データ等の記憶に用いられる記憶部16と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部17と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部18と、外部装置との通信に用いられる通信部19とを備えている。
制御装置10は、装置全体を制御する制御部15と、データ等の記憶に用いられる記憶部16と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部17と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部18と、外部装置との通信に用いられる通信部19とを備えている。
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)(不図示)、ROM(Read Only Memory)(不図示)、RAM(Random Access Memory)(不図示)等を有している。制御部15のROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや記憶部16から読み出したアプリケーションプログラムを実行する。CPUがプログラムを実行することにより、以下に述べる、制御装置10の機能が実現される。
記憶部16は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であることを例示することができる。
表示部17は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであることを例示することができる。
操作部18は、ユーザからの操作を受け付ける入力装置である。操作部18は、ボタン、スイッチ、タッチパネルであることを例示することができる。
通信部19は、通信インターフェースであることを例示することができる。
表示部17は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであることを例示することができる。
操作部18は、ユーザからの操作を受け付ける入力装置である。操作部18は、ボタン、スイッチ、タッチパネルであることを例示することができる。
通信部19は、通信インターフェースであることを例示することができる。
制御装置10は、電力量計23、蓄電池25、電力量計27、電力量計33等と、ネットワーク50を介して互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク50は、制御装置10と電力量計23等との間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)等であることを例示することができる。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。
制御装置10は、サーバ、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、等であることを例示することができる。制御装置10は、集合住宅100内に配置されていても良いし、集合住宅100外に配置されていても良い。
図2に示すように、制御部15は、蓄電池25に貯められた電気量等を受信する受信部151と、停電時に住居110において使用可能な電気量を決定する決定部152と、住居110の電力量計33の接点33bを開閉する開閉部153とを有する。また、制御装置10は、住居110の住居者に対して情報を報知する報知部154を有する。
受信部151は、蓄電池25に貯められた電気量である蓄電池容量Esを蓄電池25から受信する。また、受信部151は、電力量計23から、発電装置21にて創られた電気量を受信する。また、受信部151は、電力量計27から、集合住宅100にて使用された電気量や、発電装置21にて創られた電気量の中から電力系統120へ供給された電気量を受信する。
決定部152は、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esを、住居110の数で除算した値を、停電時に住居110において使用可能な電気量として決定する。つまり、集合住宅100における住居110の数をnとした場合に、各住居110において使用可能な電気量である使用可能容量Erを以下の式(1)を用いて決定する。
Er=Es/n・・・(1)
例えば、蓄電池容量Esが12(kWh)、nが8戸である場合には、使用可能容量Er=12/8=1.5(kWh)と決定する。
Er=Es/n・・・(1)
例えば、蓄電池容量Esが12(kWh)、nが8戸である場合には、使用可能容量Er=12/8=1.5(kWh)と決定する。
なお、決定部152は、停電が発生したときに決定することを例示することができる。あるいは、決定部152は、停電が発生したときから予め定められた時間(例えば5分)が経過したときに決定しても良い。
開閉部153は、各住居110に設けられた電力量計33の計測部33aが計測した、停電が発生したときから積算した当該住居110における電気使用量が、決定部152が決定した使用可能容量Erとなった場合に、電力量計33の接点33bを開き、蓄電池25から当該住居110への電気の供給を遮断する。
報知部154は、住居110の住居者に対して、例えば停電が発生した旨を報知する。また、報知部154は、住居110の住居者に対して、決定部152が決定した、当該住居110における使用可能容量Erを報知する。報知する手段は特に限定されない。例えば、集合住宅100の共用部に設置されたモニタに表示することや、住居110に設置されたリモコンのディスプレイに表示することを例示することができる。あるいは、報知部154は、住居110の住居者に対して、メールを送信しても良い。
以上説明したように、電気供給システム1は、集合住宅100における各住居110に設けられて、停電時における電気の供給を制限する制限手段の一例としての接点33bを備えている。また、電気供給システム1は、住居110において停電時に使用された電力量を計測する計測手段の一例としての計測部33aと、接点33bの開閉を制御する制御手段の一例としての制御装置10とを備えている。そして、制御装置10は、停電時に住居110において使用可能な電気量を決定し、計測部33aが計測した電気量が決定した電気量となった場合に、住居110に供給する電気の使用を停止するように接点33bを開く。
このように構成された電気供給システム1によれば、停電時に複数の住居110で使用可能な電気量を、複数の住居110それぞれに等しく配分するので、各住居110は他の住居110と同じ量の電気を使用することができる。言い換えれば、電気供給システム1によれば、限られた電気量を複数の住居に公平に配分することができる。
なお、決定部152は、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esから、例えばエレベータ等の共用部にて使用する電気量を除いた電気量を、住居110の数nで除算することにより得た値を、住居110において使用可能な使用可能容量Erとしても良い。つまり、決定部152は、以下の式(2)を用いて使用可能容量Erを決定しても良い。
Er=(Es-共用部にて使用する電気量)/n・・・(2)
Er=(Es-共用部にて使用する電気量)/n・・・(2)
報知部154は、住居110の住居者に対して、例えば停電が発生した旨を報知する。また、報知部154は、住居110の住居者に対して、決定部152が決定した、当該住居110における使用可能容量Erを報知する。
また、報知部154は、太陽が出ている昼の間に停電が発生した場合であって余剰電力がある場合には、住居110の住居者に対して、余剰電力を使用するように報知しても良い。これにより、太陽が沈んだ夜まで停電が続いたとしても、蓄電池25から供給される電気の使用量が削減される。なお、報知部154は、余剰電力の使用を促す報知を、停電が発生していないときに行っても良い。報知部154は、天気予報や充電速度から余剰電力が発生することが予想される場合には、余剰電力の使用を促す報知を余剰電力が発生する前から報知しても良い。また、報知部154は、蓄電池25が満充電になっているときに報知しても良い。
また、報知部154は、太陽が出ている昼の間に停電が発生した場合であって余剰電力がある場合には、住居110の住居者に対して、余剰電力を使用するように報知しても良い。これにより、太陽が沈んだ夜まで停電が続いたとしても、蓄電池25から供給される電気の使用量が削減される。なお、報知部154は、余剰電力の使用を促す報知を、停電が発生していないときに行っても良い。報知部154は、天気予報や充電速度から余剰電力が発生することが予想される場合には、余剰電力の使用を促す報知を余剰電力が発生する前から報知しても良い。また、報知部154は、蓄電池25が満充電になっているときに報知しても良い。
(決定部152による決定処理の第1変形例)
決定部152は、住居110の住居者からの入札価格に基づいて住居110において使用可能な電気量を決定しても良い。より具体的には、受信部151は、停電時に使用する電気の価格の入札を、住居110の住居者から受信する。そして、決定部152は、受信部151が受信した入札価格に基づいて住居110において使用可能な電気量を決定する。
例えば、決定部152は、停電時に各住居110において最低限使用可能な電気量(以下、「最低量Em」と称する場合がある。)を予め定めておき、蓄電池容量Esから全住居110における最低量Emを除いた電気量(以下、「配分電気量」と称する場合がある。)を、入札価格が最も高かった住居110に配分しても良い。
決定部152は、住居110の住居者からの入札価格に基づいて住居110において使用可能な電気量を決定しても良い。より具体的には、受信部151は、停電時に使用する電気の価格の入札を、住居110の住居者から受信する。そして、決定部152は、受信部151が受信した入札価格に基づいて住居110において使用可能な電気量を決定する。
例えば、決定部152は、停電時に各住居110において最低限使用可能な電気量(以下、「最低量Em」と称する場合がある。)を予め定めておき、蓄電池容量Esから全住居110における最低量Emを除いた電気量(以下、「配分電気量」と称する場合がある。)を、入札価格が最も高かった住居110に配分しても良い。
つまり、決定部152は、入札価格が最も高かった住居110の使用可能容量Erhを以下の式(3)を用いて決定し、入札価格が最も高くなかった住居110や入札しなかった住居110の使用可能容量Erlを最低量Emと決定する。
Erh=Em+(Es-Em×n)・・・(3)
Erl=Em
Erh=Em+(Es-Em×n)・・・(3)
Erl=Em
図3は、第1変形例に係る決定処理により決定部152が各住居110の使用可能容量Erを決定する過程の一例を示す図である。
例えば、蓄電池容量Esが12(kWh)、nが8戸、最低量Emが1(kWh)である場合を考える。
各住居110の入札価格が、図3(a)に示すように、第1住居111が5千円、第2住居112が1万円、第3住居113および第4住居114が入札なし、第5住居115が6千円、第6住居116が3千円、第7住居117が8千円、第8住居118が千円である場合には、決定部152は、入札価格が最も高かった住居110を第2住居112と決定する。そして、図3(b)に示すように、第2住居112の使用可能容量Erhを、Erh=1+(12-8)=5(kWh)と決定し、第2住居112以外の住居110の使用可能容量Erlを最低量Em=1(kWh)と決定する。
例えば、蓄電池容量Esが12(kWh)、nが8戸、最低量Emが1(kWh)である場合を考える。
各住居110の入札価格が、図3(a)に示すように、第1住居111が5千円、第2住居112が1万円、第3住居113および第4住居114が入札なし、第5住居115が6千円、第6住居116が3千円、第7住居117が8千円、第8住居118が千円である場合には、決定部152は、入札価格が最も高かった住居110を第2住居112と決定する。そして、図3(b)に示すように、第2住居112の使用可能容量Erhを、Erh=1+(12-8)=5(kWh)と決定し、第2住居112以外の住居110の使用可能容量Erlを最低量Em=1(kWh)と決定する。
なお、受信部151は、例えば、停電が発生した後、予め定められた時間(例えば30分)が経過したときから入札を受信開始し、予め定められた時間(例えば60分)が経過したときに入札を受信終了することを例示することができる。報知部154は、住居110の住居者に対して、入札を受信開始するタイミングを報知しても良い。また、報知部154は、入札価格に基づいて決定した使用可能容量Erを報知しても良い。
また、受信部151は、日付が変わっても停電が継続する場合には、翌日以降、予め定められた開始時刻(例えば午後5時)に入札を受信開始し、予め定められた終了時刻(例えば午後6時)に受信終了することを例示することができる。そして、決定部152は、終了時刻における入札価格に基づいて予め定められた切替時刻(例えば午後7時)からその翌日の切替時刻までの1日間の使用可能容量Erを決定しても良い。
なお、決定部152は、最低量Emを0(kWh)とし、配分電気量を蓄電池容量Esとしても良い。つまり、決定部152は、入札価格が最も高かった住居110の使用可能容量Erhを蓄電池容量Esとし、入札価格が最も高くなかった住居110や入札しなかった住居110の使用可能容量Erlを0(kWh)としても良い。
また、決定部152は、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esから共用部にて使用する電気量を除いた電気量を各住居110に配分するとともに、入札価格に基づいて各住居110の使用可能容量Erを決定しても良い。
また、決定部152は、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esから共用部にて使用する電気量を除いた電気量を各住居110に配分するとともに、入札価格に基づいて各住居110の使用可能容量Erを決定しても良い。
このように、第1変形例に係る決定処理においては、決定部152は、停電時に使用する電気に対する入札価格に基づいて住居110において使用可能な電気量を決定する。それゆえ、停電時の使用可能な限られた電気量を、複数の住居110に不公平なく配分することができる。
(決定部152による決定処理の第2変形例)
図4は、第2変形例に係る決定処理により決定部152が各住居110の使用可能容量Erを決定する過程の一例を示す図である。
決定部152は、入札価格に基づいて住居110において使用可能な電気量を決定する際に、入札価格が高いほど使用可能容量Erが多くなるように決定しても良い。
図4は、第2変形例に係る決定処理により決定部152が各住居110の使用可能容量Erを決定する過程の一例を示す図である。
決定部152は、入札価格に基づいて住居110において使用可能な電気量を決定する際に、入札価格が高いほど使用可能容量Erが多くなるように決定しても良い。
例えば、決定部152は、蓄電池容量Esから全住居110における最低量Emを除いた配分電気量を、住居110の入札価格に比例させて配分しても良い。より具体的には、決定部152は、第k住居11kにおける使用可能容量Er(k)を、最低量Emに、全住居110の入札価格の合計価格Btに対する当該第k住居11kにおける入札価格B(k)の割合の分の電気量を加算した値とする。つまり、決定部152は、以下の式(4)を用いて決定する。
Er(k)=Em+(Es-Em×n)×B(k)/Bt・・・(4)
なお、kは、1~nの中のいずれかの整数である。
Er(k)=Em+(Es-Em×n)×B(k)/Bt・・・(4)
なお、kは、1~nの中のいずれかの整数である。
例えば、各住居110の入札価格が、図4(a)に示すように、第1住居111が1万円、第2住居112が6千円、第3住居113が4千円、第4住居114~第8住居118が入札なし(B(k)=0円)である場合には、決定部152は、第k住居11kにおける使用可能容量Er(k)を以下のように決定する(図4(b)参照)。なお、第1変形例と同様に、蓄電池容量Esは12(kWh)、nが8戸、最低量Emは1(kWh)である。
Er(1)=1+4×1/2=3(kWh)
Er(2)=1+4×0.6/2=2.2(kWh)
Er(3)=1+4×0.4/2=1.8(kWh)
Er(4)~Er(8)=1(kWh)
Er(1)=1+4×1/2=3(kWh)
Er(2)=1+4×0.6/2=2.2(kWh)
Er(3)=1+4×0.4/2=1.8(kWh)
Er(4)~Er(8)=1(kWh)
なお、第2変形例に係る決定処理においても、決定部152は、最低量Emを0(kWh)と設定しても良い。
また、決定部152は、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esから共用部にて使用する電気量を除いた電気量を各住居110に配分するとともに、入札価格が高いほど使用可能容量Erが多くなるように決定しても良い。
また、決定部152は、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esから共用部にて使用する電気量を除いた電気量を各住居110に配分するとともに、入札価格が高いほど使用可能容量Erが多くなるように決定しても良い。
(決定部152による決定処理の第3変形例)
図5は、第3変形例に係る決定処理により決定部152が各住居110の使用可能容量Erを決定する過程の一例を示す図である。
決定部152は、入札価格がm番目に高い住居110に配分電気量のD(m)%を配分すると予め定めておき、入札価格の順位に応じて配分電気量に予め定められた割合を乗算することにより得た値を、最低量Emに加算することにより得た値を使用可能容量Erと決定する。
図5は、第3変形例に係る決定処理により決定部152が各住居110の使用可能容量Erを決定する過程の一例を示す図である。
決定部152は、入札価格がm番目に高い住居110に配分電気量のD(m)%を配分すると予め定めておき、入札価格の順位に応じて配分電気量に予め定められた割合を乗算することにより得た値を、最低量Emに加算することにより得た値を使用可能容量Erと決定する。
例えば、入札価格が1番目に高い住居110に配分電気量の60%(=D(1)%)、入札価格が2番目に高い住居110に配分電気量の30%(=D(2)%)、入札価格が3番目に高い住居110に配分電気量の10%(=D(3)%)、4番目以降は0%と決定する。そして、各住居110の入札価格が、図5(a)に示すように、第1住居111が1万円、第2住居112が6千円、第3住居113が4千円、第4住居114~第8住居118が入札なし(B(k)=0円)である場合には、決定部152は、第k住居11kにおける使用可能容量Er(k)を以下のように決定する(図5(b)参照)。なお、第1変形例と同様に、蓄電池容量Esは12(kWh)、nが8戸、最低量Emは1(kWh)である。また、D(1)=60、D(2)=30、D(3)=10、D(4)~D(8)=0である。
Er(1)=1+4×60/100=3.4(kWh)
Er(2)=1+4×30/100=2.2(kWh)
Er(3)=1+4×10/100=1.4(kWh)
Er(4)~Er(8)=1(kWh)
Er(1)=1+4×60/100=3.4(kWh)
Er(2)=1+4×30/100=2.2(kWh)
Er(3)=1+4×10/100=1.4(kWh)
Er(4)~Er(8)=1(kWh)
なお、第3変形例に係る決定処理においても、決定部152は、最低量Emを0(kWh)と設定しても良い。
また、決定部152は、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esから共用部にて使用する電気量を除いた電気量を各住居110に配分するとともに、入札価格の順位に応じて配分電気量の割合を定めて、各住居110の使用可能容量Erを決定しても良い。
また、決定部152は、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esから共用部にて使用する電気量を除いた電気量を各住居110に配分するとともに、入札価格の順位に応じて配分電気量の割合を定めて、各住居110の使用可能容量Erを決定しても良い。
(決定部152による決定処理の第4変形例)
図6は、第4変形例に係る決定処理により決定部152が各住居110の使用可能容量Erを決定する過程の一例を示す図である。
決定部152は、入札価格が1番目からm番目に高い住居110に対して、配分電気量を均等に(100/m%ずつ)配分しても良い。mは、nよりも小さい整数であり、例えば4であることを例示することができる。
そして、各住居110の入札価格が、図6(a)に示すように、第1住居111が4千円、第2住居112が6千円、第3住居113が1万円、第4住居114が3千円、第5住居115が2千円、第6住居116が千円、第7住居117および第8住居118が入札なし(B(k)=0円)である場合には、決定部152は、第k住居11kにおける使用可能容量Er(k)を以下のように決定する(図6(b)参照)。なお、第1変形例と同様に、蓄電池容量Esは12(kWh)、nが8戸、最低量Emは1(kWh)である。また、mは4である。
Er(1)=1+4×25/100=2(kWh)
Er(2)=1+4×25/100=2(kWh)
Er(3)=1+4×25/100=2(kWh)
Er(4)=1+4×25/100=2(kWh)
Er(5)~Er(8)=1(kWh)
図6は、第4変形例に係る決定処理により決定部152が各住居110の使用可能容量Erを決定する過程の一例を示す図である。
決定部152は、入札価格が1番目からm番目に高い住居110に対して、配分電気量を均等に(100/m%ずつ)配分しても良い。mは、nよりも小さい整数であり、例えば4であることを例示することができる。
そして、各住居110の入札価格が、図6(a)に示すように、第1住居111が4千円、第2住居112が6千円、第3住居113が1万円、第4住居114が3千円、第5住居115が2千円、第6住居116が千円、第7住居117および第8住居118が入札なし(B(k)=0円)である場合には、決定部152は、第k住居11kにおける使用可能容量Er(k)を以下のように決定する(図6(b)参照)。なお、第1変形例と同様に、蓄電池容量Esは12(kWh)、nが8戸、最低量Emは1(kWh)である。また、mは4である。
Er(1)=1+4×25/100=2(kWh)
Er(2)=1+4×25/100=2(kWh)
Er(3)=1+4×25/100=2(kWh)
Er(4)=1+4×25/100=2(kWh)
Er(5)~Er(8)=1(kWh)
なお、第4変形例に係る決定処理においても、決定部152は、最低量Emを0(kWh)と設定しても良い。
また、決定部152は、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esから共用部にて使用する電気量を除いた電気量を各住居110に配分するとともに、入札価格の順位に基づいて各住居110の使用可能容量Erを決定しても良い。
また、決定部152は、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esから共用部にて使用する電気量を除いた電気量を各住居110に配分するとともに、入札価格の順位に基づいて各住居110の使用可能容量Erを決定しても良い。
(決定部152による決定処理の第5変形例)
決定部152は、使用可能容量Erではなく、優先的に使用可能な時間帯を決定しても良い。例えば、発電装置21にて電気が創られ難くなる午後6時から午前6時を住居110の数nにて除算した時間(例えば12時間/8=1.5時間)毎に、優先的に使用可能な住居110を切り替える。そして、決定部152は、入札価格の順位に応じて、使用可能な時間帯の順番を決定しても良い。
決定部152は、使用可能容量Erではなく、優先的に使用可能な時間帯を決定しても良い。例えば、発電装置21にて電気が創られ難くなる午後6時から午前6時を住居110の数nにて除算した時間(例えば12時間/8=1.5時間)毎に、優先的に使用可能な住居110を切り替える。そして、決定部152は、入札価格の順位に応じて、使用可能な時間帯の順番を決定しても良い。
図7は、第5変形例に係る決定処理により決定部152が各住居110の使用可能時間帯を決定する過程の一例を示す図である。
各住居110の入札価格が、図7(a)に示すように、第1住居111が5千円、第2住居112が1万円、第3住居113が7千円、第4住居114が2千円、第5住居115が6千円、第6住居116が3千円、第7住居117が8千円、第8住居118が千円である場合には、決定部152は、入札価格の順位を、第2住居112、第7住居117、第3住居113、第5住居115、第1住居111、第6住居116、第4住居114、第8住居118の順と決定する。そして、決定部152は、図7(b)に示すように、入札価格の順位の順に早い時間帯で使用できるように、第2住居112、第7住居117、第3住居113、第5住居115、第1住居111、第6住居116、第4住居114、第8住居118が優先的に使用できる時間帯を、それぞれ、午後6時~午後7時半、午後7時半~午後9時、午後9時~午後10時半、午後10時半~午後12時、午前0時~午前1時半、午前1時半~午前3時、午前3時~午前4時半、午前4時半~午前6時と決定する。
各住居110の入札価格が、図7(a)に示すように、第1住居111が5千円、第2住居112が1万円、第3住居113が7千円、第4住居114が2千円、第5住居115が6千円、第6住居116が3千円、第7住居117が8千円、第8住居118が千円である場合には、決定部152は、入札価格の順位を、第2住居112、第7住居117、第3住居113、第5住居115、第1住居111、第6住居116、第4住居114、第8住居118の順と決定する。そして、決定部152は、図7(b)に示すように、入札価格の順位の順に早い時間帯で使用できるように、第2住居112、第7住居117、第3住居113、第5住居115、第1住居111、第6住居116、第4住居114、第8住居118が優先的に使用できる時間帯を、それぞれ、午後6時~午後7時半、午後7時半~午後9時、午後9時~午後10時半、午後10時半~午後12時、午前0時~午前1時半、午前1時半~午前3時、午前3時~午前4時半、午前4時半~午前6時と決定する。
これにより、入札価格が高い住居110ほど、早い時間帯に使用できる。その結果、蓄電池容量Esが0(kWh)となった時点で使用できなくなるので、入札価格が高い住居110ほど確度高く使用できるようになる。
なお、入札価格の順番で、使用可能な時間帯を選択できるようにしても良い。
また、蓄電池25に貯められた電気量の使用開始時間は午後6時からに限定されない。集合住宅100において使用される電気量が発電装置21にて創られる電気量よりも多くなると考えられる時間に設定すると良い。例えば、午後5時や午後7時等、季節や地域に応じて設定しても良い。
また、雨天時の場合は、昼の間でも発電装置21にて電気が創られ難くなることから、雨天時に停電が発生した場合には、昼の間であっても、集合住宅100において使用される電気量が発電装置21にて創られる電気量よりも多くなり、発電装置21にて創られる電気量だけでは足りなくなる可能性がある。そこで、雨天時の場合は、昼の間であっても、早期に蓄電池25に貯められた電気量を使用開始するべく、停電が発生した後、例えば1時間後から、蓄電池25に貯められた電気量を使用開始するようにしても良い。
なお、入札価格の順番で、使用可能な時間帯を選択できるようにしても良い。
また、蓄電池25に貯められた電気量の使用開始時間は午後6時からに限定されない。集合住宅100において使用される電気量が発電装置21にて創られる電気量よりも多くなると考えられる時間に設定すると良い。例えば、午後5時や午後7時等、季節や地域に応じて設定しても良い。
また、雨天時の場合は、昼の間でも発電装置21にて電気が創られ難くなることから、雨天時に停電が発生した場合には、昼の間であっても、集合住宅100において使用される電気量が発電装置21にて創られる電気量よりも多くなり、発電装置21にて創られる電気量だけでは足りなくなる可能性がある。そこで、雨天時の場合は、昼の間であっても、早期に蓄電池25に貯められた電気量を使用開始するべく、停電が発生した後、例えば1時間後から、蓄電池25に貯められた電気量を使用開始するようにしても良い。
また、決定部152は、入札価格が高い住居110ほど優先的に使用できる時間が長くなるように決定しても良い。また、決定部152は、入札価格が高い住居110ほど優先的に使用できる時間が長くなるように決定するとともに、入札価格の順番で、使用可能な時間帯を選択できるようにしても良い。
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る電気供給システム2の概略構成の一例を示す図である。
電気供給システム2は、第1の実施形態に係る電気供給システム1に対して、集合住宅100の住居110に、電力系統120からの電流を供給する通路である電路51に加えて、蓄電池25からの電流を供給する通路であり停電時にも住居110に電流を供給可能な停電時電路52を備えている点が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第2実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
図8は、第2実施形態に係る電気供給システム2の概略構成の一例を示す図である。
電気供給システム2は、第1の実施形態に係る電気供給システム1に対して、集合住宅100の住居110に、電力系統120からの電流を供給する通路である電路51に加えて、蓄電池25からの電流を供給する通路であり停電時にも住居110に電流を供給可能な停電時電路52を備えている点が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第2実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
電気供給システム2は、住居110に設けられて、停電時電路52から供給される電気を電気機器に供給可能な停電時接続器231と、停電時接続器231を介して使用された電気を積算し計量する電力量計233とを備えている。また、電気供給システム2は、閉じることで停電時電路52を介して電気を供給可能にするとともに、開くことで停電時電路52を介する電気の供給不可能にする接点234bを有する遮断器234を備えている。
また、電気供給システム2は、停電時電路52を介する住居110への電気の供給を制御する制御装置210を備えている。
制御装置210は、受信部151と、決定部152と、遮断器234の接点234bを開閉する開閉部253と、報知部154とを有する。
制御装置210は、受信部151と、決定部152と、遮断器234の接点234bを開閉する開閉部253と、報知部154とを有する。
以上のように構成された電気供給システム2においては、停電が生じていない時には、電路51を介して電力系統120から住居110に電気が供給される。他方、停電が生じている時には、停電時電路52を介して蓄電池25から住居110に電気が供給される。ユーザは、例えば冷蔵庫や照明器等、停電時においても作動させたい機器を停電時接続器231に接続することで、停電時においても停電時接続器231に接続された機器を作動させることが可能となる。そして、制御装置210の開閉部253は、各住居110に設けられた電力量計233が計測した、停電が発生したときから積算した当該住居110における電気使用量が、決定部152が決定した使用可能容量Erとなった場合に、遮断器234の接点234bを開き、蓄電池25から当該住居110への電気の供給を遮断する。
このように、電気供給システム2は、住居110に、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器231と、停電時に停電時接続器231に電気を供給可能な停電時電路52とを有し、遮断器234は、閉じることで停電時電路52に電気を通じさせるとともに、開くことで停電時電路52を遮断して電気を通じさせないようにする接点234bを有する。そして、制御装置210は、電力量計233が計測した電気量が決定した電気量となった場合に、停電時電路52を遮断するように接点234bを制御する。このような構成であっても、停電時の使用可能な限られた電気量を、複数の住居110に不公平なく配分することができる。
そして、電気供給システム2においては、電力系統からの電気を供給可能であり停電時には電力系統からの電気が供給されない接続器31とは別に、停電時に機器に蓄電池25の電気を供給可能な停電時接続器231を設け、停電時には停電時接続器231を利用させる。例えば、第1実施形態に係る電気供給システム1においては、接続器31に接続された機器に対して、停電時に蓄電池25の電気を供給するため、接続器31に接続された機器の待機電力等で、意図せず蓄電池25の電気が使われてしまうおそれがある。これに対して、電気供給システム2においては、接続器31とは別に停電時接続器231を設けることで、意図しない機器等の待機電力等で、蓄電池25の電気が無駄に使われることを抑制することができる。
なお、停電時接続器231は、接続器31とは異なり、停電が発生していないときには電気が供給されないことから、ユーザが接続器31と停電時接続器231とを区別し易いように、接続器31と停電時接続器231との色を異ならせることが好ましい。例えば、接続器31における挿し込み口の周囲の色を白、停電時接続器231における挿し込み口の周囲の色を赤とすることを例示することができる。また、停電時接続器231における挿し込み口の周囲に、停電が発生したときのみ電気が供給される旨の注意書きを施すことが好ましい。
また、報知部154は、住居110の住居者に対して停電が発生した旨を報知する際に、停電時接続器231が設置されている場所(例えば台所等)、接続器31とは異なる色である旨、停電が発生したときのみ電気が供給される旨の注意書きが施されている旨等を報知しても良い。これにより、住居110の所有者または住居者が停電時接続器231の存在に気づかずに使用しないことが抑制される。
なお、住居110に設けられた複数の接続器31の内のいずれかの接続器31が停電時接続器231であっても良い。つまり、複数の接続器31の内のいずれかの接続器31が、電路51に接続されているとともに、停電時電路52に接続されていても良い。言い換えれば、接続器31は、電路51および停電時電路52に接続されている第1接続器(不図示)と、電路51にのみ接続されている第2接続器(不図示)とを有し、第1接続器が停電時接続器231であっても良い。これにより、停電時に、複数の接続器31の内の特定の接続器31に電気が供給される。その結果、ユーザは、例えば冷蔵庫や照明器等、停電時においても作動させたい機器を第1接続器に接続することで、これらの機器を停電時に作動させることが可能となる。
また、第2実施形態に係る電気供給システム2においては、決定部152は、発電装置21にて電気が創られている昼間に停電が発生した場合には、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esに加えて、余剰電力量をも考慮して各住居110の使用可能容量Erを決定しても良い。
例えば、複数の住居110に均等に配分する場合には、決定部152は、上述した式(1)を用いて決定する代わりに、以下の式(5)を用いて決定しても良い。
Er=(Es+余剰電力量)/n・・・(5)
なお、式(5)の余剰電力量は、停電が発生した当日の量である。また、決定部152は、当日の天気予報や、停電が発生するまでの充電速度等を用いて、余剰電力量を予想することが可能である。
Er=(Es+余剰電力量)/n・・・(5)
なお、式(5)の余剰電力量は、停電が発生した当日の量である。また、決定部152は、当日の天気予報や、停電が発生するまでの充電速度等を用いて、余剰電力量を予想することが可能である。
同様に、決定部152は、第1~第4変形例に係る決定処理においても、発電装置21にて電気が創られている昼間に停電が発生した場合には、停電が発生した時点に蓄電池25に貯められている蓄電池容量Esに加えて余剰電力量をも考慮して各住居110の使用可能容量Erを決定しても良い。
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係る電気供給システム3の概略構成の一例を示す図である。
第3実施形態に係る電気供給システム3は、第2実施形態に係る電気供給システム2に対して、電力量計233および遮断器234の代わりに、遮断器334を備えている点と、制御装置210の代わりに制御装置310を備えている点が異なる。
図9は、第3実施形態に係る電気供給システム3の概略構成の一例を示す図である。
第3実施形態に係る電気供給システム3は、第2実施形態に係る電気供給システム2に対して、電力量計233および遮断器234の代わりに、遮断器334を備えている点と、制御装置210の代わりに制御装置310を備えている点が異なる。
遮断器334は、住居110にて使用された電気を積算し計測する計測部334aと、閉じることで電気を供給可能にするとともに、開くことで電気を供給不可能にする接点334bとを有する。そして、遮断器334は、予め定められた所定電気量が停電時電路52を通過したことを計測部334aが計測した場合に接点334bを開いて停電時電路52を遮断する。
制御装置310は、受信部151と、決定部152と、遮断器334に対して所定電気量を設定する設定部355と、報知部154とを有する。設定部355は、所定電気量として、決定部152が決定した使用可能容量Erを設定する。
以上のように構成された電気供給システム3においては、停電が生じている時には、停電時電路52を介して蓄電池25から住居110に電気が供給される。そして、遮断器334が、住居110に供給された電気量が制御装置310の設定部355が設定した所定電気量、言い換えれば、使用可能容量Erとなった場合に、停電時電路52を遮断し、蓄電池25から当該住居110への電気の供給を遮断する。それゆえ、このような構成であっても、停電時の使用可能な限られた電気量を、複数の住居110に不公平なく配分することができる。
なお、上述した第3実施形態に係る電気供給システム3においては、制御装置310の設定部355が所定電気量を設定可能であるが、特にかかる態様に限定されない。所定電気量は、手動で設定可能であっても良い。また、所定電気量は、遮断器334が住居110に取り付けられたときに設定された固定値(例えば2(kWh))であっても良い。制御装置310が使用可能容量Erを設定しない構成である場合には、制御装置310を備える必要ないため、システムを安価に実現することができる。
また、遮断器334は、所定電気量が停電時電路52を通過したことを計測部334aが計測して接点334bが開いた後、一定時間(例えば、1日間)が経過したときに自動的に接点が閉じる状態に戻る構成であっても良い。これにより、制御装置310が遠隔的に制御しない構成であっても、簡易に元の状態に戻すことが可能となる。
また、遮断器334は、所定電気量が停電時電路52を通過したことを計測部334aが計測して接点334bが開いた後、一定時間(例えば、1日間)が経過したときに自動的に接点が閉じる状態に戻る構成であっても良い。これにより、制御装置310が遠隔的に制御しない構成であっても、簡易に元の状態に戻すことが可能となる。
<第4実施形態>
図10は、第4実施形態に係る電気供給システム4の概略構成の一例を示す図である。
第4実施形態に係る電気供給システム4は、第2実施形態に係る電気供給システム2に対して、集合住宅100の複数の住居110の内、電気供給システム4の所有者と予め契約した住居110(図10においては第5住居115)のみに、停電時電路52および停電時接続器231を有している点が異なる。以下、第2実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態と第4実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
図10は、第4実施形態に係る電気供給システム4の概略構成の一例を示す図である。
第4実施形態に係る電気供給システム4は、第2実施形態に係る電気供給システム2に対して、集合住宅100の複数の住居110の内、電気供給システム4の所有者と予め契約した住居110(図10においては第5住居115)のみに、停電時電路52および停電時接続器231を有している点が異なる。以下、第2実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態と第4実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
住居110の所有者または住居者は、電気供給システム4の所有者との間で、特別料金を支払うことを条件として、停電時電路52を介して停電時に蓄電池25からの電気の供給を受ける契約を結ぶことを例示することができる。言い換えれば、契約者が居住する住居110には、電力系統120からの電気が供給される電路51に加えて、蓄電池25からの電気が供給される停電時電路52が設けられているとともに、停電時接続器231が設けられている。そして、契約者は、停電時電路52および停電時接続器231を介して、停電時に蓄電池25からの電気の供給を受けることが可能になっている。その対価として、契約者は、契約していない住居110の所有者または住居者が支払う電気料金(例えば、契約電流に応じた基本料金+電力量料金)に加えて特別料金を支払う。特別料金は、毎月支払う料金(例えば5千円)であることを例示することができる。あるいは、特別料金は、毎年または2年毎に支払う料金であっても良いし、例えば入居時に一括して支払う料金であっても良い。
上述したように、電気供給システム4は、電気を貯めることが可能な蓄電池25と、集合住宅100の複数の住居110それぞれに設けられた、電力系統120からの電気を供給可能な接続器31および接続器31に電気を供給可能な電路51と、を備える。また、電気供給システム4は、複数の住居110の内、特別料金を支払う住居110に設けられた、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器231、および、停電時接続器231に蓄電池25からの電気を供給可能な停電時電路52を備える。
この電気供給システム4においては、停電時に蓄電池25の電気を使用できる権利を、特別料金として、例えば毎月の電気料金を高く支払う住居110に対して付与する。それゆえ、停電時の使用可能な限られた電気量を、複数の住居110に不公平なく配分することができる。
なお、停電時電路52および停電時接続器231が設けられている住居110が複数ある場合には、決定部152が、停電時にこれらの住居110において使用可能な使用可能容量Erを決定する。そして、制御装置210の開閉部253は、これらの住居110に設けられた電力量計233が計測した、停電が発生したときから積算した当該住居110における電気使用量が、決定部152が決定した使用可能容量Erとなった場合に、遮断器234の接点234bを開き、蓄電池25から当該住居110への電気の供給を遮断すると良い。
1,2,3,4…電気供給システム、10,110,210…制御装置、15…制御部、21…発電装置、25…蓄電池、31…接続器、32…分電盤、33,233…電力量計、33a,334a…計測部、33b,234b,334b…接点、51…電路、52…停電時電路、100…集合住宅、110…住居、120…電力系統、152…決定部、153…開閉部、154…報知部、231…停電時接続器
Claims (8)
- 集合住宅の住居に電気を供給する電気供給システムであって、
前記住居に設けられて、停電時における電気の供給を制限する制限手段と、
前記住居において停電時に使用された電気量を計測する計測手段と、
前記制限手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、停電時に前記住居において使用可能な電気量を決定し、前記計測手段が計測した電気量が決定した電気量となった場合に、前記住居に供給する電気の使用を制限するように前記制限手段を制御する、
電気供給システム。 - 前記住居に、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器と、停電時に当該停電時接続器に電気を供給可能な停電時電路とを有し、
前記制限手段は、前記停電時電路に配置されており、
前記制御手段は、前記計測手段が計測した電気量が決定した電気量となった場合に、前記停電時電路を遮断するように前記制限手段を制御する、
請求項1に記載の電気供給システム。 - 前記住居に、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器と、停電時に当該停電時接続器に電気を供給可能な停電時電路とを有し、
前記制限手段は、前記計測手段が計測した電気量が予め定められた所定電気量となった場合に前記停電時電路を遮断し、
前記制御手段は、前記所定電気量として決定した電気量を設定する、
請求項1に記載の電気供給システム。 - 前記住居に、電力系統からの電気を供給可能な接続器と、当該接続器に電気を供給可能な電路とを有し、
複数の前記接続器の一部が前記停電時接続器を兼ねている、
請求項2または3に記載の電気供給システム。 - 前記制御手段は、停電が発生した時に蓄電池に貯められている電気量を前記住居の数で除算した値を当該住居において使用可能な電気量として決定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電気供給システム。 - 前記制御手段は、停電時に使用する電気に対する入札価格に基づいて前記住居において使用可能な電気量を決定する
請求項1から4のいずれか1項に記載の電気供給システム。 - 前記制御手段は、停電が発生した時に蓄電池に貯められている電気量と、発電装置で創られた電気であって前記集合住宅にて使用されない余剰電力量とを考慮して、停電時に前記住居において使用可能な電気量を決定する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の電気供給システム。 - 集合住宅の住居に電気を供給する電気供給システムであって、
電気を貯めることが可能な蓄電池と、
前記集合住宅の複数の前記住居それぞれに設けられた、電力系統からの電気を供給可能な接続器および当該接続器に電気を供給可能な電路と、
前記複数の前記住居の内、特別料金を支払う当該住居に設けられた、停電時に電気機器に電気を供給可能な停電時接続器および当該停電時接続器に前記蓄電池からの電気を供給可能な停電時電路と、
を備える電気供給システム。
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JP2021164305A JP2023055146A (ja) | 2021-10-05 | 2021-10-05 | 電気供給システム |
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JP2021164305A Pending JP2023055146A (ja) | 2021-10-05 | 2021-10-05 | 電気供給システム |
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JP (1) | JP2023055146A (ja) |
-
2021
- 2021-10-05 JP JP2021164305A patent/JP2023055146A/ja active Pending
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