JP2023054786A - 食品錠剤の製造方法 - Google Patents

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圭介 瓜生
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Abstract

【課題】本発明は、打錠障害を引き起こす食品素材を含有する食品錠剤の製造方法の提供を目的とする。【解決手段】打錠面に滑沢剤が噴霧塗布された打錠機で、アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分を含有する打錠原料を打錠する工程を含む、食品錠剤の製造方法。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1) 開催日 2021年10月6日~2021年10月8日 集会名 食品開発展2021 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1) (2) 食品開発展2022 ウェブサイトの掲載日 2022年2月14日~2022年2月28日 ウェブサイトのアドレス https://www.hijapan.info/search/ (3) 発行日 2022年1月24日 刊行物 食品新聞 (4) 発行日 2022年2月16日、2022年3月1日、2022年3月2日 刊行物 健康産業新聞 (5) 発行日 2022年5月16日 刊行物 FOOD STYLE21 vol.26 No.5 (6) 日本経済新聞(電子版) ウェブサイトの掲載日 2022年3月15日 ウェブサイトのアドレス;https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC11BKI0R10C22A3000000/?unlock=1 (7) 発行日 2022年3月16日 刊行物 日本経済新聞 (8) ウェルネスデイリーニュース(電子版) 発行日 2022年4月4日 ウェブサイトのアドレス https://wellness-news.co.jp/posts/%e5%82%99%e5%89%8d%e5%8c%96%e6%88%90%e3%80%81%e6%96%b0%e3%83%bb%e8%a3%bd%e5%89%a4%e6%8a%80%e8%a1%93%e3%82%92%e9%96%8b%e7%99%ba%e3%80%80%e9%8c%a0%e5%89%a4%e3%81%ab%e6%a9%9f%e8%83%bd%e6%80%a7%e6%88%90/ (9) 発行日 2022年4月10日 刊行物 Wellness Monthly Report 46号
本発明は、粘着性の強い食品素材を打錠により製造する方法に関する。
菓子、サプリメント、健康食品等の分野では錠剤形態の食品が利用されている。錠剤の製造の一形態として打錠による製造がなされている。
特開2014-091714号公報
錠剤化が望まれる食品素材の中には粘着性の強いものがあり、そのような食品素材を含む原料粉末を使用して打錠すると、打錠障害、例えばスティッキング(杵又は臼に原料粉末が付着する現象)や、成型錠剤の表面が欠けるといった成型不良が多く発生するため、工業的な量産が困難であった。これを解決するため、粘着性を抑制するための吸着性の他の成分を原料に含めてから打錠する技術が報告されているが、そのような他の成分を配合することは本来意図されていない。また、そのような他の成分を配合することにより、又は、そのような成分で前処理をすることにより、余分な費用及び操作が発生する。
本発明者らが、粘着性の強い、コエンザイムQ10、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム等を含む錠剤を打錠により製造しようと検討した結果、ステアリン酸カルシウム等の滑沢剤を打錠機の打錠面(杵及び/又は臼)に噴霧した後、打錠することによって、打錠障害が抑制され、製造される錠剤の外観不良が抑制され、長時間、打錠を継続できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、例えば下記の態様を包含する。
項1.
打錠面に滑沢剤が噴霧塗布された打錠機で、アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分を含有する打錠原料を打錠する工程を含む、食品錠剤の製造方法。
項2.
前記滑沢剤が、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種である項1に記載の食品錠剤の製造方法。
項3.
前記アミノ酸類が、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸、テアニン、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、5-アミノレブリン酸及びカルニチンからなる群から選択される少なくとも1種である項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
項4.
前記脂溶性化合物が、α-リポ酸、コエンザイムQ10、共益リノール酸、アスタキサンチン、ルテイン、カロテン、リコペン、ビタミンA、ビタミンE、レシチン、プラズマローゲン、DHA及びEPAからなる群から選択される少なくとも1種である項1~3のいずれかに記載の食品錠剤の製造方法。
項5.
前記脂質含有藻類由来粉末が、ユーグレナ、スピルリナ及びクロレラからなる群から選択される少なくとも1種である項1~4のいずれかに記載の食品錠剤の製造方法。
項6.
前記脂質含有植物由来粉末が、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末、大豆抽出エキス末、クチナシエキス末及びサフランエキス末からなる群から選択される少なくとも1種である項1~5のいずれかに記載の食品錠剤の製造方法。
項7.
前記糖類が、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N-アセチルグルコサミン、イソマルトデキストリン、グルコース、キシリトール、ソルビトール及びエリスリトールからなる群から選択される少なくとも1種である項1~6のいずれかに記載の食品錠剤の製造方法。
項8.
前記粘着性成分が、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸、テアニン、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、5-アミノレブリン酸及びカルニチンからなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分の含有量が打錠原料質量に対し30質量%以上である項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
項9.
前記粘着性成分が、α-リポ酸、コエンザイムQ10、共益リノール酸、アスタキサンチン、ルテイン、カロテン、リコペン、ビタミンA、ビタミンE、レシチン、プラズマローゲン、DHA及びEPAからなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分の含有量が打錠原料質量に対し10質量%以上である項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
項10.
前記粘着性成分が、ユーグレナ、スピルリナ、クロレラ、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末、大豆抽出エキス末、クチナシエキス末及びサフランエキス末からなる群から選択される少なくとも1種からなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分の含有量が打錠原料質量に対し50質量%以上である項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
項11.
前記粘着性成分が、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N-アセチルグルコサミン、イソマルトデキストリン、グルコース、キシリトール、ソルビトール及びエリスリトールからなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分の含有量が打錠原料質量に対し50質量%以上である項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
項12.
アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分を錠剤質量に対し10質量%以上含有する食品錠剤。
項13.
前記粘着性成分が、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸、テアニン、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、5-アミノレブリン酸及びカルニチンからなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分を錠剤質量に対し30質量%以上含有する項12に記載の食品錠剤。
項14.
前記粘着性成分が、α-リポ酸、コエンザイムQ10、共益リノール酸、アスタキサンチン、ルテイン、カロテン、リコペン、ビタミンA、レシチン、プラズマローゲン、DHA及びEPAからなる群から選択される少なくとも1種である、項12に記載の食品錠剤。
項15.
前記粘着性成分が、ユーグレナ、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末及び大豆抽出エキス末からなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分を錠剤質量に対し50質量%以上含有する項12に記載の食品錠剤。
項16.
前記粘着性成分が、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N-アセチルグルコサミン、イソマルトデキストリン、グルコース、キシリトール、ソルビトール及びエリスリトールからなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分を錠剤質量に対し50質量%以上含有する項12に記載の食品錠剤。
本発明の食品錠剤の製造方法は、粘着性の強い食品素材を含む錠剤を打錠により製造する際の打錠障害(例えば、スティッキング、錠剤表面の剥離等)を抑制できる。
本発明の食品錠剤は、粘着性の強い食品素材を含有し、その粘着性を抑制するための他の成分をさらに含有しないときでも、錠剤表面の剥離が抑制されている。
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
食品錠剤の製造方法
本発明の食品錠剤の製造方法は、アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末、糖類のような粘着性の強い成分を含有する食品錠剤を打錠により製造する方法であってよい。この製造方法では、打錠に使用される打錠機の打錠面に滑沢剤が噴霧塗布されることによって、粘着性の強い食品素材が引き起こすスティッキング、錠剤表面の剥離などの打錠障害を抑制できる。
打錠面は、打錠機において、原料粉末を圧縮及び成型する際に原料粉末と接する面であり、代表的には、杵及び臼である。滑沢剤の噴霧塗布は、杵のみ、臼のみ、杵及び臼の双方、のいずれになされていてもよく、杵になされていることが好ましい。打錠面への滑沢剤の噴霧塗布は、典型的には市販の外部噴霧塗布装置によって実施できる。
打錠面に噴霧塗布される滑沢剤としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムが好ましく、ステアリン酸カルシウムが食品安全性の点からより好ましい。滑沢剤は1種単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
滑沢剤の噴霧塗布量は、打錠障害を抑制できる限り特に制限されない。滑沢剤の噴霧塗布量は、錠剤1個の質量に対して、例えば0.01~1.5質量%、0.01~1.0質量%等とでき、0.05~0.5質量%が好ましい。
打錠に使用する打錠機は、錠剤を成型できる限り特に制限されない。打錠機としては、例えば単発打錠機、ロータリー式打錠機等が挙げられ、連続打錠できること、外部噴霧装置との連携が良好であること等観点からロータリー式打錠機が好ましい。
打錠の際の打圧は、錠剤を成型できる限り特に制限されない。打圧としては、例えば3~20KN、3~15KN等とでき、3~12KNが好ましい。
打錠機及び噴霧塗布に関する上記条件及びその他の条件は、原料の種類、量、製造する錠剤の形状、量等に応じて適宜設定及び変更が可能である。
製造される食品錠剤の形状は、特に制限されず、食品錠剤の使用目的、打錠機の仕様等に応じて適宜所望の形状とすることができる。
打錠原料は、通常、粉末であるが、錠剤を成型できる限り特に制限されない。
アミノ酸類は、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、遊離アミノ酸等であってよい。必須アミノ酸としては、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、ヒスチジンが挙げられ、イソロイシン、ロイシン、バリン、トリプトファンが好ましい。非必須アミノ酸としては、アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられ、グルタミン、アルギニン、グリシン、グルタミン酸が好ましい。
アミノ酸類は、例えば、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸、テアニン、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、カルニチン、シスチン、5-アミノレブリン酸、ピログルタミン酸等が挙げられ、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸、テアニン、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、5-アミノレブリン酸、カルニチンが好ましく、必須アミノ酸、グルタミン、シトルリン、カルニチン、γ-アミノ酪酸、ヒドロキシメチルブチレートカルシウムがより好ましく、グリシン、グルタミン、シトルリン、カルニチン、ヒドロキシメチルブチレートカルシウムが特に好ましい。アミノ酸類は1種単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
脂溶性化合物は、例えば、脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)、α-リポ酸、コエンザイムQ10、共益リノール酸、アスタキサンチン、ルテイン、カロテン、リコペン、レシチン、プラズマローゲン、DHA、EPAであってよく、α-リポ酸、コエンザイムQ10、共益リノール酸、アスタキサンチン、ルテイン、カロテン、リコペン、ビタミンA、ビタミンE、レシチン、プラズマローゲン、DHA、EPA等であってよく、コエンザイムQ10、α-リポ酸、レシチン、ビタミンEが好ましい。脂溶性化合物は1種単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
脂質含有藻類由来粉末は、藻類から得られる脂質を含有する粉末であってよく、例えば、脂質含有藻類粉末、脂質含有藻類エキス粉末である。脂質含有藻類由来粉末は1種単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
脂質含有藻類粉末は、例えば、ユーグレナ、スピルリナ、クロレラ、昆布、海苔、ワカメ等の粉末であり、ユーグレナ、昆布、海苔、ワカメ等の粉末が好ましく、ユーグレナ、スピルリナ、クロレラの粉末がより好ましい。
脂質含有藻類エキス粉末は、例えば、ユーグレナ、スピルリナ、クロレラ、昆布、海苔、ワカメ等から得られるエキスの粉末等であってよく、ユーグレナ、昆布、海苔、ワカメ等から得られるエキスの粉末等が好ましく、ユーグレナから得られるエキスの粉末がより好ましい。
脂質含有植物由来粉末は、植物から得られる脂質を含有する粉末であってよいが、藻類から得られる脂質を含有する粉末を含まない。脂質含有植物由来粉末は、例えば、脂質含有植物粉末、脂質含有植物エキス粉末である。脂質含有植物由来粉末は1種単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
脂質含有植物粉末は、例えば、白楡木茸属キノコ、冬虫夏草等の粉末である。
脂質含有植物エキス粉末は、例えば、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末、大豆抽出エキス末、クチナシエキス末、サフランエキス末等であってよく、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末、大豆抽出エキス末が好ましく、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末、大豆抽出エキス末がより好ましく、サラシアエキス末、大豆抽出エキス末がより一層好ましい。
糖類は、例えば、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N-アセチルグルコサミン、イソマルトデキストリン、グルコース、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等であってよく、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N-アセチルグルコサミン、イソマルトデキストリン、キシリトールが好ましく、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、イソマルトデキストリンがより好ましい。糖類は1種単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分は、コエンザイムQ10、α-リポ酸、レシチン、ビタミンE、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、グルタミン、シトルリン、グリシン、カルニチン、グルコサミン塩酸塩、ユーグレナ、スピルリナ、クロレラ、白楡木茸属キノコ、サラシアエキス末及び5-アミノレブリン酸からなる群から選択される少なくとも1種であってもよく、コエンザイムQ10、α-リポ酸、レシチン、ビタミンE、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、グルタミン、シトルリン、グリシン、カルニチン、グルコサミン塩酸塩、ユーグレナ、スピルリナ、クロレラ及び5-アミノレブリン酸からなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
粘着性成分としては、コエンザイムQ10、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、ユーグレナ、白楡木茸属キノコ、サラシアエキス末が好ましく、コエンザイムQ10、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、ユーグレナがより好ましく、コエンザイムQ10、ヒドロキシメチルブチレートカルシウムが好ましい。
打錠原料における、アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分の含有割合は、打錠障害が抑制できる限り特に制限されないが、打錠原料質量に対し、例えば5~98質量%、10~98質量%、15~98質量%、20~98質量%、30~98質量%、40~98質量%、50~98質量%、5~96質量%、10~96質量%、15~96質量%、20~96質量%、30~96質量%、40~96質量%、50~96質量%、70~96質量%、70~95質量%、5~90質量%、10~90質量%、15~90質量%、20~90質量%、30~90質量%、40~90質量%、50~90質量%、70~90質量%、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、10~70質量%、15~60質量%、20~50質量%、50~90質量%、50~85質量%、50~80質量%等とできる。
前記粘着性成分が、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸、テアニン、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、5-アミノレブリン酸及びカルニチンからなる群から選択される少なくとも1種であるときは、当該粘着性成分の打錠原料における含有割合は、打錠原料質量に対し、例えば、30質量%以上、30~98質量%、50~98質量%、30~96質量%、50~96質量%、70~95質量%等とでき、70~96質量%が好ましい。
前記粘着性成分が、α-リポ酸、コエンザイムQ10、共益リノール酸、アスタキサンチン、ルテイン、カロテン、リコペン、ビタミンA、ビタミンE、レシチン、プラズマローゲン、DHA及びEPAからなる群から選択される少なくとも1種であるときは、当該粘着性成分の打錠原料における含有割合は、打錠原料質量に対し、例えば、10質量%以上、10~70質量%、15~60質量%等とでき、20~50質量%が好ましい。
前記粘着性成分が、ユーグレナ、スピルリナ、クロレラ、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末、大豆抽出エキス末、クチナシエキス末及びサフランエキス末からなる群から選択される少なくとも1種であるときは、当該粘着性成分の打錠原料における含有割合は、打錠原料質量に対し、例えば、50質量%以上、50~90質量%、50~85質量%、50~80質量%等とでき、50~81質量%が好ましい。
前記粘着性成分が、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N-アセチルグルコサミン、イソマルトデキストリン、グルコース、キシリトール、ソルビトール及びエリスリトールからなる群から選択される少なくとも1種であるときは、当該粘着性成分の打錠原料における含有割合は、打錠原料質量に対し、例えば、50質量%以上、50~95質量%、50~90質量%、60~90質量%等とでき、70~90質量%が好ましい。
打錠原料には、必要に応じて、アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分に加えて、他の成分を配合してもよい。打錠原料における他の成分の含有割合は、アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分の前記含有割合の残部であってよい。
他の成分としては、食品錠剤の打錠成型に使用される原料を広く使用できる。他の成分としては、賦形剤、タンパク質、糖類、他のビタミン類、ミネラル類、フラボノイド類、キノン類、ポリフェノール類、核酸、必須脂肪酸、清涼剤、結合剤、甘味料、崩壊剤、滑沢剤、着色料、香料、安定化剤、防腐剤、徐放調整剤、界面活性剤、光沢剤、溶解剤、湿潤剤、流動化剤等を、1種単独で又は2種以上組み合わせて、適宜の量で配合することができる。また、製造された食品錠剤は、必要に応じて、コーティング剤(例えば、シェラック、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)で被覆されていてもよいし、また1又は2以上の層で被覆されていてもよい。
賦形剤としては、例えば、マルチトール、マルトース、乳糖、マンニトール、グルコース、結晶セルロース、デンプン、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、デキストリンなどが挙げられる。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン、プロピレングリコールなどが挙げられる。
甘味料としては、例えば、マルチトール、トレハロース、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、アスパルテーム、ステビア、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチンなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、寒天、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウムなどが挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、植物油脂などが挙げられる。
流動化剤としては、微粒二酸化ケイ素、タルクなどが挙げられる。
タンパク質としては、例えば、大豆ホエイ、乳ホエイ、ゼラチンなどが挙げられる。
糖類としては、例えば、デンプン、デキストリン、単糖、ブドウ糖、果糖などが挙げられる。
他のビタミン類としては、例えば、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンP、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられる。
ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレンなどが挙げられ、これらは無機体及び有機体から成るものが含まれる。
好ましい他の成分としては、結晶セルロース、マルチトール、微粒二酸化ケイ素が挙げられる。
食品錠剤
本発明の食品錠剤は、アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分を錠剤質量に対し10質量%以上含有する。本発明の食品錠剤は、例えば、本発明の製造方法によって製造できる。本発明の食品錠剤は、
本発明の食品錠剤の説明には、特に断らない限り、本発明の製造方法に関する上述の説明であって、食品錠剤に適用可能な説明が適用できる。例えば、食品錠剤がアミノ酸類を含有する場合、当該アミノ酸類としては、本発明の製造方法の説明において説明したアミノ酸類を使用できる。
食品錠剤における、アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分、その他の成分等の含有割合は、本発明の製造方法の説明における打錠原料中のそれら成分の含有割合を適用できる。
本発明の食品錠剤の硬度は、例えば、40~300N、50~200N等とでき、好ましくは50~150Nである。本発明の製造方法によれば、粘着性の強い成分を含む打錠原料を使用しても打錠障害を起こしにくいため、粘着性の強い成分を含むにもかかわらず、硬度の高い食品錠剤を製造できる。
本発明の食品錠剤は、アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末又は糖類を含有するため、これらの成分に基づく、生理活性、味、色、匂い等を有する錠剤とできる。このため、これらの成分の生理活性に基づく、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、保健用食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品用の錠剤として好適であり、サプリメント用の錠剤として特に好適である。
以下、実施例等によって本発明の一実施態様を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下の例で使用された材料、装置等は次のとおりである。
ロータリー式打錠機:AQUARIUS;菊水製作所
外部滑沢噴霧装置:ELS-P1;菊水製作所
ステアリン酸カルシウム:栄華商事株式会社
ステアリン酸マグネシウム:太平化学株式会社
結晶セルロース1:VIVAPURE101;レッテンマイヤージャパン株式会社
結晶セルロース2:セオラスUF-F711;旭化成株式会社
結晶セルロース3:セオラスUF-F702;旭化成株式会社
結晶セルロース4:セオラスST-100;旭化成株式会社
乳糖:LACTOSE 100M;GLANBIA製
マルトース:サンマルトミドリ;株式会社林原
ヒドロキシプロピルセルロース:セルニーL;日本曹達株式会社
微粒二酸化ケイ素:サイロページ;富士シリシア化学株式会社
アスコルビン酸:L-アスコルビン酸-100メッシュパス品;三東魯維
コエンザイムQ10:フィトQ10;フィトファーマ株式会社
ヒドロキシメチルブチレートカルシウム:HMB-Ca;フィトファーマ株式会社
グリシン:グリシン;昭和電工株式会社
L-シトルリン:発酵シトルリン協和;協和発酵バイオ株式会社
L-グルタミン:L-グルタミン;協和発酵バイオ株式会社
L-カルニチンフマル酸塩:L-カルニチンフマル酸塩;フィトファーマ株式会社
ヒドロキシプロピルセルロース:セルニーSL;日本曹達株式会社
でんぷん:PCS FC-50;旭化成株式会社
食物繊維加工品(オート麦ファイバー、寒天)/リン酸三カルシウム:イナゲル ファイバーサット;伊那食品工業株式会社
リン酸三カルシウム:第三リン酸カルシウム:米山化学工業株式会社
グルコサミン塩酸塩:グルコサミン(塩酸塩);株式会社中原
コンドロイチン硫酸:サケ由来コンドロイチン40;日本薬品株式会社
II型コラーゲン:UC-II UC-250;株式会社 龍泉堂
スピルリナ:スピルリナパウダーST-F;Hainan DIC Microalgae Co.,Ltd.
ユーグレナ:ユーグレナグラシリス;株式会社ユーグレナ
クロレラ:ヤエヤマクロレラ粉末;八重山殖産株式会社
大豆レシチン:SLP-ホワイト;辻製油株式会社
α-リポ酸:R-αリポ酸CD;株式会社シクロケムバイオ
d-α-トコフェロール;三菱ケミカルフーズ株式会社
比較例1;コエンザイムQ10が配合された錠剤の打錠による製造
表1に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。コエンザイムQ10は粘着性が強い物質である。錠剤1錠あたりの質量は230mgとした。すべての原料(総質量3kg)を袋に入れてよく混合した。ロータリー式打錠機を用いて、混合された原料を打錠した。
打錠に使用した杵はφ8mm(6.5R)であり、これを打錠機に6本据え付けた。打錠機の運転パラメータを、予圧:1.6KN、本圧:10KN、ロータリー回転数:35rpmと設定して稼働させた。錠剤の目標硬度を実用的な60Nとした。
打錠機の稼働から3分経過時点で、6本全ての上杵に原料粉が張り付くスティッキングが発生した。製造された錠剤は、その表面がえぐれた成型不良品であった。
Figure 2023054786000001
実施例1;コエンザイムQ10が配合された錠剤の打錠による製造
外部滑沢噴霧装置を用いて、ロータリー式打錠機のロータリー部及び杵臼部に、ステアリン酸カルシウムを吹き付けながら、比較例1と同様に打錠を実施した。
外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:32g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤質量の0.1%(0.23mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように噴霧流量を調節した。
この条件で打錠を15分継続した結果、スティッキングの発生及び成型不良の錠剤は認められず、目標である60Nの硬度を有し、光沢のある錠剤が得られた。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠を実施することで、コエンザイムQ10を15%含有する処方における錠剤化プロセスでのスティッキングの発生を抑制し、外観が滑らかな錠剤化が可能になることが判明した。また、このような効果はステアリン酸カルシウムのような粉末油脂、例えばステアリン酸マグネシウムを使用すれば同様になると考えられる。
実施例2~5;コエンザイムQ10が20~50%配合された錠剤の打錠による製造
表2に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。錠剤1錠あたりの質量は210mgとした。すべての原料(総質量3kg)を袋に入れてよく混合した。ロータリー式打錠機を用いて、混合された原料を打錠した。
打錠に使用した杵はφ8mm(6.5R)であり、これを打錠機に6本据え付けた。打錠機の運転パラメータを、予圧:1.6-1.8KN、本圧:4-10KN、ロータリー回転数:35rpmと設定して稼働させた。
併せて、ロータリー式打錠機のロータリー部及び杵臼部に、ステアリン酸カルシウムを吹き付けながら、実施例1と同様に打錠を実施した。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:26-130g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に表2に示される量のステアリン酸カルシウムが付加されるように噴霧流量を調節した。
実施例2と3において打錠を15分継続した結果、スティッキングの発生及び成型不良の錠剤は認められなかった。実施例4と5において打錠を7分継続した結果、スティッキングの発生及び成型不良の錠剤は認められなかった。各実施例における錠剤硬度は60~70Nの硬度を有し、実用的な水準であった。このようにコエンザイムQ10が高濃度で配合された原料粉で打錠成型が可能なことを示す先行知見は無く、本願実施例にて初めて実証された。
Figure 2023054786000002
比較例2~5;コエンザイムQ10が20~50%配合された錠剤の打錠による製造
外部滑沢噴霧装置によるロータリー部及び杵臼部へのステアリン酸カルシウムの吹き付けをしなかったことを除いて、実施例2~5と同様にして打錠した。なお、比較例2~5は各々実施例2~5に対応する。
打錠開始直後から表面のえぐれた錠剤が発生し、6本全ての杵においてスティッキングの発生が認められた。
このことから、上記実施例のように、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠を実施することで、コエンザイムQ10が50%という高濃度の原料粉を使用して打錠してもスティッキングの発生を抑制できた。
比較例6;ヒドロキシメチルブチレートカルシウム(HMB-Ca)が配合された錠剤の打錠による製造
原料を表3に示す原料に変更したことを除き、比較例1と同様にして打錠した。錠剤の目標硬度は120Nとした。
打錠機の稼働から3分経過時点で、6本全ての上杵に原料粉が張り付くスティッキングが発生した。製造された錠剤は、その表面がえぐれた成型不良品であった。
Figure 2023054786000003
実施例6;HMB-Caが配合された錠剤の打錠による製造
原料を表3に示す原料に変更したことを除き、実施例1と同様にして打錠した。錠剤の目標硬度は120Nとした。
打錠を20分継続した結果、スティッキングの発生及び成型不良の錠剤は認められず、目標である120Nの硬度を有し、光沢のある錠剤が得られた。
実施例7及び比較例7;HMB-Caが配合された錠剤の打錠による製造
原料を表3に示す原料に変更し、噴霧流量を16g/hrへ、ステアリン酸カルシウムの付加量を0.05%(0.115mg)へ変更したことを除き、実施例1と同様にして打錠した。錠剤の目標硬度は120Nとした。
打錠を20分継続した結果、スティッキングの発生及び成型不良の錠剤は認められず、目標である120Nの硬度を有し、光沢のある錠剤が得られた(実施例7)。
その後、外部滑沢噴霧装置を停止させて打錠を継続した。5分後、表面がえぐれた錠剤が認められ、全ての杵においてスティッキングが発生していた(比較例7)。
実施例8~10及び比較例8;HMB-Caが40~60%配合された錠剤の打錠による製造
原料を表4に示す原料に変更し、錠剤1錠あたりの質量を200mgへ、予圧を1.5KNへ、本圧を4~8KNへ、噴霧流量を26g/hrへ、ステアリン酸カルシウム付加量を錠剤質量の0.1%(0.20mg)へ変更したことを除き、実施例6と同様にして打錠した。錠剤の目標硬度は120Nとした。
打錠を20分継続した結果、スティッキングの発生及び成型不良の錠剤は認められず、目標である120Nの硬度を有し、光沢のある錠剤が得られた(実施例8~10)。
実施例8の打錠の後、外部滑沢噴霧装置を停止させて打錠を継続した。30秒後、すべての錠剤の表面がえぐれており、全ての杵においてスティッキングが発生していた(比較例8)。
Figure 2023054786000004
実施例11~13及び比較例9;HMB-Caが70~90%配合された錠剤の打錠による製造
表5に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。HMB-Caは流動性が悪くハンドリングしにくいため、HMB-Caを造粒して使用した。錠剤1錠あたりの質量は200mgとした。
HMB-Caを流動層造粒乾燥機(FLOW COATER、フロイント産業)に入れ、ヒドロキシプロピルセルロースの10%液を噴霧しながらHMB-Caの造粒を行った(給気温度:90℃、排気温度:40~60℃)。その後、表5に示される処方量に従って、造粒したHMB-Ca、結晶セルロース、マルトース、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ8mm(6.5R)であり、打錠機の運転パラメータは、予圧1.2~1.4KN、本圧3~4KN、ロータリー回転数は35rpmとした。
外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:26g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤質量の0.1%(0.20mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
ロータリー式打錠機及び外部噴霧装置を稼働し、実施例6と同様にして打錠した。錠剤の目標硬度は120Nとした。
打錠を20分継続した結果、スティッキングの発生及び成型不良の錠剤は認められず、目標である120Nの硬度を有し、光沢のある錠剤が得られた(実施例11~13)。
実施例11の打錠の後、外部滑沢噴霧装置を停止させて打錠を継続した。30秒後、表面がえぐれた錠剤が認められ、全ての杵においてスティッキングが発生していた(比較例9)。
外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを錠剤質量の僅か0.1%を吹き付けながら打錠することにより、HMB-Ca含量90%という高含量錠剤が打錠製造可能であった。
Figure 2023054786000005
実施例14及び比較例10;グルタミンが90%配合された錠剤の打錠による製造
表6に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。錠剤1錠あたりの質量は300mgとした。グルタミンは流動性が悪くハンドリングしにくいため、予めグルタミンを造粒した。ロット総重量5kgとした時、グルタミンを撹拌造粒機(バーチカルグラニュレータ、パウレック)に入れ、ヒドロキシプロピルセルロースの3.75%液を滴下練合し(ブレード:300~400rpm、チョッパー:1400~1500rpm)、流動層造粒乾燥機で乾燥してグルタミンの造粒を行った(給気温度:90℃、排気温度:40~60℃)。その後、表6に示される処方量に従って、造粒したグルタミン、ヒドロキシプロピルセルロース、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ9mm(7.5R)であり、打錠機の運転パラメータは実施例11~13と同様にし、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを打錠機のロータリー部及び杵臼部に吹き付けながら稼働させた。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:142g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤総重量の0.5%(1.5mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
30分間の連続打錠を実施した結果、実施例14では硬度:68.2Nを有する実用的な錠剤が得られ、外観に凹みやえぐれが発生した錠剤は認められず、9本全ての杵においてスティッキングの発生は無かった。
外部滑沢噴霧装置によるロータリー部及び杵臼部へのステアリン酸カルシウムの吹き付けをしなかったことを除いて、実施例14と同様にして打錠を実施した(比較例10)。
打錠開始直後から表面のえぐれた錠剤が発生し、9本全ての杵においてスティッキングの発生が認められた。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠を実施することで、グルタミンが90%という高濃度においてもスティッキングの発生を抑制できることが明らかになった。
Figure 2023054786000006
実施例15及び比較例11;シトルリンが80%配合された錠剤の打錠による製造
表7に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。錠剤1錠あたりの質量は350mgとした。シトルリンは流動性が悪くハンドリングしにくいため、予めシトルリンを造粒した。ロット総重量5kgとした時、シトルリンを撹拌造粒機(バーチカルグラニュレータ、パウレック)に入れ、ヒドロキシプロピルセルロースの4%液を滴下練合し(ブレード:300~400rpm、チョッパー:1400~1500rpm)、流動層造粒乾燥機で乾燥してシトルリンの造粒を行った(給気温度:90℃、排気温度:40~60℃)。その後、表7に示される処方量に従って、造粒したシトルリン、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ9mm(7.5R)であり、打錠機の運転パラメータは実施例11~13と同様にし、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを打錠機のロータリー部及び杵臼部に吹き付けながら稼働させた。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:165g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤重量の0.5%(1.75mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
30分間の連続打錠を実施した結果、実施例15では硬度:63.7Nを有する実用的な錠剤が得られ、外観に凹みやえぐれが発生した錠剤は認められず、9本全ての杵においてスティッキングの発生は無かった。
外部滑沢噴霧装置によるロータリー部及び杵臼部へのステアリン酸カルシウムの吹き付けをしなかったことを除いて、実施例15と同様にして打錠を実施した(比較例11)。
打錠開始直後から表面のえぐれた錠剤が発生し、9本全ての杵においてスティッキングの発生が認められた。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠を実施することで、シトルリンが80%という高濃度においてもスティッキングの発生を抑制できることが明らかになった。
Figure 2023054786000007
実施例16及び比較例12;グリシンが90%配合された錠剤の打錠による製造
表8に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。錠剤1錠あたりの質量は350mgとした。グリシンは流動性が悪くハンドリングしにくいため、予めグリシンを造粒した。ロット総重量5kgとした時、グリシンを撹拌造粒機(バーチカルグラニュレータ、パウレック)に入れ、ヒドロキシプロピルセルロースの4%液を滴下練合し(ブレード:300~400rpm、チョッパー:1400~1500rpm)、流動層造粒乾燥機で乾燥してグリシンの造粒を行った(給気温度:90℃、排気温度:40~60℃)。その後、表8に示される処方量に従って、造粒したグリシン、ヒドロキシプロピルセルロース、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ9mm(7.5R)であり、打錠機の運転パラメータは実施例11~13と同様にし、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを打錠機のロータリー部及び杵臼部に吹き付けながら稼働させた。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:165g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤重量の0.5%(1.75mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
30分間の連続打錠を実施した結果、実施例16では硬度:65.1Nを有する実用的な錠剤が得られ、外観に凹みやえぐれが発生した錠剤は認められず、9本全ての杵においてスティッキングの発生は無かった。
外部滑沢噴霧装置によるロータリー部及び杵臼部へのステアリン酸カルシウムの吹き付けをしなかったことを除いて、実施例16と同様にして打錠を実施した(比較例12)。
打錠開始直後から表面のえぐれた錠剤が発生し、9本全ての杵においてスティッキングの発生が認められた。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠を実施することで、グリシンが90%という高濃度においてもスティッキングの発生を抑制できることが明らかになった。
Figure 2023054786000008
実施例17及び比較例13;カルニチンが90%配合された錠剤の打錠による製造
表9に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。錠剤1錠あたりの質量は300mgとした。カルニチンは流動性が悪くハンドリングしにくいため、予めカルニチンを造立した。ロット総重量5kgとした時、カルニチンを撹拌造粒機(バーチカルグラニュレータ、パウレック)に入れ、ヒドロキシプロピルセルロースの5%液を滴下練合し(ブレード:300~400rpm、チョッパー:1400~1500rpm)、流動層造粒乾燥機で乾燥してカルニチンの造粒を行った(給気温度:90℃、排気温度:40~60℃)。その後、表9に示される処方量に従って、造粒したカルニチン、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ9mm(7.5R)であり、打錠機の運転パラメータは実施例11~13と同様にし、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを打錠機のロータリー部及び杵臼部に吹き付けながら稼働させた。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:99g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤重量の0.3%(0.9mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
30分間の連続打錠を実施した結果、実施例17では硬度:100Nを有する錠剤が得られ、外観に凹みやえぐれが発生した錠剤は認められず、9本全ての杵においてスティッキングの発生は無かった。
外部滑沢噴霧装置によるロータリー部及び杵臼部へのステアリン酸カルシウムの吹き付けをしなかったことを除いて、実施例17と同様にして打錠を実施した(比較例13)。
打錠開始直後から表面のえぐれた錠剤が発生し、9本全ての杵においてスティッキングの発生が認められた。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠を実施することで、カルニチンが80%という高濃度においてもスティッキングの発生を抑制できることが明らかになった。
Figure 2023054786000009
実施例18及び比較例14;HMB-Caが96%配合された錠剤の打錠による製造
表10に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。錠剤1錠あたりの質量は260mgとした。HMB-Caは流動性が悪くハンドリングしにくいため、予めHMB-Caを造立した。ロット総重量5kgとした時、HMB-Caを撹拌造粒機(バーチカルグラニュレータ、パウレック)に入れ、ヒドロキシプロピルセルロースの3.75%液を滴下練合し(ブレード:300~400rpm、チョッパー:1400~1500rpm)、流動層造粒乾燥機で乾燥してHMB-Caの造粒を行った(給気温度:90℃、排気温度:40~60℃)。その後、表10に示される処方量に従って、造粒したHMB-Ca、ヒドロキシプロピルセルロース、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ8mm(6.5R)であり、打錠機の運転パラメータは実施例11~13と同様にし、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを打錠機のロータリー部及び杵臼部に吹き付けながら稼働させた。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:155g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤重量の0.5%(1.3mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
30分間の連続打錠を実施した結果、実施例18では硬度:178.4Nを有する実用的な錠剤が得られ、外観に凹みやえぐれが発生した錠剤は認められず、9本全ての杵においてスティッキングの発生は無かった。
外部滑沢噴霧装置によるロータリー部及び杵臼部へのステアリン酸カルシウムの吹き付けをしなかったことを除いて、実施例18と同様にして打錠を実施した(比較例14)。
打錠開始直後から表面のえぐれた錠剤が発生し、9本全ての杵においてスティッキングの発生が認められた。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠を実施することで、HMB-Caが96%という高濃度においてもスティッキングの発生を抑制できることが明らかになった。
実施例6~18の結果から、スティッキングを生じやすいアミノ酸類を原料粉に含む場合、滑沢剤を打錠面に噴霧しながら打錠することでスティッキングを防止できることが明らかとなった。アミノ酸類は、アミノ基が有する表面自由エネルギーの高さによって粘着性をもたらすと考えられる。このため、他のアミノ酸類、例えば、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、γ-アミノ酪酸、テアニン、5-アミノレブリン酸等を使用した場合にもこの打錠方法はスティッキングの抑制に有効であると考えられる。
Figure 2023054786000010
実施例19及び比較例15;コエンザイムQ10が50%配合された錠剤の打錠による製造
表11に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。錠剤1錠あたりの質量は270mgとした。ロット総重量を5kgとして、表11に示される処方量に従って、コエンザイムQ10、でんぷん、食物繊維加工品(オート麦ファイバー、寒天)/リン酸三カルシウム、リン酸三カルシウム、結晶セルロース、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ9mm(8.0R)であり、打錠機の運転パラメータは実施例11~13と同様にし、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを打錠機のロータリー部及び杵臼部に吹き付けながら稼働させた。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:135g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤重量の0.5%(1.35mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
10分間の連続打錠を実施した結果、実施例19では硬度:50.3Nを有する実用的な錠剤が得られ、外観に凹みやえぐれが発生した錠剤は認められず、19本全ての杵においてスティッキングの発生は無かった。
外部滑沢噴霧装置によるロータリー部及び杵臼部へのステアリン酸カルシウムの吹き付けをしなかったことを除いて、実施例19と同様にして打錠を実施した(比較例15)。
打錠開始直後から表面のえぐれた錠剤が発生し、9本全ての杵においてスティッキングの発生が認められた。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠を実施することで、コエンザイムQ10が50%という高濃度においてもスティッキングの発生を抑制できることが、実施例5と同様に、明らかになった。
Figure 2023054786000011
実施例20;グルコサミン塩酸塩が89%配合された錠剤の打錠による製造
表12に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。錠剤1錠あたりの質量は420mgとした。グルコサミン塩酸塩は流動性が悪くハンドリングしにくいため、予めグルコサミン塩酸塩を造立した。ロット総重量5kgとした時、グルコサミン塩酸塩とヒドロキシプロピルセルロースを混合したものを攪拌造粒機(バーチカルグラニュレータ、パウレック)に入れ、90%アルコールを、仕込みに対して24%重量滴下し、練合し(ブレード:300~400rpm、チョッパー:1400~1500rpm)、流動層造粒乾燥機で乾燥してグルコサミン塩酸塩の造粒を行った(給気温度:90℃、排気温度:40~60℃)。その後、表12に示される処方量に従って、造粒したグルコサミン塩酸塩、ヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、II型コラーゲン、ステアリン酸カルシウムを袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ9mm(7.5R)であり、打錠機の運転パラメータは実施例11~13と同様にし、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを打錠機のロータリー部及び杵臼部に吹き付けながら稼働させた。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:122g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤重量の0.3%(1.29mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
20分間の連続打錠を実施した結果、実施例20では硬度:96Nを有する実用的な錠剤が得られ、外観に凹みやえぐれが発生した錠剤は認められず、9本全ての杵においてスティッキングの発生は無かった。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠することにより、グルコサミン塩酸塩含量89%の高含量錠剤が、スティッキングを起こすことなく調製可能であることが明らかとなった。
グルコサミンのように糖鎖骨格を有する化合物は表面自由エネルギーが高く、これによって粘着性をもたらすと考えられる。他の糖類、例えば、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、グルコース、イソマルトデキストリン等の食品に汎用される化合物も同様の性質を帯びている。このため、それらの化合物を使用した場合にも、滑沢剤を噴霧しながら錠剤化するこの打錠方法はスティッキングの抑制に有効であると考えられる。
Figure 2023054786000012
実施例21;脂溶性化合物が50%配合された錠剤の打錠による製造
表13に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。この錠剤では、脂溶性化合物としてα-リポ酸、大豆レシチン、ビタミンEが55%含まれる。錠剤1錠あたりの質量は300mgとした。これら脂溶性化合物は流動性が悪くハンドリングしにくいため、予め脂溶性化合物を造立した。ロット総重量5kgとした時、α-リポ酸、大豆レシチン、ビタミンE、マルチトールを混合して流動層造粒乾燥機に入れ、水を噴霧しながら造粒を行った(給気温度:90℃、排気温度:40~60℃)。その後、表13に示される処方量に従って、造粒した脂溶性化合物、でんぷん、結晶セルロース、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ9mm(7.5R)であり、打錠機の運転パラメータは実施例11~13と同様にし、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを打錠機のロータリー部及び杵臼部に吹き付けながら稼働させた。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:122g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤重量の0.3%(1.3mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
20分間の連続打錠を実施した結果、実施例21では硬度:55.4Nを有する実用的な錠剤が得られ、外観に凹みやえぐれが発生した錠剤は認められず、19本全ての杵においてスティッキングの発生は無かった。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠することにより、脂溶性化合物総量55%の高含量錠剤が、スティッキングを起こすことなく調製可能であることが明らかとなった。
Figure 2023054786000013
実施例22;脂質含有藻類由来粉末が80%配合された錠剤の打錠による製造
表14に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。この錠剤では、脂質含有藻類由来粉末としてユーグレナ、スピルリナ及びクロレラが80%含まれる。錠剤1錠あたりの質量は300mgとした。これら脂質含有藻類由来粉末は流動性が悪くハンドリングしにくいため、予め脂質含有藻類由来粉末を造立した。ロット総重量5kgとした時、脂質含有藻類由来粉末、マルチトールを混合して流動層造粒乾燥機に入れ、水を噴霧しながら造粒を行った(給気温度:25℃、排気温度:20~40℃)。その後、表14に示される処方量に従って、造粒した脂質含有藻類由来粉末、結晶セルロース、マルチトール、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ9mm(7.5R)であり、打錠機の運転パラメータは実施例11~13と同様にし、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを打錠機のロータリー部及び杵臼部に吹き付けながら稼働させた。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:122g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤重量の0.3%(1.3mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
20分間の連続打錠を実施した結果、実施例22では硬度:54.2Nを有する実用的な錠剤が得られ、外観に凹みやえぐれが発生した錠剤は認められず、19本全ての杵においてスティッキングの発生は無かった。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠することにより、脂質含有藻類由来粉末及び脂質含有植物由来粉末の総量80%の高含量錠剤がスティッキングを起こすことなく調製可能であることが明らかとなった。
Figure 2023054786000014
実施例23;脂質含有藻類由来粉末が81%配合された錠剤の打錠による製造
表15に示す原料及び配合量で錠剤を製造した。この錠剤では、脂質含有藻類由来粉末としてユーグレナが81%含まれる。錠剤1錠あたりの質量は310mgとした。ロット総重量5kgとした時、全ての原料を袋に入れ、良く振り混ぜた後、ロータリー式打錠機に供して打錠した。使用した杵はφ9.5mm(2段R)であり、打錠機の運転パラメータは実施例11~13と同様にし、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを打錠機のロータリー部及び杵臼部に吹き付けながら稼働させた。外部滑沢噴霧装置の稼働パラメータは、噴霧流量:30~272g/hr、上杵静電圧:15KV、下杵静電圧:20KVとし、各錠剤に錠剤重量の0.1~0.9%(0.~3~2.8mg)のステアリン酸カルシウムが付加されるように調節した。
20分間の連続打錠を実施した結果、いずれの噴霧量の場合においても実用的な硬度(52.3N)を有する錠剤が得られ、外観に凹みやえぐれが発生した錠剤は認められず、6本全ての杵においてスティッキングの発生は無かった。
このことから、外部滑沢噴霧装置を用いてステアリン酸カルシウムを杵臼に吹き付けながら打錠することにより、ユーグレナ81%の高含量錠剤が、スティッキングを起こすことなく調製可能であることが明らかとなった。
実施例1~5、19、21~23の検討結果から、スティッキングを生じやすい脂溶性化合物又は脂質含有藻類由来粉末を原料粉に含む場合、滑沢剤を打錠面に噴霧しながら打錠することでスティッキングを防止できることが明らかとなった。一般的に打錠時は、杵臼部において摩擦熱、圧縮熱、機械駆動熱の蓄積が起こることで温度が上昇し、これによって脂質の融解が生じ、原料粉が粘着性を帯びることが明らかとなっている。このことから、脂質を含む植物由来粉末、例えば、クチナシエキス末、サフランエキス末、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末、大豆抽出エキス末等を使用した場合にもこの打錠方法はスティッキングの抑制に有効であると考えられる。
Figure 2023054786000015

Claims (16)

  1. 打錠面に滑沢剤が噴霧塗布された打錠機で、アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分を含有する打錠原料を打錠する工程を含む、食品錠剤の製造方法。
  2. 前記滑沢剤が、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の食品錠剤の製造方法。
  3. 前記アミノ酸類が、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸、テアニン、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、5-アミノレブリン酸及びカルニチンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
  4. 前記脂溶性化合物が、α-リポ酸、コエンザイムQ10、共益リノール酸、アスタキサンチン、ルテイン、カロテン、リコペン、ビタミンA、ビタミンE、レシチン、プラズマローゲン、DHA及びEPAからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
  5. 前記脂質含有藻類由来粉末が、ユーグレナ、スピルリナ及びクロレラからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
  6. 前記脂質含有植物由来粉末が、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末、大豆抽出エキス末、クチナシエキス末及びサフランエキス末からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
  7. 前記糖類が、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N-アセチルグルコサミン、イソマルトデキストリン、グルコース、キシリトール、ソルビトール及びエリスリトールからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
  8. 前記粘着性成分が、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸、テアニン、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、5-アミノレブリン酸及びカルニチンからなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分の含有量が打錠原料質量に対し30質量%以上である請求項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
  9. 前記粘着性成分が、α-リポ酸、コエンザイムQ10、共益リノール酸、アスタキサンチン、ルテイン、カロテン、リコペン、ビタミンA、ビタミンE、レシチン、プラズマローゲン、DHA及びEPAからなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分の含有量が打錠原料質量に対し10質量%以上である請求項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
  10. 前記粘着性成分が、ユーグレナ、スピルリナ、クロレラ、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末、大豆抽出エキス末、クチナシエキス末及びサフランエキス末からなる群から選択される少なくとも1種からなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分の含有量が打錠原料質量に対し50質量%以上である請求項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
  11. 前記粘着性成分が、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N-アセチルグルコサミン、イソマルトデキストリン、グルコース、キシリトール、ソルビトール及びエリスリトールからなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分の含有量が打錠原料質量に対し50質量%以上である請求項1又は2に記載の食品錠剤の製造方法。
  12. アミノ酸類、脂溶性化合物、脂質含有藻類由来粉末、脂質含有植物由来粉末及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種の粘着性成分を錠剤質量に対し10質量%以上含有する食品錠剤。
  13. 前記粘着性成分が、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸、テアニン、ヒドロキシメチルブチレートカルシウム、5-アミノレブリン酸及びカルニチンからなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分を錠剤質量に対し30質量%以上含有する請求項12に記載の食品錠剤。
  14. 前記粘着性成分が、α-リポ酸、コエンザイムQ10、共益リノール酸、アスタキサンチン、ルテイン、カロテン、リコペン、ビタミンA、レシチン、プラズマローゲン、DHA及びEPAからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項12に記載の食品錠剤。
  15. 前記粘着性成分が、ユーグレナ、サラシアエキス末、米糠エキス末、ゴマ抽出エキス末及び大豆抽出エキス末からなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分を錠剤質量に対し50質量%以上含有する請求項12に記載の食品錠剤。
  16. 前記粘着性成分が、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N-アセチルグルコサミン、イソマルトデキストリン、グルコース、キシリトール、ソルビトール及びエリスリトールからなる群から選択される少なくとも1種であり、当該粘着性成分を錠剤質量に対し50質量%以上含有する請求項12に記載の食品錠剤。
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