本開示は、医療機器に関し、より詳細には、医療及び他の用途においてイベントをトリガする形状感知光ファイバに関する。
光形状感知(OSS:optical shape sensing)は、1つ又は複数の光ファイバに沿った反射光を用いて形状を復元する。関連する原理は、特徴的なレイリー後方散乱又は制御グレーティングパターンを用いた光ファイバにおける分布ひずみ測定を利用する。光ファイバに沿った形状は、開始点、ホーム又は零点位置として知られているセンサに沿った特定の点で始まり、且つそれに続く形状の位置及び配向はその点に関連する。このような光ファイバの実装形態は、直径が約200ミクロンであり得、及びミリメートルレベルの精度を維持しながら、長さが最大数メートルとなり得る。
光形状感知ファイバは、広範囲の医療デバイスに組み込まれて、ライブ誘導医療処置を提供することができる。一例として、光形状感知測定を術前コンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)画像上にオーバレイして、ガイドワイヤ及びカテーテルが血管内のナビゲーションに用いられ得る。
コンピュータ支援手術(CAS:computer assisted surgery)は、神経、脊椎、及び整形外科的処置等の外科的介入中のライブナビゲーション誘導を提供する。この技術を使用する主要な整形外科的処置は、膝関節置換、股関節置換及び前十字靭帯(ACL:anterior cruciate ligament)修復を含む。CASによって提供される利点の1つは、置換インプラントの最適な位置決めに関するライブ誘導、及び関節生体力学の向上した術中確認である。CAS処置では、興味対象の骨又は生体構造のレジストレーションが共通のトラッキング座標系を提供するために必要である。このような処置において、臨床医は、トラッキングされたポインタのチップを生体構造上の特定のランドマーク(例えば隆起等の骨のランドマーク)に対して保持し、及びポインタが指定された位置にある時をソフトウェアシステムに示す。このようにして一連のランドマークが取得されると、ユーザは、ポインタを表面上に走らせ、生体構造を塗り、及び表面をトラッキング座標フレームにデジタル化し得る。これらの点は、生体構造のモデルを構築するため、既存のモデルをモーフィングするため、又は術前若しくは術中イメージングに対してレジストレーションするために使用することができる。
ユーザが医療機器を特定の位置又は配向に位置付けた時をユーザが示す複数の用途がある。例えば、整形外科におけるコンピュータ支援手術のレジストレーション中、臨床医が特定の骨のランドマークに対してポインタを保持し、及び次にマウスクリックを用いてその位置の取得をトリガする。これは、二本の手又は二人のオペレータの使用を必要とし、その何れもワークフローにとって理想的ではない。手術エリア内にマウスを所有することも、無菌環境を維持するうえで理想的ではない。
血管ナビゲーションでは、処置中にオペレータがターゲット又はリングを重要な位置に位置付けることが典型的である。これらは、処置の様々な段階において戻る注目すべき点として機能することができる。形状感知されるカテーテル又はガイドワイヤにおいて、これらのターゲット形状又は点は、ユーザによってトリガされた際に保存され得る。
本原理によれば、トリガデバイスは、光形状感知用に構成された光ファイバを含む。支持要素は、光ファイバの一部を支持するように構成される。インタフェース要素は、支持要素と関連付けられた光ファイバとインタラクトして、ファイバの特性の変化を生じさせるように構成される。感知モジュールは、光信号を解釈してファイバの特性の変化を決定し、及びそれに応じて対応するトリガ信号を生成するように構成される。
トリガシステムは、光形状感知用に構成された1つ又は複数の光ファイバと、1つ又は複数の光ファイバを含む医療機器とを含む。医療機器は、光形状感知によってトラッキングされ、及び医療機器は、1つ又は複数の光ファイバの少なくとも一部を支持するように構成された支持デバイスを形成する。インタフェース要素は、支持デバイスにおいて1つ又は複数の光ファイバとインタフェースして、1つ又は複数の光ファイバの特性の変化を生じさせるように構成される。感知モジュールは、光信号を解釈してファイバの特性の変化を決定し、及び所定量に達する場合に、それに応じてトリガ信号を生成するように構成される。
イベントをトリガする方法は、支持デバイスにおいて光ファイバの少なくとも一部を支持するステップと、支持デバイスにおいて光ファイバとインタフェースして、ファイバの特性の変化を生じさせるステップと、光信号を解釈して光ファイバの特性の変化を決定するステップと、特性が所定量だけ変化するとイベントをトリガするステップとを含む。
ファイバのある領域における曲率又は形状の変化は、ソフトウェアに対する入力又はトリガとして使用される。しかしながら、トリガが機能するために、ファイバの特定の領域をモニタリングするためのアルゴリズムが使用される。これは、ファイバがカテーテル等のデバイスに組み込まれる一部のケースにおいて実用的である。しかしながら、他のケースでは、ファイバのトリガ領域が定まっていない場合がある。例えば、ガイドワイヤの上面上をスライドすることができるクリッカーを実現することが望ましい場合、トリガを識別するために、探索領域をスライド可能なインタフェース要素、ハブ又は他の固定具の領域にのみ制限する態様が必要とされる。さもなければ、使用中にファイバ全体に沿って曲率の変化が非常に多く存在する場合があり、その信号からトリガを見つけ出すことが不可能となり得る。特定の形状イベントを探す場合、探索領域を限定することが有利である。代替的に、形状を臨床的に意味のある部分にセグメント化することも有益となり得る。
従って、本発明によれば、テンプレートベースの探索制限を用いて、センサデータをセグメント化し、及びある探索に関連するセグメントを識別することができる。テンプレートベースの探索制限は、限定されることはないが、(1)ハブのテンプレートを使用して、そのテンプレート内でのみトリガ曲率信号を探索すること、(2)生体構造テンプレートを使用して形状の一部を選択すること、及び(3)形状を体内及び体外セグメントにセグメント化するテンプレートを検出することを含む、複数の態様で適用することができる。テンプレートは、光ファイバの点、セグメント、長さ又は部分が呈する特徴的曲率、形状、応力、温度又は他の物理的特性等、展開されたセンサ光ファイバに対するセンサデータの識別可能で特定可能な空間的関係に対応するように使用することができる任意の特徴であり得る。
本開示のこれら及び他の目的、特色及び利点は、添付の図面に関連して読まれるその例示的実施形態の以下の詳細な記載から明らかとなるであろう。
本開示は、以下の図面を参照して、好適な実施形態の以下の説明を詳細に示す。
一実施形態による、形状感知光ファイバを含むトリガデバイスを示すブロック/フロー図である。
本原理による、トリガ機能を含むポインタデバイスの斜視図である。
本原理による、通常状態の光ファイバを示すためにカバーが除去された、図2Aのポインタデバイスの斜視図である。
本原理による、湾曲又はトリガ状態の光ファイバを示すためにカバーが除去された、図2Aのポインタデバイスの斜視図である。
一実施形態による、通常又はニュートラル状態の形状感知光ファイバを含む医療機器に内蔵されたトリガデバイスを示す図である。
一実施形態による、トリガ状態に撓んだ形状感知光ファイバを含む医療機器に内蔵されたトリガデバイスを示す図である。
一実施形態による、スライドボタンを用いてトリガ状態に撓んだ形状感知光ファイバを含む医療機器に内蔵されたトリガデバイスを示す図である。
一実施形態による、曲率誘起ボタンを用いた通常状態及びトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、付勢ボタンを用いた通常状態及びトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、スライドボタンを用いた通常状態及びトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、光ファイバを用いた通常状態及びトリガ状態に関する曲率(1/m)対ノード番号を示すグラフである。
一実施形態による、光ファイバを用いた通常状態とトリガ状態との間の差を示す最大曲率(1/m)対時間(フレーム番号)を示すグラフである。
一実施形態による、非トリガ状態及び体温又は他の温度変化によって起動されるトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、非トリガ状態及び圧力を光ファイバに加えるピンチ片を用いたトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、光ファイバを用いた通常状態と熱トリガ状態との間の差を示す軸ひずみ(ミクロひずみ)対ノード番号を示すグラフである。
一実施形態による、光ファイバにおける温度変化に対する応答を示す、軸ひずみ(ミクロひずみ)対時間(フレーム番号)を示すグラフである。
一実施形態による、形状テンプレートを用いた通常状態及びトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、形状テンプレートを用いてトリガされる光ファイバを使用した、通常状態とトリガ状態との間の差を示すx位置(mm)対ノード番号を示すグラフである。
一実施形態による、光ファイバにおける形状変化に対する応答を示す、最大絶対x位置(mm)対ノード番号を示すグラフである。
一実施形態による、力感知用のボタンを用いた通常状態及びトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図を示す。
実施形態例による、光形状感知ファイバを用いたトリガ方法を示すフロー図である。
ガイドワイヤ管腔を既知の形状に変形するロッキングハブの図である。
管腔を通ってカテーテル内へと入るガイドワイヤを示す、ハブ、ガイドワイヤ及びカテーテルの図である。
ナビゲーション中の3つの形状感知測定に関する曲率を示すグラフである。
ガイドワイヤ管腔を既知の形状に変形する改変ハブの図である。
生体構造位置のテンプレートとして使用することができる形状の図である。
生体構造位置のテンプレートとして使用することができる別の形状の図である。
腸骨交差と右腎動脈の挿管との間の曲率の差を示す前臨床曲率データのグラフである。
本原理に従って、形状感知光ファイバを用いることによってイベントをトリガするシステム及び方法が提供される。特に有用な実施形態では、医療機器が特定の場所又は配向に位置付けられている時を示すために形状感知光ファイバが用いられる。光形状感知ファイバは、ユーザ入力を提供するトリガとして使用することができる。光形状感知ファイバが、機器の形状又は位置をトラッキングするための医療機器に既に埋め込まれているか、又は取り付けられている場合、本原理は、ユーザコマンドを捕捉するために使用することができるセンサを提供する。これは、複数の態様で行うことができる。例えば、センサに沿った規定の場所における曲率の変化を識別する、センサに沿ったある場所においてセンサを用いて生成された特定の形状又はパターンをマッチングする、センサに沿ったある場所において軸ひずみ又は温度の変化を探索する、形状感知される医療デバイスと別の物体との間の力を測定する等である。ファイバにおける変化は、形状変化(例えば、曲率、形状、捻れ、配向等)又は軸ひずみの変化(例えば、温度、張力等による)と見なすことができる。
医療デバイスにワイヤ及びボタン等の追加のデバイスを加えることは、多くの例において、費用がかかり、及び扱いにくくなり得る。既にデバイスに埋め込まれた形状感知システムの光ファイバの使用は、最小限のコスト及び/又はデバイスのプロファイルに対して最小限の変化若しくは変化なしに、これらの問題の両方を解決する。光ファイバは、ユーザ入力デバイス、例えば、スイッチ、トリガ、制御装置等として用いることができる。加えて、光ファイバは、その周囲の環境に対して相互作用又は影響を有さず、特に、磁気共鳴イメージング(MRI:magnetic resonance imaging)又は他のイメージング若しくは医療手段と共に使用するのに適する。
本発明は、医療機器に関して説明されるが、本発明の教示は、はるかに広く、及び形状感知光ファイバトリガシステムの使用から恩恵を受け得る任意の機器に適用可能であることが理解されるものとする。一部の実施形態では、本原理は、複雑な生体若しくは機械系のトラッキング及び/若しくは分析を行うデバイスと共に、又はそのようなデバイスにおいて用いられる。特に、本原理は、生体系のためのデバイス及び処置、肺、胃腸管、排出器官、血管等の身体のあらゆる領域における処置に適用可能である。図面に示される要素は、ハードウェア及びソフトウェアの様々な組み合わせで実施することができ、且つ単一の要素又は複数の要素において組み合わせることができる機能を提供し得る。
図面に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア及び適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用によって提供することができる。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又は複数の個々のプロセッサ(それらの幾つかは共有され得る)によって提供することができる。また、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアのみを指すと解釈されるものではなく、及び限定されることなく、デジタル信号プロセッサ(「DSP」:digital signal processor)ハードウェア、ソフトウェアを保存するための読み出し専用メモリ(「ROM」:read-only memory)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」:random access memory)、不揮発性ストレージ等を非明示的に含み得る。
また、本発明の原理、態様及び実施形態、並びにその具体例を列挙する本発明の記載は全て、それらの構造的及び機能的均等物の両方を包含することが意図される。加えて、このような均等物は、現在知られている均等物及び将来開発される均等物(即ち、構造にかかわらず同じ機能を行う開発されたあらゆる要素)の両方を含むことが意図される。従って、例えば、本明細書に示されるブロック図が、本発明の原理を具体化する例示的システム構成要素及び/又は回路の概念図を表すことが当業者によって認識されるであろう。同様に、あらゆるフローチャート及びフロー図等は、コンピュータ可読ストレージ媒体において実質的に表され得、且つコンピュータ又はプロセッサによって(そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されるか否かにかかわらず)そのように実行され得る様々なプロセスを表すことが認識されるであろう。
更に、本発明の実施形態は、コンピュータ若しくは命令実行システムによって、又はコンピュータ若しくは命令実行システムに関連して使用するためのプログラムコードを提供するコンピュータ使用可能又はコンピュータ可読ストレージ媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクトの形態を取り得る。この説明を目的として、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又は命令実行システム、装置、若しくはデバイスに関連して使用するためのプログラムを包含、保存、通信、伝搬、又は伝送することができる任意の装置であり得る。媒体は、電子、磁気、光学式、電磁気、赤外線、又は半導体システム(又は装置若しくはデバイス)、或いは伝搬媒体であり得る。コンピュータ可読媒体の例は、半導体又は固体メモリ、磁気テープ、リムーバブルフロッピーディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク及び光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、コンパクトディスク-読み出し専用メモリ(CD-ROM:compact disk-read only memory)、コンパクトディスク-リード/ライト(CD-R/W:compact disk-read/write)、ブルーレイ(商標)及びDVDを含む。
これより、同様の数字が同一又は類似の要素を表す図面、及び最初に図1を参照して、一実施形態による、形状感知光ファイバトリガを用いたトリガ信号を生成するシステム100が例示的に示される。システム100は、それから形状感知信号が解釈されるコンソール112を含み得る。システム100は、トリガされているシステムであり得、又はトリガされるシステム、機能若しくはデバイス102と接続し得る。例として、マウスクリックがトリガイベントである。特に有用な実施形態では、本原理は、マウス又は他の形態のトリガデバイスを差し換えるために用いられ得る。本原理は、光形状感知の使用を記載するが、本原理に従って、他の形状感知技術又は他の光ファイバ構成も企図されることが理解されるものとする。
コンソール112は、好ましくは、1つ又は複数のプロセッサ114と、プログラム及びアプリケーションを保存するメモリ116とを含む。メモリ116は、形状感知デバイス又はシステムからの光フィードバック信号を解釈するように構成された光感知モジュール115を保存し得る。光感知モジュール115は、光信号フィードバック(及び他のフィードバック)を用いて、トリガデバイス105内の形状感知光ファイバ126に関連する変形、撓み、及び他の変化を復元するように構成される。トリガデバイス105は、形状感知光ファイバ126に対して形状、配向又は力を変更可能な任意の機械的機構を含み得る。ある実施形態では、トリガデバイス105は、形状感知光ファイバ126を固定するように構成された支持要素104、及びファイバ126に対して変位、捻れ、又は力を加えるように構成された機械的要素又はインタフェース要素106を含む。
形状感知システムの光ファイバ126は、トリガデバイス105内に、その上に、又はその中を通って含まれ得る。形状感知システムの1つ又は複数の光ファイバ126は、1つ又は複数の定められたパターンで、トリガデバイス105に又はトリガデバイス105内を通って結合され得る。光ファイバ126は、配線127によってコンソール112に接続する。配線127は、必要に応じて、光ファイバ、電気接続、他の器具類等を含み得る。
形状感知システムの光ファイバ126は、光ファイバブラッググレーティングセンサに基づき得る。光ファイバブラッググレーティング(FBG:fiber optic Bragg grating)は、光の特定の波長を反射し、及び他の全てを透過させる光ファイバの短いセグメントである。これは、ファイバコアに屈折率の周期的変化を加えることによって達成され、これは、特定波長誘電体ミラーを生成する。従って、ファイバブラッググレーティングは、特定の波長を阻止するインライン光フィルタとして、又は特定波長反射体として使用することができる。
ファイバブラッググレーティングの動作の背後にある基本原理は、屈折率が変化している各インタフェースにおけるフレネル反射である。一部の波長に関して、反射に対して建設的干渉が存在し、及びその結果、透過に対して破壊的干渉が存在するように、様々な期間の反射光が同相にある。ブラッグ波長は、ひずみ及び温度に対して敏感である。これは、ブラッググレーティングが光ファイバセンサにおける感知要素として使用できることを意味する。FBGセンサでは、測定量(例えば、ひずみ)は、ブラッグ波長のシフトを生じさせる。
この技術の利点の1つは、様々なセンサ要素をファイバの長さにわたって分布させ得る点である。例えば、構造に埋め込まれたファイバの長さに沿って、3つ以上のコアを様々なセンサ(ゲージ)と統合することは、このような構造の三次元形態が一般的に1mmよりも良い精度で正確に決定されることを可能にする。ファイバの長さに沿って、様々な位置で多数のFBGセンサを配置することができる(例えば3つ以上のファイバ感知コア)。各FBGのひずみ測定から、その位置における構造の曲率を推測することができる。多数の測定位置から、全体の三次元形態が決定される。OSS形状センサは、数千のノード(例えば、個々の光ファイバブラッググレーティング又はレイリー後方散乱を生じさせるゆがみ)からデータを生成することができる。特定の形状に関して、センサ全体に沿って確実にデータ中を探すことは難しい場合がある。
1つ又は複数の形状感知ファイバの他の構成が用いられ得、及び本原理の範囲内に含まれることに留意されたい。
光ファイバブラッググレーティングに対する代替例の1つとして、従来の光ファイバにおける固有の後方散乱が利用され得る。このような手法の1つは、標準的な単一モード通信ファイバにおいてレイリー散乱を用いることである。レイリー散乱は、ファイバコアにおける屈折率の不規則変動の結果生じる。これらの不規則変動は、グレーティングの長さに沿った振幅及び位相の不規則変化を有するブラッググレーティングとしてモデル化することができる。マルチコアファイバの単一の長さの範囲内で伸びる3つ以上のコアにおいてこの効果を用いることにより、興味対象の表面の3D形状及び動態を辿ることができる。他の実施形態は、異なる構造又は構成に構成された異なる数のファイバを含み得る。
ある実施形態では、コンソール112は、ユーザがコンソール112並びにその構成要素及び機能、又はシステム100内の他の要素とインタラクトすることを可能にするディスプレイ118を含み得る。これは、キーボード、マウス、ジョイスティック、触覚デバイス、又はワークステーション112からのユーザフィードバック及びワークステーション112とのインタラクションを可能にする他の周辺機器若しくは制御装置を含み得るインタフェース120によって更に容易にされる。
特に有用な実施形態では、形状感知光ファイバ126の光信号の変化は、トリガイベントとして解釈され得る。光信号は、その変化が実際に期待トリガ信号と一致することを示すために期待応答と比較される特性(例えば、軸ひずみ、形状変化等)を含み得る。モジュール115により、トリガ信号がそのようなものであると判断されると、イベントが開始される。イベントは、デバイス102を起動/停止させる(電源をオン/オフにする、又はその機能を変更する)こと、ソフトウェア機能(102又は115)を起動/停止させること、ユーザの存在の確認を提供すること、形状感知システムをテストすること等を含み得る。トリガデバイス105は、何らかの光信号の変化があり次第、モジュール115に対して、又はデバイス102に対して直接、それ自体が開始信号を提供するために用いられ得る。ある実施形態では、トリガデバイス105は、特定のユーザの識別を示すためにジェスチャーの種類及び順序を用いることができるセキュリティ機器として用いることができる。他の実施形態では、トリガデバイス105は、デバイス102の動作を開始させるイネーブル機構として機能する。デバイス102及びトリガデバイス105は、同じ機器又はアセンブリに組み込まれ得ることが理解されるものとする。加えて、複数のトリガデバイス105及び/又は複数のデバイス102が任意の組み合わせで用いられ得る。
トリガデバイス105のトリガは、1つ又は複数の変化に応答して、光形状感知ファイバ126を用いて生成することができる。変化は、例えば、曲率変化、熱変化(又は軸ひずみの変化)、形状変化等を含み得る。これらの入力は、別々に、組み合わせて、及び光形状感知ファイバ126に沿った1つ又は複数の点で使用することができる。ある実施形態では、曲率変化は、ソフトウェア、例えばモジュール115におけるアクションを生じさせるために用いられる。支持要素104は、機械的要素、ユーザの指、医療デバイス(例えば、カテーテル等)の一部、又は他の支持固定具、面若しくは材料を含み得る。インタフェース要素106は、同様に、機械的要素、ユーザの指、医療デバイスの一部等を含み得る。支持要素104及びインタフェース要素106は、ファイバ126の曲率変化を実現するように協働する。ある例では、ファイバ126を含むカテーテル又は他のデバイスが、硬い部分(支持要素104)及び柔らかい部分(インタフェース要素106)を有し得る。硬い部分に対して柔らかい部分が押し下げられると、トリガ信号又はトリガイベントを生じさせ得るファイバ126の曲率がもたらされる。別の例では、インタフェース要素106は、アクチュエータ又は他の自動制御メカニズムを含み得る。
図2A~図2Cを参照すると、ある実施形態による、形状感知光ファイバ126を含むポインティングデバイス150を示す図が示されている。図2Aでは、ポインティングデバイス150は取手156を含み、及び光ファイバ126(図2B)を保護するための、それに取り付けられたカバー157を描く。ポインタ又はファイバチップ154は、骨上の位置又は他の位置若しくは場所を示すために用いられる。チップ154が位置付けられると、ユーザは、バネ復帰ボタン158(インタフェース要素)を押し下げて、ポインタ150の位置を記録することができる。ポインタ150の位置は、光形状感知ファイバ126から、又は他の手段によって分かる。このようにして、ポインタ150と接触する面をデジタル化することができる。カバー159は、チップの動きを回避するために、ファイバ126の遠位部分を固定するように用いられ得る。
図2Bでは、ファイバ126を可視化するために、カバー157及び159が除去されて示されている。ファイバは、取手156(例えば支持要素)によって支持され、及びその通常(非湾曲)状態で示されている。図2Cでは、ボタン158は、矢印「A」の方向に押し下げられて、ファイバ126における曲率160を誘起する。この曲率160は、チップ位置をメモリに保存するストレージ機能をトリガする。
図3A~図3Cを参照すると、整形外科的処置中の医療機器202(又はポインタ150)が、膝210に対して示されている。図3Aにおいて、医療機器202内の形状感知ファイバ126が、そのニュートラル又は通常状態で示されている。図示された実施形態では、医療機器202は、ポインタの取手に組み込まれたプッシュボタン204又はスライドボタン206を備えた整形外科用ポインタを含む。ボタン204又はスライドボタン206が移動されるか、又は押し下げられると、ファイバ126の曲率が変化する。これは、同様に、ポインタへのクリップ式アタッチメント(外的に)等を用いて達成することができる。
形状感知ファイバ126は、図3Bに示されるように、ボタン204が押下されると、曲率が変形するように構成される。この実施形態では、支持要素104(図1)は医療機器202を含み、及びインタフェース要素106(図1)はボタン204を含む。図3Cでは、スライドボタン206が、ファイバ126の長さにわたって平行移動可能な押下状態を提供する。光形状感知ファイバ126は、その形状、位置及び配向を測定するために医療機器202内に埋め込まれ得る。同じ光形状感知ファイバ126がユーザ入力にも使用され得る。光形状感知ファイバ126は任意の機器で使用され得、及び医療デバイスに限定されない。
図4A~図4Cを参照すると、本原理による複数の例示的トリガデバイス構成の通常状態及び変位状態を示す異なる例示的構成が示される。図4Aでは、形状感知されるファイバ126は、ボタン304の押下中に曲率を変化させる支持デバイス又は機器302を含むように構成される。トリガ状態306は、ファイバ126を通常位置(非押下)状態308から移動させることによって達成される。図4Bは、ボタン304及びファイバ126がトリガ状態306に押下されていない時に通常位置308に戻ることを確実にするために、付勢要素310によって付勢されたボタン304及びファイバ126を示す。他の付勢要素が用いられ得る。図4Cでは、代替の動きがファイバ126に沿って曲率を平行移動させ得るスライドボタン312を含む。
図4A~図4Cは、ボタン304又はスライドボタン312が押下又は移動されると曲率の変化をもたらすように、ファイバ126をどのように構成し得るかを示す。このボタン304、312は、開始点後の形状感知ファイバ126に沿った何れかの箇所に配置され得る。例えば、ボタン304、312は、機器の取手の内部(図3A~図3Cに示されるように)又はカテーテルハブの内部にあり得る。
ボタン304、312が押下又は移動されると、(剥き出しの又は保護チューブ内の)光ファイバ126は、ボタン304、312によって、又はプランジャ等の接続デバイスによって撓む。これは、その通常の(直線の)形状における非常に低い曲率から、起動状態におけるより高い曲率への曲率の変化を生じさせる。ファイバ126が押し下げられていない時に常にその通常の直線の構成に戻ることを確実にするために、付勢要素310が含まれ得る。代替的に、曲率が常にファイバに存在し得るが、オン/オフ機能だけでなく、ポテンショメータの機能性(ユーザに段階的制御を与える能力)も提供するために、ファイバに沿って平行移動することができる(例えば、図4C)。
上記の例は、一次元のボタンの動きを記載している。これらの実装形態は、追加の次元を組み込むように更に広げることができる。例えば、サムスティック又は車のマニュアル変速レバーと同様にボタンを移動させ、且つ曲率及び/又は位置の変化に基づいて位置を検出することができ得る。これは、クリック検出器を超えて機能性を拡大し、及びメニューによるナビゲーション又はモードの切り換え等を可能にする。
豊富な入力機能性を提供するために、複数のボタン及びスイッチがデバイス102に沿って含まれ得る。個々のボタンは、異なる機能性に対応し得るか、又は他のボタンの意味を変更することができる。更に、1つのボタンは、ドックに対するデバイスの接続性を検出するために使用することができる一方で、別のボタンは、安全機構として使用することができ、ボタン304、312は、他方のボタンに関連する機能性を有効にするために切り換えられるか、又は保持される必要がある。
入力デバイスとしての光ファイバ126の他の使用は、取手又はジョイスティックにファイバ126を組み込むことを含み得、その感知位置及び配向が仮想オブジェクトを画面上で誘導するために用いられる(3D生体構造の表示等)。
図5を参照すると、ファイバの長さに沿った曲率(1/曲率半径)(1/m)対ノード番号のグラフが例示的に示される。プロット402は、光ファイバ信号の通常状態を示す。プロット404は、ボタン押下後の光ファイバ信号のトリガ状態を示す。ファイバの「通常」状態と「ボタン押下」状態との間の曲率の変化は、簡単に認識することができる。ある実験的設定において、ファイバは、それ自体がハンドヘルドポインタデバイス内に組み込まれた可撓性金属チューブ内に組み込まれた。ポインタ内のファイバの経路は、バネ復帰スライドメカニズム(又は「ボタン」)を通過する。ボタンの押し下げは、スライドメカニズムを押下方向に平行移動させ、及びファイバが局所的変形を受ける。ボタンを放すと、ボタンがその元の位置に戻され、及びメカニズムがファイバを直線の構成に引き戻す。ボタンの押下中にファイバチップが平行移動しないように、金属チューブが平行移動メカニズムに遠位で固定される。実線の黒のプロット402は、通常設定中の低曲率を示し、及び破線のプロット404は、ボタン押下中の曲率のスパイクを示す。
図6を参照すると、形状感知ファイバの一部分において測定された最大曲率(1/曲率半径)(1/m)対時間(フレーム番号で)のグラフが示される。例えば40m-1の閾値を用いることにより、最大曲率を使用して、ボタンが押し下げられた時を識別することができる。経時的な最大曲率プロット502は、最大曲率の増加と相関がある、プロット502のプラトー506に対応したバー504により、「ボタン押下」の期間を示す。
この構成では、ファイバは、変形される管腔内で浮遊している可能性が最も高い。これは、ファイバが管腔内で平行移動することによって曲率の変化による経路長の変化を吸収することを可能にする。これは、近位側がスライドすることを可能にし、その場合、ファイバのチップは、依然として既知の位置にとどまる。代替的に、ボタン押下中、チップの平行移動を考慮し、及び相殺するために較正が行われ得る。図4Cに示される例は、ファイバに沿って曲率が常に存在するため、これにも対処する。曲率は単純にその位置を変更する。
他の実施形態では、ファイバ126は、温度変化(又は軸ひずみ)を受け得る。光形状感知ファイバ126は、石英コアを用いて製造され、及び保護コーティング(例えば、アクリレート類のもの)を用いて被覆され得る。温度の変化は、石英を膨張及び収縮させ、ひずみの変化を引き起こす。光形状感知では、ファイバ126の形状を適切に復元するために、この影響が正規化される。これを行うことができる態様の1つは、ファイバの中心に又はその近くに配置された正規化中心コアの使用によるものである。コアが、ファイバの中心軸に正確に沿う場合、それは、形状変化により長さを変えず、及び主に張力又は温度によるファイバの長さの変化によって影響を受ける。
図7A及び図7Bを参照すると、形状感知されるファイバ126は、ファイバ126に加えられた温度又は張力を用いて起動される(変更される)ように構成される。ひずみ信号は、ユーザ入力として使用することができる。図7Aでは、ファイバ126に指602を当てることにより、温度の増加を引き起こすことができる。図7Bでは、ユーザによってファイバと接触するように押し込まれたピンチ片604を用いて、張力をファイバ126に加えることができる。何れの場合でも、軸ひずみの変化が例えば中心コアによって測定することができるファイバ126の全域で測定される。
図8を参照すると、ファイバに沿った軸ひずみ(ミクロひずみ)対ノード番号のグラフは、指が熱をファイバに伝達する領域702において、どのように軸ひずみが増加するかを示す。この加熱による膨張は、通常状態704と区別することができる軸ひずみの増加を引き起こす。温かい指を当てることによって引き起こされる軸ひずみの変化がトリガとして用いられ得る。通常状態(704)中の低軸ひずみは、指の押下中の温度の変化により、領域702において軸ひずみが増加する。
図9を参照すると、グラフは、ボタン押下の期間720を描写する、経時的な(フレーム番号に基づく)最大軸ひずみ(ミクロひずみ)を示す。最大軸ひずみの増加と相関したバー722は、ボタン押下の継続期間を示す。図9の900個のフレームは、データ取得の30秒とおおよそ相関する。グラフは、ファイバの関連部分で測定された最大軸ひずみが温かい指との接触中にどのように増加するか、及び接触が終了した後にそれが通常値へとゆっくりと戻る(約20秒にわたって)ことを示す。この緩速復帰は、ボタンのクリック間の時間間隔が短くなり過ぎることを防止する機構となり得る。緩速遅延時定数は、他の実施形態に示される張力の場合には予期されない。
温度変化が、安全機構として用いられ得る。例えば、ツールは、オペレータがそれを保持していることをそれが知っている時のみオンになることができる。ツールは、それが熱シグネチャも有する場合にのみ、そのボタン押下が生じることを許可するように、曲率誘起ボタン押下等の別のトリガと併せて用いられ得る。このようにして、機器を落とすこと又はそれらを他の表面にぶつけることによる偶発的トリガを回避することができる。
図10を参照すると、形状感知されるファイバ126は、ファイバ126に加えられる形状変化の形態の起動を用いるように構成される。このような実施形態では、形状自体の使用がユーザ入力のトリガとして用いられる。ボタン又は他の物体(形状テンプレート)802がファイバ126に結合され得る。押下、回転、捻れ、平行移動等による形状テンプレート802の配向の変化が入力として使用され得る。形状テンプレート802は、ボタン押下、回転式ダイヤル、レバー、スライド又は他の類似の種類の入力デバイスとして用いられ得る。
図11を参照すると、ファイバに沿ったx位置(mm)対ノード番号のグラフは、ファイバトリガを回転させることによって生じた形状の変化を示す。プロット810は、通常設定中の形状のx位置を示し、及びプロット812は、ボタン押下中の位置の変化を示す。曲率の差は、回転形状テンプレートによる形状の変化により、プロット810における通常状態と、プロット812におけるボタン押し状態との間で生じる。
図12を参照すると、ファイバに沿った最大絶対x位置(mm)対ノード番号を示すグラフは、ボタン押下の期間820を描く。ファイバに沿った最大x位置の変化と相関したバー822がボタン押下の継続期間を示す。最大絶対x位置のみを使用した経時的なプロファイルは、信号振幅において急激な上昇及び低下を示す。この情報は、他の態様で、例えば、形状のベクトル表示を使用することによって抽出することもできる。代替的に、ファイバの捻れも同様の機能のために使用することができる。この場合、ファイバは、管腔内で浮遊し得るか、又は固定され得る。浮遊の実装形態の利点は、形状テンプレートの回転中に捻れの蓄積がない点である。これは、ダイヤル又は回転実装形態において重要となり得る。
図13を参照すると、力感知は、形状感知パラメータの変化と同様に提供することができ、及びユーザ入力として用いることができる。通常状態920は、付勢機械的要素912(例えば、ボタン又は柔らかい部分等)を含み得る。トリガ状態922は、接触力を感知するために撓んだ機械的要素912を含み得る。
力感知は、医療デバイス等のデバイスに作用する力に関する情報を推測するために使用することもできる。デバイス900への組み込みにより、デバイス900の構成要素902は、例えば、ファイバ126の一部を押し、形状又は曲率の較正された変形を生じさせ得る。オン-オフタイプの入力としてボタン押下が感知される態様とほぼ同様に、類似の概念を例えば医療機器900に作用する力に適用することができる。機器のチップ又は部分904は、ボタン押下に関して上記に記載されたものと類似の機構を使用するが、ここでは、機器900と別の面906との間の接触又は力Fを感知するために使用される。バネ908の適切なバネ定数kの選択に基づいて、接触力Fは、例えばF=kx(式中、xは、ファイバ126によって測定されるバネの圧縮を表す)から推定することができる。
図13に描写される例は、ファイバ126の操作及びデバイス900の内部又はその上の適切な機械構造902により、一次元の力感知のみを超えて広げることもできる。加えて、この例は、離散力測定を提供する。全てファイバに接続されたバネのアレイを有することは、力分布図が同じ原理を用いて生成されることを可能にする。同様に、この情報に基づいてトルク測定を行うことができる。これは、ファイバ126に沿ってファイバ126の他のノードにも広げることができる。
本原理は、デバイスにおけるトリガとしての光形状感知ファイバのあらゆる使用に適用する。本原理は、特に、膝関節置換、前十字靭帯(ACL)修復、股関節置換を含む整形外科ナビゲーション、脳外科手術、及び他のそのような用途等の医療用途に関連し、及びあらゆる医療デバイス等にユーザトリガを提供することにも関連する。記載の光ファイバは、形状感知ファイバのレイリー(改良型及び標準型)並びにファイバブラッグ実装形態に適用する。
図14を参照すると、本原理による、イベントをトリガする方法が示される。ブロック950では、光ファイバの少なくとも一部が支持デバイス内に支持される。支持デバイスは、医療機器を含み得るか、又は形状感知用に構成された1つ又は複数の光ファイバを支持するように構成された任意のベースを含み得る。ブロック952では、光ファイバは、支持デバイス内でインタフェースされて(例えば、インタフェース要素を用いて)、ファイバの特性の変化を生じさせる。ファイバの特性の変化は、軸ひずみの変化又は形状変化を含み得る。形状変化は、位置変化、捻れ、配向変化、屈曲等の少なくとも1つによってもたらされ得る。光ファイバにおける軸ひずみの変化は、温度差(例えば、体温)、張力等による場合がある。これらの組み合わせも企図される。
ブロック954では、インタフェース要素は、機械的要素、身体部分、又はファイバを保持するデバイスの柔らかい領域を含み得る。機械的要素、身体部分又は柔らかい領域は、光ファイバを移動させるために用いられ得る。インタフェース要素は、光ファイバの長さに沿った撓みを平行移動させるために用いられ得る。例えば、スライダボタン、ノブ、ハブ又は他の要素が用いられ得る。ブロック958では、インタフェース要素は、付勢インタフェース要素を含み得る。インタフェース要素は、光ファイバと共に通常状態に付勢される。この付勢は、弾力材料特性等を用いてバネによって提供され得る。ブロック960では、光ファイバから受信された光信号は、光ファイバの特性の変化を決定するために解釈される。
ブロック962では、特性が所定量だけ変化すると、イベントがトリガされる。この量は、ユーザ設定の閾値を含み得る。閾値は、軸ひずみ値、曲率半径、ファイバの特定の配向、加えられた力、測定された温度、期待形状又は曲率プロファイルとの相関等を含み得る。ブロック964では、イベントをトリガするステップは、機器を起動又は停止させることを含み得る。ブロック966では、イベントをトリガするステップは、光ファイバの曲率を変更する際に、クリックをレジストレーションすることを含み得る。これは、マウスクリックに類似しているが、形状感知を用いる。ブロック968では、イベントをトリガするステップは、光ファイバの曲率を変更する際に、対象上でランドマークを配置又は記録することを含み得る。これは、ポインタデバイスの使用を含み得る。ポインタが適切な位置にある時に、ユーザはボタン等を押下し、ファイバの形状変化を誘起し、及びポインタの1つ又は複数の位置を保存する。ブロック970では、イベントをトリガするステップは、光ファイバの曲率を変化させる際に、医療デバイスの形状を保存することを含み得る。この場合、ファイバは、カテーテル又は他のデバイスと結合され得る。カテーテルの特定の位置を達成すると、カテーテルのその位置を保存することが望ましい場合がある。ユーザは、所定の位置においてカテーテルにキンクを誘起させて、メモリにカテーテルの形状を保存するイベントをトリガし得る。これは、ユーザの指を使用することを含み得るか、又はカテーテルは、トリガを可能にする柔らかいインタフェース要素を含み得る。ブロック972では、イベントをトリガするステップは、光ファイバの曲率又は軸ひずみを変更する際に、力を感知することを含み得る。
他のトリガイベント及び構成も企図される。ブロック974において、医療機器又は他のデバイスが、同じ光ファイバを用いて、光形状感知によってトラッキングされ得る。
本発明のデバイス、システム及び方法が長手方向符号化と共に有利に使用され得る。
レジストレーション用の長手方向符号化
形状感知されるガイドワイヤ及びカテーテル等の2つのデバイスが同軸の場合、一方のデバイスに関する形状情報を他方のデバイスに対して使用することができる。この使用に必要な主要なレジストレーションは、2つのデバイス間の長手方向平行移動である。このレジストレーションは、非感知デバイスに沿った特定の場所における感知デバイスの既知の形状変形を用いることによって行うことができる。形状変形は、曲率検出、軸ひずみ(加熱若しくは張力に由来)、又は2D若しくは3D形状マッチングによって検出することができる。
2015年4月9日に公開された「Device Tracking using Longitudinal Encoders」という名称の本出願人の先行同時係属出願(国際公開第2015049142号)は、この長手方向符号化の方法を広範に記載しており、その全体が本明細書に援用され、及び本明細書の一部をなす。
ハブ設計
本発明によるトリガデバイスは、ガイドワイヤ管腔を既知の形状又は曲率に形成する、図15Aに示される管腔1505を備えたハブ1504等のインタフェース要素であり得るか、又はインタフェース要素でないことができる、可動又は固定取り付け具又は「ハブ」に組み込まれ得る。ハブ設計の多くの異なる変形形態が可能である。図15Bでは、ガイドワイヤ1501が、カテーテル1502を通るハブ1504(管腔1505を含む)を通過して示される。
光形状感知を用いたユーザ入力
上記に説明した通り、光形状感知ファイバは、ファイバが、機器の形状又は位置をトラッキングするために医療機器に既に埋め込まれているか、又は取り付けられている場合、ユーザ入力をコンピュータに提供するトリガとして使用することができる。このユーザ入力は、例えば、3つの態様の何れか又は全てで検出することができる:(1)センサに沿った規定の場所における曲率の変化を識別する、(2)センサに沿ったある場所においてセンサを用いて生成された特定の形状又はパターンをマッチングする、又は(3)センサに沿ったある場所において、軸ひずみ又は温度の変化を探す。
図4A、図4B、図4C及び本明細書におけるこれらの図の前の説明を参照すると、ファイバは、ボタンが押下された際に曲率の変化をもたらすように構成され得る。このボタンは、開始点後の形状感知ファイバに沿った何れかの箇所に配置され得る。類似の手法が、ボタンの押下に応答してファイバが曲がる際にファイバの実際の形状の変化を測定するために使用され得る。
形状感知されるファイバは、図4Aに示されるように、ボタン押下中に曲率が変化するように構成され得る。また、図4Bに示されるように、ファイバは、それが非押下時にその通常位置に戻ることを確実にするために、バネが装備され得る。
図7A、図7Bを再度参照すると、ユーザ入力を生成するために、軸ひずみ又は温度の変化が用いられ得る。図7Aにおける指602は、温度の増加を生じさせるために、ファイバ126に当てられ得る。図7Bに示されるように、ユーザによってファイバと接触するように押し込まれるピンチ片604を用いて、張力をファイバ126に加えることができる。何れの場合でも、軸ひずみの変化は、例えばファイバの中心コアによって測定することができるファイバの全域で測定される。
図16を参照すると、ナビゲーション中の3つの形状感知測定に関する曲率プロットが示される。3つの形状1601、1602、1603は、一般的なガイドワイヤナビゲーション中の期間にわたって取得されたものである。探索範囲を限定せずに曲率の特定の変化を見つけ出すことが困難であることが分かる。ファイバに沿って曲率の著しい変化が存在し、これは、それらの曲率変化のうちの何れが「トリガ」を表し、及びそれらのうちの何れがナビゲーション中の通常の曲率を表すかを知ることを困難又は不可能にする場合がある。トリガを見つけるためにこの曲率を狭めることは、ボックス1604等の光信号曲率又は形状データの特定のセグメントに注目することによって行われる。
システムソフトウェア(例えば、光感知モジュール115)への入力又はトリガとして使用されるファイバのある領域における曲率又は形状の変化に関して、ファイバの特定の領域をモニタリングするためのアルゴリズムが使用される。このモニタリングは、場合によっては、例えば、ファイバがカテーテル等のデバイスに組み込まれる状況において実施できる。しかしながら、他のケースでは、ファイバのトリガ領域が定まっていない場合がある。例えば、ガイドワイヤの上面上をスライドすることができるクリッカーを実現することが望ましい場合、トリガを識別するために、探索領域をハブ又は類似の固定具の領域にのみ制限する態様が必要とされる。さもなければ、使用中にファイバ全体に沿って曲率の変化が非常に多く存在する場合があり、その信号からトリガを見つけ出すことが不可能又は非常に困難である場合がある。
ハブのテンプレートを用いた、そのテンプレート内のみにおけるトリガ曲線信号の探索
ハブ又は類似の固定具の一部の設計は、ファイバの長さに沿った場所のトラッキングを可能にすることができる。その場合、システムは、ユーザ入力に関して探索すべき箇所を正確に決定することができ、ボタン又は他のユーザ入力デバイス等のインタフェース要素をハブ又は他の固定具に追加することを可能にする。
ユーザ入力が温度又は軸ひずみの変化の形態である場合、設計は、比較的単純となり得る。任意の数のボタン又は他のユーザ入力メカニズムを、ハブ又は他の固定具に追加することができ、及びソフトウェアアプリケーションは、テンプレートが光ファイバに沿ってスライドするにもかかわらず、テンプレートエリア内のユーザ入力を探索することができる。温度/軸ひずみ入力は、テンプレートの曲率に著しく影響を与えないため、ハブ又は他の固定具内のテンプレートは、これらの追加の入力装置を収容するための設計変更を必要とせず、及びソフトウェアは、依然としてテンプレートの特徴的曲率又は他の空間的関係を見つけることができる。
ユーザ入力が、ファイバの曲率に対する変更の形態である場合、テンプレート設計は改変されなければならない。ソフトウェア(例えば、光感知モジュール115のもの)は、ハブのテンプレートを、その独特の曲率を探索することによって見つける。但し、テンプレート曲率を変更するボタン又は他のユーザインタフェースメカニズムが使用される場合、ソフトウェアは、最早ハブのテンプレートの場所を検出することができない。これに対応するために、テンプレート探索アルゴリズムによってカバーされないエリアにおいて、ユーザ入力を感知することができるように、テンプレートを別個の部分に細分化することができる。基本的に、ソフトウェアは、図17に見られるように、1つのみのテンプレートの代わりに、互いから一定の距離にある2つ以上のテンプレートを探索する。ユーザ入力は、今やハブと共に移動する場所でトラッキングすることができる。
類似の概念をより一般的に使用して、ファイバに沿って特定の特色を探索することができる。上記の例では、ユーザ入力の探索を制限するためにテンプレートが使用された。より一般的に、ハブ内のテンプレートは、ファイバがハブを通ってスライドする際にトラッキングすることができるため、一致したテンプレート場所を用いて、他の所望の特色の探索を制限することができる。
図17は、ガイドワイヤ管腔1708を既知の形状に変形する改変ハブの一例を提供する。テンプレートトラッキングアルゴリズムは、図17に示されるハブのテンプレートトラッキングエリア1710におけるユーザ入力探索エリア1709等の変形の部分に対してのみ実行し、変形の別の部分におけるユーザ入力(例えば、ボタン)を可能にする。このサブセクショニングは、複数回繰り返されて、複数のユーザ入力エリアを可能にすることができる。
生体構造テンプレートを用いた形状の一部の選択
図18A、図18Bは、腹部大動脈1806、腎動脈1807及び腸骨動脈1808の輪郭を描き、且つ大腿骨切開からの血管ナビゲーション中の2つの一般的なガイドワイヤ位置の一例を提供する。これらの2つの位置は、全く異なる形状及び曲率プロファイルを有する(図19に示される通り)。腸骨交差に続くガイドワイヤ1810が図18Aに示される。右腎動脈1807の挿管に続くガイドワイヤ1811が図18Bに示される。
図18Aに見られるような「腸骨交差」のテンプレート曲率プロファイルを生成することができる。このテンプレートは、次に、腸骨交差が生じたかどうかを検出するために、ライブ曲率データに対して実行することができる。それが検出されると、ファイバに沿った何れの箇所でそのテンプレートが生じたかの知識を用いて、分岐点を過ぎたファイバの部分のみをセグメント化することができる。次に、(例えば)ライブイメージングに対するレジストレーション、デバイス識別、可視化(例えば、ファイバのその部分に可視化をズームインする)、腸骨動脈と交差したガイドワイヤに関するフィードバックをオペレータに提供する、交差点を越えたデバイスに沿った測定距離の形態でフィードバックを提供し、及び特定の部分の寄与をユーザ入力としての考察から除外する(例えば、体外でのみ行うことができるものとして)ために、このセグメントを用いることができる。形状が術前又は術中画像上にオーバレイされる場合、フィードバックが不必要であり得るが、そのような画像が利用できない場合(例えば、栄養チューブ置換において)、フィードバックは有益なツールとなる。
テンプレート曲率は、以下のような様々なソースから導出することができる:
・患者特有でない特定の生体構造用の一般的テンプレート。
・(1)血管構造のCT、レントゲン写真又は他の術前若しくは術中イメージング、又は(2)以前にその位置決めを行った形状感知されるデバイス(現在使用中のものと同じもの又は異なるもの)から導出された患者特有テンプレート。
・潜在的に意味のある曲率テンプレートを探索し、及び次にオペレータに確認を促す適応アルゴリズム。従って、それは、使用されるにつれて「訓練される」ようになる。
・テンプレート形状(恐らく術前CT上にオーバレイされる)を引き出すためのユーザ入力。
形状を体内及び体外セグメントにセグメント化するテンプレートの検出
図19では、前臨床曲率データのプロットは、腸骨交差2010と右腎動脈の挿管2011との間の曲率の差を示す。
図19では、両プロットにおいて、別の形状が現れるが、その形状(テンプレート)は僅かに平行移動される(腸骨交差1910におけるノード1550のピークの形状1912から、腎臓挿管1911におけるノード1575のピークの形状1913へ)。これは、両方の位置(腸骨交差及び腎臓挿管)が同じ曲線を経験したことを示唆するが、腎臓挿管1911の形状は、それをファイバの後の地点で経験している。この場合、形状は、実際にデバイスを体内に入れるイントロデューサシースを表す。従って、ファイバに沿ってこの形状を検出するテンプレートを用いることにより、何れの箇所で各デバイスが体内に入るかを識別することが可能である。ここでは、イントロデューサテンプレート曲率が、後に腎臓挿管1911のセンサデータに現れるため、このセンサは、体内でより短い長さを有することが分かる。この情報は、形状を体内及び体外部分にセグメント化するために非常に役に立ち得る。次に、ユーザのボタン押下を探索することが必要である場合、ボタンは常に体外にあることが分かっているため、探索を体外の形状部分に限定することができる。
これらの例は全て、テンプレートに使用するための形状構成要素として曲率を使用している。しかしながら、捻れ、軸ひずみ、2D形状、3D形状等を含む任意の形状構成要素が用いられ得る。
添付の特許請求の範囲の解釈において、以下のことが理解されるものとする:
a)あるクレームにおいて、「含む」という語は、列挙されたもの以外の他の要素又は行為の存在を排除せず、
b)要素に先行する「1つの(a)」又は「1つの(an)」という語は、複数のそのような要素の存在を排除せず、
c)クレームにおける何れの参照符号も、それらの範囲を限定せず、
d)幾つかの「手段」が同一のアイテム、又はハードウェア若しくはソフトウェア実施構造若しくは機能によって表されることができ、及び
e)特に断りのない限り、行為の特定の順序が必要とされないことが意図される。
光形状感知ファイバを用いたトリガの好適な実施形態(例示的及び非限定的であることが意図される)を記載したが、上記の教示を考慮して、当業者によって変更形態及び変形形態がなされ得ることに留意されたい。従って、添付の特許請求の範囲によって概要が示される、本明細書に開示された実施形態の範囲内の変更形態が、開示された記載の特定の実施形態においてなされ得ることが理解されるものとする。このように詳細を記載し、及び特に特許法によって義務付けられるように、特許請求され且つ特許証によって保護されるべきものが添付の特許請求の範囲に記載される。
本開示は、医療機器に関し、より詳細には、医療及び他の用途においてイベントをトリガする形状感知光ファイバに関する。
光形状感知(OSS:optical shape sensing)は、1つ又は複数の光ファイバに沿った反射光を用いて形状を復元する。関連する原理は、特徴的なレイリー後方散乱又は制御グレーティングパターンを用いた光ファイバにおける分布ひずみ測定を利用する。光ファイバに沿った形状は、開始点、ホーム又は零点位置として知られているセンサに沿った特定の点で始まり、且つそれに続く形状の位置及び配向はその点に関連する。このような光ファイバの実装形態は、直径が約200ミクロンであり得、及びミリメートルレベルの精度を維持しながら、長さが最大数メートルとなり得る。
光形状感知ファイバは、広範囲の医療デバイスに組み込まれて、ライブ誘導医療処置を提供することができる。一例として、光形状感知測定を術前コンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)画像上にオーバレイして、ガイドワイヤ及びカテーテルが血管内のナビゲーションに用いられ得る。
コンピュータ支援手術(CAS:computer assisted surgery)は、神経、脊椎、及び整形外科的処置等の外科的介入中のライブナビゲーション誘導を提供する。この技術を使用する主要な整形外科的処置は、膝関節置換、股関節置換及び前十字靭帯(ACL:anterior cruciate ligament)修復を含む。CASによって提供される利点の1つは、置換インプラントの最適な位置決めに関するライブ誘導、及び関節生体力学の向上した術中確認である。CAS処置では、興味対象の骨又は生体構造のレジストレーションが共通のトラッキング座標系を提供するために必要である。このような処置において、臨床医は、トラッキングされたポインタのチップを生体構造上の特定のランドマーク(例えば隆起等の骨のランドマーク)に対して保持し、及びポインタが指定された位置にある時をソフトウェアシステムに示す。このようにして一連のランドマークが取得されると、ユーザは、ポインタを表面上に走らせ、生体構造を塗り、及び表面をトラッキング座標フレームにデジタル化し得る。これらの点は、生体構造のモデルを構築するため、既存のモデルをモーフィングするため、又は術前若しくは術中イメージングに対してレジストレーションするために使用することができる。
ユーザが医療機器を特定の位置又は配向に位置付けた時をユーザが示す複数の用途がある。例えば、整形外科におけるコンピュータ支援手術のレジストレーション中、臨床医が特定の骨のランドマークに対してポインタを保持し、及び次にマウスクリックを用いてその位置の取得をトリガする。これは、二本の手又は二人のオペレータの使用を必要とし、その何れもワークフローにとって理想的ではない。手術エリア内にマウスを所有することも、無菌環境を維持するうえで理想的ではない。
血管ナビゲーションでは、処置中にオペレータがターゲット又はリングを重要な位置に位置付けることが典型的である。これらは、処置の様々な段階において戻る注目すべき点として機能することができる。形状感知されるカテーテル又はガイドワイヤにおいて、これらのターゲット形状又は点は、ユーザによってトリガされた際に保存され得る。
本原理によれば、トリガデバイスは、光形状感知用に構成された光ファイバを含む。支持要素は、光ファイバの一部を支持するように構成される。インタフェース要素は、支持要素と関連付けられた光ファイバとインタラクトして、ファイバの特性の変化を生じさせるように構成される。感知モジュールは、光信号を解釈してファイバの特性の変化を決定し、及びそれに応じて対応するトリガ信号を生成するように構成される。
トリガシステムは、光形状感知用に構成された1つ又は複数の光ファイバと、1つ又は複数の光ファイバを含む医療機器とを含む。医療機器は、光形状感知によってトラッキングされ、及び医療機器は、1つ又は複数の光ファイバの少なくとも一部を支持するように構成された支持デバイスを形成する。インタフェース要素は、支持デバイスにおいて1つ又は複数の光ファイバとインタフェースして、1つ又は複数の光ファイバの特性の変化を生じさせるように構成される。感知モジュールは、光信号を解釈してファイバの特性の変化を決定し、及び所定量に達する場合に、それに応じてトリガ信号を生成するように構成される。
イベントをトリガする方法は、支持デバイスにおいて光ファイバの少なくとも一部を支持するステップと、支持デバイスにおいて光ファイバとインタフェースして、ファイバの特性の変化を生じさせるステップと、光信号を解釈して光ファイバの特性の変化を決定するステップと、特性が所定量だけ変化するとイベントをトリガするステップとを含む。
ファイバのある領域における曲率又は形状の変化は、ソフトウェアに対する入力又はトリガとして使用される。しかしながら、トリガが機能するために、ファイバの特定の領域をモニタリングするためのアルゴリズムが使用される。これは、ファイバがカテーテル等のデバイスに組み込まれる一部のケースにおいて実用的である。しかしながら、他のケースでは、ファイバのトリガ領域が定まっていない場合がある。例えば、ガイドワイヤの上面上をスライドすることができるクリッカーを実現することが望ましい場合、トリガを識別するために、探索領域をスライド可能なインタフェース要素、ハブ又は他の固定具の領域にのみ制限する態様が必要とされる。さもなければ、使用中にファイバ全体に沿って曲率の変化が非常に多く存在する場合があり、その信号からトリガを見つけ出すことが不可能となり得る。特定の形状イベントを探す場合、探索領域を限定することが有利である。代替的に、形状を臨床的に意味のある部分にセグメント化することも有益となり得る。
従って、本発明によれば、テンプレートベースの探索制限を用いて、センサデータをセグメント化し、及びある探索に関連するセグメントを識別することができる。テンプレートベースの探索制限は、限定されることはないが、(1)ハブのテンプレートを使用して、そのテンプレート内でのみトリガ曲率信号を探索すること、(2)生体構造テンプレートを使用して形状の一部を選択すること、及び(3)形状を体内及び体外セグメントにセグメント化するテンプレートを検出することを含む、複数の態様で適用することができる。テンプレートは、光ファイバの点、セグメント、長さ又は部分が呈する特徴的曲率、形状、応力、温度又は他の物理的特性等、展開されたセンサ光ファイバに対するセンサデータの識別可能で特定可能な空間的関係に対応するように使用することができる任意の特徴であり得る。
本開示のこれら及び他の目的、特色及び利点は、添付の図面に関連して読まれるその例示的実施形態の以下の詳細な記載から明らかとなるであろう。
本開示は、以下の図面を参照して、好適な実施形態の以下の説明を詳細に示す。
一実施形態による、形状感知光ファイバを含むトリガデバイスを示すブロック/フロー図である。
本原理による、トリガ機能を含むポインタデバイスの斜視図である。
本原理による、通常状態の光ファイバを示すためにカバーが除去された、図2Aのポインタデバイスの斜視図である。
本原理による、湾曲又はトリガ状態の光ファイバを示すためにカバーが除去された、図2Aのポインタデバイスの斜視図である。
一実施形態による、通常又はニュートラル状態の形状感知光ファイバを含む医療機器に内蔵されたトリガデバイスを示す図である。
一実施形態による、トリガ状態に撓んだ形状感知光ファイバを含む医療機器に内蔵されたトリガデバイスを示す図である。
一実施形態による、スライドボタンを用いてトリガ状態に撓んだ形状感知光ファイバを含む医療機器に内蔵されたトリガデバイスを示す図である。
一実施形態による、曲率誘起ボタンを用いた通常状態及びトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、付勢ボタンを用いた通常状態及びトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、スライドボタンを用いた通常状態及びトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、光ファイバを用いた通常状態及びトリガ状態に関する曲率(1/m)対ノード番号を示すグラフである。
一実施形態による、光ファイバを用いた通常状態とトリガ状態との間の差を示す最大曲率(1/m)対時間(フレーム番号)を示すグラフである。
一実施形態による、非トリガ状態及び体温又は他の温度変化によって起動されるトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、非トリガ状態及び圧力を光ファイバに加えるピンチ片を用いたトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、光ファイバを用いた通常状態と熱トリガ状態との間の差を示す軸ひずみ(ミクロひずみ)対ノード番号を示すグラフである。
一実施形態による、光ファイバにおける温度変化に対する応答を示す、軸ひずみ(ミクロひずみ)対時間(フレーム番号)を示すグラフである。
一実施形態による、形状テンプレートを用いた通常状態及びトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図である。
一実施形態による、形状テンプレートを用いてトリガされる光ファイバを使用した、通常状態とトリガ状態との間の差を示すx位置(mm)対ノード番号を示すグラフである。
一実施形態による、光ファイバにおける形状変化に対する応答を示す、最大絶対x位置(mm)対ノード番号を示すグラフである。
一実施形態による、力感知用のボタンを用いた通常状態及びトリガ状態を示すトリガデバイスの断面図を示す。
実施形態例による、光形状感知ファイバを用いたトリガ方法を示すフロー図である。
本原理に従って、形状感知光ファイバを用いることによってイベントをトリガするシステム及び方法が提供される。特に有用な実施形態では、医療機器が特定の場所又は配向に位置付けられている時を示すために形状感知光ファイバが用いられる。光形状感知ファイバは、ユーザ入力を提供するトリガとして使用することができる。光形状感知ファイバが、機器の形状又は位置をトラッキングするための医療機器に既に埋め込まれているか、又は取り付けられている場合、本原理は、ユーザコマンドを捕捉するために使用することができるセンサを提供する。これは、複数の態様で行うことができる。例えば、センサに沿った規定の場所における曲率の変化を識別する、センサに沿ったある場所においてセンサを用いて生成された特定の形状又はパターンをマッチングする、センサに沿ったある場所において軸ひずみ又は温度の変化を探索する、形状感知される医療デバイスと別の物体との間の力を測定する等である。ファイバにおける変化は、形状変化(例えば、曲率、形状、捻れ、配向等)又は軸ひずみの変化(例えば、温度、張力等による)と見なすことができる。
医療デバイスにワイヤ及びボタン等の追加のデバイスを加えることは、多くの例において、費用がかかり、及び扱いにくくなり得る。既にデバイスに埋め込まれた形状感知システムの光ファイバの使用は、最小限のコスト及び/又はデバイスのプロファイルに対して最小限の変化若しくは変化なしに、これらの問題の両方を解決する。光ファイバは、ユーザ入力デバイス、例えば、スイッチ、トリガ、制御装置等として用いることができる。加えて、光ファイバは、その周囲の環境に対して相互作用又は影響を有さず、特に、磁気共鳴イメージング(MRI:magnetic resonance imaging)又は他のイメージング若しくは医療手段と共に使用するのに適する。
本発明は、医療機器に関して説明されるが、本発明の教示は、はるかに広く、及び形状感知光ファイバトリガシステムの使用から恩恵を受け得る任意の機器に適用可能であることが理解されるものとする。一部の実施形態では、本原理は、複雑な生体若しくは機械系のトラッキング及び/若しくは分析を行うデバイスと共に、又はそのようなデバイスにおいて用いられる。特に、本原理は、生体系のためのデバイス及び処置、肺、胃腸管、排出器官、血管等の身体のあらゆる領域における処置に適用可能である。図面に示される要素は、ハードウェア及びソフトウェアの様々な組み合わせで実施することができ、且つ単一の要素又は複数の要素において組み合わせることができる機能を提供し得る。
図面に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア及び適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用によって提供することができる。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又は複数の個々のプロセッサ(それらの幾つかは共有され得る)によって提供することができる。また、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアのみを指すと解釈されるものではなく、及び限定されることなく、デジタル信号プロセッサ(「DSP」:digital signal processor)ハードウェア、ソフトウェアを保存するための読み出し専用メモリ(「ROM」:read-only memory)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」:random access memory)、不揮発性ストレージ等を非明示的に含み得る。
また、本発明の原理、態様及び実施形態、並びにその具体例を列挙する本発明の記載は全て、それらの構造的及び機能的均等物の両方を包含することが意図される。加えて、このような均等物は、現在知られている均等物及び将来開発される均等物(即ち、構造にかかわらず同じ機能を行う開発されたあらゆる要素)の両方を含むことが意図される。従って、例えば、本明細書に示されるブロック図が、本発明の原理を具体化する例示的システム構成要素及び/又は回路の概念図を表すことが当業者によって認識されるであろう。同様に、あらゆるフローチャート及びフロー図等は、コンピュータ可読ストレージ媒体において実質的に表され得、且つコンピュータ又はプロセッサによって(そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されるか否かにかかわらず)そのように実行され得る様々なプロセスを表すことが認識されるであろう。
更に、本発明の実施形態は、コンピュータ若しくは命令実行システムによって、又はコンピュータ若しくは命令実行システムに関連して使用するためのプログラムコードを提供するコンピュータ使用可能又はコンピュータ可読ストレージ媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクトの形態を取り得る。この説明を目的として、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又は命令実行システム、装置、若しくはデバイスに関連して使用するためのプログラムを包含、保存、通信、伝搬、又は伝送することができる任意の装置であり得る。媒体は、電子、磁気、光学式、電磁気、赤外線、又は半導体システム(又は装置若しくはデバイス)、或いは伝搬媒体であり得る。コンピュータ可読媒体の例は、半導体又は固体メモリ、磁気テープ、リムーバブルフロッピーディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク及び光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、コンパクトディスク-読み出し専用メモリ(CD-ROM:compact disk-read only memory)、コンパクトディスク-リード/ライト(CD-R/W:compact disk-read/write)、ブルーレイ(商標)及びDVDを含む。
これより、同様の数字が同一又は類似の要素を表す図面、及び最初に図1を参照して、一実施形態による、形状感知光ファイバトリガを用いたトリガ信号を生成するシステム100が例示的に示される。システム100は、それから形状感知信号が解釈されるコンソール112を含み得る。システム100は、トリガされているシステムであり得、又はトリガされるシステム、機能若しくはデバイス102と接続し得る。例として、マウスクリックがトリガイベントである。特に有用な実施形態では、本原理は、マウス又は他の形態のトリガデバイスを差し換えるために用いられ得る。本原理は、光形状感知の使用を記載するが、本原理に従って、他の形状感知技術又は他の光ファイバ構成も企図されることが理解されるものとする。
コンソール112は、好ましくは、1つ又は複数のプロセッサ114と、プログラム及びアプリケーションを保存するメモリ116とを含む。メモリ116は、形状感知デバイス又はシステムからの光フィードバック信号を解釈するように構成された光感知モジュール115を保存し得る。光感知モジュール115は、光信号フィードバック(及び他のフィードバック)を用いて、トリガデバイス105内の形状感知光ファイバ126に関連する変形、撓み、及び他の変化を復元するように構成される。トリガデバイス105は、形状感知光ファイバ126に対して形状、配向又は力を変更可能な任意の機械的機構を含み得る。ある実施形態では、トリガデバイス105は、形状感知光ファイバ126を固定するように構成された支持要素104、及びファイバ126に対して変位、捻れ、又は力を加えるように構成された機械的要素又はインタフェース要素106を含む。
形状感知システムの光ファイバ126は、トリガデバイス105内に、その上に、又はその中を通って含まれ得る。形状感知システムの1つ又は複数の光ファイバ126は、1つ又は複数の定められたパターンで、トリガデバイス105に又はトリガデバイス105内を通って結合され得る。光ファイバ126は、配線127によってコンソール112に接続する。配線127は、必要に応じて、光ファイバ、電気接続、他の器具類等を含み得る。
形状感知システムの光ファイバ126は、光ファイバブラッググレーティングセンサに基づき得る。光ファイバブラッググレーティング(FBG:fiber optic Bragg grating)は、光の特定の波長を反射し、及び他の全てを透過させる光ファイバの短いセグメントである。これは、ファイバコアに屈折率の周期的変化を加えることによって達成され、これは、特定波長誘電体ミラーを生成する。従って、ファイバブラッググレーティングは、特定の波長を阻止するインライン光フィルタとして、又は特定波長反射体として使用することができる。
ファイバブラッググレーティングの動作の背後にある基本原理は、屈折率が変化している各インタフェースにおけるフレネル反射である。一部の波長に関して、反射に対して建設的干渉が存在し、及びその結果、透過に対して破壊的干渉が存在するように、様々な期間の反射光が同相にある。ブラッグ波長は、ひずみ及び温度に対して敏感である。これは、ブラッググレーティングが光ファイバセンサにおける感知要素として使用できることを意味する。FBGセンサでは、測定量(例えば、ひずみ)は、ブラッグ波長のシフトを生じさせる。
この技術の利点の1つは、様々なセンサ要素をファイバの長さにわたって分布させ得る点である。例えば、構造に埋め込まれたファイバの長さに沿って、3つ以上のコアを様々なセンサ(ゲージ)と統合することは、このような構造の三次元形態が一般的に1mmよりも良い精度で正確に決定されることを可能にする。ファイバの長さに沿って、様々な位置で多数のFBGセンサを配置することができる(例えば3つ以上のファイバ感知コア)。各FBGのひずみ測定から、その位置における構造の曲率を推測することができる。多数の測定位置から、全体の三次元形態が決定される。OSS形状センサは、数千のノード(例えば、個々の光ファイバブラッググレーティング又はレイリー後方散乱を生じさせるゆがみ)からデータを生成することができる。特定の形状に関して、センサ全体に沿って確実にデータ中を探すことは難しい場合がある。
1つ又は複数の形状感知ファイバの他の構成が用いられ得、及び本原理の範囲内に含まれることに留意されたい。
光ファイバブラッググレーティングに対する代替例の1つとして、従来の光ファイバにおける固有の後方散乱が利用され得る。このような手法の1つは、標準的な単一モード通信ファイバにおいてレイリー散乱を用いることである。レイリー散乱は、ファイバコアにおける屈折率の不規則変動の結果生じる。これらの不規則変動は、グレーティングの長さに沿った振幅及び位相の不規則変化を有するブラッググレーティングとしてモデル化することができる。マルチコアファイバの単一の長さの範囲内で伸びる3つ以上のコアにおいてこの効果を用いることにより、興味対象の表面の3D形状及び動態を辿ることができる。他の実施形態は、異なる構造又は構成に構成された異なる数のファイバを含み得る。
ある実施形態では、コンソール112は、ユーザがコンソール112並びにその構成要素及び機能、又はシステム100内の他の要素とインタラクトすることを可能にするディスプレイ118を含み得る。これは、キーボード、マウス、ジョイスティック、触覚デバイス、又はワークステーション112からのユーザフィードバック及びワークステーション112とのインタラクションを可能にする他の周辺機器若しくは制御装置を含み得るインタフェース120によって更に容易にされる。
特に有用な実施形態では、形状感知光ファイバ126の光信号の変化は、トリガイベントとして解釈され得る。光信号は、その変化が実際に期待トリガ信号と一致することを示すために期待応答と比較される特性(例えば、軸ひずみ、形状変化等)を含み得る。モジュール115により、トリガ信号がそのようなものであると判断されると、イベントが開始される。イベントは、デバイス102を起動/停止させる(電源をオン/オフにする、又はその機能を変更する)こと、ソフトウェア機能(102又は115)を起動/停止させること、ユーザの存在の確認を提供すること、形状感知システムをテストすること等を含み得る。トリガデバイス105は、何らかの光信号の変化があり次第、モジュール115に対して、又はデバイス102に対して直接、それ自体が開始信号を提供するために用いられ得る。ある実施形態では、トリガデバイス105は、特定のユーザの識別を示すためにジェスチャーの種類及び順序を用いることができるセキュリティ機器として用いることができる。他の実施形態では、トリガデバイス105は、デバイス102の動作を開始させるイネーブル機構として機能する。デバイス102及びトリガデバイス105は、同じ機器又はアセンブリに組み込まれ得ることが理解されるものとする。加えて、複数のトリガデバイス105及び/又は複数のデバイス102が任意の組み合わせで用いられ得る。
トリガデバイス105のトリガは、1つ又は複数の変化に応答して、光形状感知ファイバ126を用いて生成することができる。変化は、例えば、曲率変化、熱変化(又は軸ひずみの変化)、形状変化等を含み得る。これらの入力は、別々に、組み合わせて、及び光形状感知ファイバ126に沿った1つ又は複数の点で使用することができる。ある実施形態では、曲率変化は、ソフトウェア、例えばモジュール115におけるアクションを生じさせるために用いられる。支持要素104は、機械的要素、ユーザの指、医療デバイス(例えば、カテーテル等)の一部、又は他の支持固定具、面若しくは材料を含み得る。インタフェース要素106は、同様に、機械的要素、ユーザの指、医療デバイスの一部等を含み得る。支持要素104及びインタフェース要素106は、ファイバ126の曲率変化を実現するように協働する。ある例では、ファイバ126を含むカテーテル又は他のデバイスが、硬い部分(支持要素104)及び柔らかい部分(インタフェース要素106)を有し得る。硬い部分に対して柔らかい部分が押し下げられると、トリガ信号又はトリガイベントを生じさせ得るファイバ126の曲率がもたらされる。別の例では、インタフェース要素106は、アクチュエータ又は他の自動制御メカニズムを含み得る。
図2A~図2Cを参照すると、ある実施形態による、形状感知光ファイバ126を含むポインティングデバイス150を示す図が示されている。図2Aでは、ポインティングデバイス150は取手156を含み、及び光ファイバ126(図2B)を保護するための、それに取り付けられたカバー157を描く。ポインタ又はファイバチップ154は、骨上の位置又は他の位置若しくは場所を示すために用いられる。チップ154が位置付けられると、ユーザは、バネ復帰ボタン158(インタフェース要素)を押し下げて、ポインタ150の位置を記録することができる。ポインタ150の位置は、光形状感知ファイバ126から、又は他の手段によって分かる。このようにして、ポインタ150と接触する面をデジタル化することができる。カバー159は、チップの動きを回避するために、ファイバ126の遠位部分を固定するように用いられ得る。
図2Bでは、ファイバ126を可視化するために、カバー157及び159が除去されて示されている。ファイバは、取手156(例えば支持要素)によって支持され、及びその通常(非湾曲)状態で示されている。図2Cでは、ボタン158は、矢印「A」の方向に押し下げられて、ファイバ126における曲率160を誘起する。この曲率160は、チップ位置をメモリに保存するストレージ機能をトリガする。
図3A~図3Cを参照すると、整形外科的処置中の医療機器202(又はポインタ150)が、膝210に対して示されている。図3Aにおいて、医療機器202内の形状感知ファイバ126が、そのニュートラル又は通常状態で示されている。図示された実施形態では、医療機器202は、ポインタの取手に組み込まれたプッシュボタン204又はスライドボタン206を備えた整形外科用ポインタを含む。ボタン204又はスライドボタン206が移動されるか、又は押し下げられると、ファイバ126の曲率が変化する。これは、同様に、ポインタへのクリップ式アタッチメント(外的に)等を用いて達成することができる。
形状感知ファイバ126は、図3Bに示されるように、ボタン204が押下されると、曲率が変形するように構成される。この実施形態では、支持要素104(図1)は医療機器202を含み、及びインタフェース要素106(図1)はボタン204を含む。図3Cでは、スライドボタン206が、ファイバ126の長さにわたって平行移動可能な押下状態を提供する。光形状感知ファイバ126は、その形状、位置及び配向を測定するために医療機器202内に埋め込まれ得る。同じ光形状感知ファイバ126がユーザ入力にも使用され得る。光形状感知ファイバ126は任意の機器で使用され得、及び医療デバイスに限定されない。
図4A~図4Cを参照すると、本原理による複数の例示的トリガデバイス構成の通常状態及び変位状態を示す異なる例示的構成が示される。図4Aでは、形状感知されるファイバ126は、ボタン304の押下中に曲率を変化させる支持デバイス又は機器302を含むように構成される。トリガ状態306は、ファイバ126を通常位置(非押下)状態308から移動させることによって達成される。図4Bは、ボタン304及びファイバ126がトリガ状態306に押下されていない時に通常位置308に戻ることを確実にするために、付勢要素310によって付勢されたボタン304及びファイバ126を示す。他の付勢要素が用いられ得る。図4Cでは、代替の動きがファイバ126に沿って曲率を平行移動させ得るスライドボタン312を含む。
図4A~図4Cは、ボタン304又はスライドボタン312が押下又は移動されると曲率の変化をもたらすように、ファイバ126をどのように構成し得るかを示す。このボタン304、312は、開始点後の形状感知ファイバ126に沿った何れかの箇所に配置され得る。例えば、ボタン304、312は、機器の取手の内部(図3A~図3Cに示されるように)又はカテーテルハブの内部にあり得る。
ボタン304、312が押下又は移動されると、(剥き出しの又は保護チューブ内の)光ファイバ126は、ボタン304、312によって、又はプランジャ等の接続デバイスによって撓む。これは、その通常の(直線の)形状における非常に低い曲率から、起動状態におけるより高い曲率への曲率の変化を生じさせる。ファイバ126が押し下げられていない時に常にその通常の直線の構成に戻ることを確実にするために、付勢要素310が含まれ得る。代替的に、曲率が常にファイバに存在し得るが、オン/オフ機能だけでなく、ポテンショメータの機能性(ユーザに段階的制御を与える能力)も提供するために、ファイバに沿って平行移動することができる(例えば、図4C)。
上記の例は、一次元のボタンの動きを記載している。これらの実装形態は、追加の次元を組み込むように更に広げることができる。例えば、サムスティック又は車のマニュアル変速レバーと同様にボタンを移動させ、且つ曲率及び/又は位置の変化に基づいて位置を検出することができ得る。これは、クリック検出器を超えて機能性を拡大し、及びメニューによるナビゲーション又はモードの切り換え等を可能にする。
豊富な入力機能性を提供するために、複数のボタン及びスイッチがデバイス102に沿って含まれ得る。個々のボタンは、異なる機能性に対応し得るか、又は他のボタンの意味を変更することができる。更に、1つのボタンは、ドックに対するデバイスの接続性を検出するために使用することができる一方で、別のボタンは、安全機構として使用することができ、ボタン304、312は、他方のボタンに関連する機能性を有効にするために切り換えられるか、又は保持される必要がある。
入力デバイスとしての光ファイバ126の他の使用は、取手又はジョイスティックにファイバ126を組み込むことを含み得、その感知位置及び配向が仮想オブジェクトを画面上で誘導するために用いられる(3D生体構造の表示等)。
図5を参照すると、ファイバの長さに沿った曲率(1/曲率半径)(1/m)対ノード番号のグラフが例示的に示される。プロット402は、光ファイバ信号の通常状態を示す。プロット404は、ボタン押下後の光ファイバ信号のトリガ状態を示す。ファイバの「通常」状態と「ボタン押下」状態との間の曲率の変化は、簡単に認識することができる。ある実験的設定において、ファイバは、それ自体がハンドヘルドポインタデバイス内に組み込まれた可撓性金属チューブ内に組み込まれた。ポインタ内のファイバの経路は、バネ復帰スライドメカニズム(又は「ボタン」)を通過する。ボタンの押し下げは、スライドメカニズムを押下方向に平行移動させ、及びファイバが局所的変形を受ける。ボタンを放すと、ボタンがその元の位置に戻され、及びメカニズムがファイバを直線の構成に引き戻す。ボタンの押下中にファイバチップが平行移動しないように、金属チューブが平行移動メカニズムに遠位で固定される。実線の黒のプロット402は、通常設定中の低曲率を示し、及び破線のプロット404は、ボタン押下中の曲率のスパイクを示す。
図6を参照すると、形状感知ファイバの一部分において測定された最大曲率(1/曲率半径)(1/m)対時間(フレーム番号で)のグラフが示される。例えば40m-1の閾値を用いることにより、最大曲率を使用して、ボタンが押し下げられた時を識別することができる。経時的な最大曲率プロット502は、最大曲率の増加と相関がある、プロット502のプラトー506に対応したバー504により、「ボタン押下」の期間を示す。
この構成では、ファイバは、変形される管腔内で浮遊している可能性が最も高い。これは、ファイバが管腔内で平行移動することによって曲率の変化による経路長の変化を吸収することを可能にする。これは、近位側がスライドすることを可能にし、その場合、ファイバのチップは、依然として既知の位置にとどまる。代替的に、ボタン押下中、チップの平行移動を考慮し、及び相殺するために較正が行われ得る。図4Cに示される例は、ファイバに沿って曲率が常に存在するため、これにも対処する。曲率は単純にその位置を変更する。
他の実施形態では、ファイバ126は、温度変化(又は軸ひずみ)を受け得る。光形状感知ファイバ126は、石英コアを用いて製造され、及び保護コーティング(例えば、アクリレート類のもの)を用いて被覆され得る。温度の変化は、石英を膨張及び収縮させ、ひずみの変化を引き起こす。光形状感知では、ファイバ126の形状を適切に復元するために、この影響が正規化される。これを行うことができる態様の1つは、ファイバの中心に又はその近くに配置された正規化中心コアの使用によるものである。コアが、ファイバの中心軸に正確に沿う場合、それは、形状変化により長さを変えず、及び主に張力又は温度によるファイバの長さの変化によって影響を受ける。
図7A及び図7Bを参照すると、形状感知されるファイバ126は、ファイバ126に加えられた温度又は張力を用いて起動される(変更される)ように構成される。ひずみ信号は、ユーザ入力として使用することができる。図7Aでは、ファイバ126に指602を当てることにより、温度の増加を引き起こすことができる。図7Bでは、ユーザによってファイバと接触するように押し込まれたピンチ片604を用いて、張力をファイバ126に加えることができる。何れの場合でも、軸ひずみの変化が例えば中心コアによって測定することができるファイバ126の全域で測定される。
図8を参照すると、ファイバに沿った軸ひずみ(ミクロひずみ)対ノード番号のグラフは、指が熱をファイバに伝達する領域702において、どのように軸ひずみが増加するかを示す。この加熱による膨張は、通常状態704と区別することができる軸ひずみの増加を引き起こす。温かい指を当てることによって引き起こされる軸ひずみの変化がトリガとして用いられ得る。通常状態(704)中の低軸ひずみは、指の押下中の温度の変化により、領域702において軸ひずみが増加する。
図9を参照すると、グラフは、ボタン押下の期間720を描写する、経時的な(フレーム番号に基づく)最大軸ひずみ(ミクロひずみ)を示す。最大軸ひずみの増加と相関したバー722は、ボタン押下の継続期間を示す。図9の900個のフレームは、データ取得の30秒とおおよそ相関する。グラフは、ファイバの関連部分で測定された最大軸ひずみが温かい指との接触中にどのように増加するか、及び接触が終了した後にそれが通常値へとゆっくりと戻る(約20秒にわたって)ことを示す。この緩速復帰は、ボタンのクリック間の時間間隔が短くなり過ぎることを防止する機構となり得る。緩速遅延時定数は、他の実施形態に示される張力の場合には予期されない。
温度変化が、安全機構として用いられ得る。例えば、ツールは、オペレータがそれを保持していることをそれが知っている時のみオンになることができる。ツールは、それが熱シグネチャも有する場合にのみ、そのボタン押下が生じることを許可するように、曲率誘起ボタン押下等の別のトリガと併せて用いられ得る。このようにして、機器を落とすこと又はそれらを他の表面にぶつけることによる偶発的トリガを回避することができる。
図10を参照すると、形状感知されるファイバ126は、ファイバ126に加えられる形状変化の形態の起動を用いるように構成される。このような実施形態では、形状自体の使用がユーザ入力のトリガとして用いられる。ボタン又は他の物体(形状テンプレート)802がファイバ126に結合され得る。押下、回転、捻れ、平行移動等による形状テンプレート802の配向の変化が入力として使用され得る。形状テンプレート802は、ボタン押下、回転式ダイヤル、レバー、スライド又は他の類似の種類の入力デバイスとして用いられ得る。
図11を参照すると、ファイバに沿ったx位置(mm)対ノード番号のグラフは、ファイバトリガを回転させることによって生じた形状の変化を示す。プロット810は、通常設定中の形状のx位置を示し、及びプロット812は、ボタン押下中の位置の変化を示す。曲率の差は、回転形状テンプレートによる形状の変化により、プロット810における通常状態と、プロット812におけるボタン押し状態との間で生じる。
図12を参照すると、ファイバに沿った最大絶対x位置(mm)対ノード番号を示すグラフは、ボタン押下の期間820を描く。ファイバに沿った最大x位置の変化と相関したバー822がボタン押下の継続期間を示す。最大絶対x位置のみを使用した経時的なプロファイルは、信号振幅において急激な上昇及び低下を示す。この情報は、他の態様で、例えば、形状のベクトル表示を使用することによって抽出することもできる。代替的に、ファイバの捻れも同様の機能のために使用することができる。この場合、ファイバは、管腔内で浮遊し得るか、又は固定され得る。浮遊の実装形態の利点は、形状テンプレートの回転中に捻れの蓄積がない点である。これは、ダイヤル又は回転実装形態において重要となり得る。
図13を参照すると、力感知は、形状感知パラメータの変化と同様に提供することができ、及びユーザ入力として用いることができる。通常状態920は、付勢機械的要素912(例えば、ボタン又は柔らかい部分等)を含み得る。トリガ状態922は、接触力を感知するために撓んだ機械的要素912を含み得る。
力感知は、医療デバイス等のデバイスに作用する力に関する情報を推測するために使用することもできる。デバイス900への組み込みにより、デバイス900の構成要素902は、例えば、ファイバ126の一部を押し、形状又は曲率の較正された変形を生じさせ得る。オン-オフタイプの入力としてボタン押下が感知される態様とほぼ同様に、類似の概念を例えば医療機器900に作用する力に適用することができる。機器のチップ又は部分904は、ボタン押下に関して上記に記載されたものと類似の機構を使用するが、ここでは、機器900と別の面906との間の接触又は力Fを感知するために使用される。バネ908の適切なバネ定数kの選択に基づいて、接触力Fは、例えばF=kx(式中、xは、ファイバ126によって測定されるバネの圧縮を表す)から推定することができる。
図13に描写される例は、ファイバ126の操作及びデバイス900の内部又はその上の適切な機械構造902により、一次元の力感知のみを超えて広げることもできる。加えて、この例は、離散力測定を提供する。全てファイバに接続されたバネのアレイを有することは、力分布図が同じ原理を用いて生成されることを可能にする。同様に、この情報に基づいてトルク測定を行うことができる。これは、ファイバ126に沿ってファイバ126の他のノードにも広げることができる。
本原理は、デバイスにおけるトリガとしての光形状感知ファイバのあらゆる使用に適用する。本原理は、特に、膝関節置換、前十字靭帯(ACL)修復、股関節置換を含む整形外科ナビゲーション、脳外科手術、及び他のそのような用途等の医療用途に関連し、及びあらゆる医療デバイス等にユーザトリガを提供することにも関連する。記載の光ファイバは、形状感知ファイバのレイリー(改良型及び標準型)並びにファイバブラッグ実装形態に適用する。
図14を参照すると、本原理による、イベントをトリガする方法が示される。ブロック950では、光ファイバの少なくとも一部が支持デバイス内に支持される。支持デバイスは、医療機器を含み得るか、又は形状感知用に構成された1つ又は複数の光ファイバを支持するように構成された任意のベースを含み得る。ブロック952では、光ファイバは、支持デバイス内でインタフェースされて(例えば、インタフェース要素を用いて)、ファイバの特性の変化を生じさせる。ファイバの特性の変化は、軸ひずみの変化又は形状変化を含み得る。形状変化は、位置変化、捻れ、配向変化、屈曲等の少なくとも1つによってもたらされ得る。光ファイバにおける軸ひずみの変化は、温度差(例えば、体温)、張力等による場合がある。これらの組み合わせも企図される。
ブロック954では、インタフェース要素は、機械的要素、身体部分、又はファイバを保持するデバイスの柔らかい領域を含み得る。機械的要素、身体部分又は柔らかい領域は、光ファイバを移動させるために用いられ得る。インタフェース要素は、光ファイバの長さに沿った撓みを平行移動させるために用いられ得る。例えば、スライダボタン、ノブ、ハブ又は他の要素が用いられ得る。ブロック958では、インタフェース要素は、付勢インタフェース要素を含み得る。インタフェース要素は、光ファイバと共に通常状態に付勢される。この付勢は、弾力材料特性等を用いてバネによって提供され得る。ブロック960では、光ファイバから受信された光信号は、光ファイバの特性の変化を決定するために解釈される。
ブロック962では、特性が所定量だけ変化すると、イベントがトリガされる。この量は、ユーザ設定の閾値を含み得る。閾値は、軸ひずみ値、曲率半径、ファイバの特定の配向、加えられた力、測定された温度、期待形状又は曲率プロファイルとの相関等を含み得る。ブロック964では、イベントをトリガするステップは、機器を起動又は停止させることを含み得る。ブロック966では、イベントをトリガするステップは、光ファイバの曲率を変更する際に、クリックをレジストレーションすることを含み得る。これは、マウスクリックに類似しているが、形状感知を用いる。ブロック968では、イベントをトリガするステップは、光ファイバの曲率を変更する際に、対象上でランドマークを配置又は記録することを含み得る。これは、ポインタデバイスの使用を含み得る。ポインタが適切な位置にある時に、ユーザはボタン等を押下し、ファイバの形状変化を誘起し、及びポインタの1つ又は複数の位置を保存する。ブロック970では、イベントをトリガするステップは、光ファイバの曲率を変化させる際に、医療デバイスの形状を保存することを含み得る。この場合、ファイバは、カテーテル又は他のデバイスと結合され得る。カテーテルの特定の位置を達成すると、カテーテルのその位置を保存することが望ましい場合がある。ユーザは、所定の位置においてカテーテルにキンクを誘起させて、メモリにカテーテルの形状を保存するイベントをトリガし得る。これは、ユーザの指を使用することを含み得るか、又はカテーテルは、トリガを可能にする柔らかいインタフェース要素を含み得る。ブロック972では、イベントをトリガするステップは、光ファイバの曲率又は軸ひずみを変更する際に、力を感知することを含み得る。
他のトリガイベント及び構成も企図される。ブロック974において、医療機器又は他のデバイスが、同じ光ファイバを用いて、光形状感知によってトラッキングされ得る。
本発明のデバイス、システム及び方法が長手方向符号化と共に有利に使用され得る。
レジストレーション用の長手方向符号化
形状感知されるガイドワイヤ及びカテーテル等の2つのデバイスが同軸の場合、一方のデバイスに関する形状情報を他方のデバイスに対して使用することができる。この使用に必要な主要なレジストレーションは、2つのデバイス間の長手方向平行移動である。このレジストレーションは、非感知デバイスに沿った特定の場所における感知デバイスの既知の形状変形を用いることによって行うことができる。形状変形は、曲率検出、軸ひずみ(加熱若しくは張力に由来)、又は2D若しくは3D形状マッチングによって検出することができる。
2015年4月9日に公開された「Device Tracking using Longitudinal Encoders」という名称の本出願人の先行同時係属出願(国際公開第2015049142号)は、この長手方向符号化の方法を広範に記載しており、その全体が本明細書に援用され、及び本明細書の一部をなす。
ハブ設計
本発明によるトリガデバイスは、ガイドワイヤ管腔を既知の形状又は曲率に形成する、管腔を備えたハブ等のインタフェース要素であり得るか、又はインタフェース要素でないことができる、可動又は固定取り付け具又は「ハブ」に組み込まれ得る。ハブ設計の多くの異なる変形形態が可能である。ガイドワイヤは、カテーテルを通って(一つの管腔を備えた)ハブを通過してもよい。
光形状感知を用いたユーザ入力
上記に説明した通り、光形状感知ファイバは、ファイバが、機器の形状又は位置をトラッキングするために医療機器に既に埋め込まれているか、又は取り付けられている場合、ユーザ入力をコンピュータに提供するトリガとして使用することができる。このユーザ入力は、例えば、3つの態様の何れか又は全てで検出することができる:(1)センサに沿った規定の場所における曲率の変化を識別する、(2)センサに沿ったある場所においてセンサを用いて生成された特定の形状又はパターンをマッチングする、又は(3)センサに沿ったある場所において、軸ひずみ又は温度の変化を探す。
図4A、図4B、図4C及び本明細書におけるこれらの図の前の説明を参照すると、ファイバは、ボタンが押下された際に曲率の変化をもたらすように構成され得る。このボタンは、開始点後の形状感知ファイバに沿った何れかの箇所に配置され得る。類似の手法が、ボタンの押下に応答してファイバが曲がる際にファイバの実際の形状の変化を測定するために使用され得る。
形状感知されるファイバは、図4Aに示されるように、ボタン押下中に曲率が変化するように構成され得る。また、図4Bに示されるように、ファイバは、それが非押下時にその通常位置に戻ることを確実にするために、バネが装備され得る。
図7A、図7Bを再度参照すると、ユーザ入力を生成するために、軸ひずみ又は温度の変化が用いられ得る。図7Aにおける指602は、温度の増加を生じさせるために、ファイバ126に当てられ得る。図7Bに示されるように、ユーザによってファイバと接触するように押し込まれるピンチ片604を用いて、張力をファイバ126に加えることができる。何れの場合でも、軸ひずみの変化は、例えばファイバの中心コアによって測定することができるファイバの全域で測定される。
例として、ナビゲーション中の3つの形状感知測定に関する曲率プロットが提供される。3つの形状が、一般的なガイドワイヤナビゲーション中の期間にわたって取得される。探索範囲を限定せずに曲率の特定の変化を見つけ出すことが困難であることが分かる。ファイバに沿って曲率の著しい変化が存在し、これは、それらの曲率変化のうちの何れが「トリガ」を表し、及びそれらのうちの何れがナビゲーション中の通常の曲率を表すかを知ることを困難又は不可能にする場合がある。トリガを見つけるためにこの曲率を狭めることは、光信号曲率又は形状データの特定のセグメントに注目することによって行われる。
システムソフトウェア(例えば、光感知モジュール115)への入力又はトリガとして使用されるファイバのある領域における曲率又は形状の変化に関して、ファイバの特定の領域をモニタリングするためのアルゴリズムが使用される。このモニタリングは、場合によっては、例えば、ファイバがカテーテル等のデバイスに組み込まれる状況において実施できる。しかしながら、他のケースでは、ファイバのトリガ領域が定まっていない場合がある。例えば、ガイドワイヤの上面上をスライドすることができるクリッカーを実現することが望ましい場合、トリガを識別するために、探索領域をハブ又は類似の固定具の領域にのみ制限する態様が必要とされる。さもなければ、使用中にファイバ全体に沿って曲率の変化が非常に多く存在する場合があり、その信号からトリガを見つけ出すことが不可能又は非常に困難である場合がある。
ハブのテンプレートを用いた、そのテンプレート内のみにおけるトリガ曲線信号の探索
ハブ又は類似の固定具の一部の設計は、ファイバの長さに沿った場所のトラッキングを可能にすることができる。その場合、システムは、ユーザ入力に関して探索すべき箇所を正確に決定することができ、ボタン又は他のユーザ入力デバイス等のインタフェース要素をハブ又は他の固定具に追加することを可能にする。
ユーザ入力が温度又は軸ひずみの変化の形態である場合、設計は、比較的単純となり得る。任意の数のボタン又は他のユーザ入力メカニズムを、ハブ又は他の固定具に追加することができ、及びソフトウェアアプリケーションは、テンプレートが光ファイバに沿ってスライドするにもかかわらず、テンプレートエリア内のユーザ入力を探索することができる。温度/軸ひずみ入力は、テンプレートの曲率に著しく影響を与えないため、ハブ又は他の固定具内のテンプレートは、これらの追加の入力装置を収容するための設計変更を必要とせず、及びソフトウェアは、依然としてテンプレートの特徴的曲率又は他の空間的関係を見つけることができる。
ユーザ入力が、ファイバの曲率に対する変更の形態である場合、テンプレート設計は改変されなければならない。ソフトウェア(例えば、光感知モジュール115のもの)は、ハブのテンプレートを、その独特の曲率を探索することによって見つける。但し、テンプレート曲率を変更するボタン又は他のユーザインタフェースメカニズムが使用される場合、ソフトウェアは、最早ハブのテンプレートの場所を検出することができない。これに対応するために、テンプレート探索アルゴリズムによってカバーされないエリアにおいて、ユーザ入力を感知することができるように、テンプレートを別個の部分に細分化することができる。基本的に、ソフトウェアは、1つのみのテンプレートの代わりに、互いから一定の距離にある2つ以上のテンプレートを探索する。ユーザ入力は、今やハブと共に移動する場所でトラッキングすることができる。
類似の概念をより一般的に使用して、ファイバに沿って特定の特色を探索することができる。上記の例では、ユーザ入力の探索を制限するためにテンプレートが使用された。より一般的に、ハブ内のテンプレートは、ファイバがハブを通ってスライドする際にトラッキングすることができるため、一致したテンプレート場所を用いて、他の所望の特色の探索を制限することができる。
例として、改変ハブは、ガイドワイヤ管腔を既知の形状に変形する。テンプレートトラッキングアルゴリズムは、ハブのテンプレートトラッキングエリアにおけるユーザ入力探索エリア等の変形の部分に対してのみ実行し、変形の別の部分におけるユーザ入力(例えば、ボタン)を可能にする。このサブセクショニングは、複数回繰り返されて、複数のユーザ入力エリアを可能にすることができる。
生体構造テンプレートを用いた形状の一部の選択
例として腹部大動脈、腎動脈及び腸骨動脈において、ガイドワイヤは、一般的に、大腿骨切開からの血管ナビゲーション中に2つのガイドワイヤ位置をとる。これらの2つの位置は、全く異なる形状及び曲率プロファイルを有する。腸骨交差に続くガイドワイヤ(第1のポジショニング)は、右腎動脈の挿管(第2のポジショニング)に続くガイドワイヤの形状及び曲率プロファイルとは異なる形状及び曲率プロファイルを持つ。
「腸骨交差」(上記第1のポジショニング)のテンプレート曲率プロファイルを生成することができる。このテンプレートは、次に、腸骨交差が生じたかどうかを検出するために、ライブ曲率データに対して実行することができる。それが検出されると、ファイバに沿った何れの箇所でそのテンプレートが生じたかの知識を用いて、分岐点を過ぎたファイバの部分のみをセグメント化することができる。次に、(例えば)ライブイメージングに対するレジストレーション、デバイス識別、可視化(例えば、ファイバのその部分に可視化をズームインする)、腸骨動脈と交差したガイドワイヤに関するフィードバックをオペレータに提供する、交差点を越えたデバイスに沿った測定距離の形態でフィードバックを提供し、及び特定の部分の寄与をユーザ入力としての考察から除外する(例えば、体外でのみ行うことができるものとして)ために、このセグメントを用いることができる。形状が術前又は術中画像上にオーバレイされる場合、フィードバックが不必要であり得るが、そのような画像が利用できない場合(例えば、栄養チューブ置換において)、フィードバックは有益なツールとなる。
テンプレート曲率は、以下のような様々なソースから導出することができる:
・患者特有でない特定の生体構造用の一般的テンプレート。
・(1)血管構造のCT、レントゲン写真又は他の術前若しくは術中イメージング、又は(2)以前にその位置決めを行った形状感知されるデバイス(現在使用中のものと同じもの又は異なるもの)から導出された患者特有テンプレート。
・潜在的に意味のある曲率テンプレートを探索し、及び次にオペレータに確認を促す適応アルゴリズム。従って、それは、使用されるにつれて「訓練される」ようになる。
・テンプレート形状(恐らく術前CT上にオーバレイされる)を引き出すためのユーザ入力。
形状を体内及び体外セグメントにセグメント化するテンプレートの検出
前臨床曲率データは、腸骨交差(第1のポジショニング)と右腎動脈の挿管(第2のポジショニング)との間の曲率の差を示すために使用できる。
別の形状がデータの両方の前臨床曲率タイプに現れてもよい。これは、両方の位置(腸骨交差及び腎臓挿管)が同じ曲線を経験したことを示唆するが、腎臓挿管の形状は、それをファイバの後の地点で経験している。この場合、形状は、実際にデバイスを体内に入れるイントロデューサシースを表す。従って、ファイバに沿ってこの形状を検出するテンプレートを用いることにより、何れの箇所で各デバイスが体内に入るかを識別することが可能である。ここでは、イントロデューサテンプレート曲率が、後に腎臓挿管のセンサデータに現れるため、このセンサは、体内でより短い長さを有することが分かる。この情報は、形状を体内及び体外部分にセグメント化するために非常に役に立ち得る。次に、ユーザのボタン押下を探索することが必要である場合、ボタンは常に体外にあることが分かっているため、探索を体外の形状部分に限定することができる。
これらの例は全て、テンプレートに使用するための形状構成要素として曲率を使用している。しかしながら、捻れ、軸ひずみ、2D形状、3D形状等を含む任意の形状構成要素が用いられ得る。
添付の特許請求の範囲の解釈において、以下のことが理解されるものとする:
a)あるクレームにおいて、「含む」という語は、列挙されたもの以外の他の要素又は行為の存在を排除せず、
b)要素に先行する「1つの(a)」又は「1つの(an)」という語は、複数のそのような要素の存在を排除せず、
c)クレームにおける何れの参照符号も、それらの範囲を限定せず、
d)幾つかの「手段」が同一のアイテム、又はハードウェア若しくはソフトウェア実施構造若しくは機能によって表されることができ、及び
e)特に断りのない限り、行為の特定の順序が必要とされないことが意図される。
光形状感知ファイバを用いたトリガの好適な実施形態(例示的及び非限定的であることが意図される)を記載したが、上記の教示を考慮して、当業者によって変更形態及び変形形態がなされ得ることに留意されたい。従って、添付の特許請求の範囲によって概要が示される、本明細書に開示された実施形態の範囲内の変更形態が、開示された記載の特定の実施形態においてなされ得ることが理解されるものとする。このように詳細を記載し、及び特に特許法によって義務付けられるように、特許請求され且つ特許証によって保護されるべきものが添付の特許請求の範囲に記載される。