JP2023049572A - 障害物検知警報システム、障害物検知警報方法、および作業機械 - Google Patents

障害物検知警報システム、障害物検知警報方法、および作業機械 Download PDF

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Abstract

【課題】作業機械の周囲にある障害物について適切に警報を発報する。【解決手段】本開示の障害物検知警報システムは、作業機械が有する上部旋回体の旋回を指示する旋回操作部と、前記作業機械の周囲にある障害物を検知する障害物検知部と、前記旋回操作部が指示した前記上部旋回体の旋回方向に、前記障害物検知部が障害物を検知した場合、警報を発する発報部とを備える。【選択図】図31

Description

本開示は、障害物検知警報システム、障害物検知警報方法、および作業機械に関する。
特許文献1には、作業機械用周辺監視装置であって、作業機械の周囲にある第1監視空間と第2監視空間のそれぞれにおける人の存否を判定する人存否判定手段と、作業機械の運転室に設置され、操作者に対する警報を出力する第1警報出力部と第2警報出力部を制御する警報制御手段と、を有し、第1監視空間に人が存在すると判定された場合に第1警報出力部から警報を出力させ、第2監視空間に人が存在すると判定された場合に第2警報出力部から警報を出力させる、作業機械用周辺監視装置が記載されている。特許文献1に記載されている装置によれば、作業機械の周囲に存在する人の位置を作業機械の操作者が直感的に把握できるようにすることができる。
特開2018-93501号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている装置では、警報を出力するか否かの判定に上部旋回体の旋回方向が考慮されていないため、例えば旋回方向と反対側に人が位置している場合等、接触等の危険性が低い場合でも不適切に警報が出力されてしまうことがあるという課題があった。
本開示は、上記事情を考慮してなされたものであり、作業機械の周囲にある障害物について適切に警報を発報することができる障害物検知警報システム、障害物検知警報方法、および作業機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本開示の障害物検知警報システムは、作業機械が有する上部旋回体の旋回を指示する旋回操作部と、前記作業機械の周囲にある障害物を検知する障害物検知部と、前記旋回操作部が指示した前記上部旋回体の旋回方向に、前記障害物検知部が障害物を検知した場合、警報を発する発報部とを備える。
また、本開示の障害物検知警報方法は、作業機械が有する上部旋回体に対する旋回操作部による旋回の指示を取得するステップと、障害物検知部による前記作業機械の周囲にある障害物の検知結果を取得するステップと、前記旋回操作部が指示した前記上部旋回体の旋回方向に、前記障害物検知部が障害物を検知した場合、警報を発するステップとを含む。
また、本開示の作業機械は、上部旋回体を有する作業機械であって、前記上部旋回体の旋回を指示する旋回操作部と、前記作業機械の周囲にある障害物を検知する障害物検知部と、前記旋回操作部が指示した前記上部旋回体の旋回方向に、前記障害物検知部が障害物を検知した場合、警報を発する発報部とを有する障害物検知警報システムを備える。
本開示の障害物検知警報システム、障害物検知警報方法、および作業機械によれば、作業機械の周囲にある障害物について適切に警報を発報することができる。
本開示の実施形態に係る作業機械の構成の概略を示す側面図である。 本開示の実施形態に係る作業機械の構成の概略を示す平面図である。 本開示の実施形態に係る作業機械の動作例を模式的に示す平面図である。 本開示の実施形態に係る運転室の構成例を模式的に示す斜視図である。 本開示の実施形態に係るスイング検知部の構成例を示す斜視図である。 本開示の実施形態に係るスイング検知部の構成例を示す斜視図である。 本開示の実施形態に係るスイング検知部の動作例を示す斜視図である。 本開示の実施形態に係るスイング検知部の動作例を示す斜視図である。 本開示の実施形態に係るスイング検知部の動作例を示す斜視図である。 本開示の実施形態に係るスイング検知部の動作例を説明するための図表である。 本開示の実施形態に係る障害物検知部の検知領域を模式的に示す平面図である。 本開示の実施形態に係る警報領域を模式的に示す平面図である。 本開示の実施形態に係る警報領域を模式的に示す平面図である。 本開示の実施形態に係る警報領域を模式的に示す平面図である。 本開示の実施形態に係る駆動システムの概略を示すシステム図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの概略を示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための図表である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための遷移図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための遷移図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための模式図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための模式図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための模式図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための模式図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための模式図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための模式図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの基本的構成例示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの基本的構成例示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの基本的構成例示すブロック図である。
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
図1は、本開示の実施形態に係る作業機械の構成の概略を示す側面図である。図2は、本開示の実施形態に係る作業機械の構成の概略を示す平面図である。図3は、本開示の実施形態に係る作業機械の動作例を模式的に示す平面図である。図4は、本開示の実施形態に係る運転室の構成例を模式的に示す斜視図である。図5~図9は、本開示の実施形態に係るスイング検知部の構成例を示す斜視図である。図10は、本開示の実施形態に係るスイング検知部の動作例を説明するための図表である。図11は、本開示の実施形態に係る障害物検知部の検知領域を模式的に示す平面図である。図12~図14は、本開示の実施形態に係る警報領域を模式的に示す平面図である。図15は、本開示の実施形態に係る駆動システムの概略を示すシステム図である。図16は、本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの概略を示すブロック図である。図17は、本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための図表である。図18~図19は、本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための遷移図である。図20~図24は、本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するためのフローチャートである。図25~図30は、本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの動作例を説明するための模式図である。図31~図33は、本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの基本的構成例示すブロック図である。
図1および図2に示すように、本実施形態においては、作業機械100にローカル座標系を設定し、ローカル座標系を参照しながら各部の位置関係について説明する。ローカル座標系において、作業機械100(上部旋回体120)の左右方向(車幅方向)に延伸する第1軸をX軸とし、作業機械100の前後方向に延伸する第2軸をY軸とし、作業機械100の上下方向に延伸する第3軸をZ軸とする。X軸とY軸とは直交する。Y軸とZ軸とは直交する。Z軸とX軸とは直交する。X軸の矢印方向は左方向であり、反対方向は右方向である。Y軸の矢印方向は前方向であり、反対方向は後方向である。Z軸の矢印方向は上方向であり、反対方向は下方向である。
(作業機械100の構成例)
図1は、実施形態に係る作業機械100の構成例を示す。作業機械100は、施工現場にて稼働し、土砂などの施工対象を施工する。実施形態に係る作業機械100は、一例として油圧ショベル(小型ショベル、ミニショベル)である。作業機械100は、下部走行体110、上部旋回体120、作業機130およびブレード150を備える。上部旋回体120は、運転室140と、障害物検知部200と、スイング検知部210とを搭載している。
下部走行体110は、作業機械100を走行可能に支持する。下部走行体110は、例えば左右一対の履帯110a(左履帯110aとも称する)および履帯110b(右履帯110bとも称する)を備える。下部走行体110は、ブレード150を上下方向に駆動可能に支持する。ブレード150は、油圧シリンダであるブレードシリンダ150Cによって駆動される。
上部旋回体120は、下部走行体110に旋回中心cの回りに旋回可能に支持される。作業機130は、油圧により駆動する。作業機130は、上部旋回体120の前部に上下方向に駆動可能に支持される。また、作業機130は、図3に示すようにピン130Pを揺動中心として左右方向にスイング可能に上部旋回体120の前部に支持される。
運転室140は、オペレータ(運転者)が搭乗し、作業機械100の操作を行うためのスペースである。運転室140は、上部旋回体120の左前部に設けられる。ここで、上部旋回体120のうち作業機130が取り付けられる部分を前部という。また、上部旋回体120について、前部を基準に、反対側の部分を後部、左側の部分を左部、右側の部分を右部という。
なお、左右それぞれの履帯110aおよび110bは、駆動輪を独立して駆動(前進および後進)させることができる。左履帯110aと右履帯110bを同時に前進させれば下部走行体110は前進し、左履帯110aと右履帯110bを同時に後進させれば下部走行体110は後進する。また、一方の履帯の駆動輪と、他方の履帯の駆動輪を互いに逆向きに駆動、例えば右履帯110bを前進させると同時に左履帯110aを後進させると、下部走行体110は、旋回中心を中心に回転することができる。このような旋回方法は超信地旋回と呼ばれる。
なお、下部走行体110を超信地旋回させた際の旋回中心と、上部旋回体120の旋回中心cを、一致させるように構成してもよいし、異ならせてもよい。
(作業機130の構成例)
図1および図2に示すように、作業機130は、ブーム131、アーム132、バケット133、ブームシリンダ131C、アームシリンダ132C、バケットシリンダ133C、および、スイングシリンダ134Cを備える。
ブーム131の基端部は、上下方向に揺動可能かつ、左右方向にスイング可能に上部旋回体120の前部に支持される。アーム132は、ブーム131とバケット133とを連結する。アーム132の基端部は、ブーム131の先端部に揺動可能に取り付けられる。バケット133は、土砂などを掘削するための刃と掘削した土砂を収容するための収容部とを備える。バケット133の基端部は、アーム132の先端部に揺動可能に取り付けられる。
ブームシリンダ131Cは、ブーム131を上下方向に作動させるための油圧シリンダである。ブームシリンダ131Cの基端部は、上部旋回体120にスイング可能に取り付けられる。ブームシリンダ131Cの先端部は、ブーム131に取り付けられる。
アームシリンダ132Cは、アーム132を駆動するための油圧シリンダである。アームシリンダ132Cの基端部は、ブーム131に取り付けられる。アームシリンダ132Cの先端部は、アーム132に取り付けられる。
バケットシリンダ133Cは、バケット133を駆動するための油圧シリンダである。バケットシリンダ133Cの基端部は、アーム132に取り付けられる。バケットシリンダ133Cの先端部は、バケット133に接続されるリンク部材に取り付けられる。
スイングシリンダ134Cは、ブーム131を左右方向にスイングさせるための油圧シリンダである。スイングシリンダ134Cの基端部は、上部旋回体120に取り付けられる。スイングシリンダ134Cの先端部は、ブーム131の基端部に取り付けられる。
(運転室140の構成例)
図4は、実施形態に係る運転室140の内部の構成例を示す。運転室140内には、運転席141、操作装置142、および入出力装置145が設けられる。
操作装置142は、オペレータの手動操作によって下部走行体110、上部旋回体120、作業機130およびブレード150を操縦するための装置である。操作装置142は、左操作レバー142LO、右操作レバー142RO、左走行レバー142LT、右走行レバー142RT、ブームスイング操作ペダル142BF、ブレード操作レバー142BL、および、PPC(Pressure Proportional Control)ロックレバー142LLを備える。
左操作レバー142LOは、運転席141の左側に設けられる。右操作レバー142ROは、運転席141の右側に設けられる。
左操作レバー142LOは、例えば、上部旋回体120の旋回動作、および、アーム132の掘削/ダンプ動作を行うための操作機構である。具体的には、作業機械100のオペレータが例えば左操作レバー142LOを前方に倒すと、アーム132がダンプ動作する。また、作業機械100のオペレータが左操作レバー142LOを後方に倒すと、アーム132が掘削動作する。また、作業機械100のオペレータが左操作レバー142LOを右方向に倒すと、上部旋回体120が右旋回する。また、作業機械100のオペレータが左操作レバー142LOを左方向に倒すと、上部旋回体120が左旋回する。なお、他の実施形態においては、左操作レバー142LOを前後方向に倒した場合に上部旋回体120が右旋回または左旋回し、左操作レバー142LOが左右方向に倒した場合にアーム132が掘削動作またはダンプ動作してもよい。また、他の実施形態においては、右操作レバー142ROを左右方向に倒した場合に上部旋回体120が左旋回または右旋回してもよい。また、これらの操作の設定は例えば入出力装置145を用いて、あるいは機械式に変更できるようにすることができる。
右操作レバー142ROは、例えば、バケット133の掘削/ダンプ動作、および、ブーム131の上げ/下げ動作を行うための操作機構である。具体的には、作業機械100のオペレータが右操作レバー142ROを前方に倒すと、ブーム131の下げ動作が実行される。また、作業機械100のオペレータが右操作レバー142ROを後方に倒すと、ブーム131の上げ動作が実行される。また、作業機械100のオペレータが右操作レバー142ROを右方向に倒すと、バケット133のダンプ動作が行われる。また、作業機械100のオペレータが右操作レバー142ROを左方向に倒すと、バケット133の掘削動作が行われる。なお、他の実施形態においては、右操作レバー142ROを前後方向に倒した場合に、バケット133がダンプ動作または掘削動作し、右操作レバー142ROを左右方向に倒した場合にブーム131が上げ動作または下げ動作してもよい。
左走行レバー142LTは、運転席141の前方左側に配置される。右走行レバー142RTは、運転席141の前方右側に配置される。左走行レバー142LTは、下部走行体110の左履帯110aの回転駆動に対応する。具体的には、作業機械100のオペレータが左走行レバー142LTを前方に倒すと、左履帯110aは前進方向に回転する。また、作業機械100のオペレータが左走行レバー142LTを後方に倒すと、左履帯110aは後進方向に回転する。
右走行レバー142RTは、下部走行体110の右履帯110bの回転駆動に対応する。具体的には、作業機械100のオペレータが右走行レバー142RTを前方に倒すと、右履帯110bは前進方向に回転する。また、作業機械100の右走行レバー142RTを後方に倒すと、右履帯110bは後進方向に回転する。
ブームスイング操作ペダル142BFは、作業機130(ブーム131)のスイング駆動に対応する。例えば、作業機械100のオペレータがブームスイング操作ペダル142BFを左方向に倒すと作業機130が左方向にスイングする。オペレータがブームスイング操作ペダル142BFを右方向に倒すと作業機130が右方向にスイングする。
ブレード操作レバー142BLは、ブレード150の駆動に対応する。例えば、例えば、作業機械100のオペレータがブレード操作レバー142BLを前方に倒すと、ブレード150は下がる。また、ブレード操作レバー142BLを後方に倒すと、ブレード150は上がる。
PPCロックレバー142LLは、オペレータの操作によってロックされたりロックが解除されたりする。PPCロックレバー142LLがロックされると、操作装置142のPPCロックレバー142LLを除く他のレバーやペダル等による操作が無効化される。PPCロックレバー142LLのロックが解除されると、操作装置142による操作が有効となる。
なお、本実施形態において、操作装置142が有する各レバーやペダルは、後述する制御弁303のスプールを動かすためのパイロット圧を制御するための弁から、各レバーやペダルの操作ストロークに応じた圧力で作動油を出力させる機能を有する。ただし、他の実施形態では、操作装置142が有するレバーやペダルが、電気信号を出力し、外部の制御装置によって制御弁を制御する構成であってもよい。また、左操作レバー142LOまたは右操作レバー142ROが、旋回操作部の一構成例である。左走行レバー142LTおよび右走行レバー142RTが、走行操作部の一構成例である。
入出力装置145は、作業機械100が有する複数の機能に係る情報を表示したり、各種指示操作を入力したり、警報音を発報したり、警報信号を表示したりする装置である。入出力装置145は、ディスプレイ145Dを備える。ディスプレイ145Dは、例えばタッチパネル等から構成される。また、入出力装置145は、警報音を発報する警報ブザー145Bを備える。なお、ディスプレイ145Dと警報ブザー145Bは別置きであってもよい。
(スイング検知部210の構成例)
スイング検知部210は、図5~図9に示すように、2つの近接スイッチ(1)211および近接スイッチ(2)212と、近接部材213とを備える。図5、図7~図9は、カバー210Cが被った状態を示し、図6は、カバー210Cを外した状態を示す。図5~図7は、作業機130が前方を向いた状態(図3のスイング位置が中立(の中央)の状態)であり、図8は作業機130が左にスイングした状態であり、図9は作業機130が右にスイングした状態である。近接スイッチ(1)211および近接スイッチ(2)212は、中立位置において左右方向に互いに所定距離離間して作業機130側の端部に固定される。中立位置において、近接スイッチ(1)211は右側に配置され、近接スイッチ(2)212は左側に配置される。近接部材213は、図7に示すように、作業機130の中立位置において近接スイッチ(1)211の検出面211sと近接スイッチ(2)212の検出面212sの両方に近接して対向する形状を有し、上部旋回体120の前方に固定される。図7に示すように、作業機130が中立位置にある場合は、近接スイッチ(1)211の検出面211sと近接スイッチ(2)212の検出面212sの両方が近接部材213と対向(近接)するので、近接スイッチ(1)211と近接スイッチ(2)212の両方がオンする。また、図8に示すように、作業機130が左にスイングした状態では、近接スイッチ(2)212の検出面212sのみが近接部材213と対向(近接)するので、近接スイッチ(2)212がオンし、近接スイッチ(1)211がオフする。また、図9に示すように、作業機130が右にスイングした状態では、近接スイッチ(1)211の検出面211sのみが近接部材213と対向(近接)するので、近接スイッチ(1)211がオンし、近接スイッチ(2)212がオフする。
図10は、スイング検知部210の動作とスイング位置の関係を示す。近接スイッチ(1)211がオンし、かつ、近接スイッチ(2)212がオフした場合、スイング位置は右である。近接スイッチ(1)211がオンし、かつ、近接スイッチ(2)212がオンした場合、スイング位置は中立である。近接スイッチ(1)211がオフし、かつ、近接スイッチ(2)212がオンした場合、スイング位置は左である。
本実施形態のスイング検知部210は、作業機130が右にスイングしている状態、中立状態および左にスイングした状態で、オン・オフ状態が異なる複数の(この例では2個の)近接スイッチ(1)211および(2)212の出力に基づいて作業機130が、右にスイングしているのか、中立状態なのか、左にスイングしているのかを検知する。この場合、複数の近接スイッチ(1)211および(2)212の配置と、近接部材213の形状を変化させることで、中立状態として検知される角度を容易に調節することができる。
なお、近接スイッチの個数は3以上の複数としてもよい。また、近接スイッチを上部旋回体120に固定して、近接部材213を作業機130に固定してもよい。
(障害物検知部200の構成例)
上部旋回体120には、障害物検知部200として、作業機械100の周囲を障害物(検知対象物)を検知する複数のミリ波レーダー(右方レーダー201、左方レーダー202、および後方レーダー203)が設けられる。障害物検知部200は、右方レーダー201、左方レーダー202、および後方レーダー203を備える。右方レーダー201、左方レーダー202、および後方レーダー203は、例えば左右75度、上下5度で所定の距離内の検知領域内に位置する検知対象物(人や作業用構造物等)の角度と距離と速度を検知して、検知結果を出力する。検知対象物の検知数は0個以上である。なお、検知領域の角度等は一例である。障害物検知部200は、例えば3以上の複数のレーダーを備えていてもよい。図11は、右方レーダー201、左方レーダー202、および後方レーダー203の検知領域201s、202sおよび203sの例を示す。
(警報領域の構成例)
本実施形態では、障害物検知部200の検知領域(検知領域201s、202sおよび203s)の範囲内において、4つの警報領域A1、A2、A3およびA4を設定し、上部旋回体120の旋回操作状態、作業機130のスイング位置、および、作業機械100の走行状態等に応じて、警報領域A1およびA2の広さを変化させたり、警報領域A1、A2、A3およびA4内に障害物が検知された場合に警報を行ったり、あるいは警報を行わなかったりする制御を行う。また、本実施形態では、警報領域A1およびA2内に、警報レベル1の警報を行う領域と、警報レベル2の警報を行う領域とを設定し、警報レベル1の警報と警報レベル2の警報を切り替える制御を行う。警報レベル2は、警報レベル1より緊迫している状態であることを示す態様(例えば警報音を断続させる周期や周波数、警報音の音量を変化させた状態)で警報を発報する。
図12~図14を参照して、警報領域A1、A2、A3およびA4と、警報レベル1の警報を行う領域と、警報レベル2の警報を行う領域の設定例について説明する。図12に示すように、警報領域A1は、上部旋回体120に対して右側に位置する警報領域であり、警報領域A1内に検知対象物が存在している場合に上部旋回体120を右旋回したとき接触等の発生のおそれが想定される領域である。また、警報領域A2は、上部旋回体120に対して左側に位置する警報領域であり、警報領域A2内に検知対象物が存在している場合に上部旋回体120を左旋回したとき接触等の発生のおそれが想定される領域である。
また、警報領域A1は、図12に示すように作業機130のスイング位置が中立である場合の警報領域A1aと、図13に示すように作業機130のスイング位置が右である場合の警報領域A1bのいずれかの範囲で設定される。警報領域A1bは、警報領域A1aから、作業機130が位置する可能性がある領域(障害物検知部200により作業機130が障害物として誤検知される可能性がある領域)を除いた領域であり、警報領域A1aより狭い領域である。また、警報領域A1(警報領域A1aまたはA1b)には、作業機130からの距離に応じて、2点鎖線で区分して示す警報レベル2の領域と警報レベル1の領域が設定される。
また、警報領域A2は、図12に示すように作業機130のスイング位置が中立である場合の警報領域A2aと、図14に示すように作業機130のスイング位置が左である場合の警報領域A2bのいずれかの範囲で設定される。警報領域A2bは、警報領域A2aから、作業機130が位置する可能性がある領域を除いた領域であり、警報領域A2aより狭い領域である。また、警報領域A2(警報領域A2a)には、作業機130からの距離に応じて、2点鎖線で区分して示す警報レベル2の領域と警報レベル1の領域が設定される。また、警報領域A2(警報領域A2b)は、すべて警報レベル2であると設定される。
また、警報領域A3と警報領域A4は、図12に示すように、ともに上部旋回体120の後方に設定される警報領域であり、警報領域A3の方が警報領域A4より範囲が広い。警報領域A3は、作業機械100が走行中に有効となる警報領域である。警報領域A4は、作業機械100が走行停止中に有効となる警報領域である。図12に示す例では、警報領域A3と警報領域A4の左右方向の大きさは等しく、前後方向の大きさが警報領域A3の方が大きく、また、警報領域A3と警報領域A4の前方向の端部は一致し、上部旋回体120の端部に一致またはほぼ一致している。本実施形態の作業機械100は、上部旋回体120が旋回した状態であっても、警報領域A3と警報領域A4は下部走行体110の方向に影響されない。すなわち、警報領域A3と警報領域A4は作業機械100が走行状態(あるいは走行可能状態)にある場合、上部旋回体120に対して常に後方に位置することになる。また、警報領域A3においては、検知対象物が作業機械100に対して近づく速度と、検知対象物と作業機械100との距離とをパラメータとして、警報レベル1と警報レベル2が決定される。また、警報領域A4においても、同様に、検知対象物が作業機械100に対して近づく速度と、検知対象物と作業機械100との距離とをパラメータとして、警報レベル1と警報レベル2が決定される。
(駆動システムの概略)
図15は、本開示の実施形態に係る駆動システムの概略を示す。図15に示すように、作業機械100は、駆動システムの構成要素として、駆動源300と、油圧ポンプ301と、作動油タンク302と、制御弁303と、旋回モータ304と、走行モータ305と、油圧回転ジョイント306とを備える。
駆動源300は、作業機械100を作動させるための駆動力を発生する。駆動源300として、内燃機関や電動機が例示される。油圧ポンプ301は、駆動源300によって駆動され、作動油を吐出する。油圧ポンプ301から吐出された作動油の少なくとも一部は、制御弁303を介して、ブームシリンダ131C、アームシリンダ132C、バケットシリンダ133C、スイングシリンダ134C、旋回モータ304および走行モータ305のそれぞれに供給される。制御弁303は、操作装置142の操作状態に応じて、油圧ポンプ301からブームシリンダ131C、アームシリンダ132C、バケットシリンダ133C、スイングシリンダ134C、旋回モータ304および、油圧回転ジョイント306を介して走行モータ305のそれぞれに供給される作動油の流量および方向を制御する。
なお、センサ部400は、複数のPPC圧力センサ、スイッチ等を有し、操作装置142の操作状態を検知して、検知結果を出力する。
(障害物検知警報システムの構成例)
図16は、本開示の実施形態に係る障害物検知警報システムの概略を示す。図16に示す障害物検知警報システム600は、障害物検知警報装置500を備える。障害物検知警報装置500は、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)等のコンピュータと、コンピュータの周辺回路や周辺装置等のハードウェアを用いて構成することができる。そして、障害物検知警報装置500は、ハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせから構成される機能的構成として、障害物検知結果取得部501と、センサ検知結果取得部502と、スイング検知結果取得部503と、発報部504とを備える。
なお、障害物検知警報装置500は、PLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を用いて構成されていてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
また、例えば、障害物検知警報装置500は、作業機械100に搭載されていてもよいし、作業機械100と遠隔に設けられた遠隔操作室に設けられた構成としてもよい。
また、図16に示す例では、図15を参照して概略を説明したセンサ部400が、PPCロックレバースイッチ401と、走行PPC圧力センサ402と、右旋回PPC圧力センサ403と、左旋回PPC圧力センサ404とを備える。PPCロックレバースイッチ401は、PPCロックレバー142LLがロックされた状態か解除された状態かを検出し、検出結果をオン・オフ信号として出力する。走行PPC圧力センサ402は、右走行レバー142RTおよび左走行レバー142LTにて走行を指示する操作がなされた場合に、出力をオンし、走行を指示する操作が停止(あるいは解除)された場合に出力をオフする。右旋回PPC圧力センサ403は、左操作レバー142LOまたは右操作レバー142ROにて上部旋回体120の右旋回を指示する操作がなされた場合に、出力をオンし、右旋回を指示する操作が停止(あるいは解除)された場合に出力をオフする。左旋回PPC圧力センサ404は、左操作レバー142LOまたは右操作レバー142ROにて上部旋回体120の左旋回を指示する操作がなされた場合に、出力をオンし、左旋回を指示する操作が停止(あるいは解除)された場合に出力をオフする。なお、センサ部400の出力は、直接、障害物検知警報装置500へ送信されてもよいし、他のコントローラを介して送信されてもよい。
障害物検知警報装置500において、障害物検知結果取得部501は、障害物検知部200における検知結果を繰り返し所定の周期で取得する。
センサ検知結果取得部502は、センサ部400における検知結果を繰り返し所定の周期で取得する。
スイング検知結果取得部503は、スイング検知部210における検知結果を繰り返し所定の周期で取得する。
発報部504は、障害物検知結果取得部501と、センサ検知結果取得部502と、スイング検知結果取得部503とが取得した情報に基づいて、以下で説明するようにして、どの警報領域を有効とするか否かの判定処理、警報を発報するか否かの判定処理、警報を発報する場合に警報レベル2と警報レベル1のどちらの警報態様で警報を発報するかの判定処理等を行う。
(障害物検知警報装置500の動作例)
図17は、発報部504による各警報領域A1~A4の有効/無効の判定結果と、PPCロックレバースイッチ401、走行PPC圧力センサ402、右旋回PPC圧力センサ403、および、左旋回PPC圧力センサ404のオン・オフ(あるいは解除・ロック)の状態の組み合わせとの対応関係を示す。また、図17は、各対応関係における車体の挙動(上部旋回体120を右旋回しているのか否か、左旋回しているのか否か、走行しているのか否か)を合わせて示す。例えば、走行PPC圧力センサ402、右旋回PPC圧力センサ403、および、左旋回PPC圧力センサ404がいずれもオフの場合、警報領域A4のみが有効となり、警報領域A4で障害物が検知されたときに警報が発報される。他の警報領域A1~A3で障害物が検知されたとしても警報は発報されない。
図18は、図17に示す警報領域の有効/無効の判定処理の流れを状態遷移図として示す。また、図19は、警報領域A1およびA2について、警報領域A1を警報領域A1aと警報領域A1bのどちらにするのかの判定処理の流れと、警報領域A2を警報領域A2aと警報領域A2bのどちらにするのかの判定処理の流れを、状態遷移図として示す。
図18に示す状態遷移図は、初期状態の状態ST0と、状態ST1~ST8とを含む。初期状態ST0は、駆動源稼働前の状態であり、駆動源稼働によって状態ST1に遷移する。状態ST1は、PPCロックレバー142LLがロックされた状態であり、警報領域A1~A4はすべて無効である。PPCロックレバー142LLのロックが解除されると、状態ST3へ遷移する。なお、状態ST2は、状態ST3~ST8を含み、状態ST3~ST8のいずれかの状態で、PPCロックレバー142LLのロックがなされると、状態ST1へ状態が遷移する。
状態ST3は、警報領域A4のみが有効となる状態である。状態ST4は、警報領域A2と警報領域A4が有効となる状態である。状態ST5は、警報領域A1と警報領域A4が有効となる状態である。状態ST6は、警報領域A1と警報領域A3が有効となる状態である。状態ST7は、警報領域A3が有効となる状態である。状態ST8は、警報領域A2と警報領域A3が有効となる状態である。
状態ST3で走行PPC(圧力センサ)がオンとなると状態ST7へ遷移する。状態ST3で右旋回PPC(圧力センサ)がオンとなると状態ST5へ遷移する。状態ST3で左旋回PPC(圧力センサ)がオンとなると状態ST4へ遷移する。
状態ST4で走行PPC(圧力センサ)がオンとなると状態ST8へ遷移する。状態ST4で左旋回PPC(圧力センサ)がオフとなると状態ST3へ遷移する。
状態ST5で走行PPC(圧力センサ)がオンとなると状態ST6へ遷移する。状態ST5で右旋回PPC(圧力センサ)がオフとなると状態ST3へ遷移する。
状態ST6で走行PPC(圧力センサ)がオフとなると状態ST5へ遷移する。状態ST6で右旋回PPC(圧力センサ)がオフとなると状態ST7へ遷移する。
状態ST7で走行PPC(圧力センサ)がオフとなると状態ST3へ遷移する。状態ST7で右旋回PPC(圧力センサ)がオンとなると状態ST6へ遷移する。状態ST7で左旋回PPC(圧力センサ)がオンとなると状態ST8へ遷移する。
状態ST8で走行PPC(圧力センサ)がオフとなると状態ST4へ遷移する。状態ST8で右旋回PPC(圧力センサ)がオフとなると状態ST7へ遷移する。
図19に示す状態遷移図は、状態ST11~ST13を含む。状態ST11は、スイング位置が中立の場合の状態である。状態ST11では、警報領域A1は警報領域A1aであり、警報領域A2は警報領域A2aである。状態ST12では、警報領域A1は警報領域A1aであり、警報領域A2は警報領域A2bである。状態ST13では、警報領域A1は警報領域A1bであり、警報領域A2は警報領域A2aである。状態ST11でブームスイング位置が右になると状態ST13へ遷移する。状態ST13でブームスイング位置が中立になると状態ST11へ遷移する。状態ST11でブームスイング位置が左になると状態ST12へ遷移する。状態ST12でブームスイング位置が中立になると状態ST11へ遷移する。
次に、図20~図24に示すフローチャートを参照して、障害物検知警報装置500の動作例について説明する。図20は、ここで説明する動作例のメインフローである。図20に示す処理は、駆動源稼働中、PPCロックレバー142LLがロックが解除された状態で、所定の周期で繰り返し実行される。
図20に示す処理が開始されると、障害物検知警報装置500は、障害物検知部の検知結果を取得し(ステップS101)、センサ部の検知結果を取得し(ステップS102)、スイング方向の検知結果を取得し(ステップS103)、警報レベル1検知状態と警報レベル2検知状態を解除する(ステップS104)。次に、障害物検知警報装置500(発報部504)は、警報切替・判定処理を実行する(ステップS105)。ステップS105では、発報部504が、図21に示す警報切替・判定処理を実行する。ステップS105の警報切替・判定処理では、警報レベル1検知状態なのか、警報レベル2検知状態なのか、あるいは、どちらでもないのかという、検知状態が設定される。
発報部504は、ステップS105の後、警報レベル2検知状態か否かを判定し(ステップS106)、警報レベル2検知状態の場合(ステップS106:Yes)、警報レベル2の警報を発報して(ステップS107)、図20に示す処理を終了する。一方、警報レベル2検知状態でない場合(ステップS106:No)、発報部504は、警報レベル1検知状態か否かを判定し(ステップS108)、警報レベル1検知状態の場合(ステップS108:Yes)、警報レベル1の警報を発報して(ステップS109)、図20に示す処理を終了する。他方、警報レベル1検知状態でない場合(ステップS108:No)、発報部504は、図20に示す処理を終了する。
次に、図21を参照して、図20のステップS105で実行される警報切替・判定処理について説明する。図21に示す処理は、発報部504によって実行される。
発報部504は、まず、全ての検知領域に対して警報判定を行う(ステップS201)。検知領域は以下の6種類あり、ステップS201では、それぞれ警報レベル1領域と警報レベル2領域内外の判定を行う(検知領域:警報領域A1a、A1b、A2a、A2b、A3、およびA4)。発報部504は、警報領域A1a、A1b、A2a、A2b、A3、およびA4毎に、障害物が1以上検知されているか否かと、警報レベル1に該当するのか否かと、警報レベル2に該当するのか否かとを判定する。
次に、発報部504は、警報判定結果のマスク処理(警報領域A1a、A1b)(ステップS202)、警報判定結果のマスク処理(警報領域A2a、A2b)(ステップS203)、および、警報判定結果のマスク処理(警報領域A3、A4)(ステップS204)を実行する。発報部504は、ステップS202~S204において、各検知領域に対して、警報判定結果のマスク(警報無効化)処理を行う。
ステップS202の警報判定結果のマスク処理(警報領域A1a、A1b)では、図22に示すように、発報部504は、まず、右旋回PPCセンサがオフか否かを判定する(ステップS301)。右旋回PPCセンサがオフの場合(ステップS301:Yes)、発報部504は、警報領域A1aとA1bをマスクして(ステップS302)、図22に示す処理を終了する。右旋回PPCセンサがオンの場合(ステップS301:No)、発報部504は、ブームスイング位置が右か否かを判定する(ステップS303)。ブームスイング位置が右の場合(ステップS303:Yes)、発報部504は、警報領域A1aをマスクして(ステップS304)、図22に示す処理を終了する。ブームスイング位置が右でない場合(ステップS303:No)、発報部504は、警報領域A1bをマスクして(ステップS305)、図22に示す処理を終了する。
なお、ステップS302が実行される条件は、上部旋回体120の旋回が停止か左である。また、ステップS304が実行される条件は、上部旋回体120の旋回が右で、ブームスイング位置が右である。また、ステップS305が実行される条件は、上部旋回体120の旋回が右で、ブームスイング位置が中立か左である。
ステップS203の警報判定結果のマスク処理(警報領域A2a、A2b)では、図23に示すように、発報部504は、まず、左旋回PPCセンサがオフか否かを判定する(ステップS401)。左旋回PPCセンサがオフの場合(ステップS401:Yes)、発報部504は、警報領域A2aとA2bをマスクして(ステップS402)、図23に示す処理を終了する。左旋回PPCセンサがオンの場合(ステップS401:No)、発報部504は、ブームスイング位置が左か否かを判定する(ステップS403)。ブームスイング位置が左の場合(ステップS403:Yes)、発報部504は、警報領域A2aをマスクして(ステップS404)、図23に示す処理を終了する。ブームスイング位置が左でない場合(ステップS403:No)、発報部504は、警報領域A2bをマスクして(ステップS405)、図23に示す処理を終了する。
なお、ステップS402が実行される条件は、上部旋回体120の旋回が停止か右である。また、ステップS404が実行される条件は、上部旋回体120の旋回が左で、ブームスイング位置が左である。また、ステップS405が実行される条件は、上部旋回体120の旋回が左で、ブームスイング位置が中立か右である。
ステップS204の警報判定結果のマスク処理(警報領域A3、A4)では、図24に示すように、発報部504は、まず、走行PPCセンサがオフか否かを判定する(ステップS501)。走行PPCセンサがオフの場合(ステップS501:Yes)、発報部504は、警報領域A3をマスクして(ステップS502)、図24に示す処理を終了する。走行PPCセンサがオンの場合(ステップS501:No)、発報部504は、警報領域A4をマスクして(ステップS503)、図24に示す処理を終了する。
なお、ステップS502が実行される条件は、作業機械100が走行停止中である。また、ステップS503が実行される条件は、作業機械100が走行中である。
図21に示すステップS204の処理が終了すると、発報部504は、ステップS205~ステップS213の処理を全ての検知領域(警報領域A1a、A1b、A2a、A2b、A3、およびA4)に対して実行する。ステップS205~ステップS213の処理は、それぞれの検知領域をチェックするためのループ処理である。ループ処理では、発報部504は、まず、警報が有効な検知領域(マスクされていない検知領域)であるか否かを判定する(ステップS206)。警報が有効な検知領域でない場合(ステップS206:No)、発報部504は、次の検知領域に対するループ処理を行う(S213)。
警報が有効な検知領域である場合(ステップS206:Yes)、発報部504は、処理中の警報領域が警報領域A3であるか否かを判定する(ステップS207)。警報領域A3である場合(ステップS207:Yes)、発報部504は、検知された障害物がすべて遠ざかる障害物であるか否かを判定する(ステップS208)。ステップS208では、障害物の速度ベクトルのY軸方向がパラメータで設定した所定の値以上か否かを判定することで、障害物が遠ざかる障害物であるか否かを判定する。
検知された障害物がひとつでも遠ざかる障害物でない場合(ステップS208:No)、または、警報領域A3でない場合(ステップS207:No)、発報部504は、警報レベル1を検知したか否かを判定し(ステップS209)、検知した場合には(ステップS209:Yes)、警報レベル1検知状態を設定する(ステップS210)。
検知された障害物がすべて遠ざかる障害物である場合(ステップS208:Yes)、または、警報レベル1を検知していなかった場合(ステップS209:No)、または、ステップS210を実行後、発報部504は、警報レベル2を検知したか否かを判定し(ステップS211)、検知した場合には(ステップS211:Yes)、警報レベル2検知状態を設定する(ステップS212)。
警報レベル2を検知していなかった場合(ステップS211:No)、または、ステップS212を実行後、発報部504は、次の検知領域に対するループ処理を行う(S213)。
以上の処理では、警報領域3については、近づく障害物がある場合にのみ警報レベル1検知状態が設定され、すべて遠ざかる障害物である場合には警報レベル2の検知状態のみが設定可能となる。
以上の処理によって、障害物検知警報装置500において、発報部504は、障害物検知結果取得部501と、センサ検知結果取得部502と、スイング検知結果取得部503とが取得した情報に基づいて、どの警報領域を有効とするか否かの判定処理、警報を発報するか否かの判定処理、警報を発報する場合に警報レベル2と警報レベル1のどちらの警報態様で警報を発報するかの判定処理を行うことができる。
(具体的動作例)
次に、図25~図30を参照して、障害物検知警報システム600の具体的動作例について説明する。図25は、上部旋回体120の右旋回中に、警報領域A1に人H1が検知された例である。この場合、障害物検知警報システム600は、警報レベル1または警報レベル2の警報を発報する。図26は、上部旋回体120の右旋回中に、警報領域A1では障害物が検知されず、警報領域A2で人H2が検知された例である。この場合、障害物検知警報システム600は、警報を発報しない。図27は、上部旋回体120の旋回停止中に、警報領域A1で人H3が検知された例である。この場合、障害物検知警報システム600は、警報を発報しない。
図28は、作業機械100の非走行時に、警報領域A4で人H4が検知された例である。この場合、障害物検知警報システム600は、警報レベル1または警報レベル2の警報を発報する。図29は、作業機械100の走行時に、警報領域A3で人H5が検知された例である。この場合、障害物検知警報システム600は、警報レベル1または警報レベル2の警報を発報する。図30は、作業機械100の非走行時に、警報領域A3で人H6が検知された例である。この場合、障害物検知警報システム600は、警報を発報しない。
(障害物検知警報システム600の基本的構成例)
次に、上述した障害物検知警報システム600の基本的構成例(最少構成例)について説明する。上述した障害物検知警報システム600は、図31に示す障害物検知警報システム601、図32に示す障害物検知警報システム602、または、図33に示す障害物検知警報システム603として把握することができる。
図31に示す障害物検知警報システム601は、作業機械100が有する上部旋回体120の旋回を指示する旋回操作部611(左操作レバー142LOまたは右操作レバー142ROに対応する構成)と、作業機械100の周囲にある障害物を検知する障害物検知部200と、旋回操作部611が指示した上部旋回体120の旋回方向に、障害物検知部200が障害物を検知した場合、警報を発する発報部504とを備える。なお、発報部504は、旋回操作部611が上部旋回体120の旋回の指示を停止した場合、警報の発報を停止する。また、発報部504は、作業機械100が有する作業機130と、障害物検知部200が検知した障害物との距離に応じて、警報の発報態様を変化させる。
図32に示す障害物検知警報システム602は、作業機械100の周囲にある障害物を検知する障害物検知部200と、作業機械100が走行している場合に障害物検知部200が第1警報領域(警報領域A3)で障害物を検知したときに警報を発し、作業機械100が停止している場合に障害物検知部200が第1警報領域より狭い第2警報領域(警報領域A4)で障害物を検知したときに警報を発する発報部504とを備える。また、障害物検知警報システム602は、作業機械100が有する下部走行体110を操作する走行操作部621(左走行レバー142LTおよび右走行レバー142RTに対応する構成)をさらに備え、発報部504は、走行操作部621が下部走行体110の停止を指示した場合、警報の発報を停止する。また、発報部504は、作業機械100と障害物検知部2 00が検知した障害物との距離と作業機械100と障害物との相対速度とに応じて、警報の発報態様を変化させる。
図33に示す障害物検知警報システム603は、スイング可能な作業機130を有する作業機械100の周囲にある障害物を検知する障害物検知部200と、作業機130がスイングしている場合に障害物検知部が第1警報領域(警報領域A1b、A2b)で障害物を検知したときに警報を発し、作業機130がスイングしていない場合に障害物検知部200が第1警報領域より広い第2警報領域(警報領域A1a、A2a)で障害物を検知したときに警報を発する発報部504とを備える。なお、発報部504は、作業機械100が有する作業機130と、障害物検知部200が検知した障害物との距離に応じて、警報の発報態様を変化させる。また、発報部504は、作業機130が右にスイングしている状態、中立状態および左にスイングした状態で、オン・オフ状態が異なる複数の近接スイッチ(近接スイッチ(1)211および近接スイッチ(2)212)の出力に基づいて作業機130がスイングしているか否かを判定する。
(作用・効果)
本開示の障害物検知警報システム、障害物検知警報方法、および作業機械によれば、作業機械の周囲にある障害物について適切に警報を発報することができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して説明してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上記実施形態でコンピュータが実行するプログラムの一部または全部は、コンピュータ読取可能な記録媒体や通信回線を介して頒布することができる。
例えば、障害物検知部200は、ミリ波レーダーに限らず、ライダー、カメラ等を用いて(あるいはミリ波レーダーと組み合わせて)構成してもよい。また、警報領域の形状は、半円状あるいは矩形状にかぎらず、任意の形状とすることができる。
100…作業機械、110…下部走行体、120…上部旋回体、130…作業機、200…障害物検知部、210…スイング検知部、211…近接スイッチ(1)、212…近接スイッチ(2)、500…障害物検知警報装置、504…発報部、600、601、602、603…障害物検知警報システム、611…旋回操作部、621…走行操作部

Claims (5)

  1. 作業機械が有する上部旋回体の旋回を指示する旋回操作部と、
    前記作業機械の周囲にある障害物を検知する障害物検知部と、
    前記旋回操作部が指示した前記上部旋回体の旋回方向に、前記障害物検知部が障害物を検知した場合、警報を発する発報部と
    を備える障害物検知警報システム。
  2. 前記発報部は、前記旋回操作部が前記上部旋回体の旋回の指示を停止した場合、前記警報の発報を停止する
    請求項1に記載の障害物検知警報システム。
  3. 前記発報部は、前記作業機械が有する作業機と、前記障害物検知部が検知した障害物との距離に応じて、前記警報の発報態様を変化させる
    請求項1または2に記載の障害物検知警報システム。
  4. 作業機械が有する上部旋回体に対する旋回操作部による旋回の指示を取得するステップと、
    障害物検知部による前記作業機械の周囲にある障害物の検知結果を取得するステップと、
    前記旋回操作部が指示した前記上部旋回体の旋回方向に、前記障害物検知部が障害物を検知した場合、警報を発するステップと
    を含む障害物検知警報方法。
  5. 上部旋回体を有する作業機械であって、
    前記上部旋回体の旋回を指示する旋回操作部と、
    前記作業機械の周囲にある障害物を検知する障害物検知部と、
    前記旋回操作部が指示した前記上部旋回体の旋回方向に、前記障害物検知部が障害物を検知した場合、警報を発する発報部と
    を有する障害物検知警報システム
    を備える作業機械。
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